JP2019159869A - 静脈認証システムおよび電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】認証精度を向上させることが可能な静脈認証システム等を提供する。【解決手段】本開示の一実施の形態に係る静脈認証システムは、無偏光光と複数種類の偏光方向を有する近赤外領域の偏光光とを切り替えて照射可能な光源部と、複数種類の偏光軸を有する偏光子が撮像面上に配置された撮像素子を含んで構成され、反射光を偏光子を介して撮像面上に受光可能な偏光センサと、撮像信号に基づいて所定の演算処理を行う演算部と、演算処理が行われた撮像信号を利用して静脈認証を行う認証部とを備えたものである。演算部は、無偏光光から得られる反射光についての第1の撮像信号に基づいて演算処理を行うことにより、認証対象物の法線情報を取得すると共に、近赤外領域の偏光光から得られる反射光についての第2の撮像信号に基づいて演算処理を行うことにより、第2の撮像信号から散乱光成分を差し引く処理を行う。認証部は、認証対象物の法線情報と差し引く処理が行われた第2の撮像信号とを利用して、静脈認証を行う。【選択図】図1
Description
本開示は、静脈認証を行う静脈認証システム、および、そのような静脈認証システムを備えた電子機器に関する。
生体認証の手法として、例えば、静脈や虹彩、指紋等を利用した各種の認証方法が使用されている。その中でも、静脈を利用した生体認証(静脈認証)は偽造されにくく、また、認証精度も高いと言われている。
この静脈認証では、手や指などへ向けて近赤外光が照射され、その近赤外光の反射光が近赤外光センサによって受光されることで、近赤外光の撮像画像が得られる。この際に、血液中のヘモグロビンは近赤外光を吸収するため、撮像画像では静脈が黒く映し出される。そして、この撮像画像における静脈パターンと、予め登録されている静脈パターンとが照合されることで、個人認証が行われるようになっている。なお、このような静脈認証については、例えば特許文献1等に開示されている。
ところで、このような静脈認証システムでは一般に、静脈認証の際の認証精度を向上させることが求められている。認証精度を向上させることが可能な静脈認証システム、および、そのような静脈認証システムを備えた電子機器を提供するのが望ましい。
本開示の一実施の形態に係る静脈認証システムは、無偏光光と、複数種類の偏光方向を有する近赤外領域の偏光光とを、照射光として認証対象物へ向けて切り替えて照射可能な光源部と、複数種類の偏光軸を有する偏光子が撮像面上に配置された撮像素子を含んで構成され、認証対象物において照射光が反射して得られる反射光を、偏光子を介して撮像面上に受光可能な偏光センサと、撮像素子により得られる撮像信号に基づいて、所定の演算処理を行う演算部と、この演算処理が行われた撮像信号を利用して、静脈認証を行う認証部とを備えたものである。上記演算部は、無偏光光から得られる反射光についての撮像信号である、第1の撮像信号に基づいて上記演算処理を行うことにより、認証対象物における法線情報を取得すると共に、近赤外領域の偏光光から得られる反射光についての撮像信号である、第2の撮像信号に基づいて上記演算処理を行うことにより、第2の撮像信号から散乱光成分を差し引く処理を行う。上記認証部は、認証対象物における法線情報と、差し引く処理が行われた第2の撮像信号とを利用して、静脈認証を行う。
本開示の一実施の形態に係る電子機器は、上記本開示の一実施の形態に係る静脈認証システムを備えたものである。
本開示の一実施の形態に係る静脈認証システムおよび電子機器では、無偏光光から得られる反射光についての撮像信号(第1の撮像信号)に基づいて上記演算処理が行われることで、認証対象物における法線情報が取得される。したがって、このような法線情報を利用して、認証対象物の配置状態(例えば、手の傾き状態や指の曲がり状態等)を考慮した静脈認証ができるようになる。また、近赤外領域の偏光光から得られる反射光についての撮像信号(第2の撮像信号)に基づいて上記演算処理が行われることで、この第2の撮像信号から散乱光成分を差し引く処理が行われる。これにより、静脈認証の際に、散乱光成分の影響が低減される。
本開示の一実施の形態に係る静脈認証システムおよび電子機器によれば、上記光源部、上記偏光センサ、上記演算部および上記認証部を設けるようにしたので、認証対象物の配置状態を考慮した静脈認証を行うことができると共に、静脈認証の際に散乱光成分の影響を低減することができる。よって、認証精度を向上させることが可能となる。
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれの効果であってもよい。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態(偏光フィルタを含む光源部と偏光センサとを用いた静脈認証の例)
2.変形例
変形例1(偏光子における複数種類の偏光軸の他の構成例)
変形例2(撮像素子の撮像面上にカラーフィルタを設けるようにした例)
3.適用例(静脈認証システムを各種の電子機器に適用した例)
4.その他の変形例
1.実施の形態(偏光フィルタを含む光源部と偏光センサとを用いた静脈認証の例)
2.変形例
変形例1(偏光子における複数種類の偏光軸の他の構成例)
変形例2(撮像素子の撮像面上にカラーフィルタを設けるようにした例)
3.適用例(静脈認証システムを各種の電子機器に適用した例)
4.その他の変形例
<1.実施の形態>
[概略構成例]
図1は、本開示の一実施の形態に係る静脈認証システム(静脈認証システム1)の概略構成例を、模式的にブロック図で表したものである。静脈認証システム1は、認証対象物としての手9全体や指90についての静脈認証(手9全体や指90における静脈を利用した個人認証)を行うシステムである。この静脈認証システム1は、図1に示したように、光源部11、偏光センサ12、フィルタ駆動部13、演算部14および認証部15を備えている。なお、上記した手9全体および指90は、本開示における「認証対象物」の一具体例に対応している。
[概略構成例]
図1は、本開示の一実施の形態に係る静脈認証システム(静脈認証システム1)の概略構成例を、模式的にブロック図で表したものである。静脈認証システム1は、認証対象物としての手9全体や指90についての静脈認証(手9全体や指90における静脈を利用した個人認証)を行うシステムである。この静脈認証システム1は、図1に示したように、光源部11、偏光センサ12、フィルタ駆動部13、演算部14および認証部15を備えている。なお、上記した手9全体および指90は、本開示における「認証対象物」の一具体例に対応している。
(光源部11)
光源部11は、図1に示したように、手9全体や指90へ向けて照射光Loutを照射する光源部である。また、光源部11は、詳細は後述するが、紫外領域から近赤外領域に亘る広波長域の無偏光光L0と、複数種類の偏光方向を有する近赤外領域の偏光光(近赤外偏光光Lirp)とを、照射光Loutとして切り替えて照射することが可能となっている。言い換えると、光源部11は、そのような無偏光光L0または近赤外偏光光Lirpを、選択的に照射することが可能となっている。
光源部11は、図1に示したように、手9全体や指90へ向けて照射光Loutを照射する光源部である。また、光源部11は、詳細は後述するが、紫外領域から近赤外領域に亘る広波長域の無偏光光L0と、複数種類の偏光方向を有する近赤外領域の偏光光(近赤外偏光光Lirp)とを、照射光Loutとして切り替えて照射することが可能となっている。言い換えると、光源部11は、そのような無偏光光L0または近赤外偏光光Lirpを、選択的に照射することが可能となっている。
このような光源部11は、図1に示したように、光源110、近赤外光透過フィルタ111および偏光フィルタ112を備えている。
光源110は、上記した広波長域の無偏光光L0を出射する光源である。このような光源110は、例えば、キセノン(Xe)ランプ等を用いて構成されている。
近赤外光透過フィルタ111は、光源110から出射される無偏光光L0のうち、近赤外領域の光(近赤外光)を選択的に透過させるフィルタであり、例えば、いわゆるIRフィルタ等を用いて構成されている。なお、このような近赤外光を選択的に透過させるようにしているのは、一般に、血液中のヘモグロビンが近赤外光を吸収する特性を有していることから、詳細は後述するが、静脈認証の際に、撮像画像中で静脈パターンを明確に映し出すためである。
偏光フィルタ112は、複数種類の偏光方向の各々に対応する偏光軸を有するフィルタである。具体的には、この例では、詳細は後述するが、(0°,45°,90°,135°)の4種類の偏光方向の各々に対応した、4種類の偏光軸が設けられている。これにより詳細は後述するが、近赤外光透過フィルタ111から選択透過された近赤外光が、0°の偏光方向、45°の偏光方向、90°の偏光方向または135°の偏光方向を有する近赤外光(前述した近赤外偏光光Lirp)として、光源部11から出射することが可能となっている。なお、このような(0°,45°,90°,135°)の4種類の偏光方向は、本開示における「複数種類の偏光方向」の一具体例に対応している。
(偏光センサ12)
偏光センサ12は、図1に示したように、撮像素子120および偏光子121を備えている。
偏光センサ12は、図1に示したように、撮像素子120および偏光子121を備えている。
撮像素子120は、撮像面上に入射した光を受光することによって、撮像信号Siを生成して出力する素子(イメージセンサ)である。このような撮像素子120は、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサやCCD(Charge Coupled Device)センサ等の固体撮像素子を用いて構成されている。
偏光子121は、図1に示したように、撮像素子120における撮像面上に配置されており、複数種類の偏光軸を有している。
ここで、図2は、このような偏光子121の詳細構成例を、模式的に平面図(X−Y平面図)で表したものである。
この図2に示した例では、偏光子121には、(0°,45°,90°,135°)の4種類の偏光軸が設けられている。具体的には、図2(B)に示したように、偏光軸角度θ=0°である偏光軸P1aと、偏光軸角度θ=45°である偏光軸P1bと、偏光軸角度θ=90°である偏光軸P1cと、偏光軸角度θ=135°である偏光軸P1dとが、設けられている。なお、この図2に示した例では、X軸方向を偏光軸角度θ=0°と定義している。また、図2(A)に示したように、この偏光子121では、X−Y平面上でマトリクス状に配列された複数の単位領域U1により構成されている。そして、各単位領域U1内では、図2(B)に示したように、上記した4種類の偏光軸P1a,P1b,P1c,P1dが、この順序にて右回りでマトリクス状に配列されている。
ここで、このような4種類の偏光軸P1a,P1b,P1c,P1dは、本開示における「複数種類の偏光軸」の一具体例に対応している。また、本実施の形態では、前述した近赤外偏光光Lirpにおける複数種類(この例では4種類)の偏光方向と、この偏光子121における複数種類(この例では4種類)の偏光軸の方向とがそれぞれ、(0°,45°,90°,135°)で、互いに一致している。
このような構成により偏光センサ12では、図1に示したように、光源部11から照射された照射光Loutが手9全体や指90において反射して得られる反射光Lrが、偏光子121を介して撮像素子120の撮像面上に受光されることで、撮像信号Siが出力されるようになっている。
(フィルタ駆動部13)
フィルタ駆動部13は、制御信号CTLを出力することにより、光源部11内の近赤外光透過フィルタ111および偏光フィルタ112をそれぞれ、光源110に対して相対的に変位させるものである。具体的には、この例ではフィルタ駆動部13は、光源部11内の近赤外光透過フィルタ111および偏光フィルタ112をそれぞれ、機械的に移動させる駆動を行うことで、光源110に対する相対的な変位を実行するようになっている。
フィルタ駆動部13は、制御信号CTLを出力することにより、光源部11内の近赤外光透過フィルタ111および偏光フィルタ112をそれぞれ、光源110に対して相対的に変位させるものである。具体的には、この例ではフィルタ駆動部13は、光源部11内の近赤外光透過フィルタ111および偏光フィルタ112をそれぞれ、機械的に移動させる駆動を行うことで、光源110に対する相対的な変位を実行するようになっている。
ここで、図3は、このようなフィルタ駆動部13の動作例を、模式的にブロック図で表したものである。
まず、図3(A)に示したように、フィルタ駆動部13が、近赤外光透過フィルタ111および偏光フィルタ112をそれぞれ、光源110における無偏光光L0の出射面上から取り除かれるように移動させた場合(方向d1参照)、以下のようになる。すなわち、この光源110から出射された無偏光光L0が、近赤外光透過フィルタ111および偏光フィルタ112をそれぞれ通過せずに、そのまま照射光Lout(=L0)として、光源部11から出射されることになる。つまりこの場合、前述したように、光源部11から無偏光光L0が、照射光Loutとして照射される場合に相当する。
一方、図3(B)に示したように、フィルタ駆動部13が、近赤外光透過フィルタ111および偏光フィルタ112をそれぞれ、光源110における無偏光光L0の出射面上に移動させた場合(方向d2参照)、以下のようになる。すなわち、この光源110から出射された無偏光光L0が、近赤外光透過フィルタ111および偏光フィルタ112をそれぞれ通過することで、前述した近赤外偏光光Lirpが、照射光Lout(=Lirp)として光源部11から出射されることになる。つまりこの場合、前述したように、光源部11から近赤外偏光光Lirpが、照射光Loutとして照射される場合に相当する。
フィルタ駆動部13によるこのような駆動が行われることで、前述したように、無偏光光L0と近赤外偏光光Lirpとを、光源部11から切り替えて照射することが可能となっている。
(演算部14)
演算部14は、図1に示したように、偏光センサ12内の撮像素子120により得られる撮像信号Siに基づいて、所定の演算処理を行うものである。具体的には、詳細は後述するが、演算部14は、例えば、手9における後述する法線情報を取得する処理や、撮像信号Si(撮像画像)から後述する散乱光成分を差し引く(除去する)処理等を行うようになっている。
演算部14は、図1に示したように、偏光センサ12内の撮像素子120により得られる撮像信号Siに基づいて、所定の演算処理を行うものである。具体的には、詳細は後述するが、演算部14は、例えば、手9における後述する法線情報を取得する処理や、撮像信号Si(撮像画像)から後述する散乱光成分を差し引く(除去する)処理等を行うようになっている。
(認証部15)
認証部15は、図1に示したように、演算部14における上記した各種の演算処理が行われた後の撮像信号Siを利用して、静脈認証(静脈を利用した個人認証)を行うものである。具体的には、認証部15は、予め登録されている静脈パターンの登録データ(後述する登録データDr)と、各種の演算処理が行われた後の撮像信号Si(撮像画像)における静脈パターンとの照合処理を行うことにより、そのような個人認証を行うようになっている。より具体的には、認証部15では、これらの静脈パターン同士が一致するのか否かの判定結果に応じて、個人認証が行われるようになっている。
認証部15は、図1に示したように、演算部14における上記した各種の演算処理が行われた後の撮像信号Siを利用して、静脈認証(静脈を利用した個人認証)を行うものである。具体的には、認証部15は、予め登録されている静脈パターンの登録データ(後述する登録データDr)と、各種の演算処理が行われた後の撮像信号Si(撮像画像)における静脈パターンとの照合処理を行うことにより、そのような個人認証を行うようになっている。より具体的には、認証部15では、これらの静脈パターン同士が一致するのか否かの判定結果に応じて、個人認証が行われるようになっている。
[動作および作用・効果]
(A.基本動作)
この静脈認証システム1では、まず、光源部11から手9全体や指90へ向けて、照射光Loutが照射される。この照射光Loutは、この手9全体や指90において反射されることで、反射光Lrが、偏光センサ12内において偏光子121を介して、撮像素子120の撮像面上に受光される。このような反射光Lrが撮像面上に受光されることで、撮像素子120から撮像信号Si(撮像画像)が出力され、演算部14においてこの撮像信号Siに対する各種の演算処理が行われる。そして、認証部15では、この各種の演算処理が行われた後の撮像信号Siにおける静脈パターンと、上記した登録データにおける静脈パターンとの照合処理(静脈パターン同士が一致するのか否かの判定処理)が行われることで、静脈認証(静脈を利用した個人認証)が行われる。
(A.基本動作)
この静脈認証システム1では、まず、光源部11から手9全体や指90へ向けて、照射光Loutが照射される。この照射光Loutは、この手9全体や指90において反射されることで、反射光Lrが、偏光センサ12内において偏光子121を介して、撮像素子120の撮像面上に受光される。このような反射光Lrが撮像面上に受光されることで、撮像素子120から撮像信号Si(撮像画像)が出力され、演算部14においてこの撮像信号Siに対する各種の演算処理が行われる。そして、認証部15では、この各種の演算処理が行われた後の撮像信号Siにおける静脈パターンと、上記した登録データにおける静脈パターンとの照合処理(静脈パターン同士が一致するのか否かの判定処理)が行われることで、静脈認証(静脈を利用した個人認証)が行われる。
(B.比較例の静脈認証)
ここで、図4および図5を参照して、比較例に係る静脈認証について説明する。図4は、比較例に係る静脈認証システム(静脈認証システム100)の概略構成を、模式的にブロック図で表したものである。また、図5は、この比較例に係る静脈認証システム100における静脈認証について、模式的に表したものである。
ここで、図4および図5を参照して、比較例に係る静脈認証について説明する。図4は、比較例に係る静脈認証システム(静脈認証システム100)の概略構成を、模式的にブロック図で表したものである。また、図5は、この比較例に係る静脈認証システム100における静脈認証について、模式的に表したものである。
図4に示したように、比較例の静脈認証システム100は、図1に示した本実施の形態の静脈認証システム1において、偏光フィルタ112、偏光子121およびフィルタ駆動部13が設けられていないものに対応している。したがって、この静脈認証システム100では、照射光Loutとしての近赤外光Lir(無偏光光)が、光源部101から手9全体や指90へ向けて照射されると共に、この照射光Lout(=近赤外光Lir)の反射光Lrが、撮像素子120の撮像面上に直接受光されるようになっている。
そして、例えば図5に示したように、この比較例の静脈認証システム100における静脈認証の際には、以下のような照合処理が行われる。すなわち、例えば図5(B),図5(C)に示したような撮像信号(撮像画像)Si101,Si102における静脈パターンG101,G102と、例えば図5(A)に示したような登録データDrにおける登録静脈パターンGrとの照合処理が行われる(矢印C101,C102参照)。
ここで、静脈認証の際には一般に、静脈認証システムへ向けて手や指を押し付けることによる、静脈パターンの変形や清潔感、心理的な抵抗感等の観点から、接触式ではなく、非接触式が多く採用されている。なお、この比較例の静脈認証システム100(および本実施の形態の静脈認証システム1)も、この非接触式のものとなっている。
ところが、この比較例の静脈認証システム100では、後述する本実施の形態の静脈認証システム1とは異なり、例えば以下のような問題が生じるおそれがある。すなわち、まず、認証対象物の配置状態(手9の傾き状態や指90の曲がり状態等)に起因して、例えば登録静脈パターンGr(図5(A)参照)と撮像信号Si101の静脈パターンG101(図5(B)参照)とのように、それらが一致しないと判定されてしまうおそれがある(矢印C101参照)。また、散乱光成分に起因して、例えば登録静脈パターンGr(図5(A)参照)と撮像信号Si102の静脈パターンG102(図5(B)参照)とのように、それらが一致しないと判定されてしまうおそれがある(矢印C102参照)。なお、このような散乱光成分は、例えば、手9の表面に日焼け止めクリーム等が塗られていることなどで、近赤外光の反射率分布が不均一となっているような場合に、生じ得る。
このようにして、この比較例の静脈認証では、認証対象物の配置状態(手9の傾き状態や指90の曲がり状態等)や散乱光成分などに起因して、静脈認証の際の認証精度が、低下してしまうおそれがある。
(C.実施の形態の静脈認証)
これに対して、本実施の形態の静脈認証システム1では、以下のようにして静脈認証を行うようになっている。
これに対して、本実施の形態の静脈認証システム1では、以下のようにして静脈認証を行うようになっている。
図6〜図8は、本実施の形態の静脈認証システム1における静脈認証の一例について、模式的に表したものである。この本実施の形態の静脈認証では、演算部14による各種の演算処理が行われた後の撮像信号Siに基づいて、認証部15において静脈認証が行われる。以下では、このような演算処理の一例として、法線情報の取得処理および散乱光を差し引く処理等について、詳細に説明する。
(C−1.法線情報の取得処理について)
まず、図6および図7を参照して、上記した演算処理の一例としての、法線情報の取得処理について説明する。図6は、本実施の形態に係る静脈認証の際の、法線情報の取得処理の一例を、模式的に表したものである。また、図7は、図6に示した法線情報の取得処理の詳細例を、模式的に表したものである。
まず、図6および図7を参照して、上記した演算処理の一例としての、法線情報の取得処理について説明する。図6は、本実施の形態に係る静脈認証の際の、法線情報の取得処理の一例を、模式的に表したものである。また、図7は、図6に示した法線情報の取得処理の詳細例を、模式的に表したものである。
演算部14は、前述した無偏光光L0から得られる反射光Lrについての撮像信号Siに基づいて、例えば以下のようにして演算処理を行うことにより、認証対象物(手9全体や指90)における法線情報を取得する。すなわち、演算部14は、複数種類の偏光軸の各々に対応した偏光方向を有する複数種類の撮像信号Siについて、複数種類の偏光軸の角度と光強度との対応関係を利用した演算処理を行うことにより、そのような法線情報を取得する。
具体的には、例えば図6(A)〜図6(D)に示したように、演算部14は、まず、偏光子121における4種類の偏光軸P1a〜P1dの各々に対応した偏光方向(0°,45°,90°,135°)を有する4種類の撮像信号Si1a〜Si1dを取得する。すなわち、図6(A)に示した撮像信号Si1a(0°透過画像)は、偏光軸P1a(偏光軸角度θ=0°)に対応した0°の偏光方向を有する、撮像信号である。図6(B)に示した撮像信号Si1b(45°透過画像)は、偏光軸P1b(偏光軸角度θ=45°)に対応した45°の偏光方向を有する、撮像信号である。図6(C)に示した撮像信号Si1c(90°透過画像)は、偏光軸P1c(偏光軸角度θ=90°)に対応した90°の偏光方向を有する、撮像信号である。図6(D)に示した撮像信号Si1d(135°透過画像)は、偏光軸P1d(偏光軸角度θ=135°)に対応した135°の偏光方向を有する、撮像信号である。
そして、例えば図7(A),図7(B)に示したように、演算部14は、このような4種類の撮像信号Si1a〜Si1dについて、上記した4種類の偏光軸P1a〜P1dの角度(偏光軸角度θ)と光強度(上記した各透過画像における信号値)との対応関係を利用した演算処理を行う。より具体的には、演算部14は、例えば図7(A)に示したフィッティング曲線Cf(上記した偏光軸角度θと光強度との対応関係を示す曲線)を利用して、光強度が最大値となる角度(法線角度θn)を求める(太字の破線の矢印参照)。この法線角度θnは、例えば図7(A)に示したような、認証対象物としての手9全体からの各種方向への反射光Lrのうち、法線方向へ向かう反射光Lrの角度に対応している。このようにして演算部14は、認証対象物における法線情報としての、法線角度θnを取得する。
なお、上記した4種類の撮像信号Si1a,Si1b,Si1c,Si1dはそれぞれ、本開示における「第1の撮像信号」の一具体例に対応している。また、法線角度θnは、本開示における「認証対象物の法線情報」の一具体例に対応している。
(C−2.散乱光成分を差し引く処理等について)
続いて、図8を参照して、上記した演算処理の一例としての、散乱光成分を差し引く処理等(散乱光を差し引く処理、および、後述する加算処理)について説明する。図8は、本実施の形態に係る静脈認証の際の、散乱光成分を差し引く処理等の一例を、模式的に表したものである。
続いて、図8を参照して、上記した演算処理の一例としての、散乱光成分を差し引く処理等(散乱光を差し引く処理、および、後述する加算処理)について説明する。図8は、本実施の形態に係る静脈認証の際の、散乱光成分を差し引く処理等の一例を、模式的に表したものである。
まず、例えば図8(A)に示したようにして、演算部14は、近赤外偏光光Lirpから得られる反射光Lrについての撮像信号Siを取得する。すなわち、この図8(A)に示した例では、演算部14は、0°の偏光方向を有する近赤外偏光光Lirp(0°偏光光)から得られる反射光Lrのうち、偏光子121における偏光軸P1a(偏光軸角度θ=0°)を通過した撮像信号Siを、撮像信号Si2a(0°透過画像)として取得する。この撮像信号Si2aには、図8(A),図8(B)中に示したように、上記した0°偏光光に基づく静脈パターンGaの成分に対応する透過画像成分Ctと、手9全体や指90での散乱光成分Csとが、含まれることになる(Si2a=Ct+Cs)。
また、演算部14は同様にして、上記した0°偏光光から得られる反射光Lrのうち、偏光子121における偏光軸P1b(偏光軸角度θ=45°)を通過した撮像信号Siを、撮像信号Si2b(45°透過画像,半透過画像)として取得する。この撮像信号Si2bには、図8(B)中に示したように、上記した0°偏光光に基づく静脈パターンの成分に対応する半透過画像成分Ctfと、上記した散乱光成分Csとが、含まれることになる(Si2b=Ctf+Cs)。
演算部14は同様にして、上記した0°偏光光から得られる反射光Lrのうち、偏光子121における偏光軸P1c(偏光軸角度θ=90°)を通過した撮像信号Siを、撮像信号Si2c(90°透過画像)として取得する。この撮像信号Si2cには、図8(B)中に示したように、上記した0°偏光光に基づく静脈パターンの成分は含まれず、上記した散乱光成分Csのみが、含まれることになる(Si2c=Cs)。
演算部14は同様にして、上記した0°偏光光から得られる反射光Lrのうち、偏光子121における偏光軸P1d(偏光軸角度θ=135°)を通過した撮像信号Siを、撮像信号Si2d(135°透過画像,半透過画像)として取得する。この撮像信号Si2dには、図8(B)中に示したように、上記した撮像信号Si2bと同様に、上記した0°偏光光に基づく静脈パターンの成分に対応する半透過画像成分Ctfと、上記した散乱光成分Csとが、含まれることになる(Si2d=Ctf+Cs)。
このようにして演算部14は、複数種類(この例では4種類)の偏光方向のうちの一の偏光方向を有する近赤外偏光光Lirp(この例では、0°の偏光方向を有する0°偏光光)が、光源部11から照射されている場合において、複数種類(この例では4種類)の撮像信号Si2a,Si2b,Si2c,Si2dを取得する。これら4種類の撮像信号Si2a,Si2b,Si2c,Si2dは、偏光子121における複数種類(この例では4種類)の偏光軸P1a,P1b,P1c,P1dの各々に対応した偏光方向(この例では、0°,45°,90°,135°の偏光方向)を有する、撮像信号に対応している。
なお、このような4種類の撮像信号Si2a,Si2b,Si2c,Si2dはそれぞれ、本開示における「第2の撮像信号」の一具体例に対応している。
そして、演算部14は、このような4種類の撮像信号Si2a〜Si2dに基づいて、下記のような演算処理を行うことにより、撮像信号Si(撮像信号Si2a〜Si2d)から散乱光成分Csを差し引く処理を行う。すなわち、演算部14は、上記した4種類の撮像信号Si2a,Si2b,Si2c,Si2d同士について、演算処理としての差分処理を行うことにより、そのような散乱光成分Csを差し引く処理を行う。
具体的には、この例では図8(B)中に(1)式で示したように、演算部14は、撮像信号Si2aから撮像信号Si2cを差し引く処理(差分処理)を行うことで、上記した散乱光成分Csを差し引く処理を行う。なお、ここでは、光源部11から上記した0°偏光光が照射されている場合において、(1)式で示される差分処理により求められた透過画像成分Ctであることから、特に「透過画像成分Ct(0°偏光光)」と称する。
Si2a−Si2c=(Ct+Cs)−Cs=Ct(0°偏光光) ……(1)
Si2a−Si2c=(Ct+Cs)−Cs=Ct(0°偏光光) ……(1)
ちなみに、光源部11から、45°,90°,135°の各偏光方向を有する近赤外偏光光Lirp(45°偏光光,90°偏光光,135°偏光光)がそれぞれ照射されている場合においても、同様にして散乱光成分Csを差し引く処理を行うことで、透過画像成分Ctが求められる。すなわち、演算部14は、上記(1)式と同様の減算処理を個別に行うことにより、「透過画像成分Ct(45°偏光光)」,「透過画像成分Ct(90°偏光光)」「透過画像成分Ct(135°偏光光)」をそれぞれ求めることができる。このようにして演算部14は、4種類の偏光方向(0°,45°,90°,135°の各偏光方向)を有する近赤外偏光光Lirpが光源部11から照射される場合の各々において、所定の差分処理を行うことにより、上記した散乱光成分Csを差し引く処理を行うことが可能である。
ここでまた、演算部14は、このようにして散乱光成分Csを差し引く処理(上記した差分処理)が行われた撮像信号同士について、前述した演算処理の一例としての加算処理を、更に行う。
具体的には、この例では図8(B)中に(2)式で示したように、演算部14は、上記のようにして求められた、透過画像成分Ct(0°偏光光),透過画像成分Ct(45°偏光光),透過画像成分Ct(90°偏光光),透過画像成分Ct(135°偏光光)同士の加算処理を、更に行う。このようにして演算部14は、これら複数種類(この例では4種類)の画像の重ね合わせ処理を行うことにより、散乱光成分Csを低減させる。ここでは一例として、演算部14は、(2)式を利用して透過画像成分Ct(Total)を取得する。
Ct(Total)=Ct(0°偏光光)+Ct(45°偏光光)+
Ct(90°偏光光)+Ct(135°偏光光) ……(2)
Ct(Total)=Ct(0°偏光光)+Ct(45°偏光光)+
Ct(90°偏光光)+Ct(135°偏光光) ……(2)
(C−3.認証処理)
続いて、認証部15では、演算部14におけるこのような各種の演算処理が行われた後の撮像信号を利用して、本実施の形態の静脈認証を行う。具体的には、認証部15は、上記した法線情報の取得処理により得られた法線情報(法線角度θn)と、上記した散乱光成分Csを差し引く処理および加算処理の双方が行われた撮像信号(透過画像成分Ct(Total))とを利用して、静脈認証を行う。
続いて、認証部15では、演算部14におけるこのような各種の演算処理が行われた後の撮像信号を利用して、本実施の形態の静脈認証を行う。具体的には、認証部15は、上記した法線情報の取得処理により得られた法線情報(法線角度θn)と、上記した散乱光成分Csを差し引く処理および加算処理の双方が行われた撮像信号(透過画像成分Ct(Total))とを利用して、静脈認証を行う。
(D.作用・効果)
このようにして、本実施の形態の静脈認証システム1では、無偏光光L0から得られる反射光Lrについての撮像信号Si(撮像信号Si1a〜Si1d等)に基づいて演算処理が行われることで、認証対象物(手9や指90等)における法線情報(前述した法線角度θn等)が取得される。したがって、このような法線情報を利用して、認証対象物の配置状態(例えば、手9の傾き状態や指90の曲がり状態等)を考慮した、静脈認証ができるようになる。その結果、本実施の形態の静脈認証では、例えば上記比較例の静脈認証の場合と比べ、そのような認証対象物の配置状態に起因した認証精度の低下が、抑えられる。
このようにして、本実施の形態の静脈認証システム1では、無偏光光L0から得られる反射光Lrについての撮像信号Si(撮像信号Si1a〜Si1d等)に基づいて演算処理が行われることで、認証対象物(手9や指90等)における法線情報(前述した法線角度θn等)が取得される。したがって、このような法線情報を利用して、認証対象物の配置状態(例えば、手9の傾き状態や指90の曲がり状態等)を考慮した、静脈認証ができるようになる。その結果、本実施の形態の静脈認証では、例えば上記比較例の静脈認証の場合と比べ、そのような認証対象物の配置状態に起因した認証精度の低下が、抑えられる。
なお、例えば、このような法線情報(法線角度θnや前述したフィッティング曲線Cfなどの情報)を、予めデータベース化して静脈認証システム1内に保持しておくようにした場合には、以下のようになる。すなわち、静脈認証の際の手9や指90の配置状態についての自由度が増加するため、上記した認証対象物の配置状態に起因した認証精度の低下が、更に抑えられることになる。
また、本実施の形態の静脈認証システム1では、近赤外領域の偏光光(近赤外偏光光Lirp)から得られる反射光Lrについての撮像信号Si(撮像信号Si2a〜Si2d等)に基づいて演算処理が行われることで、この撮像信号Siから散乱光成分Csを差し引く処理が行われる。これにより、静脈認証の際に、散乱光成分Csの影響が低減される(望ましくは除去される)。その結果、本実施の形態の静脈認証では、例えば上記比較例の静脈認証の場合と比べ、そのような散乱光成分Csに起因した認証精度の低下が、抑えられる。
以上のように本実施の形態では、これまでに説明した光源部11、偏光センサ12、演算部14および認証部15等を設けるようにしたので、認証対象物の配置状態を考慮した静脈認証を行うことができると共に、静脈認証の際に散乱光成分Csの影響を低減することができる。よって、本実施の形態では上記比較例等と比べ、静脈認証の際の認証精度を向上させることが可能となる。
また、本実施の形態では、上記した散乱光成分Csの差し引き処理に加え、前述した加算処理(図8(B)参照)を更に行うと共に、これらの差し引く処理および加算処理の双方が行われた撮像信号Siを利用して、静脈認証を行うようにしたので、以下のようになる。すなわち、そのような撮像信号Si(撮像画像)におけるS/N比(Signal-to-Noise ratio;信号対雑音比)を向上させることができ、その結果、静脈認証の際の認証精度を更に向上させることが可能となる。
<2.変形例>
続いて、上記実施の形態の変形例(変形例1,2)について説明する。なお、実施の形態における構成要素と同一のものには同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
続いて、上記実施の形態の変形例(変形例1,2)について説明する。なお、実施の形態における構成要素と同一のものには同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
[変形例1]
図9は、変形例1に係る偏光子121における各単位領域U2の構成例を、模式的に平面図(X−Y平面図)で表したものである。なお、静脈認証システム1におけるその他の部分の構成は、上記実施の形態において説明したものと同様であるため、説明を省略する。
図9は、変形例1に係る偏光子121における各単位領域U2の構成例を、模式的に平面図(X−Y平面図)で表したものである。なお、静脈認証システム1におけるその他の部分の構成は、上記実施の形態において説明したものと同様であるため、説明を省略する。
この変形例1に係る偏光子121における各単位領域U2には、実施の形態で説明した各単位領域U2(図2(B)参照)とは異なり、(22.5°,67.5°,112.5°,157.5°)の4種類の偏光軸が設けられている。具体的には、図9に示したように、偏光軸角度θ=22.5°である偏光軸P2aと、偏光軸角度θ=67.5°である偏光軸P2bと、偏光軸角度θ=112.5°である偏光軸P2cと、偏光軸角度θ=157.5°である偏光軸P2dとが、設けられている。なお、この図9に示した例においても、X軸方向を偏光軸角度θ=0°と定義している。また、変形例1に係る偏光子121においても、実施の形態で説明した偏光子121(図2(A)参照)と同様に、X−Y平面上でマトリクス状に配列された複数の単位領域U2により構成されている。そして、各単位領域U2内では、図9に示したように、上記した4種類の偏光軸P2a,P2b,P2c,P2dが、この順序にて右回りでマトリクス状に配列されている。
ここで、このような4種類の偏光軸P2a,P2b,P2c,P2dは、本開示における「複数種類の偏光軸」の一具体例に対応している。また、この変形例1においても、近赤外偏光光Lirpにおける複数種類(この例では4種類)の偏光方向と、上記した偏光子121における複数種類(この例では4種類)の偏光軸の方向とがそれぞれ、(22.5°,67.5°,112.5°,167.5°)で、互いに一致している。
このように、近赤外偏光光Lirpにおける複数種類の偏光方向と、偏光子121における複数種類の偏光軸の方向とはそれぞれ、実施の形態で説明した組み合わせには限られず、この変形例1で説明した組み合わせ等の、他の組み合わせで合ってもよい。
[変形例2]
図10は、変形例2に係る偏光子121における各単位領域U1(または各単位領域U2)と、以下説明する各種のカラーフィルタとの構成例を、模式的に平面図(X−Y平面図)で表したものである。この変形例2では、撮像素子120における撮像面上に、これまでに説明した偏光子121(複数の単位領域U1または複数の単位領域U2)に加え、各種のカラーフィルタが更に設けられている。なお、静脈認証システム1におけるその他の部分の構成は、上記実施の形態や変形例1において説明したものと同様であるため、説明を省略する。
図10は、変形例2に係る偏光子121における各単位領域U1(または各単位領域U2)と、以下説明する各種のカラーフィルタとの構成例を、模式的に平面図(X−Y平面図)で表したものである。この変形例2では、撮像素子120における撮像面上に、これまでに説明した偏光子121(複数の単位領域U1または複数の単位領域U2)に加え、各種のカラーフィルタが更に設けられている。なお、静脈認証システム1におけるその他の部分の構成は、上記実施の形態や変形例1において説明したものと同様であるため、説明を省略する。
まず、図10(A)に示した例では、撮像素子120の撮像面上に設けられたカラーフィルタが、いわゆるベイヤー(Bayer)配列のカラーフィルタとなっている。すなわち、赤色のカラーフィルタCFrと青色のカラーフィルタCFbとが、(2×2)行列における一方の対角線上に配置されていると共に、緑色のカラーフィルタCFgが、他方の対角線上に配置されている。そして、図10(A)に示したように、このベイヤー配列における各カラーフィルタCFr,CFg,CFb上に、各単位領域U1または各単位領域U2が重ねて配置されている。つまり、この図10(A)の例では、各カラーフィルタCFr,CFg,CFbと、各単位領域U1または各単位領域U2とが、1:1の面積比となっている。
図10(B)に示した例においても、撮像素子120の撮像面上に設けられたカラーフィルタ(各カラーフィルタCFr,CFg,CFb)が、ベイヤー配列のカラーフィルタとなっている。ただし、図10(B)に示したように、(2×2)行列からなる各ベイヤー配列のカラーフィルタ上に、単位領域U1(または単位領域U2)における各偏光軸P1a,P1b,P1c,P1d(または各偏光軸P2a,P2b,P2c,P2d)の領域が、割り当てられている。つまり、この図10(B)の例では、各カラーフィルタCFr,CFg,CFbと、各単位領域U1または各単位領域U2とが、1:16の面積比となっている。
図10(C)に示した例においても、撮像素子120の撮像面上に設けられたカラーフィルタ(各カラーフィルタCFr,CFg,CFb)が、ベイヤー配列のカラーフィルタとなっている。ただし、図10(C)に示したように、各カラーフィルタCFr,CFg,CFbと、各単位領域U1または各単位領域U2とが、1:4の面積比となっている。また、この図10(C)の例では、図10(A),図10(B)の例とは異なり、以下のような配置となっている。すなわち、(2×2)行列からなるベイヤー配列における各カラーフィルタCFr,CFg,CFbと、単位領域U1(または単位領域U2)における各偏光軸P1a,P1b,P1c,P1d(または各偏光軸P2a,P2b,P2c,P2d)の領域とが、X軸およびY軸の各々に沿って、半ピッチずつずらした配置となっている。
図10(D)に示した例は、図10(C)に示した例と同様に、各カラーフィルタと各単位領域U1または各単位領域U2とが、1:4の面積比となっている。また、各カラーフィルタと、単位領域U1(または単位領域U2)における各偏光軸P1a,P1b,P1c,P1d(または各偏光軸P2a,P2b,P2c,P2d)の領域とが、X軸およびY軸の各々に沿って、半ピッチずつずらした配置となっている。ただし、この図10(D)の例では、図10(A)〜図10(C)の例とは異なり、カラーフィルタCFr,CFg,CFbに加えて白色のカラーフィルタCFwを含んだ、(2×2)行列のカラーフィルタ配列となっている。具体的には、ベイヤー配列において、2つの緑色のカラーフィルタCFgのうちの一方を、白色のカラーフィルタCFwに置き換えた配列となっている。
このように、変形例2では、R(赤),G(緑),B(青)や、R,G,B,W(白)の組み合わせからなる各種の配列構成のカラーフィルタが、偏光子121の単位領域U1(または単位領域U2)に対する各種の面積比(解像度比)で、撮像素子120の撮像面上に設けられている。これにより変形例2では、上記実施の形態や変形例と比較して、例えば以下のような効果を、更に得ることが可能となる。すなわち、このようなカラーフィルタを用いて、カラー画像の撮像信号Siを得ることで、例えば静脈認証の際に、人工物等からなる偽物を検出することが可能となる。また、例えば、前述した法線情報(法線角度θn)を利用して、認証対象物の配置状態(手9の傾き状態や指90の曲がり状態等)を検知する際に、そのようなカラー画像の撮像信号Siを用いることで、配置状態の不定性を改善することも可能となる。
<3.適用例>
続いて、上記実施の形態および変形例1,2においてそれぞれ説明した静脈認証システム1の、各種の電子機器への適用例について説明する。
続いて、上記実施の形態および変形例1,2においてそれぞれ説明した静脈認証システム1の、各種の電子機器への適用例について説明する。
図11,図12はそれぞれ、適用例1,2に係る電子機器の外観構成例を、斜視図で表したものである。
[適用例1]
まず、図11は、適用例1に係る電子機器としてのタブレット3の外観構成例を、斜視図で示している。このタブレット3は、例えば、表示部31および非表示部(筐体)32と、操作部33とを備えていると共に、上記実施の形態および変形例1,2においてそれぞれ説明した静脈認証システム1を内蔵している。なお、操作部33は、図11に示したように非表示部32の前面に設けられていてもよいし、あるいは、非表示部32の上面に設けられていてもよい。
まず、図11は、適用例1に係る電子機器としてのタブレット3の外観構成例を、斜視図で示している。このタブレット3は、例えば、表示部31および非表示部(筐体)32と、操作部33とを備えていると共に、上記実施の形態および変形例1,2においてそれぞれ説明した静脈認証システム1を内蔵している。なお、操作部33は、図11に示したように非表示部32の前面に設けられていてもよいし、あるいは、非表示部32の上面に設けられていてもよい。
[適用例2]
また、図12は、適用例2に係る電子機器としてのノート型PC(Personal Computer;パーソナルコンピュータ)4の外観構成例を、斜視図で示している。このノート型PC4は、例えば、本体41と、文字等の入力操作用のキーボード42と、表示部43とを備えていると共に、上記実施の形態および変形例1,2においてそれぞれ説明した静脈認証システム1を内蔵している。
また、図12は、適用例2に係る電子機器としてのノート型PC(Personal Computer;パーソナルコンピュータ)4の外観構成例を、斜視図で示している。このノート型PC4は、例えば、本体41と、文字等の入力操作用のキーボード42と、表示部43とを備えていると共に、上記実施の形態および変形例1,2においてそれぞれ説明した静脈認証システム1を内蔵している。
このように、上記実施の形態および変形例1,2においてそれぞれ説明した静脈認証システム1は、上記したタブレットやノート型PCの他、例えば、テレビジョン装置やデジタルカメラ、携帯電話、ビデオカメラ等、あらゆる電子機器に設けられているようにしてもよい。これにより、このような各種の電子機器のユーザについての静脈認証(静脈を利用した個人認証)を行うことが可能となる。
<4.その他の変形例>
以上、実施の形態、変形例および適用例を挙げて本開示の技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等に限定されず、種々の変形が可能である。
以上、実施の形態、変形例および適用例を挙げて本開示の技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等に限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態等では、静脈認証システムの構成例を具体的に挙げて説明したが、この構成例には限られない。具体的には、例えば、それらの一部分の構成を他の構成に代えたり、あるいは他の構成を更に加えたりするようにしてもよい。また、各構成の形状や大きさ、配置、個数等についても、上記実施の形態等で挙げたものには限られず、他の形状や大きさ、配置、個数等としてもよい。
具体的には、例えば、偏光センサにおける撮像素子と偏光子とは、互いに別体の素子として設けるようにしてもよいし、あるいは、これらを互いに一体化して素子形成するようにしてもよい。
また、上記実施の形態等では、近赤外領域の偏光光についての複数種類の偏光方向と、偏光子における複数種類の偏光軸の方向とがそれぞれ、4種類である場合を例に挙げて説明したが、この例には限られない。すなわち、基本的には、近赤外領域の偏光光についての複数種類の偏光方向と、偏光子における複数種類の偏光軸の方向とがそれぞれ、互いに一致しているのであれば、例えば、2種類や3種類であったり、あるいは5種類以上であってもよい。
更に、上記実施の形態等では、フィルタ駆動部によって近赤外光透過フィルタおよび偏光フィルタをそれぞれ光源に対して相対的に変位させることで、無偏光光と近赤外領域の偏光光とが光源部から切り替えて照射される構成としていたが、この例には限られない。すなわち、例えば、このような構成以外の手法を用いて、無偏光光と近赤外領域の偏光光とが、光源部から切り替えて照射されるようにしてもよい。
加えて、撮像面上に配置するカラーフィルタにおける配置構成や解像度、色の種類等については、変形例2で説明した例には限られず、他の配置構成や解像度、色の種類等としてもよい。
また、静脈認証の手法としては、上記実施の形態等で説明した手法には限られず、他の手法を用いて、静脈認証を行うようにしてもよい。
更に、上記実施の形態等では、認証対象物の一例として、手9全体や指90を例に挙げて説明したが、この例には限られず、例えば、生体における別の部位を利用して静脈認証を行うようにしてもよい。
加えて、上記実施の形態等で説明した一連の処理は、ハードウェア(回路)で行われるようにしてもよいし、ソフトウェア(プログラム)で行われるようにしてもよい。ソフトウェアで行われるようにした場合、そのソフトウェアは、各機能をコンピュータにより実行させるためのプログラム群で構成される。各プログラムは、例えば、上記コンピュータに予め組み込まれて用いられてもよいし、ネットワークや記録媒体から上記コンピュータにインストールして用いられてもよい。
また、これまでに説明した各種の例を、任意の組み合わせで適用させるようにしてもよい。
なお、本明細書中に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また、他の効果があってもよい。
また、本技術は以下のような構成を取ることも可能である。
(1)
無偏光光と、複数種類の偏光方向を有する近赤外領域の偏光光とを、照射光として認証対象物へ向けて切り替えて照射可能な光源部と、
複数種類の偏光軸を有する偏光子が撮像面上に配置された撮像素子を含んで構成され、前記認証対象物において前記照射光が反射して得られる反射光を、前記偏光子を介して前記撮像面上に受光可能な偏光センサと、
前記撮像素子により得られる撮像信号に基づいて、所定の演算処理を行う演算部と、
前記演算処理が行われた前記撮像信号を利用して、静脈認証を行う認証部と
を備え、
前記演算部は、
前記無偏光光から得られる前記反射光についての前記撮像信号である、第1の撮像信号に基づいて前記演算処理を行うことにより、前記認証対象物における法線情報を取得すると共に、
前記近赤外領域の偏光光から得られる前記反射光についての前記撮像信号である、第2の撮像信号に基づいて前記演算処理を行うことにより、前記第2の撮像信号から散乱光成分を差し引く処理を行い、
前記認証部は、前記認証対象物における法線情報と、前記差し引く処理が行われた前記第2の撮像信号とを利用して、前記静脈認証を行う
静脈認証システム。
(2)
前記演算部は、
前記複数種類の偏光軸の各々に対応した偏光方向を有する複数種類の前記第1の撮像信号について、
前記複数種類の偏光軸の角度と光強度との対応関係を利用した前記演算処理を行うことにより、前記認証対象物における法線情報を取得する
上記(1)に記載の静脈認証システム。
(3)
前記演算部は、
前記複数種類の偏光方向のうちの一の偏光方向を有する前記近赤外領域の偏光光が、前記光源部から照射されている場合において、
前記複数種類の偏光軸の各々に対応した偏光方向を有する複数種類の前記第2の撮像信号同士について、
前記演算処理としての差分処理を行うことにより、前記第2の撮像信号から散乱光成分を差し引く処理を行う
上記(1)または(2)に記載の静脈認証システム。
(4)
前記演算部は、
前記複数種類の偏光方向を有する前記近赤外領域の偏光光が前記光源部から照射される場合の各々において、前記差分処理を行うことによって得られた、前記差し引く処理が行われた前記第2の撮像信号同士について、
前記演算処理としての加算処理を更に行い、
前記認証部は、前記認証対象物における法線情報と、前記差し引く処理および前記加算処理の双方が行われた前記第2の撮像信号とを利用して、前記静脈認証を行う
上記(3)に記載の静脈認証システム。
(5)
前記近赤外領域の偏光光についての前記複数種類の偏光方向と、前記偏光子における前記複数種類の偏光軸の方向とがそれぞれ、互いに一致している
上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の静脈認証システム。
(6)
前記複数種類の偏光方向と、前記複数種類の偏光軸の方向とがそれぞれ、4種類である
上記(5)に記載の静脈認証システム。
(7)
前記光源部は、
前記無偏光光を出射する光源と、
前記無偏光光のうちの近赤外領域の光を選択的に透過させる近赤外光透過フィルタと、
前記複数種類の偏光方向の各々に対応する偏光軸を有する偏光フィルタと
を含んで構成され、
前記近赤外光透過フィルタおよび前記偏光フィルタをそれぞれ、前記光源に対して相対的に変位させる、フィルタ駆動部を更に備えた
上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の静脈認証システム。
(8)
前記撮像素子は、前記撮像面上に、カラーフィルタを更に有する
上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の静脈認証システム。
(9)
静脈認証システムを備え、
前記静脈認証システムは、
無偏光光と、複数種類の偏光方向を有する近赤外領域の偏光光とを、照射光として認証対象物へ向けて切り替えて照射可能な光源部と、
複数種類の偏光軸を有する偏光子が撮像面上に配置された撮像素子を含んで構成され、前記認証対象物において前記照射光が反射して得られる反射光を、前記偏光子を介して前記撮像面上に受光可能な偏光センサと、
前記撮像素子により得られる撮像信号に基づいて、所定の演算処理を行う演算部と、
前記演算処理が行われた前記撮像信号を利用して、静脈認証を行う認証部と
を備え、
前記演算部は、
前記無偏光光から得られる前記反射光についての前記撮像信号である、第1の撮像信号に基づいて前記演算処理を行うことにより、前記認証対象物における法線情報を取得すると共に、
前記近赤外領域の偏光光から得られる前記反射光についての前記撮像信号である、第2の撮像信号に基づいて前記演算処理を行うことにより、前記第2の撮像信号から散乱光成分を差し引く処理を行い、
前記認証部は、前記認証対象物における法線情報と、前記差し引く処理が行われた前記第2の撮像信号とを利用して、前記静脈認証を行う
電子機器。
(1)
無偏光光と、複数種類の偏光方向を有する近赤外領域の偏光光とを、照射光として認証対象物へ向けて切り替えて照射可能な光源部と、
複数種類の偏光軸を有する偏光子が撮像面上に配置された撮像素子を含んで構成され、前記認証対象物において前記照射光が反射して得られる反射光を、前記偏光子を介して前記撮像面上に受光可能な偏光センサと、
前記撮像素子により得られる撮像信号に基づいて、所定の演算処理を行う演算部と、
前記演算処理が行われた前記撮像信号を利用して、静脈認証を行う認証部と
を備え、
前記演算部は、
前記無偏光光から得られる前記反射光についての前記撮像信号である、第1の撮像信号に基づいて前記演算処理を行うことにより、前記認証対象物における法線情報を取得すると共に、
前記近赤外領域の偏光光から得られる前記反射光についての前記撮像信号である、第2の撮像信号に基づいて前記演算処理を行うことにより、前記第2の撮像信号から散乱光成分を差し引く処理を行い、
前記認証部は、前記認証対象物における法線情報と、前記差し引く処理が行われた前記第2の撮像信号とを利用して、前記静脈認証を行う
静脈認証システム。
(2)
前記演算部は、
前記複数種類の偏光軸の各々に対応した偏光方向を有する複数種類の前記第1の撮像信号について、
前記複数種類の偏光軸の角度と光強度との対応関係を利用した前記演算処理を行うことにより、前記認証対象物における法線情報を取得する
上記(1)に記載の静脈認証システム。
(3)
前記演算部は、
前記複数種類の偏光方向のうちの一の偏光方向を有する前記近赤外領域の偏光光が、前記光源部から照射されている場合において、
前記複数種類の偏光軸の各々に対応した偏光方向を有する複数種類の前記第2の撮像信号同士について、
前記演算処理としての差分処理を行うことにより、前記第2の撮像信号から散乱光成分を差し引く処理を行う
上記(1)または(2)に記載の静脈認証システム。
(4)
前記演算部は、
前記複数種類の偏光方向を有する前記近赤外領域の偏光光が前記光源部から照射される場合の各々において、前記差分処理を行うことによって得られた、前記差し引く処理が行われた前記第2の撮像信号同士について、
前記演算処理としての加算処理を更に行い、
前記認証部は、前記認証対象物における法線情報と、前記差し引く処理および前記加算処理の双方が行われた前記第2の撮像信号とを利用して、前記静脈認証を行う
上記(3)に記載の静脈認証システム。
(5)
前記近赤外領域の偏光光についての前記複数種類の偏光方向と、前記偏光子における前記複数種類の偏光軸の方向とがそれぞれ、互いに一致している
上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の静脈認証システム。
(6)
前記複数種類の偏光方向と、前記複数種類の偏光軸の方向とがそれぞれ、4種類である
上記(5)に記載の静脈認証システム。
(7)
前記光源部は、
前記無偏光光を出射する光源と、
前記無偏光光のうちの近赤外領域の光を選択的に透過させる近赤外光透過フィルタと、
前記複数種類の偏光方向の各々に対応する偏光軸を有する偏光フィルタと
を含んで構成され、
前記近赤外光透過フィルタおよび前記偏光フィルタをそれぞれ、前記光源に対して相対的に変位させる、フィルタ駆動部を更に備えた
上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の静脈認証システム。
(8)
前記撮像素子は、前記撮像面上に、カラーフィルタを更に有する
上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の静脈認証システム。
(9)
静脈認証システムを備え、
前記静脈認証システムは、
無偏光光と、複数種類の偏光方向を有する近赤外領域の偏光光とを、照射光として認証対象物へ向けて切り替えて照射可能な光源部と、
複数種類の偏光軸を有する偏光子が撮像面上に配置された撮像素子を含んで構成され、前記認証対象物において前記照射光が反射して得られる反射光を、前記偏光子を介して前記撮像面上に受光可能な偏光センサと、
前記撮像素子により得られる撮像信号に基づいて、所定の演算処理を行う演算部と、
前記演算処理が行われた前記撮像信号を利用して、静脈認証を行う認証部と
を備え、
前記演算部は、
前記無偏光光から得られる前記反射光についての前記撮像信号である、第1の撮像信号に基づいて前記演算処理を行うことにより、前記認証対象物における法線情報を取得すると共に、
前記近赤外領域の偏光光から得られる前記反射光についての前記撮像信号である、第2の撮像信号に基づいて前記演算処理を行うことにより、前記第2の撮像信号から散乱光成分を差し引く処理を行い、
前記認証部は、前記認証対象物における法線情報と、前記差し引く処理が行われた前記第2の撮像信号とを利用して、前記静脈認証を行う
電子機器。
1…静脈認証システム、11…光源部、110…光源、111…近赤外光透過フィルタ、112…偏光フィルタ、12…偏光センサ、120…撮像素子、121…偏光子、13…フィルタ駆動部、14…演算部、15…認証部、3…タブレット、31…表示部、32…非表示部、33…操作部、4…ノート型PC、41…本体、42…キーボード、43…表示部、9…手、90…指、Lout…照射光、L0…無偏光光、Lirp…近赤外偏光光、Lr…反射光、Si,Si1a,Si1b,Si1c,Si1d,Si2a,Si2b,Si2c,Si2d…撮像信号、CTL…制御信号、d1,d2…方向、U1,U2…単位領域、P1a,P1b,P1c,P1d,P2a,P2b,P2c,P2d…偏光軸、θ…偏光軸角度、θn…法線角度、Dr…登録データ、Gr…登録静脈パターン、Cf…フィッティング曲線、Ct,Ct(Total)…透過画像成分、Ctf…半透過画像成分、Cs…散乱光成分、CFr,CFg,CFb,CFw…カラーフィルタ。
Claims (9)
- 無偏光光と、複数種類の偏光方向を有する近赤外領域の偏光光とを、照射光として認証対象物へ向けて切り替えて照射可能な光源部と、
複数種類の偏光軸を有する偏光子が撮像面上に配置された撮像素子を含んで構成され、前記認証対象物において前記照射光が反射して得られる反射光を、前記偏光子を介して前記撮像面上に受光可能な偏光センサと、
前記撮像素子により得られる撮像信号に基づいて、所定の演算処理を行う演算部と、
前記演算処理が行われた前記撮像信号を利用して、静脈認証を行う認証部と
を備え、
前記演算部は、
前記無偏光光から得られる前記反射光についての前記撮像信号である、第1の撮像信号に基づいて前記演算処理を行うことにより、前記認証対象物における法線情報を取得すると共に、
前記近赤外領域の偏光光から得られる前記反射光についての前記撮像信号である、第2の撮像信号に基づいて前記演算処理を行うことにより、前記第2の撮像信号から散乱光成分を差し引く処理を行い、
前記認証部は、前記認証対象物における法線情報と、前記差し引く処理が行われた前記第2の撮像信号とを利用して、前記静脈認証を行う
静脈認証システム。 - 前記演算部は、
前記複数種類の偏光軸の各々に対応した偏光方向を有する複数種類の前記第1の撮像信号について、
前記複数種類の偏光軸の角度と光強度との対応関係を利用した前記演算処理を行うことにより、前記認証対象物における法線情報を取得する
請求項1に記載の静脈認証システム。 - 前記演算部は、
前記複数種類の偏光方向のうちの一の偏光方向を有する前記近赤外領域の偏光光が、前記光源部から照射されている場合において、
前記複数種類の偏光軸の各々に対応した偏光方向を有する複数種類の前記第2の撮像信号同士について、
前記演算処理としての差分処理を行うことにより、前記第2の撮像信号から散乱光成分を差し引く処理を行う
請求項1に記載の静脈認証システム。 - 前記演算部は、
前記複数種類の偏光方向を有する前記近赤外領域の偏光光が前記光源部から照射される場合の各々において、前記差分処理を行うことによって得られた、前記差し引く処理が行われた前記第2の撮像信号同士について、
前記演算処理としての加算処理を更に行い、
前記認証部は、前記認証対象物における法線情報と、前記差し引く処理および前記加算処理の双方が行われた前記第2の撮像信号とを利用して、前記静脈認証を行う
請求項3に記載の静脈認証システム。 - 前記近赤外領域の偏光光についての前記複数種類の偏光方向と、前記偏光子における前記複数種類の偏光軸の方向とがそれぞれ、互いに一致している
請求項1に記載の静脈認証システム。 - 前記複数種類の偏光方向と、前記複数種類の偏光軸の方向とがそれぞれ、4種類である
請求項5に記載の静脈認証システム。 - 前記光源部は、
前記無偏光光を出射する光源と、
前記無偏光光のうちの近赤外領域の光を選択的に透過させる近赤外光透過フィルタと、
前記複数種類の偏光方向の各々に対応する偏光軸を有する偏光フィルタと
を含んで構成され、
前記近赤外光透過フィルタおよび前記偏光フィルタをそれぞれ、前記光源に対して相対的に変位させる、フィルタ駆動部を更に備えた
請求項1に記載の静脈認証システム。 - 前記撮像素子は、前記撮像面上に、カラーフィルタを更に有する
請求項1に記載の静脈認証システム。 - 静脈認証システムを備え、
前記静脈認証システムは、
無偏光光と、複数種類の偏光方向を有する近赤外領域の偏光光とを、照射光として認証対象物へ向けて切り替えて照射可能な光源部と、
複数種類の偏光軸を有する偏光子が撮像面上に配置された撮像素子を含んで構成され、前記認証対象物において前記照射光が反射して得られる反射光を、前記偏光子を介して前記撮像面上に受光可能な偏光センサと、
前記撮像素子により得られる撮像信号に基づいて、所定の演算処理を行う演算部と、
前記演算処理が行われた前記撮像信号を利用して、静脈認証を行う認証部と
を備え、
前記演算部は、
前記無偏光光から得られる前記反射光についての前記撮像信号である、第1の撮像信号に基づいて前記演算処理を行うことにより、前記認証対象物における法線情報を取得すると共に、
前記近赤外領域の偏光光から得られる前記反射光についての前記撮像信号である、第2の撮像信号に基づいて前記演算処理を行うことにより、前記第2の撮像信号から散乱光成分を差し引く処理を行い、
前記認証部は、前記認証対象物における法線情報と、前記差し引く処理が行われた前記第2の撮像信号とを利用して、前記静脈認証を行う
電子機器。
Priority Applications (2)
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JP2018046285A JP2019159869A (ja) | 2018-03-14 | 2018-03-14 | 静脈認証システムおよび電子機器 |
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