JP2019156928A - 硬化剤組成物及び水系コーティング組成物 - Google Patents

硬化剤組成物及び水系コーティング組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】水に安定的に分散し、且つ、塗液としたときのポットライフ、並びに、塗膜としたときの外観及びに優れる硬化剤組成物を提供する。【解決手段】硬化剤組成物は、組成物中の固形分の総質量に対して、79.5質量%以上99.9質量%以下の(A)親水性ポリイソシアネート成分と、0.1質量%以上20.0質量%以下の(B)イオン性界面活性剤と、0.01質量%以上0.5質量%以下の(C)スルホン酸塩と、を含む硬化剤組成物であって、(A)親水性ポリイソシアネート成分は、脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選択される1種以上のジイソシアネートから得られるポリイソシアネートと、親水性化合物との反応物であり、(C)スルホン酸塩は、一般式(I)に示される化合物及び一般式(II)に示される化合物からなる群より選択される1種以上の化合物である。【選択図】なし

Description

本発明は、硬化剤組成物及び水系コーティング組成物に関する。
近年、環境保護の観点から、溶剤系塗料として利用されている常温架橋型の二液ウレタンコーティング組成物は水系化が望まれている。しかし、二液ウレタンコーティング組成物において、硬化剤として用いられるポリイソシアネートは、水に分散しにくい。そのため、親水性基を有するポリイソシアネートの開発が進められている。
例えば、特許文献1には、ポリイソシアネートと、該ポリイソシアネートに結合したエチレンオキサイド繰り返し単位を含有するノニオン性の親水性基とからなる親水性ポリイソシアネート、及び、実質的に水を含有しないイオン性界面活性剤からなるポリイソシアネート組成物が開示されている。また、特許文献2には、特定範囲のエチレンオキサイド単位を含む水に分散可能なポリイソシアネート混合物が開示されている。
特開平9−328654号公報 特開平5−222150号公報
水系の二液ウレタンコーティング組成物は、家具及び建材、住宅用の木工、スポーツフロア、住宅及び学校施設の木床、電車及び建機、農耕用車等に塗装される。それらの用途では、塗液としたときのポットライフ及び塗膜としたときの耐ブリスター性が優れることが求められている。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の親水性ポリイソシアネート組成物は、塗液としたときのポットライフ及び塗膜としたときの耐ブリスター性が低下することがあり、これらの要求を満たすことは困難であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、水に安定的に分散し、且つ、塗液としたときのポットライフ、並びに、塗膜としたときの外観及び耐ブリスター性に優れる硬化剤組成物を提供する。前記硬化剤組成物を含み、ポットライフ並びに、塗膜としたときの外観及び耐ブリスター性に優れる水系コーティング組成物を提供する。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
本発明の第1態様に係る硬化剤組成物は、該組成物中の固形分の総質量に対して、79.5質量%以上99.9質量%以下の(A)親水性ポリイソシアネート成分と、0.1質量%以上20.0質量%以下の(B)イオン性界面活性剤と、0.01質量%以上0.5質量%以下の(C)スルホン酸塩と、を含む硬化剤組成物であって、前記(A)親水性ポリイソシアネート成分は、脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選択される1種以上のジイソシアネートから得られるポリイソシアネートと、親水性化合物との反応物であり、前記(C)スルホン酸塩は、下記一般式(I)に示される化合物及び下記一般式(II)に示される化合物からなる群より選択される1種以上の化合物である。
Figure 2019156928
(一般式(I)中、R11は水素原子又は炭素数1以上20以下のアルキル基である。M11+は、Na、K又はNH である。)
Figure 2019156928
(一般式(II)中、R21及びR22はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1以上20以下のアルキル基である。M21+は、Na、K又はNH である。)
上記第1態様に係る硬化剤組成物は、前記(C)スルホン酸塩として、前記一般式(I)に示される化合物及び前記一般式(II)に示される化合物を含んでもよい。
上記第1態様に係る硬化剤組成物において、前記親水性化合物が下記一般式(III)で示される化合物であってもよい。
Figure 2019156928
(一般式(III)中、R31は炭素数1以上4以下のアルキレン基である。R32は炭素数1以上4以下のアルキル基である。n31は5以上50以下である。)
上記第1態様に係る硬化剤組成物において、前記一般式(III)中、R31がエチレン基であり、且つ、n31が5以上20以下であってもよい。
上記第1態様に係る硬化剤組成物において、前記ポリイソシアネートがイソシアヌレート基及びビウレット基からなる群より選択される1種以上の官能基を有してもよい。
本発明の第2態様に係る水系コーティング組成物は、上記第1態様に係る硬化剤組成物と、水と、活性水素基含有化合物と、を含む。
上記態様の硬化剤組成物は、水に安定的に分散し、且つ、塗液としたときのポットライフ、並びに、塗膜としたときの外観及び耐ブリスター性に優れる。上記態様の水系コーティング組成物は、ポットライフ、並びに、塗膜としたときの外観及び耐ブリスター性に優れる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
本明細書中では、組成物又は化合物が有する特定の官能基の量を「モル比」で表すことができる。すなわち、組成物又は化合物が有する特定の官能基の数を、アボガドロ数で除した値の次元をモルとして定義する。これにより、当該特定の官能基の量を他の特定の官能基の量に対して「モル比」として表す。
なお、「組成物が有する特定の官能基」とは、組成物中に含まれる化合物が有する特定の官能基をいう。
なお、本明細書において、「ポリオール」とは、一分子中に2つ以上のヒドロキシ基(−OH)を有する化合物を意味する。
また、本明細書において、「ポリイソシアネート」とは、1つ以上のイソシアネート基(−NCO)を有する化合物が複数結合した反応物を意味する。なお、ポリイソシアネートの由来となる1つ以上のイソシアネート基(−NCO)を有する化合物1分子を単量体と称する場合がある。
≪硬化剤組成物≫
本実施形態の硬化剤組成物は、該組成物中の固形分の総質量に対して、79.5質量%以上99.9質量%以下の(A)親水性ポリイソシアネート成分と、0.1質量%以上20.0質量%以下の(B)イオン性界面活性剤と、0.01質量%以上0.5質量%以下の(C)スルホン酸塩と、を含む。
また、(A)親水性ポリイソシアネート成分は、脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選択される1種以上のジイソシアネートから得られるポリイソシアネートと、親水性化合物との反応物である。
(C)スルホン酸塩は、下記一般式(I)に示される化合物(以下、「化合物(I)」と称する場合がある)及び下記一般式(II)に示される化合物(以下、「化合物(II)」と称する場合がある)からなる群より選択される1種以上の化合物である。
Figure 2019156928
(一般式(I)中、R11は水素原子又は炭素数1以上20以下のアルキル基である。M11+は、Na、K又はNH である。)
Figure 2019156928
(一般式(II)中、R21及びR22はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1以上20以下のアルキル基である。M21+は、Na、K又はNH である。)
本実施形態の硬化剤組成物は、上記構成を有することで、水に安定的に分散し、且つ、塗液としたときのポットライフ、並びに、塗膜としたときの外観及び耐ブリスター性に優れる。
次いで、本実施形態の硬化剤組成物の構成成分について、以下に詳細を説明する。
<(A)親水性ポリイソシアネート成分>
本実施形態の硬化剤組成物に含まれる(A)親水性ポリイソシアネート成分は、脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選択される1種以上のジイソシアネートから得られるポリイソシアネートと、親水性化合物との反応物である。すなわち、(A)親水性ポリイソシアネート成分は、親水性化合物とイソシアネート基とが反応することで、親水性化合物由来の親水性基が付加された反応物である親水性ポリイソシアネート、及び、未反応のポリイソシアネートを含む。
[ポリイソシアネート]
(A)親水性ポリイソシアネート成分の製造に用いられるポリイソシアネートは、脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群から選択される1種以上のジイソシアネートを複数反応させて得られる反応物である。
ここでいう「脂肪族ジイソシアネート」及び「脂環族ジイソシアネート」とは、該ジイソシアネートの構造の中にベンゼン環等の芳香環を含まない化合物を意味する。
脂肪族ジイソシアネートとしては、特に限定されないが、炭素数4以上30以下のものが好ましい。脂肪族ジイソシアネートとして具体的には、例えば、テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート(以下、「MPDI」と称する場合がある)、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、「HDI」と称する場合がある)、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート(以下、「LDI」と称する場合がある)等が挙げられる。
脂環族ジイソシアネートとしては、特に限定されないが、炭素数8以上30以下のものが好ましい。脂環族ジイソシアネートとして具体的には、例えば、イソホロンジイソシアネート(以下、「IPDI」と称する場合がある)、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。
これらの脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートは、1種を単独で、又は、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、ジイソシアネートとしては、工業的に入手し易いため、HDI、IPDI、水添キシリレンジイソシアネート又は水添ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましく、HDIがより好ましい。(A)親水性ポリイソシアネート成分の製造に用いられるポリイソシアネートがHDIを反応させて得られるものであることにより、本実施形態の硬化剤組成物を用いて塗膜を作製したときの外観及び耐候性がより優れる傾向にある。
(ポリイソシアネートの官能基)
(A)親水性ポリイソシアネート成分の製造に用いられるポリイソシアネートは、2分子以上のジイソシアネートを反応させて得られる反応物を含むことが好ましく、3分子以上のジイソシアネートを反応させて得られる反応物を含むことがより好ましい。これにより、本実施形態の硬化剤組成物を用いて塗膜を作製したときの硬化性、硬度及び耐候性がより優れる傾向にある。
2分子以上のジイソシアネートを反応させて得られる反応物を含むポリイソシアネートは、イソシアヌレート基、ビウレット基、ウレトジオン基、オキサジアジントリオン基、イミノオキサジアジンジオン基、アロファネート基、ウレタン基及びウレア基からなる群より選択される1種以上を含むことができる。
中でも、(A)親水性ポリイソシアネート成分の製造に用いられるポリイソシアネートは、イソシアヌレート基を含むことが好ましい。これにより、本実施形態の硬化剤組成物を用いて塗膜を作製したときの硬化性、硬度及び耐候性がより優れる傾向にある。
また、(A)親水性ポリイソシアネート成分の製造に用いられるポリイソシアネートは、ビウレット基を含むことが好ましい。これにより、本実施形態の硬化剤組成物の水分散安定性、塗膜としたときの硬化性及び密着性がより優れる傾向にある。
(ポリイソシアネートの製造方法)
1.イソシアヌレート基を含むポリイソシアネートの製造方法
イソシアヌレート基を含むポリイソシアネートを製造する方法としては、特に限定されないが、例えば、触媒等により、ジイソシアネートをイソシアヌレート化する反応を行い、所定の転化率になったときに該反応を停止し、未反応のジイソシアネートを除去する方法等が挙げられる。
上記のイソシアヌレート化反応に用いられる触媒としては、特に限定されないが、塩基性を示すものが好ましい。触媒として具体的には、例えば、以下の(1)〜(8)に示すもの等が挙げられる。
(1)テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム等のテトラアルキルアンモニウムのハイドロオキサイド、及び、それらの酢酸、カプリン酸等の有機弱酸塩。
(2)トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウム、トリエチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリエチルヒドロキシエチルアンモニウム等のヒドロキシアルキルアンモニウムのハイドロオキサイド、及び、それらの酢酸、カプリン酸等の有機弱酸塩。
(3)酢酸、カプロン酸、オクチル酸、ミリスチン酸等のアルキルカルボン酸の錫、亜鉛、鉛等のアルカリ金属塩。
(4)ナトリウム、カリウム等の金属アルコラート。
(5)ヘキサメチルジシラザン等のアミノシリル基含有化合物。
(6)マンニッヒ塩基類。
(7)第3級アミン類とエポキシ化合物との混合物。
(8)トリブチルホスフィン等の燐系化合物。
触媒の使用量は、原料であるジイソシアネートの総質量に対して、10ppm以上11000ppm以下が好ましい。
また、イソシアヌレート化反応を終了させるために、触媒を中和するリン酸、酸性リン酸エステル等の酸性物質の添加、熱分解、化学分解等により、触媒を不活性化してもよい。
イソシアヌレート化反応の反応温度は、特に限定されないが、50℃以上200℃以下であることが好ましく、50℃以上150℃以下であることがより好ましい。反応温度が上記下限値以上であることで、反応がより進み易くなる傾向にある。一方、反応温度が上記上限値以下であることで、着色を引き起こすような副反応をより抑制することができる傾向にある。
イソシアヌレート化反応の終了後には、未反応のジイソシアネート単量体を薄膜蒸発缶、抽出等により除去することが好ましい。
また、(A)親水性ポリイソシアネート成分の製造に用いられるポリイソシアネートが未反応のジイソシアネートを含む場合は、(A)親水性ポリイソシアネート成分の総質量に対して未反応のジイソシアネートを3.0質量%以下含むことが好ましく、1.0質量%以下含むことがより好ましく、0.5質量%以下含むことがさらに好ましい。残留未反応ジイソシアネート単量体の濃度が上記上限値以下であることにより、本実施形態の硬化剤組成物を用いて塗膜を作製したときの硬化性がより優れる傾向にある。
2.ビウレット基を含むポリイソシアネートの製造方法
ビウレット基を含むポリイソシアネートの製造方法としては、特に限定されないが、特公昭62−041496号公報(参考文献1)に開示されている方法が好ましく例示される。具体的には、まず、ジイソシアネート単量体とビウレット化剤との反応を撹拌均質下にて行う。その後、さらに該反応生成物をパイプリアクターに導き、該パイプリアクター中押出し流れ下で、反応を進行させる連続的製造により、ビウレット基を含むポリイソシアネートが得られる。
(ポリイソシアネートの物性)
(A)親水性ポリイソシアネート成分の製造に用いられるポリイソシアネートの物性について、以下に詳細を説明する。
1.粘度
(A)親水性ポリイソシアネート成分の製造に用いられるポリイソシアネートの25℃における粘度は、特に限定されないが、100mPa・s以上30000mPa・s以下であることが好ましく、500mPa・s以上10000mPa・s以下であることがより好ましい。
25℃における粘度は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
2.イソシアネート基含有量
(A)親水性ポリイソシアネート成分の製造に用いられるポリイソシアネートのイソシアネート基含有量は、特に限定されないが、ポリイソシアネートの総質量に対して、5.0質量%以上25質量%以下であることが好ましく、10質量%以上24質量%以下であることがより好ましく、15質量%以上24質量%以下であることがさらに好ましい。
イソシアネート基含有量は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
[親水性化合物]
(A)親水性ポリイソシアネート成分に含まれる親水性ポリイソシアネートは、親水性化合物に由来する構造単位を有する。これは、親水性化合物が、親水性基を有する化合物であることに由来する。つまり、親水性基とは、親水性化合物がポリイソシアネートと反応することにより得られる親水性ポリイソシアネートが有する(付加される)官能基である。(A)親水性ポリイソシアネート成分に含まれる親水性ポリイソシアネートは、親水性基を有する(付加される)ことにより、水に安定的に分散できる。
親水性基としては、特に限定されないが、例えば、ノニオン型親水性基、カチオン型親水性基及びアニオン型親水性基が挙げられる。
中でも、親水性基としては、入手容易性及び配合物との電気的な相互作用を受けにくいという観点から、ノニオン型親水性基が好ましい。
(ノニオン型親水性基を有する親水性化合物)
ノニオン型親水性基を有する親水性化合物としては、特に限定されないが、例えば、モノアルコール、アルコールの水酸基にアルキレンオキサイドを付加した化合物、下記一般式(III)で示される化合物(以下、「化合物(III)」と称する場合がある)等が挙げられる。モノアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール等が挙げられる。アルコールの水酸基にアルキレンオキサイドを付加した化合物としては、例えば、アルキレングリコール、ジアルキレングリコール等が挙げられる。これらのノニオン型親水性基を有する親水性化合物は、親水性基に加えて、イソシアネート基と反応する活性水素含有基も有する。
Figure 2019156928
(一般式(III)中、R31は炭素数1以上4以下のアルキレン基である。R32は炭素数1以上4以下のアルキル基である。n31は5以上50以下である。)
中でも、ノニオン型親水性基を有する親水性化合物としては、少ない使用量で本実施形態の硬化剤組成物の水分散性を向上できることから、モノアルコール又は化合物(III)が好ましく、化合物(III)がより好ましい。
1.化合物(III)
化合物(III)は、すなわち、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルである。化合物(III)について、以下に詳細を説明する。
・R31
一般式(III)中、R31は炭素数1以上4以下のアルキレン基である。アルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、環状(脂肪族環基)であってもよい。アルキレン基の炭素数は、1以上4以下が好ましく、1以上3以下がより好ましく、1以上2以下がさらに好ましい。
前記アルキレン基として具体的は、例えば、メチレン基、ジメチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、シクロプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、シクロブチレン基等が挙げられる。
中でも、アルキレン基としては、メチレン基又はエチレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。
・R32
一般式(III)中、R32は炭素数1以上4以下のアルキル基である。アルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、環状(脂肪族環基)であってもよい。アルキル基の炭素数は、1以上4以下が好ましく、1以上3以下がより好ましく、1以上2以下がさらに好ましい。
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基等が挙げられる。
中でも、アルキル基としては、メチル基又はエチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
・n31
一般式(III)中、n31はアルキレンオキシ基(−R31−O−)の繰り返し数である。n31としては、本実施形態の硬化剤組成物の水分散性、及び、低温貯蔵時の本実施形態の硬化剤組成物の析出を抑制できることから、5以上50以下が好ましく、5以上30以下がより好ましく、5以上20以下がさらに好ましい。
化合物(III)として好ましいものとしては、例えば、下記式(III)−1で示される化合物(すなわち、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル)等が挙げられる。
Figure 2019156928
前記式(III)−1中、n311は5以上20以下である。
(カチオン型親水性基を有する親水性化合物)
カチオン型親水性基を有する親水性化合物としては、特に限定されないが、例えば、カチオン性基と活性水素含有基とを併せ有する化合物が挙げられる。また、グリシジル基等の活性水素含有基を有する化合物と、スルフィド、ホスフィン等のカチオン型親水性基を有する化合物とを併せて、親水性化合物としてもよい。この場合は、予め、イソシアネート基を有する化合物と活性水素含有基を有する化合物とを反応させ、グリシジル基等の官能基を付加する。次いで、その後、スルフィド、ホスフィン等のカチオン型親水性基を有する化合物を反応させる。中でも、カチオン型親水性基を有する親水性化合物としては、製造の容易性の観点からは、カチオン性基と活性水素含有基とを併せ有する化合物が好ましい。
カチオン性基と活性水素含有基とを併せ有する化合物としては、特に限定されないが、例えば、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、メチルジエタノールアミン等が挙げられる。また、これらの化合物を用いて付加された三級アミノ基は、例えば、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル等で四級化することもできる。
カチオン型親水性基を有する親水性化合物とポリイソシアネートとの反応は、溶剤の存在下で反応させることができる。前記溶剤は、特に限定されないが、活性水素含有基を含まないものが好ましい。溶剤として具体的には、例えば、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。
ポリイソシアネートに付加されたカチオン型親水性基は、アニオン基を有する化合物で中和されることが好ましい。前記アニオン基としては、特に限定されないが、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、燐酸基、ハロゲン基、硫酸基等が挙げられる。
カルボキシル基を有する化合物としては、特に限定されないが、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸等が挙げられる。
スルホン基を有する化合物として、特に限定されないが、具体的には、エタンスルホン酸等が挙げられる。
燐酸基を有する化合物としては、特に限定されないが、例えば、燐酸、酸性燐酸エステル等が挙げられる。
ハロゲン基を有する化合物としては、特に限定されないが、例えば、塩酸等が挙げられる。
硫酸基を有する化合物としては、特に限定されないが、例えば、硫酸等が挙げられる。
中でも、アニオン基を有する化合物としては、カルボキシル基を有する化合物が好ましく、酢酸、プロピオン酸又は酪酸がより好ましい。
(アニオン型親水性基を有する親水性化合物)
アニオン型親水性基としては、特に限定されないが、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、燐酸基、ハロゲン基、硫酸基等が挙げられる。
アニオン型親水性基を有する親水性化合物としては、特に限定されないが、例えば、アニオン基と活性水素含有基とを併せ有する化合物等が挙げられる。アニオン型親水性基を有する親水性化合物として具体的には、例えば、モノヒドロキシカルボン酸、ポリヒドロキシカルボン酸のカルボン酸基をアニオン基として有する化合物等が挙げられる。モノヒドロキシカルボン酸としては、例えば、1−ヒドロキシ酢酸、3−ヒドロキシプロパン酸、12−ヒドロキシ−9−オクタデカン酸、ヒドロキシピバル酸、乳酸等が挙げられる。ポリヒドロキシカルボン酸のカルボン酸基をアニオン基として有する化合物としては、ジメチロール酢酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロールペンタン酸、ジヒドロキシコハク酸、ジメチロールプロピオン酸等が挙げられる。
また、アニオン型親水性基を有する親水性化合物としては、スルホン酸基と活性水素含有基とを併せ有する化合物であってもよい。スルホン酸基と活性水素含有基とを併せ有する化合物として具体的には、例えば、イセチオン酸等が挙げられる。
中でも、アニオン型親水性基を有する親水性化合物としては、ヒドロキシピバル酸又はジメチロールプロピオン酸が好ましい。
ポリイソシアネートに付加されたアニオン型親水性基は、塩基性物質であるアミン系化合物で中和することが好ましい。
アミン系化合物としては、特に限定されないが、例えば、アンモニア、水溶性アミノ化合物等が挙げられる。
水溶性アミノ化合物としては、特に限定されないが、例えば、モノエタノールアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリエタノールアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、メチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、モルホリン等が挙げられる。また、第3級アミンであるトリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン等も挙げられ、これらを用いてもよい。
[ヒドロキシ基を有するジイソシアネート化合物]
(A)親水性ポリイソシアネート成分は、上記親水性ポリイソシアネート、上記未反応ポリイソシアネート及び上記親水性化合物に加えて、さらに、上記「ポリイソシアネート」において例示されたジイソシアネートと、1価以上6価以下のアルコールとを反応させて得られる反応物(以下、「ヒドロキシ基を有するジイソシアネート化合物」と称する場合がある)を含んでもよい。
1価以上6価以下のアルコールとしては、例えば、非重合性ポリオール、重合性ポリオールが挙げられる。ここでいう「非重合性ポリオール」とは、重合性基を有さないポリオールを意味する。一方、「重合性ポリオール」とは、重合性基及び水酸基を有する単量体を重合して得られるポリオールを意味する。
また、「重合性基」とは、光、熱等の反応により、当該基を有する単量体分子が2個以上結合して重合体を形成できる基を意味する。
(非重合性ポリオール)
非重合ポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、モノアルコール類、ジオール類、トリオール類、テトラオール類が挙げられる。
1.モノアルコール類
モノアルコール類としては、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i―ブタノール、s−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、n−ノナノール、2−エチルブタノール、2,2−ジメチルヘキサノール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、エチルシクロヘキサノール等が挙げられる。
2.ジオール類
ジオール類としては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール、2−エチル−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオール、2,2,4−トリメチルペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。
3.トリオール類
トリオール類としては、特に限定されないが、例えば、グリセリン、及びトリメチロールプロパン等が挙げられる。
4.テトラオール類
テトラオール類としては、特に限定されないが、例えば、ペンタエリトリトール等が挙げられる。
(重合性ポリオール)
重合ポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、ポリオレフィンポリオール等が挙げられる。
1.ポリエステルポリオール
ポリエステルポリオールとしては、例えば、ジカルボン酸の単独又は2種類以上の混合物と、多価アルコールの単独又は2種類以上の混合物との縮合反応によって得られるポリエステルポリオール樹脂類、多価アルコールを用いて、ε−カプロラクトンを開環重合して得られるポリカプロラクトン類等が挙げられる。
前記ジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等のカルボン酸等が挙げられる。
前記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチルペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、2−メチロールプロパンジオール、エトキシ化トリメチロールプロパン等が挙げられる。
2.ポリエーテルポリオール
ポリエーテルポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、以下の(1)〜(3)のいずれかの方法等を用いて得られるものが挙げられる。
(1)触媒を用いて、多価ヒドロキシ化合物の単独又は混合物に、アルキレンオキサイドの単独又は混合物をランダム付加及びブロック付加からなる群の少なくともいずれかの反応により得られるポリエーテルポリオール類又はポリテトラメチレングリコール類。
(2)アルキレンオキサイドにポリアミン化合物を反応させて得られるポリエーテルポリオール類
(3)(1)又は(2)で得られたポリエーテルポリオール類を媒体としてアクリルアミド等を重合して得られる、いわゆるポリマーポリオール類。
前記触媒としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等の水酸化物、強塩基性触媒、複合金属シアン化合物錯体等が挙げられる。強塩基性触媒としては、例えば、アルコラート、アルキルアミン等が挙げられる。複合金属シアン化合物錯体としては、例えば、金属ポルフィリン、ヘキサシアノコバルト酸亜鉛錯体等が挙げられる。
前記多価ヒドロキシ化合物としては、例えば、ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、糖アルコール系化合物、単糖類、二糖類、三糖類、四糖類等が挙げられる。糖アルコール系化合物としては、例えば、エリスリトール、D−トレイトール、L−アラビニトール、リビトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ガラクチトール、ラムニトール等が挙げられる。単糖類としては、例えば、アラビノース、リボース、キシロース、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、ソルボース、ラムノース、フコース、リボデソース等が挙げられる。二糖類としては、例えば、トレハロース、ショ糖、マルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、ラクトース、メリビオース等が挙げられる。三糖類としては、例えば、ラフィノース、ゲンチアノース、メレチトース等が挙げられる。四糖類としては、例えば、スタキオース等が挙げられる。
前記アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、スチレンオキサイド等が挙げられる。
前記ポリアミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、エタノールアミン類等が挙げられる。
3.アクリルポリオール
アクリルポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、ヒドロキシル基を有する重合性単量体を重合させる、又は、ヒドロキシル基を有するエチレン性不飽和結合含有単量体の単独又は混合物と、当該重合性単量体と共重合可能な他のエチレン性不飽和結合含有単量体の単独又は混合物とを共重合させることによって得られる。
ヒドロキシル基を有するエチレン性不飽和結合含有単量体として、特に限定されないが、例えば、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシブチル等が挙げられる。これらを単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、ヒドロキシル基を有するエチレン性不飽和結合含有単量体としては、アクリル酸ヒドロキシエチル又はメタクリル酸ヒドロキシエチルが好ましい。
前記重合性単量体と共重合可能な他のエチレン性不飽和結合含有単量体としては、例えば、以下の(i)〜(vi)に示すものが挙げられる。これらを単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(i)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステル類。
(ii)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸グリシジル等のメタクリル酸エステル類。
(iii)アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸。
(iv)アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−メチレンビスアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、マレイン酸アミド、マレイミド等の不飽和アミド。
(v)メタクリル酸グリシジル、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、フマル酸ジブチル等のビニル系単量体。
(vi)ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の加水分解性シリル基を有するビニル系単量。
4.ポリオレフィンポリオール
ポリオレフィンポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、水酸基を2個以上有するポリブタジエン、水素添加ポリブタジエン、ポリイソプレン、水素添加ポリイソプレンが等挙げられる。
[(A)親水性ポリイソシアネート成分の製造方法]
(A)親水性ポリイソシアネート成分の製造方法は、ポリイソシアネートと親水性化合物とを混合反応させて、親水性ポリイソシアネートを含む(A)親水性ポリイソシアネート成分を得る工程(以下、「反応工程」と称する場合がある)を備える。
(A)親水性ポリイソシアネート成分の製造方法の工程について、以下に詳細を説明する。
(反応工程)
反応工程では、ポリイソシアネートと親水性化合物とを混合反応させて、親水性ポリイソシアネートを含む(A)親水性ポリイソシアネート成分を得る。
このとき、ポリイソシアネート及び親水性化合物の総質量に対する親水性化合物の配合量は、2.0質量%以上50質量%以下が好ましく、5.0質量%以上30質量%以下がより好ましく、5.0質量%以上20質量%以下がさらに好ましい。
ポリイソシアネート及び親水性化合物の総質量に対する親水性化合物の配合量が上記下限値以上であることにより、(A)親水性ポリイソシアネート成分の水分散性及び水分散安定性をより良好にできる。
一方、ポリイソシアネート及び親水性化合物の総質量に対する親水性化合物の配合量が上記上限値以下となるように反応されていることにより、塗膜としたときの硬度、及び耐水性をより良好にできる。
また、反応工程において、反応温度や反応時間は、反応の進行に応じて適宜決められる。
反応温度は0℃以上150℃以下であることが好ましく、反応時間は0.5時間以上48時間以下であることが好ましい。
また、反応工程において、場合により公知の触媒を使用してもよい。触媒としては、以下のものに限定されないが、例えば、有機スズ化合物、有機亜鉛化合物、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、三級アミン類、ジアミン類が挙げられる。有機スズ化合物としては、例えば、オクタン酸スズ、2−エチル−1−ヘキサン酸スズ、エチルカプロン酸スズ、ラウリン酸スズ、パルミチン酸スズ、ジブチルスズオキシド、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジマレート、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート等が挙げられる。有機亜鉛化合物としては、例えば、塩化亜鉛、オクタン酸亜鉛、2−エチル−1−ヘキサン酸亜鉛、2−エチルカプロン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、アセチルアセトン酸亜鉛等が挙げられる。三級アミン類としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン等が挙げられる。ジアミン類としては、例えば、トリエチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。これらの触媒は、1種単独又は2種以上を混合して使用してもよい。
[(A)親水性ポリイソシアネート成分の物性]
次いで、(A)親水性ポリイソシアネート組成物の物性について、以下に詳細を説明する。
((A)親水性ポリイソシアネート成分の固形分の総質量に対する親水性化合物に由来する親水性基の含有量)
(A)親水性ポリイソシアネート成分の固形分の総質量に対する、親水性ポリイソシアネートが有する親水性基の含有量は、2.0質量%以上50質量%以下であることが好ましく、5.0質量%以上30質量%以下であることがより好ましく、5.0質量%以上20質量%以下であることがさらに好ましい。
(A)親水性ポリイソシアネート成分の固形分の総質量に対する、親水性ポリイソシアネートが有する親水性基の含有量が上記下限値以上であることにより、(A)親水性ポリイソシアネート成分の水分散性及び水分散安定性をより良好にできる。
一方、(A)親水性ポリイソシアネート成分の固形分の総質量に対する、親水性ポリイソシアネートが有する親水性基の含有量が上記上限値以下であることにより、本実施形態の硬化剤組成物を用いて塗膜を作製したときの硬度及び耐水性をより良好にできる。
なお、(A)親水性ポリイソシアネート成分の固形分の総質量に対する、親水性ポリイソシアネートが有する親水性基の含有量は、親水性化合物の質量を親水性ポリイソシアネート成分の固形分の総質量で除して得られた値に100を乗ずることで算出することができる。また、(A)親水性ポリイソシアネート成分の固形分の総質量に対する、親水性ポリイソシアネートが有する親水性基の含有量は、配合した親水性化合物の全てがポリイソシアネートと反応するため、ポリイソシアネート及び親水性化合物の固形分の総質量に対する親水性化合物の配合量を求めることで得られる。
(粘度)
(A)親水性ポリイソシアネート成分の25℃における粘度は、該(A)親水性ポリイソシアネート成分が25℃において実質的に固形分のみからなる場合において、通常50mPa・s以上20000mPa・s以下であり、300mPa・s以上10000mPa・sであることが好ましい。
25℃における粘度が上記下限値以上であることにより、塗膜としたときの硬化性をより良好にでき、一方、上記上限値以下であることにより、水分散性及び塗膜としたときの外観をより良好にできる。
なお、ここでいう「実質的に固形分のみからなる」とは、固形分のみからなる、又は、固形分以外の成分(液体成分及び揮発成分等)を検出限界未満の極微量しか含まないことを意味する。
(A)親水性ポリイソシアネート成分の25℃における粘度は、後述する実施例に記載の方法を用いて測定することができる。
25℃における粘度を上記範囲に制御する方法としては、例えば、ポリイソシアネートと親水性化合物との配合比を調整する方法等が挙げられ、これらに限定されない。
(イソシアネート基含有量)
(A)親水性ポリイソシアネート成分中のイソシアネート基含有量は、該(A)親水性ポリイソシアネート成分が実質的に固形分のみからなる場合において、通常3.0質量%以上25質量%以下であり、7.0質量%以上20質量%以下であることが好ましく、13質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。
イソシアネート基含有量が上記範囲にあることで、塗膜としたときの硬化性及び耐水性をより向上させることができる。
ここでいう「イソシアネート基」は、未反応ポリイソシアネートが有するイソシアネート基と親水性ポリイソシアネートが有するイソシアネート基とを併せたものをいう。
(A)親水性ポリイソシアネート成分のイソシアネート基含有量は、後述する実施例に記載の方法を用いて算出することができる。
イソシアネート基含有量を上記範囲に制御する方法としては、例えば、ポリイソシアネートと親水性化合物との配合比を調整する方法等が挙げられ、これらに限定されない。
(数平均分子量)
(A)親水性ポリイソシアネート成分の数平均分子量の下限値は、塗膜としたときの硬化性の観点から300であることが好ましい。一方、(A)親水性ポリイソシアネート成分の数平均分子量の上限値は、水分散性の観点から10000であることが好ましい。
すなわち、(A)親水性ポリイソシアネート成分の数平均分子量は、300以上10000以下であることが好ましい。
(A)親水性ポリイソシアネート成分の数平均分子量は、後述する実施例に記載の方法を用いて測定することができる。
(イソシアネート官能基の平均数)
(A)親水性ポリイソシアネート成分のイソシアネート官能基の平均数(以下、「平均イソシアネート官能基数」と称する場合がある)の下限値は、塗膜としたときの硬化性及び耐水性の観点から、2.0であることが好ましい。一方、該平均イソシアネート官能基数の上限値は、水分散安定性及び塗膜としたときの外観の観点から、20.0であることが好ましい。
すなわち、(A)親水性ポリイソシアネート成分の平均イソシアネート官能基数は、2.0以上20.0以下であることが好ましい。
(A)親水性ポリイソシアネート成分の平均イソシアネート官能基数は、後述する実施例に記載の方法を用いて算出することができる。
[(A)親水性ポリイソシアネート成分の含有量]
本実施形態の硬化剤組成物に含まれる(A)親水性ポリイソシアネート成分の含有量の下限値は、該組成物中の固形分の総質量に対して、通常、79.5質量%とすることができ、80.0質量%が好ましい。また、該含有量の上限値は、通常、99.9質量%とすることができ、99.0質量%が好ましい。
すなわち、本実施形態の硬化剤組成物に含まれる(B)イオン性界面活性剤の含有量は、該組成物中の固形分の総質量に対して、79.5質量%以上99.9質量%以下とすることができ、80.0質量%以上99.0質量%以下が好ましい。
<(B)イオン性界面活性剤>
本実施形態の硬化剤組成物に含まれる(B)イオン性界面活性剤は実質的に水を含有しないことが好ましい。
なお、ここでいう「実質的に水を含有しない」とは、水を全く含有しない、又は、イオン性界面活性剤に含まれる水とイソシアネート基とが反応し発泡、白濁及び粘度上昇が起こらない程度の極微量しか水を含有しないことを意味する。その目安としては、イオン性界面活性剤の総質量に対する水の含有量が1質量%以下であればよい。
(B)イオン性界面活性剤としては、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。(A)親水性ポリイソシアネート成分の中和方法によって、アニオン性界面活性剤及びカチオン性界面活性剤のいずれが好ましいかを決められる。即ち、親水性ポリイソシアネート組成物を塩基によって中和した場合はアニオン性界面活性剤を用いることが好ましく、一方、酸によって中和した場合はカチオン性界面活性剤を用いることが好ましい。(A)親水性ポリイソシアネート成分が中和されていない場合は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤のいずれを用いてもよく、両性界面活性剤を用いてもよい。
アニオン性界面活性剤としては、カルボキシレート型、サルフェート型、スルホネート
型又はホスフェート型が適している。
アニオン性界面活性剤として具体的には、例えば、(C1−C20アルキル)ベンゼンスルホン酸アンモニウム、(C1−C20アルキル)ベンゼンスルホン酸ナトリウム、(C1−C20アルキル)ジサルフェートナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホネートナトリウム、ジ(C1−C20アルキル)スルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンC6−C30アリールエーテルスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンC6−C30アリールエーテルスルホン酸アンモニウム等が挙げられるが、工業的に入手可能なものならば不都合なく使用可能であり、上記のものに限定されない。
中でも、アニオン性界面活性剤としては、(C1−C20アルキル)ベンゼンスルホン酸アンモニウム、(C1−C20アルキル)ベンゼンスルホン酸ナトリウム又はジ(C1−C20アルキル)スルホコハク酸ナトリウムであることが好ましい。
カチオン性の界面活性剤としては、四級アンモニウム塩、ピリジニウム塩又はイミダゾリニウム塩が適している。
カチオン性の界面活性剤として具体的には、例えば、C1−C20アルキルトリメチルアンモニウムブロマイド、C1−C30アルキルピリジニウムブロマイド、イミダゾリニウムラウレート等が挙げられるが、工業的に入手可能なものならば不都合なく使用可能であり、上記のものに限定されない。カチオン性の界面活性剤としてより具体的には、例えば、アルキルトリメチルアンモニウムブロマイド、アルキルピリジニウムブロマイド、イミダゾリニウムラウレート等が挙げられる。
[(B)イオン性界面活性剤の含有量]
本実施形態の硬化剤組成物に含まれる(B)イオン性界面活性剤の含有量の下限値は、該組成物中の固形分の総質量に対して、水分散性及び塗液としたときのポットライフの観点から、通常、0.1質量%とすることができ、0.5質量%が好ましい。また、該含有量の上限値は、塗膜としたときの外観及び耐水性の観点から、通常、20質量%とすることができ、10質量%が好ましい。
すなわち、本実施形態の硬化剤組成物に含まれる(B)イオン性界面活性剤の含有量は、該組成物中の固形分の総質量に対して、0.1質量%以上20質量%以下とすることができ、0.5質量%以上10質量%以下が好ましい。
<(C)スルホン酸塩>
本実施形態の硬化剤組成物に含まれる(C)スルホン酸塩は、化合物(I)及び化合物(II)からなる群より選択される1種以上の化合物である。
Figure 2019156928
(一般式(I)中、R11は水素原子又は炭素数1以上20以下のアルキル基である。M11+は、Na、K又はNH である。)
Figure 2019156928
(一般式(II)中、R21及びR22はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1以上20以下のアルキル基である。M21+は、Na、K又はNH である。)
[R11、R21及びR22
11、R21及びR22はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1以上20以下のアルキル基である。炭素数1以上20以下のアルキル基としては、鎖状であってもよく、環状であってもよいが、鎖状が好ましい。また、炭素数は1以上20以下であり、炭素数1以上12以下が好ましい。このようなアルキル基として具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、2−エチルブチル基、2,2−ジメチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。中でも、R11、R21及びR22におけるアルキル基としては、炭素数1以上12以下の鎖状アルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ヘキシル基又は2−エチルヘキシル基がより好ましい。
[M11+及びM21+
11+及びM21+はそれぞれ独立に、Na、K又はNH である。
化合物(I)として好ましいものとしては、例えば、下記式(I)−1〜(I)−3で示される化合物等が挙げられる。
Figure 2019156928
化合物(II)として好ましいものとしては、例えば、下記式(II)−1〜(II)−3で示される化合物等が挙げられる。
Figure 2019156928
また、本実施形態の硬化剤組成物は、(C)スルホン酸塩として、化合物(I)及び化合物(II)の両方を含んでもよい。
また、本実施形態の硬化剤組成物は、(C)スルホン酸塩として、化合物(I)又は化合物(II)を1種類単独で含んでもよく、2種類以上組み合わせて含んでもよい。
[(C)スルホン酸塩の含有量]
本実施形態の硬化剤組成物が(C)スルホン酸塩として、化合物(I)のみを含む場合、本実施形態の硬化剤組成物中の化合物(I)の含有量の下限値は、該組成物中の固形分の総質量に対して、塗液としたときのポットライフ及び塗膜としたときの耐ブリスター性の観点から、通常、0.01質量%とすることができ、0.03質量%が好ましい。一方、化合物(I)の含有量の上限値は、塗膜としたときの外観の観点から、通常、0.5質量%とすることができ、0.3質量%が好ましく、0.2質量%がより好ましい。
すなわち、本実施形態の硬化剤組成物が(C)スルホン酸塩として、化合物(I)のみを含む場合、本実施形態の硬化剤組成物中の化合物(I)の含有量は、該組成物中の固形分の総質量に対して、0.01質量%以上0.5質量%以下とすることができ、0.03質量%以上0.3質量%以下が好ましく、0.03質量%以上0.2質量%以下がより好ましい。
また、本実施形態の硬化剤組成物が(C)スルホン酸塩として、化合物(II)のみを含む場合、本実施形態の硬化剤組成物中の化合物(II)の含有量の下限値は、該組成物中の固形分の総質量に対して、塗液としたときのポットライフ及び塗膜としたときの耐ブリスター性の観点から、通常、0.01質量%とすることができ、0.03質量%が好ましい。一方、化合物(II)の含有量の上限値は、塗膜としたときの外観の観点から、通常、0.5質量%とすることができ、0.3質量%が好ましく、0.2質量%がより好ましい。
すなわち、本実施形態の硬化剤組成物が(C)スルホン酸塩として、化合物(II)のみを含む場合、本実施形態の硬化剤組成物中の化合物(II)の含有量は、該組成物中の固形分の総質量に対して、0.01質量%以上0.5質量%以下とすることができ、0.03質量%以上0.3質量%以下が好ましく、0.03質量%以上0.2質量%以下がより好ましい。
また、本実施形態の硬化剤組成物が(C)スルホン酸塩として、化合物(I)及び化合物(II)を含む場合、本実施形態の硬化剤組成物中の化合物(I)及び化合物(II)の合計含有量の下限値は、該組成物中の固形分の総質量に対して、塗液としたときのポットライフ及び塗膜としたときの耐ブリスター性の観点から、通常、0.01質量%とすることができ、0.03質量%が好ましい。一方、化合物(I)及び化合物(II)の合計含有量の上限値は、塗膜としたときの外観の観点から、通常、0.5質量%とすることができ、0.3質量%が好ましく、0.2質量%がより好ましい。
すなわち、本実施形態の硬化剤組成物が(C)スルホン酸塩として、化合物(I)及び化合物(II)を含む場合、本実施形態の硬化剤組成物中の化合物(I)及び化合物(II)の合計含有量は、該組成物中の固形分の総質量に対して、0.01質量%以上0.5質量%以下とすることができ、0.03質量%以上0.3質量%以下が好ましく、0.03質量%以上0.2質量%以下がより好ましい。
<(D)その他構成成分>
本実施形態の硬化剤組成物は、上記(A)親水性ポリイソシアネート成分、(B)イオン性界面活性剤及び(C)スルホン酸塩に加えて、さらに、(D)その他構成成分を含んでもよい。(D)その他構成成分としては、以下のものに限定されないが、例えば、溶剤、硬化促進触媒、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、レベリング剤、可塑剤、レオロジーコントロール剤、重合禁止剤等が挙げられる。
溶剤としては、例えば、芳香族炭化水素類、アルコール化合物、ケトン化合物、エステル化合物、エーテル類等を挙げることができる。芳香族炭化水素類としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等が挙げられる。アルコール化合物としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、n−ヘキサノール、2−エチルヘキサノール等が挙げられる。ケトン化合物としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。エステル化合物としては、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、エチルグリコールアセテート、メトキシプロピルアセテート、イソ酢酸−3−ヒドロキシ−2、2、4−トリメチルペンチル等が挙げられる。エーテル類としては、例えば、ブチルグリコール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルグリコールエーテル等が挙げられる。
溶剤の含有量は、硬化剤組成物の総質量に対して、0質量%以上90質量%以下であることが好ましく、0質量%以上50質量%以下であることがより好ましく、0質量%以上30質量%以下であることがさらに好ましい。
また、本実施形態の硬化剤組成物が硬化促進触媒、酸化防止剤、光安定剤又は重合禁止剤を含む場合は、溶剤の含有量は、硬化剤組成物の総質量に対して、0質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0質量%以上5質量%以下であることがより好ましく、0質量%以上2質量%以下であることがさらに好ましい。
硬化促進触媒としては、特に限定されないが、例えば、スズ系化合物、亜鉛化合物、チタン化合物、コバルト化合物、ビスマス化合物、ジルコニウム化合物、アミン化合物等が挙げられる。
スズ系化合物としては、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート、ジメチルスズジネオデカノエート、ビス(2−エチルヘキサン酸)スズ等が挙げられる。
亜鉛化合物としては、例えば、2−エチルヘキサン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛等が挙げられる。
チタン化合物としては、例えば、2−エチルヘキサン酸チタン、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトナート)等が挙げられる。
コバルト化合物としては、例えば、2−エチルヘキサン酸コバルト、ナフテン酸コバルト等が挙げられる。
ビスマス化合物としては、例えば、2−エチルヘキサン酸ビスマス、ナフテン酸ビスマス等が挙げられる。
ジルコニウム化合物としては、例えば、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、2−エチルヘキサン酸ジルコニル、ナフテン酸ジルコニル等が挙げられる。
酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、リン系化合物、イオウ系化合物等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾフェノン系化合物等が挙げられる。
光安定剤としては、特に限定されないが、例えば、ヒンダードアミン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾエート系化合物等が挙げられる。
顔料としては、特に限定されないが、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、インディゴ、キナクリドン、パールマイカ、アルミニウム等が挙げられる。
レベリング剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコーンオイル等が挙げられる。
可塑剤としては、特に限定されないが、例えば、フタル酸エステル類、リン酸系化合物、ポリエステル系化合物等が挙げられる。
レオロジーコントロール剤としては、特に限定されないが、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、尿素化合物、マイクロゲル等が挙げられる。
重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン類、フェノール類、クレゾール類、カテコール類、ベンゾキノン類等が挙げられる。重合禁止剤として具体的には、例えば、 ベンゾキノン、p−ベンゾキノン、p−トルキノン、p−キシロキノン、ナフトキノン、2,6−ジクロロキノン、ハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、カテコール、p−t−ブチルカテコール、2,5−ジ−t− ブチルハイドロキノン、モノメチルハイドロキノン、p−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ハイドロキノンモノメチルエーテル等が挙げられる。
<硬化剤組成物の製造方法>
本実施形態の硬化剤組成物の製造方法は、(A)親水性ポリイソシアネート成分に、(B)イオン性界面活性剤及び(C)スルホン酸塩を添加し、混合する工程(以下、「添加工程」と称する場合がある)を備える。
本実施形態の硬化剤組成物の製造方法の工程について、以下に詳細を説明する。
[添加工程]
添加工程では、(A)親水性ポリイソシアネート成分に、(B)イオン性界面活性剤及び(C)スルホン酸塩を添加し、混合する。
添加工程において、(B)イオン性界面活性剤の配合量の下限値は、(A)親水性ポリイソシアネート成分及び(B)イオン性界面活性剤の固形分の総質量に対して、得られる硬化剤組成物の水分散性及び塗液としたときのポットライフの観点から、通常、0.1質量%とすることができ、0.5質量%が好ましい。また、(B)イオン性界面活性剤の配合量の上限値は、塗膜としたときの外観及び耐水性の観点から、通常、20質量%とすることができ、10質量%が好ましい。
すなわち、(B)イオン性界面活性剤の配合量は、(A)親水性ポリイソシアネート成分及び(B)イオン性界面活性剤の固形分の総質量に対して、0.1質量%以上20質量%以下とすることができ、0.5質量%以上10質量%以下が好ましい。
また、添加工程において、(C)スルホン酸塩として、化合物(I)のみを使用する場合、化合物(I)の配合量の下限値は、硬化剤組成物の製造に用いられる全配合成分中の固形分の総質量に対して、塗液としたときのポットライフ及び塗膜としたときの耐ブリスター性の観点から、通常、0.01質量%とすることができ、0.03質量%が好ましい。一方、化合物(I)の配合量の上限値は、塗膜としたときの外観の観点から、通常、0.5質量%とすることができ、0.3質量%が好ましく、0.2質量%がより好ましい。
すなわち、(C)スルホン酸塩として化合物(I)のみを使用する場合、化合物(I)の配合量は、硬化剤組成物の製造に用いられる全配合成分の固形分の総質量に対して、0.01質量%以上0.5質量%以下とすることができ、0.03質量%以上0.3質量%以下が好ましく、0.03質量%以上0.2質量%以下がより好ましい。
また、(C)スルホン酸塩として、化合物(II)のみを使用する場合、本実施形態の硬化剤組成物中の化合物(II)の配合量の下限値は、硬化剤組成物の製造に用いられる全配合成分中の固形分の総質量に対して、塗液としたときのポットライフ及び塗膜としたときの耐ブリスター性の観点から、通常、0.01質量%とすることができ、0.03質量%が好ましい。一方、化合物(II)の配合量の上限値は、塗膜としたときの外観の観点から、通常、0.5質量%とすることができ、0.3質量%が好ましく、0.2質量%がより好ましい。
すなわち、(C)スルホン酸塩として化合物(II)のみを使用する場合、化合物(II)の配合量は、硬化剤組成物の製造に用いられる全配合成分中の固形分の総質量に対して、0.01質量%以上0.5質量%以下とすることができ、0.03質量%以上0.3質量%以下が好ましく、0.03質量%以上0.2質量%以下がより好ましい。
また、(C)スルホン酸塩として、化合物(I)及び化合物(II)の両方を使用してもよい。
(C)スルホン酸塩として、化合物(I)及び化合物(II)を使用する場合、化合物(I)及び化合物(II)の合計配合量の下限値は、硬化剤組成物の製造に用いられる全配合成分中の固形分の総質量に対して、塗液としたときのポットライフ及び塗膜としたときの耐ブリスター性の観点から、通常、0.01質量%とすることができ、0.03質量%が好ましい。一方、化合物(I)及び化合物(II)の合計配合量の上限値は、塗膜としたときの外観の観点から、通常、0.5質量%とすることができ、0.3質量%が好ましく、0.2質量%がより好ましい。
すなわち、(C)スルホン酸塩として、化合物(I)及び化合物(II)を使用する場合、化合物(I)及び化合物(II)の合計配合量は、硬化剤組成物の製造に用いられる全配合成分中の固形分の総質量に対して、0.01質量%以上0.5質量%以下とすることができ、0.03質量%以上0.3質量%以下が好ましく、0.03質量%以上0.2質量%以下がより好ましい。
また、添加工程は、上記「(A)親水性ポリイソシアネート成分の製造方法」における反応工程の後に行ってもよく、反応工程と同時に行ってもよい。
≪水系コーティング組成物≫
本実施形態の水系コーティング組成物は、上記実施形態に係る硬化剤組成物と、水と、活性水素基含有化合物と、を含む。
本実施形態の水系コーティング組成物は、活性水素基含有化合物を含むことにより、(A)親水性ポリイソシアネート成分が有するイソシアネート基と、活性水素基含有化合物が有する活性水素基とが、種々の条件にて反応し、塗膜としたときの柔軟性、密着性及び基材への追従性に優れる傾向がある。
本実施形態の水系コーティング組成物の構成成分について、以下に詳細を説明する。
<活性水素基含有化合物>
活性水素基含有化合物としては、分子内に活性水素が2つ以上結合している化合物であれば特に限定されない。活性水素基含有化合物として具体的には、例えば、ポリアミン、アルカノールアミン、ポリチオール、ポリオール等が挙げられる。中でも、活性水素基含有化合物としては、ポリオールが好ましい。
[ポリアミン]
ポリアミンとしては、特に限定されないが、例えば、ジアミン類、3個以上のアミノ基を有する鎖状ポリアミン類、環状ポリアミン類が挙げられる。ジアミン類としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、イソホロンジアミン等が挙げられる。3個以上のアミノ基を有する鎖状ポリアミン類としては、例えば、ビスヘキサメチレントリアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタメチレンヘキサミン、テトラプロピレンペンタミン等が挙げられる。環状ポリアミン類としては、例えば、1,4,7,10,13,16−ヘキサアザシクロオクタデカン、1,4,7,10−テトラアザシクロデカン、1,4,8,12−テトラアザシクロペンタデカン、1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン等が挙げられる。
[アルカノールアミン]
アルカノールアミンとしては、特に限定されないが、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、アミノエチルエタノールアミン、N−(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、モノ−、ジ−(n−またはイソ−)プロパノールアミン、エチレングリコールービスープロピルアミン、ネオペンタノールアミン、メチルエタノールアミン等が挙げられる。
[ポリチオール]
ポリチオールとしては、特に限定されないが、例えば、ビス−(2−ヒドロチオエチロキシ)メタン、ジチオエチレングリコール、ジチオエリトリトール、ジチオトレイトール]が挙げられる。
[ポリオール]
ポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエステルポリオール(ポリカプロラクトン類を含む)、アクリルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール、フッ素ポリオール、ポリカーボネートポリオール、エポキシ樹脂等が挙げられる。
ポリエステルポリオール(ポリカプロラクトン類を含む)、アクリルポリオール、ポリエーテルポリオール及びポリオレフィンポリオールについては、上述の「(A)親水性ポリイソシアネート成分」において例示されたものと同様のものが挙げられる。
(フッ素ポリオール)
フッ素ポリオールとは、分子内にフッ素を含むポリオールである。フッ素ポリオールとして具体的には、例えば、特開昭57−34107号公報(参考文献2)、及び、特開昭61−275311号公報(参考文献3)で開示されているフルオロオレフィン、シクロビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、モノカルボン酸ビニルエステル等の共重合体が挙げられる。
(ポリカーボネートポリオール)
ポリカーボネートポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、低分子カーボネート化合物と、上述の「(A)親水性ポリイソシアネート成分」において例示されたポリエステルポリオールに用いられる低分子ポリオールと、を縮重合して得られるものが挙げられる。低分子カーボネート化合物としては、例えば、ジメチルカーボネート等のジアルキルカーボネート、エチレンカーボネート等のアルキレンカーボネート、ジフェニルカーボネート等のジアリールカーボネート等が挙げられる。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリコールエーテル型エポキシ樹脂、エポキシ型の脂肪族不飽和化合物、エポキシ型脂肪酸エステル、エステル型多価カルボン酸、アミノグリシジル型エポキシ樹脂、β−メチルエピクロ型エポキシ樹脂、環状オキシラン型エポキシ樹脂、ハロゲン型エポキシ樹脂、レゾルシン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
(ポリオールの水酸基価)
ポリオールの水酸基価は、特に限定されないが、硬化物の架橋密度及び機械的物性の観点から、本実施形態の水系コーティング組成物1gあたり、10mgKOH/g以上300mgKOH/g以下であることが好ましく、20mgKOH/g以上250mgKOH/g以下であることがより好ましく、30mgKOH/g以上200mgKOH/g以下であることがさらに好ましい。
<その他構成成分>
本実施形態の水系コーティング組成物は、上述の硬化剤組成物、水、及び、活性水素基含有化合物に加えて、さらに、その他構成成分を含んでもよい。その他構成成分としては、例えば、その他の硬化剤、その他の添加剤等が挙げられる。
[その他の硬化剤]
その他の硬化剤としては、例えば、メラミン系硬化剤、エポキシ系硬化剤等が挙げられる。
(メラミン系硬化剤)
メラミン系硬化剤としては、特に限定されないが、例えば、完全アルキルエーテル化メラミン樹脂、メチロール基型メラミン樹脂、一部にイミノ基を有するイミノ基型メラミン樹脂等が挙げられる。
メラミン系硬化剤を使用する場合は、酸性化合物の添加が有効である。
酸性化合物としては、例えば、カルボン酸、スルホン酸、酸性リン酸エステル、亜リン酸エステル等が挙げられる。
カルボン酸としては、特に限定されないが、例えば、酢酸、乳酸、コハク酸、シュウ酸、マレイン酸、デカンジカルボン酸等が挙げられる。
スルホン酸としては、特に限定されないが、例えば、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸等が挙げられる。
酸性リン酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、ジメチルホスフェート、ジエチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジラウリルホスフェート、モノメチルホスフェート、モノエチルホスフェート、モノブチルホスフェート、モノオクチルホスフェート等が挙げられる。
亜リン酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、ジエチルホスファイト、ジブチルホスファイト、ジオクチルホスファイト、ジラウリルホスファイト、モノエチルホスファイト、モノブチルホスファイト、モノオクチルホスファイト、モノラウリルホスファイト等が挙げられる。
(エポキシ系硬化剤)
エポキシ系硬化剤としは、特に限定されないが、例えば、脂肪族ポリアミン、脂環族ポリアミン、芳香族ポリアミン、酸無水物、フェノールノボラック、ポリメルカプタン、脂肪族第三アミン、芳香族第三アミン、イミダゾール化合物、ルイス酸錯体等が挙げられる。
[その他の添加剤]
その他の添加剤としては、特に限定されないが、例えば、一般的に塗料に加えられる無機顔料、有機顔料、体質顔料、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、有機リン酸塩、有機亜リン酸塩、増粘剤、レベリング剤、チキソ化剤、消泡剤、凍結安定剤、艶消し剤、架橋反応触媒、皮張り防止剤、分散剤、湿潤剤、充填剤、可塑剤、潤滑剤、還元剤、防腐剤、防黴剤、消臭剤、黄変防止剤、紫外線吸収剤、静電防止剤又は帯電調整剤、沈降防止剤、界面活性剤、酸化防止剤、光安定剤、重合禁止剤等が挙げられる。
<水系コーティング組成物の製造方法>
本実施形態の水系コーティング組成物の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、上述の硬化剤組成物を硬化剤として、水及び活性水素化合物を添加し、混合する方法等が挙げられる。
<水系コーティング組成物の物性>
次いで、本実施形態の水系コーティング組成物の物性について、以下に詳細を説明する。
[イソシアネート基/活性水素基]
本実施形態の水系コーティング組成物において、該水系コーティング組成物中の活性水素基含有化合物が有する活性水素基のモル数に対する、該水系コーティング組成物中の親水性ポリイソシアネート組成物が有するイソシアネート基のモル数の比(イソシアネート基/活性水素基)は、特に限定されないが、1/10以上10/1以下であることが好ましく、1/8以上8/1以下であることがより好ましく、1/6以上6/1以下であることがさらに好ましい。
イソシアネート基/活性水素は、後述する実施例に記載の平均イソシアネート官能基数を算出する方法を用いて、平均イソシアネート官能基数を算出する。次いで、得られた平均イソシアネート官能基数を、活性水素基のモル数で除して、100を乗ずることで算出することができる。
<用途>
本実施形態の水系コーティング組成物は、例えば、硬化性組成物、各種表面処理剤組成物、各種エラストマー組成物、架橋剤、改質剤、添加剤として用いられる。硬化性組成物としては、例えば、塗料組成物、粘着剤組成物、接着剤組成物、注型剤組成物等が挙げられる。各種表面処理剤組成物としては、例えば、繊維処理剤等が挙げられる。架橋剤としては、例えば、発泡体組成物等が挙げられる。
本実施形態の水系コーティング組成物が用いられうる被着体としては、特に限定されないが、例えば、ガラス、各種金属、多孔質部材、各種塗装が施された部材、シーリング材硬化物、ゴム類、皮革類、繊維類、不織布、樹脂類のフィルム及びプレート、紫外線硬化型アクリル樹脂層、インキ類からなる層が挙げられる。各種金属としては、例えば、アルミニウム、鉄、亜鉛鋼板、銅、ステンレス等が挙げられる。多孔質部材としては、例えば、木材、紙、モルタル、石材等が挙げられる。各種塗装としては、例えば、フッ素塗装、ウレタン塗装、アクリルウレタン塗装等が挙げられる。シーリング材硬化物としては、例えば、シリコーン系、変性シリコーン系、ウレタン系等が挙げられる。ゴム類としては、例えば、天然ゴム、合成ゴム等が挙げられる。皮革類としては、例えば、天然皮革、人工皮革等が挙げられる。繊維類としては、例えば、植物系繊維、動物系繊維、炭素繊維、ガラス繊維等が挙げられる。樹脂類のフィルム及びプレートの原料となる樹脂類としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、アクリル、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ポリオレフィン等が挙げられる。インキ類としては、印刷インキ、UVインキ等が挙げられる。
以下に、具体的な実施例及び比較例を示して本実施形態をより詳しく説明するが、本実施形態はその要旨を超えない限り、以下の実施例及び比較例によって何ら限定されるものではない。
≪試験項目≫
実施例及び比較例で製造された親水性ポリイソシアネート成分、硬化剤組成物及び塗膜について、以下に示す方法に従い、各物性の測定及び各評価を行った。
<物性>
[物性1]粘度
実施例及び比較例で製造された親水性ポリイソシアネート成分又は硬化剤組成物の25℃における粘度を、E型粘度計 RE−80U(東機産業社製)を用いて求めた。
[物性2]固形分
実施例及び比較例で製造された親水性ポリイソシアネート成分又は硬化剤組成物を試料として用いて、溶剤希釈をした場合には、以下に示す方法に従い、固形分を算出した。
具体的には、まず、アルミニウム製カップの質量(W1)[g]を精秤し、試料約1gを入れて、加熱乾燥前のカップ質量(W2)[g]を精秤した。次いで、上記試料を入れたカップを105℃の乾燥機中で3時間加熱した。次いで、上記加熱後のカップを室温まで冷却した後、再度カップの質量(W3)[g]を精秤した。試料中の乾燥残分の質量%を固形分(c)とした。固形分は、以下に示す式(a)を用いて算出した。
なお、溶剤希釈なしの場合には、固形分は実質的に100%であるとして扱った。
固形分(c)[質量%]=(W2−W1)/(W3−W1)×100 ・・・(a)
[物性3]親水性ポリイソシアネート成分及びイオン性界面活性剤の固形分の総質量に対するイオン性界面活性剤の含有量
1.硬化剤組成物中のイオン性界面活性剤の含有量(d1)[質量%]
実施例及び比較例で製造された硬化剤組成物を試料として、硬化剤組成物中のイオン性界面活性剤の含有量(d1)[質量%]を、液体クロマトグラフィーにより分離した後に、質量分析装置を用いて、測定した。用いた装置及び条件は以下のとおりである。
(測定条件)
LC装置:Waters社製、UPLC(商品名)
カラム:Waters社製、ACQUITY UPLC HSS T3 C18、1.8μm、内径2.1mm×長さ50mm
流速:0.3mL/min
移動相:x=10mM酢酸アンモニウム水溶液、y=アセトニトリル
グラジェント条件:初期の移動相組成比はx/y=98/2で、試料注入後bの比率を直線的に上昇させ、10分後にx/y=0/100とした。
検出方法1:フォトダイオードアレイ検出器、測定波長は220nm
検出方法2:質量分析装置、Waters社製、Synapt G2(商品名)
イオン化モード:エレクトロスプレーイオン化、正イオン検出
スキャンレンジ:m/z 100以上2000以下
2.親水性ポリイソシアネート成分及びイオン性界面活性剤の固形分の総質量に対するイオン性界面活性剤の含有量(d2)[質量%]
次いで、親水性ポリイソシアネート成分及びイオン性界面活性剤の固形分の総質量に対するイオン性界面活性剤の含有量(d2)[質量%]は、「[物性2]」で測定した固形分(c)[質量%]と、「1.」で測定した硬化剤組成物中のイオン性界面活性剤の含有量(d1)[質量%]とから、以下に示す式(b1)を用いて算出した。
親水性ポリイソシアネート成分及びイオン性界面活性剤の固形分の総質量に対するイオン性界面活性剤の含有量(d2)[質量%]
=d1/c×100 ・・・(b1)
ただし、固形分(c)の中に親水性ポリイソシアネート成分及びイオン性界面活性剤以外のその他成分(c1)[質量%]が含まれる場合は、以下に示す式(b2)を用いて算出した。
親水性ポリイソシアネート成分及びイオン性界面活性剤の固形分の総質量に対するイオン性界面活性剤の含有量(d2)[質量%]
=d1/(c−c1)×100 ・・・(b2)
なお、溶剤を含んでいない硬化剤組成物の場合は、「1.」と同様の方法を用いて、測定により、親水性ポリイソシアネート成分及びイオン性界面活性剤の固形分の総質量に対するイオン性界面活性剤の含有量(d2)を算出した。
[物性4]親水性ポリイソシアネート成分及びイオン性界面活性剤の固形分の総質量に対する化合物(I)及び(II)の含有量
1.硬化剤組成物中の化合物(I)及び(II)の含有量(e1−I)及び(e1−II)[質量%]
実施例及び比較例で製造された硬化剤組成物を試料として、硬化剤組成物中の化合物(I)及び(II)の含有量(e1−I)及び(e1−II)[質量%]を、液体クロマトグラフィーにより分離した後に、質量分析装置を用いて、測定した。用いた装置及び条件は以下のとおりである。
(測定条件)
LC装置:島津製作所社製、Nexera(商品名)
カラム:Intakt社製、Cadenza CD−C18HT(内径2.0mm×長さ30mm)
流速:0.3mL/min
移動相:x=10mM酢酸アンモニウム水溶液、y=アセトニトリル
グラジェント条件:初期の移動相組成比はx/y=98/2で、試料注入後yの比率を直線的に上昇させ、10分後にx/y=0/100とした。
検出方法1:フォトダイオードアレイ検出器、測定波長は200nm以上400nm以下
検出方法2:質量分析装置、Waters社製、Synapt G2(商品名)
イオン化モード:エレクトロスプレーイオン化、負イオン検出
スキャンレンジ:m/z 50以上1200以下
2.親水性ポリイソシアネート成分及びイオン性界面活性剤の固形分の総質量に対する化合物(I)及び(II)の含有量(e2−I)及び(e2−II)[質量%]
次いで、硬化剤組成物の固形分の総質量に対する化合物(I)及び(II)の含有量(e2−I)及び(e2−II)[質量%]は、「[物性2]」で測定した固形分(c)[質量%]と、「1.」で測定した硬化剤組成物中の化合物(I)及び(II)の含有量(e1−I)及び(e1−II)[質量%]とから、以下に示す式(f1)及び(f2)を用いてそれぞれ算出した。
硬化剤組成物の固形分の総質量に対する化合物(I)含有量(e2−I)[質量%]
=(e2−I)/c×100 ・・・(f1)
硬化剤組成物の固形分の総質量に対する化合物(II)含有量(e2−II)[質量%]
=(e1−II)/c×100 ・・・(f2)
なお、溶剤を含んでいない硬化剤組成物の場合は、「1.」と同様の方法を用いて、測定により、硬化剤組成物の固形分の総質量に対する化合物(I)及び(II)の含有量(e2−I)及び(e2−II)を算出した。
[物性5]親水性ポリイソシアネート成分中のイソシアネート基含有量
1.硬化剤組成物中のイソシアネート基含有量(g1)[質量%]
実施例及び比較例で製造された硬化剤組成物を試料として、イソシアネート基含有量(g1)をJIS K7301−1995(熱硬化性ウレタンエラストマー用トリレンジイソシアネート型プレポリマー試験方法)に記載の方法に従って、測定した。以下に、より具体的な測定方法を示す。
(1)試料1g((W4)[g])を200mL三角フラスコに採取し、該フラスコにトルエン20mLを添加し、試料を溶解させた。
(2)その後、上記フラスコに2.0Nのジ−n−ブチルアミン含有トルエン溶液20mLを添加し、15分間静置した。
(3)上記フラスコに2−プロパノール70mLを添加し、溶解させて溶液を得た。
(4)上記(3)で得られた溶液について、1mol/Lの塩酸を用いて滴定を行い、試料滴定量(V1)を求めた。
(5)試料を添加しない場合にも、上記(1)〜(3)と同様の方法で測定を実施し、ブランク滴定量(V2)を求めた。
試料の質量(W4)、並びに、上記で求めた試料滴定量(V1)及びブランク滴定量(V2)から、イソシアネート基含有量を以下に示す式(h1)を用いて算出した。
硬化剤組成物中のイソシアネート基含有量(g1)[質量%]
=(V2−V1)×42/(W4×1,000)×100 ・・・(h1)
2.親水性ポリイソシアネート成分中のイソシアネート基含有量(g2)[質量%]
親水性ポリイソシアネート成分中のイソシアネート基含有量(g2)[質量%]は、「[物性2]」で測定した固形分(c)と、「[物性3]」の「2.」で測定したイオン性界面活性剤の含有量(d2)と、上記「1.」で測定した硬化剤組成物中のイソシアネート基含有量(g1)とから、以下に示す式(h2)を用いて算出した。
親水性ポリイソシアネート成分中のイソシアネート基含有量(g2)[質量%]
=g1/(c/100)/(100−d2)×100 ・・・(h2)
ただし、固形分(c)の中に親水性ポリイソシアネート成分及びイオン性界面活性剤以外のその他成分(c1)[質量%]が含まれる場合は、以下に示す式(h3)を用いて算出した。
親水性ポリイソシアネート成分中のイソシアネート基含有量(g2)[質量%]
=g1/(c/100)/(100−d2−c1)×100 ・・・(h3)
なお、イオン性界面活性剤も溶剤も含んでいない親水性ポリイソシアネート成分の場合は、上記「1.」に記載の測定方法と同様の方法を用いて、親水性ポリイソシアネート成分中のイソシアネート基含有量(g2)[質量%]を算出した。
[物性6]数平均分子量及び重量平均分子量
実施例及び比較例で製造された親水性ポリイソシアネート成分又は硬化剤組成物を試料として、親水性ポリイソシアネートと未反応ポリイソシアネートとを含む親水性ポリイソシアネート成分の数平均分子量(j1)及び重量平均分子量(j2)を測定した。具体的には、以下の装置及び条件を用いて、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により、ポリスチレン基準の数平均分子量及び重量平均分子量を測定した。なお、硬化剤組成物を試料とする場合は、イオン性界面活性剤の感度は下記測定条件では低いことから、得られた重量平均分子量の値を、硬化剤組成物中の親水性ポリイソシアネートの数平均分子量及び重量平均分子量の値とした。
(測定条件)
装置:東ソー(株)製、HLC−8120GPC(商品名)
カラム:東ソー(株)製、TSKgelSuperH1000(商品名)×1本、TSKgelSuperH2000(商品名)×1本、TSKgelSuperH3000(商品名)×1本
キャリアー:テトラハイドロフラン
検出方法:示差屈折計
[物性7]平均イソシアネート官能基数
平均イソシアネート官能基数(k)は、親水性ポリイソシアネート1分子が統計的に有するイソシアネート官能基の数である。上記「[物性6]」で測定した親水性ポリイソシアネートの数平均分子量(j1)と、上記「[物性5]」の「2.」で測定した親水性ポリイソシアネート成分中のイソシアネート基含有量(g2)とから、以下に示す式(m)を用いて算出した。
平均イソシアネート官能基数(k)=j1×g2/100/42 ・・・(m)
<評価>
[評価1]親水性ポリイソシアネート成分又は硬化剤組成物の水分散性
(1)100mLフラスコ及び吉野紙の合計質量(W5)を測定した。
(2)実施例及び比較例で製造された親水性ポリイソシアネート成分又は硬化剤組成物を、固形分換算で16g((W6)[g])となるように100mLフラスコに採取し、脱イオン水24gを添加した。
(3)プロペラ羽を使用し、200rpmで3分間、100mLフラスコ内の溶液を撹拌した後、(1)で秤量した吉野紙で濾過した。
(4)吉野紙に残った濾過残渣と、100mLフラスコに残った残渣とを合わせて105℃の乾燥機中で1時間加熱し、質量((W7)[g])を求めた。
(5)以下に示す式(p)を用いて、親水性ポリイソシアネート成分又は硬化剤組成物が水へ分散した割合(q)を算出した。
水へ分散した割合(q)[質量%]
=100−(W7−W5)/(W6×c)×100 ・・・(p)
(6)(5)で算出した親水性ポリイソシアネート成分が水へ分散した割合(q)から、以下の評価基準に従い、親水性ポリイソシアネート成分の水分散性を評価した。
(評価基準)
○:(H)が80質量%以上、水分散安定性が良い。
×:(H)が80質量%未満、水分散安定性に劣る。
[評価2]親水性ポリイソシアネート成分又は硬化剤組成物の水分散安定性
200mLフラスコに、親水性ポリイソシアネート成分又は硬化剤組成物0.1gと、脱イオン水100gとを量り取った。次いで、プロペラ羽を使用し、600rpmで5分間、200mLフラスコ内の溶液を撹拌し、親水性ポリイソシアネート成分又は硬化剤組成物の水分散液を得た。その後、50mLのガラス瓶に移し替え、分散状態を肉眼で観察した。以下の評価基準に従い、親水性ポリイソシアネート成分又は硬化剤組成物の水分散安定性を評価した。
(評価基準)
○:3時間経過後も変化が見られなかった。
△:3時間経過後にわずかに沈殿又は分離が見られた。
×:3時間以内に沈殿又は分離が見られた。
[評価3]塗液のポットライフ
1.白板の作製
溶剤系の2液型ウレタン塗料(商品名「マイティーラック(白)」、日本ペイント社製
)を乾燥膜厚50μmとなるようにアルミニウム板(150mm×75mm×1mm、型
番:A1050P(JIS H4000)、テストピース社製)にスプレー塗装した。そ
の後、23℃、50%湿度下で2週間静置した後、1000番のサンドペーパーで表面を
研磨し、白板を作製した。
2.水系コーティング組成物の作製
実施例及び比較例で製造された硬化剤組成物に対し、樹脂あたりの水酸基価60mgKOH/gのアクリルラテックス(旭化成株式会社製、商品名「R−5007」)を、官能基比率(NCO/OH)=1.25となるように混合し、撹拌した。次いで、水で固形分40質量%に希釈して、水系コーティング組成物を得た。
3.塗液のポットライフ
23℃/50%RHの雰囲気下に静置し、「2.」で得られた水系コーティング組成物を1時間毎に上記「1.」で得られた白板上に、厚さ40μmになるようにアプリケーター塗装した。次いで、23℃/50%RHの雰囲気下で24時間乾燥させて、塗膜を得た。得られた硬化塗膜の60度光沢度をJIS Z8741に準拠して測定し、下記式(r)に基づいて光沢保持率を算出した。
光沢保持率(%)=測定時の光沢/初期光沢×100 ・・・(r)
次いで、得られた光沢保持率から以下の評価基準に従い、塗液のポットライフを評価した。
(評価基準)
○:光沢保持率が80%になるまでの時間が5時間以上
△:光沢保持率が80%になるまでの時間が3時間以上5時間未満
×:光沢保持率が80%になるまでの時間が3時間未満
[評価4]塗膜の外観
「[評価3]」と同様の方法で得られた水系コーティング組成物を、ガラス板上に、厚さ40μmになるようにアプリケーター塗装した。次いで、60℃で30分間焼成し、塗膜を得た。得られた塗膜を目視で観察した。以下の評価基準に従い、塗膜の外観を評価した。
(評価基準)
◎:透明、異物なし。
○:やや白濁。
△:白濁、やや異物あり、平滑性やや低い。
×:白濁、異物多数あり、平滑性低い。
[評価5]塗膜の耐ブリスター性
水性ポリールSetaqua6515(OH含有量3.3%、不揮発分45%、Nuplex Resin社製)62.23gを容器に計り取り、撹拌しながらレベリング剤BYK−348(BYK社製)を0.10g、Tego Wet 270(Evonic Tego Chemie社製)を0.10g、紫外線吸収剤Tinuvin 1130(BASF社製)を0.65g、光安定剤Tinuvin 292(BASF社製)を0.32g、及び、水を4.51g添加し、5分間撹拌した。これに、親水性ポリイソシアネート成分中のイソシアネート基と水性ポリオールSetaqua6515のヒドロキシ基とのモル比が、NCO/OH=1.5になるように実施例及び比較例で製造された硬化剤組成物を加え、10分間撹拌することにより、水系コーティング組成物を作製した。この水性塗料組成物を、真空脱泡装置を用いて、1500rpm、50Torr、3分間の条件で脱泡した。脱泡した水系コーティング組成物を、乾燥膜厚を変えながらガラス板上にアプリケーター塗装し、ブリスターが初めて観察された際の乾燥膜厚を測定した。以下の評価基準に従い、塗膜の耐ブリスター性を評価した。
(評価基準)
◎:ブリスターが初めて観察された際の乾燥膜厚が200μm以上
○:ブリスターが初めて観察された際の乾燥膜厚が150μm以上200μm未満
△:ブリスターが初めて観察された際の乾燥膜厚が100μm以上150μm未満
×:ブリスターが初めて観察された際の乾燥膜厚が100μm未満
[実施例1]硬化剤組成物1の製造
まず、エチレンオキサイド繰返単位の平均数9.4のポリエチレングリコールモノメチルエーテル(日本乳化剤株式会社製、商品名「MPG−130」)15.5質量部、及び、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)のイソシアヌレート型ポリイソシアネート(旭化成株式会社製、商品名「デュラネートTPA−100」)80.0質量部を混合し、窒素下、110℃で3時間撹拌して反応を行った。このとき、ポリイソシアネート及び親水性化合物の総質量に対する親水性化合物の配合量は16.2質量%であった。次いで、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム4.5質量部、及び、スルホコハク酸ナトリウムの2−エチルヘキシルエステル(化合物(I)−1)0.20質量部をさらに加え、110℃で10分間撹拌し、硬化剤組成物1を得た。
得られた硬化剤組成物1は、粘度1700mPa・s、固形分100質量%、化合物(I)の含有量は0.20質量%、イソシアネート基含有率は17.0質量%、平均イソシアネート官能基数は3.0、親水性ポリイソシアネート成分及びイオン性界面活性剤の総質量に対するイオン性界面活性剤の含有量は4.5質量%であった。
[実施例2〜9]硬化剤組成物2〜9の製造
表1に示す組成となるように原料を配合した以外は、実施例1と同様の方法で硬化剤組成物2〜9を得た。得られた硬化剤組成物2〜9の物性、並びに、塗液及び塗膜の評価結果を表1に示す。
[比較例1〜7]硬化剤組成物10〜16
表2に示す組成となるように原料を配合した以外は、実施例1と同様の方法で硬化剤組成物10〜16を得た。得られた硬化剤組成物10〜16の物性、並びに、塗液及び塗膜の評価結果を表2に示す。
なお、表1及び表2において、「デュラネート24A−100」(商品名)は、HDIのビウレット型ポリイソシアネート(旭化成株式会社製)である。また、「MPG−081」は、エチレンオキサイド繰返単位の平均数15.2のポリエチレングリコールモノメチルエーテル(日本乳化剤株式会社製)である。
また、化合物(I)−1〜(I)−3及び化合物(II)−1〜(II)−3は以下に示す構造の化合物である。
Figure 2019156928
化合物(I)−1:R11=2−エチルヘキシル、M11+=Na
化合物(I)−2:R11=2−エチルヘキシル、M11+=K
化合物(I)−3:R11=2−エチルヘキシル、M11+=NH
Figure 2019156928
化合物(II)−1:R21=2−エチルヘキシル、R22=メチル、M21+=Na
化合物(II)−2:R21=メチル、R22=2−エチルヘキシル、M21+=K
化合物(II)−3:R21=メチル、R22=エチル、M21+=NH
Figure 2019156928
Figure 2019156928
表1及び表2から、(A)親水性ポリイソシアネート成分と、(B)イオン性界面活性剤と、(C)スルホン酸塩と、をそれぞれ所定量含有する硬化剤組成物1〜9(実施例1〜9)は、水に安定的に分散し、且つ、塗液にしたときのポットライフ、並びに、塗膜としたときの外観及び耐ブリスター性に優れることが確かめられた。
これに対し、硬化剤組成物10〜16(比較例1〜7)では、水分散安定性、塗液にしたときのポットライフ、並びに、塗膜としたときの外観及び耐ブリスター性の全てが良好なものは得られなかった。
また、硬化剤組成物中の化合物(I)及び化合物(II)の合計含有量が0.15質量%以上である硬化剤組成物1、2、4、6、8及び9(実施例1、2、4、6、8及び9)は、該含有量が0.07質量%以下である硬化剤組成物3、5及び7(実施例3、5及び7)よりも、塗膜にしたときの耐ブリスター性が特に優れていた。
また、硬化剤組成物中の(B)イオン性界面活性剤の含有量が7.7質量%以下である硬化剤組成物1、3〜5及び7〜8(実施例1、3〜5及び7〜8)は、該含有量が8.0質量%以上である硬化剤組成物2、6及び9(実施例2、6及び9)よりも、塗膜にしたときの外観が特に優れていた。
本実施形態の硬化性組成物は、水に安定的に分散することができ、水系コーティング組成物に好適に用いられる。本実施形態の水系コーティング組成物は、例えば、硬化性組成物、各種表面処理剤組成物、各種エラストマー組成物、架橋剤、改質剤、添加剤等として好適に用いられる。

Claims (6)

  1. 組成物中の固形分の総質量に対して、79.5質量%以上99.9質量%以下の(A)親水性ポリイソシアネート成分と、0.1質量%以上20.0質量%以下の(B)イオン性界面活性剤と、0.01質量%以上0.5質量%以下の(C)スルホン酸塩と、を含む硬化剤組成物であって、
    前記(A)親水性ポリイソシアネート成分は、脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選択される1種以上のジイソシアネートから得られるポリイソシアネートと、親水性化合物との反応物であり、
    前記(C)スルホン酸塩は、下記一般式(I)に示される化合物及び下記一般式(II)に示される化合物からなる群より選択される1種以上の化合物である硬化剤組成物。
    Figure 2019156928
    (一般式(I)中、R11は水素原子又は炭素数1以上20以下のアルキル基である。M11+は、Na、K又はNH である。)
    Figure 2019156928
    (一般式(II)中、R21及びR22はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1以上20以下のアルキル基である。M21+は、Na、K又はNH である。)
  2. 前記(C)スルホン酸塩として、前記一般式(I)に示される化合物及び前記一般式(II)に示される化合物を含む請求項1に記載の硬化剤組成物。
  3. 前記親水性化合物が下記一般式(III)で示される化合物である請求項1又は2に記載の硬化剤組成物。
    Figure 2019156928
    (一般式(III)中、R31は炭素数1以上4以下のアルキレン基である。R32は炭素数1以上4以下のアルキル基である。n31は5以上50以下である。)
  4. 前記一般式(III)中、R31がエチレン基であり、且つ、n31が5以上20以下である請求項3に記載の硬化剤組成物。
  5. 前記ポリイソシアネートがイソシアヌレート基及びビウレット基からなる群より選択される1種以上の官能基を有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化剤組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬化剤組成物と、水と、活性水素基含有化合物と、を含む水系コーティング組成物。
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