JP2019144607A - 衛星画像を用いた樹種推定方法、および、樹種推定された樹木の健全度判定方法 - Google Patents
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Abstract
Description
このため、低コストで、簡単かつ確実に、樹種を推定し、樹木の健全度を判定する方法が望まれている。
衛星画像を用いた樹種推定方法であって、
衛星を介し、解析対象の地表を撮影し、樹木を含むパンクロマチック画像を生成する撮影ステップと、
生成されたパンクロマチック画像から、画像特徴から樹木を自動抽出し、円で樹木を囲む樹木抽出ステップと、
抽出円の内側領域の同時生起行列を算出し、円中心のマルチスペクトル正規化データを取得し、正規化処理を実行する解析データ整理ステップと、
教師データと抽出された樹木を付き合わせ、多変量解析モデルにより、樹種推定モデルを作成する解析モデル作成ステップと、
解析モデルにより、解析対象の地表のパンクロマチック画像から抽出された樹木の樹種を推定する衛星画像解析ステップと、
を含むことを特徴とする。
教師データが、
衛星画像中に含まれる樹木に対応する位置に植生する樹木の種類を現地で確認し、
確認された樹木の種類と、確認された樹木に対応する、衛星画像中に含まれる樹木のマルチスペクトル正規化データとを関連付け、
樹種に対応したマルチスペクトル正規化データをデータベース化することにより作成される
ことを特徴とする。
樹木抽出ステップにおいて、画像中に、ブロッコリー状の画像特徴が認められたときに、これを樹木として自動抽出することを特徴とする。
解析データ整理ステップが、数値データに対して、撮影時の衛星位置情報、太陽と地球との距離の情報に基づく補正を行い、マルチスペクトル画像の各BANDの反射率を求めるものであって、
解析データ整理ステップにおける正規化処理が、
天頂角θを求めるステップと、
Earth-Sun Distanceを求めるステップと、
地表面からの放射輝度Lを求めるステップと、
反射率を求めるステップと、
反射率を正規化処理するステップと
を含み、
各BANDの反射率の計算式は、
マルチスペクトル正規化データが、マルチスペクトルの反射率の正規化処理であり、反射輝度を、最小値が0、最大値が1になるように正規化することを示すことを特徴とする。
図1は、本発明にかかる衛星画像を用いた樹種推定方法の流れを示すフロー図、図2は、図1の樹種推定方法における解析に用いた情報の一覧、図3は、図1の樹木の抽出に用いられる画像特徴量を抽出した項目の一覧、図4は、図1の解析データの整理において実行されるマルチスペクトル画像の取得の様子を示す概念図、図5は、図1の解析データの整理において必要な天頂角の模式図、図6は、図1の解析データの整理において必要な画像の撮影日時を含む情報の一例、図7は、図1の解析データの整理において必要な衛星の各BANDの定数の一覧、図8は、図1の解析データの整理において必要な反射率の正規化の一例を示すグラフ、図9は、図1の解析モデルの作成の概念図、図10は、図1に示した樹種推定方法による教師木の樹種推定結果を示す表、図11は、図10の推定結果を画像化した一例の画像、図12は、本発明の衛星画像を用いて樹種推定された樹木の健全度判定方法の流れを示すフロー図である。
まず、本実施例では、衛星を介してパンクロマチック画像を生成する(撮影ステップS01)。
具体的には、撮影衛星としては、WorldView-2およびWorldView-3によって撮影された撮影データであって、パンクロマチック画像を使用した。
解析に用いた情報の一覧は、図2に示したとおりである。
このとき、誤検出、未検出、過検出については、手動で修正することが望ましい。
抽出では、画像の解像度が高いほど検出結果が優れる傾向が認められた。
なお、樹木自体が影に埋もれている場合、抽出が困難であり、また、樹木以外の部分も過検出されることもあった。
同時生起行列(GLCM:Gray-Level Co-occurrence Matrix)とは、画像のテクスチャ解析手法の一つであり、離れた2つの画素対における濃度の配置具合を調べる方法である。
この特徴量抽出の一覧は図3に示したとおりである。
なお、GLCMの算出には、「新編 画像解析ハンドブック」1260頁から1264頁の手法を用いた。
具体的には、図4に示されるように、可視画像上で、抽出された円から、円の中心座標位置を取得し、マルチスペクトル画像の同一座標から、マルチスペクトル画像の各BANDの11bitの数値データを取得した。
この反射率の計算手順は、以下のとおりである。
2)Earth-Sun Distance(dES)を求める。
3)地表面からの放射輝度Lを求める。
4)反射率を求める。
5)反射率を正規化処理する。
まず、天頂角θSは、撮影日時から求める。
この天頂角の概念は、図5に示すとおりである。
衛星情報には、撮影日時のデータが記録されている。
この情報から、地球と太陽との距離を求める。
即ち、firstLineTime = 2016-03-21T02:12:02.310222Zである。
具体的には、上記の場合は、以下の数式(2)となる。
衛星の各BANDの定数(GAIN、absFac、eBw、Offset)と太陽光の成分(Esun)から、画像の11bitデータ(DN)を変換し、放射輝度Lを求める。
各BANDの定数は、図7に示したとおりである。
放射輝度Lは、以下の数式(3)によって求められる。
各バンドの放射輝度Lに、天頂角(θS)と地球と太陽の距離(dES)から求められる反射率係数を乗じて、反射率を得る。
日陰の影響など、日射の当たり方の影響をできるだけ除去するため、日射の当たり方の影響を受ける反射輝度を、最小値が0、最大値が1になるように正規化した。
この正規化の一例は、図8に示したとおりである。
この解析モデル作成ステップS04は、教師データと抽出された樹木を付き合わせ、多変量解析モデルにより、樹種推定モデルを作成することによって実行される。
解析手法として、ニューラルネットワークモデル、決定木分析など、数種類の多変量解析を行い、その結果、決定木分析が最も相関が高かったため、決定木分析を分析手法として採用した。
従属変数である樹種分類については、作業員が確認し易い地域で行い、検出を実行した。
この解析モデルの作成の概念は、図9に示したとおりである。
ここでは、教師データとした全780本について、精度検証を実施した。
即ち、教師木となった樹木に対し、上記の各ステップを実行し、樹種の推定を行った。
図10の表のうち、アスタリスクがマークされたテーブルが正解であり、その本数は、780本中、716本であった。
この推定結果を画像化した画像は、図11に示したとおりである。
この画像では、樹種の推定結果を、円の囲みの近傍にローマ字表示した。
ここでは、NDVIの詳細な説明は省略する。
まず、クズのような樹木を被圧する植物に覆われた樹木については、NDVI指標に基づく活性度の推定が困難であるため、樹木の健全度の判定が困難である、と考えられる。
このため、樹種がクズ、または、これに類する樹木を被圧する植物の場合、その樹木は、「現状確認」と判定し、現場での目視、または、経過観察とする。
樹木の健全度と、NDVIの活性度の相関性であるが、NDVIが0.60超の樹木は、健全な樹木であることが確認されたため、NDVIが0.06超の樹木は「健全」と判定する。
NDVIが0.45以下の樹木は、健全度が著しく損なわれているため、「要注意」と判定する。
これは、ナラ枯れは、進行性倒木のリスクが大きいためである。
これは、マツ枯れは、倒木のリスクが比較的低いためである。
これは、侵入木は、育成が早い樹種であり、サクラなどのように幹が柔らかく、虫害を受け易い樹種が多いためである。
ここでは、樹木の健全度を示す項目を「健全」、「現状確認」、「観察」、「注意」および「要注意」とする。
次に、樹種がクズでなく、NDVIが0.60超の場合、「健全」と判定する。
Claims (7)
- 衛星画像を用いた樹種推定方法、および、樹種推定された樹木の健全度判定方法であって、
衛星を介し、解析対象の地表を撮影し、樹木を含むパンクロマチック画像を生成する撮影ステップと、
生成されたパンクロマチック画像から、画像特徴から樹木を自動抽出し、円で樹木を囲む樹木抽出ステップと、
抽出円の内側領域の同時生起行列を算出し、円中心のマルチスペクトル正規化データを取得し、正規化処理を実行する解析データ整理ステップと、
教師データと抽出された樹木を付き合わせ、多変量解析モデルにより、樹種推定モデルを作成する解析モデル作成ステップと、
解析モデルにより、解析対象の地表のパンクロマチック画像から抽出された樹木の樹種を推定する衛星画像解析ステップと、
を含む上記の衛星画像を用いた樹種推定方法、および、樹種推定された樹木の健全度判定方法。 - 教師データが、
衛星画像中に含まれる樹木に対応する位置に植生する樹木の種類を現地で確認し、
確認された樹木の種類と、確認された樹木に対応する、衛星画像中に含まれる樹木のマルチスペクトル正規化データとを関連付け、
樹種に対応したマルチスペクトル正規化データをデータベース化することにより作成される
請求項1に記載の衛星画像を用いた樹種推定方法、および、樹種推定された樹木の健全度判定方法。 - 樹木抽出ステップにおいて、画像中に、ブロッコリー状の画像特徴が認められたときに、これを樹木として自動抽出する請求項1または2に記載の衛星画像を用いた樹種推定方法、および、樹種推定された樹木の健全度判定方法。
- 解析データ整理ステップが、数値データに対して、撮影時の衛星位置情報、太陽と地球との距離の情報に基づく補正を行い、マルチスペクトル画像の各BANDの反射率を求めるものであって、
解析データ整理ステップにおける正規化処理が、
天頂角θを求めるステップと、
Earth-Sun Distanceを求めるステップと、
地表面からの放射輝度Lを求めるステップと、
反射率を求めるステップと、
反射率を正規化処理するステップと
を含み、
各BANDの反射率の計算式は
マルチスペクトル正規化データが、マルチスペクトルの反射率の正規化処理であり、反射輝度を、最小値が0、最大値が1になるように正規化することを示す
請求項1から3のいずれかに記載の衛星画像を用いた樹種推定方法、および、樹種推定された樹木の健全度判定方法。 - 衛星画像の解析により推定された樹種と、NDVI(正規化植生指標)を組み合わせ、樹木の健全度を樹種に応じて、樹木の健全度を判定する衛星画像を用いた樹種推定方法、および、樹種推定された樹木の健全度判定方法。
- 樹木の健全度を示す項目を「健全」、「現状確認」、「観察」、「注意」および「要注意」とし、
樹種がクズのとき、クズに被圧された樹木は「観察」と判定し、
樹種がクズでなく、NDVIが0.60超の場合、「健全」と判定し、
NDVIが0.60以下の樹木のうち、NDVIが0.55超の場合、「観察」と判定し、
NDVIが0.55以下の樹木のうち、NDVIが0.45以下の場合、その樹木は全て「要注意」と判定し、
NDVIが0.45超であって、ナラ枯れ樹種の場合、「要注意」と判定し、
ナラ枯れ樹種とは判定されなかった樹木のうち、マツ枯れ樹種と判定された樹木を「注意」と判定し、
マツ枯れ樹種と判定されなかった樹木のうち、侵入木と判定された樹木を「注意」と判定し、
侵入木と判定されなかった樹木を、その他の樹種として「観察」と判定する
請求項5に記載の衛星画像を用いた樹種推定方法、および、樹種推定された樹木の健全度判定方法。 - 衛星画像が、無人航空機を用いて撮影された撮影画像である請求項1から6のいずれかに記載の衛星画像を用いた樹種推定方法、および、樹種推定された樹木の健全度判定方法。
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