JP2019142826A - 油中水型乳化化粧料 - Google Patents
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Description
油中水型乳化化粧料は、エモリエント効果や保湿効果等に優れ、その官能特性から様々な種類の化粧料に応用されている。この油中水型乳化化粧料においても、外観の美しさを付与するために、化粧料を透明或いは半透明にする技術の検討が進められている。
なお、油相と水相の屈折率差はあっても、乳化粒子径が光の波長より十分小さくなるとエマルションは半透明から透明となる。このようなエマルションの粒子経は1〜100nmであり、ミクロエマルションとよばれ、熱力学的に安定な1相系である。このように外観は同じように透明に見えても、熱力学的に不安定な油中水型や水中油型の乳化エマルション(2相系)と熱力学的に安定なミクロエマルション(1相系)は異なるものである。
ミクロエマルションの技術として、例えば特許文献1には、親水性の界面活性剤と、ケイ素の数が12以上のシリコーンの1種または2種以上を少なくとも0.5重量%以上含有するシリコーン油と、水溶性の一価アルコール、水溶性の多価アルコールおよび水溶性の糖類の一種または二種以上と、水とを少なくとも含有し、親水性の界面活性剤と油成分の重量比が1:0.5〜1:10であり、平均粒子径が0.01〜0.1μmである透明なマイクロエマルションが開示されている。マイクロエマルションを調製するためには、高圧乳化装置を用いて高圧乳化することが必要であり、特許文献1では200〜800気圧下で高圧ホモジナイザーを用いて乳化している。
例えば特許文献2には、(A)屈折率が1.370〜1.410の範囲内であるジメチルポリシロキサン及びHLB8以下のポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンを含有する油相部、(B)グリセリン、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール及びプロピレングリコールから選ばれる一種又は二種以上の多価アルコール、及び水を含有し、油相部(A)の屈折率との差が−0.002〜+0.002である水相部を含有する透明な油中水型組成物の発明が記載されている。
あるいは、特許文献4には、(a)側鎖にポリペプチド構造を有するオルガノポリシロキサンを含有し、その含有量が化粧料全体の0.5〜5.0質量%、(b)環状シリコーンを含有し、その含有量が油性成分の70質量%以上、(c)多価アルコールを含有する油中水型乳化化粧料が記載されている。この化粧料の可視光透過率(400〜800nmの平均)は、通常20%以上を示すことが記載されている。
すなわち、本発明は、保湿感があって使用感が良好であり、可視光領域の光透過率が80%以上を示し、長期間保存しても粘度が低下せずに保存安定性に優れた、油中水型乳化化粧料を提供することを課題とする。
(1)下記の(A)〜(D)を含有し、光路長10mmにおける波長400〜800nmの可視光平均透過率が80%以上を示す油中水型乳化化粧料。
(A)親油性界面活性剤
(B)油
(C)水
(D)グリコシルトレハロースと水添デンプン分解物、及び/又はマルチトール
(2)さらに(E)多価アルコールを含有する(1)に記載の油中水型乳化化粧料。
(3)(A)親油性界面活性剤のHLB値が5〜6である(1)又は(2)に記載の油中水型乳化化粧料。
(4)(A)親油性界面活性剤がジポリヒドロキシステアリン酸PEG−30、ジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル−2及びジイソステアリン酸ポリグリセリル−3から選ばれる1以上を含む(1)〜(3)のいずれかに記載の油中水型乳化化粧料。
(5)25℃における油相の屈折率が1.44〜1.48である(1)〜(4)のいずれかに記載の油中水型乳化化粧料。
(6)(D)グリコシルトレハロースと水添デンプン分解物、及び/又はマルチトールと、(E)多価アルコールを合計量で化粧料あたり51〜68質量%含有する油中水型乳化化粧料。
(7)口唇用である(1)〜(6)のいずれかに記載の油中水型乳化化粧料。
本発明の油中水型乳化化粧料は、べたつかずに高い保湿性を有し、外観が透明で美しく、粘度低下も生じないため、透明容器(チューブ容器やジャー容器)に入れて販売される、リップトリートメントなどの口唇用化粧料に最適である。
本発明の構成成分(配合成分)について説明する。
本発明において、可視光による透過に際し、油相界面と水相界面の屈折が抑えられるようにするため、油相と水相の屈折率ができるだけ近い値になるように調整する。化粧料が、高い保湿感と優れた使用感となるために、油と界面活性剤の選択を行い、これらを含む油相の屈折率に、水相の屈折率を近づける調整を行う。この時、化粧料の粘度低下を生じさせないためには、水相にグリコシルトレハロースと水添デンプン分解物及び/又はマルチトールの配合は必須である。さらに、水相には使用感調整や抗菌性の付与、屈折率の調整のために多価アルコールを添加してもよい。
本発明に用いる親油性界面活性剤としては、HLBが5〜6を示すものが好ましい。本発明の親油性界面活性剤としては、ジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル−2(HLB5)、ジイソステアリン酸ポリグリセリル−3(HLB5)、ステアリン酸ポリグリセリル−2(HLB5)、イソステアリン酸ソルビタン(HLB5)、ステアリン酸グリセリル(HLB5.5)、オレイン酸ポリグリセリル2(HLB5.5)、イソステアリン酸ポリグリセリル2(HLB5.5)、ジポリヒドロキシステアリン酸PEG−30(HLB5.5)、ステアリン酸ポリグリセリル4(HLB6)、オレイン酸ポリグリセリル4(HLB6)、PEG−5水添ヒマシ油(HLB6)を例示できる。なかでも、ジポリヒドロキシステアリン酸PEG−30、ジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル−2及びジイソステアリン酸ポリグリセリル−3が好ましく、ジポリヒドロキシステアリン酸PEG−30が特に好ましい。本発明において、(A)親油性界面活性剤の配合量は、適宜設定されるが、化粧料全量に対し0.1〜5質量%、好ましくは0.5〜3質量%配合する。
本発明に用いる油は、化粧料で用いられるものであればいずれを用いてもよく、1種または2種以上を組み合わせる。(A)親油性界面活性剤を透明に溶解し、かつ(A)親油性界面活性剤を(B)油に溶解させた油相の屈折率が1.44〜1.48、より好ましくは1.44〜1.45となる油を選択する。このような油としては、オレイン酸オレイル(屈折率1.4440)、イソステアリン酸イソプロピル(屈折率1.442)、イソステアリン酸(屈折率1.4545)、精製ホホバ油(屈折率1.4650)、精製流動パラフィン・別名ミネラルオイル(商品名モレスコホワイトP70M、屈折率1.4739、商品名モレスコホワイトP350M 屈折率1.4740)コハク酸ジエチルヘキシル(屈折率1.4440)、を例示することができる。また、アジピン酸ジイソプロピル(屈折率1.4244)、ミリスチン酸イソプロピル(屈折率1.4323)、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール(屈折率1.434)、イソノナン酸イソノニル(屈折率1.436)、パルミチン酸イソプロピル(屈折率1.4361)、コハク酸ジエトキシエチル(屈折率1.4362)、セバシン酸ジエチル(屈折率1.4367)、プロピオン酸PPG−2ミリスチル(屈折率1.4379)、ミリスチン酸ミリスチル(屈折率1.4398)、エチルヘキサン酸アルキル(C14−18)(屈折率1.4414)、ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロパンジオール(屈折率1.442)、イソノナン酸イソトリデシル(屈折率1.4437)、エチルヘキサン酸セチル(屈折率1.444)、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール(屈折率1.445)、パルミチン酸エチルヘキシル(屈折率1.4453)、PPG−3イソステアリルメチルエーテル(屈折率1.4459)、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル(屈折率1.4473)、乳酸オクチルドデシル(屈折率1.4500)、オクチルドデカノール(屈折率1.453)、イソステアリン酸PG(屈折率1.4540)、オクタカプリル酸ポリグリセリル−6(屈折率1.456)、イソステアリン酸イソステアリル(屈折率1.4586)、アジピン酸ジPPG−2ミレス−10(屈折率1.4593)、PEG−60アーモンド脂肪酸グリセリル(屈折率1.4599)、リンゴ酸ジイソステアリル(屈折率1.4600)、ホホバ種子油(屈折率1.4621)、トリイソステアリン(屈折率1.465)、ミリスチン酸PPG−3ベンジルエーテル(屈折率1.4659)、エチルヘキサン酸アルキル(C14−18)PPG−3ベンジルエーテル(屈折率1.466)、テトライソステアリン酸ポリグリセリル−2(屈折率1.466)、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン(屈折率1.466)、マカデミア種子油(屈折率1.4661)、アボカド油(屈折率1.4669)、オリーブ果実油(屈折率1.4672)、ユチャ種子油(屈折率1.4675)、アーモンド油(屈折率1.4693)、キョウニン油(屈折率1.4695)、メドウフォーム油(屈折率1.4696)、ペンタヒドロキシステアリン酸スクロース(屈折率1.4716)、シア脂油(屈折率1.4727)、ブドウ種子油(屈折率1.4729)、ヘキサイソステアリン酸スクロース(屈折率1.473)、コムギ胚芽油(屈折率1.4748)、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル(屈折率1.475)、テトライソステアリン酸スクロース(屈折率1.4776)、(ラウリン酸/パルミチン酸)フェノキシPEG−4(屈折率1.478)等を例示できる。
例示した油は、使用感も良好であり好ましい。
本発明の(B)油としては、イソステアリン酸イソプロピルを主として用いることが好ましい。イソステアリン酸イソプロピルを主として用いる場合、イソステアリン酸イソプロピルを油の総量に対し50質量%以上となるように配合し、残りの50質量%未満〜0質量%をその他の油で構成するとよい。前述のとおりシリコーン油の屈折率は1.40であるが、本発明の使用感を損なわない範囲で任意成分として配合しても構わない。シリコーン油の配合量は油の総量に対し2質量%以下であることが好ましい。
このようにすると、煩雑な試行錯誤をしなくても、比較的容易に油相の屈折率を1.44〜1.48の範囲に合わせることができ、使用感も良好となる。
油の配合量は、化粧料全量に対し5〜30質量%、より好ましくは9〜27質量%とする。
本発明において、(C)水は化粧料全量に対し5〜30質量%、より好ましくは17〜25質量%配合する。水は、水相の構成成分となる。水の屈折率は1.333である。
本発明は可視光透過率が80%以上を示す、極めて透明度の高い油中水型乳化化粧料である。そして、該化粧料の調製には、水相と油相の屈折率を近づける手法をとる。
本発明において、(D)グリコシルトレハロースと水添デンプン分解物、マルチトールは、(A)親油性界面活性剤と(B)油を含む油相の屈折率に、できるだけ近似した屈折率に水相を調整するだけでなく、化粧料の粘度低下を発生させず経時安定性を飛躍的に高める。グリコシルトレハロースと水添デンプン分解物の混合品は市販されており、それを用いてもよい。市販品としては、グリコシルトレハロース47質量%、水添デンプン分解物27質量%、水26質量%からなる「トルナーレ(製品名)(株式会社林原製)」を例示できる。トルナーレは屈折率が1.4800(実測値)である。
マルチトールは、酵素糖化法によって澱粉からつくられる二糖類のマルトースを原料として高圧下で接触還元して得られる糖アルコールの一種である。三菱商事フードテック株式会社製のアマルティシロップ等の市販されている製品を入手して用いることができる。アマルティシロップは、マルチトール75質量%と水25質量%からなる混合原料であり、屈折率は1.4800(実測値)である。(D)グリコシルトレハロースと水添デンプン分解物、及び/又はマルチトールは、化粧料全量に対し、10〜68質量%、好ましくは15〜52質量%、より好ましくは16〜42質量%配合する。
本発明の効果(高い透明性、長期保存安定性、使用感)は、(A)〜(D)の構成をとることで得られる。しかし、パラベン等のいわゆる防腐剤を配合せずに多価アルコールの抗菌力により化粧料に抗菌性を付与したい場合や、使用感のバリエーション化を図りたい場合には、さらに(E)多価アルコールを配合する。
本発明に使用する多価アルコールは、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、ジグリセリン、メチルグルセス−10などが例示できる。べたつかずにしっとりとした保湿感を得るためには、(D)に加えてグリセリンを組み合わせるとより好ましい使用感となる。また1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオールなどは化粧料の抗菌性を高めるので、配合すると好ましい。グリセリンの屈折率は1.4720(実測値)である。1,3−ブチレングリコールの屈折率は1.4382(実測値)である。1,2−ペンタンジオールの屈折率は1.4390(実測値)である。ジプロピレングリコールの屈折率は1.441である。プロピレングリコールの屈折率は1.432(実測値)である。ジグリセリンの屈折率は1.4870(実測値)である。メチルグルセス−10の屈折率は1.4794(実測値)である。ソルビトール(70%水溶液)の屈折率は1.4584(実測値)である。
着色成分としてシアノコバラミンが例示できる。
(1)透明性を有する油中水型乳化化粧料の調製(その1)
表1に本発明の実施例1〜8、及び比較例1〜5の油中水型乳化化粧料の組成を示す。
表1の組成は次の調製方法で油中水型乳化化粧料とした。
1)油相成分を秤量し、加熱しながら均一になるよう混合する。
2)油相を室温まで冷却し、25℃の屈折率を測定する。
3)水相成分を秤量し、均一に混合し、25℃の屈折率を測定する。
4)シリル化シリカ(任意成分)を油相に加え、ホモディスパーでシリル化シリカが均一になるまで混合する。
5)油相に水相を加えながらホモディスパーで混合し、油中水型乳化化粧料を調製する。必要に応じて、気泡を除去する。
油中水型乳化化粧料の評価項目として、次の測定を行った。
1.屈折率測定
株式会社アタゴ製のアッベ屈折計NAR−1Tを用いて25℃における屈折率を測定した。
2.透明性(光透過率測定)
日本分光株式会社の分光光度計V−750DSを用いて、光路長10mmで400〜800nmの可視光透過率を0.5nm刻みで測定し、その平均値を算出した。
3.経時粘度安定性
東機産業株式会社のTV型粘度計TV−25Lを用いて、25℃における粘度を測定した。(ローター:M4,回転数:12rpm,時間:30秒 )
それぞれの化粧料について5℃、25℃、40℃にて保管し、3ヶ月経過した後のサンプルを25℃に戻してから粘度を測定した。
4.粒子径測定
オリンパス株式会社のデジタルカメラ付き顕微鏡BX41を用いて、10個の任意の乳化粒子を選択、その粒子径を測定し、それを平均化して平均粒子径とした。表中で「−」と表示したのは、測定していないことを示す。
なお、粒子径の測定は、本発明品がその外観からはゲル(ジェル)や液晶系の透明化粧料、ミクロエマルションの透明化粧料との区別がつかないことから、その判別のために行った。つまり、粒子径のサイズが1〜100μmであるとき所謂通常のエマルションが形成されていると判断した。
5.使用感
得られた油中水型乳化化粧料を手の甲にとり、専門評価者が下記基準により使用感を評価した。
〇:べたつかずに、しっとりして保湿感がある。
△:しっとりして保湿感があるが、ややべたつく。
×:べたつかないが、しっとりせず保湿感が足りない。
使用感については、実施例2と4が△評価であった。これは実施例2と4に若干べたつきが認められたためだが、実使用上は許容される範囲であった。実施例1、3そして油の種類や配合量を変えた実施例5〜8は使用感が○評価であり、べたつかずにしっとりとした保湿感であった。このことから本発明の構成に、さらにグリセリンを配合すると使用感がより良くなることがわかった。
実施例5、6は油性増粘剤であるシリル化シリカを含まない組成であるが、7週間経過後も調製翌日の高い粘度が維持された。実施例5、6の結果から、シリル化シリカを含まなくても、本発明の構成をとることで油中水型乳化化粧料は増粘し、かつ粘度が経時で低下することなく保存安定性が良好なものが得られることが確認できた。
一方比較例1〜5は、いずれも(D)グリコシルトレハロースと水添デンプン分解物、及び/又はマルチトールを含まない組成であるが、油相と水相の屈折率が揃っているにも関わらず、透明性が低いものしか得られなかった。さらに得られた油中水型乳化化粧料を25℃で保管し3ヶ月経過後に粘度を測定すると、いずれも調製翌日の粘度からおよそ半分かそれ以下に低下してしまい粘度変化が大きく、粘度安定性が不良であった。透明性、粘度安定性の観点から(D)グリコシルトレハロースと水添デンプン分解物及び/又はマルチトールの配合は必須であり、これを含まない組成である比較例1〜5の油中水型乳化化粧料は設計品質上問題があり製品化は困難と判断した。
表2に本発明の実施例9〜12の組成を示す。前記表1の組成と同様にして油中水型乳化化粧料を調製し、評価を行った。表2に示す実施例9〜12の組成は、油相と水相の配合比率を変動させている。
実施例9は油相:水相が30:70であり、実施例10は油相:水相が25:75であり、実施例11は油相:水相が15:85であり、実施例12は油相:水相が10:90である。なお、前記表1に示した組成において、油相と水相の配合比率はすべて20:80である。
実施例11と12は、いずれも粘度が200000〜300000mPa・sと高い数値を示した。この粘度はチューブ容器にはやや高すぎる粘度であるが、ジャー容器であれば充填可能であり、使用性、保存安定性は問題なかった。なお、実施例11と12が非常に高い粘度となったのは、油中水型乳化化粧料において水相が85%以上と高内水相であることに起因すると考えられる。
以上、表1、表2に示した油中水型乳化化粧料の粘度の測定結果から、粘度が8000〜300000mPa・sの油中水型乳化化粧料とするためには油相と水相の配合比率を30:70〜10:90とし、粘度が8000〜100000mPa・sの油中水型乳化化粧料とするためには油相と水相の配合比率を30:70〜20:80にすればよいことが分かった。
表3に本発明の実施例13〜15の組成を示す。前記表1の組成と同様に操作して油中水型乳化化粧料を調製し、評価を行った。得られた油中水型乳化化粧料は、外観観察による透明性評価と、経時安定性評価を行った。
実施例13〜15の組成は、親油性界面活性剤の種類と配合量、油の配合量を変動させている。
本発明の構成をとることで、極めて透明性が高く、保存安定性の良い油中水型乳化化粧料が得られた。可視光領域の400〜800nmで光透過率を測定するとき、平均透過率が80%以上を示した。また長期保存しても粘度が低下しないので、チューブ容器やジャー容器に入れて高品質なものを提供できた。本発明の油中水型乳化化粧料は、べたつかずに高い保湿性を有し、外観が透明で美しく、粘度低下も生じないため、透明容器(チューブ容器やジャー容器)に入れて販売される、リップトリートメントなどの口唇用化粧料に最適であった。
処方例(口唇用保湿ジェル) 質量%
1.ジポリヒドロキシステアリン酸PEG−30 1
2.イソステアリン酸イソプロピル 16
3.ミネラルオイル 1.5
4.PCAジメチコン 0.5
5.シリル化シリカ 1
6.精製水 13.495
7.トルナーレ(株式会社林原製) 27
8.グリセリン 34.5
9.1,3−ブチレングリコール 5
10.シアノコバラミン 0.005
成分1〜5を溶解混合し油相とする。別の容器で成分6〜10を混合して水相とする。油相に水相を加えて乳化し、油中水型乳化化粧料を得た。
(評価)
5℃、25℃、40℃、−5℃と40℃のサイクルに、それぞれ4ヶ月間保管して、透明性、経時安定性、使用感を評価した。
いずれに保管したものも、25℃に戻して測定すると、粘度が42000〜52000mPa・sの範囲に収まり保存安定性が良好であった。口唇用保湿ジェルとしてチューブに充填して使用したところ、べたつかずにしっとりとした感触で、薄いピンクを呈した透明な美しい外観であった。
Claims (7)
- 下記の(A)〜(D)を含有し、光路長10mmにおける波長400〜800nmの可視光平均透過率が80%以上を示す油中水型乳化化粧料。
(A)親油性界面活性剤
(B)油
(C)水
(D)グリコシルトレハロースと水添デンプン分解物、及び/又はマルチトール - さらに(E)多価アルコールを含有する請求項1に記載の油中水型乳化化粧料。
- (A)親油性界面活性剤のHLB値が5〜6である請求項1又は2に記載の油中水型乳化化粧料。
- (A)親油性界面活性剤がジポリヒドロキシステアリン酸PEG−30、ジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル−2及びジイソステアリン酸ポリグリセリル−3から選ばれる1以上を含む請求項1〜3のいずれかに記載の油中水型乳化化粧料。
- 25℃における油相の屈折率が1.44〜1.48である請求項1〜4のいずれかに記載の油中水型乳化化粧料。
- (D)グリコシルトレハロースと水添デンプン分解物、及び/又はマルチトールと、(E)多価アルコールを合計量で化粧料あたり51〜68質量%含有する油中水型乳化化粧料。
- 口唇用である請求項1〜6のいずれかに記載の油中水型乳化化粧料。
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