JP2019158977A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のショット領域を含む半導体チップに搭載され、隣り合うショット領域同士の境界を跨いで形成される光導波路において、光通信時に光損失が生じることを防ぐ。【解決手段】互いに隣り合うショット領域同士の境界線DL1と平面視で重なり合う領域において、短手方向の幅が大きい幅広部を備えた光導波路OW1を形成する。これらのショット領域のそれぞれの露光位置のずれに起因して、光導波路OW1の幅広部の短手方向の両側の側面のそれぞれには、平面視において段部DPが形成されている。【選択図】図9
Description
本発明は、半導体装置およびその製造方法に関し、特に、光通信を行う半導体装置およびその製造方法に適用して有効な技術に関するものである。
光通信を行う半導体装置として、シリコンフォトニクス装置が知られている。
特許文献1(国際公開第2014/112077号)には、半導体ウェハに形成された検査対象となる2つのチップのうち、一方のチップに設けられた送信部と、他方のチップに設けられた受信部とを互いに接続する光導波路を、それらのチップ同士の境界を通るように形成することが記載されている。
シリコンフォトニクス装置は、半導体チップ上に設けられた光導波路を通じて、例えば互いに離間する発光部と受光部との間で光を媒体として通信を行う装置であり、通信経路が長くなれば、当該半導体チップのサイズも増大する。半導体チップのサイズが大きい場合、その製造工程において1回の露光ではチップ領域の全体を露光処理できないため、複数回の分割露光処理を行うことで1つのチップ領域を露光する。
分割露光を行う場合、1つの半導体チップの形成領域(チップ領域)内で互いに隣り合う第1の露光領域と第2の露光領域との境界において、それらの露光領域の相互間の露光位置のずれに起因して、形成されたパターンにずれが生じることが考えられる。この場合、当該境界を通る光導波路において光通信時に光損失が生じ、これにより半導体装置の性能が低下する問題がある。
その他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される実施の形態のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
一実施の形態である半導体装置の製造方法は、互いに隣り合うショット領域同士の境界と平面視で重なり合う領域において、短手方向の幅が大きい幅広部を備えた光導波路を形成するものである。
また、他の一実施の形態である半導体装置は、延在する光導波路の途中に、短手方向の幅が大きい幅広部を備えており、平面視において、当該幅広部の当該短手方向の2つの側面のそれぞれに段部が形成されているものである。
本願において開示される一実施の形態によれば、半導体装置の性能を向上させることができる。特に、シリコンフォトニクス装置を用いた通信時の光損失を低減することができる。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その言及した数に限定されるものではなく、言及した数以上でも以下でもよい。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことはいうまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
以下、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。また、実施の形態を説明する図面においては、構成を分かりやすくするために、平面図または斜視図等であってもハッチングを付す場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態の半導体装置は、光導波路を含むシリコンフォトニクス装置に係るものであり、2つのショット領域(フォトリソグラフィ工程での露光領域)の境界を跨ぐ光導波路を形成する場合に、当該境界近傍の光導波路を太く形成し、これにより光導波路での光の損失を防ぐことを主な特徴とするものである。
本実施の形態の半導体装置は、光導波路を含むシリコンフォトニクス装置に係るものであり、2つのショット領域(フォトリソグラフィ工程での露光領域)の境界を跨ぐ光導波路を形成する場合に、当該境界近傍の光導波路を太く形成し、これにより光導波路での光の損失を防ぐことを主な特徴とするものである。
「シリコンフォトニクス」という用語は、光媒体としてSi(シリコン)を使用するフォトニックシステムの技術に関する。光を用いた信号の伝達を行う際、Siは光の流れを誘導するために使用することが可能である。Siは約1.1マイクロメートルを越える波長を有する赤外線光を透過する材料である。Siは約3.5という高い屈折率も有する。この高い屈折率により提供される厳しい光学的制約により、例えば数百nm2の断面積を有する微小な光導波路が実現可能であり、シリコンフォトニクス装置は既存の半導体製造技術を使用して作ることが可能である。シリコンフォトニクス装置を用いた通信は、省電力であるため、例えばサーバ内部またはサーバ同士の間での通信にシリコンフォトニクス装置を使用することで、大幅な省電力化が可能となる。なお、本明細書では、主としてSiを用いた場合について説明するが、光導波路は、その内部を光が伝送できればよく、Si以外にもGe(ゲルマニウム)を含む材料で構成されていてもよい。
光導波路は、内部を通る光の進行方向を規定する。すなわち、光導波路は、内部を通る光の進行方向(または光路)に沿って延在する。
シリコンフォトニクス装置は、例えば互いに離間する装置同士の間で光を媒体として通信を行う装置であり、光を送るために用いられる光導波路は、半導体チップに搭載される。このため、通信経路が長くなれば、当該半導体チップのサイズも増大する。半導体装置の製造工程でフォトリソグラフィ技術を用いて半導体ウェハ上に光導波路のパターンを形成する場合、フォトリソグラフィ工程でエッチング阻止マスクとして用いられるフォトレジスト膜を露光できる範囲(面積)には限りがある。半導体チップのサイズが1回の露光処理で露光できる範囲(ショット領域)よりも大きい場合、当該製造工程において1回の露光処理ではチップ全体を露光できない。したがって、半導体ウェハのうち、1つの半導体チップとなる領域(チップ領域)を、複数回の露光処理(分割露光処理)を行うことで露光する。以下では、分割露光を行って形成される半導体装置について説明を行う。
<半導体装置の製造方法>
以下に、本実施の形態の半導体装置の製造方法について、図1〜図15を用いて説明する。図1、図2、図7、図8、図10、図11、図13および図14は、本実施の形態の半導体装置の製造工程中の断面図である。図3は、本発明の半導体装置の製造工程中のウェハに対する露光の順序を示す平面図である。図4〜図6、図9、図12および図15は、本実施の形態の半導体装置の製造工程中の平面図である。図7には、図6のA−A線における断面を示している。図10には、図9のA−A線における断面を示している。図13には、図12のA−A線における断面を示している。以下で平面図を用いて説明を行う場合には、図15の光導波路OW2を除き、光導波路内を通る光が、平面図の左側から右側に向かって通過する場合を想定して説明を行う。これは、図27を除き、本実施の形態の変形例および後述する実施の形態2、3の説明で用いる平面図でも同様である。
以下に、本実施の形態の半導体装置の製造方法について、図1〜図15を用いて説明する。図1、図2、図7、図8、図10、図11、図13および図14は、本実施の形態の半導体装置の製造工程中の断面図である。図3は、本発明の半導体装置の製造工程中のウェハに対する露光の順序を示す平面図である。図4〜図6、図9、図12および図15は、本実施の形態の半導体装置の製造工程中の平面図である。図7には、図6のA−A線における断面を示している。図10には、図9のA−A線における断面を示している。図13には、図12のA−A線における断面を示している。以下で平面図を用いて説明を行う場合には、図15の光導波路OW2を除き、光導波路内を通る光が、平面図の左側から右側に向かって通過する場合を想定して説明を行う。これは、図27を除き、本実施の形態の変形例および後述する実施の形態2、3の説明で用いる平面図でも同様である。
まず、図1に示すように、半導体基板SBと、半導体基板SB上の絶縁膜BOXと、絶縁膜BOX上の半導体膜(半導体層、SOI層)SLとから成る積層基板であるSOI(Silicon On Insulator)基板(半導体ウェハ)を準備する。半導体基板SBは、例えば単結晶Si(シリコン)から成る。半導体膜SLは、例えば単結晶Si(シリコン)またはポリシリコン膜から成る。伝搬中の光の損失を低減する観点から、絶縁膜BOXの厚さは、光導波路からの光の染み出し距離よりも大きいことが好ましく、例えば、1μm以上であり、2〜3μm程度であることが好ましい。絶縁膜BOXは、埋込み酸化(BOX:Buried Oxide)膜であり、例えば酸化シリコン膜から成る。ただし、基板としては、支持用の半導体基板SBを有するものに限定されるものではなく、例えば、SOS(Silicon on Sapphire)基板のように、支持基板として機能する絶縁層(サファイア)上に半導体層を設けた2層構造の基板であってもよい。
次に、図2に示すように、半導体膜SL上に、フォトレジスト膜PR1を塗布する。ここでは、ポジティブ型のフォトレジスト膜PR1を形成する場合について説明する。
次に、図3〜図10を用いて説明するように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング法を用いて、半導体膜SLを加工(パターニング)し、これにより光導波路OW1(図10参照)を形成する。
ここで行うフォトリソグラフィ工程では、図3に示すように、半導体ウェハWFの主面にアレイ状に並ぶ複数のショット領域SRを順に露光処理する。ショット領域SRは、1回の露光処理によりフォトレジスト膜を露光することができる範囲であり、平面視で矩形の形状を有している。ショット領域SRは、例えば、ArF(フッ化アルゴン)液浸スキャナーを用いて露光できる最大の範囲である。平面視で矩形のレイアウトを有するショット領域SRの1辺の長さは、例えば2.5cmである。
半導体ウェハWFに対して露光処理を行う際は、図3において矢印で示すように、半導体ウェハWFの主面の端部のショット領域SRに対して露光処理を行い、続いて、隣接する他のショット領域SRに対して露光処理を行い、このような工程を繰り返し行うことで、半導体基板SBの全てのショット領域SRを露光する。
ここで、本実施の形態の半導体装置の製造工程で形成される半導体チップは、図3で太い線で囲まれたチップ領域CPRに形成される。つまり、製造する半導体チップは、X方向に並ぶ2つのショット領域SRと、それらのショット領域SRのそれぞれに対し、Y方向で隣り合う2つのショット領域SRとの、計4つのショット領域SRを含むチップ領域CPRにより構成される。X方向およびY方向のそれぞれは、半導体ウェハWF(半導体基板、SOI基板)の主面に沿う方向であり、X方向とY方向とは互いに直交している。チップ領域CPRは平面視で矩形のレイアウトを有している。チップ領域CPRの1辺の長さは、例えば4〜5cmである。
チップ領域CPRは1つのショット領域SRよりも大きい面積を有しているため、1回の露光処理でチップ領域CPRの全体を露光することはできない。よって、ここでは、チップ領域CPR内を4つの領域に分割し、それらの領域をそれぞれ別々に露光する。本願では、このように1つのチップ領域CPRを構成する複数の領域に分けて露光することを、分割露光と呼ぶ。以下では、チップ領域CPR内においてフォトレジスト膜PR1を分割露光する際に、隣り合うショット領域SRの境界を通過する(跨ぐ)ように光導波路を形成することについて説明する。
フォトレジスト膜PR1の露光処理を行う際には、まず、図4に示すように、第1のショット領域SR1内のフォトレジスト膜PR1を露光する。図4では、1つのチップ領域CPR(図3参照)内において、X方向に互いに隣り合う2つのショット領域のうち、一方のショット領域SR1を露光した状態を示している。図4は平面図であるが、図を分かり易くするため、ショット領域SR1内において、ポジティブ型のフォトレジスト膜PR1を露光した領域にハッチングを付しており、露光されていない領域であるパターンPT1にはハッチングを付していない。また、ここではショット領域SR1の輪郭およびパターンPT1の輪郭を破線で示している。
パターンPT1は、X方向に隣り合うショット領域SR1およびショット領域SR2(図5参照)の相互間の境界に接し、X方向に延在しており、ショット領域SR2側のショット領域SR1の端部に接している。図示していない領域では、パターンPT1は平面視で曲がっていてもよく、X方向以外の方向に延在していてもよい。ショット領域SR1とショット領域SR2との境界近傍以外の領域において、パターンPT1は短手方向(Y方向)の幅a1を有し、ショット領域SR1とショット領域SR2との境界近傍、つまりショット領域SR1の端部を含む端部近傍において、パターンPT1は幅a1より大きい当該短手方向の幅b1を有している。すなわち、パターンPT1は、幅a1を有する第1部分(第1マスク部)1Pと、幅b1を有する第2部分(第2マスク部)2Pと、第1部分1Pおよび第2部分2Pを互いに接続する第1接続部1Cとを備えている。第1部分1Pはショット領域SR1の端部に対して離間しており、第2部分2Pはショット領域SR1の端部に接している。幅b1は、例えば幅a1の2倍以上の大きさを有している。
本工程では、露光により、ショット領域SR1内のフォトレジスト膜PR1のうち、互いに接続された第1部分1Pおよび第2部分2Pを有するパターンPT1以外の領域について、溶解用の現像液に対する溶解性を増大させる。言い換えれば、露光により、フォトレジスト膜PR1内に、現像液の溶解能に対する耐性を有するパターンPT1を形成する。
次に、図5に示すように、第2のショット領域SR2内のフォトレジスト膜PR1を露光する。図5では、1つのチップ領域CPR(図3参照)内において、X方向に互いに隣り合う2つのショット領域のうち、ショット領域SR1とは異なるもう一方のショット領域SR2を露光した状態を示している。図5は平面図であるが、図を分かり易くするため、ショット領域SR2内において、ポジティブ型のフォトレジスト膜PR1を露光した領域にハッチングを付しており、露光されていない領域であるパターンPT2にはハッチングを付していない。また、ここではショット領域SR2の輪郭およびパターンPT2の輪郭を破線で示している。
パターンPT2は、X方向において隣り合うショット領域SR1とショット領域SR2との境界に接し、X方向に延在しており、ショット領域SR1側のショット領域SR2の端部に接している。図示していない領域では、パターンPT2は平面視で曲がっていてもよく、X方向以外の方向に延在していてもよい。ショット領域SR2とショット領域SR1との境界近傍以外の領域において、パターンPT2は短手方向(Y方向)の幅a2を有し、ショット領域SR2とショット領域SR1との境界近傍、つまりショット領域SR2の端部を含む端部近傍において、パターンPT2は幅a2より大きい当該短手方向の幅b2を有している。すなわち、パターンPT2は、幅a2を有する第3部分(第3マスク部)3Pと、幅b2を有する第4部分(第4マスク部)4Pと、第3部分3Pおよび第4部分4Pを互いに接続する第2接続部2Cとを備えている。第3部分3Pはショット領域SR2の端部に対して離間しており、第4部分4Pはショット領域SR2の端部に接している。幅b2は、例えば幅a2の2倍以上の大きさを有している。
本工程では、露光により、ショット領域SR2内のフォトレジスト膜PR1のうち、互いに接続された第3部分3Pおよび第4部分4Pを有するパターンPT2以外の領域について、溶解用の現像液に対する溶解性を増大させる。ここで、ショット領域SR2と平面視で重なるショット領域SR1内のフォトレジスト膜PR1のうち、露光された箇所は、現像液に対する溶解性が増大する。言い換えれば、露光により、フォトレジスト膜PR1内に、現像液の溶解能に対する耐性を有するパターンPT2を形成する。
幅a1、a2、b1、b2は、光導波路OW1の内部を通過する光の波長、光のモード、または光導波路OW1の高さ(半導体膜SLの厚さ)などに応じて、設定され得る。幅a1および幅a2は、互いに同じ大きさであってもよいし、互いに異なる大きさであってもよい。また、幅b1および幅b2も、互いに同じ大きさであってもよいし、互いに異なる大きさであってもよい。本実施の形態において、幅a1と幅a2とは同じ大きさであり、幅b1と幅b2とは同じ大きさであり、幅b1、b2はいずれも幅a1、a2のいずれよりも大きい。幅a1、a2のそれぞれは、第1部分1Pおよび第3部分3Pの内部をシングルモードの光が通過できればよく、例えば当該光の波長の1/4程度、すなわち数百nmであり、好ましくは300〜400nmである。幅b1、幅b2は、第2部分2Pおよび第4部分4Pの内部をマルチモードの光が通過できればよく、例えば当該光の波長の2倍程度、すなわち2〜3μm程度である。幅b1、b2は、例えば、幅a1、a2のそれぞれよりも1.3〜3.0倍大きく、400〜600nm大きい。幅b1、b2は、幅a1、a2のそれぞれよりも2倍以上大きいことが好ましい。
ここで、X方向において、互いに隣り合うショット領域SR1およびショット領域SR2同士は、互いの端部が重なっている。これは、ショット領域SR1の露光位置とショット領域SR2の露光位置のうち、いずれか一方または両方に位置ずれが生じた場合に、ショット領域SR1とショット領域SR2との間に亘って形成されるパターンが途切れることを防ぐためである。つまり、ショット領域SR1およびショット領域SR2のそれぞれのX方向の端部同士が予め重なるように各ショット領域の露光位置を規定することで、X方向において露光の位置ずれが生じた場合であっても、パターンの分断を防ぐことができる。
このため、パターンPT1の端部(第2部分2P)とパターンPT2の端部(第4部分4P)とは互いに重なる。つまり、第2部分2Pと第4部分4Pとは、互いに接続されている。ただし、第2部分2Pと第4部分4PのそれぞれのX方向の長さは、パターンPT1、PT2が互いに重なる領域のX方向の長さより大きい。このため、平面視において、パターンPT1の細い部分である第1部分1Pと、パターンPT2とは互いに重なっておらず、パターンPT2の細い部分である第3部分3Pと、パターンPT1とは互いに重なっていない。本願では、ショット領域SR1とショット領域SR2との境界線DL1を、ショット領域SR1のショット領域SR2側の端部と、ショット領域SR2のショット領域SR1側の端部との中間を通る線と定義する。よって、境界線DL1は、パターンPT1とパターンPT2とが重なる領域のX方向の中心に位置している。
本来、ショット領域SR1、SR2のそれぞれの露光位置は、ずれないことが望ましい。例えば、Y方向において、ショット領域SR1の全体とショット領域SR2の全体とは、互いにずれること無く隣り合っていることが望ましい。つまり、Y方向の座標において、ショット領域SR1、SR2は同じ座標に形成されることが理想的である。露光の位置ずれが生じなければ、パターンPT1の第1部分1Pの全体とパターンPT2の第3部分3Pの全体とは、互いにX方向に隣り合って形成される。しかし、技術的に露光の位置ずれを完全に防ぐことは困難である。
すなわち、隣り合う露光領域同士の相互間の位置ずれは、X方向に限らず、Y方向に置いても起こり得る。本実施の形態では、ショット領域SR1に対し、ショット領域SR2の位置が図の下方にずれた場合について説明する。パターンPT1の第2部分2PとパターンPT2の第4部分4Pとは、Y方向において互いに同じ幅を有している。しかし、第2部分2Pと第4部分4PとはY方向で完全に重なっておらず、ショット領域SR2がショット領域SR1に対してY方向において図の下方にずれている分、第4部分4Pは第2部分2Pに対してY方向において図の下方にずれている。以下では、第2部分2Pと第4部分4Pとが互いに重なっている部分を、第5部分(第5マスク部)5Pと呼ぶ。第5部分5Pは、平面視で境界線DL1を跨ぐ位置にあり、第2部分2Pと第4部分4Pとに挟まれている。すなわち、第5部分5Pは、第2部分2Pと第4部分4Pとの相互間を接続する部分である。
次に、図6および図7に示すように、フォトレジスト膜PR1を現像する。すなわち、フォトレジスト膜PR1が露光された領域を、現像液により溶解して除去する。図7は、フォトレジスト膜PR1の第2部分2Pを示す断面図である。このとき、図4および図5を用いて説明した2回の露光工程のいずれにおいても露光されず、当該現像液に対して耐性を有している部分のフォトレジスト膜PR1は、除去されずに残る。これにより形成されたレジストパターン(マスクパターン)であるフォトレジスト膜PR1は、X方向において順に並んで連続的に接続された第1部分1P、第1接続部1C、第2部分2P、第5部分5P、第4部分4P、第2接続部2Cおよび第3部分3Pにより構成されており、X方向に延在している。第5部分5PのY方向の幅c1は、幅a1、a2のいずれよりも大きく、幅b1、b2のいずれよりも小さい。
ここでは、図4を用いて説明した露光工程で露光されなかった第2部分2Pの一部であっても、図5を用いて説明した露光工程で露光された箇所は除去される。同様に、図5を用いて説明した露光工程で露光されなかった第4部分4Pの一部であっても、図4を用いて説明した露光工程で露光された箇所は除去される。このため、当該レジストパターンの第2部分2Pと第4部分4Pとの間には、第2部分2Pおよび第4部分4Pのいずれよりも幅が小さい第5部分5Pが形成される。また、当該レジストパターンには、第5部分5Pと第2部分2Pとの境界とY方向で並ぶ位置、並びに、第5部分5Pと第4部分4Pとの境界とY方向で並ぶ位置のそれぞれに、段部(段差)RDPが形成される。
当該レジストパターン(マスクパターン)のうち、平面視でパターンPT1(図5参照)の第2部分2PとパターンPT2(図5参照)の第4部分4Pとが互いに重なる第5部分5Pの短手方向の幅c1は、幅a1、幅a2よりも大きい。
次に、図8に示すように、フォトレジスト膜PR1をエッチング阻止マスクとして用いてエッチングを行うことで、半導体膜SLから成る光導波路OW1を形成する。このエッチング工程により、絶縁膜BOXの上面を露出させる。
次に、図9および図10に示すように、アッシングを行うことで、フォトレジスト膜PR1を除去し、これにより、光導波路OW1の上面を露出させる。図10は、光導波路OW1の第2部分2Pを示す断面図である。ここでは、図4〜図7を用いて説明したフォトレジスト膜PR1をマスクとして用いて形成した光導波路OW1の部分のうち、フォトレジスト膜PR1の第1〜第5部分に対応する箇所を、光導波路OW1の第1〜第5部分と呼んで説明を行う。すなわち、図9に示す光導波路OW1の平面レイアウトは、図6を用いて説明したフォトレジスト膜PR1の形状に対応して、X方向において順に並んで連続的に接続された第1部分1P、第2部分2P、第5部分5P、第4部分4Pおよび第3部分3Pにより構成されており、X方向に延在している。つまり、第1部分1P、第2部分2P、第5部分5P、第4部分4Pおよび第3部分3Pのそれぞれは、絶縁膜BOXの上面に沿って延在している。
第5部分5PのY方向の幅c1は、幅a1、a2のいずれよりも大きく、幅b1、b2のいずれよりも小さい。第5部分5Pは、境界線DL1を跨ぐ位置に存在している。フォトレジスト膜PR1から成るレジストパターンのレイアウトに対応して、第2部分2Pの幅b1は、第1部分1Pの幅a1の1.3〜3.0倍であり、2倍以上の大きさを有していることが好ましく、第4部分4Pの幅b2は、第3部分3Pの幅a2の1.3〜3.0倍であり、2倍以上の大きさを有していることが好ましい。
また、光導波路OW1の第1部分1Pと第2部分2Pとを接続する部分(第1接続部1C)は、第1部分1P側から第2部分2P側に向かって徐々に太くなるパターンから成り、当該パターンはX方向において長さd1を有している。第1部分1Pと第2部分2Pとを接続する当該パターンの全体の平面視の輪郭(側面)は直線的ではなく、曲線状になっている。つまり、第1部分1Pから第2部分2Pに向かって、光導波路OW1の幅はなだらかに大きくなる。これは、第1部分1Pから第2部分2Pに向かって光導波路OW1の幅が急激に大きくなることに起因する光の損失が生じることを防ぐためである。ただし、当該損失が小さい場合は、第1接続部1Cの側面が平面視で直線であってもよい。このように、第1部分1Pと第2部分2Pとは、第1部分1P側から第2部分2P側に向かって徐々に幅が大きくなる第1接続部1Cを介して接続されている。
また、光導波路OW1の第4部分4Pと第3部分3Pとを接続する部分(第2接続部2C)は、第4部分4P側から第3部分3P側に向かって徐々に細くなるパターンから成り、当該パターンはX方向において長さd2を有している。第4部分4Pと第3部分3Pとを接続するパターンの全体の平面視の輪郭(側面)は直線的ではなく、曲線状になっている。つまり、第4部分4Pから第3部分3Pに向かって、光導波路OW1の幅はなだらかに小さくなる。これは、第4部分4Pから第3部分3Pに向かって光導波路OW1の幅が急激に小さくなることに起因する光の損失が生じることを防ぐためである。ただし、当該損失が小さい場合は、第2接続部2Cの側面が平面視で直線であってもよい。このように、第4部分4Pと第3部分3Pとは、第4部分4P側から第3部分3P側に向かって徐々に幅が小さくなる第2接続部2Cを介して接続されている。
ここでは、長さd1と長さd2とは互いに同等の大きさを有している。第1接続部1Cは、光導波路OW1の短手方向の幅が、幅b1から幅a1に変化する部分である。また、第2接続部2Cは、光導波路OW1の短手方向の幅が、幅b2から幅a2に変化する部分である。長さd1、d2は、幅a1、a2のそれぞれの5倍以上の大きさを有している。これは、光導波路OW1の幅を入射側で緩やかに広げ、出射側で緩やかに狭めるためである。このように、長さd1、d2は、幅a1、a2のそれぞれの5倍以上の大きさを有していることで、光導波路OW1において光損失が生じることを防いでいる。
また、光導波路OW1には、第5部分5Pと第2部分2Pとの境界に対しY方向で並ぶ位置、並びに、第5部分5Pと第4部分4Pとの境界に対しY方向で並ぶ位置のそれぞれに、段部(段差)DPが形成される。2つの段部DPのうち、一方の段部DPは光導波路OW1のY方向の第1側面側に形成されおり、他方の段部DPは、光導波路OW1の側面のうち、Y方向において第1側面とは反対側に位置する第2側面側に形成されている。
言い換えれば、幅広部の複数の側面のうち、幅広部に接続された第1部分1Pおよび第3部分3Pの相互間の領域をY方向で挟む両側の側面のそれぞれに1つずつ段部DPが形成されている。すなわち、幅広部の短手方向の2つの側面のそれぞれに段部DPが形成されている。当該2つの側面とは、幅広部に接続された第1部分1Pの端部と第3部分3Pの端部との間の領域を挟んで位置する2つの側面を意味する。また、平面視で光導波路OW1の両側の側面に形成された2つの段部DPは、X方向(光導波路OW1の長手方向)で境界線DL1を挟んで形成されている。境界線DL1は、当該2つの段部DPのX方向の中心に位置している。
上記2つの段部DPは、平面視で点対称な形状を有しており、平面視で線対称な形状を有していない。これは、段部DPが、境界線DL1を挟む2つのショット領域のそれぞれで行った露光処理の相互間の位置ずれに起因して、幅広部の一部のパターンが他の一部のパターンに対し1方向にずれたことに起因して形成されているためである。図5に示すショット領域SR1の終端部とショット領域SR2の終端部とが平面視で重なる場合には、上述した第5部分5Pは形成されず、2つの段部DPのそれぞれは境界線DL1と重なる位置においてY方向に並んで形成される。
次に、図11に示すように、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて、絶縁膜BOX上に、光導波路OW1を覆う層間絶縁膜IL1を形成する。層間絶縁膜IL1は例えば酸化シリコン膜から成る。その後、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)法を用いて、層間絶縁膜IL1の上面を平坦化する。続いて、図示していない領域で、層間絶縁膜IL1を貫通する接続孔を複数形成する。続いて、層間絶縁膜IL1上に金属膜を形成することで、各接続孔内を完全に埋め込む。当該金属膜は、例えば主にW(タングステン)またはCu(銅)から成る。その後、例えばCMP法を用いて、層間絶縁膜IL1上の当該金属膜を除去することで、各接続孔内に残された当該金属膜から成るプラグ(導電性接続部)を形成する。伝搬中の光の損失を低減する観点から、層間絶縁膜IL1の厚さは、光導波路からの光の染み出し距離よりも大きいことが好ましく、例えば、1μm以上であり、2〜3μm程度であることが好ましい。
光導波路OW1は、その内側を光が通過するコア層であり、絶縁膜BOXおよび層間絶縁膜IL1は、当該コア層の周囲を囲むクラッド層である。クラッド層である絶縁膜BOXおよび層間絶縁膜IL1は、コア層である光導波路OW1に接しており、光導波路OW1を覆っている。より具体的には、光導波路OW1の下面は、絶縁膜BOXにより覆われており、光導波路OW1の側面および上面は、層間絶縁膜IL1により覆われている。
コア層はクラッド層より高い屈折率を有する材料で構成されており、コア層の屈折率とクラッド層の屈折率に差があることで、コア層内の光がクラッド層内に漏れ出ることを防ぐことができる。光導波路OW1は、幅が小さい第1部分1Pおよび第3部分3P、並びに、幅が比較的大きい第2部分2P、第4部分4Pおよび第5部分5Pを含め、1つの材料膜(例えばシリコン膜)から成り、その屈折率は、例えば3.5である。また、絶縁膜BOXおよび層間絶縁膜IL1は例えば主に酸化シリコン膜から成り、それらの屈折率は、例えば1.5である。すなわち、光導波路OW1を構成する材料の屈折率は、絶縁膜BOXおよび層間絶縁膜IL1を構成する材料の屈折率より大きい。
コア層はクラッド層より高い屈折率を有する材料で構成されており、コア層の屈折率とクラッド層の屈折率に差があることで、コア層内の光がクラッド層内に漏れ出ることを防ぐことができる。光導波路OW1は、幅が小さい第1部分1Pおよび第3部分3P、並びに、幅が比較的大きい第2部分2P、第4部分4Pおよび第5部分5Pを含め、1つの材料膜(例えばシリコン膜)から成り、その屈折率は、例えば3.5である。また、絶縁膜BOXおよび層間絶縁膜IL1は例えば主に酸化シリコン膜から成り、それらの屈折率は、例えば1.5である。すなわち、光導波路OW1を構成する材料の屈折率は、絶縁膜BOXおよび層間絶縁膜IL1を構成する材料の屈折率より大きい。
次に、図12および図13に示すように、例えばスパッタリング法を用いて、プラグ(図示しない)上および層間絶縁膜IL1上に、金属膜を形成する。当該金属膜は、例えばAl(アルミニウム)膜から成る。その後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング法を用いて当該金属膜を加工する。つまり、当該金属膜上に塗布した、例えばポジティブ型のフォトレジスト膜(図示しない)をフォトリソグラフィ工程において露光・現像し、当該フォトレジスト膜をマスクとして用いてエッチングを行う。これにより、層間絶縁膜IL1の上面の一部を露出する。これにより、例えばX方向に延在し、プラグの上面に接続された当該金属膜から成る配線M1を形成する。なお、図12では、層間絶縁膜の図示を省略している。
ここでは、光導波路OW1と同様に、2つのショット領域を跨ぎ、X方向に延在する配線M1を形成する。このため、配線M1は、当該2つのショット領域の露光位置のいずれか一方、または両方にずれが生じた場合、それらの2つのショット領域の相互間の境界で配線M1にもパターンのずれおよび段部(段差)DP1が生じる。
ただし、配線M1を形成する際に行う露光工程は、図4および図5を用いて説明した露光工程とは別の露光工程であるため、ショット領域のずれの方向および大きさは、ショット領域SR1、SR2(図5参照)の位置ずれの方向および大きさのそれぞれと同じになるとは限らない。このため、配線M1を形成する際に露光される2つのショット領域の相互間の境界線DL2は、境界線DL1に完全に重なるとは限らない。ただし、平面視において境界線DL1、DL2は互いに近傍に位置してY方向に延びている。つまり、平面視において、光導波路OW1の段部DPおよび境界線DL1は、境界線DL2の近傍に位置している。
次に、図14に示すように、例えばCVD法を用いて、層間絶縁膜IL1上に、配線M1を覆う層間絶縁膜IL2を形成する。層間絶縁膜IL2は例えば酸化シリコン膜から成る。その後、例えばCMP法を用いて、層間絶縁膜IL2の上面を平坦化する。
続いて、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチングを用いて、層間絶縁膜IL2の上面に、配線M1の上面に達しない配線溝を、配線M1の直上に形成する。その後、層間絶縁膜IL2を貫通し、配線M1の上面を露出する接続孔を当該配線溝の下面に形成する。その後、当該配線溝および接続孔のそれぞれの内部を完全に埋め込むように、層間絶縁膜IL2上に金属膜を形成する。当該金属膜は、例えば主にCu(銅)から成る。その後、例えばCMP法を用いて、層間絶縁膜IL2上の当該金属膜を除去することで、各接続孔内に残された当該金属膜から成るプラグPGと、当該配線溝内に埋め込まれた当該金属膜から成る配線M2とを形成する。つまり、ここでは所謂デュアルダマシン法を用いて、配線M2と配線M2の下のプラグ(ビア)PGとを共に形成する。
次に、図示は省略するが、プラグPGの上面および層間絶縁膜IL2の上面を絶縁膜で覆う。
次に、図15に示すように、チップ領域CPR(図3参照)の輪郭である太線(スクライブライン、スクライブ領域)に沿って半導体ウェハWF(図3参照)を切削することで、半導体ウェハWFを個片化する。言い換えれば、チップ領域CPRの輪郭である太線はスクライブ領域であるが、チップ領域CPR内で隣り合うショット領域SR(図3参照)同士の間の境界は、スクライブ領域ではない。当該切削工程により、図15に示す半導体チップCHPを複数得ることができる。よって、半導体チップCHPから成る本実施の形態の半導体装置が略完成する。
半導体チップCHPは、平面視で並ぶ4つのショット領域SR1〜SR4を有しており、1つのショット領域内に収まるようなサイズの半導体チップに比べて大型のチップである。ショット領域SR1とショット領域SR2とは互いにX方向に並んで互いに隣接しており、ショット領域SR4とショット領域SR3とは互いにX方向に並んで互いに隣接している。また、ショット領域SR1とショット領域SR4とは互いにY方向に並んで互いに隣接しており、ショット領域SR2とショット領域SR3とは互いにY方向に並んで互いに隣接している。つまり、ショット領域SR1〜SR4は、行列状に並んでいる。
ショット領域SR1、SR2の相互間の境界線DL1と、ショット領域SR3、SR4の相互間の境界線DL4とは、いずれもY方向に延びている。また、ショット領域SR1、SR4の相互間の境界線DL5と、ショット領域SR2、SR3の相互間の境界線DL3とは、いずれもX方向に延びている。ただし、境界線DL1と境界線DL4とは、必ずしも同一直線上に位置してはいない。これは、各境界線の位置は、当該境界線を挟むショット領域の露光位置のずれる大きさおよび方向によって決まるためである。同様に、境界線DL3と境界線DL5とは、必ずしも同一直線上に位置してはいない。
ここでは、ショット領域SR1、SR2の境界線DL1を通るように配置された光導波路OW1と、ショット領域SR3、SR4の境界線DL4を通るように配置された光導波路OW2とを示している。図示はしていないが、ショット領域SR1、SR4の境界線DL5を通るように配置された光導波路、または、ショット領域SR2、SR3の境界線DL3を通るように配置された光導波路が形成されていてもよい。
光導波路OW1の一方の端部は、ショット領域SR1内において、光照射部(発光部、光源)LEPに光学的に接続されている。光照射部LEPは、例えばレーザーダイオードと、当該レーザーダイオードと光導波路OW2との間を接続する変調器とから成る。レーザーダイオードは、レーザ光を放射するレーザ発振器である。変調器はシリコンフォトニクス装置の一種であり、例えば、当該レーザーダイオードから放射されたレーザ光が光導波路を通る際、その光の位相を変化させるために用いられる素子である。光導波路OW1の他方の端部は、ショット領域SR2内において、I/O(Input/Output)素子IO1に光学的に接続されている。I/O素子IO1は、例えばグレーティングカプラ(GC:Grating Coupler)から成る。グレーティングカプラは、波長分解能を有し、入射した光から所望の波長の光を出射する素子である。ここでは、光導波路OW1内を通る光は、例えば、光照射部LEP側からI/O素子IO1側に向かって進む。光導波路OW1、OW2のそれぞれは直線状に延びる導波路のみでなく、曲線状に延びる導波路も備えている。
光導波路OW2の一方の端部は、ショット領域SR4内において、受光部LRPに光学的に接続されている。受光部LRPは、例えばフォトダイオードから成る。フォトダイオードは、例えば、縦型のpin接合ダイオード構造を有する受光素子であり、受光した光を電荷(電気信号)に変換する機能を有する。光導波路OW2の他方の端部は、ショット領域SR3内において、I/O素子IO2に光学的に接続されている。I/O素子IO2は、例えばスポットサイズ変換器(SSC:Spot Size Converter)から成る。スポットサイズ変換器は、光のビームスポットの大きさを変換する機能を持つ素子であり、光入出力における光の損失を低減するために設けられる。I/O素子IO1は、例えば半導体チップCHPの端部に配置されており、半導体チップCHPの外部の太い光ファイバなどから入射される光を、直径の小さい光導波路OW1内に導く役割を有している。ここでは、光導波路OW2内を通る光は、例えば、I/O素子IO2側から受光部LRP側に向かって進む。
このように、光導波路OW1、OW2のそれぞれは、光照射部LEP、受光部LRP、I/O素子IO1またはIO2などのそれぞれの間の通信に用いられる光の伝送路としての役割を有する。つまり、光導波路OW1、OW2のそれぞれは光回路を構成している。また、半導体チップCHPは、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、光ファイバまたはその他の装置などの相互間で光信号を伝送する光インターポーザとしての役割を有している。
光導波路OW1の短手方向の幅は、基本的に一定であり、図9の幅a1、a2と同等の大きさを有している。ただし、光導波路OW1は、隣り合うショット領域SR1、SR2同士の境界(境界部、境界線DL1)と平面視で重なる位置およびその近傍で、幅a1、a2よりも幅が大きい幅広部(拡幅部)を有している。ここでいう幅広部は、図9に示す光導波路OW1の幅b1を有する第2部分2P、幅c1を有する第5部分5Pおよび幅b2を有する第4部分4Pを含むパターンを指す。つまり、幅広部は、X方向で並ぶ第1部分1Pと第3部分3Pとの間において、第1部分1Pの延在方向における端部と、第3部分3Pの延在方向における端部とに接続されている。幅広部の延在方向の長さは、導波光の基本モードを維持できる範囲内であることが望ましく、例えば、幅広部の幅の3〜10倍である。幅広部の短手方向の最小の幅は、幅a1、a2よりも大きい。図9は、図15に示す境界線DL1と重なる光導波路OW1を破線で囲んだ領域を示すものである。
光導波路OW2も同様に、基本的に一定の幅を有しているが、隣り合うショット領域SR3、SR4同士の境界(境界部、境界線DL4)と平面視で重なる位置およびその近傍で、当該幅よりも幅が大きい幅広部を有している。なお、図9に示すように、ショット領域SR2内の光導波路OW1のパターンの、ショット領域SR1内の光導波路OW1に対するずれ方と、図15に示すショット領域SR3内の光導波路OW2のパターンの、ショット領域SR4内の光導波路OW2に対するずれ方とは、必ずしも一致しない。これは、光導波路OW1を形成するために行われるショット領域SR1、SR2での2回の露光処理と、光導波路OW2を形成するために行われるショット領域SR3、SR4での2回の露光処理とは別々の工程であり、各露光工程での露光位置のずれの方向および大きさは工程毎に変わるためである。
これに対し、図示はしていないが、例えばショット領域SR1、SR2の相互間の境界線DL1を通る光導波路が、光導波路OW1の他にも形成されている場合、当該光導波路の平面視におけるパターンのずれ方は、光導波路OW1の平面視のパターンのずれ方と同様となる。つまり、境界線DL1を跨ぐ光導波路OW1が複数形成されている場合、複数の光導波路OW1は、いずれも平面視で境界線DL1と重なる位置で幅広部を有しており、それらの幅広部は、平面視において、光導波路OW1の短手方向の両側の側面に段部DP(図9)を有している。このとき、複数の光導波路OW1のうち、1つの光導波路OW1の段部DPと、他の光導波路OW1の段部DPとは、Y方向に並んで位置している。段部DPは、光導波路OW1の短手方向の両側の側面のそれぞれに形成されており、光導波路OW1は、所定の点(例えば境界線DL1と重なる点)を中心として点対称な平面レイアウトを有している。
また、図9に示す段部DPは、幅広部の側面に形成されており、Y方向における1つの段部DPの大きさ(ずれの大きさ)は幅b1と幅a1との差の1/2よりも小さい。このため、第1部分1Pの幅広側の端部の全体と、段部DPとは、互いにX方向において隣り合っていない。同様に、Y方向における1つの段部DPの大きさ(ずれの大きさ)は幅b2と幅a2との差の1/2よりも小さい。このため、第3部分3Pの幅広側の端部の全体と、段部DPとは、互いにX方向において隣り合っていない。
すなわち、Y方向の座標において、第1部分1Pの幅広側の端部および第3部分3Pの幅広側の端部は、段部DPと異なる座標に位置している。言い換えれば、段部DPは、第1部分1Pの幅広側の端部と第3部分3Pの幅広側の端部との間の領域から離間した位置に存在している。なお、ここでいう第1部分1Pの端部とは、短手方向の大きさが幅a1の部分の、X方向(延在方向)の幅広部(境界線DL1)側の終端部を指し、第3部分3Pの端部とは、短手方向の大きさが幅a2の部分の、X方向(延在方向)の幅広部(境界線DL1)側の終端部を指す。
図9に示す光導波路OW1を構成する第1部分1Pおよび第3部分3P、つまり、相対的に小さい幅a1、a2(幅広部より小さい幅)を有する部分では、光を伝送する際、内部をシングルモード(単一モード)の光が通過する。言い換えれば、第1部分1Pおよび第3部分3Pはコア層の幅が小さいため、それらの内部を通過する光はマルチモードにはならず、シングルモードとなる。つまり、光導波路OW1の第1部分1Pおよび第3部分3Pは、シングルモードの光が内部を通過するシングルモード光導波路である。これに対し、第2部分2Pおよび第4部分4Pの短手方向の幅は、光導波路OW1内を通る光の波長よりも大きい。よって、光導波路OW1のうち、比較的短手方向の幅が大きい第2部分2Pおよび第4部分4Pでは、光を伝送する際、それらの部分内をマルチモードの光が通過する。つまり光導波路OW1の第1部分1Pおよび第3部分3Pの間の部分(第2部分2Pおよび第4部分4P)は、マルチモードの光が内部を通過するマルチモード光導波路である。
すなわち、第1部分1Pから第2部分2Pに向かって光導波路OW1を通過する光のモードは、第1部分1Pでは1つのみであるが、第1部分1Pから第2部分2Pに浸入する際に多数のモードに分かれる。その後、多数のモードの光は、第4部分4Pから第3部分3Pに浸入する際に1つのモードに戻る。このように、幅広部で光がマルチモードになり、他の部分で光がシングルモードとなる点は、光導波路OW2(図15参照)も同様である。
<本実施の形態の効果>
半導体装置の大面積化に伴い、光インターポーザとして用いられる半導体チップのサイズは、露光装置(例えば、ArF液浸スキャナー)の最大露光サイズ以上のサイズになり得る。このようにサイズの大きい半導体チップは、分割露光処理により形成する必要があり、半導体チップ内では、光導波路が複数のショット領域に亘って形成される。
半導体装置の大面積化に伴い、光インターポーザとして用いられる半導体チップのサイズは、露光装置(例えば、ArF液浸スキャナー)の最大露光サイズ以上のサイズになり得る。このようにサイズの大きい半導体チップは、分割露光処理により形成する必要があり、半導体チップ内では、光導波路が複数のショット領域に亘って形成される。
ここで、図29および図30を用いて、一定の幅で延在するよう設計された光導波路が、2つのショット領域の境界を跨ぐように形成された場合の問題点について説明する。図29は、比較例の半導体装置を示す平面図であり、図30は、比較例の半導体装置を示す断面図である。図30は、図29のD−D線における断面図である。
当該比較例の半導体装置は、本実施の形態の半導体装置と同様に、分割露光処理により形成される半導体チップであり、複数のショット領域に亘って延在する光導波路を有するものである。比較例の半導体装置は、互いに隣り合うショット領域の境界近傍の光導波路の平面レイアウトを除き、本実施の形態の半導体装置と同様の構造を有している。図29に示す比較例の光導波路OWAは、半導体チップ内においてX方向に隣り合う2つのショット領域の相互間に亘って、一定の幅で延在するように設計された半導体膜のパターンから成る。ここでいう一定の幅とは、図29に示す幅a1、a2であり、幅a1と幅a2とは互いに同じ大きさである。光導波路OWA内を通る光のモードは、シングルモードである。図に示す光導波路OWAは、ポジティブ型のフォトレジスト膜を用いて加工されたパターンから成る。
しかし、一定の幅で延在するように設計された光導波路(コア層)OWAであっても、光導波路OWAを隣り合う2つのショット領域の境界を跨ぐように形成する場合、当該2つのショット領域の相互間で露光の位置にずれが生じることで、当該境界で光導波路OWAのパターンの形状にずれが生じる。すなわち、2つのショット領域の境界線DLAの近傍において、X方向における境界線DLAの前後のそれぞれで光導波路OWAの側面に段部DPが形成される。このため、当該2つの段部の間で境界線DLAと平面視で重なる光導波路OWAの幅c3は、幅a1、a2のいずれよりも小さくなる。すなわち、図30に示す光導波路OWAの幅は、図10に示す光導波路OW1の幅に比べて小さくなる。また、光導波路OWAの幅a1、a2は比較的小さいため、光導波路OWA内を通る光の密度は高い。そのため、光導波路OWA内を通過する光が段部DPに当たることで、大きな損失(光損失、伝搬損失)が生じる。
特に、光導波路OWA内を通過する光はシングルモードであるため、光導波路OWAに段部DPが存在することによる損失は大きい。つまり、段部DPにより光全体が反射した場合には光信号自体を伝送することができない問題が生じる。また、光導波路OWAを通り、段部DPに当たった光はシングルモードからマルチモードとなる場合がある。この場合、マルチモードとなった光が、後に光導波路OWA内でシングルモードに戻る場所がないため、大きな光損失が生じる。
なお、ネガティブ型のフォトレジスト膜を用いて光導波路を形成する場合も同様である。つまり、一定の幅を有する光導波路を、2つのショット領域の境界を通過するように形成しようとすると、フォトリソグラフィ工程における露光位置のずれに起因して、当該境界の前後において光導波路の側面に段部が形成される。したがって、光導波路内を直進する光は、光導波路内での高い密度を保ったまま当該段部に当たるため、大きな光損失が生じる虞がある。
これに対し、本実施の形態では、図9に示すように、互いに隣り合うショット領域の境界線DL1と平面視で重なる領域およびその近傍において、光導波路OW1の幅を広げている。これにより、半導体装置の製造工程において、互いに隣り合うショット領域のそれぞれで行う露光工程の相互間の露光位置のずれに起因して光導波路OW1のパターンに段部DPが生じた場合であっても、光損失が生じることを防ぐことができる。
すなわち、光導波路OW1のうち、幅が細い第1部分1Pから幅が太い第2部分2Pに浸入した光はマルチモードとなり、光導波路OW1内での単位面積(断面積)当たりの密度が低下する。つまり、光導波路OW1の第2部分2P内で光がマルチモードに分散する。このため、幅広部(第2部分2Pおよび第4部分4P)で光の一部のモードが段部DPに起因して、損失が生じたとしても、シングルモードのときの光の密度と比較して、当該一部の光の密度は相対的に低く、また、光導波路OW1内を通る光の他のモードには損失が生じない。また、光の密度が相対的に低い状態では、比較例に比べて段部DPに起因する反射は起こり難い。したがって、光導波路OW1内を通る光の全体での光損失を低減することができる。また、幅広部では光がマルチモードとなっているが、光導波路OW1の第4部分4Pから細い第3部分3Pに光が浸入する際、光導波路OW1は徐々に細くなる。よって、多モードからシングルモードに移行する際に光損失が生じることを抑制することができる。
このように、複数のショット領域を跨いで形成される光導波路OW1のパターンに、製造工程における各ショット領域での露光位置のずれに起因して段部が生じた場合でも、境界線DL1近傍で光導波路OW1の幅を大きく形成することで、通信時の光損失の発生を防ぐことができる。すなわち、半導体装置の性能を向上させることができる。
<変形例1>
本実施の形態は、ネガティブ型のフォトレジスト膜を用いて光導波路をパターニングする場合にも適用することができる。本実施の形態の変形例1である半導体装置の製造工程中の平面図を、図16および図17に示す。図16を用いて説明する工程は、図5を用いて説明した工程に対応し、図17を用いて説明する工程は、図9を用いて説明した工程に対応している。
本実施の形態は、ネガティブ型のフォトレジスト膜を用いて光導波路をパターニングする場合にも適用することができる。本実施の形態の変形例1である半導体装置の製造工程中の平面図を、図16および図17に示す。図16を用いて説明する工程は、図5を用いて説明した工程に対応し、図17を用いて説明する工程は、図9を用いて説明した工程に対応している。
本変形例の半導体装置の製造工程では、まず、図1および図2を用いて説明した工程を行う。ただし、半導体層上に形成するフォトレジスト膜は、ネガティブ型のフォトレジスト膜である。続いて、図3〜図5を用いて説明した工程と同様に、隣り合うショット領域SR1およびSR2を順に露光し、これにより、図16に示す構造を得る。ただし、ここでは、ネガティブ型のフォトレジスト膜PR2に対し、レジストパターンとして残そうとする領域を露光する。フォトレジスト膜PR2のうち、露光された領域であるパターンPT1、PT2は、溶解用の現像液の溶解能に対する耐性が高まる。言い換えれば、露光により、フォトレジスト膜PR2内に、現像液の溶解能に対する耐性を有するパターンPT1、PT2を形成する。このとき、第1部分1Pおよび第2部分2Pを含むパターンPT1の平面形状、並びに、第3部分3Pおよび第4部分4Pを含むパターンPT2の平面形状は、図5に示すパターンPT1、PT2と同様である。
次に、図示は省略するが、フォトレジスト膜PR2の現像工程を行う。これにより、図16を用いて説明した露光工程で露光されなかった部分のフォトレジスト膜PR2は除去され、露光されたパターンPT1、PT2のそれぞれの全体は残る。
次に、図17に示すように、フォトレジスト膜PR2をマスクとして用いてエッチングを行うことで、半導体膜SLを加工し、その後、フォトレジスト膜PR2を除去する。これにより、半導体膜SLから成る光導波路OW3を形成する。光導波路OW3の平面視における形状は、幅a1を有する第1部分1P、第1部分1Pと第1接続部1Cを介して接続され、幅a1より大きい幅b1を有する第2部分2P、幅a2を有する第3部分3P、および、第3部分3Pと第2接続部2Cを介して接続され、幅a2より大きい幅b2を有する第4部分4Pを備えている点で、図9を用いて説明した光導波路OW1と同様の形状を有している。ただし、光導波路OW3は、第2部分2Pと第4部分4Pとの間に、境界線DL1と平面視で重なり、第2部分2Pの幅b1および第4部分4Pの幅b2のいずれよりも大きい幅c2を有する第6部分6Pを備えており、この点で、光導波路OW1と相違する。
ここでいう第6部分6Pは、光導波路OW3を構成する部分であって、X方向で2つの段部DPに挟まれた部分を指す。つまり、段部DPは、第6部分6Pと第2部分2Pとの境界とY方向で隣り合う位置と、第6部分6Pと第4部分4Pとの境界とY方向で隣り合う位置とのそれぞれに形成されている。その後、図10〜図15を用いて説明した工程と同様の工程を行うことで、本変形例の半導体装置を形成することができる。
本変形例においても、図1〜図15を用いて説明した半導体装置の製造方法の効果、および、当該製造方法により形成された半導体装置の効果と同様の効果を得ることができる。
<変形例2>
図18および図19に、本実施の形態1の変形例2である半導体装置の製造工程中の平面図を示す。図18を用いて説明する工程は、図5を用いて説明した工程に対応し、図19を用いて説明する工程は、図9を用いて説明した工程に対応している。ここでは、光導波路の幅が狭くなる箇所で、光導波路を緩やかに狭めることにより、光損失を低減することについて説明する。
図18および図19に、本実施の形態1の変形例2である半導体装置の製造工程中の平面図を示す。図18を用いて説明する工程は、図5を用いて説明した工程に対応し、図19を用いて説明する工程は、図9を用いて説明した工程に対応している。ここでは、光導波路の幅が狭くなる箇所で、光導波路を緩やかに狭めることにより、光損失を低減することについて説明する。
本変形例の半導体装置の製造工程では、まず、図1および図2を用いて説明した工程を行う。ここでは、前記変形例1と異なり、ポジティブ型のフォトレジスト膜を形成する。続いて、図3〜図5を用いて説明した工程と同様に、隣り合うショット領域SR1およびSR2を順に露光し、これにより、図18に示す構造を得る。図18に示すショット領域SR1の露光パターンは図5に示すショット領域SR1の露光パターンと同様である。これに対し、図18に示すショット領域SR2のパターンPT2の平面形状は、図5に示すショット領域SR2のパターンPT2の平面形状に比べて、X方向に伸びている。具体的には、第3部分3Pと第4部分4Pとの間の接続部のX方向の長さd2が、図9に示す長さd2よりも大きい。
次に、図示は省略するが、フォトレジスト膜PR3の現像工程を行う。
次に、図19に示すように、フォトレジスト膜PR3をマスクとして用いてエッチングを行うことで、半導体膜SLを加工し、その後、フォトレジスト膜PR3を除去する。これにより、半導体膜SLから成る光導波路OW4を形成する。光導波路OW4の平面視における形状は、幅a1を有する第1部分1P、第1部分1Pと第1接続部1Cを介して接続され、幅a1より大きい幅b1を有する第2部分2P、幅c1を有する第5部分5Pを介して第2部分2Pと接続され、幅b2を有する第4部分4Pを備えている点で、図9を用いて説明した光導波路OW1と同様の形状を有している。また、光導波路OW4の平面視における形状は、第4部分4Pと第2接続部2Cを介して接続され、幅b2より小さい幅a2を有する第3部分3Pを備えている点で、図9を用いて説明した光導波路OW1と同様の形状を有している。ただし、光導波路OW4において、第2接続部2C分のX方向の長さd2は、第1接続部1C分のX方向の長さd1よりも大きく、この点で、光導波路OW1と相違する。
その後、図10〜図15を用いて説明した工程と同様の工程を行うことで、本変形例の半導体装置を形成することができる。本変形例の光導波路OW4は、所定の点(例えば境界線DL1と重なる点)を中心とする点対称の平面レイアウトを有していない。本変形例の主な特徴の1つは、光導波路OW4の第3部分3Pと第4部分4Pとの間の第2接続部2Cの延在方向の長さが、第1部分1Pと第2部分2Pとの間の第1接続部1Cの延在方向の長さより大きい点である。言い換えると、光導波路OW4の第2接続部2Cのテーパ角(第2接続部2Cの両側面のなす角度)は、光導波路OW4の第1接続部1Cのテーパ角(第1接続部1Cの両側面のなす角度)より小さい。すなわち、第2接続部2Cの幅が、第4部分4Pから第3部分3Pに向かって緩やかに狭くなる。
言い換えれば、平面視で第2接続部2C内に形成される最大の三角形の第3部分3P側の角度θ2は、平面視で第1接続部1C内に形成される最大の三角形の第1部分1P側の角度θ1よりも小さい。ここでいう、平面視で第2接続部2C内に形成される最大の三角形とは、第2接続部2Cのうち、第4部分4Pの端部と接し、幅b2を有する辺の両端と、第3部分3Pの第4部分4P側の端部のうち、Y方向の中心点とを結ぶ三角形である。また、平面視で第1接続部1C内に形成される最大の三角形とは、第1接続部1Cのうち、第2部分2Pの端部と接し、幅b1を有する辺の両端と、第1部分1Pの第2部分2P側の端部のうち、Y方向の中心点とを結ぶ三角形である。
つまり、角度θ1は、第1接続部1Cと第2部分2Pとが接続される境界のY方向の両端のそれぞれと、第1部分1Pの第2部分2P側の端部のうち、Y方向の中心点とを結ぶ2本の線のなす角度である。また、角度θ2は、第2接続部2Cと第4部分4Pとが接続される境界のY方向の両端のそれぞれと、第3部分3Pの第4部分4P側の端部のうち、Y方向の中心点とを結ぶ2本の線のなす角度である。
本変形例においても、図1〜図15を用いて説明した半導体装置の製造方法の効果、および、当該製造方法により形成された半導体装置の効果と同様の効果を得ることができる。
また、光が細い光導波路の途中に形成された幅広部を通過する場合、光が幅広部に入射する箇所に比べて、光が幅広部から出ていく箇所において、光損失が生じ易い。
そこで本変型例では、第2接続部2Cの角度θ2を第1接続部1Cの角度θ1より小さくしている。つまり、光が細い第1部分1Pから幅広部に入射する側の第1接続部1Cの長さd1よりも、光が幅広部から細い第3部分3P側に入射する第2接続部2Cの長さd2を大きくしており、これにより、光導波路OW4の短手方の幅が急激に小さくなることを防いでいる。つまり、光導波路OW4の幅広部のうち、光の進行方向側(受光側)の接続部(第2接続部2C)を、第3部分3Pに向かって緩やかに狭くしている。これにより、光が光導波路OW4の幅広部内から、より狭い第3部分3P側に通過する際、光損失が生じることを防ぐことができる。
<変形例3>
図20に、本実施の形態1の変形例3である半導体装置の平面図を示し、図21に、本実施の形態1の変形例3である半導体装置の断面図を示す。図20は、図9および図12に対応する箇所の平面図であるが、図20では層間絶縁膜および配線の図示は省略している。図21は、図20のB−B線における断面図である。ここでは、光導波路の幅広部の一方の端部にスラブ導波路を設けることについて説明する。
図20に、本実施の形態1の変形例3である半導体装置の平面図を示し、図21に、本実施の形態1の変形例3である半導体装置の断面図を示す。図20は、図9および図12に対応する箇所の平面図であるが、図20では層間絶縁膜および配線の図示は省略している。図21は、図20のB−B線における断面図である。ここでは、光導波路の幅広部の一方の端部にスラブ導波路を設けることについて説明する。
図20に示すように、本変形例の光導波路OW5の平面レイアウトは、幅広部を構成する第4部分4Pよりも第1部分1P側の構造(第1部分1P、第1接続部1Cおよび第2部分2P)については、図9、図17および図19などを用いて説明した光導波路の構造と同様である。また、光導波路OW5が、幅b2を有する第4部分4Pと、幅a2を有する第3部分3Pとを備えている点も、図9、図17および図19に示す光導波路の構造と同様である。
ここで、光導波路OW5の構造は、図20および図21に示すように、第4部分4Pと第3部分3Pとの間に第2部分2Pが、リブ導波路RWおよびスラブ導波路SWにより構成されている点で、図9、図17および図19に示す光導波路の構造と異なる。すなわち、第1部分1P、第2部分2P、第3部分3P、第4部分4Pおよび第1接続部1Cが矩形の断面構造を有しているのに対し、第2接続部2Cは、主に幅a2を有し、X方向に延在するパターンから成るリブ導波路RWと、リブ導波路RWをY方向で挟み、リブ導波路RWよりも高さが低いパターンから成るスラブ導波路SWとにより構成されている。リブ導波路RWとスラブ導波路SWとは、互いに一体となっており、同じ材料(例えばシリコン)から成る。つまり、リブ導波路RWおよびスラブ導波路SWは、第1〜第4部分4Pと同じ膜から成り、光導波路OW5を構成している。すなわち、リブ導波路RWおよびスラブ導波路SWはいずれもコア層である。光通信を行う際、第2接続部2C内では光は主にリブ導波路RW内を通るが、一部の光はスラブ導波路SW内を通る。
スラブ導波路SWは、第2接続部2Cの上面を半導体基板SB側に後退させた床板状の部分であり、リブ導波路RWは、スラブ導波路SWの上面よりも上方に突出した部分を含むパターンである。リブ導波路RWの上面は第1〜第4部分4Pの上面と同じ高さを有し、スラブ導波路SWの上面の高さは、第1〜第4部分4Pの上面の高さよりも低い。このような構造を形成する場合には、半導体装置の製造工程において図9および図10を用いて説明した工程を行った後、第1〜第4部および第1接続部1Cと、第2接続部2Cのリブ導波路RWを形成する部分とをフォトレジスト膜により覆い、その後エッチバックを行う。これにより、フォトレジスト膜から露出している第2接続部2Cに、光導波路OW5の上面が後退した部分であるスラブ導波路SWが形成される。Y方向でリブ導波路RWを挟む一対のスラブ導波路SWのそれぞれのY方向の端部のうち、リブ導波路RW側とは反対側の端部同士の間のY方向の距離は、第4部分4Pの幅b2と同じ大きさを有している。
本変型例は、前記変形例2と同様に、幅広部の端部での光損失の発生を防ぐ効果を奏するものである。すなわち、上記のように、第1部分1P側から幅広部に入射した光が、幅広部から第3部分3P側へ通過する際、幅広部(第4部分4P)と第3部分3Pとの間の接続部にスラブ導波路SWが形成されていることで、光損失が生じることを防ぐことができる。なお、光が幅広部に入射する側である第1接続部1Cでは、第2部分2Pに比べて光損失が生じ難いため、第2接続部2Cのようにスラブ導波路を有する必要はない。
(実施の形態2)
以下では、図22〜図25を用いて、光導波路上に屈折率がコア層より低くクラッド層より高い膜を形成することで、光損失の発生を防ぐことについて説明する。図22、図24および図25は、本実施の形態の半導体装置を示す平面図である。図23は、図22のC−C線における断面図である。図22〜図25では、平面視で絶縁膜により覆われた箇所の光導波路の輪郭を破線で示している。
以下では、図22〜図25を用いて、光導波路上に屈折率がコア層より低くクラッド層より高い膜を形成することで、光損失の発生を防ぐことについて説明する。図22、図24および図25は、本実施の形態の半導体装置を示す平面図である。図23は、図22のC−C線における断面図である。図22〜図25では、平面視で絶縁膜により覆われた箇所の光導波路の輪郭を破線で示している。
図22および図23に示すように、本実施の形態の光導波路OW6は、前記実施の形態1の光導波路OW1(図9参照)と同様の構造を有している。ただし、本実施の形態は、光導波路OW6の上面に接して、X方向に延在するパターンである絶縁膜IFが形成されている点で、前記実施の形態1と異なる。絶縁膜IFは、例えば窒化シリコン膜から成り、光導波路OW6を構成する細い第1部分1Pと幅広部である第2部分2Pとを接続する第1接続部1C、および、第2部分2Pのそれぞれの直上に形成されている。
ここでは、絶縁膜IFが窒化シリコン膜から成る場合について説明するが、絶縁膜IFの材料は、コア層の屈折率とクラッド層の屈折率との間の屈折率を有する材料であれば、他の材料を用いてもよい。本実施の形態では、コア層を構成するシリコン膜の屈折率は例えば3.5であり、クラッド層を構成する酸化シリコン膜の屈折率は例えば1.5であり、窒化シリコン膜から成る絶縁膜IFの屈折率は例えば2.0である。つまり、コア層が屈折率n1を有し、クラッド層が屈折率n2を有し、絶縁膜IFが屈折率n3を有するとき、n1>n3>n2が成り立つ。言い換えれば、絶縁膜IFの屈折率は、光導波路OW6の屈折率より小さく、層間絶縁膜IL1の屈折率より大きい。すなわち、絶縁膜IFは、コア層とクラッド層との中間の屈折率を有する膜である。
第1接続部1Cおよび第2部分2Pのそれぞれの上面の一部は、第1部分1Pの上面の当該一部に接する絶縁膜IFにより覆われている。絶縁膜IFは、その上面および側面を層間絶縁膜IL1により覆われている。図22および図23では、X方向に延在する絶縁膜IFが光導波路OW6上においてY方向に並んで3つ形成されている構造を示している。ただし、図24に示すように、光導波路OW6上の絶縁膜IFの数は2つであってもよく、図25に示すように、光導波路OW6上の絶縁膜IFの数は1つであってもよい。絶縁膜IFをいくつ形成する場合であっても、絶縁膜IFは、光導波路OW6内で新たにモードが発生する箇所の上部に形成する。光導波路OW6に複数の絶縁膜IFを形成する場合、X方向で並ぶ絶縁膜IF同士の間は離間させる。
図22、図24および図25では、光導波路OW6の幅広部に第1部分1Pから光が収入する箇所のみを示し、幅広部から光が第3部分3Pへ出ていく箇所、つまり第2接続部2C側(幅広部からの出射側)の構造を示していない。図示はしていないが、第2接続部2C上には絶縁膜IFは形成されておらず、図9に示す構造と同様に、光導波路OW6の第2接続部2Cの上面の全体は層間絶縁膜IL1に接している。ここでは、第1接続部1C近傍において意図しない光のモード変換の発生を抑制することを目的として、絶縁膜IFを形成している。このため、幅広部へ光が入射してモードが発生する側(第1接続部1C近傍)にのみ絶縁膜IFを形成しており、第2接続部2C上には絶縁膜IFを形成していない。
シングルモード光導波路である細い光導波路から、幅広部に光が入射する際、幅広部内において光のパワー分布に偏りが生じる場合がある。この場合、光導波路内を通る光が幅広部内で所望の高次モードに変換されず、光損失が生じる問題がある。
これに対し、本実施の形態では、コア層である光導波路OW6の第1接続部1Cおよび第2部分2Pのそれぞれの上面に接する絶縁膜IFを形成しているため、第1部分1Pから幅広部に入射する光は、複数のモードに変換し易くなっている。すなわち、絶縁膜IFが形成された領域(中間屈折率領域)において、基本モード光と、偶数次の高次モード光とが同時に励起される。これにより、当該複数のモードの光の相互作用を利用することにより、光導波路OW6内での光のパワー分布が所定の箇所に偏ることを防ぐことができる。言い換えれば、光のパワー分布を最適化することができる。よって、光導波路OW6内での光の密度の偏りに起因する光損失の発生を防ぐことができるため、半導体装置の性能を向上させることができる。
絶縁膜IFは、図9および図10を用いて説明した工程の後、図11を用いて説明した層間絶縁膜の形成工程の前に、光導波路OW6上に例えば窒化シリコン膜をCVD法などにより形成し、その後当該窒化シリコン膜を加工することで形成することができる。
(実施の形態3)
以下では、図26を用いて、光導波路の幅広部として多モード干渉計を用いることについて説明する。図26は、本実施の形態の半導体装置を示す平面図である。
以下では、図26を用いて、光導波路の幅広部として多モード干渉計を用いることについて説明する。図26は、本実施の形態の半導体装置を示す平面図である。
多モード干渉計(多モード干渉光導波路、MMI:Multi Mode Interference)は、光等分配器であり、光ファイバまたは光導波路などから入力された光を、例えば多数本の光導波路へ等分配する素子である。また、多モード干渉計は、波長が異なる複数の光信号、または、位相差がある複数の光信号を発生させることにも用いられる。
図26に示すように、本実施の形態の構造は、多モード干渉計MMI1を含む光導波路OW7がポリシリコン膜のパターンから成る点、および、シングルモード光導波路である細い光導波路OW7の途中に、幅広部を有する点で、前記実施の形態1の光導波路と変わらない。ここでは、光導波路OW7を構成する部分である当該幅広部を、多モード干渉計MMI1と呼ぶ。
多モード干渉計は第1接続部1Cにおいて、第1部分1Pに比べて急激にY方向の幅が大きくなっている点、第2接続部2Cにおいて、第3部分3Pに向かって急激にY方向の幅が小さくなっている点、および、幅広部のY方向の幅が非常に大きい点で、前記実施の形態1の光導波路と相違する。すなわち、本実施の形態の光導波路OW7は、第1部分1Pと幅広部との間の第1接続部1C、および、第3部分3Pと幅広部との間の第2接続部2CのそれぞれのX方向の幅が小さく、幅広部の幅が大きい。このため、幅広部内では前記実施の形態1、2に比べてより多くのモードが生じる。多モード干渉計MMI1のY方向の側面には、境界線DL1のX方向の前後において段部DPが形成されている。
多モード干渉計MMI1は光デバイスの一種であり、多モード干渉計MMI1内には、入射した光がX方向において所定の間隔で干渉する領域が複数存在しており、それらの複数の領域のそれぞれでは、1つの干渉点が存在しているか、または、複数の干渉点がY方向に並んで存在している。複数の干渉点が生じる箇所を多モード干渉計MMI1のX方向における出射側の終端部(幅広部と第3部分3Pとの境界)とし、それらの干渉点のそれぞれから多モード干渉計MMI1の外側に延びる光導波路(第3部分3P)を複数形成すれば、それらの光導波路のそれぞれに光を等分配することができる。つまり、図26では第3部分3Pである出射側の光導波路OW7を1つだけ示しているが、第4部分4Pに接続される第3部分3Pの光導波路OW7は複数であってもよい。光導波路OW7の第1部分1Pおよび第3部分3Pは、シングルモード光導波路である。
図26に示すように、多モード干渉計MMI1の出射側の端部に接続された光導波路OW7が1つだけの場合は、例えば、多モード干渉計MMI1内でY方向において干渉点が1つだけ存在する箇所を出射側の終端部(幅広部と第3部分3Pとの境界)とする。
上述したように、多モード干渉計MMI1内には、入射した光がX方向において所定の間隔で干渉する領域が複数存在しており、本実施の形態では、段部DPが形成される箇所と、当該領域とがY方向で並ぶことがないようにパターン設計を行う。すなわち、X方向において、段部DPは、多モード干渉計MMI1内で互いに隣り合う干渉部同士の間の領域に位置している。
本実施の形態の特徴は、上記のように、光導波路OW7の幅広部として、ショット領域同士の境界線DL1に平面視で重なる位置に多モード干渉計MMI1を形成することにある。幅広部を有することで、本実施の形態では、前記実施の形態1、2と同様の効果を得ることができる。さらに、多モード干渉計MMI1はY方向の幅が大きく、多モード干渉計MMI1内では多くのモードが発生するため、多モード干渉計MMI1内の光の密度は低い。このため、境界線DL1近傍に段部DPが形成されることに起因する光損失の発生を、前記実施の形態1、2に比べて低減することができる。
<変形例1>
本実施の形態の変形例1である半導体装置の平面図を図27に示す。図27に示すように、本実施の形態の多モード干渉計は、平面視で、より矩形に近い形状を有していてもよい。
本実施の形態の変形例1である半導体装置の平面図を図27に示す。図27に示すように、本実施の形態の多モード干渉計は、平面視で、より矩形に近い形状を有していてもよい。
つまり、図27に示す光導波路OW8の幅広部である多モード干渉計MMI2のように、第1部分1Pと第2部分2Pとの境界で光導波路OW8の幅がより急激に大きくなり、第4部分4Pと第3部分3Pとの境界で光導波路OW8の幅がより急激に小さくなっていてもよい。例えば、第1部分1Pと第2部分2Pとの境界部分(第1接続部1C)において、光導波路OW8の側面が平面視で90度に曲がっていてもよい。同様に、第4部分4Pと第3部分3Pとの境界部分(第2接続部2C)において、光導波路OW8の側面が平面視で90度に曲がっていてもよい。
<変形例2>
本実施の形態の変形例2である半導体装置の平面図を図28に示す。図28に示すように、本実施の形態の光導波路は、1つの境界線DL1を跨ぐ複数の多モード干渉計を有していてもよい。
本実施の形態の変形例2である半導体装置の平面図を図28に示す。図28に示すように、本実施の形態の光導波路は、1つの境界線DL1を跨ぐ複数の多モード干渉計を有していてもよい。
図28に示す光導波路は、2つの多モード干渉計(分波部)MMI3、MMI4を備えており、例えば、AWG(Arrayed Waveguide Grating、アレイ導波路)コンバイナを構成している。AWGコンバイナは、光信号の合分波を行う素子であり、高い波長分解能を有する。本変形例の光導波路は、1つの光導波路OW9と、光導波路OW9に接続された多モード干渉計MMI3と、多モード干渉計MMI4と、多モード干渉計MMI3と多モード干渉計MMI4との間を接続する複数の光導波路OW10と、多モード干渉計MMI4に接続された複数の光導波路OW11とを備えている。各光導波路OW10は、多モード干渉計MMI3に対し、光導波路OW9が接続されている側とは反対側に接続されている。また、各光導波路OW11は、多モード干渉計MMI4に対し、複数の光導波路OW10が接続されている側とは反対側に接続されている。
通信時において、光は、光導波路OW9側から順に多モード干渉計MMI3、光導波路OW10、多モード干渉計MMI4および光導波路OW11のそれぞれの内部を通過する。つまり、光導波路OW9内から多モード干渉計MMI3内に入射した光は複数のモードに分かれて、複数の光導波路OW10のそれぞれに分配されて出射する。複数の光導波路OW10内から多モード干渉計MMI4に入射された光は、複数の光導波路OW11のそれぞれに分配されて出射する。
多モード干渉計MMI3、MMI4のそれぞれは、図26に示した多モード干渉計MMI1と同様に、光導波路OW9〜OW11に比べて短手方向の幅が大きいシリコンパターンから成る。ここでは、多モード干渉計MMI3、MMI4のそれぞれの短手方向の幅は、多モード干渉計MMI3、MMI4のそれぞれに接続された光導波路の数が多い方の端部において広くなっている。光導波路OW9〜OW11のそれぞれ1つ1つは、シングルモード光導波路である。平面視において、多モード干渉計MMI3、MMI4のそれぞれの延在方向(光の進行方向)は1つの直線上に並んでおらず、それらの延在方向同士のなす角度は、例えば90度である。つまり、多モード干渉計MMI3と多モード干渉計MMI4との相互間を結ぶ複数の光導波路OW10のそれぞれには光路差がある。
AWGコンバイナに入射した光は、光導波路OW9から多モード干渉計MMI3に入射して扇形に発散した後、複数の光導波路OW10のそれぞれに分割されて同相入射する。その後、光路差がある各種の長さの光導波路OW10内を通った光は、多モード干渉計MMI4内に異なる波長で入射し、その後、複数の光導波路OW11へ分配される。このとき、複数の光導波路OW11のそれぞれには、波長の異なるシングルモードの光が入射する。つまり、互いに異なる波長を有する複数の波のそれぞれは、多モード干渉計MMI4内で波長に依存して波面傾斜するため、別々の出力側導波路(光導波路OW11)に集束する。これにより、光の波長分波を行うことができる。
シングルモード光導波路である光導波路OW9〜OW11のそれぞれが、隣り合うショット領域同士の境界を跨いで形成された場合、露光位置がずれることに起因して生じた段部により大きな光損失が生じる。そのため、本変形例では、光導波路OW9〜OW11よりも短手方向(光導波路の内部での光の進行方向に対して平面視で直交する方向)の幅が大きい多モード干渉計MMI3、MMI4の両方が平面視で境界線DL1と重なるように多モード干渉計MMI3、MMI4のそれぞれを配置している。これにより、多モード干渉計MMI3、MMI4のそれぞれは、両側の側面のそれぞれに1つずつ段部DPを有している。
ここでいう多モード干渉計MMI3の両側の側面とは、多モード干渉計MMI3に接続された光導波路OW9と光導波路OW10との間の光路を挟んで位置する2つの側面を意味する。同様に、多モード干渉計MMI4の両側の側面とは、多モード干渉計MMI4に接続された光導波路OW10と光導波路OW11との間の光路を挟んで位置する2つの側面を意味する。
このように、2つのショット領域の境界線DL1を跨ぐ光導波路において、幅広部である多モード干渉計MMI3、MMI4のみに段部DPが形成されることで、シングルモード光導波路である細い光導波路OW9〜OW11のパターンに段部が生じることを防ぐことができる。よって、光導波路における光損失の発生を防ぐことができるため、半導体装置の性能を向上させることができる。
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、前記実施の形態1〜3では、前記実施の形態1の変形例1を除き、ポジティブ型のフォトレジスト膜を用いて光導波路のパターンを形成した場合について説明したが、前記実施の形態1の変形例1と同様に、ネガティブ型のフォトレジスト膜を用いて光導波路のパターンを形成してもよい。
また、前記実施の形態3の本変形例2で説明したように、幅広部を含む光導波路は、必ずしもショット領域の境界線に対し直交する方向に延在していなくてもよい。
BOX 絶縁膜
DL1〜DL5、DLA 境界線
DP、DP1 段部(段差)
OW1〜OW11、OWA 光導波路
DL1〜DL5、DLA 境界線
DP、DP1 段部(段差)
OW1〜OW11、OWA 光導波路
Claims (16)
- (a)第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜上に形成されており、平面視で互いに隣り合う第1領域および第2領域を有する半導体膜と、を備えた半導体ウェハを準備する工程、
(b)前記半導体膜の前記第1領域および前記第2領域上にフォトレジスト膜を形成する工程、
(c)前記第1領域上に位置する前記フォトレジスト膜を露光することで、短手方向の第1幅を有して延在する第1部分と、前記第1部分に接続され、かつ前記第1幅より大きい第2幅を有する第2部分とを含む第1パターンを形成する工程、
(d)前記第2領域上に位置する前記フォトレジスト膜を露光することで、前記第2幅より小さい短手方向の第3幅を有して延在する第3部分と、前記第3部分および前記第2部分に接続され、かつ前記第1幅および前記第3幅より大きい第4幅を有する第4部分とを含む第2パターンを形成する工程、
(e)前記(c)工程および前記(d)工程の後、前記フォトレジスト膜を現像することで前記第1パターンおよび前記第2パターンを含むマスクパターンを形成する工程、
(f)前記(e)工程の後、前記マスクパターンをマスクとして用いて前記半導体膜をパターニングすることで、前記半導体膜から成る光導波路を形成する工程、
(g)前記第1絶縁膜上に、前記光導波路を覆う第2絶縁膜を形成する工程、
を有する、半導体装置の製造方法。 - 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
前記(d)工程では、前記第1領域の端部に重なるように、前記第2領域上に位置する前記フォトレジスト膜を露光することで、前記第2パターンを形成し、
前記(e)工程では、前記第1パターンと前記第2パターンとが互いに重なる部分であり、かつ短手方向の第5幅を有する第5部分を含む前記マスクパターンを形成する、半導体装置の製造方法。 - 請求項2記載の半導体装置の製造方法において、
前記(b)工程では、ポジティブ型の前記フォトレジスト膜を形成し、
前記第5幅は、前記第1幅および前記第3幅より大きく、かつ前記第2幅および前記第4幅より小さい、半導体装置の製造方法。 - 請求項2記載の半導体装置の製造方法において、
前記(b)工程では、ネガティブ型の前記フォトレジスト膜を形成し、
前記第5幅は、前記第2幅および前記第4幅より大きい、半導体装置の製造方法。 - 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
(h)前記(g)工程の後、前記半導体ウェハを個片化することで、前記第1領域および前記第2領域に亘って形成された前記光導波路を含む半導体チップを形成する工程をさらに有する、半導体装置の製造方法。 - 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
前記第2幅は、前記第1幅の1.3〜3.0倍大きく、
前記第4幅は、前記第3幅の1.3〜3.0倍大きい、半導体装置の製造方法。 - 第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜上に形成され、前記第1絶縁膜の表面に沿って延在する光導波路と、
前記第1絶縁膜上に形成され、前記光導波路を覆う第2絶縁膜と、
を有し、
前記光導波路は、
第1幅を有する第1部分と、
前記第1部分の一端部に接続され、前記第1幅より大きい第2幅を有する第2部分と、
前記第2部分の一端部に接続され、前記第2幅より小さい第3幅を有する第3部分と、
を有し、
平面視において、前記第2部分の短手方向の2つの側面のそれぞれには、段部が形成されている、半導体装置。 - 請求項7記載の半導体装置において、
前記第2部分は、
前記第1部分に接続された、短手方向で前記第1幅および前記第3幅より大きい第4幅を有する第4部分と、
前記第3部分に接続された、短手方向で前記第1幅および前記第3幅より大きい第5幅を有する第5部分と、
前記第4部分と前記第5部分との相互間に接続され、短手方向で前記第1幅および前記第3幅より大きく、かつ前記第4幅および前記第5幅より小さい第6幅を有する第6部分とを有する、半導体装置。 - 請求項7記載の半導体装置において、
前記第2部分は、
前記第1部分に接続された、短手方向で前記第1幅および前記第3幅より大きい第4幅を有する第4部分と、
前記第3部分に接続された、短手方向で前記第1幅および前記第3幅より大きい第5幅を有する第5部分と、
前記第4部分と前記第5部分との相互間に接続され、短手方向で前記第4幅および前記第5幅より大きい第6幅を有する第6部分とを有する、半導体装置。 - 請求項7記載の半導体装置において、
前記光導波路は、
前記第1部分と前記第2部分とを接続し、前記第1部分側から前記第2部分側に向かって徐々に幅が大きくなる第1接続部と、
前記第2部分と前記第3部分とを接続し、前記第2部分側から前記第3部分側に向かって徐々に幅が小さくなる第2接続部と、
を有し、
前記第2接続部の延在方向の長さは、前記第1接続部の延在方向の長さよりも大きい、半導体装置。 - 請求項7記載の半導体装置において、
前記光導波路は、
前記第1部分と前記第2部分とを互いに接続する第1接続部と、
前記第2部分と前記第3部分とを互いに接続する第2接続部と、
を有し、
前記第2接続部は、
前記第3部分と同じ高さを有するリブ導波路と、
前記第3部分より高さが低く、前記第2接続部の短手方向で前記リブ導波路を挟む一対のスラブ導波路と、
を有する、半導体装置。 - 請求項7記載の半導体装置において、
前記光導波路は、
前記第1部分と前記第2部分とを互いに接続する第1接続部と、
前記第2部分と前記第3部分とを互いに接続する第2接続部と、
を有し、
前記第1接続部の上面に接して形成された第3絶縁膜をさらに有し、
前記第3絶縁膜の第3屈折率は、前記光導波路の第1屈折率より小さく、前記第2絶縁膜の第2屈折率より大きい、半導体装置。 - 請求項7記載の半導体装置において、
前記第1部分および前記第3部分は、シングルモードの光が内部を通過するシングルモード光導波路であり、
前記第2部分は、マルチモードの光が内部を通過するマルチモード光導波路である、半導体装置。 - 請求項8記載の半導体装置において、
前記第2幅は、前記第1幅の1.3〜3.0倍大きく、
前記第4幅は、前記第3幅の1.3〜3.0倍大きい、半導体装置。 - 請求項7記載の半導体装置において、
前記第2部分は、多モード干渉計である、半導体装置。 - 請求項7記載の半導体装置において、
前記光導波路は、
前記第1絶縁膜の上面に沿って延在し、短手方向で前記第2幅より小さい第7幅を有する複数の第7部分と、
前記複数の第7部分に接続され、短手方向で前記第1幅、前記第3幅および前記第7幅のいずれより大きい第8幅を有する第8部分と、
をさらに有し、
前記光導波路は、前記第1部分、前記第2部分、複数の前記第3部分、前記第8部分および前記複数の第7部分が順に接続されることで構成されており、
平面視において、前記第8部分の短手方向の2つの側面のそれぞれには、段部が形成されている、半導体装置。
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