JP2019143520A - 噴射制御装置 - Google Patents

噴射制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2019143520A
JP2019143520A JP2018027688A JP2018027688A JP2019143520A JP 2019143520 A JP2019143520 A JP 2019143520A JP 2018027688 A JP2018027688 A JP 2018027688A JP 2018027688 A JP2018027688 A JP 2018027688A JP 2019143520 A JP2019143520 A JP 2019143520A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
charge capacitor
switch
circuit
injector
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018027688A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7024485B2 (ja
Inventor
士波 楊
Shibo Yang
士波 楊
正浩 伊藤
Masahiro Ito
正浩 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2018027688A priority Critical patent/JP7024485B2/ja
Publication of JP2019143520A publication Critical patent/JP2019143520A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7024485B2 publication Critical patent/JP7024485B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

【課題】電源精度が向上された噴射制御装置を提供する。【解決手段】この噴射制御装置は、バッテリから供給される電圧を所定の昇圧電圧まで昇圧する昇圧回路と、昇圧回路から出力される昇圧電圧を、インジェクタにおける燃料噴射弁の開弁に必要な所定の開弁電圧まで降圧して、開弁電圧をインジェクタに供給する降圧回路と、を備える。昇圧回路は、第1チャージコンデンサを有し、第1チャージコンデンサに充電することで昇圧する回路である。降圧回路は、第2チャージコンデンサを有し、開弁電圧のばらつきを昇圧電圧のばらつきよりも小さくされた回路である。そして、降圧回路における第2チャージコンデンサの充電が、燃料噴射弁の開弁が開始される前に完了している。【選択図】図1

Description

この明細書の開示は、燃料噴射に係る噴射制御装置に関する。
特許文献1には、インジェクタに供給する電圧について、バッテリ電圧よりも高い電圧に昇圧する昇圧回路を有するインジェクタ駆動装置が開示されている。
特開2016−160862号公報
特許文献1に開示されたインジェクタ駆動装置においては、スイッチング電源を用いてバッテリ電圧を昇圧し、昇圧した電圧をインジェクタに供給している。今後更なる低燃費性能や排ガス中の有害成分の抑制などの要求を満たすため、インジェクタの駆動にも高い精度が求められており、インジェクタへの電圧の供給源として高精度な電源が求められている。
そこで、この明細書の開示は、電源精度が向上された噴射制御装置を提供することを目的とする。
この明細書の開示は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、発明の技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するために、この明細書に開示される噴射制御装置は、バッテリから供給される電圧を所定の昇圧電圧(VV,VA)まで昇圧する昇圧回路(10)と、昇圧回路から出力される昇圧電圧を、インジェクタにおける燃料噴射弁の開弁に必要な所定の開弁電圧(VH)まで降圧して、開弁電圧をインジェクタに供給する降圧回路(20)と、を備え、昇圧回路は、第1チャージコンデンサ(11)を有し、第1チャージコンデンサに充電することで昇圧する回路であり、降圧回路は、第2チャージコンデンサ(21)を有し、開弁電圧のばらつきを昇圧電圧のばらつきよりも小さくされた回路であり、降圧回路における第2チャージコンデンサの充電が、燃料噴射弁の開弁が開始される前に完了している。
これによれば、昇圧回路のみを有して昇圧回路の出力電圧をインジェクタに共有する従来のインジェクタ駆動装置に較べて、インジェクタに供給する電圧の電圧振幅を抑制した状態でインジェクタを駆動できる。すなわち、インジェクタに供給する電源電圧をより高精度にできる。
また、降圧回路における第2チャージコンデンサの充電期間が、インジェクタにおける燃料噴射弁の開弁タイミングにオーバーラップすることがなく、充電を完了した状態で燃料噴射弁に開弁電圧を印加することができる。このため、充電に係る開弁電圧の変動を抑制でき、インジェクタへの電源供給を高精度に行うことができる。
第1実施形態にかかる噴射制御装置の概略構成を示す回路図である。 噴射制御装置の動作を示すタイミングチャートである。 第2実施形態にかかる噴射制御装置の動作を示すタイミングチャートである。 第3実施形態にかかる噴射制御装置の動作を示すタイミングチャートである。 第4実施形態にかかる噴射制御装置の動作を示すタイミングチャートである。
以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
最初に、図1を参照して、本実施形態に係る噴射制御装置の概略構成について説明する。
本実施形態の噴射制御装置100は、例えばガソリン直噴エンジンへの燃料噴射を制御するためにインジェクタにおける燃料噴射弁を開閉駆動するものである。噴射制御装置100は、図1に示すように、昇圧回路10と、降圧回路20と、ハイサイド回路30と、ローサイド回路40と、制御IC50と、を備え、インジェクタ200を負荷として駆動させるものである。
本実施形態ではエンジンに4気筒を想定し、4つの燃料噴射弁が駆動対象とされている。噴射制御装置100は、4つの燃料噴射弁に対応したそれぞれの電磁コイル201〜204に電流を流すことによって磁束を生じさせ図示しない鉄心を磁石として機能させる。この磁石による吸引力を用いて弁の開閉が実現される。
昇圧回路10は、第1チャージコンデンサ11と、インダクタ12と、スイッチング素子でN型のMOSFET13と、ダイオード14と、を有している。インダクタ12とダイオード14は、バッテリ電圧VBDが印加される端子に対して直列に接続されている。具体的には、インダクタ12の一端にバッテリ電圧VBDが印加され、他端にダイオード14のアノードが接続されている。ダイオード14のカソードとグランド電位の間には第1チャージコンデンサ11が接続されている。また、インダクタ12とダイオード14との中間点とグランド電位との間にMOSFET13が接続されている。なお、バッテリ電圧VBDは、バッテリと直接接続されることによって生成されても良いが、図示しない平滑コンデンサ等を介して平滑化して生成されることが好ましい。
昇圧回路10は、MOSFET13がオンされることによってインダクタ12に通電され、MOSFET13のオフ時にインダクタ12に生じる逆起電力によって第1チャージコンデンサ11に電荷が蓄積される。MOSFET13のオンオフを繰り返すことにより所定の電荷を第1チャージコンデンサ11に蓄積することができる。すなわち、オンオフの繰り返しの回数に基づいて第1チャージコンデンサ11に蓄積される電荷の量が決定される。昇圧回路10の出力端子は第1チャージコンデンサ11の正極であり、図1に示す回路構成ではダイオード14のカソード端子である。電荷が蓄積された第1チャージコンデンサ11の正極の電位が昇圧後の出力電圧、すなわち昇圧電圧であり、図1では便宜的にVVと示している。このように、本実施形態における昇圧回路10は、スイッチングレギュレータとして構成されている。なお、MOSFET13は特許請求の範囲に記載の第1スイッチング素子に相当する。
降圧回路20は、第2チャージコンデンサ21と、トランジスタ22と、を有している。図1に示すように、トランジスタ22はN−P−Nの接合構造を持つバイポーラトランジスタであり、コレクタ端子が昇圧回路10の出力端子に接続されている。すなわち、昇圧回路10における第1チャージコンデンサ11の充電が完了していればトランジスタ22のコレクタ端子には昇圧電圧VVが印加される。一方、トランジスタ22のエミッタ端子とグランド電位の間には第2チャージコンデンサ21が接続されており、昇圧電圧VVに基づく電荷が蓄積されるようになっている。第2チャージコンデンサ21に蓄積される電荷量は、昇圧電圧VVとトランジスタ22による電圧降下量とによって決まり、この電圧降下の分だけ第2チャージコンデンサ21の正極側電圧は昇圧電圧VVに対して降圧される。降圧回路20は、トランジスタ22のエミッタ端子が出力端子となっており、第2チャージコンデンサ21に蓄積された電荷に基づいた電圧が出力される。この出力端子の電圧が昇圧電圧VVを降圧した後の電圧であり、これがインジェクタ200の燃料噴射弁を開弁するための電圧、すなわち開弁電圧である。図1では開弁電圧を便宜的にVHと示している。
降圧回路20は、上記のとおり、トランジスタ22がオンされることによって第2チャージコンデンサ21に電荷が蓄積されるようにされたシリーズレギュレータとして構成されている。なお、トランジスタ22は特許請求の範囲に記載の第2スイッチング素子に相当する。
ハイサイド回路30は、降圧回路20とインジェクタ200との間に挿入され、電圧を供給すべき電磁コイル201〜204の選択と、電磁コイル201〜204に印加すべき電圧の選択と、を行う回路である。ハイサイド回路30は、スイッチ31〜34と、ダイオード35〜38と、を有している。
スイッチ31は開弁電圧VHを第1電磁コイル201または第4電磁コイル204に供給するためのスイッチ素子であり、例えばMOSFETが採用できる。スイッチ31は一端が降圧回路20の出力端子に接続されるとともに、他端に第1電磁コイル201および第4電磁コイル204が互いに並列に接続されている。スイッチ31がオンすることで第2チャージコンデンサ21が放電して第1電磁コイル201および第4電磁コイル204に開弁電圧VHが供給される。第1電磁コイル201および第4電磁コイル204のいずれの電磁コイルに電流が流れるかの選択は後に詳述するローサイド回路40によりなされる。
一方、スイッチ32はバッテリ電圧VBDを第1電磁コイル201および第4電磁コイル204に供給するためのスイッチ素子であり、例えばMOSFETが採用できる。スイッチ32は一端にバッテリ電圧VBDが供給されるように接続されるとともに、他端に第1電磁コイル201および第4電磁コイル204が互いに並列に接続されている。具体的には、スイッチ32とスイッチ31とは、バッテリ電圧VBDまたは開弁電圧VHに接続されない一端が互いに接点Pにおいて接続されている。
ダイオード35は、スイッチ32と接点Pとの間において、アノードをスイッチ32側とし、カソードを接点P側とするように挿入されている。ダイオード35は、スイッチ31側や電磁コイル201,204側からスイッチ32に向かって電流が逆流することを防止する役割を担う。
ダイオード36は、接点Pとグランド電位との間において、アノードをグランド電位側とし、カソードを接点P側とするように挿入されている。ダイオード36は、スイッチ31およびスイッチ32のオンオフに伴い発生する電磁コイル201,204のフライバックエネルギーを消弧する役割を担う。
上記したスイッチ31,32およびダイオード35,36によって、第1電磁コイル201および第4電磁コイル204への電圧の供給が制御される。開弁電圧VHはバッテリ電圧VBDよりも高くされており、インジェクタ200における燃料噴射弁が閉弁した状態から開弁を開始する場合には、スイッチ31をオンすることで高電圧である開弁電圧VHを電磁コイルに印加して開弁動作を行う。また、開弁の完了後はスイッチ31がオフされ、電磁コイルに流れる電流の電流値が所定の閾値を下回ることによってスイッチ32がオンされ、バッテリ電圧VBDが電磁コイルに印加されることで開弁した状態が維持される。
また、スイッチ33,34はそれぞれスイッチ31,32に対応し、ダイオード37,38はそれぞれダイオード35,36に対応するものであり、これらの素子によって第2電磁コイル202および第3電磁コイル203への電圧の供給が制御される。具体的には以下の通りである。
スイッチ33は開弁電圧VHを第2電磁コイル202または第3電磁コイル203に供給するためのスイッチ素子であり、例えばMOSFETが採用できる。スイッチ33は一端が降圧回路20の出力端子に接続されるとともに、他端に第2電磁コイル202および第3電磁コイル203が互いに並列に接続されている。スイッチ33がオンすることで第2チャージコンデンサ21が放電して第2電磁コイル202または第3電磁コイル203に開弁電圧VHが供給される。第2電磁コイル202および第3電磁コイル203のいずれの電磁コイルに電流が流れるかの選択は後に詳述するローサイド回路40によりなされる。
一方、スイッチ34はバッテリ電圧VBDを第2電磁コイル202または第3電磁コイル203に供給するためのスイッチ素子であり、例えばMOSFETが採用できる。スイッチ34は一端にバッテリ電圧VBDが供給されるように接続されるとともに、他端に第2電磁コイル202および第3電磁コイル203が互いに並列に接続されている。具体的には、スイッチ34とスイッチ33とは、バッテリ電圧VBDまたは開弁電圧VHに接続されない一端が互いに接点Qにおいて接続されている。
ダイオード37は、スイッチ34と接点Qとの間において、アノードをスイッチ34側とし、カソードを接点Q側とするように挿入されている。ダイオード37は、スイッチ33側や電磁コイル202,203側からスイッチ34に向かって電流が逆流することを防止する役割を担う。
ダイオード38は、接点Qとグランド電位との間において、アノードをグランド電位側とし、カソードを接点Q側とするように挿入されている。ダイオード38は、スイッチ33およびスイッチ34のオンオフに伴い発生する電磁コイル202,203のフライバックエネルギーを消弧する役割を担う。
上記したスイッチ33,34およびダイオード37,38によって、第2電磁コイル202および第3電磁コイル203への電圧の供給が制御される。インジェクタ200における燃料噴射弁が閉弁した状態から開弁を開始する場合には、スイッチ33をオンすることで高電圧である開弁電圧VHを電磁コイルに印加して開弁動作を行う。また、開弁の完了後はスイッチ33がオフされ、電磁コイルに流れる電流の電流値が所定の閾値を下回ることによってスイッチ34がオンされ、バッテリ電圧VBDが電磁コイルに印加されることで開弁した状態が維持される。
ローサイド回路40は、インジェクタ200とグランド電位との間に挿入され、電流を流すべき電磁コイル201〜204の選択と、電磁コイル201〜204により生じるフライバックエネルギーの回収を行う回路である。また、ローサイド回路40を流れる電流を検出することで、電磁コイル201〜204に流れる電流をモニタできるようになっている。ローサイド回路40は、スイッチ41〜44、回収ダイオード45〜48、および抵抗器49a,49bを有している。
スイッチ41は、第1電磁コイル201に通電する際に、スイッチ31またはスイッチ32とともにオンされるスイッチ素子であり、例えばMOSFETを採用することができる。スイッチ41は昇圧電圧VVとグランド電位との間で、回収ダイオード45と直列に接続されている。回収ダイオード45はアノードがスイッチ41に接続され、カソードが昇圧電圧VVに接続されている。第1電磁コイル201のローサイド側の一端はスイッチ41と回収ダイオード45との間の接点に接続されており、ハイサイド回路30におけるスイッチ31あるいはスイッチ32がオンされた状態においてスイッチ41がオンされると第1電磁コイル201に通電される。スイッチ41とグランド電位との間には抵抗器49aが接続されている。この抵抗器49aはその両端の電位差を測定することで電流値を検出することのできるシャント抵抗器であり、例えば実質的にスイッチ31あるいはスイッチ32がオンされた状態においてスイッチ41がオンされるときには、第1電磁コイル201に流れる電流I1を検出することができる。
スイッチ44は、第4電磁コイル204に通電する際に、スイッチ31またはスイッチ32とともにオンされるスイッチ素子であり、例えばMOSFETを採用することができる。スイッチ44は昇圧電圧VVとグランド電位との間で、回収ダイオード48と直列に接続されている。回収ダイオード48はアノードがスイッチ44に接続され、カソードが昇圧電圧VVに接続されている。第4電磁コイル204のローサイド側の一端はスイッチ44と回収ダイオード48との間の接点に接続されており、ハイサイド回路30におけるスイッチ31あるいはスイッチ32がオンされた状態においてスイッチ44がオンされると第4電磁コイル204に通電される。第4電磁コイル204を流れる電流を検出する抵抗器は第1電磁コイル201の電流値を検出するものと共通であり、すなわち抵抗器49aである。スイッチ41とスイッチ44とは互いに排他的にオンする関係にあり、スイッチ44がオンされている状態ではスイッチ41はオフされ、第4電磁コイル204に流れる電流I4が検出されるようになっている。
なお、回収ダイオード45,48は、対応する電磁コイル201,204によるフライバックエネルギーを昇圧電圧VV側に回収するための経路を形成するダイオードである。
同様に、スイッチ42は、第2電磁コイル202に通電する際に、スイッチ33またはスイッチ34とともにオンされるスイッチ素子であり、例えばMOSFETを採用することができる。スイッチ42は昇圧電圧VVとグランド電位との間で、回収ダイオード46と直列に接続されている。回収ダイオード46はアノードがスイッチ42に接続され、カソードが昇圧電圧VVに接続されている。第2電磁コイル202のローサイド側の一端はスイッチ42と回収ダイオード46との間の接点に接続されており、ハイサイド回路30におけるスイッチ33あるいはスイッチ34がオンされた状態においてスイッチ42がオンされると第2電磁コイル202に通電される。スイッチ42とグランド電位との間には抵抗器49bが接続されている。この抵抗器49bはその両端の電位差を測定することで電流値を検出することのできるシャント抵抗器であり、例えば実質的にスイッチ33あるいはスイッチ34がオンされた状態においてスイッチ42がオンされるときには、第2電磁コイル202に流れる電流I2を検出することができる。
スイッチ43は、第3電磁コイル203に通電する際に、スイッチ33またはスイッチ34とともにオンされるスイッチ素子であり、例えばMOSFETを採用することができる。スイッチ43は昇圧電圧VVとグランド電位との間で、回収ダイオード47と直列に接続されている。回収ダイオード47はアノードがスイッチ43に接続され、カソードが昇圧電圧VVに接続されている。第3電磁コイル203のローサイド側の一端はスイッチ43と回収ダイオード47との間の接点に接続されており、ハイサイド回路30におけるスイッチ33あるいはスイッチ34がオンされた状態においてスイッチ43がオンされると第3電磁コイル203に通電される。第3電磁コイル203を流れる電流を検出する抵抗器は第2電磁コイル202の電流値を検出するものと共通であり、すなわち抵抗器49bである。スイッチ42とスイッチ43とは互いに排他的にオンする関係にあり、スイッチ43がオンされている状態ではスイッチ42はオフされ、第3電磁コイル203に流れる電流I3が検出されるようになっている。
なお、回収ダイオード46,47は、対応する電磁コイル202,203によるフライバックエネルギーを昇圧電圧VV側に回収するための経路を形成するダイオードである。
制御IC50は、噴射制御装置100を構成する各種スイッチを制御してインジェクタを制御するICである。具体的には、図1では図示を省略しているが、制御IC50は、MOSFET13のゲート端子、スイッチ31〜34、スイッチ41〜44のゲート端子、およびトランジスタ22のベース端子に接続されており、各端子に対して各スイッチをオンまたはオフするための信号を出力している。これら各端子への信号の出力は、制御IC50に入力される昇圧回路10の出力電圧、降圧回路20の出力電圧、電磁コイル201〜204を流れる電流の電流値に基づいて行われる。
次に、図2を参照して、噴射制御装置100の動作について説明する。上記したように、各スイッチの制御は制御IC50によって実現される。なお、4つの電磁コイル201〜204への通電のタイミングは相対的であり、以下の説明では代表する1つの電磁コイル(第1電磁コイル201)への通電を例に説明する。その他の電磁コイル202〜204への通電については、ハイサイド回路30およびローサイド回路40の対応するスイッチの組み合わせを採用すればよい。
図2に示す時刻t10以前は、昇圧回路10における第1チャージコンデンサ11は所定量まで充電されて昇圧電圧がVVに達し、且つ、降圧回路20における第2チャージコンデンサ21は所定量まで充電され開弁電圧がVHに達していることと仮定する。
図2に示すように、時刻t10においてスイッチ31がオンされるとともに、図示しないが、スイッチ41もオンされる。これにより、第2チャージコンデンサ21の放電が開始され、第1電磁コイル201に電流が流れ始める。時刻t10から放電が開始されるため第2チャージコンデンサ21の正極の電位は低下し始め、降圧回路20の出力電圧もVHから低下し始める。
時刻t11において、降圧回路20の出力電圧が所定の閾値Vthを下回ったとする。制御IC50は、降圧回路20の出力電圧が所定の閾値Vthを下回ったことを以って、降圧回路20のトランジスタ22のベース端子へ電流の供給を開始する。これによりトランジスタ22はオン状態となり、第1チャージコンデンサ11から第2チャージコンデンサ21へ電荷が転送され、昇圧回路10の出力電圧は低下し始める。これにより、第2チャージコンデンサ21の充電が開始される。図2に示す例では、第2チャージコンデンサ21の充電開始時(時刻t11)にはスイッチ31のオン状態が維持されており第2チャージコンデンサ21の放電は継続しているので、降圧回路20の出力電圧は閾値電圧Vthから下にアンダーシュートするが、充電速度が放電速度を上回ると降圧回路20の出力電圧は上昇に転じる。
時刻t12において、スイッチ31がオフされて、第2チャージコンデンサ21の放電が停止される。すなわち、第1電磁コイル201に対する開弁電圧VHの供給が停止される。スイッチ31のオフのタイミングは、制御IC50がモニタする電磁コイルに流れる電流が、開弁に適する所定の電流値に到達した時点でスイッチ31がオフされるようにしても良い。いずれにせよ、第1電磁コイル201に流れる電流の電流値はインジェクタ200を駆動する電流としては最大値を示し、この電流が燃料噴射弁の開弁に供される。
図示しないが、時刻t12においてスイッチ31がオフされる、電磁コイルを流れる電流の電流値が所定の閾値を下回ることによってスイッチ32がオンされて第1電磁コイル201への電圧供給源はバッテリ電圧VBDに切り替わる。制御IC50は、時刻t12以降、燃料噴射弁の開弁状態を維持する間、第1電磁コイル201に流れる電流をモニタして第1電磁コイル201に流れる電流が略一定になるようにスイッチ32のオンオフを繰り返す。より具体的には、制御IC50は、第1電磁コイル201に流れる電流が所定の値以上になるとスイッチ32をオフし、逆に所定の値以下になるとスイッチ32をオンすることによって第1電磁コイル201に流れる電流を一定に維持する。
時刻t12の後、時刻t13において、昇圧回路10のMOSFET13のオンオフ動作が開始されて、第1チャージコンデンサ11への充電が開始される。これにより、第2チャージコンデンサ21の充電のために低下していた昇圧回路10の出力電圧は上昇を開始する。
その後、時刻t14において、降圧回路20のトランジスタ22のベース端子への電流の供給を停止して第2チャージコンデンサ21の充電を終了する。トランジスタ22のオフのタイミングは、制御IC50がモニタする降圧回路20の出力電圧が開弁電圧VHに到達した時点でトランジスタ22がオフされるようにしても良い。
その後、時刻t15において、昇圧回路10のMOSFET13をオフして第1チャージコンデンサ11の充電を終了する。MOSFET13のオフのタイミングは、制御IC50がモニタする昇圧回路10の出力電圧が昇圧電圧VVに到達した時点でMOSFET13がオフされるようにしても良い。
その後、時刻t16に至る前にスイッチ32がオフされて第1電磁コイル201への通電が遮断されると、時刻t16において電磁コイル201に流れる電流がゼロになる。これにより燃料噴射弁が閉弁されて燃料の噴射が停止する。
その後、再び燃料噴射弁を開弁するタイミングである時刻t17になると、上記した時刻t10〜時刻t16の動作を再び行い、燃料の噴射が行われる。
以上のように、本実施形態における噴射制御装置100は、インジェクタ200における燃料噴射弁を開弁する際の電磁コイルへの電圧供給に、降圧回路20により出力される開弁電圧VHを用いる。
次に、本実施形態における噴射制御装置100が採用されることによる作用効果について説明する。
噴射制御装置100は、昇圧回路10と降圧回路20とを備え、インジェクタ200における燃料噴射弁の開弁に降圧回路20の出力電圧である開弁電圧VHを用いる。降圧回路20はシリーズレギュレータであり、スイッチングレギュレータである昇圧回路10の充電時における昇圧電圧VVのばらつきよりも開弁電圧VHのばらつきを抑制することができる。つまり、従来のように、スイッチングレギュレータにおいて昇圧した電圧を直接インジェクタに供給する態様に較べて、噴射制御装置100はシリーズレギュレータが仲介するので、高精度に電圧を供給することができる。
また、本実施形態では、降圧回路20の出力電圧が所定の閾値Vthを下回ったことを以って、第2チャージコンデンサ21の充電が開始される。これによれば、降圧回路20の出力電圧を過剰に低下する前に第2チャージコンデンサ21の充電を開始できるので、第2チャージコンデンサ21の充電に要する時間を比較的短くすることができる。
(第2実施形態)
本実施形態における噴射制御装置100は、第1実施形態に対して第2チャージコンデンサ21の充電開始のタイミングが相違するものである。すなわち、制御IC50による各スイッチの制御が相違している。なお、噴射制御装置100の回路構成は第1実施形態と同一であり、上記記載に従う。
図3を参照して、本実施形態における噴射制御装置100の動作について説明する。第1実施形態と同様に、4つの電磁コイル201〜204への通電のタイミングは相対的であり、以下の説明では代表する1つの電磁コイル(第1電磁コイル201)への通電を例に説明する。
なお、第1実施形態と同様に、時刻t20以前は、昇圧回路10における第1チャージコンデンサ11は所定量まで充電されて昇圧電圧がVVに達し、且つ、降圧回路20における第2チャージコンデンサ21は所定量まで充電され開弁電圧がVHに達していることと仮定する。
図3に示すように、時刻t20においてスイッチ31がオンされるとともに、図示しないが、スイッチ41もオンされる。これにより、第2チャージコンデンサ21の放電が開始され、第1電磁コイル201に電流が流れ始める。時刻t20から放電が開始されるため第2チャージコンデンサ21の正極の電位は低下し始め、降圧回路20の出力電圧もVHから低下し始める。
その後、時刻t21において、スイッチ31がオフされて、第2チャージコンデンサ21の放電が停止される。スイッチ31のオフのタイミングは、制御IC50がモニタする電磁コイルに流れる電流が、開弁に適する所定の電流値に到達した時点でスイッチ31がオフされるようにしても良い。いずれにせよ、第1電磁コイル201に流れる電流の電流値はインジェクタ200を駆動する電流としては最大値を示し、この電流が燃料噴射弁の開弁に供される。
時刻t21において、制御IC50は、スイッチ31のオフに同期して、降圧回路20のトランジスタ22がオンする。すなわち、トランジスタ22のベース端子へ電流の供給を開始する。これによりトランジスタ22はオン状態となり、第1チャージコンデンサ11から第2チャージコンデンサ21へ電荷が転送される。昇圧回路10の出力電圧は低下し始め、降圧回路20の出力電圧は上昇し始める。なお、図示しないが、時刻t21においてスイッチ31がオフされると略同時にスイッチ32がオンされて第1電磁コイル201への電圧供給源はバッテリ電圧VBDに切り替わる。
このように、本実施形態における第2チャージコンデンサ21への充電は、スイッチ31のオフをトリガとして開始される。
その後、時刻t22において、降圧回路20のトランジスタ22のベース端子への電流の供給を停止して第2チャージコンデンサ21の充電を終了する。トランジスタ22のオフのタイミングは、制御IC50がモニタする降圧回路20の出力電圧が開弁電圧VHに到達した時点でトランジスタ22がオフされるようにしても良い。
その後、時刻t23において、昇圧回路10のMOSFET13のオンオフ動作が開始されて、第1チャージコンデンサ11への充電が開始される。これにより、第2チャージコンデンサ21の充電のために低下していた昇圧回路10の出力電圧は上昇を開始する。なお、第1チャージコンデンサ11の充電を開始するタイミングは、図3に示すように、第2チャージコンデンサ21の充電が完了した後でも良いし、第1実施形態のように、第2チャージコンデンサ21の充電期間とオーバーラップしていても良い。
その後、時刻t24に至る前にスイッチ32がオフされて第1電磁コイル201への通電が遮断されると、時刻t24において電磁コイル201に流れる電流がゼロになる。これにより燃料噴射弁が閉弁されて燃料の噴射が停止する。本実施形態では、時刻t24の後、再び燃料噴射弁の開弁が行われる前の時刻t25の時点で昇圧回路10のMOSFET13をオフして第1チャージコンデンサ11の充電を終了する。
その後、再び燃料噴射弁を開弁するタイミングである時刻t26になると、上記した時刻t20〜時刻t25の動作を再び行い、燃料の噴射が行われる。
以上のように、本実施形態における噴射制御装置100は、インジェクタ200における燃料噴射弁を開弁する際の電磁コイルへの電圧供給に、降圧回路20により出力される開弁電圧VHを用いる。
次に、本実施形態における噴射制御装置100が採用されることによる作用効果について説明する。
本実施形態では、降圧回路20の出力電圧による第1電磁コイル201への通電が終了するスイッチ31のオフをトリガとして、第2チャージコンデンサ21の充電が開始される。これによれば、降圧回路20の出力電圧をモニタして判断する等の中間的な処理を介することなく第2チャージコンデンサ21の充電を開始できるので、第2チャージコンデンサ21の放電から充電までのタイムラグを最小化することができる。これにより、インジェクタ200の燃料噴射弁の開弁までに充電を完了することができ、一定した開弁電圧VHを電磁コイルに供給することができる。このため、充電に係る開弁電圧VHの変動を抑制でき、インジェクタ200への電源供給を高精度に行うことができる。
(第3実施形態)
本実施形態における噴射制御装置100は、第2実施形態に対して第2チャージコンデンサ21の充電を開始するトリガが相違するものである。なお、噴射制御装置100の回路構成は第1実施形態と同一であり、上記記載に従う。
図4を参照して、本実施形態における噴射制御装置100の動作について説明する。第1、第2実施形態と同様に、4つの電磁コイル201〜204への通電のタイミングは相対的であり、以下の説明では代表する1つの電磁コイル(第1電磁コイル201)への通電を例に説明する。
なお、第2実施形態と同様に、時刻t30以前は、昇圧回路10における第1チャージコンデンサ11は所定量まで充電されて昇圧電圧がVVに達し、且つ、降圧回路20における第2チャージコンデンサ21は所定量まで充電され開弁電圧がVHに達していることと仮定する。
図4に示すように、時刻t30においてスイッチ32のオフ状態が維持されつつスイッチ31がオンされるとともに、図示しないが、スイッチ41もオンされる。これにより、第2チャージコンデンサ21の放電が開始され、第1電磁コイル201に電流が流れ始める。時刻t30から放電が開始されるため第2チャージコンデンサ21の正極の電位は低下し始め、降圧回路20の出力電圧もVHから低下し始める。
時刻t31において、抵抗器49aの両端電圧に基づいて検出される第1電磁コイル201を流れる電流が、所定の閾値電流Ithに達したことを以って、降圧回路20のトランジスタ22のベース端子へ電流の供給を開始する。これによりトランジスタ22はオン状態となり、第1チャージコンデンサ11から第2チャージコンデンサ21へ電荷が転送され、昇圧回路10の出力電圧は低下し始める。これにより、第2チャージコンデンサ21の充電が開始される。
本実施形態では、第1電磁コイル201を流れる電流が、所定の閾値電流Ithに達したことを以って、スイッチ31もオフされて燃料噴射弁を開弁するための電圧の供給も停止される。このため、本実施形態における第2チャージコンデンサ21の充電を開始するトリガは第1電磁コイル201に流れる電流に基づくものであるが、実質的に第2実施形態と同様のタイミングでスイッチ31のオフとトランジスタ22のオンが行われる。
図4に示す時刻t32〜時刻t36の動作は、第2実施形態における時刻t22〜時刻t26の動作にそれぞれ対応するものであり、説明は第2実施形態に準ずる。
次に、本実施形態における噴射制御装置100が採用されることによる作用効果について説明する。
本実施形態では、電磁コイルに流れる電流が所定の閾値電流Ithに達したことをトリガとして、電磁コイルへの通電が停止されるとともに第2チャージコンデンサ21の充電が開始される。これによれば、燃料噴射弁の開弁に必要な電流を確保した後に第2チャージコンデンサ21の充電を開始するので、確実に燃料噴射弁の開弁を行うことができるとともに、開弁途中での第2チャージコンデンサ21の充電開始を回避できるので、電磁コイルに流れる電流に重畳するノイズを抑制することができる。
(第4実施形態)
例えば、車両が、エンジン回転数が大きくなるような高負荷な状態にあるとき、インジェクタ200による燃料噴射の頻度も増加する。燃料噴射の頻度の増加に対応するために、降圧回路20における第2チャージコンデンサ21の充電をより高速に行うことが求められる。本実施形態における噴射制御装置100は、昇圧電圧をより高く設定することで第2チャージコンデンサ21の早期の充電を実現する。以下、図5を参照して説明する。
第1、第2、第3実施形態と同様に、4つの電磁コイル201〜204への通電のタイミングは相対的であり、以下の説明では代表する1つの電磁コイル(第1電磁コイル201)への通電を例に説明する。
なお、第2実施形態と同様に、時刻t40以前は、昇圧回路10における第1チャージコンデンサ11は所定量まで充電されて昇圧電圧がVVに達し、且つ、降圧回路20における第2チャージコンデンサ21は所定量まで充電され開弁電圧がVHに達していることと仮定する。
図5に示すように、まず、時刻t40においてスイッチ31がオンされて第2チャージコンデンサ21の放電が開始され、第1電磁コイル201に電流が流れ始める。時刻t40から時刻t45に至るまでの動作は、第2実施形態における時刻t20〜時刻t25、または、第3実施形態における時刻t30〜時刻t35と同様の動作であり、昇圧電圧はVVであり、開弁電圧はVHである。
ここで、時刻t45以降において、車両が燃料噴射の頻度が高くなる状況に遷移したと仮定する。例えば、時刻t45までに、エンジン回転数を大きくするように発令されたとする。
制御IC50は、この発令を受けて、要求されるエンジン回転数が所定の閾値回転数以上のときには、例えば時刻t46において、昇圧回路10のMOSFET13のオンオフ動作を追加で行う。すなわち、図5に示すように、時刻t46から時刻t47に至るまでMOSFET13のオンオフ動作を行う。これにより、昇圧回路10により昇圧されて実現される昇圧電圧はVVよりも高いVAとなる。
その後、時刻t48以降は、時刻t48以前よりも燃料噴射のインターバルが短い動作となる。時刻t48では、時刻t40と同様にスイッチ31がオンされて第2チャージコンデンサ21の放電が開始され、第1電磁コイル201に電流が流れ始める。
時刻t49において燃料噴射弁の開弁に必要な電流が得られるとスイッチ31がオフされ、トランジスタ22がオンされる。これにより第2チャージコンデンサ21の充電が開始される。この充電に供される電源は、昇圧回路10により実現された昇圧電圧であり、本実施形態ではVVよりも高いVAとされている。このため、第2チャージコンデンサ21に充電に要する時間を、昇圧電圧がVVである態様に較べて短くすることができる。すなわち、図5に示すようにトランジスタ22がオフする時刻をt50とするとき、時刻t49〜時刻t50の間の時間は、時刻t41〜時刻t42の間の時間よりも短くできる。
上記した各実施形態において説明したように、降圧回路20における第2チャージコンデンサ21の充電が、燃料噴射弁の開弁が開始される前に完了していることで、燃料噴射弁の開弁に係る電圧の変動を抑制して、電磁コイルへの通電を高精度に行うことができるのであるが、本実施形態では、昇圧電圧をVVからVAまで上昇させることで第2チャージコンデンサ21に充電に要する時間を短縮している。これにより、燃料噴射の開始である時刻t48から、次の燃料噴射の開始である時刻t51までのインターバルを、時刻t47以前のインターバルよりも短くすることができる。
なお、本実施形態では、燃料噴射のインターバルが短くなる例としてエンジン回転数の増大を挙げ、エンジン回転数が所定の閾値回転数以上のときに昇圧電圧をVAに上昇させる態様について説明した。しかしながら、燃料噴射のインターバルが短くなるあらゆる状況下において、昇圧電圧をVVより大きく設定することが有効であり、昇圧電圧をVVよりも高く設定するためのトリガはエンジン回転数だけに依らない。
例えば、要求される燃料噴射のインターバルに対して、そのインターバルが所定の時間以下のときに、昇圧電圧をVVより大きく設定するようにしても良い。
(第5実施形態)
昇圧電圧の設定について、第4実施形態では、燃料噴射のインターバルを短くする必要がある条件下で昇圧電圧を上昇させて第2チャージコンデンサ21の充電を早期に行う例を示した。これに対して、本実施形態における噴射制御装置100では、燃料噴射に高精度が要求されない条件下で昇圧電圧を低く設定する。
燃料噴射に高精度が要求されない条件とは、例えば車両においてイグニッションスイッチがオンされた直後である。イグニッションスイッチがオンされた直後は、ピストン内の温度等の諸条件も通常の運転時とは異なる条件下にあり、燃料噴射も通常の運転時に較べれば高精度を要求されない。
このため、例えば、イグニッションスイッチがオンされてから、燃料噴射弁の開弁が所定の回数だけ行われるまでの間は、昇圧電圧をVVよりも低く抑制する。すなわち、昇圧回路10におけるMOSFET13のオンオフの回数を減じて昇圧電圧を抑制する。これにより、昇圧回路10におけるスイッチング損失に起因する電力消費を抑制できるとともに、昇圧電圧に基づいて開弁電圧を生成する降圧回路20においても電力消費を抑制することができる。つまり、燃料噴射に高精度が求められない条件において昇圧電圧を抑制することで燃料噴射に係る消費電力を抑制することができる。
ここで、昇圧電圧を通常運転時のVVよりも下げている状況においては、降圧回路20のトランジスタ22を常時オンにし、第2チャージコンデンサ21を常に充電される状態に維持しても良い。昇圧電圧がVV(またはVA)とされた通常の運転時においては燃料噴射弁の開弁の精度を高く維持するために、第2チャージコンデンサ21の充電を開弁開始の前までに完了しておくことが望ましい。しかしながら、燃料噴射に高精度が要求されない、昇圧電圧が通常運転時のVVよりも下げられた状況においては、トランジスタ22を常にオンにしておくことにより、トランジスタ22のスイッチングに係る電力消費を抑制できるとともに、低い昇圧電圧でも第2チャージコンデンサ21にできるだけ充電が可能なようにできる。
(その他の実施形態)
この明細書および図面等における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、請求の範囲の記載によって示され、さらに請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
上記した各実施形態において、昇圧回路10のMOSFET13のオン期間、降圧回路20のトランジスタ22のオン期間、ならびにスイッチ31のオン期間は、時間軸において互いに相対的であり、トランジスタ22のオン期間がスイッチ31がオンされる時刻にオーバーラップしていなければ、例えばMOSFET13のオン期間とトランジスタ22のオン期間がオーバーラップしていても良いし、互いにオーバーラップしていなくても良い。
図1を参照して説明した昇圧回路10および降圧回路20の具体的な構成はあくまで一例である。昇圧回路10において第1チャージコンデンサ11を有し、降圧回路20において第2チャージコンデンサ21を有する構成であって、昇圧回路10よりも降圧回路20における出力の電圧振幅が小さいように構成されていれば、昇圧回路10および降圧回路20の回路構成は任意に選択することができる。すなわち、必ずしも昇圧回路10にスイッチングレギュレータを採用し降圧回路20にシリーズレギュレータを採用しなければならないわけではない。なお、シリーズレギュレータはスイッチングレギュレータよりも高精度に電圧を出力できることから、昇圧回路10にスイッチングレギュレータを採用し降圧回路20にシリーズレギュレータを採用することが好ましい。回路規模を抑制できるという観点でも、降圧回路20にシリーズレギュレータを採用することには利点がある。
10…昇圧回路,11…第1チャージコンデンサ,12…インダクタ,13…MOSFET(第1スイッチング素子),20…降圧回路,21…第2チャージコンデンサ,22…バイポーラトランジスタ(第2スイッチング素子),30…ハイサイド回路,40…ローサイド回路,50…制御IC,200…インジェクタ,201…第1電磁コイル

Claims (9)

  1. バッテリから供給される電圧を所定の昇圧電圧(VV,VA)まで昇圧する昇圧回路(10)と、
    前記昇圧回路から出力される前記昇圧電圧を、インジェクタ(200)における燃料噴射弁の開弁に必要な所定の開弁電圧(VH)まで降圧して、前記開弁電圧を前記インジェクタに供給する降圧回路(20)と、を備え、
    前記昇圧回路は、第1チャージコンデンサ(11)を有し、前記第1チャージコンデンサに充電することで昇圧する回路であり、
    前記降圧回路は、第2チャージコンデンサ(21)を有し、前記開弁電圧のばらつきを前記昇圧電圧のばらつきよりも小さくされた回路であり、
    前記降圧回路における前記第2チャージコンデンサの充電が、前記燃料噴射弁の開弁が開始される前に完了している、噴射制御装置。
  2. 前記昇圧回路は、前記第1チャージコンデンサとインダクタ(12)と第1スイッチング素子(13)とを有し、前記第1スイッチング素子がオンオフを繰り返すことにより発生する前記インダクタの逆起電力を前記第1チャージコンデンサに充電して昇圧をおこなうスイッチングレギュレータであり、
    前記降圧回路は、前記昇圧回路の出力端子と前記第2チャージコンデンサとの間に第2スイッチング素子(22)を有し、前記第2スイッチング素子をオンすることにより前記第2チャージコンデンサに充電するシリーズレギュレータである、請求項1に記載の噴射制御装置。
  3. 前記降圧回路の出力電圧が、前記開弁電圧よりも低い所定の閾値を下回ったことを以って前記第2チャージコンデンサの充電を開始する、請求項1または請求項2に記載の噴射制御装置。
  4. 前記降圧回路の出力電圧の前記インジェクタへの供給が停止された時点を以って前記第2チャージコンデンサの充電を開始する、請求項1または請求項2に記載の噴射制御装置。
  5. 前記インジェクタは通電により開弁のための力を発生される電磁コイル(201〜204)を有し、
    前記電磁コイルに流れる電流が所定の電流値に到達したことを以って前記第2チャージコンデンサの充電を開始する、請求項1または請求項2に記載の噴射制御装置。
  6. エンジン回転数が所定の閾値回転数以上のとき、前記エンジン回転数が前記閾値回転数未満のときに比較して、前記昇圧電圧が高く設定される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の噴射制御装置。
  7. 前記インジェクタにおける前記燃料噴射弁の閉弁から次の開弁に至るまでのインターバルが所定の時間以下のとき、前記インターバルが所定の時間より長いときに比較して、前記昇圧電圧が高く設定される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の噴射制御装置。
  8. イグニッションスイッチがオンされてから前記インジェクタにおける前記燃料噴射弁の開弁が所定の回数おこなわれるまでの間における前記昇圧電圧は、前記燃料噴射弁の開弁が所定の回数おこなわれた後の前記昇圧電圧よりも低く設定される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の噴射制御装置。
  9. イグニッションスイッチがオンされてから前記インジェクタにおける前記燃料噴射弁の開弁が所定の回数おこなわれるまでの間は、前記第2チャージコンデンサが前記昇圧回路の出力電圧により常時充電されている、請求項8に記載の噴射制御装置。
JP2018027688A 2018-02-20 2018-02-20 噴射制御装置 Active JP7024485B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018027688A JP7024485B2 (ja) 2018-02-20 2018-02-20 噴射制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018027688A JP7024485B2 (ja) 2018-02-20 2018-02-20 噴射制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019143520A true JP2019143520A (ja) 2019-08-29
JP7024485B2 JP7024485B2 (ja) 2022-02-24

Family

ID=67771966

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018027688A Active JP7024485B2 (ja) 2018-02-20 2018-02-20 噴射制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7024485B2 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014092090A (ja) * 2012-11-05 2014-05-19 Denso Corp 燃料噴射装置
JP2016056693A (ja) * 2014-09-05 2016-04-21 富士重工業株式会社 インジェクタ駆動装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014092090A (ja) * 2012-11-05 2014-05-19 Denso Corp 燃料噴射装置
JP2016056693A (ja) * 2014-09-05 2016-04-21 富士重工業株式会社 インジェクタ駆動装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP7024485B2 (ja) 2022-02-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102192024B (zh) 喷射器驱动装置
JP5874607B2 (ja) 燃料噴射制御装置および燃料噴射システム
US8461794B2 (en) Method and apparatus for controlling of a servo-drive
CN103807041A (zh) 燃料喷射控制器和燃料喷射系统
US7455051B2 (en) Control device for piezo actuators of fuel injection valves
JPH09115727A (ja) 電磁的な負荷を制御する装置および方法
JP2020016154A (ja) 噴射制御装置
CN103807066B (zh) 燃料喷射装置
JP7361644B2 (ja) 電磁弁駆動装置
JP2010522839A (ja) 圧電素子の駆動制御回路および駆動制御方法
JP3846321B2 (ja) 燃料噴射弁の制御装置
KR20190005987A (ko) 자동차의 분사 밸브의 액추에이터를 위한 통전 데이터를 결정하기 위한 방법 및 디바이스
JP7024485B2 (ja) 噴射制御装置
JPH11329831A (ja) インダクタンスのスイッチング方法及び装置
JP6394763B2 (ja) 燃料噴射制御装置および燃料噴射システム
JP2021085378A (ja) 噴射制御装置
JP2002021680A (ja) 燃料噴射弁駆動方法
JP6221750B2 (ja) 燃料噴射弁駆動装置
US20190277914A1 (en) Control circuit, and method for improving the measurability of a mechanical switch-on process of an electromagnetic actuator
US11391233B2 (en) Method for controlling a high-pressure fuel injector
US11428182B2 (en) Method for controlling a high-pressure fuel injector
JP6642653B2 (ja) 燃料噴射制御装置および燃料噴射システム
JP2001304024A (ja) 少なくとも1つの電磁弁を駆動する方法、および少なくとも1つの電磁弁の駆動回路
JP6107913B2 (ja) 燃料噴射制御装置および燃料噴射システム
JP6187663B2 (ja) 燃料噴射制御装置および燃料噴射システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201209

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211028

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211102

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211115

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220111

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220124

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7024485

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151