JP2019141769A - プラント、バイオマス燃料製造システム及びバイオマス発電設備並びにプラントの運転方法及びバイオマス燃料の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、バイオマス燃料を製造する際に用いられる蒸気や乾燥を行う際の熱源エネルギの供給およびその利用に関して、効率的にバイオマス燃料を製造することが望まれている。
また、バイオマス燃料を製造する際に用いられる蒸気や乾燥を行う際の熱源エネルギの供給およびその利用に関して、効率的にバイオマス燃料を製造することができるプラント、バイオマス燃料製造システム及びバイオマス発電設備並びにプラントの運転方法及びバイオマス燃料の製造方法を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係るプラントは、蒸気を過熱する過熱器を設けたボイラと、前記ボイラで生成された蒸気によって回転駆動する蒸気タービンと、前記蒸気タービンの回転駆動力によって発電する発電機と、バイオマスを水熱処理する処理炉と、前記処理炉で水熱処理されたバイオマスを乾燥させる乾燥炉と、前記過熱器で過熱された過熱蒸気の一部を抽気し、前記処理炉に導く蒸気流路と、前記乾燥炉の乾燥用熱源を供給する、前記ボイラから排ガス流路に排出される排ガスの保有熱量の少なくとも一部を前記乾燥炉に導く排ガス供給路と、前記蒸気流路を流通する前記過熱蒸気の保有熱量を熱交換する第1熱交換部または炉内熱交換部と、前記乾燥炉で乾燥されたバイオマスを搬送するバイオマス燃料供給路と、を備え、前記バイオマス燃料供給路から燃焼用燃料を搬出可能するとともに、抽気された蒸気温度は、前記第1熱交換部または前記炉内熱交換部で熱交換された後に前記処理炉の入口においてバイオマスが水熱処理可能な温度とされる。
また、一般に、過熱器で生成される過熱蒸気の温度は、好適に水熱処理を行うことができる蒸気の温度よりも高い。上記構成では、第1熱交換部または乾燥炉内に設けた炉内熱交換部において、蒸気流路を流通する過熱蒸気の保有熱量(保有する熱エネルギ)を乾燥炉の乾燥用熱源として利用している。すなわち、第1熱交換部または炉内熱交換部で減温されて適温となった過熱蒸気を処理炉に導入している。これにより、処理炉に導入される過熱蒸気を冷却し、好適に水熱処理を行うことができる温度とすることができるとともに、冷却した分の熱量(熱エネルギ)をバイオマスの乾燥用熱源に利用しているので、エネルギを有効利用することができる。
以上のように、上記構成では、過熱器で生成された過熱蒸気を抽気することで、安定した温度の蒸気を処理炉に導くことができるとともに、抽気した過熱蒸気の温度を処理炉における水熱処理に適した温度まで減温する際に熱交換した熱エネルギを乾燥炉の乾燥用熱源に利用することで、エネルギを有効利用して、エネルギ効率を向上させることができる。
また、一般に、ボイラの循環流路には、給水を補充する流路及び、補充する給水に対して不純物を除去する処理を行う処理部が設けられている。このような流路及び処理部を利用した場合には、専用の復水流路及び復水処理部を新たに設けることなく、既存の処理部を活用でき、ボイラへの給水量の低減を抑制することができる。したがって、専用の復水流路及び復水処理部を設ける構成と比較して、省スペース化できるとともに、設置コストを低減することができる。
また、一般に、貯炭場に貯留されている炭素含有固体燃料に散水した水は、回収され、処理装置で不純物を除去する処理を行ったうえでプラント外に排水される。したがって、既設のプラントに対して、上記構成を適用する場合には、脱水部から排出された排水から不純物を除去する処理を行う排水処理部として、炭素含有固体燃料に散水した水を処理する処理装置を利用することができる。このような場合には、専用の排水処理部を設ける必要がないので、専用の排水処理部を設ける構成と比較して、省スペース化できるとともに、設置コストを低減することができる。
また、一般に、過熱器で生成される過熱蒸気の温度は、好適に水熱処理を行うことができる蒸気の温度よりも高い。上記構成では、熱交換部または乾燥炉内に設けた炉内熱交換部において、蒸気流路を流通する過熱蒸気の保有熱量(保有する熱エネルギ)を乾燥炉の乾燥用熱源としている。すなわち、熱交換部または炉内熱交換部で減温されて適温となった過熱蒸気を処理炉に導入している。これにより、処理炉に導入される蒸気の温度を、好適に水熱処理を行うことができる温度とすることができるとともに、低下させた温度に相応する熱量(エネルギ)をバイオマスの乾燥用熱源に利用することができ、エネルギを有効利用して、エネルギ効率を向上させることができる。
以上のように、上記構成では、過熱器で生成された過熱蒸気を抽気することで、安定した温度の蒸気を処理炉に導くことができるとともに、抽気した過熱蒸気の温度を処理炉における水熱処理に適した温度まで減温する際に熱交換した熱エネルギを乾燥炉の乾燥用熱源に利用することで、エネルギの有効利用をすることができる。
また、プラントのエネルギの一部をバイオマス燃料製造に有効利用するため、バイオマス燃料を効率的に製造することができる。
〔第1実施形態〕
以下、本開示の第1実施形態について、図1から図3を用いて説明する。
図1に示されているように、本実施形態に係るプラント1は、ボイラ4で生成された蒸気によって発電する発電設備2と、発電設備2に備えられたボイラ4からの蒸気等によって汚泥(バイオマス)から水分を取り除き、バイオマス燃料とするバイオマス燃料製造システム3とを備えている。なお、以下の説明では、バイオマスの一例として、下水処理場28から供給された下水汚泥を用いる例について説明するが、バイオマス燃料製造システムで処理されるバイオマスは下水汚泥に限定されず、高含水率バイオマス(湿潤燃料)であればよく特に限定しない。
また、発電設備2は、ボイラ4から排出される排ガスを大気に放出する煙突11と、排ガスを煙突11に導く排ガス流路12とを備えている。また、本実施形態では、一例として排ガス流路12には、排ガス流れの上流側から順番に、脱硝装置13、空気予熱器14、電気集塵機15、誘引送風機16、脱硫装置17が設けられている。
脱硝装置13は、排ガスから窒素酸化物を除去することで排ガスを脱硝する。空気予熱器14は、ボイラ4に供給する燃焼用空気と排ガスとを熱交換することで、燃焼用空気を予熱する。電気集塵機15は、排ガス中から煤や粉塵を除去する。誘引送風機16は、羽根を回転させることで、排ガス流路12内に排ガスを流通させている。脱硫装置17は、排ガスから硫黄酸化物を除去することで排ガスを脱硫する。
汚泥等の高含水率バイオマスでは、水分が生物由来の細胞壁内に拘束されているものがあり、この拘束されている水分が蒸発し難いために、このような汚泥等の高含水率バイオマスは乾燥効率が低くなっている。処理炉29では、蒸気供給路27から供給された蒸気を用いた加水分解反応によって、汚泥の細胞壁を破壊することで細胞内に拘束されていた水分を放出させている。すなわち、処理炉29は、汚泥を水熱処理している。なお、加水分解反応は、高含水率バイオマスに対して、中圧水蒸気(温度が200度から250度であって、圧力が1.5Mpaから3Mpaの蒸気)を用いることで行われる。
なお、発電設備2が、ボイラ4の給水を補充するために、所内用水設備及び純水設備を備えている場合には、当該設備と、処理炉29から排出された蒸気を処理する所内用水設備36及び純水設備37とを兼用してもよい。すなわち、専用の復水流路(38相当)、復水の不純物を除去する所内用水設備(36相当)、及び純水設備(37相当)を新たに設けることなく、発電設備2の既存の処理設備を活用して給水とすることができる。また、処理炉29から排出された蒸気を凝縮した復水を所内用水設備36と純水設備37で処理してボイラ4への給水とするので、処理炉29で水熱処理に供された蒸気量に対するボイラ4への給水量の低減を抑制して、新たな給水量を削減することができる。
一般に、既設の発電設備2においても、貯炭場49に貯蔵されている石炭50は、条件によっては自然発火するおそれがあるため、散水手段によって石炭50に散水をしている。貯炭場49に貯留されている石炭50に散水した水は、回収され、処理装置で不純物を除去する処理を行ったうえで発電設備2外に排水される。
したがって、既設の発電設備2に対しては、脱水装置30から排出された排水から不純物を除去する処理を行う貯炭場排水処理装置46として、既設の発電設備2の石炭50に散水する水を処理する処理装置を利用することができる。このように、既設の発電設備2の処理設備を利用することで、専用の貯炭場排水処理装置46を設ける必要がない。
なお、発電設備2が、貯炭場49に貯蔵されている石炭50に対して散水した水を回収して、当該回収した水から不純物を除去する設備を備えている場合には、当該設備と、貯炭場排水処理装置46とを兼用してもよい。
まず、本実施形態に係るプラント1における蒸気の流れについて説明する。
ボイラ4に供給された給水は、本実施形態では例えば、節炭器23、ドラム24、過熱器25、再熱器26を順番に通過する。ドラム24で飽和蒸気となり過熱器25で過熱されて、過熱蒸気となる。過熱器25から排出された過熱蒸気、および一旦蒸気タービン6から戻り再熱器26で過熱して排出された過熱蒸気は、蒸気タービン6に供給されて蒸気タービン6を回転駆動する。蒸気タービン6が回転駆動すると、発電機7によって発電が行われる(発電工程)。蒸気タービン6から排出された蒸気は、復水器8において凝縮される。凝縮された復水は、給水として再度ボイラ4に供給される。
ボイラ4から排出される排ガスは、排ガス流路12を流通する。排ガス流路12を流通する排ガスの一部または全部は、排ガス流路12から排ガス供給路18に流入して乾燥炉31へ流通する。排ガス供給路18に流入する排ガスの流量は、流路切替えダンパ19の開度によって決まる。排ガス供給路18に流入しなかった排ガスは排ガス流路12を流通し、後流側で乾燥炉31から排出されて排ガス排出路20により流通して戻される排ガスと合流して、脱硫装置17を経て煙突11から大気に放出される。
下水処理場28から処理炉29に供給された下水汚泥は、処理炉29でボイラ4から抽気され、第1熱交換器32で冷却された中圧水蒸気によって水熱処理を施され加水分解反応により細胞壁が破壊される。なお、処理炉29に供給される汚泥の水分比率は80%程度となっている。処理炉29において水熱処理が施された汚泥は、脱水装置30で脱水され、液体分が除去される。脱水装置30で脱水された汚泥の水分比率は50%程度となっている。脱水装置30で脱水された汚泥は、乾燥炉31に供給され、乾燥炉31でボイラ4からの排ガスによって乾燥される。乾燥炉31で乾燥された汚泥は、バイオマス燃料として、バイオマス燃料製造システム3からバイオマス燃料供給路55で排出して搬送される(バイオマス燃料搬送工程)。なお、乾燥炉31で乾燥された汚泥の水分比率は10%程度となっている。バイオマス燃料製造システム3から排出されたバイオマス燃料は、例えば、バイオマス発電施設54においてボイラ54aの燃料とされて、ボイラ54aで生成された蒸気によって蒸気タービン54bを回転駆動して、発電機54cで発電が行われる。
本実施形態では、発電設備2に設けられたボイラ4で生成された過熱蒸気の一部を利用して、汚泥(高含水率バイオマス)を水熱処理しているので、ボイラ4で生成された蒸気によって、発電を行うとともに、汚泥を水熱処理することができる。すなわち、汚泥を水熱処理するための蒸気を生成する専用の装置を設けることなく、汚泥を水熱処理することができる。したがって、汚泥を水熱処理するための過熱蒸気を生成する専用の装置を設ける構成と比較して、省スペース化できるとともに、設置コストを低減することができる。また、バイオマス燃料製造にプラント1のボイラ4で生成された蒸気の一部を有効利用するため、別途蒸気を生成する必要がなくエネルギの有効利用をしてバイオマス燃料を製造することができる。
また、本実施形態では、ボイラ4の負荷変動の影響を受けにくい過熱器25の出口近傍から過熱蒸気を抽気しているが、過熱器25の出口近傍の過熱蒸気の温度は、好適に水熱処理を行うことができる蒸気の温度よりも高い。本実施形態では、第1熱交換器32において、ボイラ4から抽気した過熱蒸気の保有熱量(保有するエネルギ)を乾燥炉31の乾燥用熱源として利用している。すなわち、第1熱交換器32で減温されて適温となった過熱蒸気を処理炉29に導入している。これにより、処理炉29に導入される蒸気を冷却し、好適に水熱処理を行うことができる温度とすることができるとともに、過熱蒸気を冷却した分の熱量(熱エネルギ)を汚泥の乾燥用熱源に利用しているので、プラント1全体のエネルギを有効利用することができる。
以上のように、本実施形態では、過熱器25で生成された過熱蒸気を抽気することで、安定した温度の蒸気を処理炉29に導くことができるとともに、抽気した過熱蒸気の温度を処理炉29における水熱処理に適した温度まで減温する際に熱交換した熱エネルギを乾燥炉31の乾燥用熱源に利用することで、プラント1全体のエネルギの有効利用をすることができる。
また、発電設備2が、ボイラ4の給水を補充するために、所内用水設備及び純水設備を備えていて、当該設備と、処理炉29から排出された蒸気を処理する所内用水設備36及び純水設備37とを兼用する場合には、新たに専用の処理設備を設けることなく、既存の処理設備を活用でき、ボイラ4への給水量の低減を抑制することができる。したがって、専用の処理設備を設ける構成と比較して、省スペース化できるとともに、設置コストを低減することができる。
また、発電設備2が、貯炭場49に貯蔵されている石炭50に対して散水した水を回収して、当該回収した水から不純物を除去する設備を既に備えていて、当該設備と、貯炭場排水処理装置46とを兼用する場合には、専用の排水処理設備を設ける必要がないので、専用の排水処理設備を設ける構成と比較して、省スペース化できるとともに、設置コストを低減することができる。
本変形例では、ボイラ4からの排ガスを乾燥炉31に導かず、排ガスと熱交換した乾燥用空気を乾燥炉31に導く点で第1実施形態と異なる。第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
過熱蒸気の熱量の一部が乾燥空気の加熱に使用されることで過熱蒸気が冷却されて適温になり、第1熱交換器32から排出された過熱蒸気は、好適に水熱処理を行うことができる温度になって処理炉29に供給される。
なお、乾燥用空気は、必ずしも空気である必要は無く、例えば比熱が少し大きな窒素などを用いて熱の輸送効率を向上させてもよい。
また乾燥用空気を系外に排出せずに乾燥用空気供給路63から乾燥用空気排出路64を循環させるので、乾燥用空気熱交換器62および第1熱交換器32で加熱された熱量を系外へ排出することなく有効に利用することができる。
また、乾燥炉31で乾燥用空気と汚泥とを直接接触させる場合には、乾燥用空気が系外へ排出されないので、脱臭装置52及びバグフィルタ53の作動を軽減させても環境への影響が無いので、運用性が向上する。
本変形例では、第1熱交換器32の代わりに、ボイラ4から抽気した蒸気を乾燥炉31内に設けられた炉内熱交換器(炉内熱交換部)67に供給する点で第1実施形態と異なる。第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
次に、第2実施形態について図4及び図5を用いて説明する。
本実施形態では、処理炉29から排出された蒸気と、乾燥炉31から排出される排ガスとを熱交換する第2熱交換器(第2熱交換部)72を備えている点で第1実施形態と異なる。第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施形態では、処理炉29から排出される蒸気と乾燥炉31から排出される排ガスとを熱交換し、乾燥炉31から排出される排ガスを加熱して、ボイラ4の排ガス流路12に戻している。これにより、ボイラ4の排ガス流路12を通して煙突11から系外に排ガスを排出する際に、排ガス中に含まれる水蒸気の一部凝縮による白煙の発生を防止することができる。また、処理炉29から排出される蒸気と排ガスとを熱交換することで処理炉29から排出される蒸気を冷却しているので、排出される蒸気を復水タンク34で凝縮し易くすることができる。
本変形例では、第1熱交換器32の代わりに、ボイラ4から抽気した蒸気を乾燥炉31内に設けられた炉内熱交換器77に供給する点で第2実施形態と異なる。第2実施形態と同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
次に、第3実施形態について図6から図9を用いて説明する。
本実施形態では、処理炉29から排出された蒸気と、乾燥炉31に供給される排ガスとを熱交換する第3熱交換器(第3熱交換部)82を備えている点で第1実施形態と異なる。第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施形態では、処理炉29から排出される蒸気の熱エネルギをバイオマスの乾燥に利用することができる。これにより、エネルギを有効に利用し、エネルギ効率を向上させることができる。また、排ガス供給路18から流通する排ガスの温度をより高くして、乾燥炉31でより高温でバイオマスを乾燥することができるので、より乾燥を促進して乾燥時間を短縮することができる。
本変形例では、第1熱交換器32の代わりに、ボイラ4から抽気した蒸気を乾燥炉31内に設けられた炉内熱交換器87に供給する点で第3実施形態と異なる。第3実施形態と同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本変形例では、第3熱交換器82の代わりに、処理炉29から排出された蒸気を乾燥炉31内に設けられた炉内熱交換器92に供給する点で第3実施形態と異なる。第3実施形態と同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本変形例では、第1熱交換器32の代わりに、ボイラ4から抽気した蒸気を乾燥炉31内に設けられた第1炉内熱交換器97に供給する点、及び、第3熱交換器82の代わりに、処理炉29から排出された蒸気を乾燥炉31内に設けられた第2炉内熱交換器98に供給する点で第3実施形態と異なる。第3実施形態と同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
次に、第4実施形態について図10及び図11を用いて説明する。
本実施形態では、乾燥炉31内に炉内熱交換器102を備えている点、及び、蒸気排出路33に第4熱交換器(第4熱交換部)103が設けられている点で第1実施形態と異なる。第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
また、本実施形態に係るプラント101は、蒸気排出路33に設けられた第4熱交換器103を備えている。第4熱交換器103は、炉内熱交換器102から排出された蒸気と、脱水装置30から排出された排水とを熱交換する。炉内熱交換器102から排出された蒸気と脱水装置30から排出された排水とを熱交換することで、排出された蒸気を冷却するとともに、排出された排水を加熱している。第4熱交換器103から排出された蒸気は、復水タンク34に供給される。また、第4熱交換器103から排出された排水は、排水タンク40に供給される。
本実施形態では、脱水装置30からの排水を第4熱交換器103で加熱しているので、排水中に含まれる汚泥等に含有されていた揮発成分(CH4やベンゼンHmSn化合物等)を気化させて、排水中から揮発成分を取り出し易くすることができる。また、炉内熱交換器102から排出された蒸気を第4熱交換器103で冷却しているので、蒸気を凝縮し易くすることができる。また、炉内熱交換器102から排出された蒸気と脱水装置30から排出された排水とを熱交換することで、蒸気の冷却及び排水の加熱を行っているので、プラント1全体においてエネルギの有効利用を促進し、エネルギ効率を向上させることができる。
本変形例では、第4熱交換器107を第1排水流路39に設けている点で、第4実施形態と異なる。第4実施形態と同一の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
例えば、上記各実施形態及び上記各変形例は組み合わせてもよい。
2 発電設備
3 バイオマス燃料製造システム
4 ボイラ
5 第1循環流路
6 蒸気タービン
7 発電機
8 復水器
9 第2循環流路
11 煙突
12 排ガス流路
18 排ガス供給路
20 排ガス排出路
23 節炭器
24 ドラム
25 過熱器
26 再熱器
27 蒸気供給路(蒸気流路)
29 処理炉
30 脱水装置(脱水部)
31 乾燥炉
32 第1熱交換器(第1熱交換部)
33 蒸気排出路
34 復水タンク(復水部)
36 所内用水設備(復水処理部)
37 純水設備
38 復水流路
39 第1排水流路
40 排水タンク
42 揮発成分タンク
44 第2排水流路
46 貯炭場排水処理装置(排水処理部)
48 散水装置(散水手段)
49 貯炭場
54 バイオマス発電設備
55 バイオマス燃料供給路
67 炉内熱交換器(炉内熱交換部)
71 プラント
72 第2熱交換器(第2熱交換部)
81 プラント
82 第3熱交換器(第3熱交換部)
101 プラント
103 第4熱交換器(第4熱交換部)
Claims (10)
- 蒸気を過熱する過熱器を設けたボイラと、
前記ボイラで生成された蒸気によって回転駆動する蒸気タービンと、
前記蒸気タービンの回転駆動力によって発電する発電機と、
バイオマスを水熱処理する処理炉と、
前記処理炉で水熱処理されたバイオマスを乾燥させる乾燥炉と、
前記過熱器で過熱された過熱蒸気の一部を抽気し、前記処理炉に導く蒸気流路と、
前記乾燥炉の乾燥用熱源を供給する、前記ボイラから排ガス流路に排出される排ガスの保有熱量の少なくとも一部を前記乾燥炉に導く排ガス供給路と、
前記蒸気流路を流通する前記過熱蒸気の保有熱量を熱交換する第1熱交換部または炉内熱交換部と、
前記乾燥炉で乾燥されたバイオマスを搬送するバイオマス燃料供給路と、を備え、
前記バイオマス燃料供給路から燃焼用燃料を搬出可能とするとともに、
抽気された蒸気の温度は、前記第1熱交換部または前記炉内熱交換部で熱交換された後に前記処理炉の入口においてバイオマスが水熱処理可能な温度とされるプラント。 - 前記蒸気タービンから排出された蒸気を凝縮して復水させて前記ボイラに給水する循環流路と、
前記処理炉から排出された蒸気を凝縮して復水させる復水部と、
前記復水部による復水に対して不純物の除去処理を行い給水とする復水処理部と、
前記復水処理部による給水を循環流路に導く復水流路と、を備えた請求項1に記載のプラント。 - 前記ボイラで用いられる炭素含有固体燃料を貯蔵する貯炭場と、
前記処理炉で水熱処理されたバイオマスを脱水する脱水部と、
前記脱水部においてバイオマスから排出された排水から不純物を除去する処理を行う排水処理部と、
前記排水処理部で処理された排水を前記貯炭場に貯蔵されている前記炭素含有固体燃料に散水する散水手段と、を備えた請求項1または請求項2に記載のプラント。 - 前記排ガス供給路から導かれ前記乾燥炉を通過した排ガスを前記排ガス流路に戻す排ガス排出路と、
前記処理炉から排出される蒸気と、前記排ガス排出路を流通する排ガスとを熱交換する第2熱交換部と、を備えた請求項1から請求項3のいずれかに記載のプラント。 - 前記処理炉から排出された蒸気の保有熱量の少なくとも一部を前記乾燥炉の乾燥用熱源とする第3熱交換部を備えた請求項1から請求項4のいずれかに記載のプラント。
- 前記処理炉で水熱処理されたバイオマスを脱水する脱水部と、
前記処理炉から排出される蒸気と、前記脱水部においてバイオマスから排出された排水とを熱交換する第4熱交換部と、を備えた請求項1から請求項5のいずれかに記載のプラント。 - 発電用のボイラに設けられた過熱器で過熱された過熱蒸気の一部を抽気してバイオマスを水熱処理する処理炉と、
乾燥用熱源として、前記ボイラから排ガス流路に排出される排ガスの保有熱量の少なくとも一部が導かれ、前記処理炉で水熱処理されたバイオマスを乾燥させる乾燥炉と、
前記処理炉に供給される上流側で前記過熱蒸気の保有熱量を熱交換する第1熱交換部または炉内熱交換部と、
前記乾燥炉で乾燥されたバイオマスを搬送するバイオマス燃料供給路と、を備え、
前記バイオマス燃料供給路から燃焼用燃料を搬出可能とするとともに、
抽気された過熱蒸気の温度は、前記第1熱交換部または前記炉内熱交換部で熱交換された後に前記処理炉の入口においてバイオマスが水熱処理可能な温度とされる、バイオマス燃料製造システム。 - 請求項7に記載されたバイオマス燃料製造システムを用いてバイオマス燃料を製造するバイオマス燃料の製造方法。
- 請求項1から請求項6のいずれかに記載のプラントから搬送されたバイオマス燃料を利用するバイオマス発電設備であって、
前記プラントに設けられた前記バイオマス燃料供給路から搬送されたバイオマスを燃焼させるボイラと、
前記ボイラで生成された蒸気によって回転駆動する蒸気タービンと、
前記蒸気タービンの回転駆動力によって発電する発電機と、を備えたバイオマス発電設備。 - ボイラで生成された蒸気によって回転駆動する蒸気タービンの回転駆動力によって発電する発電工程と、
前記ボイラに設けられた過熱器で過熱された過熱蒸気の一部を抽気して処理炉に供給する供給工程と、
前記供給工程で供給された過熱蒸気によって、バイオマスを前記処理炉で水熱処理する水熱処理工程と、
前記処理炉で水熱処理されたバイオマスを乾燥炉で乾燥させる乾燥工程と、
前記処理炉に供給前記乾燥炉の乾燥用熱源として、前記ボイラから排ガス流路に排出される排ガスの一部を前記乾燥炉へ導く排ガス供給路を通過する排ガスの保有熱量の少なくとも一部と、前記処理炉に供給される上流側で抽気された過熱蒸気の保有熱量と第1熱交換部または炉内熱交換部と熱交換した熱量とする熱交換工程と、
前記乾燥炉で乾燥されたバイオマスをバイオマス燃料供給路から搬送するバイオマス燃料搬送工程と、を備え、
抽気された過熱蒸気の温度は、前記第1熱交換部または前記炉内熱交換部で熱交換された後に前記処理炉の入口においてバイオマスが水熱処理可能な温度とされるプラントの運転方法。
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JP2018027111A JP7102163B2 (ja) | 2018-02-19 | 2018-02-19 | プラント、バイオマス燃料製造システム及びバイオマス発電設備並びにプラントの運転方法及びバイオマス燃料の製造方法 |
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JPH05288327A (ja) * | 1992-04-07 | 1993-11-02 | Kumagai Gumi Co Ltd | エネルギのリサイクル装置 |
JP2001121196A (ja) * | 1999-08-19 | 2001-05-08 | Kobe Steel Ltd | シリカ含有泥土スラッジの処理方法 |
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JP2009220048A (ja) * | 2008-03-18 | 2009-10-01 | Taiheiyo Cement Corp | 含水有機汚泥の乾燥システム及び乾燥方法 |
-
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