JP2019157563A - 軽量建築材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐火性能をもちながら、高い振動抑制を得ることができ特に重量床衝撃音を低減させることのできる、軽量建築材料を提供する。【解決手段】建築物の構造部材の表面に設置して用いられる軽量建築材料であって、厚さ35〜300mmの耐火材料の層2と、その少なくとも一方の面に設けられた厚さ1〜30mmの高剛性な繊維強化樹脂の層1とから成り、曲げ剛性が1.5×107〜1.5×1011GPa・mm4、かつ単位面積あたりの重量が30〜450kg/m2であることを特徴とする、軽量建築材料。【選択図】図1

Description

本発明は建築構造材に固着させることで、剛性と耐火性を同時に付与することができる軽量建築材料に関する。
木質材料は、軽量で加工性がよい材料的な特徴と、癒し効果やリラックス効果などの意匠的な特徴を合わせ持ち、従来から住宅用の建築物に多く使用されてきた。近年、木材、特に国産木材の利用がさらに進められており、住宅用の建築物を含む木造建築物の大型化と高層化の技術開発が盛んに行われている。
住宅用木造建築物において複数階のフロアを有する場合、快適な居住性を得るために、断熱性や高い遮音性能が必要とされる。木造床の遮音性能を向上する方法として、例えば、緩衝材や充填剤を含むポリマーシートを木質板材に積層したものを床材として用いる方法がこれまで提案されている(特許文献1)。しかし、この方法で低減できるのはいわゆる軽量床衝撃音であり、集合住宅で問題となる重量床衝撃音(例えば子供の飛び跳ねなどで発生する音など)の低減には至っていない。
重量床衝撃音を低減する方法として、質量層を床構造内に設け、床構造自体の重量を積極的に増加させる方法が提案されている(特許文献2)。しかし、床重量を増加させるために、柱や梁の強度を高くせざるを得ず、梁や柱の断面積が大きくなる傾向にあり、居住空間を狭める原因となるばかりでなく、さらに質量層による重量や施工工程の増加により、施工性の低下を招き、最終的には建築物のコスト高を招いている。
特開平6−93706号公報 特開2003−293571号公報 特開平6−32664号公報 特開2007−291325号公報
本発明は、耐火性能をもちながら、高い振動抑制を得ることができ特に重量床衝撃音を低減させることのできる、軽量建築材料を提供することを課題とする。
本発明は、建築物の構造部材の表面に設置して用いられる軽量建築材料であって、厚さ35〜300mmの耐火材料の層と、その少なくとも一方の面に設けられた厚さ1〜30mmの高剛性な繊維強化樹脂の層とから成り、曲げ剛性が1.5×10〜1.5×1011GPa・mm、かつ単位面積あたりの重量が30〜450kg/mであることを特徴とする、軽量建築材料である。
本発明によれば、耐火性能をもちながら、高い振動抑制を得ることができ特に重量床衝撃音を低減させることのできる、軽量建築材料を提供することができる。
本発明の軽量建築材料の構造概略図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明の軽量建築材料の代表的な構造概略図を図1に示す。
[積層構造]
本発明は、厚さ35〜300mmの耐火材料の層と、その少なくとも一方の面に設けられた厚さ1〜30mmの高剛性な繊維強化樹脂の層とから成る。
本発明では重量床衝撃音を低減する観点から、建築材料の曲げ剛性を高く設計することが重要である。このことから、耐火材料の層の一方の面のみに繊維強化樹脂の層を設けた構成よりも、耐火材料の層の両方の面に繊維強化樹脂の層を設けた構成が好ましい。すなわち、本発明の好ましい態様は、厚さ35〜300mmの耐火材料の層と、その両方の面に設けられた厚さ1〜30mmの高剛性な繊維強化樹脂の層とから成る態様である。この構造にすることで曲げ剛性を高く設計することができ好ましい。
[繊維強化樹脂の厚さ]
耐火材料の層の厚さは35〜300mmである。耐火材料の層の厚さが35mm未満であると曲げ剛性を担保することが難しくなることに加え、耐火性能を損なう。他方、耐火材料の層の厚さが300mmを超えると、建築の構造部材に取り付けて用いときに厚さや太さが大きくなることで建物の居住空間を狭めてしまう。
高剛性な繊維強化樹脂の層の厚さは1〜30mmである。この繊維強化樹脂の層の厚さが1mm未満であると、軽量建築材料の曲げ剛性を担保できなくなるばかりか、床材料として使用する際に繊維強化樹脂の層に割れ裂けが発生してしまう恐れがある。他方、この繊維強化樹脂の層の厚さが30mmを超えると、樹脂成型時の発熱が高くなるため、成形性が著しく損なわれると共に材料コストが高くなる。
耐火材料の厚さを35〜300mmとし、高剛性な繊維強化樹脂の層の厚さを1〜30mmとすることで、曲げ剛性が1.5×10〜1.5×1011GPa・mm、かつ単位面積あたりの重量が30〜450kg/mであり、かつ重量床衝撃音を低減した軽量建築材料を得ることができる。
[繊維強化樹脂の繊維]
繊維強化樹脂に用いる繊維として、無機繊維または有機繊維を用いることができる。無機繊維としては、例えば炭素繊維、ガラス繊維を用いることができる。有機繊維としては、例えばアラミド繊維、ポリアリレート繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサザール繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ポリイミド繊維、四フッ化エチレン繊維を挙げることができる。有機繊維は、ガラス転移温度が200℃以上である有機繊維が好ましい。
繊維強化樹脂ではこれらの無機繊維または有機繊維を単独または2種類以上を用いる。繊維の形態として、例えば一方向に引き揃えたUD基材やその2方向以上の組合せ、織物、不織布を用いることができる。
[繊維強化樹脂の樹脂]
繊維強化樹脂に用いる樹脂としては熱硬化性樹脂を用いる。熱硬化性樹脂として、例えばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂を用いることができる。
[繊維強化樹脂の成型方法]
本発明において用いる繊維強化樹脂の層は、引抜成形で成形された熱硬化性樹脂の硬化物であることが好ましい。引抜成形は、繊維を一方向に引き揃え、金属製の口金より樹脂を含浸、固化しながら引き抜く成形方法である。断面形状は任意であり、口金の形状による。本発明においては板状または中空矩形状の口金を用いることができる。繊維強化樹脂の層における繊維と樹脂との体積の比率は繊維/樹脂として例えば50体積%/50体積%〜60体積%/40体積%である。
本発明において引抜成形が好ましい理由は、繊維方向が一方向であるため、その方向に対する曲げ物性を最大限に発揮させることができ、繊維強化樹脂の層の厚さを薄く設計できるためである。
繊維強化樹脂の層の物性として、曲げ弾性率が50〜500GPaであることが好ましい。曲げ弾性率が50GPa未満であると、複合体の曲げ剛性が低くなるか、またそれを防ぐために繊維強化樹脂の層を厚くせざるを得なくなるため好ましくない。他方、500GPaを超えるようにするためには、繊維強化樹脂における繊維の体積率を増やす必要があり、成形難易度が上がる傾向にあり、また、高価な高性能繊維を用いる必要があり、歩留りやコストの観点から好ましくない。
[耐火材料]
本発明における耐火材料は、30〜95重量%のセメント系材料と10〜50重量%の潜熱材料と5〜30重量%の中空ビーズ材料とから成る無機組成物および該無機組成物の全体積に対して0.01〜5体積%のアラミド繊維からなる。
耐火材料の層は、建築物の構造部材の表面を火災から保護する機能を有し、構造部材の表面からの延焼を止める機能を有する。この耐火材料の層は、また構造部材の内部への熱伝導を最小限に留める役割を担う。このため、耐火材料の大部分が不燃性の無機組成物から成ることが望ましく、無機組成物の全体積に対する有機物の含有割合は5体積%以下であることが好ましい。
以下、耐火材料を構成する成分について説明する。
[セメント系材料]
本発明においてセメント系材料として水硬化性のセメントを用いることが施工性の観点から好ましい。水硬化性のセメントとして、ポルトランドセメントやそれを主材料とした混合セメント、特殊セメントのいずれも使用することができる。具体的には、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント、アルミナセメントを用いることができる。なかでも、普通ポルトランドセメントが価格や取扱い性の観点から望ましい。
耐火材料にセメント系材料を用いることで、良好な機械的特性と、セメント系材料に含有される水分による潜熱効果と、吸熱効果を得ることができる。
セメント系材料が耐火材料の無機組成物に占める割合は、30〜95重量%、好ましくは40〜60重量%である。セメント系材料の割合が30重量%未満であると、耐火材料の固化反応が不十分となり十分な固化ができない可能性や、固化したとしても耐火材料の機械的特性が不十分となる可能性がある。他方、95重量%を超えると耐火材料のほとんどがセメントで構成されることとなり、機械的特性は十分であるが耐火性能や軽量性が損なわれる。
本発明においてセメント系材料を固化するために必要な水の添加量は、セメント系材料に対する水の重量比(水重量/セメント系材料)として、好ましくは0.40〜0.60、さらに好ましくは0.53〜0.57である。重量比が0.40未満であると耐火材料を混練した際の流動性が低く、施工性が悪く好ましくない。他方、重量比が0.60を超えると、流動性が高くなり施工性はよくなるが、固化に時間がかかり得られる耐火材料の機械的特性が低下して好ましくない。
[潜熱材料]
本発明において潜熱材料は、熱分解によって吸熱反応を示す材料である。この潜熱材料として、水酸化物金属塩、リン酸塩、石膏、鉱物を例示することができる。
水酸化物金属塩として具体的には、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、アルミン酸カルシウムを例示することができ、リン酸塩としてリン酸アンモニウムを例示することができ、石膏として二水和石膏、鉱物としてカオリナイトを例示することができる。低価格で取扱い性のよいことから、好ましくは水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムを用いる。熱分解時の吸熱量が最も大きいことから、特に水酸化アルミニウムを単独で用いることが好ましい。水酸化アルミニウムは強アルカリ性水溶液に可溶であり、セメント系材料との混合においてセメント混練水に溶解し、均一に混練することができることからも、本発明に適した材料である。
潜熱材料が耐火材料に占める割合は10〜50重量%、好ましくは25〜45重量%である。潜熱材料の割合が10重量%未満であると耐火材料が火炎にさらされたときの熱分解による吸熱量が不足し、十分な耐火性能が確保できない可能性がある。他方、50重量%を超えると耐火材料を混練した際の流動性が低下して施工性が損なわれることがある。
[中空ビーズ材料]
本発明において中空ビーズ材料は、内部に空気層を含んだ微細な球体形状の材料であり、球体を構成する材料がガラスやセラミックなどから成る材料である。具体的には、工業材料を用いて生産されるガラスバルーンやセラミックバルーン、工業副産物を材料とするフライアッシュバルーン、天然物を材料とするシラスバルーンやパーライト発泡体を使用することができる。特に、低嵩比重、不燃性、高融点、低熱伝導率、無色かつ無害でありかつ有毒ガスの発生がなく低価格といった特徴を有するシラスバルーンは特に好ましい。中空ビーズ材料の耐火材料に占める割合は5〜30重量%、好ましくは10〜20重量%である。中空ビーズ材料の割合が5重量%未満であると耐火材料の断熱性が不足し十分な耐火性能が確保できない可能性があるほか軽量性も大きく損なわれる。他方、30重量%を超えると、耐火材料を混練した際の流動性が低下し、施工性が損なわれ、場合によっては耐火材料が固化しない可能性もある。
[アラミド繊維]
機械的強度を高く維持するために、耐火材料は、上記のセメント系材料、潜熱材料および中空ビーズ材料とから成る無機組成物に対してアラミド繊維を含有させたものであることが好ましい。高い機械的強度を得るために、耐火材料の無機組成物100体積%に対するアラミド繊維の配合量は0.01〜5体積%である。アラミド繊維をこの範囲の配合量で用いることで、例えば300℃程度の高い温度環境でも高い機械的強度を示するとともに、製造時の流動性を確保することができる。
このアラミド繊維は耐火材料を補強するために用いる。例えば、構造部材として鉄骨を想定し、本発明の軽量建築材料で構造部材としての鉄骨を被覆する場合、火災発生時の鉄骨にかかる温度を、鉄骨の耐熱温度である約300℃以下にしなければならない。また、構造部材として木材を想定して木材を被覆する場合、木材の耐熱温度である約250℃以下にしなくてはならない。したがって、耐火材料を補強するために用いる繊維は、300℃以下の温度で溶融や物性低下、極端な熱収縮を起こしてはならない。耐火材料の補強繊維としてアラミド繊維を配合した場合には、構造部材の耐熱温度付近まで耐火材料の強度を保つことができる。
ここでアラミド繊維とは、ポリパラフェニレンテレフタラミドに代表される2つのベンゼン環をアミド結合が少なくとも85%以上結合している有機繊維である。さらに、本発明における使用においては、セメント系材料等を混練する際にアラミド繊維が添加されるため、耐熱性に加えて、耐アルカリ性を有するアラミド繊維である必要がある。この観点より、本発明に用いるアラミド繊維はコポリパラフェニレン−3.4‘オキシジフェニレン−テレフタラミド繊維が最適である。なお、コポリパラフェニレン−3.4‘オキシジフェニレン−テレフタラミド繊維は比重が1.4g/cmであり、引張強度が18〜30cN/dtexであり、300℃における収縮率が5%以下、300℃における引張強度保持率が40%以上、分解温度が400℃以上の高耐熱高強度繊維である。
繊維の形態はカットファイバーであって、単糸を樹脂等で収束させたディップド・チョップド・ファイバーであってもよい。繊維径は好ましくは5〜1000μm、さらに好ましくは10〜800μmである。繊維長は好ましくは1〜50mm以下、さらに好ましくは3〜40mmである。繊維径が細い、または、繊維長が短い、繊維の添加量が少ない場合、耐火材料を十分補強することが難しく、耐火材料としての使用用途が狭まるだけでなく、耐火材料が火炎にさらされた場合のひび割れ、さらには、割れによる部分的な耐火材料落下の原因となる。逆に、繊維の直径が太い、または、繊維の長さが長い、繊維の添加量が多い場合は、本発明の耐火材料を混練した際の流動性が低下し、施工性が損なわれる恐れがある。
[比重と曲げ剛性]
本発明における耐火材料の層は、比重が0.5〜2.0g/cmである。比重が0.5g/cm未満を満たすためには中空ビーズ以外の材料を極端に減らす必要があり、曲げ剛性を向上し得る材料にはならない。一方、2.0g/cmを超えると軽量ではなくなるため、本発明の特徴を活かすことができない。
本発明における耐火材料の層は、曲げ強度が1.0〜10.0MPaである。曲げ強度が1.0MPa未満であると十分な曲げ剛性を付与することができなくなる。一方で、曲げ強度が10.0MPaを超えるためには、繊維強化樹脂を厚くする必要があり、結果、重量が増加してしまい、本発明の特徴を活かすことができないばかりでなく、材料コストも高いものとなる。この比重と曲げ剛性を満たす耐火材料の層と、繊維強化樹脂の層の組合せにより、軽量建築材料を得ることができる。
[構造部材への取付]
本発明の軽量建築材料は、化学的に接着剤によって建築構造材に固着することもできるが、ビスやボルト等を用いて物理的に固着することもできる。
本発明の軽量建築材料は、構造部材が軽量である一方で剛性が低く構造材だけでは耐火性能に劣る木造建築に用いられることが特に効果的である。
[曲げ剛性および単位面積あたり重量]
本発明の軽量建築材料は、曲げ剛性が1.5×10〜1.5×1011GPa・mm、かつ単位面積あたりの重量が30〜450kg/mである。
曲げ剛性が1.5×10GPa・mm未満であると本発明の軽量建築材料を建築構造材に取り付けた際の補強効果が低くなり、曲げ剛性が1.5×1011GPa・mmを超えるためには、繊維強化樹脂の層を厚くする必要があり、結果、重量が増加してしまい、本発明の特徴を活かすことができないばかりでなく、材料コストも高いものとなる。
単位面積あたりの重量が30kg/m未満であると満たすためには中空ビーズ以外の材料を極端に減らす必要があり、曲げ剛性を向上し得る材料にはならず、単位面積あたりの重量が450kg/mを超えると軽量ではなくなるため、本発明の特徴を活かすことができない。
本発明を、さらに実施例を挙げて具体的に説明する。
(1)木造床構造
本発明の建築材料を固定する木造床構造として、幅300mm×長さ600mmの木造床構造(木造住宅の実寸大の1/3スケール)を製材ならびに合板(9mm厚)を用いて作成した。梁と柱、および梁同士はL字金具を用いてビス留め固定とした。
(2)振動抑制効果
試験体の中心を衝撃印加点し、インパルスハンマーで打撃し、衝撃印加点と試験体短辺までの距離の中心に設置した加速度計により振動データを取得した。このデータのフーリエ変換解析により、周波数63Hz(重量床衝撃音に相当する周波数)での機械インピーダンス値を算出し、衝撃音(dB)に変換した。なお、この値は低いほど遮音試験体への衝撃印加時の振動抑制効果が大きいことを示す。
(3)耐火性能
300mm×300mmの金枠にサンプルを水平に置き、サンプル下面をガスバーナーにて燃焼加熱した。サンプル上に厚さ25mmのスギ板を載せ、サンプル背面とスギ板の間の温度を熱電対により測定した。ガスバーナーによる加熱面付近の温度は、常温から燃焼を開始し、950℃まで上昇させた。加熱時間は60分間とした。サンプルには荷重をかけず、評価時の雰囲気は常温・常圧とした。耐火性能は60分後のサンプル背面温度で評価した。背面温度150℃未満を耐火性能「あり」、150℃以上を耐火性能「なし」と評価した。
(4)曲げ強度・曲げ弾性率・曲げエネルギー
<繊維強化樹脂の層>
幅15mm、長さ100mmの試験片を、繊維方向が長さ方向になるように切り出し、支点間距離80mmで中心点加力の3点曲げ試験により、破断点荷重を求めた。試験速度は5mm/minとした。得られた破断点荷重と荷重−たわみ曲線から、次式を用いて曲げ強度と曲げ弾性率を算出した。
曲げ強度=3×F×L/2×b×h
F:破断荷重(N)
L:支点間距離(mm)
b:試験片の幅(mm)
h:試験片の厚さ(mm)
曲げ弾性率=L×ΔF/4×b×h×ΔS
ΔF:S’とS”の差
(ここで、S’=0.0005×L/6×h、S” =0.0025×L/6×h)
ΔS:S’とS”におけるたわみの差
<耐火材料の層>
幅20mm×厚さ20mm×長さ120mmの試験片を切り出し、支点間距離100mmで中心点加力の3点曲げ試験により、破断点荷重を求めた。試験速度は0.5mm/minとした。曲げ強度は上記式にて求め、曲げエネルギーは破断点の荷重と破断点におけるたわみの積によって求めた。
(5)曲げ剛性
セメントスラブのような無垢材料の場合は、曲げ弾性率と断面2次モーメントの積により剛性を算出した。一方、軽量建築材料のような複合材料に関しては、繊維強化樹脂および耐火材料それぞれの材料において、曲げ弾性率と断面2次モーメントの積により剛性を算出し、それぞれの剛性を足し合わせることで繊維強化樹脂の層と耐火材料の層を複合化した軽量建築材料の曲げ剛性とした。
(6)単位面積あたり重量・比重
300mm×600mmのサンプル重量を測定し、単位面積あたり(g/m)に換算した。また、耐火材料の層は厚さ70mmを踏まえ、比重(g/cm)に換算した。
[実施例1]
繊維強化樹脂として、炭素繊維強化ビニルエステル樹脂を用い、炭素繊維とビニルエステル樹脂(熱硬化性樹脂)の体積比率を55体積%/60体積%とした。繊維強化樹脂は引抜成形法により、板状断面(幅300mm、肉厚1mm)で引き抜き、幅300mm、肉厚1mmに成形し、長さ600mmに切断して板材の形状にした。この繊維強化樹脂の板材の曲げ弾性率は80GPaであった。
耐火材料として、53重量%のポルトランドセメントと、32重量%の水酸化アルミニウムと、15重量%のシラスバルーンの無機組成物に、水/ポルトランドセメントの重量比が0.57となる分量の水を加え、オムニミキサーで2分間混練し、無機組成物の全体積に対して0.3体積%のコポリパラフェニレン・3.4‘オキシジフェニレン・テレフタラミド繊維(帝人株式会社製 「テクノーラ」ガラス転移温度不明瞭(500℃以上で分解するまで変化なし、繊維径12μm、繊維長6mmのカットファイバー)を添加してさらに2分間の混練を行った。混練後、300mm×600mmの型枠(厚さ70mm)に流し込み、1か月間常温養生を行い、板状の耐火材料を得た。得られた耐火材料は比重0.95g/cmであり、曲げ強度2.65MPa、曲げエネルギー2063N・mmであった。
この板状の耐火材料の上下面に上記で得られた繊維強樹脂配置し、木造床構造に50mm間隔でビス止めを行うことで床を作成した。この床の振動抑制効果を測定した。重量・曲げ剛性・振動抑制効果の測定結果を表1に示す。また、同じ耐火材料を用いて耐火性能を測定したところ、60分間経過後の背面温度は124℃であった。このとき、耐火材料の背面にあるスギ板に炭化部分は確認できなかった。
[比較例1]
木造床構造の上面に木造床構造と同じ面積で厚さ70mmのセメントスラブを載せることで床を作成した。この床の振動抑制効果を測定した。重量・曲げ剛性・振動抑制効果の測定結果を表1に示す。また、同じ耐火材料を用いて耐火性能を測定したところ、60分間経過後の背面温度は115℃であった。耐火材料の背面にあるスギ板に炭化部分は確認できなかった。
[比較例2]
繊維強化樹脂として、炭素繊維強化ビニルエステル樹脂を用い、炭素繊維とビニルエステル樹脂(熱硬化性樹脂)の体積比率を55体積%/60体積%とした。繊維強化樹脂は引抜成形により、板状断面(幅300mm、肉厚2mm)で引き抜き、幅300mm、肉厚2mmの板材の形状に成形し、長さ600mmに切断して板材の形状にした。この繊維強化樹脂の板材の曲げ弾性率は80GPaであった。
30mm厚のスギラミナを2枚集成した60mm厚の集成材の両面に、水溶性高分子−イソシアネート系接着剤を塗付し、上記の繊維強化樹脂の板材を常温プレスにて接着した。この時、炭素繊維の配列方向と木材の木質繊維の方向は同じ方向となるように接着した。得られた繊維強化樹脂木材複合材を、木造床構造に50mm間隔でビス止めを行い床を作成した。この床の重量・曲げ剛性・振動抑制効果を表1に示す。同じサンプルを用いて耐火性能を測定したところ、60分間経過後にはサンプルが燃焼してしまい、耐火性能は確認することができなかった。
Figure 2019157563
本発明の軽量建築材料は、建築物の床材料などの建築材料として好適に使用することができる。
1 繊維強化樹脂の層
2 耐火材料の層

Claims (6)

  1. 建築物の構造部材の表面に設置して用いられる軽量建築材料であって、厚さ35〜300mmの耐火材料の層と、その少なくとも一方の面に設けられた厚さ1〜30mmの高剛性な繊維強化樹脂の層とから成り、曲げ剛性が1.5×10〜1.5×1011GPa・mm、かつ単位面積あたりの重量が30〜450kg/mであることを特徴とする、軽量建築材料。
  2. 繊維強化樹脂が、無機繊維または融点もしくはガラス転移温度が200℃以上である有機繊維を含有する熱硬化性樹脂の硬化物であり、曲げ弾性率50〜500GPaである、請求項1記載の軽量建築材料。
  3. 耐火材料が30〜95重量%のセメント系材料と10〜50重量%の潜熱材料と5〜30重量%の中空ビーズ材料とから成る無機組成物および該無機組成物の全体積に対して0.01〜5体積%のアラミド繊維からなる、請求項1または2に記載の軽量建築材料。
  4. セメント系材料がポルトランドセメントであり、潜熱材料が水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムおよび水酸化カルシウムからなる群から選ばれた1種類または2種類以上であり、中空ビーズ材料がシラスバルーンである、請求項3に記載の軽量建築材料。
  5. アラミド繊維がコポリパラフェニレン−3.4‘オキシジフェニレン−テレフタラミド繊維の繊維径5〜1000μmかつ繊維長1〜50mmのカットファイバーである、請求項3に記載の軽量建築材料。
  6. 耐火材料の比重が0.5〜2.0g/cm、曲げ強度が1.0〜10.0MPaである請求項1乃至5のいずれかに記載の軽量建築材料。
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