JP2019138275A - 車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】低温時に気体燃料インジェクタの貼り付きによるエンジン停止を防止できる車両の制御装置を提供すること。【解決手段】ECUは、気体燃料インジェクタが所定の低温状態にある場合(ステップS2でYES)、スタータの駆動と協働して気体燃料インジェクタを駆動してエンジンを始動する(ステップS9)前に、気体燃料インジェクタを一時的に駆動する(ステップS8)。また、ECUは、気体燃料インジェクタが所定の低温状態にある場合(ステップS2でYES)、スタータの駆動と協働して液体燃料インジェクタを駆動してエンジンを始動(ステップS10)した後であって気体燃料によるエンジンの運転に切替える前に、気体燃料インジェクタを一時的に駆動する(ステップS11)。【選択図】図2
Description
本発明は、車両の制御装置に関する。
従来、CNG(Compressed Natural Gas:圧縮天然ガス)等の気体燃料でエンジンを運転する車両において、気体燃料インジェクタは、低温状態で、噴射弁に付着した不純物の粘度が増加し、通常の弁吸引に必要な時間では吸引力が不足して、噴射弁が開弁することができない場合がある。
そこで、特許文献1に記載のものは、この低温状態を水温センサで判断し、噴射弁が粘着状態になる低温にある条件下において、通常時に設定されている所定の弁吸引に必要な時間よりも時間を延長させて電源電圧を印加している。これにより、吸引力が増大し、またコイルの温度上昇により、噴射弁も加温されて不純物の粘度が低下して固着が解消される。
しかしながら、気体燃料インジェクタの貼り付き(固着)が発生するような低温状態にあっては、バッテリの放電能力も低下している。また、大電流を消費するスタータの駆動時は、バッテリから他の電装品へ供給される電力も低下する。そのため、特許文献1に記載の技術にあっては、低温状態下でスタータと気体燃料インジェクタとが同時に駆動された場合、気体燃料インジェクタの貼り付きを解消するための十分な電流が気体燃料インジェクタに供給されないおそれがあった。
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたもので、低温時に気体燃料インジェクタの貼り付きによるエンジン停止を防止できる車両の制御装置を提供することを目的としている。
本発明は、上記目的達成のため、気体燃料により運転するエンジンと、前記エンジンに前記気体燃料を噴射する気体燃料インジェクタと、前記エンジンをクランキングする始動装置と、を備える車両に搭載され、前記気体燃料インジェクタを制御する制御部を備える車両の制御装置であって、前記制御部は、前記気体燃料インジェクタが所定の低温状態にある場合、前記始動装置の駆動と協働して前記気体燃料インジェクタを駆動して前記エンジンを始動する前に、前記気体燃料インジェクタを一時的に駆動することを特徴とする。
本発明によれば、低温時に気体燃料インジェクタの貼り付きによるエンジン停止を防止できる。
本発明の一実施の形態に係る車両の制御装置は、気体燃料により運転するエンジンと、エンジンに気体燃料を噴射する気体燃料インジェクタと、エンジンをクランキングする始動装置と、を備える車両に搭載され、気体燃料インジェクタを制御する制御部を備える車両の制御装置であって、制御部は、気体燃料インジェクタが所定の低温状態にある場合、始動装置の駆動と協働して気体燃料インジェクタを駆動してエンジンを始動する前に、気体燃料インジェクタを一時的に駆動することを特徴とする。これにより、本発明の一実施の形態に係る車両の制御装置は、低温時に気体燃料インジェクタの貼り付きによるエンジン停止を防止できる。
以下、図1から図3を参照して、本発明の一実施例について説明する。図1に示すように、本発明の一実施例に係る車両の制御装置を搭載した車両1は、エンジン10と、このエンジン10に燃料を供給する燃料供給装置20と、制御部としてのECU100とを含んで構成されている。
本実施例において、車両1は、バイフューエル自動車であり、エンジン10は、気体燃料又は液体燃料を選択的に利用可能なバイフューエルエンジンである。気体燃料としてCNGを使用し、液体燃料としてガソリンを使用する。
エンジン10は、不図示のエアクリーナと、スロットルバルブ11と、サージタンク12と、吸気マニホールド14とを、空気の通過方向における上流側から下流側に向けて順に備えている。
サージタンク12に流入した空気は、エンジン10に設けられた複数(本実施例では4つ)の気筒13に個別対応する吸気マニホールド14に分流される。
各気筒13では、4つの工程が順番に行われる。詳しくは、ピストン15が上死点から図1における下方に移動するタイミングで、気筒13内には吸気バルブ16を介して混合燃料が供給される(吸気工程)。そして、混合燃料が供給された気筒13内では、ピストン15の図1における上方への移動によって混合燃料が圧縮される(圧縮工程)。
その後、上死点に到達したピストン15が再び図1における下方に移動し始めるタイミングで、不図示のプラグの点火によって気筒13内で混合燃料が燃焼し、この燃焼による推進力がピストン15を介してクランクシャフト17に伝達される(燃焼工程)。
その後、クランクシャフト17が、伝達された推進力によって規定の方向に回転し、下死点に到達したピストン15が、図1における上方に移動し、燃焼した混合燃料である排気ガスが、排気バルブ18を介して気筒13外に排気される(排気工程)。
次に、燃料供給装置20について説明する。燃料供給装置20は、液体燃料供給系30及び気体燃料供給系40を備えている。液体燃料供給系30は、液体燃料タンク31に貯留される液体燃料をエンジン10の各気筒13に供給する。気体燃料供給系40は、気体燃料タンク41に高圧で貯留される気体燃料をエンジン10の各気筒13に供給する。
液体燃料供給系30は、液体燃料タンク31内から液体燃料を吸引する燃料ポンプ32と、この燃料ポンプ32から吐出された燃料が圧送される液体燃料デリバリパイプ33と、液体燃料デリバリパイプ33に連結された液体燃料インジェクタ34とを備えている。
液体燃料インジェクタ34は、エンジン10の各気筒13に個別対応する各吸気ポート19に液体燃料を噴射する。液体燃料の噴射タイミングおよび噴射時間の長さは、ECU100によって制御される。
気体燃料供給系40は、気体燃料タンク41に接続される高圧燃料配管42と、この高圧燃料配管42の下流端(図1では右端)に接続される気体燃料デリバリパイプ43と、気体燃料デリバリパイプ43に連結された気体燃料インジェクタ47とを備えている。
気体燃料タンク41は、常閉型の電磁弁を備えた元弁44を介して高圧燃料配管42に接続されている。元弁44はECU100によって開閉動作される。元弁44が閉弁状態である場合、気体燃料タンク41内は密閉状態となる。
また、高圧燃料配管42には、元弁44よりも下流側(図1における右側)に遮断弁45が設けられている。遮断弁45はECU100によって開閉動作される。元弁44および遮断弁45がともに開弁状態である場合には、気体燃料タンク41内の気体燃料が高圧燃料配管42を介して気体燃料デリバリパイプ43に供給される。遮断弁45が閉弁状態になった場合には、気体燃料デリバリパイプ43に気体燃料が供給されなくなる。
また、高圧燃料配管42には、遮断弁45よりも下流側にレギュレータ46が設けられている。レギュレータ46は、規定の燃圧の気体燃料が気体燃料デリバリパイプ43に供給されるように、気体燃料タンク41(即ち、上流側)から供給される気体燃料の圧力、即ち燃圧を減圧させる。
気体燃料インジェクタ47は、エンジン10の各気筒13に個別対応する各吸気マニホールド14に気体燃料を噴射する。本実施例では、気体燃料の噴射タイミングおよび噴射時間の長さは、ECU100によって制御される。
エンジン10には始動装置としてのスタータ52が設けられており、このスタータ52は、エンジン10のクランクシャフト17に連結されたフライホイール53を回転させること(以下、クランキングともいう)によって、エンジン10を始動する。
車両1は燃料選択部としての燃料選択スイッチ51を備えており、燃料選択スイッチ51により、エンジン10の燃料として気体燃料又は液体燃料の何れを用いるかの選択操作がドライバにより行われる。
車両1は、吸気経路を通過する空気の温度を検出する吸気温度センサ54と、エンジン10を流通する冷却水の温度を検出する冷却水温度センサ55とを備えている。
車両1は気体燃料温度センサ56を備えている。気体燃料温度センサ56は、気体燃料デリバリパイプ43に設けられており、気体燃料デリバリパイプ43内の気体燃料の温度を検出する。これらの吸気温度センサ54、冷却水温度センサ55及び気体燃料温度センサ56の検出信号はECU100に入力される。
次に、ECU100について説明する。ECU100は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、フラッシュメモリと、入力ポートと、出力ポートとを備えたコンピュータユニットによって構成されている。
ECU100のROMには、各種制御定数や各種マップ等とともに、当該コンピュータユニットをECU100として機能させるためのプログラムが記憶されている。すなわち、ECU100において、CPUがROMに記憶されたプログラムを実行することにより、当該コンピュータユニットは、ECU100として機能する。
ECU100の入力ポートには、吸気温度センサ54、冷却水温度センサ55、気体燃料温度センサ56が接続されている。ECU100の入力ポートには、不図示のクランク角センサおよびアクセルポジションセンサ等の各種のセンサ類が接続されている。
ECU100の出力ポートには、気体燃料インジェクタ47、液体燃料インジェクタ34及びスタータ52を含む各種の制御対象が接続されている。ECU100は、各センサ類の検出信号に基づいて、各制御対象を制御する。
本実施例では、ECU100は、車両1の制御システムを構成しており、図示しないイグニッションスイッチがドライバにより操作されることによって制御動作を開始する。イグニッションスイッチは、OFF(システム終了)位置、ON(システム起動)位置、START(エンジン始動)位置の何れかに操作可能に構成されている。
ECU100は、イグニッションスイッチがON位置に操作されることにより起動して制御動作を開始し、イグニッションスイッチがOFF位置に操作されることにより制御動作を終了する。
ここで、ドライバの操作によりシステムが起動されると、1回のドライビングサイクルが開始する。また、ドライバの操作によりシステムが終了されると、そのドライビングサイクルは終了する。
また、ドライバによって始動操作、すなわちイグニッションスイッチのSTART位置への操作が行われると、イグニッションスイッチからの検出信号に応じてECU100がスタータ52を駆動する。
ECU100は、気体燃料又は液体燃料のうち、ドライバによる燃料選択スイッチ51の操作により選択されている燃料を用いて、エンジン10を運転するようになっている。ECU100は、燃料選択スイッチ51により気体燃料が選択されている場合は気体燃料インジェクタ47を駆動し、液体燃料が選択されている場合は液体燃料インジェクタ34を駆動する。
なお、イグニッションスイッチがOFF位置からON位置に操作されてシステムが起動した初期状態では、液体燃料が初期値として設定されている。そのため、ドライバは、液体燃料を用いてエンジン10を始動することを意図する場合には燃料選択スイッチ51を操作する必要がない。
ドライバの始動操作によりスタータ52が駆動されると、ECU100は、スタータ52の駆動と協働して、液体燃料インジェクタ34又は気体燃料インジェクタ47を駆動する。なお、ドライバの始動操作にECU100を介入させずに、ドライバの始動操作により直接的にスタータ52が駆動されるようにしてもよい。この場合、ECU100は、スタータ52の駆動の有無やエンジンの回転の有無を監視することにより、スタータ52の駆動と協働して液体燃料インジェクタ34又は気体燃料インジェクタ47を駆動することができる。
本実施例の車両1のように、気体燃料と液体燃料を用いるバイフューエル自動車にあっては、低温状況下において、気体燃料中の水分等が気体燃料インジェクタ47内で凍結した場合、気体燃料インジェクタ47の貼り付き(弁体の固着)が発生するおそれがある。
気体燃料インジェクタ47に貼り付きが発生すると、気体燃料インジェクタ47の開弁動作が妨げられてしまうため、気体燃料を用いたエンジン10の運転が困難になるおそれがある。
この課題に対し、本実施例では、ECU100は、気体燃料インジェクタ47が貼り付きを発生する所定の低温状態にある場合、気体燃料によるエンジン10の始動前、又は液体燃料によるエンジン10の始動直後の期間に、気体燃料インジェクタ47を一時的に駆動し、気体燃料インジェクタ47の貼り付きを解消するようになっている。
ECU100には、気体燃料インジェクタ47が凍結により貼り付きを発生する温度ECU100は、実験等から求めた温度閾値を記憶しており、気体燃料温度センサ56が検出した気体燃料の温度が温度閾値以下である場合に、気体燃料インジェクタ47が所定の低温状態にあると判断する。本実施例では、気体燃料の温度を気体燃料温度センサ56により直接検出することにより、気体燃料インジェクタ47が所定の低温状態にあることを精度よく検出することができる。
なお、エンジン10の冷機始動前は、エンジンルーム内の各部の温度が外気温度とほぼ等しいため、気体燃料温度センサ56、吸気温度センサ54、冷却水温度センサ55の検出温度が相互に近似する。また、図示しないセンサにより検出した外気温度やオイル油温も相互に近似する。
そこで、気体燃料温度センサ56の検出する温度に代わって、吸気温度、冷却水温度、外気温度又はオイル油温のうち何れか又はこれらの組み合せにより、気体燃料インジェクタ47が所定の低温状態にあるか否かを判定するようにしてもよい。
また、気体燃料インジェクタ47が所定の低温状態にある場合は図示しないバッテリの放電能力も低下している。そのため、気体燃料インジェクタ47を貼り付き解消のために一時的に駆動する際に、大電流を消費するスタータ52の駆動が同時に行われた場合、気体燃料インジェクタ47に十分な電流を供給できず、気体燃料インジェクタ47の貼り付きを解消できなくなるおそれがある。
そこで、本実施例において、ECU100は、貼り付き解消のための気体燃料インジェクタ47の一時的な駆動を完了した後に、エンジン10始動のためのスタータ52及び気体燃料インジェクタ47の駆動を行うようになっている。より詳しくは、ECU100は、スタータ52の駆動と協働して気体燃料インジェクタ47を駆動してエンジン10を始動する前に、予め気体燃料インジェクタ47を一時的に駆動し、気体燃料インジェクタ47の貼り付きを解消しておくようになっている。
一方、液体燃料を用いてエンジン10を始動した場合、始動後のエンジン10の熱によって気体燃料インジェクタ47の貼り付きが徐々に解消されていくが、貼り付きが解消される前にエンジン10が気体燃料による運転に切替えられることがあり得る。
エンジン10が気体燃料による運転に切替えられた際に気体燃料インジェクタ47の貼り付きが解消されていなかった場合、気体燃料の噴射量が低下し、エンジン回転数が一時的に低下するおそれがある。
そこで、ECU100は、気体燃料インジェクタ47が所定の低温状態にあるときに液体燃料を用いてエンジン10を始動した場合、エンジン10の始動後、エンジン10が気体燃料による運転に切替えられる前に、予め気体燃料インジェクタ47を一時的に駆動し、気体燃料インジェクタ47の貼り付きを解消しておくようになっている。
次に、図2を参照して、ECU100の詳細な動作ついて説明する。
図2に示すように、ECU100は、まず、車両制御用のシステムが起動されているか否かの判定を繰り返す(ステップS1)。ステップS1でシステムが起動されている場合、ECU100は、後述するステップS2以降の制御を開始する。
ステップS1でシステムが起動されている場合、ECU100は、気体燃料インジェクタ47が所定の低温状態であるか否かを判定する(ステップS2)。ここでは、気体燃料温度センサ56の検出した気体燃料温度が所定の温度閾値未満である場合、ECU100は、気体燃料インジェクタ47が所定の低温状態であると判定する。
ステップS2で気体燃料インジェクタ47が所定の低温状態である場合、ECU100は、初回始動判定を実行する(ステップS3)。このステップS3では、ECU100は、今回のドライビングサイクル中にエンジン10がまだ一度も始動されていない場合、初回始動と判定し(ステップS3でYES)、一度でも始動された履歴がある場合は初回始動以外であると判定する(ステップS3でNO)。なお、エンジンストール後の始動操作によるエンジン始動、アイドルストップ後の再始動は初回始動とは判定されず、初回始動以外と判定される。
ステップS3で初回始動以外である場合、ECU100は、燃料選択判定を実行する(ステップS4)。このステップS4では、ECU100は、エンジン10の使用燃料として液体燃料が選択されている場合にYESと判定し、気体燃料が選択されている場合にNOと判定する。
ステップS4で気体燃料が選択されている場合、ECU100は、ドライバの始動操作に応じて気体燃料によりエンジン10を始動し(ステップS6)、今回の動作を終了する。
ステップS4で液体燃料が選択されている場合、ECU100は、ドライバの始動操作に応じて液体燃料によりエンジン10を始動し(ステップS7)、今回の動作を終了する。
一方、ステップS3で初回始動である場合、ECU100は、燃料選択判定を実行する(ステップS5)。このステップS5では、ECU100は、エンジン10の使用燃料として液体燃料が選択されている場合にYESと判定し、気体燃料が選択されている場合にNOと判定する。
ステップS5で気体燃料が選択されている場合、ECU100は、凍結による貼り付きを解消するために気体燃料インジェクタ47を駆動する(ステップS8)。このステップS8では、ECU100は、ステップS5で気体燃料が選択された後速やかに、気体燃料インジェクタ47を一時的に駆動する。ここで、「気体燃料インジェクタ47を一時的に駆動する」とは、気体燃料インジェクタ47を一度のみ通常噴射と同様に開弁することをいう。
したがって、気体燃料インジェクタ47の駆動は、後述するステップS9でドライバの始動操作によりエンジン10が始動される前に完了する。これにより、エンジン10の始動前に気体燃料インジェクタ47の貼り付きを解消することができ、エンジン10の始動時又は始動後のエンジンストールを防止できる。
また、気体燃料の中には混合気の濃度が上がると点火性能が低くなるものがある。このステップS8では、エンジン10がスタータ52によりクランキングされていない状態で気体燃料インジェクタ47を駆動しており、気体燃料インジェクタ47から噴射された気体燃料は燃焼室に吸い込まれずに吸気ポート19内で拡散するので、混合気の濃度が大きな影響を受けることがない。
そのため、凍結による貼り付きの解消のために気体燃料インジェクタ47を一時的に駆動したことによってエンジン10の始動性が悪化してしまう等の不都合が生じることがない。また、本実施例では、気体燃料インジェクタ47の駆動電流を検出したり、内部の弁体のリフト量を検出したりする必要がないため、追加の構成部品を不要にすることができる。
ステップS8の完了後、ECU100は、ドライバの始動操作に応じたスタータ52の駆動と協働して気体燃料インジェクタ47を駆動して、気体燃料によりエンジン10を始動し(ステップS9)、今回の動作を終了する。
このステップS9は、ステップS8で気体燃料インジェクタ47の一時的な駆動を完了した後に行われる。ここで、ドライバが気体燃料を選択してから始動操作を行うまでの期間が短い場合、ステップS8とステップS9との動作タイミングが重複する状況になることが考えられる。そのような状況では、スタータ52が大きな電力を消費しているため気体燃料インジェクタ47に貼り付きを解消するための安定したかつ十分な電流が供給されなくなってしまう。
そこで、ECU100は、気体燃料インジェクタ47の一時的な駆動が完了するまでスタータ52の駆動を禁止する制御、又は気体燃料インジェクタ47の一時的な駆動が完了してからスタータ52の駆動を許可する制御を行うようになっている。これにより、ステップS8の実行時に、貼り付きを解消するための安定したかつ十分な電流を気体燃料インジェクタ47に供給することができる。
一方、ステップS5で液体燃料が選択されている場合、ECU100は、ドライバの始動操作に応じたスタータ52の駆動と協働して液体燃料インジェクタ34を駆動することにより、液体燃料によりエンジン10を始動する(ステップS10)。
ここで、始動後のエンジン10の熱により気体燃料インジェクタ47の貼り付きが解消されるためには、エンジン10の温度が上昇して気体燃料インジェクタ47に伝達されるまでの時間を要する。そのため、エンジン10の熱によって気体燃料インジェクタ47の貼り付きが解消される前に、ドライバの操作によってエンジン10が気体燃料による運転に切替えられた場合、気体燃料インジェクタ47の貼り付きによって気体燃料の噴射量が低下し、エンジン回転数が一時的に低下するおそれがある。
そこで、ステップS10の完了後、ECU100は、凍結による貼り付きを解消するために気体燃料インジェクタ47を一時的に駆動し(ステップS11)、今回の動作を終了する。
ここでは、ECU100は、エンジン回転数が冷機始動直後の高いアイドル回転数で推移している期間に、気体燃料インジェクタ47を一時的に駆動する。
このように、気体燃料インジェクタ47を一時的に駆動することにより、気体燃料インジェクタ47の貼り付きが解消されるため、エンジン10を気体燃料による運転に切替える際に、気体燃料インジェクタ47の貼り付きによって気体燃料の噴射量が低下し、エンジン回転数が一時的に低下することを防止できる。
なお、ECU100は、ステップS3の判定が初回始動以外であった場合は、気体燃料インジェクタ47の貼り付き解消のための駆動を行わないが、この理由は、既に初回始動の際にステップS8又はS11において気体燃料インジェクタ47を一時的に駆動しており、気体燃料インジェクタ47の貼り付きが解消されているからである。
次に、図2のステップS10、11の処理が実行される際の車両状態の推移について、図3のタイミングチャートを参照して説明する。
図3のタイミングチャートにおいて、縦軸は、気体燃料インジェクタ47の噴射状態、液体燃料インジェクタ34の噴射状態、スタータ52の駆動状態及びエンジン回転数を表わし、横軸は時間を表わしている。
図3において、時刻t0の初期状態では、気体燃料インジェクタ47、液体燃料インジェクタ34及びスタータ52は停止しており、エンジン10は運転していない。この初期状態では、液体燃料を使用することが設定又は選択されている。
その後、時刻t1において、ドライバの始動操作に応じてスタータ52が駆動し、スタータ52のクランキング動作によってエンジン回転数が上昇を始める。
その後、時刻t2において、液体燃料インジェクタ34の駆動により液体燃料の噴射が開始される。
その後、時刻t3において、エンジン10の完爆が成立したことに応じてスタータ52の駆動が停止される。この状態では、エンジン10は暖機完了前であるため、エンジンストールを防止するよう液体燃料の噴射量が増加され、エンジン回転数は、暖機完了後の通常のアイドル回転数(図中、アイドル回転数と記す)より高い一定の回転数(冷機始動直後のアイドル回転数)で推移する。
そして、時刻t4において、エンジン回転数が冷機始動直後の高いアイドル回転数で推移している期間に、所定の低温状態による貼り付きを解消するために気体燃料インジェクタ47が一時的に駆動される。その後、エンジン10の暖機の進行に伴い、エンジン回転数は暖機完了後のアイドル回転数まで徐々に低下する。
このように、時刻t4で気体燃料インジェクタ47を一時的に駆動することにより、エンジン10が気体燃料による運転に切替えられる前に、気体燃料インジェクタ47の貼り付きが予め解消される。また、エンジン回転数が高いアイドル回転数で一定で推移している期間に気体燃料インジェクタ47を一時的に駆動しているので、気体燃料の噴射によるエンジン回転数の変動をドライバに認識されにくくすることができる。
以上のように、本実施例に係る車両の制御装置において、ECU100は、気体燃料インジェクタ47が所定の低温状態にある場合、スタータ52の駆動と協働して気体燃料インジェクタ47を駆動してエンジン10を始動する前に、気体燃料インジェクタ47を一時的に駆動する。
これにより、低温時は、気体燃料によるエンジン10の始動開始までに気体燃料噴射部を駆動させることによって、スタータ52の作動による電源電圧の低下が発生しない安定した電流で気体燃料インジェクタ47の貼り付きを解消でき、エンジン10の停止を防止できる。
また、本実施例に係る車両の制御装置において、ECU100は、気体燃料インジェクタ47が所定の低温状態にある場合、スタータ52の駆動と協働して気体燃料インジェクタ47を駆動してエンジン10を始動する際に、気体燃料インジェクタ47の一時的な駆動の完了後にスタータ52を駆動する。すなわち、スタータ52の駆動と協働して気体燃料インジェクタ47を駆動してエンジン10を始動する前に、気体燃料インジェクタ47の一時的な駆動を完了しておく。
これにより、所定の低温状態にあるときに気体燃料によりエンジン10を始動する際に、始動前の気体燃料インジェクタ47の一時的な駆動を完了した後に、スタータ52を駆動することで、スタータ52の駆動による電源電圧の低下が発生しない安定した電流で気体燃料インジェクタ47の貼り付きを解消でき、エンジン10の停止を防止できる。
また、本実施例に係る車両の制御装置において、ECU100は、気体燃料インジェクタ47が所定の低温状態にある場合、スタータ52の駆動と協働して液体燃料インジェクタ34を駆動してエンジン10を始動した後であって気体燃料によるエンジン10の運転に切替える前に、気体燃料インジェクタ47を一時的に駆動する。
これにより、気体燃料インジェクタ47が所定の低温状態にある場合に液体燃料によりエンジン10を始動した後に、気体燃料インジェクタ47を一時的に駆動させることで、スタータ52の駆動による電源電圧の降下が発生しない状態の安定した電流で気体燃料インジェクタ47の貼り付きを解消でき、気体燃料に切替えた際のエンジン10の停止を防止できる。
また、本実施例に係る車両の制御装置において、ECU100は、気体燃料インジェクタ47が所定の低温状態にある場合、スタータ52の駆動と協働して液体燃料インジェクタ34を駆動してエンジン10を始動した後であってエンジン10のアイドル回転数が高い回転数に制御されている期間に、気体燃料インジェクタ47を一時的に駆動する。
これにより、エンジン回転数が通常のアイドル回転数で一定になる前の高い回転数の状態で気体燃料インジェクタ47を一時的に作動させることで、気体燃料の噴射によるエンジン回転数の変動をドライバが気づきにくいタイミングで、気体燃料インジェクタ47の貼り付きを解消できる。
また、本実施例に係る車両の制御装置において、ECU100は、燃料選択スイッチ51により気体燃料が選択されており、気体燃料インジェクタ47が所定の低温状態にある場合、スタータ52の駆動と協働して気体燃料インジェクタ47を駆動してエンジン10を始動する前に、気体燃料インジェクタ47を一時的に駆動する。
また、ECU100は、燃料選択スイッチ51により液体燃料が選択されており、気体燃料インジェクタ47が所定の低温状態にある場合、スタータ52の駆動と協働して液体燃料インジェクタ34を駆動してエンジン10を始動した後であって気体燃料によるエンジン10の運転に切替える前に、気体燃料インジェクタ47を一時的に駆動する。
これにより、所定の低温状態下でのエンジン10の始動の際に、気体燃料の使用が選択されている場合、エンジン10の始動開始までに気体燃料インジェクタ47を一時的に駆動させることにより、スタータ52の駆動による電圧低下が発生しない状態の安定した電流で気体燃料インジェクタ47の貼り付きを解消でき、エンジン10の停止を防止できる。
また、液体燃料の使用が選択されている場合、エンジン10の始動後に気体燃料インジェクタ47を駆動させることにより、スタータ52による電圧降下が発生しない状態の安定した電流で気体燃料インジェクタ47の貼り付きを解消でき、気体燃料に切替えた際のエンジン10の停止を防止できる。
上述の通り、本発明の一実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
1 車両
10 エンジン
34 液体燃料インジェクタ
47 気体燃料インジェクタ
51 燃料選択スイッチ(燃料選択部)
52 スタータ(始動装置)
100 ECU(制御部)
10 エンジン
34 液体燃料インジェクタ
47 気体燃料インジェクタ
51 燃料選択スイッチ(燃料選択部)
52 スタータ(始動装置)
100 ECU(制御部)
Claims (5)
- 気体燃料により運転するエンジンと、
前記エンジンに前記気体燃料を噴射する気体燃料インジェクタと、
前記エンジンをクランキングする始動装置と、を備える車両に搭載され、
前記気体燃料インジェクタを制御する制御部を備える車両の制御装置であって、
前記制御部は、
前記気体燃料インジェクタが所定の低温状態にある場合、
前記始動装置の駆動と協働して前記気体燃料インジェクタを駆動して前記エンジンを始動する前に、前記気体燃料インジェクタを一時的に駆動することを特徴とする車両の制御装置。 - 前記エンジンの始動操作に応じて前記始動装置の駆動が前記制御部により制御され、
前記制御部は、
前記気体燃料インジェクタが前記所定の低温状態にある場合、
前記始動装置の駆動と協働して前記気体燃料インジェクタを駆動して前記エンジンを始動する前に、前記気体燃料インジェクタの一時的な駆動を完了することを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。 - 気体燃料又は液体燃料により運転するエンジンと、
前記エンジンに前記気体燃料を噴射する気体燃料インジェクタと、
前記エンジンに前記液体燃料を噴射する液体燃料インジェクタと、
前記エンジンをクランキングする始動装置と、を備える車両に搭載され、
前記気体燃料インジェクタ及び前記液体燃料インジェクタを制御する制御部を備える車両の制御装置であって、
前記制御部は、
前記気体燃料インジェクタが所定の低温状態にある場合、前記始動装置の駆動と協働して前記液体燃料インジェクタを駆動して前記エンジンを始動した後であって前記気体燃料による前記エンジンの運転に切替える前に、前記気体燃料インジェクタを一時的に駆動することを特徴とする車両の制御装置。 - 前記制御部は、
前記気体燃料インジェクタが所定の低温状態にある場合、前記始動装置の駆動と協働して前記液体燃料インジェクタを駆動して前記エンジンを始動した後であって始動後の前記エンジンのアイドル回転数が高い回転数に制御されている期間に、前記気体燃料インジェクタを一時的に駆動することを特徴とする請求項3に記載の車両の制御装置。 - 気体燃料又は液体燃料により運転するエンジンと、
前記エンジンに前記気体燃料を噴射する気体燃料インジェクタと、
前記エンジンに前記液体燃料を噴射する液体燃料インジェクタと、
前記エンジンをクランキングする始動装置と、
前記気体燃料又は前記液体燃料の何れにより前記エンジンを運転するかの選択操作を行う燃料選択部と、を備える車両に搭載され、
前記気体燃料インジェクタ及び前記液体燃料インジェクタを制御する制御部を備える車両の制御装置であって、
前記制御部は、
前記燃料選択部により前記気体燃料が選択されており、前記気体燃料インジェクタが所定の低温状態にある場合、
前記始動装置の駆動と協働して前記気体燃料インジェクタを駆動して前記エンジンを始動する前に、前記気体燃料インジェクタを一時的に駆動し、
前記燃料選択部により前記液体燃料が選択されており、前記気体燃料インジェクタが前記所定の低温状態にある場合、
前記始動装置の駆動と協働して前記液体燃料インジェクタを駆動して前記エンジンを始動した後であって前記気体燃料による前記エンジンの運転に切替える前に、前記気体燃料インジェクタを一時的に駆動することを特徴とする車両の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018024809A JP2019138275A (ja) | 2018-02-15 | 2018-02-15 | 車両の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018024809A JP2019138275A (ja) | 2018-02-15 | 2018-02-15 | 車両の制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019138275A true JP2019138275A (ja) | 2019-08-22 |
Family
ID=67693412
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018024809A Pending JP2019138275A (ja) | 2018-02-15 | 2018-02-15 | 車両の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019138275A (ja) |
-
2018
- 2018-02-15 JP JP2018024809A patent/JP2019138275A/ja active Pending
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