JP2019157017A - 中空構造体 - Google Patents

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【課題】生分解性合成樹脂から形成された中空構造体において、アスペクト比が1以上の孔を形成可能な中空構造体の提供。【解決手段】生分解性合成樹脂により形成され、厚み方向に貫通した複数の貫通孔2Cを有し、前記生分解性合成樹脂の、ガラス転移温度と溶融温度との中間温度での複素粘度|η*|が、20,000Pa・s以上であり、前記生分解性合成樹脂について粘弾性測定を行った際の片対数グラフであって、縦軸を損失正接(tanδ)とし、横軸を温度とし、かつ前記縦軸を対数目盛とした片対数グラフにおいて、前記生分解性合成樹脂の前記ガラス転移温度と前記溶融温度との前記中間温度での傾きが0.1以下である、中空構造体である。【選択図】図5

Description

本発明は、中空構造体に関する。
複数の孔を有する中空構造体を作製する技術として、塑性変形機能を有する材料を複数の凹部を有する基材上に配置し前記凹部に存在する気体の体積膨張によって前記材料を変形させて複数のセルを形成させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。その技術では、例えば、界面活性剤を添加したゼラチン水溶液を用いること(例えば、特許文献2参照)、エネルギー線硬化樹脂を材料として用いること(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。
他方、中空構造体については、細胞培養の担体への適用が提案されている(例えば、特許文献4参照)。この提案の技術では、結露を利用した製造方法が提案されている。また、他の技術として、パターン化された複数の凸形状を有する型を用いて成形された細胞培養担体が提案されている(例えば、特許文献5参照)。
本発明は、生分解性合成樹脂から形成された中空構造体において、アスペクト比が1以上の孔を形成可能な中空構造体を提供することを目的とする。
本発明の中空構造体は、
生分解性合成樹脂により形成され、
厚み方向に貫通した複数の貫通孔を有し、
前記生分解性合成樹脂の、ガラス転移温度と溶融温度との中間温度での複素粘度|η*|が、20,000Pa・s以上であり、
前記生分解性合成樹脂について粘弾性測定を行った際の片対数グラフであって、縦軸を損失正接(tanδ)とし、横軸を温度とし、かつ前記縦軸を対数目盛とした片対数グラフにおいて、前記生分解性合成樹脂の前記ガラス転移温度と前記溶融温度との前記中間温度での傾きが0.1以下である、ことを特徴とする。
本発明によると、生分解性合成樹脂から形成された中空構造体において、アスペクト比が1以上の孔を形成可能な中空構造体を提供することができる。
図1は、粘弾性の測定方法を説明するための概略図である。 図2は、本発明の中空構造体の製造方法の一例を説明するための断面模式図である(その1)。 図3は、本発明の中空構造体の製造方法の一例を説明するための断面模式図である(その2)。 図4は、本発明の中空構造体の製造方法の一例を説明するための断面模式図である(その3)。 図5は、本発明の中空構造体の一例の斜視図(模式図)である。 図6は、中空構造体に細胞を充填した様子を示す概略図である。 図7は、実施例・比較例で用いた生分解性合成樹脂の複素粘度|η*|を示したグラフである。 図8は、実施例・比較例で用いた生分解性合成樹脂の粘弾性測定の結果である損失正接tanδを片対数グラフとしたものである。 図9は、実施例・比較例における複素粘度|η*|と傾きとの関係を示したグラフである。
(中空構造体)
本発明の中空構造体は、生分解性合成樹脂により形成される。
前記中構造体は、厚み方向に貫通した複数の貫通孔を有する。
前記生分解性合成樹脂は、ガラス転移温度と溶融温度との中間温度での複素粘度|η*|が20,000Pa・s以上である。
前記生分解性合成樹脂について粘弾性測定を行った際の片対数グラフであって、縦軸を損失正接(tanδ)とし、横軸を温度とし、かつ前記縦軸を対数目盛とした片対数グラフにおいて、前記生分解性合成樹脂の前記ガラス転移温度と前記溶融温度との前記中間温度での傾きは0.1以下である。
前記中空構造体の用途としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、細胞の培養の担体として好適に用いることができる。
細胞の培養の担体としては、培養後の細胞と一体となって使用されても生体適合性があること、もしくは、培養後の細胞と一体となって使用される中で生分解する材料が好ましい。
生体由来物質は一般に牛や豚などの動物から抽出されるため、これらの動物から感染性物質が混入する危険性があり、生体内外において培養担体として使用する際の問題となっている。さらに、このような生体由来物質は保存安定性や力学的な強度の問題があり、生分解性の合成樹脂を材料とした培養担体が検討されている。
しかし、前述の特開2010−23368号公報に開示の技術では、熱可塑性樹脂でもある生分解性の合成樹脂においては、加熱による粘度コントロールが難しく、隔壁が薄いハニカム構造体を作製するのは困難である。
他方、細胞の培養においては、3次元で細胞を培養することは、2次元で細胞を培養することに比べて、より生体内環境に近い状態で実験を行うことができる。そのため、細胞培養に用いる中空構造体の孔は、前記中空構造体の厚み方向を一の方向とした際の、前記一の方向の前記孔の長さと、前記一の方向と直交する方向の前記孔の長さとの比(一の方向の孔の長さ/直交する方向の孔の長さ)であるアスペクト比が1以上であることが好ましい。
しかし、前述の特許第4945281号公報及び特許第5812816号公報に開示の技術では、孔のサイズの制御が容易ではなく、前記アスペクト比が1以上の孔を形成することは困難であった。
そのような中、本発明者らは、生分解性合成樹脂から形成される中空構造体において、アスペクト比が1以上の孔を形成するために鋭意検討を行った。
そのところ、特定の粘弾性を有する生分解性合成樹脂において、アスペクト比が1以上の孔を形成できることを見出し、本発明の完成に至った。
前記中空構造体は、例えば、シート状である。
前記中空構造体の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、50μm以上600μm以下であってもよいし、100μm以上300μm以下であってもよい。
前記平均厚みは、例えば、任意の10箇所の厚みを測定した際の算術平均地であり、前記厚みは、例えば、電子顕微鏡、光学顕微鏡などを用いて測定することができる。
また、前記厚みは、前記貫通孔における前記厚み方向の長さでもある。
前記中空構造体は、例えば、前記複数の貫通孔により構成されるハニカム構造を有する。
前記ハニカム構造とは、蜂の巣状の構造を意味する。ただし、前記ハニカム構造においては、前記貫通孔の開口部の形状が正6角形である必要はない。例えば、開口部の形状は円形でもよい。ハニカム構造における貫通孔の密度、隣り合う貫通孔同士の距離等に応じて、開口部の形状は、例えば丸みを帯びた略6角形や略8角形等になる場合もありうる。
前記貫通孔のアスペクト比は、1.0以上が好ましく、2.0以上がより好ましい。
前記アスペクト比の上限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記アスペクト比は、10以下であってもよいし、7.0以下であってもよいし、5.0以下であってもよい。
前記アスペクト比とは、前記中空構造体の厚み方向を一の方向とした際の、前記一の方向の前記貫通孔の長さと、前記一の方向と直交する方向の前記貫通孔の長さとの比(一の方向の貫通孔の長さ/直交する方向の貫通孔の長さ)である。
ここで、例えば、前記貫通孔の開口部が円形の場合には、前記直交する方向の長さは、円の直径であり、前記貫通孔の開口部が正六角形の場合には、対向する2辺間の長さである。
<生分解性合成樹脂>
<<複素粘度>>
前記生分解性合成樹脂は、ガラス転移温度と溶融温度との中間温度での複素粘度|η*|が20,000Pa・s以上であり、20,000Pa・s以上60,000Pa・s以下が好ましく、20,000Pa・s以上50,000Pa・s以下がより好ましく、20,000Pa・s以上40,000Pa・s以下が特に好ましい。
前記複素粘度|η*|が、20,000Pa・s未満であると、貫通孔のアスペクト比を1.0以上にすることが難しくなる。
ここで、前記中間温度とは、ガラス転移温度と溶融温度との中間値である。
<<損失正接(tanδ)の傾き>>
前記生分解性合成樹脂について粘弾性測定を行った際の片対数グラフであって、縦軸を損失正接(tanδ)とし、横軸を温度とし、かつ前記縦軸を対数目盛とした片対数グラフにおいて、前記生分解性合成樹脂の前記ガラス転移温度と前記溶融温度との前記中間温度での傾きは0.1以下である。前記傾きの下限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記傾きは、1.0×10−5以上であってもよいし、1.0×10−4以上であってもよい。
前記傾きが0.1を超えると、貫通孔のアスペクト比を1.0以上にすることが難しくなる。
なお、前記傾きを、ガラス転移温度と溶融温度との中間温度において求める理由は以下のとおりである。
生分解性合成樹脂を成形して中空構造体を作製する際の、実際の成型温度は、樹脂の粘弾性に関係していて、樹脂が柔らかくなり始める温度であるガラス転移温度と、溶融温度との中間値〜中間値+20℃程度となる。そして、損失正接は、成型温度近傍(ガラス転移温度と溶融温度の中間値当たり)ではある程度一定の傾きを有しているが、融点近傍とガラス転移点近傍では傾きが成型温度近傍とは大きく異なる。
前記複素粘度、及び前記損失正接の傾きは、粘弾性測定により求めることができる。
前記粘弾性測定は、例えば、以下の方法により行うことができる。
複素粘度|η*|、損失正接tanδの測定にはサーモフィッシャーサイエンティフィック社製HAAKE MARSIIIを装置として用いる。測定にはφ20mmのパラレルプレートを用いて、10N荷重条件下において歪み0.01、周波数を1Hzとしたときの100μmのフィルムの複素粘度|η*|、損失正接tanδを測定する。なお、昇温速度は2℃/minとする。
図1は、粘弾性の測定方法を説明するための概略図である。
ヒータ10上に2枚のφ20mmのパラレルプレート11、12が配され、パラレルプレート11、12により、厚み100μmのフィルム13(試験片)には10Nの荷重が掛かっている。その状態で、フィルム13は、ヒータ10により昇温速度2℃/minで昇温される。その間、周波数1Hzでパラレルプレート12が回転する。
前記傾きは、縦軸を対数目盛とした片対数グラフの傾きである。
縦軸を対数目盛とした片対数グラフにおいては、通常、横軸をx,縦軸をyとすると、二点(x,y),(x,y)を結ぶ線分の傾きは、次式で求めることができる。
本発明の前記傾きにおいては、生分解性合成樹脂のガラス転移温度と溶融温度との中間温度を挟む微小区間の傾きとして、上記式から求めることができる。
前記生分解性合成樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、乳酸(例えば、L−乳酸)、ラクチド、グリコリド、ε−カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、ジオキサノン、及びエチレングリコールの少なくとも一つを含む重合体又は共重合体が挙げられる。
これらの中でも、L−乳酸とε−カプロラクトンとの共重合体、及びポリL−乳酸が好ましい。
生分解性とは、例えば、自然環境下のある温度・湿度条件において、微生物により分解される性質を示す。
<中空構造体の製造方法>
前記中空構造体の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、複数の凹部を有する基材上に前記生分解性合成樹脂のフィルムを配置し、前記凹部に存在する気体の体積膨張によって前記フィルムを変形させて複数のセルを形成し、更に、前記セルを前記フィルムの厚み方向に貫通させる方法などが挙げられる。
具体的な方法は、例えば、特開2007−98930号公報、特開2008−213275号公報、特開2010−23368号公報などに記載の方法を参照して行うことができる。
ここで、図を用いて中空構造体の製造方法の一例を説明する。
図2〜図4は、本発明の中空構造体の製造方法の一例を説明するための断面模式図である。
まず、複数の凹部1Aを有する基材1上に、生分解性合成樹脂のフィルム2を配置する(図2)。その際、フィルム2によって、凹部1Aが閉じられる。フィルム2は、生分解性合成樹脂を成形して製造される。
続いて、複数の凹部1Aを有する基材1を加熱する又は基材1が配置された空間を減圧する。そうすると、閉じられた凹部1A内の気体の体積が膨張する。そのことにより、凹部1A上のフィルム2が変形し、凹部1Aに対応する箇所に、セル2Aが発生する(図3)。なお、セル2Aが高密度であると、生分解性合成樹脂は、セル2A同士を隔てる隔壁2Bとなる。
続いて、基材1から変形したフィルムを引き剥がすとともに、基材1側と反対側のフィルムの表面を研磨して、セル2Aを貫通させ、貫通孔2Cを得る。
以上により、図5に示すような、複数の貫通孔2Cを有する中空構造体を得ることができる。この中空構造体は、開口部が正六角形を有する貫通孔を有するハニカム構造である。
ここで、厚み方向の長さをhとし、貫通孔の開口部の対向する2辺間の長さをdとすると、アスペクト比は、h/dで求められる。
前記中空構造体は、貫通孔のアスペクト比を1.0以上とできるため、前記貫通孔内に細胞を3次元で配置することができる。そのため、前記中空構造体は、細胞の培養容器として好適に用いることができる。
図6は、中空構造体に細胞を充填した様子を示す概略図である。生分解性合成樹脂の隔壁2Bと、貫通孔2Cとにより構成されたハニカム構造の中空構造体の貫通孔2Cの内部に、培養対象の細胞5が、積み重なって充填されている。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
図2〜図5に示す方法で、中空構造体を製造した。具体的には以下の方法で製造した。
L−乳酸−ε−カプロラクトン共重合体(LA/CL=87/13、分子量98,000、多木化学社製)からなるフィルム2を、樹脂の融点以下の所定の温度に加熱した複数の凹部1Aを有する基材1上に配置し、前記凹部1Aに存在する気体の体積膨張によって変形させて複数のセル2Aを形成させた後、冷却することにより硬化させ中空構造体を作製した(図3)。この中空構造体を基材1から剥離後に基材1と反対側を研摩して、図4及び図5に示すような、貫通孔2Cを有する中空構造体を作製した。
これにより得られた中空構造体について、図5に示すような厚み方向の長さhと、貫通孔2Cの開口部の対向する2辺間の長さdとから、アスペクト比(h/d)を算出した。
<測定>
フィルムの複素粘度|η*|、損失正接tanδの測定にはサーモフィッシャーサイエンティフィック社製HAAKE MARSIIIを装置として用いた。測定にはφ20mmのパラレルプレートを用いて、10N荷重条件下において歪み0.01、周波数を1Hzとしたときの100μmの合成樹脂フィルムの複素粘度|η*|、損失正接tanδを測定した。なお、昇温速度は2℃/minとした。
測定温度範囲は、プレートに材料が貼り付く温度から融点近傍までとした。測定方法上、プレートに貼り付かなければ測定できないが、そもそも本発明における中空構造体は、基材の凹部に存在する気体の体積膨張によって材料を変形させることで得られるため、材料が基材と密着できることが前提条件となる。
(実施例2)
L−乳酸−ε−カプロラクトン共重合体を、ポリL−乳酸(分子量260,000、ネイチャーワークス社製)に変えた以外は、実施例1と同様にして、中空構造体を作製した。
これにより得られた中空構造体及びフィルムは実施例1と同様に評価した。
(比較例1)
L−乳酸−ε−カプロラクトン共重合体を、ポリカプロラクトン(分子量37,000、Perstorp社製)に変えた以外は、実施例1と同様にして、中空構造体を作製した。
これにより得られた中空構造体及びフィルムは実施例1と同様に評価した。
(比較例2)
L−乳酸−ε−カプロラクトン共重合体を、ポリカプロラクトン(分子量50,000、Perstorp社製)に変えた以外は、実施例1と同様にして、中空構造体を作製した。
これにより得られた中空構造体及びフィルムは実施例1と同様に評価した。
(比較例3)
L−乳酸−ε−カプロラクトン共重合体を、ポリカプロラクトン(分子量80,000、Perstorp社製)に変えた以外は、実施例1と同様にして、中空構造体を作製した。
これにより得られた中空構造体及びフィルムは実施例1と同様に評価した。
(比較例4)
L−乳酸−ε−カプロラクトン共重合体を、L−乳酸−ε−カプロラクトン共重合体(LA/CL=8/92、分子量129,000、多木化学社製)に変えた以外は、実施例1と同様にして、中空構造体を作製した。
これにより得られた中空構造体及びフィルムは実施例1と同様に評価した。
生分解性合成樹脂の複素粘度|η*|、及びtanδの傾き、並びに中空構造体のアスペクト比を表1に示した。
また、生分解性合成樹脂のガラス転移温度(Tg)、及び融点(Tm)を表2に示した。測定はDSC(示差走査熱量測定)法にて行った。なお、このときLAは乳酸ユニット、CLはε−カプロラクトンユニットを示す。
図7は、実施例・比較例で用いた生分解性合成樹脂の複素粘度|η*|を示したグラフである。
図8は、実施例・比較例で用いた生分解性合成樹脂の粘弾性測定の結果である損失正接tanδを片対数グラフとしたものである。
図9は、実施例・比較例における複素粘度|η*|と傾きとの関係を示したグラフである。
複素粘度|η*|が、20,000Pa・s以上であり、かつ傾きが0.1以下のときに、アスペクト比1以上の貫通孔を有する中空構造体を作製することができた。
本発明の態様は、例えば、以下の通りである。
<1> 生分解性合成樹脂により形成され、
厚み方向に貫通した複数の貫通孔を有し、
前記生分解性合成樹脂の、ガラス転移温度と溶融温度との中間温度での複素粘度|η*|が、20,000Pa・s以上であり、
前記生分解性合成樹脂について粘弾性測定を行った際の片対数グラフであって、縦軸を損失正接(tanδ)とし、横軸を温度とし、かつ前記縦軸を対数目盛とした片対数グラフにおいて、前記生分解性合成樹脂の前記ガラス転移温度と前記溶融温度との前記中間温度での傾きが0.1以下である、ことを特徴とする中空構造体である。
<2> ハニカム構造である前記<1>に記載の中空構造体である。
<3> 前記生分解性合成樹脂が、L−乳酸とε−カプロラクトンとの共重合体、及びポリL−乳酸の少なくともいずれかである前記<1>から<2>のいずれかに記載の中空構造体である。
<4> 前記中空構造体の厚み方向を一の方向とした際の、前記一の方向の前記貫通孔の長さと、前記一の方向と直交する方向の前記貫通孔の長さとの比(一の方向の貫通孔の長さ/直交する方向の貫通孔の長さ)が、1.0以上である前記<1>から<3>のいずれかに記載の中空構造体である。
<5> 細胞を培養するための担体である前記<1>から<4>のいずれかに記載の中空構造体である。
前記<1>から<5>に記載の中空構造体は、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
1 基材
1A 凹部
2 フィルム
2A セル
2B 隔壁
3C 貫通孔
5 細胞
特開2010−23368号公報 特許第4678731号公報 特許第4906539号公報 特許第4945281号公報 特許第5812816号公報

Claims (5)

  1. 生分解性合成樹脂により形成され、
    厚み方向に貫通した複数の貫通孔を有し、
    前記生分解性合成樹脂の、ガラス転移温度と溶融温度との中間温度での複素粘度|η*|が、20,000Pa・s以上であり、
    前記生分解性合成樹脂について粘弾性測定を行った際の片対数グラフであって、縦軸を損失正接(tanδ)とし、横軸を温度とし、かつ前記縦軸を対数目盛とした片対数グラフにおいて、前記生分解性合成樹脂の前記ガラス転移温度と前記溶融温度との前記中間温度での傾きが0.1以下である、ことを特徴とする中空構造体。
  2. ハニカム構造である請求項1に記載の中空構造体。
  3. 前記生分解性合成樹脂が、L−乳酸とε−カプロラクトンとの共重合体、及びポリL−乳酸の少なくともいずれかである請求項1から2のいずれかに記載の中空構造体。
  4. 前記中空構造体の厚み方向を一の方向とした際の、前記一の方向の前記貫通孔の長さと、前記一の方向と直交する方向の前記貫通孔の長さとの比(一の方向の貫通孔の長さ/直交する方向の貫通孔の長さ)が、1.0以上である請求項1から3のいずれかに記載の中空構造体。
  5. 細胞を培養するための担体である請求項1から4のいずれかに記載の中空構造体。
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