JP2019154012A - 電力増幅回路及び電力増幅器 - Google Patents

電力増幅回路及び電力増幅器 Download PDF

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悠里 本多
Yuri Honda
悠里 本多
祐介 島宗
Yusuke Shimamune
祐介 島宗
史生 播磨
Fumio Harima
史生 播磨
謙治 向井
Kenji Mukai
謙治 向井
森川 正敏
Masatoshi Morikawa
正敏 森川
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Abstract

【課題】バーストの有効期間内において、出力電力が一定の範囲内に収まる電力増幅器を提供する。【解決手段】電力増幅回路9は、第1及び第2トランジスタ21、22と、第1及び第2トランジスタの電気的バイアス状態を設定するバイアス回路10と、を備える。第2トランジスタのコレクタ及びバイアス回路は、定電流が供給される第1ノードN1に接続される。バイアス回路は、第1ノードから供給される電流に応じた電流を、第2ノードN2に出力し、第1及び第2トランジスタのベースには、高周波信号が入力されるとともに、第2ノードからバイアス電流が供給され、第1トランジスタは、高周波信号を増幅して、コレクタから出力する。【選択図】図2

Description

本発明は、電力増幅回路及び電力増幅器に関する。
携帯電話装置、スマートフォン等で例示される移動体通信装置において、無線周波数(RF:radio frequency)信号の増幅に、電力増幅器が用いられている。
下記の特許文献1には、負荷変動や変調波モードの違いにも追従して正確な電力レベルを検出できる検波回路が、記載されている。
下記の特許文献2には、高出力、高効率および広ダイナミックレンジを有する低歪みな高周波信号を出力する高周波電力増幅器が、記載されている。
特開2010−41233号公報 特開2012−138677号公報
第2世代の通信規格であるGSM(登録商標)(global system for mobile communications)では、PVT(Power versus Time)が規定されている。PVTでは、バーストの有効期間内において、出力電力が一定の範囲内に収まることが要求される。
しかしながら、電力増幅を行うトランジスタは、動作時間の経過に伴って、温度が上昇する。トランジスタは、温度が上昇すると、電流増幅率β(=hFE)が低下する。トランジスタの電流増幅率βが低下すると、バーストの有効期間内において、出力電力が一定の範囲内に収まらなくなる可能性がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、出力特性を好適にすることを可能とすることを目的とする。
本発明の一側面の電力増幅回路は、第1及び第2トランジスタと、第1及び第2トランジスタの電気的バイアス状態を設定するバイアス回路と、を備える。第2トランジスタのコレクタ及びバイアス回路は、定電流が供給される第1ノードに接続され、バイアス回路は、第1ノードから供給される電流に応じた電流を、第2ノードに出力し、第1及び第2トランジスタのベースには、高周波信号が入力されるとともに、第2ノードからバイアス電流が供給され、第1トランジスタは、高周波信号を増幅して、コレクタから出力する。
本発明の一側面の電力増幅器は、上記の電力増幅回路と、電力増幅回路よりも前段で高周波信号を増幅する前段トランジスタと、前段トランジスタの電気的バイアス状態を設定する前段バイアス回路と、を備える。前段バイアス回路は、第1ノードに接続され、前段バイアス回路は、第1ノードから供給される電流に応じたバイアス電流を、前段トランジスタのベースに出力し、前段トランジスタのベースには、高周波信号が入力されるとともに、前段バイアス回路からバイアス電流が供給され、前段トランジスタは、高周波信号を増幅して、コレクタから後段に出力する。
本発明によれば、出力特性を好適にすることが可能となる。
第1の実施の形態の電力増幅器の構成を示す図である。 第1の実施の形態の電力増幅回路の回路構成を示す図である。 第1の実施の形態の比較例の電力増幅回路の回路構成を示す図である。 第1の実施の形態の比較例の電力増幅回路の波形を示す図である。 第1の実施の形態の電力増幅回路の波形を示す図である。 第2の実施の形態の電力増幅回路の回路構成を示す図である。 第2の実施の形態の電力増幅回路の変形例の回路構成を示す図である。 第3の実施の形態の電力増幅回路の回路構成を示す図である。 第4の実施の形態の電力増幅器の回路レイアウトの概要を示す図である。 第4の実施の形態の電力増幅回路の波形を示す図である。 第4の実施の形態の比較例の電力増幅回路の波形を示す図である。 第4の実施の形態の電力増幅回路の波形を示す図である。 第4の実施の形態の比較例の電力増幅回路の回路構成を示す図である。 第5の実施の形態の電力増幅器の回路構成を示す図である。 第6の実施の形態の電力増幅器の回路構成を示す図である。
以下に、本発明の電力増幅器の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。各実施の形態は例示であり、異なる実施の形態で示した構成の部分的な置換又は組み合わせが可能であることは言うまでもない。第2の実施の形態以降では第1の実施の形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については実施の形態毎には逐次言及しない。
<第1の実施の形態>
(構成)
図1は、第1の実施の形態の電力増幅器の構成を示す図である。電力増幅器1は、携帯電話装置で例示される移動体通信装置において、音声、データ等の各種信号を基地局へ送信するために利用可能である。
電力増幅器1は、前段の回路から入力される、無線周波数の高周波入力信号RFinを増幅する。そして、電力増幅器1は、増幅後の高周波出力信号RFoutを後段の回路に出力する。前段の回路は、変調信号の電力を調整する送信電力制御回路が例示されるが、これに限定されない。後段の回路は、高周波出力信号RFoutに対するフィルタリング等を行ってアンテナに送信するフロントエンド回路が例示されるが、これに限定されない。高周波入力信号RFin及び高周波出力信号RFoutの周波数は、数百MHz(メガヘルツ)から数十GHz(ギガヘルツ)程度が例示されるが、これに限定されない。
電力増幅器1は、初段の第1電力増幅回路3と、前段の回路と第1電力増幅回路3との間のインピーダンス整合を行う第1整合回路2と、を含む。第1電力増幅回路3は、第1整合回路2を通過後の高周波入力信号RFinを増幅し、増幅後の高周波信号RFを出力する。第1電力増幅回路3は、ドライバ段電力増幅回路と称しても良い。電力増幅器1は、第1電力増幅回路3の電気的バイアス状態を設定する第1バイアス回路4を含む。
電力増幅器1は、中間段の第2電力増幅回路6と、第1電力増幅回路3と第2電力増幅回路6との間のインピーダンス整合を行う第2整合回路5と、を含む。第2電力増幅回路6は、第2整合回路5を通過後の高周波信号RFを増幅し、増幅後の高周波信号RFを出力する。電力増幅器1は、第2電力増幅回路6の電気的バイアス状態を設定する第2バイアス回路7を含む。
電力増幅器1は、最終段の第3電力増幅回路9と、第2電力増幅回路6と第3電力増幅回路9との間のインピーダンス整合を行う第3整合回路8と、を含む。第3電力増幅回路9は、第3整合回路8を通過後の高周波信号RFを増幅し、増幅後の高周波出力信号RFoutを出力する。第3電力増幅回路9は、パワー段電力増幅回路と称しても良い。電力増幅器1は、第3電力増幅回路9の電気的バイアス状態を設定する第3バイアス回路10を含む。第3電力増幅回路9から出力される高周波出力信号RFoutは、第4整合回路11を通過後に、後段の回路に入力される。
第1整合回路2から第4整合回路11までの各々は、キャパシタやインダクタや抵抗を用いて構成可能である。
第1電力増幅回路3、第2電力増幅回路6及び第3電力増幅回路9は、3段の電力増幅回路を構成する。なお、電力増幅回路の段数は3段に限定されず、1段又は2段であっても良いし、4段以上であっても良い。
図2は、第1の実施の形態の電力増幅回路の回路構成を示す図である。
第3電力増幅回路9は、トランジスタ21及び22を含む。トランジスタ21及び22の各々は、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(Heterojunction Bipolar Transistor:HBT)が例示されるが、これに限定されない。例えば、電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor:FET)であってもよい。
トランジスタ21が、本開示の「第1トランジスタ」に対応し、トランジスタ22が、本開示の「第2トランジスタ」に対応する。
トランジスタ21及び22の各々は、複数の単位トランジスタ(フィンガーとも言う)を電気的に並列接続した、マルチフィンガートランジスタであっても良い。トランジスタ21のフィンガー数と、トランジスタ22のフィンガー数との比は、66:1が例示されるが、これに限定されない。なお、単位トランジスタとは、トランジスタが構成される最小限の構成と言う。
トランジスタ21を構成する単位トランジスタのサイズと、トランジスタ22を構成する単位トランジスタのサイズと、は同じであっても良いし、異なっていても良い。
トランジスタ21とトランジスタ22とは、熱結合していることが好ましい。つまり、トランジスタ22の温度は、トランジスタ21の温度が反映され、トランジスタ21の温度と略同じであることが好ましい。一例として、トランジスタ21及び22を構成する複数の単位トランジスタを、マトリクス状に配列する。複数の単位トランジスタをマトリクス状に配列すると、中央部の温度が最も高くなり、隅部の温度が最も低くなる。従って、トランジスタ22を構成する1個の単位トランジスタをマトリクスの中央部に配置すると、トランジスタ21を構成する単位トランジスタの高い温度がトランジスタ22を構成する単位トランジスタの温度に反映されて、好ましい。加えて、トランジスタ22を構成するもう1個の単位トランジスタを、マトリクスの隅部に配置すると、トランジスタ21を構成する単位トランジスタの低い温度がトランジスタ22を構成する単位トランジスタの温度に反映されて、更に好ましい。トランジスタ21及び22を構成する複数の単位トランジスタの配置については、後の実施の形態で詳しく説明する。
トランジスタ21のエミッタは、基準電位に接続されている。基準電位は、接地電位が例示されるが、これに限定されない。
第3電力増幅回路9は、抵抗23及びキャパシタ25を含む。トランジスタ21のベースには、抵抗23を介して、第3バイアス回路10からバイアス電流及びバイアス電圧が供給される。トランジスタ21のベースには、キャパシタ25を介して、第3整合回路8を通過後の高周波信号RFが入力される。
第3電力増幅回路9は、チョークインダクタ27を含む。トランジスタ21のコレクタは、チョークインダクタ27を介して、電源電位Vccに接続されている。チョークインダクタ27は、電源電位Vccの直流電力を、トランジスタ21のコレクタに供給する。トランジスタ21のコレクタには、チョークインダクタ27を介して、電源電位Vccからコレクタ電流Iccが流れる。
チョークインダクタ27は、高周波信号RF及び高周波出力信号RFoutの周波数帯域に対して、十分に高いインピーダンスを有するものとする。つまり、チョークインダクタ27のインピーダンスは、高周波信号RF及び高周波出力信号RFoutの周波数帯域を考慮するに際して、無視できるものとする。また、チョークインダクタ27は、高周波信号RF及び高周波出力信号RFoutの電源回路への結合を抑制する。
トランジスタ21は、高周波出力信号RFoutを、コレクタから出力する。
トランジスタ22のエミッタは、基準電位に接続されている。第3電力増幅回路9は、抵抗24及びキャパシタ26を含む。トランジスタ22のベースには、抵抗24を介して、第3バイアス回路10からバイアス電流及びバイアス電圧が供給される。トランジスタ22のベースには、キャパシタ26を介して、第3整合回路8を通過後の高周波信号RFが入力される。
なお、第1の実施の形態では、トランジスタ21及び22の各々をエミッタ接地回路としたが、これに限定されない。トランジスタ21及び22の各々は、エミッタフォロワ回路であっても良い。
第3電力増幅回路9は、抵抗28及びキャパシタ29を含む。トランジスタ22のコレクタは、抵抗28の一端が接続されている。抵抗28の他端は、キャパシタ29を介して、基準電位に接続されている。つまり、抵抗28及びキャパシタ29は、ローパスフィルタ30を構成する。抵抗28の他端は、第1ノードNに接続されている。トランジスタ22のコレクタには、抵抗28を介して、コレクタ電流Irepが第1ノードNから流れる。
なお、キャパシタ29は、基準電位に代えて、電源電位に接続されていても良い。
トランジスタ22のベースには、キャパシタ26を介して、高周波信号RFの一部が入力される。従って、トランジスタ22のコレクタには、高周波信号が現れる。しかしながら、トランジスタ22のコレクタに現れる高周波信号は、ローパスフィルタ30によって抑制される。従って、第1ノードNからトランジスタ22のコレクタに流れるコレクタ電流Irepは、高周波成分を含まない。なお、ローパスフィルタ30のカットオフ周波数は、高周波信号RFよりも低いことが好ましい。これにより、ローパスフィルタ30は、トランジスタ22のコレクタに現れる高周波信号を好適に除去できる。
第3バイアス回路10は、抵抗41を含む。抵抗41の一端には、定電流源51から定電流が供給される。なお、抵抗41の一端には、定電流源51に代えて定電圧源が接続され、定電圧源から定電圧が供給されても良い。なお、定電流源51、定電圧源51は可変できる構成があってもよい。
抵抗41の他端には、トランジスタ42のコレクタ及びベースが接続されている。トランジスタ42は、コレクタ及びベースが接続されているので、ダイオードと等価である。トランジスタのコレクタとベースを接続する構成を以後、ダイオード接続と呼ぶ。トランジスタ42のエミッタには、トランジスタ43のコレクタ及びベースが接続されている。トランジスタ43は、ダイオード接続されている。トランジスタ43のエミッタは、基準電位に接続されている。トランジスタ42のコレクタ及びベースの電位は、トランジスタ42のコレクタ−エミッタ経路及びトランジスタ43のコレクタ−エミッタ経路の電圧降下分に相当する。つまり、ダイオード2個分の電圧降下に相当する。
第3バイアス回路10は、キャパシタ44を含む。キャパシタ44は、トランジスタ42のコレクタ及びベースと、基準電位との間に接続されている。キャパシタ44は、トランジスタ42のコレクタ及びベースの電位を安定させる。
第3バイアス回路10は、抵抗45を含む。抵抗45の一端は、トランジスタ42のコレクタ及びベースに接続されている。
第3バイアス回路10は、トランジスタ46を含む。トランジスタ46のベースは、抵抗45の他端に接続されている。トランジスタ46のベースには、抵抗41及び45を介して、ベース電流が供給される。トランジスタ46のベース電位は、トランジスタ42のコレクタ及びベースの電位から、抵抗45の電圧降下分を引いた電位になる。なお、トランジスタ46はバイポーラトランジスタを電界効果トランジスタに置き換えても良い。
トランジスタ46のコレクタは、第1ノードNに接続されている。第1ノードNには、定電流Ibatが定電流源52から供給される。従って、トランジスタ46のコレクタ電流Ibbと、トランジスタ22のコレクタ電流Irepと、の和は、定電流Ibatである。つまり、Ibat=Ibb+Irepである。
トランジスタ46のエミッタは、第2ノードNに接続されている。また、トランジスタ21のベースは、抵抗23を介して第2ノードNに接続されている。同様に、トランジスタ22のベースは、抵抗24を介して第2ノードNに接続されている。従って、トランジスタ46は、エミッタ出力のエミッタフォロワ回路として動作する。従って、第2ノードNの電圧は、一定に保たれる。
また、トランジスタ21のベース電流Ib1と、トランジスタ22のベース電流Ib2と、の和は、トランジスタ46のエミッタ電流に等しい。トランジスタ46のエミッタ電流は、トランジスタ46のコレクタ電流Ibbと、トランジスタ46のベース電流と、の和である。トランジスタ46のベース電流は、トランジスタ46のコレクタ電流Ibbに比べて、非常に小さい。従って、トランジスタ21のベース電流Ib1と、トランジスタ22のベース電流Ib2と、の和は、トランジスタ46のコレクタ電流Ibbと略等しい。つまり、Ibb≒Ib1+Ib2である。
トランジスタ21のベース電流Ib1と、トランジスタ22のベース電流Ib2と、の比は、抵抗23の抵抗値とトランジスタ21のベース−エミッタ間の抵抗値との和と、抵抗24の抵抗値とトランジスタ22のベース−エミッタ間の抵抗値との和と、の比で定まる。例えば、抵抗23の抵抗値とトランジスタ21のベース−エミッタ間の抵抗値との和と、抵抗24の抵抗値とトランジスタ22のベース−エミッタ間の抵抗値との和と、の比が1:2である場合には、トランジスタ21のベース電流Ib1と、トランジスタ22のベース電流Ib2と、の比は、2:1になる。
なお、第1ノードNに供給される定電流Ibatが、可変であっても良い。一例として、第3電力増幅回路9が第1電力の高周波出力信号RFoutを出力する第1モード(以下、高出力モードと称する場合がある)の場合には、定電流源52は、一定の第1電流を第1ノードNに出力しても良い。また、第3電力増幅回路9が第1電力よりも低い第2電力の高周波出力信号RFoutを出力する第2モード(以下、中出力モードと称する場合がある)の場合には、定電流源52は、第1電流値より小さい一定の第2電流を第1ノードNに出力しても良い。また、第3電力増幅回路9が第2電力よりも低い第3電力の高周波出力信号RFoutを出力する第3モード(以下、低出力モードと称する場合がある)の場合には、定電流源52は、第2電流値より小さい一定の第3電流を第1ノードNに出力しても良い。
これにより、中出力モードの場合には、トランジスタ46のコレクタ電流Ibb及びトランジスタ22のコレクタ電流Irepが、高出力モードの場合よりも小さくなる。従って、中出力モードの場合には、トランジスタ21及び22のバイアス電流が、高出力モードの場合よりも小さくなる。これにより、中出力モードの場合には、トランジスタ21の出力電力が、高出力モードの場合よりも小さくなる。
また、低出力モードの場合には、トランジスタ46のコレクタ電流Ibb及びトランジスタ22のコレクタ電流Irepが、中出力モードの場合よりも小さくなる。従って、低出力モードの場合には、トランジスタ21及び22のバイアス電流が、中出力モードの場合よりも小さくなる。これにより、低出力モードの場合には、トランジスタ21の出力電力が、中出力モードの場合よりも小さくなる。
つまり、第3電力増幅回路9の出力電力は、第1ノードNに供給される定電流Ibatによって調整可能である。
また、第1の実施の形態では、本開示を第3電力増幅回路9に適用した場合について説明したが、これに限定されない。即ち、トランジスタ22、抵抗24、キャパシタ26及びローパスフィルタ30が第3電力増幅回路9内に含まれることとしたが、本開示はこれに限定されない。トランジスタ22、抵抗24、キャパシタ26及びローパスフィルタ30は、第1電力増幅回路3内又は第2電力増幅回路6内に含まれても良い。但し、最終段の第3電力増幅回路9の出力電力が、第1電力増幅回路3の出力電力及び第2電力増幅回路6の出力電力よりも大きい。従って、最終段の第3電力増幅回路9が、第1電力増幅回路3及び第2電力増幅回路6よりも高温になる。つまり、第3電力増幅回路9の電流増幅率βの低下が、第1電力増幅回路3及び第2電力増幅回路6の電流増幅率βの低下よりも、大きい。従って、トランジスタ22、抵抗24、キャパシタ26及びローパスフィルタ30が第3電力増幅回路9内に含まれることが、好ましい。
(比較例)
図3は、第1の実施の形態の比較例の電力増幅回路の回路構成を示す図である。電力増幅回路109は、第3電力増幅回路9(図2参照)と比較して、トランジスタ22、抵抗24、キャパシタ26及びローパスフィルタ30を備えていない。従って、トランジスタ46のコレクタ電流Ibbは、定電流Ibatに等しい。つまり、Ibat=Ibbである。従って、トランジスタ21のベース電流Ib1は、略一定である。つまり、Ibat=Ibb≒Ib1である。
図4は、第1の実施の形態の比較例の電力増幅回路の波形を示す図である。図4は、電力増幅回路109のPVT測定時の、トランジスタ21の出力電力Pout、定電流Ibat及びトランジスタ21のコレクタ電流ICCの波形を示す図である。
タイミングtにおいて、電力増幅回路109が起動されると、図4(B)の波形110で示すように、定電流Ibatが立ち上がる。また、図4(C)の波形111で示すように、トランジスタ21のコレクタ電流ICCも立ち上がる。また、図4(A)の波形112で示すように、トランジスタ21の出力電力Poutも立ち上がる。
タイミングtにおいて、電力増幅回路109の起動が完了し、図4(B)の波形110で示すように、定電流Ibatが一定になる。
トランジスタ21のコレクタ電流ICC及び出力電力Poutが立ち上がることで、トランジスタ21の温度が徐々に上昇する。トランジスタ21の温度が徐々に上昇するので、トランジスタ21の電流増幅率βは、徐々に低下する。
トランジスタ21のコレクタ電流Iccは、トランジスタ21のベース電流Ib1とトランジスタ21の電流増幅率βとの積で表される。
従って、トランジスタ21の電流増幅率βが徐々に低下すると、図4(C)の波形111で示すように、トランジスタ21のコレクタ電流Iccは、タイミングtからタイミングtまでの間において、徐々に低下する。トランジスタ21のコレクタ電流Iccが徐々に低下するので、図4(A)の波形112で示すように、トランジスタ21の出力電力Poutも、タイミングtからタイミングtまでの間において、徐々に低下する。そのため、図4(A)の期間113において、波形112で示すトランジスタ21の出力電力Poutが、PVTで定められた出力電力の下限114を下回ってしまう。つまり、電力増幅回路109は、PVTの規定を満たせなくなってしまう。
なお、トランジスタ21の出力電力Poutが徐々に低下することを見込んで、定電流Ibatを予め大きく設定しておくことが考えられる。しかしながら、定電流Ibatを予め大きく設定しておくこととすると、タイミングtにおいて、波形112で示すトランジスタ21の出力電力Poutが、PVTで定められた出力電力の上限115を上回ってしまう。つまり、電力増幅回路109は、PVTの規定を満たせなくなってしまう。
つまり、比較例の電力増幅回路109は、定電流Ibatの設定にかかわらず、PVTの規定を満たせない。
(第1の実施の形態の動作)
図2及び図5を参照して、第1の実施の形態の第3電力増幅回路9の動作を説明する。
図5は、第1の実施の形態の電力増幅回路の波形を示す図である。図5は、高出力モードでの第3電力増幅回路9のPVT測定時の、トランジスタ21の出力電力Pout、定電流Ibat、トランジスタ22の温度T、トランジスタ22のコレクタ電流Irep、トランジスタ46のコレクタ電流Ibb及びトランジスタ21のコレクタ電流Iccの波形を示す図である。
タイミングt11において、第3電力増幅回路9が起動されると、図5(B)の波形110で示すように、定電流Ibatが立ち上がる。また、図5(F)の波形121で示すように、トランジスタ21のコレクタ電流Iccも立ち上がる。また、図5(A)の波形122で示すように、トランジスタ21の出力電力Poutも立ち上がる。
タイミングt12において、第3電力増幅回路9の起動が完了し、図5(B)の波形110で示すように、定電流Ibatが一定になる。
トランジスタ21のコレクタ電流Icc及び出力電力Poutが立ち上がることで、トランジスタ21の温度が徐々に上昇する。トランジスタ21の温度が徐々に上昇するので、トランジスタ21の電流増幅率βは、徐々に低下する。
第3電力増幅回路9では、トランジスタ21とトランジスタ22とは、熱結合している。つまり、図5(C)の波形123で示すトランジスタ22の温度Tは、トランジスタ21の温度と略同じである。従って、トランジスタ21の電流増幅率βが低下するのと同じように、トランジスタ22の電流増幅率βも低下する。
トランジスタ22の電流増幅率βが徐々に低下すると、図5(D)の波形124で示すように、トランジスタ22のコレクタ電流Irepが徐々に減少する。Ibat=Ibb+Irepであるので、図5(E)の波形125で示すように、トランジスタ46のコレクタ電流Ibbは、タイミングt12以降においても、トランジスタ22のコレクタ電流Irepの減少分だけ、増加する。トランジスタ46のコレクタ電流Ibbが増加すると、トランジスタ21のベース電流Ib1が増加する。
トランジスタ21のコレクタ電流Iccと、トランジスタ21のベース電流Ib1と、トランジスタ21の電流増幅率βと、の間には、Icc=β・Ib1の関係がある。トランジスタ21の電流増幅率βの低下は、トランジスタ21のコレクタ電流Iccを減少させる方向に作用する。一方、トランジスタ21のベース電流Ib1の増加は、トランジスタ21のコレクタ電流Iccを増加させる方向に作用する。従って、トランジスタ21の電流増幅率βの低下によるトランジスタ21のコレクタ電流Iccの減少と、トランジスタ21のベース電流Ib1の増加によるトランジスタ21のコレクタ電流Iccの増加と、は打ち消し合う。
従って、図5(F)の波形121で示すように、トランジスタ21のコレクタ電流Iccは、タイミングt12からタイミングt13までの間において、変動が抑制され、略一定になる。これにより、図5(A)の波形122で示すように、トランジスタ21の出力電力Poutは、タイミングt12からタイミングt13までの間において、変動が抑制され、略一定になる。
従って、波形122で示す第3電力増幅回路9の出力電力Poutは、タイミングt12からタイミングt13までの間において、PVTで定められた出力電力の下限114と上限115との間に収まる。つまり、第3電力増幅回路9は、PVTの規定を満たすことができる。これにより、第3電力増幅回路9は、出力特性を好適にすることができる。
<第2の実施の形態>
図6は、第2の実施の形態の電力増幅回路の回路構成を示す図である。第1の実施の形態と同様の構成要素については、同一の参照番号を付して、説明を省略する。
図2に示した第1の実施の形態の第3電力増幅回路9では、第1ノードNには、定電流源52が接続されている。そして、第1ノードNには、定電流源52から定電流Ibatが供給される。
一方、図6に示す第2の実施の形態の第3電力増幅回路9では、第1ノードNには、抵抗54を介して、定電圧源53が接続されている。そして、第1ノードNには、抵抗54を流れる定電流Ibatが定電圧源53から供給される。なお、本発明では、定電圧源53は可変電圧を出力してもよい。
第1ノードNに定電流Ibatが供給されるので、第2の実施の形態の第3電力増幅回路9の動作は、第1の実施の形態の第3電力増幅回路9の動作と同様である。
従って、トランジスタ21のコレクタ電流ICCは、変動が抑制され、略一定になる。これにより、トランジスタ21の出力電力Poutは、変動が抑制され、略一定になる。
従って、第3電力増幅回路9の出力電力Poutは、PVTで定められた出力電力の下限114と上限115との間に収まる。つまり、第3電力増幅回路9は、PVTの規定を満たすことができる。これにより、第3電力増幅回路9は、出力特性を好適にすることができる。
また、第3電力増幅回路9が搭載される移動体通信装置によっては、定電流源よりも定電圧源を用いることが要請される場合がある。第2の実施の形態の第3電力増幅回路9では、定電流源52に代えて、定電圧源53を用いている。従って、第2の実施の形態の第3電力増幅回路9は、そのような要請に応えることができる。
また、先に第1の実施の形態で説明したように、第3バイアス回路10の抵抗41の一端には、定電流源51に代えて定電圧源が接続され、定電圧源から定電圧が供給されても良い。従って、第2の実施の形態の第3電力増幅回路9は、定電流源51に代えて定電圧源を用いることで、定電流源よりも定電圧源を用いるという要請に、更に応えることができる。
なお、第1の実施の形態と同様に、第1ノードNに供給される定電流Ibatが、可変であっても良い。一例として、第3電力増幅回路9が第1電力の高周波出力信号RFoutを出力する第1モード(高出力モード)の場合には、定電圧源53は、一定の第1電圧を抵抗54の一端に出力しても良い。これにより、抵抗54に流れる定電流Ibatは、第1電流になる。また、第3電力増幅回路9が第1電力よりも低い第2電力の高周波出力信号RFoutを出力する第2モード(中出力モード)の場合には、定電圧源53は、第1電圧より小さい一定の第2電圧を抵抗54の一端に出力しても良い。これにより、抵抗54に流れる定電流Ibatは、第1電流よりも小さい第2電流になる。また、第3電力増幅回路9が第2電力よりも低い第3電力の高周波出力信号RFoutを出力する第3モード(低出力モード)の場合には、定電圧源53は、第2電圧より小さい一定の第3電圧を抵抗54の一端に出力しても良い。これにより、抵抗54に流れる定電流Ibatは、第2電流よりも小さい第3電流になる。
(変形例)
図7は、第2の実施の形態の電力増幅回路の変形例の回路構成を示す図である。図7に示す変形例の第3電力増幅回路9を図6に示す第2の実施の形態の第3電力増幅回路9と比較すると、定電圧源53に代えて、定電流源52を用いている。定電流源52は、可変電流を出力しても良い。
また、図7に示す変形例の第3電力増幅回路9を図2に示した第1の実施の形態の第3電力増幅回路9と比較すると、図7に示す変形例の第3電力増幅回路9では、定電流源52と第1ノードNとの間に、抵抗54が設けられている。そして、第1ノードNには、抵抗54を介して、定電流源52から定電流Ibatが供給される。
このように、第2の実施の形態の第3電力増幅回路9は、回路構成を変更することなく、定電流源52と定電圧源53との内のどちらを用いることも可能である。従って、第2の実施の形態の第3電力増幅回路9は、移動体通信装置の設計の自由度を高めることができる。換言すると、第2の実施の形態の第3電力増幅回路9は、様々な移動体通信装置に搭載できる。また、第2の実施の形態の第3電力増幅回路9のメーカは、移動体通信装置毎に第3電力増幅回路9の回路構成を変更する必要がないので、設計、製造及び品質管理を容易に行うことができ、コストダウンを図ることができる。
なお、第1の実施の形態と同様に、第1ノードNに供給される定電流Ibatが、可変であっても良い。
<第3の実施の形態>
図8は、第3の実施の形態の電力増幅回路の回路構成を示す図である。第1の実施の形態と同様の構成要素については、同一の参照番号を付して、説明を省略する。
図2に示した第1の実施の形態の第3電力増幅回路9では、ローパスフィルタ30は、抵抗28とキャパシタ29とで構成されている。
一方、第3の実施の形態の第3電力増幅回路9Aは、抵抗28を備えていない。しかし、トランジスタ22のコレクタと第1ノードNとの間を電気的に接続する配線31は、インダクタンス成分又は抵抗成分を有する。従って、配線31と、キャパシタ29と、は、ローパスフィルタ30Aを構成する。
第3電力増幅回路9Aは、第3電力増幅回路9と比較して、抵抗28を不要にできる。これにより、第3電力増幅回路9Aは、部品点数を削減できる。従って、第3電力増幅回路9Aは、回路を小型化でき、コストを抑制できる。
なお、第1の実施の形態と同様に、第1ノードNに供給される定電流Ibatが、可変であっても良い。
<第4の実施の形態>
第4の実施の形態の電力増幅器1の構成は、第1の実施の形態の電力増幅器1(図1参照)の構成と同様であるので、図示及び説明を省略する。
(回路レイアウト)
図9は、第4の実施の形態の電力増幅器の回路レイアウトの概要を示す図である。電力増幅器1は、1個の半導体チップ61上に形成されている。図9では、第1整合回路2、第1電力増幅回路3、第1バイアス回路4、第2電力増幅回路6、第2バイアス回路7、第3電力増幅回路9及び第3バイアス回路10を図示し、第2整合回路5、第3整合回路8及び第4整合回路11は図示を省略している。
第1電力増幅回路3は、電気的に並列接続された複数の単位トランジスタ81がマトリクス状に配列されて、形成されている。同様に、第2電力増幅回路6は、電気的に並列接続された複数の単位トランジスタ81がマトリクス状に配列されて、形成されている。
第3電力増幅回路9は、矩形の第1領域71を有する。点72は、第1領域71の中央である。点72は、第1領域71の2つの対角線の交点が例示される。
第1領域71は、矩形の第2領域73及び第3領域74を有する。第1領域71は、第2領域73及び第3領域74によって、X方向に2分割されている。第2領域73と第3領域74との境界は、Y方向に延在する。
第2領域73と第3領域74とは、点72を挟んで隣接している。つまり、第4の実施の形態では、第2領域73の面積と第3領域74の面積との比は、50:50とするが、本開示はこれに限定されない。第2領域73の面積と第3領域74の面積との比は、60:40から40:60までの範囲が好ましく、55:45から45:55までの範囲がより好ましく、50:50が更に好ましい。
第1領域71内の左上隅且つ第2領域73内の左上隅には、第1の単位トランジスタ82aが形成されている。第1の単位トランジスタ82aは、トランジスタ22(図2参照)を構成する。第2領域73の左上隅、即ち第1領域71の隅は、第3電力増幅回路9内で最も低温になる場所である。
第1領域71は、矩形の第4領域75を有する。第4領域75は、第2領域73及び第3領域74と重なっている。第4領域75は、点72を中央とする。つまり、第4領域75と第1領域71とは、中央が一致する。第4領域75は、第1領域71と相似であっても良いし、相似でなくても良い。第4領域75の面積は、第1領域71の面積の30パーセントが例示されるが、本開示はこれに限定されない。第4領域75の面積は、第1領域71の面積の20パーセントであっても良いし、第1領域71の面積の10パーセントであっても良いし、第1領域71の面積の5パーセントであっても良い。第4の実施の形態では、第4領域75と第1領域71とは中央が一致することとしたが、これに限定されない。第4領域75が、第1領域71の中央を含んでいれば良い。
第4領域75が、本開示の「中央領域」に対応する。
第1領域71内且つ第4領域75内には、第2の単位トランジスタ82bが形成されている。第2の単位トランジスタ82bは、トランジスタ22(図2参照)を構成する。
第2の単位トランジスタ82bは、第2領域73と第3領域74との境界に隣接していることが好ましい。第2の単位トランジスタ82bが第2領域73と第3領域74との境界に隣接しているとは、第2の単位トランジスタ82bと第2領域73と第3領域74との境界との間に、単位トランジスタ81が形成されていないことを言う。
第2の単位トランジスタ82bは、第2領域73と第3領域74との境界の延在方向の中央部に位置していることが好ましい。第2の単位トランジスタ82bが第2領域73と第3領域74との境界の延在方向の中央部に位置しているとは、第2の単位トランジスタ82bよりも境界の延在方向の一方側(Y方向側)の単位トランジスタ81の数と、第2の単位トランジスタ82bよりも境界の延在方向の他方側(Y方向と反対側)の単位トランジスタ81の数と、の差が15以下、好ましくは10以下、より好ましくは5以下、更に好ましくは0であることを言う。
第4の実施の形態では、第2の単位トランジスタ82bは、点72に隣接して形成されていることとする。第2の単位トランジスタ82bが点72に隣接して形成されているとは、第2の単位トランジスタ82bと点72との間に、単位トランジスタ81が形成されていないことを言う。しかしながら、本開示はこれに限定されない。第2の単位トランジスタ82bと点72との間に、単位トランジスタ81が形成されていても良い。但し、点72は、第3電力増幅回路9内で最も高温になる場所である。従って、第2の単位トランジスタ82bは、点72に隣接していることが好ましい。
第2領域73内の、第1の単位トランジスタ82a及び第2の単位トランジスタ82bが形成されている場所以外の場所には、複数の単位トランジスタ81が、形成されている。複数の単位トランジスタ81は、トランジスタ21(図2参照)を構成する。
第2領域73内において、複数の単位トランジスタ81並びに第1の単位トランジスタ82a及び第2の単位トランジスタ82bは、マトリクス状に形成されている。
第3領域74内には、電気的に並列接続された複数の単位トランジスタ81がマトリクス状に配列されて、形成されている。複数の単位トランジスタ81は、トランジスタ21(図2参照)を構成する。
先に説明した高出力モードでは、第1領域71内の全部の単位トランジスタ81が、電気的に並列接続されて、トランジスタ21として動作する。また、第1領域71内の第1の単位トランジスタ82a及び第2の単位トランジスタ82bが、電気的に並列接続されて、トランジスタ22として動作する。
また、中出力モードでは、高出力モードと同様に、第1領域71内の全部の単位トランジスタ81が、電気的に並列接続されて、トランジスタ21として動作する。また、第1領域71内の第1の単位トランジスタ82a及び第2の単位トランジスタ82bが、電気的に並列接続されて、トランジスタ22として動作する。但し、先に説明したように、中出力モードでは、トランジスタ21及び22のバイアス電流は、高出力モード時よりも小さい。
第1の単位トランジスタ82aが第2領域73の左上隅に形成され、第2の単位トランジスタ82bが第4領域75内に形成されている。従って、高出力モード及び中出力モードでは、トランジスタ21とトランジスタ22とは、熱結合する。つまり、トランジスタ22の温度は、トランジスタ21の温度が反映され、トランジスタ21の温度と略同じになる。
低出力モードでは、第1領域71内の全部の単位トランジスタ81を動作させる必要がない。そこで、低出力モードでは、第3領域74内の全部の単位トランジスタ81が電気的に遮断される。そして、第2領域73内の全部の単位トランジスタ81が、電気的に並列接続されて、トランジスタ21として動作する。また、第2領域73内の第1の単位トランジスタ82a及び第2の単位トランジスタ82bが、電気的に並列接続されて、トランジスタ22として動作する。更に、低出力モードでは、トランジスタ21及び22のバイアス電流は、中出力モード時よりも小さい。
このように、第3電力増幅回路9は、低出力モードでは、電気的に並列接続される単位トランジスタ81の数を少なくすることにより、無駄な消費電力を抑制できる。
第1の単位トランジスタ82aが第2領域73の左上隅に形成され、第2の単位トランジスタ82bが第2領域73の右辺に隣接して形成されている。従って、低出力モードでは、トランジスタ22の温度は、トランジスタ21の温度よりも低くなる。
なお、トランジスタ22は、3個以上の単位トランジスタで構成されても良い。この場合、3個目以降の単位トランジスタは、第2領域73内の何処かに形成される。
(高出力モードでの波形)
高出力モードでの第3電力増幅回路9のPVT測定時の、各部の波形は、図5で示した通りであるので、図示及び説明を省略する。
(中出力モードでの波形)
図10は、第4の実施の形態の電力増幅回路の波形を示す図である。図10は、中出力モードでの第3電力増幅回路9のPVT測定時の、トランジスタ21の出力電力Pout、定電流Ibat、トランジスタ22の温度T、トランジスタ22のコレクタ電流Irep、トランジスタ46のコレクタ電流Ibb及びトランジスタ21のコレクタ電流Iccの波形を示す図である。
タイミングt21において、第3電力増幅回路9が起動されると、図10(B)の波形130で示すように、定電流Ibatが立ち上がる。また、図10(F)の波形131で示すように、トランジスタ21のコレクタ電流ICCも立ち上がる。また、図10(A)の波形132で示すように、トランジスタ21の出力電力Poutも立ち上がる。
タイミングt22において、第3電力増幅回路9の起動が完了し、図10(B)の波形130で示すように、定電流Ibatが一定になる。図10(B)の波形130で示す中出力モードでの定電流Ibatは、高出力モードでの定電流Ibat(図5(B)の波形110参照)よりも小さい。
トランジスタ21のコレクタ電流ICC及び出力電力Poutが立ち上がることで、トランジスタ21の温度が徐々に上昇する。トランジスタ21の温度が徐々に上昇するので、トランジスタ21の電流増幅率βは、徐々に低下する。
第3電力増幅回路9では、トランジスタ21とトランジスタ22とは、熱結合している。つまり、図10(C)の波形133で示すトランジスタ22の温度Tは、トランジスタ21の温度と略同じである。従って、トランジスタ21の電流増幅率βが低下するのと同様に、トランジスタ22の電流増幅率βも低下する。
トランジスタ22の電流増幅率βが徐々に低下すると、図10(D)の波形134で示すように、トランジスタ22のコレクタ電流Irepが徐々に低下する。Ibat=Ibb+Irepであるので、図10(E)の波形135で示すように、トランジスタ46のコレクタ電流Ibbは、タイミングt22以降においても、トランジスタ22のコレクタ電流Irepの減少分だけ、徐々に増加する。トランジスタ46のコレクタ電流Ibbが徐々に増加すると、トランジスタ21のベース電流Ib1が、徐々に上昇する。
トランジスタ21の電流増幅率βの低下は、トランジスタ21のコレクタ電流Iccを減少させる方向に作用する。一方、トランジスタ21のベース電流Ib1の増加は、トランジスタ21のコレクタ電流Iccを増加させる方向に作用する。従って、トランジスタ21の電流増幅率βの低下によるトランジスタ21のコレクタ電流Iccの減少と、トランジスタ21のベース電流Ib1の増加によるトランジスタ21のコレクタ電流Iccの増加と、は打ち消し合う。
従って、図10(F)の波形131で示すように、トランジスタ21のコレクタ電流Iccは、タイミングt22からタイミングt23までの間において、変動が抑制され、略一定になる。なお、比較例の電力増幅回路109(図3参照)では、図10(F)の波形141で示すように、トランジスタ21のコレクタ電流Iccは、タイミングt22で極大になり、タイミングt22からタイミングt23までの間において、徐々に減少する。
これにより、図10(A)の波形132で示すように、トランジスタ21の出力電力Poutは、タイミングt22からタイミングt23までの間において、変動が抑制され、略一定になる。なお、比較例の電力増幅回路109(図3参照)では、図10(A)の波形142で示すように、トランジスタ21の出力電力Poutは、タイミングt22で極大になり、タイミングt22からタイミングt23までの間において、徐々に減少する。
従って、波形132で示す第3電力増幅回路9の出力電力Poutは、タイミングt22からタイミングt23までの間において、波形136及び137で示す、PVTで定められた出力電力の下限と上限との間に収まる。つまり、第3電力増幅回路9は、PVTの規定を満たすことができる。これにより、第3電力増幅回路9は、出力特性を好適にすることができる。
[中出力モードの比較例]
図11は、第4の実施の形態の比較例の電力増幅回路の波形を示す図である。図11は、中出力モードで、定電流Ibatの電流値を高出力モードと同じ第1電流値とした場合の第3電力増幅回路9のPVT測定時の、トランジスタ21の出力電力Pout、定電流Ibat、トランジスタ22の温度T、トランジスタ22のコレクタ電流Irep、トランジスタ46のコレクタ電流Ibb及びトランジスタ21のコレクタ電流ICCの波形を示す図である。
図11(B)の波形110で示す定電流Ibatは、高出力モード時(図5(B)の波形110参照)と同じである。
定電流Ibatの電流値を高出力モードと同じ第1電流値であるので、図11(E)の波形138で示すトランジスタ46のコレクタ電流Ibbは、図10(E)の波形135で示すトランジスタ46のコレクタ電流Ibbよりも、大きい。トランジスタ46のコレクタ電流Ibbの絶対値が大きい場合、トランジスタ21が飽和領域になるので、トランジスタ21のコレクタ電流Iccとトランジスタ46のコレクタ電流Ibbとの比例関係が成り立たない。そのため、図11(F)の波形139で示すように、トランジスタ21のコレクタ電流Iccは、波形141で示す比較例の電力増幅回路109(図3参照)と略同じになる。従って、図11(A)の波形140で示すように、第3電力増幅回路9の出力電力Poutは、図11(A)の波形142で示す比較例の電力増幅回路109の出力電力Poutと略同じになり、PVT特性が改善しない。
第4の実施の形態の第3電力増幅回路9では、中出力モード時に、定電流Ibatを第1電流値より小さい第2電流値とすることにより、図10(A)の波形132で示すように、PVT特性を改善できる。これにより、第3電力増幅回路9は、出力特性を好適にすることができる。
(低出力モードでの波形)
図12は、第4の実施の形態の電力増幅回路の波形を示す図である。図12は、低出力モードでの第3電力増幅回路9のPVT測定時の、トランジスタ21の出力電力Pout、定電流Ibat、トランジスタ22の温度T、トランジスタ22のコレクタ電流Irep、トランジスタ46のコレクタ電流Ibb及びトランジスタ21のコレクタ電流ICCの波形を示す図である。
タイミングt31において、第3電力増幅回路9が起動されると、図12(B)の波形150で示すように、定電流Ibatが立ち上がる。また、図12(F)の波形151で示すように、トランジスタ21のコレクタ電流ICCも立ち上がる。また、図12(A)の波形152で示すように、トランジスタ21の出力電力Poutも立ち上がる。
タイミングt32において、第3電力増幅回路9の起動が完了し、図12(B)の波形150で示すように、定電流Ibatが一定になる。図12(B)の波形150で示す低出力モードでの定電流Ibatは、中出力モードでの定電流Ibat(図10(B)の波形130参照)よりも小さい。
トランジスタ21のコレクタ電流ICC及び出力電力Poutが立ち上がることで、トランジスタ21の温度が徐々に上昇する。トランジスタ21の温度が徐々に上昇するので、トランジスタ21の電流増幅率βは、徐々に低下する。
トランジスタ22を構成する2個の単位トランジスタ82は、第2領域73の左上隅及び右辺に形成されている。従って、図12(C)の波形153で示す、トランジスタ22を構成する2個の単位トランジスタ82の温度は、低出力モードでトランジスタ21を構成する、第2領域73内の複数の単位トランジスタ81の温度よりも遅れて上昇する。従って、トランジスタ22の電流増幅率βは、トランジスタ21の電流増幅率βよりも遅れて低下する。
トランジスタ22の電流増幅率βがトランジスタ21の電流増幅率βよりも遅れて低下するので、図12(D)の波形154で示すように、トランジスタ22のコレクタ電流Irepは徐々に上昇する。Ibat=Ibb+Irepであるので、図12(E)の波形155で示すように、トランジスタ46のコレクタ電流Ibbは、タイミングt31とタイミングt32との間で極大になり、その後徐々に減少する。トランジスタ46のコレクタ電流Ibbが徐々に減少すると、トランジスタ21のベース電流Ib1が、徐々に減少する。
図12(F)の波形151で示すように、トランジスタ21のコレクタ電流Iccは、タイミングt31とタイミングt32との間で極大になり、その後タイミングt33まで徐々に減少する。なお、比較例の電力増幅回路109(図3参照)では、図12(F)の波形161で示すように、トランジスタ21のコレクタ電流Iccは、波形151よりも変化幅が小さい。
これにより、図12(A)の波形152で示すように、トランジスタ21の出力電力Poutは、タイミングt31とタイミングt32との間で極大になり、その後徐々に減少する。なお、比較例の電力増幅回路109(図3参照)では、図12(A)の波形162で示すように、トランジスタ21の出力電力Poutは、波形152よりも変化幅が小さい。
[低出力モードの比較例]
第3電力増幅回路9では、トランジスタ22のベース電流は、第2ノードNから供給される。つまり、トランジスタ22のベース電流は、トランジスタ46のコレクタ電流Ibbが増加すれば増加し、トランジスタ46のコレクタ電流Ibbが減少すれば減少する。また、Ibat=Ibb+Irepであるので、トランジスタ46のコレクタ電流Ibbは、トランジスタ22のコレクタ電流Irepが増加すれば減少し、トランジスタ22のコレクタ電流Irepが減少すれば増加する。つまり、トランジスタ22のコレクタ−ベース間には、負帰還が掛かっている。
図13は、第4の実施の形態の比較例の電力増幅回路の回路構成を示す図である。電力増幅回路169は、第3電力増幅回路9(図2参照)と比較して、トランジスタ22のベースには、バイアス回路170からベース電流Ib2が供給される。つまり、トランジスタ22のコレクタ−ベース間には、帰還が掛かっていない。
電力増幅回路169では、低出力モードにおいて、トランジスタ22のベース電流Ib2が、トランジスタ22のコレクタ電流Irepの影響を受けない。従って、トランジスタ22の温度Tが上昇し、トランジスタ22の電流増幅率βが低下すると、トランジスタ22のコレクタ電流Irepは、電流増幅率βの低下と軌を一にして、減少する。Ibat=Ibb+Irepであるので、トランジスタ46のコレクタ電流Ibb、即ちトランジスタ21のベース電流Ib1の増加量は、トランジスタ22のコレクタ電流Irepの減少量と同じである。従って、電力増幅回路169のPVT特性は、図12(A)の波形152で示した第3電力増幅回路9のPVT特性よりも、悪くなる。
一方、第3電力増幅回路9では、トランジスタ22のコレクタ−ベース間に負帰還が掛かっていることにより、比較例の電力増幅回路169と比較して、PVT特性の悪化を抑制できる。これにより、第3電力増幅回路9は、出力特性を好適にすることができる。
<第5の実施の形態>
(回路構成)
図14は、第5の実施の形態の電力増幅器の回路構成を示す図である。第5の実施の形態の電力増幅器1Aを第1の実施の形態の電力増幅器1(図1参照)と比較すると、第1バイアス回路4が第1ノードNに接続されている。
第1電力増幅回路3は、トランジスタ21、抵抗23、キャパシタ25及びチョークインダクタ27を含む。第1電力増幅回路3内のトランジスタ21、抵抗23、キャパシタ25及びチョークインダクタ27の接続は、第3電力増幅回路9内のトランジスタ21、抵抗23、キャパシタ25及びチョークインダクタ27の接続と同様であるので、説明を省略する。
第1電力増幅回路3内のトランジスタ21が、本開示の「前段トランジスタ」に対応する。
第1バイアス回路4は、抵抗41及び45、トランジスタ42、43及び46、並びに、キャパシタ44を含む。第1バイアス回路4の回路構成は、第3バイアス回路10の回路構成と同様であるので、説明を省略する。
第1バイアス回路4内のトランジスタ46のコレクタは、第1ノードNに接続されている。第1ノードNには、定電流Ibatが定電流源52から供給される。従って、第1バイアス回路4内のトランジスタ46のコレクタ電流Iddと、第3バイアス回路10内のトランジスタ46のコレクタ電流Ibbと、第3電力増幅回路9内のトランジスタ22のコレクタ電流Irepと、の和は、定電流Ibatである。つまり、Ibat=Idd+Ibb+Irepである。
第1バイアス回路4が、本開示の「前段バイアス回路」に対応する。
(動作)
第5の実施の形態の電力増幅器1Aの動作を説明する。
電力増幅器1Aが起動されると、定電流Ibatが立ち上がる。これにより、第1バイアス回路4内のトランジスタ46のコレクタ電流Idd、第3バイアス回路10内のトランジスタ46のコレクタ電流Ibbも立ち上がる。また、第3電力増幅回路9内のトランジスタ21の出力電力Poutも立ち上がる。
その後、電力増幅器1Aの起動が完了し、定電流Ibatが一定になる。
第1電力増幅回路3内のトランジスタ21のコレクタ電流及び出力電力が立ち上がることで、第1電力増幅回路3内のトランジスタ21の温度が徐々に上昇する。第1電力増幅回路3内のトランジスタ21の温度が徐々に上昇するので、第1電力増幅回路3内のトランジスタ21の電流増幅率βは、徐々に低下する。
第3電力増幅回路9内のトランジスタ21のコレクタ電流Icc及び出力電力Poutが立ち上がることで、第3電力増幅回路9内のトランジスタ21の温度が徐々に上昇する。第3電力増幅回路9内のトランジスタ21の温度が徐々に上昇するので、第3電力増幅回路9内のトランジスタ21の電流増幅率βは、徐々に低下する。
第3電力増幅回路9では、トランジスタ21とトランジスタ22とは、熱結合している。従って、第3電力増幅回路9内のトランジスタ21の電流増幅率βが低下するのと同じように、第3電力増幅回路9内のトランジスタ22の電流増幅率βも低下する。
第3電力増幅回路9内のトランジスタ22の電流増幅率βが徐々に低下すると、第3電力増幅回路9内のトランジスタ22のコレクタ電流Irepが徐々に減少する。Ibat=Idd+Ibb+Irepであるので、第1バイアス回路4内のトランジスタのコレクタ電流Idd及び第3バイアス回路10内のトランジスタ46のコレクタ電流Ibbは、トランジスタ22のコレクタ電流Irepの減少分だけ、増加する。
第1バイアス回路4内のトランジスタ46のコレクタ電流Iddが増加すると、第1電力増幅回路3内のトランジスタ21のベース電流Ib0が増加する。第1電力増幅回路3内のトランジスタ21のベース電流Ib0の増加は、第1電力増幅回路3内のトランジスタ21のコレクタ電流を増加させる方向、即ち第1電力増幅回路3の増幅率を上昇させる方向に作用する。つまり、高周波信号RFの電力が大きくなる。
第3バイアス回路10内のトランジスタ46のコレクタ電流Ibbが増加すると、第3電力増幅回路9内のトランジスタ21のベース電流Ib1が増加する。第3電力増幅回路9内のトランジスタ21のベース電流Ib1の増加は、第3電力増幅回路9内のトランジスタ21のコレクタ電流を増加させる方向、即ち第3電力増幅回路9の増幅率を上昇させる方向に作用する。
第3電力増幅回路9内のトランジスタ21の電流増幅率βの低下は、第3電力増幅回路9内のトランジスタ21の増幅率を低下させる方向に作用する。一方、第3電力増幅回路9内のトランジスタ21のベース電流Ib1の増加は、第3電力増幅回路9内のトランジスタ21の増幅率を上昇させる方向に作用する。
従って、第1電力増幅回路3内のトランジスタ21のベース電流Ib0の増加による第1電力増幅回路3の増幅率の上昇、及び、第3電力増幅回路9内のトランジスタ21のベース電流Ib1の増加による第3電力増幅回路9の増幅率の上昇と、第3電力増幅回路9内のトランジスタ21の電流増幅率βの低下による第3電力増幅回路9の増幅率の低下と、は打ち消し合う。
従って、第3電力増幅回路9内のトランジスタ21の出力電力Poutは、変動が抑制され、略一定になる。
従って、電力増幅器1Aの出力電力Poutは、PVTで定められた出力電力の下限と上限との間に収まる。つまり、電力増幅器1Aは、PVTの規定を満たすことができる。これにより、電力増幅器1Aは、出力特性を好適にすることができる。
なお、第5の実施の形態では、第1バイアス回路4を「前段バイアス回路」とし、第1電力増幅回路3内のトランジスタ21を「前段トランジスタ」としたが、本開示はこれに限定されない。第2バイアス回路7を「前段バイアス回路」とし、第2電力増幅回路6内のトランジスタを「前段トランジスタ」としても良い。つまり、第2バイアス回路7が第1ノードNに接続されることとしても良い。この場合、第2電力増幅回路6の増幅率の上昇、及び、第3電力増幅回路9内のトランジスタ21のベース電流Ib1の増加による第3電力増幅回路9の増幅率の上昇と、第3電力増幅回路9内のトランジスタ21の電流増幅率βの低下による第3電力増幅回路9の増幅率の低下と、は打ち消し合う。
また、第1の実施の形態と同様に、第1ノードNに供給される定電流Ibatが、可変であっても良い。
<第6の実施の形態>
(回路構成)
図15は、第6の実施の形態の電力増幅器の回路構成を示す図である。第6の実施の形態の電力増幅器1Bでは、第5の実施の形態の電力増幅器1A(図14参照)と比較して、第3バイアス回路10が、第1ノードNに接続されておらず、抵抗54を介して定電圧源53に接続されている。第3バイアス回路10が定電圧源53に接続されているので、トランジスタ21のベース電流Ib1及びトランジスタ22のベース電流Ib2は、一定である。
なお、第3バイアス回路10が、定電圧源53に代えて、定電流源に接続されていても良い。
第1電力増幅回路3の回路構成は、第5の実施の形態の第1電力増幅回路3の回路構成と同様であるので、説明を省略する。第1バイアス回路4の回路構成は、第5の実施の形態の第1バイアス回路4の回路構成と同様であるので、説明を省略する。
第1バイアス回路4内のトランジスタ46のコレクタは、第1ノードNに接続されている。第1ノードNには、定電流Ibatが定電流源52から供給される。従って、第1バイアス回路4内のトランジスタ46のコレクタ電流Iddと、第3電力増幅回路9内のトランジスタ22のコレクタ電流Irepと、の和は、定電流Ibatである。つまり、Ibat=Idd+Irepである。
(動作)
第6の実施の形態の電力増幅器1Bの動作を説明する。
電力増幅器1Bが起動されると、定電流Ibatが立ち上がる。これにより、第1バイアス回路4内のトランジスタ46のコレクタ電流Iddが立ち上がる。また、第3電力増幅回路9内のトランジスタ21の出力電力Poutも立ち上がる。
その後、電力増幅器1Aの起動が完了し、定電流Ibatが一定になる。
第1電力増幅回路3内のトランジスタ21のコレクタ電流及び出力電力が立ち上がることで、第1電力増幅回路3内のトランジスタ21の温度が徐々に上昇する。第1電力増幅回路3内のトランジスタ21の温度が徐々に上昇するので、第1電力増幅回路3内のトランジスタ21の電流増幅率βは、徐々に低下する。
第3電力増幅回路9内のトランジスタ21のコレクタ電流Icc及び出力電力Poutが立ち上がることで、第3電力増幅回路9内のトランジスタ21の温度が徐々に上昇する。第3電力増幅回路9内のトランジスタ21の温度が徐々に上昇するので、第3電力増幅回路9内のトランジスタ21の電流増幅率βは、徐々に低下する。
第3電力増幅回路9では、トランジスタ21とトランジスタ22とは、熱結合している。従って、第3電力増幅回路9内のトランジスタ21の電流増幅率βが低下するのと同じように、第3電力増幅回路9内のトランジスタ22の電流増幅率βも低下する。
第3電力増幅回路9内のトランジスタ22の電流増幅率βが徐々に低下すると、第3電力増幅回路9内のトランジスタ22のコレクタ電流Irepが徐々に減少する。Ibat=Idd+Irepであるので、第1バイアス回路4内のトランジスタのコレクタ電流Iddは、トランジスタ22のコレクタ電流Irepの減少分だけ、増加する。
第1バイアス回路4内のトランジスタ46のコレクタ電流Iddが増加すると、第1電力増幅回路3内のトランジスタ21のベース電流Ib0が増加する。第1電力増幅回路3内のトランジスタ21のベース電流Ib0の増加は、第1電力増幅回路3内のトランジスタ21のコレクタ電流を増加させる方向、即ち第1電力増幅回路3の増幅率を上昇させる方向に作用する。つまり、高周波信号RFの電力が大きくなる。
第3電力増幅回路9内のトランジスタ21の電流増幅率βの低下は、第3電力増幅回路9内のトランジスタ21の増幅率を低下させる方向に作用する。
従って、第1電力増幅回路3内のトランジスタ21のベース電流Ib0の増加による第1電力増幅回路3の増幅率の上昇と、第3電力増幅回路9内のトランジスタ21の電流増幅率βの低下による第3電力増幅回路9の増幅率の低下と、は打ち消し合う。
従って、第3電力増幅回路9内のトランジスタ21の出力電力Poutは、変動が抑制され、略一定になる。
従って、電力増幅器1Bの出力電力Poutは、PVTで定められた出力電力の下限と上限との間に収まる。つまり、電力増幅器1Bは、PVTの規定を満たすことができる。これにより、電力増幅器1Bは、出力特性を好適にすることができる。
なお、第6の実施の形態では、第1バイアス回路4を「前段バイアス回路」とし、第1電力増幅回路3内のトランジスタ21を「前段トランジスタ」としたが、本開示はこれに限定されない。第2バイアス回路7を「前段バイアス回路」とし、第2電力増幅回路6内のトランジスタを「前段トランジスタ」としても良い。つまり、第2バイアス回路7が第1ノードNに接続されることとしても良い。
また、第1の実施の形態と同様に、第1ノードNに供給される定電流Ibatが、可変であっても良い。
なお、上記した実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
1、1A、1B 電力増幅器
2 第1整合回路
3 第1電力増幅回路
4 第1バイアス回路
5 第2整合回路
6 第2電力増幅回路
7 第2バイアス回路
8 第3整合回路
9 第3電力増幅回路
10 第3バイアス回路
11 第4整合回路
21、22、42、43、46 トランジスタ
23、24、28、41、45 抵抗
25、26、29、44 キャパシタ
27 チョークインダクタ
30 ローパスフィルタ
51、52 定電流源
53 定電圧源
81、82a、82b 単位トランジスタ

Claims (20)

  1. 第1及び第2トランジスタと、
    前記第1及び第2トランジスタの電気的バイアス状態を設定するバイアス回路と、
    を備え、
    前記第2トランジスタのコレクタ及び前記バイアス回路は、定電流が供給される第1ノードに接続され、
    前記バイアス回路は、前記第1ノードから供給される電流に応じた電流を、第2ノードに出力し、
    前記第1及び第2トランジスタのベースには、高周波信号が入力されるとともに、前記第2ノードからバイアス電流が供給され、
    前記第1トランジスタは、高周波信号を増幅して、コレクタから出力する、
    電力増幅回路。
  2. 請求項1に記載の電力増幅回路であって、
    前記第1ノードには、定電流源から前記定電流が供給される、
    電力増幅回路。
  3. 請求項1に記載の電力増幅回路であって、
    前記第1ノードには、定電圧源から抵抗を介して前記定電流が供給される、
    電力増幅回路。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の電力増幅回路であって、
    前記定電流は、前記第1トランジスタの出力電力に応じて、可変である、
    電力増幅回路。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の電力増幅回路であって、
    前記第2トランジスタのコレクタと前記第1ノードとの間に、前記第2トランジスタのコレクタに現れる高周波信号を抑制するローパスフィルタを更に備える、
    電力増幅回路。
  6. 請求項5に記載の電力増幅回路であって、
    前記ローパスフィルタは、一端が前記第2トランジスタのコレクタに接続され、他端が前記第1ノードに接続された抵抗と、前記抵抗の前記他端と基準電位又は電源電位との間に接続されたキャパシタと、を含む、
    電力増幅回路。
  7. 請求項5に記載の電力増幅回路であって、
    前記ローパスフィルタは、前記第2トランジスタのコレクタと前記第1ノードとの間を接続する配線と、前記配線と基準電位又は電源電位との間に接続されたキャパシタと、を含む、
    電力増幅回路。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の電力増幅回路であって、
    前記第1及び第2トランジスタの各々は、複数の単位トランジスタを電気的に並列接続したマルチフィンガートランジスタであり、
    前記複数の単位トランジスタは、第1領域内にマトリクス状に形成され、
    前記第2トランジスタを構成する1つの単位トランジスタは、前記第1領域の隅に形成され、
    前記第2トランジスタを構成する他の1つの単位トランジスタは、前記第1領域の中央を含む中央領域内に形成されている、
    電力増幅回路。
  9. 請求項8に記載の電力増幅回路であって、
    前記第1領域は、出力電力にかかわらず動作する単位トランジスタが形成された第2領域と、出力電力に応じて動作し又は動作しない単位トランジスタが形成された第3領域に分割されており、
    前記第2トランジスタを構成する前記1つの単位トランジスタは、前記第2領域の隅に形成され、
    前記第2トランジスタを構成する前記他の1つの単位トランジスタは、第2領域内且つ前記中央領域内に形成されている、
    電力増幅回路。
  10. 請求項9に記載の電力増幅回路であって、
    前記第2トランジスタを構成する前記他の1つの単位トランジスタは、前記第1領域の中央に隣接して形成されている、
    電力増幅回路。
  11. 請求項9又は10に記載の電力増幅回路であって、
    前記第1トランジスタの出力電力が第1電力である第1モードでは、前記第1領域内の全部の単位トランジスタが動作するとともに、前記定電流が第1電流であり、
    前記第1トランジスタの出力電力が前記第1電力より小さい第2電力である第2モードでは、前記第1領域内の全部の単位トランジスタが動作するとともに、前記定電流が前記第1電流より小さい第2電流であり、
    前記第1トランジスタの出力電力が前記第2電力より小さい第3電力である第3モードでは、前記第2領域内の全部の単位トランジスタが動作し且つ前記第3領域内の全部の単位トランジスタが動作しないとともに、前記定電流が前記第2電流より小さい第3電流である、
    電力増幅回路。
  12. 請求項1から11のいずれか1項に記載の電力増幅回路と、
    前記電力増幅回路よりも前段で高周波信号を増幅する前段トランジスタと、
    前記前段トランジスタの電気的バイアス状態を設定する前段バイアス回路と、
    を備え、
    前記前段バイアス回路は、前記第1ノードに接続され、
    前記前段バイアス回路は、前記第1ノードから供給される電流に応じたバイアス電流を、前記前段トランジスタのベースに出力し、
    前記前段トランジスタのベースには、高周波信号が入力されるとともに、前記前段バイアス回路からバイアス電流が供給され、
    前記前段トランジスタは、高周波信号を増幅して、コレクタから後段に向けて出力する、
    電力増幅器。
  13. 第1及び第2トランジスタと、
    前記第1及び第2トランジスタの電気的バイアス状態を設定するバイアス回路と、
    前記第1トランジスタよりも前段で高周波信号を増幅する前段トランジスタと、
    前記前段トランジスタの電気的バイアス状態を設定する前段バイアス回路と、
    を備え、
    前記第2トランジスタのコレクタ及び前記前段バイアス回路は、定電流が供給される第1ノードに接続され、
    前記前段バイアス回路は、前記第1ノードから供給される電流に応じたバイアス電流を、前記前段トランジスタのベースに出力し、
    前記前段トランジスタのベースには、高周波信号が入力されるとともに、前記前段バイアス回路からバイアス電流が供給され、
    前記前段トランジスタは、高周波信号を増幅して、コレクタから後段に向けて出力し、
    前記バイアス回路は、一定の電流を第2ノードに出力し、
    前記第1及び第2トランジスタのベースには、前段で増幅された高周波信号が入力されるとともに、前記第2ノードからバイアス電流が供給され、
    前記第1トランジスタは、前段で増幅された高周波信号を更に増幅して、コレクタから出力する、
    電力増幅器。
  14. 第1及び第2トランジスタと、
    前記第1及び第2トランジスタの電気的バイアス状態を設定するバイアス回路と、
    を備え、
    前記第2トランジスタのドレイン及び前記バイアス回路は、定電流が供給される第1ノードに接続され、
    前記バイアス回路は、前記第1ノードから供給される電流に応じた電流を、第2ノードに出力し、
    前記第1及び第2トランジスタのゲートには、高周波信号が入力されるとともに、前記第2ノードからバイアス電流が供給され、
    前記第1トランジスタは、高周波信号を増幅して、ドレインから出力する、
    電力増幅回路。
  15. 請求項14に記載の電力増幅回路であって、
    前記第1ノードには、定電流源から前記定電流が供給される、
    電力増幅回路。
  16. 請求項14に記載の電力増幅回路であって、
    前記第1ノードには、定電圧源から抵抗を介して前記定電流が供給される、
    電力増幅回路。
  17. 請求項14から16のいずれか1項に記載の電力増幅回路であって、
    前記定電流は、前記第1トランジスタの出力電力に応じて、可変である、
    電力増幅回路。
  18. 請求項14から17のいずれか1項に記載の電力増幅回路であって、
    前記第2トランジスタのドレインと前記第1ノードとの間に、前記第2トランジスタのドレインに現れる高周波信号を抑制するローパスフィルタを更に備える、
    電力増幅回路。
  19. 請求項18に記載の電力増幅回路であって、
    前記ローパスフィルタは、一端が前記第2トランジスタのドレインに接続され、他端が前記第1ノードに接続された抵抗と、前記抵抗の前記他端と基準電位又は電源電位との間に接続されたキャパシタと、を含む、
    電力増幅回路。
  20. 請求項19に記載の電力増幅回路であって、
    前記ローパスフィルタは、前記第2トランジスタのドレインと前記第1ノードとの間を接続する配線と、前記配線と基準電位又は電源電位との間に接続されたキャパシタと、を含む、
    電力増幅回路。
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CN114070212A (zh) * 2022-01-18 2022-02-18 唯捷创芯(天津)电子技术股份有限公司 一种带有电流保护功能的射频前端模块及相应的电子设备

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