JP2019138821A - 潤滑剤の流動状態解析方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】潤滑剤30の流動状態を立体的に把握できる、流動状態解析方法の提供。【解決手段】この流動状態解析方法は、(1)2枚のプレート間に形成され、光により発光する標識16を含む潤滑剤30からなる油膜を、油膜の厚さ方向に、油膜の位置を変えながら、標識16を発光させて、一方のプレート側から撮影手段を用いて撮影する予備撮影工程、(2)予備撮影工程で得られる、標識16の輝度に関する位置データから、標識16の輝度と標識16の位置との関係を取得する関係取得工程、(3)撮影手段26を用いて、標識16を発光させて潤滑剤30の流動状態を時系列で撮影する撮影工程、及び、(4)関係取得工程において得られる関係を用いて、撮影工程で得られる、標識16の輝度に関する時系列データから標識16の移動量を算出する算出工程を含み、標識16の輝度が標識16の最大輝度を含む部分の輝度により表わされる。【選択図】図4

Description

本発明は、潤滑剤の流動状態解析方法に関する。
二物体間が転がり接触又はすべり接触をする条件下では、オイル状又はグリース状の潤滑剤が接触部分に塗布される。二物体間に潤滑剤が介在し、二物体間の直接的な接触が防止されるので、接触面の摩滅、摩耗等の損傷の発生を防ぐことができる。
二物体間に存在する潤滑剤には、流動している部分もあれば、流動せずに淀んでいる部分もある。潤滑剤の流動状態を把握することができれば、接触面の損傷の発生を効果的に防止できる見込みがある。流体の流動状態を把握するための方法として、粒子画像流速測定法が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2004−069494号公報
前述の粒子画像流速測定法では、カメラで撮影した画像に基づいて粒子の挙動が追跡される。画像に映し出される粒子の動きに着目するため、粒子の挙動は二次元で把握される。粒子の挙動もそうであるが、潤滑剤の流動は三次元で展開する。このため、平面的ではなく立体的に潤滑剤の流動状態を把握したいというニーズがある。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、潤滑剤の流動状態を立体的に把握することができる、潤滑剤の流動状態解析方法を提供することを目的とする。
本発明に係る潤滑剤の流動状態解析方法は、光により発光する標識を含む潤滑剤を介して互いに接触する第一部材及び第二部材において、当該潤滑剤の流動状態を解析する、潤滑剤の流動状態解析方法であって、
(1)2枚のプレート間に形成され前記潤滑剤からなる油膜を、当該油膜の厚さ方向に当該油膜の位置を変えながら、前記標識を発光させて、一方のプレート側から撮影手段を用いて撮影する予備撮影工程、
(2)前記予備撮影工程で得られる、前記標識の輝度に関する位置データから、当該標識の輝度と当該標識の位置との関係を取得する関係取得工程、
(3)前記撮影手段を用いて、前記標識を発光させて前記潤滑剤の流動状態を時系列で撮影する撮影工程、及び、
(4)前記関係取得工程において得られる前記関係を用いて、前記撮影工程で得られる、前記標識の輝度に関する時系列データから当該標識の移動量を算出する算出工程
を含んでおり、
前記標識の輝度が当該標識の最大輝度を含む部分の輝度により表わされることを特徴としている。
この潤滑剤の流動状態解析方法では、標識の輝度が、当該標識の最大輝度を含む部分の輝度により表わされるので、撮影手段により得られる画像において、この標識の特定は容易である。この潤滑剤の流動状態解析方法では、画像において境界の把握が容易な粒子だけでなく、この境界の把握が容易でない、潤滑剤の増ちょう剤も標識として用いることができる。
この潤滑剤の流動状態解析方法では、関係取得工程で取得される、標識の輝度とこの標識の位置との関係を用いることにより、撮影工程で得られる時系列データにおける標識の輝度変化から、流動状態にある潤滑剤における、奥行方向での標識の移動量が把握できる。さらにこの時系列データにおける標識の位置変化から面内でのこの標識の移動量も把握できるので、この潤滑剤の流動状態解析方法では、潤滑剤の流動状態を立体的に把握することができる。しかもこの潤滑剤の流動状態解析方法では、少なくとも一台、撮影手段があれば、流動状態の立体的な把握が可能であるので、流動状態の立体的な把握のために複数の撮影手段を用いる必要もない。
好ましくは、この潤滑剤の流動状態解析方法では、前記撮影手段の被写界深度は浅い。かかる構成によれば、標識の移動を輝度の変化に反映させやすい。この潤滑剤の流動状態解析方法では、潤滑剤の流動状態の把握が容易である。
本発明の潤滑剤の流動状態解析方法によれば、潤滑剤の流動状態を立体的に把握することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る潤滑剤の流動状態解析方法に含まれる予備撮影工程で用いられる予備測定装置の概要が示された概略図である。 図2は、潤滑剤の流動状態を解析するために用いられる標識の画像及び輝度分布が示された概念図である。 図3は、関係取得工程で得られる標識の輝度とこの標識の位置との関係が示されたグラフである。 図4は、撮影工程において、潤滑剤の流動状態を撮影している状況が示された概略図である。 図5は、本発明の潤滑剤の流動状態解析方法により得られる、潤滑剤の流動状態の時系列変化が示されたグラフである。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
本発明の一実施形態に係る潤滑剤の流動状態解析方法は、光により発光する標識を含む潤滑剤を用いて、この潤滑剤を介して互いに接触する第一部材及び第二部材における、この潤滑剤の流動状態の解析に用いることができる。以下に、この潤滑剤の流動状態解析方法について説明する。
[潤滑剤]
この流動状態解析方法が対象とする潤滑剤は、オイルを含んでいる。この流動状態解析方法では、潤滑剤の基油として用いることができるオイルであれば、このオイルに特に制限はない。この流動状態解析方法では、オイルに増ちょう剤を分散させてグリース状に調整した潤滑剤も用いることができる。
この流動状態解析方法では、潤滑剤は光により発光する標識を含む。このような標識としては、蛍光物質が挙げられる。蛍光物質は、レーザー光の照射により蛍光を発する。この蛍光物質としては、例えば、ローダミンB、ローダミン6G等の蛍光染料が挙げられる。ポリプロピレン等の基材ポリマーに蛍光物質を混合し粒子状に加工して得られる蛍光粒子を、標識として用いてもよい。
前述の増ちょう剤には、例えば、ウレア系の増ちょう剤のように、レーザー光の照射により蛍光を発する増ちょう剤が存在する。したがって、レーザー光の照射により蛍光を発する増ちょう剤も、前述の標識として用いることができる。
この流動状態解析方法では、以上説明した潤滑剤を用いて、この潤滑剤を介して互いに接触する第一部材及び第二部材における、この潤滑剤の流動状態が解析される。この流動状態解析方法は、予備撮影工程、関係取得工程、撮影工程及び算出工程を含んでいる。
[予備撮影工程]
図1には、予備撮影工程で用いられる予備測定装置2の概要が模式的に示されている。この予備測定装置2は、試料セル4と、レーザー光源6と、撮影手段8と、光学フィルタ10とを備えている。
試料セル4は、2枚のプレート12を備えている。これらのプレート12は、無色透明なアクリル樹脂製のプレートである。これらのプレート12に、無色透明なガラスプレートが用いられてもよい。
この予備測定装置2では、2枚のプレート12間に潤滑剤を介在させて、これらのプレート12の間にこの潤滑剤からなる油膜14が形成される。油膜14の厚さは、例えば、5μm〜1mmの範囲で適宜設定される。この図1において、左右方向は油膜14の厚さ方向である。
試料セル4は、図示されない移動手段により油膜14の厚さ方向に移動可能に、この予備測定装置2にセットされる。具体的には、この移動手段により、試料セル4は、撮影手段8に近づく方向、すなわち、手前側に移動させられる。この移動手段により、この試料セル4は、撮影手段8から遠ざかる方向、すなわち、奥側に移動させられる。図1において、両矢印Sは試料セル4の移動方向を表している。試料セル4には油膜14が形成されているので、この試料セル4の移動方向は油膜14の移動方向でもある。
レーザー光源6は、試料セル4に向けレーザー光を出力する。このレーザー光により、前述の標識は励起され、蛍光を放出する。このレーザー光は、標識を発光させる。このようなレーザー光源6としては、YAGレーザーが挙げられる。
撮影手段8は、手前側のプレート12a、すなわち、一方のプレート12aを介して油膜14に対向するように配置される。この撮影手段8は、一方のプレート12aの側から油膜14を撮影する。
この予備測定装置2では、撮影手段8はカメラである。このカメラとしては、一眼レフカメラ及び高速度カメラが挙げられる。
この予備測定装置2では、光学フィルタ10は、撮影手段8と一方のプレート12aとの間に配置される。この光学フィルタ10は、特定の範囲の波長を有する光のみを通過させ、それ以外の波長を有する光を通過せない光学素子である。この予備測定装置2では、光学フィルタ10は、標識が発する蛍光のみを通過させるように構成されている。したがって、撮影手段8により撮影される画像は、標識が発する蛍光に基づく輝度分布により構成される。
予備撮影工程は、以上説明した予備測定装置2において実施される。この予備撮影工程では、2枚のプレート12間に潤滑剤からなる油膜14が形成された、試料セル4が準備される。試料セル4をこの予備測定装置2にセットした後、レーザー光源6からレーザー光が試料セル4の油膜14に向けて照射される。標識を発光させて、撮影手段8を調整して撮影手段8の焦点が油膜14に合わせられる。油膜14に含まれる標識が確認できる場合には、この標識に焦点が合わせられる。焦点の調整後、この撮影手段8により、一方のプレート12aの側から油膜14が撮影される。撮影後、移動手段(図示されず)により、例えば撮影手段8から遠ざかる方向に試料セル4が移動させられる。移動後、撮影手段8の焦点は変化させないで、一方のプレート12aの側から油膜14が撮影される。
この予備撮影工程では、試料セル4を油膜14の厚さ方向に移動させながら、言い換えれば、油膜14の位置をこの油膜14の厚さ方向に変えながら、撮影手段8の焦点は変化させずに、油膜14の撮影が繰り返される。これにより、標識の輝度に関する位置データが得られる。この予備撮影工程では、試料セル4の、油膜14の厚さ方向への移動のピッチは、例えば、1μm〜100μmの範囲で適宜設定される。
[関係取得工程]
関係取得工程では、前述の予備撮影工程で得られる、標識の輝度に関する位置データから、標識の輝度と標識の位置との関係が取得される。以下に、この関係取得工程で取得される、標識の輝度と標識の位置との関係について説明する。
図2には、標識16として蛍光粒子を用いた場合に、予備撮影工程で得られる標識16の輝度分布の一例が模式的に示されている。この図2において、上側は、この予備撮影工程で撮影された標識16の画像である。下側は、標識16の画像においてこの標識16が最大輝度を示す位置を通過する線(図2のa−a線及びb−b線)に沿って得られる輝度分布が示されたグラフである。このグラフにおいて、横軸は輝度の計測位置を表しており、縦軸は輝度を表している。
図2(a)には、撮影手段8の焦点を標識16に合わせて撮影された画像及びこの画像に基づく輝度分布が示されている。標識16に焦点を合わせて画像が撮影されているので、画像において標識16の輪郭が明確に確認できる。輝度分布においても、この標識16がシャープなピークとして認められる。
図2(b)には、油膜14を撮影手段8から遠ざかる方向に移動させて撮影された画像及びこの画像に基づく輝度分布が示されている。この図2(b)では、撮影手段8から油膜14を遠ざけた以外は、図2(a)の画像を撮影するための条件と同じ条件で、すなわち、撮影手段8の焦点は変化させないで、同じ標識16が撮影されている。このため、この図2(b)に示されているように、画像においては、標識16に対する撮影手段8の焦点がずれ、標識16の輪郭がぼやけてしまう。輝度分布においては、標識16の輝度が全体として低下するとともに、この標識16はブロードなピークとして認められる。図2(b)において、点線で示された円は輝度分布から想定される標識16の輪郭を表している。
発明者は、以上の事実について鋭意検討し、標識16と標識16以外の部分との境界を見極めることは難しい、不鮮明な画像であっても、標識16の輝度分布において、最大輝度の位置を特定することは容易である点、そして、最大輝度を含む部分16aの輝度は撮影手段8に対する標識16の位置と相関している点に着目し、図3に示されるような、標識16の輝度と、この標識16の位置との関係を示すグラフを得るに至っている。すなわち、この関係取得工程では、前述の予備撮影工程で得られる、標識16の輝度に関する位置データから、図3に示されるような、標識16の輝度と標識16の位置との関係が取得される。
本発明においては、標識16の輝度は、この標識16の輝度分布において、最大輝度を含む部分16aの輝度で表される。この流動状態解析方法では、標識16の輝度は最大輝度で表わされてもよい。この標識16の輝度が、この最大輝度を含む部分16aにおける輝度の平均値により表わされてもよい。例えば、図2に示された輝度分布においては、両矢印Rで示される最大輝度を含む部分16aの大きさは、レンズによって異なるが、1μm〜数10μmの範囲で設定される。
[撮影工程]
撮影工程では、予備撮影工程で使用した潤滑剤と同じ潤滑剤を用いて、潤滑剤の流動状態が時系列で撮影される。この撮影工程では、図4に示された測定装置18を用いて、潤滑剤の流動状態が再現される。
撮影工程で用いられる測定装置18は、第一部材としての平板20と、第二部材としての玉22と、レーザー光源24と、撮影手段26と、光学フィルタ28とを備えている。平板20は、無色透明なアクリル樹脂からなる。無色透明なガラスプレートが、この平板20として用いられてもよい。玉22は、鉄等の金属製の球体である。玉22の表面は、研磨加工により1μm以下の表面粗さに仕上げられている。レーザー光源24、撮影手段26及び光学フィルタ28には、図1に示された予備測定装置2におけるレーザー光源6、撮影手段8及び光学フィルタ10と同じものが用いられている。
この測定装置18では、玉22と平板20とには潤滑剤30が塗布される。図4において、符号Pで示された範囲は接触部と称される。この接触部Pは、玉22と平板20とが接触する接触点を含み、一定の広がりを有する範囲である。この測定装置18においては、玉22と平板20とは潤滑剤30を介してこの接触部Pにおいて接触する。なお、この図4においては、符号Cで示される位置が接触部Pに含まれる接触点の位置である。さらにこの図4において、符号Mで示されているのは、玉22に付着している標識16としての蛍光粒子である。
この測定装置18では、所定の大きさの力で玉22は平板20に向けて付勢されている。玉22は矢印Rで示す向きに回転するとともに、平板20は矢印Sで示す向きに移動している。この測定装置18では、玉22と平板20とは互いに転がり接触をしている。潤滑剤30は、玉22の回転及び平板20の移動により、接触部Pに流入していく。接触部Pにある潤滑剤30の一部は玉22に付着し、他の一部は平板20に付着する。こうして、潤滑剤30は接触部Pから流出していく。この測定装置18では、転がり接触における潤滑剤30の流動状態が再現される。この流動状態解析方法では、例えば、第一部材として相手部材を用い、第二部材としてこの相手部材に摺接するシール部材を用いて、シール部材の摺動状態における潤滑剤30の流動状態が測定装置において再現されてもよい。
撮影工程は、以上説明した測定装置18において実施される。前述したように、この撮影工程では、測定装置18において、転がり接触における潤滑剤30の流動状態が再現される。レーザー光源24からレーザー光が接触部Pに向けて照射される。潤滑剤30に含まれる標識16を発光させて、撮影手段26を用いて、平板20の側から接触部Pにある潤滑剤30が時系列で撮影される。これにより、標識16の輝度に関する時系列データが得られる。この撮影工程では、撮影の時間間隔は0.01ミリ秒から1ミリ秒の範囲で適宜設定される。
この撮影工程で得られる時系列データにおいて、ある時刻におけるデータと、その次の時刻におけるデータを対比することにより、標識16の位置変化に関するデータと、標識16の輝度変化に関するデータとが得られる。標識16の位置変化に関するデータを用いることにより、画像内、すなわち面内での標識16の移動が把握できる。標識16の輝度変化に関するデータを用いることにより、画像の奥側、すなわち奥行方向での標識16の移動が把握できる。後述する算出工程では、標識16の輝度変化に関するデータが用いられる。なお、画像の奥行方向は、前述の予備撮影工程における油膜14の厚さ方向に相当する。
[算出工程]
算出工程では、図3に示された標識16の輝度とこの標識16の位置との関係を用いて、撮影工程で得た、輝度に関する時系列データから、各時刻における、奥行方向での標識16の位置が特定される。特定された位置から、時刻間における標識16の移動量、又は流速が算出される。標識16は、潤滑剤30の流動に沿って移動するので、この標識16の移動量、又は流速は潤滑剤30の流動状態を表す指標として用いることができる。
図5には、この流動状態解析方法の適用例が示されている。この図5には、図4に示された測定装置18において接触部Pを通過する標識16、詳細には、玉22に付着している蛍光粒子Mの動きに関する解析結果が示されている。この図5において、横軸は時間(単位はミリ秒)を表しており、縦軸は流速(単位はm/s)を表している。
図5において、Vx及びVyで示されたプロットは標識16の位置変化に着目して得られる、面内での標識16の流速である。流速Vxは、図4を示す紙面に対して垂直な方向における潤滑剤30の流速に対応している。流速Vyは、この図4の左右方向における潤滑剤30の流速に対応している。この流速Vx及び流速Vyは、従来の方法により算出される。
この図5において、Vzで示されたプロットは、標識16の輝度変化に着目して得られる、奥行方向での標識16の流速である。この流速Vzは、図4の上下方向における潤滑剤30の流速に対応している。この流速Vzが、前述した流動状態解析方法により得られる。
図5に示されているように、解析範囲における、流速Vx及びVyは、ほぼ0m/sで推移している。このことから、この解析範囲においては、面内における標識16の位置に変化はほとんど認められないことが理解される。
流速Vzに関しては、0.15ミリ秒において約3m/sの流速Vzが確認されている。その後、この流速Vzは約0m/sに収束し、さらにその後、0.6ミリ秒において約−1m/sに達していることが確認されている。この時間経過に伴う流速Vzの変化は、標識16が接触点Cに近づいていき、接触点Cに到達後、この接触点Cから遠ざかっていくことを表している。
図5に示された解析結果からは、標識16が玉22に付着した状態が維持されていることが確認される。つまり、この解析結果から、この事例においては、玉22に付着した潤滑剤30は接触部Pの通過の際にこの玉22から剥がれることなくこの玉22に付着したままであることが理解される。
以上説明したように、この流動状態解析方法では、まず、標識16の輝度は、この標識16の最大輝度を含む部分の輝度により表わされる。このため、撮影手段26により得られる画像において、この標識16の特定は容易である。しかもこの流動状態解析方法では、画像において境界の把握が容易な粒子だけでなく、この境界の把握が容易でない、潤滑剤30の増ちょう剤も標識16として用いることができる。
この流動状態解析方法では、関係取得工程で取得される、標識16の輝度とこの標識16の位置との関係を用いることにより、撮影工程で得られる時系列データにおける標識16の輝度変化から、流動状態にある潤滑剤30における、奥行方向での標識16の移動量が把握できる。さらにこの時系列データにおける標識16の位置変化から面内での標識16の移動量も把握できるので、この潤滑剤30の流動状態解析方法では、潤滑剤30の流動状態を立体的に把握することができる。しかもこの潤滑剤30の流動状態解析方法では、少なくとも一台、撮影手段26があれば、流動状態の立体的な把握が可能であるので、流動状態の立体的な把握のために複数の撮影手段26を用いる必要もない。
前述したように、この流動状態解析方法では、時系列データにおける標識16の輝度変化に基づいて、奥行方向における標識16の位置変化が把握される。このため、この流動状態解析方法では、撮影手段26の被写界深度は浅く設定されるのが好ましい。これにより、標識16の移動が輝度変化に反映されやすくなり、潤滑剤30の流動状態の把握が容易となる。
本発明において、「被写界深度が浅い」とは、ある一点に焦点を合わせたときに、被写体である標識16が鮮明に写る深度方向(すなわち、画像の奥行方向)の範囲が狭いことを意味している。浅い被写界深度の設定は、撮影手段8、26の絞りを開く、焦点距離を長く設定する、被写体である標識16までの距離を近づける等により行われる。
この流動状態解析方法では、標識16の移動を輝度変化に効果的に反映させることができる観点から、被写体である標識16が鮮明に写る深度方向の範囲としては、100μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましい。
以上の説明から明らかなように、本発明の潤滑剤30の流動状態解析方法によれば、撮影工程で用いる撮影手段26には、予備撮影工程で用いる撮影手段8を用いることができるので、少なくとも一台、撮影手段があれば、潤滑剤30の流動状態の立体的な把握が可能である。
今回開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は前述の実施形態に限定されるものではなく、この技術的範囲には特許請求の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。
2:予備測定装置、 4:試料セル、 6、24:レーザー光源、 8、26:撮影手段、 10、28:光学フィルタ、 12、12a:プレート、 14:油膜、 16:標識、 16a:標識16の最大輝度を含む部分、 18:測定装置、 20:平板、
22:玉、 30:潤滑剤

Claims (2)

  1. 光により発光する標識を含む潤滑剤を介して互いに接触する第一部材及び第二部材において、当該潤滑剤の流動状態を解析する、潤滑剤の流動状態解析方法であって、
    2枚のプレート間に形成され前記潤滑剤からなる油膜を、当該油膜の厚さ方向に当該油膜の位置を変えながら、前記標識を発光させて、一方のプレート側から撮影手段を用いて撮影する予備撮影工程と、
    前記予備撮影工程で得られる、前記標識の輝度に関する位置データから、当該標識の輝度と当該標識の位置との関係を取得する関係取得工程と、
    前記撮影手段を用いて、前記標識を発光させて前記潤滑剤の流動状態を時系列で撮影する撮影工程と、
    前記関係取得工程において得られる前記関係を用いて、前記撮影工程で得られる、前記標識の輝度に関する時系列データから当該標識の移動量を算出する算出工程と
    を含んでおり、
    前記標識の輝度が、当該標識の最大輝度を含む部分の輝度により表わされる、潤滑剤の流動状態解析方法。
  2. 前記撮影手段の被写界深度が浅い、請求項1に記載の潤滑剤の流動状態解析方法。




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