JP2019142938A - 手足症候群治療用組成物 - Google Patents

手足症候群治療用組成物 Download PDF

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葉子 山口
Yoko Yamaguchi
葉子 山口
憲幸 横道
Noriyuki Yokomichi
憲幸 横道
輝明 長澤
Teruaki Nagasawa
輝明 長澤
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Abstract

【課題】原因薬剤の継続や患者のQOL向上などの点で重大な治療または予防ニーズの存在にも関わらず、その発症機序は不明であり、有効な対処法が存在しない状況にある手足症候群の治療または予防に有効な新規組成物を提供することを目的とする。【解決手段】活性酸素を捕捉または除去する物質を有効成分とする、手足症候群を治療または予防するための組成物を提供する。本発明の組成物は、手足症候群の患者向けの皮膚外用剤、例えば手足症候群治療用医薬品として提供することができる。【選択図】図8

Description

本発明は、手足症候群(hand−foot syndrome)を治療または予防す
るための組成物に関する。
手足症候群は、抗癌剤等の化学療法薬の投与に起因して発症する皮膚疾患である。一般
的な症状は、手のひらおよび足の裏の限定された範囲に現れ、チクチクするような感覚異
状から、多くの場合に疼痛、発疹、紅斑を伴う。何ら対処をしない場合は重症化して、患
者のQOLの低下に伴って原因薬剤による治療継続が難しくなるなど、本来の治療に支障
をきたす場合も少なくない。
手足症候群の治療方法として、手足の安静;保湿を目的とした尿素軟膏;ヘパリン類似
物質製剤またはビタミン含有軟膏などの外用剤を用いた局所治療;全身療法としてプロド
ニゾロンやデキサメタゾン、または塩酸ピリドキシン(ビタミンB6)の内服(非特許文
献1)などが提案されているが、これらはいずれも対処療法であり、手足症候群の根治を
図るものではない。
現在までに、手足症候群の発症メカニズムとして、皮膚基底細胞の増殖能の阻害、血管
からの抗癌剤漏出(特許文献1)、エクリン汗腺からの抗癌剤分泌(非特許文献2)など
がその原因の一つである可能性も示されているが、抗癌剤とその発症との因果関係は不明
である。
多くの抗癌剤はDNA損傷を引き起こし、癌細胞のアポトーシスを誘導する。癌のアポ
トーシスは、抗癌剤によって直接的または間接的に生じた活性酸素(reactive
oxygen species;以下、「ROS」とも称する)によって誘導されること
が報告されている(非特許文献3〜8)。さらに、ROSによる酸化損傷は、ヒト全骨髄
球性白血病細胞株HL−60細胞およびHL−60由来カタラーゼ過剰発現HP100細
胞を用いた実験において、銅(II)イオンの存在下で増幅されたことが報告されている
(非特許文献6および9)。
米国特許第6060083号
Investigational New Drugs,8巻,p57−63,1990年 Annals of Oncology 16巻、1210〜1211、2005年 Hiraoka W et al.,(1998) J.Clin.Invest.,102,1961−1968 Tada−Oikawa S et al.,(1999) FEBS Lett.,442,65−69 Varbiro G et al.,(2001) Free Radic.Biol.Med.,31,548−558 Murata M et al.,(2004) Free Radic Biol.Med.,37,793−802 Sadzuka Y et al.,(2005) YAKUGAKU ZASSHI,125,149−157 Gewirtz.D.A.,(1999) Biochemi.Pharmacol.,57,727−741 Murata M et al.,(2004) Free Radic Biol.Med.,37,793−802.
上記のとおり、原因薬剤の継続や患者のQOL向上などの点で重大な手足症候群の治療
または予防ニーズの存在にも関わらず、その発症機序は不明であり、有効な対処法が存在
しない状況にある。そこで本発明は、手足症候群の治療または予防に有効な新規組成物を
提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、抗癌剤等の化学療法
剤の投与に伴って発生するROSが、手足症候群の炎症症状の発現に密接に関与している
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
したがって、本発明は以下の特徴を包含する。
(1)活性酸素を捕捉または除去する物質を有効成分とする、手足症候群を治療または
予防するための組成物。
(2)活性酸素を捕捉または除去する物質は、スーパーオキシドジスムターゼ、ビリル
ビン、グルタチオンペルオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、カタラーゼ、アスコルビン酸
若しくはその誘導体、システイン、グルタチオン、リノール酸、トコフェロール若しくは
その誘導体、α−カロテン、β−カロテン、フラボノイド、尿酸、チオレドキシン、また
はフィトケミカルから選択される少なくとも1種である前記(1)記載の組成物。
(3)活性酸素を捕捉または除去する物質は、スーパーオキサイドアニオンを標的とす
るものであることを特徴とする、前記(1)記載の組成物。
(4)活性酸素を捕捉または除去する物質として、少なくともスーパーオキシドジスム
ターゼを含んでいることを特徴とする、前記(1)記載の組成物。
(5)手足症候群はドキソルビシンのリポソーム化製剤の投与に起因して発症したもの
であることを特徴とする、前記(1)〜(4)のいずれか記載の組成物。
(6)皮膚外用剤である、前記(1)〜(5)のいずれか記載の組成物。
(7)皮膚外用医薬品である、前記(6)記載の組成物。
(6)皮膚外用剤である、前記(1)〜(5)のいずれか記載の組成物。
(7)皮膚外用医薬品である、前記(6)記載の組成物。
(8)手足症候群の治療剤または予防剤を製造するための、活性酸素を捕捉または除去
する物質の使用。
(9)活性酸素を捕捉または除去する物質は、スーパーオキシドジスムターゼ、ビリル
ビン、グルタチオンペルオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、カタラーゼ、アスコルビン酸
もしくはその誘導体、システイン、グルタチオン、リノール酸、トコフェロールもしくは
その誘導体、α−カロテン、β−カロテン、フラボノイド、尿酸、チオレドキシン、また
はフィトケミカルから選択される少なくとも1種である前記(8)記載の使用。
(10)活性酸素を捕捉または除去する物質は、スーパーオキサイドアニオンを標的と
するものであることを特徴とする、前記(8)記載の使用。
(11)活性酸素を捕捉または除去する物質は、スーパーオキシドジスムターゼである
前記(8)記載の使用。
(12)手足症候群はリポソーム化製剤の投与に起因して発症したものであることを特
徴とする、前記(8)〜(11)のいずれか記載の使用。
本発明によれば、手足症候群の治療または予防に有効な新規組成物が提供される。
高用量(10mg/kg)または低用量(5mg/kg)のPEGL−DOX溶液を反復投与(3日に1回を3回実施)後の、ラット後肢足底の写真図を示す。 手足症候群発症ラットの病変部位から採取した皮膚組織におけるH&E染色(a)、ピクロシリウスレッド染色(b)およびTUNEL染色(c)の結果を示す写真図である。 手足症候群発症ラットの病変部位から採取した皮膚組織において実施したサイトカインおよびケモカインの測定結果を示す。 HaCaTおよびNHDFの各培養細胞を用いた分析の結果である。(a)および(b)は、それぞれ手足症候群発症ラットの病変部位から採取した組織で産生量増加が確認されたケモカインおよび炎症性サイトカインに関する、in vitro試験結果である。 HaCaTおよびNHDFの各培養細胞を用いたDOXのin vitro毒性試験の結果である。 HaCaT培養細胞を用いたスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)によるDOX細胞毒性からのレスキューを示す図である。 ドキソルビシン(DOX)の皮内注射により惹起した手足症候群発症ラットにおける前肢甲皮膚のH&E染色像を示す。a〜c、生理食塩水投与群;d〜f、1%SOD投与群。 ドキソルビシン(DOX)の皮内注射により惹起した手足症候群発症ラットにおける、生理食塩水処置群および1%SOD処置群の前肢甲皮膚の表肥厚を示すヒストグラムである。
本発明は、手足症候群を治療または予防するための組成物(以下、「本発明の組成物」
とも称する。)に関する。本発明において、治療または予防の対象となる手足症候群は、
化学療法薬(特に抗癌剤)の投与に起因して手足指先、手掌、足底などの四肢末端に発症
する皮膚症状(しびれ、皮膚知覚過敏、色素沈着、発赤、熱感、紅斑、水疱、むくみ、角
化、ひび割れ、爪の変形・色素沈着などを含むがこれに限られない)をいう。また、手足
症候群は、手掌・足底発赤知覚不全症候群、脚端紅斑、化学療法薬誘導性脚端紅斑、手掌
・足底紅斑、手足皮膚反応としても知られているが、本発明における手足症候群という用
語はこれらを全て含むものである。
また、手足症候群の発症原因となりうる化学療法薬として、結腸直腸癌および乳癌の治
療に使用されるフッ化ピリミジン系抗腫瘍剤(例えばカペシタビン);悪性固形腫瘍に対
して使用されるアントラサイクリン;再発性卵巣癌に対して使用されるPEG改変型リポ
ソームドキソルビシン製剤(PEGL−DOX);広範な癌に対して使用されるドセタキ
セル;腎癌に対して使用される分子標的薬であるソラフェニブやスニチニブなど、多数の
薬剤が知られているが、本発明における手足症候群は、その発症原因となる薬剤によって
制限されるものではなく、任意の薬剤を原因とするものを対象とする。一実施態様におい
ては、手足症候群は、ドキソルビシンのリポソーム化製剤の投与に起因する手足症候群で
ある。
本発明は、抗癌剤等の化学療法薬の投与に起因する手足症候群の症状に、化学療法薬と
の相互作用によって発生するROSが関与していることを見出したことを基礎とするもの
である。したがって本発明の組成物は、活性酸素を捕捉または除去する物質を有効成分と
して含むことを特徴とする。
ROSには、一般的に、酸素分子の一電子還元で生じるスーパーオキサイドアニオン(
2−)、過酸化水素(H)、ヒドロキシラジカル(・OH)、および一重項酸素
)の4種が含まれるが、本発明においては、その少なくとも1種、2種、3種、
そして4種の全てを標的とするように、有効成分を選択または組み合わせることができる
。したがって、本発明において「活性酸素(ROS)を捕捉または除去する物質」とは、
スーパーオキサイドアニオン(O2−)、過酸化水素(H)、ヒドロキシラジカル
(・OH)、および一重項酸素()のうちの少なくとも1種を捕捉または除去の標
的とする物質(例えば抗酸化剤)をいう。
活性酸素を捕捉または除去する物質は、スーパーオキサイドアニオン、過酸化水素、ヒ
ドロキシラジカルおよび一重項酸素のいずれか1種を捕捉または除去することができ、か
つ、人体に有害作用を生じない限り、天然由来であっても合成由来であってもよい。本発
明の一実施態様においては、活性酸素を捕捉または除去する物質は、スーパーオキサイド
アニオンを捕捉または除去の標的とする物質である。
スーパーオキサイドアニオンを捕捉または除去することができる物質として、これに限
定されるものではないが、スーパーオキシドジスムターゼ、ビリルビン、アスコルビン酸
またはその誘導体(6−ステアリン酸アスコルビル、6−パルミチン酸アスコルビル、2
,6−ジパルミチン酸アスコルビル、2,3,5,6−テトラヘキシルデカン酸アスコル
ビル、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸カリウム、アスコルビン酸−2−硫酸2ナ
トリウム、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸−2−リン酸マグネシウム、アス
コルビン酸−2−リン酸ナトリウム、アスコルビル−2−グルコシドなど)などが知られ
ており、本発明の組成物はこれらの少なくとも1種を有効成分として含むことができる。
過酸化水素を捕捉または除去することができる物質として、これに限定されるものでは
ないが、グルタチオンペルオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、カタラーゼ、アスコルビン
酸またはその誘導体(6−ステアリン酸アスコルビル、6−パルミチン酸アスコルビル、
2,6−ジパルミチン酸アスコルビル、2,3,5,6−テトラヘキシルデカン酸アスコ
ルビル、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸カリウム、アスコルビン酸−2−硫酸2
ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸−2−リン酸マグネシウム、ア
スコルビン酸−2−リン酸ナトリウム、アスコルビル−2−グルコシドなど)、ビタミン
Eコハク酸エステルなどが知られており、本発明の組成物はこれらの少なくとも1種を有
効成分として含むことができる。
ヒドロキシラジカルを捕捉または除去することができる物質として、これに限定される
ものではないが、システイン、グルタチオン、リノール酸、トコフェロールまたはその誘
導体(α−トコフェロール、酢酸トコフェロール、ビタミンEコハク酸エステルなど)、
α−カロテン、β−カロテン、フラボノイド、尿酸、チオレドキシンなどが知られており
、本発明の組成物はこれらの少なくとも1種を有効成分として含むことができる。
一重項酸素を捕捉または除去することができる物質として、これに限定されるものでは
ないが、アスコルビン酸およびその誘導体(6−ステアリン酸アスコルビル、6−パルミ
チン酸アスコルビル、2,6−ジパルミチン酸アスコルビル、2,3,5,6−テトラヘ
キシルデカン酸アスコルビル、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸カリウム、アスコ
ルビン酸−2−硫酸2ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸−2−リ
ン酸マグネシウム、アスコルビン酸−2−リン酸ナトリウム、アスコルビル−2−グルコ
シドなど)、トコフェロールおよびその誘導体(α−トコフェロール、酢酸トコフェロー
ルなど)、β−カロテン、リボフラビン、尿酸、チオレドキシンなどが知られており、本
発明の組成物はこれらの少なくとも1種を有効成分として含むことができる。
また上記の他、本発明の組成物は、有効成分として高い抗酸化作用が知られている物質
、例えばα−リポ酸、コエンザイムQ10、キサントフィル類(アスタキサンチン、ルテ
イン、ゼアキサンチン、カンタキサンチン、フコキサンチン、アンテラキサンチン、ビオ
ラキサンチンなど)、カロテノイド(αカロテン、βカロテン、リコペンなど)、ポリフ
ェノール(クロロゲン酸、エラグ酸、リグナン、セサミン、クルクミン、クマリン、オレ
オカンタール、オレウロペイン、レスベラトロールなど)、ブチルヒドロキシアニソール
、ブチルヒドロキシトルエン、エリソルビン酸ナトリウム、没食子酸プロピル、フェルラ
酸、カフェ酸、5−(ジエチルホスホノ)−5−メチル−1−ピロリンN−オキシド、フ
ラボノイド(フラバノン、フラボン、カルコン、カテキン、没食子酸エピガロカテキン、
フラバノノール、オーロン、フラバン−34−ジオール(ロイコアントシアン)、イソフ
ラボン、アントシアニン、タンニン、ルチンなど)、植物抽出物(ビワ葉エキス、籐茶エ
キス、エイジツエキス、ローズマリーエキスなど)、マンガンN,N’−ビス(サリチリ
ジエン)エチレンジアミンクロライド、(acetato−κO)[[2,2−[1,2
’−ethanediylbis[(nitrilo−κN)methylidyne]
]bis[3,5−dimethoxyphenolato−κO]](2−)]−ma
nganese、2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−[[(1−エチル)ア
ミノ]メチル]フェノール塩酸塩、3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロン、SOD
ミメティック化合物(マンガン(III)テトラキス(4−安息香酸)ポルフィリンクロラ
イド、マンガン(III)テトラキス(1−メチル−2−ピリジル)ポルフィリン、マンガ
ン(III)メソ−テトラキス(N−メチル−2−ピリジル)ポルフィリンペンタクロライ
ドなど)、7−ヒドロキシフラボン−マンガン複合体、ノルジヒドログアヤレチン酸、2
1−(4−(2,6 Di−1−pyrrolidinyl−4−pyrimidiny
l)−1−piperazinyl)−pregna−1,4,9(11)−trien
e−3,20−dione,(Z)−2−Butenedionate、(−)−2−(
(4−(2,6−Di−1−pyrrolidinyl−4−pyrimidinyl)
−1−piperazinyl)methyl)−3,4−dihydro−2,3,7
,8−tetramethyl−2H−1−benzopyran−6−ol, 2HC
l、フィトケミカル(アントシアニン、イソフラボン、セサミノール、クルクミン、スル
フォラハン、メチルシステインスルホキシド、アリシン、ルテイン、リコペン、リモネン
、フィトステロール、βグルカン、サポニン、カプサイシン、ジンゲロールなど)を含ん
でもよい。
本発明において、標的とするROSの種類に依らず、上述したROSを捕捉または除去
することができる物質のうち、1種〜複数種を選択して本発明の組成物を調製することが
できる。
本発明において、組成物の投与ルートおよび剤型は、手足症候群の治療または予防効果
が発揮される限り特に制限されないが、手足症候群の発症原因となることが既に知られて
いる化学療法薬の投与を予定している対象、手足症候群の発症原因となった化学療法薬の
投与を継続している対象への適用に際しては、化学療法剤の効果を損なわないようにする
ことが好ましい。すなわち、上記のとおり、癌のアポトーシスは、抗癌剤によって直接的
または間接的に生じた活性酸素(以下、「ROS」とも称する)によって誘導されること
が報告されており(Hiraoka W et al.,(1998)前掲;Tada−
Oikawa S et al.,(1999)前掲;Varbiro G et al
.,(2001)前掲;Murata M et al.,(2004)前掲;Sadz
uka Y et al.,(2005)前掲;Gewirtz.D.A.,(1999
)前掲)、抗癌剤によるそのような本来的役割に鑑みれば、ROSの全身性の除去は化学
療法薬の有効性を著しく減じる可能性があるからである。
したがって、本発明の組成物は、一実施態様において、ROSを捕捉または除去する物
質を、手足症候群病変部位に局所的に送達する剤形、例えば皮膚外用剤の形態とすること
ができる。そのような皮膚外用剤は、例えば皮膚外用医薬品として提供することができる
本発明の皮膚外用医薬品において、ROSを捕捉または除去する物質の配合量は、効果
的に手脚症候群の症状を改善することができ、かつ、他の有害な副作用を生じない範囲で
あれば特に制限されないが、例えば0.001〜30(w/w)%、好ましくは0.01
〜10(w/w)%、例えば5(w/w)%とすることができる。
本発明の皮膚外用医薬品には、有効成分の他、皮膚外用剤に一般的に用いられる成分、
例えば、これに限定されるものではないが、水、界面活性剤(アニオン界面活性剤、カチ
オン界面活性剤、両性界面活性剤または非イオン界面活性剤)、液体または固体油脂、ロ
ウ、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油、シリコーン油、増粘剤、皮
膜剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、糖、アミノ酸、有機アミン、
高分子エマルション、pH調整剤、皮膚栄養剤、酸化防止剤、香料等を適宜配合し、目的
とする製品形態に応じて常法に従って製造することができる。
本発明の皮膚外用医薬品の形態は特に制限されず、軟膏剤、ゲル剤、クリーム剤、液剤
、ローション剤、エアゾール剤、パップ剤、化粧用シート剤などの形態で提供することが
できる。
本発明の皮膚外用医薬品は、単剤で使用してもよいし、手足症候群の治療に用いられる
他の薬剤と組み合わせて使用してもよい。そのような薬剤として、例えば、保湿剤、抗生
物質、ステロイド外用剤、ステロイド内服薬、非ステロイド性消炎鎮痛剤等が挙げられる
本発明の皮膚外用医薬品は、化学療法薬の投与に起因して手足症候群を発症している患
者の他、化学療法薬の投与を予定している癌患者に対して予防的に使用してもよい。
以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。
1.手足症候群発症モデルの作製
薬剤の種類に応じた手足症候群の発症頻度については次のような報告がある:PEGL
−DOX(最高で約78%);カペシタビン(51〜78%);ソラフェニブ(約55%
)(Ministry of Health,Labour and Welfare,
2010)。そこで手足症候群発症モデルの作製のために、発症頻度の最も高いPEGL
−DOXを採用することとした。
(1)PEGL−DOX(ドキソルビシンPEG化リポソーム製剤)の調製
粒子径を統一するためのフィルターによる分割および作製後の平均粒子径の確認を行わ
なかったこと以外は、既報(Sadzuka Y.,2005、前掲)に従ってPEG化
リポソーム製剤を作製した。
すなわち、L−α−distearoylphosphatidyl−DL−glyc
erol(PEG修飾レシチン;DSPG)およびレシチン(それぞれ日油株式会社製)
を、メタノールおよびクロロホルムを1:4に混合した溶媒に溶解し、35℃の温浴中で
ロータリーエバポレーターにて溶媒を除去し、ナスフラスコ面に薄膜を形成した。フラス
コ内にDOX水溶液(20%水溶液;日本化薬株式会社製)とソルビトール/乳酸溶液を
添加し、60℃の温浴中で15分撹拌した。その後超音波照射を3分間実施し0.2w/
v%のPEGL−DOX溶液を得た。
(2)手足症候群モデルの作製
(2−1)PEGL−DOXの尾静注モデル
高用量(10mg/kg)または低用量(5mg/kg)のPEGL−DOX溶液を、
日本SLC株式会社より購入した7週齢の雌SDラットに単回または反復投与(3日に1
回投与を3回)した(尾静注)。
単回投与群では、PEGL−DOX投与直後から前肢掌、肢底、耳介、鼻先に発赤が出
現したが、生じた発赤は一過性で5〜10分で消失した。一方、PEGL−DOXの反復
投与群では5mg/kgの低用量で四肢末梢部の炎症所見が観察され、高用量(10mg
/kg)ではその傾向が顕著であった(図1)。
また反復投与群では、手足に障害が生じることが観察されたが、全身の皮膚への影響は
顕著ではなく若干の乾燥状態が観察されたのみであった。これはヒトにDoxil(登録
商標)を投与した際に観察される症状に酷似していた(Gewirtz.D.A.,19
99、前掲)。したがって、PEGL−DOXの投与により、前肢掌および後肢足底に手
足症候群が発症したと判断した。
(2−2)ドキソルビシンの局所注射モデル
PEGL−DOX尾静注による場合、重篤な手足症候群を惹起するためには比較的高濃
度のPEGL−DOXの投与が必要であるため、手足症候群の症状を発症する前に動物が
死亡してしまうという問題があった。そこで、ドキソルビシンをラットの肢底部に皮内投
与することによる手足症候群の惹起を試みた。
0.08%に調製したドキソルビシン生理食塩水溶液を、日本SLC株式会社より購入
した8週齢の雌SDラットの前肢および後肢足底部に40μlずつ皮内投与したところ、
投与後2日でラット足底部および甲に炎症性の発赤や腫脹、落屑など、手足症候群の症状
と酷似する所見が観察された。
そこで、本モデルを手足症候群発症の第2のモデルとして使用した。
2.手足症候群モデルラットの病理解析
手足症候群発症部位の病理解析を行うために、上記(2−1)に従って手足症候群が発
症した高用量(10mg/kg)PEGL−DOX反復投与ラットから採取した皮膚組織
を組織学的に評価した。組織学的評価は、H&E染色、ピクロシリウスレッド染色および
TUNEL染色を用い、それぞれ無投与コントロール群と比較することにより行った。
(1)ヘマトキシリン・エオジン(H&E)染色
ホルマリン固定してパラフィン包埋した皮膚組織を4μmの厚さで切片を作製した。脱
パラフィンした後、再水和し、H&E染色を行い、前肢手掌および後肢足底部の組織像を
光学顕微鏡にて観察を行った。
(2)ピクロシリウスレッド染色
真皮の膠原線維の様子を詳細に観察するため、ピクロシリウスレッド染色を行い、偏光
顕微鏡にて観察を行った。
(3)TUNEL染色
アポトーシスを検出するためにTUNEL染色を行った。DeadEndTM Flu
orometric TUNEL systemキット(Promega株式会社製)を
使用してTUNEL染色し、蛍光顕微鏡にて観察を行った。
結果を図2に示す。高用量PEGL−DOX反復投与ラットの肢底部皮膚のH&E染色
では、無投与コントロール群に比較して、顆粒層が菲薄化または消失し、基底層から有棘
層にかけて細胞数が減少し、細胞間は粗な配列を呈しており、表皮層の菲薄化が顕著であ
った(図2a)。一方、真皮層の線維芽細胞は正常状態とほぼ同等であった。
図2bにピクロシリウスレッド染色(コラーゲン線維の染色)結果を示す。赤く高輝度
で観察される程太いコラーゲン線維束が多く、黄色〜緑で低輝度になるほど配列の乱れも
しくは断裂状態を示す。図2bから明らかな通り、PEGL−DOX反復投与ラットでは
真皮層のコラーゲン線維の配列が乱れ、線維の断裂が顕著であった。
図2cにTUNEL染色結果を示す。緑色はアポトーシスが誘導されている細胞を示し
ている。PEGL−DOX投与モデルでは、表皮基底細胞のアポトーシスが誘導されてい
た。
以上の結果は、手足症候群発症部位においては、表皮層の細胞減少に伴う菲薄化、真皮
層のコラーゲン破壊、表皮基底細胞のアポトーシスが認められることを示しており、その
結果、炎症症状が引き起こされていると考えられる。
3.手足症候群発症原因の解析
(1)in vivoサイトカイン分析
手足症候群が発症する原因を解明するために、上記(2−1)に従うPEGL−DOX
投与後の後肢の皮膚組織を採取し、発現しているサイトカインおよびケモカインを測定し
た。採取した皮膚組織をホモジナイズした後、遠心して上清を回収しRat Cytok
ine Antibody Array(RayBiotech社製)にて検出を行った
その結果を図3に示す。ケモカインであるCINC3やFractalkineの発現
およびILファミリーの産生抑制に働くIL−10産生が顕著で、同時に炎症系サイトカ
インであるIL−1βやIL−6の発現亢進も確認された。
(2)in vitroサイトカイン分析
DOXによる皮膚組織内細胞への影響を確認するため、in vitro実験をさらに
実施した。表皮層および真皮層への影響を比較するために、それぞれHaCaT細胞(ヒ
トケラチノサイト由来株化細胞;神戸大学医学部より受領)と正常ヒト真皮線維芽細胞で
あるNHDF(倉敷紡績株式会社製)とを用いた。具体的には、各培養細胞にDOX(1
.5μM)を添加して24時間培養した後、培地中のサイトカインをLuminex20
0 system(Millipore社製)(図4a)またはHuman Cytok
ine Antibody Array(RayBiotech社製)(図4b)にて検
出を行った。検出対象のサイトカインは、in vivoで産生が亢進していたケモカイ
ンであるIL−8、GRO(いずれもラットCINC3に相当する)およびFracta
lkine、並びに炎症性サイトカインIL−1およびIL−6とした。
また、サイトカイン産生量への活性酸素(ROS)の関与を評価するために、銅(II
)イオンとして塩化銅(II)(和光純薬社製)を培地にさらに添加した系においても同
様の実験を行った。
結果を図4に示す。HaCaTにおいて、DOX 1.5μMの存在だけでは、3種の
ケモカイン産生は増加しなかった(図4a)。一方、DOXと銅(II)イオン共存下(
50および375μM)では、各ケモカインの産生量は増加し、GROおよびIL−8は
、Cu(II)イオン濃度が高いほどその産生量は増加した。一方、NHDFにおいては
、DOX添加やCu(II)イオン共存による変化はほとんどなく、むしろDOX存在下
で各種ケモカイン産生量は抑制される傾向が観察された。
炎症性サイトカインについても、DOXおよび/または銅(II)イオンによる影響は
細胞種によって変化した(図4b)。HaCaT細胞はDOXの存在下ではIL−1αお
よびIL−6の産生を増加し、その産生はDOX存在下でCu(II)イオンの添加によ
ってさらに増強された。IL−1βの産生は高濃度の銅(II)イオンとDOXの併存下
で上昇した。対照的に、NHDF細胞はDOXのみの場合には考慮すべき反応を示さなか
ったが、銅(II)イオンの併存下ではIL−1βの産生増加を刺激した。
以上のとおり、DOXが表皮細胞においてケモカインIL−8、GROおよびFrac
talkine、炎症性サイトカインIL−1β、IL−6およびIL−1αの産生を増
強し、真皮細胞においてIL−1βの産生を増強すること、並びにこの産生増強は銅(I
I)イオン依存的に認められることが示された。これらの結果は、DOXと銅(II)イ
オン共存下で産生が増強されるROSが、これらのサイトカインの産生増強に関与してい
る可能性を示唆している。
(3)DOX毒性評価試験
DOXの毒性評価のために、培養細胞HaCaTとNHDF(前掲)を使用した毒性評
価試験を行った。すなわち、培地に1.5μM DOXを添加し、24時間後の生細胞の
割合をCell Counting kit−8(CCK8)(DOJINDO LAB
ORATORIES社製)を使用して測定した。銅(II)イオン共存下の毒性試験は、
1.5μMのDOXを含む培地に、50μMまたは375μMの塩化銅(和光純薬社製)
を添加した。
また、DOXによる皮膚組織破壊とROSの関与を調べるために、1.5μM DOX
、50μM塩化銅(II)および100μg/ml スーパーオキシドジスムターゼ(S
OD)(Sigma Aldrich社製)をHaCaT培養培地に添加して、12時間
後の生存率を測定した。
DOXを添加しなかった場合には、HaCaT細胞の生存率は50μM塩化銅(II)
添加時に約20%低下したが、高濃度の375μMを添加した場合でも同程度であった。
DOXの存在下では、細胞の生存率は銅(II)イオン濃度の増加に伴って急速に低下し
た(図5)。これは、DOXと銅(II)イオンが共存することによるROSの産生促進
が、細胞の生存率を低下させたことを示唆している。一方、NHDF細胞はDOXおよび
銅(II)イオンの組み合わせによる生存率への顕著な影響は認められなかった。HaC
aTとNHDFの間において、ROSによる細胞障害に差が見られたことは、手足症候群
モデル動物の皮膚組織像とよく相関していた。
また、ROSを捕捉することが知られているSODの添加は、HaCaT細胞の生存率
を改善した(図6)。
以上の結果から、手足症候群の病態は、抗癌剤と皮膚内に存在する銅(II)イオンと
の相互作用により発生したROSが、表皮細胞におけるケモカインおよび炎症性サイトカ
イン類の産生を促進し、その結果、血管拡張、発赤、熱感が現れ、血管透過性が亢進し膨
張する手足症候群の炎症症状が発現されることが示された。
一方、HaCaTを用いた細胞毒性試験において、SODの添加によって、細胞生存率
の改善が認められたことから、ROSを捕捉または除去する成分が、手足症候群の治療ま
たは予防に有効であることが示された。
4.手足症候群の発症抑制試験
本試験には、上記(2−2)ドキソルビシンの局所注射による手足症候群発症動物モデ
ルを用いた。
1%スーパーオキシドジスムターゼ生理食塩水溶液(SOD)を、8週齢の雌SDラッ
ト前肢および後肢足底部に40μlずつ皮内投与した。陰性対照としてSODを含まない
生理食塩水のみの投与群も用意した。SOD投与24時間後、0.08%ドキソルビシン
を同じ部位に皮内投与した。SODまたは生理食塩水、およびドキソルビシンの投与はそ
れぞれ1回のみとし、手足症候群の発症とその経過を17日間観察した。観察最終日に前
肢・後肢の掌および甲の皮膚を採取してホルマリン固定し、パラフィン包埋を行って組織
切片を作製した。H&E染色を行って、肢皮膚の状態を観察した。表皮の厚さは、画像処
理ソフトウェアAxio Vision4.8(Carl Zeiss社製)によって計
測し、群間の比較はWelch’s t testによる統計処理を行った。
0.08%ドキソルビシンをラット足底部に投与することで足底部に炎症性の発赤や腫
脹、落屑などの手足症候群でみられる症状が、SOD投与群および生理食塩水投与群にお
いて異なる程度で観察された。陰性対照の生理食塩水投与群(n=2、(前肢n=4、後
肢n=4))に比較して、1%SOD投与群(n=2、(前肢n=4、後肢n=4))は
発赤や腫脹の程度はやや弱く、正常状態への回復が早いことが観察された。生理食塩水投
与群では、前肢甲にも発赤や腫脹が確認された。これに対し、1%SOD投与群では前肢
甲における諸症状は著しく軽減された。
H&E染色による前肢甲の皮膚組織像を観察したところ、陰性対照の生理食塩水投与群
は炎症性の表皮肥厚が観察された(図7a〜c)。1%SOD投与群は有意に炎症性の表
皮肥厚を抑制しており、その程度はわずかであった(図7d〜f)。表皮の厚さを染色組
織像60〜80か所で測定したところ、1%SOD投与群において有意な抑制効果が認め
られた(p<0.001)(図8)。
このように、ROSを捕捉または除去することが可能な抗酸化剤を事前に投与しておく
ことで、手足症候群の発症またはその症状を効果的に低減することができた。したがって
、ROSを捕捉または除去する物質は、手足症候群の治療または予防に有用であることが
示された。
本発明によれば、手足症候群の治療または予防に有用な組成物が提供される。本発明の
組成物は、手足症候群の患者向けの皮膚外用剤、例えば手足症候群治療用医薬品として提
供される点で産業上の利用可能性を有している。

Claims (1)

  1. 明細書に記載の発明。
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