JP2019145229A - 照明装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 単一波長のレーザー光を用いて複数色の照明光を発生させることが可能であるとともに、信頼性を向上させることが可能な照明装置を提供する。【解決手段】 照明装置は、レーザー光を発光するレーザー光源11と、レーザー光源11からのレーザー光を透過するとともに、レーザー光を屈折させる液晶素子13と、液晶素子13からのレーザー光を受け、レーザー光を波長変化して照明光を放射し、第1色の第1蛍光体と、第1色と異なる第2色の第2蛍光体とを含む蛍光体ユニット14とを含む。液晶素子13は、レーザー光の角度を制御し、第1蛍光体及び第2蛍光体の1つを選択する。【選択図】 図1
Description
本発明は、照明装置に係り、特に液晶素子を用いた照明装置に関する。
近年、照明の明るさや色が与える心理的効果が広く知られるようになり、状況に応じて発光色や明るさが変更できる、調色、調光機能付照明が家庭、オフィス、又は店舗などに採用され始めている。調色機能を有する照明装置は、ほとんどの場合、異なる発光色の発光素子を組み合わせて使用することで調色の効果を得ている。
照明として用いられるランプは、フィラメント球や蛍光灯などから、デザイン性や配光性に優れ、長寿命、低消費電力のLED(light-emitting diode)やレーザーダイオードを用いた光源に移り変わりつつある。
室内照明としては、白色LEDの性能向上や近年の環境問題への関心の高まりもあり、急速にLEDへの切り替えが進んでいる。自動車のランプについても、LEDの採用が進んでおり、特に電気を動力源に用いる電気自動車では、各種ランプの消費電力が航続可能距離に直接的に影響することもあり、消費電力の少ないLEDが多く採用されている。
LEDは、電流密度が高くなると発光効率が低下するドループ現象が発生するため、高い光量を得るには、複数のLEDを平面もしくは立体的に配列させる必要がある。一方で、レーザー光源は、ドループ現象が起きず、高出力でも高効率を維持することができる。また、レーザー光を蛍光体に集光させることにより、高輝度の点光源が得られ、照明装置の小型化や点光源であることを活かした設計が可能となる。
現状では、LD(レーザーダイオード)の価格はLEDと比較して高価であり、照明装置としてコストを抑えるためにも、使用するLDは少数であることが望ましい。多数のLDを組み合わせることで調色効果を得ようとすると、装置価格が増大してしまう。
本発明は、単一波長のレーザー光を用いて複数色の照明光を発生させることが可能であるとともに、信頼性を向上させることが可能な照明装置を提供する。
本発明の一態様に係る照明装置は、レーザー光を発光するレーザー光源と、前記レーザー光源からのレーザー光を透過するとともに、前記レーザー光を屈折させる液晶素子と、前記液晶素子からのレーザー光を受け、前記レーザー光を波長変化して照明光を放射し、第1色の第1蛍光体と、前記第1色と異なる第2色の第2蛍光体とを含む蛍光体ユニットとを具備する。前記液晶素子は、前記レーザー光の角度を制御し、前記第1蛍光体及び前記第2蛍光体の1つを選択する。
本発明の一態様に係る照明装置において、前記液晶素子は、屈折率の勾配を形成することによって前記レーザー光を偏向させる。
本発明の一態様に係る照明装置において、前記液晶素子は、0次回折光と±1次回折光とを出射する回折格子である。前記液晶素子は、第1電極が設けられた第1領域と、第2電極が設けられた第2領域とを含み、前記第1領域と前記第2領域との位相差を変化させることによって前記0次回折光と前記±1次回折光との強度比率を変化させる。
本発明によれば、単一波長のレーザー光を用いて複数色の照明光を発生させることが可能であるとともに、信頼性を向上させることが可能な照明装置を提供することができる。
以下、実施形態について図面を参照して説明する。ただし、図面は模式的または概念的なものであり、各図面の寸法および比率等は必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、図面の相互間で同じ部分を表す場合においても、互いの寸法の関係や比率が異なって表される場合もある。特に、以下に示す幾つかの実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための装置および方法を例示したものであって、構成部品の形状、構造、配置等によって、本発明の技術思想が特定されるものではない。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有する要素については同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
[第1実施形態]
自動車に使用されるヘッドランプの色温度に関しては、デザイン性から高色温度が好まれる傾向にあるが、人の眼には暗く感じられるため視認性としては劣る。視認性を高めるためには色温度6,000K程度の純白色が適しており、一方で雨天時は色温度が低いほうが水滴の乱反射が抑えられ、優れた視認性が得られると言われている。
自動車に使用されるヘッドランプの色温度に関しては、デザイン性から高色温度が好まれる傾向にあるが、人の眼には暗く感じられるため視認性としては劣る。視認性を高めるためには色温度6,000K程度の純白色が適しており、一方で雨天時は色温度が低いほうが水滴の乱反射が抑えられ、優れた視認性が得られると言われている。
また、ヘッドランプの発光色を自由に変化させることができれば、前方の車両に対する強力な警告信号として用いることが可能になる。例えば、警察車両、救急車、又は消防車等の緊急車両に採用することで、前方車両に対してより効果的に緊急車両の位置を知らせることが可能となる。
上記の点から、状況に応じてヘッドランプの発光色を変化させることによって、デザイン性、安全性、及び注意喚起の効果を高めることが期待できる。従来のヘッドランプに用いられているハロゲンランプやLEDなどの発光素子は、調色機能を備えておらず、複数の色調を表現する場合、2つ以上の発光素子が必要である。本実施形態では、レーザー光源、液晶光偏向素子、及び複数の蛍光体を用いることで、単一のレーザー光源による調色可能な照明装置について説明する。
[1] 照明装置10の構成
[1−1] 照明装置10の断面構成
図1は、第1実施形態に係る照明装置10の断面図である。照明装置10は、レーザー光源11、コリメータ12、光偏向素子13、蛍光体ユニット14、反射部材(平面鏡)15、反射部材(凹面鏡)16、及び透過フィルター17を備える。なお、図1では、レーザー光源11、コリメータ12、光偏向素子13、蛍光体ユニット14、反射部材15、反射部材16、及び透過フィルター17を固定する固定部材の図示を省略しているが、これらのモジュールは、図1に示す位置に複数の固定部材(図示せず)によって固定される。
[1−1] 照明装置10の断面構成
図1は、第1実施形態に係る照明装置10の断面図である。照明装置10は、レーザー光源11、コリメータ12、光偏向素子13、蛍光体ユニット14、反射部材(平面鏡)15、反射部材(凹面鏡)16、及び透過フィルター17を備える。なお、図1では、レーザー光源11、コリメータ12、光偏向素子13、蛍光体ユニット14、反射部材15、反射部材16、及び透過フィルター17を固定する固定部材の図示を省略しているが、これらのモジュールは、図1に示す位置に複数の固定部材(図示せず)によって固定される。
レーザー光源11は、単波長のレーザー光を発光する。レーザー光源11は、例えばレーザーダイオードで構成される。レーザー光の波長は、広範囲の可視光に蛍光させるため、青紫色(360nm程度)から青色(460nm程度)までの間の波長を用いることが好ましい。本実施形態では、波長λ=450nm程度のGaN系半導体レーザーを用いることが可能である。レーザー光源11は、蛍光体に対応した波長を持つものであれば材料や方式に制限はないが、現状では、小型かつ比較的安価で高出力が実現されているGaN系の半導体レーザーが好ましい。
コリメータ12は、レーザー光源11からのレーザー光の光軸上に配置される。コリメータ12は、レンズで構成され、入射光を平行な光線に整形する。コリメータ12から出射されるレーザー光は、高い指向性を有し、コヒーレンス(可干渉性)を持つレーザー光である。なお、レーザー光源11が指向性の高いレーザー光を出射する場合は、コリメータ12は不要である。
光偏向素子13は、レーザー光源11からのレーザー光の光軸上に配置される。光偏向素子13は、例えば、後述する反射部材16に固定される。光偏向素子13の入射面は、コリメータ12からのレーザー光の進行方向に対して概略垂直になるように配置される。光偏向素子13は、液晶層を備える液晶素子から構成される。光偏向素子13は、コリメータ12を透過したレーザー光を透過すると共に、このレーザー光を偏向させる。光偏向素子13は、複数の液晶パネルが積層されて構成される。光偏向素子13の具体的な構成については後述する。
レーザー光源11から出射されるレーザー光は、ある偏光軸で振動する直線偏光である。光偏向素子13の偏光方向(偏光軸)は、レーザー光の偏光方向と平行に設定される。光偏向素子13の偏光軸とは、液晶分子の長軸(ダイレクタ)が電界に応じて動く面と平行な方向である。
蛍光体ユニット14は、互いに色温度の異なる複数の蛍光体を備える。蛍光体ユニット14は、図1に示すように、例えば5個の蛍光体を備える。各蛍光体は、レーザー光を波長変換して、所望の色の照明光(可視光)を放射する。具体的には、蛍光体は、レーザー光を吸収して励起状態となった後、もとの基底状態に戻る過程で光(蛍光)を放射する。蛍光体ユニット14は、例えば、反射部材15に固定される。
反射部材15は、蛍光体ユニット14のレーザー光源11と反対側の面に設けられる。反射部材15は、例えば平面形状を有し、例えば平面鏡で構成される。平面鏡15は、蛍光体ユニット14を透過した照明光を反射する。平面鏡15の蛍光体の反対側の面には、蛍光体の発熱を抑えるための放熱板を設置してもよい。
反射部材16は、平面鏡15によって反射された照明光を、レーザー光源11からのレーザー光の進行方向と同じ方向に反射する。また、反射部材16は、平面鏡15によって反射された照明光を略平行な光線として放射する。反射部材16は、例えば凹面鏡で構成される。前述した蛍光体ユニット14は、凹面鏡16の焦点付近に配置される。凹面鏡16は、光偏向素子13から出射されたレーザー光を通すための開口部16Bを備える。
凹面鏡16は、曲面からなる反射面16Aを有する。立体的に見ると、凹面鏡16は、お椀形の反射面16Aを有する。凹面鏡16は、例えば、樹脂などで構成された基材の凹面に、光を反射する金属膜(例えばアルミニウム)を形成して構成することができる。
透過フィルター17は、励起光に紫外波長を用いた場合、蛍光体ユニット14で波長変換された光を透過し、紫外線を透過しない性質を有する。透過フィルター17は、人体への悪影響や部材の劣化を招く紫外光がランプ外に漏れるのを防ぐ役割を担う。レーザー光源の波長をそのまま照明光の一部に用いる場合は、透過フィルターは不要である。
なお、図1に示すように、励起レーザーの入射方向と、照明としての照射方向とは必ずしも一致している必要性はなく、照明装置の光学特性や装置サイズなどの要求される仕様によって、適した配置に設計することができる。
[1−2] 蛍光体ユニット14の構成
次に、蛍光体ユニット14の構成について説明する。図2は、図1に示した蛍光体ユニット14を中心に説明する断面図である。図2は、レーザー光源11から出射されたレーザー光が蛍光体ユニット14に入射する様子も示している。
次に、蛍光体ユニット14の構成について説明する。図2は、図1に示した蛍光体ユニット14を中心に説明する断面図である。図2は、レーザー光源11から出射されたレーザー光が蛍光体ユニット14に入射する様子も示している。
蛍光体ユニット14は、前述したように、蛍光色の異なる複数の蛍光体を備える。例えば、図2では、蛍光体ユニット14は、赤色光を放射する蛍光体14−R、緑色光を放射する蛍光体14−G、青色光を放射する蛍光体14−B、電球色を放射する蛍光体14−L、及び白色光を放射する蛍光体14−Wを示している。蛍光体としては、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系蛍光体、TAG(テルビウム・アルミニウム・ガーネット)系蛍光体、サイアロン系蛍光体、BOS(バリウム・オルソシリケート)系蛍光体、量子ドット蛍光体、ペロブスカイト蛍光体、及びKSF(K2SiF6:Mn4+)蛍光体などを用いることができる。
なお、蛍光体の配置、及び蛍光体が設けられる反射部材15の形状は必ずしも平面である必要はなく、蛍光の強度分布を制御するため湾曲形状や段差形状を持たせてもよい。湾曲形状や段差形状は、平面鏡上に透明な樹脂を用いて形成できる。
図2に示すように、レーザー光源11から出射されたレーザー光は、光偏向素子13によって偏向角が制御され、蛍光体14−R、14−G、14−B、14−L、14−Wのいずれかに入射する。蛍光体14−R、14−G、14−B、14−L、14−Wはそれぞれ、レーザー光を波長変換して、所望の色の照明光を放射する。
[1−3] 照明装置10のブロック構成
次に、照明装置10のブロック構成について説明する。図3は、第1実施形態に係る照明装置10のブロック図である。照明装置10は、レーザー光源11、光偏向素子13、駆動回路20、電圧発生回路21、制御回路22、及び入力部23を備える。
次に、照明装置10のブロック構成について説明する。図3は、第1実施形態に係る照明装置10のブロック図である。照明装置10は、レーザー光源11、光偏向素子13、駆動回路20、電圧発生回路21、制御回路22、及び入力部23を備える。
後述するように、光偏向素子13は、液晶層の配向を制御するための複数の電極を備える。駆動回路20は、光偏向素子13が備える複数の電極に電気的に接続される。駆動回路20は、光偏向素子13に複数の電圧を印加することで、光偏向素子13を駆動する。具体的には、駆動回路20は、光偏向素子13に含まれる液晶層の配向を制御する。
電圧発生回路21は、外部電源を用いて、照明装置10の動作に必要な複数の電圧を発生する。電圧発生回路21により発生された電圧は、照明装置10内の各モジュール、特に駆動回路20に供給される。
入力部23は、外部から入力信号を受ける。この入力信号は、照明光の色を選択するための選択信号を含む。入力部23は、入力信号を制御回路22に送る。
制御回路22は、照明装置10の動作を統括的に制御する。制御回路22は、入力部23から送られた入力信号に基づいて、駆動回路20及び電圧発生回路21を制御することが可能である。
[1−4] 光偏向素子13の構成
次に、光偏向素子13の構成について説明する。図4は、図1に示した光偏向素子13の断面図である。
次に、光偏向素子13の構成について説明する。図4は、図1に示した光偏向素子13の断面図である。
光偏向素子13は、複数の液晶パネル30が積層されて構成される。図4では、一例として、7個の液晶パネル30−1〜30−7を示している。液晶パネル30−1〜30−7は、例えば、透明な接着材を用いて積層される。
図5は、図4に示した1つの液晶パネル30の平面図である。図6は、図5のA−A´線に沿った液晶パネル30の断面図である。
液晶パネル30は、透過型の液晶素子である。液晶パネル30は、対向配置された基板31、32と、基板31、32間に挟持された液晶層33とを備える。基板31、32の各々は、透明基板(例えば、ガラス基板、又はプラスチック基板)から構成される。例えば、基板31は、レーザー光源11側に配置され、レーザー光源11からのレーザー光は、基板31側から液晶層33に入射する。
液晶層33は、基板31、32間に充填される。具体的には、液晶層33は、基板31、32と、シール材34とによって包囲された領域内に封入される。シール材34は、例えば、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、又は紫外線・熱併用型硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいて基板31又は基板32に塗布された後、紫外線照射、又は加熱等により硬化させられる。
液晶層33を構成する液晶材料は、基板31、32間に印加された電圧(電界)に応じて液晶分子の配向が操作されて光学特性が変化する。本実施形態の液晶パネル30は、例えばホモジニアスモードである。すなわち、液晶層33として正の誘電率異方性を有するポジ型(P型)のネマティック液晶が用いられ、液晶分子は、電圧(電界)を印加しない時には基板面に対して概略水平方向に配向する。ホモジニアスモードでは、電圧を印加しない時に液晶分子の長軸(ダイレクタ)が概略水平方向に配向し、電圧を印加した時に液晶分子の長軸が垂直方向に向かって傾く。液晶分子の傾斜角は、印加される実効電圧に応じて変化する。液晶層33の初期配向は、液晶層33を挟むようにして基板31、32にそれぞれ設けられた2つの配向膜によって制御される。
なお、液晶モードとして、ネガ型(N型)のネマティック液晶を用いた垂直配向(VA:Vertical Alignment)モードを用いてもよい。VAモードでは、電界を印加しない時に液晶分子の長軸が概略垂直方向に配向し、電圧を印加した時に液晶分子の長軸が水平方向に向かって傾く。
基板31の液晶層33側には、それぞれがY方向に延びる複数の電極35、及び複数の電極36が設けられる。複数の電極35と複数の電極36とは、Y方向に直交するX方向に沿って、交互に配置される。複数の電極35は、同じ幅を有する。複数の電極36は、同じ幅を有する。図5及び図6では、一例として、4個の電極35−1〜35−4と、4個の電極36−1〜36−4とを示している。複数の電極35と複数の電極36とは、互いの間隔が同じであり、例えば、この間隔は、電極を加工する際の製造工程に起因する最小加工寸法である。
1つの電極35と1つの電極36との対が繰り返し単位37を構成する。図5及び図6には、4個の繰り返し単位37−1〜37−4が示される。1つの繰り返し単位37の幅(周期幅)をWとする。液晶パネル30−1〜30−7は、同じ周期幅Wを有する。
基板31、及び電極35、36上には、液晶層33の初期配向を制御する配向膜38が設けられる。
基板32の液晶層33側には、1つの共通電極39が設けられる。共通電極39は、基板32全面に平面状に設けられる。基板32、及び共通電極39上には、液晶層33の初期配向を制御する配向膜40が設けられる。なお、基板31に共通電極39を配置し、基板32に電極35、36を配置してもよい。
電極35、36、及び共通電極39はそれぞれ、透明電極から構成され、例えば、ITO(インジウム錫酸化物)が用いられる。
図4には、一例として、4個の繰り返し単位37−1〜37−4を示している。前述したように、液晶パネル30−1〜30−7は、同じ繰り返し単位37の幅(周期幅W)を有する。図4では、図面が煩雑になるのを避けるために、液晶パネル30に含まれる電極35、36を抽出して示しているが、実際の断面構造は、図5に示す通りである。図4では、液晶パネル30のうち、電極35が占める領域をドットハッチングで示し、電極36が占める領域にはハッチングを付していない。
液晶パネル30−1〜30−7において、同じ列の7個の繰り返し単位37に含まれる7個の電極35は、液晶パネル30−1〜30−7の順に長くなる。液晶パネル30−1〜30−7において、同じ列の7個の繰り返し単位37に含まれる7個の電極36は、液晶パネル30−1〜30−7の順に短くなる。
換言すると、同じ列の7個の電極35は、逆階段状に形成される。7個の電極35の増加分は一定である。同じ列の7個の電極35は、それらの左端が揃うように配置される。例えば、最小の電極35(液晶パネル30−1の電極35)の幅が最小値50μm、最大の電極35(液晶パネル30−7の電極35)の幅が最大値350μmであり、液晶パネル30ごとに50μmずつ大きくなる。
同じ列の7個の電極36は、階段状に形成される。7個の電極36の減少分は一定である。同じ列の7個の電極36は、それらの右端が揃うように配置される。例えば、最大の電極36(液晶パネル30−1の電極36)の幅が最大値350μm、最小の電極36(液晶パネル30−7の電極36)の幅が最小値50μmであり、液晶パネル30ごとに50μmずつ小さくなる。
なお、液晶パネル30−1〜30−7の積層順序は、図4の通りでなくてもよく、任意に入れ替えることが可能である。すなわち、順に幅が広くなる7個の電極35と、順に幅が狭くなる7個の電極36とをそれぞれ有する液晶パネル30−1〜30−7を光偏向素子13が備えていればよく、階段状に電極に並べなくてもよい。
液晶パネル30として、LCOS(Liquid Crystal on Silicon)方式を用いた透過型液晶素子(透過型LCOS)を用いてもよい。透過型LCOSを用いることで、電極を微細加工することが可能となり、より小型の液晶パネル30を実現できる。透過型LCOSでは、シリコン基板(又は透明基板上に形成されたシリコン層)が用いられる。シリコン基板は、バンドギャップとの関係で、特定の波長以上の波長を有する光(赤外線を含む)を透過するため、LCOSを透過型液晶素子として使用することができる。LCOSを使用することにより、セル電極がより小さい液晶素子を実現することができるため、液晶素子を小型化することが可能となる。
[1−5] 光偏向素子13の他の構成例
次に、光偏向素子13の他の構成例について説明する。図7は、他の構成例に係る光偏向素子13の断面図である。
次に、光偏向素子13の他の構成例について説明する。図7は、他の構成例に係る光偏向素子13の断面図である。
光偏向素子13は、複数の液晶パネル30が積層されて構成される。図7では、一例として、7個の液晶パネル30−1〜30−7を示している。液晶パネル30−1〜30−7は、例えば、透明な接着材を用いて積層される。
図8は、図7に示した1つの液晶パネル30の平面図である。図9は、図8のA−A´線に沿った液晶パネル30の断面図である。
基板31の液晶層33側には、それぞれがY方向に延びる複数の電極35、及び複数の電極36が設けられる。複数の電極35と複数の電極36とは、Y方向に直交するX方向に沿って、交互に配置される。複数の電極35、及び複数の電極36はそれぞれ、同じ幅を有する。図8及び図9では、一例として、4個の電極35−1〜35−4と、4個の電極36−1〜36−4とを示している。複数の電極35と複数の電極36とは、互いの間隔が同じである。
図7において、液晶パネル30−7に含まれる複数の電極35及び複数の電極36は、電極ピッチP1を有する。液晶パネル30−7の電極パターンをパターン“a”と呼ぶ。図7では、図面が煩雑になるのを避けるために、液晶パネル30に含まれる電極35、36を抽出しているが、実際の断面構造は、図8に示す通りである。図7では、液晶パネル30のうち、電極35が占める領域をドットハッチングで示し、電極36が占める領域にはハッチングを付していない。
2個の液晶パネル30−5、30−6は、同じ構造を有する。液晶パネル30−5に含まれる複数の電極35及び複数の電極36は、電極ピッチP2を有する。液晶パネル30−6も、電極ピッチP2を有する。液晶パネル30−5、30−6の電極パターンをパターン“b”と呼ぶ。パターン“b”の電極ピッチP2は、パターン“a”の電極ピッチP1の2倍である。
4個の液晶パネル30−1〜30−4は、同じ構造を有する。液晶パネル30−1に含まれる複数の電極35及び複数の電極36は、電極ピッチP3を有する。液晶パネル30−2〜30−4も、電極ピッチP3を有する。液晶パネル30−1〜30−4の電極パターンをパターン“c”と呼ぶ。パターン“c”の電極ピッチP3は、パターン“b”の電極ピッチP2の2倍である。
最大の電極幅を有する液晶パネル30−1において、1つの電極35と1つの電極36との対が繰り返し単位37であり、繰り返し単位37は、周期幅Wを有する。周期幅Wごとに、屈折率の勾配が繰り返される。図7では、液晶パネル30−1が4個の繰り返し単位37−1〜37−4を備える場合を例示している。
光偏向素子13が7個の液晶パネル30−1〜30−7を備える構成例である場合、パターン“a”、“b”、“c”の3種類の液晶パネルを用いて、光偏向素子13を構成することができる。
積層される液晶パネル30の数がさらに増えた場合でも、上記と同様の電極ピッチ及び電極パターンの関係が適用される。例えば、光偏向素子13が15個の液晶パネル30を備える構成例である場合、4種類の電極パターンをそれぞれ有する4種類の液晶パネルを用いて、光偏向素子13を構成することができる。
一般化すると、最小パターンであるパターン“a”の電極ピッチP1の2(n−1)倍の電極ピッチを有する液晶パネルの枚数は、2(n−1)である。“n”は、1から連続する自然数である。また、“n”は、最低で2まで増分(インクリメント)される。上記関係を満たすように、液晶パネルを積層することで、光偏向素子13に屈折率の勾配を形成できる。
具体的には、パターン“b”の電極ピッチP2は、パターン“a”の電極ピッチP1の2倍であるため、パターン“b”の液晶パネルの数は2個である。パターン“c”の電極ピッチP3は、パターン“a”の電極ピッチP1の4倍であるため、パターン“c”の液晶パネルの数は4個である。液晶パネル30の積層数が3個以上であれば、上記関係が成り立つ。液晶パネル30−7の電極ピッチP1=50μmとした場合、液晶パネル30−5、30−6の電極ピッチP2=100μm、液晶パネル30−1〜30−4の電極ピッチP3=200μmである。
なお、パターン“a”、“b”、“c”それぞれの液晶パネルの枚数が規定した通りであればよく、積層順序は、図7と同じでなくてもよい。すなわち、同じパターンの液晶パネルを連続して積層しなくてもよい。
[1−6] 光偏向素子13の配線構造
次に、光偏向素子13の配線構造について説明する。図10は、光偏向素子13の配線構造を示す模式図である。
次に、光偏向素子13の配線構造について説明する。図10は、光偏向素子13の配線構造を示す模式図である。
前述したように、光偏向素子13は、複数の液晶パネル30(例えば7個の液晶パネル30−1〜30−7)が積層されて構成される。また、各液晶パネル30は、複数の電極35(例えば4個の電極35)と、複数の電極36(例えば4個の電極36)とを備える。液晶パネル30−1〜30−7に含まれる複数の電極35はサイズが異なり、液晶パネル30−1〜30−7に含まれる複数の電極36はサイズが異なる。1つの電極35と、1つの電極36とは、1つの繰り返し単位37を構成する。
液晶パネル30−1〜30−7に含まれる複数の電極35は、配線41に共通接続される。液晶パネル30−1〜30−7に含まれる複数の電極36は、配線42に共通接続される。配線41、42は、駆動回路20にも接続される。すなわち、液晶パネル30−1〜30−7に含まれる複数の電極35には、同じ電圧が印加され、液晶パネル30−1〜30−7に含まれる複数の電極36には、同じ電圧が印加される。
[2] 動作
次に、上記のように構成された照明装置10の動作について説明する。
次に、上記のように構成された照明装置10の動作について説明する。
図1に示すように、制御回路22による制御に応じて、レーザー光源11は、所望の波長を有するレーザー光を発光する。レーザー光源11からのレーザー光は、コリメータ12を透過し、コリメータ12は、レーザー光を平行な光線に整形する。
コリメータ12を透過したレーザー光は、光偏向素子13に垂直に(入射角=0で)入射する。制御回路22による制御に応じて、光偏向素子13は、偏向角θでレーザー光を偏向させる。具体的には、図2に示すように、光偏向素子13は、蛍光体ユニット14に含まれる複数の蛍光体(例えば、蛍光体14−R、14−G、14−B、14−L、14−W)のうち1つを選択する。そして、光偏向素子13によって偏向されたレーザー光は、蛍光体ユニット14に含まれる複数の蛍光体の1つに入射する。蛍光体ユニット14は、所望の色の照明光(可視光)を放射する。
蛍光体ユニット14から放射された照明光は、平面鏡15によって反射される。平面鏡15によって反射された照明光は、凹面鏡16によって反射されるとともに、概略平行な光線として出射される。凹面鏡16によって反射されたレーザー光は、透過フィルター17を透過して外部に出射される。
次に、光偏向素子13の偏向動作についてより詳細に説明する。図11は、光偏向素子13の偏向動作を説明する模式的な断面図である。図11は、光偏向素子13がレーザー光を右側に偏向角θで偏向させる例を示している。図11では、電極35(図示せず)が占める領域をドットハッチングで示し、電極36(図示せず)が占める領域にはハッチングを付していない。
駆動回路20は、光偏向素子13に含まれる全ての電極35に電圧V1を印加し、全ての電極36及び全ての共通電極39に電圧V2(<V1、例えばV2=0V)を印加する。電圧V1と電圧V2とは、所定時間毎に極性反転され、すなわち、交流駆動される。
これにより、電極35が占める領域では、液晶層に電界が印加され、液晶層の屈折率が低くなる。一方、電極36が占める領域では、液晶層に電界が印加されず、液晶層の屈折率が高いままである。図11において、ハッチングがない領域は、液晶層の屈折率が相対的に高くなり、ドットハッチングの領域は、液晶層の屈折率が相対的に低くなる。
光偏向素子13の各周期幅Wは、右に向かって順に高くなる屈折率の勾配を有する。周期幅Wにおいて、最も左側の領域は、屈折率が低い領域が最も多く、最も右側の領域は、屈折率が高い領域が最も多い。屈折率が低い領域は、光が進む速度が速く、屈折率が高い領域は、光が進む速度が遅い。すなわち、屈折率が最も低い領域を透過したレーザー光と、屈折率が最も高い領域を透過したレーザー光とは、所定の位相差を有する。よって、図11の例では、光偏向素子13は、レーザー光を右側に偏向させることができる。レーザー光を左側に偏向させる場合は、電極35と電極36との電圧関係を図11と逆にすればよい。
また、0V以外に1種類の電圧を用いるのみで、光偏向素子13に屈折率の勾配を形成することができる。すなわち、制御回路22の電圧制御を容易にすることができる。また、電極35に印加する電圧V1のレベルを変化させることで、屈折率の勾配の大きさを変化させることができる。これにより、光偏向素子13の偏向角θを制御することができ、また、レーザー光の光路を切り替えることができる。
また、光偏向素子13が複数の蛍光体を高速で切り替えて選択することによって、中間的な色調を表現することも可能である。
図12は、図7に示した光偏向素子13の偏向動作を説明する模式的な断面図である。電極35、及び電極36の電圧制御は、図11の場合と同じである。図7に示した光偏向素子13においても、上記同様の偏向動作が実現できる。
偏向角θ、繰り返し単位の周期幅をW、周期幅W内の位相差(リタデーション)をRe、液晶層の屈折率異方性をΔn、全ての液晶パネルの液晶ギャップの合計をd、電極幅の変化ピッチをpとする。液晶ギャップとは、液晶パネルの2つの基板間の距離、又は液晶層の厚さを意味する。本実施形態では、7個の液晶パネル30−1〜30−7の液晶ギャップの合計が“d”である。液晶パネルの液晶分子はホモジニアス配向とし、励起レーザーの偏光軸は液晶分子のダイレクタに平行になるように入射される。偏向角θは以下の式(1)で表され、リタデーションReは以下の式(2)で表される。
θ=asin(Re/(W−p)) ・・・(1)
Re=Δn・d ・・・(2)
asinは、アークサインを意味する。
θ=asin(Re/(W−p)) ・・・(1)
Re=Δn・d ・・・(2)
asinは、アークサインを意味する。
例えば、波長λ=450nmにおける屈折率異方性Δn=0.2、各液晶パネル30のギャップが7μm、各液晶パネル30のリタデーションが1,750nm、電極幅の変化ピッチp=50μm、周期幅W=400μmであるとすると、式(1)、(2)から、片側の最大偏向角は2度(°)と計算される。
光偏向素子13による偏向角が±2度であるので、光偏向素子13と蛍光体ユニット14との距離が10cmである場合、約±0.35cm(全体で0.7cm)の範囲で蛍光体ユニット14の入射領域を選択することができる。蛍光体ユニット14に含まれる1つの蛍光体の幅を1,000μmとすると、7個の蛍光体の中から1つを選択することができる。
なお、光偏向素子における液晶ギャップ、液晶材料、及び電極ピッチなどを調整することで、最大偏向角や応答速度を要求される仕様に調整することができる。
[3] 第1実施形態の効果
以上詳述したように第1実施形態では、照明装置10は、レーザー光を発光するレーザー光源11と、レーザー光源11からのレーザー光を透過するとともに、レーザー光を屈折させる光偏向素子(液晶素子)13と、光偏向素子13からのレーザー光を受け、レーザー光を波長変化して照明光を放射し、互いに色温度の異なる複数の蛍光体を含む蛍光体ユニット14とを備える。そして、制御回路22の制御に基づいて、光偏向素子13は、レーザー光の角度を制御し、複数の蛍光体の1つを選択する。また、光偏向素子13は、屈折率の勾配を形成することによってレーザー光を偏向させるようにしている。
以上詳述したように第1実施形態では、照明装置10は、レーザー光を発光するレーザー光源11と、レーザー光源11からのレーザー光を透過するとともに、レーザー光を屈折させる光偏向素子(液晶素子)13と、光偏向素子13からのレーザー光を受け、レーザー光を波長変化して照明光を放射し、互いに色温度の異なる複数の蛍光体を含む蛍光体ユニット14とを備える。そして、制御回路22の制御に基づいて、光偏向素子13は、レーザー光の角度を制御し、複数の蛍光体の1つを選択する。また、光偏向素子13は、屈折率の勾配を形成することによってレーザー光を偏向させるようにしている。
従って第1実施形態によれば、単一波長のレーザー光を用いて複数色の照明光を発生させることが可能である。これにより、照明装置10のコストを低減できる。また、色調制御可能なレーザー照明装置を実現できる。レーザー照明として、特に期待されている用途として、自動車のヘッドランプが挙げられる。レーザー照明の特性を活かすことで、低消費電力で照射距離に優れた照明効果が得られる。
また、高価な電子部品及び光学部品を使用せず、液晶素子を用いて照明装置10を構成することができる。これにより、照明装置10のコストを低減できる。また、照明装置10の消費電力を低減できる。
また、機械動作を行う部品を使用しないため、照明装置10の信頼性を向上させることができる。また、照明装置10のサイズ、及び重量が増大するのを防ぐことができる。
[第2実施形態]
第2実施形態は、レーザー光源11を凹面鏡16の反射面側に配置する構成例である。図13は、第2実施形態に係る照明装置10の断面図である。
第2実施形態は、レーザー光源11を凹面鏡16の反射面側に配置する構成例である。図13は、第2実施形態に係る照明装置10の断面図である。
レーザー光源11、コリメータ12、光偏向素子13、及び蛍光体ユニット14の配置は、図1と同じである。光偏向素子13は、例えば、透過フィルター17に固定される。透過フィルター17は、光偏向素子13から出射されたレーザー光を通す開口部17Aを有する。
凹面鏡16は、蛍光体ユニット14のレーザー光源11とは反対側に配置される。凹面鏡16は、蛍光体ユニット14を透過した照明光を反射する。凹面鏡16によって反射された照明光は、透過フィルター17を透過して外部に出射される。
レーザー光源11及び光偏向素子13を制御する回路構成は、第1実施形態と同じである。
第2実施形態によれば、第1実施形態と同じ効果を得ることができる。また、第2実施形態では、第1実施形態で示した平面鏡15が不要であり、部品点数を削減できる。
[第3実施形態]
第3実施形態は、第1実施形態の変形例である。図14は、第3実施形態に係る照明装置10の断面図である。照明装置10は、図1の構成に加えて、テレセントリック光学系50を備える。
第3実施形態は、第1実施形態の変形例である。図14は、第3実施形態に係る照明装置10の断面図である。照明装置10は、図1の構成に加えて、テレセントリック光学系50を備える。
テレセントリック光学系50は、光偏向素子13と凹面鏡16との間に配置される。テレセントリック光学系50は、例えば、凹面鏡16に固定される。テレセントリック光学系50は、入射した光線を、レーザー光源11の光軸と平行な光線に屈折させる。具体的には、テレセントリック光学系50は、機能の異なる複数のレンズの組み合わせで構成される。
図15は、図14に示したテレセントリック光学系50を中心に説明する断面図である。光偏向素子13は、レーザー光を偏向させる。光偏向素子13から出射されたレーザー光は、テレセントリック光学系50により、レーザー光源11の光軸と平行な光線に屈折する。テレセントリック光学系50を透過したレーザー光は、蛍光体ユニット14に含まれる蛍光体14−R、14−G、14−B、14−L、14−Wの1つに概略垂直に入射する。
第3実施形態では、テレセントリック光学系50を用いることで、レーザー光をより狭い領域に集光することが可能である。これにより、蛍光体の面積を縮小することができる。結果として、コストを低減することが可能であり、また、点光源の特性を活かす設計が可能となる。
[第4実施形態]
第4実施形態は、第2実施形態の変形例である。図16は、第4実施形態に係る照明装置10の断面図である。照明装置10は、図13の構成に加えて、テレセントリック光学系50を備える。
第4実施形態は、第2実施形態の変形例である。図16は、第4実施形態に係る照明装置10の断面図である。照明装置10は、図13の構成に加えて、テレセントリック光学系50を備える。
テレセントリック光学系50は、光偏向素子13と透過フィルター17との間に配置される。テレセントリック光学系50は、例えば、透過フィルター17に固定される。テレセントリック光学系50の機能は、第3実施形態と同じである。
第4実施形態でも、テレセントリック光学系50を用いることで、レーザー光をより狭い領域に集光することが可能である。これにより、第3実施形態と同じ効果を得ることが可能である。
[第5実施形態]
第5実施形態は、レーザー光を偏向させる素子として、液晶層を有する回折格子を用いる。そして、回折格子から出射される複数次数の回折光を用いて、複数の蛍光体を選択するようにしている。
第5実施形態は、レーザー光を偏向させる素子として、液晶層を有する回折格子を用いる。そして、回折格子から出射される複数次数の回折光を用いて、複数の蛍光体を選択するようにしている。
[1] 照明装置10の構成
[1−1] 照明装置10の断面構成
図17は、第5実施形態に係る照明装置10の断面図である。
[1−1] 照明装置10の断面構成
図17は、第5実施形態に係る照明装置10の断面図である。
照明装置10は、レーザー光源11、コリメータ12、回折格子(液晶回折格子)51、蛍光体ユニット14、反射部材(平面鏡)15、反射部材(凹面鏡)16、及び透過フィルター17を備える。なお、図17では、レーザー光源11、コリメータ12、回折格子51、蛍光体ユニット14、反射部材15、反射部材16、及び透過フィルター17を固定する固定部材の図示を省略しているが、これらのモジュールは、図17に示す位置に複数の固定部材(図示せず)によって固定される。レーザー光源11、コリメータ12、平面鏡15、凹面鏡16、及び透過フィルター17の構成は、第1実施形態と同じである。
回折格子51は、レーザー光源11からのレーザー光の光軸上に配置される。回折格子51は、例えば、後述する凹面鏡16に固定される。回折格子51の入射面は、コリメータ12からのレーザー光の進行方向に対して概略垂直になるように配置される。回折格子51は、液晶層を備える液晶素子から構成される。回折格子51は、コリメータ12を透過したレーザー光を透過すると共に、このレーザー光を回折させる。回折格子51の具体的な構成については後述する。
レーザー光源11から出射されるレーザー光は、ある偏光軸で振動する直線偏光である。回折格子51の偏光方向(偏光軸)は、レーザー光の偏光方向と平行に設定される。回折格子51の偏光軸とは、液晶分子の長軸(ダイレクタ)が電界に応じて動く面と平行な方向である。
蛍光体ユニット14は、互いに色温度の異なる複数の蛍光体を備える。蛍光体ユニット14は、図17に示すように、例えば3個の蛍光体を備える。蛍光体ユニット14は、例えば、平面鏡15に固定される。
レーザー光の波長は、広範囲の可視光に蛍光させるため、青色から青紫までの間の波長を用いることが好ましい。本実施形態では、波長λ=450nm程度のGaN系半導体レーザーを用いる。
[1−2] 蛍光体ユニット14の構成
次に、蛍光体ユニット14の構成について説明する。図18は、図17に示した蛍光体ユニット14を中心に説明する断面図である。図18は、レーザー光源11から出射されたレーザー光が蛍光体ユニット14に入射する様子も示している。
次に、蛍光体ユニット14の構成について説明する。図18は、図17に示した蛍光体ユニット14を中心に説明する断面図である。図18は、レーザー光源11から出射されたレーザー光が蛍光体ユニット14に入射する様子も示している。
蛍光体ユニット14は、前述したように、色温度の異なる複数の蛍光体を備える。蛍光体ユニット14は、少なくとも、低色温度の蛍光体、及び高色温度の蛍光体を備える。例えば、図18では、蛍光体ユニット14は、色温度3,000Kの温白色を放射する蛍光体14−1、色温度10,000Kの青みがかった白色を放射する蛍光体14−2、14−3を備える。
蛍光体14−1は、回折格子51から出射される0次回折光を受けることが可能な位置に配置される。蛍光体14−2は、回折格子51から出射される+1次回折光を受けることが可能な位置に配置される。蛍光体14−3は、回折格子51から出射される−1次回折光を受けることが可能な位置に配置される。
なお、蛍光体の配置、及び蛍光体が設けられる反射部材15の形状は必ずしも平面である必要はなく、蛍光の強度分布を制御するため湾曲形状や段差形状を持たせてもよい。湾曲形状や段差形状は、平面鏡上に透明な樹脂を用いて形成できる。
[1−3] 照明装置10のブロック図
図19は、第5実施形態に係る照明装置10のブロック図である。照明装置10は、レーザー光源11、回折格子51、駆動回路20、電圧発生回路21、制御回路22、及び入力部23を備える。
図19は、第5実施形態に係る照明装置10のブロック図である。照明装置10は、レーザー光源11、回折格子51、駆動回路20、電圧発生回路21、制御回路22、及び入力部23を備える。
後述するように、回折格子51は、液晶層の配向を制御するための複数の電極を備える。駆動回路20は、回折格子51が備える複数の電極に電気的に接続される。駆動回路20は、回折格子51に複数の電圧を印加することで、回折格子51を駆動する。その他の構成は、第1実施形態と同じである。
[1−4] 回折格子51の構成
次に、回折格子51の構成について説明する。図20は、図17に示した回折格子51の平面図である。図21は、図20のA−A´線に沿った回折格子51の断面図である。回折格子51の構造は、基本的には、第1実施形態で説明した1つの液晶パネル30(図5及び図6)と同じである。
次に、回折格子51の構成について説明する。図20は、図17に示した回折格子51の平面図である。図21は、図20のA−A´線に沿った回折格子51の断面図である。回折格子51の構造は、基本的には、第1実施形態で説明した1つの液晶パネル30(図5及び図6)と同じである。
回折格子51は、透過型の液晶素子である。回折格子51は、対向配置された基板31、32と、基板31、32間に挟持された液晶層33と、シール材34と、複数の電極35と、複数の電極36と、配向膜38、40と、共通電極39とを備える。
基板31の液晶層33側には、それぞれがY方向に延びる複数の電極35、及び複数の電極36が設けられる。複数の電極35と複数の電極36とは、Y方向に直交するX方向に沿って、交互に配置される。複数の電極35、及び複数の電極36はそれぞれ、同じ幅を有する。図20及び図21では、一例として、3個の電極35−1〜35−3と、3個の電極36−1〜36−3とを示している。複数の電極35と複数の電極36とは、互いの間隔が同じであり、例えば、この間隔は、電極を加工する際の製造工程に起因する最小加工寸法である。
隣接する1つの電極35と1つの電極36とは、繰り返し単位37を構成する。図20には、一例として、3個の繰り返し単位37−1〜37−3を示している。1つの繰り返し単位37は、周期幅dを有する。その他の構成は、第1実施形態と同じである。
[1−5] 回折格子51の配線構造
次に、回折格子51の配線構造について説明する。図22は、回折格子51の配線構造を示す模式図である。
次に、回折格子51の配線構造について説明する。図22は、回折格子51の配線構造を示す模式図である。
複数の繰り返し単位37に含まれる複数の電極35は、配線41に共通接続される。複数の繰り返し単位37に含まれる複数の電極36は、配線42に共通接続される。配線41、42は、駆動回路20にも接続される。すなわち、複数の繰り返し単位37に含まれる複数の電極35には、同じ電圧が印加され、複数の繰り返し単位37に含まれる複数の電極36には、同じ電圧が印加される。
[2] 動作
次に、上記のように構成された照明装置10の動作について説明する。
次に、上記のように構成された照明装置10の動作について説明する。
図17に示すように、制御回路22による制御に応じて、レーザー光源11は、所望の波長を有するレーザー光を発光する。レーザー光源11からのレーザー光は、コリメータ12を透過し、コリメータ12は、レーザー光を平行な光線に整形する。
コリメータ12を透過したレーザー光は、回折格子51に垂直に(入射角=0で)入射する。制御回路22による制御に応じて、回折格子51は、レーザー光を回折させる。回折格子51により回折されたレーザー光は、蛍光体ユニット14に含まれる蛍光体14−1〜14−3の少なくとも1つに入射する。蛍光体ユニット14は、所望の色の照明光(可視光)を放射する。
蛍光体ユニット14から放射された照明光は、平面鏡15によって反射される。平面鏡15によって反射された照明光は、凹面鏡16によって反射されるとともに、概略平行な光線として出射される。凹面鏡16によって反射されたレーザー光は、透過フィルター17を透過して外部に出射される。
次に、回折格子51の回折動作についてより詳細に説明する。回折格子51に入射されたレーザー光は、回折格子51内に等間隔に形成された屈折率のパターンにより、複数次数の回折光に変換され、複数の回折スポットを生成する。
前述した図18には、0次回折光を用いた回折格子51の回折動作が示される。駆動回路20は、回折格子51に含まれる全ての電極35、全ての電極36、及び共通電極39に、電圧V2=0Vを印加する。この場合、液晶層33の全領域には、電界が印加されず、液晶層33の全領域において屈折率が同じである。よって、レーザー光に干渉は生じず、回折格子51は、0次回折光を出射する。
蛍光体14−1は、回折格子51の0次回折光が入射可能な領域(0次スポット)に配置される。蛍光体14−1は、0次回折光を波長変換して、色温度3,000Kの照明光を放射する。
図23は、±1次回折光を用いた回折格子51の回折動作を説明する断面図である。駆動回路20は、回折格子51に含まれる全ての電極35に電圧V1(>V2)を印加し、全ての電極36及び全ての共通電極39に電圧V2=0Vを印加する。電圧V1と電圧V2とは、所定時間毎に極性反転され、すなわち、交流駆動される。
これにより、電極35が占める領域は、液晶層に電界が印加され、液晶層の屈折率が低くなる。一方、電極36が占める領域は、液晶層に電界が印加されず、液晶層の屈折率が高いままである。電圧印加領域と無電圧印加領域との位相差がλ/2になるように、電圧V2、V1が設定される。この場合、0次スポットの光強度は波面が打ち消しあうことによって低下するが、−1次回折光及び+1次回折光は、干渉が強くなり、光強度が強くなる。この場合、回折格子51は、±1次回折光を出射する。
蛍光体14−2は、回折格子51の+1次回折光が入射可能な領域(+1次スポット)に配置される。蛍光体14−3は、回折格子51の−1次回折光が入射可能な領域(−1次スポット)に配置される。蛍光体14−2は、+1次回折光を波長変換して、色温度10,000Kの照明光を放射する。蛍光体14−3は、−1次回折光を波長変換して、色温度10,000Kの照明光を放射する。
図24は、0次回折光、及び±1次回折光を用いた回折格子51の回折動作を説明する断面図である。駆動回路20は、回折格子51に含まれる全ての電極35に電圧V3を印加し、全ての電極36及び全ての共通電極39に電圧V2=0Vを印加する。電圧V3は、“V1>V3>V2”の関係を有する。電圧V3と電圧V2とは、所定時間毎に極性反転され、すなわち、交流駆動される。
この場合、電圧印加領域と無電圧印加領域との位相差がλ/2より小さくなる。よって、回折格子51は、0次回折光、及び±1次回折光の3種類の回折光を出射する。蛍光体14−1は、赤色の照明光を放射し、蛍光体14−2、14−3は、緑色の照明光を放射する。これにより、照明装置10は、赤色と緑色とが混色した照明光を出射する。
電圧V3のレベルを変化させることで、0次回折光の強度、及び±1次回折光の強度を変化させることができる。これにより、照明光の色を変化させることができる。
レーザー光が回折格子51に入射する入射角α、±1次回折光の回折角β、回折光の次数m、レーザー光の波長λ、電極35と電極36とによって形成される位相分布の周期幅dとする。回折角βは、以下の式(3)で表される。
d(sinα−sinβ)=m・λ ・・・(3)
本実施形態では、電極35、電極36の幅をそれぞれ7μmで、電極間の隙間を3μm、電極35及び電極36によって形成される位相分布の周期幅d=200μmとする。液晶パネルの液晶分子はホモジニアス配向とし、励起レーザーの偏光軸は液晶分子のダイレクタに平行になるように入射される。波長λ=450nmにおける屈折率異方性Δn=0.25、液晶パネルのギャップは1μmとする。
d(sinα−sinβ)=m・λ ・・・(3)
本実施形態では、電極35、電極36の幅をそれぞれ7μmで、電極間の隙間を3μm、電極35及び電極36によって形成される位相分布の周期幅d=200μmとする。液晶パネルの液晶分子はホモジニアス配向とし、励起レーザーの偏光軸は液晶分子のダイレクタに平行になるように入射される。波長λ=450nmにおける屈折率異方性Δn=0.25、液晶パネルのギャップは1μmとする。
このとき、回折格子に対して垂直にレーザー光を入射した場合に生じる、0次回折光の出射角は0度であり、±1次回折光の出射角は±1.29度である。0次回折光が照射される部分(0次スポット)に低色温度3,000Kの蛍光体を配置し、±1次回折光が照射される部分(±1次スポット)にそれぞれ高色温度10,000Kの蛍光体を配置する。これにより、回折格子の電極35の印加電圧を制御することで、低色温度と高色温度との強度の比率が変化し、状況に応じた色味の照明が実現できる。
[3] 第5実施形態の効果
以上詳述したように第5実施形態では、照明装置10は、レーザー光を発光するレーザー光源11と、レーザー光源11からのレーザー光を透過するとともに、レーザー光を屈折させる回折格子(液晶素子)51と、回折格子51からのレーザー光を受け、レーザー光を波長変化して照明光を放射し、互いに色温度の異なる複数の蛍光体を含む蛍光体ユニット14とを備える。制御回路22の制御に基づいて、回折格子51は、レーザー光の角度を制御し、複数の蛍光体の1つを選択する。また、回折格子51は、0次回折光と±1次回折光とを出射することが可能である。そして、回折格子51は、電極35が設けられた第1領域と、電極36が設けられた第2領域とを含み、第1領域と第2領域との位相差を変化させることによって0次回折光と±1次回折光との強度比率を変化させるようにしている。
以上詳述したように第5実施形態では、照明装置10は、レーザー光を発光するレーザー光源11と、レーザー光源11からのレーザー光を透過するとともに、レーザー光を屈折させる回折格子(液晶素子)51と、回折格子51からのレーザー光を受け、レーザー光を波長変化して照明光を放射し、互いに色温度の異なる複数の蛍光体を含む蛍光体ユニット14とを備える。制御回路22の制御に基づいて、回折格子51は、レーザー光の角度を制御し、複数の蛍光体の1つを選択する。また、回折格子51は、0次回折光と±1次回折光とを出射することが可能である。そして、回折格子51は、電極35が設けられた第1領域と、電極36が設けられた第2領域とを含み、第1領域と第2領域との位相差を変化させることによって0次回折光と±1次回折光との強度比率を変化させるようにしている。
従って第5実施形態によれば、単一波長のレーザー光を用いて複数色の照明光を発生させることが可能である。これにより、照明装置10のコストを低減できる。また、色調制御可能なレーザー照明装置を実現できる。
また、第5実施形態では、第1実施形態と比べて、液晶素子の構造を簡単にできる。その他の効果は、第1実施形態と同じである。
なお、第5実施形態では、0次回折光、及び±1次回折光を用いて照明光を発生しているが、±1次より高次の回折光を用いるようにしてもよい。
また、第5実施形態に第3実施形態のテレセントリック光学系50を適用してもよい。すなわち、回折格子51と凹面鏡16との間に、テレセントリック光学系50を配置してもよい。これにより、第3実施形態と同じ効果を得ることができる。
[第6実施形態]
第6実施形態は、レーザー光源11を凹面鏡16の反射面側に配置する構成例である。図25は、第6実施形態に係る照明装置10の断面図である。
第6実施形態は、レーザー光源11を凹面鏡16の反射面側に配置する構成例である。図25は、第6実施形態に係る照明装置10の断面図である。
レーザー光源11、コリメータ12、回折格子51、及び蛍光体ユニット14の配置は、図17と同じである。回折格子51は、例えば、透過フィルター17に固定される。透過フィルター17は、回折格子51から出射されたレーザー光を通す開口部17Aを有する。
凹面鏡16は、蛍光体ユニット14のレーザー光源11とは反対側に配置される。凹面鏡16は、蛍光体ユニット14を透過した照明光を反射する。凹面鏡16によって反射された照明光は、透過フィルター17を透過して外部に出射される。
レーザー光源11及び回折格子51を制御する回路構成は、第5実施形態と同じである。
第6実施形態によれば、第5実施形態と同じ効果を得ることができる。また、第6実施形態では、第5実施形態で示した平面鏡15が不要であり、部品点数を削減できる。
なお、第6実施形態に第4実施形態のテレセントリック光学系50を適用してもよい。すなわち、回折格子51と透過フィルター17との間に、テレセントリック光学系50を配置してもよい。これにより、第4実施形態と同じ効果を得ることができる。
本明細書において、「平行」とは、完全に平行であることが好ましいが、必ずしも厳密に平行である必要はなく、本発明の効果に鑑みて実質的に平行と同視できるものを含み、また、製造プロセス上発生しうる誤差を含んでいてもよい。また、「垂直」とは、必ずしも厳密に垂直である必要はなく、本発明の効果に鑑みて実質的に垂直と同視できるものを含み、また、製造プロセス上発生しうる誤差を含んでいてもよい。
上記各実施形態で説明した照明装置は、車両のヘッドランプ以外の様々な照明機器に適用できる。例えば、家庭、オフィス、又は店舗で使用する照明装置に適用でき、また、調色、調光機能付の照明装置に適用できる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で、構成要素を変形して具体化することが可能である。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、1つの実施形態に開示される複数の構成要素の適宜な組み合わせ、若しくは異なる実施形態に開示される構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を構成することができる。例えば、実施形態に開示される全構成要素から幾つかの構成要素が削除されても、発明が解決しようとする課題が解決でき、発明の効果が得られる場合には、これらの構成要素が削除された実施形態が発明として抽出されうる。
10…照明装置、11…レーザー光源、12…コリメータ、13…光偏向素子、14…蛍光体ユニット、15…平面鏡、16…凹面鏡、17…透過フィルター、20…駆動回路、21…電圧発生回路、22…制御回路、23…入力部、30…液晶パネル、31,32…基板、33…液晶層、34…シール材、35…電極、36…電極、38,40…配向膜、39…共通電極、41,42…配線、50…テレセントリック光学系、51…回折格子
Claims (10)
- レーザー光を発光するレーザー光源と、
前記レーザー光源からのレーザー光を透過するとともに、前記レーザー光を屈折させる液晶素子と、
前記液晶素子からのレーザー光を受け、前記レーザー光を波長変化して照明光を放射し、第1色の第1蛍光体と、前記第1色と異なる第2色の第2蛍光体とを含む蛍光体ユニットと
を具備し、
前記液晶素子は、前記レーザー光の角度を制御し、前記第1蛍光体及び前記第2蛍光体の1つを選択する
照明装置。 - 前記液晶素子は、屈折率の勾配を形成することによって前記レーザー光を偏向させる
請求項1に記載の照明装置。 - 前記液晶素子は、
0次回折光と±1次回折光とを出射する回折格子であり、
第1電極が設けられた第1領域と、第2電極が設けられた第2領域とを含み、前記第1領域と前記第2領域との位相差を変化させることによって前記0次回折光と前記±1次回折光との強度比率を変化させる
請求項1に記載の照明装置。 - 前記第1蛍光体は、前記0次回折光を受けるように配置され、
前記第2蛍光体は、前記±1次回折光の1つを受けるように配置される
請求項3に記載の照明装置。 - 前記蛍光体ユニットは、前記第1色と異なる第3色の第3蛍光体をさらに具備し、
前記第3蛍光体は、前記±1次回折光の他の1つを受けるように配置される
請求項4に記載の照明装置。 - 前記蛍光体ユニットの前記液晶素子と反対側に設けられた第1反射部材と、
前記蛍光体ユニットから放射されかつ前記第1反射部材によって反射された照明光を、前記レーザー光の進行方向に向けて反射する第2反射部材と
をさらに具備する
請求項1乃至5のいずれかに記載の照明装置。 - 前記第1反射部材は、平面鏡であり、
前記第2反射部材は、凹面鏡である
請求項6に記載の照明装置。 - 前記蛍光体ユニットから放射された照明光を、前記レーザー光の進行方向と反対方向に向けて反射する第1反射部材をさらに具備する
請求項1乃至5のいずれかに記載の照明装置。 - 前記第1反射部材は、凹面鏡である
請求項8に記載の照明装置。 - 前記液晶素子と前記蛍光体ユニットとの間に設けられ、前記レーザー光源の光軸と平行にレーザー光を屈折させるテレセントリック光学系をさらに具備する
請求項1乃至9のいずれかに記載の照明装置。
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