JP2019157808A - ポンプ、渦抑制部材およびポンプ設備 - Google Patents

ポンプ、渦抑制部材およびポンプ設備 Download PDF

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Abstract

【課題】水中渦および空気吸込渦の発生を抑制することができ、容易に製作することが可能なポンプを提供する。【解決手段】吸込口に渦抑制部材12が設けられ、渦抑制部材12は、上下両端が開口するとともに周囲が閉じており且つ平面視において扇形状に形成された筒体27を有し、筒体27の内部が吸込口に連通し、筒体27は、円弧状に湾曲した湾曲板31と、湾曲板31の周方向における両端間に設けられた平板状のバッフル板32とを有し、平面視において、湾曲板31の湾曲中心が吸込口の軸心に実質的に一致し、湾曲板31の半径が吸込口の半径以上である。【選択図】図5

Description

本発明は、吸込口に渦抑制部を設けたポンプ、吸込口に取付可能な渦抑制部材、およびポンプを吸込槽に備えたポンプ設備に関する。
従来、図27,図28に示すように、例えば雨水等の水101は、ポンプ場の吸水槽102に流入した後、ポンプ103によって吸い上げられて吸水槽102から下流側の処理施設に送られる。標準的な吸水槽102は一対の側壁面104と後壁面105と底面106とを有しており、ポンプ103の吸込口108は吸水槽102内に設けられて後壁面105の手前側にある。
尚、標準的な吸水槽102においては、通常、吸水槽102の底面106からポンプ103の吸込口108までの高さHは揚水管109の口径Aとほぼ同じに設計され、また、吸込口108の軸心110(中心)から吸水槽102の後壁面105までの距離Bは吸水槽102の流量に基づいて決定される。
ポンプ103を運転することにより、吸水槽102内の水101が、吸込口108からポンプ103内に流入し、ポンプ103内を通って下流側の処理施設に送られる。ポンプ103を運転しているとき、吸水槽102内に水中渦111と空気吸込渦112とが発生することがある。
尚、水中渦111とは、吸水槽102の底面106や側壁面104から発生した渦流の圧力が蒸気圧以下に低下して吸込口108に吸い込まれる渦である。また、空気吸込渦112とは、水面から吸込口108に向かって発生した渦流が水面上の空気を連行して吸込口108に吸い込まれる渦である。
このような水中渦111や空気吸込渦112が吸込口108からポンプ103内に吸い込まれると、ポンプ103の運転中に、激しい振動や大きな騒音が発生する虞があった。
図29中のグラフG1は、標準的な吸水槽102において、吸込口108に接近する流速の分布(近寄流速分布)の状態を概念的に示したグラフであり、水面付近の流速V1と底面106付近の流速V2とが速くなる傾向にある。このような流速分布を示すのは、主に、以下のような流速の速い水面付近の流れF1と底面106付近の流れF2とが吸水槽102内に発生するためである。すなわち、水面付近の流れF1は、上流側からポンプ103の側方を通過し、後壁面105に沿って下降する下降流F1´となって吸込口108に吸い込まれるものである。また、底面106付近の流れF2は上流側からポンプ103に接近して吸込口108に吸い込まれるものである。
上記のような振動や騒音発生の対策として、例えば下記特許文献1には、水中渦111の発生を抑制する技術が開示されている。これは、図30〜図32に示すように、ポンプ103の吸込口108に渦防止装置120を備え、渦防止装置120は、吸込口108の直下に配置されるバッフル121と、平面形状が略半円形をした水中渦発生防止部材122とを有している。水中渦発生防止部材122は、多数の透孔123を形成したパンチングメタル製であり、バッフル121の外端に取り付けられて、吸水槽102の後壁面105に対向している。
また、バッフル121は十字状に交差する第1および第2バッフル板124,125を有している。これらバッフル板124,125はそれぞれ凹形状に形成されており、第1バッフル板124には、手前側126(上流側)と水中渦発生防止部材122の内側127とを連通させる手前側開口部128が形成されている。
ポンプ103を運転しているとき、吸込口108の後方領域や側方領域に旋回流129が発生しても、旋回流129は、水中渦111に発達する前段で、水中渦発生防止部材122の透孔123を通過し、この際に整流されて旋回成分が弱められ、水中渦111に発達するのが妨げられた状態で吸込口108からポンプ103の内部に吸い込まれる。これにより、水中渦111の発生が抑制される。
特開2004−270479
しかしながら上記図30〜図32に示した吸込口108に渦防止装置120を備えた従来形式では、水中渦発生防止部材122に多数の透孔123を形成する孔開け加工に手間がかかるといった問題がある。特に、ポンプ103の口径が大きくなると、それに応じて水中渦発生防止部材122も大型化し、水中渦発生防止部材122の板厚も増すため、一段と孔開け加工が困難になり、孔開け加工に手間を要した。
また、渦防止装置120を設けることで、旋回流129は旋回成分が弱められた状態で吸込口108に吸い込まれるが、水中渦発生防止部材122は多数の透孔123を有するパンチングメタル製であるため、図29に示した下降流F1´を十分に弱めることができず、これにより、空気吸込渦112の発生を抑制する効果が不足するといった問題がある。尚、空気吸込渦112が発生した場合、空気吸込渦112が水中渦発生防止部材122の透孔123を通過して吸込口108から吸い込まれる場合があり、この場合、ポンプ103の運転中に、激しい振動や大きな騒音が発生する虞があった。
本発明は、水中渦および空気吸込渦の発生を抑制することができ、容易に製作することが可能なポンプおよび渦抑制部材を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本第1発明におけるポンプは、吸込口に渦抑制部が設けられ、
渦抑制部は、上下両端が開口し且つ平面視において扇形状に形成された筒体を有し、
筒体の内部が吸込口に連通し、
筒体は、円弧状に湾曲した湾曲板と、湾曲板の周方向における両端間に設けられた半径方向の平板状のバッフル板とを有し、
平面視において、湾曲板の湾曲中心が吸込口の軸心に実質的に一致し、
湾曲板の半径が吸込口の半径以上であるものである。
これによると、渦抑制部の湾曲板を吸水槽の後壁面に対向させてポンプを運転することにより、湾曲板は、手前上流側からポンプの側方を通過し、ポンプの背後から後壁面に沿って下降した後、吸込口に吸い込まれる流れ(水面付近の流れ)に対する抵抗となる。このため、吸水槽の後壁面側から吸込口に吸い込まれる水量が吸水槽の手前上流側から吸込口に吸い込まれる水量よりも少なくなって、吸水槽の後壁面側から吸込口に吸い込まれる水の流速が吸水槽の手前上流側から吸込口に吸い込まれる水の流速よりも低く抑えられる。これにより、吸込口付近の水の旋回流速が水中渦発生限界流速よりも十分に低下するため、水中渦の発生が抑制される。
尚、水中渦発生限界流速とは、吸水槽内の流速を次第に増加させて水中渦の発生が認められたときの流速である。
また、上記のように湾曲板がポンプの背後から後壁面に沿って下降する流れに対する抵抗となることで、ポンプの手前上流側の水面付近から下降して吸込口に吸い込まれる流れが増加し、上記ポンプの背後から後壁面に沿って下降する流れが十分に弱まるため、空気吸込渦の発生も抑制される。これにより、運転中のポンプから激しい振動や大きな騒音が発生するのを防止することができる。
また、吸込口に流れ込む直前の水流がバッフル板にぶつかることにより、旋回流の発生が妨げられて、水中渦の発生がさらに抑制される。
また、湾曲板に多数の透孔を形成するための孔開け加工が不要になるため、渦抑制部を容易に製作することができる。
本第2発明におけるポンプは、渦抑制部は、湾曲板を含んだ仮想円筒の内部を仕切る仕切部材を有するものである。
これによると、吸込口に流れ込む直前の水流の旋回が仕切部材によってさらに抑制される。これにより、渦の発生をより一層抑制することができる。
本第3発明におけるポンプは、仕切部材の上下方向の高さと筒体の上下方向の高さとが略同一であるものである。
これによると、水に混入した糸状の長尺物が仕切部材に巻き付き難くなる。
本第4発明におけるポンプは、湾曲板は半円弧形状に湾曲し、
バッフル板は湾曲板の周方向における両端間に設けられた直径方向の平板であり、
湾曲板を含んだ仮想円筒の径方向において、仕切部材がバッフル板に交差しているものである。
これによると、吸込口に流れ込む直前の水流がバッフル板にぶつかることにより、旋回流の発生が妨げられて、水中渦の発生が抑制される。
本第5発明は、ポンプ本体の吸込口に取付可能な渦抑制部材であって、
上下両端が開口し且つ平面視において扇形状に形成された筒体と、筒体を吸込口に取り付けるための取付部とを有し、
筒体は、円弧状に湾曲した湾曲板と、湾曲板の周方向における両端間に設けられた半径方向の平板状のバッフル板とを有し、
取付部は、平面視において、湾曲板の湾曲中心が吸込口の軸心に実質的に一致するように筒体を吸込口に取付可能であるものである。
これによると、取付部を吸込口に接合することにより、渦抑制部材の筒体が吸込口に取り付けられ、筒体の内部が吸込口に連通する。
本第6発明における渦抑制部材は、湾曲板を含んだ仮想円筒の内部を仕切る仕切部材を有するものである。
本第7発明における渦抑制部材は、仕切部材の上下方向の高さと筒体の上下方向の高さとが略同一であるものである。
本第8発明における渦抑制部材は、湾曲板は半円弧形状に湾曲し、
バッフル板は湾曲板の周方向における両端間に設けられた直径方向の平板であり、
湾曲板を含んだ仮想円筒の径方向において、仕切部材がバッフル板に交差しているものである。
本第9発明は、上記第1発明から第4発明のいずれか1項に記載のポンプを吸込槽に備えたポンプ設備であって、
ポンプの吸込口が、吸水槽内に設けられて、吸水槽の後壁面の手前側にあり、
湾曲板が吸水槽の後壁面に対向しているものである。
以上のように本発明によると、渦抑制部の扇形状の筒体の湾曲板を吸水槽の後壁面に対向させてポンプを運転することにより、吸水槽の後壁面側から吸込口に吸い込まれる水量が吸水槽の手前上流側から吸込口に吸い込まれる水量よりも少なくなって、吸水槽の後壁面側から吸込口に吸い込まれる水の流速が吸水槽の手前上流側から吸込口に吸い込まれる水の流速よりも低く抑えられる。これにより、吸込口付近の水の旋回流速が水中渦発生限界流速よりも十分に低下する。また、吸込口に流れ込む直前の水流がバッフル板にぶつかることにより、旋回流の発生が妨げられる。これらのことにより、水中渦の発生が抑制される。
また、ポンプの背後から後壁面に沿って下降する流れが弱まるため、空気吸込渦の発生も抑制される。これにより、運転中のポンプから激しい振動や大きな騒音が発生するのを防止することができる。
また、湾曲板に多数の透孔を形成するための孔開け加工が不要になるため、渦抑制部を容易に製作することができ、ポンプの製作が容易になる。
本発明の第1の実施の形態におけるポンプの側面図である。 図1におけるX−X矢視図である。 同、ポンプの吸込ベルと渦抑制部材との取付部分の拡大断面図である。 同、ポンプの渦抑制部材を斜め上から見たときの図である。 同、ポンプの渦抑制部材を斜め下から見たときの図である。 同、ポンプの渦抑制部材の平面図である。 同、ポンプの渦抑制部材の縦断面図である。 同、ポンプの渦抑制部材の横断面図である。 同、ポンプを運転しているときの吸水槽内における水流と近寄流速分布を示す図である。 本発明の第2の実施の形態におけるポンプの渦抑制部材の平面図である。 同、渦抑制部材を斜め上から見たときの図である。 同、渦抑制部材を斜め下から見たときの図である。 本発明の第3の実施の形態におけるポンプの渦抑制部材の平面図である。 同、渦抑制部材を斜め上から見たときの図である。 同、渦抑制部材を斜め下から見たときの図である。 本発明の第4の実施の形態におけるポンプの渦抑制部材の平面図である。 同、渦抑制部材を斜め上から見たときの図である。 同、渦抑制部材を斜め下から見たときの図である。 同、渦抑制部材の横断面図である。 同、渦抑制部材の縦断面図である。 本発明の第5の実施の形態におけるポンプの渦抑制部材の平面図である。 同、渦抑制部材を斜め上から見たときの図である。 同、渦抑制部材を斜め下から見たときの図である。 本発明の第6の実施の形態におけるポンプの渦抑制部材の平面図である。 同、渦抑制部材を斜め上から見たときの図である。 同、渦抑制部材を斜め下から見たときの図である。 従来のポンプと吸水槽の概略図である。 図27におけるX−X矢視図である。 同、ポンプを運転しているときの吸水槽内における水流と近寄流速分布を示すグラフである。 従来の渦防止装置を備えたポンプの図である。 図30におけるX−X矢視図である。 同、渦防止装置の斜視図である。
以下、本発明における実施の形態を、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態では、図1,図2に示すように、10はポンプ場に設置されたポンプ設備であり、ポンプ設備10は、吸水槽2と、吸水槽2に流入した雨水等の水3を吸い上げて下流側の処理施設に送るポンプ1とを有している。
吸水槽2は、標準流速オープン形であり、左右一対の側壁面5と後壁面7と底面8とを有しており、水3は手前上流側9から流入する。
ポンプ1は、立軸ポンプであり、ポンプ本体11と渦抑制部材12とを有している。ポンプ本体11は、鉛直方向に延びるケーシング14と、ケーシング14内に挿通された回転自在な主軸15と、主軸15と共に回転する羽根車16と、主軸15を回転させる回転駆動装置17とを有している。
ケーシング14は、直管状の揚水管19と、揚水管19の下端に連結されたポンプケース20と、ポンプケース20の下端に連結された吸込ベル21と、揚水管19の上端に連結された吐出エルボ22とを有している。図1,図3に示すように、吸込ベル21は、下端に、吸込口23とフランジ24とを有している。尚、吸込口23は、吸水槽2内に設けられて、後壁面7の手前側(上流側)にある。
図4〜図7に示すように、渦抑制部材12は、吸込口23に着脱自在に取り付けられており、筒体27と、筒体27を吸込口23に取り付けるための取付フランジ29(取付部の一例)とを有している。
筒体27は、上下両端が開口するとともに周囲が閉じており、且つ、平面視において半円形状(扇形状の一例)に形成されている。筒体27の内部が吸込口23に連通している。また、筒体27は、半円弧形状(円弧状の一例)に湾曲した湾曲板31と、湾曲板31の周方向における両端間に設けられた直径方向Cの平板状のバッフル板32とを有している。湾曲板31は、閉塞された板であり、水3が通過する貫通した複数の透孔を有していない。
また、図7に示すように、湾曲板31の上下方向の高さh2とバッフル板32の上下方向の高さh3とが略同一に設定されている。尚、湾曲板31の高さh2とバッフル板32の高さh3とを同一にしてもよい。
取付フランジ29は、複数のねじ孔34を有する円環状の部材であり、湾曲板31の上端と、径方向におけるバッフル板32の両端部の上端とにわたって取り付けられている。図1,図3に示すように、複数のボルト35を用いて、取付フランジ29を吸込ベル21のフランジ24に接合することにより、渦抑制部材12は、湾曲板31を吸水槽2の後壁面7に対向させて、吸込ベル21の下端すなわち吸込口23に取り付けられる。
尚、図6に示すように、平面視において、湾曲板31の湾曲中心38が吸込口23の軸心39(図1,図3参照)に実質的に一致している。また、図3,図8に示すように、湾曲板31の内半径R1は吸込口23の内半径R2以上に設定されている。
また、図1に示すように、標準的な吸水槽2においては、吸水槽2の底面8から吸込口23までの高さHは揚水管19の口径Aとほぼ同じに設計されるのが通常であり、その場合には、渦抑制部材12の上下方向の高さhは上記底面8から吸込口23までの高さHの30〜70%に設定される。尚、標準的ではないような吸水槽では、上記高さHと口径Aとが異なる場合もある。
以下、上記構成における作用を説明する。
図9中のグラフG2は、吸込口23に渦抑制部材12を取り付けたときの、吸水槽2内における近寄流速分布の状態を概念的に示したグラフである。これによると、ポンプ1を運転することにより、羽根車16(図1参照)が回転し、吸水槽2内の水3が、吸込口23からケーシング14内に吸い込まれ、吐出エルボ22(図1参照)を通って下流側の処理施設に送られる。この際、渦抑制部材12の湾曲板31は、水面付近の上流側からポンプ1のケーシング14の側方を通過し、ケーシング14の背後から後壁面7に沿って下降した後、吸込口23に吸い込まれる流れF1,F1´に対する抵抗となる。
このため、水面付近の水3の流れF1の速度V1が遅くなり、ケーシング14の背後から後壁面7に沿って下降する下降流F1´の速度が低下して、吸込口23付近の渦度が小さくなるため、水中渦の発生が抑制される。
さらに、吸込口23に流れ込む直前の水3がバッフル板32にぶつかることにより、旋回流の発生が妨げられて、水中渦の発生がより一層効果的に抑制される。
また、上記のように渦抑制部材12の湾曲板31がケーシング14の背後から後壁面7に沿って下降する下降流F1´に対する抵抗となることで、ケーシング14の手前上流側の水面付近から下降して吸込口23に吸い込まれる流れF3が増加し、上記ケーシング14の背後から後壁面7に沿って下降する下降流F1´が弱まるため、空気吸込渦の発生も抑制される。これにより、運転中のポンプ1から激しい振動や大きな騒音が発生するのを防止することができる。
また、湾曲板31に多数の透孔を形成するための孔開け加工が不要になるため、渦抑制部材12を容易に製作することができ、ポンプ1の製作が容易になる。
また、図7に示すように、湾曲板31の高さh2とバッフル板32の高さh3とが略同一に設定されているため、水3に混入した糸状の長尺物が仕切部材28に巻き付き難くなる。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、図10〜図12に示すように、筒体27は、平面視において、中心角αが180°未満(例えば120°等)の扇形状に形成されている。また、筒体27は、円弧状に湾曲した湾曲板31と、湾曲板31の周方向における両端間に設けられたバッフル板32とを有している。尚、バッフル板32は湾曲板31の湾曲中心38においてV字形状に屈曲している。これによると、先述した第1の実施の形態と同様の作用および効果が得られる。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態は、図13〜図15に示すように、筒体27は、平面視において、中心角αが180°を越えた(例えば240°等の)扇形状に形成されている。また、筒体27は、円弧状に湾曲した湾曲板31と、湾曲板31の周方向における両端間に設けられたバッフル板32とを有している。尚、バッフル板32は湾曲板31の湾曲中心38においてV字形状に屈曲している。これによると、先述した第1の実施の形態と同様の作用および効果が得られる。
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態は、図16〜図18に示すように、上記第1の実施の形態の渦抑制部材12に仕切部材28を加えたものである。すなわち、渦抑制部材12は、吸込口23に着脱自在に取り付けられており、筒体27と、仕切部材28と、筒体27を吸込口23に取り付けるための取付フランジ29(取付部の一例)とを有している。
筒体27は、上下両端が開口するとともに周囲が閉じており、且つ、平面視において半円形状(扇形状の一例)に形成されている。筒体27の内部が吸込口23に連通している。また、筒体27は、半円弧形状(円弧状の一例)に湾曲した湾曲板31と、湾曲板31の周方向における両端間に設けられた直径方向Cの平板状のバッフル板32とを有している。湾曲板31は、閉塞された板であり、水3が通過する貫通した複数の透孔を有していない。
図19に示すように、仕切部材28は、湾曲板31を含んだ仮想の円筒33の内部を仕切る平板状の部材であり、径方向においてバッフル板32に直交している。これにより、平面視において仕切部材28とバッフル板32とは十字形状に交差している。
尚、仕切部材28の前半分は筒体27の前方に突出し、仕切部材28の後半分は筒体27の内部を二つに仕切っている。また、図20に示すように、仕切部材28の上下方向の高さh1と湾曲板31の上下方向の高さh2とバッフル板32の上下方向の高さh3とが同一又は略同一に設定されている。
取付フランジ29は、複数のねじ孔34を有する円環状の部材であり、湾曲板31の上端と、径方向におけるバッフル板32の両端部の上端と、径方向における仕切部材28の両端部の上端とにわたって取り付けられている。図1,図3に示すように、複数のボルト35を用いて、取付フランジ29を吸込ベル21のフランジ24に接合することにより、渦抑制部材12は、湾曲板31を吸水槽2の後壁面7に対向させて、吸込ベル21の下端すなわち吸込口23に取り付けられる。
尚、図16に示すように、平面視において、湾曲板31の湾曲中心38が吸込口23の軸心39(図1,図3参照)に実質的に一致している。また、図3,図19に示すように、湾曲板31の内半径R1は吸込口23の内半径R2以上に設定されている。
これによると、先述した第1の実施の形態と同様の作用および効果が得られる。また、吸込口23に流れ込む直前の水流の旋回が仕切部材28によって抑制される。これにより、渦の発生をより一層抑制することができる。また、図20に示すように、仕切部材28の高さh1と湾曲板31の高さh2とバッフル板32の高さh3とが同一又は略同一に設定されているため、水3に混入した糸状の長尺物が仕切部材28に巻き付き難くなる。
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態は、図21〜図23に示すように、上記第2の実施の形態の渦抑制部材12に仕切部材28を備えたものである。仕切部材28は、湾曲板31を含んだ仮想の円筒(図示省略)の内部を仕切る平板状の部材であり、バッフル板32の屈曲部から筒体27の前方(手前上流側)へ突出している。これによると、先述した第1の実施の形態と同様の作用および効果が得られる。
(第6の実施の形態)
第6の実施の形態は、図24〜図26に示すように、上記第3の実施の形態の渦抑制部材12に仕切部材28を備えたものである。仕切部材28は、筒体27の内部を二つに仕切る平板状の部材であり、バッフル板32の屈曲部と湾曲板31との間に設けられている。これによると、先述した第1の実施の形態と同様の作用および効果が得られる。
上記各実施の形態では、図1に示すように、ポンプ1の一例として立軸ポンプを挙げたが、立軸ポンプに限定されるものではなく、例えば横軸ポンプ等であってもよい。また、吸水槽2に流入した雨水等の水3を吸い上げるポンプ1を挙げたが、雨水等に限定されるものではない。
上記各実施の形態では、図3に示すように、ボルト35を用いて、渦抑制部材12を吸込ベル21の下端に着脱自在に取り付けているが、渦抑制部材12を溶接等によって吸込ベル21の下端に一体的に取り付けてもよい。
1 ポンプ
2 吸水槽
7 後壁面
12 渦抑制部材
23 吸込口
27 筒体
28 仕切部材
29 取付フランジ(取付部)
31 湾曲板
32 バッフル板
33 仮想の円筒
38 湾曲中心
39 軸心
h1 仕切部材の高さ
h2 湾曲板の高さ
h3 バッフル板の高さ
R1 湾曲板の内半径
R2 吸込口の内半径

Claims (9)

  1. 吸込口に渦抑制部が設けられ、
    渦抑制部は、上下両端が開口し且つ平面視において扇形状に形成された筒体を有し、
    筒体の内部が吸込口に連通し、
    筒体は、円弧状に湾曲した湾曲板と、湾曲板の周方向における両端間に設けられた半径方向の平板状のバッフル板とを有し、
    平面視において、湾曲板の湾曲中心が吸込口の軸心に実質的に一致し、
    湾曲板の半径が吸込口の半径以上であることを特徴とするポンプ。
  2. 渦抑制部は、湾曲板を含んだ仮想円筒の内部を仕切る仕切部材を有することを特徴とする請求項1記載のポンプ。
  3. 仕切部材の上下方向の高さと筒体の上下方向の高さとが略同一であることを特徴とする請求項2記載のポンプ。
  4. 湾曲板は半円弧形状に湾曲し、
    バッフル板は湾曲板の周方向における両端間に設けられた直径方向の平板であり、
    湾曲板を含んだ仮想円筒の径方向において、仕切部材がバッフル板に交差していることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のポンプ。
  5. ポンプ本体の吸込口に取付可能な渦抑制部材であって、
    上下両端が開口し且つ平面視において扇形状に形成された筒体と、筒体を吸込口に取り付けるための取付部とを有し、
    筒体は、円弧状に湾曲した湾曲板と、湾曲板の周方向における両端間に設けられた半径方向の平板状のバッフル板とを有し、
    取付部は、平面視において、湾曲板の湾曲中心が吸込口の軸心に実質的に一致するように筒体を吸込口に取付可能であることを特徴とする渦抑制部材。
  6. 湾曲板を含んだ仮想円筒の内部を仕切る仕切部材を有することを特徴とする請求項5記載の渦抑制部材。
  7. 仕切部材の上下方向の高さと筒体の上下方向の高さとが略同一であることを特徴とする請求項6記載の渦抑制部材。
  8. 湾曲板は半円弧形状に湾曲し、
    バッフル板は湾曲板の周方向における両端間に設けられた直径方向の平板であり、
    湾曲板を含んだ仮想円筒の径方向において、仕切部材がバッフル板に交差していることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の渦抑制部材。
  9. 上記請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のポンプを吸込槽に備えたポンプ設備であって、
    ポンプの吸込口が、吸水槽内に設けられて、吸水槽の後壁面の手前側にあり、
    湾曲板が吸水槽の後壁面に対向していることを特徴とするポンプ設備。
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