JP2019156546A - 空調制御システム及び空調制御方法 - Google Patents

空調制御システム及び空調制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019156546A
JP2019156546A JP2018043475A JP2018043475A JP2019156546A JP 2019156546 A JP2019156546 A JP 2019156546A JP 2018043475 A JP2018043475 A JP 2018043475A JP 2018043475 A JP2018043475 A JP 2018043475A JP 2019156546 A JP2019156546 A JP 2019156546A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air conditioner
air
temperature
temperature sensor
air conditioning
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018043475A
Other languages
English (en)
Inventor
高沼 明宏
Akihiro Takanuma
明宏 高沼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Building Systems Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Building Systems Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Building Systems Co Ltd filed Critical Hitachi Building Systems Co Ltd
Priority to JP2018043475A priority Critical patent/JP2019156546A/ja
Publication of JP2019156546A publication Critical patent/JP2019156546A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Elevator Control (AREA)
  • Air Conditioning Control Device (AREA)
  • Cage And Drive Apparatuses For Elevators (AREA)

Abstract

【課題】 エレベーターに搭載されるエアコンの制御装置を変更することなく、既存のエアコンを利用して、エレベーターのかご内の空調を効率的に制御する。【解決手段】 空調制御システム1は、温度センサ6による検知情報に基づいてエレベーター4のかご41内を空調するエアコン5に対して、エアコン5の駆動を外部から制御する。空調制御システム1は、かご41から離れた場所に設置されて人を検知する人検知センサ11と、人検知センサ11による人検知の有無に基づいて、温度センサ6からエアコン5に送られる検知情報を操作することによって、エアコン5の駆動を制御する空調外部制御装置(検知温度制御装置12)と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、空調制御システム及び空調制御方法に関し、空調機(エアコン)の駆動によってエレベーターのかご内の空調(かご内空調)を制御するエレベーターの空調制御システム及び空調制御方法に適用して好適なものである。
従来、エレベーターのかご内空調を制御する空調制御システムでは、エレベーターのかご上に家庭用あるいは業務用の空調機(エアコン)を設置し、ダクトを介してかご内を空調する構造が知られている。このような空調制御システムは、かごからダクトを介してエアコンに入ってくる空気温度をエアコンに備えられた温度センサで検知し、検知した空気温度が目標温度となるようにエアコンを駆動することによってエレベーターのかご内の空調を実現する。
そして、このような従来のエレベーターの空調制御システムでは、一般に、かご内にはエアコンを操作するリモートコントローラ等は設置されておらず、乗客によるエアコン操作が不可能であることから、かご内における乗客の有無に拘わらずエアコンを駆動させて、空調を常時継続していた。仮に、乗客によるエアコン操作を可能としても、乗客がかごに乗っている間(かご内に滞在している間)に十分に空調できるほどにエアコンの応答性は早くないことから、やはり空調を常時継続することになる。
上記のような従来のエレベーターの空調制御システムに対する工夫として、例えば特許文献1には、エレベーターから離れた位置でエレベーターに乗り込む可能性がある人を検知し、当該検知に基づいてエアコン制御を行うエレベーターの空調制御システムが開示されている。また例えば特許文献2には、エレベーターに限らず施設内の各環境において、人が移動する流れを検知し、当該検知した流れに対応するように、施設内の複数箇所に設置されたエアコンの駆動を制御する空調制御システムが開示されている。これら特許文献1または特許文献2に開示された空調制御システムによれば、人の流れに応じてエアコンを効率的に駆動することによって、省エネや快適性の効果に期待することができる。
特開2015−117080号公報 特開2016−085014号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2に開示された空調制御システムでは、検知した人の流れに応じてエアコンを制御するための新しい制御装置を設置する必要があるだけでなく、この新しい制御装置との連携を可能にするために、エアコン内部の制御装置(エアコン自身の制御装置)において、信号系の変更やその変更に伴う装置構成の変更が必要であった。すなわち、特許文献1や特許文献2に開示された空調制御システムをエレベーターの空調制御システムとして用いるときには、エレベーター専用の制御装置を搭載したエアコンが必要となってしまい、費用が嵩むという課題があった。また、現状、エレベーター専用のエアコンの供給は多くなく、既存の汎用エアコンと比べた場合には、より価格が高くなると予想される。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、エレベーターに搭載されるエアコンの制御装置を変更することなく、エレベーターのかご内の空調を効率的に制御することが可能なエレベーターの空調制御システム及び空調制御方法を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、温度センサによる検知情報に基づいてエレベーターのかご内を空調する空調機(後述するエアコン5に相当)に対して、当該空調機の駆動を外部から制御する空調制御システムであって、前記かごから離れた場所に設置されて人を検知する人検知センサ(後述する人検知センサ11,21,31に相当)と、前記人検知センサによる人検知の有無に基づいて、前記温度センサから前記空調機に送られる前記検知情報を操作することによって、前記空調機の駆動を制御する空調外部制御装置(後述する検知温度制御装置12,22、あるいは電圧信号制御装置30に相当)と、を備えることを特徴とする空調制御システム(後述する空調制御システム1,2,3に相当)が提供される。
また、かかる課題を解決するため本発明においては、温度センサによる検知情報に基づいてエレベーターのかご内を空調する空調機に対して、当該空調機の駆動を外部から制御する空調制御方法であって、前記かごから離れた場所に設置された人検知センサによって人を検知する人検知ステップと、前記人検知ステップにおける人検知の有無に基づいて、前記温度センサから前記空調機に送られる前記検知情報を操作することによって、前記空調機の駆動を制御する空調外部制御ステップと、を備えることを特徴とする空調制御方法が提供される。
本発明によれば、エレベーターに搭載されるエアコンの制御装置を変更することなく、既存のエアコンを利用して、エレベーターのかご内の空調を効率的に制御することができる。
第1の実施の形態に係る空調制御システムの概要を説明するための図である。 第1の実施の形態における温度センサ周辺の構造例を示す図である。 第1の実施の形態に係る空調制御システムの構成例を示す図である。 第2の実施の形態に係る空調制御システムの構成例を示す図である。 第2の実施の形態における温度センサ周辺の構造例を示す図である。 第2の実施の形態に係る空調制御システムによるエアコン外部操作処理の処理手順例を示すフローチャートである。 第2の実施の形態に係る空調制御システムによる空調の制御例を示すタイムチャートである。 第3の実施の形態に係る空調制御システムの構成例を示す図である。 一般的なサーミスタの特性を説明するための図である。 第3の実施の形態における温度センサ及び信号変換器のブロック回路図である。 第3の実施の形態に係る空調制御システムによるエアコン外部操作処理の処理手順例を示すフローチャートである。 第3の実施の形態に係る空調制御システムによる空調の制御例を示すタイムチャートである。
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
なお、以下の各実施の形態においては、空調制御システムがエアコンの冷房運転を制御することについて詳しく説明し、エアコンの暖房運転を制御することについては、繰り返しを避けるために詳細な説明を省略する。簡潔に補足しておくと、第1または第2の実施の形態に係る空調制御システム1,2は、エアコン5の駆動基準となる検知温度に対して外部操作(冷却/加熱)を行うことによってエアコン5の駆動を制御するが、当該実施の形態で説明する外部操作を逆に入れ替えることによって、エアコン5の暖房運転についても冷房運転と同様に制御することができる。また、第3の実施の形態に係る空調制御システム3は、エアコン5の駆動基準となる電圧信号に対して外部操作(高出力電圧切替/低出力電圧切替)を行うことによってエアコン5の駆動を制御するが、当該実施の形態で説明する外部操作を逆に入れ替えることによって、エアコン5の暖房運転についても冷房運転と同様に制御することができる。
(1)第1の実施の形態
図1は、第1の実施の形態に係る空調制御システムの概要を説明するための図である。
まず、本実施の形態に係る空調制御システム1による空調制御の対象となるエレベーター4の構成等について説明する。図1に示すように、エレベーター4のかご41の上側には、かご41内の空気を空調するエアコン5が設置されている。かご41内とエアコン5との間はダクト52で繋がれて通風路が形成されている。詳しくは、かご41内の空気がダクト52を介してエアコン5に入り、エアコン5で空調された空気がダクト52を介してかご41内に戻される。また、通風路の所定箇所(エアコン5内部またはダクト52内)には、かご41内の空気温度を検知するように温度センサ6が設置されている。温度センサ6によって検知される空気温度を、温度センサ6の検知温度と呼ぶ。
図2は、第1の実施の形態における温度センサ周辺の構造例を示す図である。図2に示すように、本実施の形態では、温度センサ6の一側面(図中の上側)には伝熱板61を介してペルチェ素子126が接続され、他側面(図中の下側)には伝熱板61を介してヒータ127が接続されている。伝熱板61には、例えばアルミニウム、鉄、または銅等のように、熱伝導率が比較的高い材質が用いられる。
ペルチェ素子126は、冷却用の電子部品であって、駆動すると、伝熱板61と接続した面が吸熱することにより、伝熱板61を冷却する。このペルチェ素子126による冷却が伝熱板61を介して温度センサ6に伝導することにより、温度センサ6の検知温度を下げることができる。また、ヒータ127は、加熱用の電子部品であって、駆動すると放熱することにより、伝熱板61を加熱する。このヒータ127による加熱が伝熱板61を介して温度センサ6に伝導することにより、温度センサ6の検知温度を上げることができる。なお、図3を参照して後述するように、ペルチェ素子126及びヒータ127は、検知温度制御装置12の一部である。
エアコン5は、冷暖房機能を有する一般的な空調機(例えば、既存の汎用エアコン)であって、内部に搭載されたエアコン制御装置51によってその動作が制御される。エアコン5(エアコン制御装置51)には、かご41内の「目標温度」として所定温度が設定されており、エアコン制御装置51は、温度センサ6の検知温度(検知温度信号)に基づいて、上記の目標温度を達成するように冷暖房の動作を行う。言い換えれば、温度センサ6は、エアコン5の駆動制御(エアコン制御)のために設置された温度センサであり、このような温度センサは従来の一般的なエアコンにも搭載されている。したがって、温度センサ6はエアコン5に含まれる構成としてもよい(他の実施の形態でも同様とする)。
なお、エアコン5に設定されるかご41内の目標温度は、常に一定の所定温度とする必要はなく、管理者によって任意の所定温度を目標温度に設定可能であることが好ましい。このような場合、具体的には、季節やエレベーター4の利用環境等に基づいて乗客にとって快適な目標温度を設定したり、省エネの目標値を達成可能な目標温度を設定したりすることができる。
次に、空調制御システム1の構成について説明する。図1に示すように、本実施の形態に係る空調制御システム1は、エレベーター4のかご41から離れた所定の場所に設置された人検知センサ11と、温度センサ6に接続して設置された検知温度制御装置12と、を備えて構成される。人検知センサ11及び検知温度制御装置12は無線通信機能を有し、少なくとも人検知センサ11から検知温度制御装置12に向けて、無線で通信可能に接続される。
人検知センサ11は、エレベーター4のかご41から離れた設置場所において、エレベーター4のかご41に近づく人(乗客)を検知するセンサである。人検知センサ11は、かご41に近づく乗客を検知すると、その検知結果(人検知情報)を無線通信によって検知温度制御装置12に送信する。
なお、人検知センサ11が乗客を検知する位置及び人検知センサ11の設置場所は任意に設定できるとし、また、センサの種類や設置個数についても限定されない。但し、複数の人検知センサ11が設置される場合には、何れの人検知センサ11からの情報かを検知温度制御装置12が特定できる態様で人検知情報を送信することが好ましく、このとき、検知温度制御装置12は、乗客がかご41に到達する(かご41内に乗り込む)までの時間を考慮した上でエアコン5の駆動制御を行うことができるため、空調制御の精度向上や省エネ効果の向上に期待できる。
検知温度制御装置12は、かご41内の空気温度と人検知センサ11から得られる人検知情報とに基づいて、温度センサ6が検知する検知温度を外部から調整すること(外部操作と称する)により、間接的にエアコン5の駆動(ON/OFF)を制御する制御装置である。
図3は、第1の実施の形態における空調制御システムの構成例を示す図である。図3に示すように、検知温度制御装置12は、入力回路121、CPU(Central Processing Unit)122とメモリ123とを有するマイコン124、出力回路125、ペルチェ素子126、及びヒータ127を備えて構成される。
入力回路121は、人検知センサ11から無線通信で送信される人検知情報の信号(人検知信号)が入力される回路である。入力回路121に入力された人検知信号は、マイコン124のCPU122に送られる。
マイコン124は、検知温度制御装置12の全体を制御する計算機回路であって、プログラムの実行によって検知温度制御装置12における様々な制御処理を行うCPU122と、プログラムや所定のデータや信号等を記憶するメモリ123とを有する。
CPU122は、入力回路121から入力された人検知信号(人検知信号が入力されない場合も含む)に基づいて、かご41内の空調に対するエアコン5に対する外部操作を実現するための信号を出力回路125に送る。外部操作を実現するための信号は、メモリ123に記憶されており、具体的な一例としては、ペルチェ素子126の駆動を開始する信号(冷却開始信号)、ペルチェ素子126の駆動を停止する信号(冷却停止信号)、ヒータ127の駆動を開始する信号(加熱開始信号)、及びヒータ127の駆動を停止する信号(加熱停止信号)が挙げられる。
CPU122から出力された上記の信号は、出力回路125を介してペルチェ素子126またはヒータ127に送られる。そして、ペルチェ素子126またはヒータ127は、入力された信号に応じて駆動の開始や停止を行い、このようなペルチェ素子126またはヒータ127の駆動の結果、エアコン5の駆動(ON/OFF)が制御される。
以上が第1の実施の形態に係る空調制御システム1の構成である。この空調制御システム1は、エアコン5の駆動基準となる検知温度に対して外部操作(冷却/加熱)を行うことにより、エアコン5の駆動を制御する。以下に、空調制御システム1による検知温度に対する外部操作の方法について説明する。
まず、検知温度制御装置12の電源が投入された時点では、エレベーター4のかご41に乗客が存在しないものとする。この場合、無人状態のかご41内を空調することはエネルギーの浪費に繋がる。そこで、検知温度制御装置12のマイコン124(CPU122)は、エアコン5の冷房運転を停止させる外部操作を行う。
エアコン5の冷房運転を停止させる外部操作とは、具体的には、CPU122がメモリ123に記憶されている冷却開始信号を出力回路125に送る。そして、出力回路125は冷却開始信号の入力に応じてペルチェ素子126を駆動させる。図2を参照して説明したように、ペルチェ素子126が駆動することによって温度センサ6は冷却されるため、温度センサ6による検知温度は低下する。その結果、低下した検知温度に基づいて、エアコン制御装置51は、かご41内を空調する必要はないと判断し、エアコン5の冷房運転を停止する。
このように、検知温度制御装置12は、冷却による外部操作を行うことによって、温度センサ6による検知温度を低下させて、エアコン5の冷房運転を停止させる制御を実現することができる。
次に、例えば、人検知センサ11が人を検知したとする。この場合、検知された人(乗客)がエレベーター4のかご41に乗ってくることが予想されるため、乗客の快適さを考慮してかご41内を空調しておく必要がある。そこで、検知温度制御装置12のマイコン124(CPU122)は、エアコン5を駆動させる(エアコン5に冷房運転を行わせる)外部操作を行う。
エアコン5を駆動させる外部操作とは、具体的には、以下のように行われる。人検知センサ11から人検知信号が入力回路121に入力されると、CPU122は、メモリ123に記憶されている冷却停止信号及び加熱開始信号を出力回路125に送る。そして、出力回路125は、冷却停止信号の入力に応じてペルチェ素子126の駆動を停止させ、加熱開始信号の入力に応じてヒータ127を駆動させる。ペルチェ素子126の駆動が停止し、ヒータ127が駆動することによって温度センサ6は加熱されるため(図2参照)、温度センサ6による検知温度は上昇する。その結果、上昇した検知温度に基づいて、エアコン制御装置51は、かご41内を空調する必要があると判断し、エアコン5の冷房運転を開始する。
このように、検知温度制御装置12は、加熱による外部操作を行うことによって、温度センサ6による検知温度を上昇させて、エアコン5を駆動させる(冷房運転を行わせる)制御を実現することができる。
ここで、検知温度制御装置12は、エアコン5による空調(冷房運転)の継続時間を示す「エアコン駆動設定時間」をメモリ123に予め記憶しているとする。エアコン駆動設定時間の具体値は、例えば、1人の乗客がエレベーター4に乗っている最大時間を経験的に求めておけばよい。
そして、上述したように加熱による外部操作を行ってエアコン5の駆動を開始させてから、エアコン駆動設定時間が経過すると、検知温度制御装置12のマイコン124(CPU122)は、メモリ123に記憶されている加熱停止信号及び冷却開始信号を出力回路125に送る。出力回路125は、加熱停止信号の入力に応じてヒータ127の駆動を停止させ、冷却開始信号の入力に応じてペルチェ素子126を駆動させるため、温度センサ6による検知温度は再び低下する。その結果、低下した検知温度に基づいて、エアコン制御装置51は、かご41内を空調する必要はないと判断し、エアコン5の冷房運転を停止する。
このように、検知温度制御装置12は、エアコン5を駆動させたままにせず、エアコン駆動設定時間の経過後には冷房運転を終了させる制御を実現することができるため、乗客が下りた後の無人状態のかご41内を空調するという無駄な運転を抑制することができる。
なお、上記の冷房運転を終了させる制御に関して、エアコン駆動設定時間が経過する前に、人検知センサ11によって新たに人が検知された場合(すなわち、人検知センサ11から入力回路121を介して人検知信号が入力された場合)には、かご41内に乗客が存在する状況が継続すると推定されるため、当該検知のタイミングでエアコン駆動設定時間のカウントをリセットし、再度カウントし直すようにする。このような制御を行うことにより、連続して乗客が乗っているような状況にも対応して快適な空調を提供することができる。なお、冷房運転を終了させる制御は、上記の方法に限定されるものではない。他にも例えば、人検知センサ11と同様の検知センサをかご41内にも設置しておき、当該検知センサによるかご41内の人検知がなくなったことに基づいて、冷房運転を終了させるようにしてもよい。この場合、かご41内の検知センサによる人検知信号が入力回路121を介してマイコン124(CPU122)に入力されるようにし、当該人検知信号が入力されなくなったときに、CPU122が、加熱停止信号及び冷却開始信号を出力回路125に送るようにすればよい。
以上に説明したように、第1の実施の形態に係る空調制御システム1によれば、エアコン5の駆動基準となる検知温度に対して外部操作(冷却/加熱)を行うことにより、エレベーター4に乗ってくると想定される乗客を検知した場合にのみ、エアコン5の冷房運転を駆動させるように制御することができる。なお、前述したように、空調制御システム1は、エアコン5の暖房運転に対する制御も同様に可能であるが、詳細は省略する。
また、第1の実施の形態に係る空調制御システム1では、温度センサ6の検知温度に対する冷却/加熱の外部操作を実現するためのペルチェ素子126やヒータ127は、温度センサ6の外側から接続されればよく(図2参照)、エアコン制御装置51における構造や制御を変更する必要がない。すなわち、本実施の形態に係る空調制御システム1は、既存の汎用エアコンの制御装置を変更することなく利用して、エレベーター4のかご41内の空調を効率的に制御することができる。
なお、第1の実施の形態に係る空調制御システム1による空調制御は、かご41から離れた位置で人検知センサ11が検知した人が全てエレベーター4のかご41に乗り込んで乗客になることを前提としているため、仮に人検知センサ11が検知した人がエレベーター4を利用しなかった場合でもかご41内を空調することになり、エアコン5の無駄な駆動が発生する。しかしこのような問題があるとしても、従来のエレベーターにおける空調制御のようにエアコンを常時駆動することに比べれば、はるかに高い省エネ効果を発揮することができる。また、このようなエアコン5の無駄な駆動を抑制する効果に期待できる変形例として、人検知センサ11の配置箇所や配置数を増やすことが考えられる。
また、第1の実施の形態に係る空調制御システム1によれば、エアコン5の駆動期間が従来の常時駆動よりも短縮されることで、エレベーター4における昇降路内空気のエアコン5からの排熱が抑制されるため、排熱による昇降路近辺の建築物への悪影響が改善される効果にも期待できる。
また、第1の実施の形態に係る空調制御システム1によれば、かご41に近づく人(乗客)を人検知センサ11で検知し、当該検知した乗客が乗り込むまでにかご41内の空気温度を目標温度に制御することから、乗客の快適性を向上させることに期待できる。
(2)第2の実施の形態
図4は、第2の実施の形態に係る空調制御システムの構成例を示す図である。
第2の実施の形態に係る空調制御システム2(特に検知温度制御装置22)は、エアコン5のエアコン制御のために元々設置されている温度センサ6の検知温度を外部操作することによって間接的にエアコン5の駆動(ON/OFF)を制御するという概要において、第1の実施の形態に係る空調制御システム1(検知温度制御装置12)と共通する。
そのため、図4に示したように、空調制御システム2の構成は、図3に示した空調制御システム1の構成と共通するものが多く、同名称の構成については(付した番号は異なるものの)、その基本的な機能は第1の実施の形態と同様であるとして説明を省略する。具体的には例えば、人検知センサ21は人検知センサ11と同様に、エレベーター4のかご41から離れた設置場所において、エレベーター4のかご41に近づく人(乗客)を検知するセンサであり、検知温度制御装置22は、検知温度制御装置12と同様に、かご41内の空気温度と人検知センサ11から得られる人検知情報とに基づいて、温度センサ6が検知する検知温度を外部操作することにより、間接的にエアコン5の駆動(ON/OFF)を制御する制御装置である。
但し、第2の実施の形態では、第1の実施の形態と異なる構成として、外部操作用温度センサ23を備えている。外部操作用温度センサ23は、エアコン5のエアコン制御のために元々設置されている温度センサ6による検知温度を検知温度制御装置22側でも取得できるようにするために設けられる温度センサである。第2の実施の形態は、このような外部操作用温度センサ23を備えることにより、第1の実施の形態よりも高精度な空調制御を実現し、省エネ効果及び乗客の快適性の向上効果を高めるものである。以下に、このような第2の実施の形態による特徴的な技術について詳しく説明する。
図5は、第2の実施の形態における温度センサ周辺の構造例を示す図である。
図5を参照すると、右半分に示された温度センサ6の周辺構造は、図2に例示した第1の実施の形態における温度センサ6の周辺構造と同様である。すなわち、温度センサ6の一側面には、伝熱板61を介して冷却用のペルチェ素子226が接続され、温度センサ6の他側面には、伝熱板61を介して加熱用のヒータ227が接続されている。図4に示したように、ペルチェ素子226及びヒータ227は、第1の実施の形態における検知温度制御装置12と同様に、第2の実施の形態における検知温度制御装置22内の一構成であって、出力回路225に接続されている。ペルチェ素子126及びヒータ227に対する具体的な駆動制御は、図6や図7を参照して後述する。
さらに、第2の実施の形態では、図5の左半分に示したように、温度センサ6に連結される形態で外部操作用温度センサ23が設けられている。温度センサ6と外部操作用温度センサ23との間は、直接接続されてもよいし、伝熱材等を介して接続されてもよい。また、温度センサ6の両側面に接続された伝熱板61が、外部操作用温度センサ23の両側面まで延設されている。
このような構造とすることで、外部操作用温度センサ23は、温度センサ6による検知温度を検知することができるようになる。そして、図4に示したように、外部操作用温度センサ23が検知した検知温度(すなわち、温度センサ6によって検知された検知温度)は、例えば検知温度信号として検知温度制御装置22の入力回路221に入力され、入力回路221を介してマイコン224(CPU222)に伝送される。
ここで、第1の実施の形態では、検知温度制御装置12は温度センサ6による実際の検知温度を取得できる構成ではないため、例えばペルチェ素子126の駆動によって検知温度を低下させてエアコン5の駆動(冷房運転)を停止させたり、ヒータ127の駆動によって検知温度を上昇させてエアコン5の駆動(冷房運転)を開始させたりする際に、エアコン5の実際の駆動タイミングを認識することはできず、当該駆動タイミングを過去の経験的なデータ等から推算するものであった。このような推算に基づく制御では、実際の状況との誤差が生じる可能性は否定できず、誤差分のエアコン5の駆動によって、若干の省エネ性や快適性の低下が生じるおそれがあった。これに対して、第2の実施の形態では、検知温度制御装置22が温度センサ6による実際の検知温度を取得できることから、エアコン5の実際の駆動タイミングをより精密に認識することができ、高精度な空調制御が可能となる。
以下では、このような空調制御システム2によるかご41内の空調の制御処理(エアコン外部操作処理)について、図6,図7を参照しながら詳述する。
図6は、第2の実施の形態に係る空調制御システムによるエアコン外部操作処理の処理手順例を示すフローチャートである。
図6によればまず、エアコン外部操作処理が開始されると、人検知センサ21によるエレベーター4のかご41に近づく人(乗客)の検知が開始される(ステップS101)。なお、本例では、エレベーター4の運転時間帯となったときに、同時にかご41内の空調の開始時間となり、空調制御システム2による外部操作処理が開始されるとする。
次に、検知温度制御装置22は、人検知センサ21によって人が検知されたか否か(すなわち、人検知センサ21から人検知情報を受信したか否か)を判定する(ステップS102)。人が検知された場合は(ステップS102のYES)、ステップS103に進み、検知した人がかご41に乗り込むまでにかご41内を空調するために、検知温度制御装置22のマイコン224(CPU222)は、エアコン5に冷房運転を行わせる外部操作を行う。一方、人が検知されなかった場合は(ステップS102のNO)、後述するステップS110に進み、無人状態のかご41内を空調しないように、検知温度制御装置22のマイコン224(CPU222)は、エアコン5に冷房運転を行わせない外部操作を行う。
ステップS103では、エアコン5に冷房運転を行わせる外部操作として、検知温度制御装置22は、ヒータ227を駆動させて温度センサ6を加熱する。より具体的な制御としては、CPU222は、メモリ223に記憶されている冷却停止信号及び加熱開始信号を出力回路225に送る。そして、出力回路225は、冷却停止信号の入力に応じてペルチェ素子226の駆動を停止させ、加熱開始信号の入力に応じてヒータ227を駆動させる。ペルチェ素子226の駆動が停止し、ヒータ227が駆動することによって温度センサ6は加熱される。この結果、温度センサ6による検知温度は上昇する。なお、エアコン外部操作処理の開始直後のように、ペルチェ素子226が駆動していないことが明らかな状況では、冷却停止信号の出力を省略してもよい。
次にステップS104では、外部操作用温度センサ23が温度を検知することによって、温度センサ6による検知温度を取得する。なお、図5を参照して前述したように、第2の実施の形態においては、外部操作用温度センサ23による検知温度は、温度センサ6による検知温度と一致(または略一致)する。ステップS104で取得された検知温度は、検知温度信号として入力回路221を介してマイコン224(CPU222)に伝送される。
そして、ステップS105において、CPU222は、入力された検知温度信号に基づいて、上昇した検知温度が目標温度に達したか否かを判定し、目標温度に達したと判定した場合には(ステップS105のYES)、ステップS106に進み、目標温度に達していないと判定した場合には(ステップS105のNO)、目標温度に達したと判定されるまでステップS104〜S105の処理を繰り返す。
ステップS106では、上昇した検知温度が目標温度に達したと判定したことから、ヒータ227の駆動を停止させる。より具体的な制御としては、CPU222は、メモリ223に記憶されている加熱停止信号を出力回路225に送る。そして、出力回路225は、加熱停止信号の入力に応じてヒータ227の駆動を停止させる。このステップS106の時点で、温度センサ6による検知温度が目標温度に達していることから、エアコン制御装置51がエアコン5の駆動(冷房運転)を開始する。
その後、CPU222は、エアコン5の駆動時間を計測し(ステップS107)、駆動時間が「エアコン駆動設定時間(第1の実施の形態で説明したのと同様であり、詳細は省略する)」を経過するまで、エアコン5の駆動を継続させる(ステップS108)。なお、エアコン5の駆動が開始してからエアコン駆動設定時間が経過するまでの間、検知温度制御装置22は、ペルチェ素子226やヒータ227に対する特段の信号を出力しなくてよい。また、ステップS108においてエアコン駆動設定時間が経過した場合には、エアコン制御装置51がエアコン5の駆動(冷房運転)を終了する。
そして、ステップS109において、CPU222は、設定時間から現時点までに人検知センサ21による人検知がなかったか否か(すなわち、人検知センサ21から人検知情報を追加で受信していないか否か)を判定する。人検知情報を追加受信していなかった場合は(ステップS109のYES)、ステップS110に進む。一方、人検知情報を追加受信していた場合は(ステップS109のNO)、追加で検知された人(乗客)のためにエアコン5のかご41内の空調を行う必要があるため、ステップS103に戻り、改めてエアコン5に冷房運転を行わせる外部操作を行う。
なお、図6のフローチャートでは、ステップS108において駆動開始からエアコン駆動設定時間が経過してエアコン5が一旦停止した後に、ステップS109において改めてエアコン5を駆動させるか否かを判断する処理を行っているが、例えば、エアコン駆動設定時間が経過する直前にステップS109の処理を行うようにしてもよい。このような処理とする場合、人検知情報を追加受信していた場合に(ステップS109のNO)、エアコン5の駆動が停止する前にその駆動継続を判断することができるため、エアコン5のOFF/ONによる電力消費ロスを回避することができ、省エネ効果に期待できる。
ステップS110では、かご41内が無人状態と想定されるため、検知温度制御装置22のマイコン224(CPU222)は、エアコン5に冷房運転を行わせない外部操作として、ペルチェ素子226を駆動させて温度センサ6を冷却する。より具体的な制御としては、CPU222は、メモリ223に記憶されている冷却開始信号を出力回路225に送る。そして、出力回路225は冷却開始信号の入力に応じてペルチェ素子226を駆動させる。ペルチェ素子226が駆動することによって温度センサ6は冷却されるため、温度センサ6による検知温度は低下する。したがって、ペルチェ素子226が駆動される限り、エアコン5の停止状態が継続される。
ステップS110の後、CPU222は、外部操作用温度センサ23からの検知温度信号(温度センサ6による検知温度)を取得し続け、低下した検知温度が所定の「冷却下限温度」に到達したか否かを判定する(ステップS111)。ここで「冷却下限温度」は、ペルチェ素子226による過剰冷却を防止するために予め設定される任意の温度であり、少なくとも、かご41内の目標温度よりも低い温度であればよい。
ステップS111において検知温度が冷却下限温度に到達していないと判定した場合には(ステップS111のNO)、ペルチェ素子226による冷却を継続したままステップS112に進む。ステップS112では、人検知センサ21による人検知があったか否か(人検知センサ21から人検知情報を受信したか否か)を判定し、人検知がなかったと判定した場合は(ステップS112のNO)、ステップS111に戻る。また、ステップS112において人検知があったと判定した場合は(ステップS112のYES)、検知した乗客のためにかご41内の空調を開始する必要があることから、CPU222はペルチェ素子226の駆動を停止させ(ステップS113)、ステップS103に戻る。
一方、ステップS111において検知温度が冷却下限温度に到達したと判定した場合には(ステップS111のYES)、それ以上の冷却を進めないために、CPU222は冷却停止信号を出力することによってペルチェ素子226の駆動を停止させる(ステップS114)。このような冷却下限温度を設定し、温度センサ6による検知温度が冷却下限温度以下とならないように制御することによって、その後、エアコン5を駆動させるためにヒータ227を加熱する際に、目標温度まで上昇するまでにより長い時間を必要としないようにすることができる。すなわち、検知温度が過剰に低下していると、エアコン5の駆動開始となる目標温度に到達するまでに、ヒータ227からより多くの熱量を温度センサ6に与えなければならず、消費電力及び時間の面で無駄が生じてしまう(例えば、乗客が乗ってくるまでに十分な空調が間に合わないことも想定される)が、本実施の形態に係る外部操作処理によれば、このような問題点を解決することができる。
その後、ステップS115では、CPU222は、人検知センサ21による人検知がなかったか否か(人検知センサ21から人検知情報を受信していないか否か)を判定する。ステップS115において人検知があったと判定した場合は(ステップS115のNO)、ステップS109のYESの場合と同様、検知された人(乗客)のためにエアコン5のかご41内の空調を行う必要があるため、ステップS103に戻り、改めてエアコン5に冷房運転を行わせる外部操作を行う。ステップS115において人検知がなかったと判定した場合は(ステップS115のYES)、ステップS116に進む。
ステップS116では、CPU222は、外部操作用温度センサ23からの検知温度信号に基づいて、温度センサ6の検知温度が所定の「冷却上限温度」になっていないか否かを判定する。ここで、「冷却上限温度」とは、目標温度と冷却下限温度との間で予め任意に設定された所定の温度であって、エアコン5の運転を開始させないように制御したい場合に、自然な温度上昇等によって温度センサ6の検知温度が目標温度に到達してしまってエアコン5が駆動されることを防止するために設定される。そして、ステップS116において検知温度が冷却上昇温度に到達していると判定した場合は(ステップS116のNO)、ステップS110に進み、ペルチェ素子226の駆動によって温度センサ6の冷却を開始することで、検知温度が目標温度まで上昇しないようにすることができる。以上のような制御処理を行うことによって、不要なタイミング(エアコン5を駆動させる必要がない状況)においてエアコン5が駆動してしまうことを防止できるため、省エネ効果に期待できる。
一方、ステップS116において検知温度が冷却上昇温度に到達していないと判定した場合は(ステップS116のYES)、ステップS117に進む。ステップS117では、外部操作を終了する時間(例えば、エレベーター4の運転終了時間)であるか否かを判定し、終了する時間であれば(ステップS117のYES)、エアコン外部操作処理を終了する。終了する時間でなければ(ステップS117のNO)、ステップS102に戻り、外部操作を終了する時間が到来するまで、上述した処理を繰り返す。
以上、空調制御システム2によるエアコン外部操作処理の処理手順について説明した。次に、このようなエアコン外部操作処理が行われるときに、かご41内の空調が実際にどのように制御されるかを、図7を参照しながら確認する。
図7は、第2の実施の形態に係る空調制御システムによる空調の制御例を示すタイムチャートである。
図7によればまず、かご41内に乗客がいないとき(人検知されるまで)は、エアコン5を駆動させる必要はないため、ペルチェ素子126を駆動させて(ペルチェON)、温度センサ6を冷却しておく。この冷却により、かご41内の空気温度が目標温度より高くなっていたとしても、温度センサ6の検知温度は目標温度よりも低く抑えられるため、エアコン制御装置51によるエアコン5の駆動(冷房運転)は行われない。
次に、人検知センサ21によって人が検知されると、ペルチェ素子126の駆動を停止させる(ペルチェOFF)とともに、ヒータ127を駆動させて(ヒータON)、温度センサ6を加熱する。温度センサ6の加熱が続いて温度センサ6の検知温度が目標温度に到達すると、エアコン制御装置51によってエアコン5の駆動(冷房運転)が開始される。そしてこのタイミングでヒータ127の駆動は停止される(ヒータOFF)。
そして、エアコン5が運転されている状態でかご41内に乗客が入室し、エレベーター4が目的階に到着すると乗客は退室する。このような乗客の滞在時間が「エアコン駆動設定時間」として経験的に算出されており、乗客の追加入室がない場合は、エアコン5の駆動開始からエアコン駆動設定時間が経過するまで、エアコン5の駆動が継続される。なお、図6のステップS109等で説明したように、別の乗客が追加でかご41内に入室した場合には、エアコン5の再駆動または継続駆動が制御される。そして、乗客がかご41内に乗り込んでこなくなる(またはいなくなる)と、エアコン駆動設定時間が経過して、エアコン5の運転が終了する(エアコンOFF)。
なお、エアコン5の運転を終了する方法については、かご41内に人検知センサを設置し、かご41内に乗客がいなくなった場合に終了する他、例えば、図7に示したように、予め経験的に「エアコン駆動設定時間」を算出しておき、当該時間の経過後に終了するようにしてもよい。「エアコン駆動設定時間」については、第1の実施の形態で詳しく説明している。
そして、エアコン5の運転が終了した後は、再びペルチェ素子126が駆動されて温度センサ6が冷却される。この冷却により、かご41内の空気温度が自然上昇して目標温度を超えてしまうことを抑制できるため、無人状態でエアコン5が駆動されることを防止することができる。
以上のように、第2の実施の形態に係る空調制御システム2では、上述したエアコン外部操作処理によって、エアコン5の駆動基準となる検知温度に対する外部操作(冷却/加熱)を行うことにより、第1の実施の形態と同様に、エレベーター4に乗ってくると想定される乗客を検知した場合にのみ、エアコン5の冷房運転を駆動させて快適な空調を高精度で制御することができる。特に、第2の実施の形態では、実際の検知温度を確認しながらこれらの空調制御を実行することにより、エアコン5の駆動に関する認識の誤差を第1の実施の形態よりも小さくすることができるため、ペルチェ素子226の駆動によるエアコン5の停止や、ヒータ227の駆動によるエアコンの開始等のタイミングに対して、より精密かつスムーズな制御が可能となる。その結果、乗客が乗り込む直前にかご41内の空気が目標温度に到達するよう調整したり、乗客がかご41を出た直後にエアコン5の駆動を停止させたりといった制御が行われることで、エアコン5の無駄な駆動を抑制し、消費電力を余分に費やさないようにして省エネ効果を高めることができる。
また、第2の実施の形態に係る空調制御システム2では、温度センサ6の検知温度に対する冷却/加熱の外部操作を実現するためのペルチェ素子226やヒータ227、あるいは外部操作用温度センサ23は、温度センサ6の外側から接続されればよく(図5参照)、エアコン制御装置51における構造や制御を変更する必要がない。すなわち、本実施の形態に係る空調制御システム2は、第1の実施の形態と同様に、既存の汎用エアコンの制御装置を変更することなく利用して、エレベーター4のかご41内の空調を効率的に制御することができる。
また、第2の実施の形態に係る空調制御システム2は、乗客の乗り込みに対応してかご41内の空調を制御しているときに、追加の乗客の到来を検知した場合に、当該追加の乗客に対応してかご41内の空調を継続制御することができる(例えば、図6のステップS109及びS103)ことから、複数の乗客による様々な乗り込みパターンに対しても快適な空調を提供することができる。
さらに、第2の実施の形態に係る空調制御システム2は、エアコン5を駆動させる必要がない状況において、温度センサ6の検知温度を過剰に冷却させない処理(例えば、図6のステップS111及びS114)を行うことにより、次にエアコン5を駆動させる制御を行う際に、エアコン5の駆動開始温度(目標温度)まで速やかに検知温度を変更できるため、応答性の高い空調制御を実現することができ、乗客の快適性を向上させることに期待できる。
また、第2の実施の形態に係る空調制御システム2は、エアコン5を駆動させる必要がない状況において、温度センサ6の検知温度が自然上昇してしまうことを抑制する処理(例えば、図6のステップS116及びS110)を行うことにより、エアコン5の無駄な駆動を抑制し、省エネ効果をさらに高めることができる。
(3)第3の実施の形態
上述した第1または第2の実施の形態において、汎用エアコンとしてのエアコン5は、温度センサ6による検知温度に基づいて駆動が制御されるものであった。しかし、汎用エアコンのなかには、サーミスタ(サーミスタ抵抗)を用いた温度センサからの出力に基づいて駆動が制御されるものも知られている。サーミスタを用いた温度センサの場合、検知温度ではなく、温度によって変化する出力電圧(電圧信号)が出力され、エアコンの駆動は、この電圧信号に基づいて制御される。そこで、第3の実施の形態では、上記のように温度センサから出力される電圧信号に基づいて駆動するエアコンに対して、その駆動を外部操作によって制御する空調制御システムを説明する。
換言すると、第1または第2の実施の形態では、エアコン5のエアコン制御のために元々設置されている温度センサ6の検知温度を外部操作することによって間接的にエアコン5の駆動(ON/OFF)を制御していたのに対して、第3の実施の形態に係る空調制御システム3(特に電圧信号制御装置30)は、温度センサ7からエアコン5(エアコン制御装置51)に出力される電圧信号を外部から調整する(外部操作する)ことによって間接的にエアコン5の駆動(ON/OFF)を制御するという特徴を有している。
図8は、第3の実施の形態に係る空調制御システムの構成例を示す図である。
図8に示したように、第3の実施の形態に係る空調制御システム3は、人検知センサ31と電圧信号制御装置30とを備えて構成される。このうち、人検知センサ31は、第1または第2の実施の形態で説明した人検知センサ11,21と同様のセンサであり、説明を省略する。
電圧信号制御装置30は、温度センサ7から出力されてエアコン5(エアコン制御装置51)に入力される電圧信号(出力電圧を示す信号)を切替制御する機能を有する。詳細な回路図は図10に示すが、電圧信号制御装置30は、エアコン制御に使用される電圧信号の基となる抵抗について、温度センサ7に用いられるサーミスタ抵抗72と、切替用の高低の2種の抵抗(信号変換用高抵抗335、信号変換用低抵抗336)とを使い分けることによって、電圧信号の切替制御を実現する。図8において、電圧信号制御装置30は、接続される抵抗を切替可能な回路構成を有した信号変換回路33と、信号変換回路33に対して接続回路の切替を制御する信号変換機32とを備えている。
信号変換機32は、人検知センサ31からの人検知信号が入力される入力回路321と、信号変換回路33に対して接続回路の切替を指示するマイコン324(CPU322、メモリ323)と、マイコン324からの指示信号を信号変換回路33に出力する出力回路325とを備える。また、信号変換回路33は、温度センサ7からエアコン5(エアコン制御装置51)への出力を干渉可能に配置される。
以下では、このような電圧信号制御装置30に関して、温度センサ7の概要を補足した後、信号変換回路33の回路構成について詳しく説明する。
温度センサ7は、従来の一般的なサーミスタ(サーミスタ抵抗)を用いた温度センサである。図9は、一般的なサーミスタの特性を説明するための図である。図9に示したように、サーミスタは、温度と抵抗とが反比例となる特性を有している。すなわち、サーミスタの抵抗値は温度に対応して変化することから、サーミスタにかかる電圧(出力電圧:Vout)を算出することによって温度を特定することができる。相対的には、低温度に対応する抵抗値は低くなり、このとき出力電圧Voutも高くなる。また、高温度に対応する抵抗値は低くなり、このとき出力電圧Voutも低くなる。出力電圧Voutの算出式は、後述する〔数1〕に例示される。
図10は、第3の実施の形態における温度センサ及び信号変換器のブロック回路図である。図10に示した回路には、電圧算出用抵抗71(R)、サーミスタ抵抗72(R)、信号変換用高抵抗335(R)、及び信号変換用低抵抗336(R)が設けられており、リレー331〜334を操作することによって、電圧算出用抵抗71に接続される抵抗を変更できるようになっている。なお、電圧算出用抵抗71は、出力電圧Voutを算出するために活用される固定抵抗であって、例えばエアコン制御装置51の内部に設けられている(図示の便宜上、図10では、温度センサ7の内部に設けられているように示されている)。
具体的に、以降の説明では、リレー331,332によってサーミスタ抵抗72が電圧算出用抵抗71に接続されたときを「第1の接続回路」と称し、リレー331〜334によって信号変換用高抵抗335が電圧算出用抵抗71に接続されたときを「第2の接続回路」と称し、リレー331〜334によって信号変換用低抵抗336が電圧算出用抵抗71に接続されたときを「第3の接続回路」と称する。
第1の接続回路は、通常のエアコン制御が行われるときの回路状態であって、エアコン5(エアコン制御装置51)には、温度センサ7のサーミスタ抵抗72にかかる出力電圧を示す電圧信号(第1の電圧信号)が出力される。第1の接続回路が形成された場合には、温度センサ7のサーミスタ抵抗72にかかる出力電圧の変化に応じて、エアコン制御装置51によるエアコン5の駆動(例えば冷房運転)が行われ、具体的には、所定の目標温度に相当する電圧(以後、目標電圧と称する)以下となった場合に、エアコン5の冷房運転が行われる。すなわち、第1の接続回路における出力電圧は、第1または第2の実施の形態における「温度センサ6の検知温度」に対応する電圧に相当する。
なお、第1の接続回路における出力電圧Voutは、以下の〔数1〕によって算出される。また、この算出式の「R」を「R」または「R」に置き換えることによって、第2または第3の接続回路における出力電圧Voutを算出することができる。
Figure 2019156546
第2の接続回路は、エアコン5に冷房運転を行わせない外部操作用に用いられる回路状態であって、エアコン5(エアコン制御装置51)には、信号変換用高抵抗335にかかる出力電圧を示す電圧信号(第2の電圧信号)が出力される。ここで、信号変換用高抵抗335にかかる出力電圧は、抵抗と電圧の関係から比較的高い「高出力電圧」と称することができ、この高出力電圧は、エアコン5の駆動(冷房運転)の基準となる目標電圧よりも高い所定値とされる。
したがって、第2の接続回路が形成された場合には、このような高出力電圧を示す第2の電圧信号が出力されることによって、エアコン制御装置51によるエアコン5の駆動(冷房運転)が行われないように制御することができる。すなわち、第2の接続回路における高出力電圧は、第1または第2の実施の形態における「ペルチェ素子126,226の駆動によって目標温度よりも低く冷却された温度センサ6の検知温度」に対応する電圧に相当し、第2の接続回路に切り替える操作は、エアコン5に冷房運転を行わせない外部操作に相当する。
第3の接続回路は、エアコン5に冷房運転を行わせる外部操作用に用いられる回路状態であって、エアコン5(エアコン制御装置51)には、信号変換用低抵抗336にかかる出力電圧を示す電圧信号(第3の電圧信号)が出力される。ここで、信号変換用低抵抗336にかかる出力電圧は、抵抗と電圧の関係から比較的低い「低出力電圧」と称することができ、この低出力電圧は、エアコン5の駆動(冷房運転)の基準となる目標電圧よりも低い所定値とされる。
したがって、第3の接続回路が形成された場合には、このような低出力電圧を示す第3の電圧信号が出力されることによって、エアコン制御装置51によるエアコン5の駆動(冷房運転)が行われるように制御することができる。すなわち、第3の接続回路における低出力電圧は、第1または第2の実施の形態における「ヒータ127,227の駆動によって目標温度よりも高く加熱された温度センサ6の検知温度」に対応する電圧に相当し、第3の接続回路に切り替える操作は、エアコン5に冷房運転を行わせる外部操作に相当する。
以下では、このような空調制御システム3によるかご41内の空調の制御処理(エアコン外部操作処理)について、図11,図12を参照しながら詳述する。
図11は、第3の実施の形態に係る空調制御システムによるエアコン外部操作処理の処理手順例を示すフローチャートである。なお、図11に示すフローチャートの各処理のうち、図6に示したフローチャートと類似する処理については、詳細な説明を省略する。
図11によればまず、エアコン外部操作処理が開始されると、人検知センサ31によるエレベーター4のかご41に近づく人(乗客)の検知が開始される(ステップS201)。なお、本例では、エレベーター4の運転時間帯となったときに、同時にかご41内の空調の開始時間となり、空調制御システム3による外部操作処理が開始されるとする。
次に、電圧信号制御装置30の信号変換機32は、人検知センサ31によって人が検知されたか否か(すなわち、人検知センサ31から人検知情報を受信したか否か)を判定する(ステップS202)。人が検知された場合は(ステップS202のYES)、ステップS203に進み、検知した人がかご41に乗り込むまでにかご41内を空調するために、信号変換機32のマイコン324(CPU322)は、エアコン5に冷房運転を行わせる外部操作を行う。一方、人が検知されなかった場合は(ステップS202のNO)、後述するステップS209に進み、無人状態のかご41内を空調しないように、信号変換機32のマイコン324(CPU322)は、エアコン5に冷房運転を行わせない外部操作を行う。
ステップS203では、エアコン5に冷房運転を行わせる外部操作として、信号変換機32のマイコン324(CPU322)は、上記した第3の接続回路を形成するような制御信号をリレー331〜334に向けて出力する。当該制御信号に従ってリレー331〜334が接続先を変更することにより、信号変換用低抵抗336に電流が流れるようになり、出力電圧Voutは上記した「低出力電圧」に低下する。その結果、エアコン制御装置51には目標電圧よりも低い所定の低出力電圧を示す第3の電圧信号が送られるため、エアコン制御装置51はエアコン5の駆動(冷房運転)を開始する。
次にステップS204では、電圧信号制御装置30の信号変換機32は、エアコン5を通常駆動させる外部操作として、上記した第1の接続回路を形成するような制御信号をリレー331〜334に向けて出力する。当該制御信号に従ってリレー331〜334が接続先を変更することにより、サーミスタ抵抗72に電流が流れるようになり、出力電圧Voutは温度センサ7の検知温度に応じた出力電圧となる。その結果、エアコン制御装置51は、温度センサ7から出力される第1の電圧信号に基づいて、通常のエアコン制御を行う。
また、ステップS203においてエアコン5の駆動が開始してからは、図6のステップS107と同様に、CPU322がエアコン5の駆動時間を計測する(ステップS205)。そして、計測した駆動時間が「エアコン駆動設定時間」を経過すると(ステップS206)、図6のステップS109と同様に、CPU322は、設定時間から現時点までに人検知センサ31による人検知がなかったか否か(すなわち、人検知センサ31から人検知情報を追加で受信していないか否か)を判定する(ステップS207)。
ステップS207において人検知情報を追加受信していなかった場合は(ステップS207のYES)、エアコン5の駆動が停止され、ステップS209に進む。一方、人検知情報を追加受信していた場合は(ステップS207のNO)、追加で検知された人(乗客)のためにエアコン5のかご41内の空調を行う必要があるため、エアコン駆動設定時間を修正し(ステップS208)、ステップS204に戻って通常のエアコン制御を継続させる。なお、ステップS208におけるエアコン駆動設定時間の修正方法の一例としては、追加で人検知をしたタイミングでエアコン5の駆動時間をリセットして再度、エアコン駆動設定時間をカウントし直す等が考えられる。
ステップS209では、かご41内が無人の状態と考えられるため、信号変換機32のマイコン324(CPU322)は、エアコン5に冷房運転を行わせない外部操作として、上記した第2の接続回路を形成するような制御信号をリレー331〜334に向けて出力する。当該制御信号に従ってリレー331〜334が接続先を変更することにより、信号変換用高抵抗335に電流が流れるようになり、出力電圧Voutは上記した「高出力電圧」に上昇する。その結果、エアコン制御装置51には目標電圧よりも高い所定の高出力電圧を示す第2の電圧信号が送られるため、エアコン制御装置51はエアコン5の冷房運転を行わず、エアコンのOFF状態が継続される。
なお、第3の実施の形態では、エアコンのOFF状態を継続させるための第2の電圧信号は、所定値で固定され、図6に例示した第2の実施の形態におけるエアコン外部操作処理のように過剰に冷却してしまうという状況にはならないため、図6のステップS111〜S116に示した過剰冷却に対する処理のような処理を行う必要がない。すなわち、信号変換機32のマイコン324(CPU322)における処理負担を軽減する効果に期待できる。
そして、ステップS210では、図6のステップS117と同様に、外部操作を終了する時間(例えば、エレベーター4の運転終了時間)であるか否かを判定し、終了する時間であれば(ステップS210のYES)、エアコン外部操作処理を終了する。終了する時間でなければ(ステップS210のNO)、ステップS202に戻り、外部操作を終了する時間が到来するまで、上述した処理を繰り返す。
以上が、空調制御システム3によるエアコン外部操作処理の処理手順である。次に、このようなエアコン外部操作処理が行われるときに、かご41内の空調が実際にどのように制御されるかを、図12を参照しながら確認する。
図12は、第3の実施の形態に係る空調制御システムによる空調の制御例を示すタイムチャートである。図12のタイムチャートは、第2の実施の形態で例示した図7と同様に、冷房運転時のものである。また、第3の実施の形態では、エアコン制御装置51は出力電圧を示す電圧信号に基づいてエアコン5の駆動を制御するものであることから、図7の「温度」軸に対応するものとして、図12の左側の縦軸には「電圧」軸が示されている。なお、図12における「入力電圧」は、「出力電圧」を入力先のエアコン制御装置51側から見たときの表記である。
図12によればまず、かご41内に乗客がいないとき(人検知されるまで)は、エアコン5を駆動させる必要はないため、第2の接続回路を形成し、高出力電圧を示す第2の電圧信号が出力されるようにしておく。このとき、図12にも示したように、入力電圧は、目標温度相当の電圧(目標電圧)よりも高いため、エアコン制御装置51によるエアコン5の駆動(冷房運転)は行われない。
次に、人検知センサ31によって人が検知されると、第3の接続回路に切り替えて、低出力電圧を示す第3の電圧信号が出力されるようにする。この結果、入力電圧は、目標電圧よりも低くなるため、エアコン制御装置51によってエアコン5の駆動(冷房運転)が開始される。そしてエアコン5が駆動した後に、第1の接続回路に切り替えることにより、入力電圧は、温度センサ7による出力電圧(図12における実機検出電圧)となり、エアコン制御装置51によって通常のエアコン制御が行われるようになる。
なお、エアコン5の駆動開始のために第3の接続回路に切り替える時間は、理論的には一瞬でもよいが、現実的には、急に第3の接続回路(低出力電圧)から第1の接続回路(実機検出電圧)に切り替えたときに、サーミスタの温度センサ7による検出温度が不安定であった場合に実機検出電圧が乱高下する等して、誤動作によってエアコン5の駆動が停止されるおそれがあるため、図12にも示したように、第3の接続回路による低出力電圧の電圧信号の期間をある程度継続させることが好ましい。
そして、エアコン5が運転されている状態でかご41内に乗客が入室し、エレベーター4が目的階に到着すると乗客は退室する。このような乗客の滞在時間が「エアコン駆動設定時間」として経験的に算出されており、乗客の追加入室がない場合は、エアコン5の駆動開始からエアコン駆動設定時間が経過するまで、エアコン5の駆動が継続される。なお、別の乗客が追加でかご41内に入室した場合には、エアコン5の再駆動や継続駆動が制御される。このとき、エアコン5は通常制御されるため、図12に示すように、ON/OFF状態が細かに切り替えられる断続運転が行われることもある。図12では、このような駆動期間を「エアコン継続運転期間」として示している。そしてその後、乗客がかご41内に乗り込んでこなくなる(またはいなくなる)と、エアコン駆動設定時間が経過して、エアコン5の運転が終了する。
エアコン5の運転が終了した後は、かご41内は無人状態であることから、第2の接続回路を形成し、高出力電圧を示す第2の電圧信号が出力されるようにしておく。この結果、入力電圧は、目標温度相当の電圧(目標電圧)よりも高いため、エアコン制御装置51によるエアコン5の駆動(冷房運転)は行われない。
以上のように、第3の実施の形態に係る空調制御システム3では、上述したエアコン外部操作処理によって、エアコン5の駆動基準となる電圧信号に対して外部操作(高出力電圧切替/低出力電圧切替)を行うことにより、第1または第2の実施の形態と同様に、エレベーター4に乗ってくると想定される乗客を検知した場合にのみ、エアコン5の冷房運転を駆動させて快適な空調を高精度で制御することができる。
特に、第3の実施の形態における出力電圧の切替は、接続回路(接続抵抗)の切替によって即座に変更可能であることから、第1または第2の実施の形態のように、検知温度が所定温度(例えば目標温度)に達するまでの待ち時間が存在せず、エアコン5の駆動制御をより高精度に実現することができる。その結果、乗客が乗り込む直前にかご41内の空気が目標温度に到達するよう調整したり、乗客がかご41を出た直後にエアコン5の駆動を停止させたりといった制御が行われることで、エアコン5の無駄な駆動を抑制し、消費電力を余分に費やさないようにして省エネ効果を高めることができる。
なお、前述したように、第3の実施の形態に係る空調制御システム3では、エアコン5(エアコン制御装置51)に送信される電圧信号に対する外部操作に関して、高出力電圧と低出力電圧とを入れ替えて制御するようにすれば、エアコン5の暖房運転についても冷房運転と同様に制御することができ、効果も同様に得ることができる。
また、第3の実施の形態に係る空調制御システム3では、温度センサ7からエアコン5(エアコン制御装置51)に入力される電圧信号に対する切替の外部操作を実現するための構成として、信号変換回路33が設けられているが、この信号変換回路33は、温度センサ7のサーミスタ抵抗72を挟み込むように組み込まれればよく(図9や図10参照)、エアコン制御装置51における構造や制御を変更する必要がない。すなわち、本実施の形態に係る空調制御システム3は、第1または第2の実施の形態と同様に、既存の汎用エアコンの制御装置を変更することなく利用して、エレベーター4のかご41内の空調を効率的に制御することができる。
また、第3の実施の形態に係る空調制御システム3は、第2の実施の形態と同様に、乗客の乗り込みに対応してかご41内の空調を制御しているときに、追加の乗客の到来を検知した場合に、当該追加の乗客に対応してかご41内の空調を継続制御することができる(例えば、図11のステップS207及びS208)ことから、複数の乗客による様々な乗り込みパターンに対しても快適な空調を提供することができる。
さらに、第3の実施の形態に係る空調制御システム3では、エアコン5の駆動を制御するための外部操作において、接続回路の切替によって変更される出力電圧Voutは、所定の高出力電圧または低出力電圧に維持されるため、出力電圧の過剰な上昇や低下という状況を考慮する必要がなく、簡潔な制御処理によって、エアコン5の無駄な駆動を抑制し、省エネ効果を高めることができる。
以上、第1〜第3の実施の形態を説明した本発明の空調制御システム及び空調制御方法は、エアコンの機種及びメーカに関係なく適用可能であり、エレベーターあるいはエレベーター用エアコンの単独のリニューアル時にも、容易に適用可能である。
なお、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、各図において、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実施には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1,2,3 空調制御システム
4 エレベーター
5 エアコン
6,7 温度センサ
11,21,31 人検知センサ
12,22 検知温度制御装置
23 外部操作用温度センサ
30 電圧信号制御装置
32 信号変換機
33 信号変換回路
41 かご
51 エアコン制御装置
52 ダクト
61 伝熱板
71 電圧算出用抵抗
72 サーミスタ抵抗
121,221,321 入力回路
122,222,322 CPU
123,223,323 メモリ
124,224,324 マイコン
125,225,325 出力回路
126,226 ペルチェ素子
127,227 ヒータ
331〜334 リレー
335 信号変換用高抵抗
336 信号変換用低抵抗

Claims (14)

  1. 温度センサによる検知情報に基づいてエレベーターのかご内を空調する空調機に対して、当該空調機の駆動を外部から制御する空調制御システムであって、
    前記かごから離れた場所に設置されて人を検知する人検知センサと、
    前記人検知センサによる人検知の有無に基づいて、前記温度センサから前記空調機に送られる前記検知情報を操作することによって、前記空調機の駆動を制御する空調外部制御装置と、
    を備えることを特徴とする空調制御システム。
  2. 前記空調外部制御装置は、
    前記人検知センサによる前記人検知がない場合には、前記空調機が駆動されないように前記検知情報を操作する駆動停止用操作を行い、
    前記人検知センサによる前記人検知があった場合には、前記空調機が駆動されるように前記検知情報を操作する駆動開始用操作を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の空調制御システム。
  3. 前記空調外部制御装置は、
    前記空調機が駆動されてから所定の設定時間が経過するまでに前記人検知センサによる前記人検知がない場合には、前記駆動停止用操作を行い、
    前記空調機が駆動されてから前記設定時間が経過するまでに前記人検知センサによる前記人検知があった場合には、当該人検知のタイミングから前記設定時間の経過を再度カウントする
    ことを特徴とする請求項2に記載の空調制御システム。
  4. 前記温度センサから前記空調機に送られる前記検知情報が検知温度を示す信号であるとき、
    前記空調外部制御装置は、
    前記駆動停止用操作において、前記検知温度が前記空調機による冷房運転が行われない温度となるように前記温度センサを冷却し、
    前記駆動開始用操作において、前記検知温度が前記空調機による冷房運転が行われる温度となるように前記温度センサを加熱し、前記空調機による冷房運転が行われると当該加熱を停止する
    ことを特徴とする請求項2に記載の空調制御システム。
  5. 前記空調外部制御装置は、
    前記温度センサによる前記検知温度を検知する検知温度取得部を有する
    ことを特徴とする請求項4に記載の空調制御システム。
  6. 前記空調外部制御装置は、
    前記駆動停止用操作による前記温度センサの冷却によって前記検知温度が所定の冷却下限温度に達したことを前記検知温度取得部が検知した場合には、当該冷却を停止する
    ことを特徴とする請求項5に記載の空調制御システム。
  7. 前記温度センサから前記空調機に送られる前記検知情報が温度によって変化する出力電圧を示す信号であるとき、
    前記空調外部制御装置は、
    前記駆動停止用操作において、前記検知情報における前記出力電圧を、前記温度センサによる出力電圧から前記空調機による冷房運転が行われない所定の高電圧に切り替え、
    前記駆動開始用操作において、前記検知情報における前記出力電圧を、前記温度センサによる出力電圧から前記空調機による冷房運転が行われる所定の低電圧に切り替え、前記空調機による冷房運転が行われると前記温度センサによる出力電圧に切り替える
    ことを特徴とする請求項2に記載の空調制御システム。
  8. 前記空調機の駆動には、冷房運転及び暖房運転が含まれる
    ことを特徴とする請求項1に記載の空調制御システム。
  9. 温度センサによる検知情報に基づいてエレベーターのかご内を空調する空調機に対して、当該空調機の駆動を外部から制御する空調制御方法であって、
    前記かごから離れた場所に設置された人検知センサによって人を検知する人検知ステップと、
    前記人検知ステップにおける人検知の有無に基づいて、前記温度センサから前記空調機に送られる前記検知情報を操作することによって、前記空調機の駆動を制御する空調外部制御ステップと、
    を備えることを特徴とする空調制御方法。
  10. 前記人検知ステップにおいて前記人検知がない場合には、前記空調外部制御ステップにおいて、前記空調機が駆動されないように前記検知情報を操作する駆動停止用操作を行い、
    前記人検知ステップにおいて前記人検知があった場合には、前記空調外部制御ステップにおいて、前記空調機が駆動されるように前記検知情報を操作する駆動開始用操作を行う
    ことを特徴とする請求項9に記載の空調制御方法。
  11. 前記空調機が駆動されてから所定の設定時間が経過するまでに前記人検知センサによる前記人検知がない場合には、前記駆動停止用操作を行い、
    前記空調機が駆動されてから前記設定時間が経過するまでに前記人検知センサによる前記人検知があった場合には、当該人検知のタイミングから前記設定時間の経過を再度カウントする
    ことを特徴とする請求項10に記載の空調制御方法。
  12. 前記温度センサから前記空調機に送られる前記検知情報が検知温度を示す信号であるとき、
    前記空調外部制御ステップにおいて、
    前記駆動停止用操作を行う場合には、前記検知温度が前記空調機による冷房運転が行われない温度となるように前記温度センサを冷却し、
    前記駆動開始用操作を行う場合には、前記検知温度が前記空調機による冷房運転が行われる温度となるように前記温度センサを加熱し、前記空調機による冷房運転が行われると当該加熱を停止する
    ことを特徴とする請求項10に記載の空調制御方法。
  13. 前記温度センサによる前記検知温度を検知する検知温度取得ステップをさらに備え、
    前記空調外部制御ステップにおいて、
    前記駆動停止用操作が行われたことによって冷却された前記温度センサの前記検知温度が所定の冷却下限温度に達したことが、前記検知温度取得ステップによって検知された場合には、当該冷却を停止する
    ことを特徴とする請求項12に記載の空調制御方法。
  14. 前記温度センサから前記空調機に送られる前記検知情報が温度によって変化する出力電圧を示す信号であるとき、
    前記空調外部制御ステップにおいて、
    前記駆動停止用操作を行う場合には、前記検知情報における前記出力電圧を、前記温度センサによる出力電圧から前記空調機による冷房運転が行われない所定の高電圧に切り替え、
    前記駆動開始用操作を行う場合には、前記検知情報における前記出力電圧を、前記温度センサによる出力電圧から前記空調機による冷房運転が行われる所定の低電圧に切り替え、前記空調機による冷房運転が行われると前記温度センサによる出力電圧に切り替える
    ことを特徴とする請求項10に記載の空調制御方法。
JP2018043475A 2018-03-09 2018-03-09 空調制御システム及び空調制御方法 Pending JP2019156546A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018043475A JP2019156546A (ja) 2018-03-09 2018-03-09 空調制御システム及び空調制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018043475A JP2019156546A (ja) 2018-03-09 2018-03-09 空調制御システム及び空調制御方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019156546A true JP2019156546A (ja) 2019-09-19

Family

ID=67994484

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018043475A Pending JP2019156546A (ja) 2018-03-09 2018-03-09 空調制御システム及び空調制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019156546A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112128946A (zh) * 2020-09-11 2020-12-25 青岛海尔空调器有限总公司 电梯轿厢的环境调节方法以及电梯空调器

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112128946A (zh) * 2020-09-11 2020-12-25 青岛海尔空调器有限总公司 电梯轿厢的环境调节方法以及电梯空调器
CN112128946B (zh) * 2020-09-11 2022-04-19 青岛海尔空调器有限总公司 电梯轿厢的环境调节方法以及电梯空调器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8863536B1 (en) Two mode thermostat with set-back temperature and humidity set-point feature
JP5629189B2 (ja) 制御装置および方法
US20150344044A1 (en) Railway-car total heat exchange ventilation system
US20180142915A1 (en) Hvac system start/stop control
KR100575922B1 (ko) 자동차의 전기가열시스템
US11268717B2 (en) Thermostat power monitoring, mitigation and alert
JP2006290245A (ja) 車両用空調装置
JP2019156546A (ja) 空調制御システム及び空調制御方法
KR20170040275A (ko) 버스 시스템 및 그 제어 방법
JPWO2017187668A1 (ja) 空調制御装置および車両制御システム
JP4872842B2 (ja) 空調制御システム
CN110650856A (zh) 用于控制至少一个空调装置的方法和移动终端
US20200153364A1 (en) Hvac hybrid blower motor soft start
KR101200157B1 (ko) 차량의 시트 냉난방장치의 온도 조절 장치 및 그 방법
JP5932003B1 (ja) エレベータの群管理制御装置
JP4921100B2 (ja) 空調機制御装置
KR101683918B1 (ko) 실내 및 시트 통합공조 방법과 그 장치
JP2010091155A (ja) Ptcヒータ制御装置及び室温変化判定装置
JP2010060200A (ja) 空調システム、及び空調方法
JP5836239B2 (ja) 空気調和機、およびその制御方法
JP2006064324A (ja) 外出時省エネルギー運転機能を有する熱量調和装置
US20230191871A1 (en) Vehicle seat for storing thermal energy for occupant comfort
US20230191873A1 (en) Adaptive vehicle hvac system dependent on operator location relative to vehicle
JP7082310B2 (ja) 空調システム
KR100999672B1 (ko) 차량용 실내온도 조절장치