JP2019145896A - 音叉型圧電振動片および当該音叉型圧電振動片を用いた音叉型圧電振動子 - Google Patents

音叉型圧電振動片および当該音叉型圧電振動片を用いた音叉型圧電振動子 Download PDF

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Abstract

【課題】 音叉型圧電振動片が超小型になっても振動椀の剛性を高め、良好な特性を有する音叉型圧電振動片および当該音叉型圧電振動片を用いた音叉型圧電振動子を提供する。【解決手段】 音叉型圧電振動片2は、基部20、上記基部から突出し励振電極25,26が形成された振動腕21,22、上記振動腕の主面に形成された長溝G1〜G4、を備えている。長溝は、上記振動腕の突出する方向に沿った長手方向と、上記振動腕の突出する方向に直交する方向に沿った幅方向を具備している。長溝の内部には、上記励振電極の一部が形成され、かつ上記長手方向と幅方向のいずれにも平行に形成されていない架橋部が形成されている。【選択図】 図2

Description

本発明は音叉形状からなる圧電振動片と、当該圧電振動片を用いた音叉型圧電振動子に関する。
音叉型圧電振動子等の圧電振動子は基準クロック源として様々な電子機器に用いられている。例えば、表面実装型の音叉型圧電振動子は、基部と当該基部の一端側から同一方向に突出する一対の振動腕を備え、当該一対の振動腕には振動腕を駆動させるための励振電極等が形成された音叉型圧電振動片が絶縁性容器の凹部に収容される。そして、音叉型圧電振動片の基部の他端側が前記容器の凹部の内底面に形成された電極パッド上に、導電性の接合材を介して導電接合され、前記容器の凹部の開口端に平板状の蓋が接合された構成となっている(特許文献1)。
近年、通信機器の高性能化や小型化に伴い、音叉型圧電振動片も更なる小型化と特性面の高品質化が求められている。これに対して、音叉型圧電振動片の小型化に伴うCIの増加を抑制するために、振動腕の主面に溝を形成し、当該溝の内部に励振電極を形成することで電界効率を高めることが必要不可欠な構成となっている(特許文献2)。そして、音叉型圧電振動片の小型化が進むほど振動椀の主面に対する溝の幅の比率を増し、その深さを増す傾向にある。
また、音叉型圧電振動片が小型化されると、その小型化に応じて音叉型圧電振動片の振動椀も小さくなり、特に振動椀の長さが比較的短くなることで、基準クロック源として比較的低周波用途(特に、時計等のクロック源として利用される32.768KHz等)に対応することが難しくなっている。これに対して、音叉型圧電振動片の各振動椀には、前記励振電極を有する振動部とは別に、当該振動部の先端で、かつ振動部よりも幅広の錘部を構成することが必要となることがある(特許文献3)。
WO2014/208251号
このように、音叉型圧電振動片も更なる小型化に伴って、振動椀の端部と溝との間に形成された土手幅が従来と比較して細くなり、振動椀の剛性が低下する。特に、錘部を有する音叉型圧電振動片では、振動部と錘部との連結部で剛性が急激に変化するため、振動椀の強度が低下して振動腕折れなどのリスクが高まるといった問題点があった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、音叉型圧電振動片が超小型になっても振動椀の剛性を高め、良好な特性を有する音叉型圧電振動片および当該音叉型圧電振動片を用いた音叉型圧電振動子を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために請求項1に係る発明は、基部、上記基部から突出し励振電極が形成された振動腕、上記振動腕の主面に形成された長溝、を備えており、上記長溝は、上記振動腕の突出する方向に沿った長手方向と、上記振動腕の突出する方向に直交する方向に沿った幅方向を具備しており、上記長溝の内部には、上記励振電極の一部が形成され、かつ上記長手方向と幅方向のいずれにも平行に形成されていない架橋部が形成されている。
上記発明によれば、長溝の内部には長手方向と幅方向のいずれにも平行に形成されていない斜め方向の架橋部を構成することで、架橋部が形成されていない長溝の残部の容積を全体として大きく削減することなく、振動椀の幅方向の剛性を高めることができる。
これは、長溝の内部の架橋部を長手方向に沿って構成すると、振動椀の幅方向の剛性不足となりやすく、長溝の容積を減らす構成となる。また、長溝の内部の架橋部を幅方向に沿って構成すると、振動椀が横方向に振れることで励振する音叉型圧電振動片の屈曲振動を妨げやすい構成となるだけでなく、振動椀の幅方向の剛性を高めるためには架橋部の数を増やす必要があり、長溝の容積を減らす構成となりやすい。
そこで、本発明のように、長手方向と幅方向のいずれにも平行に形成されていない斜め方向の架橋部を構成することで、音叉型圧電振動片の屈曲振動を妨げにくく、幅方向の強度をより少ない架橋部で補強することができる。斜め方向の架橋部は筋交いとしての機能が高まる。また、架橋部が形成されていない長溝残部の容積を全体として大きく削減されることもないので、長溝残部の内部に形成される励振電極の面積も大きく削減されず、音叉型圧電振動片の励振時の電界効率を低下させることがない。結果として、CIの増加を抑制して良好な特性を確保することができ、振動椀の幅方向の剛性を確実に高めることができる。
また、上述の構成に加えて、上記基部の一端側から同一方向に突出する一対の振動腕を備えており、上記一対の振動腕の各々の主面に長溝と、当該長溝の内部の架橋部とが形成されており、上記各振動椀に形成された長溝と架橋部とが、上記一対の振動腕の間にある仮想中心線に対してお互いに線対称に形成してもよい。
上記発明によれば、上述の作用効果に加えて、一対の振動腕の長溝と架橋部とが、上記一対の振動腕の間にある仮想中心線に対してお互いに線対称に形成されていることで、励振電極を介して各振動椀にかかる電界が、お互いの振動椀で均一にバランスが保たれ、不要な振動を助長することがない。
また、上述の構成に加えて、上記長溝の内部には、上記架橋部が形成されていない長溝残部が形成されており、上記長溝の長手方向の両端部の長溝残部以外の形状が2等辺三角形状、もしくは2等辺台形状に形成してもよい。
上記発明によれば、上述の作用効果に加えて、長溝の長手方向の両端部の長溝残部以外の形状が2等辺三角形状、もしくは2等辺台形状に形成することで、これらの長溝残部と接する架橋部の長さが同一寸法となり、振動椀の幅方向の剛性バランスが保たれ、かつ振動椀にかかる電界も振動椀の幅方向に均一にバランスが保たれ、不要な振動を助長することがない。
また、上述の構成に加えて、上記振動腕の突出端部には幅広の錘部を形成してもよい。
上記発明によれば、上述の作用効果に加えて、振動腕の突出端部の幅広の錘部により、音叉型圧電振動片の小型化に伴う低周波化が行え、この錘部が存在することによるさらなる剛性不足にも対応できる。結果として、振動腕折れなどのリスクがなくなる。
また、上述の音叉型圧電振動片が、容器の内部に搭載され収容されるとともに気密封止された音叉型圧電振動子に適用することができ、上述と同様の作用効果が音叉型圧電振動子として得られる。
以上のように本発明によれば、音叉型圧電振動片が超小型になっても振動椀の剛性を高め、良好な特性を有する音叉型圧電振動片および当該音叉型圧電振動片を用いた音叉型圧電振動子を提供することができる。
本発明の実施形態に係る音叉型水晶振動子の模式的な断面図である。 本発明の実施形態に係る音叉型水晶振動片の一主面側の模式的な平面図である。 図2の音叉型水晶振動片の他主面側の平面図である。 本発明の他の実施形態に係る音叉型水晶振動片の一主面側の模式的な平面図である。
以下、本発明の実施形態として、音叉型水晶振動片(音叉型圧電振動片)を用いた音叉型水晶振動子(音叉型圧電振動子)を例に挙げ、図面を参照しながら説明する。本実施形態における音叉型水晶振動子(以下、水晶振動子と略)は略直方体状のパッケージ構造からなる表面実装型の水晶振動子である。本実施形態ではその平面視の外形寸法は例えば縦1.6mm、横1.0mmとなっている。なお、水晶振動子の平面視の外形寸法は当該寸法に限定されるものではないが、同寸法以下の超小型の水晶振動子に対して好適である。
本発明の実施形態に係る水晶振動子1は、図1に示すように凹部5を有する絶縁材料からなる容器3と、音叉型水晶振動片2(以下、水晶振動片2と略)と、凹部5を封止する平板状の蓋4が主な構成部材となっている。なお、図1では水晶振動片に形成される各種電極の記載は省略している。水晶振動片2は、容器3の凹部5の内部に収容された後、蓋4が凹部5を覆うように容器3の開口端に接合されることによって気密に封止される。ここで容器3と蓋4とは図示しない封止材を介して接合される。
容器3はアルミナ等のセラミックを主体とした絶縁材料から成る箱状体であり、2枚のセラミックグリーンシートを積層して一体焼成することによって成形されている(図1参照)。容器3は枠状の堤部30の内側に平面視矩形状の凹部5を有している。堤部30の上面には図示しない封止材が平面視で枠状に形成されており、前記接合材は蓋4の外周部分と対応している。
凹部5の内底面301の一短辺側には、水晶振動片2と導電接合される2つの電極パッド6,7(図1では一方のみ図示)が、互いに隙間を空けた状態で並列して形成されている。2つの電極パッド6,7は、図示しない内部配線およびビアを介して容器3の外底面302の4隅に設けられた4つの外部接続端子8(図1では2つのみ図示)のうちの2つの端子と電気的に接続されている。これら2つの電極パッド6,7は互いに異極となっている。
本実施形態では2つの電極パッド6,7は、タングステンメタライズ層の上面に金をメッキ等の手法を用いて積層することによって形成されている。なお前記メタライズ層として、タングステンの代わりにモリブデンを用いてもよい。
電極パッド6,7のタングステン部分はメタライズの最小単位厚みの点から2段に重ね塗りされている。これは、本実施形態では水晶振動子の薄型化を図るために容器3を2層構成としたことによって凹部5の内底面301に段部を形成することができないため、水晶振動片2の搭載後の状態で、水晶振動片の下面(内底面301に対向する面)と前記内底面301との間に或る程度の隙間を確保するためである。
蓋4はコバールを基体とする平面視矩形状の金属性の蓋体であり、当該蓋の表裏面にはニッケルメッキ層が形成されている。また蓋4の容器との接合面側には、前記ニッケルメッキ層の上に金属からなるロウ材が全面に亘って形成されている。本実施形態では前記ロウ材として銀ロウが使用されている。
次に本実施形態における水晶振動片について図2、図3を参照しながら説明する。なお説明の便宜上、水晶振動片2の対向する2つの主面(2a,2b)のうち、容器に搭載される際に電極パッド6,7に対面する側の主面を裏面2bとし、当該裏面に対向する反対側の主面を表面2aとして説明する。図2は水晶振動片の表面側(2a)から見た平面図を、図3は水晶振動片の裏面側(2b)から見た平面図をそれぞれ表している。
図2、図3に示すように、水晶振動片2は音叉形状であり、基部20と、基部20の一端側201から同一方向に突出する一対の振動腕21,22と、基部の他端側202の一側面から基部20の幅方向(図2、図3の符号Xで示す軸方向における基部の寸法)の一方に向かって突出した突出部24とから成っている。
前記一対の振動腕21,22の各々の先端側には、振動腕21,22の腕幅(振動腕の突出方向に対して直交する方向における腕の寸法)よりも幅広となる幅広部23,23(錘部)が形成されている。幅広部23,23は、振動腕の突出方向に向かって漸次拡幅する拡幅部(符号省略)を介して、振動腕21,22の先端部分と一体で成形されている。前記拡幅部と前記幅広部とは、振動腕と一体で成形されている。なお幅広部23,23の各々の先端側211,221の各隅部は面取り状(C面状)に加工されている。振動腕21,22と拡幅部と幅広部23,23は、対向する一対の主面2a,2bと対向する一対の側面(符号省略)を有している。
一対の振動腕21,22の各々の表裏主面には、等価直列抵抗値(Crystal Impedance。以下、CI値と略)をより低下させる目的で、長溝が形成されている。より詳しくは、振動椀21の表裏主面には、長溝G1と長溝G3とが互いに対向するように形成され、振動椀22の表裏主面には、長溝G2と長溝G4とが互いに対向するように形成されている。長溝G1〜G4は、一対の振動腕21,22の各々の表裏主面に所定の深さで形成されており、その一端側が基部20の一端側201の領域まで延長され、その他端側が振動腕と拡幅部との境界に対して振動腕の付け根側に位置して形成されている。長溝G1〜G4は、振動腕21,22の突出する方向に沿った長手方向と(図2、図3の符号Yで示す軸方向)、振動腕21,22の突出する方向に直交する方向に沿った幅方向(図2、図3で符号Xで示す軸方向)とを有している。なお、長溝G1〜G4が存在する振動椀の領域が振動部を構成している。
各振動腕21,22の表裏主面に形成される長溝G1〜G4の内部には、長手方向(Y軸方向)と幅方向(X軸方向)のいずれにも平行に形成されていない斜め方向の架橋部G11〜G43が形成されている。以下、各振動腕21,22の表裏主面の各長溝G1〜G4の内部構造について、より詳細に説明する。
振動腕21の表主面の長溝G1の内部には、長手方向(Y軸方向・振動腕の突出する方向)に対して約30°、あるいは150°で傾斜した3つの架橋部G11,G12,G13が振動椀の先端側からお互いに隣接した状態で形成されている。図2では、例えば、架橋部G11は一定幅の平行四辺形状で長手方向150°で傾斜し、架橋部G12は一定幅の平行四辺形で長手方向30°で傾斜し、架橋部G13は一定幅の平行四辺形で長手方向150°で傾斜するとともに、各架橋部の端部がお互いに隣接する架橋部の端部で接した状態で構成されている。
なお、この傾斜角度については、一例であり特に限定されるものではないが、長手方向(Y軸方向・振動腕の突出する方向)に対して約45°より小さい角度で傾斜させるか、あるいは135°よりで大きい角度で傾斜させることで、水晶振動片2の屈曲振動を妨げにくく、幅方向の強度をより少ない架橋部で補強することができる。さらに、各架橋部の形状としても一例であり特に限定されるものではないが、一定幅の平行四辺形状とすることで、振動椀の幅方向の剛性バランスが保たれ、かつ振動椀21にかかる電界も振動椀の幅方向に均一にバランスが保たれ、不要な振動を助長することがない。加えて、各架橋部の数も一例であり特に限定されるものではなく、長溝G1の寸法に応じて調整することができる。
また、振動腕21の表主面の長溝G1の内部には、3つの架橋部G11,G12,G13を除いて、振動椀の先端側から4つの長溝残部G14,G15,G16,G17が形成されている。そして、長溝G1の長手方向の両端部以外の長溝残部G15、G16については2等辺三角形状に形成されている。
なお、この振動椀の中央部に形成される長溝残部G15、G16の形状は、各架橋部の配置に依存されるものであるため、各架橋部の端部がお互いに隣接する架橋部の端部で離間した状態で構成されると、その形状は2等辺三角形状ではなく2等辺台形状とすることができる。このように振動椀の中央部に形成される長溝残部G15、G16の形状を2等辺三角形状、もしくは2等辺台形状に形成することで、これらの長溝残部と接する架橋部G11,G12,G13の長さが同一寸法となり、振動椀の幅方向の剛性バランスが保たれ、かつ振動椀21にかかる電界も振動椀の幅方向に均一にバランスが保たれ、不要な振動を助長することがない。
振動腕22の表主面の長溝G2の内部には、長手方向(Y軸方向・振動腕の突出する方向)に対して約30°、あるいは150°で傾斜した3つの架橋部G21,G22,G23が振動椀の先端側からお互いに隣接した状態で形成されている。図2では、例えば、架橋部G21は一定幅の平行四辺形状で長手方向30°で傾斜し、架橋部G22は一定幅の平行四辺形で長手方向150°で傾斜し、架橋部G23は一定幅の平行四辺形で長手方向30°で傾斜するとともに、各架橋部の端部がお互いに隣接する架橋部の端部で接した状態で構成されている。
なお、この傾斜角度については、一例であり特に限定されるものではないが、長手方向(Y軸方向・振動腕の突出する方向)に対して約45°より小さい角度で傾斜させるか、あるいは135°よりで大きい角度で傾斜させることで、水晶振動片2の屈曲振動を妨げにくく、幅方向の強度をより少ない架橋部で補強することができる。さらに、各架橋部の形状としても一例であり特に限定されるものではないが、一定幅の平行四辺形状とすることで、振動椀の幅方向の剛性バランスが保たれ、かつ振動椀22にかかる電界も振動椀の幅方向に均一にバランスが保たれ、不要な振動を助長することがない。加えて、各架橋部の数も一例であり特に限定されるものではなく、長溝G2の寸法に応じて調整することができる。
また、振動腕22の表主面の長溝G2の内部には、3つの架橋部G21,G22,G23を除いて、振動椀の先端側から4つの長溝残部G24,G25,G26,G27が形成されている。そして、長溝G2の長手方向の両端部以外の長溝残部G25、G26については2等辺三角形状に形成されている。
なお、この振動椀の中央部に形成される長溝残部G25、G26の形状は、各架橋部の配置に依存されるものであるため、各架橋部の端部がお互いに隣接する架橋部の端部で離間した状態で構成されると、その形状は2等辺三角形状ではなく2等辺台形状とすることができる。このように振動椀の中央部に形成される長溝残部G25、G26の形状を2等辺三角形状、もしくは2等辺台形状に形成することで、これらの長溝残部と接する架橋部G21,G22,G23の長さが同一寸法となり、振動椀の幅方向の剛性バランスが保たれ、かつ振動椀22にかかる電界も振動椀の幅方向に均一にバランスが保たれ、不要な振動を助長することがない。
ここで、振動椀21と振動椀22に形成された長溝G1と長溝G2、架橋部G11,G12,G13と架橋部G21,G22,G23、長溝残部G14,G15,G16,G17と長溝残部G24,G25,G26,G27とは、振動腕21と振動椀22の間にある仮想中心線CLを基準として線対称に形成されている。これにより、後述する励振電極25,26を介して振動椀21,22にかかる電界が、お互いの振動椀で均一にバランスが保たれ、不要な振動を助長することがない。
振動腕21の裏主面の長溝G3の内部には、長手方向(Y軸方向・振動腕の突出する方向)に対して約30°、あるいは150°で傾斜した3つの架橋部G31,G32,G33が振動椀の先端側からお互いに隣接した状態で形成されている。図3では、例えば、架橋部G31は一定幅の平行四辺形状で長手方向30°で傾斜し、架橋部G32は一定幅の平行四辺形で長手方向150°で傾斜し、架橋部G33は一定幅の平行四辺形で長手方向30°で傾斜するとともに、各架橋部の端部がお互いに隣接する架橋部の端部で接した状態で構成されている。
なお、この傾斜角度については、一例であり特に限定されるものではないが、長手方向(Y軸方向・振動腕の突出する方向)に対して約45°より小さい角度で傾斜させるか、あるいは135°よりで大きい角度で傾斜させることで、水晶振動片2の屈曲振動を妨げにくく、幅方向の強度をより少ない架橋部で補強することができる。さらに、各架橋部の形状としても一例であり特に限定されるものではないが、一定幅の平行四辺形状とすることで、振動椀の幅方向の剛性バランスが保たれ、かつ振動椀21にかかる電界も振動椀の幅方向に均一にバランスが保たれ、不要な振動を助長することがない。加えて、各架橋部の数も一例であり特に限定されるものではなく、長溝G3の寸法に応じて調整することができる。
また、振動腕21の裏主面の長溝G3の内部には、3つの架橋部G31,G32,G33を除いて、振動椀の先端側から4つの長溝残部G34,G35,G36,G37が形成されている。そして、長溝G3の長手方向の両端部以外の長溝残部G35、G36については2等辺三角形状に形成されている。
なお、この振動椀の中央部に形成される長溝残部G35、G36の形状は、各架橋部の配置に依存されるものであるため、各架橋部の端部がお互いに隣接する架橋部の端部で離間した状態で構成されると、その形状は2等辺三角形状ではなく2等辺台形状とすることができる。このように振動椀の中央部に形成される長溝残部G35、G36の形状を2等辺三角形状、もしくは2等辺台形状に形成することで、これらの長溝残部と接する架橋部G31,G32,G33の長さが同一寸法となり、振動椀の幅方向の剛性バランスが保たれ、かつ振動椀21にかかる電界も振動椀の幅方向に均一にバランスが保たれ、不要な振動を助長することがない。
振動腕22の裏主面の長溝G4の内部には、長手方向(Y軸方向・振動腕の突出する方向)に対して約30°、あるいは150°で傾斜した3つの架橋部G41,G42,G43が振動椀の先端側からお互いに隣接した状態で形成されている。図3では、例えば、架橋部G41は一定幅の平行四辺形状で長手方向150°で傾斜し、架橋部G42は一定幅の平行四辺形で長手方向30°で傾斜し、架橋部G43は一定幅の平行四辺形で長手方向150°で傾斜するとともに、各架橋部の端部がお互いに隣接する架橋部の端部で接した状態で構成されている。
なお、この傾斜角度については、一例であり特に限定されるものではないが、長手方向(Y軸方向・振動腕の突出する方向)に対して約45°より小さい角度で傾斜させるか、あるいは135°よりで大きい角度で傾斜させることで、水晶振動片2の屈曲振動を妨げにくく、幅方向の強度をより少ない架橋部で補強することができる。さらに、各架橋部の形状としても一例であり特に限定されるものではないが、一定幅の平行四辺形状とすることで、振動椀の幅方向の剛性バランスが保たれ、かつ振動椀22にかかる電界も振動椀の幅方向に均一にバランスが保たれ、不要な振動を助長することがない。加えて、各架橋部の数も一例であり特に限定されるものではなく、長溝G4の寸法に応じて調整することができる。
また、振動腕22の裏主面の長溝G4の内部には、3つの架橋部G41,G42,G43を除いて、振動椀の先端側から4つの長溝残部G44,G45,G46,G47が形成されている。そして、長溝G4の長手方向の両端部以外の長溝残部G45、G46については2等辺三角形状に形成されている。
なお、この振動椀の中央部に形成される長溝残部G45、G46の形状は、各架橋部の配置に依存されるものであるため、各架橋部の端部がお互いに隣接する架橋部の端部で離間した状態で構成されると、その形状は2等辺三角形状ではなく2等辺台形状とすることができる。このように振動椀の中央部に形成される長溝残部G45、G46の形状を2等辺三角形状、もしくは2等辺台形状に形成することで、これらの長溝残部と接する架橋部G41,G42,G43の長さが同一寸法となり、振動椀の幅方向の剛性バランスが保たれ、かつ振動椀22にかかる電界も振動椀の幅方向に均一にバランスが保たれ、不要な振動を助長することがない。
ここで、振動椀21と振動椀22に形成された長溝G3と長溝G4、架橋部G31,G32,G33と架橋部G41,G42,G43、長溝残部G34,G35,G36,G37と長溝残部G44,G45,G46,G47とは、振動腕21と振動椀22の間にある仮想中心線CLを基準として線対称に形成されている。これにより、後述する励振電極25,26を介して振動椀21,22にかかる電界が、お互いの振動椀で均一にバランスが保たれ、不要な振動を助長することがない。
また、振動椀21の表主面に形成された架橋部G11,G12,G13と振動椀21の裏主面に形成された架橋部G31,G32,G33とはお互いに重畳するように形成され、振動椀22表主面に形成された架橋部G21,G22,G23と振動椀22の裏主面に形成された架橋部G41,G42,G43とはお互いに重畳するように形成されている。このような各架橋部の重畳状態については、一例であり特に限定されるものではないが、上記したように各架橋部を重畳させることにより、振動椀21,22の厚み方向の剛性バランスが保たれ、かつ後述する励振電極25,26を介して振動椀21,22にかかる電界が、お互いの振動椀で均一にバランスが保たれ、不要な振動を助長することがない。
なお、本実施形態では、上記各振動椀の表裏面に形成される各架橋部の部分では、後述するウェットエッチングを施さず、各振動椀の各長溝残部が形成されていない領域(以下、振動椀の他領域とする)と同じ厚みとして構成しているが、図4に示すように、長溝残部の厚みより厚くかつ振動椀の他領域より薄く形成した構成としてもよい。
基部20には、他端側202側が一端側201側よりも基部の幅が狭くなる縮幅部203が形成されている。この縮幅部203の一側面には前述した突出部24が形成されている。この突出部24と基部20とによって平面視では直角に折れ曲がったアルファベットの「L」字状の部位が形成されている。なお、音叉型水晶振動片は本実施形態における形状に限定されるものではない。例えば前記突出部が、基部の一側面だけでなく基部の他側面(前記一側面と対向する側面)から突出した形状、つまり突出部が基部の両外側に各々突出した形状であってもよい。あるいは前記突出部が、基部から両外側に突出した後、振動腕の突出方向に向きを変えて、互いに平行に突出する左右対称の形状であってもよい。また、基部に突出部が形成されていない形状であってもよい。
前述した水晶振動片の外形や長溝残部は、1枚の水晶ウエハからフォトリソグラフィ技術とウェットエッチングを用いて一括同時に多数個が成形される。
水晶振動片2には、異電位で構成された第1の励振電極25および第2の励振電極26と、第1の励振電極25と第2の励振電極26の各々から引回し電極(後述)を経由して引き出された引出電極27,28とが形成されている。
また、一対の振動腕21,22の表裏主面に形成される第1および第2の励振電極25,26の一部は、一対の振動腕21,22の長溝G1〜G4の内部の全体に及んで形成されている。前記長溝を形成することにより、水晶振動片を小型化しても一対の振動腕21,22の電界効率が高まり、良好なCI値を得ることができる。なお、一対の振動腕の長溝G1〜G4の内部の一部の領域だけに、第1および第2の励振電極だけが形成されていてもよい。
第1の励振電極25は、一方の振動腕21の表裏主面と、引回し電極(符号省略)を介して他方の振動腕22の外側面と内側面とに形成されている。同様に第2の励振電極26は、他方の振動腕22の表裏主面と、引回し電極(符号省略)を介して一方の振動腕21の外側面と内側面とに形成されている。
引出電極27,28は基部20および突出部24(裏面2bのみ)に形成されている。基部20に形成された引出電極27により、他方の振動腕22の外側面と内側面の各々に形成された第1の励振電極25と,引回し電極(符号省略)を経由して、一方の振動腕21の表裏主面に形成された第1の励振電極25と接続されている。同様に、基部20に形成された引出電極28により、一方の振動腕21の外側面と内側面の各々に形成された第2の励振電極26と,引回し電極(符号省略)を経由して、他方の振動腕22の表裏主面に形成された第2の励振電極26と接続されている。
引出電極27,28は、水晶振動片の表面2aにおいては基部20の一端側201から縮幅部203まで引き出されている。一方、水晶振動片の裏面2bにおいては他端側202および突出部24の先端側まで引き出されている。そして図3に示すように、水晶振動片の裏面2bにおける基部20の他端側202の領域と突出部24の先端側の各領域とは、容器3の電極パッド6,7と各々電気機械的に接続される接続電極271,281となっている。
図3に示すように、2つの接続電極271,281の各々の上面には、導電性の接合材S,Sが各々形成されている。本実施形態では接合材Sは、電解めっき法によって形成されためっきバンプとなっている。そして水晶振動片2と電極パッド6,7との導電接合は、FCB法(Flip Chip Bonding)によって行われている。
幅広部23,23を構成する一対の主面と一対の側面の全ての面には、前述した引回し電極が各々形成されている。本実施形態において引回し電極は、幅広部23の全周と、振動腕21,22の拡幅部寄りの部位の全周(一対の主面と一対の側面)とに形成されている。
前述した第1および第2の励振電極25,26や引出電極27,28、引回し電極(符号省略)は、水晶基材上にクロム(Cr)層が形成され、このクロム層の上に金(Au)層が積層された層構成となっている。なお前記各種電極の層構成は、クロム層の上に金層が形成された層構成に限らず、他の層構成であってもよい。
第1および第2の励振電極と引出電極や引回し電極は、真空蒸着法やスパッタリング等によって水晶ウエハの主面全体に成膜された後、フォトリソグラフィ技術とメタルエッチングによって所望のパターンに一括同時に成形されている。
図2に示すように本発明の実施形態では、幅広部23を構成する面のうち一主面のみ(表面2a)に周波数調整用金属膜W(周波数調整用錘)が形成されている。この周波数調整用金属膜Wの質量を、レーザービームやイオンビーム等のビーム照射によって削減することによって水晶振動片2の周波数が微調整される。なお周波数調整用金属膜Wは幅広部23,23の主面における引回し電極よりも、平面視における面積が一回り小さく形成されている。
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
音叉型圧電振動片および音叉型圧電振動子の量産に適用できる。
1 音叉型水晶振動子
2 音叉型水晶振動片
20 基部
21,22 振動腕
23 幅広部
24 突出部
25,26 励振電極
27,28 引出電極
3 容器
G1,G2,G3,G4 長溝
G11,G12,G13 架橋部
G21,G22,G23 架橋部
G31,G32,G33 架橋部
G41,G42,G43 架橋部
本発明は音叉形状からなる圧電振動片と、当該圧電振動片を用いた音叉型圧電振動子に関する。
音叉型圧電振動子等の圧電振動子は基準クロック源として様々な電子機器に用いられている。例えば、表面実装型の音叉型圧電振動子は、基部と当該基部の一端側から同一方向に突出する一対の振動腕を備え、当該一対の振動腕には振動腕を駆動させるための励振電極等が形成された音叉型圧電振動片が絶縁性容器の凹部に収容される。そして、音叉型圧電振動片の基部の他端側が前記容器の凹部の内底面に形成された電極パッド上に、導電性の接合材を介して導電接合され、前記容器の凹部の開口端に平板状の蓋が接合された構成となっている(特許文献1)。
近年、通信機器の高性能化や小型化に伴い、音叉型圧電振動片も更なる小型化と特性面の高品質化が求められている。これに対して、音叉型圧電振動片の小型化に伴うCIの増加を抑制するために、振動腕の主面に溝を形成し、当該溝の内部に励振電極を形成することで電界効率を高めることが必要不可欠な構成となっている(特許文献1)。そして、音叉型圧電振動片の小型化が進むほど振動椀の主面に対する溝の幅の比率を増し、その深さを増す傾向にある。
また、音叉型圧電振動片が小型化されると、その小型化に応じて音叉型圧電振動片の振動椀も小さくなり、特に振動椀の長さが比較的短くなることで、基準クロック源として比較的低周波用途(特に、時計等のクロック源として利用される32.768KHz等)に対応することが難しくなっている。これに対して、音叉型圧電振動片の各振動椀には、前記励振電極を有する振動部とは別に、当該振動部の先端で、かつ振動部よりも幅広の錘部を構成することが必要となることがある(特許文献1)
WO2014/208251号
このように、音叉型圧電振動片も更なる小型化に伴って、振動椀の端部と溝との間に形成された土手幅が従来と比較して細くなり、振動椀の剛性が低下する。特に、錘部を有する音叉型圧電振動片では、振動部と錘部との連結部で剛性が急激に変化するため、振動椀の強度が低下して振動腕折れなどのリスクが高まるといった問題点があった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、音叉型圧電振動片が超小型になっても振動椀の剛性を高め、良好な特性を有する音叉型圧電振動片および当該音叉型圧電振動片を用いた音叉型圧電振動子を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために請求項1に係る発明は、基部、上記基部から突出し励振電極が形成された振動腕、上記振動腕の主面に形成された長溝、を備えており、上記長溝は、上記振動腕の突出する方向に沿った長手方向と、上記振動腕の突出する方向に直交する方向に沿った幅方向を具備しており、上記長溝の内部には、上記励振電極の一部が形成され、かつ上記長手方向と幅方向のいずれにも平行に形成されていない架橋部が形成されている。
上記発明によれば、長溝の内部には長手方向と幅方向のいずれにも平行に形成されていない斜め方向の架橋部を構成することで、架橋部が形成されていない長溝の残部の容積を全体として大きく削減することなく、振動椀の幅方向の剛性を高めることができる。
これは、長溝の内部の架橋部を長手方向に沿って構成すると、振動椀の幅方向の剛性不足となりやすく、長溝の容積を減らす構成となる。また、長溝の内部の架橋部を幅方向に沿って構成すると、振動椀が横方向に振れることで励振する音叉型圧電振動片の屈曲振動を妨げやすい構成となるだけでなく、振動椀の幅方向の剛性を高めるためには架橋部の数を増やす必要があり、長溝の容積を減らす構成となりやすい。
そこで、本発明のように、長手方向と幅方向のいずれにも平行に形成されていない斜め方向の架橋部を構成することで、音叉型圧電振動片の屈曲振動を妨げにくく、幅方向の強度をより少ない架橋部で補強することができる。斜め方向の架橋部は筋交いとしての機能が高まる。また、架橋部が形成されていない長溝残部の容積を全体として大きく削減されることもないので、長溝残部の内部に形成される励振電極の面積も大きく削減されず、音叉型圧電振動片の励振時の電界効率を低下させることがない。結果として、CIの増加を抑制して良好な特性を確保することができ、振動椀の幅方向の剛性を確実に高めることができる。
また、上述の構成に加えて、上記基部の一端側から同一方向に突出する一対の振動腕を備えており、上記一対の振動腕の各々の主面に長溝と、当該長溝の内部の架橋部とが形成されており、上記各振動椀に形成された長溝と架橋部とが、上記一対の振動腕の間にある仮想中心線に対してお互いに線対称に形成してもよい。
上記発明によれば、上述の作用効果に加えて、一対の振動腕の長溝と架橋部とが、上記一対の振動腕の間にある仮想中心線に対してお互いに線対称に形成されていることで、励振電極を介して各振動椀にかかる電界が、お互いの振動椀で均一にバランスが保たれ、不要な振動を助長することがない。
また、上述の構成に加えて、上記長溝の内部には、上記架橋部が形成されていない長溝残部が形成されており、上記長溝の長手方向の両端部の長溝残部以外の形状が2等辺三角形状、もしくは2等辺台形状に形成してもよい。
上記発明によれば、上述の作用効果に加えて、長溝の長手方向の両端部の長溝残部以外の形状が2等辺三角形状、もしくは2等辺台形状に形成することで、これらの長溝残部と接する架橋部の長さが同一寸法となり、振動椀の幅方向の剛性バランスが保たれ、かつ振動椀にかかる電界も振動椀の幅方向に均一にバランスが保たれ、不要な振動を助長することがない。
また、上述の構成に加えて、上記振動腕の突出端部には幅広の錘部を形成してもよい。
上記発明によれば、上述の作用効果に加えて、振動腕の突出端部の幅広の錘部により、音叉型圧電振動片の小型化に伴う低周波化が行え、この錘部が存在することによるさらなる剛性不足にも対応できる。結果として、振動腕折れなどのリスクがなくなる。
また、上述の音叉型圧電振動片が、容器の内部に搭載され収容されるとともに気密封止された音叉型圧電振動子に適用することができ、上述と同様の作用効果が音叉型圧電振動子として得られる。
以上のように本発明によれば、音叉型圧電振動片が超小型になっても振動椀の剛性を高め、良好な特性を有する音叉型圧電振動片および当該音叉型圧電振動片を用いた音叉型圧電振動子を提供することができる。
本発明の実施形態に係る音叉型水晶振動子の模式的な断面図である。 本発明の実施形態に係る音叉型水晶振動片の一主面側の模式的な平面図である。 図2の音叉型水晶振動片の他主面側の平面図である。 本発明の他の実施形態に係る音叉型水晶振動片の一主面側の模式的な平面図である。
以下、本発明の実施形態として、音叉型水晶振動片(音叉型圧電振動片)を用いた音叉型水晶振動子(音叉型圧電振動子)を例に挙げ、図面を参照しながら説明する。本実施形態における音叉型水晶振動子(以下、水晶振動子と略)は略直方体状のパッケージ構造からなる表面実装型の水晶振動子である。本実施形態ではその平面視の外形寸法は例えば縦1.6mm、横1.0mmとなっている。なお、水晶振動子の平面視の外形寸法は当該寸法に限定されるものではないが、同寸法以下の超小型の水晶振動子に対して好適である。
本発明の実施形態に係る水晶振動子1は、図1に示すように凹部5を有する絶縁材料からなる容器3と、音叉型水晶振動片2(以下、水晶振動片2と略)と、凹部5を封止する平板状の蓋4が主な構成部材となっている。なお、図1では水晶振動片に形成される各種電極の記載は省略している。水晶振動片2は、容器3の凹部5の内部に収容された後、蓋4が凹部5を覆うように容器3の開口端に接合されることによって気密に封止される。ここで容器3と蓋4とは図示しない封止材を介して接合される。
容器3はアルミナ等のセラミックを主体とした絶縁材料から成る箱状体であり、2枚のセラミックグリーンシートを積層して一体焼成することによって成形されている(図1参照)。容器3は枠状の堤部30の内側に平面視矩形状の凹部5を有している。堤部30の上面には図示しない封止材が平面視で枠状に形成されており、前記接合材は蓋4の外周部分と対応している。
凹部5の内底面301の一短辺側には、水晶振動片2と導電接合される2つの電極パッド6,7(図1では一方のみ図示)が、互いに隙間を空けた状態で並列して形成されている。2つの電極パッド6,7は、図示しない内部配線およびビアを介して容器3の外底面302の4隅に設けられた4つの外部接続端子8(図1では2つのみ図示)のうちの2つの端子と電気的に接続されている。これら2つの電極パッド6,7は互いに異極となっている。
本実施形態では2つの電極パッド6,7は、タングステンメタライズ層の上面に金をメッキ等の手法を用いて積層することによって形成されている。なお前記メタライズ層として、タングステンの代わりにモリブデンを用いてもよい。
電極パッド6,7のタングステン部分はメタライズの最小単位厚みの点から2段に重ね塗りされている。これは、本実施形態では水晶振動子の薄型化を図るために容器3を2層構成としたことによって凹部5の内底面301に段部を形成することができないため、水晶振動片2の搭載後の状態で、水晶振動片の下面(内底面301に対向する面)と前記内底面301との間に或る程度の隙間を確保するためである。
蓋4はコバールを基体とする平面視矩形状の金属性の蓋体であり、当該蓋の表裏面にはニッケルメッキ層が形成されている。また蓋4の容器との接合面側には、前記ニッケルメッキ層の上に金属からなるロウ材が全面に亘って形成されている。本実施形態では前記ロウ材として銀ロウが使用されている。
次に本実施形態における水晶振動片について図2、図3を参照しながら説明する。なお説明の便宜上、水晶振動片2の対向する2つの主面(2a,2b)のうち、容器に搭載される際に電極パッド6,7に対面する側の主面を裏面2bとし、当該裏面に対向する反対側の主面を表面2aとして説明する。図2は水晶振動片の表面側(2a)から見た平面図を、図3は水晶振動片の裏面側(2b)から見た平面図をそれぞれ表している。
図2、図3に示すように、水晶振動片2は音叉形状であり、基部20と、基部20の一端側201から同一方向に突出する一対の振動腕21,22と、基部の他端側202の一側面から基部20の幅方向(図2、図3の符号Xで示す軸方向における基部の寸法)の一方に向かって突出した突出部24とから成っている。
前記一対の振動腕21,22の各々の先端側には、振動腕21,22の腕幅(振動腕の突出方向に対して直交する方向における腕の寸法)よりも幅広となる幅広部23,23(錘部)が形成されている。幅広部23,23は、振動腕の突出方向に向かって漸次拡幅する拡幅部(符号省略)を介して、振動腕21,22の先端部分と一体で成形されている。前記拡幅部と前記幅広部とは、振動腕と一体で成形されている。なお幅広部23,23の各々の先端側211,221の各隅部は面取り状(C面状)に加工されている。振動腕21,22と拡幅部と幅広部23,23は、対向する一対の主面2a,2bと対向する一対の側面(符号省略)を有している。
一対の振動腕21,22の各々の表裏主面には、等価直列抵抗値(Crystal Impedance。以下、CI値と略)をより低下させる目的で、長溝が形成されている。より詳しくは、振動椀21の表裏主面には、長溝G1と長溝G3とが互いに対向するように形成され、振動椀22の表裏主面には、長溝G2と長溝G4とが互いに対向するように形成されている。長溝G1〜G4は、一対の振動腕21,22の各々の表裏主面に所定の深さで形成されており、その一端側が基部20の一端側201の領域まで延長され、その他端側が振動腕と拡幅部との境界に対して振動腕の付け根側に位置して形成されている。長溝G1〜G4は、振動腕21,22の突出する方向に沿った長手方向と(図2、図3の符号Yで示す軸方向)、振動腕21,22の突出する方向に直交する方向に沿った幅方向(図2、図3で符号Xで示す軸方向)とを有している。なお、長溝G1〜G4が存在する振動椀の領域が振動部を構成している。
各振動腕21,22の表裏主面に形成される長溝G1〜G4の内部には、長手方向(Y軸方向)と幅方向(X軸方向)のいずれにも平行に形成されていない斜め方向の架橋部G11〜G43が形成されている。以下、各振動腕21,22の表裏主面の各長溝G1〜G4の内部構造について、より詳細に説明する。
振動腕21の表主面の長溝G1の内部には、長手方向(Y軸方向・振動腕の突出する方向)に対して約30°、あるいは150°で傾斜した3つの架橋部G11,G12,G13が振動椀の先端側からお互いに隣接した状態で形成されている。図2では、例えば、架橋部G11は一定幅の平行四辺形状で長手方向150°で傾斜し、架橋部G12は一定幅の平行四辺形で長手方向30°で傾斜し、架橋部G13は一定幅の平行四辺形で長手方向150°で傾斜するとともに、各架橋部の端部がお互いに隣接する架橋部の端部で接した状態で構成されている。
なお、この傾斜角度については、一例であり特に限定されるものではないが、長手方向(Y軸方向・振動腕の突出する方向)に対して約45°より小さい角度で傾斜させるか、あるいは135°よりで大きい角度で傾斜させることで、水晶振動片2の屈曲振動を妨げにくく、幅方向の強度をより少ない架橋部で補強することができる。さらに、各架橋部の形状としても一例であり特に限定されるものではないが、一定幅の平行四辺形状とすることで、振動椀の幅方向の剛性バランスが保たれ、かつ振動椀21にかかる電界も振動椀の幅方向に均一にバランスが保たれ、不要な振動を助長することがない。加えて、各架橋部の数も一例であり特に限定されるものではなく、長溝G1の寸法に応じて調整することができる。
また、振動腕21の表主面の長溝G1の内部には、3つの架橋部G11,G12,G13を除いて、振動椀の先端側から4つの長溝残部G14,G15,G16,G17が形成されている。そして、長溝G1の長手方向の両端部以外の長溝残部G15、G16については2等辺三角形状に形成されている。
なお、この振動椀の中央部に形成される長溝残部G15、G16の形状は、各架橋部の配置に依存されるものであるため、各架橋部の端部がお互いに隣接する架橋部の端部で離間した状態で構成されると、その形状は2等辺三角形状ではなく2等辺台形状とすることができる。このように振動椀の中央部に形成される長溝残部G15、G16の形状を2等辺三角形状、もしくは2等辺台形状に形成することで、これらの長溝残部と接する架橋部G11,G12,G13の長さが同一寸法となり、振動椀の幅方向の剛性バランスが保たれ、かつ振動椀21にかかる電界も振動椀の幅方向に均一にバランスが保たれ、不要な振動を助長することがない。
振動腕22の表主面の長溝G2の内部には、長手方向(Y軸方向・振動腕の突出する方向)に対して約30°、あるいは150°で傾斜した3つの架橋部G21,G22,G23が振動椀の先端側からお互いに隣接した状態で形成されている。図2では、例えば、架橋部G21は一定幅の平行四辺形状で長手方向30°で傾斜し、架橋部G22は一定幅の平行四辺形で長手方向150°で傾斜し、架橋部G23は一定幅の平行四辺形で長手方向30°で傾斜するとともに、各架橋部の端部がお互いに隣接する架橋部の端部で接した状態で構成されている。
なお、この傾斜角度については、一例であり特に限定されるものではないが、長手方向(Y軸方向・振動腕の突出する方向)に対して約45°より小さい角度で傾斜させるか、あるいは135°よりで大きい角度で傾斜させることで、水晶振動片2の屈曲振動を妨げにくく、幅方向の強度をより少ない架橋部で補強することができる。さらに、各架橋部の形状としても一例であり特に限定されるものではないが、一定幅の平行四辺形状とすることで、振動椀の幅方向の剛性バランスが保たれ、かつ振動椀22にかかる電界も振動椀の幅方向に均一にバランスが保たれ、不要な振動を助長することがない。加えて、各架橋部の数も一例であり特に限定されるものではなく、長溝G2の寸法に応じて調整することができる。
また、振動腕22の表主面の長溝G2の内部には、3つの架橋部G21,G22,G23を除いて、振動椀の先端側から4つの長溝残部G24,G25,G26,G27が形成されている。そして、長溝G2の長手方向の両端部以外の長溝残部G25、G26については2等辺三角形状に形成されている。
なお、この振動椀の中央部に形成される長溝残部G25、G26の形状は、各架橋部の配置に依存されるものであるため、各架橋部の端部がお互いに隣接する架橋部の端部で離間した状態で構成されると、その形状は2等辺三角形状ではなく2等辺台形状とすることができる。このように振動椀の中央部に形成される長溝残部G25、G26の形状を2等辺三角形状、もしくは2等辺台形状に形成することで、これらの長溝残部と接する架橋部G21,G22,G23の長さが同一寸法となり、振動椀の幅方向の剛性バランスが保たれ、かつ振動椀22にかかる電界も振動椀の幅方向に均一にバランスが保たれ、不要な振動を助長することがない。
ここで、振動椀21と振動椀22に形成された長溝G1と長溝G2、架橋部G11,G12,G13と架橋部G21,G22,G23、長溝残部G14,G15,G16,G17と長溝残部G24,G25,G26,G27とは、振動腕21と振動椀22の間にある仮想中心線CLを基準として線対称に形成されている。これにより、後述する励振電極25,26を介して振動椀21,22にかかる電界が、お互いの振動椀で均一にバランスが保たれ、不要な振動を助長することがない。
振動腕21の裏主面の長溝G3の内部には、長手方向(Y軸方向・振動腕の突出する方向)に対して約30°、あるいは150°で傾斜した3つの架橋部G31,G32,G33が振動椀の先端側からお互いに隣接した状態で形成されている。図3では、例えば、架橋部G31は一定幅の平行四辺形状で長手方向30°で傾斜し、架橋部G32は一定幅の平行四辺形で長手方向150°で傾斜し、架橋部G33は一定幅の平行四辺形で長手方向30°で傾斜するとともに、各架橋部の端部がお互いに隣接する架橋部の端部で接した状態で構成されている。
なお、この傾斜角度については、一例であり特に限定されるものではないが、長手方向(Y軸方向・振動腕の突出する方向)に対して約45°より小さい角度で傾斜させるか、あるいは135°よりで大きい角度で傾斜させることで、水晶振動片2の屈曲振動を妨げにくく、幅方向の強度をより少ない架橋部で補強することができる。さらに、各架橋部の形状としても一例であり特に限定されるものではないが、一定幅の平行四辺形状とすることで、振動椀の幅方向の剛性バランスが保たれ、かつ振動椀21にかかる電界も振動椀の幅方向に均一にバランスが保たれ、不要な振動を助長することがない。加えて、各架橋部の数も一例であり特に限定されるものではなく、長溝G3の寸法に応じて調整することができる。
また、振動腕21の裏主面の長溝G3の内部には、3つの架橋部G31,G32,G33を除いて、振動椀の先端側から4つの長溝残部G34,G35,G36,G37が形成されている。そして、長溝G3の長手方向の両端部以外の長溝残部G35、G36については2等辺三角形状に形成されている。
なお、この振動椀の中央部に形成される長溝残部G35、G36の形状は、各架橋部の配置に依存されるものであるため、各架橋部の端部がお互いに隣接する架橋部の端部で離間した状態で構成されると、その形状は2等辺三角形状ではなく2等辺台形状とすることができる。このように振動椀の中央部に形成される長溝残部G35、G36の形状を2等辺三角形状、もしくは2等辺台形状に形成することで、これらの長溝残部と接する架橋部G31,G32,G33の長さが同一寸法となり、振動椀の幅方向の剛性バランスが保たれ、かつ振動椀21にかかる電界も振動椀の幅方向に均一にバランスが保たれ、不要な振動を助長することがない。
振動腕22の裏主面の長溝G4の内部には、長手方向(Y軸方向・振動腕の突出する方向)に対して約30°、あるいは150°で傾斜した3つの架橋部G41,G42,G43が振動椀の先端側からお互いに隣接した状態で形成されている。図3では、例えば、架橋部G41は一定幅の平行四辺形状で長手方向150°で傾斜し、架橋部G42は一定幅の平行四辺形で長手方向30°で傾斜し、架橋部G43は一定幅の平行四辺形で長手方向150°で傾斜するとともに、各架橋部の端部がお互いに隣接する架橋部の端部で接した状態で構成されている。
なお、この傾斜角度については、一例であり特に限定されるものではないが、長手方向(Y軸方向・振動腕の突出する方向)に対して約45°より小さい角度で傾斜させるか、あるいは135°よりで大きい角度で傾斜させることで、水晶振動片2の屈曲振動を妨げにくく、幅方向の強度をより少ない架橋部で補強することができる。さらに、各架橋部の形状としても一例であり特に限定されるものではないが、一定幅の平行四辺形状とすることで、振動椀の幅方向の剛性バランスが保たれ、かつ振動椀22にかかる電界も振動椀の幅方向に均一にバランスが保たれ、不要な振動を助長することがない。加えて、各架橋部の数も一例であり特に限定されるものではなく、長溝G4の寸法に応じて調整することができる。
また、振動腕22の裏主面の長溝G4の内部には、3つの架橋部G41,G42,G43を除いて、振動椀の先端側から4つの長溝残部G44,G45,G46,G47が形成されている。そして、長溝G4の長手方向の両端部以外の長溝残部G45、G46については2等辺三角形状に形成されている。
なお、この振動椀の中央部に形成される長溝残部G45、G46の形状は、各架橋部の配置に依存されるものであるため、各架橋部の端部がお互いに隣接する架橋部の端部で離間した状態で構成されると、その形状は2等辺三角形状ではなく2等辺台形状とすることができる。このように振動椀の中央部に形成される長溝残部G45、G46の形状を2等辺三角形状、もしくは2等辺台形状に形成することで、これらの長溝残部と接する架橋部G41,G42,G43の長さが同一寸法となり、振動椀の幅方向の剛性バランスが保たれ、かつ振動椀22にかかる電界も振動椀の幅方向に均一にバランスが保たれ、不要な振動を助長することがない。
ここで、振動椀21と振動椀22に形成された長溝G3と長溝G4、架橋部G31,G32,G33と架橋部G41,G42,G43、長溝残部G34,G35,G36,G37と長溝残部G44,G45,G46,G47とは、振動腕21と振動椀22の間にある仮想中心線CLを基準として線対称に形成されている。これにより、後述する励振電極25,26を介して振動椀21,22にかかる電界が、お互いの振動椀で均一にバランスが保たれ、不要な振動を助長することがない。
また、振動椀21の表主面に形成された架橋部G11,G12,G13と振動椀21の裏主面に形成された架橋部G31,G32,G33とはお互いに重畳するように形成され、振動椀22表主面に形成された架橋部G21,G22,G23と振動椀22の裏主面に形成された架橋部G41,G42,G43とはお互いに重畳するように形成されている。このような各架橋部の重畳状態については、一例であり特に限定されるものではないが、上記したように各架橋部を重畳させることにより、振動椀21,22の厚み方向の剛性バランスが保たれ、かつ後述する励振電極25,26を介して振動椀21,22にかかる電界が、お互いの振動椀で均一にバランスが保たれ、不要な振動を助長することがない。
なお、本実施形態では、上記各振動椀の表裏面に形成される各架橋部の部分では、後述するウェットエッチングを施さず、各振動椀の各長溝残部が形成されていない領域(以下、振動椀の他領域とする)と同じ厚みとして構成しているが、図4に示すように、長溝残部の厚みより厚くかつ振動椀の他領域より薄く形成した構成としてもよい。
基部20には、他端側202側が一端側201側よりも基部の幅が狭くなる縮幅部203が形成されている。この縮幅部203の一側面には前述した突出部24が形成されている。この突出部24と基部20とによって平面視では直角に折れ曲がったアルファベットの「L」字状の部位が形成されている。なお、音叉型水晶振動片は本実施形態における形状に限定されるものではない。例えば前記突出部が、基部の一側面だけでなく基部の他側面(前記一側面と対向する側面)から突出した形状、つまり突出部が基部の両外側に各々突出した形状であってもよい。あるいは前記突出部が、基部から両外側に突出した後、振動腕の突出方向に向きを変えて、互いに平行に突出する左右対称の形状であってもよい。また、基部に突出部が形成されていない形状であってもよい。
前述した水晶振動片の外形や長溝残部は、1枚の水晶ウエハからフォトリソグラフィ技術とウェットエッチングを用いて一括同時に多数個が成形される。
水晶振動片2には、異電位で構成された第1の励振電極25および第2の励振電極26と、第1の励振電極25と第2の励振電極26の各々から引回し電極(後述)を経由して引き出された引出電極27,28とが形成されている。
また、一対の振動腕21,22の表裏主面に形成される第1および第2の励振電極25,26の一部は、一対の振動腕21,22の長溝G1〜G4の内部の全体に及んで形成されている。前記長溝を形成することにより、水晶振動片を小型化しても一対の振動腕21,22の電界効率が高まり、良好なCI値を得ることができる。なお、一対の振動腕の長溝G1〜G4の内部の一部の領域だけに、第1および第2の励振電極だけが形成されていてもよい。
第1の励振電極25は、一方の振動腕21の表裏主面と、引回し電極(符号省略)を介して他方の振動腕22の外側面と内側面とに形成されている。同様に第2の励振電極26は、他方の振動腕22の表裏主面と、引回し電極(符号省略)を介して一方の振動腕21の外側面と内側面とに形成されている。
引出電極27,28は基部20および突出部24(裏面2bのみ)に形成されている。基部20に形成された引出電極27により、他方の振動腕22の外側面と内側面の各々に形成された第1の励振電極25と,引回し電極(符号省略)を経由して、一方の振動腕21の表裏主面に形成された第1の励振電極25と接続されている。同様に、基部20に形成された引出電極28により、一方の振動腕21の外側面と内側面の各々に形成された第2の励振電極26と,引回し電極(符号省略)を経由して、他方の振動腕22の表裏主面に形成された第2の励振電極26と接続されている。
引出電極27,28は、水晶振動片の表面2aにおいては基部20の一端側201から縮幅部203まで引き出されている。一方、水晶振動片の裏面2bにおいては他端側202および突出部24の先端側まで引き出されている。そして図3に示すように、水晶振動片の裏面2bにおける基部20の他端側202の領域と突出部24の先端側の各領域とは、容器3の電極パッド6,7と各々電気機械的に接続される接続電極271,281となっている。
図3に示すように、2つの接続電極271,281の各々の上面には、導電性の接合材S,Sが各々形成されている。本実施形態では接合材Sは、電解めっき法によって形成されためっきバンプとなっている。そして水晶振動片2と電極パッド6,7との導電接合は、FCB法(Flip Chip Bonding)によって行われている。
幅広部23,23を構成する一対の主面と一対の側面の全ての面には、前述した引回し電極が各々形成されている。本実施形態において引回し電極は、幅広部23の全周と、振動腕21,22の拡幅部寄りの部位の全周(一対の主面と一対の側面)とに形成されている。
前述した第1および第2の励振電極25,26や引出電極27,28、引回し電極(符号省略)は、水晶基材上にクロム(Cr)層が形成され、このクロム層の上に金(Au)層が積層された層構成となっている。なお前記各種電極の層構成は、クロム層の上に金層が形成された層構成に限らず、他の層構成であってもよい。
第1および第2の励振電極と引出電極や引回し電極は、真空蒸着法やスパッタリング等によって水晶ウエハの主面全体に成膜された後、フォトリソグラフィ技術とメタルエッチングによって所望のパターンに一括同時に成形されている。
図2に示すように本発明の実施形態では、幅広部23を構成する面のうち一主面のみ(表面2a)に周波数調整用金属膜W(周波数調整用錘)が形成されている。この周波数調整用金属膜Wの質量を、レーザービームやイオンビーム等のビーム照射によって削減することによって水晶振動片2の周波数が微調整される。なお周波数調整用金属膜Wは幅広部23,23の主面における引回し電極よりも、平面視における面積が一回り小さく形成されている。
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
音叉型圧電振動片および音叉型圧電振動子の量産に適用できる。
1 音叉型水晶振動子
2 音叉型水晶振動片
20 基部
21,22 振動腕
23 幅広部
24 突出部
25,26 励振電極
27,28 引出電極
3 容器
G1,G2,G3,G4 長溝
G11,G12,G13 架橋部
G21,G22,G23 架橋部
G31,G32,G33 架橋部
G41,G42,G43 架橋部

Claims (3)

  1. 基部、
    上記基部から突出し励振電極が形成された振動腕、
    上記振動腕の主面に形成された長溝、
    を備えており、
    上記長溝は、上記振動腕の突出する方向に沿った長手方向と、上記振動腕の突出する方向に直交する方向に沿った幅方向を具備しており、
    上記長溝の内部には、上記励振電極の一部が形成され、かつ上記長手方向と幅方向のいずれにも平行に形成されていない架橋部が形成されている、
    ことを特徴とする音叉型圧電振動片。
  2. 上記基部の一端側から同一方向に突出する一対の振動腕を備えており、
    上記一対の振動腕の各々の主面に長溝と、当該長溝の内部の架橋部とが形成されており、
    上記各振動椀に形成された長溝と架橋部とが、上記一対の振動腕の間にある仮想中心線に対してお互いに線対称に形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の音叉型圧電振動片。
  3. 請求項1、または請求項2に記載の音叉型圧電振動片が、容器の内部に搭載され収容されるとともに気密封止された音叉型圧電振動子。
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