JP6624822B2 - 軽量気泡コンクリートパネル - Google Patents

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Description

本発明は、軽量気泡コンクリートパネルに関する。
軽量気泡コンクリートパネルは、耐火性能に優れたパネルとして知られている。軽量気泡コンクリートパネルとは、珪酸質原料、石灰質原料、水および発泡剤などを混合して得られたスラリーを型枠に注入し、発泡させ、半硬化状になったものをオートクレーブで高温高圧蒸気養生して、得られるものである。軽量気泡コンクリートパネルとしては、例えば特許文献1に記載されている耐火被覆板が知られている。この耐火被覆板のように、軽量気泡コンクリートパネルは、板状に成型したパネルであり、その性能は軽量であり、断熱性が高く、加工性が良く、かつ耐火性能が高いなど、優れた特性により、超高層ビルから一般住宅まで、幅広い分野で数多くの建築に採用されている。部位としては、壁、間仕切り、床、屋根として使われている。
実公昭52−015049号公報
近年、都市防災の観点や木造で耐火建築物を建築しようという動きから、建築物の耐火性能を高めようとする、研究がさかんに行われている。一般的に建築物の耐火性能を高めるためには、建築物を構成している、壁、床、屋根などの部位に使用されている材料をより耐火性能が高い材料にすることであり、それに伴い、それらの材料の耐火性能を向上させる研究が行われている。
軽量気泡コンクリートパネルは、高い耐火性能を有している材料で構成されるが、軽量気泡コンクリートパネル自体にさらに高い耐火性能を持たせるためには、その厚さや密度を大きくする必要がある。しかし、その厚さやその密度を大きくすることに伴い、そのパネル重量が増加することによる施工性の低下、作業者への負担増、建物重量が増加することによる耐震性能の低下、および建物を支える基礎を強固にする必要があることによる工数の増加、という課題が生じていた。
よって、上記の課題を解決するために、その厚さ及びその密度を大きくすることなく、より耐火性能に優れた軽量気泡コンクリートパネルが求められていた。
そこで本発明は、このような従来技術の有する課題を解決し、打破したものであり、密度や厚さを大きくすることなく耐火性能を高めることができる軽量気泡コンクリートパネルを提供するものである。
上記課題を解決すべく、本発明は以下の[1]〜[3]に関する。
[1]珪酸質原料、石灰質原料及び水を含むスラリーに発泡剤を加え、前記発泡剤が加えられた前記スラリーを型枠に注入して成型を行い、その後、前記型枠内で半硬化状態になった軽量気泡コンクリートをオートクレーブ養生することで得られる軽量気泡コンクリートパネルに於いて、該軽量気泡コンクリートを構成する全固形分に対して、輻射熱を吸収または反射する輻射熱吸収反射成分が1wt%以上かつwt%未満含有されており、輻射熱吸収反射成分は、軽量気泡コンクリートパネルの一方の面が加熱されたときに軽量気泡コンクリートパネルの他方の面に伝わる熱を低減させるものであり、輻射熱吸収反射成分は、ケイ酸ジルコニウム及び炭化ケイ素の少なくともいずれかを含んでおり、軽量気泡コンクリートの密度は、350kg/m 以上かつ450kg/m 以下であり、軽量気泡コンクリートの厚さは、35〜50mmであることを特徴とする。
[2]前記輻射熱吸収反射成分は、酸化ジルコニウム、二酸化チタン及び二酸化ケイ素の少なくともいずれかを含むことを特徴とする、[1]に記載の軽量気泡コンクリートパネル
本発明者は鋭意検討を重ねた結果、軽量気泡コンクリートパネルの密度や厚さを大きくすることなく、軽量気泡コンクリートパネルの耐火性能を高めるために、輻射熱吸収反射成分を軽量気泡コンクリートパネル中に含有させることに至った。
本明細書において、輻射熱吸収反射成分とは、輻射熱を吸収または反射する成分を指す。輻射熱を吸収または反射する成分を含有する軽量気泡コンクリートパネルの一方の面を加熱すると、軽量気泡コンクリートパネルの輻射熱吸収反射成分が、軽量気泡コンクリートパネルに加えられた輻射熱を吸収または反射するため、軽量気泡コンクリートパネルの他方の面に伝わる熱を減少させる役割を持つ。よって、軽量気泡コンクリートパネルの他方の面の表面温度を低下させる効果を持つ。
本発明によれば、軽量気泡コンクリートパネルの厚さ及び密度を大きくすることなく、軽量気泡コンクリートパネル中に輻射熱吸収反射成分を含有させることで、軽量気泡コンクリートパネルの一方の面を加熱した場合における軽量気泡コンクリートパネルの他方の面の表面温度を、輻射熱吸収反射成分を含有しない場合と比べて、低下させる効果がある。よって、輻射熱吸収反射成分を含有することで、耐火性能に優れた軽量気泡コンクリートパネルを提供することができる。
本実施形態の軽量気泡コンクリートパネルを示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形することができる。
図1に示されるように、本実施形態の耐火性能に優れた軽量気泡コンクリートパネル1は、珪酸質原料、石灰質原料及び水を含むスラリーに輻射熱吸収反射成分2を添加し、輻射熱吸収反射成分2が添加されたスラリーに発泡剤を加える。そして、発泡剤が加えられたスラリーを型枠に注入して成型を行い、その後、半硬化状態になった軽量気泡コンクリート3をオートクレーブ養生することで軽量気泡コンクリートパネル1が得られる。この軽量気泡コンクリートパネル1に於いて、該軽量気泡コンクリート3を構成する全固形分に対して、輻射熱吸収反射成分2は、1wt%以上かつ20wt%以下含有されている。輻射熱吸収反射成分2は、2wt%以上かつ18wt%以下含有されることが好ましく、4wt%以上かつ15wt%以下含有されることがより好ましい。輻射熱吸収反射成分2の含有率が1wt%未満であると、軽量気泡コンクリートパネルは高い耐火性能を有することができない。輻射熱吸収反射成分2の含有率が20wt%を超えると、軽量気泡コンクリートパネルの物理的強度が低下するため、実用的ではない。
また、軽量気泡コンクリートパネル1の内部において、輻射熱吸収反射成分2は均一に含有されている。しかし、均一に含有されていなくてもよく、例えば軽量気泡コンクリートパネル1の特定の箇所に集中するように輻射熱吸収反射成分2が含有されていてもよい。なお、輻射熱吸収反射成分2は、軽量気泡コンクリートパネル1の面方向において均一に配されていることが好ましい。また、輻射熱吸収反射成分2は、軽量気泡コンクリートパネル1の厚み方向においては必ずしも均一でなくてもよく、片表面付近に集中して配されていてもよい。
本明細書において、輻射熱吸収反射成分2とは、軽量気泡コンクリートパネル1中に含有され、かつ輻射熱を吸収または反射する成分を指す。軽量気泡コンクリートパネル1に含有された輻射熱吸収反射成分2は、軽量気泡コンクリートパネル1の一方の面が加熱されたときに軽量気泡コンクリートパネル1の他方の面に伝わる熱を低減させる役割を持つため、耐火性能を向上させる役割を持つ。輻射熱吸収反射成分2としては、
(1)酸化ジルコニウム、二酸化チタン、鉄チタン酸化物、酸化鉄、二酸化クロム、二酸化マンガン、酸化アルミニウム、ジルコン酸バリウムなどの金属酸化物、
(2)二酸化ケイ素、ケイ酸ジルコニウムなどのケイ素化合物、
(3)炭化ジルコニウム、炭化ケイ素などの炭化物系化合物、
(4)酸化鉄−酸化銅、酸化アルミニウム−窒化チタン、酸化アルミニウム−炭化ケイ素などの複合酸化物、
(5)窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウムなどの窒化物系化合物、
(6)ステンレス鋼粒子などの合金粒子、アルミニウム粒子などの金属粒子、
(7)グラファイトなどの炭素質物質、炭素繊維、
から選ばれる一種の成分または二種以上の混合成分を用いることができる。輻射熱吸収反射成分2は高温領域での輻射熱吸収反射性能に優れる、炭化ケイ素、ケイ酸ジルコニウム、酸化ジルコニウム、二酸化チタン及び二酸化ケイ素の少なくともいずれかを含むことが好ましい。また、輻射熱吸収反射成分2は真球状に近い形状のものが好ましい。
また、輻射熱吸収反射成分2の平均粒径は、0.1〜150μmであることが好ましく、1μm〜100μmであることがより好ましく、3μm〜50μmであることがさらに好ましい。輻射熱吸収反射成分2の平均粒径が0.1μm未満であると、珪酸質原料、石灰質原料、水および発泡剤などを混合して得られたスラリーに対して輻射熱吸収反射成分2を加えたときにスラリーの粘度が高くなり、結果として発泡不良を招く。輻射熱吸収反射成分2の平均粒径が150μmを超えると、軽量気泡コンクリートパネルの物理的強度の低下を招く。
本実施形態の耐火性能に優れた軽量気泡コンクリートパネル1の製造方法は、珪酸質原料と石灰質原料と水とを含むスラリーに、輻射熱吸収反射成分2を添加し、さらに発泡剤を加える。そして、輻射熱吸収反射成分2及び発泡剤が加えられたスラリーを型枠に注入して成型を行い、半硬化状態になった軽量気泡コンクリート3をオートクレーブ養生することによって軽量気泡コンクリートパネル1が得られる。
本実施形態においては、軽量気泡コンクリートパネル1を補強するための補強筋を、予め型枠中に埋設することが好ましい。ここで、前記補強筋とは補強鉄筋または補強金網である。補強鉄筋は鉄筋を所望の形状に配列し交叉接点を溶接加工したものであり、補強金網は鉄を網状に加工したものであって、例えばメタルラス等が補強金網の代表的な例である。補強鉄筋や補強金網の形状、寸法、鉄筋の太さ、金網の目の大きさ、さらには軽量気泡コンクリートパネル中に埋設する際の位置など、配筋の仕方については特に制限されることはなく、パネルの大きさや用途などによって適宜選択される。さらには、補強鉄筋または補強金網については、耐久性向上の観点から、合成樹脂系など、公知のもので防錆処理が施されているのも好ましい態様である。
本実施形態における珪酸質原料としては、例えば、結晶質の珪石、珪砂、石英およびそれらの含有率の高い岩石、珪藻土、シリカヒューム、フライアッシュ、高炉スラグ、製紙スラッジ焼却灰及び天然の粘土鉱物、並びにそれらの焼却物が挙げられる。
本実施形態における石灰質原料としては、例えば生石灰および消石灰が挙げられる。また、上記石灰質原料としては、珪酸成分およびカルシウム成分を主体とするセメントを挙げることができ、例えば普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメントやビーライトセメントも好ましい態様として挙げられる。
本実施形態における発泡剤としては、アルカリ水溶液中で反応して水素を発生する金属粉末を挙げることができ、例えばアルミニウム、亜鉛やバリウム等が挙げられる。その中でより好ましくはアルミニウム粉末が挙げられる。
なお、上記で本実施形態における珪酸質原料、石灰質原料および発泡剤の例を挙げたが、珪酸質原料、石灰質原料および発泡剤としては、上記以外のものを用いることも可能である。
また、必要に応じて、成型性を向上させるために、スラリーに界面活性剤や減水剤などを添加しても構わない。
すべての原料を混練してスラリーを、型枠(必要に応じて、上記の補強筋を予め埋設した型枠)に注入し、好ましくは、50〜70℃で3時間以上かけて発泡・予備硬化する。かかる発泡・予備硬化は、蒸気養生室などの水分が蒸発を抑制した環境下で行うことが好ましい。この発泡・予備硬化によって得られた半硬化体は、例えば、軽量気泡コンクリートパネルの製造に一般に用いられるワイヤー等で、必要に応じて任意の形状に切断された後に、オートクレーブを用いて高温高圧養生されてもよい。オートクレーブの条件としては、160℃(ゲージ圧力:約0.52MPa)以上かつ220℃(ゲージ圧力:約2.22MPa)以下であることが好ましいが、必ずしもこの条件に制限されるわけではない。
本実施形態の耐火性能に優れた軽量気泡コンクリートパネル1における軽量気泡コンクリート3の密度は、200kg/m以上かつ700kg/m以下であり、250kg/m以上かつ550kg/m以下であることが好ましく、300kg/m以上かつ450kg/m以下であることがより好ましい。軽量気泡コンクリート3の密度が200kg/m未満であると、軽量気泡コンクリートパネルの物理的強度が低下するため、実用的ではない。軽量気泡コンクリート3の密度が700kg/mを超えると、施工性の低下や作業者への負担増、建物重量の増加による耐震性能の低下という課題が生じるため、実用的ではない。
本実施形態の耐火性能に優れた軽量気泡コンクリートパネル1における軽量気泡コンクリート3の厚さは、30mm以上かつ150mm以下であり、35mm以上かつ125mm以下であることが好ましく、50mm以上かつ100mm以下であることがより好ましい。軽量気泡コンクリート3の厚さが30mm未満であると、軽量気泡コンクリートパネルの物理的強度が低下するため、実用的ではない。軽量気泡コンクリート3の厚さが150mmを超えると、施工性の低下や作業者への負担増、建物重量の増加による耐震性能の低下という課題が生じるため、実用的ではない。
(実施例)
以下、本実施形態に係る耐火性能に優れた軽量気泡コンクリートパネル1の実施例および比較例によってさらに具体的に説明するが、本実施形態はこれらの実施例のみに制限されるものではない。
[測定方法]
<軽量気泡コンクリートパネルの密度d>
軽量気泡コンクリートパネルを100(mm)×100(mm)×20(mm)のサイズのブロックとして切断し、そのブロックを105℃の乾燥機で恒量になるまで乾燥させた。その乾燥後のブロックの重量W(kg)と、そのブロックの体積V(m)とを測定し、式(1)により密度dを算出する。
密度d(kg/m)=W/V (1)
<軽量気泡コンクリートパネルの厚さt>
ノギスによって、1mmの単位まで測定した。
<軽量気泡コンクリートパネルの含水率β>
軽量気泡コンクリートパネルを100(mm)×100(mm)×20(mm)のサイズのブロックとして切断し、そのブロックの重量C(kg)を計測する。そのブロックを105℃の乾燥機で恒量になるまで乾燥させた。その乾燥後のブロックの重量D(kg)を計測する。そして、軽量気泡コンクリートパネルの含水率βを式(2)により算出する。
含水率β(wt%)=(C−D)×100/D (2)
<軽量気泡コンクリートパネル中の輻射熱吸収反射成分の定量方法>
X線回折による内部標準法によって、軽量気泡コンクリートパネル中の輻射熱吸収反射成分の定量を行った。以下にその手順を記す。
I. 絶乾された粉末状の軽量気泡コンクリートに幾つかの既知量の粉末状の輻射熱吸収反射成分を混ぜ、よく混合させる。
II. 上記の混合された粉末状の試料についてX線回折測定を行い、輻射熱吸収反射成分特有の回折強度を計測する。
III. 以上の結果を基に、横軸に軽量気泡コンクリートと輻射熱吸収反射成分の合計量に対する輻射熱吸収反射成分の割合(wt%)、縦軸に各々で観測された輻射熱吸収反射成分特有の回折強度をプロットし、検量線を作成する。
IV. 未知の輻射熱吸収反射成分の含有量の軽量気泡コンクリートについて、X線回折の測定を行い、輻射熱吸収反射成分特有の回折強度を計測し、上記で求めた検量線から、軽量気泡コンクリート中に含有されている輻射熱吸収反射成分の定量を行った。
<軽量気泡コンクリートパネルの耐火試験の方法>
軽量気泡コンクリートパネルを300mm×300mmのサイズに切断し(厚さは実施例毎で変わるので(37mm、50mm)、それぞれの実施例毎で説明する)、そのサイズの軽量気泡コンクリートパネルの片面(300mm×300mmの面)のみが加熱されるように、加熱炉にセットする。加熱条件としては、ISO−834に規定された加熱曲線に従う加熱とした。加熱時間は1時間とした。併せて、軽量気泡コンクリートパネルの加熱される面ではなく、もう片方の面(300mm×300mm)の中心部分の表面に熱電対を取り付け、データロガーを用いて、1分ごとに、上記表面の表面温度を計測した。表面温度を計測している軽量気泡コンクリートパネルの面の環境下は、特に温度や湿度を制御しているわけでなく、一般的な環境下で行った。上記表面温度の計測は、上記表面温度が下がるまで続けた。加熱が終わっても、上記表面温度が上がり続けていたら、試験は継続とし、表面温度を計測し続けた。
このように、本明細書での軽量気泡コンクリートパネルの耐火性能を評価する方法は、軽量気泡コンクリートパネルの一方の面を加熱し、同時に軽量気泡コンクリートパネルにおける他方の面の表面温度を測定する方法である。本明細書では、軽量気泡コンクリートパネルの耐火性能の優劣は、軽量気泡コンクリートパネルの表面温度によって評価する。つまり、軽量気泡コンクリートパネルの表面温度が低いほど、軽量気泡コンクリートパネルの耐火性能は高い、と言える。一方、軽量気泡コンクリートパネルの表面温度が高いほど、軽量気泡コンクリートパネルの耐火性能は低い、と言える。また、計測された、最も高い温度を本明細書では「最高温度」(℃)と呼ぶ。耐火性能の優劣は、その「最高温度」で評価する。
<軽量気泡コンクリートパネルA、B、Cの製造方法>
珪石(実施例1〜16及び比較例1〜4ではブレーン値(粒子1gあたりの表面積)が3000cm/gの珪石、実施例17〜24及び比較例5〜6ではブレーン値が7500cm/gの珪石を使用)および解砕屑(半硬化体を破砕したもの)に水を加えスラリーとしたものに輻射熱吸収反射成分を加え、輻射熱吸収反射成分が加えられたスラリーを撹拌する。続いて、このように撹拌されたスラリーに、生石灰粉末、早強ポルトランドセメント、及び二水石膏を添加して更に上記スラリーを撹拌した。次に、撹拌されたスラリーに金属アルミニウム粉末(発泡剤)を添加し、このスラリーを型枠に注入すると共に60℃にて3時間発泡及び硬化させ、半硬化体を得た。次に、この半硬化体をピアノ線で厚さ37mmまたは50mmに切断した。続いて、切断した半硬化体を飽和水蒸気雰囲気下で180℃10時間オートクレーブ養生して軽量気泡コンクリートパネルを得た。
本実施例では、輻射熱吸収反射成分として、ケイ酸ジルコニウム(メーカー:ハクスイテック(株) 商品名:ジルコシル 平均粒径:24μm)と、炭化ケイ素(メーカー:太平洋ランダム(株) 商品名:RC−100F 平均粒径:20μm)を用いた。
実施例1〜24及び比較例1〜6での耐火試験時の軽量気泡コンクリートパネルの含水率は3wt%である。また、比較例1〜6については輻射熱吸収反射成分は用いていない。
表1に軽量気泡コンクリートパネルA、B及びCの配合比を示す。表2に耐火試験を評価した、軽量気泡コンクリートパネルの密度、厚さ、軽量気泡コンクリート中に含有されている輻射熱吸収反射成分の含有量(wt%)、耐火試験の結果から得られた「最高温度」および「比較例との最高温度の差」(℃)を示す。
軽量気泡コンクリートパネルの配合比
Figure 0006624822
耐火試験の結果
Figure 0006624822
表2における「比較例との最高温度の差」(℃)を説明する。「比較例との最高温度の差」は、以下の(3)式によって算出される。
比較例との最高温度の差(℃)
=比較例での最高温度(℃)−実施例での最高温度(℃) (3)
ただし、上記の(3)式は、実施例および比較例での軽量気泡コンクリートパネルの密度および厚さが同等のものについて適用される。つまり、実施例と比較例の軽量気泡コンクリートパネルの密度および厚さが同じであるときに、成り立つものである。
よって、「比較例との最高温度の差」(℃)の値がプラスであれば、軽量気泡コンクリートパネルの密度と厚さが同等であるという条件において実施例での最高温度が低いことを示すので、実施例の軽量気泡コンクリートパネルの耐火性能は比較例の軽量気泡コンクリートパネルよりも高い、と言える。
(実施例1〜実施例8)
実施例1〜実施例8における軽量気泡コンクリートパネルは軽量気泡コンクリートパネルAであり、その密度は500kg/m、その厚さは37mmまたは50mm、輻射熱吸収反射成分は炭化ケイ素またはケイ酸ジルコニウムである。表2に示すように、実施例1〜実施例8のそれぞれにおいて「比較例との最高温度の差」(℃)の値がプラスである。よって、実施例1〜実施例8の軽量気泡コンクリートパネルAは、比較例の軽量気泡コンクリートパネルAの密度および厚さと同等の密度および厚さを有するにもかかわらず、耐火性能が高い。
(実施例9〜実施例16)
実施例9〜実施例16における軽量気泡コンクリートパネルは軽量気泡コンクリートパネルBであり、その密度は350kg/m、その厚さは37mmまたは50mm、輻射熱吸収反射成分は炭化ケイ素またはケイ酸ジルコニウムである。表2に示すように、実施例9〜実施例16のそれぞれにおいて「比較例との最高温度の差」(℃)の値がプラスである。よって、実施例9〜実施例16の軽量気泡コンクリートパネルBは、比較例の軽量気泡コンクリートパネルBの密度および厚さと同等の密度および厚さを有するにもかかわらず、耐火性能が高い。
(実施例17〜実施例24)
実施例17〜実施例24における軽量気泡コンクリートパネルは軽量気泡コンクリートパネルCであり、その密度は375kg/m、その厚さは37mmまたは50mm、輻射熱吸収反射成分は炭化ケイ素またはケイ酸ジルコニウムである。表2に示すように、実施例17〜実施例24のそれぞれにおいて「比較例との最高温度の差」(℃)の値がプラスである。よって、実施例17〜実施例24の軽量気泡コンクリートパネルCは、比較例の軽量気泡コンクリートパネルCの密度および厚さと同等の密度および厚さを有するにもかかわらず、耐火性能が高い。
(比較例1、比較例2)
なお、比較例1、比較例2における軽量気泡コンクリートパネルは軽量気泡コンクリートパネルAであり、その密度は500kg/m、その厚さは37mmまたは50mmである。また、比較例1、比較例2の軽量気泡コンクリートパネルAには、輻射熱吸収反射成分が含有されていない。
(比較例3、比較例4)
比較例3、比較例4における軽量気泡コンクリートパネルは軽量気泡コンクリートパネルBであり、その密度は350kg/m、その厚さは37mmまたは50mmである。また、比較例3、比較例4の軽量気泡コンクリートパネルBには、輻射熱吸収反射成分が含有されていない。
(比較例5、比較例6)
比較例5、比較例6における軽量気泡コンクリートパネルは軽量気泡コンクリートパネルCであり、その密度は375kg/m、その厚さは37mmまたは50mmである。また、比較例5、比較例6の軽量気泡コンクリートパネルCには、輻射熱吸収反射成分が含有されていない。
実施例1〜24に示すように、輻射熱吸収反射成分を含んだ軽量気泡コンクリートパネルでは、密度および厚さが同等であって輻射熱吸収反射成分を含有していない軽量気泡コンクリートパネルに比べて、最高温度の低下が見られた。よって、輻射熱吸収反射成分を含有することで軽量気泡コンクリートパネルの耐火性能は向上する。
実施例1〜24において、軽量気泡コンクリートパネル中に輻射熱吸収反射成分を含有させる方法としては、軽量気泡コンクリートパネルの製造過程である、軽量気泡コンクリートパネルの原材料に輻射熱吸収反射成分を添加する方法が挙げられる。しかし、この方法に限られず、他の方法としては、輻射熱吸収反射成分を含有した液体中に軽量気泡コンクリートパネルを含浸させ、その軽量気泡コンクリートパネル中に輻射熱吸収反射成分を含有させる方法でも構わない。
本発明によれば、軽量気泡コンクリートパネル中に輻射熱吸収反射成分を含有させることによって、軽量気泡コンクリートパネルの厚さおよび密度を大きくしなくても、その軽量気泡コンクリートパネルを一方の面から加熱した場合における他方の面の表面温度を、輻射熱吸収反射成分を含有しない場合よりも低下させる効果が得られる。よって、輻射熱吸収反射成分を含有することで、より耐火性能に優れた軽量気泡コンクリートパネルを提供することができる。この軽量気泡コンクリートパネルは、建築物の外壁材、床材、内壁材として用いることが好適である。
1…軽量気泡コンクリートパネル、2…輻射熱吸収反射成分、3…軽量気泡コンクリート。

Claims (2)

  1. 珪酸質原料、石灰質原料及び水を含むスラリーに発泡剤を加え、前記発泡剤が加えられた前記スラリーを型枠に注入して成型を行い、その後、前記型枠内で半硬化状態になった軽量気泡コンクリートをオートクレーブ養生することで得られる軽量気泡コンクリートパネルに於いて、該軽量気泡コンクリートを構成する全固形分に対して、輻射熱を吸収または反射する輻射熱吸収反射成分が1wt%以上かつwt%未満含有されており、
    前記輻射熱吸収反射成分は、前記軽量気泡コンクリートパネルの一方の面が加熱されたときに前記軽量気泡コンクリートパネルの他方の面に伝わる熱を低減させるものであり、
    前記輻射熱吸収反射成分は、ケイ酸ジルコニウム及び炭化ケイ素の少なくともいずれかを含んでおり、
    前記軽量気泡コンクリートの密度は、350kg/m 以上かつ450kg/m 以下であり、前記軽量気泡コンクリートの厚さは、35〜50mmである、
    軽量気泡コンクリートパネル。
  2. 前記輻射熱吸収反射成分は、酸化ジルコニウム、二酸化チタン及び二酸化ケイ素の少なくともいずれかを含むことを特徴とする、請求項1に記載の軽量気泡コンクリートパネル。
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