[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による情報処理装置及び情報処理方法について図1乃至図9を用いて説明する。
まず、本実施形態による情報処理装置の構成について図1乃至図3を用いて説明する。図1は、本実施形態による情報処理装置を用いたPOSシステムを示す概略図である。図2は、本実施形態による情報処理装置及び顧客携帯端末の構成を示すブロック図である。図3は、本実施形態による情報処理装置における店舗言語情報の例、及び顧客携帯端末における顧客言語情報の例を示す概略図である。
本実施形態による情報処理装置は、商品を販売する店舗に導入されたPOSシステムにおけるPOS装置として用いられる。図1に示すように、店舗1には、POSシステム2が構築されて導入されている。POSシステム2は、本実施形態による情報処理装置10と、店舗サーバ20と、ネットワークカメラ30とを含んでいる。情報処理装置10、店舗サーバ20及びネットワークカメラ30は、例えばLAN(Local Area Network)であるネットワーク40に接続されている。一方、店舗1において買物を行う顧客Cは、顧客携帯端末50を所持して携帯している。
POS装置として機能する情報処理装置10は、店舗1のレジカウンタ上に設置されている。なお、情報処理装置10の台数は、特に限定されるものではなく、店舗1の規模等に応じて、1台又は複数台設置することができる。
情報処理装置10は、商品の売り上げ登録機能、会計機能、商品情報登録機能、在庫管理機能等を有するPOSアプリケーションプログラムがインストールされている。情報処理装置10は、その操作者である店員Sにより操作され、顧客Cが購入する商品の会計処理を実行する。
情報処理装置10は、例えば、第1タッチパネル102と、第2タッチパネル104とを有する2画面のPOS装置として構成されている。第1タッチパネル102は、店員Sに対して操作画面等を表示し、また、店員Sによるタッチ入力を受け付けるオペレータディスプレイとして機能する。第2タッチパネル104は、顧客Cに対して会計画面等を表示し、また、必要に応じて顧客Cによるタッチ入力を受け付けるカスタマディスプレイとして機能する。
さらに、情報処理装置10は、外国人の顧客Cにも対応すること可能な多言語対応のPOS装置である。すなわち、情報処理装置10は、複数の言語で、カスタマディスプレイとして機能する第2タッチパネル104において顧客Cに向けた情報である顧客向け情報の表示を行うことが可能である。第2タッチパネル104において顧客向け情報を表示可能な複数の言語は、当該情報処理装置10が設置された国で使用される公用語、及び当該国以外の複数の国で使用される複数の外国語を含んでいる。なお、ここにいう「国」は「地域」を含みうる。
情報処理装置10には、POS装置を構成する周辺機器として、例えば、コードスキャナ132、非接触IC(Integrated Circuit)リーダライタ134、プリンタ136、キャッシュドロア138等が接続されている。
店舗サーバ20は、例えば、店舗1で販売される商品情報の管理、販売データの集計、売り上げの管理、在庫の管理等を行い、POSシステム2の運用を管理するPOSサーバである。店舗サーバ20は、例えば、店舗1のバックヤードに設置されている。店舗サーバ20は、POS装置として用いられる情報処理装置10で用いられる商品情報等のデータを管理する。
ネットワークカメラ30は、情報処理装置10が設置されたレジカウンタ及びその周辺を撮影して、撮影場所に関する画像情報及び音声情報を取得する。これにより、ネットワークカメラ30は、レジカウンタにて会計処理を受ける顧客Cの顔画像に関する顔画像情報を取得することができる。また、ネットワークカメラ30は、その顧客Cの音声に関する音声情報を取得することができる。ネットワーク40により取得された顔画像情報又は音声情報は、顧客Cの言語を推定するために用いられる。顔画像情報又は音声情報を用いた顧客Cの言語の推定は、第2実施形態において説明する。
顧客Cが所持して携帯する顧客携帯端末50は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話等の携帯情報機器である。顧客携帯端末50は、情報処理装置10と無線通信可能な一又は複数の無線通信機能を有している。
図2は、情報処理装置10及び顧客携帯端末50のハードウェア構成の一例を示している。なお、情報処理装置10及び顧客携帯端末50のハードウェア構成は、図2に示す構成に限定されるものではなく、種々の構成を採用することができる。
図2に示すように、情報処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)106と、RAM(Random Access Memory)108と、ストレージ110とを有している。また、情報処理装置10は、有線通信部112と、無線通信部114と、第1タッチパネル102と、第2タッチパネル104と、タッチパネルコントローラ116と、外部I/F部118とを有している。CPU106、RAM108、ストレージ110、有線通信部112、無線通信部114、タッチパネルコントローラ116及び外部I/F部118は、バスライン120に接続されている。
外部I/F部118には、周辺機器として、コードスキャナ132、非接触ICリーダライタ134、プリンタ136、キャッシュドロア138が接続されている。
CPU106は、ストレージ110に記憶されたプログラムを実行することにより動作し、情報処理装置10全体の動作を制御する制御部として機能する。また、CPU106は、ストレージ110に記憶されたPOSアプリケーションプログラムを実行して、POS装置としての各種処理を実行する。これにより、CPU106は、店舗1において顧客Cの会計を処理する会計処理部等として機能する。RAM108は、CPU106の動作に必要なメモリ領域を提供する。
ストレージ110は、不揮発性メモリ、ハードディスクドライブ等の記憶媒体により構成され、記憶部として機能する。ストレージ110は、CPU106により実行されるプログラム、そのプログラムの実行の際にCPU106により参照されるデータ等を記憶する。
また、ストレージ110は、第2タッチパネル104において顧客向け情報を表示可能な複数の言語のそれぞれについて、顧客向け情報を表示するための表示用データを記憶している。CPU106は、後述するようにして決定された使用言語の表示用データを用いて、第2タッチパネル104において顧客向け情報を表示することができる。
また、ストレージ110は、店舗1で使用可能な言語に関する情報である店舗言語情報を記憶している。店舗言語情報は、店舗1で使用可能な言語である複数の店舗言語と、複数の店舗言語の優先順位を示す店舗言語優先順位とを含んでいる。複数の店舗言語は、第2タッチパネル104において顧客向け情報を表示可能な複数の言語の一部又は全部であり、店員Sの母語、母国語、第二外国語、第三外国語等の店員Sが使用しうる言語を含む。店舗言語の数は、特に限定されるものではなく、店員Sの言語能力等に応じて適宜設定することができる。
店舗言語情報に含まれる複数の店舗言語及び店舗言語優先順位は、例えば、第2タッチパネル104において表示された顧客向け情報に関して店員Sと顧客Cとの間で会話が発生した場合に備えて、店員Sの言語能力に応じて店員Sごとに設定することができる。このため、情報処理装置10での処理を担当する店員Sが複数存在する場合、ストレージ110は、店舗言語情報を店員Sごとに記憶することができる。店舗言語優先順位は、店員Sの店舗言語の習熟度等に応じて店員Sごとに設定することができる。
なお、店舗言語優先順位が最も高い店舗言語は、当該情報処理装置10が設置された国で使用される公用語に設定されるのが通常である。
図3(a)は、ストレージ110に記憶された店舗言語情報の一例を示している。図3(a)に示すように、店舗言語情報は、複数の店舗言語と、各店舗言語に関連付けられた店舗言語優先順位とを含んで構成されている。図示する例において、最も高い店舗言語優先順位は「日本語」の「1」であり、店舗言語優先順位の数字が大きくなるほど優先順位が低くなり、最も低い店舗言語優先順位は「イタリア語」の「4」である。
情報処理装置10において、CPU106は、顧客Cに対して使用する言語である使用言語、具体的には第2タッチパネル104において顧客向け情報を表示する言語である使用言語を決定する決定部として機能する。また、CPU106は、顧客Cの顧客携帯端末50から、顧客Cが使用可能な言語に関する情報である後述の顧客言語情報を取得する情報取得部として機能する。CPU106は、ストレージ110に記憶された店舗言語情報、及び顧客Cの顧客携帯端末50から無線で取得した顧客言語情報に基づき、顧客Cに対して使用する使用言語を決定する。
有線通信部112は、ネットワーク40に接続され、CPU106による制御に従って、ネットワーク40を介して店舗サーバ20等の外部機器との間のデータの送受信を行う。
無線通信部114は、CPU106による制御に従って、顧客Cの顧客携帯端末50等と無線通信を行うことができる。無線通信部114の通信方式は、特に限定されるものではないが、例えば、Wi−Fi(登録商標)等の無線LAN方式、Bluetooth(登録商標)通信方式、NFC(Near Field Communication)方式、赤外線通信方式等が挙げられる。
第1タッチパネル102は、店員Sに対して情報を表示する店員用表示部としてのオペレータディスプレイである。第1タッチパネル102は、表示画面を有する表示部として機能するとともに、表示画面に対するタッチ入力を受け付ける入力部として機能する。第1タッチパネル102の表示は、表示制御部として機能するCPU106により制御される。
第1タッチパネル102は、情報処理装置10において起動されたPOSアプリケーションプログラムの画面を表示して、店員Sに対して種々の情報を表示する。店員Sは、第1タッチパネル102の表示画面に対するタッチ入力により、POSアプリケーションプログラムを操作することができる。なお、情報処理装置10は、店員Sによる入力を受け付ける入力部として、第1タッチパネル102のほか、プログラマブルキーボードその他のキーボード等の入力装置を有していてもよい。
第2タッチパネル104は、顧客Cに対して情報を表示する顧客用表示部としてのカスタマディスプレイである。第2タッチパネル104は、表示画面を有する表示部として機能するとともに、表示画面に対するタッチ入力を受け付ける入力部として機能する。第2タッチパネル104の表示は、表示制御部として機能するCPU106により制御される。
第2タッチパネル104は、顧客Cに対して会計情報等の各種の情報を表示画面に表示する。第2タッチパネル104に表示される会計情報は、例えば、会計処理を行う商品の名称、商品の数量、販売金額、値引き金額、合計金額、税額、受領金額、釣銭金額等である。第2タッチパネル104は、顧客Cに対して広告、宣伝、イベント等に関する情報を表示することもできる。また、顧客Cは、第2タッチパネル104の表示画面に対するタッチ入力により、必要に応じて情報を入力することができる。
また、第2タッチパネル104は、後述するように顧客Cに対して顧客向け情報を使用言語で表示画面に表示する。
第1タッチパネル102及び第2タッチパネル104は、それぞれ特に限定されるものではなく、種々のディスプレイにより構成することができる。例えば、第1タッチパネル102及び第2タッチパネル104は、液晶ディスプレイ、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ、VFD(Vacuum Fluorescent Display)等により構成されている。
なお、第1タッチパネル102及び第2タッチパネル104の両方又はいずれか一方に代えて、タッチ入力機能を有しない上記に例示のディスプレイその他のディスプレイを用いることもできる。
タッチパネルコントローラ116は、CPU106による制御に従って、第1タッチパネル102の表示画面に対する表示を制御するとともに、第1タッチパネル102の表示画面に対するタッチ入力を監視して、タッチ入力による入力データを取得する。また、タッチパネルコントローラ116は、CPU106による制御に従って、第2タッチパネル104の表示画面に対する表示を制御するとともに、第2タッチパネル104の表示画面に対するタッチ入力を監視して、タッチ入力による入力データを取得する。CPU106は、タッチパネルコントローラ116を介して、第1タッチパネル102及び第2タッチパネル104の表示を制御する表示制御部として機能する。
外部I/F部118は、CPU106による制御に従って、コードスキャナ132、非接触ICリーダライタ134、プリンタ136、キャッシュドロア138との間のデータの送受信を制御する。CPU106は、外部I/F部118に接続されたコードスキャナ132、非接触ICリーダライタ134、プリンタ136、キャッシュドロア138を制御することができる。
コードスキャナ132は、CPU106による制御に従って動作し、会計処理を実行すべき商品等に付されたコードシンボルを読み取る。コードシンボルとしては、特に限定されるものではないが、例えば、バーコード等の一次元コード、QRコード(登録商標)等の二次元コード等が挙げられる。
非接触ICリーダライタ134は、CPU106による制御に従って動作し、顧客Cのスマートフォン等の機器又はカード等の媒体が有する非接触ICチップから、支払のためのクレジットカード情報、電子マネーカード情報を取得する。
プリンタ136は、CPU106による制御に従って動作し、レシート等を印字して出力する。
キャッシュドロア138は、CPU106による動作に従って動作し、現金決済のための現金の授受の際に、硬貨、紙幣等を保管するドロアを開放する。
なお、情報処理装置10には、必要に応じて、上記コードスキャナ132等以外の周辺機器を接続して動作させることができる。
こうして、店舗1に設置された情報処理装置10が構成されている。
顧客携帯端末50は、図2に示すように、CPU502と、RAM504と、ストレージ506とを有している。また、顧客携帯端末50は、第1無線通信部508と、第2無線通信部510と、タッチパネル512と、タッチパネルコントローラ514とを有している。CPU502、RAM504、ストレージ506、第1無線通信部508、第2無線通信部510及びタッチパネルコントローラ514は、バスライン516に接続されている。
CPU502は、ストレージ506に記憶されたプログラムを実行することにより動作し、顧客携帯端末50全体の動作を制御する制御部として機能する。また、CPU502は、ストレージ506に記憶されたアプリケーションプログラムを実行して、顧客携帯端末としての各種処理を実行する。RAM504は、CPU502の動作に必要なメモリ領域を提供する。
ストレージ506は、不揮発性メモリ、ハードディスクドライブ等の記憶媒体により構成され、記憶部として機能する。ストレージ506は、CPU502により実行されるプログラム、そのプログラムの実行の際にCPU502により参照されるデータ等を記憶する。
また、ストレージ506は、顧客Cが使用可能な言語に関する顧客言語情報を記憶している。顧客言語情報は、顧客Cが使用可能な言語である一又は複数の顧客言語と、一又は複数の顧客言語の優先順位を示す顧客言語優先順位とを含んでいる。顧客Cが使用可能な言語が単一の場合は、顧客言語優先順位はその顧客言語の1位のみである。顧客言語の数は、特に限定されるものではなく、顧客Cの言語能力等に応じて適宜設定することができる。
顧客Cは、例えば、顧客携帯端末50にインストールされたアプリケーションプログラムを通じて、自己が使用可能な顧客言語として、母語、母国語、第二外国語、第三外国語等を顧客言語優先順位とともにストレージ506に記憶させることができる。顧客Cは、自己の顧客言語の習熟度等に応じて、顧客言語優先順位を設定することができる。
図3(b)は、ストレージ506に記憶された顧客言語情報の一例を示している。図3(b)に示すように、顧客言語情報は、複数の顧客言語と、各顧客言語に関連付けられた顧客言語優先順位とを含んで構成されている。図示する例において、最も高い顧客言語優先順位は「イタリア語」の「1」であり、顧客言語優先順位の数字が大きくなるほど優先順位が低くなり、最も低い顧客言語優先順位は「スペイン語」の「3」である。
なお、説明の便宜上、図3(b)では顧客言語を「日本語」で表記しているが、顧客Cは、顧客携帯端末50の言語設定で設定した言語を用いて、顧客言語を含む顧客言語情報を設定することができる。例えば、図3(b)に示す顧客言語情報を顧客携帯端末50に設定した顧客Cは、顧客言語優先順位が最も高い「イタリア語」を母語、母国語等の第一言語とする者である。この場合、顧客Cは、例えば、顧客携帯端末50の言語設定で「イタリア語」を設定しており、顧客携帯端末50において「イタリア語」で顧客言語情報を設定することができる。ただし、顧客Cの第一言語と、顧客携帯端末50の言語設定で顧客Cが設定した言語とが互いに一致していない場合もありうる。すなわち、顧客Cが、顧客携帯端末50の言語設定で、自己の第一言語以外の他の使用可能な言語を設定していることもある。例えば、「イタリア語」を第一言語とする顧客Cが、顧客携帯端末50の言語設定で「フランス語」を設定している場合がありうる。
情報処理装置10において、CPU106は、情報取得部として機能し、情報処理装置10の無線通信部114と顧客携帯端末50の第2無線通信部510との間の無線通信を介して、顧客Cの顧客携帯端末50から顧客言語情報を無線で取得する。
第1無線通信部508は、CPU502による制御に従って、移動体通信網に接続して無線通信を行う。第1無線通信部508の通信方式は、特に限定されるものではないが、例えば、第3世代移動通信方式、LTE(Long Term Evolution)方式、第4世代移動通信方式等が挙げられる。
第2無線通信部510は、CPU502による制御に従って、情報処理装置10等と無線通信を行うことができる。第2無線通信部510の通信方式は、特に限定されるものではないが、例えば、Wi−Fi(登録商標)等の無線LAN方式、Bluetooth(登録商標)通信方式、NFC(Near Field Communication)方式、赤外線通信方式等が挙げられる。
タッチパネル512は、表示画面を有する表示部として機能するとともに、表示画面に対するタッチ入力を受け付ける入力部として機能するディスプレイである。タッチパネル512は、顧客携帯端末50において起動されたアプリケーションプログラムの画面を表示して、顧客Cに対して種々の情報を表示する。顧客Cは、タッチパネル512の表示画面に対するタッチ入力により、アプリケーションプログラムを操作することができる。
タッチパネル512は、特に限定されるものではなく、種々のディスプレイにより構成することができる。例えば、タッチパネル512は、液晶ディスプレイ、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ等により構成されている。
タッチパネルコントローラ116は、CPU502による制御に従って、タッチパネル512の表示画面に対する表示を制御するとともに、タッチパネル512の表示画面に対するタッチ入力を監視して、タッチ入力による入力データを取得する。
こうして、顧客Cが携帯する顧客携帯端末50が構成されている。
本実施形態による情報処理装置10は、店舗1で使用可能な店舗言語に関する店舗言語情報、及び顧客Cが使用可能な顧客言語に関する顧客言語情報に基づき、顧客Cに対して顧客向け情報を表示するために使用する使用言語を決定する。すなわち、本実施形態による情報処理装置10は、店舗言語及び店舗言語優先順位、並びに顧客言語及び顧客言語優先順位に基づき、顧客Cに対して使用する使用言語を決定する。これにより、顧客Cが外国人である場合であっても、外国人の顧客Cが使用可能で、しかも店舗1で使用可能な言語を使用言語として決定することができる。したがって、本実施形態によれば、外国人の顧客Cについて円滑に会計処理を実行することができる。
以下、本実施形態による情報処理装置10における使用言語の決定動作についてさらに図4乃至図9を用いて説明する。図4は、本実施形態による情報処理装置10における使用言語の決定動作を示すフローチャートである。図5乃至図9は、本実施形態による情報処理装置の第2タッチパネル104の表示画面例を示す概略図である。情報処理装置10における使用言語の決定動作が行われることにより、本実施形態による情報処理方法が実行される。
商品を購入しようとする顧客Cがレジカウンタの前に来ると、店員Sは、情報処理装置10を操作する。これにより、店員Sは、顧客Cについて、商品の登録、代金の計算等を行う会計処理を開始する。
会計処理を開始するに際して、図4に示すように、情報処理装置10のCPU106は、ストレージ110に記憶された店舗言語情報を取得する(ステップS102)。なお、CPU106は、例えば、レジカウンタを担当する店員Sのシフト表に示される勤務スケジュール等に応じて、当該時間帯を担当する店員Sに応じた店舗言語情報を予め取得しておいてもよい。
次いで、CPU106は、無線通信部114と顧客携帯端末50の第2無線通信部510との間の無線通信を介して、顧客Cの顧客携帯端末50から、顧客言語情報を無線で取得することを試みる(ステップS104)。この際、情報処理装置10のCPU106は、無線通信部114を介して、顧客言語情報の要求を顧客携帯端末50に送信する。顧客携帯端末50のCPU502は、第2無線通信部510を介して、情報処理装置10から送信された顧客言語情報の要求を受信する。顧客携帯端末50のCPU502は、ストレージ506に顧客言語情報が記憶されていれば、第2無線通信部510を介して、顧客言語情報を情報処理装置10に送信する。情報処理装置10のCPU106は、無線通信部114を介して、顧客携帯端末50から送信された顧客言語情報を受信して取得する。こうして、CPU106は、顧客Cが所持する顧客携帯端末50から無線で顧客言語情報を取得することができる。
顧客言語情報を取得できない場合(ステップS106、NO)、CPU106は、初期設定の言語を、第2タッチパネル104において顧客向け情報を表示する言語である使用言語として決定する(ステップS112)。初期設定の言語としては、例えば、店舗言語優先順位が最も高い店舗言語を用いることができる。
一方、顧客言語情報を取得できた場合(ステップS106、YES)、CPU106は、取得した店舗言語情報及び顧客言語情報に基づき、店舗言語と顧客言語とが合致する共通言語があるか否かを判定する(ステップS108)。CPU106は、例えば、次の第1の判定方法又は第2の判定方法に従って、共通言語があるか否かを判定することができる。
第1の判定方法は、店舗言語を基準にして判定を行う方法である。第1の判定方法では、CPU106が、店舗言語優先順位の高い店舗言語から低い店舗言語の順に、当該店舗言語と合致する顧客言語があるか否かを判定することにより、共通言語があるか否かを判定する。この場合、CPU106は、各店舗言語について、顧客言語優先順位の高い顧客言語から低い顧客言語の順に顧客言語と合致するか否かを順次判定する。続いて、CPU106は、顧客言語と合致する店舗言語があれば共通言語があると判定し、顧客言語と合致する店舗言語がなければ共通言語がないと判定する。この結果、CPU106は、顧客言語と合致した店舗言語が1つであれば、当該店舗言語を共通言語として決定する。また、CPU106は、顧客言語と合致した店舗言語が複数であれば、顧客言語と合致した複数の店舗言語のうち、店舗言語優先順位が最も高い店舗言語を共通言語として決定する。また、CPU106は、最初に共通言語があると判定した時点で判定を終了することもできる。
具体的には、図3(a)及び図3(b)にそれぞれ示す店舗言語情報及び顧客言語情報について、第1の判定方法を用いて判定を行う場合を考える。
この場合、CPU106は、まず、店舗言語優先順位が最も高い店舗言語の「日本語」について、顧客言語優先順位に従って、顧客言語の「イタリア語」、「フランス語」及び「スペイン語」と合致するか否かを順次判定する。この結果、CPU106は、店舗言語の「日本語」について、合致する顧客言語がないと判定する。
続いて、CPU106は、店舗言語優先順位が2番目に高い店舗言語の「英語」について、顧客言語優先順位に従って、顧客言語の「イタリア語」、「フランス語」及び「スペイン語」と合致するか否かを順次判定する。この結果、CPU106は、店舗言語の「英語」について、合致する顧客言語がないと判定する。
続いて、CPU106は、店舗言語優先順位が3番目に高い店舗言語の「フランス語」について、顧客言語優先順位に従って、顧客言語の「イタリア語」、「フランス語」及び「スペイン語」と合致するか否かを順次判定する。この結果、CPU106は、店舗言語の「フランス語」について、顧客言語優先順位が2番目に高い顧客言語の「フランス語」と合致すると判定する。
続いて、CPU106は、店舗言語優先順位が4番目に高い店舗言語の「イタリア語」について、顧客言語優先順位に従って、顧客言語の「イタリア語」、「フランス語」及び「スペイン語」と合致するか否かを順次判定する。この結果、CPU106は、店舗言語の「イタリア語」について、顧客言語優先順位が最も高い「イタリア語」と合致すると判定する。
続いて、CPU106は、それぞれ顧客言語と合致した店舗言語の「フランス語」及び「イタリア語」のうち、店舗言語優先順位が最も高い「フランス語」を共通言語として決定する。
また、第2の判定方法は、顧客言語を基準にして判定を行う方法である。第2の判定方法では、CPU106が、顧客言語優先順位の高い顧客言語から低い顧客言語の順に、当該顧客言語と合致する店舗言語があるか否かを判定することにより、共通言語があるか否かを判定する。この場合、CPU106は、各顧客言語について、店舗言語優先順位の高い店舗言語から低い店舗言語の順に店舗言語と合致するか否かを順次判定する。続いて、CPU106は、店舗言語と合致する顧客言語があれば共通言語があると判定し、店舗言語と合致する顧客言語がなければ共通言語がないと判定する。この結果、CPU106は、店舗言語と合致した顧客言語が1つであれば、当該顧客言語を共通言語として決定する。また、CPU106は、店舗言語と合致した顧客言語が複数であれば、店舗言語と合致した複数の顧客言語のうち、顧客言語優先順位が最も高い顧客言語を共通言語として決定する。また、CPU106は、最初に共通言語があると判定した時点で判定を終了することもできる。
具体的には、図3(a)及び図3(b)にそれぞれ示す店舗言語情報及び顧客言語情報について、第2の判定方法を用いて判定を行う場合を考える。
この場合、CPU106は、まず、顧客言語優先順位が最も高い顧客言語の「イタリア語」について、店舗言語優先順位に従って、店舗言語の「日本語」、「英語」、「フランス語」及び「イタリア語」と合致するか否かを順次判定する。この結果、CPU106は、顧客言語の「イタリア語」について、店舗言語優先順位が4番目に高い店舗言語の「イタリア語」と合致すると判定する。
続いて、CPU106は、顧客言語優先順位が2番目に高い顧客言語の「フランス語」について、店舗言語優先順位に従って、店舗言語の「日本語」、「英語」、「フランス語」及び「イタリア語」と合致するか否かを順次判定する。この結果、CPU106は、顧客言語の「フランス語」について、店舗言語優先順位が3番目に高い店舗言語の「フランス語」と合致すると判定する。
続いて、CPU106は、顧客言語優先順位が3番目に高い顧客言語の「スペイン語」について、店舗言語優先順位に従って、店舗言語の「日本語」、「英語」、「フランス語」及び「イタリア語」と合致するか否かを順次判定する。この結果、CPU106は、顧客言語の「スペイン語」について、合致する店舗言語がないと判定する。
続いて、CPU106は、それぞれ店舗言語と合致した顧客言語の「イタリア語」及び「フランス語」のうち、顧客言語優先順位が最も高い「イタリア語」を共通言語として決定する。
なお、第1の判定方法及び第2の判定方法のいずれにおいても、CPU106は、店舗言語と顧客言語とが合致した複数の言語のうち、例えば、店舗言語優先順位の値と顧客言語優先順位の値との合計値が最も小さい言語を共通言語として決定することもできる。また、合計値が同じ場合は、いずれかの言語を共通言語として決定することができる。例えば、図3(a)及び図3(b)にそれぞれ示す店舗言語情報及び顧客言語情報の場合、店舗言語と顧客言語とが合致した「フランス語」は、店舗言語優先順位が「3」であり、顧客言語優先順位が「2」である。したがって、「フランス語」は、店舗言語優先順位の値と顧客言語優先順位の値との合計値が「5」である。一方、店舗言語と顧客言語とが合致した「イタリア語」は、店舗言語優先順位が「4」であり、顧客言語優先順位が「1」である。したがって、「イタリア語」も、店舗言語優先順位の値と顧客言語優先順位の値との合計値は「5」である。したがって、この場合は、合計値が同じであるため、「フランス語」及び「イタリア語」のいずれか一方を共通言語として決定することができる。
また、CPU106は、店舗言語と顧客言語とが合致した複数の言語のうちのいずれかの言語を共通言語として決定するに際して、種々の要素を考慮することができる。例えば、CPU106は、店舗1において過去に決定した使用言語の決定実績、政府観光局等により提供されるインバウンドの動向を示す統計情報等の種々の要素を考慮することができる。例えば、店舗言語と顧客言語とが合致した複数の言語のうち、店舗1における使用言語としての過去の決定実績が最も高い言語を共通言語として決定することができる。
また、第1の判定方法及び第2の判定方法のいずれにおいても、判定を行う言語の順序は、適宜変更することができる。また、複数の言語について順次判定を行うことに代えて、複数の言語について同時に又は並行して判定を行うこともできる。
また、店舗言語を基準とする第1の判定方法及び顧客言語を基準とする第2の判定方法のいずれの方法を採用するかについては、例えば、業務効率を優先するか、顧客満足を優先するか等の価値判断に基づき、店舗1において決定することができる。
上述のようにして共通言語がある判定すると(ステップS108、YES)、CPU106は、共通言語を、第2タッチパネル104において顧客向け情報を表示する言語である使用言語として決定する(ステップS110)。
一方、共通言語がないと判定すると(ステップS108、NO)、CPU106は、顧客言語情報を取得できない場合(ステップS106、NO)と同様に、初期設定の言語を使用言語として決定する(ステップS112)。
上述のようにステップS110又はステップS112で使用言語を決定した後、CPU106は、タッチパネルコントローラ116を制御して、第2タッチパネル104において顧客向け情報を使用言語で表示する(ステップS114)。
なお、CPU106は、顧客Cにとって重要度の高い顧客向け情報については、決定した使用言語でのみならず、顧客言語優先順位が最も高い顧客言語で第2タッチパネル104において表示することもできる。顧客Cにとって重要度の高い顧客向け情報は、例えば、食品に含まれるアレルギー成分に関する情報、商品の安全性に関する情報等の顧客Cの生命、身体又は財産に影響を与えうる情報である。
上述のようにして決定された使用言語で表示する顧客向け情報としては、特に限定されるものではなく、種々の情報が例示される。図5乃至図9は、それぞれ使用言語として決定されたフランス語で顧客向け情報を表示する第2タッチパネル104の表示画面例を示している。
例えば、顧客向け情報としては、会計処理の際に表示される購入商品の名称が挙げられる。また、例えば、顧客向け情報として、会計処理の際に表示される、代金合計額を示す「合計」、顧客Cから支払われた現金の金額を示す「お預かり(現金)」、お釣りの金額を示す「お釣り」、消費税等の税金の金額を示す「税額」等の金額の項目等が挙げられる。上述のように使用言語がフランス語に決定された場合、例えば、図5に示すように、第2タッチパネル104において、会計処理の際に表示される「合計」、「現金」及び「お釣り」の各項目がフランス語で表示される。
また、例えば、顧客向け情報として、店員Sが顧客Cに対して通常行う質問が挙げられる。具体的には、通常行う質問として、例えば、「レジ袋は利用されますか。」、「弁当は温めますか。」、「スプーンは利用されますか。」等が挙げられる。上述のように使用言語がフランス語に決定された場合、例えば、図6に示すように、第2タッチパネル104において、「スプーンは利用されますか。」との通常行う質問がフランス語で表示される。
第2タッチパネル104において使用言語で表示された質問を見た顧客Cは、質問に対する回答を口頭で店員Sに向けて行うことができる。使用言語は店員Sも使用することができるため、店員Sと顧客Cとの間で使用言語での会話が成立する。したがって、店員Sは、質問に関連する処理を円滑に行うことができる。
また、情報処理装置10のCPU106は、第2タッチパネル104において、通常行う質問を使用言語で表示するとともに、質問に対する回答の選択肢を使用言語で表示することもできる。この場合、顧客Cは、第2タッチパネル104に表示された回答の選択肢を選んでタッチすることにより、質問に対する回答を行うことができる。CPU106は、顧客Cにより選択された回答の選択肢を第1タッチパネル102に表示する。店員Sは、第1タッチパネル102に表示された回答の選択肢を見て、選択肢に応じた対応を行うことができる。
また、例えば、顧客向け情報として、顧客Cが店舗1において利用可能な決済手段に関する情報が挙げられる。具体的には、決済手段に関する情報として、例えば、クレジットカード、電子マネー、コード決済等に関する情報が挙げられる。コード決済は、QRコード決済、バーコード決済等を含む。上述のように使用言語がフランス語に決定された場合、例えば、図7に示すように、第2タッチパネル104において、顧客Cが店舗1において利用可能な決済手段に関する情報がフランス語で表示される。すなわち、「以下の決済手段が利用可能です。」等の案内文、及び「クレジットカード」、「電子マネー」、「コード決済」等の決済手段を示す項目名がフランス語で表示される。決済手段を示す各項目には、利用可能な具体的な決済手段を示すブランドのロゴマーク等が表示される。
また、例えば、顧客向け情報として、顧客Cが店舗1で購入した商品又はその商品に含まれる成分に関する情報が挙げられる。具体的には、商品又はその商品に含まれる成分に関する情報として、例えば、商品の食品に含まれるアレルギー成分に関する情報、商品の安全性に関する情報、商品の輸出規制に関する情報、商品の認証又は認定に関する情報等が挙げられる。商品の認証又は認定としては、例えば、ハラール認証、コーシャ認定等の宗教上の教義に従っていることを示す認証、地域ブランド認証等の商品の産地に関連する認証等が挙げられる。上述のように使用言語がフランス語に決定された場合、例えば、第2タッチパネル104において、商品を特定する項目名とともにアレルギー成分に関する情報がフランス語で表示される。例えば、図8に示すように、商品を特定する「チョコレートケーキ」との項目名とともに、「アレルギー情報:この商品は、原材料として、卵、ミルク、及び小麦を含みます。」とのアレルギー成分に関する情報がフランス語で表示される。
また、例えば、顧客向け情報として、顧客Cが店舗1で購入した商品の、顧客言語の言語圏に含まれる国又は地域における利用の可否に関する情報が挙げられる。具体的には、利用の可否に関する情報として、例えば、放送規格等の規格、電波法等の法的規制、リージョンコード等の設定情報等による制約のため、顧客言語の言語圏に含まれる国又は地域で商品が利用できないことを示す情報等が挙げられる。このような利用制限を受けうる商品としては、例えば、映像機器、無線機器等の電子機器、映像ソフト、ゲームソフト等のメディアソフトが挙げられる。上述のように使用言語がフランス語に決定された場合、例えば、第2タッチパネル104において、商品を特定する項目名とともに利用可否に関する案内がフランス語で表示される。例えば、図9に示すように、商品を特定する「携帯無線機器」との項目名とともに、「この無線機器は、日本国内においてのみ認証を取得しているため、フランスを含む他国では利用できません。」との案内がフランス語で表示される。
情報処理装置10のCPU106は、上述のほか、顧客向け情報として、広告、宣伝、イベント等に関する情報を第2タッチパネル104において使用言語で表示することができる。
情報処理装置10のCPU106は、上述のようにして第2タッチパネル104において使用言語で顧客向け情報を顧客Cに対して必要に応じて表示しつつ、顧客Cについて会計処理を実行して完了する。
このように、本実施形態によれば、店舗言語情報及び顧客言語情報に基づき、顧客Cに対して顧客向け情報を表示する使用言語を決定するので、外国人の顧客Cについて円滑に会計処理を実行することができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による情報処理装置及び情報処理方法について図10を用いて説明する。なお、上記第1実施形態による情報処理装置及び情報処理方法と同様の構成要素については同一の符号を付し説明を省略し又は簡略にする。
上記第1実施形態では、店舗言語情報及び顧客言語情報に基づき使用言語を決定する場合について説明したが、これに限定されるものではない。使用言語は、店舗言語情報及び顧客言語情報に基づくのみならず、さらに顧客Cの顔画像情報又は顧客Cの音声情報に基づいて決定することもできる。以下、本実施形態では、店舗言語情報及び顧客言語情報に基づき使用言語を決定されない場合に、顧客Cの顔画像情報又は顧客Cの音声情報に基づき顧客言語を推定して使用言語を決定する場合について説明する。なお、本実施形態による情報処理装置10の構成は、第1実施形態による情報処理装置10と同様である。
ネットワークカメラ30は、図2に示すように、カメラ部302と、マイクロホン部304とを有している。ネットワークカメラ30は、カメラ部302及びマイクロホン部304を用いて、情報処理装置10が設置されたレジカウンタ及びその周辺を動画又は静止画で撮影する。カメラ部302は、情報処理装置10が設置されたレジカウンタ及びその周辺の画像情報を取得する。また、マイクロホン部304は、情報処理装置10が設置されたレジカウンタ及びその周辺の音声情報を取得する。
本実施形態において、ネットワークカメラ30は、レジカウンタにて会計処理を受ける顧客Cを撮影し、カメラ部302により顧客Cの顔画像に関する顔画像情報を取得する。なお、ネットワークカメラ30は、顧客Cの顔画像を可能なかぎり正面から撮影することができる位置に設置されていることが好ましい。
また、ネットワークカメラ30は、マイクロホン部304によりその顧客Cの音声に関する音声情報を取得する。顧客Cの音声は、例えば、店員Sに向けて発した顧客Cの発話、顧客Cとその同伴者との会話における顧客Cの発話等である。
情報処理装置10のCPU106は、ネットワーク40を介して、ネットワークカメラ30から顧客Cの顔画像情報又は顧客Cの音声情報を取得することができる。さらに、CPU106は、ネットワークカメラ30により取得された顧客Cの顔画像情報又は顧客Cの音声情報に基づき、顧客Cが使用可能な顧客言語を推定することができる。
以下、本実施形態による情報処理装置10における使用言語の決定動作について図10を用いて説明する。図10は、本実施形態による情報処理装置10における使用言語の決定動作を示すフローチャートである。情報処理装置10における使用言語の決定動作が行われることにより、本実施形態による情報処理方法が実行される。
第1実施形態と同様に、商品を購入しようとする顧客Cがレジカウンタの前に来ると、店員Sは、情報処理装置10を操作する。これにより、店員Sは、顧客Cについて、商品の登録、代金の計算等を行う会計処理を開始する。ネットワークカメラ30は、顧客Cが来たレジカウンタ及びその周辺を撮影している。
会計処理を開始するに際して、図10に示すように、情報処理装置10のCPU106は、第1実施形態のステップS102と同様に、店舗言語情報を取得する(ステップS202)。
次いで、CPU106は、第1実施形態のステップS204と同様に、顧客Cの顧客携帯端末50から顧客言語情報を取得することを試みる(ステップS204)。
顧客言語情報を取得できない場合(ステップS206、NO)、CPU106は、ネットワーク40を介して、ネットワークカメラ30から顧客Cの顔画像情報又は顧客Cの音声情報を取得する(ステップS212)。
一方、顧客言語情報を取得できた場合(ステップS206、YES)、情報処理装置10のCPU106は、第1実施形態のステップS108と同様に、共通言語があるか否かを判定する(ステップS208)。
共通言語があると判定すると(ステップS208、YES)、CPU106は、第1実施形態のステップS110と同様に、共通言語を使用言語として決定する(ステップS210)。
一方、共通言語がないと判定すると(ステップS208、NO)、CPU106は、顧客言語情報を取得できない場合(ステップS206、NO)と同様に、ネットワークカメラ30から顧客Cの顔画像情報又は顧客Cの音声情報を取得する(ステップS212)。
ステップS212の後、CPU106は、顧客Cの顔画像情報又は顧客Cの音声情報に基づき、顧客Cが使用可能な顧客言語を推定する(ステップS214)。CPU106は、顧客Cの顔画像情報を解析することにより顧客Cの国籍又は人種を推定し、さらに推定した国籍又は人種に基づき顧客言語を推定することができる。また、CPU106は、顧客Cの音声情報を解析することにより、顧客言語を推定することができる。顧客Cの顔画像情報から顧客言語を推定するアルゴリズムとしては、特に限定されるものではなく、種々のアルゴリズムを用いることができる。また、顧客Cの音声情報から顧客言語を推定するアルゴリズムとしても、特に限定されるものではなく、種々のアルゴリズムを用いることができる。
なお、CPU106は、ネットワークカメラ30から顧客Cの顔画像情報及び顧客Cの音声情報の両方を取得し、それぞれに基づいて顧客言語を推定することもできる。この場合、顧客Cの顔画像情報及び顧客Cの音声情報のいずれか一方に基づいて顧客言語が推定することができれば十分である。
また、CPU106は、顧客Cの顔画像情報及び顧客Cの音声情報のそれぞれに基づく顧客言語の推定結果を総合評価することにより、顧客言語を最終的に推定することもできる。各推定の結果、顧客Cの顔画像情報に基づき推定された顧客言語と、顧客Cの音声情報に基づき推定された顧客言語とが互いに異なる言語となる場合がありうる。この場合に、CPU106は、これらの推定結果を総合評価することにより、いずれか一方の言語を最終的に推定した顧客言語として決定することができる。総合評価に際して、CPU106は、例えば、店舗1において過去に決定した使用言語の決定実績、店舗1において過去に推定した顧客言語の推定実績、政府観光局等により提供されるインバウンドの動向を示す統計情報等の種々の要素を考慮することができる。
次いで、CPU106は、ステップS214により顧客言語の推定に成功したか否かを判定する(ステップS216)。
顧客言語の推定に失敗した場合(ステップS216、NO)、CPU106は、第1実施形態のステップS112と同様に、初期設定の言語を使用言語として決定する(ステップS222)。
顧客言語の推定に成功した場合(ステップS216、YES)、CPU106は、推定した顧客言語である推定言語が、情報処理装置10において店舗言語として利用可能か否かを判定する(ステップS218)。
推定言語が利用可能であると判定した場合(ステップS218、YES)、CPU106は、推定言語を使用言語として決定する(ステップS220)。
推定言語が利用できないと判定した場合(ステップS218、NO)、CPU106は、顧客言語の推定に失敗した場合(ステップS210、NO)と同様に、初期設定の言語を使用言語として決定する(ステップS222)。
上述のようにステップS210、ステップS220又はステップS222で使用言語を決定した後、CPU106は、第1実施形態のステップS114と同様に、第2タッチパネル104において顧客向け情報を使用言語で表示する(ステップS224)。
このように、本実施形態では、店舗言語情報及び顧客言語情報に基づき使用言語を決定できない場合に、顧客Cの顔画像情報又は顧客Cの音声情報に基づき顧客言語を推定して、推定言語を使用言語として顧客向け情報を表示する。したがって、本実施形態によれば、より確実に、外国人の顧客Cについて円滑に会計処理を実行することができる。
なお、上記では、情報処理装置10のCPU106が、ネットワークカメラ30から顧客Cの顔画像情報、顧客Cの音声情報を取得する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、顧客Cの音声情報は、ネットワークカメラ30とは別個にネットワーク40に接続されたネットワークマイクロホンから取得することができる。また、例えば、CPU106は、情報処理装置10に周辺機器として接続されたカメラにより、顧客Cの顔画像情報を取得することができる。また、例えば、CPU106は、情報処理装置10に周辺機器として接続されたマイクロホンにより、顧客Cの音声情報を取得することができる。
[他の実施形態]
上記実施形態において説明した情報処理装置は、さらに他の実施形態によれば、図11に示すように構成することもできる。図11は、他の実施形態による情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図11に示すように、他の実施形態による情報処理装置1000は、店舗において顧客の会計を処理する会計処理部1002と、店舗で使用可能な店舗言語の優先順位を示す店舗言語優先順位を記憶する記憶部1004とを有している。また、情報処理装置1000は、顧客が使用可能な顧客言語に関する顧客言語情報を取得する情報取得部1006と、店舗言語優先順位及び顧客言語情報に基づき、顧客に対して使用する使用言語を決定する決定部1008とを有している。
他の実施形態による情報処理装置1000によれば、外国人の顧客が使用可能で、しかも店舗で使用可能な言語を使用言語として決定することができるため、外国人の顧客について円滑に会計処理を実行することができる。
[変形実施形態]
本発明は、上記実施形態に限らず、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、商品を販売する店舗において使用されるPOS装置として情報処理装置10を用いる場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。情報処理装置10は、サービスを提供する店舗において使用されるPOS装置として用いることもできる。
また、上記実施形態では、情報処理装置10をPOS装置として用いる場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。情報処理装置10は、操作者が対面で相手方と応対するに際して、応対内容等に応じて何らかの処理を実行する装置として用いることができる。情報処理装置10には、処理内容に応じたアプリケーションプログラムをインストールすることができる。また、情報処理装置10には、処理内容に応じた周辺機器を接続することができる。
また、上記実施形態では、第1タッチパネル102と第2タッチパネル104とを有する2画面のPOS装置として情報処理装置10が機能する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。情報処理装置10は、顧客Cに対して顧客向け情報を表示することができるディスプレイを有するものであればよく、実行する処理内容等に応じて、一又は複数のディスプレイを有することができる。
また、上記実施形態では、顧客Cに対して使用する使用言語を用いて第2タッチパネル104において顧客向け情報を表示する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、情報処理装置10は、音声合成システムを用いて顧客向け情報を顧客Cに向けて読み上げる音声ガイドを行うように構成することができる。この場合において、情報処理装置10は、上記実施形態と同様に決定された使用言語で顧客向け情報を読み上げるように構成することができる。
また、上記実施形態では、CPU106が、店舗言語情報の店舗言語及び店舗言語優先順位、並びに顧客言語情報の顧客言語及び顧客言語優先順位に基づき、使用言語を決定する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。CPU106は、店舗言語優先順位及び顧客言語優先順位のいずれか一方又は両方を考慮することなく、使用言語を決定することもできる。例えば、CPU106は、店舗言語情報の店舗言語及び店舗言語優先順位、及び顧客言語情報の顧客言語に基づき、顧客言語優先順位を考慮することなく、使用言語を決定することができる。つまり、店舗言語情報においては、店舗言語優先順位が設定されていなくてもよい。また、顧客言語情報においては、顧客言語優先順位が設定されていなくてもよい。
また、上記実施形態では、POS装置として機能する情報処理装置10がレジカウンタ上に設置された場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、情報処理装置10は、例えば、スマートフォン、タブレット端末等の携帯情報機器により構成されたものであってもよい。この場合、情報処理装置10は、例えば、店員Sに所持されて使用され、また、支持台、ドッキングステーション等に支持されて使用される。
また、上記実施形態では、顧客携帯端末50のストレージ506に顧客言語情報が記憶されている場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、顧客言語情報は、店舗1を運営する事業者等が管理する管理サーバのデータベースに記憶されていてもよい。この場合、顧客Cは、例えば、店舗1のウェブサイトにアクセスして、そのウェブサイトの入力フォームを通して管理サーバのデータベースに顧客言語情報を予め登録することができる。一方、情報処理装置10のCPU106は、顧客Cの会計処理の際に、管理サーバにアクセスして管理サーバから顧客Cの顧客言語情報を取得することができる。この際、CPU106は、例えば、店舗1が発行する会員証の会員番号等の識別情報により顧客Cを一意に特定してその顧客言語情報を取得することができる。
また、上記実施形態では、情報処理装置10のストレージ110に店舗言語情報が記憶されている場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、店舗言語情報は、店舗サーバ20のデータベースに記憶されていてもよい。この場合、情報処理装置10のCPU106は、ネットワーク40を介して、店舗サーバ20から店舗言語情報を取得することができる。
また、上記の各実施形態の機能を実現するように該実施形態の構成を動作させるプログラムを記録媒体に記録させ、該記録媒体に記録されたプログラムをコードとして読み出し、コンピュータにおいて実行する処理方法も各実施形態の範疇に含まれる。すなわち、コンピュータ読取可能な記録媒体も各実施形態の範囲に含まれる。また、上述のコンピュータプログラムが記録された記録媒体はもちろん、そのコンピュータプログラム自体も各実施形態に含まれる。
該記録媒体としては、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、磁気テープ、不揮発性メモリカード、ROMを用いることができる。また、該記録媒体に記録されたプログラム単体で処理を実行しているものに限らず、他のソフトウェア、拡張ボードの機能と共同して、OS(Operating System)上で動作して処理を実行するものも各実施形態の範疇に含まれる。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
店舗において顧客の会計を処理する会計処理部と、
前記店舗で使用可能な店舗言語の優先順位を示す店舗言語優先順位を記憶する記憶部と、
前記顧客が使用可能な顧客言語に関する顧客言語情報を取得する情報取得部と、
前記店舗言語優先順位及び前記顧客言語情報に基づき、前記顧客に対して使用する使用言語を決定する決定部と
を有することを特徴とする情報処理装置。
(付記2)
前記顧客言語情報は、前記顧客が使用可能な前記顧客言語の優先順位を示す顧客言語優先順位である
ことを特徴とする付記1記載の情報処理装置。
(付記3)
前記顧客に向けられる顧客用表示部と、
前記使用言語で前記顧客用表示部に顧客向け情報を表示する表示制御部と
を有することを特徴とする付記1又は2に記載の情報処理装置。
(付記4)
前記顧客向け情報は、前記顧客が利用可能な決済手段に関する情報である
ことを特徴とする付記3記載の情報処理装置。
(付記5)
前記顧客向け情報は、前記顧客が前記店舗で購入した商品又は前記商品に含まれる成分に関する情報である
ことを特徴とする付記3記載の情報処理装置。
(付記6)
前記顧客向け情報は、前記顧客が前記店舗で購入した商品の、前記顧客言語の言語圏に含まれる国又は地域における利用の可否に関する情報である
ことを特徴とする付記3記載の情報処理装置。
(付記7)
前記決定部は、さらに前記顧客の顔画像に関する顔画像情報に基づき、前記使用言語を決定する
ことを特徴とする付記1乃至6のいずれかに記載の情報処理装置。
(付記8)
前記決定部は、さらに前記顧客の音声に関する音声情報に基づき、前記使用言語を決定する
ことを特徴とする付記1乃至7のいずれかに記載の情報処理装置。
(付記9)
前記情報取得部は、前記顧客言語情報を、前記顧客が所持する携帯情報機器から無線で取得する
ことを特徴とする付記1乃至8のいずれかに記載の情報処理装置。
(付記10)
店舗において顧客の会計を処理する情報処理方法であって、
前記顧客が使用可能な顧客言語に関する顧客言語情報を取得し、
前記店舗で使用可能な店舗言語の優先順位を示す店舗言語優先順位及び前記顧客言語情報に基づき、前記顧客に対して使用する使用言語を決定する
ことを特徴とする情報処理方法。
(付記11)
コンピュータに、
店舗において顧客の会計を処理する情報処理方法であって、
前記顧客が使用可能な顧客言語に関する顧客言語情報を取得し、
前記店舗で使用可能な店舗言語の言語優先順位を示す店舗言語優先順位及び前記顧客言語情報に基づき、前記顧客に対して使用する使用言語を決定する
情報処理方法を実行させることを特徴とするプログラム。