JP2019151472A - 乗客コンベア用ハンドレール点検装置及び乗客コンベア用ハンドレール点検方法 - Google Patents

乗客コンベア用ハンドレール点検装置及び乗客コンベア用ハンドレール点検方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ハンドレールの表面のひび割れなどの劣化を、ハンドレールの表面の汚れと区別して確実に検知する。【解決手段】乗客コンベアに装着して、乗客コンベアが備えるハンドレールを点検する乗客コンベア用ハンドレール点検装置として、ハンドレールを照明する照明部14と、照明部で照明されたハンドレールを撮影するカメラ13と、照明部14及びカメラ13を、乗客コンベアの少なくともハンドレールの曲線部の近傍に装着可能な保持機構部17とを備える。カメラ13は、ハンドレールの曲線部を撮影した曲線部画像を取得し、曲線部画像に基づいてハンドレールの劣化判断を行うようにした。【選択図】図1

Description

本発明は、乗客コンベア用ハンドレール点検装置及び乗客コンベア用ハンドレール点検方法に関する。
エスカレーターや動く歩道などの乗客コンベアでは、乗客を乗せる踏段と同期して進行方向に移動するハンドレールが左右に設けられており、ハンドレールを乗客が掴むことにより、乗客の転倒防止を図っている。
このハンドレールは、ゴムとスチールコードから構成されている。スチールコードは、ハンドレールが長尺で回転する際の強度確保を目的に、複数のワイヤーをより合わせて構成され、ゴムの内部に埋め込まれている。ハンドレールは、使用環境や経年による劣化で、ハンドレールの表面に加水分解によるひび割れなどが発生し、その状態のまま使用を続けると劣化が早まってしまう。したがって、乗客コンベアのハンドレールは、定期的に点検して劣化状態を診断して、劣化が進んだハンドレールは交換することが好ましい。
特許文献1には、ハンドレールの経年劣化の診断方法として、ハンドレールの表面をカメラにて撮影し、撮影された画像を新品時の画像と比較し、表面の色調の変化によりハンドレールの経年劣化診断を行うことが開示されている。
特開2013−49560号公報
ところで、ハンドレールをカメラで撮影したとき、撮影画像中のハンドレールに現れる変化としては、ハンドレールの劣化による変化と、ハンドレール表面に付着したゴミなどの汚れによる変化とがある。しかしながら、特許文献1に記載されたように、ハンドレールの表面の色調の変化を劣化として判断するだけでは、ハンドレール自体の劣化による変化と、ハンドレール表面に付着したゴミなどの汚れによる変化を区別できないという問題があった。したがって、ハンドレールの表面にゴミなどが付着したことによる汚れがあった場合には、ゴミなどが付着したことによる汚れを劣化と誤判定してしまい、診断精度を低下させてしまう。
本発明の目的は、ハンドレールの表面の劣化を、ハンドレールの表面の汚れと区別して確実に検知可能な乗客コンベア用ハンドレール点検装置及び乗客コンベア用ハンドレール点検方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本発明は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、乗客コンベアに装着して、乗客コンベアが備えるハンドレールを点検する乗客コンベア用ハンドレール点検装置において、ハンドレールを照明する照明部と、照明部で照明されたハンドレールを撮影するカメラと、照明部及びカメラを、乗客コンベアの少なくともハンドレールの曲線部の近傍に装着可能な保持機構部とを備え、カメラは、ハンドレールの曲線部を撮影した曲線部画像を取得し、その曲線部画像に基づいてハンドレールの劣化判断を行うようにした。
本発明によると、劣化によるひび割れなどが現れやすい曲線部を撮影して、ハンドレールの状態を診断することで、ゴミなどの汚れひび割れを容易に区別できるようになり、ハンドレールの表面に発生するひび割れなどの劣化を確実に捉えることが可能になる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施の形態例によるハンドレール点検装置の構成を示す斜視図である。 本発明の一実施の形態例によるハンドレール点検装置が装着されるエスカレーターの概略構成を示す斜視図である。 本発明の一実施の形態例によるハンドレール点検装置の全体構成を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態例によるハンドレール点検装置の装着例(例1)を示す斜視図である。 本発明の一実施の形態例によるハンドレール点検装置の装着例(例2)を示す斜視図である。 ハンドレールの劣化状態を示す説明図である。 本発明の一実施の形態例による点検処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の一実施の形態例による点検状態の例を示す説明図である。
以下、本発明の一実施の形態例(以下、「本例」と称する)を、添付図面を参照して説明する。
[1.エスカレーターの構成例]
まず、図2を参照して、本例を適用する乗客コンベアの一例としてのエスカレーターの概略構成を示す。
図2に示すように、エスカレーター1には、乗客を乗せる踏段2と、踏段2と同期して進行方向に移動するハンドレール3が設けられている。ハンドレール3は、踏段2の進行方向に対して踏段2の左右両側に設けられている。
乗客は、ハンドレール3を掴むことにより、エスカレーターに乗っている際の転倒を防止することができる。
ハンドレール3は無端状に構成され、踏段2の両側に設けられている欄干4に沿って周回する構造となっているため、中間部ではハンドレール3は直線状に配置された直線部3aを有する。一方、下部5や図示しない上部では、ハンドレール3は曲線を描いた曲線部3bを有する。
[2.ハンドレール点検装置の構成]
図1は、エスカレーター1に装着されるハンドレール点検装置10の構成を示す。
ハンドレール点検装置10は、エスカレーター1の欄干4(図2)に固定される。このハンドレール点検装置10の固定状態については後述する(図4及び図5)。
ハンドレール点検装置10は、カメラ固定板11と傾斜板12とを備える。カメラ固定板11は、ハンドレールを撮影するカメラ13を有する。カメラ13は、レンズ13aがハンドレールの側(図1での下側)を垂直に向くように設置する。カメラ固定板11の端には、カメラ固定板11に対して数十°程度傾斜した状態で傾斜板12が取り付けられている。
カメラ固定板11のカメラ13の脇には、照明取り付け部11aが設置され、傾斜板12にも照明取り付け部12aが設置される。これらの照明取り付け部11a,12aには、光源が内蔵された照明部14を取り付けることができる。図1では、カメラ固定板11側の照明取り付け部11aに照明部14を取り付けた状態を示し、傾斜板12側の照明取り付け部12aには照明部14が取り付けられていない状態を示す。
図1に示すようにカメラ固定板11に照明部14を取り付けた際には、カメラ13が撮影する被写体(ハンドレール)をほぼ正面から照明光で照明した状態になる。一方、傾斜板12に照明部14を取り付けた際には、カメラ13が撮影する被写体の斜めから照明光で照明した状態になる。
カメラ固定板11には、図1に示すように脚部15,16が取り付けられ、それぞれの脚部15,16の先端に固定機構部17が構成されている。固定機構部17は、エスカレーターの欄干4に固定するための機構である。なお、脚部15,16は、伸縮部15a,16aを有し、長さを調整することができる。
固定機構部17は、脚部15側に取り付けられた第1部材17aと、脚部16側に取り付けられた第2部材17bとで構成され、第2部材17bには、固定用ネジ17c,17dを備える。そして、固定機構部17を欄干4(図2)に取り付ける際には、第1部材17aと第2部材17bとの間で、欄干4を挟んだ状態で、固定用ネジ17c,17dを締めことで固定させる。なお、欄干4に固定した際に欄干4と直接接触する箇所(第1部材17aと固定用ネジ17c,17dの先端)には、欄干4の損傷を防ぐゴムなどを取り付けるのが好ましい。
図3は、ハンドレール点検装置10の内部構成例を示す。
図3の例では、ハンドレール点検装置10は、別体のデータ処理端末20を接続して、ハンドレールの点検を行う構成を示す。ハンドレール点検装置10とデータ処理端末20とは、有線又は無線で通信を行う。データ処理端末20としては、タブレット端末やノート型コンピュータ装置などの保守作業者が所持する情報処理端末が適用可能である。あるいは、ハンドレールの点検用に用意した専用のデータ処理端末としてもよい。
ハンドレール点検装置10は、カメラ13、照明部14、及びブザー鳴動部18を備える。
カメラ13は、撮像部13b、画像データ取り込み部13c、画像データ保管部13d、データ送信部13e、及び目印検出部13fを備える。
撮像部13bは、動画又は静止画の撮像を行う。本例の撮像部13bは、エスカレーターのハンドレールを撮像(撮影)する。
撮像部13bで撮像した画像データは、画像データ取り込み部13cにより取り込まれ、画像データ保管部13dに保管される。画像データ保管部13dに保管された画像データは、データ送信部13eによりデータ処理端末20側に送信される。
目印検出部13fは、撮像部13bで得た画像データから、予めハンドレールに付与された目印となる物体を検出する処理を行う。ここで目印検出部13fが検出する目印となる物体は、例えば保守作業員がハンドレールの点検作業時に付けた特定の色のシールである。目印検出部13fは、このシールの色の箇所がハンドレールにあることを検出することで、無端状のハンドレール3の1周分を検出する。
目印検出部13fが目印となる物体を検出したとき、画像データ取り込み部13cに取り込みの開始や終了の指示を行う。したがって、画像データ保管部13dには、ハンドレール1周分の画像データが保管される。また、目印検出部13fが画像データの取り込みの終了の指示を行うタイミングで、ブザー鳴動部18に対してブザー音を鳴動させる指示を行い、作業員に撮影作業の終了を指示する。
データ処理端末20は、データ受信部21、画像データ保管部22、画像データ処理・分析部23、判定処理部24、劣化モードデータベース25、及び判定結果表示部26を備える。
データ受信部21は、ハンドレール点検装置10のカメラ13から送信された画像データを受信する。データ受信部21が受信した画像データは、画像データ保管部22が保管する。
画像データ処理・分析部23は、画像データ保管部22が保管したハンドレールの画像データの内で、直線部を撮影した画像データと、曲線部を撮影した画像データとを比較して分析する。この画像データ処理・分析部23で行う分析処理の詳細については後述する。
そして、画像データ処理・分析部23での分析に基づいて、判定処理部24がハンドレールの劣化状況を判定する。この判定処理部24での判定時には、劣化モードデータベース25に記憶された劣化モードについてのデータを使って、どの程度の劣化であるかを判定する。
判定結果表示部26は、判定処理部24が判定した劣化の有無と、劣化有りの場合の劣化状況を表示する。
[3.ハンドレール点検装置の装着例]
図4及び図5は、ハンドレール点検装置10をハンドレール3に取り付けた状態を示す。
図4は、ハンドレール3の直線部3aを撮影するように取り付けた状態を示し、図5は、ハンドレール3の曲線部3bを撮影するように取り付けた状態を示す。
直線部3aを撮影する際には、図4に示すように、カメラ13がハンドレール3の直線部3aと向き合うように、2本の脚部15,16で欄干4を跨ぐような状態で、固定機構部17で欄干4にハンドレール点検装置10を固定する。また、ハンドレール点検装置10のカメラ固定板11の照明取り付け部11a(図1)に照明部14を取り付け、ハンドレール3に対してほぼ垂直な照明光を照射するようにする。
曲線部3bを撮影する際には、図5に示すように、カメラ13がハンドレール3の曲線部3bと向き合うように、2本の脚部15,16で欄干4を跨ぐような状態で、固定機構部17で欄干4にハンドレール点検装置10を固定する。また、ハンドレール点検装置10の傾斜板12の照明取り付け部12a(図1)に照明部14を取り付け、ハンドレール3に対して所定の角度(例えば45°程度)で斜めに照明光を照射する。
なお、図4に示す直線部3aを撮影する際と、図5に示す曲線部3bを撮影する際のいずれの場合でも、脚部15,16の長さを伸縮部15a,16aで調整して、カメラ13が撮影するハンドレール3が、照明部14からの照明光で適正に照明されるようにする。また、撮影画像の焦点が合った状態で撮影できるようにする点からも、脚部15,16の長さを伸縮部15a,16aで適正に調整する。これらの装着時の調整は、例えば保守作業員が行う。
また、図4や図5は、エスカレーターの下部の近傍にハンドレール点検装置10を固定した例としたが、エスカレーターの上部や中間部にハンドレール点検装置10を固定してもよい。
[4.ハンドレールの点検処理の流れ]
次に、本例のハンドレール点検装置10を使ってハンドレール3の劣化状態を点検する処理について説明する。
まず、図6を参照して、ハンドレール3に生じる劣化状態の例について説明する。
図6Aは、劣化していないハンドレールの例を示し、ハンドレール3の表面(上面や側面)の状態に異常がない状態を示す。
図6Bは、劣化の予兆があるハンドレールの例を示し、ハンドレール3の上面に、幅方向のクラック3xが発生した状態を示す。この劣化の予兆がある状態では、クラック3xがほぼ上面だけにあり、ハンドレール3の側面まではクラック3xが達していない。
図6Cは、劣化が進んだ状態のハンドレールの例を示し、ハンドレール3の上面から側面に回り込んだクラック3yが発生した状態を示す。この劣化が進んだ状態のクラック3yは、幅方向だけでなく、状況によっては長手方向にも発生することがある。
図6Dは、さらに劣化が進んだ状態のハンドレールの例を示し、図6Cに示すクラック3yからさらに数や深さが増したクラック3zが発生した状態を示す。
図6Dに示すような多数のクラック3zが発生した状態でエスカレーターが運用されることは好ましくなく、図6Bに示すクラック3xを検知した段階で、ハンドレール3を交換することが好ましい。
本例のハンドレール点検装置10は、この図6に示すようなハンドレール3のクラック3x,3y,3zを検出する処理を行う。なお、図6の各状態を示すデータについては、例えばデータ処理端末20の劣化モードデータベース25に記憶させて、判定処理部24が劣化状態を判定する際に利用するのが好ましい。
図7のフローチャートは、ハンドレール点検装置10とデータ処理端末20を使って、ハンドレールの点検作業を行う流れを示す。
まず、保守作業員は、ハンドレール3の表面に、シールなどの基準位置を示す目印を取り付ける(ステップS1)。そして、保守作業員は、ハンドレール3の直線部3aを撮影するように、欄干4にハンドレール点検装置10を取り付ける(ステップS2)。ここでは、図4に示す状態で欄干4に取り付けられる。
ハンドレール点検装置10を取り付けた後、保守作業員は、エスカレーターを走行させ、カメラ13がハンドレール3の表面の撮影を開始する(ステップS3)。ここでは、カメラ13は、動画像の撮影又は一定間隔での静止画像の撮影を行う。そして、ステップS1で取り付けた目印の検出に基づいて、エスカレーターのハンドレール3が1周したことを検知した後、保守作業員がエスカレーターを停止させ、撮影を終了する(ステップS4)。
次に、保守作業員は、ハンドレール点検装置10を欄干4から外した後、ハンドレール3の直線部3aを撮影するように、欄干4にハンドレール点検装置10を取り付ける(ステップS5)。ここでは、図5に示す状態で欄干4に取り付けられる。
ハンドレール点検装置10を取り付けた後、保守作業員は、再びエスカレーターを走行させ、カメラ13がハンドレール3の表面の撮影を開始する(ステップS6)。ここでも、ステップS4での撮影と同様に、カメラ13は、動画像の撮影又は一定間隔での静止画像の撮影を行う。そして、ステップS1で取り付けた目印の検出に基づいて、エスカレーターのハンドレール3が1周したことを検知した後、保守作業員がエスカレーターを停止させ、撮影を終了する(ステップS7)。なお、撮影終了時には、ステップS1で取り付けた目印のシールを取り除く。
次に、カメラ13は、ステップS3及びS6で撮影した画像データをデータ処理端末20に伝送する(ステップS8)。
データ処理端末20では、伝送されたハンドレール3の直線部の画像データと曲線部の画像データとを、画像データ保管部22が保管する。そして、画像データ処理・分析部23が、画像データ保管部22が保管した直線部の画像と曲線部の画像の解析を行い(ステップS9)、解析結果に基づいて判定処理部24が劣化状態の判定を行う。
判定処理部24は、まず曲線部の画像から、ハンドレール3の表面にクラックなどの何らかの異常があるか否かを判断する(ステップS10)。ここで、ハンドレール3の曲線部の表面にクラックなどの異常がない場合(ステップS10のNO)には、ハンドレール異常なしとして検査処理を終了する(ステップS11)。また、ハンドレール3の曲線部の表面にクラックなどの異常がある場合(ステップS10のYES)、判定処理部24は、ハンドレール3の直線部の表面の同じ箇所に同じような異常があるか否かを判断する(ステップS12)。
ここで、ハンドレール3の曲線部と直線部の双方の同じ箇所に異常がある場合(ステップS12のYES)、判定処理部24は、ハンドレール3の表面にゴミなどが付着したことによる異常と判断して、劣化による異常でないと判断する(ステップS13)。また、ハンドレール3の曲線部のみに異常があり、直線部に異常がない場合(ステップS12のNO)、判定処理部24は、ハンドレール3の劣化による異常と判断する(ステップS14)。ここでのハンドレール3の劣化による異常は、例えば加水分解による表面のひび割れが想定される。
そして、ステップS11,S13,S14の診断を行った後、データ処理端末20の判定結果表示部26は、判定結果を表示し、診断処理を終了する(ステップS15)。
次に、本例のハンドレール点検装置10を使った点検作業で、ハンドレール3の劣化を正しく判別できることを、図8を参照して説明する。
図8は、ハンドレール3の表面に、加水分解によるひび割れ101と、汚れ102が発生した状態を示す。図8(A)は、ハンドレール3の直線部3aを撮影した画像を示し、図8(B)は、ハンドレール3の曲線部3bを撮影した画像を示す。図8(A)の直線部3aと図8(B)の曲線部3bは、ハンドレール3の同じ位置を示す。なお、ここでのひび割れ101は、比較的浅いひび割れであり、劣化がまだ進行していない状態である。
ここで、ハンドレール3の直線部3aを、ほぼ真上からの照明光により撮影した画像では、図8(A)に示すように、ひび割れ101が殆ど判別できない状態になっており、汚れ102だけが判別できる状態である。
一方、ハンドレール3の曲線部3bを撮影した画像では、図8(B)に示すように、照明部14からの照明光が斜めから照射されるために、意図的にひび割れ101の箇所に影が発生して、表面のひび割れ101が明確化した状態になる。なお、曲線部3bは、ハンドレール3自身が曲がっているために、表面のひび割れ101が現れやすい状態になっている。
したがって、図8(A)に示す直線部3aの画像と、図8(B)に示す曲線部3bの画像とを比較して、両画像の差分を抽出することで、図8(C)に示すゴミなどの汚れ102の成分と、図8(D)に示す劣化によるひび割れ101の成分とを分離できる。
このため、本例のハンドレール点検装置10とデータ処理端末20を使って図7のフローチャートに示す処理を行うことで、ハンドレール3の劣化状態を正確に診断できるようになる。特に、ハンドレール3の表面のゴミなどの汚れを劣化と誤診断することがなく、ハンドレール3の劣化の予兆を正確に検出できるようになる。
なお、ハンドレール3の劣化とゴミなどの汚れとを区別する上からは、直線部3aの画像と曲線部3bの画像の双方を取得して、比較するのが好ましい。しかしながら、図8(B)に示すように、曲線部3bの画像にはひび割れ101が明確に現れているため、直線部3aの画像を撮影する処理を省略して、曲線部3bを撮影した画像のみから、劣化状態を判定するようにしてもよい。このようにすることで、ハンドレール3の撮影が1回でよく、より簡単な作業でハンドレール3の劣化状態を診断できるようになる。
[5.変形例]
なお、上述した実施の形態例では、エスカレーターのハンドレールの点検を行う例について説明したが、同様のハンドレールを備えた動く歩道などのその他の乗客コンベアの点検を、同様の構成で行うようにしてもよい。
また、上述した実施の形態例のハンドレール点検装置10を欄干4に固定する固定機構部17の構成については、一例を示したものであり、その他の構成で欄干4に固定するようにしてもよい。
また上述した実施の形態例のハンドレール点検装置10には、取り付け角度が異なる2つの照明取り付け部11a,12aを設けて、照明部14の取り付け位置の選択で、照明する角度を変更するようにした。これに対して、1つの照明取り付け部11a又は12aのみを設けて、その1つの照明取り付け部11a又は12aに取り付けられた照明部14の光源の照射角度を変更できるような機構を設けるようにしてもよい。
また、上述した実施の形態例のハンドレール点検装置10では、1台のカメラ13と1組の照明部14を備える構成とした。これに対して、ハンドレール点検装置10が、2台のカメラ13と2組の照明部14を備えるようにして、ハンドレール3の直線部3aと曲線部3bを同時に撮影するようにしてもよい。
また、上述した実施の形態例では、ハンドレール点検装置10とデータ処理端末20とを別体の装置として構成したが、ハンドレール点検装置10内に、劣化の判定処理を行うデータ処理部を内蔵させるようにしてもよい。例えば、ハンドレール点検装置10に取り付けるカメラ13として、スマートフォンやタブレット端末などのカメラ付き端末を利用することで、そのカメラ付き端末で撮影処理と照明処理の双方が行えると共に、撮影した画像のデータ処理までが行えるようになる。
あるいは、データ処理端末20が行う機能については、乗客コンベアを遠隔で監視する監視センタに設置された端末が行うようにして、乗客コンベアが設置された現場では、ハンドレールの撮影のみを行って、劣化判定は監視センタで行うようにしてもよい。
さらに、本発明は上記した実施の形態例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施の形態例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。
また、図3の構成図では、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものだけを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1…エスカレーター、2…踏段、3…ハンドレール、3a…直線部、3b…曲線部、4…欄干、5…下部、10…ハンドレール点検装置、11…カメラ固定板、12…傾斜板、11a,12a…照明取り付け部、13…カメラ、13a…レンズ、13b…撮像部、13c…画像データ取り込み部、13d…画像データ保管部、13e…データ送信部、13f…目印検出部、14…照明部、15,16…脚部、15a,16a…伸縮部、17…固定機構部、17a…第1部材、17b…第2部材、17c,17d…固定用ネジ、18…ブザー鳴動部、20…データ処理端末、21…データ受信部、22…画像データ保管部、23…画像データ処理・分析部、24…判定処理部、25…劣化モードデータベース、26…判定結果表示部、101…ひび割れ、102…汚れ

Claims (4)

  1. 乗客コンベアに装着して、乗客コンベアが備えるハンドレールを点検する乗客コンベア用ハンドレール点検装置において、
    前記ハンドレールを照明する照明部と、
    前記照明部で照明された前記ハンドレールを撮影するカメラと、
    前記照明部及び前記カメラを、前記乗客コンベアの少なくとも前記ハンドレールの曲線部の近傍に装着可能な固定機構部とを備え、
    前記カメラが前記ハンドレールの曲線部を撮影した曲線部画像に基づいて、前記ハンドレールの劣化判断を行うようにした
    乗客コンベア用ハンドレール点検装置。
  2. さらに、前記固定機構部は、前記乗客コンベアの前記ハンドレールの直線部の近傍に装着可能とし、
    前記カメラが、前記ハンドレールの直線部を撮影した直線部画像を取得し、
    前記直線部画像と前記曲線部画像とに基づいて、前記ハンドレールの劣化判断を行うようにした
    請求項1に記載の乗客コンベア用ハンドレール点検装置。
  3. 前記照明部を取り付ける照明取り付け部として、一方及び他方の2つの照明取り付け部を備え、
    前記カメラが前記ハンドレールの直線部を撮影する際には、一方の照明取り付け部にセットした前記照明からの照明光で、前記ハンドレールに対してほぼ垂直な照明光を照射する
    前記カメラが前記ハンドレールの曲線部を撮影する際には、他方の照明取り付け部にセットした前記照明からの照明光で、前記ハンドレールに対して所定の角度で斜めに照明光を照射する
    請求項2に記載の乗客コンベア用ハンドレール点検装置。
  4. 乗客コンベアが備えるハンドレールを点検する乗客コンベア用ハンドレール点検方法において、
    前記ハンドレールを照明する照明処理と、
    前記照明処理により照明された前記ハンドレールを撮影する撮影処理と、
    カメラが撮影した前記ハンドレールの画像に基づいて前記ハンドレールの検査を行うデータ処理とを含み、
    前記撮影処理では、前記ハンドレールの曲線部を撮影した曲線部画像を取得し、前記データ処理では、前記曲線部画像に基づいて前記ハンドレールの劣化判断を行うようにした
    乗客コンベア用ハンドレール点検方法。
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