JP2019150900A - 破断状態良否判定装置および破断状態良否判定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンロッドの大端部を軸部側とキャップ部側に破断する際に、その破断面の良否を簡易且つ正確に判定することができる破断状態良否判定装置および破断状態良否判定方法を提供する。【解決手段】本発明は、コンロッド10の大端部12を、軸部側14とキャップ部側15とに破断した際の破断状態を判定する良否判定装置であり、破断時における大端部12の破断速度を推定する破断速度推定手段に含まれる歪ゲージ24と、この破断速度に基づいて破断状態の良否を判定する破断判定手段である制御装置23と、を具備する。【選択図】図2

Description

本発明は、破断状態良否判定装置および破断状態良否判定方法に関し、特に、コンロッドの大端部を分割する際の破断面の形状を良否判定する破断状態良否判定装置および破断状態良否判定方法に関する。
一般的なエンジンでは、シリンダの内部を往復運動するピストンと、回転運動するクランクシャフトとは、コンロッドにより回転可能に連結されている。コンロッドは、ピストンに連結される小端部と、クランクシャフトに連結される大端部とを有している。また、コンロッドの大端部をクランクシャフトに連結するために、大端部は、軸部側とキャップ部側とに分割されている。
従来に於いては、コンロッドの大端部は軸部側とキャップ部側とで個別に製造されていたが、近年に於いては、大端部の軸部側とキャップ部側とを一体成型した後に、機械応力を加えることで軸部側とキャップ部側を分離する製造方法が採用されている。このような製造方法で大端部の軸部側とキャップ側を製造する場合、大端部の軸部側との破断面の破断状態が所定の状態となるように管理する必要がある。
特許文献1では、大端部を軸部側とキャップ部側とに破断する破断時に於いて、キャップ部側を保持する保持手段に歪検出手段を配置し、この歪検出手段から出力される信号から、軸部側とキャップ部側との破断状態を判定している。このようにすることで、破断状態を誤判定する可能性を低減し、コンロッドの破断状態の良否を精度良く判定できる。
特開2014−114938号公報
しかしながら、上記した特許文献1に記載された発明では、コンロッドの大端部の左右両側に歪ゲージを設け、これらの歪ゲージで検出される歪量の差が所定範囲内であれば破断部が破断良好であると判断するものである。
ここで、コンロッドの大端部の破断部の凹凸形状を、軸部側とキャップ部側とを合致させる際の位置合わせとして用いる場合、その破断部には適度な凹凸形状が形成される必要がある。即ち、破断部の凹凸形状が小さすぎると、その破断部を位置合わせとして用いることができない。一方、破断部の凹凸形状が大きすぎると、コンロッド自体が不良品となってしまう。
しかし、上記特許文献1に記載された発明のような歪量の差から良否判定を行ったとしても、例えば、同時破断であっても破断面が粗く大きな欠けが生じる場合や、破断面が平滑(凹凸形状が小さ)すぎて破断面同士を重ね合せようとした際にズレ易くなるものも発生していた。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、コンロッドの大端部を軸部側とキャップ部側に破断する際に、その破断面の良否を簡易且つ正確に判定することができる破断状態良否判定装置および破断状態良否判定方法を提供することにある。
本発明は、大端部と小端部とが一体成型されたコンロッドの前記大端部を、軸部側とキャップ部側とに破断した際の破断状態を判定する破断状態良否判定装置であり、破断時における前記大端部の破断速度を推定する破断速度推定手段と、前記破断速度に基づいて前記破断状態の良否を判定する破断判定手段と、を具備することを特徴とする。
更に、本発明の破断状態良否判定装置では、前記大端部は、前記大端部の貫通孔に一対のマンドレルを嵌合し、前記一対のマンドレルの間に挿入した楔を摺動させることで破断し、前記破断速度推定手段は、前記楔に取り付けられた歪計測手段を含むことを特徴とする。
更に、本発明の破断状態良否判定装置では、前記大端部の一方側および他方側に第1圧力計測手段および第2圧力計測手段を配置し、前記破断速度推定手段は、前記第1圧力計測手段および前記第2圧力計測手段が計測する圧力の変動に基づいて前記大端部の先に破断した側を特定し、前記大端部の先に破断した側で、前記破断速度を推定することを特徴とする。
更に、本発明の破断状態良否判定装置では、前記破断速度推定手段は、前記圧力から算出される負荷の変動が大きい側を、前記大端部の先に破断した側と判定することを特徴とする。
更に、本発明の破断状態良否判定装置では、前記破断判定手段は、前記破断速度が一定の範囲内であった場合は、前記破断状態を良と判断することを特徴とする。
更に、本発明は、大端部と小端部とが一体成型されたコンロッドの前記大端部を、軸部側とキャップ部側とに破断した際の破断状態を判定するコンロッドの破断状態良否判定方法であり、破断時における前記大端部の破断速度を推定するステップと、前記破断速度に基づいて前記破断状態の良否を判定するステップと、を具備することを特徴とする。
本発明は、大端部と小端部とが一体成型されたコンロッドの前記大端部を、軸部側とキャップ部側とに破断した際の破断状態を判定する破断状態良否判定装置であり、破断時における前記大端部の破断速度を推定する破断速度推定手段と、前記破断速度に基づいて前記破断状態の良否を判定する破断判定手段と、を具備することを特徴とする。従って、コンロッドの大端部の破断速度から、大端部の破断状態の良否を判定できるので、破断部の破断状況の目視確認や機械計測を行うことなく、効率的に破断状態の良否判定を行うことができる。
更に、本発明の破断状態良否判定装置では、前記大端部は、前記大端部の貫通孔に一対のマンドレルを嵌合し、前記一対のマンドレルの間に挿入した楔を摺動させることで破断し、前記破断速度推定手段は、前記楔に取り付けられた歪計測手段を含むことを特徴とする。従って、歪検出手段で計測した歪量から、コンロッドの大端部が破断する速度を正確に推定することができる。
更に、本発明の破断状態良否判定装置では、前記大端部の一方側および他方側に第1圧力計測手段および第2圧力計測手段を配置し、前記破断速度推定手段は、前記第1圧力計測手段および前記第2圧力計測手段が計測する圧力の変動に基づいて前記大端部の先に破断した側を特定し、前記大端部の先に破断した側で、前記破断速度を推定することを特徴とする。従って、大端部の軸部側とキャップ部側との位置合わせは、先に破断した側を合致させることで行われるが、破断速度推定手段が早期に圧力変化が計測された側の大端部の破断速度を推定することで、破断判定手段により、先に破断した側の大端部の破断状態を推定することができる。
更に、本発明の破断状態良否判定装置では、前記破断速度推定手段は、前記圧力から算出される負荷の変動が大きい側を、前記大端部の先に破断した側と判定することを特徴とする。従って、大端部の先に破断した側を簡易に判定することができる。
更に、本発明の破断状態良否判定装置では、前記破断判定手段は、前記破断速度が一定の範囲内であった場合は、前記破断状態を良と判断することを特徴とする。従って、破断速度と破断粗度との間には相関があり、更に、破断粗度が一定の範囲であった場合に、その破断面は良好であると判断できることから、破断速度から破断状態の良否を正確に判定することができる。
更に、本発明は、大端部と小端部とが一体成型されたコンロッドの前記大端部を、軸部側とキャップ部側とに破断した際の破断状態を判定するコンロッドの破断状態良否判定方法であり、破断時における前記大端部の破断速度を推定するステップと、前記破断速度に基づいて前記破断状態の良否を判定するステップと、を具備することを特徴とする。従って、コンロッドの大端部の破断速度から、大端部の破断状態の良否を判定できるので、破断部の破断状況の目視確認や機械計測を行うことなく、効率的に破断状態の良否判定を行うことができる。
本発明の一実施形態に係る破断状態良否判定装置で評価されるコンロッドを示す図である。 本発明の一実施形態に係る破断状態良否判定装置を示す図であり、(A)はマンドレル等がセットされたコンロッドを示す図であり、(B)は破断状態良否判定装置の構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る破断状態良否判定方法を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る破断状態良否判定装置を説明する図であり、(A)はコンロッドの大端部の後割れ側に作用する負荷の経時変化を示し、(B)はコンロッドの大端部の先割れ側に作用する負荷の経時変化を示す。 本発明の一実施形態に係る破断状態良否判定装置を説明する図であり、コンロッドの大端部に作用する破断力の経時変化を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る破断状態良否判定装置を説明する図であり、(A)は破断面粗度とデータ数との関係を示すグラフであり、(B)は破断速度と破断面粗度との関係を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態に係る破断状態良否判定装置20および破断状態良否判定方法を、図面に基づき詳細に説明する。以下の説明では、同一の部材には原則として同一の符番を用い、繰り返しの説明は省略する。
図1を参照して、破断状態良否判定装置20が破断面を良否判定するコンロッド10の構成を説明する。コンロッド10は、エンジンのピストンとクランクシャフトとを回転可能に連結する部材である。コンロッド10は、コネクティングロッドとも称される。
コンロッド10は、略棒状の金属から成る部材であり、紙面上に於ける上端に小端部11を有し、下端に大端部12を有する。コンロッド10がエンジンに組み込まれると、小端部11はピストンに回転可能に連結され、大端部12はクランクシャフトに回転可能に連結される。小端部11と大端部12とは軸部13で一体的に連結される。また、大端部12の中央部を貫通する貫通孔25が形成されている。
大端部12は、軸部側14とキャップ部側15とから構成される。軸部側14とキャップ部側15とは、左方側の接続部16および右方側の接続部17で連結される。接続部16および接続部17では、軸部側14とキャップ部側15とが例えばネジ等で締結される。大端部12の軸部側14とキャップ部側15とは、鋳造等により一体に形成された後に、接続部16および接続部17で一旦分離される。そして、ここでは図示しないクランクシャフトを貫通孔25に挿通した状態で、軸部側14とキャップ部側15とが接続される。機械応力を加えることで大端部12の軸部側14とキャップ部側15とを分離する方法は後述するが、この分離方法はカチ割りとも称される。ここで、接続部16および接続部17は、接続部16および接続部17における破断を促進するべく、例えばレーザー加工による切り込み等が形成されている。
ここで、軸部側14とキャップ部側15とを接続する際には、両者を位置合わせしなければならない。本実施形態では、接続部16または接続部17をカチ割りする際に形成される破断面の凹凸形状を互いに合致させることで、軸部側14とキャップ部側15とを正確に位置合わせしている。接続部16または接続部17の破断面の凹凸を利用して、この位置合わせを行うためには、これらの破断面の粗度が適切な範囲内にある必要がある。破断面の粗度が小さすぎると、凹凸を利用して軸部側14とキャップ部側15との位置合わせを行うことができない。一方、破断面の粗度が大きすぎると、コンロッド10は不良と判定され製品とならない。本実施形態では、後述するように、大端部12をカチ割る際の破断速度から破断面の粗度を推定し、推定された破断粗度が一定の範囲内である場合に、カチ割られたコンロッド10を良品と判定している。
図2を参照して、破断状態良否判定装置20の構成を説明する。図2(A)はコンロッド10を破断状態良否判定装置20にセットした状態を示し、図2(B)はこの状態を示す断面図である。
図2(A)を参照して、上記した構成のコンロッド10は、大端部12を軸部側14とキャップ部側15に分離するために、貫通孔25にマンドレル22が嵌合される。マンドレル22は、二つの半円部分から構成され、その中央部には後述する楔26が挿入される四角形状の挿入孔28が形成されている。
大端部12の紙面上に於ける左方側の下面は、圧電素子18(第1圧力計測手段)を介して支持部27で支持されている。同様に、大端部12の紙面上に於ける右方側の下面は、圧電素子19(第2圧力計測手段)を介して支持部21で支持されている。圧電素子18および圧電素子19は、後述する楔26を挿入孔28の内部で摺動させることで作用する圧力の大きさに応じた電気信号を出力する。圧電素子18および圧電素子19は、接続部16および接続部17のどちらかが先に破断したかを判定する圧力計測手段である。
図2(B)を参照して、破断状態良否判定装置20は、コンロッド10の大端部12を軸部側14とキャップ部側15とに分離する際の破断状況の良否を判定する装置である。具体的には、破断状態良否判定装置20は、先割れ側を判断するための圧電素子18および圧電素子19と、破断速度を推定する破断速度推定手段に含まれる歪ゲージ24(歪計測手段)と、破断状態の良否を判定する破断判定手段である制御装置23と、を主要に具備している。
制御装置23は、CPU、RAM、ROM等からなり、圧電素子18および圧電素子19の出力に基づいて、大端部12の接続部16または接続部17に於ける破断状態の良否を判定する。
上記したように、大端部12の貫通孔25にはマンドレル22が嵌め込まれており、マンドレル22同士の間に、楔26が挿入されている。楔26を大端部12の貫通孔25内を摺動させると、マンドレル22同士が離れる方向に広がり、大端部12の接続部16および接続部17に引張応力が作用する。楔26には、楔26の歪量を計測する歪ゲージ24が配設されている。後述するように、本実施形態では、楔26の歪量から破断力を算出し、この破断力から破断速度を推定している。また、楔26を摺動させることにより支持部21および支持部27に作用する負荷を、圧電素子18および圧電素子19で計測し、接続部16および接続部17のどちらが先割れ側であるかを判定している。
図3のフローチャートに基づいて、上記した各図も参照しつつ、上記した構成の破断状態良否判定装置20を用いてコンロッド10の大端部12の破断状態の良否判定する方法を説明する。
本実施形態では、図1を参照して、大端部12を接続部16および接続部17で破断させることで、大端部12を軸部側14とキャップ部側15とに分離する。そして、接続部16および接続部17の、先に破断した側の凹凸形状を用いて、後の工程にて軸部側14とキャップ部側15との位置合わせを行う。以下では、接続部16および接続部17のうち、先に破断した先割れ側の破断面を良否判定する。
ステップS10では、先ず、図2(A)に示したように、コンロッド10の大端部12の貫通孔25に、マンドレル22をセットする。このステップでは、大端部12の軸部側14とキャップ部側15とは連続している。また、接続部17側の大端部12と支持部21との間には圧電素子19が介装され、接続部16側の大端部12と支持部27との間には圧電素子18が介装されている。
ステップS11では、図2(B)に示すように、マンドレル22同士の間に楔26を挿入する。マンドレル22と楔26とはテーパー面を介して接触しているので、楔26を摺動させることで、マンドレル22同士が離れる方向に移動しようとする。これにより、図2(A)に示した大端部12の接続部16および接続部17に引張応力が作用する。この結果、大端部12は、接続部16および接続部17にて、軸部側14とキャップ部側15とに破断する。
ステップS12では、上記したステップS11において、支持部21および支持部27に作用する負荷を計測する。具体的には、支持部27と大端部12との間に介装された圧電素子18の出力から、制御装置23が支持部27に作用する負荷の経時変化を算出する。同様に、支持部21と大端部12との間に介装された圧電素子19の出力から、制御装置23が支持部21に作用する負荷の経時変化を算出する。本実施形態では、後述するように、これらの値から、接続部16および接続部17のどちらかが先割れを起こしたかを判断している。
ステップS13では、上記したステップS11に於いて、楔26に取り付けた歪ゲージ24で楔26の歪量を計測する。歪ゲージ24の出力に基づいて、制御装置23が破断力の経時変化を算出する。本実施形態では、後述するように、破断力の経時変化から破断速度を算出し、破断速度が所定の範囲内であれば、大端部12の破断面が良品であると判定している。
ステップS14では、制御装置23が、ステップS12で算出した負荷から、接続部16および接続部17のどちらが先に破断したかを特定する。
ここで、図4(A)に後割れ側の支持部に作用する負荷の経時変化を示し、図4(B)に先割れ側の支持部に作用する負荷の経時変化を示す。ここで、先割れとは、図2(A)を参照して、大端部12の接続部16および接続部17のうち、先に破断した方を示す。また、後割れは、接続部16および接続部17のうち、後に破断した方を示す。
図4(A)に、後割れを起こした側の支持部に作用する負荷の経時変化を示す。この負荷は、制御装置23が、圧電素子18または圧電素子19の出力から算出する。ここで、グラフ上のT1は、接続部16または接続部17の何れか一方が先に破断した先割れ開始時のタイミングを示し、T2は接続部16または接続部17の何れか他方が後に破断した後割れ開始時のタイミングを示している。図4(A)では、T1からT2までの期間に於いて負荷変動が小さくなっている。この理由は、T1で先割れ側が破断した後であっても、後割れ側の大端部12は固定されているためであると推定される。
図4(B)に、先割れを起こした側の支持部に作用する負荷の経時変化を示す。この負荷も上記と同様に、制御装置23が、圧電素子18または圧電素子19の出力から算出する。ここでは、T1からT2までの期間に於いて、先割れ側の圧電素子の出力から算出される負荷の値は、図4(A)に示した後割れ側の場合と比較して、大きい。更に、同期間において、圧電素子の出力から算出される負荷の変動量は、図4(A)に示した後割れ側の場合と比較して、大きい。この理由は、大端部12の先割れが発生すれば、先割れ側のキャップ部側15は、マンドレル22から離れ、再びマンドレル22に接触するためであると推定される。
上記のことから、制御装置23は、T1からT2までの期間における負荷の変動を比較することで、その接続部が先割れ側であるか後割れ側であるかを判別することができる。即ち、制御装置23は、T1からT2までの期間において、負荷の変動量が大きい方を、先割れ側であると判断することができる。ステップS15以降のステップは、接続部16および接続部17のうち、先割れ側であると判断された方を対象としている。
ステップS15では、ステップS14で特定した先割れ側の接続部について、その破断速度を推定する。図5のグラフに、破断力の経時変化を示す。この破断力は、上記したように、楔26に取り付けた歪ゲージ24からの出力に基づいて制御装置23が算出する。
このグラフを参照して、先割れ側の接続部が破断するタイミングT1の直後に於いて、破断力の傾きを算出することで、先割れ側の破断速度を算出することができる。このグラフでは、破断速度を算出する部分を一点鎖線で囲んでいる。
ここで、破断速度を算出する方法としてハイスピードカメラで破断状況を撮影することも考えられるが、ハイスピードカメラを工場内に設置することが容易でなく、更に、ハイスピードカメラで撮影された映像の解析に、相当の時間と手間が要される。よって、車両の製造工程に於いて、ハイスピードカメラでコンロッド10の破断速度を計測することは容易ではない。
一方、本実施形態では、楔26に設置された歪ゲージ24の出力に基づいて制御装置23で容易に破断速度を推定することができる。よって、簡易な装置および方法で破断速度を推定することができる。
ステップS16では、上記のように求めた破断速度から、破断面の粗度を推定する。
先ず、図6を参照して、破断面粗度と破断速度との関係を説明する。図6(A)は破断面粗度と、良品および不良品のデータ数との関係を示すグラフである。図6(B)は、破断速度と破断面粗度との関係を示すグラフである。
図6(A)を参照して、ここでは、各破断面粗度に於ける良品、欠けNG、ズレNGの割合を示している。このグラフでは、良品をドットのハッチングで示し、欠けNGをハッチング無しで示し、ズレNGを斜線のハッチングで示している。ここで、欠けNGとは大端部12の接続部16または接続部17の破断面の一部が欠けてしまうことで不良が発生することである。また、ズレNGとは、接続部16または接続部17の破断面があまりにも平滑であり、この破断面を用いて軸部側14とキャップ部側15とを位置合わせできない不良のことである。尚、このグラフでは、A1が最も粗度が小さく、A7が最も粗度が大きい。
このグラフから明らかなように、粗度がA1の場合は約半数がズレNGとなる。一方、粗度がA2およびA3の場合は、接続部16または接続部17の破断面に低度な凹凸が形成され、その殆どが良品となる。即ち、粗度がA2およびA3の場合は、接続部16または接続部17の破断面の凹凸を利用して、大端部12の軸部側14とキャップ部側15とを正確に位置合わせすることができる。また、粗度がA4、A5、A6およびA7の場合は、破断面の凹凸が大きすぎ、多くの欠けNGが発生してしまう。このことから、破断面粗度がA2以上A3以下の範囲であれば、良品と推定できる。
図6(B)を参照して、破断速度と破断面粗度との関係を示す。ここでは、複数のコンロッド10について、大端部12をカチ割りする破断実験を行い、破断力の傾きから破断速度を推定し、実際に破断面粗度を計測した。このグラフに示す各黒点はその実験結果を示している。ここでは、その実験結果を用いた最小二乗法により、一次式である近似式の各定数を算出している。この近似式を用いて、破断速度から破断面粗度を簡易に推定することができる。
ステップS17では、上記のように推定した破断面粗度が所定の範囲内であるか否かを判断する。例えば、図6(B)に示したように、上記で推定した破断速度が、B1以上B2以下の範囲(管理幅内)にあれば、上記した近似式により、その破断面粗度はA2以上A3以下の好適な範囲内であると判断される。よって、この場合はコンロッド10の接続部16または接続部17における破断面は、軸部側14とキャップ部側15とを位置合わせできる適度な凹凸を有する良品であると判断される(ステップS17のYES)。一方、上記で推定された破断速度がB1未満である場合は、破断面粗度がA2未満となり、破断面の凹凸が不足することで上記した位置合わせを好適に行うことができないズレNGであると推定される(ステップS17のNO)。また、上記で推定された破断速度がB2よりも大きい場合は、破断面粗度がA3よりも大きくなり、この場合は欠けが発生する欠けNGであると推定される(ステップS17のNO)。
上記したように、コンロッド10が接続部16または接続部17で破断する際の破断速度は、歪ゲージ24の出力から制御装置23が比較的容易に算出することができる。よって、歪ゲージ24を用いて制御装置23が算出した破断速度が、B1以上B2以下であること(管理幅内であること)を確認することで、破断面粗度が良品の範囲にあるか否かを容易に確認することが出来る。なお、本実施形態の変更例として、例えば、直接、破断速度を計測する手段を用いて、破断速度を計測し、計測した破断速度から破断面粗度を算出するようにしても良い。
以上のステップで良品と判断されたコンロッド10は、ここでは図示しないエンジンに組み込まれる。具体的には、コンロッド10の小端部11がピストンに連結され、大端部12がクランクシャフトに連結される。大端部12がクランクシャフトに連結される際には、ステップS14で先割れと判断された接続部16または接続部17から、軸部側14とキャップ部側15とを締結する。この際、先割れと判断された接続部16または接続部17では、軸部側14側とキャップ部側15側とに適度な粗面が形成されているので、軸部側14とキャップ部側15とを正確に位置合わせすることができる。
以上、本発明の実施形態を示したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
10 コンロッド
11 小端部
12 大端部
13 軸部
14 軸部側
15 キャップ部側
16 接続部
17 接続部
18 圧電素子
19 圧電素子
20 破断状態良否判定装置
21 支持部
22 マンドレル
23 制御装置
24 歪ゲージ
25 貫通孔
26 楔
27 支持部
28 挿入孔

Claims (6)

  1. 大端部と小端部とが一体成型されたコンロッドの前記大端部を、軸部側とキャップ部側とに破断した際の破断状態を判定する破断状態良否判定装置であり、
    破断時における前記大端部の破断速度を推定する破断速度推定手段と、
    前記破断速度に基づいて前記破断状態の良否を判定する破断判定手段と、を具備することを特徴とする破断状態良否判定装置。
  2. 前記大端部は、前記大端部の貫通孔に一対のマンドレルを嵌合し、前記一対のマンドレルの間に挿入した楔を摺動させることで破断し、
    前記破断速度推定手段は、前記楔に取り付けられた歪計測手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の破断状態良否判定装置。
  3. 前記大端部の一方側および他方側に第1圧力計測手段および第2圧力計測手段を配置し、
    前記破断速度推定手段は、
    前記第1圧力計測手段および前記第2圧力計測手段が計測する圧力の変動に基づいて前記大端部の先に破断した側を特定し、
    前記大端部の先に破断した側で、前記破断速度を推定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の破断状態良否判定装置。
  4. 前記破断速度推定手段は、前記圧力から算出される負荷の変動が大きい側を、前記大端部の先に破断した側と判定することを特徴とする請求項3に記載の破断状態良否判定装置。
  5. 前記破断判定手段は、前記破断速度が一定の範囲内であった場合は、前記破断状態を良と判断することを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の破断状態良否判定装置。
  6. 大端部と小端部とが一体成型されたコンロッドの前記大端部を、軸部側とキャップ部側とに破断した際の破断状態を判定するコンロッドの破断状態良否判定方法であり、
    破断時における前記大端部の破断速度を推定するステップと、
    前記破断速度に基づいて前記破断状態の良否を判定するステップと、を具備することを特徴とする破断状態良否判定方法。
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