以下、本発明の実施形態を図に基づき説明する。なお、本発明は以下の内容に限定されるものではない。
<第1実施形態>
最初に、本発明の第1実施形態の画像形成装置について、その構成を図1を用いて説明する。図1は画像形成装置の構成を示すブロック図である。画像形成装置1はコピー(印刷)、スキャン(画像読取)、ファクシミリ送信等の複数の機能を備えたいわゆる複合機である。
画像形成装置1は、図1に示す制御部20及び記憶部23を備える。制御部20は、例えばCPU21、画像処理部22、その他の不図示の電子回路や電子部品などを含む。CPU21は記憶部23に記憶された制御用のプログラムやデータに基づき、画像形成装置1に設けられた各構成要素の動作を制御して画像形成装置1の機能に係る処理を実行する。画像処理部22は画像形成や印刷、画像読取、送信に用いる画像データに対して画像処理を行う。記憶部23は例えば不図示のプログラムROM、データROMなどといった不揮発性の記憶装置と、RAMのような揮発性の記憶装置との組み合わせである。
画像形成装置1の上部には原稿搬送部3及び画像読取部4が設けられる。ユーザーが画像形成装置1にコピージョブ、スキャンジョブを実行させる場合、文字や図形、模様などの画像が描かれた原稿を原稿搬送部3に積載したり、原稿や書籍を画像読取部4の上面のコンタクトガラス(不図示)の上に載置したりする。制御部20は原稿搬送部3及び画像読取部4に動作指示を与え、原稿画像を読み取らせる。画像読取部4が読み取った原稿画像の画像データは記憶部23等に一時的に記憶される。
画像形成装置1の上部であって画像読取部4の正面側には操作パネル5が設けられる。操作パネル5は表示部5wを含む。操作パネル5は、例えば画像形成装置1にコピー(印刷)ジョブ、スキャン(画像読取)ジョブ、ファクシミリ送信ジョブを実行させる指令等をユーザーから受け付ける。操作パネル5は、例えば印刷に使用する用紙の種類やサイズ、拡大縮小、両面印刷の有無といった印刷条件などの設定入力を受け付けたり、ファクシミリ送信におけるファックス番号や送信者名などの設定入力を受け付けたりする。さらに、操作パネル5は、例えば装置の状態や注意事項、エラーメッセージなどを表示部5wに表示することによって、それらをユーザーに対して報知するための報知部としての役割も果たす。操作パネル5が受け付けた操作情報は制御部20に送信される。
画像形成装置1は画像読取部4より下方の部分に印刷部6を備える。印刷部6は印刷ジョブを実行する。印刷部6は給紙部7、用紙搬送部8、露光部9、画像形成部10、転写部11及び定着部12を含む。給紙部7は複数枚の用紙を収容し、印刷時に用紙を送り出す。用紙搬送部8は給紙部7から送り出された用紙を転写部11及び定着部12まで搬送し、定着後の用紙を装置の外部に排出する。露光部9は画像データに基づき制御されたレーザ光を画像形成部10に向かって照射する。画像形成部10は露光部9によって照射されたレーザ光により原稿画像の静電潜像を形成し、この静電潜像からトナー像を形成する。転写部11は画像形成部10で形成されたトナー像を用紙に転写する。定着部12はトナー像が転写された用紙を加熱、加圧してトナー像を用紙に定着させる。制御部20は、このような印刷部6の印刷動作を制御する。
画像形成装置1は通信部24を備える。通信部24は外部の通信装置やコンピューター等との間でファクシミリや画像データの送受信といった通信を行う。通信部24は電話回線やネットワーク回線が接続され、これら回線を利用して外部の通信装置やコンピュータ等と画像データなどの授受を行う。制御部20は通信部24に外部の通信装置等に対するデータの送受信を実行させる。
続いて、給紙部7の周辺の構成について、図1に加えて図2を用いて説明する。図2は給紙部7の周辺の構成を示す概略垂直断面図である。なお、図2における上下方向、左右方向及び紙面奥行き方向が、画像形成装置1及び給紙部7の上下方向、左右方向及び前後方向である。
図1及び図2に示すように、給紙部7は、給紙カセット(用紙収容部)71、リフト板72、リフト機構73、リフトモーター74、ピックアップローラー75、給紙ローラー76、分離ローラー77、給紙モーター78及びリフトアップセンサー79を備える。
給紙カセット71は上面が開口した平たい箱状、すなわちトレイ形状である。給紙カセット71は印刷前のカットペーパー等の用紙Pを、その上面方向から積載して収容する用紙収容部である。複数(例えば3つ)の給紙カセット71が上下に並べて配置される。給紙カセット71は画像形成装置1の本体筐体に対して着脱が可能である。なお、用紙Pはピックアップローラー75等の動作によって、給紙カセット71に対して図2における右方に向かって送り出される。
リフト板72は給紙カセット71の内底面に配置される。複数枚の用紙Pがリフト板72の上面に積載される。リフト板72はその給紙方向の上流端、すなわち図2における左方の端部が水平に前後方向に延びる支軸72aで給紙カセット71の内底面に支持される。リフト板72はその支軸72aを中心として給紙方向下流端(図2右方の端部)を自由端として垂直面内で搖動可能である。リフト板72は上面に積載される用紙Pの積載量に応じてその傾斜角度が変化する。なお、図2では、3つの給紙カセット71のうち上段及び下段の給紙カセット71はリフト板72の給紙方向下流端が押し上げられ、リフト板72が給紙位置にある状態であり、中段の給紙カセット71はリフト板72の給紙方向下流端が下がり、リフト板72が退避位置にある状態である。
リフト機構73はリフト板72の給紙方向下流部の下方であって、給紙カセット71の内底面との間に配置される。リフト機構73は回転シャフト73a及びリフトレバー73bを備える。回転シャフト73aは給紙カセット71の内底面に沿って前後方向に延びる。回転シャフト73aの回転軸線は水平に前後方向に延びる。リフトレバー73bはリフト板72の前後方向中央部に配置される。リフトレバー73bは給紙方向の一端が回転シャフト73aに固定され、他端がリフト板72の給紙方向下流部の下面に接触する。回転シャフト73aの後側の端部は給紙カセット71の背面からさらに後方に向かって突出する。
リフトモーター74は給紙カセット71の後方の、画像形成装置1の本体筐体に配置される。給紙カセット71が画像形成装置1の本体筐体に装着されると、回転シャフト73aの後側の端部がリフトモーター74に連結される。リフトモーター74を動作させると、回転シャフト73a及びリフトレバー73bが回転する。リフト板72はリフトレバー73bの回転によってリフトレバー73bに押し上げられることで給紙方向下流部が上昇し、用紙束の最上層がピックアップローラー75に接触する給紙位置まで変位する。さらに、リフト板72はリフトレバー73bの回転によってリフトレバー73bによる押し上げが解除されることで給紙方向下流部が下降し、用紙束の最上層がピックアップローラー75から離間する退避位置まで変位する。また、給紙カセット71が本体筐体から引き出されることによって回転シャフト73aとリフトモーター74との連結が解除されると、リフト板72は給紙カセット71の内底面に倒伏する。
ピックアップローラー75、給紙ローラー76及び分離ローラー77は給紙カセット71の給紙方向下流部の上方に設けられる。ピックアップローラー75、給紙ローラー76及び分離ローラー77は各々の回転軸線が給紙部7の前後方向に沿って延びる。ピックアップローラー75、給紙ローラー76及び分離ローラー77が給紙カセット71に収容された用紙Pを給紙カセット71からその外部に送り出す。
ピックアップローラー75はリフト板72の給紙方向下流部の上方に配置される。給紙カセット71に積載された用紙Pの下流部がリフト板72により持ち上げられ、その最上層が下方からピックアップローラー75を圧して接触する。給紙カセット71の用紙Pはピックアップローラー75により給紙ローラー76へと引き渡され、給紙ローラー76により給紙カセット71の外部へと送り出される。
給紙ローラー76はピックアップローラー75の給紙方向下流側に配置される。給紙ローラー76はその表面の下部が給紙カセット71からその外部へと延びる用紙搬送路81に突出するように設けられる。給紙ローラー76は本筐体部に設けられた給紙モーター78に連結され、回転される。
給紙ローラー76とピックアップローラー75との間にはピックアップローラー75の駆動機構(不図示)が配置される。駆動機構は互いに連結された複数のギアを有し、この駆動機構を介して給紙ローラー76とピックアップローラー75とが連結される。給紙ローラー76が給紙モーター78によって回転すると、当該駆動機構によってピックアップローラー75も給紙ローラー76と同じ方向に同じ周速で回転する。
分離ローラー77は用紙搬送路81を挟んで給紙ローラー76の下方に配置される。分離ローラー77は付勢部材(不図示)の作用により給紙ローラー76を圧して接触する。分離ローラー77と給紙ローラー76とが接触して形成されるニップ部に用紙Pが挿通される。分離ローラー77はモーターに連結されず、給紙ローラー76と接触することによって給紙ローラー76の回転に従って回転する。
分離ローラー77はその軸部に例えばトルクリミッタ(不図示)が設けられる。分離ローラー77と給紙ローラー76とが接触して形成されるニップ部に用紙Pが存在しないときや用紙Pが1枚だけ進入したとき、分離ローラー77にはトルクリミッタの設定トルク以上のトルクが掛かり、分離ローラー77は給紙ローラー76に従って用紙Pを送り出す方向に回転する。一方、当該ニップ部に用紙Pが重なって複数枚進入したときには、分離ローラー77に掛かるトルクはトルクリミッタの設定トルク未満となり、分離ローラー77は回転を停止する。これにより、重なった下側の用紙Pが送り出されることがないので、用紙Pが重なって送られてしまう重送という問題が起こるのを防止できる。
リフトアップセンサー79はリフト板72のリフト機構73によって押し上げられる用紙Pの最上層がピックアップローラー75に接触したか否かを検知する。リフトアップセンサー79は例えば透過型光センサーと遮光部材とで構成され、リフト板72の上昇とともに変位した遮光部材が光センサーの光路を遮蔽することを検知する。
リフト板72のリフトアップ処理では、リフトアップセンサー79が、用紙Pの最上層がピックアップローラー75に接触したことを検知すると、リフト機構73によるリフト板72の上昇が停止される。これにより、リフト板72は、用紙Pの最上層がピックアップローラー75に接触する所定の給紙位置に配置される。
リフト板72のリフトダウン処理では、リフトアップセンサー79が、用紙Pの最上層がピックアップローラー75から離間したことを検知してから所定時間(例えば数100ミリ秒〜数秒)経過後に、リフト機構73によるリフト板72の下降が停止される。これにより、リフト板72は、用紙Pの最上層がピックアップローラー75から離間した所定の退避位置に配置される。
ここで、記憶部23は3つの給紙カセット71それぞれの使用間隔に係る情報を記憶する。制御部20は給紙カセット71のその使用間隔に基づき、当該用紙収容部71を使用した印刷ジョブの終了から給紙部7を制御してリフト板72の下降を開始するまでの待機時間を調整する。
このようなリフト板72の動作制御を含む画像形成装置1による印刷処理について、図3に示すフローに沿って説明する。図3は画像形成装置1の印刷処理の例を示すフローチャートである。
画像形成装置1は印刷ジョブを受け付けると、印刷処理を開始する(図3のスタート)。
ステップ#101では、給紙カセット71が選択される。制御部20は印刷ジョブに係る印刷条件から用紙サイズを確認し、当該用紙サイズの用紙Pを収容する給紙カセット71を3つの給紙カセット71から選択する。
ステップ#102では、給紙カセット71のリフト板72がリフトダウン状態であるか否かが判定される。リフト板72がリフトダウン状態である場合はステップ#103に移行する。リフト板72がリフトダウン状態ではなく、リフトアップ状態である場合はステップ#104に移行する。
ステップ#103では、リフト板72のリフトアップ処理が実行される。リフト板72は給紙方向下流部が上昇し、用紙束の最上層がピックアップローラー75に接触する給紙位置まで変位する。
ステップ#104では、印刷ジョブが実行される。制御部20は印刷ジョブに係る印刷条件に基づいて印刷部6の印刷動作を制御する。なお、印刷ジョブの終了後、リフト板72は給紙位置にあるリフトアップ状態が維持される。
ステップ#105では、当該給紙カセット71の平均使用間隔が予め定められた最大待機時間を超過するか否かが判定される。当該給紙カセット71の平均使用間隔が最大待機時間を超過する場合はステップ#111に移行し、直ちにリフト板72のリフトダウン処理が実行される。当該給紙カセット71の平均使用間隔が最大待機時間を超過しない場合はステップ#106に移行する。
なお、給紙カセット71の使用間隔とは、当該給紙カセット71の使用を終了してから、次に当該給紙カセット71が使用されるまでの期間である。給紙カセット71の平均使用間隔は、例えば移動平均によって導出され、例えば直近の100回分の使用間隔を平均して導出される。なお、ステップ#104の印刷ジョブの終了後、例えば低消費電力運転モードへの移行や電源OFF、カラーキャリブレーションなどの調整制御が行われた場合、そのときの使用間隔は平均使用間隔の導出に対して採用しない。待機時間とは、当該給紙カセット71を使用した印刷ジョブの終了からリフト板72の下降を開始するまでの時間である。制御部20は、このような給紙カセット71の使用間隔や平均のための計測値の個数といった3つの給紙カセット71それぞれの平均使用間隔を求めるための情報と、最大待機時間とを記憶部23に記憶させる。
ステップ#106では、制御部20が当該給紙カセット71の使用間隔の計測を開始する。すなわち、制御部20はステップ#104の印刷ジョブを終了することで当該給紙カセット71の使用を終了してから、次に当該給紙カセット71が使用されるまでの使用間隔の計測を開始する。
ステップ#107では、待機時間が導出される。制御部20は予め定められた最大待機時間から平均使用間隔を減算して待機時間を導出する。例えば、平均使用間隔が1分であり、最大待機時間が3分である場合、待機時間は2分となる。また例えば、平均使用間隔が2分であり、最大待機時間が3分である場合、待機時間は1分となる。このようにして、制御部20は、当該給紙カセット71の使用間隔が短いほど待機時間を長くし、当該給紙カセット71の使用間隔が長いほど待機時間を短くする。そして、待機が開始される。
なお、待機時間の導出方法は上記方法に限定されるわけではなく、他の方法であっても良い。例えば、3つの給紙カセット71それぞれの使用頻度に基づき、待機時間を調整しても良い。使用頻度とは、例えば1時間に1回の使用、5分に1回の使用といったデータである。そして、給紙カセット71の使用頻度が予め定められた閾値(例えば5分に1回)よりも高い場合はリフト板72の下降を一定時間(例えば6分(5分+1分))待機させ、給紙カセット71の使用頻度が閾値(例えば5分に1回)よりも低い場合は直ちにリフト板72を下降させることにしても良い。さらに、給紙カセット71の使用頻度に基づき待機時間を設けるか否かを判定した後、給紙カセット71の使用間隔に基づき待機時間を詳細に導出することにしても良い。
ステップ#108では、新たな印刷ジョブの指令があるか否かが判定される。新たな印刷ジョブの指令がない場合はステップ#109に移行する。新たな印刷ジョブの指令がある場合はステップ#110に移行する。
なお、ステップ#108で有無を判定する印刷ジョブは当該給紙カセット71を使用する印刷ジョブであって、当該給紙カセット71とは異なる他の2つの給紙カセット71を使用する印刷ジョブの指令である場合は、後述するステップ#110の処理を実行した後にステップ#101に移行する。
ステップ#109では、待機時間が経過したか否かが判定される。待機時間が経過していない場合はステップ#108に戻る。待機時間が経過した場合はステップ#111に移行し、リフト板72のリフトダウン処理が実行される。
ステップ#110では、次に当該給紙カセット71を使用する新たな印刷ジョブの指令を受け付けることで、使用間隔の計測が終了される。続いて、制御部20は計測を終了した使用間隔を用いて、当該給紙カセット71の平均使用間隔を導出する。給紙カセット71の平均使用間隔は、前述のように、例えば移動平均によって直近100回分の使用間隔を平均して導出される。そして、ステップ#104に移行し、次の印刷ジョブが実行される。
ステップ#111では、リフト板72のリフトダウン処理が実行される。リフト板72は給紙方向下流部が下降し、用紙束の最上層がピックアップローラー75から離間する退避位置まで変位する。
ステップ#112、すなわちリフト板72のリフトダウン処理が実行された後は、新たな印刷ジョブの指令があるか否かが判定される。新たな印刷ジョブの指令がない場合はステップ#112が繰り返される。新たな印刷ジョブの指令がある場合はステップ#113に移行する。
なお、ステップ#112で有無を判定する印刷ジョブは当該給紙カセット71を使用する印刷ジョブであって、当該給紙カセット71とは異なる他の2つの給紙カセット71を使用する印刷ジョブの指令である場合は、次のステップ#113の処理を実行した後にステップ#101に移行する。
ステップ#113では、次に当該給紙カセット71を使用する新たな印刷ジョブの指令がなされることで、使用間隔の計測が終了される。続いて、制御部20は計測を終了した使用間隔を用いて、当該給紙カセット71の平均使用間隔を導出する。給紙カセット71の平均使用間隔の導出は、ステップ#110と同様に実施される。そして、ステップ#103に移行し、次の印刷ジョブに係るリフト板72のリフトアップ処理が実行される。
上記実施形態のように、画像形成装置1は、制御部20が給紙カセット71の使用間隔に基づき、当該給紙カセット71を使用した印刷ジョブの終了時から給紙部7を制御してリフト板72の下降を開始するまでの待機時間を調整する。
この構成によれば、給紙カセット71の使用間隔に基づき、印刷ジョブの終了時からリフト板72の下降を開始するまでの待機時間が調整される。すなわち、例えば使用間隔が短い給紙カセット71の場合、印刷ジョブの終了時からしばらくの期間、リフト板72の下降を待機させることができる。したがって、次に当該給紙カセット71を使用した印刷ジョブの指令があると、リフト板72を上昇させることなく、直ちに用紙Pを送り出すことができる。このようにして、ファーストプリント性能の向上を図ることが可能になる。
また、制御部20は、給紙カセット71の使用間隔が短いほど印刷ジョブの終了からリフト板72の下降を開始するまでの待機時間を長くし、給紙カセット71の使用間隔が長いほど印刷ジョブの終了からリフト板72の下降を開始するまでの待機時間を短くする。
この構成によれば、給紙カセット71の使用間隔に応じて、リフト板72を下降させるタイミングを制御することができる。すなわち、例えば使用間隔が短い給紙カセット71の場合は印刷ジョブの終了後、リフト板72の下降を待機させ、使用間隔が長い給紙カセット71の場合は印刷ジョブの終了後、直ちにリフト板72を下降させることが可能である。
また、制御部20は、予め定められた最大待機時間から平均使用間隔を減算してリフト板72の下降に係る待機時間を導出する。この構成によれば、給紙カセット71の実際の使用状況が考慮された待機時間が導出される。したがって、印刷ジョブの終了時からリフト板72の下降を開始するまでの時間が好適に調整される。さらに、制御部20は、給紙カセット71の平均使用間隔が最大待機時間を超える場合には印刷ジョブの終了後、直ちにリフト板72を下降させる。これにより、印刷ジョブの終了時からリフト板72の下降を開始するまでの時間が必要以上に長期化することを防止することが可能である。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態の画像形成装置について、図4を用いて説明する。図4は画像形成装置の人体検知部の検知範囲を示す上面図である。なお、この実施形態の基本的な構成は先に説明した第1実施形態と同じであるので、第1実施形態と共通する構成要素には前と同じ符号または同じ名称を付してその説明を省略する場合がある。
第2実施形態の画像形成装置1は人体検知部25を備える。人体検知部25は、例えば画像形成装置1の正面の操作パネル5の近傍に設けられる。人体検知部25は、例えば赤外線センサーで構成される人感センサーと、各種回路などとを含む。人体検知部25は画像形成装置1の周囲の、予め設定された検知距離の範囲内の人体の存在を検知するためのものである。
図4に示すように、人体検知部25は、画像形成装置1の正面側の、予め定められた検知距離Ddの検知範囲Dr内の人体の存在を検知する。人体検知部25の検知範囲Drは、人体検知部25の位置を中心として所定の角度範囲で左右に拡がる扇形状で構成される。人体検知部25の検知範囲Drは、例えば90度、120度などといった角度範囲に、適宜任意に設定することができる。人体検知部25の検知距離Ddも同様に、例えば画像形成装置1から50cm、100cmなどといった距離に、適宜任意に設定することができる。
制御部20は人体検知部25の出力に基づいて画像形成装置1の周囲の検知範囲Dr内にユーザーが存在するか否かの検知を実行する。そして、印刷ジョブの終了時からリフト板72の下降を待機しているとき、制御部20は検知範囲Dr内のユーザーの存在を検知した場合に、直ちにリフト板72を下降させる。
この構成によれば、印刷ジョブの終了時からリフト板72の下降を待機している場合であっても、ユーザーが画像形成装置1に近づけば、直ちにリフト板72が下降される。例えば、給紙カセット71に用紙Pを補充したり、給紙カセット71の用紙Pを交換したりするために、ユーザーが画像形成装置1に近づくことに対応して、リフト板72を下降させることができる。これにより、ユーザーが給紙カセット71を画像形成装置1の本体筐体から引き出すときに、高負荷がかかることを防止することが可能である。したがって、給紙カセット71の着脱に係る操作性を向上させることができ、給紙カセット71や用紙Pの破損を防止することが可能になる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。