JP2019142860A - 医薬組成物及び医薬製剤 - Google Patents

医薬組成物及び医薬製剤 Download PDF

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Ryohei Sato
遼平 佐藤
明希 尾谷
Aki Otani
明希 尾谷
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Abstract

【課題】保管中の変色が抑制された医薬組成物及び医薬製剤の提供。【解決手段】(A−1)アセトアミノフェン等から選ばれる少なくとも1種の成分、(A−2)アセチルサリチル酸等から選ばれる少なくとも1種の成分、(A−3)ビタミン等から選ばれる少なくとも1種の成分、(A−4)コンドロイチン硫酸等から選ばれる少なくとも1種の成分、(A−5)グルコサミン塩酸塩等から選ばれる少なくとも1種の成分、並びに(A−6)生薬からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分(A)と、メロキシカム及びその医薬的に許容可能な塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分(B)と、を含む医薬組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、医薬組成物及び医薬製剤に関する。
医薬に配合される生理活性成分(薬効成分)の中には、保管中に変色を起こす成分がある(アセトアミノフェンやビタミン類、コンドロイチン硫酸、生薬等)。
このような生理活性成分を含む医薬組成物の変色を目立たなくする手法として、色素を配合することにより変色を隠蔽する方法、生理活性成分を含む錠剤をフィルムコーティングする方法がある。しかし、色素の配合や錠剤のフィルムコーティングは、変色を判別しにくくするだけであり、変色自体を抑制する効果ではない。また、色素の配合は色むらのリスクが高く、色素の粉砕や篩過、混合を念入りに行なう必要があり、生産コストの増加に繋がる。錠剤のフィルムコーティングも、製造工程数が増え生産コストの増加に繋がる。
アセトアミノフェンとアスパルテームと酸味を呈する物質とを含む製剤の変色を抑制するために、アセトアミノフェンと、アスパルテーム及び酸味を呈する物質とを別々に造粒する方法が提案されている(特許文献1)。
ビタミンC類及びビタミンB群類を1つの顆粒中に含む製剤の配合変化による着色を抑制するために、ビタミンC類及びビタミンB群類に膨潤剤を配合して湿式造粒を行う方法が提案されている(特許文献2)。
特開2001−294524号公報 特開2006−328001号公報
しかし、特許文献1の変色抑制方法は、アセトアミノフェンを含有する顆粒と、アスパルテームと酸味を呈する成分を含有する顆粒を別々に造粒して作製する必要があり、製造工程が煩雑となり易く、且つ混合均一性を得ることが難しい。特許文献2の変色抑制方法は、ビタミンC類及びビタミンB群類を同時に造粒することが出来る一方、湿式造粒が必須であり、水や加熱に対して不安定な薬物(アセトアミノフェン、アセチルサリチル酸等)に対しては、適切な方法ではない。
本発明は、保管中に変色を起こす生理活性成分(薬効成分)を含有した医薬品組成物及び医薬品製剤において、保管中の変色が抑制された医薬組成物及び医薬製剤の提供を目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、驚くべきことに、選択的COX−2の抑制作用を有し、鎮痛成分として知られているメロキシカムを配合することによって、変色しやすい薬効成分を含有する医薬組成物の変色が抑制されることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、以下の態様を有する。
〔1〕(A−1)アセトアミノフェン及びその医薬的に許容可能な塩からなる群から選ばれる少なくとも1種、
(A−2)アセチルサリチル酸及びその医薬的に許容可能な塩からなる群から選ばれる少なくとも1種、
(A−3)ビタミン、その誘導体及びそれらの医薬的に許容可能な塩からなる群から選ばれる少なくとも1種、
(A−4)コンドロイチン硫酸及びその医薬的に許容可能な塩からなる群から選ばれる少なくとも1種、
(A−5)グルコサミン及びその医薬的に許容可能な塩からなる群から選ばれる少なくとも1種、並びに
(A−6)生薬
からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分(A)と、
メロキシカム及びその医薬的に許容可能な塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分(B)と、
を含む医薬組成物。
〔2〕前記成分(A)が前記(A−3)を含み、
前記(A−3)が、
ビタミンB、その誘導体及びそれらの医薬的に許容可能な塩、
ビタミンB、その誘導体及びそれらの医薬的に許容可能な塩、
ビタミンB12、その誘導体及びそれらの医薬的に許容可能な塩、
ビタミンD、その誘導体及びそれらの医薬的に許容可能な塩、並びに
ビタミンE、その誘導体及びそれらの医薬的に許容可能な塩
からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む〔1〕の医薬組成物。
〔3〕前記成分(A)が前記(A−6)を含み、
前記(A−6)が、イレイセン、エンゴサク、オウゴン、ガイハク、カシ、カッコン、カンゾウ、キキョウ、キクカ、キョウカツ、キンギンカ、クジン、ケイヒ、ゲンジン、コウブシ、ゴオウ、ゴシツ、サイコ、サイシン、サンシシ、ジコッピ、シツリシ、シャクヤク、ジャショウシ、ショウマ、シンイ、ジリュウ、ジンギョウ、セッコウ、セネガ、センキュウ、ダイオウ、タイソウ、タンジン、チクセツニンジン、チモ、トウガシ、トウニン、ドッカツ、ドベッコウ、ニンドウ、ハッカ、ビャクシ、ビャクジュツ、ボウイ、ボウフウ、マオウ、モクツウ、モッカ及びユウタン、並びにそれらの抽出物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む〔1〕又は〔2〕の医薬組成物。
〔4〕前記成分(A)が、前記(A−1)及び前記(A−2)のいずれか一方と、前記(A−3)、前記(A−4)、前記(A−5)及び前記(A−6)からなる群から選ばれる少なくとも1種とを含む〔1〕〜〔3〕のいずれかの医薬組成物。
〔5〕〔1〕〜〔4〕のいずれかの医薬組成物を含む医薬製剤。
〔6〕固形製剤である〔5〕の医薬製剤。
〔7〕前記固形製剤が、錠剤、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、散剤又は細粒剤である〔6〕の医薬製剤。
本発明によれば、保管中の変色が抑制された医薬組成物及び医薬製剤を提供できる。
錠剤の一例(標準R錠又は糖衣R錠)を示す側面図である。 錠剤の他の例(2段R錠)を示す側面図である。 錠剤の他の例(円形スミ角平錠)を示す側面図である。 錠剤の他の例(円形スミ丸平錠)を示す側面図である。
本明細書及び特許請求の範囲において、数値範囲を示す「〜」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
〔医薬組成物〕
本発明の医薬組成物は、成分(A)と成分(B)とを含む。
成分(A)は、以下の(A−1)、(A−2)、(A−3)、(A−4)、(A−5)及び(A−6)からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分である。成分(A)は、成分(B)の不在下では、保管中に容易に変色(褐変、黄変等)を生じる。
(A−1)は、アセトアミノフェン及びその医薬的に許容可能な塩からなる群から選ばれる少なくとも1種である。アセトアミノフェンの医薬的に許容可能な塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩が挙げられ、これら(A−1)の中でもアセトアミノフェン、そのナトリウム塩及びカルシウム塩が、本発明による作用効果の点から好適に用いられる。
(A−2)は、アセチルサリチル酸(アスピリン)及びその医薬的に許容可能な塩からなる群から選ばれる少なくとも1種である。アセチルサリチル酸の医薬的に許容可能な塩としては、ナトリウム塩、アミン塩、アルミニウム塩等が挙げられ、これら(A−2)の中でもアセチルサリチル酸及びそのアルミニウム塩が、本発明による作用効果の点から好適に用いられる。
(A−3)は、ビタミン、その誘導体及びそれらの医薬的に許容可能な塩からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
ビタミンとしては、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB12等のビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ヘスペリジン等が挙げられる。これらのビタミンの誘導体はそれぞれ、医薬的に許容可能なものであればよい。
ビタミンA、その誘導体又はそれらの医薬的に許容可能な塩としては、酢酸塩、エステル等が挙げられる。
ビタミンB、その誘導体又はそれらの医薬的に許容可能な塩としては、塩酸チアミン、硝酸チアミン、硝酸ビスチアミン、チアミンジスルフィド、チアミンジセチル硫酸エステル塩、フルスルチアミン、ジセチアミン、オクトチアミン、シコチアミン、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、ベンフォチアミン、プロスルチアミン、塩酸フルスルチアミン、塩酸ジセチアミンなどのチアミン誘導体やチアミンのリン酸塩等が挙げられる。
ビタミンB、その誘導体又はそれらの医薬的に許容可能な塩としては、リボフラビン、リン酸リボフラビン、酪酸リボフラビン、フラビンアデニンジヌクレオチド及びその塩(ナトリウム塩等のアルカリ金属塩等)等が挙げられる。
ビタミンB、その誘導体又はそれらの医薬的に許容可能な塩としては、ピリドキシン及びその塩(カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩;塩酸塩等の無機酸塩等)、ピリドキサール、ピリドキサミン等が挙げられる。
ビタミンB12、その誘導体又はそれらの医薬的に許容可能な塩としては、シアノコバラミン、塩酸ヒドロキソコバラミン、酢酸ヒドロキソコバラミン、ヒドロキソコバラミン、メコバラミン等が挙げられる。
ビタミンC、その誘導体又はそれらの医薬的に許容可能な塩としては、アスコルビン酸、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸リン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステル、L−アスコルビン酸2−グルコシド又はそれらの塩、L−アスコルビン酸モノステアレート、L−アスコルビン酸モノパルミテート、L−アスコルビン酸モノオレート等のL−アスコルビン酸モノアルキルエステル類、L−アスコルビン酸モノリン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステル等のL−アスコルビン酸モノエステル類、L−アスコルビン酸ジステアレート、L−アスコルビン酸ジパルミテート、L−アスコルビン酸ジオレート等のL−アスコルビン酸ジアルキルエステル類、L−アスコルビン酸ジリン酸エステル等のL−アスコルビン酸ジエステル類、L−アスコルビン酸トリステアレート、L−アスコルビン酸トリパルミテート、L−アスコルビン酸トリオレート等のL−アスコルビン酸トリアルキルエステル類、L−アスコルビン酸トリリン酸エステル等のアスコルビン酸トリエステル類等が挙げられる。
ビタミンD、その誘導体又はそれらの医薬的に許容可能な塩としては、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等が挙げられる。
ビタミンE、その誘導体又はそれらの医薬的に許容可能な塩としては、d−α−トコフェロール、l−α−トコフェロール及びそれらの混合物(dl−α−トコフェロール)や、それらの誘導体(酢酸トコフェロール、コハク酸トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール等)及びそれらの塩(カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩等)等が挙げられる。
ヘスペリジン、その誘導体又はそれらの医薬的に許容可能な塩としては、ヘスペリジン、ルチン、エリオシトリン等が挙げられる。
これら(A−3)の中でもビタミンB、その誘導体及びそれらの医薬的に許容可能な塩、ビタミンB、その誘導体及びそれらの医薬的に許容可能な塩、ビタミンB12、その誘導体及びそれらの医薬的に許容可能な塩、ビタミンD、その誘導体及びそれらの医薬的に許容可能な塩、並びにビタミンE、その誘導体及びそれらの医薬的に許容可能な塩からなる群から選ばれる少なくとも1種が、本発明による作用効果の点から好適に用いられる。
(A−4)は、コンドロイチン硫酸及びその医薬的に許容可能な塩からなる群から選ばれる少なくとも1種である。コンドロイチン硫酸の医薬的に許容可能な塩としては、ナトリウム塩やカリウム塩等のアルカリ金属塩等が挙げられる。
(A−5)は、グルコサミン及びその医薬的に許容可能な塩からなる群から選ばれる少なくとも1種である。グルコサミンの医薬的に許容可能な塩としては、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、トリフルオロ酢酸塩等の有機酸塩等が挙げられ、好ましくは塩酸塩である。
これら(A−4)、(A−5)の中でもコンドロイチン硫酸アルカリ金属塩、グルコサミン塩酸塩が、本発明による作用効果の点から好適に用いられる。
(A−6)は、生薬である。
(A−6)としては、例えば、イレイセン、エンゴサク、オウゴン、オトギリソウ、ガイハク、カシ、カッコン、カンゾウ、キキョウ、キクカ、キョウカツ、キンカン、キンギンカ、クジン、クロモジ、ケイヒ、ゲンジン、コウブシ、コウホン、ゴオウ、ゴカヒ、ゴシツ、サイコ、サイシン、サンシシ、サンシャ、サンリョウ、ジコッピ、シツリシ、シャクヤク、ジャコウ、ジャショウシ、ショウマ、ショウブコン、シンイ、ジリュウ、シンピ、ジンギョウ、セイタイ、セキショウコン、セッコウ、セネガ、ゼンカツ、センキュウ、センタイ、セッコツボク、ソウキセイ、ソウジシ、ゾクダン、ソボク、ダイオウ、タイソウ、タンジン、チクセツニンジン、チモ、トウガシ、トウニン、ドッカツ、ドベッコウ、ニンドウ、ハッカ、ビャクシ、ビャクジュツ、ボウイ、ボウフウ、マオウ、モクツウ、モッカ、モツヤク、ヤカン及びユウタン、並びにそれらの抽出物が挙げられる。これらの生薬はいずれか1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
これらの生薬又はその抽出物は、例えば、第十七改正日本薬局方 医薬品各条「生薬等」や日本薬局方外生薬規格2015、特開2002−363091号公報、特開2011−126818号公報、特開平11−092355号公報、特開2007−297313号公報、特開2011−136939号公報、特開2013−136526号公報等に記載のものであってよい。例えば、オウゴン又はその抽出物としては、第17改正日本薬局方に収載されている「オウゴン」、「オウゴン末」等が挙げられる。カンゾウ又はその抽出物としては、第17改正日本薬局方に収載されている「カンゾウ」、「カンゾウ末」、「カンゾウエキス」、「カンゾウ粗エキス」等が挙げられる。キキョウ又はその抽出物としては、第17改正日本薬局方に収載されている「キキョウ」、「キキョウ末」、「キキョウ流エキス」等が挙げられる。シャクヤク又はその抽出物としては、第17改正日本薬局方に収載されている「シャクヤク」、「シャクヤク末」、「薬甘草湯エキス」等が挙げられる。セネガ又はその抽出物としては、第17改正日本薬局方に収載されている「セネガ」、「セネガ末」、「セネガシロップ」等が挙げられる。
(A−6)としては、変色抑制効果の点から、以下の(A−6−1)が好ましい。
(A−6−1):
イレイセン、エンゴサク、オウゴン、ガイハク、カシ、カッコン、カンゾウ、キキョウ、キクカ、キョウカツ、キンギンカ、クジン、ケイヒ、ゲンジン、コウブシ、ゴオウ、ゴシツ、サイコ、サイシン、サンシシ、ジコッピ、シツリシ、シャクヤク、ジャショウシ、ショウマ、シンイ、ジリュウ、ジンギョウ、セッコウ、セネガ、センキュウ、ダイオウ、タイソウ、タンジン、チクセツニンジン、チモ、トウガシ、トウニン、ドッカツ、ドベッコウ、ニンドウ、ハッカ、ビャクシ、ビャクジュツ、ボウイ、ボウフウ、マオウ、モクツウ、モッカ及びユウタン、並びにそれらの抽出物からなる群から選ばれる少なくとも1種。
(A−6−1)の中でも、変色抑制効果の点から、オウゴン、カンゾウ、キキョウ、シャクヤク及びセネガ、並びにそれらの抽出物からなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。(A−6−1)と他の生薬とを併用してもよい。
成分(B)は、メロキシカム(化学名:4−ヒドロキシ−2−メチル−N−(5−メチル−2−チアゾリル)−2H−1,2−ベンゾチアジン−3−カルボキサミド−1,1−ジオキシド)及びその医薬的に許容可能な塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分である。メロキシカムの医薬的に許容可能な塩としては、例えば、欧州特許第0,002,482B1号明細書、米国特許第4,233,299号明細書及び国際公開第99/49867号に記載されているものが挙げられる。具体例としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、メグルミン塩、トリス塩等が挙げられ、例えば塩基性アミノ酸と前記メロキシカムの塩を併有する形態も挙げられる。
本発明の医薬組成物は、成分(B)を含むことによって、成分(A)の変色、ひいては本発明の医薬組成物やこれを含む医薬製剤の変色を抑制できる。従来、成分(B)は、選択的COX−2の抑制作用を有し、関節痛、腰痛、肩こり痛等に効能を持つオキシカム系非ステロイド性抗炎症薬として知られている。しかし、成分(B)が成分(A)の変色を抑制する効果を持つことはこれまで知られていない。
本発明の医薬組成物の好ましい一態様は、成分(A)及び成分(B)を含み、成分(A)が(A−1)及び(A−2)のいずれか一方を含む態様(以下、「態様1」ともいう。)である。態様1の医薬組成物によれば、保管中の変色が抑制された関節痛、腰痛、肩こり痛用の鎮痛剤を提供できる。
態様1において成分(A)は、必要に応じて、(A−3)、(A−4)、(A−5)及び(A−6)からなる群から選ばれる少なくとも1種をさらに含んでいてもよい。(A−3)、(A−4)、(A−5)及び(A−6)からなる群から選ばれる少なくとも1種をさらに含むことにより、有効性がより良好となる。
態様1においては、成分(A)が(A−3)をさらに含み、(A−3)が以下の(A−3−2)を含むことが、有効性がより良好となるため好ましい。
(A−3−2):
ビタミンB、その誘導体及びそれらの医薬的に許容可能な塩、
ビタミンB、その誘導体及びそれらの医薬的に許容可能な塩、
ビタミンC、その誘導体及びそれらの医薬的に許容可能な塩、並びに
ヘスペリジン、その誘導体及びそれらの医薬的に許容可能な塩
からなる群から選ばれる少なくとも1種。
本発明の医薬組成物の他の好ましい一態様は、成分(A)及び成分(B)を含み、成分(A)が(A−3)を含み、(A−3)が以下の(A−3−1)を含む態様(以下、「態様2」ともいう。)である。態様2の医薬組成物によれば、保管中の変色が抑制されたビタミン配合鎮痛剤を提供できる。
(A−3−1):
ビタミンB、その誘導体及びそれらの医薬的に許容可能な塩、
ビタミンB、その誘導体及びそれらの医薬的に許容可能な塩、
ビタミンB12、その誘導体及びそれらの医薬的に許容可能な塩、
ビタミンD、その誘導体及びそれらの医薬的に許容可能な塩、並びに
ビタミンE、その誘導体及びそれらの医薬的に許容可能な塩
からなる群から選ばれる少なくとも1種。
態様2において成分(A)は、必要に応じて、(A−1)及び(A−2)のいずれか一方、(A−3−1)以外の(A−3)、(A−4)、(A−5)及び(A−6)からなる群から選ばれる少なくとも1種をさらに含んでいてもよい。
本発明の医薬組成物の他の好ましい一態様は、成分(A)及び成分(B)を含み、成分(A)が(A−4)及び(A−5)のいずれか一方又は両方を含む態様(以下、「態様3」ともいう。)である。態様3の医薬組成物によれば、保管中の変色が抑制された消炎鎮痛剤又は腰痛や関節痛等の治療薬を提供できる。
態様3において成分(A)は、必要に応じて、(A−1)及び(A−2)のいずれか一方、(A−3)及び(A−6)からなる群から選ばれる少なくとも1種をさらに含んでいてもよい。
本発明の医薬組成物の他の好ましい一態様は、成分(A)及び成分(B)を含み、成分(A)が(A−6)を含む態様(以下、「態様4」ともいう。)である。態様4の医薬組成物によれば、保管中の変色が抑制された生薬配合鎮痛剤を提供できる。
(A−6)は、(A−6−1)を含むことが好ましい。
態様4において成分(A)は、必要に応じて、(A−1)及び(A−2)のいずれか一方、(A−3)、(A−4)及び(A−5)からなる群から選ばれる少なくとも1種をさらに含んでいてもよい。
本発明の医薬組成物の他の好ましい一態様は、成分(A)及び成分(B)を含み、成分(A)が以下の(A−6−1−1)を含む態様(以下、「態様5」ともいう。)である。態様5の医薬組成物によれば、保管中の変色が抑制された生薬配合鎮痛剤を提供できる。
(A−6−1−1):
イレイセン、エンゴサク、ガイハク、カシ、キクカ、キョウカツ、キンギンカ、クジン、ゲンジン、ゴオウ、ゴシツ、サンシシ、ジコッピ、シツリシ、ジャショウシ、ショウマ、シンイ、ジリュウ、ジンギョウ、セッコウ、センキュウ、ダイオウ、タイソウ、タンジン、チモ、トウガシ、トウニン、ドッカツ、ドベッコウ、ニンドウ、ハッカ、ビャクシ、ボウイ、ボウフウ、モクツウ、モッカ及びユウタン、並びにそれらの抽出物からなる群から選ばれる少なくとも1種。
態様5において成分(A)は、必要に応じて、(A−1)及び(A−2)のいずれか一方、(A−3)、(A−4)、(A−5)、及び(A−6−1−1)以外の(A−6)からなる群から選ばれる少なくとも1種をさらに含んでいてもよい。
本発明の医薬組成物は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、成分(A)及び成分(B)以外の他の成分をさらに含んでいてもよい。
他の成分としては、生理活性成分(ただし、成分(A)及び成分(B)を除く。)、添加剤等が挙げられる。
生理活性成分の例としては、解熱鎮痛成分(ただし、(A−1)及び(A−2)を除く。)(例えばピロキシカム、アンピロキシカム、セロコキシブ、ロフェコキシブ、チアラミド、ロキソプロフェンナトリウム、エテンザミド、スルピリン等)、鎮静催眠成分(例えば、アリルイソプロピルアセチル尿素、ブロムワレリル尿素等)、抗ヒスタミン成分(例えば、塩酸イソチペンジル、塩酸ジフェニルピラリン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェテロール、塩酸トリプロリジン、塩酸トリペレナミン、塩酸トンジルアミン、塩酸フェネタジン、塩酸メトジラジン、サリチル酸ジフェンヒドラミン、ジフェニルジスルホン酸カルビノキサミン、酒石酸アリメマジン、タンニン酸ジフェンヒドラミン、テオクル酸ジフェニルピラリン、ナパジシル酸メブヒドロリン、プロメタジンメチレン二サリチル酸塩、マレイン酸カルビノキサミン、dl−マレイン酸クロルフェニラミン、d−マレイン酸クロルフェニラミン、リン酸ジフェテロール等)、中枢興奮成分(例えば、安息香酸ナトリウムカフェイン、カフェイン、無水カフェイン等)、鎮咳去痰成分(コデインリン酸塩、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、ジメモルファンリン酸塩、チペピジンヒベンズ酸塩、メトキシフェナミン塩酸塩、トリメトキノール塩酸塩、カルボシステイン、アセチルシステイン、エチルシステイン、dl−メチルエフェドリン、ブロムヘキシン塩酸塩、セラペプターゼ、塩化リゾチーム、アンブロキソール、テオフィリン、アミノフィリン)、制酸剤(乾燥水酸化アルミニウムゲル、グリシン、ケイ酸マグネシウム、水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム−炭酸マグネシウム共乾燥ゲル、水酸化アルミニウム−重炭酸ナトリウム共沈殿物、水酸化アルミニウム−炭酸カルシウム−炭酸マグネシウム共沈殿物、水酸化マグネシウム−硫酸アルミニウムカリウム共沈殿物、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(アルミノメタケイ酸マグネシウム)、合成ケイ酸アルミニウム、ジヒドロキシアルミニウムアミノ酢酸、合成ヒドロタルサイト、ケイ酸アルミン酸マグネシウム(アルミノケイ酸マグネシウム)、水酸化マグネシウムアルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、沈殿炭酸カルシウム、無水第二リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム等)、胃酸分泌抑制剤(ラニチジン、ラニチジン塩酸塩、ファモチジン、シメチジン、塩酸ロキサチジンアセタート、ニザチジン、ラフチジン、ランソプラゾール、ラベプラゾール、オメプラゾール等)、ムスカリン受容体拮抗剤(ピレンゼピン、アトロピン、スコポラミン等)、防御因子促進剤(スクラルファート、アルジオキサ、アズレン、L−グルタミン、レバミピド等)等が挙げられる。これらの生理活性成分は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
添加剤の例としては、結合剤、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、香料、色素、基材、甘味剤、酸味料等が挙げられる。具体的には、結合剤としては、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム末、ポリビニルピロリドン、プルラン、デキストリン等が挙げられる。賦形剤としては、ケイ酸アルミン酸マグネシウム(アルミノケイ酸マグネシウム)、結晶セルロース、乳糖(水和物)、コーンスターチ、粉糖、マンニトール、L−システイン等が挙げられる。崩壊剤としては、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム等が挙げられる。滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、軽質無水ケイ酸等が挙げられる。香料としては、メントール、リモネン、植物精油(ハッカ油、ミント油、ライチ油、オレンジ油、レモン油等)等が挙げられる。色素としては、三二酸化鉄等が挙げられる。基材としては、水、エタノール等が挙げられる。甘味料としては、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、ステビア、グリチルリチン酸二カリウム、アセスルファムカリウム、ソーマチン、スクラロース等が挙げられる。酸味料としては、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、乳酸及びそれらの塩等が挙げられる。これらの添加剤は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
なお、(A)〜(B)成分及び任意成分の合計は、100質量%を超えない。
本発明の医薬組成物中の成分(A)及び成分(B)の含有量は、所望の変色抑制効果、本発明の医薬組成物を用いた医薬製剤の有効性、及び投与形態(効能・効果、剤形、1日投与量、投与回数等)等に応じて適宜選定できる。
成分(A)の種類によって、保管中の変色しやすさが異なる。そのため、本発明の医薬組成物中の成分(A)の含有量は通常、成分(A)の種類に応じて、成分(A)と成分(B)との質量比が所定の範囲内となるように選定される。
(A−1)に対する成分(B)の質量比は、0.00056〜0.47が好ましく、0.0042〜0.25がより好ましく、0.01〜0.25がさらに好ましく、0.015〜0.2が特に好ましく、0.02〜0.2がより一層好ましく、0.025〜0.1が最も好ましい。
(A−2)に対する成分(B)の質量比は、0.00033〜0.28が好ましく、0.0025〜0.19がより好ましく、0.0067〜0.036がさらに好ましい。
(A−3)のうちビタミンB、その誘導体及びそれらの医薬的に許容可能な塩に対する成分(B)の質量比は、0.01〜700が好ましく、0.1〜50がより好ましく、0.2〜1.7がさらに好ましい。
(A−3)のうちビタミンB、その誘導体及びそれらの医薬的に許容可能な塩に対する成分(B)の質量比は、0.017〜700が好ましく、0.17〜25がより好ましく、0.42〜1.1がさらに好ましい。
(A−3)のうちビタミンB、その誘導体及びそれらの医薬的に許容可能な塩に対する成分(B)の質量比は、0.0025〜14が好ましく、0.017〜2.5がより好ましく、0.05〜0.25がさらに好ましい。
(A−3)のうちビタミンB12、その誘導体及びそれらの医薬的に許容可能な塩に対する成分(B)の質量比は、0.17〜70000が好ましく、1.7〜5000がより好ましく、5〜330がさらに好ましい。
(A−3)のうちビタミンC、その誘導体及びそれらの医薬的に許容可能な塩に対する成分(B)の質量比は、0.00071〜2.8が好ましく、0.0036〜1.0がより好ましく、0.0091〜0.13がさらに好ましい。
(A−3)のうちビタミンD、その誘導体及びそれらの医薬的に許容可能な塩に対する成分(B)の質量比は、0.003〜7mg/IUが好ましく、0.0063〜1mg/IUがより好ましく、0.017〜0.1mg/IUがさらに好ましい。
(A−3)のうちビタミンE、その誘導体及びそれらの医薬的に許容可能な塩に対する成分(B)の質量比は、0.00056〜14が好ましく、0.005〜5がより好ましく、0.014〜0.2がさらに好ましい。
(A−3)のうちヘスペリジン、その誘導体及びそれらの医薬的に許容可能な塩に対する成分(B)の質量比は、0.0042〜7が好ましく、0.028〜2.8がより好ましく、0.056〜0.2がさらに好ましい。
(A−4)に対する成分(B)の質量比は、0.00028〜1.4が好ましく、0.00167〜0.5がより好ましく、0.005〜0.067がさらに好ましい。
(A−5)に対する成分(B)の質量比は、0.00025〜1.4が好ましく、0.0014〜0.5がより好ましく、0.0033〜0.067がさらに好ましい。
(A−6)に対する成分(B)の質量比は、生薬の種類によっても異なるが、0.0001〜1.4が好ましく、0.001〜0.5がより好ましく、0.003〜0.07がさらに好ましい。
(A−6)のうちオウゴン又はその抽出物に対する成分(B)の質量比は、0.00033〜1.4が好ましく、0.0031〜0.5がより好ましく、0.0071〜0.067がさらに好ましい。
(A−6)のうちカンゾウ又はその抽出物に対する成分(B)の質量比は、0.00033〜1.4が好ましく、0.0028〜0.33がより好ましく、0.0063〜0.033がさらに好ましい。
(A−6)のうちキキョウ又はその抽出物に対する成分(B)の質量比は、0.00025〜1.4が好ましく、0.0019〜0.5がより好ましく、0.005〜0.067がさらに好ましい。
(A−6)のうちシャクヤク又はその抽出物に対する成分(B)の質量比は、0.00017〜0.7が好ましく、0.0013〜0.25がより好ましく、0.0033〜0.04がさらに好ましい。
(A−6)のうちセネガ又はその抽出物に対する成分(B)の質量比は、0.00033〜1.4が好ましく、0.0031〜0.5がより好ましく、0.0071〜0.067がさらに好ましい。
(A−1)及び(A−2)のいずれか一方と、(A−3)、(A−4)、(A−5)及び(A−6)からなる群から選ばれる少なくとも1種とを含む場合の成分(A)の総量に対する成分(B)の質量比は、0.001〜0.5が好ましく、0.01〜0.1がより好ましく、0.025〜0.05がさらに好ましい。
各成分(A)に対する成分(B)の質量比が上記範囲の下限値以上であると、成分(B)による変色抑制効果が得られやすい。各成分(A)に対する成分(B)の質量比が上記範囲の上限値以下であると、(A)、(B)各成分の混合均一性が向上する。なお、(A−6)については、原生薬換算質量による質量比である。
本発明の医薬組成物を含む医薬製剤が後述する経口製剤の場合、本発明の医薬製剤中の成分(B)の含有量は、1回服用量あたりの成分(B)の含有量が0.5mg〜70mgとなる量が好ましく、2.5mg〜50mgがより好ましく、3mg〜15mgがさらに好ましく、5mg〜10mgが特に好ましく、10mgが最も好ましい。成分(B)の含有量が上記範囲の下限値以上であると、成分(A)の変色抑制効果が得られやすい。成分(B)の含有量が上記範囲の上限値以下であると、錠剤製造時の障害(盤付着や杵付着等)のリスクが少ない。
本発明の医薬組成物を含む医薬製剤が経口製剤であり、(A−1)を含む場合、本発明の医薬製剤中の成分(B)10mgあたりの(A−1)の含有量は、10mg〜900mgが好ましく、10mg〜600mgがより好ましく、10mg〜500mgがさらに好ましく、50mg〜300mgが特に好ましく、200mg〜300mgが最も好ましい。(A−1)の含有量が上記範囲の上限値以下であると、成分(B)による変色抑制効果が得られやすい。(A−1)の含有量が上記範囲の下限値以上であると、(A−1)成分の薬効が得られやすい。また(A)、(B)各成分の混合均一性が向上する。
本発明の医薬組成物を含む医薬製剤が経口製剤であり、(A−2)を含む場合、本発明の医薬製剤中の成分(B)10mgあたりの(A−2)の含有量は、250mg〜1500mgが好ましく、260mg〜1000mgがより好ましく、280mg〜750mgがさらに好ましい。(A−2)の含有量が上記範囲の上限値以下であると、成分(B)による変色抑制効果が得られやすい。(A−2)の含有量が上記範囲の下限値以上であると、(A−2)成分の薬効が得られやすい。また(A)、(B)各成分の混合均一性が向上する。
本発明の医薬組成物を含む医薬製剤が経口製剤であり、ビタミンB、その誘導体又はそれらの医薬的に許容可能な塩(以降、単にビタミンB類と称する場合がある)を含む場合、本発明の医薬製剤中の成分(B)10mgあたりのビタミンB類の含有量は、0.1mg〜50mgが好ましく、1mg〜25mgがより好ましく、6mg〜25mgがさらに好ましい。ビタミンB類の含有量が上記範囲の上限値以下であると、成分(B)による変色抑制効果が得られやすい。ビタミンB類の含有量が上記範囲の下限値以上であると、ビタミンB類の薬効が得られやすい。また(A)、(B)各成分の混合均一性が向上する。
本発明の医薬組成物を含む医薬製剤が経口製剤であり、ビタミンB、その誘導体又はそれらの医薬的に許容可能な塩(以降、単にビタミンB類と称する場合がある)を含む場合、本発明の医薬製剤中の成分(B)10mgあたりのビタミンB類の含有量は、0.1mg〜30mgが好ましく、2mg〜15mgがより好ましく、9mg〜12mgがさらに好ましい。ビタミンB類の含有量が上記範囲の上限値以下であると、成分(B)による変色抑制効果が得られやすい。ビタミンB類の含有量が上記範囲の下限値以上であると、ビタミンB類の薬効が得られやすくい。また(A)、(B)各成分の混合均一性が向上する。
本発明の医薬組成物を含む医薬製剤が経口製剤であり、ビタミンB、その誘導体又はそれらの医薬的に許容可能な塩(以降、単にビタミンB類と称する場合がある)を含む場合、本発明の医薬製剤中の成分(B)10mgあたりのビタミンB類の含有量は、5mg〜200mgが好ましく、20mg〜150mgがより好ましく、40mg〜100mgがさらに好ましい。ビタミンB類の含有量が上記範囲の上限値以下であると、成分(B)による変色抑制効果が得られやすい。ビタミンB類の含有量が上記範囲の下限値以上であると、ビタミンB類の薬効が得られやすい。また(A)、(B)各成分の混合均一性が向上する。
本発明の医薬組成物を含む医薬製剤が経口製剤であり、ビタミンB12、その誘導体又はそれらの医薬的に許容可能な塩(以降、単にビタミンB12類と称する場合がある)を含む場合、本発明の医薬製剤中の成分(B)10mgあたりのビタミンB12類の含有量は、0.001mg〜3mgが好ましく、0.01mg〜1.5mgがより好ましく、0.03mg〜1mgがさらに好ましい。ビタミンB12類の含有量が上記範囲の上限値以下であると、成分(B)による変色抑制効果が得られやすい。ビタミンB12類の含有量が上記範囲の下限値以上であると、ビタミンB12類の薬効が得られやすい。また(A)、(B)各成分の混合均一性が向上する。
本発明の医薬組成物を含む医薬製剤が経口製剤であり、ビタミンC、その誘導体又はそれらの医薬的に許容可能な塩(以降、単にビタミンC類と称する場合がある)を含む場合、本発明の医薬製剤中の成分(B)10mgあたりのビタミンC類の含有量は、25mg〜700mgが好ましく、50mg〜700mgがより好ましく、80mg〜550mgがさらに好ましい。ビタミンC類の含有量が上記範囲の上限値以下であると、成分(B)による変色抑制効果が得られやすい。ビタミンC類の含有量が上記範囲の下限値以上であると、ビタミンC類の薬効が得られやすい。また(A)、(B)各成分の混合均一性が向上する。
本発明の医薬組成物を含む医薬製剤が経口製剤であり、ビタミンE、その誘導体又はそれらの医薬的に許容可能な塩(以降、単にビタミンE類と称する場合がある)を含む場合、本発明の医薬製剤中の成分(B)10mgあたりのビタミンE類の含有量は、5mg〜900mgが好ましく、10mg〜500mgがより好ましく、50mg〜350mgがさらに好ましい。ビタミンE類の含有量が上記範囲の上限値以下であると、成分(B)による変色抑制効果が得られやすい。ビタミンE類の含有量が上記範囲の下限値以上であると、ビタミンE類の薬効が得られやすい。また(A)、(B)各成分の混合均一性が向上する。
本発明の医薬組成物を含む医薬製剤が経口製剤であり、ヘスペリジン、その誘導体又はそれらの医薬的に許容可能な塩(以降、単にヘスペリジン類と称する場合がある)を含む場合、本発明の医薬製剤中の成分(B)10mgあたりのヘスペリジン類の含有量は、10mg〜120mgが好ましく、18mg〜90mgがより好ましく、50mg〜90mgがさらに好ましい。ヘスペリジン類の含有量が上記範囲の上限値以下であると、成分(B)による変色抑制効果が得られやすい。ヘスペリジン類の含有量が上記範囲の下限値以上であると、ヘスペリジン類の薬効が得られやすい。また(A)、(B)各成分の混合均一性が向上する。
本発明の医薬組成物を含む医薬製剤が経口製剤であり、(A−4)を含む場合、本発明の医薬製剤中の成分(B)10mgあたりの(A−4)の含有量は、50mg〜1800mgが好ましく、100mg〜1500mgがより好ましく、150mg〜1000mgがさらに好ましい。(A−4)の含有量が上記範囲の上限値以下であると、成分(B)による変色抑制効果が得られやすい。(A−4)の含有量が上記範囲の下限値以上であると、(A−4)の薬効が得られやすい。また(A)、(B)各成分の混合均一性が向上する。
本発明の医薬組成物を含む医薬製剤が経口製剤であり、(A−5)を含む場合、本発明の医薬製剤中の成分(B)10mgあたりの(A−5)の含有量は、50mg〜2000mgが好ましく、100mg〜1750mgがより好ましく、150mg〜1500mgがさらに好ましい。(A−5)の含有量が上記範囲の上限値以下であると、成分(B)による変色抑制効果が得られやすい。(A−5)の含有量が上記範囲の下限値以上であると、(A−5)の薬効が得られやすい。また(A)、(B)各成分の混合均一性が向上する。
本発明の医薬組成物を含む医薬製剤が経口製剤であり、オウゴン又はその抽出物を含む場合、本発明の医薬製剤中の成分(B)10mgあたりのオウゴン又はその抽出物の含有量は、原生薬換算として50mg〜1500mgが好ましく、100mg〜800mgがより好ましく、150mg〜700mgがさらに好ましい。オウゴン又はその抽出物の含有量が上記範囲の上限値以下であると、成分(B)による変色抑制効果が得られやすい。オウゴン又はその抽出物の含有量が上記範囲の下限値以上であると、オウゴン又はその抽出物の薬効が得られやすい。また(A)、(B)各成分の混合均一性が向上する。
本発明の医薬組成物を含む医薬製剤が経口製剤であり、カンゾウ又はその抽出物を含む場合、本発明の医薬製剤中の成分(B)10mgあたりのカンゾウ又はその抽出物の含有量は、原生薬換算として50mg〜1500mgが好ましく、150mg〜900mgがより好ましく、300mg〜800mgがさらに好ましい。カンゾウ又はその抽出物の含有量が上記範囲の上限値以下であると、成分(B)による変色抑制効果が得られやすい。カンゾウ又はその抽出物の含有量が上記範囲の下限値以上であると、カンゾウ又はその抽出物の薬効が得られやすい。また(A)、(B)各成分の混合均一性が向上する。
本発明の医薬組成物を含む医薬製剤が経口製剤であり、キキョウ又はその抽出物を含む場合、本発明の医薬製剤中の成分(B)10mgあたりのキキョウ又はその抽出物の含有量は、原生薬換算として50mg〜2000mgが好ましく、100mg〜1300mgがより好ましく、150mg〜1000mgがさらに好ましい。キキョウ又はその抽出物の含有量が上記範囲の上限値以下であると、成分(B)による変色抑制効果が得られやすい。キキョウ又はその抽出物の含有量が上記範囲の下限値以上であると、キキョウ又はその抽出物の薬効が得られやすい。また(A)、(B)各成分の混合均一性が向上する。
本発明の医薬組成物を含む医薬製剤が経口製剤であり、シャクヤク又はその抽出物を含む場合、本発明の医薬製剤中の成分(B)10mgあたりのシャクヤク又はその抽出物の含有量は、原生薬換算として100mg〜3000mgが好ましく、200mg〜2000mgがより好ましく、250mg〜1500mgがさらに好ましい。シャクヤク又はその抽出物の含有量が上記範囲の上限値以下であると、成分(B)による変色抑制効果が得られやすい。シャクヤク又はその抽出物の含有量が上記範囲の下限値以上であると、シャクヤク又はその抽出物の薬効が得られやすい。また(A)、(B)各成分の混合均一性が向上する。
本発明の医薬組成物を含む医薬製剤が経口製剤であり、セネガ又はその抽出物を含む場合、本発明の医薬製剤中の成分(B)10mgあたりのセネガ又はその抽出物の含有量は、原生薬換算として50mg〜1500mgが好ましく、100mg〜800mgがより好ましく、150mg〜700mgがさらに好ましい。セネガ又はその抽出物の含有量が上記範囲の上限値以下であると、成分(B)による変色抑制効果が得られやすい。セネガ又はその抽出物の含有量が上記範囲の下限値以上であると、セネガ又はその抽出物の薬効が得られやすい。また(A)、(B)各成分の混合均一性が向上する。
本発明の医薬組成物を含む医薬製剤が経口製剤であり、(A−1)及び(A−2)のいずれか一方と、(A−3)、(A−4)、(A−5)及び(A−6)からなる群から選ばれる少なくとも1種とを含む場合(態様1の医薬医薬組成物)、成分(B)10mgあたりの成分(A)の総含有量は、150mg〜800mgが好ましく、170mg〜650mgがより好ましく、190mg〜500mgがさらに好ましい。成分(A)の総含有量が上記範囲の上限値以下であると、成分(B)による変色抑制効果が得られやすい。成分(A)の総含有量が上記範囲の下限値以上であると、(A)成分の薬効が得られやすい。また(A)、(B)各成分の混合均一性が向上する。
なお、態様1における(A−3−2)、態様2における(A−3−1)、態様4における(A−6−1)、態様5における(A−6−1−1)について、これら成分(A)に対する(B)成分の好適な質量比及びその理由、(B)10mgあたりのこれら成分(A)の好適な含有量やその理由は、対応する(A−3)、(A−6)と同様である。
以上説明した本発明の医薬組成物にあっては、成分(A)とともに成分(B)を含むため、保管中に成分(A)が変色し、医薬組成物全体が変色することを抑制できる。
成分(B)を成分(A)と共存させればよいため、変色抑制のために製造工程数を増やす必要がなく、生産コストを抑制できる。
成分(B)による変色抑制効果は、成分(A)の変色が、温度(高温)や湿度によって引き起こされる場合にも発揮される。
なお、医薬組成物又は医薬製剤の保管条件としては、特に限定されないが、例えば、温度25℃、湿度60%RH、3年間の条件、温度60℃、3日間の条件、温度50℃、湿度75%RH、6週間の条件、温度40℃、湿度75%RH、6ヶ月間の条件等が挙げられる。
また、本発明者らの検討によれば、成分(B)は、他の着色粉体よりも展延(混合)しやすいという効果がある。そのため、成分(B)を成分(A)と共混合することで、着色を均一にするための混合回数を少なくしたり混合時間を短くしたりできる。
〔医薬製剤〕
本発明の医薬製剤は、本発明の医薬組成物を含む。
本発明の医薬製剤は、本発明の医薬組成物からなるものであってもよく、本発明の医薬組成物と他の部材(担体、被覆等)とを組み合わせたものであってもよい。
担体としては、例えば、医薬組成物を収容する容器(カプセル等)、医薬組成物からなる層をその表面に保持する基材(貼付基材等)等が挙げられる。
本発明の医薬製剤の剤形は、投与形態に応じて適宜選定できる。本発明の医薬製剤の投与形態としては、経口、非経口(静脈内、動脈内、吸入、直腸内、膣内、経皮等)等が挙げられる。経口製剤としては、錠剤、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、散剤、細粒剤、乳剤、自己乳化型製剤、経口用液体製剤、シロップ剤、ゼリー剤等が挙げられる。錠剤としては、素錠、コーティング錠(フィルムコーティング錠、糖衣錠等)等が挙げられる。カプセル剤としては、軟質カプセル剤、軟質カプセル剤等が挙げられる。カプセル剤は、マイクロカプセル剤であってもよい。非経口製剤としては、吸入剤、軟膏、坐剤、経皮吸収剤(貼付剤等)等の外用剤、注射剤(乳濁性、懸濁性、非水性)、用時乳濁又は懸濁して用いる固形注射剤、輸液製剤等が挙げられる。
本発明の医薬製剤は、使用性の点から、経口製剤が好ましい。
本発明の医薬製剤は、安定性の点から、固形製剤が好ましく、錠剤、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、散剤又は細粒剤がさらに好ましく、変色抑制効果がより優れる点で、錠剤が特に好ましい。
錠剤の寸法は、本発明の効果の点では特に限定されないが、錠剤の取り扱いやすさと嚥下性の点から、錠剤の直径φは、6〜14mmが好ましい。
錠剤の形状は、本発明の効果の点では特に限定されないが、錠剤の取り扱いやすさと嚥下性の点から、円柱部及び前記円柱部より上下に膨出する膨出部を有する形状が好ましい。前記の円柱部及び膨出部を有する形状の錠剤としては、R錠(標準R錠、糖衣R錠等)、2段R錠、スミ角平錠、スミ丸平錠等が挙げられる。これらの錠剤の膨出部は上下非対称であってもよいが、上下対称であることが好ましい。
以下に、図面を用いて、標準R錠又は糖衣R錠、2段R錠、円形スミ角平錠、円形スミ丸平錠の形状について詳細に説明する。
図1に示すように、標準R錠又は糖衣R錠100は、円柱部8と、第一の膨出部12と、第二の膨出部22とを有し、第一の膨出部12、第二の膨出部22それぞれの表面の曲線の曲率半径Rが、膨出部表面の位置によらず一定である両凸面錠剤である。
第一の膨出部12は、円柱部8の一方の端面の周縁近傍から、前記一方の端面の中心に向かうに従って膨出する。第二の膨出部22は、円柱部8の他方の端面の周縁近傍から、前記他方の端面の中心に向かうに従って膨出する。
ここで、「第一の膨出部12の表面の曲線の曲率半径」とは、天頂12Aを通るように、円柱部8の端面に対して垂直方向に切断した際の断面において、第一の膨出部12の表面が描く曲線を円の一部とみなした際のその円の半径をいう。
「第二の膨出部22の表面の曲線の曲率半径」とは、天頂22Aを通るように、円柱部8の端面に対して垂直方向に切断した際の断面において、第二の膨出部22の表面が描く曲線を円の一部とみなした際のその円の半径をいう。
第一の膨出部12における天頂12Aは、一方の端面に対して最も高いところに位置する点である。第二の膨出部22における天頂22Aは、他方の端面に対して最も低いところに位置する点である。
第一の膨出部12の曲率半径Rと第二の膨出部22の曲率半径Rとは、同じであってもよく、異なっていてもよく、錠剤強度の観点から、同じであることが好ましい。
図2に示すように、2段R錠200は、円柱部8と、第一の膨出部12と、第二の膨出部22とを有し、第一の膨出部12、第二の膨出部22それぞれの周縁からの立ち上がり部の曲率半径R1と天頂12Aの曲率半径R2とが異なり、R1<R2である両凸面錠剤である。
ここで、「第一の膨出部12の表面の曲線の曲率半径」、「第二の膨出部22の表面の曲線の曲率半径」はそれぞれ、標準R錠又は糖衣R錠100と同様である。
第一の膨出部12の曲率半径R1と第二の膨出部22の曲率半径R1とは、同じであってもよく、異なっていてもよく、錠剤強度の観点から、同じであることが好ましい。
第一の膨出部12の曲率半径R2と第二の膨出部22の曲率半径R2とは、同じであってもよく、異なっていてもよく、錠剤強度の観点から、同じであることが好ましい。
図3に示すように、円形スミ角平錠300は、円柱部8と、第一の膨出部12と、第二の膨出部22とを有する両凸面錠剤である。
第一の膨出部12は、円柱部8の一方の端面の周縁近傍から、前記一方の端面の中心に向かい所定の立ち上がり角度θにて直線的に立ち上がり、天頂12Aを含む任意の領域が平面となる。
第二の膨出部22は、円柱部8の他方の端面の周縁近傍から、前記他方の端面の中心に向かい所定の立ち上がり角度θにて直線的に立ち上がり、天頂22Aを含む任意の領域が平面となる。
第一の膨出部12における立ち上がり角度θと、第二の膨出部22における立ち上がり角度θとは、同じであってもよく、異なっていてもよく、錠剤強度の観点から、同じであることが好ましい。
図4に示すように、円形スミ丸平錠400は、円柱部8と、第一の膨出部12と、第二の膨出部22とを有する両凸面錠剤である。
第一の膨出部12は、円柱部8の一方の端面の周縁近傍から、前記一方の端面の中心に向かい所定の曲率半径Rにて立ち上がり、天頂12Aを含む任意の領域が平面となる。
第二の膨出部22は、円柱部8の他方の端面の周縁近傍から、前記他方の端面の中心に向かい所定の曲率半径Rにて立ち上がり、天頂22Aを含む任意の領域が平面となる。
第一の膨出部12の曲率半径Rと第二の膨出部22の曲率半径Rとは、同じであってもよく、異なっていてもよく、錠剤強度の観点から、同じであることが好ましい。
図1〜4に示すように、標準R錠又は糖衣R錠100、2段R錠200、円形スミ角平錠300、円形スミ丸平錠400はそれぞれ、第一の膨出部12の外周に平面視円環状の水平面(ランド部14)を有し、第二の膨出部22の外周に平面視円環状の水平面(ランド部24)を有する。
ランド部14の幅はWである。「ランド部14の幅」とは、第一の膨出部12の周縁から端面周縁までの距離のことである。
ランド部24の幅は、Wと同じであってもよく、異なっていてもよい。錠剤強度の観点から、ランド部24の幅は、Wと同じであることが好ましい。
錠剤の大きさは、服用性の観点から、以下の範囲に含まれることが好ましい。
・標準R錠…曲率半径R=4.0〜24.0mm、ランド部の幅W=0.05〜0.1mm。
・糖衣R錠…曲率半径R=2.0〜18.5mm、ランド部の幅W=0.01〜0.1mm。
・2段R錠…曲率半径R1=1.2〜8.0mm、曲率半径R2=4.5〜33mm、ランド部の幅W=0.05〜0.1mm。
・円形スミ丸平錠…曲率半径R=0.7〜5.0mm、ランド部の幅W=0.05〜0.1mm。
・円形スミ角平錠…立ち上り角度θ=25〜35°、ランド部の幅W=0.05〜0.1mm。
ただし、錠剤の形状は、上述の例には限定されない。錠剤は、例えば、ランド部を有さず、錠剤周縁部と膨出立ち上がり部とが接していてもよい。錠剤の形状が円形スミ角平錠又は円形スミ丸平錠の場合、第一の膨出部における天頂を含む任意の領域及び第二の膨出部における天頂を含む任意の領域のいずれか一方が平面でなくてもよい。錠剤の形状は、平面視円形でなくてもよく、平面視楕円形や、平面視方形、平面視円形と平面視方形とが複合した形状であってもよい。
錠剤の刻印はあっても無くてもよい。
本発明の医薬製剤の製造方法は特に限定されず、公知の製造方法により製造できる。例えば成分(A)、成分(B)及び必要に応じて他の成分を混合し、得られた混合物を、打錠機を用いて打錠し、必要に応じてコーティングを施すことによって錠剤を製造できる。好ましくは、(A)成分を(B)成分と共混合する。これにより、(A)、(B)各成分の混合均一性が容易になるため、混合回数を減らしたり、混合時間を短くしたりしても均一な混合粉体が得られる。粉体同士の混合均一性が向上すると、製造工程数を増やす必要がなくなり、生産コストを抑制することができる。なお、共混合する場合の(A)成分と(B)成分の好適比率は、変色抑制効果の好適比率と同様であり、前記比率の下限値以上であると、混合均一性の効果が得られやすい。
以上説明した本発明の医薬製剤にあっては、本発明の医薬組成物を含むため、保管中に成分(A)が変色し、医薬製剤全体が変色することを抑制できる。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。
(使用原料)
表1に使用原料を示す。
Figure 2019142860
(実施例1〜10、22、38、比較例1〜10、22、38)
表2〜3、6、9に示す組成(単位:質量部)に基づき、成分(A)の粉体、成分(B)の粉体、賦形剤及び滑沢剤の粉体を、合計が200gになる様にビニール袋に秤量し、ビニール袋を手で100回振って各粉体を混合した。得られた粉体混合物を単発打錠機(菊水製作所社製,CRUX03L)で適当な硬度(2kgf〜30kgf)となるよう、φ9.0mm、扁平2段Rの杵を用いて、1錠質量約350mgの錠剤を打錠した。得られた錠剤の形状は、曲率半径R1=2.4mm、曲率半径R2=32mm、ランド部の幅W=0.1mmであった。
なお、使用した賦形剤は、白色で、保管中に変色しないものである。表2〜3、6、9中、B/A比は、成分(B)の成分(A)に対する質量比である(以下同様)。
(実施例11〜21、23〜37、39〜45、比較例11〜21、23〜37、39〜43、参考例A〜B)
表4〜11に示す組成(単位:質量部)に基づき、成分(A)の粉体、成分(B)の粉体又は着色剤、及び賦形剤の粉体を、合計が200gになる様にビニール袋に秤量し、ビニール袋を手で100回振って散剤を得た。表7〜8のカンゾウ、シャクヤク、オウゴン、キキョウ、セネガの質量部は、原生薬換算量である。
<評価>
「変色改善率」
得られた錠剤又は散剤(以下、単に「製剤」ともいう。)を、60℃の恒温槽にて3日間保管し、保管前後の製剤表面の色差を測定した。色差は、保管前(製造直後)及び保管後それぞれの製剤の表面のb値(L表色系)を、コニカミノルタ社製色差計を用いて測定し、以下の式により算出した。
色差=|保管後の製剤の表面のb値−保管前の製剤の表面のb値|
実施例1〜45それぞれの色差をΔB、各実施例に対応する成分(B)非配合例の色差をΔbとし、以下の式により、成分(B)非配合例の色差Δbに対する変色改善率を算出した。結果を表2〜11に示す。
ここで、「対応する成分(B)非配合例」とは、成分(B)が配合されていないこと以外は同じ組成(成分(B)以外の成分の含有量(g)が同じ)、かつ同じ剤形の比較例(比較例1〜43)である。例えば実施例1に対応する成分(B)非配合例は比較例1である。実施例2に対応する成分(B)非配合例は比較例2である。参考例A〜Bに対応する成分(B)非配合例は比較例18である。なお、比較例1〜43においては、変色改善効果はないため変色改善率は0%である。実施例、比較例の結果は、繰り返し3回の結果の平均値である。
変色改善率(%)=(1−ΔB/Δb)×100
製造直後の製剤表面のb値は、成分(A)の種類及び含有量、成分(B)の含有量等によって異なる。例えばメロキシカム原薬は淡黄色の粉末であり、メロキシカムの配合により初期のbは大きくなる。また、Δbは、成分(A)の種類及び含有量によって異なる。そのため、変色抑制効果の指標として上記変色改善率を採用した。
成分(B)を配合していないときの色差Δbが5の場合、成分(B)の配合によって変色が抑制されている場合は、ΔBは必ず5より小さい。従って実施例の変色改善率は0%超100%以下の範囲となり、変色改善率の数値が大きいほうが高い作用効果を奏することを意味している。一方、変色が抑制されていない場合(比較例)の変色改善率は0%以下となる(マイナスとなる場合もある)。
なお、色差において絶対値を採用する理由は、成分(B)を配合することにより色調が薄くなる場合も含み得るためである。
変色改善率は、0.1〜100%が好ましく、30〜100%がより好ましい。
「混合均一性」
実施例18、21、44〜45、参考例A〜Bの散剤について、以下の基準で混合均一性を評価した。結果を表11に示す。
ボーレコンテナミキサー(寿工業株式会社製、製品名「LM−20」)に実施例18、21、44〜45、参考例A〜Bの各例で使用した粉体をそれぞれ表11に示す組成の質量比で、粉体のゆるめかさ体積が12Lとなるように秤取し、10rpmで10分間混合した後、槍型の専用治具を用い、ボーレコンテナミキサー中の上部3箇所と下部3箇所、合計6箇所から混合粉体約10gをサンプリングし、混合粉体の色差(b*)を測定し、バラツキ(標準偏差:SD)を算出し、以下の通り評価した。
×:1.0≦SD。
○:0.4≦SD<1.0。
◎:SD<0.4。
Figure 2019142860
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Figure 2019142860
上記結果に示すとおり、実施例1〜45の製剤は、対応する成分(B)非配合例に比べて、保管中の変色が抑制されていた。また、実施例18、21、44〜45の製剤は、(B)成分の代わりに着色剤を用いた参考例A〜Bに比べて、混合均一性に優れていた。
実施例5と実施例15とを対比すると、組成が同じでも、剤形が錠剤である実施例5の方が、変色の抑制効果が優れていた。実施例6と実施例17との対比、実施例9と実施例18との対比においても同様の傾向が見られた。
100 標準R錠又は糖衣R錠
200 2段R錠
300 円形スミ角平錠
400 円形スミ丸平錠

Claims (7)

  1. (A−1)アセトアミノフェン及びその医薬的に許容可能な塩からなる群から選ばれる少なくとも1種、
    (A−2)アセチルサリチル酸及びその医薬的に許容可能な塩からなる群から選ばれる少なくとも1種、
    (A−3)ビタミン、その誘導体及びそれらの医薬的に許容可能な塩からなる群から選ばれる少なくとも1種、
    (A−4)コンドロイチン硫酸及びその医薬的に許容可能な塩からなる群から選ばれる少なくとも1種、
    (A−5)グルコサミン及びその医薬的に許容可能な塩からなる群から選ばれる少なくとも1種、並びに
    (A−6)生薬
    からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分(A)と、
    メロキシカム及びその医薬的に許容可能な塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分(B)と、
    を含む医薬組成物。
  2. 前記成分(A)が前記(A−3)を含み、
    前記(A−3)が、
    ビタミンB、その誘導体及びそれらの医薬的に許容可能な塩、
    ビタミンB、その誘導体及びそれらの医薬的に許容可能な塩、
    ビタミンB12、その誘導体及びそれらの医薬的に許容可能な塩、
    ビタミンD、その誘導体及びそれらの医薬的に許容可能な塩、並びに
    ビタミンE、その誘導体及びそれらの医薬的に許容可能な塩
    からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 前記成分(A)が前記(A−6)を含み、
    前記(A−6)が、イレイセン、エンゴサク、オウゴン、ガイハク、カシ、カッコン、カンゾウ、キキョウ、キクカ、キョウカツ、キンギンカ、クジン、ケイヒ、ゲンジン、コウブシ、ゴオウ、ゴシツ、サイコ、サイシン、サンシシ、ジコッピ、シツリシ、シャクヤク、ジャショウシ、ショウマ、シンイ、ジリュウ、ジンギョウ、セッコウ、セネガ、センキュウ、ダイオウ、タイソウ、タンジン、チクセツニンジン、チモ、トウガシ、トウニン、ドッカツ、ドベッコウ、ニンドウ、ハッカ、ビャクシ、ビャクジュツ、ボウイ、ボウフウ、マオウ、モクツウ、モッカ及びユウタン、並びにそれらの抽出物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1又は2に記載の医薬組成物。
  4. 前記成分(A)が、前記(A−1)及び前記(A−2)のいずれか一方と、前記(A−3)、前記(A−4)、前記(A−5)及び前記(A−6)からなる群から選ばれる少なくとも1種とを含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の医薬組成物を含む医薬製剤。
  6. 固形製剤である請求項5に記載の医薬製剤。
  7. 前記固形製剤が、錠剤、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、散剤又は細粒剤である請求項6に記載の医薬製剤。
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