JP2019158855A - 油中水分検知装置 - Google Patents

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【課題】汚れや熱によるセンサーの問題を解決し100℃以上の高温度の油においても使用できる油中水分検知装置を提供する。【解決手段】水分センサーを油と非接触にし、油中水分と気液平衡または油から蒸発し気体中に存在する水分量を水分センサーによって観測することにより油中への水の混入を検知する装置を発明した。即ち、高温の油から発生する水蒸気を含む気体(空気)を冷却した後、加熱温度制御した水分センサーで気体中水分を検知することにより油中への水分混入を知る装置あって、構造は油上の気体を囲う筐体1、熱交換冷却部4、気体循環用の送風機5、水分センサーの加熱・温度制御装置、水分センサー9、および水分表示器12からなる。【選択図】図2

Description

発明の詳細な説明
この発明は産業上の利用が主な利用範囲であって、高温度で使用される油、熱処理油例えば焼き入れ油を工場で使用する際の、安全管理・予防保全・品質管理のために油中水分を検知する装置に関するものである。
高温度で使用される油の一種である熱処理油たとえば焼き入れ油は、金属材料部品例えば鋼(鉄の鋼材など)など金属の表面処理(硬度改良等)に用いられ例えば800℃といった高温度に加熱した鋼材をこれより低い温度例えば80℃付近の温度の油に入れて急激に冷却することにより、部品表面の硬度など強度を向上改良するため用いられる。
この熱処理油あるいは焼き入れ油(クエンチングオイル)はJIS−K2242にあるように冷却性能の分類から油温80℃、油温120℃、油温160℃などがあり、これらの油温の温度からわかるように高い温度範囲でまで使用されるものである。
これら熱処理油の油中に水が含まれると問題を生ずる場合あり、油中に水分が多く含まれるとその量によっては好ましくなく、製品品質に影響したり、極端な場合油中に漏洩混入する配管からの水の油中への混入によってボイルオーバーあるいは水蒸気爆発など、熱処理炉や工場内のその周辺に危険な状態を招く場合がある。
このために油中の水分検知が重要視されており、自動車部品工場などのエンジン部品などの焼き入れ炉中の油に水分の監視が設備保全上重要な項目となっている。
この焼き入れ油の水分検知は安全上および品質管理の面から重要とされ、油中の水分監視が水分測定機器により行われる。
加えて最近は前記のように100℃以上の高温で使用される焼き入れに対してもその安全確保の上から、特に水分を検知する技術的必要性が顕著になってきた。
これらに対して、従来から油中の水分測定には、湿式の化学分析の一種であって電量滴定法であるカールフィッシャー水分試験法(JIS K−2275)があるが、これは回分式(バッチ式)のサンプリングで、一回毎に使用中の設備から油をサンプリングして、試験器による滴定により油中の水分を測定している。
しかし一回一回サンプルを試験器まで移動する必要があり連続検知ではないので、設備運転中の時間途中の油への水分混入が分からないことから、連続監視型(常時監視)の水分測定機器が必要とされた。
連続監視型のものとして、静電容量型水分センサーなどを使用した水分計が開発され使用されてきた(例えば、特許文献1参照)。
これらはセンサーの表面に水分子が吸着し静電容量が発生することによりをそれを電気的に計測することにより水分を検知するものである。
これらの水分センサーにはアルミニューム陽極酸化膜型水分センサー、セラミック薄膜型水分センサー、あるいは有機高分子薄膜型水分センサーなどが使用され、実用的には主に油温度90℃以下の油に使用されてきた。
特許公報 特許番号第2646420号 液中水分測定装置
前記の水分検知センサーは、使用時にセンサーを油に入れ油と直接接触させて油中水分を検知する方式で、これが工場の焼き入れ設備で使用されてきた。
実際に焼き入れ油に使用されるのは、40℃〜90℃油に使用される場合が多いが、特に焼き入れ油では水分センサーに汚れが付着するという現象が起きセンサーの寿命を短くするとともに、保守の間隔が短くなるとともに、高温では使用できないという問題が生じた。
この理由は、あまり高くない温度の油でも、油に入る鋼材の温度は例えば800℃といった高温で空気中の酸素が関与した熱重合や熱酸化重合により汚れ物質として沈積物(スラッジ)が生じ、これらがセンサーに付着するからである。
さらに油の温度が高くなればなるほど前記の化学変化で、汚れが生じやすくなるとともに、水分センサー自体も苛酷な条件に曝され、特性が変化あるいは損傷を起こし易くなる。
以上から水分センサーを直接に油に入れて測定する方法での問題を要約すると、イ)水分センサーに汚れが付着し、機能低下を起こすことが多い、ロ)油温度が高いとセンサーの特性が変化し易く初期状態を保てない(校正頻度の増加)、極端な場合はセンサーの損傷など不具合に至り、またハ)イ)ロ)により使用苛酷度の高い、油温の高い条件での使用ができない、という問題が生じた。
他方、近年より高温の油温(JIS−K2242にあるように例えば100℃あるいはそれ以上の温度で使用する油)で使用する熱処理油の工場現場での安全確保のため、より高温で使用できる油中水分検知装置が必要とされるが従来技術では上記の理由で対応できない。
これらの原理的な理由を説明すると、水分の検知に一般的によく使用される例えば静電容量型水分センサーは、その作動原理として、油中に存在する水の分子(誘電率が大きい)が水分センサーの電極表面に吸着することによって静電容量が発生する、その吸着量が油中の水分濃度によって変わりそれに従って静電容量も変化する。
これを検知することによって逆に油中の水分濃度を求めるというものである。
したがって、水分センサーの表面に油中に生ずる汚れ成分例えばスラッジが付着し汚れれば、水分センサーの静電容量検知が妨害を受け、極端な場合は水分が検知できない状態になり、高温ではこの影響が顕著になる。
本発明は以上のような従来技術の問題を解決するためになされたものである。本発明者は鋭意研究努力し、以上の問題を解決する油と非接触の水分検知装置の発明を行うに至った。
本発明者は鋭意研究実験した結果、上記の汚れや熱によるセンサーの問題を解決し100℃以上の高温度の油においても使用できる水分検知の方法を考案した。
本装置は、水分センサーを直接油と接触させることなく油中の水分を検知する方法で、簡単に言うと、水分が油中に混入時に、溶解度以上で発生する水蒸気あるいは溶解度以下で油と気液平衡にある水蒸気分圧に基づく水分を含む高温度の気体(空気)を、熱交換冷却によって冷却回避し、循環させながらその気体中の水蒸気を、室温より高く温度制御した水分センサーで検知することによって、迅速に水分を検知するものであって、油と接する空気中の水分を検知することによって、逆に油中の水分を知るものである。
この水分検知の考えを説明すると、油中に水分が存在すると、その量(濃度)に応じてそれと相接する気体(空気)中にも水分が存在し、両者には定量的な相関関係がある、という原理に基づく。
即ち、本法による油中水分を検知する考え方を示す。水分の状態として2とおり考えられ、イ)一つは水分が水の溶解度以下で油に溶けている状態、ロ)他の一つは溶解度以上に過剰に油中に水分が混入する状態とがある。
前記の場合、油には溶けた水分量(濃度)とそれと接する気体(例えば空気)中には気液平衡により水分濃度に応じた平衡蒸気圧の分の水蒸気が存在することが知られており、次式のヘンリーの法則、すなわち水蒸気については油中に溶解する水分の濃度はそれと接する気体中の水分分圧に比例する。
これは水分が油に溶けている範囲すなわち溶解度以下の濃度の範囲内では成り立つ。
Figure 2019158855
式(1)から、油中の水分濃度と、それと接する気体中水分の分圧すなわち蒸気圧は、気液平衡時は、一定の関係にあるので、蒸気圧の大きさに対応して変動する水分センサーのパラメータ(例えば静電容量あるいはこれをさらにマイクロコンピュータ処理して得られる相対湿度など)と油中水分濃度の関係を予め把握しておくことにより、油中水分濃度の推定が可能となり、また水分センサーの出力を連続して平常時と比較することにより、油中に混入などで増加した場合の水混入を察知することができることが推察される。
他方、油に水分が溶解できる範囲以上に多量の水が急激に水分が増えるような場合、高温では油中の水が蒸発し油上の気体中の水分の増加する。
実際に本発明者は、これを実験した結果、大気圧下で油の温度が特に高温例えば100℃以上では、油の水に対する溶解力以上に多量の水が混入すると速やかに水は蒸発し油中の水分は一定量以上増えないことを確認した。
さらに具体的に言えば、例えば高沸点の石油留分で引火点の高い鉱物油に、水を注入する実験を繰り返し行った結果、大気圧下100℃以上では水を200ppm以上3000ppm付近まで何通りか混入させてみた結果、水を油に入れると水分はすぐに蒸発し油中には100ppmを超えないことが判明した。
即ち油の水に対する溶解力以上に多量に水が入った場合は水分は蒸発しそれと相接する気体(空気)中に放出されることを確認した。
以上のように、水分濃度が溶解度以下の場合はそれに対応する水蒸気分圧による気体(空気)中の水分が存在し、他方溶解度以上に水が油に混入した場合はそれによって過剰な水分が空気中に蒸発するので油と相接する気体(空気)にはそれに対応した量の水分が含まれる。
このことから油上の気体(空気)を水分センサーでセンシングすることにより、水分の混入など油中の水の状態を検知することが可能であるという結論に達した。
以上のように、油に直に水分センサーを浸さなくても油中への水分の混入を知ることができ、水分センサへの油汚れの付着が回避できる。
次に水分の検知対象となる気体は、高温の油と相接しており高温であるので、水分センサが高温に曝されるのを回避するため、一旦冷却して水分センサに送ることを考えこの構造的工夫を後述のように本発明で行った。
本発明の構成を簡単に説明する。
油中水分検知装置断面図(図1)において、本装置は、貫通した例えば管・筒・逆漏斗(図2の20参照)のような油を囲う筐体(1)と、これにつながる細い管(2)とさらに細い管(3)を組み合わせた熱交換冷却部(4)、気体の循環のための送風機(ファンやポンプ)(5)、水分センサー(6)、加熱器(7)、および表示・温度制御器(12)からなる。
加熱器(7)の部分はこの部分に温度センサーを備え、(12)とともに水分センサーの温度制御をする加熱部(8)を構成する。
水分センサーとしては、静電容量センサーなどが使え、湿度センサー、湿度検出器、水分活性(aw)測定器、露点計など水分を検出できるものは使用でき、水分検知の方式を限定するものではない。
送風機(5)と細い管(3)は、この系内の気体を循環させ、油から発生した水分を含む気体を熱交換冷却しながら水分センサーに送り、そこで水分検知させる。
気体循環には図1の方法以外に管(2)の外側に気体循環熱交換用のパイプならびに送風機などを取り付けることもできる(図4参照)。
また図3のようにバルブ(15)を開き送風機あるいは外付けポンプなどにより油上の気体を移動させ冷却しながら水分センサーまで送り、油上の気体中の水分を検出することもできるが、その場合は孔(14、図3参照)を新たに設けることもできる。
要は油から発生する水蒸気を含む高温度の気体を冷却しながら、水分センサーまで移動させる手段が必要である。
気体を強制的に循環・対流あるいは移動によって動かすのは、迅速に水分を含む気体を水分センサーまで送りセンシングするためであって、もしこれら手段を取らなかった場合は、気体中の水分は主に拡散により移動していくので水分センサーに到達するのに時間を要するから、迅速検知の妨げになるからである。
また、気体の冷却が必要な理由は、高温の気体の温度を下げることによって、センサーへの熱負荷を抑えること、ならびに油から発生する揮発性の石油系有機物を先に凝縮させ、水分センサー表面への付着によるセンサーの汚れおよび損傷による不具合を避けるためである。
さらに検知する場合の条件として必要なことは、水分センサーの温度を温度制御することであって、温度としては室温より5℃以上高い温度で一定温度に保つことが好ましく、より好ましくは室温より10℃以上昇温することが好ましい。
これは温度の高い油から発生する揮発性石油成分を冷却凝縮を熱交換冷却部で凝縮除去させても、一部は残り水分センサー表面に付着する成分があっても再昇温することにより、水分センサーへの付着を防止することである。
昇温してかつ温度制御する他の理由は、水分センサーの温度を制御せず室温と同じ温度で使用すると、湿度の高い条件、例えば30℃湿度(飽和水蒸気圧42hPa)80%RHというような場合、初めから相対湿度が100に近い高い状態で、油中から発生した水分と自然の湿気との識別がし難い場合があるからであって、これに対して水分センサーを含む部分の温度を室温より高くする、例えば40℃(飽和蒸気圧73.9hPa)にすることによって飽和蒸気圧が上がるので、実質的な相対湿度を下がり(40℃で46%RHとなる)、これによってより多くの水分の検知が可能になるためである。
発明の工夫を要約すると、イ)油との接触を避けるため、水分検知対象となる、油と相接している油上の空気中の水分を検知する、ロ)その際、油と相接している油上の空気は高温であるので、これを一旦冷却構造により冷却しながら下げ水分センサに送る、ハ)水分センサの温度を加熱制御し気体中の水分を検知する。
以上の発明工夫により、水分センサーを高温から回避しかつ油との非接触により油による汚れを回避でき、油から発生する水分を検知し、逆に油中への水の混入を知ることができ、これによって油汚れや高温による水分センサーの機能低下の問題を回避でき、工場で高温で油を使う設備において配管の不意の故障で冷却水などの漏れが起こった場合など、水分監視による安全管理・予防保全につながる。
上述したように本発明の油中水分検知装置により、従来技術における問題を解決した。
即ち、イ)油による汚れおよび高温暴露から回避して水分センサーを使用できるようになるため、水分センサの機能低下防止、長寿命化が達成できる。
ロ)100℃以上の温度の高い油中の水分の検知が可能である。
ハ)工場内で高温度で使用される焼き入れ油内への水分混入を検知し警報が出せるので、 工場現場の安全管理や予防保全に効果を発揮するものである。
本発明に係わる油中水分検知装置の構造断面図である。 本発明に係わる油中水分検知装置の実施例1(断面図)である。 本発明に係わる油中水分検知装置の実施例2(断面図)である。 本発明に係わる油中水分検知装置の実施例3(断面図)である。 本発明に係わる油中水分検知装置による水分検知結果例である。 本発明に係わる油中水分検知装置による水分検知結果例である。 本発明に係わる油中水分検知装置による水分検知結果例である。 本発明に係わる油中水分検知装置による表示と水分の結果例である。
以下本発明に係る油中水分検知装置を図2、図3、図4に則してさらに詳しく説明する。
図2は本発明を実施するための形態実施例であって、油中において水分が混入したときにおける水分検知の様子を示す。
表示部は、水分センサーからの信号をケーブルを経由して受け、水分値に応じてその大小関係を表示するものである。
水分センサーからの水分の大小の変化に伴う静電容量をデジタル信号である周波数の大小に変換し、これをさらにマイクロコンピュータの演算により水分の大小に応じて0−100の数値(水分指数、任意単位)に変換し表示させた実施例である。
本発明の方式で水分の混入を迅速に知ることができる。
次に実施例の具体的な構造を説明する。
図2は、装置の下部を油に浸漬する装置であって、筐体(1)の下部を油にその一部を浸漬し油と接する気体を囲う空間があるものであって、上下に貫通しており形状は問わず管、漏斗(漏斗を上下逆向きに使用例えば(20))、円錐形、箱形などあり、例えば材料・材質は筒状の鋼管やアルミ管などが使え、そのサイズは直径10mm〜500mm、好ましくは実用範囲から30mmから200mm、長さは30mmから500mm好ましくは50mmから300mmであるが使用現場で実用的には合わせるものである。
筐体(1)の構造上の機能は要するに、油と気液平衡にある水分を含む気体(空気)および油から発生する水蒸気を漏らさず外部の空気から遮断して確保できることである。
熱交換冷却部(4)は、中を移動する熱い気体(水分を含む空気)がそれと交わらない系外の空気と熱交換冷却する構造のものである。
例えば(4)の管(2)の内部により細い管(3)を配置した構造が実施して効果を上げたが他に図4のように(2)の外側に細管(17)を配置することも効果を上げた例である。
冷却のために冷却管にフィン(13)を取り付け冷却効果を上げた。
管(2)、管(3)の材質としては鋼管、ステンレス管、アルミ管、テフロン、耐熱性高分子材料(PTFEなど)が使用でき、管(2)のサイズは、例えばパイプ状の管の場合内径5mm〜50mm、より好ましくは内径10〜30mm、その長さは冷却に十分な長さが必要で、例えば長さ100mm〜1000mm、より好ましくは200mm〜600mmである。
送風機は図2で管の内部の空気を水分センサー(6)まで移動し循環するためのものであるが、細管は図2のように管(2)の内側に入れてもよいし、図4のように同じ機能で外にポンプを取り付けて、細管(17)を気体循環のため(2)の外部に置くこともできる。
水分検知部(9)には水分センサーがあって管内部の気体中の水分を測定検知するものであり、水分センサーとしては静電容量センサー、湿度センサー、湿度検出器、水分活性(aw)測定器、露点計など水分を検出できるものは使用でき、水分検知の方式を限定するものではなく、実施例では静電容量型センサーを使用した。
水分センサー含む周辺温度は加熱器(7)を含む加熱部(8)により、前記の理由で室温より高い温度に維持することが必要で、5℃以上高い温度で一定温度に保つことが好ましく、より好ましくは室温より10℃以上昇温することが好ましいが、本実施例では室温23℃のとき水分センサーの温度を40℃、50℃に設定して実験した。
表示部は、水分センサーからの信号をケーブルを経由して受け、水分値に応じてその大小関係を表示するものであって、水分センサーからの水分の大小の変化に伴う静電容量変化の大小をデジタル信号である周波数に変換し、これをさらにマイクロコンピュータの演算により水分の大小に応じて水分センサー出力を0−100の数値(水分指数)に変換し表示させ、水分が少ない場合を0とし、逆に多い場合を100とした。
図3は油面の上に蓋があり十分に油上の空気が外部の気流等で乱されないことを想定した場合であって、孔(14)を設け(1)の内・外からも油上の空気が水分センサに移動できる。
次に実施例図2の油中水分検知装置により、実際に水分を高温の油に混入させたときの時間に対する水分指数の変化の実験結果(室温約23℃)を図5、図6、図7、図8に示す。
図5は120℃の油に水分320ppm相当分を、次いで900ppm相当分の量を順次油に混入(油中に注入)させたときの水分指数の変化であり水分センサーの制御温度は40℃と50℃で、図5に示すように油中への水の混入後、速やかに水分指数が増加しており、水分混入を検知していることが分かる。
図6は油温度120℃で油中に水を約2300ppm(約0.23%)注入させたときの結果であって、水が入った後に速やかに水分指数が増加してており、水の混入を検知していることを示す。
これらの図のように水分指数は水注入後に上がるが、蒸発により油中の水分は次第に減少するので時間が立つと下がる。
図7はさらに温度の高い油温度140℃の結果であって、水を油に注入後に速やかに水分指数が上昇し水の混入を検知していることが確認された。
さらに前記と同様に一定条件下で油に混入した水分の量と、表示器の表示数値の関係を予め試験により把握しておくことによって、逆に水分の混入量を知ることができ、この実験例を図8に示す。
図8は油中の水分濃度(ppm)と水分指数との関係を示す実験例であって、油中の水分濃度が増えると水分指数が明確に増加しているので、両者の関係のデータを予め試験によって把握しておくことにより、油中に混入した水分の量を見積もることができる。
以上の結果から水分センサーを直に油中に浸すことなく、気体中の水分を観測することにより油に混入する水分を検知することができた。
本方式により水分センサーの汚れの付着および高温による機能低下が回避され、しかも油温度140℃という従来使用より高温度においても水分が検知可能なことが実証された。
水分センサーの温度は40℃あるいは50℃であるので熱による水分センサーへの熱負荷が大幅に軽減され、問題が回避された。
以上により従来技術の問題が解決された。
1 貫通した筒状の筐体(中空の漏斗型、円筒、円錐、箱形、など形状を問わない)、水分検知対象の油の上を覆い油と相接する気体(空気)を囲う。
2 管
3 管
4 熱交換冷却部
5 送風機または吸引機
6 水分センサー
7 加熱器(ヒーター)
8 加熱部(室温以上に加温する部分)
9 水分検知部
10 コネクター
11 ケーブル
12 表示器・温度制御器
13 フィン(放熱冷却用の羽根)
14 孔
15 バルブ・開閉栓
16 吸引機・ポンプ
18 油
19 水分
20 逆漏斗型の筐体例(1の代わりに使える)

Claims (4)

  1. 油と接する気体中の水分を検知することによって、油中への水分の混入を検知する装置であって、その構成が、油面上の気体を囲う筐体、筐体内部の気体を送風または吸引して水分センサーまで移動する装置、気体の熱交換冷却部、水分センサーを室温以上に加熱制御する装置、ならびに水分センサーより成ることを特徴とする油中水分検知装置。
  2. 上下に貫通した中空の筐体(1)と、この内部の気体を移動または循環・対流用させる送風機または吸引装置(5)と、(1)につながりその内部の気体の冷却のための熱交換冷却部(4)と、水分センサーの温度を室温以上に加熱温度制御する装置(7,8)と、水分検知センサー(6)から成ることを特徴とする油中水分検知装置。
  3. 請求項1又は請求項2であって、油と接する気体(空気)を移動させながら冷却器により一旦冷却した後、室温より5℃以上に加熱温度制御した水分センサーで気体中水分を検知することにより油中水分を検知することを特徴とする装置。
  4. 請求項1又は請求項2又は請求項3であって、水分センサーの出力を電気回路・プログラミングにより処理し気体中の水分量に対応した大小の数値に変換し表示する機能を有する表示器を備えることを特徴とする油中水分検知装置。
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