JP2019151050A - 立体造形方法および立体造形装置 - Google Patents

立体造形方法および立体造形装置 Download PDF

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康知 阿萬
仁 岩附
Hitoshi Iwatsuki
仁 岩附
康之 山下
Yasuyuki Yamashita
康之 山下
成瀬 充
Mitsuru Naruse
充 成瀬
啓 斎藤
Hiroshi Saito
啓 斎藤
樋口 信三
Shinzo Higuchi
信三 樋口
井関 敏之
Toshiyuki Izeki
敏之 井関
武藤 敏之
Toshiyuki Muto
敏之 武藤
崇一朗 飯田
Soichiro Iida
崇一朗 飯田
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紀一 鴨田
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Abstract

【課題】電磁波の照射による熱ストレスを低減して造形品質を高めることができる立体造形方法および立体造形装置を提供する。【解決手段】立体造形方法は、立体造形用の粉末層に照射する電磁波の照射位置を示す複数のパスであって、前記粉末層のうち立体造形物を造形する領域内の各位置の前記電磁波により到達する温度の差分が所定値以内となるような複数の照射パスを生成する生成ステップと、複数の前記照射パスに従い前記電磁波を照射するように照射部を制御する照射制御ステップと、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、立体造形方法および立体造形装置に関する。
立体造形物を製造する方式として、粉末床溶融(PBF:powder bed fusion)方式が知られている。PBF方式としては、選択的に電磁波(レーザー光)を照射して立体造形物を形成するSLS(selective laser sintering)方式、および、マスクを使い平面状にレーザー光を当てるSMS(selective mask sintering)方式などが知られている。
しかしながら、このような方式を利用した従来の3D(3次元)プリンタでは、電磁波を照射する描画面内に温度のばらつき(特に各部位での最高到達温度のばらつき)が発生して熱ストレスとなり、立体造形物の反りおよび歪みなどの問題が発生していた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、電磁波の照射による熱ストレスを低減して造形品質を高めることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の立体造形方法は、立体造形用の粉末層に照射する電磁波の照射位置を示す複数のパスであって、前記粉末層のうち立体造形物を造形する領域内の各位置の前記電磁波により到達する温度の差分が所定値以内となるような複数の照射パスを生成する生成ステップと、複数の前記照射パスに従い前記電磁波を照射するように照射部を制御する照射制御ステップと、を含む。
本発明によれば、電磁波の照射による熱ストレスを低減して造形品質を高めることができるという効果を奏する。
図1は、本実施形態の立体造形装置のハードウェア図である。 図2は、本実施形態にかかる立体造形装置のブロック図である。 図3は、本実施形態における立体造形処理のフローチャートである。 図4は、層形成工程の一例を示す図である。 図5は、溶融工程の一例を示す図である。 図6は、従来の照射パスの動作を説明するための概念図である。 図7は、本実施形態の照射パスの動作を説明するための概念図である。 図8は、層形成工程の一例を示す図である。 図9は、溶融工程の一例を示す図である。 図10は、照射パスの変形例を示す図である。 図11は、照射パスの変形例を示す図である。 図12は、樹脂粉末の一例を示す図である。 図13は、立体造形物の反り量の算出方法を示す図である。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる立体造形方法および立体造形装置の一実施形態を詳細に説明する。以下では、本発明を、SLS(selective laser sintering)方式により立体造形物を造形する立体造形装置に適用した一実施形態について説明する。
上記のように、従来技術では、レーザー照射による造形面内の各部の到達温度(レーザー照射による温度上昇の最高温度)のばらつきに起因する造形品の反りおよび歪みが生じる場合があった。また、従来技術では、造形前に実行する、レーザー光の照射パスの準備に多大な時間がかかると共に、レーザースキャンの制御が極めて煩雑となり、現実的ではない。さらに、従来技術では、領域を面分割して描画を行っているため、この分割面のつなぎ位置が熱的な不連続境界となって新たな熱ストレスの発生要因となり、反りおよび歪み対策としては適切ではない。
本実施形態では、立体造形用の粉末層のうち立体造形物を造形する領域内(造形面内)の、電磁波の照射による到達温度が一定となるような照射パスに従って、電磁波を照射する照射部(照射源、反射鏡など)を制御する。照射パスは、粉末層に照射する電磁波の照射位置を示す情報である。
図1は、本実施形態の立体造形装置1のハードウェア構成例を示す概略図である。図1に示すように、立体造形装置1は、供給槽11と、ローラ12と、走査スペース13と、照射源18と、反射鏡19と、ヒータ11H、13Hと、ピストン11P、13Pと、エンジン100と、を備えている。
供給槽11は、造形用の樹脂粉末Pを収容する収容手段の一例である。ローラ12は、供給槽11に収容されている樹脂粉末Pを供給する。走査スペース13は、ローラ12によって供給された樹脂粉末Pが配され、レーザー光Lが走査される領域である。
照射源18は、レーザー光Lの照射源である。照射源18は、例えば、CO2レーザー、および、半導体レーザーなどである。反射鏡19は、照射源18によって照射されたレーザー光Lを走査スペース13の所定位置へ反射させる。ヒータ11H、13Hは、供給槽11および走査スペース13に収容される樹脂粉末Pをそれぞれ加熱する。
エンジン100は、制御回路201と、メモリ202と、を備えている。制御回路201は、立体造形装置1による立体造形処理を制御する回路である。制御回路201は、CPU(Central Processing Unit)、および、ASICなどにより実現できる。メモリ202は、立体造形処理で用いられる各種情報を記憶する。メモリ202は、メモリカード、RAM(Random Access Memory)、および、不揮発性メモリ(NVRAM)などの、どのような記憶媒体であってもよい。
ここで、立体造形処理の概要について説明する。制御回路201は、3Dモデルの図形データを受け付ける。制御回路201は、受け付けた図形データから、積層方向にスライスした複数の2次元データを生成する。制御回路201は、各2次元データに対して照射パスを決定する。本実施形態では、造形面内での到達温度を一定とできるような照射パスが生成される。照射パスの具体的な生成手法については後述する。
制御回路201は、照射源18および反射鏡19を制御して、レーザー光Lの反射角度を変えることで、走査スペース13のうち、2次元データ41によって示される部分に、選択的にレーザー光Lを照射する。これにより、レーザー光Lの照射位置の樹脂粉末Pが溶融され、焼結されて立体造形物を構成する層が形成される。
このように、立体造形装置1は、立体造形用の樹脂粉末を含む層を形成する層形成手段と、形成された層にレーザー照射して溶融させる溶融手段と、を有し、さらに必要に応じてその他の手段を含む。層形成手段は、例えばローラ12などにより実現される。ローラ12の代わりに、または、ローラ12とともに、ブレードおよびブラシ等を用いてもよい。溶融手段は、例えば照射源18により実現される。
ピストン11P、13Pは、それぞれ供給槽11および走査スペース13に設けられる。ピストン11P、13Pは、層の造形が完了すると、供給槽11および走査スペース13を、立体造形物の積層方向に対し上方向または下方向に移動させる。これにより、供給槽11から走査スペース13へ、新たな層の造形に用いられる新たな樹脂粉末Pを供給でき、造形が進行する。
図2は、本実施形態にかかる立体造形装置1の構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、立体造形装置1は、受付部101と、生成部102と、駆動制御部111と、照射制御部112と、記憶部121と、を備えている。
受付部101は、例えば3Dモデルの図形データ(3次元データ)などの情報を受け付ける。生成部102は、3次元データから、立体造形物の積層方向にスライスした複数の2次元データを生成する。また、生成部102は、各2次元データに対する照射パスを生成する。例えば生成部102は、粉末層のうち立体造形物を造形する領域内の各位置の、レーザー光の照射により到達する温度の差分が、所定値以内となるような複数の照射パスを生成する。
駆動制御部111は、立体造形処理で用いられる、ローラ12、および、ピストン11P、13Pなどの駆動部を制御する。
照射制御部112は、レーザー光の照射を制御する。例えば照射制御部112は、生成部102により生成された照射パスに従ってレーザー光を照射するように、照射源18および反射鏡19を制御する。
上記各部(受付部101、生成部102、駆動制御部111、および、照射制御部112)は、例えば、1または複数のプロセッサにより実現される。例えば上記各部は、CPUなどのプロセッサとしての制御回路201にプログラムを実行させること、すなわちソフトウェアにより実現してもよい。上記各部は、専用のIC(Integrated Circuit)などのプロセッサとしての制御回路201、すなわちハードウェアにより実現してもよい。上記各部は、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。複数のプロセッサを用いる場合、各プロセッサは、各部のうち1つを実現してもよいし、各部のうち2以上を実現してもよい。
記憶部121は、例えば、受け付けられた3次元データ、生成された2次元データ、および、照射パスを示す情報などを記憶する。記憶部121は、例えば上記メモリ202により実現される。
次に、このように構成された本実施形態にかかる立体造形装置1による立体造形処理について図3を用いて説明する。図3は、本実施形態における立体造形処理の一例を示すフローチャートである。
受付部101は、3Dモデルの図形データ(3次元データ)を受け付ける(ステップS101)。生成部102は、3次元データから、立体造形物の積層方向にスライスした複数の2次元データを生成する(ステップS102)。なお、受付部101は、事前に生成された複数の2次元データを受け付けるように構成してもよい。生成部102は、各2次元データに対する照射パスを生成する(ステップS103)。
駆動制御部111は、ピストン11P、13Pの上昇および下降、並びに、ローラ12の駆動などを制御し、走査スペース13に粉末層を形成する(ステップS104)。照射制御部112は、生成された照射パスに従い、レーザー光を照射する(ステップS105)。
駆動制御部111は、すべての層の造形が完了したか否かを判定する(ステップS106)。完了していない場合(ステップS106:No)、ステップS104に戻り処理が繰り返される。すべての層の造形が完了した場合(ステップS106:Yes)、立体造形処理が終了する。
以下、立体造形物の製造方法(立体造形処理)の詳細についてさらに説明する。図4〜図9は、立体造形物の製造方法を説明するための概念図である。
供給槽11に収容された樹脂粉末Pは、ヒータ11Hによって加熱される。供給槽11の温度としては、樹脂粉末Pをレーザー照射により溶融するときに反り返りを抑制する点では、樹脂粉末Pの融点以下のなるべく高い温度が好ましい。一方、供給槽11での樹脂粉末Pの溶融を防ぐ点では、樹脂粉末Pの融点より10℃以上低いことが好ましい。
図4は、走査スペース13に樹脂粉末Pを供給して層を形成する層形成工程の一例を示す図である。図4に示すように、例えば駆動制御部111は、ローラ12を駆動して、供給槽11の樹脂粉末Pを走査スペース13へ供給して整地することで、1層分の厚さTの粉末層を形成する。走査スペース13へ供給された樹脂粉末Pは、ヒータ13Hによって加熱される。走査スペース13の温度としては、樹脂粉末Pをレーザー照射により溶融するときに反り返りを抑制する点では、なるべく高い方が好ましい。一方、走査スペース13での樹脂粉末Pの溶融を防ぐ点では、樹脂粉末Pの融点より5℃以上低温であることが好ましい。
粉末層の厚さTは、特に限定されないが、平均値として、10μm以上が好ましく、50μm以上がより好ましく、100μm以上がさらに好ましい。また、粉末層の厚さTは、特に限定されないが、平均値として、200μm未満が好ましく、150μm未満がより好ましく、120μm未満がさらに好ましい。
図5は、立体造形物の最下層(最も底面側の層)を造形する溶融工程の一例を示す図である。受付部101は、3Dモデルから生成される複数の2次元データの入力を受け付ける。図5に示すように、照射制御部112は、複数の2次元データのうち最も底面側の2次元データに基づいて、反射鏡19の反射面を移動させつつ、照射源18にレーザー光を照射させる。レーザー光の出力は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択してよいが、10ワット以上150ワット以下が好ましい。レーザー光の照射により、粉末層のうち、最も底面側の2次元データによって示される画素に対応する位置の樹脂粉末Pが溶融する。レーザー光の照射が完了すると、溶融した樹脂は硬化して、最も底面側の2次元データが示す形状の焼結層が形成される。反りおよび歪みのない立体造形物を得るためには、この熔融および固化過程における立体造形物の温度を適切に管理することが望ましい。
本実施形態では、生成する照射パスの工夫により、到達温度を造形面内で一定にできるようにする。これにより、立体造形物の構造によらず立体造形物の反りおよび歪みを低減した高品質な造形を実現できる。具体的には、下記(a)〜(c)の各工程により造形面内での到達温度を造形面内で一定とする。なお、到達温度を一定にするとは、例えば、造形面内の各位置での到達温度の差分(到達温度のばらつき)が、所定値以内となることを意味する。
(a)レーザーの照射径の2倍以上のスキャンピッチの照射パス(第1照射パス)を生成する工程。
(b)スキャンピッチの1/N(Nは3以上の整数)となる距離ずつずらした第1照射パスの間を補完する(N−1)本の照射パス(第2照射パス〜第N照射パス)を生成する工程。
(c)第1から第Nの照射パスで当該層を順次溶融および固化する工程。
ここで、図6および7を用いて、照射パスの生成方法について説明する。図6は、従来の照射パスの動作を説明するための概念図である。また、図7は、本実施形態の照射パスの動作を説明するための概念図である。
図6に示すように、従来は、照射径53が重なるように、スキャンピッチ51を管理してレーザー照射を往復させ、造形領域60を塗りつぶすようにする照射パス50が生成される。そして、造形領域60のみにレーザー照射されるように制御される。これにより、選択的に樹脂粉末が熔融され、積層が造形される。
このような構成によると、図6の下部のグラフに示すように、造形領域の面内における到達温度(レーザー照射による温度上昇の最高温度)に温度分布が生じる。そして、造形の積層を追った温度分布履歴の累積により、造形が完了した立体造形物に反りおよび歪みが重畳する。この結果、立体造形物の形状によっては、所望の立体造形物が得られない場合があった。例えば、中身の詰まったバルク状の立体造形物、および、面積が広く薄物の立体造形物などにおいてその影響は顕著に現れる。
本実施形態の照射パスは、図7に示すように、照射パス50a、50b、および、50cを含む。照射パス50aは、照射径53の2倍以上のスキャンピッチ51で構成される。照射パス50b、50cは、スキャンピッチ51の1/N(Nは3以上の整数)となる距離(照射パスシフト量52)ずつずらした、照射パス50aの間を補完する(N−1)本の照射パスである。照射制御部112は、これらの照射パス50a、50b、および、50cを用いて、造形領域60内を順次熔融および固化させる。なお、図7は、3つの照射パスを用いる場合の例(N=3)であるが、照射パスの個数は4以上であってもよい。
それぞれの照射パス単位でのレーザー照射時には、ライン状にレーザーが照射される複数の箇所が相互に有効距離(例えば重ならない余白部が照射径53の1.5倍以上)だけ離れて重ならないようにする。これにより、粉末樹脂の熔融および固化に関わるエネルギー投入が、レーザー照射のエネルギーQ[W]、照射径φ[mm]、および、照射パスのスキャン速度V[mm/s]により決まる、エネルギー密度E=Q/(φ×V)[J/mm]のみで管理可能となる。すなわち、粉末樹脂の到達温度が容易に管理可能となり、単位層(造形の単位となる粉末層)を造形するときの造形面内各部の到達温度(レーザー照射による温度上昇の最高温度)を一定とすることが可能となる。
また、1つの造形領域に対して、N本の照射パスに対応する複数のレーザー照射を行うことで、造形領域をまんべんなく均一にレーザー加熱して、粉末樹脂を熔融させることができ、高強度な立体造形物を造形可能となる。この操作における粉末樹脂の到達温度は、図7の下部のグラフに示すように一定となり、従来技術における立体造形物の反りおよび歪みを解消することができる。
図8は、最も底面側の焼結層が形成された後の、次の層の層形成工程の一例を示す図である。図9は、この層を造形する溶融工程の一例を示す図である。
図8に示すように、最も底面側の焼結層が形成されると、駆動制御部111は、走査スペース13に1層分の厚さTの造形スペースが形成されるように、ピストン13Pにより走査スペース13を1層分の厚さT分降下させる。また、駆動制御部111は、新たな樹脂粉末Pを供給可能とするため、ピストン11Pを上昇させる。続いて、図8に示すように、駆動制御部111は、ローラ12を駆動して、供給槽11の樹脂粉末Pを走査スペース13へ供給して整地することで、1層分の厚さTの粉末層を形成する。
図9に示すように、照射制御部112は、複数の2次元データのうち最も底面側から2層目の2次元データに基づいて、反射鏡19の反射面を移動させつつ、照射源18にレーザー光を照射させる。これにより、粉末層のうち、最も底面側から2層目の2次元データによって示される画素に対応する位置の樹脂粉末Pが溶融する。レーザー光の照射が完了すると、溶融した樹脂は硬化して、最も底面側から2層目の2次元データが示す形状の焼結層が、最も底面側の焼結層に積層された状態で形成される。
立体造形装置1は、上記の層形成工程と、溶融工程と、を繰り返すことで、焼結層を積層させる。複数の2次元データのすべてに基づく造形が完了すると、3Dモデルと同形状の立体物が得られる。
(変形例1)
照射パスの形状は図7に示す例に限られるものではない。図10は、照射パスの変形例を示す図である。照射パスは、図10に示すようなジグザグ状のパスとしてもよい。
(変形例2)
これまでは、造形領域60の内部を熔融して固化する照射パスについて説明したが、これに加えて、造形領域の外周に沿ってライン上にレーザー照射するアウトラインの照射パスを合わせることも可能である。これにより、立体造形物の境界面の品質をさらに向上させることができる。
(変形例3)
造形領域内の到達温度を一定にするために、各照射パス間にレーザー光を照射しない休止期間を設けてもよい。基本的には、前述したとおり、粉末樹脂の熔融に関わるエネルギー投入が、エネルギー密度E=Q/(φ×V)[J/mm]のみで管理できるようにすること、言い換えると、前工程のレーザー照射による温度上昇履歴をひきずらずに、粉末樹脂を加熱することが望ましい。そこで本変形例では、各照射パス間に照射の休止時間を設けて、以前のレーザー加熱による昇温分をキャンセルされた後に、次のレーザー照射を行う。これにより、造形領域内の到達温度を一定にすることができる。
同様の理由により、造形層面内に複数の立体造形物を配置する場合などでは、配置した複数の立体造形物を1つの立体造形物としてとらえて、この1つの立体造形物の照射パスとして、造形部位(複数の立体造形物のいずれかを造形する位置)のみにレーザーを照射する照射パスを生成してもよい。このような機能も、造形領域内の到達温度を一定にするのに有効である。
(変形例4)
例えば図4、図5で造形する層(最も底面側の層)、および、図8、図9で造形する層(最も底面側から2層目の層)などのように、複数層を積層する工程では、例えば、図11に示すように、奇数番目の層、および、偶数番目の層で照射パスの方向を90度変えて、交互に造形してもよい。
以上のように、本実施形態によれば、3Dプリンタなどのレーザー照射による描画で問題となっていた、描画面内の温度ばらつき(特に各部位での最高到達温度のばらつき)を低減し、立体造形物の反りおよび歪みを低減可能となる。
以下、本実施形態の実施例を説明するが、本実施形態はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂(商品名:ノバデュラン5020、三菱エンジニアリングプラスチック株式会社製、融点:218℃、ガラス転移温度:43℃)を原料とした、図12に示すような略円柱体で、個数平均粒子径Dnが55〜85μmの樹脂粉末を造形粉末材料として、本実施形態の立体造形装置1で立体造形物の製造を行った。個数平均粒子径Dnは、粒度分布測定装置(シスメックス製F−PIA3000)を用いて測定した。造形の主要パラメータは、以下の通りとした。
・レーザー種:CO2レーザー
・レーザーの照射径:0.48mm
・積層ピッチ:0.1mm
・レーザー照射出力:60W(インフィル造形)、20W(アウトライン造形)
・レーザースキャンスピード:15m/s(インフィル造形)、4m/s(アウトライン造形)
・供給槽加熱温度:160℃
・走査スペース加熱温度:217℃
また、本実施形態に関わる造形パラメータは以下の通りとした。
・スキャンピッチ:1mm
・照射パスシフト量:0.2mm
・照射パス数N:5本/1層
・照射パスパターン:矩形(図10の形態)
・奇数層目と偶数層目でスキャン方向を90度変更
なお、インフィル造形とは、造形領域の内部の造形を示す。またアウトライン造形とは、造形領域の輪郭の造形を示す。
立体造形物としては、ISO(国際標準化機構)3167 Type1A 多目的犬骨様試験標本(標本は、80mm長さ、4mm厚さ、10mm幅の中心部分を有し、長辺の長さが170mm)を作成した。この造形では、図1の座標系において、立体造形物の長手をX軸、4mm厚さ方向をZ軸、10mm幅方向をY軸になるように配置した。
この造形において、造形中の造形面内の到達温度を赤外線カメラにより計測したところ、面内における到達温度のばらつきが250〜260℃の範囲であることを確認し、略一定の到達温度条件で造形できていた。
また、仕上がった立体造形物を反りに対して、図13に示す配置に設置して、図示する反り量1301を定量化したところ、長手方向170mmに対して、0.5mmの反り量にとどまり、良好な造形品質が得られた。
さらには、同試験片の引っ張り強度を引っ張り試験機で評価したところ、50MPaの高い強度を達成できていることを確認できた。この強度は、同材料を射出成形での造形品に匹敵するものであった。
(実施例2)
実施例1と同様の条件で、X:300mm、Y:200mm、Z:4mmの板状の立体造形物を造形した。本造形においても、造形中の造形面内の到達温度を赤外線カメラにより計測したところ、面内における到達温度のばらつきは240〜250℃と、良好な結果が得られた。また、仕上がった立体造形物を反りについては、長手方向300mmに対して、0.7mmの反り量にとどまり、良好な造形品質が得られた。
(比較例1)
基本的な造形パラメータは実施例1と同じにし、本実施形態と異なるパラメータとして、以下の設定とした。
・スキャンピッチ:0.2mm
・照射パスパターン:矩形(図6の形態)
立体造形物は実施例1と同じISO3167 Type1A 多目的犬骨様試験標本とし、立体造形物の配置も同じとした。この造形において、造形中の造形面内の到達温度を赤外線カメラにより計測したところ、面内における到達温度のばらつきが270〜320℃と、大きくばらついていることを確認した。引っ張り強度については、48MPaのまずまずの値が得られたものの、反り量は2.5mmと非常に大きく、所望の形状から大きくずれる結果となった。
(比較例2)
基本的な造形パラメータは実施例1と同じにし、本実施形態と異なるパラメータとして、以下の設定とした。
・レーザー照射出力:20W(インフィル造形)、20W(アウトライン造形)
・スキャンピッチ:0.2mm
・照射パスパターン:矩形(図6の形態)
立体造形物は実施例1と同じISO3167 Type1A 多目的犬骨様試験標本とし、立体造形物の配置も同じとした。この造形において、造形中の造形面内の到達温度を赤外線カメラにより計測したところ、面内における到達温度のばらつきが240〜280℃となった。比較例1と比べると、比較的抑制されているものの、依然として大きなばらつきは残留した。反り量については、比較例1と比べると1mmまで低減したが、実施例1と比較すると、未だに大きな反りが残留するままとなった。また、引っ張り強度については、30MPaと極端に低下した。
以上、比較例に示す従来の方法では、引っ張り強度と反り低減の両立が図れず、いずれかを優先する造形しか実現できず、また、その効果も限定的であった。これに対して、実施例では、高い引っ張り強度および小さな反り量を同時に実現できており、その効果は明白であった。
なお、本実施形態の装置で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
本実施形態の装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録してコンピュータ・プログラム・プロダクトとして提供するように構成してもよい。
さらに、本実施形態の装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
本実施形態の装置で実行されるプログラムは、上述した各部を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、各部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
1 立体造形装置
18 照射源
19 反射鏡
100 エンジン
101 受付部
102 生成部
111 駆動制御部
112 照射制御部
121 記憶部
201 制御回路
202 メモリ
特許第5764753号公報 特許第5599957号公報

Claims (5)

  1. 立体造形用の粉末層に照射する電磁波の照射位置を示す複数のパスであって、前記粉末層のうち立体造形物を造形する領域内の各位置の前記電磁波により到達する温度の差分が所定値以内となるような複数の照射パスを生成する生成ステップと、
    複数の前記照射パスに従い前記電磁波を照射するように照射部を制御する照射制御ステップと、
    を含む立体造形方法。
  2. 複数の前記照射パスは、
    前記電磁波の径の2倍以上のスキャンピッチである第1照射パスと、
    前記スキャンピッチの1/N(Nは3以上の整数)となる距離ずつずらした前記第1照射パスを補完する(N−1)本の第2〜第N照射パスと、を含む、
    請求項1に記載の立体造形方法。
  3. 前記照射制御ステップは、複数の前記照射パスそれぞれを照射する間に、前記電磁波を照射しない休止期間を設けるステップを含む、
    請求項1に記載の立体造形方法。
  4. 前記照射パスは、複数の立体造形物に対応する照射位置を示し、複数の前記立体造形物のいずれかを造形する位置で前記電磁波を照射することを示す情報を含む、
    請求項1に記載の立体造形方法。
  5. 立体造形用の粉末層に照射する電磁波の照射位置を示す複数のパスであって、前記粉末層のうち立体造形物を造形する領域内の各位置の前記電磁波により到達する温度の差分が所定値以内となるような複数の照射パスを生成する生成部と、
    複数の前記照射パスに従い前記電磁波を照射するように照射部を制御する照射制御部と、
    を備える立体造形装置。
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