JP2019152724A - サイネージ装置及びその設置方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】障害物との誤解を低減し、通行を妨げないようにする。【解決手段】自動的に通行人を所定方向に搬送する自動搬送路101に設けられたサイネージ装置10であって、表示部1からの表示画像の光を空中に結像させる作用を持つ光学素子2を備え、表示画像の空中像12の一部又は全部を自動搬送路による通行人mの通過範囲内に結像させるように表示部と光学素子とが配置され、通行人が空中像に対して一定距離内に接近すると空中像の視認を不能とする。【選択図】図2

Description

本発明は、空中映像表示を利用したサイネージ装置及びその設置方法に関する。
サイネージ装置は、近年、広告等の分野で多用され、広く普及しつつある。このサイネージ装置は、表示画面がいかに人の目に触れるかが重要であるが、現在のサイネージ装置は、通行人から画面の近くに見に来てもらう必要があり、その態様は受動的である。このため、通行人にとって興味のあるコンテンツや必要不可欠な情報を表示することによって通行人を引き付ける等の工夫が行われているが、それだけでは十分な効果を上げることが困難であった。
このような観点から、通行人のより近い位置で表示画面を表示できるように、自動搬送路(例えば、エスカレータ)にサイネージ装置を設置することが提案されている。
例えば、特許文献1では、エスカレータの側方に表示装置を設置し、センサによってエスカレータの入り口を通行人が通過したことを検知し、その通過タイミングに応じて表示装置を点灯させるサイネージ装置が提案されている。
但し、上記従来のサイネージ装置は、自動搬送路の側面上で当該側面に沿った二次元ディスプレイで表示が行われるので、通行人が横を向かない限りは、その表示内容が認識されない。
一方、特殊な光学プレートを使用して被対象物の実像を空中に結像させ、その実像を観察者が観察できるようにした空中映像表示装置が開発されている(例えば特許文献2参照)。
このような空中映像表示装置を利用すると、表示画像が壁面に沿った状態に制約されないので、通行人に横を向かせることなく表示内容を認識させることができる。
特開2014−145944号公報 特許第4865088号公報
しかしながら、特許文献2の空中画像表示装置を自動搬送路の経路上で画像表示を行うサイネージ装置に応用すると、空中像を見たことがない通行人は、障害物と誤解して空中像を避けようとし、通行の妨げになるおそれがあった。
本発明は、障害物との誤解を低減し、通行を妨げないサイネージ装置及びその設置方法を提供することをその目的とする。
請求項1記載の発明は、
自動的に通行人を所定方向に搬送する自動搬送路に設けられたサイネージ装置であって、
表示部からの表示画像の光を空中に結像させる作用を持つ光学素子を備え、
前記表示画像の空中像の一部又は全部を前記自動搬送路による前記通行人の通過範囲内に結像させるように前記表示部と前記光学素子とが配置され、
前記通行人が前記空中像に対して一定距離内に接近すると前記空中像を視覚的に認識させないようにすることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載のサイネージ装置において、
前記通行人が一定距離内に接近すると、前記空中像の視認が不能となるように配置されていることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1に記載のサイネージ装置において、
前記表示部を上下動させる移動機構と、
前記通行人が一定距離内に接近すると、前記移動機構を制御して前記空中像の視認が不能となるように表示部を移動させる制御装置とを備えることを特徴とする
請求項4記載の発明は、請求項1に記載のサイネージ装置において、
前記通行人が前記空中像に対して一定距離内に接近すると、前記表示部を消灯させる制御装置を備えることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、
自動的に通行人を所定方向に搬送する自動搬送路に設けられたサイネージ装置の設置方法であって、
前記サイネージ装置は、表示部からの表示画像の光を空中に結像させる作用を持つ光学素子を備え、
前記表示画像の空中像の一部又は全部を前記自動搬送路による前記通行人の通過範囲内に結像させるように前記表示部と前記光学素子とを配置し、
前記通行人が前記空中像に対して一定距離内に接近すると前記空中像の視認を視覚的に認識させないようにすることを特徴とする。
上記の構成によれば、障害物との誤解を低減し、通行を妨げないサイネージ装置及びその設置方法を提供することが可能となる。
第一の実施の形態であるサイネージ装置の設置環境を示した説明図である。 サイネージ装置及びエスカレータの平面図である。 光学プレートの概略構成を示す斜視図である。 上記光学プレートを構成する単一の板状部材の斜視図である。 上記光学プレートを構成する単一の他の板状部材の斜視図である。 2次元での実像の結像原理を示す説明図である。 3次元空間での光線の反射を模式的に示す説明図である。 3次元空間において、1点から発せられた複数の光線が別々の反射面を介して1点に集光する様子を模式的に示す説明図である。 目線高さと空中像の視野角との関係を示す説明図である。 目線高さと空中像の視野角との関係を示す説明図である。 上りのエスカレータで移動する通行人に対して空中像を視覚的に認識させないようにすべき距離範囲を示す説明図である。 下りのエスカレータで移動する通行人に対して空中像を視覚的に認識させないようにすべき距離範囲を示す説明図である。 水平に搬送する自動搬送路における目線高さと空中像の視野角との関係を示す説明図である。 水平に搬送する自動搬送路における目線高さと空中像の視野角との関係を示す説明図である。 水平に搬送する自動搬送路で移動する通行人に対して空中像を視覚的に認識させないようにすべき距離範囲を示す説明図である。 第二の実施の形態であるサイネージ装置及びエスカレータの平面図である。 図16のサイネージ装置の制御系を示すブロック図である。 第三の実施の形態であるサイネージ装置の制御系を示すブロック図である。 光学素子として再帰反射体を使用したサイネージ装置の構成を模式的に示す説明図である。 再帰反射体による一点から発せられた光が空中の一点に結像する原理を示した説明図である。
[第一の実施形態]
本発明の第一の実施形態であるサイネージ装置10について図1〜図12に基づいて説明する。
なお、本明細書中でサイネージとは、情報広告媒体を含む、映像や文字を表示する媒体を指すものとする。従って、本明細書中のサイネージは、表示する内容として、商品等の広告のみならず、行先表示などの商業以外の情報を表示する場合も含むものであり、サイネージ装置は、これら各種の情報を表示する装置である。
図1はサイネージ装置10の設置環境を示した説明図である。サイネージ装置10は、自動的に通行人mを所定方向に搬送する自動搬送路としてのエスカレータ101に設けられたサイネージ装置であり、サイネージ装置10とエスカレータ101とにより表示システムを構成する。
なお、符号101は上りのエスカレータを示し、符号102は下りのエスカレータを示している。下りのエスカレータ102にもサイネージ装置10が設けられ表示システムを構成している。
但し、この実施形態では、主に、上りのエスカレータ101に設けられたサイネージ装置10について説明する。
図2はサイネージ装置10及びエスカレータ101の平面図である。
エスカレータ101は前後方向に並んだ複数の階段状の踏み板103が前斜め上に向かって搬送され、踏み板103に搭乗した通行人mは踏み板103と共に搬送される。
以下の説明では、エスカレータ101の搬送方向の水平成分となる方向(前後方向)をY方向、水平且つY方向に直交する方向(左右方向)をZ方向、鉛直上下方向をX方向とする。
図1及び図2に示すように、サイネージ装置10は、平面的な被対象物としての表示画像11を表示する表示部としての画像表示装置1と、表示画像11からの光を空中に結像させて実像としての空中像12を形成する光学素子としての光学プレート2とを主に備えている。
このサイネージ装置10は、画像表示装置1の表示画像11からの光を平面的な光学プレート2に対して光の入射側とは反対側の空中に導き、光学プレート2について面対称となる空中の位置に表示画像11の実像である空中像12を結像させる。
上記画像表示装置1は、エスカレータ101に隣接するX−Y平面に沿った壁の内側(壁を挟んでエスカレータ101の逆側)に配置され、光学プレート2は壁を構成する透明なガラス板4の内側において、X−Y平面に沿った状態で配設されている。
そして、空中像12が、エスカレータ101の踏み板103の上方であって、Z方向について踏み板103の全幅の内側となる範囲(通行人の通過範囲)内に結像するように、画像表示装置1及び光学プレート2が配置されている。
なお、画像表示装置1は、エスカレータ101の搬送方向に沿って複数配置されている。また、光学プレート2は、エスカレータ101の搬送方向に沿って長尺であって、複数の画像表示装置1の表示画像11に基づく空中像12を通行人の通過範囲に結像する。但し、個々の画像表示装置1ごとに個別に対応する複数の光学プレート2を設けてもよい。
[光学プレート]
次に、上述した光学プレート2の詳細について説明する。図3は光学プレート2の概略構成を示す斜視図である。
なお、光学プレート2は、そのプレート平面が前述したY方向とX方向に平行となり、Z方向に垂直となるように配置されている。
光学プレート2は、2枚の光学パネル20,30がZ方向に積層された二層構造を採っている。
そして、光学パネル20は、Y方向に沿って長尺である複数の板状部材21をX方向に積層して並べることによって形成されている。また、光学パネル30は、X方向に沿って長尺である複数の板状部材31をY方向に積層して並べることによって形成されている。
図4は単一の板状部材21の斜視図である。板状部材21は、透明なガラスや樹脂からなる直方体状の透明基板211を有している。透明基板211は、Y方向に長尺であって、Y−Z平面に沿った対向する二平面のうちの一方の面に、例えばアルミニウムのような金属の蒸着によって反射面212が形成されている。なお、反射面212は、透明基板211のY−Z平面に沿った対向する二平面の両面に形成されていてもよい。
図5は単一の板状部材31の斜視図である。板状部材31は、透明なガラスや樹脂からなる直方体状の透明基板311を有している。透明基板311は、X方向に長尺であって、X−Z平面に沿った対向する二平面のうちの一方の面に、例えばアルミニウムのような金属の蒸着によって反射面312が形成されている。なお、反射面312も、透明基板311のX−Z平面に沿った対向する二平面の両面に形成されていてもよい。
Y方向に延びる複数の板状部材21をX方向に積層して並べることにより、Y−Z平面に沿った複数の反射面212が、板状部材21のX方向の幅に応じた間隔でX方向に並んで配置される。同様に、X方向に延びる複数の板状部材31をY方向に積層して並べることにより、X−Z平面に沿った複数の反射面312が、板状部材31のY方向の幅に応じた間隔でY方向に並んで配置される。そして、このような複数の板状部材21,31の配置により、各板状部材21の反射面212と各板状部材31の反射面312とは、Z軸方向から見て互いに直交する位置関係となる。
つまり、この光学プレート2は、いわゆるコーナーミラーアレイといわれる光学素子の構造を有している。
次に、光学プレート2による結像原理について説明する。図6は、2次元(X−Z平面内)での実像の結像原理を示している。点光源Pから発せられた複数の光線は、Z軸に平行な反射面212でそれぞれ反射され、X軸に対して点光源Pとは反対側の位置P0(点光源PとX軸に対して対称な位置)に集光する。これにより、位置P0にて、点光源Pの実像が結像される。
なお、Y−Z平面内での実像の結像に関しても同様であり、点光源Pから発せられた複数の光線は、Z軸に平行な反射面312でそれぞれ反射され、Y軸に対して点光源Pとは反対側の位置P0(点光源PとX軸に対して対称な位置)に集光する。これにより、位置P0にて、点光源Pの実像が結像される。
図7は、3次元空間(XYZ座標系)での光線の反射を模式的に示している。3次元空間では、点光源Oから発せられた光線Aを、X−Z平面内の光線A1と、Y−Z平面内の光線A2とに分解し、図6に倣って、それぞれの光線A1,A2のX−Z平面内またはY−Z平面内での反射を考えることで、光線AのZ軸との交点を求めることができる。つまり、X−Z平面内の光線A1は、Y−Z面に平行な反射面212で反射された後、Z軸に向かい、Y−Z平面内の光線A2は、X−Z面に平行な反射面312で反射された後、Z軸に向かう。これらの光線A1,A2は、Z軸上の1点、つまり、点O0で交わる。したがって、光線Aは、反射面212および反射面312にて計2回反射した後、Z軸上の点O0に向かうことになる。
図8は、3次元空間において、点光源Oから発せられた複数の光線が、別々の反射面を介して1点に集光する様子を模式的に示している。点光源Oから発せられた複数の光線は、図7と同様にして、Y−Z平面に平行な反射面212およびX−Z平面に平行な反射面312で反射され、Z軸上の同じ点O0に集光する。これにより、点O0にて、点光源Oの実像が結像される。
なお、以上では、光学パネル20,30を積層した2層構造の光学プレート2における結像原理を示したが、V字型(L字型)に並べた2枚の反射面をアレイ状に配置してX−Z平面に平行な複数の反射面とY−Z平面に平行な複数の反射面とが実際に直交している1層構造の光学プレート2においても、結像原理は同じである。
[画像表示装置]
画像表示装置1は、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(ElectroLuminescent)ディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)等の平面的な表示画像11を表示する表示装置からなる。
なお、画像表示装置1は上記構成に限らず、プロジェクターのように、表示画像11を投影するものを使用することも可能である。
上記画像表示装置1は、表示画像11を表示する表示部が平面状であり、当該表示部はX−Y平面に平行に配置された光学プレート2の片面(入射面22とする)に対向し、X−Y平面に対してX軸を中心として角度θ1だけ傾斜して配置されている。
なお、傾斜角度θ1は45°が空中像12の画質向上のために最も望ましい角度であるが、空中像12の画質が許容される範囲内であれば45°を中心とするある程度の角度範囲で増減可能である。
上記画像表示装置1は表示画像11の表示を行うと、表示画像11の光が光学プレート2の入射面22から入射して内部反射により出射面23から出射する。これにより、当該光学プレート2について面対称となる位置に空中像12が結像する。即ち、この空中像12は、X−Y平面に対してX軸を中心として図2の紙面上で時計方向に角度θ2(=45°)だけ傾斜している。
[サイネージ装置の配置]
ここで、図9〜図11に基づいて、通行人mの目線高さと視覚的に良好に認識できる空中像12までの距離範囲について説明する。
空中像12は、X方向に対して平行な平面状に結像するが、その場合、Y方向については当該Y方向を中心として上下に一定の視野角の範囲が空中像12を視覚的に良好に認識できる範囲となる。例えば、光学プレート2の特性に応じてその視野角の範囲は異なるが、Y方向に対して上下それぞれに角度φ(図11参照)の範囲が視覚的に良好に認識できる範囲となる。
これに対して、エスカレータ101の搭乗者は、Y方向に対して傾斜角度θで斜め上方に搬送される。つまり、搭乗者の目線は上方に移動しながら搬送されるので、空中像12の視野角の範囲を下から上に通過することになる。
このため、図9に示すように、空中像12と通行人mとが適度に離れて、通行人mの目線高さが空中像12の視野角の範囲内にあるときには空中像12を視覚的に認識することができる。
また、図10に示すように、空中像12と通行人mとがある程度接近すると、通行人mの目線高さが空中像12の視野角の範囲外となる上方に脱した状態となり、空中像12を視覚的に認識することができなくなる。
これらのことを考慮して、通行人mの目線の高さと通行人mが空中像12を良好に認識できる距離範囲の開始点と終了点との関係を考察する。
図11に示すように、「t」を通行人mの目線の高さ、「h」をエスカレータ101の踏み板103の上面に対する空中像12のX方向の中心の高さ、「θ」をエスカレータ101の傾斜角度、「φ」を空中像12の上下の視野角(θ及びφは正の絶対値とする)、「x0」を空中像12を起点として、通行人mが空中像12を良好に認識できる距離範囲の開始点までの水平方向の距離、「xe」を空中像12を起点として、通行人mが空中像12を良好に認識できる距離範囲の終了点までの水平方向の距離とする。
エスカレータ101が上り勾配であることを前提とした場合、エスカレータ101によって上方に移動する通行人mの目線が空中像12の中心から下側に視野角φとなる範囲に到達したときの距離x0は、空中像12の中心高さhと通行人mの目線高さtとの間で次の関係(i)が成立する。式(i)をx0について解くと式(ii)となる。
h+x0・tanθ=t+x0・tanφ …(i)
x0=(t−h)/(tanθ−tanφ) …(ii)
一方、エスカレータ101によって上方に移動する通行人mの目線が空中像12の中心から上側に視野角φの範囲に到達したときの距離xeは、空中像12の中心高さhと通行人mの目線高さtとの間で次の関係(iii)が成立する。式(iii)をxeについて解くと式(iv)となる。
h+xe・tanθ+xe・tanφ=t …(iii)
xe=(t−h)/(tanθ+tanφ) …(iv)
つまり、空中像12に対する通行人mまでの水平方向の距離xは、xe以上、x0以下の範囲が通行人mが空中像12を良好に認識できる距離範囲である。
従って、条件式(1)により通行人mが空中像12を良好に認識できる距離範囲を算出することができる。
(t−h)/(tanθ+tanφ)≦ x ≦(t−h)/(tanθ−tanφ) …(1)
一方、サイネージ装置10では、空中像の一部又は全部をエスカレータ101による通行人の通過範囲内に結像させているので、空中像12を見たことがない通行人は、空中像12がずっと見え続けると、障害物があるものと誤解して通行の妨げになるおそれがある。
このため、サイネージ装置10は、空中像12に対してY方向について規定距離以内に接近すると、空中像12が視覚的に認識できなくなるように空中像12の配置が設定されている。
上述した空中像12が視覚的に認識できなくなる接近距離をkとした場合、前述した式(iv)のxe>kとした場合に、空中像12が視覚的に認識できなくなる空中像12の配置である空中像12のX方向の中心の高さhを求めることができる。即ち、次式(2)を満たすように空中像12の配置が設定されている。
h<t−k・(tanθ+tanφ) …(2)
なお、エスカレータ101の傾斜角度θは既知の固定値、空中像12の上下の視野角φも光学プレート2の特性により定まる既知の固定値である。
また、通行人mの目線高さtは、通行人の平均身長から求めても良いし、通行人mが子供である場合も考慮して子供の平均身長から求めても良い。さらに、エスカレータ101が商業設備等に設置されている場合には、自分で歩行を行う年齢の子供の平均的な身長から求まる目線高さとしても良い。
例えば、通行人mの目線の高さtを170[cm]、エスカレータ101の傾斜角度θを35[°]、空中像12の上下の視野角φを±20[°]、空中像12が視覚的に認識できなくなる接近距離kを1[m]とした場合、空中像12のX方向の中心の高さhは636[mm]より低くすれば良い。
なお、上記数値は一例であって、これらに限定されるものではない。
空中像12の高さhは、画像表示装置1の表示画面と光学プレート2の平面がいずれもX方向に平行であることを前提とした場合、画像表示装置1と光学プレート2の高さにより調整することができる。従って、サイネージ装置10は、空中像12がt,kを規定値として定めた式(2)を満たす高さhとなるように、画像表示装置1及び光学プレート2が設置されている。
なお、光学プレート2の平面がX方向に十分な長さを有する場合には、画像表示装置1の高さ調節のみで空中像12の高さhを調節することができる。
また、式(2)では、空中像12のX方向の中心から視野角φの範囲を空中像12が良好に認識できる範囲として空中像12の高さhの値を定めている。しかし、空中像12が通行人mからより厳重に見えなくするには、空中像12のX方向の上端部から視野角φの範囲を空中像12が認識できない範囲とすることが望ましい。
従って、空中像12のX方向の全幅をwとした場合、次式(3)を満たすように空中像12の配置であるhの値を設定しても良い。
h<t−k・(tanθ+tanφ)−2/w …(3)
ここで、下りのエスカレータ102に設けられたサイネージ装置10の場合の空中像を視覚的に認識できないようにすべき距離範囲の条件の算出について図12に基づいて説明する。
下りのエスカレータ102の搭乗者は、Y方向に対して傾斜角度θで斜め下方に搬送される。つまり、搭乗者の目線は下方に移動しながら搬送されるので、空中像12の視野角の範囲を上から下に通過することになる。
エスカレータ102が下り勾配であることを前提とした場合、エスカレータ102によって下方に移動する通行人mの目線が空中像12の中心から上側に視野角φとなる範囲に到達したときの距離x0は、空中像12の中心高さhと通行人mの目線高さtとの間で次の関係(v)が成立する。式(v)をx0について解くと式(vi)となる。
t+x0・tanθ=h+x0・tanφ …(v)
x0=−(t−h)/(tanθ−tanφ) …(vi)
一方、エスカレータ101によって下方に移動する通行人mの目線が空中像12の中心から下側に視野角φの範囲に到達したときの距離xeは、空中像12の中心高さhと通行人mの目線高さtとの間で次の関係(vii)が成立する。式(vii)をxeについて解くと式(viii)となる。
h=t+xe・tanθ+xe・tanφ …(vii)
xe=−(t−h)/(tanθ+tanφ) …(viii)
従って、条件式(4)により通行人mが空中像12を良好に認識できる距離範囲を算出することができる。
−(t−h)/(tanθ+tanφ)≦ x ≦−(t−h)/(tanθ−tanφ) …(4)
この場合、空中像12が通行人mから見えなくするには、空中像12が視覚的に認識できなくなる接近距離をkとした場合、前述した式(viii)のxe>kとした場合に、空中像12が視覚的に認識できなくなる空中像12の配置である空中像12のX方向の中心の高さhを求めることができる。即ち、次式(5)を満たすように空中像12の配置が設定されている。
h>t+k・(tanθ+tanφ) …(5)
従って、サイネージ装置10は、空中像12がh,kを規定値に定めた式(5)を満たす高さhとなるように、画像表示装置1及び光学プレート2が設置されている。この場合も、光学プレート2の平面がX方向に十分な長さを有する場合には、画像表示装置1の高さ調節のみで空中像12の高さhを調節することができる。
また、空中像12が通行人mからより厳重に見えなくするために、空中像12のX方向の全幅wを考慮して、次式(6)を満たすように空中像12の配置であるhの値を設定しても良い。
h>t+k・(tanθ+tanφ)+2/w …(6)
[発明の実施形態の作用効果]
上記構成のサイネージ装置10は、エスカレータ101の通行人の通過範囲内で画像表示装置1の表示画像11に基づく空中像12を結像させる。
そして、エスカレータ101により搬送される通行人mが空中像12に対して接近距離k内まで接近すると、通行人mの目線高さtは空中像12の視野角±φの範囲外となり、空中像12を視覚的に認識させないようにすることができる。
上記サイネージ装置10では、画像表示装置1の表示画像11を光学プレート2が空中像として結像させる機能を有し、当該空中像12の全体をエスカレータ101における通行人の通過範囲内に結像させるように画像表示装置1及び光学プレート2が配置されている。
このため、エスカレータ101を利用する人に対して、表示画像側に顔を向けて注視させることなく空中像12を見せることができ、その表示内容を自然に認識させることが可能となる。
従って、従来に比べて、通行人に対する表示内容を認識させて訴えかける効果が格段に高いサイネージ装置を提供することが可能となる。
さらに、上記サイネージ装置10は、通行人mが空中像12に対して一定距離内に接近すると空中像12の視認を不能としている。
このため、通行人mは空中像12への接近により視認できなくなるので、空中像12を避ける必要がなくなり、障害物と認識しなくなり、通行の妨げとならないようにすることが可能となる。
特に、サイネージ装置10は、画像表示装置1や光学プレート2の配置により、空中像12に対して通行人mが一定距離内に接近すると、空中像12の視認が不能となることを実現しているので、可動部等の構成を不要とし、装置構成をより簡易にすることができ、製造コストも低減することが可能である。
また、可動部がないので、故障が生じにくく、メンテナンスも容易となる。
[水平式の自動搬送路への適用]
図1及び図2では自動搬送路して上り又は下りのエスカレータ101,102に対するサイネージ装置10の例を示したが、エスカレータ101,102と同様に可動する踏み板を備え、勾配のない状態で水平に通行人mを搬送する自動搬送路104の場合にもサイネージ装置10を適応することが可能である。
この場合、図13に示すように、通行人mは空中像12から離れている位置では目線高さtが視野角±φの範囲となり、空中像12を視覚的に認識可能だが、図14に示すようにある程度、通行人mが空中像12に接近することで、通行人mの目線高さtが視野角±φの範囲から外れて、空中像12を視覚的に認識できないようにすることができる。
この場合、図15に示すように、通行人mは空中像12へ接近すると、通行人m1の場合のように視野角±φの範囲の上から脱する場合と、通行人m2の場合のように下から脱する場合とがある。
これらに対応して、空中像12が視覚的に認識できなくなる接近距離kに対して、空中像12の高さhは条件式(7)又は(8)を満たす場合に、空中像12を視覚的に認識できないようにすることができる。
h<t−k・tanφ …(7)
h>t+k・tanφ …(8)
また、空中像12の上下の全幅wを考慮する場合には、空中像12の高さhは条件式(9)又は(10)を満たす場合に、空中像12を視覚的に認識できないようにすることができる。
h<t−k・tanφ−w/2 …(9)
h>t+k・tanφ+w/2 …(10)
従って、自動搬送路104に対して、空中像12の高さhが条件式(7)〜(10)のいずれかを満たすように、画像表示装置1及び光学プレート2を配置することで、通行人mは空中像12を接近により視認できなくなるので、空中像12を避ける必要がなくなり、障害物と認識しなくなり、通行の妨げとならないようにすることが可能となる。
[第二の実施形態]
本発明の第二の実施形態であるサイネージ装置10Bについて図16〜図17に基づいて説明する。
図16はサイネージ装置10B及びエスカレータ101の平面図、図17はサイネージ装置10Bの制御系を示すブロック図である。
このサイネージ装置10Bについてサイネージ装置10と同一の構成については同符号を付して重複する説明は省略する。また、以下の説明では、サイネージ装置10Bについてサイネージ装置10と異なる点のみを主に説明する。
このサイネージ装置10Bは、上りのエスカレータ101又は下りのエスカレータ102に設けられる点はサイネージ装置10と同じである。
そして、サイネージ装置10Bは、エスカレータ101に搭乗する通行人mを撮影するカメラ5Bと、各画像表示装置1を上下に移動させる移動機構6Bと、サイネージ装置10Bの各構成の制御を行う制御装置9Bとを備えている。
上記カメラ5Bは、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子と光学系とを備えている。
このカメラ5Bは、図16に示すように、エスカレータ101の入り口を撮影し、エスカレータ101に搭乗する直前の通行人mを撮影することができるように配置されている。
移動機構6Bは、サイネージ装置10と同じ向きで画像表示装置1を保持し、当該画像表示装置1をX方向に沿って移動位置決めすることができる。
移動機構6Bは、例えば、画像表示装置1をX方向に沿ったリニアガイドで保持し、モーターの動力を直動動作に変換する周知の伝達機構を用いて画像表示装置1をX軸方向に移動させることができる。また、そのモーターは位置制御可能であり、画像表示装置1をX方向に沿って任意に位置決めすることができる。
制御装置9Bは、画像表示装置1、カメラ5B、移動機構6Bに接続され、これらを統括的に制御する。なお、制御装置9Bには、画像表示装置1、カメラ5B,移動機構6Bを駆動させる駆動回路やインターフェイス、カメラ5Bの撮影画像データを処理する画像処理装置が併設されているが、これらの図示は省略する。
制御装置9Bは、画像表示装置1において表示画像11として表示する表示画像データを備える画像記憶部93Bと、これらの表示画像データに従って画像表示装置1において表示画像11を表示させる表示制御部92Bとを備えている。
また、制御装置9Bは、連続的に規定周期でカメラ5Bによる撮影を実行させる撮影制御部94Bを備えている。
さらに、制御装置9Bは、カメラ5Bによる撮影画像からカメラ5Bの撮影範囲に含まれる通行人mの目線高さを検出する人物検出部95Bと、人物検出部95Bが検出した通行人mの目線高さから画像表示装置1が適正な高さとなるように移動機構6Bを制御する表示位置制御部96Bとを備えている。
制御装置9Bは、バスを介して接続されたCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random access memory)、補助記憶装置などを備える。補助記憶装置は、不揮発性記憶装置を用いて構成される。ここで言う不揮発性記憶装置とは、いわゆるROM(Read-OnlyMemory:EPROM(ErasableProgrammableRead-OnlyMemory)、EEPROM(ElectricallyErasableProgrammableRead-OnlyMemory)、マスクROM等を含む)、FRAM(登録商標)(FerroelectricRAM)、フラッシュメモリ、ハードディスク等を含む。
上記図17では、制御装置9Bの各種機能をブロックで示している。即ち、制御装置9Bは、補助記憶装置に記憶された各種のプログラム(OS,アプリケーション等)がRAMにロードされCPUにより実行されることによって、表示制御部92B、撮影制御部94B、人物検出部95B、表示位置制御部96B等を含む装置として機能するが、これらは専用のチップとして構成されても良い。
また、画像記憶部93Bは、補助記憶装置の一部に設定された記憶領域により実現されるが、これらも専用の記憶チップとして構成されても良い。
撮影制御部94Bは、短周期的に繰り返し撮影を実行するようにカメラ5Bを制御する。
人物検出部95Bは、カメラ5Bの撮影画像に基づいて撮影範囲となるエスカレータ101の入り口に通行人mが存在する場合に、通行人mとその顔を検出し、これらから身長及び目線高さを検出する。
表示位置制御部96Bは、サイネージ装置10の配置説明で示した式(2)の条件を満たす空中像12のX方向の中心の高さhを算出する。なお、式(2)において、通行人mの目線高さtは人物検出部95Bが検出した値を代入する。また、角度θ、φは前述したように既知の固定値であり、接近距離kは予め適正な値を設定する。
また、表示位置制御部96Bでは、空中像12のX方向の全幅wを考慮して式(3)の条件を満たす空中像12のX方向の中心の高さhを算出しても良い。
表示位置制御部96Bは、算出した空中像12の高さhとなるように移動機構6Bを制御する。
h<t−k・(tanθ+tanφ) …(2)
h<t−k・(tanθ+tanφ)−2/w …(3)
なお、式(2)、(3)は不等式なので、表示位置制御部96Bは、次式のように余裕を持たせるための値αを考慮した式(2a)、(3a)で空中像12のX方向の中心の高さhを算出しても良い。この場合もαの値は予め適正な値を設定することが望ましい。αは正の値であって空中像12のX方向の全幅wよりも小さい値である。
h=t−k・(tanθ+tanφ)−α …(2a)
h=t−k・(tanθ+tanφ)−2/w−α …(3a)
また、サイネージ装置10Bが下りのエスカレータ102に設けられている場合には、表示位置制御部96Bは、サイネージ装置10の配置説明で示した式(5)の条件を満たす空中像12のX方向の中心の高さhを算出する。
また、表示位置制御部96Bでは、空中像12のX方向の全幅wを考慮して式(6)の条件を満たす空中像12のX方向の中心の高さhを算出しても良い。
h>t+k・(tanθ+tanφ) …(5)
h>t+k・(tanθ+tanφ)+2/w …(6)
なお、この場合も、表示位置制御部96Bは、余裕を持たせるための値αを考慮した式(5a)、(6a)で空中像12のX方向の中心の高さhを算出しても良い。この場合もαの値は予め適正な値を設定することが望ましい。
h=t+k・(tanθ+tanφ)+α …(5a)
h=t+k・(tanθ+tanφ)+2/w+α …(6a)
このように、サイネージ装置10Bは、通行人mごとに目線高さtを検出し、それに基づいて移動機構6Bを制御し、空中像12が予め定められた接近距離kで通行人mから視覚的に認識されないようにしている。
これにより、サイネージ装置10と同様の効果に加えて、通行人mの身長に個体差がある場合でも、いずれも予め定められた接近距離kで空中像12を視覚的に認識されないようにすることができ、より適切な表示制御を行うことが可能となる。
なお、このサイネージ装置10Bも、図13に示す水平に通行人mを搬送する自動搬送路104に適用することが可能である。その場合、表示位置制御部96Bは、式(7),(8)又は(9),(10)で空中像12の高さhを算出し、移動機構6Bを制御する。また、これらの式(7)〜(10)で空中像12の高さhを算出する場合も余裕を持たせるための値αを考慮して算出しても良い。
h<t−k・tanφ …(7)
h>t+k・tanφ …(8)
h<t−k・tanφ−w/2 …(9)
h>t+k・tanφ+w/2 …(10)
h=t−k・tanφ−α …(7a)
h=t+k・tanφ+α …(8 a)
h=t−k・tanφ−w/2−α …(9 a)
h=t+k・tanφ+w/2+α …(10 a)
[第三の実施形態]
本発明の第三の実施形態であるサイネージ装置10Cについて図18に基づいて説明する。
図18はサイネージ装置10Cの制御系を示すブロック図である。
このサイネージ装置10Cについてサイネージ装置10,10Bと同一の構成については同符号を付して重複する説明は省略する。また、以下の説明では、サイネージ装置10Cについてサイネージ装置10,10Bと異なる点のみを主に説明する。
このサイネージ装置10Cは、上りのエスカレータ101又は下りのエスカレータ102に設けられる点はサイネージ装置10と同じである。
そして、サイネージ装置10Cは、エスカレータ101に搭乗する通行人mを撮影するカメラ5Bと、サイネージ装置10Cの各構成の制御を行う制御装置9Cとを備えている。
制御装置9Cは、画像表示装置1、カメラ5Bに接続され、これらを統括的に制御する。なお、制御装置9Cには、画像表示装置1、カメラ5Bを駆動させる駆動回路やインターフェイス、カメラ5Bの撮影画像データを処理する画像処理装置が併設されているが、これらの図示は省略する。
制御装置9Cは、画像表示装置1において表示画像11として表示する表示画像データを備える画像記憶部93Bと、これらの表示画像データに従って画像表示装置1において表示画像11を表示させる表示制御部92Cとを備えている。
また、制御装置9Cは、連続的に規定周期でカメラ5Bによる撮影を実行させる撮影制御部94Bと、カメラ5Bによる撮影画像からカメラ5Bの撮影範囲に含まれる通行人mの有無を検出する人物検出部95Cとを備えている。
上記制御装置9Cは、バスを介して接続されたCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random access memory)、補助記憶装置などを備える点は、前述した制御装置9Bと同じである。また、プログラムをCPUが実行することで、表示制御部92C、撮影制御部94B、人物検出部95Cとして機能する点、これらはチップで構成可能な点も制御装置9Bと同じである。
人物検出部95Cは、カメラ5Bの撮影画像に基づいて撮影範囲となるエスカレータ101の入り口に通行人mが存在するか否かを判定する。
表示制御部92Cは、既知であるカメラ5Bから空中像12までの距離と、空中像12に対する通行人mの接近距離kと、エスカレータ101の搬送速度とを記憶している。
そして、人物検出部95Cが通行人mを検出すると、表示制御部92Cは、カメラ5Bによる撮影からの経過時間を監視し、通行人mのY方向の位置を検出し、空中像12よりも搬送方向上流側に接近距離kの位置まで通行人mが到達したことを認識すると、それまで表示を行っていた画像表示装置1の表示を消灯する制御を実行する。
また、通行人mの空中像12の結像位置の通過後は、画像表示装置1の表示を再開させる。
このように、サイネージ装置10Cは、通行人mの搬送方向の位置を検出し、それに基づいて画像表示装置1の表示を消灯する制御を行っている。
これにより、通行人mの接近により、空中像12が消えて視覚的に認識されない状態となる。
従って、サイネージ装置10と同様の効果に加えて、新たなアクチュエーターや動作機構を加えることなく、予め定められた接近距離kで空中像12を視覚的に認識されないようにすることができ、より適切な表示制御を行うことが可能となる。
なお、このサイネージ装置10Cは、下りエスカレータ102や水平に通行人mを搬送する自動搬送路104にも容易に適用することが可能である。
[光学素子の他の例]
前述したサイネージ装置10,10B,10Cでは、コーナーミラーアレイといわれる光学プレート2を光学素子とする場合を例示したが、空中像12を形成する光学素子としては、図19に示す再帰反射体2Aを使用しても良い。
再帰反射体2Aは、再帰反射面21Aを平面状のビームスプリッター4A側に対向させた状態で、当該ビームスプリッター4Aの表示画像11側に配置されている。
再帰反射体2Aの再帰反射面21Aは、再帰反射性を備えており、再帰反射面21Aに入射した光を内部反射により入射方向と平行且つ逆方向に出射する特性を有している。
その反射面には、微小球体からなるガラスビーズやマイクロプリズムが全体に敷き詰められており、ガラスビーズ又はマイクロプリズムへの入射光を内部での屈折と反射によって平行且つ逆方向に出射させることができる。なお、再帰反射体については周知の構造であるため、詳細な説明は省略する。
再帰反射体2Aは、表示画像11からの光がビームスプリッター4Aで反射して再帰反射面21Aに入射するように配置されている。
この再帰反射体2Aは、図20に示すように、上記配置により、表示画像11の点dからビームスプリッター4Aに向かって各方向に発せられた光は、いずれも、再帰反射体2Aの再帰反射面21Aにより、入射方向と平行に逆方向に反射する。これにより、表示画像11の点dから発せられた光は、ビームスプリッター4Aを透過して、当該ビームスプリッター4Aについて面対称となる点d0に結像する。
表示画像11のいずれに位置する点dも全て同様に結像するので、表示画像11はビームスプリッター4Aについて面対称となる位置に結像して空中像12が形成される。
従って、ビームスプリッター4Aを図1のガラス板4に平行又は密着させて配置するか、ガラス板4に替えてビームスプリッター4Aを壁面として配置することにより、図1の構成と同じ位置で、空中像12を結像させることが可能となる。
なお、再帰反射体2Aの再帰反射面21Aは、図19に示すように、ビームスプリッター4A及び表示画像11側を向くように傾斜させることが望ましいが、表示画像11に対して垂直にビームスプリッター4Aに向かった光の当該ビームスプリッター4Aによる反射光が全体的に再帰反射体2Aの再帰反射面21Aに入射させることが可能であれば、その傾斜角度は変更可能である。
[その他]
その他、上述した各種の実施の形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、画像表示装置1は平面的な表示画像11を表示しているが、平面的でなく、曲面や立体形状に沿った表示画像を表示する構成でも良い。
また、上記サイネージ装置10は、空中像12の全体が通行人の通過範囲内となるように配置されているが、空中像12の一部が通行人の通過範囲外となる配置でも、残りの部分が通過範囲内であれば、通行人mに対して、表示内容を効果的に認識させる効果を得ることは可能である。
また、エスカレータ101,102に対して横の側壁にサイネージ装置10を配置しているが、空中像12の一部又は全部が左右方向について通行人の通過範囲内となれば他の位置に配置しても良い。例えば、天井が離れていなければ、天井にサイネージ装置10を配置しても良い。
また、サイネージ装置10B,10Cには、通行人mの目線高さtを検出するための検出部としてカメラ5Bを設けたが、これに替えて、エスカレータ101の入り口に赤外線センサや光源と受光素子からなる光学式のセンサを利用しても良い。例えば、サイネージ装置10Bの場合には、これらのセンサを上下に並べて通行人mの通過により光線が遮蔽されることで、通行人mの有無や身長を検出することが可能である。
なお、サイネージ装置10Cの場合には、通行人mの有無を検出できれば良いので、一組の赤外線センサや光源と受光素子からなるより簡易な光学式のセンサを利用しても良い。
1 画像表示装置(表示部)
2 光学プレート(光学素子)
2A 再帰反射体(光学素子)
4 ガラス板
4A ビームスプリッター
5B カメラ
6B 移動機構
9B,9C 制御装置
10,10B,10C サイネージ装置
11 表示画像
12 空中像
101,102 エスカレータ(自動搬送路)
103 踏み板
104 自動搬送路
m 通行人

Claims (5)

  1. 自動的に通行人を所定方向に搬送する自動搬送路に設けられたサイネージ装置であって、
    表示部からの表示画像の光を空中に結像させる作用を持つ光学素子を備え、
    前記表示画像の空中像の一部又は全部を前記自動搬送路による前記通行人の通過範囲内に結像させるように前記表示部と前記光学素子とが配置され、
    前記通行人が前記空中像に対して一定距離内に接近すると前記空中像を視覚的に認識させないようにすることを特徴とするサイネージ装置。
  2. 前記通行人が一定距離内に接近すると、前記空中像の視認が不能となるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載のサイネージ装置。
  3. 前記表示部を上下動させる移動機構と、
    前記通行人が一定距離内に接近すると、前記移動機構を制御して前記空中像の視認が不能となるように前記表示部を移動させる制御装置とを備えることを特徴とする請求項1に記載のサイネージ装置。
  4. 前記通行人が前記空中像に対して一定距離内に接近すると、前記表示部を消灯させる制御装置を備えることを特徴とする請求項1に記載のサイネージ装置。
  5. 自動的に通行人を所定方向に搬送する自動搬送路に設けられたサイネージ装置の設置方法であって、
    前記サイネージ装置は、表示部からの表示画像の光を空中に結像させる作用を持つ光学素子を備え、
    前記表示画像の空中像の一部又は全部を前記自動搬送路による前記通行人の通過範囲内に結像させるように前記表示部と前記光学素子とを配置し、
    前記通行人が前記空中像に対して一定距離内に接近すると前記空中像の視認を視覚的に認識させないようにすることを特徴とするサイネージ装置の設置方法。
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