JP2019152929A - 認証装置及び認証方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】眼の認証精度を向上する認証装置等を提供する。【解決手段】認証装置は、第1の偏光方向の光を出力する照明装置と、第2の偏光方向のユーザの第1の眼球画像と、第3の偏光方向の前記ユーザの第2の眼球画像と、第4の偏光方向の前記ユーザの第3の眼球画像とを撮像するカメラと、制御回路とを備える。前記制御回路は、(a)角膜認証情報と虹彩認証情報とを取得し、(b)前記第1の眼球画像、前記第2の眼球画像及び前記第3の眼球画像を用いて、振幅画像、位相画像及び平均画像を生成し、(c)前記虹彩認証情報を参照して、前記平均画像に対応するユーザIDを認証し、(d)前記角膜認証情報を参照して、前記振幅画像及び前記位相画像に対応するユーザIDを認証し、(e)処理(c)及び処理(d)における前記ユーザIDの認証結果を用いて、前記ユーザに対応するユーザIDを決定する。【選択図】図2

Description

本開示は、眼球の認証装置及び認証方法に関する。
近年、カメラで撮像された人物の顔から本人認証する認証技術が飛躍的に進歩している。このような認証技術の1つとして、虹彩認証技術がある。虹彩認証技術は、他人を本人と誤認識する率(他人受容率FAR)が極めて低い方法である。例えば、特許文献1は、人物の顔の画像の虹彩を抽出し、虹彩のコードと基準の虹彩のコードとの類似性から、虹彩の同一性を判定する技術を開示している。
特許第3307936号公報 特開平9−276319号公報 米国特許出願公開第2017/0161578号明細書
市橋裕一、川畑州一、石川和夫、畑田豊彦著、「眼球結像系における偏光特性とその解析」、日本眼科光学学会誌、1989年、第10巻、第1号、p.87-92
しかしながら、特許文献1の技術は、虹彩の認証精度が低いという問題がある。
そこで、本開示は、眼の認証精度を向上する認証装置及び認証方法を提供する。
本開示の一態様に係る認証装置は、第1の偏光方向を有する光を出力する照明装置と、第2の偏光方向を有する、ユーザの第1の眼球画像と、第3の偏光方向を有する、前記ユーザの第2の眼球画像と、第4の偏光方向を有する、前記ユーザの第3の眼球画像とを撮像するカメラと、(a)少なくとも1つの角膜画像とユーザIDとを対応付けた角膜認証情報と、少なくとも1つの虹彩画像とユーザIDとを対応付けた虹彩認証情報とを取得し、(b)前記第1の眼球画像、前記第2の眼球画像、及び前記第3の眼球画像を用いて、振幅画像、位相画像、及び平均画像を生成し、(c)前記虹彩認証情報を参照して、前記平均画像に対応するユーザIDを認証し、(d)前記角膜認証情報を参照して、前記振幅画像、及び前記位相画像に対応するユーザIDを認証し、(e)前記(c)における前記ユーザIDの認証結果と、前記(d)における前記ユーザIDの認証結果とを用いて、前記ユーザに対応するユーザIDを決定する制御回路とを備える。
本開示の一態様に係る認証装置は、第1の偏光方向、第2の偏光方向、及び第3の偏光方向をそれぞれ有する光を出力する照明装置と、第4の偏光方向の画像を撮像するカメラであって、前記第1の偏光方向の光を用いたユーザの第1の眼球画像と、前記第2の偏光方向の光を用いた前記ユーザの第2の眼球画像と、前記第3の偏光方向の光を用いた前記ユーザの第3の眼球画像とを撮像するカメラと、(a)少なくとも1つの角膜画像とユーザIDとを対応付けた角膜認証情報と、少なくとも1つの虹彩画像とユーザIDとを対応付けた虹彩認証情報とを取得し、(b)前記第1の眼球画像、前記第2の眼球画像、及び前記第3の眼球画像を用いて、振幅画像、位相画像、及び平均画像を生成し、(c)前記虹彩認証情報を参照して、前記平均画像に対応するユーザIDを認証し、(d)前記角膜認証情報を参照して、前記振幅画像、及び前記位相画像に対応するユーザIDを認証し、(e)前記(c)における前記ユーザIDの認証結果と、前記(d)における前記ユーザIDの認証結果とを用いて、前記ユーザに対応するユーザIDを決定する制御回路とを備える。
本開示の一態様に係る認証方法は、(a)第1の偏光方向を有する光を出力し、(b)前記第1の偏光方向を有する光の出力時、第2の偏光方向を有する、ユーザの第1の眼球画像と、第3の偏光方向を有する、前記ユーザの第2の眼球画像と、第4の偏光方向を有する、前記ユーザの第3の眼球画像とを撮像し、(c)前記第1の眼球画像、前記第2の眼球画像、及び前記第3の眼球画像を用いて、振幅画像、位相画像、及び平均画像を生成し、(d)少なくとも1つの角膜画像とユーザIDとを対応付けた角膜認証情報と、少なくとも1つの虹彩画像とユーザIDとを対応付けた虹彩認証情報とを取得し、(e)前記虹彩認証情報を参照して、前記平均画像に対応するユーザIDを認証し、(f)前記角膜認証情報を参照して、前記振幅画像、及び前記位相画像に対応するユーザIDを認証し、(g)前記(e)における前記ユーザIDの認証結果と、前記(f)における前記ユーザIDの認証結果とを用いて、前記ユーザに対応するユーザIDを決定し、前記(a)〜(g)の少なくとも1つは、少なくとも1つの制御回路によって実行される。
本開示の一態様に係る認証方法は、(a)第1の偏光方向、第2の偏光方向、及び第3の偏光方向をそれぞれ有する光を出力し、(b)前記第1の偏光方向の光の出力時、第4の偏光方向のユーザの第1の眼球画像を撮像し、前記第2の偏光方向の光の出力時、第4の偏光方向の前記ユーザの第2の眼球画像を撮像し、前記第3の偏光方向の光の出力時、第4の偏光方向の前記ユーザの第3の眼球画像を撮像し、(c)前記第1の眼球画像、前記第2の眼球画像、及び前記第3の眼球画像を用いて、振幅画像、位相画像、及び平均画像を生成し、(d)少なくとも1つの角膜画像とユーザIDとを対応付けた角膜認証情報と、少なくとも1つの虹彩画像とユーザIDとを対応付けた虹彩認証情報とを取得し、(e)前記虹彩認証情報を参照して、前記平均画像に対応するユーザIDを認証し、(f)前記角膜認証情報を参照して、前記振幅画像、及び前記位相画像に対応するユーザIDを認証し、(g)前記(e)における前記ユーザIDの認証結果と、前記(f)における前記ユーザIDの認証結果とを用いて、前記ユーザに対応するユーザIDを決定し、前記(a)〜(g)の少なくとも1つは、少なくとも1つの制御回路によって実行される。
なお、上記の包括的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読取可能な記録ディスク等の記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えばCD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)等の不揮発性の記録媒体を含む。
本開示の認証装置等によると、眼の認証精度を向上することが可能になる。
図1は、実施の形態1に係る認証システムの機能的な構成の一例を示すブロック図である。 図2は、実施の形態1に係る認証システムの各構成要素による処理の流れの一例を示す概略図である。 図3は、実施の形態1に係る照明装置を分解した模式的な平面図である。 図4Aは、実施の形態1に係るカメラの偏光撮像素子の構成を模式的に示す平面図である。 図4Bは、図4Aのモザイク偏光フィルタにおける偏光フィルタのグループの1単位を示す平面図である。 図5Aは、角膜における複屈折現象を説明する図であり、直線偏光照明が角膜に入射及び反射する状況を示す概略図である。 図5Bは、角膜における複屈折現象を説明する図であり、角膜に入射する直線偏光照明を示す模式的な正面図である。 図5Cは、角膜における複屈折現象を説明する図であり、角膜で反射した直線偏光照明を示す模式的な正面図である。 図6は、角膜の偏光光学効果によってカメラの撮像画像に写し出される画像パターンの概略を模式的に示す図である。 図7は、眼の撮像画像におけるカメラ座標系の一例を示す模式的な図であり、角膜の中心を原点とする図である。 図8は、図6に示す各画像の模式図に対応する、実験で撮影された4種類の偏光画像を示す図である。 図9は、実施の形態1に係る認証システムの動作の一例を示すフローチャートある。 図10は、虹彩画像抽出部による虹彩画像抽出処理の一例を示すフローチャートである。 図11は、虹彩画像抽出部による虹彩画像の展開処理の詳細の一例を説明する図である。 図12は、周期関数近似部による周期関数の算出処理の詳細の一例を説明する図である。 図13は、周期関数近似部から出力される振幅画像、位相画像及び平均画像の一例を示す図である。 図14Aは、虹彩の4つの偏光画像から生成される4つの長方形画像の実際の画像例を示す図である。 図14Bは、図14Aの4つの長方形画像から周期関数近似部によって生成される振幅画像、位相画像及び平均画像の実際の画像例を示す図である。 図15は、角膜認証部による角膜認証処理の詳細の一例を示すフローチャートである。 図16は、虹彩認証部による虹彩認証処理の詳細の一例を示すフローチャートである。 図17は、統合部による認証結果の統合処理の詳細の一例を示すフローチャートである。 図18は、実施の形態2に係る認証システムの機能的な構成の一例を示すブロック図である。 図19は、実施の形態2に係る認証システムの各構成要素による処理の流れの一例を示す概略図である。 図20は、実施の形態2に係る照明装置の模式的な正面図である。 図21Aは、偏光撮像により虹彩と白目の輝度コントラストが向上することを、モデルを用いて説明する図である。 図21Bは、偏光撮像により虹彩と白目の輝度コントラストが向上することを、モデルを用いて説明する図である。 図22は、偏光撮像による輝度コントラストの向上効果を示す図である。
[発明者の知見]
まず、本発明者の知見を説明する。背景技術の欄でも記載したように、従来の虹彩認証技術としては、特許文献1に開示される技術がある。当該技術では、最初に眼球画像から瞳孔中心及び虹彩中心が検出され、瞳孔中心及び虹彩中心は、異なる中心及び半径を有する円としてモデル化される。次に、ドーナツ型である虹彩画像は、瞳孔中心に設定された極座標軸を使って長方形の画像に展開され、ガボールフィルタ等を使って2値の虹彩認証パターンに変換される。認証処理は、この虹彩認証パターン同士の信号間のハミング距離で判定される。
ところで、近年、スマートフォン等の機器に搭載された虹彩認証技術に対し、偽眼を用いて認証させる手法が公開されており、その対策が急務となっている。上記手法の一例として、機器に侵入を試みる者が、機器のユーザの眼の虹彩を遠方より撮影し、その画像をプリントアウトした印刷物の眼の上に、安価なソフトコンタクトレンズ等を載せることによって、角膜を模擬した偽眼を作成する手法がある。
従来から、種々の偽眼対策の手法がある。特に、角膜の特性を検出する手法がある。例えば、偏光を用いて撮像することによって、通常は透明な角膜の光学特性情報を検出する手法がある。当初、角膜の偏光光学特性の観察は、非特許文献1及び特許文献2に開示される技術のように、眼科手術後の角膜の応力特性の可視化に用いられてきた。例えば、特許文献3に開示される技術では、このような特性を使って、生体眼と偽眼とを識別している。具体的には、2種類の非偏光照明と偏光照明とを切り替えて眼球への照射が行われ、各照射において眼球での反射光の画像が、偏光板が設置されたカメラを用いて、2つの画像として撮像される。又は、1種類の偏光照明で眼球への照射が行われ、眼球での反射光の画像が、2種類の偏光板が設置されたカメラを用いて、撮像される。これらの方式で撮像された画像を検討すると、生体眼の撮像画像では、角膜の偏光光学特性に起因する黒十字のパターンが観測されるが、画像の印刷物に対してソフトコンタクトレンズ等などを用いた作成された偽眼では、上記のパターンが検出されない。このような現象を利用して、生体眼と偽眼とが識別される。
上述のように、偏光を用いた撮像、つまり、偏光撮像を用いて、生体眼の角膜の偏光光学特性の存在を検出する従来技術はある。しかしながら、従来技術では、角膜の偏光光学特性を取得して生体眼判定をするだけにとどまっている。そこで、本発明者は、角膜の偏光光学特性を用いた生体眼判定と虹彩認証とを組み合わせて、眼球による個人認証に用いる手法を検討した。
例えば、角膜の偏光光学特性は、角膜の表面形状、コラーゲン組織の光学異方特性、応力特性等によって決定される個人独自の生体情報であり、個人の左右の眼球でも異なっている。さらに、通常の光では透明に映る角膜に対して、角膜の光学特性情報の抽出は非常に困難であり、角膜と同じ偏光光学特性のコンタクトレンズの複製再現も、非常に困難である。したがって、本発明者は、虹彩及び角膜の両方の情報を使うことで、偽眼対策と個人認証精度の向上とを同時に実現できることを見出した。また、照明に用いるIR(赤外線)の波長帯の影響で、撮像画像における虹彩と白目との境界の輝度コントラストが低下し、虹彩検出の画像処理が困難になる。しかしながら、本発明者は、偏光を用いることで、上記問題が解決できることを見出した。そこで、本発明者は、高精度な眼の認証を可能にするために、以下の技術を創案した。
本開示の第1の態様に係る認証装置は、第1の偏光方向を有する光を出力する照明装置と、第2の偏光方向を有する、ユーザの第1の眼球画像と、第3の偏光方向を有する、前記ユーザの第2の眼球画像と、第4の偏光方向を有する、前記ユーザの第3の眼球画像とを撮像するカメラと、(a)少なくとも1つの角膜画像とユーザIDとを対応付けた角膜認証情報と、少なくとも1つの虹彩画像とユーザIDとを対応付けた虹彩認証情報とを取得し、(b)前記第1の眼球画像、前記第2の眼球画像、及び前記第3の眼球画像を用いて、振幅画像、位相画像、及び平均画像を生成し、(c)前記虹彩認証情報を参照して、前記平均画像に対応するユーザIDを認証し、(d)前記角膜認証情報を参照して、前記振幅画像、及び前記位相画像に対応するユーザIDを認証し、(e)前記(c)における前記ユーザIDの認証結果と、前記(d)における前記ユーザIDの認証結果とを用いて、前記ユーザに対応するユーザIDを決定する制御回路とを備える。
上記態様によると、振幅画像及び位相画像は、角膜の情報を示し、平均画像は、虹彩の情報を示す。そして、認証装置は、角膜の情報及び虹彩の情報を用いた眼の認証を通じて、保有者の認証を行う。このような認証装置による眼の認証は、高い精度を有することができる。また、3つの眼球画像を用いることによって、振幅画像、位相画像、及び平均画像の算出精度も向上する。なお、例えば、照明装置の第1の偏光方向を0度とすることができる。カメラの第2の偏光方向を0度とし、第3の偏光方向を45度とし、第4の偏光方向を90度とすることができる。
本開示の第1の態様に係る認証装置において、前記制御回路は、前記(c)において、前記ユーザIDとの認証に成功し、かつ、前記(d)において、前記ユーザIDとの認証に成功したとき、前記(e)において、前記ユーザIDが前記ユーザに対応すると決定してもよい。
上記態様によると、認証装置は、角膜の認証及び虹彩の認証の両方が成功したき、保有者を決定する。よって、保有者の決定精度が向上する。
本開示の第1の態様に係る認証装置において、前記制御回路は、前記(c)において、前記ユーザIDとの認証に失敗したとき、前記(e)において、前記ユーザIDが前記ユーザに対応しないことを決定してもよい。
上記態様によると、虹彩は、角膜よりも、他人を本人と誤認識する率(他人受容率FAR)が極めて低い。認証装置は、処理(c)において、虹彩の認証が失敗したとき、眼の認証ができないと決定する。これにより、処理速度が向上する。
本開示の第1の態様に係る認証装置において、前記制御回路は、前記(c)において、前記ユーザIDとの認証に失敗したとき、前記(d)において、前記ユーザIDの認証を行わず、前記(e)において、前記ユーザIDが前記ユーザに対応しないことを決定してもよい。
上記態様によると、認証装置は、処理(c)において、虹彩の認証が失敗したとき、眼の認証ができないと決定し、角膜の認証を省略する。これにより、処理の簡略化及び処理速度の向上が可能になる。
本開示の第1の態様に係る認証装置において、前記制御回路は、前記(c)において、第1のユーザIDとの認証に成功し、かつ、前記(d)において、前記第1のユーザIDとの認証に失敗したとき、前記(e)において、前記ユーザに前記第1のユーザIDが対応しないことを決定し、さらに、前記制御回路は、(f)前記第1の眼球画像、前記第2の眼球画像、及び前記第3の眼球画像は、前記第1のユーザIDに対応する眼球の偽物の画像であると決定してもよい。
上記態様によると、認証装置は、虹彩の認証に成功したが、角膜に認証に失敗した場合、眼の認証ができないと決定する。撮影された画像における角膜は、コンタクトレンズ等で偽装することが可能である。そして、認証装置は、上記の場合、偽物の眼の画像であると決定することにより、誤認証を抑制することができる。
本開示の第1の態様に係る認証装置において、前記制御回路は、前記第1の眼球画像、前記第2の眼球画像、及び前記第3の眼球画像における対応する画素位置の画素の間での画素値の周期性を表す周期関数を、各画素位置について決定し、前記周期関数の振幅、位相及び平均値それぞれを画像値とする前記振幅画像、前記位相画像、及び前記平均画像を生成してもよい。
上記態様によると、周期関数は、第1の眼球画像、第2の眼球画像、及び第3の眼球画像の間での画素値の周期性を表し、偏光方向の違いに起因する画素値の変化を表すことができる。このような周期関数から生成される振幅画像、位相画像及び平均画像は、偏光方向の違いに応じた角膜及び虹彩の像の特性を示すことができる。
本開示の第1の態様に係る認証装置において、前記カメラは、前記第1の偏光方向を有する光の出力時、前記第1の眼球画像、前記第2の眼球画像、及び前記第3の眼球画像を一緒に含む画像を撮像し、前記制御回路は、前記(b)において、前記カメラによって撮像された画像から、前記第1の眼球画像、前記第2の眼球画像、及び前記第3の眼球画像を分離してもよい。
上記態様によると、第1の眼球画像、第2の眼球画像及び第3の眼球画像は1つの画像に含まれ、1回の撮像で取得される。よって、撮像に要する時間の低減が可能になるため、確実な撮像が可能になる。
本開示の第2の態様に係る認証装置は、第1の偏光方向、第2の偏光方向、及び第3の偏光方向をそれぞれ有する光を出力する照明装置と、第4の偏光方向の画像を撮像するカメラであって、前記第1の偏光方向の光を用いたユーザの第1の眼球画像と、前記第2の偏光方向の光を用いた前記ユーザの第2の眼球画像と、前記第3の偏光方向の光を用いた前記ユーザの第3の眼球画像とを撮像するカメラと、(a)少なくとも1つの角膜画像とユーザIDとを対応付けた角膜認証情報と、少なくとも1つの虹彩画像とユーザIDとを対応付けた虹彩認証情報とを取得し、(b)前記第1の眼球画像、前記第2の眼球画像、及び前記第3の眼球画像を用いて、振幅画像、位相画像、及び平均画像を生成し、(c)前記虹彩認証情報を参照して、前記平均画像に対応するユーザIDを認証し、(d)前記角膜認証情報を参照して、前記振幅画像、及び前記位相画像に対応するユーザIDを認証し、(e)前記(c)における前記ユーザIDの認証結果と、前記(d)における前記ユーザIDの認証結果とを用いて、前記ユーザに対応するユーザIDを決定する制御回路とを備える。
上記態様によると、認証装置は、本開示の第1の態様に係る認証装置と同様の第1の眼球画像、第2の眼球画像及び第3の眼球画像を取得することができる。よって、認証装置は、本開示の第1の態様に係る認証装置と同様に、第1の眼球画像、第2の眼球画像及び第3の眼球画像を用いて認証処理を行う。なお、例えば、照明装置の第1の偏光方向を0度とし、第2の偏光方向を45度とし、第3の偏光方向を90度とすることができる。カメラの第4の偏光方向を0度とすることができる。
本開示の第2の態様に係る認証装置において、前記制御回路は、前記(c)において、前記ユーザIDとの認証に成功し、かつ、前記(d)において、前記ユーザIDとの認証に成功したとき、前記(e)において、前記ユーザIDが前記ユーザに対応すると決定してもよい。
本開示の第2の態様に係る認証装置において、前記制御回路は、前記(c)において、前記ユーザIDとの認証に失敗したとき、前記(e)において、前記ユーザIDが前記ユーザに対応しないことを決定してもよい。
本開示の第2の態様に係る認証装置において、前記制御回路は、前記(c)において、前記ユーザIDとの認証に失敗したとき、前記(d)において、前記ユーザIDの認証を行わず、前記(e)において、前記ユーザIDが前記ユーザに対応しないことを決定してもよい。
本開示の第2の態様に係る認証装置において、前記制御回路は、前記(c)において、第1のユーザIDとの認証に成功し、かつ、前記(d)において、前記第1のユーザIDとの認証に失敗したとき、前記(e)において、前記ユーザに前記第1のユーザIDが対応しないことを決定し、さらに、前記制御回路は、(f)前記第1の眼球画像、前記第2の眼球画像、及び前記第3の眼球画像は、前記第1のユーザIDに対応する眼球の偽物の画像であると決定してもよい。
本開示の第2の態様に係る認証装置において、前記制御回路は、前記第1の眼球画像、前記第2の眼球画像、及び前記第3の眼球画像における対応する画素位置の画素の間での画素値の周期性を表す周期関数を、各画素位置について決定し、前記周期関数の振幅、位相及び平均値それぞれを画像値とする前記振幅画像、前記位相画像、及び前記平均画像を生成してもよい。
本開示の第2の態様に係る認証装置において、前記カメラは、前記第1の偏光方向を有する光、前記第2の偏光方向を有する光、及び前記第3の偏光方向を有する光それぞれの出力時、前記第1の眼球画像、前記第2の眼球画像、及び前記第3の眼球画像を個別に撮像してもよい。
上記態様によると、カメラは、第1の眼球画像、第2の眼球画像、及び第3の眼球画像を個別に撮像し取得する。よって、認証装置は、第1の眼球画像、第2の眼球画像、及び第3の眼球画像に関する処理を簡易にすることができる。
本開示の第1の態様に係る認証方法は、(a)第1の偏光方向を有する光を出力し、(b)前記第1の偏光方向を有する光の出力時、第2の偏光方向を有する、ユーザの第1の眼球画像と、第3の偏光方向を有する、前記ユーザの第2の眼球画像と、第4の偏光方向を有する、前記ユーザの第3の眼球画像とを撮像し、(c)前記第1の眼球画像、前記第2の眼球画像、及び前記第3の眼球画像を用いて、振幅画像、位相画像、及び平均画像を生成し、(d)少なくとも1つの角膜画像とユーザIDとを対応付けた角膜認証情報と、少なくとも1つの虹彩画像とユーザIDとを対応付けた虹彩認証情報とを取得し、(e)前記虹彩認証情報を参照して、前記平均画像に対応するユーザIDを認証し、(f)前記角膜認証情報を参照して、前記振幅画像、及び前記位相画像に対応するユーザIDを認証し、(g)前記(e)における前記ユーザIDの認証結果と、前記(f)における前記ユーザIDの認証結果とを用いて、前記ユーザに対応するユーザIDを決定し、前記(a)〜(g)の少なくとも1つは、少なくとも1つの制御回路によって実行される。上記態様によると、本開示の第1の態様に係る認証装置と同様の効果が得られる。
本開示の第1の態様に係る認証方法では、前記(e)において、前記ユーザIDとの認証に成功し、かつ、前記(f)において、前記ユーザIDとの認証に成功したとき、前記(g)において、前記ユーザIDが前記ユーザに対応すると決定してもよい。
本開示の第1の態様に係る認証方法では、前記(e)において、前記ユーザIDとの認証に失敗したとき、前記(g)において、前記ユーザIDが前記ユーザに対応しないことを決定してもよい。
本開示の第1の態様に係る認証方法では、前記(e)において、前記ユーザIDとの認証に失敗したとき、前記(f)において、前記ユーザIDの認証を行わず、前記(g)において、前記ユーザIDが前記ユーザに対応しないことを決定してもよい。
本開示の第1の態様に係る認証方法では、前記(e)において、第1のユーザIDとの認証に成功し、かつ、前記(f)において、前記第1のユーザIDとの認証に失敗したとき、前記(g)において、前記ユーザに前記第1のユーザIDが対応しないことを決定し、さらに、(h)前記第1の眼球画像、前記第2の眼球画像、及び前記第3の眼球画像は、前記第1のユーザIDに対応する眼球の偽物の画像であると決定してもよい。
本開示の第1の態様に係る認証方法では、前記(c)において、前記第1の眼球画像、前記第2の眼球画像、及び前記第3の眼球画像における対応する画素位置の画素の間での画素値の周期性を表す周期関数を、各画素位置について決定し、前記周期関数の振幅、位相及び平均値それぞれを画像値とする前記振幅画像、前記位相画像、及び前記平均画像を生成してもよい。
本開示の第1の態様に係る認証方法では、前記(b)において、前記第1の偏光方向を有する光の出力時、前記第1の眼球画像、前記第2の眼球画像、及び前記第3の眼球画像を一緒に含む画像を撮像し、前記(c)において、撮像された画像から、前記第1の眼球画像、前記第2の眼球画像、及び前記第3の眼球画像を分離してもよい。
本開示の第2の態様に係る認証方法は、(a)第1の偏光方向、第2の偏光方向、及び第3の偏光方向をそれぞれ有する光を出力し、(b)前記第1の偏光方向の光の出力時、第4の偏光方向のユーザの第1の眼球画像を撮像し、前記第2の偏光方向の光の出力時、第4の偏光方向の前記ユーザの第2の眼球画像を撮像し、前記第3の偏光方向の光の出力時、第4の偏光方向の前記ユーザの第3の眼球画像を撮像し、(c)前記第1の眼球画像、前記第2の眼球画像、及び前記第3の眼球画像を用いて、振幅画像、位相画像、及び平均画像を生成し、(d)少なくとも1つの角膜画像とユーザIDとを対応付けた角膜認証情報と、少なくとも1つの虹彩画像とユーザIDとを対応付けた虹彩認証情報とを取得し、(e)前記虹彩認証情報を参照して、前記平均画像に対応するユーザIDを認証し、(f)前記角膜認証情報を参照して、前記振幅画像、及び前記位相画像に対応するユーザIDを認証し、(g)前記(e)における前記ユーザIDの認証結果と、前記(f)における前記ユーザIDの認証結果とを用いて、前記ユーザに対応するユーザIDを決定し、前記(a)〜(g)の少なくとも1つは、少なくとも1つの制御回路によって実行される。上記態様によると、本開示の第2の態様に係る認証装置と同様の効果が得られる。
本開示の第2の態様に係る認証方法では、前記(e)において、前記ユーザIDとの認証に成功し、かつ、前記(f)において、前記ユーザIDとの認証に成功したとき、前記(g)において、前記ユーザIDが前記ユーザに対応すると決定してもよい。
本開示の第2の態様に係る認証方法では、前記(e)において、前記ユーザIDとの認証に失敗したとき、前記(g)において、前記ユーザIDが前記ユーザに対応しないことを決定してもよい。
本開示の第2の態様に係る認証方法では、前記(e)において、前記ユーザIDとの認証に失敗したとき、前記(f)において、前記ユーザIDの認証を行わず、前記(g)において、前記ユーザIDが前記ユーザに対応しないことを決定してもよい。
本開示の第2の態様に係る認証方法では、前記(e)において、第1のユーザIDとの認証に成功し、かつ、前記(f)において、前記第1のユーザIDとの認証に失敗したとき、前記(g)において、前記ユーザに前記第1のユーザIDが対応しないことを決定し、さらに、(h)前記第1の眼球画像、前記第2の眼球画像、及び前記第3の眼球画像は、前記第1のユーザIDに対応する眼球の偽物の画像であると決定してもよい。
本開示の第2の態様に係る認証方法では、前記(c)において、前記第1の眼球画像、前記第2の眼球画像、及び前記第3の眼球画像における対応する画素位置の画素の間での画素値の周期性を表す周期関数を、各画素位置について決定し、前記周期関数の振幅、位相及び平均値それぞれを画像値とする前記振幅画像、前記位相画像、及び前記平均画像を生成してもよい。
本開示の第2の態様に係る認証方法において、前記第1の偏光方向を有する光、前記第2の偏光方向を有する光、及び前記第3の偏光方向を有する光それぞれの出力時、前記第1の眼球画像、前記第2の眼球画像、及び前記第3の眼球画像を個別に撮像する、
請求項22〜27のいずれか一項に記載の認証方法。
としてもよい。
なお、上記の包括的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読取可能な記録ディスク等の記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えばCD−ROM等の不揮発性の記録媒体を含む。また、装置は、1つ以上の装置で構成されてもよい。装置が2つ以上の装置で構成される場合、当該2つ以上の装置は、1つの機器内に配置されてもよく、分離した2つ以上の機器内に分かれて配置されてもよい。本明細書及び特許請求の範囲では、「装置」とは、1つの装置を意味し得るだけでなく、複数の装置からなるシステムも意味し得る。
以下、本開示に係る認証装置等について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ(工程)、ステップの順序等は、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。さらに、各図において、実質的に同一の構成要素に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
(実施の形態1)
実施の形態1に係る認証装置100及び認証装置100を備える認証システム1を説明する。以下の実施の形態において、認証装置100は、直線偏光が照射された眼球の撮像画像を合成することにより、認証用画像を生成する。さらに、認証装置100は、認証用画像を、データベースの画像と照合することにより、当該認証用画像に対応するユーザIDを決定する。
[1−1.認証システムの構成]
実施の形態1に係る認証システム1の構成を説明する。図1は、実施の形態1に係る認証システム1の機能的な構成の一例を示すブロック図である。図2は、実施の形態1に係る認証システム1の各構成要素による処理の流れの一例を示す概略図である。図1に示すように、実施の形態1に係る認証システム1は、認証装置100と、角膜認証情報データベース(以下、「角膜認証情報DB」とも表記する)110と、虹彩認証情報データベース(以下、「虹彩認証情報DB」とも表記する)120と、出力部130とを備える。認証装置100は、処理部10と、照明装置20と、カメラ30とを備える。処理部10は、記憶部11と、画素選択部12と、虹彩画像抽出部13と、周期関数近似部14と、角膜認証部15と、虹彩認証部16と、統合部17とを含む。
[認証装置100]
(照明装置20)
図1及び図2に示すように、認証装置100の照明装置20は、カメラ30の被写体に対して偏光を照射する。本実施の形態では、被写体は、人の眼球Eである。照明装置20は、1つの偏光方向の光を照射する。照明装置20は、照明部20aと、偏光部20bとを含む。照明部20a及び偏光部20bはそれぞれ、開口部20cの周りを囲むリング状の形状を有している。照明部20aは、光を出射し、偏光部20bは、照明部20aの出射光を直線偏光にする。照明部20aの照射光の例は、赤外光及び可視光である。照明部20aの例は、照明器具、照明回路、LED(発光ダイオード:Light Emitting Diode)素子等の発光素子、赤外球等の電球、レーザー光出射装置である。
図3は、実施の形態1に係る照明装置20を分解した模式的な平面図である。図3では、本来重なっている照明部20a及び偏光部20bを分離し、眼Eから見て近い側の上層から下層の順に図示されている。図3及び他の図において、照明装置の平面図及び正面図は、照明光の照射方向に対向して照明装置を見た図であり、カメラの被写体から照明装置を見た図である。また、照明装置の平面図及び正面図において、後述する偏光透過軸の方向である偏光方向を示す直線矢印及び円状の矢印が記載されているが、これらの矢印の向きは、カメラから被写体を見たとき、つまり、照明装置から被写体を見たときの向きを示す。
図2及び図3に示すように、照明部20aは、複数の光源20acが表面全体に配置された円環板状の発光部20abと、発光部20abと偏光部20bとの間に配置される円環板状の拡散板20aaとを含む。つまり、眼Eから離れる方向に、偏光部20b、拡散板20aa及び発光部20abの順で配置される。光源20acの例は、LED素子等の発光素子、赤外球等の電球、又はレーザー光源である。例えば、光源20acは、850nm、又は940nmなどのIR波長の赤外光を発生する。発光部20abは、複数の光源20acを同時に発光させるように構成され、それにより、リング状の照明光を拡散板20aaに向かって出射する。照明部20aは、1チャンネルのリング照明を構成する。
拡散板20aaは、発光部20abの複数の光源20ac全体を覆うように配置されている。拡散板20aa及び発光部20abは、開口部20cの周りを囲む。拡散板20aaは、複数の光源20acの出射光を拡散しつつ透過させ、偏光部20bに向かって放出する。拡散板20aaは、光を拡散しつつ透過させる構成を有すれば、いかなる構成であってもよい。拡散板20aaは、LED等の点光源からの出射光を面光源からの出射光のように変換する。拡散板20aaによって拡散された後に偏光部20bから出射される直線偏光は、眼鏡又は角膜上に発生する正反射に起因する鏡面反射の輝点の輝度を低下させることができる。さらに、上記直線偏光は、偏光部20bの偏光フィルタの消光比が低い場合においても、画像処理により偏光の鏡面反射の輝点の除去をより効果的に実現できるという効果を奏することが、本発明者の実験によって確認されている。なお、拡散板20aaは、必須でない。
偏光部20bは、照明部20aと被写体との間に配置された偏光フィルタであり、偏光部20bの例は、偏光板又は偏光フィルムである。例えば、偏光部20bは、IR波長帯で偏光動作をするために、フィルム型のワイヤグリッド型偏光板であってもよい。偏光部20bは、開口部20cの周りを囲む。偏光部20bは、カメラ30のカメラ座標系における画像面内の角度、つまり方位角で0°(0度)の方向に偏光透過軸を有する。偏光部20bは、光源20acの出射光を、方位角0°の直線偏光に変える。なお、カメラ座標系における画像面内において、上記方位角は、時計回り、つまり右回りの方向に増加し、水平方向の方位角は0°であり、鉛直方向の方位角は90°である。上記方位角は、カメラから被写体に向かって見たときの向きを示す。これは、後述する右回り及び左回りの円偏光の偏光透過軸の方向も同様であり、右回りの偏光透過軸の方向は、カメラ座標系の画像面内における時計回りの方向であり、左回りの偏光透過軸の方向は、反時計回りの方向である。なお、本明細書及び特許請求の範囲において、偏光透過軸の方位角のことを、単に「偏光方向」とも表現する。このように、照明装置20では、照明光の出射方向に沿って、発光部20ab、拡散板20aa及び偏光部20bが、この順に位置している。
上述のような照明装置20は、光源20acを発光させることによって、方位角0°の偏光方向の直線偏光であるリング形状の照明光Lを、認証対象者の眼球Eに照射する。眼球Eの角膜及び虹彩部分で反射した戻り光は、ドーナツ型の照明装置20の中心の開口部20cを通過し、カメラ30に入射する。なお、以下において、方位角α°の偏光方向の直線偏光の照明を、「直線偏光照明Lα」又は「直線偏光Lα」とも表現する。
(カメラ30)
図1及び図2に示すように、認証装置100のカメラ30は、デジタル画像を撮像する。カメラ30は、静止画及び動画のいずれを撮像してもよい。カメラ30は、偏光撮像素子30aと、対物レンズ30bとを備える。対物レンズ30bは、眼球Eで反射した戻り光を受光し、偏光撮像素子30aへ集光する。偏光撮像素子30aは、対物レンズ30bが偏光撮像素子30a上で結像する像を画像化する。
図4Aは、実施の形態1に係るカメラ30の偏光撮像素子30aの構成を模式的に示す平面図である。図4Bは、図4Aのモザイク偏光フィルタ30abにおける偏光フィルタのグループの1単位を示す平面図である。図4A及図4B並びに他の図において、偏光撮像素子及び偏光フィルタのグループの平面図は、カメラから被写体を見たときの図である。これらの平面図において、後述する偏光透過軸の方向である偏光方向を示す直線矢印及び円状の矢印が記載されているが、これらの矢印の向きは、カメラから被写体を見たときの向きを示す。
図4Aに示すように、偏光撮像素子30aは、受光素子を有する撮像素子30aaと、撮像素子30aa上に配置されるモザイク偏光フィルタ30abとを備える。モザイク偏光フィルタ30abの例は、モザイク偏光板又は偏光フィルムである。撮像素子30aaは、画像化する画像の画素それぞれに対応する複数の受光素子を有している。1つの受光素子は、1つの画素の画素値を生成する。受光素子は、受光した光の輝度等の光の特性を示す信号を処理部10の記憶部11に出力する。なお、画素値の例は、輝度である。
撮像素子30aaの例は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ及びCCD(Charge−Coupled Device)イメージセンサ等のイメージセンサである。モザイク偏光フィルタ30abは、対物レンズ30bと撮像素子30aaとの間に配置され、偏光撮像素子30aに入射する光を偏光し、撮像素子30aaに出力する。モザイク偏光フィルタ30abは、撮像素子30aa全体を覆って配置される。モザイク偏光フィルタ30abの例は、ワイヤグリッドである。対物レンズ30bから偏光撮像素子30aに集められた光は、モザイク偏光フィルタ30abを通過した後、撮像素子30aaに入射する。
図4A及び図4Bに示すように、モザイク偏光フィルタ30abは、平面的に配置された複数の偏光フィルタで構成されている。偏光フィルタの例は、偏光板又は偏光フィルムである。撮像素子30aaの受光素子それぞれに対して、1つの偏光フィルタが配置されている。このような複数の偏光フィルタは、受光素子と同様に格子状に配列されている。複数の偏光フィルタは、複数の第一直線偏光フィルタ30acaと、複数の第二直線偏光フィルタ30acbと、複数の第三直線偏光フィルタ30accと、複数の第四直線偏光フィルタ30acdとで構成されている。カメラ30のカメラ座標系における画像面内において、第一直線偏光フィルタ30acaの偏光透過軸の角度である方位角は0°である。第二直線偏光フィルタ30acbの偏光透過軸の方位角は45°である。第三直線偏光フィルタ30accの偏光透過軸の方位角は90°である。第四直線偏光フィルタ30acdの偏光透過軸の方位角は135°である。方位角0°の軸は、カメラ30及び撮像素子30aaの水平方向の基準軸である。
複数の直線偏光フィルタ30aca〜30acd、及び撮像素子30aaの複数の受光素子は、方位角0°の方向及び方位角90°の方向に、格子状に並ぶ。なお、第一直線偏光フィルタ30acaの偏光透過軸の方位角0°は、照明装置20の偏光部20bの偏光透過軸の方位角0°と平行である。つまり、直線偏光フィルタ30aca〜30acdの偏光透過軸の方位角は、偏光部20bの偏光透過軸の方位角と、0°、45°又は90°を形成するように構成される。
1つの点Pを中心として、直線偏光フィルタ30aca〜30acdが隣接して配置されている。第一直線偏光フィルタ30aca、第二直線偏光フィルタ30acb、第三直線偏光フィルタ30acc及び第四直線偏光フィルタ30acdは、点Pを中心とする回転方向でこの順で配置されている。このような4つの直線偏光フィルタ30aca〜30acdは、1つの偏光フィルタグループ30acを形成する。1つの偏光フィルタグループ30acにおいて、4つの直線偏光フィルタ30aca〜30acdは、縦2つ及び横2つからなる2×2の配列で正方形状に配置されている、つまり、格子状に配置されている。
モザイク偏光フィルタ30abにおいて、複数の偏光フィルタグループ30acは、格子状に、つまりモザイク状に配列されている。そして、複数の直線偏光フィルタ30aca〜30acdは、格子状に、つまりモザイク状に配列されている。第一直線偏光フィルタ30aca及び撮像素子30aaの受光素子は、入射光を0°の方向に偏光して受光するマイクロ偏光画素を形成する。第二直線偏光フィルタ30acb及び撮像素子30aaの受光素子は、入射光を45°の方向に偏光して受光するマイクロ偏光画素を形成する。第三直線偏光フィルタ30acc及び撮像素子30aaの受光素子は、入射光を90°の方向に偏光して受光するマイクロ偏光画素を形成する。第四直線偏光フィルタ30acd及び撮像素子30aaの受光素子は、入射光を135°の方向に偏光して受光するマイクロ偏光画素を形成する。このような偏光撮像素子30aによって取得される1つの画像は、0°、45°、90°及び135°の方向に偏光された画素である偏光画素を含む。
上述のようなカメラ30では、眼球Eで反射した光は、対物レンズ30bによって、モザイク偏光フィルタ30ab上に結像し、さらに、モザイク偏光フィルタ30abによって偏光を受けた後、撮像素子30aaによって受光される。撮像素子30aaは、各受光素子で検出した光の特性を示す信号等の情報を処理部10の記憶部11に出力する。カメラ30は、照明装置20の点灯期間において、0°、45°、90°及び135°の異なる偏光透過軸方向の偏光フィルタを介した4種類の偏光画素からなる偏光画像をほぼ同一視点から同時に取得することができる。
(処理部10)
図1及び図2を参照しつつ、認証装置100の処理部10の各構成要素を説明する。処理部10の画素選択部12、虹彩画像抽出部13、周期関数近似部14、角膜認証部15、虹彩認証部16及び統合部17からなる各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)又はDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサ、並びに、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read-Only Memory)等のメモリなどからなるコンピュータシステム(図示せず)により構成されてもよい。各構成要素の一部又は全部の機能は、CPU又はDSPがRAMを作業用のメモリとして用いてROMに記録されたプログラムを実行することによって達成されてもよい。また、各構成要素の一部又は全部の機能は、電子回路又は集積回路等の専用のハードウェア回路によって達成されてもよい。各構成要素の一部又は全部の機能は、上記のソフトウェア機能とハードウェア回路との組み合わせによって構成されてもよい。プログラムは、アプリケーションとして、インターネット等の通信網を介した通信、モバイル通信規格による通信、その他の無線ネットワーク、有線ネットワーク、又は放送等で提供されるものであってもよい。ここで、処理部10は、制御回路の一例である。
また、記憶部11は、種々の情報の格納及び取り出しを可能にする。例えば、記憶部11は、カメラ30によって取得された撮像画像を格納する。記憶部11は、処理部10及び/又はカメラ30を動作させるためのプログラムを格納してもよい。これらのプログラムは、処理部10及びカメラ30が有する図示しないメモリに格納されてもよい。記憶部11は、例えば、ROM、RAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリ、ハードディスクドライブ、又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置によって実現される。
画素選択部12は、カメラ30の偏光撮像素子30aで取得された画像において、第一直線偏光フィルタ30acaを介して取得された画素と、第二直線偏光フィルタ30acbを介して取得された画素と、第三直線偏光フィルタ30accを介して取得された画素と、第四直線偏光フィルタ30acdを介して取得された画素とをそれぞれ再集積処理することによって、4種類の偏光画像を生成する。
4種類の偏光画像のうちの第一偏光画像は、第一直線偏光フィルタ30acaを介して取得される画素である偏光画素C0からなる画像である。第二偏光画像は、第二直線偏光フィルタ30acbを介して取得される画素である偏光画素C45からなる画像である。第三偏光画像は、第三直線偏光フィルタ30accを介して取得される画素である偏光画素C90からなる画像である。第四偏光画像は、第四直線偏光フィルタ30acdを介して取得される画素である偏光画素C135からなる画像である。以下において、偏光透過軸の方位向がβ°である直線偏光フィルタを介して取得される偏光画素を、「偏光画素Cβ」とも表現する。
画素選択部12は、記憶部11からカメラ30の撮像画像を取得し、当該撮像画像から、偏光画素C0、C45、C90及びC135それぞれからなる偏光画像を生成し、虹彩画像抽出部13に出力する。以下において、照明装置20の偏光部20bの偏光透過軸の方位角がα°であり、当該直線偏光の照射中に撮像された画像における偏光画素Cβからなる偏光画像を、「偏光画像LαCβ」とも表現する。よって、画素選択部12は、偏光画像L0C0、L0C45、L0C90及びL0C135を生成する。偏光画像L0C0、L0C45、L0C90及びL0C135はいずれも、偏光撮像素子30aの撮像画像の縦横サイズをそれぞれH及びWとすると、縦H/2及び横W/2のサイズの縮小画像である。偏光画像間での各画素の位置は、ほぼ位置ズレの無い同一のサンプリング位置とみなすことができる。
虹彩画像抽出部13は、偏光画像L0C0、L0C45、L0C90及びL0C135それぞれから、瞳孔及び虹彩を検出し、それにより、虹彩領域を検出する。例えば、虹彩画像抽出部13は、瞳孔及び虹彩の輪郭を検出し、虹彩の輪郭と瞳孔の輪郭との間の領域を虹彩領域に決定してもよい。さらに、虹彩画像抽出部13は、各偏光画像において抽出されたドーナツ型の虹彩領域の画像を切り開くことによって、4種の長方形画像RECTβを生成する。なお、βは、偏光画像の偏光画素に対応する偏光透過軸の方位角を示す。よって、4つの長方形画像RECT0、RECT45、RECT90及びRECT135が生成される。長方形画像RECT0、RECT45、RECT90及びRECT135はそれぞれ、偏光画像L0C0、L0C45、L0C90及びL0C135に対応する。長方形画像には、虹彩が含まれる。
周期関数近似部14は、長方形画像RECT0、RECT45、RECT90及びRECT135において、略同じ画素位置の4つの画素、つまり、対応する4つの画素について、4つの画素の画素値の変化である輝度変化の周期性を解析する処理を実施する。具体的には、周期関数は、偏光画素の画素値と偏光透過軸の方位角とをパラメータとする関数である。偏光透過軸の方位角は、位相として扱われる。周期関数は、4つの長方形画像の対応する4つの偏光画素それぞれの画素値と偏光透過軸の方位角とを座標成分とする4つの座標点を通る曲線に近似する周期関数として、算出される。周期関数近似部14は、長方形画像の各画素の周期関数を算出する。これにより、各画素位置での周期関数が生成される。周期関数近似部14は、各画素位置での画素値を周期関数の振幅とする振幅画像Aと、各画素位置での画素値を基準に対する周期関数の位相のずれ量とする位相画像φと、各画素位置での画素値を周期関数の平均値とする平均画像Mとを生成する。周期関数の平均値は、周期関数の最大値及び最小値の平均値とされてもよい。振幅画像A、位相画像φ及び平均画像Mは、元の長方形画像と同様の画素配列を有する長方形画像であり、画素の位置も長方形画像と対応する。各画像の詳細は、後述する。
上述のように、長方形画像から振幅画像A、位相画像φ及び平均画像Mを分離することによって、角膜の情報と虹彩の情報とは分離される。具体的には、角膜の形状及び偏光光学特性は、振幅画像A及び位相画像φとして変換つまりエンコードされる。平均画像Mは従来の虹彩画像に相当する画像となる。振幅画像A及び位相画像φは、角膜情報を示し、平均画像Mは、虹彩情報を示す。
角膜認証部15は、角膜情報である振幅画像A及び位相画像φを取得し、角膜認証を実施する。具体的には、角膜認証部15は、振幅画像A及び位相画像φと、角膜認証情報DB110に格納される各ユーザの参照用振幅画像及び参照用位相画像とを比較し、類似度等に基づき、振幅画像A及び位相画像φに対応するユーザのIDつまり識別情報を特定する。例えば、角膜認証部15は、振幅画像A及び位相画像φとの所定以上の類似度を有する参照用振幅画像及び参照用位相画像を決定し、決定された参照用振幅画像及び参照用位相画像に対応付けられているユーザIDを特定する。類似度は、2つの画像間の信号間距離であってもよい。ここで、参照用振幅画像及び参照用位相画像は、角膜画像の一例である。
虹彩認証部16は、虹彩情報である平均画像Mを取得し、虹彩認証を実施する。具体的には、虹彩認証部16は、平均画像Mと、虹彩認証情報DB120に格納されている各ユーザの参照用平均画像とを比較し、類似度等に基づき、平均画像Mに対応するユーザのIDを特定する。例えば、虹彩認証部16は、平均画像Mとの所定以上の類似度を有する参照用平均画像を決定し、決定された参照用平均画像に対応付けられているユーザIDを特定する。類似度は、2つの画像間の信号間距離であってもよい。ここで、参照用平均画像は、虹彩画像の一例である。
統合部17は、角膜認証部15及び虹彩認証部16それぞれから認証結果CRN及びIRSを取得し、取得された認証結果を統合することによって、最終的な認証結果を出力する。
[角膜認証情報DB110]
角膜認証情報DB110は、予め撮像された各ユーザの眼球画像を用いて予め取得された振幅画像及び位相画像を、参照用振幅画像及び参照用位相画像として、ユーザのIDと対応付けて格納する。角膜認証情報DB110は、記憶部11に関して例示されたいずれかの構成を有してもよい。1つのユーザIDに対して、1組の参照用振幅画像及び参照用位相画像が格納されてもよく、複数組の参照用振幅画像及び参照用位相画像が格納されてもよい。角膜認証情報DB110は、認証装置100を搭載する機器内に配置されてもよく、当該機器の外に配置されてもよい。上記機器の外に配置された角膜認証情報DB110は、無線通信を介して、認証装置100と情報を授受してもよい。この場合、角膜認証情報DB110は、クラウドサーバに配置され、インターネット等の通信網を介して、認証装置100と無線通信を行ってもよく、他のいかなる無線通信を行ってもよい。
[虹彩認証情報DB120]
虹彩認証情報DB120は、予め撮像された各ユーザの眼球画像を用いて予め取得された平均画像を、参照用平均画像として、ユーザのIDと対応付けて格納する。虹彩認証情報DB120は、記憶部11に関して例示されたいずれかの構成を有してもよい。1つのユーザIDに対して、1つの参照用平均画像が格納されてもよく、複数の参照用平均画像が格納されてもよい。参照用平均画像は、典型的には、特許文献1で開示される従来からの虹彩認証パターンである。虹彩認証情報DB120は、認証装置100を搭載する機器内に配置されてもよく、当該機器の外に配置されてもよい。上記機器の外に配置された虹彩認証情報DB120は、無線通信を介して、認証装置100と情報を授受してもよい。この場合、虹彩認証情報DB120は、クラウドサーバに配置され、インターネット等の通信網を介して、認証装置100と無線通信を行ってもよく、他のいかなる無線通信を行ってもよい。
[出力部130]
出力部130は、統合部17による認証結果を、認証システム1の外部の機器等に出力する。出力部130は、ディスプレイ及びスピーカ等の表示装置に、視覚的及び/又は聴覚的に認証結果を出力してもよい。出力部130は、無線通信を介して、外部の機器に認証結果を出力してもよい。出力部130は、統合部17によってユーザIDが特定された場合、当該ユーザの情報を出力し、特定されなかった場合、認証不可能であることを示す情報を出力してもよい。出力部130は、処理部10の各構成要素について例示されたいずれかの構成を有してもよい。出力部130は、外部の装置等と接続するためのインターフェースであってもよい。出力部130は、認証装置100を搭載する機器内に配置されてもよく、当該機器とは他の機器に配置されてもよい。
本実施の形態では、カメラ30の偏光撮像素子30aの図示しない制御部、及び処理部10は、互いに別の処理部を構成しているが、全てが同じ処理部を構成してもよい。
[1−2.角膜の偏光光学効果]
ここで、図5A〜図5Cを参照しつつ、人の眼の角膜の偏光光学効果を説明する。なお、図5Aは、角膜の偏光光学効果を説明する図であり、直線偏光照明が角膜に入射及び反射する状況を示す概略図である。図5Bは、角膜の偏光光学効果を説明する図であり、角膜に入射する直線偏光照明を示す模式的な正面図である。図5Cは、角膜の偏光光学効果を説明する図であり、角膜で反射した直線偏光照明を示す模式的な正面図である。
非特許文献1によれば、眼球の角膜は、正面から見た場合の極座標系におけるr方向及びθ方向でそれぞれ、異なる屈折率を有する。なお、r方向は、角膜の中心からの半径方向であり、θ方向は、角膜の中心の周りの回転方向である。このような角膜の構成物質は、複屈折物質と呼ばれる。複屈折物質に直線偏光が入射すると、直線偏光は、2つの振動方向で振動しつつ透過する。透過の過程における2つの振動方向での光の速度が異なるため、2つの振動方向での振動の位相にズレが生じ、直線偏光が楕円偏光又は円偏光に変化する場合がある。なお、本明細書及び特許請求の範囲において、円偏光及び楕円偏光をまとめて、「円偏光」と表記する場合もあれば、「楕円偏光」と表記する場合もある。よって、「円偏光」及び「楕円偏光」はいずれも、円偏光及び楕円偏光を含み得る。
図5Aに示すように、偏光方向0°の直線偏光L0が、眼球Eの角膜Eaの直上つまり正面から角膜Eaに入射すると、直線偏光L0の一部は、空気と角膜Eaとの境界反射光となり、直線偏光L0の残りの光は、透明な角膜Eaと房水Ebとを透過し、不透明な虹彩Ecに到達して反射する。当該反射光は再度、房水Eb及び角膜Eaを透過し空気中に出射されカメラ30に到達する。直線偏光が角膜を2回透過する過程で、直線偏光の2つの振動方向の光の位相が、r方向及びθ方向で互いにずれて楕円偏光に変化してカメラ30に到達する。なお、直線偏光L0は、紙面に垂直であり且つ破線を含む水平面に沿う0°の方向の振動面を有する直線偏光である。
図5Bは、正面から角膜Eaを見たときの複屈折のF(Fast)軸及びS(Slow)軸の分布を示す。Fast軸は、進相軸とも呼ばれ、光の進む速度が速い、つまり位相が進む方位の軸である。Slow軸は、遅相軸とも呼ばれ、光の進む速度が遅い、つまり位相が遅れる方位の軸である。Fast軸及びSlow軸は直交する。図5Bでは、r方向の軸がFast軸となり、θ方向の軸がSlow軸となる設定が仮定されている。図5BをX軸及びY軸の直交座標系で考えると、θ=0°及び180°に対応するX軸の方向、並びに、θ=90°及び270°に対応するY軸の方向のみが、特別な向きとなる。このとき、F軸及びS軸の一方は、Y軸及びX軸の一方に一致し、F軸及びS軸の他方は、Y軸及びX軸の他方に一致する。
図5Cは、複屈折の効果を考慮した、角膜Eaの正面でのカメラ30に到達する偏光状態の分布を示す。図5Cは、角膜Eaに入射する偏光方向0°の直線偏光L0は、上記F軸及びS軸の分布により、どのような偏光への影響を受けるかを示している。F軸及びS軸の方向がX軸及びY軸の方向である場合では、2つの振動方向の光で位相ずれが発生しても、直線偏光L0には位相ずれが発生するだけで、入射した直線偏光L0は、同じ偏光状態のまま反射し戻ってくる。F軸及びS軸の方向がX軸及びY軸以外の角度の方向である場合では、直線偏光L0をX軸方向及びY軸方向の振動方向に分解した光の間で位相差が発生するため、これらの光の合成結果は楕円偏光を形成する。図5Cは、特にF軸及びS軸の方向がX軸及びY軸と45度をなす場合の直線偏光L0が楕円偏光に変化する様子を示し、この場合、2つの振動方向の光の位相ずれが最大である。
図6は、上述した角膜の偏光光学効果によってカメラ30の撮像画像に写し出される画像パターンの概略を模式的に示す図である。偏光状態を観測できる偏光カメラであるカメラ30によって、光量=1の照明光の直線偏光が眼球で反射しそのまま直線偏光として戻ってくる像を撮像する場合、照明光及びカメラ30の偏光フィルタの偏光方向が直交する直交偏光状態では、理想的には、当該偏光フィルタに対応する偏光画素の輝度=0となる。また、照明光及び偏光フィルタの偏光方向が平行である平行偏光状態では、理想的には、当該偏光フィルタに対応する偏光画素の輝度=1となる。しかしながら、光量=1の直線偏光が円偏光として戻ってくる場合、照明光及び偏光フィルタの偏光方向が平行及び直交状態のいずれでも、偏光画素の輝度は1/2となる。このため、角膜を正面から見た2次元平面上で偏光状態の分布が異なる場合、撮像画像では、偏光状態の分布が明暗の輝度パターンとなって現れる。
偏光画素C0、C45、C90及びC135それぞれからなる4種類の偏光画像が、撮像画像から生成される。図6の例では、照明光は直線偏光L0であるため、直線偏光L0L0と偏光画素C0との組み合わせが平行偏光に該当し、直線偏光L0と偏光画素C90との組み合わせが直交偏光に該当する。本明細書では、例えば、観測される偏光方向pの照明光と、偏光撮像素子30a等の観測側の偏光方向qの偏光状態とを組み合わせた偏光状態を、LpCqのように表示する。また、角度、つまり、方位角の座標系は全て、カメラで取得される画像を基準としたカメラ座標系である。図7に示すように、カメラ座標系では、カメラの撮像方向で画像を見たとき、X軸の正方向は、画像上での水平方向右向きであり、Y軸の正方向は、鉛直方向下向きである。角度、つまり、方位角は、X軸の正方向でゼロであり、Y軸の正方向への回転方向を正とする。なお、図7は、眼の撮像画像におけるカメラ座標系の一例を示す模式的な図であり、角膜の中心を原点とする図である。
観測されるパターンを具体的に説明する。直交偏光状態L0C90の場合、X軸及びY軸上の画素は、そのまま戻ってきた直線偏光の像を示すため、理想的には、当該画素は、その輝度=0となり暗くなる。しかしながら、X軸及びY軸に対して斜め方向の軸上の画素は、円偏光の像を示すため、輝度=1/2の灰色となる。これにより、眼の画像上には、図6の画像L0C90のイメージに示されるように、いわゆる「黒十字」パターンが現れる。また、平行偏光状態L0C0の場合、X軸及びY軸上の画素は、そのまま戻ってきた直線偏光の像を示すため、その輝度=1となるように明るくなるが、それ以外の斜め方向の軸上の画素は、輝度=1/2とやや暗い灰色となる。つまり、眼の画像上に明暗パターンが現れる。そして、上記以外の偏光状態L0C45及びL0C135では、図6に示すように、輝度が暗くなる方向が互いに異なる別パターンが現れる。本明細書において、上述のような角膜の複屈折に起因するパターンを、「複屈折パターン」と表現する。
図8は、図6に示す各画像の模式図に対応する、実験で撮影された4種類の偏光画像を示す。4つの偏光画像それぞれにおいて、異なる角膜の複屈折パターンが虹彩上に表れていることがわかる。また、別の特徴として、平行偏光状態に該当する偏光画像L0C0では、虹彩及び白目の輝度コントラストが高くなっていることがわかる。逆に、直交偏光状態に該当する偏光画像L0C90では、角膜上での照明光の鏡面反射は弱まるものの、虹彩及び白目の輝度コントラストが低下し、虹彩領域及び白目領域がほぼ一体の領域になっている。
[1−3.認証システム1の動作]
図9を参照しつつ、認証システム1の動作を説明する。なお、図9は、実施の形態1に係る認証システム1の動作の一例を示すフローチャートある。まず、ステップS1において、照明装置20は、前方の認証対象者に向かって偏光方向0°の直線偏光L0を照射する。照明装置20の照射中、カメラ30は、前方の当該対象者を撮像する。カメラ30は、撮像画像を記憶部11に格納する。撮像画像は、認証対象者の眼を外側から写した像を含む眼球画像である。各撮像画像には、撮像時刻の情報が含まれている。なお、照明装置20及びカメラ30の連動した動作は、照明装置20又はカメラ30が備える図示しない制御装置によって制御されてもよく、処理部10によって制御されてもよく、認証装置100又は認証システム1の図示しない制御装置によって制御されてもよい。又は、照明装置20及びカメラ30は、所定の時間毎に、直線偏光L0の照射及び撮像を行うように、設定されていてもよい。
次いで、ステップS2において、処理部10の画素選択部12は、記憶部11から、各撮像画像を取得し、各撮像画像において、画素を選択する。具体的には、画素選択部12は、各撮像画像において、カメラ30の偏光撮像素子30aにおける偏光透過軸の方位角0°、45°、90°及び135°の直線偏光フィルタ30aca〜30acdそれぞれに対応する受光素子で取得された偏光画素C0、C45、C90及びC135を抽出する。画素選択部12は、抽出された偏光画素C0、C45、C90及びC135を再集積することによって、4つの新しい画像である偏光画像L0C0、L0C45、L0C90及びL0C135を生成する。各偏光画像には、当該偏光画像を構成する偏光画素の情報が含まれる。
次いで、ステップS3において、処理部10の虹彩画像抽出部13は、偏光画像L0C0、L0C45、L0C90及びL0C135それぞれにおいて、瞳孔及び虹彩を検出し、それにより、虹彩領域の画像を抽出する。さらに、虹彩画像抽出部13は、虹彩領域に対応するドーナツ型の4つの画像それぞれを長方形展開し、長方形画像RECT0、RECT45、RECT90及びRECT135に変換する。ステップS3の処理の詳細は、後述する。
次いで、ステップS4において、処理部10の周期関数近似部14は、4つの長方形画像RECT0、RECT45、RECT90及びRECT135を用いて、周期関数を算出する、つまり近似する。周期関数近似部14は、4つの長方形画像の間で位置が対応する4つの画素を用いて、周期関数を算出する。周期関数は、長方形画像の各画素位置に対して、算出される。さらに、周期関数近似部14は、各画素位置の周期関数の振幅、位相のずれ、及び平均値をそれぞれ画素値とする振幅画像A、位相画像φ及び平均画像Mを生成し、角膜認証部15及び虹彩認証部16に出力する。
次いで、ステップS5において、角膜認証部15は、振幅画像A及び位相画像φと、角膜認証情報DB110に格納される各ユーザの参照用振幅画像及び参照用位相画像とを比較し、振幅画像A及び位相画像φに対応するユーザIDを特定する。角膜認証部15は、特定結果を統合部17に出力する。ステップS5の処理の詳細は、後述する。
次いで、ステップS6において、虹彩認証部16は、平均画像Mと、虹彩認証情報DB120に格納されている各ユーザの参照用平均画像とを比較し、平均画像Mに対応するユーザIDを特定する。虹彩認証部16は、特定結果を統合部17に出力する。ステップS6の処理の詳細は、後述する。
次いで、ステップS7において、統合部17は、角膜認証部15及び虹彩認証部16それぞれから取得される認証結果を統合することによって、最終的な認証結果を出力する。統合部17は、認証結果の適否を判定し、ステップS1で撮像された画像内の眼の保有者を特定する。統合部17は、判定結果を出力部130に出力する。ステップS7の処理の詳細は、後述する。
次いで、ステップS8において、出力部130は、統合部17の判定結果に基づき、特定された保有者に関する情報を、表示装置等の外部機器に出力する。保有者が特定されなかった場合、出力部130は、認証不可を示す情報を外部機器に出力する。出力部130は、図示しない他のデータベースにアクセスすることによって、ユーザIDに対応する保有者に関する情報を取得してもよい。
[1−3−1.ステップS3の処理の詳細]
ステップS3の処理の詳細を説明する。図10は、虹彩画像抽出部13による虹彩画像抽出処理の一例を示すフローチャートである。図10に示すように、虹彩画像抽出部13は、ステップS301では、各偏光画像L0C0、L0C45、L0C90及びL0C135において、以下に示すモデル化の基準となる瞳孔の中心を検出する。瞳孔の中心の検出には、画像内で最も黒い円領域という瞳孔輝度及び形状に着目する検出方法、又は黒い瞳孔内に写る明るいリング状の照明像の円検出に着目する方法等の画像処理が用いられてもよい。
ステップS302では、虹彩画像抽出部13は、上記の各偏光画像において、瞳孔の外側の輪郭を検出する。さらに、虹彩画像抽出部13は、検出された外側輪郭を、瞳孔中心からの距離を用いてモデル化する。瞳孔の外側輪郭の検出及びモデル化では、虹彩画像抽出部13は、瞳孔中心から動径方向に輝度変化を観測し、輝度に、瞳孔領域に該当する暗領域から、虹彩領域に該当する明領域への急激な変化がある箇所を、瞳孔の外側輪郭の候補とする。虹彩画像抽出部13は、このような候補の算出を、サンプリングされた複数の角度、つまり、瞳孔中心からの複数の方位角で実施する。虹彩画像抽出部13は、候補として決定された複数の点を連続曲線上の点として互いに繋ぎ、これにより形成される連続曲線を用いて、瞳孔の外側輪郭をモデル化する。モデル化には、極座標での距離を多項式表現する方法、楕円近似を用いる方法などがある。
次いで、ステップS303では、虹彩画像抽出部13は、虹彩の外側輪郭の検出及び虹彩の外側輪郭のモデル化を行う。本処理も、基本的にはステップS302と同様である。虹彩画像抽出部13は、瞳孔中心から動径方向に輝度変化を観測し、輝度に、虹彩領域に該当する暗領域から、白目領域に該当する明領域への急激な変化がある箇所を、虹彩の外側輪郭候補とする。虹彩画像抽出部13は、このような候補の算出を、サンプリングされた複数の方位角にて実施し、候補として決定された複数の点から決定される連続曲線を用いて、虹彩の外側輪郭をモデル化する。
次いで、ステップS304では、虹彩画像抽出部13は、ステップS301〜S303での処理で得られた瞳孔中心、瞳孔外側輪郭モデル及び虹彩外側輪郭モデルを用いて、4つの偏光画像の眼領域の虹彩領域を抽出する。さらに、虹彩画像抽出部13は、各偏光画像の虹彩領域の画像を極座標変換する。
次いで、ステップS305では、虹彩画像抽出部13は、極座標変換後の4つの虹彩領域の画像それぞれを長方形展開し、長方形画像RECT0、RECT45、RECT90及びRECT135を生成し、出力する。
上述の虹彩画像抽出処理において、4つの偏光画像が用いられ、4つの偏光画像間において、各画素の画素位置が対応付けられている。しかしながら、4つの偏光画像が対応付けられずに、別々に外側輪郭等の検出及びモデル化を実施すると、4つの画像の間で、モデル化された外側輪郭の画素位置がずれてしまう。このため、ステップS301〜S303までの検出及びモデル化の処理は、これらの処理に適した特定の偏光画像のみを用いて行われ、ステップS304及びS305の処理は、ステップS301〜S303までの結果を共通に用いることが望ましい。
さらに、ステップS304及びS305の処理の詳細を説明する。図11は、虹彩画像抽出部13による虹彩画像の展開処理の詳細の一例を説明する図である。図11に示すように、虹彩画像抽出部13は、虹彩領域の画像IEcに対して、瞳孔中心C1を原点とする極座標(r,θ)に変換する。要素rは、原点C1からの距離であり、要素θは、原点C1を中心とする回転角度である。さらに、虹彩画像抽出部13は、偏光画像L0C0、L0C45、L0C90及びL0C135それぞれの虹彩領域の画像IEcに対して、θ方向に展開する長方形展開処理を行い、長方形画像RECT0、RECT45、RECT90及びRECT135を生成する。各長方形画像では、縦軸はr軸であり、横軸はθ軸である。また、各長方形画像には、虹彩パターンPEcと、角膜の偏光光学特性によるパターン、つまり複屈折パターンPEaとが重畳されている。
[1−3−2.ステップS4の処理の詳細]
さらに、図11及び図12を参照しつつ、ステップS4での周期関数近似部14による周期関数近似処理の詳細を説明する。なお、図12は、周期関数近似部14による周期関数の算出処理の詳細の一例を説明する図である。周期関数近似部14は、図11に示すように、角膜の複屈折パターンPEaが、長方形画像のθ軸方向に周期性を有することを利用して、長方形画像の全画素位置で個々に4つの輝度周期関数をフィッティングする。具体的には、周期関数近似部14は、長方形画像RECT0、RECT45、RECT90及びRECT135それぞれから、略同じ画素位置である対応画素P1、P2、P3及びP4を抽出する。そして、周期関数近似部14は、各対応画素の画素値である輝度値を取得する。例えば、対応画素P1、P2、P3及びP4それぞれの輝度値は、P1a、P2a、P3a及びP4aである。また、偏光画素である対応画素P1、P2、P3及びP4の偏光透過軸の方位角はそれぞれ、0°、45°、90°及び135°である。周期関数近似部14は、画素値及び偏光透過軸の方位角を成分をとする直交座標系において、対応画素P1、P2、P3及びP4の4つの座標点を通る曲線に近似する周期関数を算出する。周期関数近似部14は、長方形画像の全ての画素位置に対して、上述のような周期関数を算出する。
図12に示すように、周期関数近似部14は、例えば、対応画素P1、P2、P3及びP4の4つの座標点を、正弦関数にフィッティングする。周期関数近似部14は、当該4つの座標点の最も近傍を通る正弦関数を算出し、当該正弦関数を周期関数に決定する。なお、周期関数の近似方法は、上記フィッティングに限定されず、既知のいかなる方法であってもよい。
これにより、周期関数近似部14は、下記の式1に示すような周期関数を算出する。そして、長方形画像の各画素位置に対して、式1のような周期関数が算出される。このような周期関数によって、各画素位置に対して、振幅A,位相φ及び平均値Mという3つのパラメータが推定される。周期関数近似部14は、各画素位置での周期関数における振幅Aを、当該画素位置の画素値とする振幅画像を生成する。周期関数近似部14は、各画素位置での周期関数における位相φを、当該画素位置の画素値とする位相画像を生成する。位相φは、方位角であるθ軸方向の位相のずれである。また、周期関数近似部14は、各画素位置での周期関数における平均値Mを、当該画素位置の画素値とする平均画像を生成する。平均値Mは、画素値であるValue軸方向のずれである。このような処理によって、4つの長方形画像は、同じサイズの3つの振幅画像、位相画像及び平均画像に変換される。
また、図13は、周期関数近似部14から出力される振幅画像A、位相画像φ及び平均画像Mの一例を示す図である。これらのうちの振幅画像A及び位相画像φは、角膜画像情報に相当し、平均画像Mは虹彩画像情報に相当する。このように、眼球画像である虹彩領域の画像IEcが、角膜情報と虹彩情報とに分離される。
図14Aは、図8で示した虹彩の4つの偏光画像L0C90、L0C45、L0C90及びL0C135から生成される4つの長方形画像RECT0、RECT45、RECT90及びRECT135の実際の画像例を示す。図14Bは、図14Aの4つの長方形画像RECT0、RECT45、RECT90及びRECT135から周期関数近似部14によって生成される振幅画像A、位相画像φ及び平均画像Mの実際の画像例を示す。位相画像φは、本来周期関数であるが,図14Bでは黒から白までにエンコードされている。
[1−3−3.ステップS5の処理の詳細]
図15を参照しつつ、ステップS5の処理の詳細を説明する。なお、図15は、角膜認証部15による角膜認証処理の詳細の一例を示すフローチャートである。まず、ステップS501では、角膜認証部15は、撮像画像から生成された振幅画像A及び位相画像φから2成分を有する角膜のベクトル画像V(XI,YI)を、以下の式2によって生成する。角膜ベクトル画像Vは、振幅画像A及び位相画像φにおける略同じ画素位置である対応画素の振幅値及び位相を用いて算出される。以下において、角膜ベクトル画像Vを、「認証用角膜ベクトル画像V」とも表現する。
次いで、ステップS502では、角膜認証部15は、角膜認証情報DB110から予め蓄積されている角膜認証情報を取得する。角膜認証情報DB110には、複数の個人が登録され、各個人の角膜情報が、角膜認証情報として蓄積されている。各個人の角膜情報は、各個人の振幅画像AR及び位相画像φRを含む。各個人の振幅画像AR及び位相画像φRは、撮像画像の振幅画像A及び位相画像φに関して上述した方法と同様の方法で、予め作成され、各個人のユーザIDと対応付けられて角膜認証情報DB110に格納される。
次いで、ステップS503では、角膜認証部15は、角膜認証情報の振幅画像AR及び位相画像φRについても、上記の式2により、角膜ベクトル画像VR(XR,YR)を生成する。なお、角膜認証情報DB110に、角膜認証情報の角膜ベクトル画像が蓄積されていてもよい。以下において、角膜ベクトル画像VRを、「参照用角膜ベクトル画像VR」とも表現する。
次いで、ステップS504では、角膜認証部15は、撮像画像から生成された認証用角膜ベクトル画像Vと角膜認証情報から生成された参照用角膜ベクトル画像VRとの間での画像間の距離COR_DISTを、以下の式3のように信号間の距離のノルムで求める。角膜認証部15は、認証用角膜ベクトル画像Vと様々な参照用角膜ベクトル画像VRとの距離を、統合部17に認証結果として出力する。このように、角膜認証部15は、角膜認証処理として、撮像画像と角膜認証情報との間で角膜ベクトル画像の距離を算出する。
[1−3−4.ステップS6の処理の詳細]
図16を参照しつつ、ステップS6の処理の詳細を説明する。なお、図16は、虹彩認証部16による虹彩認証処理の詳細の一例を示すフローチャートである。まず、ステップS601では、虹彩認証部16は、撮像画像から生成された平均画像Mにガボールフィルタリングを実施し、実部画像及び虚部画像を生成する。実部画像及び虚部画像の生成方法は、既知であるため、その説明を省略する。
次いで、ステップS602では、虹彩認証部16は、実部画像及び虚部画像をしきい値で2値化することで、虹彩認証用データとして実部IR及び虚部IIを生成する。以下において、実部IR及び虚部IIを、「認証用実部IR及び認証用虚部II」とも表現する。
次いで、ステップS603では、虹彩認証部16は、虹彩認証情報DB120から予め蓄積されている虹彩認証情報を取得する。虹彩認証情報DB120には、複数の個人が登録され、各個人の虹彩情報が、虹彩認証情報として蓄積されている。各個人の虹彩情報は、各個人の眼球画像に関する実部IRR及び虚部IIRである。各個人の実部IRR及び虚部IIRは、撮像画像についての実部IR及び虚部IIに関して上述した方法と同様の方法で、予め作成され、各個人のユーザIDと対応付けられて虹彩認証情報DB120に格納される。以下において、虹彩認証情報の実部IRR及び虚部IIRを、「参照用実部IRR及び参照用虚部IIR」とも表現する。
次いで、ステップS604では、虹彩認証部16は、認証用実部IR及び認証用虚部IIと、参照用実部IRR及び参照用虚部IIRとの間のハミング距離IRIS_DISTを算出する。虹彩認証部16は、認証用実部IR及び認証用虚部IIと、様々な参照用実部IRR及び参照用虚部IIRとの間のハミング距離を、統合部17に認証結果として出力する。このように、虹彩認証部16は、虹彩認証処理として、撮像画像と虹彩認証情報との間で実部及び虚部の距離を算出する。
[1−3−5.ステップS7の処理の詳細]
図17を参照しつつ、ステップS7の処理の詳細を説明する。なお、図17は、統合部17による認証結果の統合処理の詳細の一例を示すフローチャートである。ステップS701では、統合部17は、認証用角膜ベクトル画像Vと参照用角膜ベクトル画像VRとの間の距離COR_DISTを、角膜認証部15から取得する。
次いで、ステップS702では、統合部17は、虹彩認証用データである認証用実部IR及び認証用虚部IIと、虹彩認証情報である参照用実部IRR及び参照用虚部IIRとの間のハミング距離IRIS_DISTを、虹彩認証部16から取得する。
次いで、ステップS703では、統合部17は、虹彩に関するデータを使った認証処理を実施する。具体的には、統合部17は、ハミング距離IRIS_DISTが、一定の第一閾値THRESH1よりも小さいか否かを判定する。統合部17は、ハミング距離が第一閾値よりも小さい場合(ステップS703でYes)、ステップS705へ進み、ハミング距離が第一閾値以上である場合(ステップS703でNo)、ステップS704へ進む。
ステップS704では、統合部17は、ハミング距離が大きく異なるため、認証用実部IR及び認証用虚部IIに対応するユーザは、参照用実部IRR及び参照用虚部IIRに対応するユーザに該当しない、つまり、別人であると決定する。これにより、統合部17は、ユーザの認証が失敗したという認証結果を出力する。
ステップS705では、統合部17は、角膜に関するデータを使った認証処理を実施する。具体的には、統合部17は、認証用角膜ベクトル画像Vと参照用角膜ベクトル画像VRとの間の距離COR_DISTが一定の第二閾値THRESH2よりも小さいか否かを判定する。統合部17は、距離COR_DISTが第二閾値よりも小さい場合(ステップS705でYes)、ステップS706へ進み、上記距離が第二閾値以上である場合(ステップS705でNo)、ステップS707へ進む。
ステップS706では、統合部17は、認証用角膜ベクトル画像Vに対応するユーザを、参照用角膜ベクトル画像VRに対応するユーザに決定する。これにより、統合部17は、ユーザの認証が成功したこと、又は、決定されたユーザの情報等を含む認証結果を出力する。なお、統合部17は、距離COR_DISTの大きさに応じて、決定されたユーザの信頼度又は類似度を出力してもよい。
ステップS707では、統合部17は、距離COR_DISTが大きく異なるため、認証用角膜ベクトル画像Vに対応するユーザは、参照用角膜ベクトル画像VRに対応するユーザに該当しないと決定する。これにより、統合部17は、ユーザの認証が失敗したという認証結果を出力する。なお、この場合、ユーザの角膜に異常がある可能性がある。例えば、認証用角膜ベクトル画像Vの生成に用いられた撮像画像の被写体は、生体のユーザではなく、コンタクトレンズ等がその上にセットされたユーザの虹彩パターンの印刷物である可能性もある、つまり、偽眼である疑いもある。このため、統合部17は、ユーザへの認証失敗の報知だけでなく、偽眼の疑い、偽眼の疑いの対象のユーザの情報を認証システム1の管理者に報知してもよい。
また、認証装置100は、ステップS701〜S707の処理を繰り返してもよい。例えば、認証装置100は、ステップS701〜S707の一連の処理において、撮像画像内の1人の対象者と、データベース内の1つのユーザIDとの間で、認証を行ってもよい。この場合、ステップS701で取得される画像間距離COR_DISTの算出に用いられた参照用実部IRR及び参照用虚部IIRに対応するユーザIDと、ステップS702で取得されるハミング距離の算出に用いられた参照用角膜ベクトル画像VRに対応するユーザIDとは、同じである。
また、統合部17の処理は、上記のように画像間距離COR_DISTに関する処理とハミング距離に関する処理とを、独立させる必要はなく、2つの距離に重みづけをしてもよい。この場合、重み付け後の2つの距離を加算した距離が、閾値に対して評価されてもよい。例えば、ユーザの角膜が、レーシック等の視力回復、白内障治療などのために外科的処置を受けている場合、及び/又は、ユーザが日常的にコンタクトレンズを着用している場合、角膜に欠損、損傷等が存在し得るため、誤認証を抑制するために、画像間距離への重みを小さくしてもよい。このように、総合的な判定が可能である。
なお、カメラ30の偏光撮像素子30aの構成は、上述の構成に限定されない。例えば、モザイク偏光フィルタ30abは、異なる4つの偏光透過軸を有する偏光フィルタで構成されていたが、3つ以下の偏光透過軸を有する偏光フィルタで構成されてもよく、5つ以上の偏光透過軸を有する偏光フィルタで構成されてもよい。偏光フィルタの種類は、周期関数近似部14による周期関数の近似処理が可能な数量であればよい。例えば、異なる3つの偏光フィルタの場合、偏光透過軸の方位角は、0°、45°、90°等であっても、周期関数近似部14の処理が可能なため問題ない。また、異なる偏光透過軸の方位角も、上述の構成に限定されない。
[1−4.効果]
上述したように、実施の形態1に係る認証装置100によって生成される振幅画像及び位相画像は、角膜の情報を示し、平均画像は、虹彩の情報を示す。そして、認証装置100は、角膜の情報及び虹彩の情報を用いた眼の認証を通じて、保有者の認証を行う。このような認証装置100による眼の認証は、高い精度を有することができる。また、少なくとも3つの眼球画像、例えば、画像L0C0、L0C45、L0C90等を用いることによって、振幅画像、位相画像、及び平均画像の算出精度も向上する。そして、虹彩と角膜との両方の情報を使うことで、偽眼対策と個人情報の精度向上とを同時に実現できる。さらに、偏光を用いることで照明に用いるIRの波長帯の影響で虹彩と白目の境界の輝度コントラストが低下し虹彩検出の画像処理が困難になるという問題も解決する。
さらに、認証装置100は、従来の虹彩認証から進んで、偏光照明と偏光撮像とを用いて角膜及び虹彩の情報を分離し、透明な角膜の表面形状、光学異方特性、応力特性などの個人生体情報を一緒に利用する。角膜は光学的に透明なため、その偏光光学特性を抜き取ること、及び、光学特性をコンタクトレンズなどで再現することは非常に困難である。したがって、虹彩及び角膜の両方の情報を使うことで、ネットバンキングなど高精度の個人認証が必要な分野において、偽眼対策と個人情報精度向上とを同時に実現できる。照明に用いるIR波長帯が940nm付近になると、虹彩と白目との境界の輝度コントラストが低下し、虹彩検出の画像処理が困難になるという問題がある。しかしながら、偏光画像では、虹彩と白目との境界のコントラスト向上にも有効であり幅広いIR照明を用いたシステムに適用できる。また、生体の他人眼の認証とコンタクトレンズなどを用いた偽眼の判定とを別の判定として可能なため、偽眼を使った犯罪検出にも有効である。
(実施の形態2)
実施の形態2に係る認証装置2100を説明する。実施の形態2に係る認証装置2100は、照明装置220及びカメラ230の構成で、実施の形態1と異なる。以下において、実施の形態1と異なる点を中心に説明し、実施の形態1と同様の点の説明を省略する。
図18は、実施の形態2に係る認証システム2の機能的な構成の一例を示すブロック図である。図19は、実施の形態2に係る認証システム2の各構成要素による処理の流れの一例を示す概略図である。図18及び図19に示すように、認証システム2は、認証装置2100と、実施の形態1と同様の角膜認証情報DB110と、虹彩認証情報DB120と、出力部130とを備える。認証装置2100は、処理部210と、照明装置220と、カメラ230とを備える。処理部210は、記憶部11と、虹彩画像抽出部213と、周期関数近似部214と、角膜認証部215と、虹彩認証部216と、統合部217と、同期部218とを含む。
カメラ230は、偏光フィルタを有さない一般的な撮像素子230aを備える。そして、対物レンズ230bの前方には、偏光板240が配置されている。本実施の形態では、偏光板240は、偏光透過軸の方位角が0°である直線偏光板であるが、偏光透過軸の方位角はこれに限定されない。
照明装置220は、3チャンネルのリング照明を構成する。図20には、実施の形態2に係る照明装置220の模式的な正面図が示されている。図20に示すように、照明装置220の照明部220aは、開口部220cの周りに円環状に配置された複数の第一光源220aa、第二光源220ab及び第三光源220acを含む。本実施の形態では、第一光源220aa、第二光源220ab及び第三光源220acは、円周に沿ってこの順を繰り返して配置されている。第一光源220aa、第二光源220ab及び第三光源220acの構成は、実施の形態1の光源20acと同様である。照明部220aは、複数の第一光源220aaを同時に発光させるように構成され、それにより、リング状の照明光を出射する。また、照明部220aは、複数の第二光源220abを同時に発光させるように構成され、それにより、リング状の照明光を出射する。また、照明部220aは、複数の第三光源220acを同時に発光させるように構成され、それにより、リング状の照明光を出射する。第一光源220aa、第二光源220ab及び第三光源220acは、互いから独立して点灯するように構成される。
偏光部220bは、開口部220cの周りに円環状に配置された複数の第一偏光フィルタ220ba、第二偏光フィルタ220bb及び第三偏光フィルタ220bcを含む。第一偏光フィルタ220ba、第二偏光フィルタ220bb及び第三偏光フィルタ220bcの例は、偏光板又は偏光フィルムである。本実施の形態では、第一偏光フィルタ220ba、第二偏光フィルタ220bb及び第三偏光フィルタ220bcは、円周に沿ってこの順を繰り返して配置されている。
第一偏光フィルタ220baは、方位角0°の偏光透過軸を有する。第一偏光フィルタ220baは、第一光源220aaと被写体との間に配置され、第一光源220aaの出射光を、方位角0°の直線偏光に変える。第二偏光フィルタ220bbは、方位角45°の偏光透過軸を有する。第二偏光フィルタ220bbは、第二光源220abと被写体との間に配置され、第二光源220abの出射光を、方位角45°の直線偏光に変える。第三偏光フィルタ220bcは、方位角90°の偏光透過軸を有する。第三偏光フィルタ220bcは、第三光源220acと被写体との間に配置され、第三光源220acの出射光を、方位角90°の直線偏光に変える。
このような照明装置220は、3チャンネル構成のリング照明であり、偏光方向が45°異なる3つの直線偏光を順次照射する。なお、第一光源220aa、第二光源220ab及び第三光源220acと、第一偏光フィルタ220ba、第二偏光フィルタ220bb及び第三偏光フィルタ220bcとの間に、実施の形態1のような拡散板が配置されてもよい。
処理部210の同期部218は、照明装置220の3種類の照明のタイミングと、カメラ230の露光タイミング、つまり撮像タイミングとを同期させるように、照明装置220及びカメラ230の動作を制御する。具体的には、同期部218は、照明装置220の第一光源220aa、第二光源220ab及び第三光源220acそれぞれの点灯及び消灯を制御し、第一光源220aa、第二光源220ab及び第三光源220acを時間的に順次点灯させる。さらに、同期部218は、第一光源220aa、第二光源220ab及び第三光源220acそれぞれの点灯中に、カメラ230に少なくとも1回撮像させ、少なくとも1つの画像を取得させる。
このため、カメラ230は、3種類の偏光画像を撮像する。具体的には、直線偏光L0、L45及びL90の照射期間に、偏光透過軸の方位角が0°である偏光板240を透過した眼球Eからの反射光が、カメラ230で撮像される。このため、撮像された3種類の偏光画像を、「L0C0」、「L45C0」及び「L90C0」を表現することができる。これらの偏光画像は、実施の形態1において画素選択部12によって生成される偏光画像L0C0、L0C45及びL0C90それぞれにほぼ一致する。これは、眼球Eの角膜が円対称性を有していることが仮定できるためである。その結果として、本実施の形態でも、虹彩画像抽出部213は、3種類の長方形画像RECT0、RECT45及びRECT90を生成する。よって、虹彩画像抽出部213と、周期関数近似部214と、角膜認証部215と、虹彩認証部216と、統合部217の処理内容は、実施の形態1と同様である。このため、これらの説明を省略する。
上述したように、認証装置2100は、認証対象者の眼Eに対して、照明装置220により3つの直線偏光を順次照射しつつ、カメラ230により撮像し、複数の偏光画像を取得する。そして、認証装置2100は、取得された偏光画像を用いて、実施の形態1と同様に、認証処理を行う。なお、周期関数近似部214によって、周期関数(この場合は正弦関数)を決定するために必要な最低のサンプリング点数は、少なくとも3つであればよく、この観点から本実施形態では異なる3種の偏光照明を照射している。
上述したように、実施の形態2に係る認証装置2100によると、実施の形態1と同様の効果が得られる。さらに、認証装置2100は、偏光撮像素子を備える偏光カメラではなく、一般的なカメラ230を使用しても、照明装置の若干の変更により、実施の形態1と同様の認証結果を得ることができ、汎用性がある。
[偏光照明を使う利点]
実施の形態に係る認証装置では、角膜及び虹彩の情報分離のために偏光照明を用いているが、偏光照明を用いると別の利点もあり、以下これを説明する。
図21A及び図21Bは、偏光撮像により虹彩及び白目の輝度コントラストが向上することを、モデルを用いて説明する図である。図21Aの上段は、眼球の正面図であり、図6の画像L0C0のように、虹彩領域には、明部(bright)と暗部(dark)との2領域が発生している。図21Aの下段は、眼球の断面をモデル化したものである。虹彩領域は、角膜で覆われており、その外側には、角膜には覆われていない白目領域が存在する。虹彩領域及び白目領域はそれぞれ、浅部及び深部の2つの層構造でモデル化されている。虹彩領域及び白目領域のいずれにおいても、浅部では光の散乱が生じ、深部では毛細血管(水分)が存在するため、赤外光の吸収が発生するものとする。
図6の画像L0C0のような平行偏光状態の偏光画像では、虹彩及び白目の輝度コントラストが強調されていたが、その理由は以下のように説明できる。虹彩に入射する光は、最初に角膜を透過し、次に角膜下の房水内を透過し、虹彩に到達する。虹彩では、光の一部は反射され、光の一部は虹彩の深部に侵入する。侵入した光は、散乱係数dで多重散乱を起こして非偏光に変化すると同時に、深部にある血管の水分にて吸収係数aで吸収される。940nm近傍のIR光では、虹彩でのメラニン吸収がかなり少なくなる。そこで、虹彩及び白目の吸収係数を同じaとする。非偏光での観察では偏光がないため、輝度は吸収のみで決定される。このため、下記の表のように、虹彩及び白目の輝度コントラスト=1となる。すなわち、輝度の観測のみでは、虹彩及び白目の境界が(理論的には)見えなくなってしまう。
次に、図21Bにおいて、偏光での観察において、直線偏光を照射し、これを平行偏光状態で観察する場合を考える。例えば、画像L0C0を取得する場合を考える。
虹彩の散乱係数をdiとし、白目の散乱係数をdsとする。ここで用いる散乱係数とは、虹彩及び白目の媒質の浅部において光が多重散乱のために非偏光に変化する割合を意味する。入射する方位角0°の直線偏光LAは、虹彩における角膜複屈折によって暗くなる暗部(dark)では、角膜透過時の複屈折で偏光の位相が変化することによって、円偏光LBに変化し、さらに、円偏光LBが再度角膜を透過してカメラに戻る時点で、入射光に直交する直線偏光LCになっていると考えられる。そのため、カメラで観測される輝度のうち、直線偏光LCの成分は、カメラの偏光透過軸0°に対して直交状態であるため、その輝度がゼロとなる。そこで、カメラでは、非偏光成分のみが観測されるが、この成分は、円偏光LBが虹彩浅部の散乱効果による多重散乱により非偏光化され、次に深部で吸収された残りの光であると考えると、暗部(dark)での輝度IIdarkは、下記の式4のように表せる。
次に、虹彩における複屈折で明るくなる明部(bright)の輝度IIbrightでは、直線偏光LAの偏光成分は、角膜透過時に偏光位相を変化させず、多重散乱成分にならずに表層付近で反射してそのまま直線偏光LDとしてカメラ戻り、同じ平行偏光板で透過する成分の分だけ、暗部(dark)領域より明るくなっている。このため、輝度IIbrightは、下記の式5のように表せる。
次に、白目では、角膜が存在しないので複屈折が無く、直線偏光LAは同じ偏光状態のまま戻り光LEとして戻ってくるため、虹彩の明部(bright)と同様の状態となる。このため、白目での輝度ISは、白目の散乱係数dsを用いて、下記の式6のように表せる。
結果的に、虹彩の明部(bright)の輝度IIbrightと白目の輝度ISとのコントラストは、下記の式7のように表せる。ここで、Ds=ds(1+a)、Di=di(1+a)とおいた。これらは多重散乱度ds及びdiと吸収係数aとから決定される量であり、Ds/Di=ds/diである。Dsは、白目浅部の多重散乱度合を示し、Diは、虹彩浅部の多重散乱度合を示す。
図22は、輝度コントラストと、虹彩浅部の多重散乱度合Diと、白目浅部の多重散乱度合Dsとの関係を示す。図22では、白目のDs及び虹彩のDiを、Di>Ds(虹彩浅部の多重散乱度合Diのほうが白目浅部の多重散乱度合Dsよりも大きい)と仮定している。そして、横軸をDiとし、縦軸を輝度コントラストとして、Dsを3種類に変えたグラフが描かれている。たとえば、Di=0.6で、Ds=Di×(1/2.0)=0.30とすると輝度コントラストは約1.2に向上することになる。このように、偏光を用いることによって、虹彩及び白目のコントラストを向上することが可能になる。
[その他]
以上、1つ又は複数の態様に係る認証装置等について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、1つ又は複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
例えば、実施の形態1及び2において、照明装置は全てリング状であるとして説明しているが、照明装置は必ずしも、リング状の構成とする必要はない。照明装置は、直線偏光を出射できる構成であればよい。
また、実施の形態1では、照明光の偏光方向を固定して、偏光撮像素子を備えるカメラを用いて4種の偏光画像を同時にワンショットで取得した。また、実施の形態2では、照明光の偏光方向を順次変化させ、偏光板及び一般的なカメラを使って、3種類の偏光画像を取得した。取得される偏光画像の種類は、3種類以上であればよく、いずれの構成でも、効果的な認証を可能にする。また、実施の形態1及び2の構成を組み合わせた照明装置及びカメラの構成も可能である。
また、実施の形態において、照明装置の偏光透過軸の方位角は、45°単位で設定され、偏光フィルタの偏光透過軸の方位角は、45°単位で設定されていたが、これに限定されない。それぞれの偏光透過軸の方位角は、いかなる単位の角度で設定されてもよい。なお、既存の偏光板の偏光透過軸の方位角は、45°単位で設定されているため、偏光透過軸の方位角を45°単位で設定すると、既存の偏光板をそのまま利用できる。よって、コストの低減が可能である。
また、上述したように、本開示の技術は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読取可能な記録ディスク等の記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えばCD−ROM等の不揮発性の記録媒体を含む。
例えば、上記実施の形態に係る認証装置等に含まれる各処理部は典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)として実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。
また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
なお、上記実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUなどのプロセッサ等のプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
また、上記構成要素の一部又は全部は、脱着可能なIC(Integrated Circuit)カード又は単体のモジュールから構成されてもよい。ICカード又はモジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAM等から構成されるコンピュータシステムである。ICカード又はモジュールは、上記のLSI又はシステムLSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、ICカード又はモジュールは、その機能を達成する。これらICカード及びモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
本開示の認証方法は、MPU(Micro Processing Unit)及びCPU等のプロセッサ、LSI等の回路、ICカード又は単体のモジュール等によって、実現されてもよい。
さらに、本開示の技術は、ソフトウェアプログラム又はソフトウェアプログラムからなるデジタル信号によって実現されてもよく、プログラムが記録された非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体であってもよい。また、上記プログラムは、インターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。
また、上記で用いた序数、数量等の数字は全て、本開示の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本開示は例示された数字に制限されない。また、構成要素間の接続関係は、本開示の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本開示の機能を実現する接続関係はこれに限定されない。
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを1つの機能ブロックとして実現したり、1つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
本開示の技術は、虹彩を含む画像から虹彩及び角膜を認証する技術に広く適用することができる。
1,2 認証システム
10,210 処理部(制御回路)
11 記憶部
12 画素選択部
13,213 虹彩画像抽出部
14,214 周期関数近似部
15,215 角膜認証部
16,216 虹彩認証部
17,217 統合部
20,220 照明装置
30,230 カメラ
100,2100 認証装置
110 角膜認証情報データベース
120 虹彩認証情報データベース
218 同期部

Claims (28)

  1. 第1の偏光方向を有する光を出力する照明装置と、
    第2の偏光方向を有する、ユーザの第1の眼球画像と、第3の偏光方向を有する、前記ユーザの第2の眼球画像と、第4の偏光方向を有する、前記ユーザの第3の眼球画像とを撮像するカメラと、
    (a)少なくとも1つの角膜画像とユーザIDとを対応付けた角膜認証情報と、少なくとも1つの虹彩画像とユーザIDとを対応付けた虹彩認証情報とを取得し、
    (b)前記第1の眼球画像、前記第2の眼球画像、及び前記第3の眼球画像を用いて、振幅画像、位相画像、及び平均画像を生成し、
    (c)前記虹彩認証情報を参照して、前記平均画像に対応するユーザIDを認証し、
    (d)前記角膜認証情報を参照して、前記振幅画像、及び前記位相画像に対応するユーザIDを認証し、
    (e)前記(c)における前記ユーザIDの認証結果と、前記(d)における前記ユーザIDの認証結果とを用いて、前記ユーザに対応するユーザIDを決定する
    制御回路とを備える、
    認証装置。
  2. 前記制御回路は、
    前記(c)において、前記ユーザIDとの認証に成功し、かつ、前記(d)において、前記ユーザIDとの認証に成功したとき、
    前記(e)において、前記ユーザIDが前記ユーザに対応すると決定する、
    請求項1に記載の認証装置。
  3. 前記制御回路は、
    前記(c)において、前記ユーザIDとの認証に失敗したとき、
    前記(e)において、前記ユーザIDが前記ユーザに対応しないことを決定する、
    請求項1または2に記載の認証装置。
  4. 前記制御回路は、
    前記(c)において、前記ユーザIDとの認証に失敗したとき、
    前記(d)において、前記ユーザIDの認証を行わず、前記(e)において、前記ユーザIDが前記ユーザに対応しないことを決定する、
    請求項3に記載の認証装置。
  5. 前記制御回路は、
    前記(c)において、第1のユーザIDとの認証に成功し、かつ、前記(d)において、前記第1のユーザIDとの認証に失敗したとき、
    前記(e)において、前記ユーザに前記第1のユーザIDが対応しないことを決定し、
    さらに、前記制御回路は、
    (f)前記第1の眼球画像、前記第2の眼球画像、及び前記第3の眼球画像は、前記第1のユーザIDに対応する眼球の偽物の画像であると決定する、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の認証装置。
  6. 前記制御回路は、
    前記第1の眼球画像、前記第2の眼球画像、及び前記第3の眼球画像における対応する画素位置の画素の間での画素値の周期性を表す周期関数を、各画素位置について決定し、
    前記周期関数の振幅、位相及び平均値それぞれを画像値とする前記振幅画像、前記位相画像、及び前記平均画像を生成する、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の認証装置。
  7. 前記カメラは、前記第1の偏光方向を有する光の出力時、前記第1の眼球画像、前記第2の眼球画像、及び前記第3の眼球画像を一緒に含む画像を撮像し、
    前記制御回路は、
    前記(b)において、前記カメラによって撮像された画像から、前記第1の眼球画像、前記第2の眼球画像、及び前記第3の眼球画像を分離する、
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の認証装置。
  8. 第1の偏光方向、第2の偏光方向、及び第3の偏光方向をそれぞれ有する光を出力する照明装置と、
    第4の偏光方向の画像を撮像するカメラであって、前記第1の偏光方向の光を用いたユーザの第1の眼球画像と、前記第2の偏光方向の光を用いた前記ユーザの第2の眼球画像と、前記第3の偏光方向の光を用いた前記ユーザの第3の眼球画像とを撮像するカメラと、
    (a)少なくとも1つの角膜画像とユーザIDとを対応付けた角膜認証情報と、少なくとも1つの虹彩画像とユーザIDとを対応付けた虹彩認証情報とを取得し、
    (b)前記第1の眼球画像、前記第2の眼球画像、及び前記第3の眼球画像を用いて、振幅画像、位相画像、及び平均画像を生成し、
    (c)前記虹彩認証情報を参照して、前記平均画像に対応するユーザIDを認証し、
    (d)前記角膜認証情報を参照して、前記振幅画像、及び前記位相画像に対応するユーザIDを認証し、
    (e)前記(c)における前記ユーザIDの認証結果と、前記(d)における前記ユーザIDの認証結果とを用いて、前記ユーザに対応するユーザIDを決定する
    制御回路とを備える、
    認証装置。
  9. 前記制御回路は、
    前記(c)において、前記ユーザIDとの認証に成功し、かつ、前記(d)において、前記ユーザIDとの認証に成功したとき、
    前記(e)において、前記ユーザIDが前記ユーザに対応すると決定する、
    請求項8に記載の認証装置。
  10. 前記制御回路は、
    前記(c)において、前記ユーザIDとの認証に失敗したとき、
    前記(e)において、前記ユーザIDが前記ユーザに対応しないことを決定する、
    請求項8または9に記載の認証装置。
  11. 前記制御回路は、
    前記(c)において、前記ユーザIDとの認証に失敗したとき、
    前記(d)において、前記ユーザIDの認証を行わず、前記(e)において、前記ユーザIDが前記ユーザに対応しないことを決定する、
    請求項10に記載の認証装置。
  12. 前記制御回路は、
    前記(c)において、第1のユーザIDとの認証に成功し、かつ、前記(d)において、前記第1のユーザIDとの認証に失敗したとき、
    前記(e)において、前記ユーザに前記第1のユーザIDが対応しないことを決定し、
    さらに、前記制御回路は、
    (f)前記第1の眼球画像、前記第2の眼球画像、及び前記第3の眼球画像は、前記第1のユーザIDに対応する眼球の偽物の画像であると決定する、
    請求項8〜11のいずれか一項に記載の認証装置。
  13. 前記制御回路は、
    前記第1の眼球画像、前記第2の眼球画像、及び前記第3の眼球画像における対応する画素位置の画素の間での画素値の周期性を表す周期関数を、各画素位置について決定し、
    前記周期関数の振幅、位相及び平均値それぞれを画像値とする前記振幅画像、前記位相画像、及び前記平均画像を生成する、
    請求項8〜12のいずれか一項に記載の認証装置。
  14. 前記カメラは、前記第1の偏光方向を有する光、前記第2の偏光方向を有する光、及び前記第3の偏光方向を有する光それぞれの出力時、前記第1の眼球画像、前記第2の眼球画像、及び前記第3の眼球画像を個別に撮像する、
    請求項8〜13のいずれか一項に記載の認証装置。
  15. (a)第1の偏光方向を有する光を出力し、
    (b)前記第1の偏光方向を有する光の出力時、第2の偏光方向を有する、ユーザの第1の眼球画像と、第3の偏光方向を有する、前記ユーザの第2の眼球画像と、第4の偏光方向を有する、前記ユーザの第3の眼球画像とを撮像し、
    (c)前記第1の眼球画像、前記第2の眼球画像、及び前記第3の眼球画像を用いて、振幅画像、位相画像、及び平均画像を生成し、
    (d)少なくとも1つの角膜画像とユーザIDとを対応付けた角膜認証情報と、少なくとも1つの虹彩画像とユーザIDとを対応付けた虹彩認証情報とを取得し、
    (e)前記虹彩認証情報を参照して、前記平均画像に対応するユーザIDを認証し、
    (f)前記角膜認証情報を参照して、前記振幅画像、及び前記位相画像に対応するユーザIDを認証し、
    (g)前記(e)における前記ユーザIDの認証結果と、前記(f)における前記ユーザIDの認証結果とを用いて、前記ユーザに対応するユーザIDを決定し、
    前記(a)〜(g)の少なくとも1つは、少なくとも1つの制御回路によって実行される、
    認証方法。
  16. 前記(e)において、前記ユーザIDとの認証に成功し、かつ、前記(f)において、前記ユーザIDとの認証に成功したとき、
    前記(g)において、前記ユーザIDが前記ユーザに対応すると決定する、
    請求項15に記載の認証方法。
  17. 前記(e)において、前記ユーザIDとの認証に失敗したとき、
    前記(g)において、前記ユーザIDが前記ユーザに対応しないことを決定する、
    請求項15または16に記載の認証方法。
  18. 前記(e)において、前記ユーザIDとの認証に失敗したとき、
    前記(f)において、前記ユーザIDの認証を行わず、前記(g)において、前記ユーザIDが前記ユーザに対応しないことを決定する、
    請求項17に記載の認証方法。
  19. 前記(e)において、第1のユーザIDとの認証に成功し、かつ、前記(f)において、前記第1のユーザIDとの認証に失敗したとき、
    前記(g)において、前記ユーザに前記第1のユーザIDが対応しないことを決定し、
    さらに、(h)前記第1の眼球画像、前記第2の眼球画像、及び前記第3の眼球画像は、前記第1のユーザIDに対応する眼球の偽物の画像であると決定する、
    請求項15〜18のいずれか一項に記載の認証方法。
  20. 前記(c)において、前記第1の眼球画像、前記第2の眼球画像、及び前記第3の眼球画像における対応する画素位置の画素の間での画素値の周期性を表す周期関数を、各画素位置について決定し、
    前記周期関数の振幅、位相及び平均値それぞれを画像値とする前記振幅画像、前記位相画像、及び前記平均画像を生成する、
    請求項15〜19のいずれか一項に記載の認証方法。
  21. 前記(b)において、前記第1の偏光方向を有する光の出力時、前記第1の眼球画像、前記第2の眼球画像、及び前記第3の眼球画像を一緒に含む画像を撮像し、
    前記(c)において、撮像された画像から、前記第1の眼球画像、前記第2の眼球画像、及び前記第3の眼球画像を分離する、
    請求項15〜20のいずれか一項に記載の認証方法。
  22. (a)第1の偏光方向、第2の偏光方向、及び第3の偏光方向をそれぞれ有する光を出力し、
    (b)前記第1の偏光方向の光の出力時、第4の偏光方向のユーザの第1の眼球画像を撮像し、前記第2の偏光方向の光の出力時、第4の偏光方向の前記ユーザの第2の眼球画像を撮像し、前記第3の偏光方向の光の出力時、第4の偏光方向の前記ユーザの第3の眼球画像を撮像し、
    (c)前記第1の眼球画像、前記第2の眼球画像、及び前記第3の眼球画像を用いて、振幅画像、位相画像、及び平均画像を生成し、
    (d)少なくとも1つの角膜画像とユーザIDとを対応付けた角膜認証情報と、少なくとも1つの虹彩画像とユーザIDとを対応付けた虹彩認証情報とを取得し、
    (e)前記虹彩認証情報を参照して、前記平均画像に対応するユーザIDを認証し、
    (f)前記角膜認証情報を参照して、前記振幅画像、及び前記位相画像に対応するユーザIDを認証し、
    (g)前記(e)における前記ユーザIDの認証結果と、前記(f)における前記ユーザIDの認証結果とを用いて、前記ユーザに対応するユーザIDを決定し、
    前記(a)〜(g)の少なくとも1つは、少なくとも1つの制御回路によって実行される、
    認証方法。
  23. 前記(e)において、前記ユーザIDとの認証に成功し、かつ、前記(f)において、前記ユーザIDとの認証に成功したとき、
    前記(g)において、前記ユーザIDが前記ユーザに対応すると決定する、
    請求項22に記載の認証方法。
  24. 前記(e)において、前記ユーザIDとの認証に失敗したとき、
    前記(g)において、前記ユーザIDが前記ユーザに対応しないことを決定する、
    請求項22または23に記載の認証方法。
  25. 前記(e)において、前記ユーザIDとの認証に失敗したとき、
    前記(f)において、前記ユーザIDの認証を行わず、前記(g)において、前記ユーザIDが前記ユーザに対応しないことを決定する、
    請求項24に記載の認証方法。
  26. 前記(e)において、第1のユーザIDとの認証に成功し、かつ、前記(f)において、前記第1のユーザIDとの認証に失敗したとき、
    前記(g)において、前記ユーザに前記第1のユーザIDが対応しないことを決定し、
    さらに、(h)前記第1の眼球画像、前記第2の眼球画像、及び前記第3の眼球画像は、前記第1のユーザIDに対応する眼球の偽物の画像であると決定する、
    請求項22〜25のいずれか一項に記載の認証方法。
  27. 前記(c)において、前記第1の眼球画像、前記第2の眼球画像、及び前記第3の眼球画像における対応する画素位置の画素の間での画素値の周期性を表す周期関数を、各画素位置について決定し、
    前記周期関数の振幅、位相及び平均値それぞれを画像値とする前記振幅画像、前記位相画像、及び前記平均画像を生成する、
    請求項22〜26のいずれか一項に記載の認証方法。
  28. 前記第1の偏光方向を有する光、前記第2の偏光方向を有する光、及び前記第3の偏光方向を有する光それぞれの出力時、前記第1の眼球画像、前記第2の眼球画像、及び前記第3の眼球画像を個別に撮像する、
    請求項22〜27のいずれか一項に記載の認証方法。
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