JP2019152663A - 血液凝固検査装置及び血液凝固検査方法 - Google Patents

血液凝固検査装置及び血液凝固検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】血液凝固の検査において、検査対象に応じた分解能が得られる技術を提供する。【解決手段】血液凝固検査装置は、検査対象の血液を入れる容器と、容器内の検査対象の血液を撹拌する撹拌部と、撹拌部に接続され、撹拌部から検査対象の血液の撹拌によって受ける力に応じて変形可能な弾性体と、弾性体を撹拌部の軸を回転軸として往復回転させ、往復回転を制御することで撹拌部に所定の回転運動を伝達し、撹拌部を周方向に往復回転させる制御部と、撹拌部の往復回転に係る回転角度を計測する計測部と、計測部によって計測された回転角度に応じて撹拌部を昇降させ、撹拌部が検査対象の血液に浸漬する深さを変更する昇降制御部と、を備える。【選択図】図18B

Description

本発明は、血液凝固検査装置及び血液凝固検査方法に関する。
出血時等に血液を固める働きをする血液凝固因子が低下・欠乏する血友病の病態を評価したり、止血治療薬等の薬剤の薬効を評価したりするため、血液が凝固していく過程において、血液凝固の状態が検査される。血液凝固の状態を検査する方法として、例えば、試薬を添加した検査対象の血液(以下、血液検体ともいう)に光を照射して散乱光量を測定することで、凝固塊を検出し凝固時間を算出する光学的な検査方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。また、血液検体を含むカップに浸漬したピンを一定角度(4.75度)の範囲内で往復回転させ、血液凝固によるピンの回転角の低下を測定することで、粘性等の血液凝固の状態を力学的に検査する方法が知られている(例えば、非特許文献1を参照)。
特開2010−217059号公報
鈴木菜穂,"手術室とICUにおけるThromboelastography",[online],2015年12月15日,慈恵ICU勉強会,[平成28年6月3日検索],インターネット<URL:http://www.jikeimasuika.jp/icu_st/151215.pdf>
光学的な検査方法を用いて血液凝固の状態を検査する場合、測定される散乱光量は、血液検体中の干渉物質の影響を受ける場合がある。また、検査項目の違い、即ち、添加する試薬等の違いによっては、散乱光量の変化が、精度良く検出されない場合がある。光学的な手法であるため、血液の粘弾性の変化は正確に測定されず、血液凝固の完了時のデータが取得されるに過ぎない。
また、力学的に血液凝固の状態を検査する装置、例えば、TEG(登録商標)やROTEM(登録商標)では、血液検体が注入されるカップ又は血液検体に浸漬させるピンの回転角度等の測定条件は、血液検体、薬剤及び検査項目等の違いに応じて変更されることはない。例えば、TEGでは、カップを±4.75度(4度45分)の範囲内で往復回転させるが、血液がゲル化した後、±4.75度を大きく超えて回転させた場合、ゲルが破壊され、粘弾性が正しく測定されない場合がある。また、例えば、ROTEMでは、ピンをバネによって一定角度で往復回転させる。バネでピンに伝える回転角度は±4.75度に固定されており、血液凝固によって粘弾性が上昇すると、ピンは徐々に回転しなくなる。このため、血液凝固が進んだ高粘弾性領域での測定や、反対に低粘弾性領域での測定においても、カップ又はピンの回転角度及び回転速度が一定であるため所望の分解能が得られず、薬剤の薬効を評価するのが困難な場合があった。また、人間の血液よりも血小板の量が多く粘弾性がより高くなる動物の血液について、低粘弾性領域から高粘弾性領域に至るまで、所望の分解能で凝固の状態を解析することは困難な場合があった。さらに、これらの装置は高価であるため、より低価格で小型・軽量化された装置が求められていた。
従来のROTEMまたはTEGでは、同一のバネを使用し、同じ回転角度で、高粘弾性の血液凝固(内因系血液凝固や外因系血液凝固)および低粘弾性の血液凝固(抗血小板薬存在下におけるフィブリンゲル形成の解析など)の両方を解析している。したがって、低粘弾性の血液凝固の測定で、粘弾性上昇によるピンへの負荷の上昇に対し十分な感度をもつ(弱い)バネを使用した場合、高粘弾性領域での測定では、血液凝固にともなう粘弾性の上昇によるピンへの負荷が大くなり、ピンの回転が失われてしまい、所望の分解能が得られない。反対に、高粘弾性の血液凝固の測定に適した(強い)バネを用いた場合には、低粘弾性の血液凝固の粘弾性上昇によるピンへの負荷が小さいため、ピンの回転角度の変化(低下)が小さくなり、所望の感度や再現性が得られない。このように、同一のバネを使用し、同じ回転角度で解析した場合には、感度や精度が悪くなるという問題があった。
本発明は、血液凝固の検査において、検査対象に応じた分解能が得られる技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、血液を撹拌する撹拌部に接続された弾性体を撹拌部の軸を回転軸として往復回転させ、往復回転を制御することで、撹拌部に所定の往復回転運動を伝達することにした。そして、撹拌部の回転角度に応じて、撹拌部が血液に浸漬する深さを変更することにした。
詳細には、本発明に係る血液凝固検査装置は、検査対象の血液を入れる容器と、容器内の検査対象の血液を撹拌する撹拌部と、撹拌部に接続され、撹拌部から検査対象の血液の撹拌によって受ける力に応じて変形可能な弾性体と、弾性体を撹拌部の軸を回転軸として往復回転させ、往復回転を制御することで撹拌部に所定の往復回転運動を伝達し、撹拌部を周方向に往復回転させる制御部と、撹拌部の往復回転に係る回転角度を計測する計測部と、計測部によって計測された回転角度に応じて撹拌部を昇降させ、撹拌部が検査対象の血液に浸漬する深さ、又は撹拌部と容器の内壁までの距離を制御する昇降制御部と、を備える。
上記の血液凝固検査装置であれば、撹拌部の往復回転を所定の角度に制御することが可能である。制御部は、例えば、ラジコン飛行機の尾翼等の制御や、ドローンのカメラの方向制御等に小型量産化が進んでいるサーボモータである。サーボモータは、物体の位置、方位、速度等を、目標値に追従するように自動で制御するサーボ機構を備えるモータである。このため、サーボモータは、低速での回転および所望の角度での回転を精度よく制御することができる。このため、血液凝固検査装置は、血液凝固の検査において、撹拌部に伝達される回転速度および回転角度を適切に制御することで、検査対象に応じた分解能を得ることが可能となる。また、撹拌部を昇降させ、撹拌部が検査対象の血液に浸漬する深さ、又は撹拌部と容器の内壁までの距離を制御することで、高粘弾性領域での血液の粘弾性を精度良く計測することが可能となる。また、サーボモータの小型化、軽量化、および低価格化により、血液凝固検査をするための費用を抑制することが可能である。さらに、複数の血液検体を同じ制御によって撹拌するのではなく、血液検体ごとに、サーボモータを制御することで、各血液検体に応じた検査をすることが可能である。なお、往復回転運動とは、回転軸を中心として所定の回転角度の範囲内で回動する運動である。
撹拌部の回転角度は、計測部が有するカメラ等によって画像を取り込むことで解析が可能である。具体的には、例えば、撹拌部の回転を計測できる位置にピンホール等を設け、撮像された当該ピンホール等の動きに基づいて、撹拌部の回転角度が解析されてもよい。また、撹拌部の回転角度は、非接触のエンコーダーによる位置解析によっても解析可能である。エンコーダーは、機械的な位置変化を回転位置または直線的変位位置を示す情報に変換し、電気信号として出力するセンサである。
なお、制御部は、回転軸から所定の径を隔てた位置において、弾性体の往復回転を制御するものであってもよい。また、制御部は、計測部によって計測された回転角度に応じて、所定の往復回転運動を変更するものであってもよい。このような血液凝固検査装置であれば、例えば、血液の凝固が進み、撹拌部が回転しなくなった場合に、サーボモータから撹拌部に伝達する所定の往復回転運動の回転角度を大きくすることで、より高粘度での粘弾性状態の正確な解析が可能となる。また、所定の往復回転運動を変更するとともに、撹拌部が検査対象の血液に浸漬する深さ、又は撹拌部と容器の内壁までの距離を制御することで、低粘弾性領域から高粘弾性領域までの幅広い範囲で、精度良く血液の粘弾性を計測することが可能となる。
また、昇降制御部は、検査対象の血液の粘弾性、又は血液凝固に伴う粘弾性の変化に応じて、撹拌部が検査対象の血液に浸漬する深さ、又は撹拌部と容器の内壁までの距離を決定するものであってもよい。このような、昇降制御部であれば、血液の粘弾性に応じて、適切な分解能(精度)による計測が可能となる。
また、昇降制御部は、計測部によって計測される回転角度の変化率が減少した場合に、撹拌部を上昇させるものであってもよい。このような、昇降制御部であれば、高粘弾性領域における粘弾性の計測が困難となった場合に、分解能を向上させることができる。
なお、本発明は、方法の側面から捉えることもできる。例えば、本発明は、撹拌部により容器内に入れた検査対象の血液を撹拌する撹拌工程と、撹拌部に接続され、撹拌部から検査対象の血液の撹拌によって受ける力に応じて変形可能な弾性体を撹拌部の軸を回転軸として往復回転させ、往復回転を制御することで、撹拌部に所定の往復回転運動を伝達し、撹拌部を周方向に往復回転させる制御工程と、撹拌部の往復回転に係る回転角度を計測する計測工程と、計測工程において計測された回転角度に応じて撹拌部を昇降させ、撹拌部が検査対象の血液に浸漬する深さ、又は撹拌部と容器の内壁までの距離を制御する昇降制御工程と、を有するものであってもよい。
本発明によれば、血液凝固の検査において、検査対象に応じた分解能を得ることが可能となる。
図1は、血液凝固検査装置の構成を例示する概略図である。 図2は、実施形態における制御装置のハードウェア構成を例示する図である。 図3は、実施形態における制御装置の機能構成を例示する図である。 図4は、アガロース溶液の凝固状態の変化を示す図である。 図5は、血液凝固検査装置における検査処理の流れを例示するフローチャートである。 図6Aは、血液凝固検査装置の外観を示す斜視図である。 図6Bは、血液凝固検査装置の内部を示す斜視図である。 図7Aは、上部ユニットを上側から見た斜視図である。 図7Bは、上部ユニットを下側から見た斜視図である。 図8Aは、撹拌運動伝達機構の分解斜視図である。 図8Bは、撹拌運動伝達機構の部分分解図及び容器の斜視図である。 図9Aは、下部ユニットを左前側から見た斜視図である。 図9Bは、下部ユニットを左後側から見た斜視図である。 図10は、上部ユニットを下部ユニットから分離した状態の斜視図である。 図11は、上部ユニットと下部ユニットとを組み立てた状態の平面図である。 図12Aは、上部ユニットを下部ユニットから分離した状態を示す左側面図である。 図12Bは、上部ユニットを下部ユニットから分離した状態を示す正面図である。 図13は、第2実施形態に係る血液凝固検査装置の動作の流れを例示するフローチャートである。 図14Aは、載置台が血液凝固検査装置内に収容された状態を示す図である。 図14Bは、載置台が前面側にスライドされ、載置台への容器の設置が可能な状態を示す図である。 図15Aは、上部ユニットの下降により、保持ピンが撹拌部に挿入された状態を示す図である。 図15Bは、撹拌部によって容器内の血液検体を撹拌可能な位置まで、上部ユニットが上昇した状態を示す図である。 図16は、撹拌制御機構によりギアの回転運動を揺動板の揺動運動に変換する動作を例示する図である。 図17Aは、摺動板が前面側に移動したときの揺動板の回転状態を示す図である。 図17Bは、摺動板が移動していないときの揺動板の回転状態を示す図である。 図17Cは、摺動板が後面側に移動したときの揺動板の回転状態を示す図である。 図18Aは、通常の血液凝固検査時の撹拌部の位置を示す図である。 図18Bは、容器内の血液検体の粘弾性が上昇し、撹拌部を上昇させた状態を示す図である。 図19Aは、容器の第1の変形例の斜視図である。 図19Bは、容器の第2の変形例の斜視図である。 図20Aは、押さえ板が撹拌部を押さえない状態を示す図である。 図20Bは、保持ピンを撹拌部から引き抜く場合に押さえ板が撹拌部を押さえた状態を示す図である。 図21は、第2実施形態の実施例で使用されるねじりコイルばねを例示する図である。 図22は、実施例1における計測結果を示すグラフである。 図23は、実施例1における揺動計測ピンの振幅を示すグラフである。 図24は、比較例1における計測結果を示すグラフである。 図25は、比較例1における揺動計測ピンの振幅を示すグラフである。 図26は、実施例2における計測結果を示すグラフである。 図27は、実施例2における揺動計測ピンの振幅を示すグラフである。 図28は、実施例1〜3、6で使用した撹拌部の断面図である。 図29は、実施例1〜3、6で使用した容器の断面図である。 図30は、実施例3における撹拌部の位置について説明する図である。 図31は、実施例3において撹拌部が通常測定位置にある場合の計測結果を示すグラフである。 図32は、実施例3において撹拌部を上昇させた場合の計測結果を示すグラフである。 図33は、実施例4、5で使用した撹拌部の断面図である。 図34は、実施例4、5で使用した撹拌部の断面図である。 図35は、実施例4、5で使用した容器の断面図である。 図36は、実施例4における計測結果を示すグラフである。 図37は、実施例4における揺動計測ピンの振幅を示すグラフである。 図38は、実施例5における計測結果を示すグラフである。 図39は、実施例5における揺動計測ピンの振幅を示すグラフである。 図40は、実施例6で使用した撹拌部の断面図である。 図41は、実施例6において撹拌部が通常測定位置にある場合の計測結果を示すグラフである。 図42は、実施例6において撹拌部を上昇させた場合の計測結果を示すグラフである。 図43は、実施例6において先端部がより細い撹拌部を使用した場合の計測結果を示すグラフである。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成に限定されない。
〔実施形態〕
図1は、血液凝固検査装置の構成を例示する概略図である。血液凝固検査装置10は、制御部1、弾性体2、撹拌部3、容器4、およびセンサ5を備える。血液凝固検査装置10は、容器4に入れた血液検体を、制御部1の制御によって、弾性体2を介して撹拌部3で撹拌する。そして、血液凝固検査装置10は、センサ5によって撮像される画像から撹拌部3の回転角度を算出することにより、血液凝固の状態等を計測する。血液凝固検査装置10は、制御部1やセンサ5の処理を制御する、図示しない制御装置を備える。
制御部1は、制御装置の指令を受け、弾性体2を介して撹拌部3の往復回転動作を駆動する。図1では、制御部1は、サーボモータ1A、弾性体支持部1B、および弾性体支持軸1Cを備える。サーボモータ1Aは、撹拌部3の軸を回転軸として、弾性体支持部1Bに所定の往復回転運動をさせる。所定の往復回転運動は、例えば、一定角度の範囲内での往復回転運動である。所定の往復回転運動は、撹拌部3の回転角度が一定となるように制御された運動であってもよい。即ち、サーボモータ1Aは、血液検体の凝固状態に応じて、回転角度を変更することで、撹拌部3の回転角度が一定となるように制御する。
弾性体支持部1Bは、サーボモータ1Aの駆動により、所定の往復回転運動をする。また、弾性体支持部1Bは、弾性体2を支持し、弾性体2に所定の往復回転運動を伝達する。弾性体支持軸1Cは、弾性体2が弾性体支持部1Bから伝達された所定の回転運動の回転軸として、弾性体2を支持する。
なお、制御部1の構成は、図1の例に限定されない。制御部1は、弾性体2を支持して弾性体2に所定の往復回転運動を伝達し、回転軸から所定の径だけ離れた位置で当該往復回転運動を制御することができればよく、例えば、弾性体支持部1Bの両端で、2本の線ばねを弾性体2として支持するようにしてもよい。
弾性体2は、弾性体支持部1Bから伝達された所定の往復回転運動を、撹拌部3に伝達する。また、弾性体2は、血液の凝固が進み、撹拌部3が所定の往復回転運動に追従しない場合に、撹拌部3から回転軸の周方向の力を受けて変形可能である。図1の例では、弾性体2が弾性体支持軸1Cに支持される部分にコイルばねが配置されている。コイルばねは、撹拌部3からの力を受けて変形可能である。
なお、弾性体2は、図1の例に限定されない。弾性体2は、所定の往復回転運動を撹拌
部3に伝達し、撹拌部3から受ける力に応じて変形可能であればよく、例えば、コイルばねに代えて線ばねを用いても良い。また、弾性体2は、複数の弾性体で構成されていてもよい。
撹拌部3は、制御部1から弾性体2を介して伝達される所定の往復回転運動により、容器4内の血液検体を撹拌する。血液の凝固が進むと、撹拌部3の回転角度は、所定の往復回転運動に係る回転角度よりも小さくなる。図1において、撹拌部3は、回転伝達部3A、軸受3B、撹拌ピン3C、およびピンホール3Dを備える。
回転伝達部3Aは、弾性体2と接続され、弾性体2から伝達される所定の往復回転運動を、撹拌ピン3Cに伝達する。回転伝達部3Aは、撹拌ピン3Cの軸を回転軸として周方向に往復回転可能である。回転伝達部3Aは、回転軸から所定の径を隔てた位置において弾性体2と接続され、当該位置において回転が制御される。回転軸から離れた位置で回転を制御することで回転角度の調整が容易になるため、回転伝達部3Aは、精度良く所定の往復回転運動を撹拌ピン3Cに伝達することができる。
なお、図1では、回転伝達部3Aは、撹拌ピン3Cの軸に対して垂直に配置される円板状の部材であるが、回転伝達部3Aの形状は円板状には限定されない。回転伝達部3Aは、撹拌ピン3Cの軸上に配置され、回転軸から所定の径を隔てた位置において弾性体2と接続されればよい。
軸受3Bは、撹拌ピン3Cの往復回転を支持する。図1では、軸受3Bは、リングマグネットによる磁気軸受であるが、ボールベアリング等のころがり軸受、空気軸受等であってもよい。軸受3Bとして磁気軸受を使用する場合、軸受部の摩擦が低減されるため、回転伝達部3Aは、より精密な往復回転運動を撹拌ピン3Cに伝達することができる。
撹拌ピン3Cは、容器4に浸漬され、回転伝達部3Aから伝達される所定の往復回転動作により、容器4内の血液検体を撹拌する。容器4内の血液の凝固が進むと、所定の往復回転動作に対する反作用の力により、撹拌ピン3Cの回転角度は小さくなる。また、回転伝達部3Aは撹拌ピン3Cに連動して往復回転するため、撹拌ピン3Cと同様に、回転伝達部3Aの回転角度は小さくなる。回転伝達部3Aの動きが弾性体2から伝達される所定の往復回転動作に追従しなくなると、弾性体2は、所定の往復回転動作と逆向きの力を受けて変形する。また、撹拌ピン3Cは、容器4内の血液の凝固が進むと、制御装置の制御により昇降可能である。制御装置は、容器4内の血液の凝固状態に応じて、容器4内に浸漬する深さ、又は撹拌ピン3Cと容器4の内壁までの距離を決定し、撹拌ピン3Cを昇降させる。撹拌ピン3Cは、「撹拌部」の一例である。
ピンホール3Dは、回転伝達部3Aの基準位置を示す目印となる。センサ5によってピンホール3Dの動きを検出し解析することで、回転伝達部3Aの回転角度、即ち、撹拌ピン3Cの回転角度の計測が可能となる。図1では、ピンホール3Dは、回転伝達部3Aの回転軸から離れた位置に設けられた孔である。センサ5(例えば、カメラ)は、ピンホール3Dから入射する光を検知し、ピンホール3Dの動きから撹拌ピン3Cの回転角度を計測する。回転角度は、回転軸からピンホール3Dまでの径の長さと、センサ5によって検出したピンホール3Dの移動距離から求めることが可能である。
なお、ピンホール3Dは、回転伝達部3Aに設けられた孔に限られない。例えば、ピンホール3Dは、センサ5から検出可能な位置に設けられた凹部又は凸部であってもよい。この場合、センサ5は、当該凹部又は凸部が撮像された画像を解析することで、撹拌ピン3Cの回転角度の計測が可能となる。即ち、ピンホール3Dは、基準位置を示す目印として、センサ5によって検出可能な形態であればよい。
容器4には、血液検体が入れられる。容器4は、撹拌ピン3Cが往復回転する際、撹拌ピン3Cが容器4の内面に接触しないように配置される。
センサ5は、ピンホール3Dの動きを検出し、撹拌ピン3Cの回転角度を計測する。具体的には、センサ5は、ピンホール3Dの画像を撮像し、制御装置に撮像した画像を送信し、制御装置において撹拌ピン3Cの回転角度が算出されるようにしてもよい。算出された回転角度の情報は、表示部17に表示されてもよい。
なお、センサ5は、例えば、スマートフォン、タブレット端末等の電子機器であってもよい。この場合、電子機器は、電子機器が有するカメラ等によりピンホール3Dの動きを撮像し、撮像した画像を解析して撹拌ピン3Cの回転角度を算出することが可能である。電子機器は、制御装置として制御部1およびセンサ5の処理を制御するようにしてもよい。
<制御装置の構成>
(ハードウェア構成)
図2は、実施形態における制御装置のハードウェア構成を例示する図である。制御装置6は、CPU(Central Processing Unit)11、RAM(Random Access Memory)12、ROM(Read Only Memory)13、HDD(Hard Disk Drive)等の補助記憶装置14、ゲートウェイ等を介してインターネットNに接続されるNIC(Network Interface Card)15、撮像部16、表示部17、及び入力部18を備えるコンピュータである。
CPU11は、中央演算処理装置であり、RAM12等に展開された各種プログラムの命令及びデータを処理することで、RAM12、補助記憶装置14等を制御する。RAM12は、主記憶装置であり、CPU11によって制御され、各種命令やデータが書き込まれ、読み出される。ROM13は、読出し専用であり、主記憶装置としてBIOS(Basic Input/Output System)やファームウェアを記憶する。補助記憶装置14は、不揮発性の記憶装置であり、RAM12にロードされる各種プログラム等、永続性が求められる情報が書き込まれ、読み出される。
撮像部16は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサを有するカメラである。撮像部16は、制御装置6を図1のセンサ5として用いる場合、撹拌部3のピンホール3Dの動きを検出する。
表示部17は、計測された撹拌部3の回転角度に基づく情報等を表示する。表示部17は、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)である。入力部18は、検査に使用する弾性体を識別する情報、サーボモータ1Aの制御方法に関する情報等の入力を受け付ける。入力部18は、例えば、タッチパッド、マウス、タッチパネル等のポインティングデバイス、キーボード、操作ボタン等であり、操作入力を受け付ける。
(機能構成)
図3は、実施形態における制御装置の機能構成を例示する図である。制御装置6は、補助記憶装置14に記憶されているプログラムが、RAM12に読み出され、CPU11によって実行されることで、制御情報データベースD11、補正情報データベースD12、データ受信部F11、解析部F12および補正部F13を備えるコンピュータとして機能
する。
なお、本実施形態において、制御装置6の備える各機能は、汎用プロセッサであるCPU11によって実行されるが、これらの機能の一部又は全部は、1又は複数の専用プロセッサ、ハードウェアの演算回路等によって実行されてもよい。ここで、ハードウェアの演算回路とは、例えば、論理ゲートを組み合わせた加算回路、乗算回路、フリップフロップ等をいう。また、これらの機能の一部又は全部は、別途のコンピュータにおいて実行されてもよい。
制御情報データベースD11は、制御部1から撹拌部3に伝達される所定の往復回転運動に係る動作を決定するための情報を格納するデータベースである。例えば、制御情報データベースD11は、所定の往復回転運動に係る角度の情報等、サーボモータ1Aによる所定の往復回転運動を指定するための情報を格納するテーブルを有する。また、制御情報データベースD11は、検査対象の血液の粘弾性が上昇した場合に、撹拌部3を昇降させる契機となる条件、撹拌部3が血液に浸漬する深さ、撹拌部3と容器4の内壁との距離等の情報を格納するテーブルを有する。
補正情報データベースD12は、弾性体2ごとのキャリブレーションに関する情報を格納するデータベースである。キャリブレーションは、基準となる弾性体(以下、基準弾性体ともいう)による計測値とのずれを弾性体2ごとに測定し、各弾性体2による計測精度を基準となる弾性体に合わせるために、測定したずれに基づいて計測値を補正する処理である。例えば、補正情報データベースD12は、弾性体2ごとに測定した基準弾性体との計測値のずれの情報を格納するテーブルを有する。
制御情報データベースD11および補正情報データベースD12は、CPU11によって実行されるデータベース管理システム(DBMS)のプログラムが、補助記憶装置14に記憶されるデータを管理することで構築される。データベース管理システムは、例えば、リレーショナルデータベースである。
データ受信部F11は、センサ5によって検知された撹拌部3の往復回転運動に関するデータを受信する。受信するデータは、例えば、ピンホール3Dの画像情報である。
解析部F12は、データ受信部F11が受信したデータを解析し、撹拌部3の回転角度を算出する。また、撹拌部3の回転角度が一定となるように制御する場合、解析部F12は、算出した撹拌部3の回転角度に基づき、サーボモータ1Aの駆動力の増加率等、サーボモータ1Aの制御に使用される情報を生成する。解析部F12によって算出または生成された情報は、制御情報データベースD11に格納される。
補正部F13は、補正情報データベースD12から基準弾性体とのずれに関する補正情報を取得し、取得した補正情報に基づいて、解析部F12で算出された撹拌部3の回転角度を補正する。補正情報は、使用する弾性体2ごとに異なる。このため、検査に使用する弾性体2を識別する情報を、入力部18から入力するようにしてもよい。補正部F13は、入力された識別情報を用いて、補正情報データベースD12から、使用する弾性体2に係る補正情報を取得することができる。補正部F13によって補正された情報は、表示部17に表示されるようにしてもよい。
<弾性体のキャリブレーション>
ここで、弾性体2のキャリブレーションについて説明する。血液凝固検査装置10は、同じ血液検体の検査であっても、使用する弾性体2によって計測精度にばらつきを生じる場合がある。そこで、血液凝固検査装置10は、各弾性体2の基準となる基準弾性体を定
め、血液検体に代えて所定の溶液を使用した場合の計測結果を収集する。血液凝固検査装置10は、各弾性体2についても、所定の溶液を使用した場合の凝固状態を計測し、基準弾性体を使用した場合の計測結果との差分を補正情報として収集する。収集された基準弾性体の計測結果および補正情報は、補正情報データベースD12に格納される。血液凝固検査装置10は、補正情報データベースD12に格納された補正情報に基づいて、検出されたデータを弾性体2ごとに補正することができる。所定の溶液は、例えば、アガロース、ゼラチン等の溶液である。
図4は、アガロース溶液の凝固状態の変化を示す図である。アガロースのゲル化温度は、約34.5℃から37.5℃までの範囲である。図4に示される各グラフの縦軸は、アガロース溶液の硬度を示し、硬度が大きくなるにつれてグラフの膨らみは大きくなる。また、各グラフの横軸は、計測開始からの時間を示す。図4には、計測開始時のアガロース溶液の温度が90℃および70℃のそれぞれの場合において、アガロース溶液の濃度が0.5%、1.0%および1.5%の場合のグラフが示される。
アガロース溶液の濃度が同じ場合には、計測開始時の温度が70℃よりも90℃の場合のほうが、凝固の開始は遅くなる。即ち、計測開始時の温度が高くなるにつれて、凝固の開始は遅くなる。また、アガロース溶液の計測開始時の温度が同じ場合には、濃度が濃くなるにつれて最終的なゲル化時の硬度は大きくなっている。即ち、濃度が濃くなるにつれて、最終的なゲル化時の硬度は大きくなる。
血液凝固検査装置10は、アガロース溶液の凝固開始時の温度および濃度の種々の条件において、基準弾性体と各弾性体2との補正情報を予め収集しておくことで、弾性体2ごとの計測結果のばらつきを、精度良く補正することが可能となる。
<処理の流れ>
本実施形態の血液凝固検査装置10の処理の流れについて説明する。ここで説明される処理の流れでは、血液凝固検査装置10は、サーボモータ1Aの駆動により、撹拌部3によって容器4内の血液検体を撹拌させ、撹拌部3の回転角度を計測する。この際、サーボモータ1Aは、弾性体2を介して、所定の往復回転運動を撹拌部3に伝達する。また、血液凝固検査装置10は、使用する弾性体2について予め測定された基準弾性体とのずれに関する補正情報に基づいて、計測結果を補正する。なお、説明される処理の内容及び順序は一例であり、処理の内容及び順序には、実施の形態に適したものが適宜採用されることが好ましい。
図5は、血液凝固検査装置における検査処理の流れを例示するフローチャートである。この処理の流れは、例えば、容器4に血液検体および試薬が注入されることを契機に開始する。
まず、ステップS101では、制御装置6は、サーボモータ1Aを起動する。制御装置6は、制御情報データベースD11に格納された情報に基づいて、サーボモータ1Aを制御する。サーボモータ1Aは、制御装置6の指令により、弾性体2を介して所定の往復回転運動を撹拌部3に伝達する。制御装置6は、例えば、サーボモータ1Aが一定角度の範囲での往復回転運動を伝達するようにしてもよい。
サーボモータ1Aの起動により、撹拌部3は、容器4内の血液検体を撹拌する。血液の凝固が進むと、撹拌部3の往復回転は、伝達された所定の往復回転運動に追従しなくなり、回転角度は小さくなっていく。センサ5は、撹拌部3の往復回転運動を検知し、往復回転運動に関するデータ、例えば、ピンホール3Dの撮像画像のデータを制御装置6に送信する。
ステップS102では、制御装置6のデータ受信部F11は、センサ5から送信されるデータを受信する。ステップS103では、制御装置6の解析部F12は、受信したデータを解析して、撹拌部3の回転角度を算出する。
次に、ステップS104では、制御装置6の補正部F13は、解析部F12で算出された回転角度を補正する。具体的には、補正部F13は、補正情報データベースD12から、使用中の弾性体2に係る補正情報を取得する。補正部F13は、取得した補正情報に基づいて、解析部F12で算出された回転角度を補正する。
ステップS105では、制御装置6は、補正部F13で補正された回転角度のデータを計測結果として出力する。制御装置6は、計測結果を表示部17に出力することができる。また、制御装置6は、計測結果を補助記憶装置14に格納してもよい。また、制御装置6は、出力された回転角度に応じて撹拌部3を昇降させ、撹拌部3が血液に浸漬する深さ、撹拌部3と容器4の内壁との距離等を制御するようにしてもよい。
<作用効果>
本実施形態の血液凝固検査装置10であれば、撹拌部3に伝達される回転速度および回転角度を適切に制御することで、検査対象に応じた分解能を得ることが可能となる。また、サーボモータ1Aの小型化、軽量化、および低価格化により、血液凝固検査をするための費用は抑制される。また、血液凝固検査装置10は、複数の血液検体を同じ制御によって撹拌するのではなく、血液検体に応じてサーボモータ1Aを制御することで、各血液検体に応じた検査をすることが可能である。
さらに、血液凝固検査装置10は、血液の凝固が進んで撹拌部3が往復回転しなくなった場合に、サーボモータ1Aの制御により撹拌部3の回転角度を大きくすることで、高粘度での粘弾性状態の解析が可能となる。さらに、撹拌部3を昇降させ、撹拌部3が血液に浸漬する深さ、又は撹拌部3と容器4の内壁との距離等を制御することで、さらに分解能を向上させ、高粘度での粘弾性状態を精度良く解析することが可能となる。このように、血液凝固検査装置10は、サーボモータ1Aから撹拌部3に伝達する所定の往復回転運動を、血液検体または検査対象の製剤に応じて変更することで、所望の分解能によるデータを取得することができる。
また、使用する弾性体2ごとの計測結果のばらつきを、予め測定した補正情報に基づいて補正することで、使用する弾性体2の違いによる計測結果への影響を低減することができる。
〔第2実施形態〕
<第2実施形態に係る血液凝固検査装置の構成>
図6A及び図6Bは、第2実施形態に係る血液凝固検査装置の構成を示す。図6Aは、血液凝固検査装置の外観を示す斜視図である。図6Bは、血液凝固検査装置の内部を示す斜視図である。血液凝固検査装置100は、筐体110、上部ユニット200、下部ユニット300を備える。また、血液凝固検査装置100は、図示しない制御装置を備え、上部ユニット200及び下部ユニット300が備える各機構の動作を制御する。第2実施形態に係る制御装置は、上述の実施形態に係る制御装置6と同様のハードウェア構成を備える。上部ユニット200及び下部ユニット300が備える各機構の動作は、第2実施形態に係る制御装置の指令により駆動される。
筐体110は、略正方形の底板111、底板111の四隅に立設される支柱112、前面、後面、右側面上部、左側面、上面の各面に設けられるパネル113、右側面下部に設
けられ電源又は外部装置と接続するためのケーブル類を挿通させる挿通口を有する接続用パネル114により、箱状に構成される。筐体110は、上部ユニット200及び下部ユニット300を収容する。また、筐体110は、上面のパネル113に、持ち運びを可能とするための取っ手115を備える。さらに、前面のパネル113には、血液検体を入れた容器を設置したり、取り出したりするための開口部113Aが設けられる。なお、検査対象となる血液検体は、血液の遠心分離等によって得られる血漿も含む。
筐体110は、上部ユニット200及び下部ユニット300を収容し、各ユニットと電源又は外部装置とを接続するための挿通口及び血液検体を入れた容器の出し入れを可能とする開口を備えればよく、筐体110の形状、ケーブル類の挿通口の位置及び形状、容器の出し入れのための開口の位置及び形状は、図6A及び図6Bの例に限られない。筐体110は、例えば、複数のパネル113及び支柱112が一体の部材として構成され、上部ユニット200及び下部ユニット300を収容するようにしてもよい。また、筐体110は、上面のパネル113に取っ手115を設けずに、左右側面又は前後面のパネル113に、血液凝固検査装置100を両手で把持するための凹部を設けるようにしてもよい。
図7A及び図7Bは、上部ユニット200の構成を示す。図7Aは、上部ユニット200を上側から見た斜視図である。図7Bは、上部ユニット200を下側から見た斜視図である。上部ユニット200は、昇降機構210、撹拌制御機構230、撹拌運動伝達機構240、回転角度計測機構270を備える。
昇降機構210は、昇降用モータ211、シャフト212、支持軸ガイド213を備える。昇降用モータ211は、例えば、全ねじのシャフト212と螺合する雌ねじ部を、内部に有する。雌ねじ部は、昇降用モータ211の駆動により、シャフト212を軸として回動可能である。上部ユニット200は、雌ねじ部の回動により所望の高さに昇降可能である。支持軸ガイド213には、下部ユニット300が上部ユニット200を支持するための支持軸(図示せず)を挿通させる支持軸挿通孔213Aが設けられる。図7Bに示されるように、支持軸ガイド213は、上部ユニット底板215の下側に筒部を有し、支持軸挿通孔213Aに支持軸が挿通される。支持軸を支持軸ガイド213に挿通させることで、上部ユニット200は、鉛直方向に昇降可能となる。なお、図7Aの例では、支持軸ガイド213は、昇降用モータ211の右側及び左側に配置されている。支持軸ガイド213は、昇降用モータ211の右側及び左側の2カ所に設けられる場合に限られず、例えば、上部ユニット底板215の対角線上の角部に設けられても良く、また、2カ所以上の位置に設けられても良い。
撹拌制御機構230は、撹拌用モータ231、ギア232、摺動板233を備える。撹拌用モータ231は、ギア232の回転を駆動する。ギア232は、回転運動を直線運動に変換して摺動板233を前後に摺動させる。摺動板233は、ギア232の回転に応じて前後方向に摺動し、撹拌運動伝達機構240に、血液検体を撹拌するための動作を伝達する。撹拌運動伝達機構240は、図8Aにより詳述される。
図8A及び図8Bは、撹拌運動伝達機構240の構成を示す。図8Aは、撹拌運動伝達機構240の分解斜視図である。撹拌運動伝達機構240は、揺動板241、回転子242、ワッシャ243、回転軸244、軸受245A、軸受245B、第1台座246、ワッシャ247A、ワッシャ247B、揺動伝達部248、弾性体249、揺動被伝達部250、第2台座251、保持ピン252を備える。
揺動板241は、摺動板233の前後方向の往復運動に応じて、回転軸挿通孔241Aに挿通される回転軸244を軸として往復回転運動(以下、揺動運動ともいう)をする。回転子242は、揺動板241に固着され、回転軸挿通孔241Aに挿通される回転軸2
44を保持して揺動板241の揺動運動を伝達する。ワッシャ243は、回転子242の揺動運動による軸受245Aとの摩擦を抑制する。回転軸244は、軸受245A、及び軸受245Aに嵌合する軸受245Bによって回転自在に支持される。軸受245Aと軸受245Bとは、第1台座246を挟んで相互に嵌合する。第1台座246は、撹拌制御機構230を載置する。回転軸244は、ワッシャ247A及びワッシャ247Bを介して、揺動伝達部248に連結される。
揺動伝達部248は、揺動板241の揺動運動に連動して揺動する。揺動伝達部248は、弾性体249を連結するための弾性体連結部248Aを備える。弾性体249は、図8の例では鉛直方向を軸とするコイルばねが使用される。弾性体249の一端は、弾性体連結部248Aに連結され、弾性体249の他端は、揺動被伝達部250に連結される。揺動被伝達部250は、弾性体249を連結するための弾性体連結部250Aを備える。弾性体249の他端は、弾性体連結部250Aに連結される。揺動被伝達部250は、弾性体249を介して伝達された揺動運動を、更に保持ピン252に伝達する。揺動被伝達部250は、揺動被伝達部250の揺動運動による回転角度を計測するための揺動計測ピン250Bを備える。揺動計測ピン250Bの回転角度は、図7Aに示す回転角度計測機構270によって計測される。第2台座251は、揺動被伝達部250を載置する。第2台座251は、台座支持部251A及び台座支持部251Bを備え、第1台座246を支持する。保持ピン252は、第2台座251に設けられる挿通孔(図示せず)を介して揺動被伝達部250に連結される。保持ピン252は、揺動被伝達部250の揺動運動に連動して揺動する。
図8Bは、撹拌運動伝達機構240の部分分解図及び容器の斜視図である。図8Aに示す揺動板241から保持ピン252までの各部材は、図8Bに示すように組み立てられる。保持ピン252は、撹拌部30を保持し、撹拌部30を揺動させることにより、容器40内の血液検体を撹拌する。保持ピン252は、撹拌部30の上部に設けられた保持ピン挿入孔30Aに挿入される。撹拌部30は、保持ピン252と連動して回転し、容器40内の血液検体を撹拌する。容器40内の血液検体の凝固により、保持ピン252の揺動を抑止する力が働き、保持ピン252の回転角度は、容器40内の血液検体の粘度に応じて増減する。さらに、撹拌部30は、フランジ30Bを備える。フランジ30Bは、血液凝固の検査が終了し、保持ピン252を撹拌部30から引き抜く際に用いられる。フランジ30Bを押さえた状態で保持ピン252を上昇させることで、保持ピン252は、撹拌部30から引き抜くことが可能となる。
図7Aにおける回転角度計測機構270は、センサ板271及び光源部272を備える。回転角度計測機構270は、撹拌部30の回転角度を計測するための機構である。センサ板271は、直線状に受光素子が配置された光センサを備える。光源部272は、センサ板271の光センサを照射するLED(Light Emitting Diode)等の光源(図示せず)を備える。第2実施形態では、回転角度計測機構270は、容器40内の血液検体の撹拌動作に連動して、光センサ上を揺動する揺動計測ピン250Bの回転運動を検知する。回転角度計測機構270は、揺動計測ピン250Bの回転角度を計測することで、揺動計測ピン250Bと連動して揺動する撹拌部30の回転角度を計測することができる。血液凝固検査装置100は、回転角度計測機構270によって、撹拌部30の回転軸から離れた位置で揺動する揺動計測ピン250Bの回転角度を計測することで、撹拌部30の回転角度を精度よく計測することができる。
図9A及び図9Bは、下部ユニット300の構成を示す。図9Aは、下部ユニット300を左前側から見た斜視図である。図9Bは、下部ユニット300を左後側から見た斜視図である。下部ユニット300は、載置台スライド機構310及び保持ピン引き抜き機構320を備える。また、下部ユニット300は、上部ユニット200と連結するための支
持軸331、上部ユニット支持台332を備える。上部ユニット支持台332には、シャフト212の下端を嵌合させて固定するための嵌合孔332Aが設けられる。なお、図9A及び図9Bは、下部ユニット300が、筐体110の底板111に配置された状態を示す。
図9Bに示される載置台スライド機構310は、載置台311、ボールねじ312、スライド用モータ313、リニアガイド314を備える。載置台311は、容器40を収容可能な円柱状の凹部である容器設置部311A(図9A)を備える。図9Aは、容器設置部311Aに容器40が設置され、容器40内に撹拌部30が収容された状態を示す。ボールねじ312は、載置台311に螺合され、ボールねじ312の回転により、載置台311を前後方向に摺動させる。スライド用モータ313は、ボールねじ312の回転運動を駆動する。リニアガイド314は、載置台311の前後方向の直動をガイドする。載置台スライド機構310は、モータの回転運動を直線運動に変換して、容器40の設置が可能となる位置まで載置台311をスライドさせることができればよく、ボールねじ機構の他、タイミングベルト等による各種の直動機構であってもよい。なお、血液凝固検査装置100は、載置台311に収容された容器40を保温するための保温装置(図示せず)を備えてもよく、保温装置は、凝固検査の間、血液検体を一定の温度に保つことができる。
図9Aに示す保持ピン引き抜き機構320は、ガイド板321、押さえ板322、ソレノイド323を備える。ガイド板321は、載置台311の容器設置部311Aの上部に配置され、保持ピン252を撹拌部30の保持ピン挿入孔30Aに挿入するための開口部321Aが設けられる。押さえ板322は、保持ピン252を保持ピン挿入孔30Aから引き抜く際、ソレノイド323と接続される端部を軸として、撹拌部30のフランジ30Bを押さえることができる位置まで回動する。押さえ板322が撹拌部30のフランジ30Bを押さえることで、保持ピン252は、保持ピン挿入孔30Aから引き抜くことが可能となる。ソレノイド323は、保持ピン252が保持ピン挿入孔30Aから引き抜かれるまでの間通電される。ソレノイド323への通電中、押さえ板322は、撹拌部30のフランジ30Bを押さえる位置まで回動した状態を維持し、保持ピン252は撹拌部30から引き抜かれる。
図10から図12により、上部ユニット200と下部ユニット300との連結について説明する。図10は、上部ユニット200を下部ユニット300から分離した状態の斜視図である。支持軸331は、載置台311の後側の端部両脇に鉛直方向に配置される。支持軸331は、上部ユニット200の支持軸ガイド213に挿通されることにより、上部ユニット200を支持する。
図11は、上部ユニット200と下部ユニット300とを組み立てた状態の平面図である。支持軸ガイド213は、血液凝固検査装置100の前面と後面との略中央の位置において、昇降用モータ211の両側2カ所に配置される。上部ユニット200は、血液凝固検査装置100の平面視において中央付近の2カ所で支持軸331によって支持されており、上部ユニット200は、昇降機構210により安定して昇降可能である。
図12Aは、上部ユニット200を下部ユニット300から分離した状態を示す左側面図である。図12Bは、上部ユニット200を下部ユニット300から分離した状態を示す正面図である。図12Aに示すように、下部ユニット300の支持軸331は、上部ユニット200の支持軸ガイド213に挿通される。載置台311の容器設置部311Aに容器40及び撹拌部30が設置されている場合、保持ピン252は、上部ユニット200の下降により、撹拌部30の上面に設けられた保持ピン挿入孔30Aに挿入される。なお、図12Bにおいて、上部ユニット200と下部ユニット300とを組み立てた場合、上部ユニット200のシャフト212の下端は、上部ユニット支持台332に設けられた嵌
合孔332Aに嵌合し固定される。
<動作の流れ>
図13は、第2実施形態に係る血液凝固検査装置の動作の流れを例示するフローチャートである。また、図14Aから図20Bは、図13に示される各動作を駆動する昇降機構210、撹拌制御機構230、撹拌運動伝達機構240、回転角度計測機構270、載置台スライド機構310、保持ピン引き抜き機構320の動作を説明する。図13に示す動作の流れは、第2実施形態に係る血液凝固検査装置100が、第2実施形態に係る制御装置から検査の開始の指令を受けることを契機に開始する。
まず、ステップS201では、載置台スライド機構310は、載置台311を容器40の設置が可能となる位置まで前面側にスライドさせる。容器40及び容器40内に収容された撹拌部30は、前面側にスライドされた載置台311の容器設置部311Aに設置される。容器40及び撹拌部30が設置されると、載置台スライド機構310は、載置台311を元の位置までスライドさせる。ここで、図14A及び図14Bにより、載置台スライド機構310による載置台311の動作について説明する。
図14Aは、載置台311が血液凝固検査装置100内に収容された状態を示す図である。図14Bは、載置台311が前面側にスライドされ、載置台311への容器40の設置が可能な状態を示す図である。載置台311は、スライド用モータ313がボールねじ312の回転運動を駆動することにより、図14A及び図14Bに示す矢印X1の方向にスライドすることができる。なお、載置台311は、リニアガイド314上をスライドすることにより直動可能である。ステップS201において、載置台スライド機構310は、図14Bに示すように、容器40の設置が可能となる位置まで載置台311を前面側にスライドさせる。載置台スライド機構310は、容器40及び撹拌部30が設置されると、載置台31を、図14Aに示す位置まで後面側にスライドさせ元の位置に戻す。
次に、ステップS202では、昇降機構210は、上部ユニット200を下降させることにより、保持ピン252を、撹拌部30の上部に設けられた保持ピン挿入孔30Aに挿入させる。保持ピン252は、保持ピン挿入孔30Aと略同じ径を有し、保持ピン挿入孔30Aに挿入されることで撹拌部30を保持することができる。また、ステップS203では、昇降機構210は、上部ユニット200を上昇させることにより、保持ピン252に保持された撹拌部30が容器40から取り出された状態とする。撹拌部30が容器40から取り出されることで、容器40内への血液検体の注入が可能となる。ここで、図15A及び図15Bにより、昇降機構210による上部ユニット200の昇降動作について説明する。
図15Aは、上部ユニット200の下降により、保持ピン252が撹拌部30に挿入された状態を示す図である。図15Bは、撹拌部30によって容器40内の血液検体を撹拌可能な位置まで、上部ユニット200が上昇した状態を示す図である。昇降機構210は、昇降用モータ211内部に設けられたシャフト212と螺合する雌ねじ部を、昇降用モータ211の駆動により回転させることで、上部ユニット200を昇降させることができる。昇降機構210は、上部ユニット200を所望の高さに昇降可能である。ステップS202において、昇降機構210は、保持ピン252が撹拌部30を保持可能な深さに挿入されるまで上部ユニット200を下降させればよい。ステップS203では、昇降機構210は、上部ユニット200を図15Bの状態よりも更に上昇させ、容器40内に血液検体の注入が可能な高さまで撹拌部30を上昇させる。
ステップS204では、上部ユニット200は、ステップS203の処理によって上昇した状態である。載置台スライド機構310は、載置台311を再び前面側にスライドさ
せる。容器40内の撹拌部30は、ステップS202の処理によって保持ピン252により取り出された状態であり、容器40内に血液検体の注入が可能である。容器40内に血液検体が注入されると、載置台スライド機構310は、載置台311を後面側にスライドさせ、元の位置に戻す。
ステップS205では、昇降機構210は、容器40内の血液検体を撹拌可能な高さとなるように撹拌部30の高さを調整する。昇降機構210は、例えば、上部ユニット200を、図15Bに示すように、撹拌部30の先端が容器40の底に接触しない高さまで下降させればよい。
ステップS206では、血液凝固検査が実施される。まず、撹拌制御機構230は、撹拌用モータ231の回転運動を揺動板241の揺動運動に変換する。次に、撹拌運動伝達機構240は、揺動板241揺動運動を揺動被伝達部250に伝達する。揺動被伝達部250は、伝達された揺動運動を更に保持ピン252に伝達する。保持ピン252に保持された撹拌部30は、保持ピン252と連動して揺動運動をすることにより、容器40内の血液検体を撹拌する。回転角度計測機構270は、撹拌部30の回転角度を計測し、計測結果を第2実施形態に係る制御装置に送信する。ここで、図16、図17A、図17B、及び図17Cにより、撹拌制御機構230、撹拌運動伝達機構240及び回転角度計測機構270について説明する。
図16は、撹拌制御機構230によりギア232の回転運動を揺動板241の揺動運動に変換する動作を例示する図である。撹拌制御機構230は、撹拌用モータ231によってギア232を回転駆動する。ギア232の回転運動は、摺動板233の矢印Y方向の往復運動に変換される。撹拌用モータ231の回転数を制御することにより、摺動板233の往復運動の振幅は、所望の幅に調整可能である。また、摺動板233の往復運動により、揺動板241は、回転軸244を回転軸とするZ1方向の揺動運動をする。揺動板241の回転角度は、摺動板233の往復運動の振幅を調整することにより、所望の角度に調整可能である。さらに、撹拌用モータ231の回転数を制御することにより、揺動板241の回転速度、即ち、撹拌部30に伝達される撹拌運動の回転速度についても、適切に制御することが可能となる。
図17Aから図17Cは、撹拌運動伝達機構240により揺動板241の揺動運動を揺動被伝達部250に伝達する動作を例示する。図17Aは、摺動板233が前面側に移動したときの揺動板241の回転状態を示す図である。図17Bは、摺動板233が移動していないときの揺動板241の回転状態を示す図である。図17Cは、摺動板233が後面側に移動したときの揺動板241の回転状態を示す図である。揺動板241は、図17A、図17B、図17C、図17B、図17A、図17B・・・のように、図17Bの状態を基点として、図17A及び図17Cの状態を繰り返す。
撹拌運動伝達機構240は、揺動板241のZ1方向の揺動運動を揺動伝達部248に伝達する。揺動伝達部248は、回転軸244を介して揺動板241と連動し、回転軸244を回転軸としてZ2方向に揺動運動する。撹拌運動伝達機構240は、揺動伝達部248のZ2方向の揺動運動を、弾性体249を介して揺動被伝達部250に伝達する。揺動被伝達部250は、保持ピン252を回転軸としてZ3方向に揺動運動する。
回転角度計測機構270は、揺動被伝達部250の先端側の揺動計測ピン250Bの回転角度を、センサ板271が備える光センサ271Aによって検知する。光センサ271Aは、直線状に並べられた受光素子によって、上部の光源部272から照射される光を検知する。回転角度計測機構270は、揺動計測ピン250Bの動きによって光が検知されない位置から、揺動計測ピン250Bの回転角度を計測することができる。揺動計測ピン
250Bは、保持ピン252と連動して揺動するため、容器40内の血液が凝固することにより保持ピン252の回転角度が減少した場合には、連動して回転角度が減少する。したがって、回転角度計測機構270は、揺動計測ピン250Bの回転角度を計測することで、保持ピン252(及び保持ピン252によって保持される撹拌部30)の回転角度を計測することができる。
また、ステップS206で実施される血液凝固検査において、撹拌部30に伝達される撹拌運動の回転角度(揺動板241の回転角度)は、撹拌制御機構230によって制御される。容器40内の血液の粘弾性が高くなると、揺動板241の回転角度を大きくしても、撹拌部30は血液から揺動板241の回転とは反対の向きに力を受けるため、撹拌部30回転角度は小さくなる。この場合、撹拌部30を昇降機構210によって上昇させ、撹拌部30が血液検体中に浸漬する深さを浅くしたり、撹拌部30と容器40の内壁までの距離を大きくしたりすることで、撹拌部30が血液検体から受ける力は抑制される。撹拌部30が血液から受ける力が抑制されると、撹拌部30は、同じ粘弾性の血液を撹拌する場合、通常の深さで撹拌する場合と比較して、撹拌部30を上昇させた場合の方がより大きい角度で回転することが可能となる。したがって、血液凝固検査装置100は、撹拌部30を上昇させることで、高粘弾性領域の血液に対しても粘弾性の変化をより正確に測定することができる。なお、撹拌部30は、昇降する高さを自由に設定し、撹拌部30が血液に浸漬する領域を制御することができる。例えば、撹拌部30の高さは、0.1mmから20mmの間で、0.1mmの制御で上昇させることができる。
血液凝固検査装置100は、血液の粘弾性が低い場合には、撹拌部30の回転により粘弾性を計測し、粘弾性の変化率が減少した場合に、所定のタイミングで撹拌部30を上昇させる。所定のタイミングは、粘弾性の変化を計測する精度が低下したタイミングとすることができる。また、高粘弾性の血液検体に対しては、計測を開始するタイミングから、撹拌部30を上昇させておくことができる。また、撹拌部30を上昇させた状態で、血液検体中に浸漬する深さを変更せずに計測することも可能である。撹拌部30を上昇させることで、高粘弾性領域においても、粘弾性の変化をより正確に測定することができる。このように、血液凝固検査装置100は、高粘弾性領域の血液に対し、低粘弾性領域の血液の粘弾性を計測する場合の弾性体249よりも、弾性力の強い弾性体249を用いることなく、同じ強さの弾性体249を用いて、低粘弾性領域から高粘弾性領域までの粘弾性の変化を精度良く測定することができる。
図18Aは、通常の血液凝固検査時の撹拌部の位置を示す図である。また、図18Bは、容器内の血液検体の粘弾性が上昇し、撹拌部30を上昇させた状態を示す図である。図18Aにおいて、撹拌部30は、容器40内の血液検体に、テーパ状の先端部全体が浸漬した状態である。容器40内の血液検体の粘弾性が高くなり、撹拌部30の回転角度又は回転角度の変化率が減少し、粘弾性の測定が困難となった場合、図18Bに示すように、昇降機構210によって撹拌部30を上昇させてもよい。または、通常のヒト検体では、撹拌部30の高さを定常位置で解析し、高粘弾性の検体(例えばマウス、ラット)の血液の解析時には撹拌部30を上昇させた位置で測定するようにしてもよい。
または、ROTEMのアッセイ(分析、評価)のFIBTEMのように血小板機能を阻害した状態で血液粘弾性を測定する場合に撹拌部30の高さを定常の位置で測定し、通常のヒト血液検体の解析時(例えばROTEMのEXTEM測定)には、撹拌部30の位置を上昇させて測定し、高粘弾性血液検体(例えば、ラット、マウスなど)の解析時には、回転角度を広げて、且つ撹拌部30を上昇させて測定することもできる。このように、撹拌部30の昇降と回転角度の両方を制御することで、より幅広い粘弾性の血液の解析が可能となる。撹拌部30は、上昇することによってテーパ状の先端部の一部が浸漬した状態となる。撹拌部30が容器40内の血液検体に浸漬する深さが浅くなり、撹拌部30の回
転角度は測定可能な大きさとなる。
図19A及び図19Bは、血液検体を入れる容器40を例示する図である。容器40は、図8Bに示すような円筒状の形状に限られない。血液を収容し、容器40の血液に浸漬する撹拌部30の深さを変更することが可能な形状であればよい。図19Aは、容器の第1の変形例の斜視図である。図19Aに示す容器40Aは、切替部40A1から底面側の円筒部40Abの直径が、開口部側の円筒部40Aaの直径よりも小さくなっている。このため、撹拌部30の昇降により、撹拌部30と容器40Aの内壁との距離の変更が容易になる。図19Bは、容器の第2の変形例の斜視図である。図19Bに示す容器40Bは、底面側に向けてテーパ状に形成される円錐台状の容器である。容器40Bの形状を円錐台状とすることで、撹拌部30と容器40Bの内壁との距離を所望の距離に調整することが可能となる。また、容器40(40A,40B)の内周面には、周方向に垂直な縞状の溝が設けられてもよい。
撹拌部30の形状は、図18A又は図18Bに示されるように、先端部がテーパ状であるものに限られない。撹拌部30の形状は、棒状であってもよく、また、断面は円形に限られず多角形等であってもよい。また、撹拌部30の外周面には、縞状の溝や様々な形状の凹凸部が設けられても良い。
ステップS207では、保持ピン引き抜き機構320は、検査終了後、保持ピン252を撹拌部30から引き抜く。保持ピン引き抜き機構320は、撹拌部30の上部を押さえた状態とし、昇降機構210によって上部ユニット200を上昇させることで、保持ピン252を撹拌部30から引き抜くことができる。ここで、図20A及び図20Bにより、保持ピン引き抜き機構320により保持ピン252を撹拌部30から引き抜く動作について説明する。図20Aにおいて、保持ピン252は、撹拌部30の保持ピン挿入孔30Aに挿入されているものとする。
図20Aは、押さえ板322が撹拌部30を押さえない状態を示す図である。図20Bは、保持ピン252を撹拌部30から引き抜く場合に押さえ板322が撹拌部30を押さえた状態を示す図である。押さえ板322は、ソレノイド323への通電及び通電停止により、矢印X2方向の力を受け、それぞれ図20B及び図20Aの状態に角度を変える。
図20Aの状態では、押さえ板322は、平面視において容器40及び撹拌部30と重ならない。このため、押さえ板322は、容器40及び撹拌部30と接触することはない。したがって、保持ピン252に保持された撹拌部30は、昇降機構210によって上部ユニット200と共に上昇する。一方、図20Bの状態では、押さえ板322は、平面視において撹拌部30の上面と重なる。押さえ板322は、保持ピン252に保持された撹拌部30の上部を押さえているため、昇降機構210によって上部ユニット200が上昇した場合、保持ピン252は、撹拌部30から引き抜かれる。ステップS208では、容器40及び撹拌部30が取り出され、図13に示す処理は終了する。
第2実施形態の血液凝固検査装置100であれば、撹拌用モータ231の回転数を制御することにより、撹拌部30に伝達される回転速度および回転角度を適切に制御することができる。また、撹拌部30を昇降させ、撹拌部30が検査対象の血液に浸漬する深さ、又は撹拌部30と容器40の内壁までの距離を制御することで、低粘弾性領域から高粘弾性領域までの幅広い範囲で、精度良く血液の粘弾性を計測することが可能となる。したがって、血液凝固検査装置100による検査により、検査対象に応じた分解能が得られる。さらに、血液凝固検査装置100は、昇降機構210、載置台スライド機構310及び保持ピン引き抜き機構320等の動作機構を備え、血液凝固検査の自動化及び簡便化が促進される。
〔第2実施形態に係る実施例〕
以下に、第2実施形態に係る実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
第2実施形態では、弾性体2として、低粘弾性領域の測定にあわせた、感受性のより大きな(即ち、より細い/弱い)バネを選定する実施例を示す。また、高粘弾性領域の測定時には、モータの回転数を制御し、血液検体を撹拌する撹拌部の回転(振幅)角度を広げて測定するようにプログラムすることで、幅広い粘弾性領域での測定が可能となる。例えば、抗血小板剤存在下において、トロンボエラストメトリーで血液粘弾性を解析し、血中のフィブリノゲン量を測定する方法が開示されている(参考文献1:US20090130645 method for assessing the fibrinogen contribution in coagulation)。抗血小板剤存在下におけるフィブリンのみからなるゲル(クロット)は、通常の血液で活性化血小板とフィブリンの両方からなるゲル(クロット)に比べ粘弾性が低い。その為、抗血小板剤存在下におけるフィブリンのみからなるゲルは、より細い/弱いバネにより±4−10度程度での測定が適している。
低粘弾性領域の測定と同様の高い感受性を持つバネと振幅角度の条件で、高粘弾性領域の解析を行った場合には、高粘弾性領域において十分な分解能と精度が得られない。即ち、血液が凝固し最大の粘弾性に達する前に、揺動計測ピンの動きが停止してしまう可能性がある。このような状態を防ぐために、例えば過凝固状態(フィブリノゲン増多)又は血小板増多症等の場合における高粘弾性領域の測定では、感受性のより大きなバネであっても撹拌部に伝達する揺動運動の回転角度を±5度以上に、好ましくは±10〜20度にまで広げることで、バネを介して揺動計測ピンにより強い力が加わり、高粘弾性領域で精度の高い測定が可能となる。また、高粘弾性に至る血液凝固の検査であっても、撹拌部の初期の回転角度を±4〜10度とし、血液凝固の開始による振幅低下を確認後、±10〜20度に広げることも可能である。この場合、回転角度を±10〜20度に広げたとしても、既に血液粘弾性の上昇が始まっているため、撹拌部の回転角度は5度程度に抑えることが可能であり、撹拌部の大きな振幅によって血液凝固のゲル構造が壊れるのを防ぐことが可能である。ゲルを破断しない弱いバネを使用した場合には、±10度以上の回転角度でもフィブリンゲルが壊れる問題は起こらない。但し、より弱いバネを使用した場合には、高粘弾性の解析には、さらに回転角度を上げる必要が有る。撹拌部の回転角度は、バネの感受性、バネと撹拌部の形状に応じて選択される。このように低粘弾性領域の測定にあわせた感受性の高いバネを用いた装置(システム)とし、同一の装置を用い高粘弾性領域の測定を行う場合においては、モータの回転数を制御し、バネ及び撹拌部に伝達する揺動運動の回転角度を変化させる(広げる)ことで、種々の粘弾性領域におけるアッセイ(分析、評価)を感受性よく行うことが可能となる。以下の各実施例で例示されるように、バネ及び撹拌部に伝達する、揺動伝達部248の揺動運動の回転角度は、検査対象の血液(血漿を含む)の粘弾性等の状態に応じた測定の目的ごとに変化させることが可能である。
実施例1〜3は、低粘弾性の血液検体の測定にあわせたバネおよび撹拌部30を使用し、高粘弾性領域の血液凝固の測定の際には撹拌部30の位置を上昇させることで、高粘弾性の血液凝固を測定した実施例である。実施例1〜3において、揺動計測ピン250Bの両端における位置の差分は維持されており、低粘弾性の血液凝固を測定するためのバネおよび撹拌部30を使用した場合でも、高粘弾性領域での血液凝固の測定が可能であることがわかった。
実施例4〜6は、低粘弾性の血液凝固と高粘弾性の血液凝固の測定で、先端部の形状(太さおよび長さ)が異なる撹拌部30を使用して測定した実施例である。撹拌部30を太
くすることで、容器40の内壁までの距離が近くなり、血液の粘弾性上昇による負荷がより強く撹拌部30に伝わることで、低粘弾性の血液検体での感度は向上する。一方、撹拌部30を細くした場合には、容器40の内壁までの距離が遠くなり、血液の粘弾性上昇による負荷が撹拌部30に伝わりにくくなることで、高粘弾性の血液検体に対する感度は向上する。また、先端部の太い部分が長い撹拌部30は、容器40の内壁までの距離が近い部分の面積が大きくなり、血液の粘弾性上昇による負荷がより強く撹拌部30に伝わるため、低粘弾性の血液検体に対する感度は向上する。
<実施例1>
実施例1は、昇降機構210によって上部ユニット200を昇降させることにより、撹拌部30が血液に浸漬する深さを変化させることで、高粘弾性サンプルを解析した実施例である。
3.2%クエン酸ナトリウムを含む採血管に、静脈血を採血した。容器40に、EXTEM試薬(外因系血液凝固活性化試薬:Tem innovations Gmbh社)20μLとStartem試薬(塩化カルシウム試薬:Tem innovations
Gmbh社)20μLとヒトの血液300μLを入れた。容器40を37度に保温し、
撹拌用モータ231を制御することにより、揺動伝達部248を±10度の範囲で揺動させた。揺動伝達部248の揺動は、弾性体249、揺動被伝達部250、保持ピン252を介して、撹拌部30に伝達される。弾性体249として、以下のねじりコイルばねを使用した。
図21は、第2実施形態の実施例で使用されるねじりコイルばねを例示する図である。ねじりコイルばねの線径をdmm、コイルの巻き数をnとすると、第2実施形態の実施例1,2,3,6では、バネAとして、アーム長a1=10mm、アーム長a2=10mm、アーム長b=3mm、中心径D=2mm、線径d=0.12mm、巻き数=2のねじりコイルばねを使用した。バネAのばね定数kTdは、以下の計算式(式1)より、0.0017Nmm/degと算出される。実施例4,5では、バネBとして、アーム長a1=10mm、アーム長a2=10mm、アーム長b=3mm、中心径D=2mm、線径d=0.15mm、巻き数=6のねじりコイルばねを使用した。バネBのばね定数kTdは、以下の計算式(式1)より、0.0018Nmm/degと算出される。
Figure 2019152663

E:縦弾性計数(SUS、Steel special Use Stainless)=186×10N/mm
線ばねを使用した場合でも、線径d及びアーム長a及びaを変更することで、ばね定数kTdを変更することは可能である。ねじりコイルばねを使用した場合には、上記の計算式(式1)で示されるように、更に、中心径D及び巻き数nを変更することで、ばね定数kTdをより柔軟に変更することが可能となる。
実施例1において、撹拌用モータ231によって制御される揺動伝達部248の振幅1往復は5.2秒とした。撹拌部30の回転角度は、揺動被伝達部250の先端に設けられる揺動計測ピン250Bの振幅から算出することが可能である。揺動計測ピン250Bの振幅は、揺動伝達部248の回転が両端で停止後、それぞれ0.4秒後から約0.1秒間隔で4回、揺動計測ピン250Bの光センサ271A上での位置を計測し、回転の両端に
おける各4回の平均値より計算した。
図28および図29により、実施例1で使用した撹拌部301および容器40Cについて説明する。図28は、実施例1で使用した撹拌部301の断面図である。一点鎖線で示す軸方向における撹拌部301の全長(高さ)は、15.2mmである。フランジ301Bの厚みは1.3mmである。また、血液検体を撹拌するための先端部(容器40Cに浸す先端側の太くなっている部分)の長さは、7.1mmである。先端部のフランジ301B側での直径は6.2mmである。上端には、保持ピン挿入孔301Aが設けられている。
図29は、実施例1で使用した容器40Cの断面図である。容器40Cの高さは、16.5mmである。容器40Cの開口面および底面の直径は、それぞれ13.5mmおよび10.2mmである。容器40C内の内径は、開口面で9.5mm、底面で7.6mmである。なお、実施例で使用した容器40C内には、内径が狭くなる切替え部が設けられ、切替え部における内径は8.0mmである。
図22は、実施例1における計測結果を示すグラフである。縦軸は揺動計測ピン250Bの位置、横軸は振幅数を示す。1振幅は約5.2秒とした。図22のグラフは、揺動計測ピン250Bの各振幅の両端において、それぞれ4回ずつ計測される所定の基準位置からの距離の平均値をプロットしたものである。
図23は、実施例1における揺動計測ピンの振幅を示すグラフである。縦軸は揺動計測ピン250Bの振幅、横軸は振幅数を示す。揺動計測ピン250Bの振幅は、図22に示す揺動計測ピン250Bの両端における位置の差分である。なお、図23のグラフは、グラフを平準化するため、3回分の振幅の平均値を順次プロットしたものである。
実施例1では、図23に示されるように、血液凝固の過程で揺動計測ピン250Bの振幅(揺動計測ピン250Bの両端における位置の差分)は、非常に小さくなっており、保持揺動計測ピン250Bが殆ど動いていない状態となっている。このため、さらに高粘弾性の解析をすることは困難である。実施例1においては、撹拌部301を上昇させることで、さらに高粘弾性領域での解析が可能となる。
<比較例1>
比較例1では、実施例1と同様の装置を用い、EXTEM試薬(外因系血液凝固活性化試薬:Tem innovations Gmbh社)20μLと、FIBTEM試薬(抗血小板薬含試薬:Tem innovations Gmbh社)20μLと、ヒトの血液(3.2%クエン酸ナトリウムで採血)300μLを入れて測定を行った。FIBTEM試薬はサイトカラシンDを含んでおり血小板機能が完全に阻害されるため、フィブリン形成(フィブリンクロット形成)による粘弾性変化を反映するため低い粘弾性領域の測定となる。振幅角度は±10度として測定した。比較例1では、実施例1と同様の撹拌部301(図28)および容器40C(図29)を使用して測定した。
図24は、比較例1における計測結果を示すグラフである。縦軸は揺動計測ピン250Bの位置、横軸は振幅数を示す。1振幅は約5.2秒とした。図24のグラフは、揺動計測ピン250Bの各振幅の両端において、それぞれ4回ずつ計測される所定の基準位置からの距離の平均値をプロットしたものである。
図25は、比較例1における揺動計測ピンの振幅を示すグラフである。縦軸は揺動計測ピン250Bの振幅、横軸は振幅数を示す。揺動計測ピン250Bの振幅は、図24に示す揺動計測ピン250Bの両端における位置の差分である。なお、図25のグラフは、グ
ラフを平準化するため、3回分の振幅の平均値を順次プロットしたものである。
低粘弾性領域で血液検体を解析する比較例1では、揺動計測ピン250Bの振幅(揺動計測ピン250Bの両端における位置の差分)は維持されている。比較例1では、撹拌部30を上昇させることなく、より高粘弾性領域での解析も可能である。
<実施例2>
実施例2では、実施例1と同様の装置を用い、EXTEM試薬(外因系血液凝固活性化試薬:Tem innovations Gmbh社)20μLとStartem試薬(塩化カルシウム試薬:Tem innovations Gmbh社)20μLとヒトの血液(3.2%クエン酸ナトリウムで採血)300μLを入れて測定を行った。振幅角度は±10度として測定した。測定開始前に、撹拌部30を5mm上方に上昇させ、撹拌部30が実施例1において浸漬している深さの約半分の深さだけ血液に浸漬している状態で測定を行った。実施例2では、実施例1と同様の撹拌部301(図28)および容器40C(図29)を使用して測定した。
図26は、実施例2における計測結果を示すグラフである。縦軸は揺動計測ピン250Bの位置、横軸は振幅数を示す。1振幅は約5.2秒とした。図26のグラフは、揺動計測ピン250Bの各振幅の両端において、それぞれ4回ずつ計測される所定の基準位置からの距離の平均値をプロットしたものである。
図27は、実施例2における揺動計測ピンの振幅を示すグラフである。縦軸は揺動計測ピン250Bの振幅、横軸は振幅数を示す。揺動計測ピン250Bの振幅は、図26に示す揺動計測ピン250Bの両端における位置の差分である。なお、図27のグラフは、グラフを平準化するため、3回分の振幅の平均値を順次プロットしたものである。
実施例2では、撹拌部30が血液に浸漬する深さを浅くすることで、揺動計測ピン250Bの振幅(揺動計測ピン250Bの両端における位置の差分)は維持されている。このため、さらに高粘弾性領域での解析が可能である。
<実施例3>
実施例3では、実施例1と同様の装置を用い、容器40にINTEM試薬(内因系血液凝固活性化試薬:Tem innovations Gmbh社)20μLと、Startem試薬(塩化カルシウム試薬:Tem innovations Gmbh社)20μLと、兎の血液(3.2%クエン酸ナトリウムで採血)300μLとを入れて測定を行った。振幅角度は±10度として測定した。測定開始前に、撹拌部30を通常の測定位置よりも2mm上方に上昇させた状態で測定を行った。実施例3では、実施例1と同様の撹拌部301(図28)および容器40C(図29)を使用して測定した。
図30は、実施例3における撹拌部301の位置について説明する図である。図30Aは、撹拌部301が通常の測定位置にある状態を示す。撹拌部301のフランジ301B側の端面は、容器40Cの開口面よりも1mm上昇させた位置にある。図30Bは、実施例3において、撹拌部301を図30Aに示す通常の測定位置よりも2mm上昇させた状態を示す。撹拌部301のフランジ301B側の端面は、容器40Cの開口面よりも3mm上昇させた位置にある。図30Bでは、容器40Cの底の部分の血液検体の体積が、図30Aの場合よりも多くなっている。また、血液検体の液面は、通常の測定値の場合が11.8mmであるのに対し、撹拌部301を上昇させた実施例3の場合では、11.2mmとなっている。実施例3では、撹拌部301を上昇させることで、撹拌部301が血液検体に浸漬する深さが減少し、血液検体の液面は下がる。また、撹拌部301を上昇させることで、撹拌部301が容器40C内で血液検体と接触する面積は小さくなる。さらに
、攪拌部301と容器40Cの底面の距離が離れることで、底面側の血液検体の粘弾性増加にともなう、撹拌部301への負荷が軽減する。
図31は、実施例3において撹拌部が通常測定位置にある場合の計測結果を示すグラフである。また、図32は、実施例3において撹拌部を上昇させた場合の計測結果を示すグラフである。すなわち、図32は、撹拌部301を通常の測定位置よりも2mm上昇させて測定した場合の計測結果を示す。なお、図31および図32において、縦軸は揺動計測ピン250Bの位置、横軸は振幅数を示す。1振幅は約6秒とした。図31および図32のグラフは、揺動計測ピン250Bの各振幅の両端において、それぞれ4回ずつ計測される所定の基準位置からの距離の平均値をプロットしたものである。
実施例3では、撹拌部301が血液に浸漬する深さを、通常の測定位置の場合よりも浅くすることで、揺動計測ピン250Bの振幅(揺動計測ピン250Bの両端における位置の差分)は維持されている。このため、撹拌部301を通常の測定位置にある状態で計測した場合よりも、高粘弾性領域での解析が可能である。
<実施例4>
実施例4では、血液凝固線溶系の感度を評価するため、実施例1から実施例3よりも深い容器40Dを使用して計測した。また、先端部(容器40Dに浸す先端側の太くなっている部分)の長さおよび径の大きさが異なる撹拌部302および撹拌部303を使用して計測した。このように、各撹拌部が容器40D内で血液検体と接触する面積、および各撹拌部の容器40D内壁との距離の条件を変えて、比較評価をした
実施例4では、実施例1と同様の装置を用い、容器40DにINTEM試薬(内因系血液凝固活性化試薬:Tem innovations Gmbh社)20μLと、Startem試薬(塩化カルシウム試薬:Tem innovations Gmbh社)20μLと、ヒトの血液(3.2%クエン酸ナトリウムで採血)300μLとを入れて測定を行った。振幅角度は±10度として測定した。
図33から図35により、実施例4で使用した撹拌部302、撹拌部303および容器40Dについて説明する。実施例4では、実施例3の撹拌部301よりも全長が長い2種類の撹拌部302、撹拌部303、および実施例3の容器40Cよりも深さのある容器40Dを使用した。
図33は、実施例4で使用した撹拌部302の断面図である。一点鎖線で示す軸方向における撹拌部302の全長(高さ)は、20.6mmである。フランジ302Bの厚みは1.3mmである。また、血液検体を撹拌するための先端部(容器に浸す先端側の太くなっている部分)の長さは、7.1mmである。先端部のフランジ302B側での直径は6.2mmである。上端には、保持ピン挿入孔302Aが設けられている。
図34は、実施例4で使用した撹拌部303の断面図である。撹拌部303は、先端部の長さおよび径のサイズ以外は、図33に示す撹拌部302と同じサイズである。撹拌部303の先端部の長さは、16.5mmである。また、先端部のフランジ303B側での直径は6.6mmである。上端には、保持ピン挿入孔303Aが設けられている。撹拌部303は、図33に示す撹拌部302よりも先端部の太い部分が長いため、容器40Dの内壁との距離が近い部分の面積が大きくなる。
図35は、実施例4で使用した容器40Dの断面図である。容器40Dの高さは、実施例3で使用した容器40Cよりも高い22.5mmである。容器40Dの開口面および底面の直径は、それぞれ13.5mmおよび10.2mmである。容器40D内の内径は、
開口面で9.0mm、底面で7.6mmである。実施例3で使用した容器40Cと同様に、容器40D内には、内径が狭くなる切替え部が設けられ、切替え部における内径は8.0mmである。
図36は、実施例4における計測結果を示すグラフである。図36において、縦軸は揺動計測ピン250Bの位置、横軸は振幅数を示す。1振幅は約7.8秒とした。図36は、図33の撹拌部302を使用して計測した結果(グラフG411)および図34の撹拌部303を使用して計測した結果(グラフG421)を示す。各グラフは、揺動計測ピン250Bの各振幅の両端において、それぞれ4回ずつ計測される所定の基準位置からの距離の平均値をプロットしたものである。
先端部が太く長い撹拌部303を使用した場合のグラフ(グラフG421)は、先端部が短い撹拌部302を使用した場合のグラフ(グラフG411)よりも、波形が閉じていく速度が速くなっている。
図37は、実施例4における揺動計測ピンの振幅を示すグラフである。グラフG412は、図33の撹拌部302を使用して計測した場合の振幅を示す。また。グラフG422は、図34の撹拌部303を使用して計測した場合の振幅を示す。先端部が太く長い撹拌部303を使用した場合の振幅のグラフG422は、撹拌部302を使用した場合の振幅のグラフ412よりも減少が早く、最終的な振幅も小さくなっている。図37において、縦軸は揺動計測ピン250Bの振幅、横軸は振幅数を示す。揺動計測ピン250Bの振幅は、図36に示す揺動計測ピン250Bの両端における位置の差分である。
すなわち、撹拌部302を使用した場合と比較して、先端部がより長く太い撹拌部303を使用した場合は、血液凝固に伴う粘弾性の上昇を感度良く検出される傾向にあった。このように、同一の装置及び試薬において、先端部分が太い攪拌部303を使用することで、攪拌部303ピンと容器40Dの内壁との距離が近くなり、先端部が長い攪拌部303を使用することでピン攪拌部303と容器40D内壁との距離が近い部分の面積がは増加する。これにより、血液検体の粘弾性上昇による撹拌部303への負荷が増強され、凝固の感度を向上させることが可能となる。
<実施例5>
実施例5では、実施例1と同様の装置を用い、容器40DにEXTEM試薬(外因系血液凝固活性化試薬:Tem innovations Gmbh社)20μLと、FIBTEM試薬(サイトカラシンDを含む血小板機能を完全に阻害した試薬でありフィブリン形成を評価する試薬:Tem innovations Gmbh社)20μLと、ヒトの血液(3.2%クエン酸ナトリウムで採血)300μLとを入れて測定を行った。振幅角度は±10度として測定した。
実施例5では、実施例4と同様の撹拌部302(図33)、撹拌部303(図34)および容器40D(図35)を使用して測定した。先端部の形状(太さおよび長さ)が異なる撹拌部302および撹拌部303を使用し、低粘弾性領域における凝固の感度を評価した。
図38は、実施例5における計測結果を示すグラフである。図38において、縦軸は揺動計測ピン250Bの位置、横軸は振幅数を示す。1振幅は約7.8秒とした。図38は、図33の撹拌部302を使用して計測した結果(グラフG511)および図34の撹拌部303を使用して計測した結果(グラフG521)を示す。各グラフは、揺動計測ピン250Bの各振幅の両端において、それぞれ4回ずつ計測される所定の基準位置からの距離の平均値をプロットしたものである。
図39は、実施例5における揺動計測ピンの振幅を示すグラフである。グラフG512は、図33の撹拌部302を使用して計測した場合の振幅を示す。また。グラフG522は、図34の撹拌部303を使用して計測した場合の振幅を示す。先端部が太く長い撹拌部303を使用した場合の振幅のグラフG522は、撹拌部302を使用した場合の振幅のグラフ512よりも減少が早く、最終的な振幅も小さくなっている。図39において、縦軸は揺動計測ピン250Bの振幅、横軸は振幅数を示す。揺動計測ピン250Bの振幅は、図38に示す揺動計測ピン250Bの両端における位置の差分である。
先端部が太く長い撹拌部303を使用した場合のグラフ(グラフG521)は、先端部が短い撹拌部302を使用した場合のグラフ(グラフG511)よりも、波形が閉じていく速度が速く、最終的な揺動計測ピン250Bの振れ幅は狭くなっている。すなわち、撹拌部302を使用した場合と比較して、先端部がより太く長い撹拌部303を使用した場合は、フィブリン形成による粘弾性増加による負荷の増加が撹拌部303により強く伝わることで、低粘弾性での変化がより反映された計測結果が得られた。このように、同一の装置及び試薬において、先端部が太い攪拌部303を使用することで、攪拌部303と容器40Dの内壁との距離が近くなり、先端部が長い攪拌部303を使用することで攪拌部303と容器40D内壁との距離が近い部分の面積は増加する。これにより、血液検体の粘弾性上昇による負荷が攪拌部303により強く伝わり、低粘弾性領域においても凝固の感度を向上させることが可能となる。
<実施例6>
実施例6では、実施例1と同様の装置を用い、容器40にEXTEM試薬(外因系血液凝固活性化試薬:Tem innovations Gmbh社)20μLと、Startem試薬(塩化カルシウム試薬:Tem innovations Gmbh社)20μLと、ヒトの血液(3.2%クエン酸ナトリウムで採血)300μLとを入れて測定を行った。振幅角度は±10度として測定した。測定開始前に、撹拌部30を通常の測定位置よりも1.2mm上方に上昇させた状態で測定を行った。
実施例6では、実施例3と同様の容器40C(図29)を使用して計測した。また、実施例3と同様の撹拌部301(図28)、および図40に示す撹拌部304を使用して計測した。図40は、実施例6で使用した撹拌部の断面図である。撹拌部304は、先端部の径のサイズ以外は、図28に示す撹拌部301と同じサイズである。撹拌部304の先端部のフランジ304B側での直径は5.2mmである。上端には、保持ピン挿入孔304Aが設けられている。撹拌部304は、撹拌部301よりも先端部が細く、容器40Cの内壁との距離が離れる。このため、撹拌部304と容器40Cの内壁との間の血液検体の粘弾性増加に伴う、撹拌部304への負荷は軽減される。
図41は、先端部の直径が6.2mmの撹拌部301を使用し、撹拌部301が通常測
定位置にある場合の計測結果を示すグラフである。また、図42は、撹拌部301を使用し、通常測定位置よりも1.2mm上昇させて測定した場合の計測結果を示す。図43は、先端部の直径が5.2mmの撹拌部304を使用し、撹拌部304願通常測定位置にある場合の計測結果を示すグラフである。各グラフにおいて、縦軸は揺動計測ピン250Bの位置、横軸は振幅数を示す。1振幅は約6秒とした。各グラフは、揺動計測ピン250Bの各振幅の両端において、それぞれ4回ずつ計測される所定の基準位置からの距離の平均値をプロットしたものである。
同じ血液検体及び試薬を用いた場合においても、撹拌部30が血液検体に浸漬する深さを浅くすることで、揺動計測ピン250Bの振幅の両端の差分は保持される。また、先端部の直径が細い撹拌部304を使用することで、両端の差分が保持される。すなわち、撹
拌部301が血液検体に浸漬する深さを浅くした場合、および撹拌部304の先端部の直径を細くした場合の何れも、高粘弾性領域での測定が可能であった。
また、低粘弾性の血液検体の測定にあわせたバネを使用した場合でも、高粘弾性の血液検体の測定では、撹拌部30の位置を高くする、撹拌部30の先端部の長さを長くする、撹拌部30の径を細くする、さらにそれらの組み合わせによって、より高い粘弾性の血液検体の測定が可能となる。したがって、幅広い粘弾性領域での測定に対応することが可能となる。
上述の各実施例の結果より、低粘弾性領域での測定に用いる試薬(FIBTEM)の場合、撹拌部30の位置を低くし、高粘弾性領域での測定に用いる試薬(EXTEM,INTEM)の場合、撹拌部30の位置を上昇させて測定すればよいことが分かった。また、低粘弾性領域での測定に用いる試薬の場合には、先端部が太くて長い撹拌部30を使用し、高粘弾性領域での測定に用いる試薬の場合には、先端部が細くて短い撹拌部30を使用すればよいことが分かった。このように形状のことなる撹拌部30を使用することで、同じ装置を用いて、高粘弾性領域から低粘弾性領域までの解析を正確に行うことが可能となる。
10・・血液凝固検査装置:1・・制御部:1A・・サーボモータ:1B・・弾性体支持部:1C・・弾性体支持軸:2・・弾性体:3・・撹拌部:3A・・回転伝達部:3B・・軸受:3C・・撹拌ピン:3D・・ピンホール:4・・容器:5・・センサ:6・・制御装置:11・・CPU:12・・RAM:13・・ROM:14・・補助記憶装置:15・・NIC:16・・撮像部:17・・表示部:18・・入力部
30・・撹拌部:30A・・保持ピン挿入孔:30B・・フランジ:40・・容器:100・・血液凝固検査装置:110・・筐体:111・・底板:112・・支柱:113・・パネル:114・・接続用パネル:200・・上部ユニット:210・・昇降機構:211・・昇降用モータ:212・・シャフト:213・・支持軸ガイド:215・・上部ユニット底板:230・・撹拌制御機構:231・・撹拌用モータ:232・・ギア:233・・摺動板:240・・撹拌運動伝達機構:241・・揺動板:242・・回転子:243、246A、246B・・ワッシャ:244・・回転軸:245A、245B・・軸受:247・・第1台座:248・・揺動伝達部:249・・弾性体:250・・揺動被伝達部:250A・・弾性体連結部:250B・・揺動計測ピン:251・・第2台座:252・・保持ピン:270・・回転角度計測機構:271・・センサ板:272・・光源部:300・・下部ユニット:310・・載置台スライド機構:311・・載置台:311A・・容器設置部:312・・ボールねじ:313・・スライド用モータ:314・・リニアガイド:320・・保持ピン引き抜き機構:321・・ガイド板:322・・押さえ板:323・・ソレノイド:331・・支持軸:332・・上部ユニット支持台

Claims (10)

  1. 検査対象の血液を入れる容器と、
    前記容器内の前記検査対象の血液を撹拌する撹拌部と、
    前記撹拌部に接続され、前記撹拌部から前記検査対象の血液の撹拌によって受ける力に応じて変形可能な弾性体と、
    前記弾性体を前記撹拌部の軸を回転軸として往復回転させ、前記往復回転を制御することで前記撹拌部に所定の往復回転運動を伝達し、前記撹拌部を周方向に往復回転させる制御部と、
    前記撹拌部の前記往復回転に係る回転角度を計測する計測部と、
    前記計測部によって計測された前記回転角度に応じて前記撹拌部を昇降させ、前記撹拌部が前記検査対象の血液に浸漬する深さ、又は前記撹拌部と前記容器の内壁までの距離を制御する昇降制御部と、を備える、
    血液凝固検査装置。
  2. 前記制御部は、前記回転軸から所定の径を隔てた位置において、前記弾性体の前記往復回転を制御する
    請求項1に記載の血液凝固検査装置。
  3. 前記制御部は、前記計測部によって計測された前記回転角度に応じて、前記所定の往復回転運動を変更する、
    請求項1または2に記載の血液凝固検査装置。
  4. 前記昇降制御部は、前記検査対象の血液の粘弾性、又は血液凝固に伴う粘弾性の変化に応じて、前記撹拌部の位置、前記撹拌部が前記検査対象の血液に浸漬する深さ、又は前記撹拌部と前記容器の内壁までの距離を決定する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の血液凝固検査装置。
  5. 前記昇降制御部は、前記計測部によって計測される前記回転角度の変化率が減少した場合に、前記撹拌部を上昇させる、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の血液凝固検査装置。
  6. 前記撹拌部は、外因系血液凝固活性化試薬又は内因系血液凝固活性化試薬を用いた高粘弾性領域での測定では、前記容器の内壁との距離が遠くなるように、先端部がより細い形状を有する、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の血液凝固検査装置。
  7. 前記撹拌部は、血小板機能阻害剤存在下におけるフィブリンクロット形成の解析を目的とする試薬を用いた低粘弾性領域での測定では、前記容器の内壁との距離が近くなるように、先端部がより太いか、又はより長いかの少なくともいずれかの形状を有する、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の血液凝固検査装置。
  8. 前記昇降制御部は、外因系血液凝固活性化試薬又は内因系血液凝固活性化試薬を用いた高粘弾性領域での測定では、前記撹拌部を上昇させて、前記撹拌部と前記容器の内壁との距離を遠くする、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の血液凝固検査装置。
  9. 前記昇降制御部は、血小板機能阻害剤存在下におけるフィブリンクロット形成の解析を目的とする試薬を用いた低粘弾性領域での測定では、前記撹拌部を下降させて、前記撹拌部と前記容器の内壁との距離を近くする、
    請求項1から8のいずれか1項に記載の血液凝固検査装置。
  10. 撹拌部により容器内に入れた検査対象の血液を撹拌する撹拌工程と、
    前記撹拌部に接続され、前記撹拌部から前記検査対象の血液の撹拌によって受ける力に応じて変形可能な弾性体を前記撹拌部の軸を回転軸として往復回転させ、前記往復回転を制御することで、前記撹拌部に所定の往復回転運動を伝達し、前記撹拌部を周方向に往復回転させる制御工程と、
    前記撹拌部の前記往復回転に係る回転角度を計測する計測工程と、
    前記計測工程において計測された前記回転角度に応じて前記撹拌部を昇降させ、前記撹拌部が前記検査対象の血液に浸漬する深さ、又は前記撹拌部と前記容器の内壁までの距離を制御する昇降制御工程と、を有する、
    血液凝固検査方法。
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