JP2019144380A - 表示装置付きミラー - Google Patents
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Abstract
【課題】赤外線センサーの受信性能の低下を抑制することができる表示装置付きミラーを提供する。【解決手段】表示装置付きミラーは、金属薄膜と、第1透光部及び第2透光部を形成する遮光部とを有する透明面材と、第1透光部に配置された表示装置と、第2透光部に配置され、赤外線の送信部と赤外線の受信部とを有する赤外線センサーと、を備え、赤外線センサーは、赤外線センサーの光軸を水平方向に対して傾けて配置され、赤外線センサーと透明面材との間で、かつ送信部と受信部との間に光学干渉抑制部材が配置される。【選択図】図1
Description
本発明は、赤外線センサーを有する表示装置付きミラーに関する。
ミラーと表示装置とを一体として構成した表示装置付きミラーが提案されている。特許文献1には、透光部と遮光部を備えた透明面材に粘着層を用いて表示装置を取り付けられた表示装置付きミラーが開示されている。この構成により、透明面材と表示装置との間に生じる多重反射が低減され、非表示時に、透光部と遮光部の境界を視認しづらくし、かつ表示時に鮮明な表示を可能とする。
特許文献2には、表示素子付きミラーにカメラを設置し、利用者の位置を取得することにより、ミラーに映った姿見としての写像と、表示素子上に衣装の画像を重ねあわせることが開示されている。実際に試着をしなくても、仮想的に試着した場合の映像をミラーに表示可能な、表示方法が提案されている。また、複数のカメラを表示装置の外側へ設置することにより、利用者を3次元的に撮像することが提案されている。
ところで、複数のカメラを用いて3次元的に撮像するためには、複雑な画像処理を必要とする。そのため、近年、送信部と受信部を一つの筐体内に備える赤外線センサーを利用し、対象物の反射光を測定し、伝搬遅延などから、利用者の3次元データを取得することが行われている。
赤外線センサーを表示装置付きミラーに取り付ける場合、表示装置はミラーの中央部に配置したいため、赤外線センサーを表示装置のある部分の外側、つまりミラーの中央領域以外に配置する必要がある。そうすると、ミラーの前に立つ利用者の3次元データを取得するため、ミラーを構成する透明面材に対して傾けて赤外線センサーを配置し、赤外線センサーを利用者に向けることも必要になる。
しかしながら、赤外線センサーを透明面材に対して傾けて配置した場合、透明面材と赤外線センサーの筐体表面との間に空間が生じてしまう。その結果、多重反射が生じ、受信部でノイズとして検知してしまい、受信性能を低下させてしまう懸念がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、受信性能の低下を抑制できる表示装置付きミラーを提供することを目的とする。
本発明の表示装置付きミラーは、金属薄膜と、第1透光部及び第2透光部を形成する遮光部とを有する透明面材と、前記第1透光部に配置された表示装置と、前記第2透光部に配置され、赤外線の送信部と赤外線の受信部とを有する赤外線センサーと、を備え、前記赤外線センサーは、前記赤外線センサーの光軸を水平方向に対して傾けて配置され、前記赤外線センサーと前記透明面材との間で、かつ前記送信部と前記受信部との間に光学干渉抑制部材が配置される。
本発明の表示装置付きミラーによれば、赤外線センサーの受信性能の低下を抑制することができる。
以下、添付図面にしたがって本発明の実施形態について説明する。本発明は以下の実施形態により説明される。但し、本発明の範囲を逸脱すること無く、多くの手法により変更を行うことができ、実施形態以外の他の実施形態を利用することができる。したがって、本発明の範囲内における全ての変更が特許請求の範囲に含まれる。以下、図面を参照して発明を実施するための形態を説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
[表示装置付きミラー]
図1は、実施形態における表示装置付きミラー100を例示する図である。また、図2は、図1のII−II断面概略図である。なお、図1、及び図2において、X方向は表示装置付きミラー100の幅方向、Y方向は表示装置付きミラー100の厚さ方向、Z方向は表示装置付きミラー100の高さ方向である。
図1は、実施形態における表示装置付きミラー100を例示する図である。また、図2は、図1のII−II断面概略図である。なお、図1、及び図2において、X方向は表示装置付きミラー100の幅方向、Y方向は表示装置付きミラー100の厚さ方向、Z方向は表示装置付きミラー100の高さ方向である。
なお、本明細書において、方向、位置を表わす「上」「下」「右」「左」は、表示装置付きミラー100の使用状態における「上」「下」「右」「左」を意味する。本明細書中で、数値範囲を“ から ”を用いて表す場合は、“ から ”で示される上限、下限の数値も数値範囲に含むものとする。
表示装置付きミラー100は、図1に示されるように、正面図において、第1透光部1と鏡面部2と第2透光部3とを有する。表示装置付きミラー100は、図2に示されるように、透明面材10を有する。透明面材10は、一方の面に金属薄膜20を有し、他方の面に第1透光部1、及び第2透光部3を画定するように遮光部40が形成されている。透明面材10の他方の面には第1透光部1に対応する位置に粘着層11を介して表示装置30の画像を表示する表示部が接合されている。また、透明面材10の他方の面には第2透光部3に対応する位置に赤外線センサー50が配置される。赤外線センサー50は支持台60に支持される。
表示装置付きミラー100は、透明面材10の一方の面に金属薄膜20を設け、他方の面に遮光部40を設けている領域において、表示装置30のオン時及びオフ時に鏡面部2となる。そして、表示装置付きミラー100は、表示装置30のオン時には、第1透光部1に表示画像が表示され、表示装置30のオフ時には、第1透光部1が鏡面となる。その結果、表示装置30のオフ時には、第1透光部1と鏡面部2との境界が視認されず、一体のミラーが得られる。
表示装置付きミラー100は、赤外線センサー50のオン時に、第2透光部3に赤外線を照射するが、利用者は赤外線を肉眼で視認できないため、鏡面として見える。赤外線センサー50のオフ時も鏡面として見えるため、赤外線センサーの動作に関わらず、利用者側から見えづらくし、表示装置30の周辺を鏡面として利用する事ができる。
なお、以下において、透明面材10の表示装置30、及び赤外線センサー50を設けた面を背面、透明面材10の金属薄膜20を設けた面を前面として説明する。
<透明面材>
透明面材10は、例えば、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、アルミノボロシリケートガラス、無アルカリガラス等の無機ガラス、もしくはポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等からなる透明樹脂である。また、透明面材10は、複数のガラス板が中間膜で貼り合わされた合わせガラス、又はガラス板と透明樹脂もしくは透明樹脂と透明樹脂とが中間膜で貼り合わされた積層体であってもよい。合わせガラス及び積層体に用いられる中間膜は公知の材料を使用できる。例えば、PVB(ポリビニルブチラール)やEVA(エチレンビニルアセテート)等が挙げられる。
透明面材10は、例えば、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、アルミノボロシリケートガラス、無アルカリガラス等の無機ガラス、もしくはポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等からなる透明樹脂である。また、透明面材10は、複数のガラス板が中間膜で貼り合わされた合わせガラス、又はガラス板と透明樹脂もしくは透明樹脂と透明樹脂とが中間膜で貼り合わされた積層体であってもよい。合わせガラス及び積層体に用いられる中間膜は公知の材料を使用できる。例えば、PVB(ポリビニルブチラール)やEVA(エチレンビニルアセテート)等が挙げられる。
なお、合わせガラスおよび積層体を構成する無機ガラスおよび透明樹脂の数は限定されない。例えば、3枚の無機ガラスを有する合わせガラスでもよい。
透明面材10が無機ガラスである場合には、例えば化学強化処理又は物理強化処理等の表面強化処理が施されていてもよい。
本実施形態における透明面材10は矩形であるが、矩形以外の任意の形状であってもよい。また、透明面材10の厚さは、例えば2〜6mmである。
透明面材10は、金属薄膜20及び遮光部40を有し、遮光部40が第1透光部1及び第2透光部3を形成するように設けられている。金属薄膜20及び遮光部40は、透明面材10の同一の面上に設けられてもよく、それぞれ異なる面上に設けられてもよい。第1透光部1と鏡面部2との境界の視認性を低減するために、遮光部40が金属薄膜20と表示装置30との間に形成されていることが好ましい。第2透光部3と鏡面部2との境界の視認性を低減するため、遮光部40が金属薄膜20と赤外線センサー50との間に形成されていることが好ましい。また、透明面材10が赤外線センサー50と対向する箇所に透明なフィルム等を有していてもよい。
<金属薄膜>
透明面材10の一面には、金属薄膜20が設けられている。透明面材10の一面に金属薄膜20を設けることで、透明面材10を単独で用いた場合よりも可視光線(光の波長が400nmから600nmの範囲。以下同じ。)が反射される。そして、透明面材10の背面に遮光部40を設けると、透明面材10に鏡面部2が形成される。
透明面材10の一面には、金属薄膜20が設けられている。透明面材10の一面に金属薄膜20を設けることで、透明面材10を単独で用いた場合よりも可視光線(光の波長が400nmから600nmの範囲。以下同じ。)が反射される。そして、透明面材10の背面に遮光部40を設けると、透明面材10に鏡面部2が形成される。
金属薄膜20は透明面材10の前面(表示部と対向しない面:背面)に設けることが好ましい。これにより、可視光線を反射する効果がより顕著になり、表示装置付きミラーの意匠性が向上する。
金属薄膜20は、金属、金属酸化物又は金属窒化物の膜である。金属薄膜は、単一の膜からなってもよく、複数の膜で構成されてもよい。金属薄膜20は、透明面材10の表面に直接形成してもよく、金属薄膜20を有するフィルムを透明面材10に粘着層で貼合して形成してもよい。この場合の粘着層は限定されない。
金属薄膜20の可視光線の平均反射率は、例えば10%から90%の範囲である。前記平均反射率は、反射像を鮮明にする場合には50%超で90%以下が好ましく、表示装置30の透過像を鮮明にしたい場合には、20%から50%の範囲が好ましい。平均反射率が20%から50%の範囲にあれば、表示装置30がオフ時の第1透光部1と鏡面部2とで像再現性に優れたミラーにできる。表示装置30のオン時に第1透光部1で鮮明な表示画像を表示でき、表示装置30のオフ時に第1透光部1と鏡面部2とで像再現性に優れたミラーが得られる点で、金属薄膜20の可視光線の平均反射率は、25%から45%の範囲がより好ましく、30%から40%の範囲がさらに好ましい。ここで、像再現性に優れたミラーとは、ミラー面に像の存在を確認できる程度では無く、像の色と形状が明確に理解できる程度の再現性をいう。
金属薄膜20は、可視光線の平均透過率が高いことが好ましい。可視光線の平均透過率を高くすることで、透明面材10の背面に粘着層11を介して接合されている表示装置30から出射された光を十分に透過できて、鮮明な像を表示できる。
金属薄膜20の可視光線の平均透過率は、50%以上が好ましい。平均透過率が50%以上であれば、表示装置30がオン時の第1透光部1で鮮明な表示画像を表示できる。表示画像の鮮明性を向上させる点で、平均透過率は55%以上がより好ましく、60%以上がより好ましい。一方で、表示装置30がオフ時の第1透光部1と鏡面部2とで像再現性に優れたミラーを得るためには、金属薄膜20の可視光線の平均透過率は80%以下が好ましい。
金属薄膜20の赤外線の平均反射率は、5%以上が好ましく、10%以上がより好ましい。赤外線の平均反射率が5%以上であれば、表示装置30の熱損傷を低減できる。一方で、赤外線センサー50がオン時の受信性能を得るためには、金属薄膜の平均反射率は40%以下が好ましく、20%以下がより好ましい。
金属薄膜20の成膜方法は、スパッタリング法、蒸着法、湿式コーティング法等が挙げられる。金属薄膜20で使用される材料に応じて適切な成膜方法を採用すればよい。なお、上記した成膜方法は、透明面材10に直接成膜する場合および、フィルムに成膜する場合で同様である。
金属薄膜20の金属材料としては、Si、Sn、Zn、Al、Ti、InまたはCrが好ましい。金属酸化物は上記した金属の酸化物が好ましい。金属窒化物は、上記した金属の窒化物が好ましい。金属薄膜20の典型的な材料としては、ITO(錫ドープ酸化インジウム)、Al、コバルト酸化物が挙げられる。
金属薄膜20の膜厚は全体で、50nmから500nmの範囲が好ましく、100nmから200nmの範囲がより好ましい。複数の金属薄膜で構成される場合、各金属薄膜の膜厚は自由に設定できるが、全体の膜厚を上記した範囲とすることが好ましい。
金属薄膜20の表面(透明面材10を設けていない側の面)には、金属薄膜20の前記した分光特性を低減させない範囲で樹脂薄膜(図示しない)を設けてもよい。樹脂薄膜を設けることで、防汚性能や易清浄性を付与できるため好ましい。樹脂薄膜としては、フッ素樹脂やシリコーン樹脂等が挙げられる。フッ素樹脂の樹脂薄膜を設けると、樹脂薄膜は蒸着法、前記した樹脂からなるフィルムを粘着層により貼合して形成できる。
<遮光部>
透明面材10の一面には、第1透光部1、及び第2透光部3を有するように遮光部40が形成されている。遮光部40が形成されていない領域は、透明面材10の前面側から視認した際に第1透光部1、及び第2透光部3となる。そして、遮光部40が形成された領域は、透明面材10の前面側から視認した際に鏡面部2となる。
透明面材10の一面には、第1透光部1、及び第2透光部3を有するように遮光部40が形成されている。遮光部40が形成されていない領域は、透明面材10の前面側から視認した際に第1透光部1、及び第2透光部3となる。そして、遮光部40が形成された領域は、透明面材10の前面側から視認した際に鏡面部2となる。
遮光部40は、透明面材10の背面(表示部と対向する面)に設けることが好ましい。これにより、遮光部40と第1透光部1との境界部、及び遮光部40と第2透光部3との境界部がより目立たなくなり、意匠性が向上する。
遮光部40の色は、表示装置30のオフ時の表示面の色と近い色が好ましい。この構成をとることにより、表示装置30のオフ時に第1透光部1と鏡面部2との境界がさらに不鮮明になる。その結果、表示装置付きミラー100の第1透光部1と鏡面部2とが一体のミラーが得られる。
表示装置30が液晶表示装置の場合、表示面は黒色に近い色であるため、遮光部40は黒色が好ましい。
第2透光部3の大きさは、赤外線センサー50と比較してできるだけ小さくすることが好ましい。透明面材10と赤外線センサー50との間の遮光部40は、赤外線センサー50が利用者から視認されることを低減し、意匠性が向上する。
遮光部40の色は、赤外線センサー50の筐体56の色と近い色が好ましい。この構成をとることにより、第2透光部3と鏡面部2との境界が不鮮明になる。その結果、表示装置付きミラー100の第2透光部3と鏡面部2とが一体のミラーが得られる。赤外線センサー50の筐体56が黒色に近い色の場合、遮光部40は黒色が好ましい。また、意匠性を向上するために、筐体56の表面に、塗装や、フィルムの貼り付けなどを行っても良い。
遮光部40は、可視光線(光の波長が400nmから600nmの範囲)の平均透過率が1%以下であることが好ましく、実質的に0%がより好ましい。遮光部40の平均透過率が1%以下であれば、透明面材10の前面側から視認した際に背面を視認できず、鏡面として十分に機能する。
第1透光部1の形状は矩形に限定されず、表示装置30の大きさ、表示装置30の表示像等に応じて自由に変更できる。同様に、第2透光部3の形状は矩形に限定されず、赤外線センサー50の大きさ等に応じて自由に変更できる。
遮光部40の形成方法としては、透明面材10に直接形成する方法、遮光部を有する面材を透明面材10に貼合して形成する方法、可視光線の平均透過率が上記した範囲の樹脂フィルムを貼合する方法等が挙げられる。
透明面材10に直接形成する方法としては、例えばセラミック顔料を含む塗料を用いたスクリーン印刷、インクジェット印刷等が挙げられる。
遮光部を有する面材を透明面材10に貼合して形成する方法としては、スクリーン印刷、インクジェット印刷等の方法で他の面材に遮光部を形成し、他の面材と透明面材10とをPVB(ポリビニルブチラール)等を介して貼合する方法が挙げられる。
可視光線の平均透過率が上記した範囲の樹脂フィルムを貼合する方法としては、例えば、黒色のPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを粘着層により透明面材10に貼合する方法が挙げられる。
透明面材10の第1透光部1の数、第1透光部1を設ける位置、面積、形状は限定されない。したがって、表示装置付きミラー100の遮光部40は、第1透光部1の数、位置、面積および形状等の所望の設計に応じた形となるように形成される。
赤外線センサー50は、表示装置30の外側に配置される。赤外線センサー50に対応する第2透光部3は、第1透光部1の外側に形成される。好ましくは、赤外線センサー50は、表示装置30の上側、又は下側に設けられる。したがって、対応する第2透光部3に、第1透光部1の上側、又は下側に設けられることが好ましい。
<表示装置>
透明面材10の第1透光部1に対応する位置の背面には、粘着層11を介して表示装置30の画像を表示する表示部が接合されている。表示装置30は、例えば液晶ディスプレイ装置、有機ELディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置等である。表示装置30は、例えば不図示の記憶装置に記憶されている画像や、ネットワークを介して接続するコンピュータやサーバ等から送信される画像を表示する。
透明面材10の第1透光部1に対応する位置の背面には、粘着層11を介して表示装置30の画像を表示する表示部が接合されている。表示装置30は、例えば液晶ディスプレイ装置、有機ELディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置等である。表示装置30は、例えば不図示の記憶装置に記憶されている画像や、ネットワークを介して接続するコンピュータやサーバ等から送信される画像を表示する。
表示装置付きミラー100では、表示装置30として、液晶ディスプレイ装置を使用している。液晶ディスプレイ装置においては、表示パネル31が粘着層11を介して透明面材10に接合している。そして、表示パネル31の背面側にバックライト32が配置される。
表示装置付きミラー100は、表示装置30の画像を表示する表示部と透明面材10とが粘着層11を介して接合されているので、透明面材10の第1透光部1の背面において、表示装置30で表示される表示像が反射されにくくなる。その結果、表示装置30のオン時において、透明面材10の前面側に鮮明な表示画像を表示できる。
表示装置30の画像を表示する表示部の面積は、第1透光部1の面積よりも大きいことが好ましい。この場合、表示部の外周縁が遮光部40に重複するように設けられている。この構成をすると、透明面材10の前面から表示部の外周縁が見えなくなることで、第1透光部1に表示される画像が、透明面材10の前面側に浮き上がって見える効果が得られる。
表示装置30は、表示パネル31とバックライト32とを保護する筐体56を有してもよい。筐体56は、粘着層11とは別の粘着層(図示しない)を介して遮光部40に接合されることが好ましい。これにより、透明面材10の前面側から表示装置付きミラー100を見ても、筐体56と透明面材10との接合部分は確認できず、意匠性に優れる。
<粘着層>
本実施形態の表示装置付きミラー100は、表示装置30の画像を表示する表示部と透明面材10の第1透光部1とが粘着層11を介して接合されている。この構成により、表示装置付きミラー100は、表示装置30のオフ時には、第1透光部1が鏡面となり第1透光部1と鏡面部2との境界が不鮮明となる。その結果、表示装置30のオフ時には、表示装置付きミラー100は一体のミラーとして機能する。さらに、表示装置30のオン時には、透明面材10の第1透光部1の背面において、表示画像の反射が低減される。その結果、表示装置30のオン時において、透明面材10の前面側に鮮明な表示画像を表示できる。さらに、第1透光部1を通過する表示画像の光の強度が低下しにくいので、表示装置30の光の強度を高くする必要がない。そのため、表示装置30の光の強度を高くすることによる発熱や電力消費を低減できる。
本実施形態の表示装置付きミラー100は、表示装置30の画像を表示する表示部と透明面材10の第1透光部1とが粘着層11を介して接合されている。この構成により、表示装置付きミラー100は、表示装置30のオフ時には、第1透光部1が鏡面となり第1透光部1と鏡面部2との境界が不鮮明となる。その結果、表示装置30のオフ時には、表示装置付きミラー100は一体のミラーとして機能する。さらに、表示装置30のオン時には、透明面材10の第1透光部1の背面において、表示画像の反射が低減される。その結果、表示装置30のオン時において、透明面材10の前面側に鮮明な表示画像を表示できる。さらに、第1透光部1を通過する表示画像の光の強度が低下しにくいので、表示装置30の光の強度を高くする必要がない。そのため、表示装置30の光の強度を高くすることによる発熱や電力消費を低減できる。
粘着層11は、25℃で1Hzにおける貯蔵せん断弾性率G’が、103Paから107Paの範囲であることが好ましい。貯蔵せん断弾性率G’がこの範囲にあれば、粘着層11と透明面材10および表示装置30とが十分に濡れて、かつ、粘着層11の形状が維持されるので、表示装置30と透明面材10とを強固に固定できる。粘着層11の貯蔵せん断弾性率G’は、104Paから106Paの範囲であることがより好ましく、貯蔵せん断弾性率G’が104Paから105Paの範囲であることがさらに好ましい。
粘着層11の厚さは、例えば0.03mmから2mmの範囲が好ましく、0.1mmから1mmの範囲がより好ましい。粘着層11の厚さが0.03mm以上であれば、透明面材10の前面側から外力等が加わった際に、粘着層11が外力による衝撃を十分に低減し、表示装置30を保護できる。また、表示装置30と透明面材10との間に、粘着層11の厚さ未満の寸法の異物が混入しても、粘着層11の厚さが変化しないため、異物混入による視認性への影響が抑制される。さらに、表示装置30の表示部の視認性を確保する観点から、粘着層11の厚さは2mm以下であることが好ましい。
<赤外線センサー>
赤外線センサー50は、対象物までの距離を測定することにより対象物の3次元データを取得できる深度センサーである。赤外線センサー50は、赤外線プロジェクタと称される赤外線を対象物に照射する送信部52と、赤外線カメラと称される対象物から赤外線を受信する受信部54と、を備える。赤外線センサー50は、送信部52と受信部54を囲う筐体56を備える。図示しないが、赤外線センサー50は、RGBカラーカメラを備えることができる。
赤外線センサー50は、対象物までの距離を測定することにより対象物の3次元データを取得できる深度センサーである。赤外線センサー50は、赤外線プロジェクタと称される赤外線を対象物に照射する送信部52と、赤外線カメラと称される対象物から赤外線を受信する受信部54と、を備える。赤外線センサー50は、送信部52と受信部54を囲う筐体56を備える。図示しないが、赤外線センサー50は、RGBカラーカメラを備えることができる。
赤外線センサー50は、例えば、以下の方法で距離を測定し、3次元データを取得できるので、利用者の位置、動き等を検出することができる。
一つの方法として、送信部52から所定のパターンの赤外線を対象物に照射し、受信部54がパターンの画像を取り込む。取り込んだパターンの画像から、対象物までの距離を測定することで、3次元データを取得できる。
別の方法として、赤外線センサー50は、送信部52から赤外線を対象物に照射し、対象物で反射した赤外線が受信部54に到達するまでの時間(伝搬遅延)から、対象物までの距離を測定することで、3次元データを取得できる。
赤外線センサー50として、例えば、Kinect(Microsoft社製)、Xtion Pro(Asus社製)等を使用することができる。
赤外線センサー50は、例えば、水平方向に約70°及び仰角方向に約60°の有効範囲を有している。利用者の動きを検出するためには、利用者の姿勢、手や足の移動範囲を含めた領域が検出の対象となる。例えば、利用者が手を挙げた状態(利用者の最高到達点)を想定する必要がある。利用者が表示装置30の正面にいる状態で、利用者の最高到達点が赤外線センサー50の仰角方向の範囲内含まれるよう、赤外線センサーの光軸OAを、利用者の移動範囲の中心に向けることが望ましい。
実施形態では、赤外線センサー50は、光軸OAを水平方向に対して上向きに傾けた状態で配置される。
一方、赤外線センサー50を傾けると、図2に示されるように、赤外線センサー50と透明面材10との間に隙間が形成される。その結果、透明面材10と送信部52との間に多重反射が生じて迷光となり、受信部54により検知されてノイズとなり、受信性能を低下させてしまう現象が生じた。この現象は、以下のように推定される。
通常は、送信部52から送信された赤外線は透明面材10を通過し、対象物である利用者に照射される。利用者で反射された赤外線は、透明面材10を通過し、受信部54により受信される。
しかしながら、送信部52から送信された赤外線が透明面材10の背面を通過せず、透明面材10の背面で反射される。透明面材10の背面で反射された赤外線が、受信部54により受信される。これが迷光の原因となり、その結果、受信部54が、適正な赤外線と迷光の赤外線とを受信するため、受信性能が低下する場合があった。
実施形態では、後述する光学干渉抑制部材70を設けることにより、赤外線センサー50の受信性能の低下を抑制することができる。
<光学干渉抑制部材>
図1、図3に示されるように、光学干渉抑制部材70が、送信部52と受信部54との間に、配置される。図3に示されるように、光学干渉抑制部材70は、受信部54が透明面材10で反射される迷光を受信することを抑制でき、赤外線センサー50の受信性能の低下を抑制できる。
図1、図3に示されるように、光学干渉抑制部材70が、送信部52と受信部54との間に、配置される。図3に示されるように、光学干渉抑制部材70は、受信部54が透明面材10で反射される迷光を受信することを抑制でき、赤外線センサー50の受信性能の低下を抑制できる。
光学干渉抑制部材70は、送信部52から送信される赤外線を透過しない材料で構成されることが好ましく、赤外線を吸収する材料であることが好ましい。
光学干渉抑制部材70は、透明面材10に接触することが好ましい。透明面材10と赤外線センサー50と間に形成された隙間を埋めるためである。透明面材10と赤外線センサー50との隙間を埋めることにより、ノイズの原因となる迷光が受信部54に到達することを、より確実に抑制できる。光学干渉抑制部材70は迷光の受信のみを抑制し、送信部52から利用者Uに到達する赤外線および利用者Uで反射し透明受光部54で受信する赤外線への抑制は低減されることが望ましい。したがって、光学干渉部材70は、送信部52と受信部54の中心に配置されるのが好ましい。光学干渉抑制部材70の大きさは、1mmから20mmの幅、より好ましくは5mmから15mmまでの幅であると、赤外線センサー50および透明面材10への設置を簡便に行える。光学干渉抑制部材70の高さは、赤外線センサー50の仰角方向の有効範囲の透明面材10への投影部の高さ以上ある事が好ましく、赤外線センサー50の高さ以上ある事がより好ましい。以下図5の例では、幅を15mm、高さを赤外線センサー50の高さである30mmとした。
光学干渉抑制部材70を、透明面材10に確実に接触させるため、光学干渉抑制部材70は軟質材料で構成されることが好ましい。軟質材料の光学干渉抑制部材70は、透明面材10に接した際に変形するので、光学干渉抑制部材70を透明面材10に密着させることができる。したがって、光学干渉抑制部材70を透明面材10に確実に接触させることができる。
軟質材料として、外からの力で変形しやすい材料、特にスポンジを用いることが好ましい。スポンジは、多孔質の部材で容易に変形させることができる。スポンジとして、ウレタン等の樹脂製のスポンジ、又はゴム製のスポンジを使用することができる。
光学干渉抑制部材70は、黒色であることが好ましい。光学干渉抑制部材70を黒色にすることにより、赤外線センサー50の筐体56、及び遮光部40との境界を不鮮明にできる。結果として、利用者が光学干渉抑制部材70を視認し難くすることができる。
図4、及び図5は、実施形態の効果を説明するための図である。図4及び図5は、赤外線センサー50から得られた利用者Uの情報を、距離によって明るさを変えて、表示装置30に表示した場合を示している。
図4は、赤外線センサー50が光学干渉抑制部材70を設けていない場合の表示である。図4の矢印Aで示すように、表示装置30の右側には、黒色が表示されている。この領域に対象物は存在しないでの、本来なら矢印Bで示す明るさの画像が表示される。
しかしながら、迷光によるノイズが原因で、黒色が表示されていると推定される。
一方、図5は、赤外線センサー50が光学干渉抑制部材70を設けている場合の表示である。図5の矢印Cで示すように、表示装置30の右側には、矢印Dで示す色が表示されている。ノイズの原因となる迷光が抑制され、赤外線センサー50の受信性能の低下を抑制できたことが理解できる。
実施形態では、赤外線センサー50を表示装置30の下側に配置し、赤外線センサー50の光軸OAを水平方向に対して上向きに傾けて配置した場合を説明した。赤外線センサー50は、これに限定されず、表示装置30の上側に配置し、赤外線センサー50の光軸OAを水平方向に対して下向きに傾けて配置してもよい。
1 第1透光部、2 鏡面部、3 第2透光部、10 透明面材、11 粘着層、20 金属薄膜、30 表示装置、31 表示パネル、32 バックライト、40 遮光部、50 赤外線センサー、52 送信部、54 受信部、56 筐体、60 支持台、70 光学干渉抑制部材、100 表示装置付きミラー
Claims (6)
- 金属薄膜と、第1透光部及び第2透光部を形成する遮光部とを有する透明面材と、
前記第1透光部に配置された表示装置と、
前記第2透光部に配置され、赤外線の送信部と赤外線の受信部とを有する赤外線センサーと、
を備える表示装置付きミラーであって、
前記赤外線センサーは、前記赤外線センサーの光軸を水平方向に対して傾けて配置され、
前記赤外線センサーと前記透明面材との間で、かつ前記送信部と前記受信部との間に光学干渉抑制部材が配置される、表示装置付きミラー。 - 前記赤外線センサーは、前記表示装置の上又は下に配置される、請求項1に記載の表示装置付きミラー。
- 前記光学干渉抑制部材は前記透明面材に接触する、請求項1又は2に記載の表示装置付きミラー。
- 前記光学干渉抑制部材は軟質材料で構成される、請求項3に記載の表示装置付きミラー。
- 前記軟質材料はスポンジである請求項4に記載の表示装置付きミラー。
- 前記光学干渉抑制部材は黒色である、請求項1から5の何れか一項に記載の表示装置付きミラー。
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Publications (1)
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2018
- 2018-02-20 JP JP2018027849A patent/JP2019144380A/ja active Pending
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