JP2019142098A - 下地シート、バルコニー床構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】バルコニーの梁部材に揺れ応力が加わっても、不燃板に重ねて形成された防水層の破損を防止することが可能な下地シート、およびこれを備えたバルコニー床構造を提供する。【解決手段】ポリエチレン樹脂層と、前記ポリエチレン樹脂層の一面側に順に重ねて形成された第1網状割繊維不織布シート層およびガラス不織布層と、前記ポリエチレン樹脂層の他面側に順に重ねて形成された第2網状割繊維不織布シート層およびポリエチレン樹脂発泡層と、を有し、前記ポリエチレン樹脂層を構成するポリエチレン樹脂の一部は、前記第1網状割繊維不織布シート層および前記第2網状割繊維不織布シート層をそれぞれ介して、前記ガラス不織布層および前記ポリエチレン樹脂発泡層までそれぞれ浸透してなることを特徴とする。【選択図】図2
Description
本発明は、建築物のバルコニーにおける下地シート、およびバルコニー床構造に関する。
例えば、住宅等のバルコニーは、バルコニーの梁部材に架け渡される不燃板と、この不燃板に重ねて形成される防水層などから形成されている。この不燃板と防水層とは、例えば、樹脂フィルムなどを主体としたシート部材を介して接合されている(例えば、特許文献1を参照)。
従来、バルコニーを構成する不燃板と防水層との間に配されるシート部材としては、例えば、ポリエチレンなどの樹脂シートに不織布層や樹脂発泡シートなどを重ねた複合防水シートを用い、不燃板と防水層とを強固に接合していた。
しかし、特許文献1に記載の防水シートは、引張強さなどの強度が低く、外部の応力によって破損しやすいという課題があった。また、このような防水シートをバルコニーの不燃板と防水層との間に配して、この防水シートを介して不燃板と防水層とを接合した場合、不燃板、即ちバルコニーの梁部材側で生じた応力が防水層に向かって緩和されることなく伝搬しやすい。このため、例えば、地震などでバルコニーの梁部材に揺れが加わると、この揺れによる応力が防水層に直接伝搬し、防水層に皺や亀裂を生じさせて防水性を低下させるという課題があった。
そこで、本発明は、高い強度を持ち、不燃性および防水性を低下させることなく、バルコニーの不燃板と防水層との間を接合可能なバルコニー向けの下地シート、およびこれを用いたバルコニー床構造を提供することを目的とする。
本発明の下地シートは、以下の構成を有する。
ポリエチレン樹脂層と、前記ポリエチレン樹脂層の一面側に順に重ねて形成された第1網状割繊維不織布シート層およびガラス不織布層と、前記ポリエチレン樹脂層の他面側に順に重ねて形成された第2網状割繊維不織布シート層およびポリエチレン樹脂発泡層と、を有し、前記ポリエチレン樹脂層を構成するポリエチレン樹脂の一部は、前記第1網状割繊維不織布シート層および前記第2網状割繊維不織布シート層をそれぞれ介して、前記ガラス不織布層および前記ポリエチレン樹脂発泡層までそれぞれ浸透してなることを特徴とする。
ポリエチレン樹脂層と、前記ポリエチレン樹脂層の一面側に順に重ねて形成された第1網状割繊維不織布シート層およびガラス不織布層と、前記ポリエチレン樹脂層の他面側に順に重ねて形成された第2網状割繊維不織布シート層およびポリエチレン樹脂発泡層と、を有し、前記ポリエチレン樹脂層を構成するポリエチレン樹脂の一部は、前記第1網状割繊維不織布シート層および前記第2網状割繊維不織布シート層をそれぞれ介して、前記ガラス不織布層および前記ポリエチレン樹脂発泡層までそれぞれ浸透してなることを特徴とする。
また、本発明は、前記第1網状割繊維不織布シート層および前記第2網状割繊維不織布シート層は、目付量が40g/m2以上、150g/m2以下の範囲であることが好ましい。
また、本発明は、前記下地シートの面方向に沿った引張強度は700N/50mm以上であることが好ましい。
本発明のバルコニー床構造は、以下の構成を有する。
前記各項記載の下地シートを備えたバルコニー床構造であって、バルコニーの梁部材の上に形成された支持板と、前記支持板に重ねて配された断熱材と、前記断熱材に重ねて配された不燃板と、前記下地シートと、前記下地シートに重ねて配された防水層と、を少なくとも備え、前記下地シートは、前記ポリエチレン樹脂発泡層が前記不燃板に接合され、かつ前記ガラス不織布層が前記防水層に接合されていることを特徴とする。
前記各項記載の下地シートを備えたバルコニー床構造であって、バルコニーの梁部材の上に形成された支持板と、前記支持板に重ねて配された断熱材と、前記断熱材に重ねて配された不燃板と、前記下地シートと、前記下地シートに重ねて配された防水層と、を少なくとも備え、前記下地シートは、前記ポリエチレン樹脂発泡層が前記不燃板に接合され、かつ前記ガラス不織布層が前記防水層に接合されていることを特徴とする。
本発明によれば、バルコニーの梁部材に揺れ応力が加わっても、不燃板に重ねて形成された防水層の破損を防止することが可能な下地シート、およびこれを備えたバルコニー床構造を実現できる。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態の下地シートを備えたバルコニー床構造について説明する。なお、以下に示す各実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
図1は、下地シートを備えたバルコニー床構造を示す断面図である。また、図2は、本発明の一実施形態の下地シートの厚み方向に沿った断面を示す断面図である。
例えば、住宅などのバルコニー1を成すバルコニー床構造は、建物本体から外方に突出したバルコニー梁2の上に形成された支持板5と、この支持板5に重ねて配された断熱材8と、この断熱材8に重ねて配された不燃板3と、不燃板3に重ねて配された下地シート10と、下地シート10に重ねて配された防水層4と、を少なくとも備えている。
例えば、住宅などのバルコニー1を成すバルコニー床構造は、建物本体から外方に突出したバルコニー梁2の上に形成された支持板5と、この支持板5に重ねて配された断熱材8と、この断熱材8に重ねて配された不燃板3と、不燃板3に重ねて配された下地シート10と、下地シート10に重ねて配された防水層4と、を少なくとも備えている。
支持板5は、例えば合板からなり、上層の構成物を支持する。
断熱材8は、上面が建物本体から外方に向かって緩やかに傾斜するように形成されている。不燃板3は、断熱材8の上面の傾斜に倣って、上面3aが建物本体から外方に向かって緩やかに傾斜するように形成され、雨水などを外部に排水する形状になっている。こうした不燃板3は、例えば、硬質木質セメント板などから形成されている。
断熱材8は、上面が建物本体から外方に向かって緩やかに傾斜するように形成されている。不燃板3は、断熱材8の上面の傾斜に倣って、上面3aが建物本体から外方に向かって緩やかに傾斜するように形成され、雨水などを外部に排水する形状になっている。こうした不燃板3は、例えば、硬質木質セメント板などから形成されている。
防水層4は、バルコニー1の表面を成し、耐久性のある防水材料、例えば、本実施形態では繊維強化プラスチック(FRP)が用いられる。FRPは、ガラス繊維や炭素繊維などの繊維をプラスチックの中に入れて強度を向上させた複合材料であり、防水用ガラス繊維マットにポリエステル樹脂を塗布するなどして形成される。
不燃板3の傾斜した上面3aには、本発明の一実施形態の下地シート10が配されている。図2に示すように、下地シート10は、ポリエチレン樹脂層11と、ポリエチレン樹脂層11の一面11a側に順に重ねて形成された第1網状割繊維不織布シート層12およびガラス不織布層13と、ポリエチレン樹脂層11の他面側11bに順に重ねて形成された第2網状割繊維不織布シート層14およびポリエチレン樹脂発泡層15と、を有している。
ポリエチレン樹脂層11は、例えば、目付量が50〜250g/m2、好ましくは80〜200g/m2、本実施形態では150g/m2のポリエチレン樹脂からなる。
第1網状割繊維不織布シート層12および第2網状割繊維不織布シート層14は、例えば、ポリエチレン繊維を互いに直角な2方向にそれぞれ配して交差させて積層した不織布である。こうした網状割繊維不織布シートは、引張強度に優れるとともに、ポリエチレン繊維を交差させたことにより隙間が生じ、この隙間に溶融樹脂など流動体を含浸させることができる。こうした第1網状割繊維不織布シート層12および第2網状割繊維不織布シート層14は、例えば、引張強度が210N/50mm程度で、目付量が40〜150g/m2、好ましくは45〜80g/m2、本実施形態では72g/m2、のものが用いられる。
ガラス不織布層13は、例えば、直径数ミクロン程度のガラス繊維を均一に分散させた不織布である。ガラス不織布層13は、バルコニー1の防水層4を構成する繊維強化プラスチック(FRP)との接着性の向上、およびポリエチレン樹脂層11を構成するポリエチレン樹脂の浸透容易性を確保する。ガラス不織布層13としては、例えば、目付量が30〜150g/m2、好ましくは50〜120g/m2、本実施形態では70g/m2または80g/m2ものが用いられる。
ポリエチレン樹脂発泡層15は、例えば、ポリエチレン樹脂製の発泡シートからなる。本実施形態に用いるポリエチレン樹脂発泡シートとしては、例えば、ポリエチレン樹脂を10〜40倍程度、本実施形態では30倍の体積になるまで発泡させシート状にしたものを用いている。ポリエチレン樹脂発泡層15としては、例えば、厚みが1〜4mm程度、本実施形態では2mmのものを用いる。
このような構成の下地シート10は、製造時において、ポリエチレン樹脂層11を構成する軟化したポリエチレン樹脂が、第1網状割繊維不織布シート層12および第2網状割繊維不織布シート14をそれぞれ介して、ガラス不織布層13およびポリエチレン樹脂発泡層15までそれぞれ浸透している。これによって、下地シート10を構成する各層が剥離することなく一体に接合される。第1網状割繊維不織布シート層12および第2網状割繊維不織布シート14は、ポリエチレン繊維を互いに直角な2方向にそれぞれ配して交差させて積層した不織布であるため、網状となった繊維間に隙間があり、この隙間から軟化したポリエチレン樹脂が浸透することができる。
本発明の下地シート10によれば、繊維直交積層不織布からなる第1網状割繊維不織布シート層12および第2網状割繊維不織布シート層14をそれぞれ介して、ガラス不織布層13およびポリエチレン樹脂発泡層15までそれぞれポリエチレン樹脂層11を構成するポリエチレン樹脂を浸透させて接合している。これによって、引張強度に優れ、かつ層間剥離の懸念の無い、高強度の下地シート10を実現できる。
また、本実施形態のバルコニー床構造では、下地シート10は、ポリエチレン樹脂発泡層15が接着層7を介して不燃板3に接合されている。また、ガラス不織布層13は防水層4に接合されている。そして、例えば、ガラス不織布層13と防水層4との接合力が、ポリエチレン樹脂発泡層15と不燃板3との接合力よりも強くなるように接合されている。
以上のような構成の本発明の下地シート10を備えたバルコニー床構造によれば、不燃板3と防水層4との間に下地シート10を設けることによって、バルコニー梁2と防水層4とが膨張率に違いがある場合でも、これらバルコニー梁2と防水層4との膨張や収縮によるズレを吸収する。
即ち、下地シート10は、伸縮が比較的容易なポリエチレン樹脂発泡層15を備えているので、バルコニー梁2と防水層4との間で膨張率が異なっていても、ポリエチレン樹脂発泡層15の伸縮によってバルコニー梁2と防水層4との間のズレが吸収される。これにより、防水層4に皺や割れなどが生じることを効果的に抑制することが可能になる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
本発明の効果を検証した。検証にあたって、以下の構成の実施例および比較例の下地シートを作成した。
(実施例1)
ポリエチレン樹脂層としては、目付量150g/m2のポリエチレンからなる層とした。そして、このポリエチレン樹脂層の一面側に第1網状割繊維不織布シート層として目付量72g/m2のポリエチレン繊維直交積層不織布と、ガラス不織布層として目付量70g/m2のガラス繊維を用いた不織布とを順に積層した。また、ポリエチレン樹脂層の他面側に第2網状割繊維不織布シート層として目付量72g/m2のポリエチレン繊維直交積層不織布と、ポリエチレン樹脂発泡層として30倍の体積になるまで発泡させシート状にした発泡ポリエチレンとを順に積層した。そして、こうした層構成の積層体のポリエチレン樹脂層を軟化させ、軟化したポリエチレン樹脂が第1網状割繊維不織布シート層および第2網状割繊維不織布シート層をそれぞれ介して、ガラス不織布層およびポリエチレン樹脂発泡層までそれぞれ浸透するように、積層体全体を押圧して、本発明の実施例1の下地シートを得た。
(実施例1)
ポリエチレン樹脂層としては、目付量150g/m2のポリエチレンからなる層とした。そして、このポリエチレン樹脂層の一面側に第1網状割繊維不織布シート層として目付量72g/m2のポリエチレン繊維直交積層不織布と、ガラス不織布層として目付量70g/m2のガラス繊維を用いた不織布とを順に積層した。また、ポリエチレン樹脂層の他面側に第2網状割繊維不織布シート層として目付量72g/m2のポリエチレン繊維直交積層不織布と、ポリエチレン樹脂発泡層として30倍の体積になるまで発泡させシート状にした発泡ポリエチレンとを順に積層した。そして、こうした層構成の積層体のポリエチレン樹脂層を軟化させ、軟化したポリエチレン樹脂が第1網状割繊維不織布シート層および第2網状割繊維不織布シート層をそれぞれ介して、ガラス不織布層およびポリエチレン樹脂発泡層までそれぞれ浸透するように、積層体全体を押圧して、本発明の実施例1の下地シートを得た。
(実施例2)
ポリエチレン樹脂層としては、目付量150g/m2のポリエチレンからなる層とした。そして、このポリエチレン樹脂層の一面側に第1網状割繊維不織布シート層として目付量72g/m2のポリエチレン繊維直交積層不織布と、ガラス不織布層として目付量80g/m2のガラス繊維を用いた不織布とを順に積層した。また、ポリエチレン樹脂層の他面側に第2網状割繊維不織布シート層として目付量72g/m2のポリエチレン繊維直交積層不織布と、ポリエチレン樹脂発泡層として30倍の体積になるまで発泡させ、厚さ2mmのシート状にした発泡ポリエチレンとを順に積層した。そして、こうした層構成の積層体のポリエチレン樹脂層を軟化させ、軟化したポリエチレン樹脂が第1網状割繊維不織布シート層および第2網状割繊維不織布シート層をそれぞれ介して、ガラス不織布層およびポリエチレン樹脂発泡層までそれぞれ浸透するように、積層体全体を押圧して、本発明の実施例1の下地シートを得た。
ポリエチレン樹脂層としては、目付量150g/m2のポリエチレンからなる層とした。そして、このポリエチレン樹脂層の一面側に第1網状割繊維不織布シート層として目付量72g/m2のポリエチレン繊維直交積層不織布と、ガラス不織布層として目付量80g/m2のガラス繊維を用いた不織布とを順に積層した。また、ポリエチレン樹脂層の他面側に第2網状割繊維不織布シート層として目付量72g/m2のポリエチレン繊維直交積層不織布と、ポリエチレン樹脂発泡層として30倍の体積になるまで発泡させ、厚さ2mmのシート状にした発泡ポリエチレンとを順に積層した。そして、こうした層構成の積層体のポリエチレン樹脂層を軟化させ、軟化したポリエチレン樹脂が第1網状割繊維不織布シート層および第2網状割繊維不織布シート層をそれぞれ介して、ガラス不織布層およびポリエチレン樹脂発泡層までそれぞれ浸透するように、積層体全体を押圧して、本発明の実施例1の下地シートを得た。
(比較例1)
目付量150g/m2のポリエチレン層の一面側に目付量100g/m2のガラス不織布層を、またポリエチレン層の他面側に30倍体積に発泡させた厚さ2mmの発泡ポリエチレン層をそれぞれ形成して互いに接合し、比較例1の下地シートを得た。
目付量150g/m2のポリエチレン層の一面側に目付量100g/m2のガラス不織布層を、またポリエチレン層の他面側に30倍体積に発泡させた厚さ2mmの発泡ポリエチレン層をそれぞれ形成して互いに接合し、比較例1の下地シートを得た。
(比較例2)
極限粘度が0.63のポリエチレンテレフタレートをスパンボンド法によって紡糸、冷却、延伸、開繊、捕集し、繊度2.2dtexの長繊維からなる目付量70g/m2の不織ウェブを製造し、これをエンボスロールとフラットロールからなる熱圧着装置を用いて部分的に熱圧着し、厚さ0.4mmの長繊維不織布を製造した。この長繊維不織布からなる不織布層と、引張強さ443N/50mm、引裂強さ34Nのポリエチレンスプリットヤーン織布からなる補強層と、厚さ1.00mmの発泡ポリエチレンシート層とを用意し、各層間にポリエチレンフィルムを30μmの厚さになるように押し出し機より押し出し、各層を積層し、プレスロールを用いて汎用のサンドラミ法によって積層一体化して、比較例2の下地シートを得た。
極限粘度が0.63のポリエチレンテレフタレートをスパンボンド法によって紡糸、冷却、延伸、開繊、捕集し、繊度2.2dtexの長繊維からなる目付量70g/m2の不織ウェブを製造し、これをエンボスロールとフラットロールからなる熱圧着装置を用いて部分的に熱圧着し、厚さ0.4mmの長繊維不織布を製造した。この長繊維不織布からなる不織布層と、引張強さ443N/50mm、引裂強さ34Nのポリエチレンスプリットヤーン織布からなる補強層と、厚さ1.00mmの発泡ポリエチレンシート層とを用意し、各層間にポリエチレンフィルムを30μmの厚さになるように押し出し機より押し出し、各層を積層し、プレスロールを用いて汎用のサンドラミ法によって積層一体化して、比較例2の下地シートを得た。
上述した実施例1、2および比較例1、2のそれぞれの下地シートについて、引張強さ、伸び率、シートの層間接着状態、および防水層となるFRPライニング層との接着状態を確認した。
こうした検証結果を表1に示す。
こうした検証結果を表1に示す。
表1に示す検証結果によれば、引張強さは、実施例1、2および比較例2が、いずれも700N/50mm以上で、優れた引張強さを示したが、比較例1では引張強さが600N/50mm程度に留まった。伸び率は、実施例1が30%、実施例2が29%でいずれも優れた伸び特性を備えていたが、比較例1では10%以下、比較例2では16%と、いずれも実施例1、2よりも大きく劣っていた。下地シートと防水層との接着性では、実施例1、2および比較例1がいずれも良好であったのに対し、比較例2は層間剥離が生じており、剥離強度に課題があった。
以上の検証結果から、本発明の実施例1、2の下地シートは、引張強さ、伸び率、シートの層間接着状態、および防水層との接着状態の何れにおいても、優れた特性を備えていることが確認された。
10…下地シート
11…ポリエチレン樹脂層
12…第1網状割繊維不織布シート層
13…ガラス不織布層
14…第2網状割繊維不織布シート層
15…ポリエチレン樹脂発泡層
11…ポリエチレン樹脂層
12…第1網状割繊維不織布シート層
13…ガラス不織布層
14…第2網状割繊維不織布シート層
15…ポリエチレン樹脂発泡層
Claims (4)
- ポリエチレン樹脂層と、前記ポリエチレン樹脂層の一面側に順に重ねて形成された第1網状割繊維不織布シート層およびガラス不織布層と、前記ポリエチレン樹脂層の他面側に順に重ねて形成された第2網状割繊維不織布シート層およびポリエチレン樹脂発泡層と、を有し、
前記ポリエチレン樹脂層を構成するポリエチレン樹脂の一部は、前記第1網状割繊維不織布シート層および前記第2網状割繊維不織布シート層をそれぞれ介して、前記ガラス不織布層および前記ポリエチレン樹脂発泡層までそれぞれ浸透してなることを特徴とする下地シート。 - 前記第1網状割繊維不織布シート層および前記第2網状割繊維不織布シート層は、目付量が40g/m2以上、150g/m2以下の範囲であることを特徴とする請求項1記載の下地シート。
- 前記下地シートの面方向に沿った引張強度は700N/50mm以上であることを特徴とする請求項1または2記載の下地シート。
- 請求項1ないし3いずれか一項記載の下地シートを備えたバルコニー床構造であって、
バルコニーの梁部材の上に形成された支持板と、前記支持板に重ねて配された断熱材と、前記断熱材に重ねて配された不燃板と、前記下地シートと、前記下地シートに重ねて配された防水層と、を少なくとも備え、
前記下地シートは、前記ポリエチレン樹脂発泡層が前記不燃板に接合され、かつ前記ガラス不織布層が前記防水層に接合されていることを特徴とするバルコニー床構造。
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