JP2019146516A - Rnaアプタマーのスクリーニング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】RNAアプタマーのスクリーニング効率をさらに向上させる技術を提供する。【解決手段】(A)プロモータ配列の相補配列、捕捉用配列、及びRNAアプタマー候補の鋳型配列を含む一本鎖DNAとその相補鎖DNAとで構成され、且つ相補鎖DNAに捕捉用タグ(Pt)が付加したタグ付鋳型二本鎖DNAのクローンが固相担体の微小表面に多数固定化されている固定化鋳型二重鎖DNAライブラリ(LA)を準備する工程と;(B)転写反応を行い、RNAアプタマー候補が捕捉用タグ(Pt)に結合した固定化RNA/DNA複合体ライブラリ(LB)を調製する工程と;(C)固定化RNA/DNA複合体ライブラリ(LB)を標的物質と接触させ、標的物質と結合したRNAアプタマー候補を選別する工程、を含むRNAアプタマーのスクリーニング方法。【選択図】なし

Description

本発明はRNAアプタマーのスクリーニング方法、キット、及びライブラリに関する。より具体的には、RNAアプタマー候補のクローンを固相担体の微小表面に集合して固定することによって、RNAアプタマーのスクリーニング効率を大幅に向上させる技術に関する。
核酸アプタマーは、標的を特異的に認識できる一本鎖のDNA又はRNAであり、医薬品の開発及び診断技術への応用研究が盛んに行われている。特に、RNAはDNAよりも複雑な構造を形成可能である点等で、核酸アプタマーとしてより優れている。
核酸アプタマーを取得する手法としては、SELEX(Systematic Evolution of Ligands By EXponential enrichment)法が挙げられる。SELEX法では、標的分子を担体に固定化し、アプタマー候補配列のバリエーションを有するDNA又はRNAの集団(ライブラリ)と接触させる。そして、担体を遠心分離等で回収することで、担体に固定化させておいた標的分子と相互作用したDNA又はRNAを取得する。SELEX法では、回収した核酸を、RNAの場合はRT−PCR、DNAの場合はPCRによって増幅し、再度DNAライブラリ又はRNAライブラリとして調製し、再び同様の選別操作に供する。このような同様の選別操作を繰り返すことによって、標的分子と特異的に相互作用したDNA又はRNA(DNAアプタマー又はRNAアプタマー)を濃縮する。
SELEX法に供される最初のライブラリにおいては、一般的に30塩基以上のランダムな配列領域を含む配列がアプタマー候補配列として使用される。30塩基のランダム配列のバリエーションは430通りつまり1018通り以上であり、すべての配列を1分子ずつ含むアプタマー候補配列の総量は重さに換算して約18mgとなる。さらにPCRでプライマーを結合させるために必要な40塩基程度の固定された配列をアプタマー候補配列に足すと、総量は約40mgとなる。したがって、最初の選別操作の段階で全てのバリエーションを最初のライブラリに含ませることは実験のスケールを考慮すると現実的ではないため、通常は、膨大な組み合わせの中からごく一部の組み合わせのみを最初のライブラリとして使用し、そこから上述の選別操作を繰り返し、標的分子と特異的に相互作用を示す核酸を濃縮する。濃縮されたアプタマー候補配列に対しては、標的分子との相互作用を示す配列をさらに最適化するため、濃縮された塩基配列間で共通性の高い配列を固定する一方で周囲の配列に変異を加えたライブラリを別途構築し、上述のように選別操作を繰り返すという作業が行われる。
従来のSELEX法では、標的分子を担体上に化学的に固定化する必要があったが、近年では、様々な改変手法が報告されている。例えば、特許文献1では、標的分子を固定せず、核酸と標的分子との複合体形成に伴う分子サイズの変化を利用して選別を行う手法が報告されている。また、非特許文献1では、ライブラリとなる核酸の側を担体に固定化し、核酸と標的分子との結合に伴う蛍光シグナル変化等を利用して選別を行う手法が報告されている。核酸の側を担体に固定化する手段としてはエマルジョンPCRを用いており、1個の担体粒子に十万コピー以上の多数のクローンDNAを固定化することが可能であることから、標的分子との結合に伴う蛍光シグナル変化が増大することで、選別の効率が向上している。
国際公開第2003/102212号
Angew.Chem.Int.Ed. (2014)53,4796−4801.
一のライブラリからアプタマー候補の選別を繰り返してある程度まで絞り込んだとしても、通常は、さらなる最適化のために別のライブラリを新たに配列設計して構築し、再び選別を行う作業が控えている。このため、アプタマー候補を効率よく最適化していくには、一のライブラリからいかに効率よくアプタマー候補を絞り込むかが律速段階の1つとなる。
しかしながら、特許文献1の方法では、一のライブラリからアプタマー候補をある程度まで絞り込むために、何度も選別作業を繰り返さなければならず、その繰り返しの選別作業が煩雑であり非常に効率が悪い。また、非特許文献1の方法では、選別効率の向上は図れるものの、その設計上、DNAアプタマーの選別しかできず、RNAアプタマーの選別には適用できない。
そこで本発明は、RNAアプタマーのスクリーニング効率をさらに向上させる技術を提供することを目的とする。
本発明者は、微粒子担体に固定したDNAライブラリを鋳型として転写されるRNAアプタマー候補を、同一の微粒子担体に固定化したRNA/DNA複合体ライブラリの設計に着眼した。鋭意検討の結果、RNAアプタマー候補の鋳型配列とともに捕捉用配列を有するように設計した一本鎖DNAのクローンを微粒子担体に多数固定化したライブラリに対し、捕捉用配列及びリンカーを有する捕捉用タグを付加したプライマーによる伸長反応を行って、当該微粒子担体上で捕捉用配列の相補配列を含む二重鎖DNAのクローンを捕捉用タグが付加した態様で得た後、当該二重鎖DNAを鋳型にして転写反応を行い、転写産物として捕捉用配列の相補配列が付加されたRNAアプタマーを得るとともに、当該転写産物を同一微粒子担体上の捕捉用タグに捕捉させることで、RNAアプタマー候補のクローンごとに同一微粒子担体上で固定されたRNA/DNA複合体を得ることに成功した。そして、このRNA/DNA複合体ライブラリを用いることによって、RNAアプタマーのスクリーニング効率が飛躍的に向上することを見出した。本発明は、この知見に基づき、さらに検討を重ねることにより完成された。
すなわち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 下記(A)工程から(C)工程を含む、RNAアプタマーのスクリーニング方法:
(A)RNAアプタマー候補の鋳型配列を含むタグ付鋳型二本鎖DNAのクローンを、前記RNAアプタマー候補の鋳型配列に応じて複数種含む固定化鋳型二重鎖DNAライブラリであって;前記タグ付鋳型二本鎖DNAが、一方端から他方端へ向かって、RNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列の相補配列、捕捉用配列、及び前記RNAアプタマー候補の鋳型配列を含む一本鎖DNAと、その相補鎖DNAとで構成される二本鎖DNAと、前記相補鎖DNAの前記一方端に結合した、リンカー及び前記捕捉用配列を含む捕捉用タグ(Pt)とを含み、前記他方端で固相担体に固定されており;且つ、前記タグ付鋳型二本鎖DNAのクローンごとに前記固相担体の特定の微小表面に固定化されている、固定化鋳型二重鎖DNAライブラリ(LA)を準備する工程と、
(B)前記鋳型二重鎖DNAライブラリ(LA)を転写反応に供し、前記捕捉用配列の相補配列が付加された前記RNAアプタマー候補を合成するとともに前記RNAアプタマー候補を前記捕捉用タグ(Pt)に捕捉させることによって、固定化RNA/DNA複合体ライブラリ(LB)を調製する工程と、
(C)前記固定化RNA/DNA複合体ライブラリ(LB)を標的物質と接触させ、前記標的物質と結合した前記RNAアプタマー候補を有するRNA/DNA複合体のクローンが固定化された前記微小表面を選別する工程。
項2. 前記(A)工程が、以下の工程を含む、項1に記載の方法:
(A1)前記一本鎖DNAのクローンを、前記RNAアプタマー候補の鋳型配列に応じて複数種含むDNAライブラリであって、前記一本鎖DNAのクローンごとに前記固相担体の特定の微小表面に固定化されている固定化一本鎖DNAライブラリ(L0)を準備する工程、及び
(A2)前記固定化一本鎖DNAライブラリ(L0)を、前記捕捉用配列及びリンカーを有する捕捉用タグ(Pt)と前記プロモータ配列とを含むプライマー(P)を用いたプライマー伸長反応に供し、前記固定化鋳型二重鎖DNAライブラリ(LA)を得る工程。
項3. 前記(A1)工程において、前記一本鎖DNA、その相補鎖DNA、又は、前記一本鎖DNAと前記相補鎖DNAとで構成される二本鎖DNAを、前記固相担体の存在下で、プライマーを用いた単分子PCRに供することによって、前記固定化一本鎖DNAライブラリ(L0)を得る、項2に記載の方法。
項4. 前記(A)工程が、以下の工程を含む、項1に記載の方法:
(A11)前記一本鎖DNA、その相補鎖DNA、又は、前記一本鎖DNAと前記相補鎖DNAとで構成される二本鎖DNAを、前記固相担体の存在下で、前記捕捉用配列及びリンカーを有する捕捉用タグ(Pt)と前記プロモータ配列とを含むプライマー(P)を用いた単分子PCRに供し、前記固定化鋳型二重鎖DNAライブラリ(LA)を得る工程。
項5. 前記固相担体が微粒子担体であり、前記微小表面が前記微粒子担体の表面であり、且つ、前記(C)工程において、前記標的物質と結合した前記RNAアプタマー候補を有するRNA/DNA複合体のクローンが固定化された微粒子担体の分取を行う、項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
項6. 前記(C)工程における分取をセルソータによって行う、項5に記載の方法。
項7. 前記固相担体が基板担体であり、前記微小表面が前記基板担体の表面上の特定の微小領域であり、且つ、前記(C)工程において、前記標的物質と結合した前記RNAアプタマー候補を有するRNA/DNA複合体のクローンが固定化された微小領域の特定を行う、項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
項8. 前記(B)工程の転写反応における一の条件及び前記(C)工程の標的物質との接触における一の条件あたり、前記(A)工程から前記(C)工程を1回のみ行う、項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
項9. 前記プロモータ配列がT7プロモータ配列である、項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
項10. 前記リンカーがポリアルキレングリコール鎖である、項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
項11. RNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列の相補配列と、捕捉用配列とを含む前記一本鎖DNA、その相補鎖DNA、又は、前記一本鎖DNAと前記相補鎖DNAとで構成される二本鎖DNAと、
前記捕捉用配列及びリンカーを有する捕捉用タグ(Pt)と、前記プロモータ配列を含むプライマー(P)と、
を含む、RNAアプタマーのスクリーニングキット。
項12. RNAアプタマー候補の鋳型配列を含むタグ付鋳型二本鎖DNAのクローンを、前記RNAアプタマー候補の鋳型配列に応じて複数種含むライブラリであって、
前記タグ付鋳型二本鎖DNAが、一方端から他方端へ向かって、RNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列の相補配列、捕捉用配列、及びRNAアプタマー候補の鋳型配列を含む一本鎖DNAと、その相補鎖DNAとで構成される二本鎖DNAと、前記相補鎖DNAの前記一方端に結合した、リンカー及び前記捕捉用配列を含む捕捉用タグ(Pt)を含み、前記他方端で固相担体に固定されており、且つ、
前記タグ付鋳型二本鎖DNAのクローンごとに前記固相担体の特定の微小表面に固定化されている、RNAアプタマーのスクリーニング用ライブラリ。
項13. 前記タグ付鋳型二本鎖DNAから転写された、前記捕捉用配列の相補配列が付加された前記RNAアプタマー候補が、前記捕捉用タグ(Pt)に相補結合することでRNA/DNA複合体を構成している、項12に記載のRNAアプタマーのスクリーニング用ライブラリ。
項14. 前記固相担体が微粒子担体であり、前記微小表面が前記微粒子担体の表面である、項12又は13に記載のRNAアプタマーのスクリーニング用ライブラリ。
項15. 前記固相担体が基板担体であり、前記微小表面が前記基板担体の表面上の特定の微小領域である、項12又は13に記載のRNAアプタマーのスクリーニング用ライブラリ。
本発明によれば、RNAアプタマー候補のクローンごとに同一微粒子担体上で固定されたRNA/DNA複合体のライブラリを構築することで、RNAアプタマー候補のスクリーニング効率を飛躍的に向上させることができる。例えば、1回のスクリーニングで、1万種類以上のRNAアプタマー候補から数種類程度を絞り込むことができるため、一のライブラリからのRNAアプタマー候補を絞り込むために同じ条件でのスクリーニングを多数繰り返す必要がない。
本発明のRNAアプタマーのスクリーニング方法の一例を模式的に示す。 図1に示した固定化鋳型二重鎖DNAライブラリ(LA)におけるタグ付鋳型二本鎖DNAの一例を模式的に示す。 固定化鋳型二重鎖DNAライブラリ(LA)を得る工程(A)の一例を模式的に示す。 固定化鋳型二重鎖DNAライブラリ(LA)を得る工程(A)の他の例を模式的に示す。 工程(A)の一例における核酸部分の模式的概念図を示す。 工程(B)における核酸部分の模式的概念図を示す。 本発明のRNAアプタマーのスクリーニングキットの模式的概念図を示す。 実施例1で設計されたプライマー及びDNA鋳型の配列を示す。 実施例1によるスクリーニングの結果を示す。 実施例2で設計されたプライマー及びDNA鋳型の配列を示す。 実施例2によるスクリーニングの結果を示す。 実施例2で絞り込まれたRNAアプタマー候補の配列及び当該配列の出現率(出現頻度)を示す。 実施例2で絞り込まれたRNAアプタマー候補と標的分子との結合による蛍光シグナルの変化を示す。 実施例3によるスクリーニングの結果を示す。 実施例3で絞り込まれたRNAアプタマー候補のうち実施例2では見られなかった配列及び当該配列と標的分子との結合による蛍光シグナルの変化を示す。
[1.RNAアプタマーのスクリーニング方法]
本発明のRNAアプタマーのスクリーニング方法は、固定化鋳型二重鎖DNAライブラリ(LA)を準備する工程(A)と、固定化RNA/DNA複合体ライブラリ(LB)を調製する工程(B)と、RNAアプタマー候補を選別する工程(C)と、を含む。図1に本発明のRNAアプタマーのスクリーニング方法の一例を模式的に示す。図1に示すように、工程(A)で準備された固定化鋳型二重鎖DNAライブラリ(LA)は、工程(B)で転写に供されることにより、RNAアプタマー候補が固定化された固定化RNA/DNA複合体ライブラリ(LB)へ調製され、工程(C)で標的物質との接触に供されることにより、標的物質と結合したRNAアプタマー候補を有するRNA/DNA複合体のクローンが選別(図1の例では分取)される。
工程(A)で準備される固定化鋳型二重鎖DNAライブラリ(LA)は、図2に模式的概念図として示されるタグ付鋳型二本鎖DNAが担体に固定されている。本発明において、工程(A)には、工程(A1)及び工程(A2)を含む実施形態(図3)と、工程(A11)を含む実施形態(図4)とが含まれる。さらに、工程(A)及び工程(B)の詳細を、それぞれ、図5及び図6に模式的概念図として示す。以下、図1〜図6を参照して、本発明のRNAアプタマーのスクリーニング方法について詳述する。
なお、本発明において相補又は相補的とは、ある塩基配列を有する核酸に対してストリンジェントな条件でハイブリダイズ可能な塩基配列を有することをいう。ここでいうストリンジェントな条件とは、既知の条件から選定可能で、特に限定されるものではないが、例えば、42℃において、50%(v/v)のホルムアミド、0.1%のウシ血清アルブミン、0.1%のフィコール(商品名)、0.1%のポリビニルピロリドン、50mMのリン酸ナトリウムバッファー(pH6.5)、150mMの塩化ナトリウム、75mMのクエン酸ナトリウムが共存する条件等が挙げられる。
[1−1.工程(A)]
工程(A)では、固定化鋳型二重鎖DNAライブラリ(LA)を準備する。図1に示すように、固定化鋳型二重鎖DNAライブラリ(LA)は、固相担体の微小表面に固定化されたタグ付鋳型二本鎖DNAのクローンの多数のコピーを含む。図示された態様では、固相担体は微粒子担体である。この場合、固相担体の微小表面は、微粒子担体の表面全体を構成する。タグ付鋳型二本鎖DNAは、図2に示すように、3’−5’方向に、RNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列の相補配列と、捕捉用配列X’と、RNAアプタマー候補の鋳型配列とをこの順番で含む一本鎖DNAと、その相補鎖DNAとから構成される二本鎖DNAと、相補鎖DNAの一方端に結合した捕捉用タグ(Pt)とを含む。固相担体(図2において図示省略)はタグ付鋳型二本鎖DNAの他方端を固定している。
本発明において、RNAアプタマーとしては、標的物質に対し高い親和性を有することで特異的に結合しうる分子であればよく、塩基配列、分子の大きさ、及び立体構造は特に限定されない。また、塩基配列としても、人工配列及び天然配列を問わない。本発明においては、RNAアプタマーの用途(例えば、核酸医薬、診断薬等)等に応じてその候補を任意に設定し、設定したRNAアプタマー候補の鋳型配列を設計する。
固定化鋳型二重鎖DNAライブラリ(LA)においては、RNAアプタマー候補の鋳型配列が複数通りの配列で設計されてライブラリ化されている。なお、複数通りの配列としては、特定配列の特定箇所に任意の変異を導入することで異なる類似配列にバリエーション展開することによって設計された配列が挙げられる。このようなバリエーション展開に基づく配列設計を行う場合としては、例えば、人工的に設計したRNAアプタマー候補を最適化する場合が挙げられる。また、複数通りの配列としては、異なる類似配列にバリエーション展開されたものだけではなく、長鎖RNAがランダムに断片化されて得られるRNA断片の配列等も挙げられる。このようなRNA断片に基づく配列設計を行う場合としては、例えば、細胞に内在する天然RNA配列から、特定の標的物質(タンパク質などの生体分子)に特異的に結合する配列を濃縮する場合が挙げられる。
(A)工程から(C)工程までの一連の工程1回に対して設定される、RNAアプタマー候補の鋳型配列の種類の数としては特に限定されないが、例えば300万種類以下が挙げられ、より好ましいスクリーニング効率を得る観点では、好ましくは5万種類以下、より好ましくは3万種類以下が挙げられる。本発明のRNAアプタマーのスクリーニング方法はスクリーニング効率に非常に優れているため、RNAアプタマー候補の鋳型配列の種類の数としては、1000種類以上、好ましくは1万種類以上が挙げられる。或いは、RNAアプタマー候補の鋳型配列の種類の数としては、例えば1〜10塩基に任意の変異が導入される組み合わせ数(4〜410パターン)、好ましくは2〜9塩基に任意の変異が導入される組み合わせ数(42〜49パターン)、より好ましくは3〜8塩基に任意の変異が導入される組み合わせ数(43〜48パターン)、さらに好ましくは4〜7塩基に任意の変異に変異が導入される組み合わせ数(44〜47パターン)が挙げられる。
RNAアプタマー候補の鋳型配列の塩基長としては特に限定されず、目的とするRNAアプタマーの塩基長に応じて決定される。具体的には、RNAアプタマー候補の鋳型配列の塩基長は、例えば20〜400塩基長、好ましくは30〜100塩基長が挙げられる。
固定化鋳型二重鎖DNAライブラリ(LA)においては、プロモータ配列の相補配列及び捕捉用配列としては、RNAアプタマー候補の鋳型配列によらずそれぞれ共通の配列が設計される。プロモータ配列としては、RNAポリメラーゼが特異的に認識する二本鎖プロモータ領域の相補配列(アンチセンス鎖)であればよく、後述の工程(B)で用いるRNAポリメラーゼに応じて設計される。例えば、バクテリオファージ由来のRNAポリメラーゼが特異的に認識するT7プロモータ配列、T3プロモータ配列、K11プロモータ配列、SP6プロモータ配列等が挙げられる。転写安定性等の観点から、好ましくはT7プロモータ配列が挙げられる。
捕捉用配列X’としては特に限定されず、後述の(B)工程においてRNAアプタマー候補を捕捉する以外に不所望の結合を生じないように適宜設計される。捕捉用配列X’の塩基長としては特に限定されず、後述の(B)工程においてRNAアプタマー候補を有効に捕捉できる塩基長を有していればよい。具体的には、捕捉用配列X’の塩基長としては、20〜30塩基長が挙げられる。
これらプロモータ配列の相補配列と捕捉用配列X’とRNAアプタマー候補の鋳型配列とを有する一本鎖DNAを含むタグ付鋳型二本鎖DNAは、一のRNAアプタマー候補の鋳型配列を有するクローンの複数コピーが一の微粒子担体の表面に結合し、他のRNAアプタマー候補の鋳型配列を有するクローンの複数コピーが他の微粒子担体の表面に結合しているというように、クローンごとに異なる微粒子担体の表面に固定されている。1個の微粒子担体に結合しているクローンのコピー数は微粒子の大きさにもよるが、例えば百万コピー程度が挙げられる。
なお、図示した態様では、固相担体が微粒子担体である場合を例示しているが、固相担体の形状はこれに限定されるものではない。固相担体としては、基板担体も挙げられる。固相担体が基板担体である場合、固相担体の微小表面は、基板担体の表面上の特定の微小領域を構成する。そして、基板担体の表面上の区画された微小領域ごとに、タグ付鋳型二本鎖DNAのクローンの多数のコピーが集合して固定されている。つまり、タグ付鋳型二本鎖DNAは、一のRNAアプタマー候補の鋳型配列を有するクローンの複数コピーが基板担体上の一の微小領域に集合して結合し、他のRNAアプタマー候補の鋳型配列を有するクローンの複数コピーが、同一基板担体上の他の微小領域に集合して結合しているというように、クローンごとに同一基板担体上の異なる微小領域に固定されている。微小量領域1個あたりの面積としては、例えば直径数十μm〜数百μmの円相当の面積が挙げられる。
固相担体の材料としては特に限定されず、たとえば、ガラス、金属、ポリマー、磁性体等が挙げられる。また、固相担体表面上におけるDNAの固定態様としても特に限定されず、共有結合及び非共有結合を問わない。また、DNA鎖は、アダプター配列を介して固相担体に固定化されていることが好ましい。
[1−1−1.工程(A1)]
固定化鋳型二重鎖DNAライブラリ(LA)を調製する工程(A)は、固定化一本鎖DNAライブラリ(L0)を準備する工程(A1)と、固定化一本鎖DNAライブラリ(L0)をプライマー(P)を用いたプライマー伸長反応に供する工程(A2)とによって行うことができる。図3に、工程(A1)及び工程(A2)の一例を模式的に示す。また、工程(A2)の詳細について、図5に模式的に示す。
固定化一本鎖DNAライブラリ(L0)は、上述の固定化鋳型二重鎖DNAライブラリ(LA)における相補鎖DNA及びそれに付加された捕捉タグ(Pt)(図2参照)を未だ有していない一本鎖DNAのクローンの多数のコピーが、固相担体の微小表面に固定化されたものである。つまり、固定化一本鎖DNAライブラリ(L0)は、3’−5’方向に、RNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列の相補配列と、捕捉用配列X’と、RNAアプタマー候補の鋳型配列とをこの順番で含む一本鎖DNA(図5参照)のクローンを、RNAアプタマー候補の鋳型配列に応じて複数種含み、且つ、一本鎖DNAのクローンごとに固相担体の特定の微小表面に固定化されているものである。
工程(A1)において、固定化一本鎖DNAライブラリ(L0)は、市販のものを準備してもよいし、図3に示された工程(A1)に従って調製することで準備してもよい。図3に示された工程(A1)によれば、固定化一本鎖DNAライブラリ(L0)は、担体存在下において、PCRプライマーを用いた鋳型DNA断片の単分子PCRを行うことによって調製することができる。この場合用いられる鋳型DNA断片としては、上述の一本鎖DNA(つまり、上述のプロモータ配列の相補配列、上述の捕捉用配列X’、及び上述のRNAアプタマー候補の鋳型配列をこの順番で含む一本鎖DNA)であってもよいし、当該一本鎖DNAの相補鎖DNA(一本鎖)であってもよいし、それら一本鎖DNA及び相補鎖DNAで構成される二本鎖DNAであってもよい。
例えば固相担体が微粒子担体である場合、単分子PCRとしては、エマルジョンPCRを用いることができる。エマルジョンPCRでは、上述の鋳型DNA断片1分子と、PCRプライマー(フォワードプライマー及びリバースプライマーのうちの一方)と、PCRプライマー(フォワードプライマー及びリバースプライマーのうちの他方)が表面に固定された微粒子担体1個とが油中水滴エマルジョン中に封入されるように、それぞれの濃度を調整してエマルジョンPCR系を構築し、当該エマルジョン中でPCR反応を行うことで、微粒子担体表面に多数の二重鎖DNAのクローンが固定化される。油中水滴として区画されたエマルジョンごとに異なるRNAアプタマー候補の鋳型配列を含むDNAのクローンが微粒子担体表面に固定化される。PCR反応後、エマルジョンを破壊し、微粒子担体を回収して二重鎖DNAを一本鎖化することで、固定化一本鎖DNAライブラリ(L0)が得られる。
また、固相担体が基板担体である場合、単分子PCRとしては、ブリッジPCRを用いることができる。ブリッジPCRでは、基板上で上述一本鎖DNAの増幅を行う。この場合、増幅反応を行う基板表面には、一本鎖DNAの5’端部、3’端部に相補的に結合する2種類のPCRプライマーのセットが、区画された微小領域のそれぞれに固定されている。このPCRプライマーに結合した上述一本鎖DNAが基板上でPCRされることにより、同一の配列からなり、上述RNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列の相補配列、捕捉用配列、及びRNAアプタマー候補の鋳型配列を含む二本鎖DNAのクラスターが基板上の一の微小領域に多数形成される。上述2種類のPCRプライマーを直径数十μm〜数百μmの円形スポット状の微小領域に固定化し、上述一本鎖DNAの濃度を適宜調節することで、区画された微小領域それぞれにおいて複数種類のライブラリ配列のうち一種類のみを増幅することができる。なお、PCRプライマーを微小領域に固定する場合、光開裂性基を介してPCRプライマーを固定することによって、固定化された核酸種を後で回収できるようにしておくことが好ましい。光開裂性基としては、光照射によって開裂可能な連結基であれば特に限定されないが、例えば、光開裂性基として2−ニトロベンジル基を有する連結基が挙げられる。このような光開裂性基は、例えば、[4−(4,4’−Dimethoxytrityloxy)butyramidomethyl]−1−(2−nitrophenyl)−ethyl]−2−cyanoethyl−(N,N−diisopropyl)−phosphoramiditeなどの2−ニトロ−4−置換ベンジル基を有する試薬を用いて導入することができる。
[1−1−2.工程(A2)]
図3の工程(A2)に示されるように、工程(A2)では、上述の固定化一本鎖DNAライブラリ(L0)を、所定の配列設計がされたプライマー(P)を用いたプライマー伸長反応に供する。これによって、固定化一本鎖DNAライブラリ(L0)における一本鎖DNAが二本鎖DNAとなるとともに、二本鎖DNAの端部に一本鎖の捕捉用タグ(Pt)が付加された、固定化鋳型二重鎖DNAライブラリ(LA)が調製される。
具体的には、図5に示すように、プライマー(P)は、捕捉用タグ(Pt)とプロモータ配列とを含む。捕捉用タグ(Pt)は、捕捉用配列X’とリンカーとを有し、リンカーを介してプロモータ配列に直接的または間接的に結合している。プロモータ配列は、固定化一本鎖DNAライブラリ(L0)における一本鎖DNAのプロモータ配列の相補配列に結合する配列である。一方、捕捉用タグ(Pt)は、当該一本鎖DNAに非相補的な配列である。
捕捉用タグ(Pt)における捕捉用配列X’は、後述の(B)工程におけるRNAアプタマー候補を確実に捕捉する観点から、上述の固定化一本鎖DNAライブラリ(L0)の一本鎖DNAにおける捕捉用配列X’と同一であることが好ましい。但し、本発明においては、捕捉用タグ(Pt)における捕捉用配列X’は、固定化一本鎖DNAライブラリ(L0)の一本鎖DNAにおける捕捉用配列X’の転写配列と相補的、且つ当該一本鎖DNAに非相補的である限り、固定化一本鎖DNAライブラリ(L0)の一本鎖DNAにおける捕捉用配列X’と同一でなくてもよい。たとえば、捕捉用タグ(Pt)における捕捉用配列X’は、固定化一本鎖DNAライブラリ(L0)の一本鎖DNAにおける捕捉用配列X’の1個〜複数個(例えば1〜3個)の塩基が欠失、置換、挿入、もしくは付加されていてもよい。
捕捉用タグ(Pt)におけるリンカーは、捕捉用配列X’とプロモータ配列との間にヒンジ様に介在することにより、捕捉用配列X’に揺動性を与え、後述の(B)工程におけるRNAアプタマー候補の捕捉を容易にする。リンカーとしては、一本鎖DNA配列と非相補的であれば特に限定されず、たとえば、ポリアルキレングリコール鎖及びオリゴヌクレオチド鎖が挙げられ、好ましくはポリアルキレングリコール鎖が挙げられる。ポリアルキレングリコール鎖は、一般式:−O−(R−O)n− で表される構造であり、nは整数でアルキレンオキサイド単位の付加モル数を表し、Rはアルキレン基を表す。アルキレン基の炭素数は、好ましくは2又は3、より好ましくは炭素数が2のポリエチレングリコール鎖が挙げられる。付加モル数nとしては、RNAアプタマー候補の捕捉をより容易にする等の観点から、例えば2〜8、好ましくは3〜5が挙げられる。オリゴヌクレオチド鎖の種類としては、DNA及びRNAを問わない。好ましくは、ポリチミンが挙げられる。オリゴヌクレオチドの塩基長としては、RNAアプタマー候補の捕捉をより容易にする等の観点から、例えば3〜20塩基長、好ましくは5〜10塩基長が挙げられる。
プロモータ配列は、固定化一本鎖DNAライブラリ(L0)におけるプロモータ配列の相補配列と共にRNAポリメラーゼが特異的に認識する二本鎖プロモータ領域を形成可能な配列である。
プライマー(P)は、上述の設計に従い、公知の方法によって合成することができる。例えば、ホスホアミダイト法等によって化学合成する方法、プライマー(P)に含ませるべき配列をあらかじめ含む核酸を制限酵素消化する方法等によって得ることができる。
プライマー伸長反応では、一本鎖DNAに対しプライマー(P)を相補結合させ、このプライマーの3’末端を起点としてDNA鎖を伸長させることで、一本鎖DNAの相補鎖DNAを合成する。具体的には、固定化一本鎖DNAライブラリ(L0)を、プライマー(P)、DNAポリメラーゼ及び基質デオキシリボヌクレオチドを含む緩衝液と接触させ、所定の反応条件下で伸長反応を進行させればよい。反応条件としては当業者が適宜決定することができるが、例えば、50〜60℃、10秒〜30秒間の条件でプライマー(P)を一本鎖DNAに相補結合させ、DNAポリメラーゼの至適温度(例えば、68〜72℃)、20秒〜1分間の条件で、相補鎖DNAを伸長させることができる。これによって、固相担体上に捕捉用タグ(Pt)が付加されたタグ付鋳型二本鎖DNAのクローンが多数固定化された固定化鋳型二重鎖DNAライブラリ(LA)を得る。
[1−1−3.工程(A11)]
固定化鋳型二重鎖DNAライブラリ(LA)を調製する工程(A)は、上述の工程(A1)及び工程(A2)によって行う他、以下の工程(A11)によっても行うことができる。図4に、工程(A11)の一例を模式的に示す。
工程(A11)は、PCRプライマーの代わりに、捕捉タグ(Pt)を有するプライマー(P)を用いることを除いて、上述の(A1)工程で行われる単分子PCRと同様に行うことができる。つまり、工程(A11)では、上述の一本鎖DNA、その相補鎖DNA、又は、それら一本鎖DNAと相補鎖DNAとで構成される二本鎖DNAを、固相担体の存在下で、プライマー(P)を用いた単分子PCRに供する。これによって、図5で示したようなPCR伸長とPCR増幅とが行われ、固定化鋳型二重鎖DNAライブラリ(LA)が得られる。単分子PCRにおいて捕捉タグ(Pt)が直接ライブラリに導入されるため、簡略化された工程で固定化鋳型二重鎖DNAライブラリ(LA)を調製することができる。
[1−2.工程(B)]
工程(B)では、上述の固定化鋳型二重鎖DNAライブラリ(LA)を転写反応に供し、固定化RNA/DNA複合体ライブラリ(LB)を調製する。図1に示すように、固定化RNA/DNA複合体ライブラリ(LB)は、上述の固定化鋳型二重鎖DNAライブラリ(LA)において、補足用タグ(Pt)を介してRNAアプタマー候補が結合した態様で調製される。
具体的には、図6に示すように、固定化鋳型二重鎖DNAライブラリ(LA)を転写反応に供すると、RNAポリメラーゼがタグ付鋳型二本鎖DNAのプロモータ領域に特異的に結合し、タグ付鋳型二本鎖DNAを鋳型としてRNA鎖が合成され、RNAアプタマー候補が得られる。
具体的には、固定化鋳型二重鎖DNAライブラリ(LA)を、RNAポリメラーゼ及び基質リボヌクレオチドを含む緩衝液と接触させ、所定の反応条件下で転写反応を進行させればよい。
RNAポリメラーゼとしては、タグ付鋳型二本鎖DNAにおけるプロモータ領域に対応するものである限り特に限定されない。例えば、バクテリオファージ由来のRNAポリメラーゼが挙げられ、より具体的には、T7 RNAポリメラーゼ、T3 RNAポリメラーゼ、K11 RNAポリメラーゼ、及びSP6 RNAポリメラーゼが挙げられる。転写安定性等の観点から、好ましくはT7 RNAポリメラーゼが挙げられる。さらに、RNAポリメラーゼとしては、野生型に限定されるものではなく、本発明で用いられる基質リボヌクレオチドに対する基質特異性を有しているものであれば、遺伝子工学的に変異を導入したものであってもよい。
基質リボヌクレオチドとしては、天然物及び合成物を問わない。基質リボヌクレオチドの合成物としては、2’−修飾リボヌクレオチド(リボースの2’位に修飾基を有するリボヌクレオシドの5’−リン酸エステル)が挙げられ、具体的には、2’−ハロゲン化リボヌクレオチド及び2’−アルコキシリボヌクレオチド(2’−アルコキシ基の炭素数としては、たとえば1〜3、好ましくは1及び2、より好ましくは1)からなる群から1種または複数種が選択されうる。これら合成物としては、例えば、化学的安定性(生分解耐性)、細胞膜透過性、分子認識性の向上などの目的で核酸医薬の用途において有効とされているものを当業者が適宜選択することができる。
基質リボヌクレオチドの合成物における核酸塩基は、鋳型DNAに相補的となるものであればよい。具体的には、アデニン、グアニン、ウラシル、シトシンから選択される1種または複数種が用いられる。基質リボヌクレオチドの合成物は、例えば基質リボヌクレオチドの天然物に適宜混合されて用いることができる。
緩衝液としては、適当な緩衝成分およびマグネシウム塩等を水中に含む溶液が挙げられる。緩衝成分としては、トリス酢酸、トリス塩酸、リン酸ナトリウム、及びリン酸カルシウム等のリン酸塩等が挙げられる。緩衝成分の最終濃度としては5mM〜100mM、pHとしてはpH6.0〜9.5、より好ましくはpH7.0〜8.0が挙げられる。また、マグネシウム塩としては塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム等が挙げられる。更に、必要に応じて、塩化カリウム、グルタミン酸カリウム等のカリウム塩、DMSO、ベタイン、ゼラチン、Triton等の界面活性剤等が含まれていてよい。
なお、同じ鋳型を用いても、転写反応の溶液条件によっては異なるRNAアプタマー候補が得られることがあるため、緩衝液中には、上述の成分の他にも、転写反応の溶液条件に実質的な影響を与える添加物をさらに含有させてもよい。このような添加物としては、例えば、エチレングリコール、ポリアルキレングリコール、デキストリン(Ficol)、並びに、RNA結合性を有するタンパク質、脂質、糖鎖、その他低分子化合物等の生体分子などが挙げられる。これらの添加物のうち、エチレングリコールは、核酸分子の標準的な構造である二本鎖構造を不安定化させる一方で、フーグスティーン型塩基対等を含む非標準的な構造を安定化させる作用が知られており、そのような構造の安定化及び不安定化に伴い、得られるRNAアプタマーの標的物質への結合性が変わりうることが考えられる。したがって、エチレングリコールは、転写反応液への添加の有無でRNAアプタマー候補の標的物質への結合性の違いを調べるために用いることができる。
転写反応の条件としては特に限定されず、RNAポリメラーゼの至適温度、ライブラリのスケール等に応じて当業者が適宜決定することができる。例えば、10〜45℃、好ましくは20〜37℃で、10分〜12時間、好ましくは10分〜30分の条件で、RNA鎖を合成することができる。
転写反応によって、タグ付鋳型二本鎖DNAにおける捕捉用配列X’及びアプタマー候補の鋳型配列が転写されるため、転写産物であるRNAアプタマー候補は、補足用配列の相補配列Xが付加された態様で得られる。さらに、合成されたRNAアプタマー候補分子は、捕捉用配列の相補配列Xが、近接する補足用タグ(Pt)の捕捉用配列X’に相補的に結合してRNA/DNA塩基対(X/X’)を形成することによって固定される。
つまり、合成されたRNAアプタマー候補分子は、その鋳型配列を提示したタグ付鋳型二本鎖DNAが固定化されている微小担体の表面と同一の表面上で固定化される。これは、タグ付鋳型二本鎖DNAの多数のクローンが微小担体の表面に固定化されているため、当該タグ付鋳型二本鎖DNAから転写されたRNAアプタマー候補分子が転写反応系中へ遊離するより前に、近傍に存在する多数の捕捉用タグ(Pt)に極めて高い確率で捕捉されることによる。捕捉用タグ(Pt)においてリンカーが捕捉用配列X’を揺動可能にしていることも、RNAアプタマー候補分子が極めて高い確率で捕捉されることに寄与している。同一微粒子表面上で転写されたRNAアプタマー候補分子が速やかに同一微粒子表面上で固定されるため、異なるクローン間つまり異なる微小担体の表面間でRNAアプタマー候補分子が交換されることを抑制できる。これによって、固相担体上にRNAアプタマー候補分子のRNA/DNA複合体のクローンが多数固定化された固定化RNA/DNA複合体ライブラリ(LB)が調製される。
すなわち、固定化RNA/DNA複合体ライブラリ(LB)は、図6に示されるように、一方端から他方端へ向かって、プロモータ配列の相補配列、捕捉用配列X’、及びRNAアプタマー候補の鋳型配列を含むDNA鎖と、その相補鎖DNAと、を含み、且つ、相補鎖DNAの一方端に結合した、リンカー配列及び相補用配列X’を含む捕捉用タグ(Pt)と、捕捉用タグ(Pt)に相補結合したRNAアプタマー候補と、を含むRNA/DNA複合体のクローンが、タグ付鋳型二本鎖DNAの他方端で固相担体(図6では図示省略。図1参照。)に固定されている。そして、RNAアプタマー候補の配列に応じてRNA/DNA複合体のクローンを複数種含んでおり、RNA/DNA複合体は、クローンごとに微粒子担体の個々の表面に固定化されている。
[1−3.工程(C)]
工程(C)では、上述の固定化RNA/DNA複合体ライブラリ(LB)を標的物質と接触させる。図1に示すように、上述の固定化RNA/DNA複合体ライブラリ(LB)に含まれる複数種のRNAアプタマー候補のクローンのうち、特定のクローンに標的物質が特異的に結合する。さらに、標的物質と結合した前記RNAアプタマー候補を有するRNA/DNA複合体のクローンが固定化された微小表面を選別することで、RNAアプタマー候補を絞り込むことができる。微小表面の選別は、固相担体が微粒子担体である場合は、標的物質と結合したクローンが固定化された微粒子担体の分取を行い、固相担体が基板担体である場合は、標的物質と結合したクローンが固定化された微小領域の特定を行う。
標的物質としては特に限定されず、RNAアプタマーの用途において標的となる物質が任意に選択される。例えば、構造上の観点からは、糖類、脂質類、オリゴペプチド、タンパク質、核酸等が挙げられる。また、機能上の観点からは、抗原、抗体、リガンド、レセプター、バイオマーカー等が挙げられる。
固定化RNA/DNA複合体ライブラリ(LB)を標的物質と接触させる条件としては、RNAアプタマー候補と標的物質との間の検出すべき特異的結合性に障害を及ぼさない条件が適宜選択されうる。具体的には、標的物質を含む試験液のpH、並びに、溶質及び/又は共存成分の含有量等を考慮して、当該条件を選択することができる。当該条件としては、RNAアプタマーの実際の適用環境と同様の条件(pH、並びに、溶質及び/又は共存成分の含有量等を)を選択することが、スクリーニングの信頼性の点で好ましい。
標的物質には、検出を容易とするため、シグナル基を有していることが好ましい。シグナル基としては、たとえば、蛍光物質、放射性元素含有物質、磁性物質等に由来する基が挙げられる。検出容易性等の観点から、上述のシグナル物質としては蛍光物質であることが好ましい。蛍光物質としては、フルオレセイン系色素、インドシアニン色素などのシアニン系色素、ローダミン系色素などの蛍光色素;GFPなどの蛍光タンパク質;金コロイド、量子ドットなどのナノ粒子などが挙げられる。上述の放射性元素含有物質としては、18Fなどの放射性同位体でラベルした、糖、アミノ酸、核酸などが挙げられる。上述の磁性物質としては、フェリクロームなどの磁性体、フェライトナノ粒子、ナノ磁性粒子などが挙げられる。
本発明においては、固相担体の微小表面それぞれにRNAアプタマー候補のクローンが多数固定化されているため、標的物質も当該微小表面に多数結合させることができる。したがって、標的物質がシグナル基を有している場合、特異的結合に伴うシグナル変化が大きいため検出が容易であり、選別の効率が良好となる。
固相担体が微粒子担体である場合、標的物質が特異的に結合したRNAアプタマー候補の選別においては、セルソータを用いた分取を行うことができる。具体的には、標的物質に接触させた固定化RNA/DNA複合体ライブラリ(LB)を含む液を流し、レーザー光の焦点を通過させ、個々の微粒子担体に固定化されたRNAアプタマー候補に特異的結合した標的物質が発するシグナルを測定することによって、特異的結合した標的物質を定量的に検出することができる。好ましくは、蛍光活性化セルソーティング(fluorescence activated cell sorting;FACS)法に基づいた分取系を用いることができる。シグナル強度が最も強い画分を指定して分取することで、RNAアプタマー候補を分取することができる。セルソータを用いることによって、特定の画分を任意に指定することができるだけでなく、(C)工程に供したRNAアプタマー候補全体に対する分取した画分の割合も明らかにすることができる。つまり、1回の(C)工程においてどの程度のスクリーニング効率で絞り込めたかについても明らかにすることができる。
分取された微粒子担体は、そのままで、又は固定された鋳型DNA又はRNAアプタマー候補を遊離させて回収することで、DNA又はRNAの配列解析を行うことができる。DNAを配列解析する場合は、微粒子担体に固定化されたDNAの配列を直接解析するか、又は固定化されたDNAをPCRにより増幅した後に配列解析を行うことができる。RNAを配列解析する場合は、ヌクレオチド塩基の種別を見分けてRNAを分解するRNA分解酵素、天然のデオキシヌクレオチドと共に2’‐3’‐ジデオキシヌクレオチドを基質として供した逆転写反応の停止、逆転写後のPCRによる増幅等を利用して配列解析を行うことができる。得られた配列から、RNAアプタマーとして機能する配列を選出することができる。
固相担体が基板担体である場合、標的物質が特異的に結合したRNAアプタマー候補の選別においては、イメージングスキャナー、アレイスキャナー、あるいは顕微鏡等を用いた微小領域の特定を行うことができる。具体的には、固定化RNA/DNA複合体ライブラリ(LB)を含む基板状担体を標的物質と接触させた後、必要に応じて洗浄操作を行い、その後、特定の微小領域に固定化されたRNAアプタマー候補に特異的結合した標的物質が発するシグナルをイメージングすることができる。これによって、標的物質と結合したRNAアプタマー候補を有するRNA/DNA複合体のクローンが固定化された微小領域を特定することができる。特定された微小領域におけるRNA/DNA複合体は、予め、RNA/DNA複合体が、光開裂性基を介して基板状担体へ固定化されている場合は、特定された微小領域に光を照射して光開裂性基を開裂させることで、特定した微小領域からRNA/DNA複合体を遊離し、回収することができる。
本発明によると、RNAアプタマー候補のスクリーニング効率を飛躍的に向上させることができる。同じライブラリからのスクリーニングであっても、(B)工程の転写反応における条件(たとえば溶液条件等)や、(C)工程の標的物質との接触における条件(例えば標的物質の種類及び溶液条件等)が異なれば、絞り込まれるRNAアプタマー候補が変わりうるものの、(B)工程の転写反応における一の条件及び(C)工程の標的物質との接触における一の条件あたりでは、非常に少ないスクリーニング回数((A)工程から(C)工程を行う回数)で効率よくRNAアプタマー候補を絞り込むことができる。ライブラリにおける配列の種類が例えば10万種類以下、好ましくは5万種類以下、より好ましくは3万種類以下である場合は、スクリーニング回数は1回でもよい。したがって、一のライブラリからRNAアプタマー候補を絞り込むために、同じ条件でのスクリーニングを多数繰り返す必要がない。
また、本発明によると、2種類のアプタマーが組合せられた機能性アプタマーであって、一方のアプタマーの結合部位における標的分子との結合が、他方のアプタマーの結合部位における標的分子との結合に影響するアロステリックな効果を有する機能性アプタマーを獲得すること;イオン濃度、pH、共存溶質の有無など、溶液中の分子環境に応答して標的分子との結合強度を変化させる機能性アプタマーを獲得すること;RNAアプタマー候補の特定塩基と標的分子の認識に対する寄与との関連を網羅的に解析すること;非天然塩基構造を有する人工RNAアプタマーの創出;タンパク質や代謝産物とRNAとの相互作用に対する特定のRNA塩基の寄与を網羅的に解析すること;細胞内在性の塩基配列から、標的分子(タンパク質など)に相互作用するRNA配列を取得すること、等が可能となる。
[2.RNAアプタマーのスクリーニングキット]
本発明のRNAアプタマーのスクリーニングキットは、上述のRNAアプタマーのスクリーニング方法を実施するためのキットである。したがって、本発明のRNAアプタマーのスクリーニングキットに含まれる、又は含まれてよいアイテムの構成、使用方法、作用、機能、その他の事項については、上述の「1.RNAアプタマーのスクリーニング方法」で記載した通りである。
図7に示すように、本発明のRNAアプタマーのスクリーニングキットは、アイテムとして、プライマー(P)と鋳型DNA断片とを含む。鋳型DNA断片としては、上述の一本鎖DNA(つまり、RNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列の相補配列と、捕捉用配列X’とを含む一本鎖DNA)であってもよいし、当該一本鎖DNAの相補鎖DNA(一本鎖)であってもよいし、それら一本鎖DNA及び相補鎖DNAで構成される二本鎖DNAであってもよい。鋳型DNA断片は、プロモータ配列の相補配列及び捕捉用配列が、プライマー(P)の配列に対応するようにあらかじめ設計されている一方、ユーザが設計したRNAアプタマー候補に応じたカスタマイズが可能である。ユーザは、任意のRNAアプタマー候補を複数種設計し、適当な固相担体及び単分子PCR法に必要な試薬等を用意することで、設計したRNAアプタマー候補の鋳型配列を有するDNAが一本鎖DNA断片の5’末端に結合した固定化一本鎖DNAライブラリ(L0)を構築することができる。
ユーザのカスタマイズにより構築される固定化一本鎖DNAライブラリ(L0)は、プライマー(P)を用い、上述の「1.RNAアプタマーのスクリーニング方法」で述べた工程を経ることで、効率よくRNAアプタマー候補を絞り込むことができる。
なお、本発明のRNAアプタマーのスクリーニングキットにおいては、他のアイテムとして、本発明のRNAアプタマーのスクリーニング方法を実施するためのいかなる材料、試薬等を含んでもよい。他のアイテムとしては、例えば、固相担体;単分子PCR用の、プライマー、緩衝液、DNAポリメラーゼ、基質デオキシリボヌクレオチド;プライマー伸長反応用の、緩衝液、DNAポリメラーゼ、基質デオキシリボヌクレオチド;転写反応用の、緩衝液、RNAポリメラーゼ、基質リボヌクレオチド、エチレングリコール;標的物質、標的物質にシグナル基(一例として蛍光基)を付与するためのシグナル試薬(一例として蛍光試薬)等が挙げられる。これらの他のアイテムは、単独または2以上の組み合わせでキットに含まれてよい。
本発明のRNAアプタマーのスクリーニングキットに含まれる各アイテムは、それぞれの物性等に応じ、活性及び/又は保存性等を考慮し、液状態様、粉末態様、凍結態様等の態様で提供される。さらに、それぞれのアイテムは、それぞれの物性等に応じ、活性及び/又は保存性等を考慮し、適宜、遮光、脱気、密封処理等が施された態様で包装されていてよい。
RNAアプタマーのスクリーニングキットには、上記のRNAアプタマーのスクリーニング方法の内容を示すプロトコル情報をさらに含んでよい。当該情報は、プロトコルを掲載した印刷物であってもよいし、プロトコルがインターネット等で閲覧または取得可能となるように、ウェブ上の閲覧または取得場所についての情報を掲載した印刷物であってもよい。
[3.RNAアプタマーのスクリーニング用ライブラリ]
本発明のRNAアプタマーのスクリーニング用ライブラリは、上述のRNAアプタマーのスクリーニング方法に有用なライブラリである。具体的には、上述の「1.RNAアプタマーのスクリーニング方法」の工程(B)に供される固定化鋳型二重鎖DNAライブラリ(LA)、及び、工程(C)に供される固定化RNA/DNA複合体ライブラリ(LB)が挙げられる。それぞれのイブラリの構成、使用方法、作用、機能、その他の事項については、上述の「1.RNAアプタマーのスクリーニング方法」で記載した通りである。
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
[概要]
蛍光分子である3’5’−ジフルオロ−4−ヒドロキシベンジリデンイミダゾリノン(DFHBI)、およびその誘導体(DFHBI−1T)に結合するRNAアプタマー(Spinach RNA)を利用し、Spinach RNAにおいて、結晶構造解析から明らかになっているDFHBIの結合領域周辺の塩基を変異させたライブラリを構築し、配列最適化を試みた。ライブラリは、配列の1塩基に変異を導入しバリエーション展開したもの(実施例1)及び7塩基に変異を導入しバリエーション展開したもの(実施例2、実施例3)とを構築した。配列にバリエーションを含む鋳型二重鎖DNA断片を作製し、エマルジョンPCRにより微小担体に固定化して固定化一本鎖DNAライブラリ(L0)を作製した(工程(A1))後に、一本鎖となっているDNAから二本鎖の鋳型DNAを合成して固定化鋳型二重鎖DNAライブラリ(LA)を作製した(工程(A))。
その後、DFHBI−1Tを含む転写溶液を、固定化鋳型二重鎖DNAライブラリ(LA)に添加し、転写反応をさせつつ変異を含むSpinach RNAを微小担体に固定化して固定化RNA/DNA複合体ライブラリ(LB)を得た(工程(B))。転写反応を停止させ、微小担体を含む反応溶液をセルソータで解析しつつ、DFHBI−1Tの蛍光シグナルを示す微小担体を選別(ソーティング)することで回収した(工程(C))。回収した微小担体の数が多い場合は、微小担体を再度精製した後に、微小担体に固定化されている鋳型DNAの配列を次世代型配列解析装置で直接解析した。回収した微小担体が少数であった場合は、回収したDNAを一度PCRで増幅し、次世代型配列解析装置の常法に従いどのような配列が回収されているのかを解析した。
[実施例1:DFHBI−1Tと相互作用する部位への一塩基変異導入体からのアプタマー候補のスクリーニングと直接配列解析]
本実施例で設計した鋳型二重鎖DNA断片の作成方法、及び固定化一本鎖DNAライブラリ(L0)から固定化鋳型二重鎖DNAライブラリ(LA)を調製する工程(工程(A))において使用したプライマー(P)の配列を図8に示す。図8では、エマルジョンPCRに必要な塩基配列領域を破線(塩基の表記は省略)で記し、プロモーター配列、捕捉用配列X’、バリエーションを展開したSpinach RNAの具体的な塩基配列(斜字体で表記)をそれぞれ記す。鋳型二重鎖DNA断片は、化学合成で作製した部分的に相補配列を有する2本のDNAを用いて、互いにDNAを伸長させる反応(プライマー伸長反応)を行う事で作製した。プライマー伸長反応では、DNAを伸長させる酵素としてTOYOBO社のKOD−Plus−Ver.2を用いた。
本実施例では、Spinach RNAの結晶構造解析から明らかにされている、DFHBIと直接的に相互作用する塩基1箇所をランダムに変異させた鋳型二重鎖DNA断片を設計した。この場合、図8中Nで表した箇所においてA、C、G、Tの4種類の配列バリエーションが存在する。作製した鋳型二重鎖DNAを基に上述のエマルジョンPCRの操作を行い、一本鎖DNAが固定化された微小担体(固定化一本鎖DNAライブラリ(L0))を作製した(工程(A1))。エマルジョンPCRおよびその後の微小担体の精製と一本鎖化には、Thermo Fisher Scientific社のIon OneTouchTM 2 SystemおよびIon PGMTM Hi−QTMView OT2 Kitを使用した。精製された固定化一本鎖DNAライブラリ(L0)にプライマー(P)と共にDNAポリメラーゼを加えてプライマー伸長反応を行い、固定化鋳型二重鎖DNAライブラリ(LA)を作製した(工程(A))。工程(A)におけるプライマー伸長反応では、プライマー(P)82.5pmolと固定化一本鎖DNAライブラリ(L0)100万〜300万個を混合し、TOYOBO社のKOD−Plus−Ver.2を用いて56℃で30秒間の伸長反応を1サイクルのみ行った。
その後、固定化鋳型二重鎖DNAライブラリ(LA)を遠心分離により精製し、転写反応溶液(40mMトリス塩酸(pH8)、30mML−グルタミン酸カリウム、8mM塩化マグネシウム、5mMDTT、2mMスペルミジン、0.01%Tween20)とRNAポリメラーゼを加えることでRNAを転写し、転写されたRNAが固定化された微小担体(固定化RNA/DNA複合体ライブラリ(LB))を作製した(工程(B))。工程(B)では、TAKARA社のT7 RNAポリメラーゼを用い、一般的な転写反応条件よりも低い濃度の基質リボヌクレオチド(40μM)を添加して転写反応を行い、転写反応溶液にはDFHBI−1T(5μM)を含ませた。25℃で10分転写反応を行い、競合DNA(T7プロモーター配列を有する二重鎖DNA)を添加して転写反応を停止させた後に、セルソータ(BD Biosciences社製BD FACSAriaTM II)により蛍光シグナルの解析とRNA/DNA複合体ライブラリ(LB)の分取を行った(工程(C))。
工程(C)で、セルソータにより、488 nmの励起レーザー、515−545 nmのバンドパスフィルターで微小担体が示す蛍光シグナルを解析したところ、蛍光シグナルの強度が異なる複数のピークが確認された(図9(a1))。蛍光強度が最も強いピーク領域(P3領域(存在比10%程度))、及びP3領域の1/10程度の蛍光強度を示すピーク領域(P4領域(存在比30%程度))を指定し、それぞれ約30万個程度の微小担体を分取した。得られた微小担体を、プライマー(P)に修飾されているビオチンを利用し、Thermo Fisher Scientific社のIon OneTouchTM ESを用いて再精製し、分取操作を行う前の微小担体と共に、次世代型のDNA配列解析装置(Ion PGMTM System: Thermo Fisher Scientific)を用いて直接配列解析した。
P3領域、P4領域から分取した微小担体に固定化されている配列をそれぞれ約1万〜2.5万配列解析した結果、分取前の微小担体では、図8中Nで表した箇所においてA、C、G、T(U)を有する配列の割合が、A:C:G:T(U)=36.57:26.68:16.14:20.62であった(図9(a2))のに対し、P3領域に存在していた微小担体の当該配列の割合は、A:C:G:T(U)=0.10:0.09:99.63:0.18(図9(b2))であり、P4領域に存在していた微小担体の当該配列の割合は、A:C:G:T(U)=96.62:1.74:0.12:1.52(図9(b1))であった。オリジナルのSpinach RNAにおける変異部位の配列はGであり、蛍光シグナル強度が強かったP3領域では、元々のSpinach RNAと同じGの配列が99.63%にまで濃縮された。また、弱い蛍光シグナルを示したP4領域においては、Aの配列が96.62%にまで濃縮されており、配列の違いによる蛍光シグナル強度の変化を基に明確にRNAアプタマーの選別を行う事ができた。
[実施例2:7塩基の変異を有する配列バリエーションからのアプタマー候補のスクリーニングと配列解析]
本実施例で設計した鋳型二重鎖DNA断片の作成方法、及び固定化一本鎖DNAライブラリ(L0)から固定化鋳型二重鎖DNAライブラリ(LA)を調製する工程(工程(A))において使用したプライマー(P)の配列を図10に示す。図10では、エマルジョンPCRに必要な塩基配列領域を破線(塩基の表記は省略)で記し、プロモーター配列、捕捉用配列X’、バリエーションを展開したSpinach RNAの配列(斜字体で表記)をそれぞれ記す。鋳型二重鎖DNA断片は、実施例1と同様にプライマー伸長反応を行う事で作製した。
Spinach RNAにおけるDFHBIが結合する領域周辺の7箇所(7塩基)にランダムな変異を導入した鋳型二重鎖DNA断片を設計した。この場合、図10中Nで表した箇所において47=16,384種類の配列バリエーションが存在する。実施例1と同様にして、転写されたRNAが固定化された微小担体(固定化RNA/DNA複合体ライブラリ(LB))を作製し、セルソータによる解析を行った。その結果、ほとんどの担体は蛍光シグナルを示さなかった(図11(a))ものの、全体の0.01%を下回る程度の極少数の担体、具体的には45,861個の担体を解析したうちの3個の担体が、実施例1で確認されたのと同程度の強い蛍光シグナルを示した(図11(b)のP5で示した領域)。
百万個以上の微小担体をセルソーターに流し、そのうちP5領域に含まれる62個の微小担体を回収した。得られた微小担体に熱(95℃、15分間)をかけることでDNAを溶出し、PCRで増幅させた後に、再度次世代型のDNA配列解析装置を用いて配列解析を行った。その結果、元々のSpinach RNAと同じ配列を含む配列番号1(No.1)〜配列番号8(No.8)の8種類の配列が濃縮されてきていることが確認された(図12(a))。8種類の配列のうち、配列番号8以外の7種類の配列では、変異を導入した7箇所のうち4箇所の配列が全く同じ配列であった(図12(b)の一重下線を付した配列)。また、残り3箇所の変異箇所のうち、元々のSpinach RNAが塩基対を形成している領域に変異を加えた2箇所では、G−Cの塩基対、もしくはA−Tの塩基対を組むように配列が保存されていた(図12(b)の二重下線を付した配列)。
濃縮されてきた8種類のRNAアプタマー候補を生体外で転写してDFHBI−1Tとの結合を確認した。反応溶液(40mMトリス塩酸(pH8)、30mML−グルタミン酸カリウム、8mM塩化マグネシウム、5mMDTT、2mMスペルミジン、0.01%Tween20)中で20nMのDFHBI−1Tと4μMのRNAを混合して蛍光シグナル(励起波長470nm、蛍光波長505nm)を測定した結果、配列に共通性が見られなかった配列番号8を除く7つの配列全てで、RNAとDFHBI−1Tとの結合に伴う蛍光シグナルの上昇が確認された(図13)。微小担体の分取(選別)を行う前の固定化鋳型二重鎖DNAライブラリ(LA)の配列を解析し、選別前後における各配列の出現率を比較したところ、DHFIBI−1Tとの結合による蛍光シグナル上昇を示した上記7種類の配列については、2千倍から2万5千倍の濃縮効率を示すことが確認された(図12(b))。
[実施例3:溶液環境に応答するアプタマー候補のスクリーニング]
本発明では、鋳型二重鎖DNAライブラリ(LA)に対して異なる溶液条件で転写反応を行う、もしくは通常の転写反応で固定化RNA/DNA複合体ライブラリ(LB)を作製した後に微小担体を遠心分離しつつ溶液を交換することで、様々な溶液条件で標的分子との結合を指標にアプタマーを選別することができる。そこで、実施例2で用いた16,384種類の配列バリエーションを有する鋳型二重鎖DNAライブラリ(LA)を用いて、溶液環境の違いで異なるアプタマーが選別されてくるか否かを検討した。具体的には、鋳型二重鎖DNAライブラリ(LA)を転写反応(工程(B))に供する際に、転写反応溶液に30wt%のエチレングリコールを添加したことを除いて、実施例2と同様の工程(C)を行った。
エチレングリコールが多量に存在する溶液環境では、核酸分子の標準構造である二重鎖構造が不安定化する反面、フーグスティーン塩基対などを含む非標準的な構造が安定化される傾向にあることが知られている。そのため、DFHBI−1Tに対する結合親和性も各配列バリエーションによって変化すると考えられる。転写反応後の固定化RNA/DNA複合体ライブラリ(LB)を、実施例2と同様にセルソータで解析したところ、ほとんどの担体は蛍光シグナルを示さなかった(図14(a))ものの、全体の0.01%を下回る程度の極少数の担体、具体的には45,832個の担体を解析したうちの4個の担体が、実施例2で確認されたのと同じP5領域に存在した(図14(b))。そのうちP5領域に含まれる75個の微小担体を回収した。
実施例2と同様に配列解析を行った結果、30wt%のエチレングリコールを添加した溶液条件でのみ選別されてきた配列が2種類(配列番号9(No.9)及び配列番号10(No.10))存在していた(図15(a))。これら2種類のRNAについて実施例2と同様に生体外でRNAを転写して精製し、30wt%のエチレングリコールの有無によるDFHBI−1Tとの結合親和性を評価した。反応溶液(40mMトリス塩酸(pH8)、30mML−グルタミン酸カリウム、8mM塩化マグネシウム、5mMDTT、2mMスペルミジン、0.01%Tween20)中で20nMのDFHBI−1Tと4μMのRNAを混合して蛍光シグナル(励起波長470nm、蛍光波長505nm)を測定した。その結果、2種類の配列どちらにおいても、30wt%のエチレングリコールの存在下で蛍光シグナルが上昇することが確認された(図15(b))。一方で、元々のSpinach RNAでは30wt%のエチレングリコール存在下で蛍光シグナルが減少した。つまり、本発明による手法を用いて、溶液環境の異なる2つの条件で選択されてきた配列を比較することで、特定の溶液環境に応答して標的分子との結合親和性を変化させるアプタマーをスクリーニング可能であることが示された。
本発明の好ましい実施形態は上記の通りであるが、本発明はそれらのみに限定されるものではなく、本発明の趣旨から逸脱することのない様々な実施形態が他になされる。
配列番号1〜10は、RNAアプタマー候補の配列に対応するDNA配列である。

Claims (15)

  1. 下記(A)工程から(C)工程を含む、RNAアプタマーのスクリーニング方法:
    (A)RNAアプタマー候補の鋳型配列を含むタグ付鋳型二本鎖DNAのクローンを、前記RNAアプタマー候補の鋳型配列に応じて複数種含む固定化鋳型二重鎖DNAライブラリであって;前記タグ付鋳型二本鎖DNAが、一方端から他方端へ向かって、RNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列の相補配列、捕捉用配列、及び前記RNAアプタマー候補の鋳型配列を含む一本鎖DNAと、その相補鎖DNAとで構成される二本鎖DNAと、前記相補鎖DNAの前記一方端に結合した、リンカー及び前記捕捉用配列を含む捕捉用タグ(Pt)とを含み、前記他方端で固相担体に固定されており;且つ、前記タグ付鋳型二本鎖DNAのクローンごとに前記固相担体の特定の微小表面に固定化されている、固定化鋳型二重鎖DNAライブラリ(LA)を準備する工程と、
    (B)前記鋳型二重鎖DNAライブラリ(LA)を転写反応に供し、前記捕捉用配列の相補配列が付加された前記RNAアプタマー候補を合成するとともに前記RNAアプタマー候補を前記捕捉用タグ(Pt)に捕捉させることによって、固定化RNA/DNA複合体ライブラリ(LB)を調製する工程と、
    (C)前記固定化RNA/DNA複合体ライブラリ(LB)を標的物質と接触させ、前記標的物質と結合した前記RNAアプタマー候補を有するRNA/DNA複合体のクローンが固定化された前記微小表面を選別する工程。
  2. 前記(A)工程が、以下の工程を含む、請求項1に記載の方法:
    (A1)前記一本鎖DNAのクローンを、前記RNAアプタマー候補の鋳型配列に応じて複数種含むDNAライブラリであって、前記一本鎖DNAのクローンごとに前記固相担体の特定の微小表面に固定化されている固定化一本鎖DNAライブラリ(L0)を準備する工程、及び
    (A2)前記固定化一本鎖DNAライブラリ(L0)を、前記捕捉用配列及びリンカーを有する捕捉用タグ(Pt)と前記プロモータ配列とを含むプライマー(P)を用いたプライマー伸長反応に供し、前記固定化鋳型二重鎖DNAライブラリ(LA)を得る工程。
  3. 前記(A1)工程において、前記一本鎖DNA、その相補鎖DNA、又は、前記一本鎖DNAと前記相補鎖DNAとで構成される二本鎖DNAを、前記固相担体の存在下で、プライマーを用いた単分子PCRに供することによって、前記固定化一本鎖DNAライブラリ(L0)を得る、請求項2に記載の方法。
  4. 前記(A)工程が、以下の工程を含む、請求項1に記載の方法:
    (A11)前記一本鎖DNA、その相補鎖DNA、又は、前記一本鎖DNAと前記相補鎖DNAとで構成される二本鎖DNAを、前記固相担体の存在下で、前記捕捉用配列及びリンカーを有する捕捉用タグ(Pt)と前記プロモータ配列とを含むプライマー(P)を用いた単分子PCRに供し、前記固定化鋳型二重鎖DNAライブラリ(LA)を得る工程。
  5. 前記固相担体が微粒子担体であり、前記微小表面が前記微粒子担体の表面であり、且つ、前記(C)工程において、前記標的物質と結合した前記RNAアプタマー候補を有するRNA/DNA複合体のクローンが固定化された微粒子担体の分取を行う、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記(C)工程における分取をセルソータによって行う、請求項5に記載の方法。
  7. 前記固相担体が基板担体であり、前記微小表面が前記基板担体の表面上の特定の微小領域であり、且つ、前記(C)工程において、前記標的物質と結合した前記RNAアプタマー候補を有するRNA/DNA複合体のクローンが固定化された微小領域の特定を行う、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記(B)工程の転写反応における一の条件及び前記(C)工程の標的物質との接触における一の条件あたり、前記(A)工程から前記(C)工程を1回のみ行う、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記プロモータ配列がT7プロモータ配列である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記リンカーがポリアルキレングリコール鎖である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. RNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列の相補配列と、捕捉用配列とを含む前記一本鎖DNA、その相補鎖DNA、又は、前記一本鎖DNAと前記相補鎖DNAとで構成される二本鎖DNAと、
    前記捕捉用配列及びリンカーを有する捕捉用タグ(Pt)と、前記プロモータ配列を含むプライマー(P)と、
    を含む、RNAアプタマーのスクリーニングキット。
  12. RNAアプタマー候補の鋳型配列を含むタグ付鋳型二本鎖DNAのクローンを、前記RNAアプタマー候補の鋳型配列に応じて複数種含むライブラリであって、
    前記タグ付鋳型二本鎖DNAが、一方端から他方端へ向かって、RNAポリメラーゼ活性を有する酵素のプロモータ配列の相補配列、捕捉用配列、及びRNAアプタマー候補の鋳型配列を含む一本鎖DNAと、その相補鎖DNAとで構成される二本鎖DNAと、前記相補鎖の前記一方端に結合した、リンカー及び前記捕捉用配列を含む捕捉用タグ(Pt)を含み、前記他方端で固相担体に固定されており、且つ、
    前記タグ付鋳型二本鎖DNAのクローンごとに前記固相担体の特定の微小表面に固定化されている、RNAアプタマーのスクリーニング用ライブラリ。
  13. 前記タグ付鋳型二本鎖DNAから転写された、前記捕捉用配列の相補配列が付加された前記RNAアプタマー候補が、前記捕捉用タグ(Pt)に相補結合することでRNA/DNA複合体を構成している、請求項12に記載のRNAアプタマーのスクリーニング用ライブラリ。
  14. 前記固相担体が微粒子担体であり、前記微小表面が前記微粒子担体の表面である、請求項12又は13に記載のRNAアプタマーのスクリーニング用ライブラリ。
  15. 前記固相担体が基板担体であり、前記微小表面が前記基板担体の表面上の特定の微小領域である、請求項12又は13に記載のRNAアプタマーのスクリーニング用ライブラリ。
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