JP2019143637A - 内燃機関の制御装置及び制御方法 - Google Patents
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Abstract
Description
燃焼室内に吸入された空気量の情報である筒内吸気量情報を含む内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出部と、
前記筒内吸気量情報を含む予め設定された種類の運転状態と、目標点火時期の基本値との関係が予め設定された関数である点火時期設定関数を用い、複数の数に予め設定された吸気標本数の前記筒内吸気量情報のそれぞれに対応する前記吸気標本数の前記目標点火時期の基本値を算出する複数吸気点火算出部と、
前記筒内吸気量情報及び点火時期を含む予め設定された種類の運転状態と、前記内燃機関の出力トルクとの関係が予め設定された関数であるトルク特性関数を用い、前記吸気標本数の筒内吸気量情報のそれぞれ、及び前記吸気標本数の目標点火時期の基本値のそれぞれに対応する前記吸気標本数の前記出力トルクである前記吸気標本数の吸気点火対応トルクを算出する複数吸気トルク算出部と、
前記吸気標本数の筒内吸気量情報と前記吸気標本数の吸気点火対応トルクとの関係を近似した近似曲線である吸気トルク近似曲線を算出する吸気トルク近似曲線算出部と、
前記吸気トルク近似曲線を用い、前記内燃機関に要求されている出力トルクである目標トルクに対応する前記筒内吸気量情報を、目標筒内吸気量情報として算出する目標吸気量算出部と、
前記目標筒内吸気量情報に基づいて、筒内に吸入される空気量を制御する吸気量制御部と、
を備えたものである。
燃焼室内に吸入された空気量の情報である筒内吸気量情報を含む内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出ステップと、
前記筒内吸気量情報を含む予め設定された種類の運転状態と、目標点火時期の基本値との関係が予め設定された関数である点火時期設定関数を用い、複数の数に予め設定された吸気標本数の前記筒内吸気量情報のそれぞれに対応する前記吸気標本数の前記目標点火時期の基本値を算出する複数吸気点火算出ステップと、
前記筒内吸気量情報及び点火時期を含む予め設定された種類の運転状態と、前記内燃機関の出力トルクとの関係が予め設定された関数であるトルク特性関数を用い、前記吸気標本数の筒内吸気量情報のそれぞれ、及び前記吸気標本数の目標点火時期の基本値のそれぞれに対応する前記吸気標本数の前記出力トルクである前記吸気標本数の吸気点火対応トルクを算出する複数吸気トルク算出ステップと、
前記吸気標本数の筒内吸気量情報と前記吸気標本数の吸気点火対応トルクとの関係を近似した近似曲線である吸気トルク近似曲線を算出する吸気トルク近似曲線算出ステップと、
前記吸気トルク近似曲線を用い、前記内燃機関に要求されている出力トルクである目標トルクに対応する前記筒内吸気量情報を、目標筒内吸気量情報として算出する目標吸気量算出ステップと、
前記目標筒内吸気量情報に基づいて、筒内に吸入される空気量を制御する吸気量制御ステップと、
を実行するものである。
実施の形態1に係る内燃機関の制御装置30(以下、単に制御装置30と称す)について図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態に係る内燃機関1の概略構成図であり、図2は、本実施の形態に係る制御装置30のブロック図である。内燃機関1及び制御装置30は、車両に搭載され、内燃機関1は、車両(車輪)の駆動力源となる。
図1に示すように、内燃機関1は、空気と燃料の混合気を燃焼する燃焼室25を備えている。内燃機関1は、燃焼室25に空気を供給する吸気管23と、燃焼室25で燃焼した排気ガスを排出する排気管17とを備えている。燃焼室25は、シリンダ(気筒)とピストンにより構成されている。以下では、燃焼室25を気筒とも称す。内燃機関1は、ガソリンエンジンとされている。内燃機関1は、吸気管23を開閉するスロットルバルブ6を備えている。スロットルバルブ6は、制御装置30により制御される電気モータにより開閉駆動される電子制御式スロットルバルブとされている。スロットルバルブ6には、スロットルバルブ6の開度に応じた電気信号を出力するスロットル開度センサ7が設けられている。
次に、制御装置30について説明する。制御装置30は、内燃機関1を制御対象とする制御装置である。図2のブロック図に示すように、制御装置30は、トルク制御部31、トルクインターフェイス部32、及びエンジン制御部33等の制御部を備えている。制御装置30の各制御部31〜33等は、制御装置30が備えた処理回路により実現される。具体的には、制御装置30は、図3に示すように、処理回路として、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置90(コンピュータ)、演算処理装置90とデータのやり取りをする記憶装置91、演算処理装置90に外部の信号を入力する入力回路92、演算処理装置90から外部に信号を出力する出力回路93、及び通信回路94等を備えている。
制御装置30は、目標トルクに基づいて内燃機関1を制御するトルクベース制御を実行する。制御装置30は、上述したように、概略的に、トルク制御部31、トルクインターフェイス部32、及びエンジン制御部33を備えている。トルク制御部31は、目標トルクの演算を行う。トルクインターフェイス部32は、目標トルクに基づいて、内燃機関の制御量の目標値を算出する。エンジン制御部33は、制御量の目標値に基づいて、各種の電気負荷を駆動制御する。
トルク制御部31は、アクセル開度センサ26により検出された実アクセル開度に基づいて、運転者が内燃機関1に要求している出力トルクであるドライバ要求トルクを算出する。また、トルク制御部31は、アイドリング運転時に回転速度を維持するために必要な出力トルクであるアイドリングトルクを算出する。また、トルク制御部31は、変速機制御装置95、モータ制御装置96、及びブレーキ・トラクション制御装置97等の外部の制御装置から要求されている出力トルクである外部要求トルクを算出する。そして、トルク制御部31は、ドライバ要求トルク、アイドリングトルク、及び外部要求トルクの優先順位を判定して、目標トルクを算出する(このような演算をトルク調停とも言う)。
トルクインターフェイス部32は、内燃機関の運転状態に基づいて、目標トルクと充填効率の相互変換、及び目標トルクと点火時期の相互変換を実施し、目標充填効率Ect、及び目標点火時期IGtを算出し、エンジン制御部33に伝達する。また、トルクインターフェイス部32は、内燃機関の運転状態に基づいて、実出力トルクTrqrを算出し、トルク制御部31に伝達する。トルクインターフェイス部32の詳細な処理は、後述する。
エンジン制御部33は、内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出部330を備えている。運転状態検出部330は、各種のセンサの出力信号等に基づいて各種の運転状態を検出する。具体的には、運転状態検出部330は、大気圧センサ2の出力信号に基づいて実大気圧を検出し、エアフローセンサ3の出力信号に基づいて実吸入空気流量を検出し、吸入空気温度センサ4の出力信号に基づいて実外気温を検出し、スロットル開度センサ7の出力信号に基づいて実スロットル開度を検出し、マニホールド圧センサ8の出力信号に基づいて実マニホールド圧を検出し、マニホールド温度センサ9の出力信号等に基づいて吸気マニホールド12内の気体の温度である実マニホールド温度を検出し、空燃比センサ18の出力信号に基づいて、排気ガスの実空燃比を検出し、アクセル開度センサ26の出力信号に基づいて実アクセル開度を検出し、EGR開度センサ27の出力信号に基づいて実EGR開度を検出する。
エンジン制御部33は、吸入空気量を制御する吸気量制御部331を備えている。吸気量制御部331は、目標充填効率Ectから目標吸入空気量を算出し、目標吸入空気量から目標吸入空気流量を算出する。エンジン制御部33は、目標吸入空気流量を達成するように、実吸入空気流量及び実マニホールド圧に基づいて、目標スロットル開度を算出し、スロットルバルブ6の電気モータを駆動制御する。
エンジン制御部33は、燃焼状態を操作する燃焼操作機構を制御する燃焼制御部334を備えている。本実施の形態では、燃焼操作機構は、EGRバルブ22、吸気VVT14、及び排気VVT15とされている。燃焼制御部334は、図10に示すように、後述する燃焼制御目標算出部66から伝達された各燃焼制御状態の目標値に基づいて、各燃焼操作機構を駆動制御する。燃焼制御部334は、目標EGR率Regrtを達成する目標EGR開度を算出し、EGRバルブ22の電動アクチュエータを駆動制御する。燃焼制御部334は、吸気VVT14の目標位相角IVTt(以下、目標吸気位相角IVTtと称す)を達成するように、吸気VVT14の電動アクチュエータを駆動制御する。燃焼制御部334は、排気VVT15の目標位相角EVTt(以下、目標排気位相角EVTtと称す)を達成するように、排気VVT15の電動アクチュエータを駆動制御する。
エンジン制御部33は、燃料噴射量を制御する燃料制御部332を備えている。燃料制御部332は、実充填効率Ecrに基づいて、目標空燃比を達成するための燃料噴射量を算出し、インジェクタ13を駆動制御する。
エンジン制御部33は、点火コイルへの通電を行う点火制御部333を備えている。点火制御部333は、トルクインターフェイス部32から伝達された目標点火時期IGtに基づいて、最終点火時期SAを決定する。点火制御部333は、ノックセンサ28によりノックが検出されている場合は、ノックが発生しないように、目標点火時期IGtに対して遅角補正を行って、最終点火時期SAを算出する。また、点火制御部333は、失火防止のために遅角限界点火時期IGrtdよりも遅角側に最終点火時期SAが設定されないように、遅角限界点火時期IGrtdにより遅角側の点火時期を制限する遅角制限を行う。そして、点火制御部333は、最終点火時期SAに基づいて、点火コイル16への通電制御を行う。この最終点火時期SAが、実点火時期SAとなる。
上述したように、トルクインターフェイス部32は、内燃機関の運転状態に基づいて、目標トルクと充填効率の相互変換、及び目標トルクと点火時期の相互変換を実施し、目標充填効率Ect、及び目標点火時期IGtを算出する。そのために、以下で説明するトルク特性関数及び点火時期設定関数が記憶装置91に記憶されている。
トルクインターフェイス部32は、予め設定された種類の運転状態と目標点火時期の基本値IGbとの関係が予め設定された関数である点火時期設定関数を記憶している。出力トルクが最大になる点火時期であるMBT点火時期IGmbt(MBT:Minimum advance for the Best Torque)でノッキングが発生しない運転状態では、目標点火時期の基本値IGbは、MBT点火時期IGmbtに設定され、MBT点火時期IGmbtでノックが発生する運転状態では、目標点火時期の基本値IGbは、ノックが生じ始める進角側の限界点火時期であるノック限界点火時期IGknkに設定される。
内燃機関1のシステム構成が複雑になると、点火時期設定関数は、入力変数の数が多い複雑な関数となる。本実施の形態では、図4に示すように、点火時期設定関数は、順伝播型のニューラルネットワーク(FNN:Feedforward Neural Network)により構成されている。FNNは、階層上に並べられたユニット(ノード、ニューロンとも言う)が隣接する層間で結合した構造を持ち、情報が入力側から出力側に向かって伝播するよう構成されているネットワークである。ユニットで行われる演算は、前層の各ユニットから入力されてくる値に重みを掛け、更にバイアスを加えたものが、そのユニットへの総入力となり、この総入力を活性化関数へ通した後の出力が、ユニットの出力となる。
トルクインターフェイス部32は、予め設定された種類の運転状態と出力トルクTrqとの関係が予め設定された関数であるトルク特性関数を記憶している。そして、トルクインターフェイス部32は、トルク特性関数を用いて、目標トルクを実現する制御量の目標値を算出する。
トルクインターフェイス部32は、実出力トルクTrqrを算出する実トルク算出部55を備えている。実トルク算出部55は、トルク特性関数を用い、現在の運転状態(本例では、実回転速度Ner、実充填効率Ecr、実吸気位相角IVTr、実排気位相角EVTr、実EGR率Regrr、及び実点火時期SA)に対応する出力トルクである実出力トルクTrqrを算出する。算出された実出力トルクTrqrは、トルク制御部31に伝達される。
トルクインターフェイス部32は、目標点火時期IGtを算出する目標点火時期算出部51を備えている。本実施の形態では、目標点火時期算出部51は、次式及び図6に示すように、高応答目標トルクTrqtfが低応答目標トルクTrqtsに一致しており、点火時期の遅角によるトルクダウン要求がない場合は、現在の運転状態に対応する目標点火時期の基本値IGbを目標点火時期IGtとして算出し、高応答目標トルクTrqtfが低応答目標トルクTrqtsよりも低く、点火時期の遅角によるトルクダウン要求がある場合は、高応答目標トルクTrqtfに対応する目標トルク対応点火時期IGttを目標点火時期IGtとして算出する。
目標点火時期算出部51は、点火時期設定関数を用い、運転状態(本例では、実回転速度Ner、実充填効率Ecr、実吸気位相角IVTr、実排気位相角EVTr、及び実EGR率Regrr)に対応する目標点火時期の基本値IGbを算出する。
目標点火時期算出部51は、目標トルクを実現する目標トルク対応点火時期IGttを算出する。本実施の形態では、目標点火時期算出部51は、点火時期を遅角することを含め、内燃機関に要求されている出力トルクである高応答目標トルクTrqtfを実現する目標トルク対応点火時期IGttを算出するように構成されている。
本実施の形態では、点火標本数が、3つに設定されている場合を説明する。すなわち、第1標本の点火時期IG1、第2標本の点火時期IG2、及び第3標本の点火時期IG3のそれぞれについて、トルク特性関数を用いた演算が行われ、第1標本の点火対応トルクTrqi1、第2標本の点火対応トルクTrqi2、及び第3標本の点火対応トルクTrqi3が演算される。
複数点火トルク算出部52は、トルク特性関数を用い、実回転速度Ner、実充填効率Ecr、実吸気位相角IVTr、実排気位相角EVTr、実EGR率Regrr、及び第1標本の点火時期IG1に対応する出力トルクである第1標本の点火対応トルクTrqi1を算出する。次に、複数点火トルク算出部52は、トルク特性関数を用い、実回転速度Ner、実充填効率Ecr、実吸気位相角IVTr、実排気位相角EVTr、実EGR率Regrr、及び第2標本の点火時期IG2に対応する出力トルクである第2標本の点火対応トルクTrqi2を算出する。そして、複数点火トルク算出部52は、トルク特性関数を用い、実回転速度Ner、実充填効率Ecr、実吸気位相角IVTr、実排気位相角EVTr、実EGR率Regrr、及び第3標本の点火時期IG3に対応する出力トルクである第3標本の点火対応トルクTrqi3を算出する。
このように設定された、第1標本から第3標本の点火時期IG1、IG2、IG3と、第1標本から第3標本の点火対応トルクTrqi1、Trqi2、Trqi3との関係を図7に示す。一般に、点火時期以外の運転状態が同一であれば、点火時期とトルクとの関係には、2次関数で近似できる関係があると考えられる(特許文献2の段落0032等を参照)。
或いは、点火標本数は、2つに予め設定されてもよい。この場合は、次式に示すように、点火トルク近似曲線算出部53は、第1標本の点火時期IG1を、出力トルクが最大になる点火時期であるMBT点火時期IGmbtに設定し、第2標本の点火時期IG2を、点火時期の遅角側の設定限界である遅角限界点火時期IGrtdに設定する。MBT点火時期IGmbtは、点火時期設定関数と同様に、予め設定された種類の運転状態とMBT点火時期IGmbtとの関係が予め設定された関数を用いて算出され、関数は、ニューラルネットワークにより構成される。或いは、上述したように、点火時期設定関数に、MBT点火時期IGmbtの算出用のFNNと、ノック限界点火時期IGknkの算出用のFNNとの2つのFNNが設けられる場合は、目標点火時期の基本値IGbを算出する際に算出されたMBT点火時期IGmbtが用いられてもよい。
近似曲線点火算出部54は、次式に示すように、2次関数の方程式を解き、各項の係数A、B、Cを用い、高応答目標トルクTrqtfに対応する点火時期を、目標トルク対応点火時期IGttとして算出する。
トルクインターフェイス部32は、目標充填効率Ectを算出する目標吸気量算出部61を備えている。目標吸気量算出部61は、目標トルクを実現する目標充填効率Ectを算出する。本実施の形態では、目標吸気量算出部61は、点火時期を遅角すること考慮せずに、内燃機関に要求されている出力トルクである低応答目標トルクTrqtsを実現する目標充填効率Ectを算出するように構成されている。
本実施の形態では、吸気標本数が、3つに設定されている場合について説明する。次式に示すように、複数吸気点火算出部62は、実充填効率Ecrを第1標本の充填効率Ec1に設定する。複数吸気点火算出部62は、実出力トルクTrqrに対する低応答目標トルクTrqtsの比を、実充填効率Ecrに乗算した値に応じた値を、目標対応充填効率として算出し、第3標本の充填効率Ec3に設定する。複数吸気点火算出部62は、実充填効率Ecr(Ec1)と目標対応充填効率(Ec3)との中間値を中間充填効率として算出し、第2標本の充填効率Ec2に設定する。
充填効率Ecが変化すれば、目標点火時期の基本値IGbだけでなく、他の内燃機関の制御量の最適値も変化し、制御量の変化が出力トルクTrqに影響する。本実施の形態では、複数吸気点火算出部62は、吸気標本数の充填効率Ec1、Ec2、Ec3のそれぞれに対応する、点火時期以外の内燃機関の制御量の目標値(本例では、目標吸気位相角IVTt、目標排気位相角EVTt、目標EGR率Regrt)を算出し、点火時期設定関数を用いた演算に用いるように構成されている。
複数吸気点火算出部62は、点火時期設定関数を用い、実回転速度Ner、第1標本の充填効率Ec1、第1標本の目標吸気位相角IVTt1、第1標本の目標排気位相角EVTt1、及び第1標本の目標EGR率Regrt1に対応する第1標本の目標点火時期の基本値IGb1を算出する。次に、複数吸気点火算出部62は、点火時期設定関数を用い、実回転速度Ner、第2標本の充填効率Ec2、第2標本の目標吸気位相角IVTt2、第2標本の目標排気位相角EVTt2、及び第2標本の目標EGR率Regrt2に対応する第2標本の目標点火時期の基本値IGb2を算出する。そして、複数吸気点火算出部62は、点火時期設定関数を用い、実回転速度Ner、第3標本の充填効率Ec3、第3標本の目標吸気位相角IVTt3、第3標本の目標排気位相角EVTt3、及び第3標本の目標EGR率Regrt3に対応する第3標本の目標点火時期の基本値IGb3を算出する。
複数吸気トルク算出部63は、トルク特性関数を用い、実回転速度Ner、第1標本の充填効率Ec1、第1標本の目標吸気位相角IVTt1、第1標本の目標排気位相角EVTt1、第1標本の目標EGR率Regrt1、及び第1標本の目標点火時期の基本値IGb1に対応する第1標本の吸気点火対応トルクTrqe1を算出する。次に、複数吸気トルク算出部63は、トルク特性関数を用い、実回転速度Ner、第2標本の充填効率Ec2、第2標本の目標吸気位相角IVTt2、第2標本の目標排気位相角EVTt2、第2標本の目標EGR率Regrt2、及び第2標本の目標点火時期の基本値IGb2に対応する第2標本の吸気点火対応トルクTrqe2を算出する。そして、複数吸気トルク算出部63は、トルク特性関数を用い、実回転速度Ner、第3標本の充填効率Ec3、第3標本の目標吸気位相角IVTt3、第3標本の目標排気位相角EVTt3、第3標本の目標EGR率Regrt3、及び第3標本の目標点火時期の基本値IGb3に対応する第3標本の吸気点火対応トルクTrqe3を算出する。
以上のように演算された、第1標本から第3標本の充填効率Ec1、Ec2、Ec3と、第1標本から第3標本の吸気点火対応トルクTrqe1、Trqe2、Trqe3との関係を図9に示す。一般に、充填効率と出力トルクとの関係は、熱効率が一定であれば比例する。しかし、点火時期、VVT位相角、及びEGR率が変化すれば熱効率も変化するので、厳密には比例関係にないと考えられる。そのため、2次関数で近似すると近似精度を高められる。
トルク吸気量算出部65は、次式に示すように、2次関数の方程式を解き、各項の係数P、Q、Rを用い、低応答目標トルクTrqtsに対応する充填効率を、目標充填効率Ectとして算出する。
トルクインターフェイス部32は、燃焼操作機構の制御状態である燃焼制御状態の目標値を算出する燃焼制御目標算出部66を備えている。図10に示すように、燃焼制御目標算出部66は、予め設定された種類の運転状態と、燃焼制御状態の目標値との関係が設定された関数である燃焼制御目標設定関数を用い、燃焼制御状態の目標値を算出する。本実施の形態では、燃焼制御状態の目標値として、目標EGR率Regrt、目標吸気位相角IVTt、目標排気位相角EVTtが算出され、燃焼制御目標設定関数として、EGR率目標設定関数、吸気位相角目標設定関数、及び排気位相角目標設定関数が用いられる。
目標点火時期IGt及び目標充填効率Ectの算出に係る制御装置30の概略的な処理の手順(内燃機関1の制御方法)について、図11に示すフローチャートに基づいて説明する。図11のフローチャートの処理は、演算処理装置90が記憶装置91に記憶されたソフトウェア(プログラム)を実行することにより、例えば所定の演算周期毎に繰り返し実行される。
最後に、本願のその他の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する各実施の形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施の形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
Claims (6)
- 燃焼室内に吸入された空気量の情報である筒内吸気量情報を含む内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出部と、
前記筒内吸気量情報を含む予め設定された種類の運転状態と、目標点火時期の基本値との関係が予め設定された関数である点火時期設定関数を用い、複数の数に予め設定された吸気標本数の前記筒内吸気量情報のそれぞれに対応する前記吸気標本数の前記目標点火時期の基本値を算出する複数吸気点火算出部と、
前記筒内吸気量情報及び点火時期を含む予め設定された種類の運転状態と、前記内燃機関の出力トルクとの関係が予め設定された関数であるトルク特性関数を用い、前記吸気標本数の筒内吸気量情報のそれぞれ、及び前記吸気標本数の目標点火時期の基本値のそれぞれに対応する前記吸気標本数の前記出力トルクである前記吸気標本数の吸気点火対応トルクを算出する複数吸気トルク算出部と、
前記吸気標本数の筒内吸気量情報と前記吸気標本数の吸気点火対応トルクとの関係を近似した近似曲線である吸気トルク近似曲線を算出する吸気トルク近似曲線算出部と、
前記吸気トルク近似曲線を用い、前記内燃機関に要求されている出力トルクである目標トルクに対応する前記筒内吸気量情報を、目標筒内吸気量情報として算出する目標吸気量算出部と、
前記目標筒内吸気量情報に基づいて、筒内に吸入される空気量を制御する吸気量制御部と、
を備えた内燃機関の制御装置。 - 前記点火時期設定関数は、ニューラルネットワークにより構成され、
前記トルク特性関数は、ニューラルネットワークにより構成されている請求項1に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記吸気標本数は、3つ以上の数に予め設定されており、
前記吸気トルク近似曲線算出部は、前記吸気標本数の筒内吸気量情報及び前記吸気標本数の吸気点火対応トルクに基づいて、2次関数とした前記吸気トルク近似曲線の各項の係数を算出する請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記吸気標本数は、3つに予め設定されており、
前記複数吸気点火算出部は、前記トルク特性関数を用い、運転状態の実値に対応する前記出力トルクの実値を算出し、
前記出力トルクの実値に対する前記目標トルクの比を、前記筒内吸気量情報の実値に乗算した値に応じた値を、目標対応筒内吸気量情報として算出し、前記筒内吸気量情報の実値と前記目標対応筒内吸気量情報との間の値を、中間筒内吸気量情報として算出し、
前記吸気標本数の筒内吸気量情報として、前記筒内吸気量情報の実値、前記目標対応筒内吸気量情報、及び前記中間筒内吸気量情報を用いる請求項1から3のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記目標トルクは、点火時期を遅角すること考慮せずに、前記内燃機関に要求されている出力トルクである請求項1から4のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
- 燃焼室内に吸入された空気量の情報である筒内吸気量情報を含む内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出ステップと、
前記筒内吸気量情報を含む予め設定された種類の運転状態と、目標点火時期の基本値との関係が予め設定された関数である点火時期設定関数を用い、複数の数に予め設定された吸気標本数の前記筒内吸気量情報のそれぞれに対応する前記吸気標本数の前記目標点火時期の基本値を算出する複数吸気点火算出ステップと、
前記筒内吸気量情報及び点火時期を含む予め設定された種類の運転状態と、前記内燃機関の出力トルクとの関係が予め設定された関数であるトルク特性関数を用い、前記吸気標本数の筒内吸気量情報のそれぞれ、及び前記吸気標本数の目標点火時期の基本値のそれぞれに対応する前記吸気標本数の前記出力トルクである前記吸気標本数の吸気点火対応トルクを算出する複数吸気トルク算出ステップと、
前記吸気標本数の筒内吸気量情報と前記吸気標本数の吸気点火対応トルクとの関係を近似した近似曲線である吸気トルク近似曲線を算出する吸気トルク近似曲線算出ステップと、
前記吸気トルク近似曲線を用い、前記内燃機関に要求されている出力トルクである目標トルクに対応する前記筒内吸気量情報を、目標筒内吸気量情報として算出する目標吸気量算出ステップと、
前記目標筒内吸気量情報に基づいて、筒内に吸入される空気量を制御する吸気量制御ステップと、
を実行する内燃機関の制御方法。
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