JP2019142057A - 画像形成装置、画像形成方法、インクおよび印刷物 - Google Patents
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Abstract
Description
前記インクジェット記録方式によれば、使用する装置の騒音が小さく、操作性がよいという利点を有するのみならず、カラー化が容易であり、かつ記録媒体として普通紙を使用することができるという利点があるため、オフィスや家庭での出力機として広く用いられている。
一方、産業用途においても、インクジェット技術の向上によりデジタル印刷の出力機としての利用が期待され、溶剤インキやUVインキによる非吸収性の記録媒体に対しても記録が可能な印刷機が実際に市販されてきた。しかし、近年、環境面への対応から、水性インクの需要が高まっている。
しかし、このような樹脂を使用したインクを用いた場合、定着後の画像に対して、記録媒体の折り曲げ等の機械的なストレスにより画像が欠損しやすくなることがあった。
1)記録媒体にインクを付与して画像を形成するインク付与手段と、
前記インクを乾燥する乾燥手段と、
を有する画像形成装置において、
前記インクは、少なくとも水系媒体と、色材と、脂環構造を有するアルコール化合物と、樹脂とが分散されてなるエマルションを含み、
前記樹脂が、多環式の脂環炭化水素基を有する樹脂を含むことを特徴とする画像形成装置。
ガラス転移点の高い樹脂粒子は熱的に安定であるため、画像形成装置内の各プロセスにおいてもその構造や形状の変化が殆どない。さらに、多環式の脂環炭化水素基は疎水性も高いため、インクの主成分である水や、アルコール系の溶媒に対しても膨潤することがないため、インクにより形成された画像を加熱や温風により乾燥させる工程においても粒子の状態を保持している。そのため、この粒子が画像形成装置を経て完成された画像の表面に存在していれば、画像の熱的な安定性は確保され、ブロッキングのような不具合は解消される。
しかし、粒子が明確な境界面を持ち、粒子同士が独立して存在している場合には、その境界面は機械的には脆弱となり、完成された画像に対して機械的なストレスが与えられた場合、粒子界面での剥離が生じ、その結果画像欠損に至ると考えられる。
可塑化された多環式の脂環炭化水素基を有する樹脂粒子はその境界面の一部が別の樹脂粒子や他のインク構成材料と接合、接着する。さらに乾燥が進むと脂環式アルコールも気化し系外に出て行くことで、再び可塑化された多環式の脂環炭化水素基を有する樹脂粒子を構成していた樹脂のガラス転移点は上昇し、画像の熱的な安定性は担保される。
その結果、得られた画像は、熱的な安定性は確保されつつ、機械的なストレスへの耐性も付与されるものと考えられる。
以下、インクに用いる有機溶剤、水、色材、樹脂、添加剤等について説明する。
本発明に使用する有機溶剤としては特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%〜60質量%がより好ましい。
色材としては特に限定されず、顔料、染料を使用可能である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、混晶を使用してもよい。
顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。
無機顔料として、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
また、有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性のよいものが好ましく用いられる。その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
顔料の具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料があげられる。
さらに、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、等がある。
染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35が挙げられる。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加することで、水中に分散可能とする方法が挙げられる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能とする方法が挙げられる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
竹本油脂社製RT−100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
顔料に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
前記顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を混合、分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いるとよい。
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
前記顔料分散体は、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
本発明における脂環構造を有するアルコール化合物としては、特に制限はなく使用することが可能である。具体的には、
シクロブタンメタノール、シクロペンタノール、シクロペンタンメタノール、シクロペンタンジメタノール、シクロペンタンエタノール、シクロヘキサノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、4−メチルシクロヘキサノール、シクロヘキサンメタノール、シクロヘキサンエタノール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、1,3,5−シクロヘキサントリオール、1−アダマンタノール、2−アダマンタノールなどが挙げられる。cis体、trans体のあるものは、それらのいずれか、あるいはcis-,trans-混合物でもよい。
この中でも、水系インクに適度に溶解でき、多環式の脂環炭化水素基を有する樹脂への親和性の高い1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールが好ましく、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールが特に好ましい。また、脂環を構成する炭素数は、樹脂構造の中に含まれる多環式の脂環炭化水素基のひとつの環を構成する炭素数と同じであることが、本発明の効果を最大限に発現するため好ましい。
本発明に使用される樹脂は、少なくとも多環式の脂環炭化水素基を有することで、画像のブロッキング耐性を向上させることができる。多環式の脂環炭化水素基としては、例えば、ビシクロヘキシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、ジシクロペンタニル基、アダマンチル基、デカヒドロナフタレニル基、ヒドリンダニル基などが挙げられる。
多環式の脂環炭化水素基を有するモノマーとしては、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ノルボルニルアクリレート、ノルボルニルメタクリレート、アダマンチルアクリレート、アダマンチルメタクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート等が挙げられる。このように本発明で使用される樹脂における多環式の脂環炭化水素基は、(メタ)アクリロイル基を有するモノマーに由来するのが好ましい。これらは単独で使用してもよいし、2種類以上併用してもよい。定着性、ブロッキング耐性、画像の機械的ストレス耐性の観点からイソボルニルメタクリレート、アダマンチルメタクリレートを含むことが好ましい。
具体的には、
(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、フマル酸モノアルキルエステル、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキルエステル、イタコン酸グリコールモノエーテル、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキルエステル等のカルボキシル基を有するモノマー、
ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、メチルビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸;およびその炭素数2〜24のアルキル誘導体、例えばα−メチルスチレンスルホン酸等;スルホ(ヒドロキシ)アルキル−(メタ)アクリレートもしくは(メタ)アクリルアミド、例えば、スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸、3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−(メタ)アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、アルキル(炭素数3〜18)アリルスルホコハク酸、ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(エチレン、プロピレン、ブチレン:単独、ランダム、ブロックでもよい)モノ(メタ)アクリレートの硫酸エステル[ポリ(n=5〜15)オキシプロピレンモノメタクリレート硫酸エステル等]、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル等のスルホン酸もしくは硫酸基を有するモノマー、
メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、ラウリルアクリレート、パルミチルアクリレート、ミスチリルアクリレート、ステアリルアクリレート、ベヘニルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ノニルメタクリレート、デシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、パルミチルメタクリレート、ミスチリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ベヘニルメタクリレート等のアクリル酸もしくはメタクリル酸エステルモノマー
が挙げられる。
本発明における樹脂は、水系媒体中に分散されてなるエマルション状態でインク中に使用される。
エマルションを得る方法としては特に限定されるものではないが、例えば、乳化重合法、懸濁重合法、シード重合法、分散重合法、ミニエマルション重合法などの重合方法により、直接樹脂微粒子が水系媒体中に分散されてなるエマルションを得る方法、樹脂を溶液重合法や塊重合法等の重合方法により製造した上でエマルション化する方法がある。
後者の方法については、さらに、樹脂を溶媒に溶解させた後、攪拌を行いながら水系媒体を添加することで転相乳化をさせてエマルションを得る方法、樹脂を溶媒に溶解させた後、噴霧することで微粒子化し、水系媒体中に分散させてエマルションを得る方法、樹脂を粉砕機により粉砕することで微粒子化し、水系媒体中に分散させてエマルションを得る方法、などがある。インクジェット用インクとして用いる場合には、樹脂の分散粒径は、10nm以上1,000nm以下の範囲にあることが好ましく、そのような樹脂エマルションを得るためには、乳化重合法やミニエマルション重合法、転相乳化をさせてエマルションを得る方法が好ましい。
インクには、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えても良い。
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH4、NH3CH2CH2OH、NH2(CH2CH2OH)2、NH(CH2CH2OH)3等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手できる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般式(S-1)式で表わされる、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(信越化学工業株式会社)、EMALEX−SS−5602、SS−1906EX(日本エマルジョン株式会社)、FZ−2105、FZ−2118、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、BYK−33、BYK−387(ビックケミー株式会社)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(東芝シリコン株式会社)などが挙げられる
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。 これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、特に一般式(F-1)及び一般式(F-2)で表わされるフッ素系界面活性剤が好ましい。
一般式(F-2)
CnF2n+1−CH2CH(OH)CH2−O−(CH2CH2O)a−Y
上記一般式(F-2)で表される化合物において、YはH、又はCmF2m+1でmは1〜6の整数、又はCH2CH(OH)CH2−CmF2m+1でmは4〜6の整数、又はCpH2p+1でpは1〜19の整数である。nは1〜6の整数である。aは4〜14の整数である。
上記のフッ素系界面活性剤としては市販品を使用してもよい。 この市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF−470、F−1405、F−474(いずれも、大日本インキ化学工業株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR、キャプストーンFS−30、FS−31、FS−3100、FS−34、FS−35(いずれも、Chemours社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、ポリフォックスPF−136A,PF−156A、PF−151N、PF−154、PF−159(オムノバ社製)、ユニダインDSN-403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられ、これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する浸透性、濡れ性、均染性が著しく向上する点から、Chemours社製のFS−3100、FS−34、FS−300、株式会社ネオス製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW、オムノバ社製のポリフォックスPF−151N及びダイキン工業株式会社製のユニダインDSN-403Nが特に好ましい。
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。
前処理液は、凝集剤、有機溶剤、水を含有し、必要に応じて界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤等を含有しても良い。
有機溶剤、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤は、インクに用いる材料と同様の材料を使用でき、その他、公知の処理液に用いられる材料を使用できる。
凝集剤の種類は特に限定されず、水溶性カチオンポリマー、酸、多価金属塩等が挙げられる。
後処理液は、透明な層を形成することが可能であれば、特に限定されない。後処理液は、有機溶剤、水、樹脂、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤等、必要に応じて選択し、混合して得られる。また、後処理液は、記録媒体に形成された記録領域の全域に塗布しても良いし、インク像が形成された領域のみに塗布しても良い。
記録に用いる記録媒体としては、特に限定されないが、普通紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、汎用印刷紙等が挙げられる。
本発明のインク記録物は、記録媒体上に、本発明のインクを用いて形成された画像を有してなる。
インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法により記録して記録物とすることができる。
本発明の画像形成装置は、記録媒体にインクを付与して画像を形成するインク付与手段と、前記インクを乾燥する乾燥手段と、を有し、前記インクが前記本発明のインクであることを特徴とする。
また本発明の画像形成方法は、記録媒体にインクを付与して画像を形成するインク付与工程と、前記インクを乾燥する乾燥工程と、を有し、前記インクが前記本発明のインクであることを特徴とする。
記録媒体搬送部301は、給紙装置307、複数の搬送ローラ、巻き取り装置308で構成されている。そして図1の記録媒体203はロール状に巻かれた連続紙(ロール紙)であり、記録媒体203は搬送ローラによって給紙装置から巻き出され、プラテン上を搬送されて巻き取り装置によって巻き取られる。
前処理工程としては、印刷用紙表面に上記の前処理液を均一に塗布する塗布方法を用いればよく、特に制限はない。このような塗布方法として、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、グラビアオフセットコート法、バーコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、Uコンマコート法、AKKUコート法、スムージングコート法、マイクログラビアコート法、リバースロールコート法、4本乃至5本ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法などが挙げられる。
なお、インクの種類もK、C、M、及びYに限らずライトシアンなどのフォトインク等を適用することもできる。
この後処理液を付与する方法としては、特に制限はなく後処理液の種類によって各種方法が適宜選択されるが、前記前処理液の塗布方法と同様の方法又は上記のインクジェット用インクを飛翔させる方法と同様の方法のいずれかを好適に用いることができる。これらの中でも、装置構成や後処理液の保存安定性の点からインクジェット用インクを飛翔させる方法と同様の方法が特に好ましい。この後処理工程は、形成された画像表面に乾燥付着量が0.5g/m2〜10g/m2となるように透明な樹脂を含む後処理液を付与して保護層を形成する工程である。
後処理後乾燥部306は例えば図1のようなヒートローラー313、314からなる。この装置によれば、後処理液を塗布された記録媒体(連続紙)は搬送ローラにより、ヒートローラー313、314に搬送される。ヒートローラー313、314は高温に熱せられており、後処理液を塗布された連続紙は、ヒートローラー313、314からの接触伝熱により、水分が蒸発し、乾燥される。乾燥手段としてはこれに限らず、赤外線乾燥装置、マイクロ波乾燥装置、温風などを適用することもでき、単体の装置を用いるのではなく例えばヒートローラーと温風装置を組み合わせるなどをしてもよい。
立体造形物を造形するための立体造形装置は、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、インクの収容手段、供給手段、吐出手段や乾燥手段等を備えるものを使用することができる。立体造形物には、インクを重ね塗りするなどして得られる立体造形物が含まれる。また、記録媒体等の基材上にインクを付与した構造体を加工してなる成形加工品も含まれる。前記成形加工品は、例えば、シート状、フィルム状に形成された記録物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形する用途に好適に使用される。
還流管を備えた反応容器中に、メチルエチルケトン648g、メタクリル酸メチル216g、メタクリル酸イソボルニル281g、メタクリル酸43gを仕込み、攪拌しながら窒素雰囲気下75℃に昇温した。
昇温後、攪拌を続けながら、ラジカル重合反応開始剤として和光純薬製[V-601]3.32gをメチルエチルケトン45gに溶解させた溶液を15分かけて投入し、その後5時間攪拌を続け重合反応を行った。
反応終了後、メチルエチルケトン180g追加し、ついで1モル/LのKOH水溶液120.8mlを加え75℃にした状態で、75℃のイオン交換水800gを反応容器に投入して転相乳化させた。その後、メチルエチルケトンを減圧留去し、多環式の脂環炭化水素基としてイソボルニル基を有する樹脂の分散液−Aを得た。得られた分散液中の樹脂微粒子の平均粒子径(D50)を測定したところ108nmであった。
還流管を備えた反応容器中に、メチルエチルケトン648g、メタクリル酸メチル231g、メタクリル酸アダマンチル 265g、メタクリル酸44gを仕込み、攪拌しながら窒素雰囲気下75℃に昇温した。
昇温後、攪拌を続けながら、ラジカル重合反応開始剤として和光純薬製[V-601]3.32gをメチルエチルケトン45gに溶解させた溶液を15分かけて投入し、その後5時間攪拌を続け重合反応を行った。
反応終了後、メチルエチルケトン180g追加し、ついで1モル/LのKOH水溶液120.8mlを加え75℃にした状態で、75℃のイオン交換水800gを反応容器に投入して転相乳化させた。その後、メチルエチルケトンを減圧留去し、多環式の脂環炭化水素基としてアダマンチル基を有する樹脂の分散液−Bを得た。得られた分散液中の樹脂微粒子の平均粒子径(D50)を測定したところ103nmであった。
還流管を備えた反応容器中に、メチルエチルケトン648g、メタクリル酸メチル189g、メタクリル酸ジシクロペンタニル 307g、メタクリル酸44gを仕込み、攪拌しながら窒素雰囲気下75℃に昇温した。
昇温後、攪拌を続けながら、ラジカル重合反応開始剤として和光純薬製[V-601]3.32gをメチルエチルケトン45gに溶解させた溶液を15分かけて投入し、その後5時間攪拌を続け重合反応を行った。
反応終了後、メチルエチルケトン180g追加し、ついで1モル/LのKOH水溶液120.8mlを加え75℃にした状態で、75℃のイオン交換水800gを反応容器に投入して転相乳化させた。その後、メチルエチルケトンを減圧留去し、多環式の脂環炭化水素基としてジシクロペンタニル基を有する樹脂の分散液−Cを得た。得られた分散液中の樹脂微粒子の平均粒子径(D50)を測定したところ103nmであった。
各インクの製造は、以下の手順で行った。
まず、下記表1に示す、水溶性有機溶剤、浸透剤、脂環構造を有するアルコール化合物(脂環式アルコール)、界面活性剤、防カビ剤、及び水を混合し、1時間撹拌を行い均一に混合した。 この混合液に対して樹脂分散液を添加して1時間撹拌し、顔料分散液、消泡剤を添加し、1時間撹拌した。 この分散液を平均孔径0.8μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、粗大粒子やごみを除去して、インクを得た。
*アクリル−シリコーン樹脂エマルション:昭和高分子株式会社製、ポリゾールROY6312、固形分37.2質量%、平均粒子径171nm、最低造膜温度(MFT)=20℃
*ポリウレタン樹脂エマルション:DIC社製、ハイドランAPX−101H、固形分45質量%、平均粒子径160nm、最低造膜温度(MFT)=20℃
*界面活性剤:ダイキン工業株式会社製フッ素系界面活性剤DSN403N
*界面活性剤:株式会社日本触媒製ノニオン系界面活性剤EP7025
*防カビ剤:Lonza社製剤Proxel GXL
*消泡剤:信越化学工業株式会社製シリコーン消泡剤KM−72F
インクジェットプリンティングシステム RICOH Pro VC60000(リコー製)に製造したインクを充填し、記録媒体としては、Lumi Art Gloss 130gsm (Stora Enso社製、紙幅520.7mm)のロール紙をセットし、メディアの表裏両面に1200dpiの解像度でベタ印字を3分間行った後、そのままの状態で4時間静置した。巻き取り装置はRewinding module RW6(Hunkeler社製)を用いた。
4時間経過後、巻き取られた画像を取り出し画像を観察評価した。評価基準は以下のとおりである。
〔評価基準〕
◎:紙同士くっつき合わない。画像剥がれもなく、視覚的に均一な画像になっている。
○:紙同士くっつき合わない。画像剥がれはないが、顕微鏡にて観察すると10μm以下の微小な画像抜けがある。
□:紙同士くっつき合わない。画像剥がれはないが、10μmを超える微小な画像抜けがある。
△:紙同士くっつき合っており、画像が著しく欠ける。
×:紙同士くっつき合っており、合一してしまっている。
実使用上、□より良好であれば問題はなく、○以上であればさらに好ましい。△以下は実使用上問題である。
インクジェットプリンティングシステム RICOH Pro VC60000(リコー製)に製造したインクを充填し、記録媒体としては、Lumi Art Gloss 130gsm (Stora Enso社製、紙幅520.7mm)のロール紙をセットし、1200dpiの解像度でベタ印字を1分間行った。巻き取り装置はRewinding module RW6(Hunkeler社製)を用いた。印字終了後すぐに画像を取り出し、24℃40%RHの環境で24時間経過した後の画像を内側にして折り曲げ、再度広げた後、消しゴムで擦り、折り目の状態を観察評価した。評価基準は以下のとおりである。
〔評価基準〕
◎:全く白い線が見られない。
○:消しゴムで擦った後、折り目に僅かな白い線が見られる
△:消しゴムで擦った後、折り目に明らかに白い線が見られる
×:消しゴムで擦る前から、折り目に白い線が見られる
301 記録媒体搬送部
203 記録媒体
302 前処理工程部
303 前処理後乾燥部
304 画像形成工程部
304K 記録ヘッド
304C 記録ヘッド
304M 記録ヘッド
304Y 記録ヘッド
305 後処理工程部
306 後処理後乾燥部
307 給紙装置
308 巻き取り装置
309 ノズル面
310 印字ノズル
311 ヒートローラー
312 ヒートローラー
313 ヒートローラー
314 ヒートローラー
Claims (12)
- 記録媒体にインクを付与して画像を形成するインク付与手段と、
前記インクを乾燥する乾燥手段と、
を有する画像形成装置において、
前記インクは、少なくとも水系媒体と、色材と、脂環構造を有するアルコール化合物と、樹脂とが分散されてなるエマルションを含み、
前記樹脂が、多環式の脂環炭化水素基を有する樹脂を含むことを特徴とする画像形成装置。 - 前記多環式の脂環炭化水素基は、イソボルニル基であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記多環式の脂環炭化水素基は、(メタ)アクリロイル基を有するモノマーに由来することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 前記脂環構造を有するアルコール化合物が、シクロヘキサンジメタノールであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記樹脂が、前記多環式の脂環炭化水素基を有する樹脂以外の、アクリル系樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
- 記録媒体にインクを付与して画像を形成するインク付与工程と、
前記インクを乾燥する乾燥工程と、
を有する画像形成方法において、
前記インクは、少なくとも水系媒体と、色材と、脂環構造を有するアルコール化合物と、樹脂とが分散されてなるエマルションを含み、
前記樹脂が、多環式の脂環炭化水素基を有する樹脂を含むことを特徴とする画像形成方法。 - 少なくとも水系媒体と、色材と、脂環構造を有するアルコール化合物と、樹脂とが分散されてなるエマルションを含み、
前記樹脂が、多環式の脂環炭化水素基を有する樹脂を含むことを特徴とするインク。 - 前記多環式の脂環炭化水素基は、イソボルニル基であることを特徴とする請求項7に記載のインク。
- 前記多環式の脂環炭化水素基は、(メタ)アクリロイル基を有するモノマーに由来することを特徴とする請求項7または8に記載のインク。
- 前記脂環構造を有するアルコール化合物が、シクロヘキサンジメタノールであることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載のインク。
- 前記樹脂が、前記多環式の脂環炭化水素基を有する樹脂以外の、アクリル系樹脂を含むことを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載のインク。
- 記録媒体と、前記記録媒体上に色材、脂環構造を有するアルコール化合物および樹脂を含有する画像と、を有し、
前記樹脂が、多環式の脂環炭化水素基を有する樹脂を含むことを特徴とする印刷物。
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