〔実施形態1〕
本開示に係るゲームシステムは、複数のユーザにゲームを提供するためのシステムである。以下、ゲームシステムについて図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が本発明に含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を繰り返さない。
<ゲームシステム1のハードウェア構成>
図1は、ゲームシステム1のハードウェア構成を示す図である。ゲームシステム1は図示の通り、複数のユーザ端末100と、サーバ200とを含む。各ユーザ端末100は、サーバ200とネットワーク2を介して接続する。ネットワーク2は、インターネットおよび図示しない無線基地局によって構築される各種移動通信システム等で構成される。この移動通信システムとしては、例えば、所謂3G、4G移動通信システム、LTE(Long Term Evolution)、および所定のアクセスポイントによってインターネットに接続可能な無線ネットワーク(例えばWi-Fi(登録商標))等が挙げられる。
サーバ200(コンピュータ、情報処理装置)は、ワークステーションまたはパーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータであってよい。サーバ200は、プロセッサ20と、メモリ21と、ストレージ22と、通信IF23と、入出力IF24とを備える。サーバ200が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに電気的に接続される。
ユーザ端末100(コンピュータ、情報処理装置)は、スマートフォン、フィーチャーフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、またはタブレット型コンピュータ等の携帯端末であってよい。ユーザ端末100は、ゲームプレイに適したゲーム装置であってもよい。ユーザ端末100は図示の通り、プロセッサ10と、メモリ11と、ストレージ12と、通信インターフェース(IF)13と、入出力IF14と、タッチスクリーン15(表示部)と、カメラ17と、測距センサ18とを備える。ユーザ端末100が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに電気的に接続される。なお、ユーザ端末100は、タッチスクリーン15に代えて、または、加えて、ユーザ端末100本体とは別に構成されたディスプレイ(表示部)を接続可能な入出力IF14を備えていてもよい。
また、図1に示すように、ユーザ端末100は、1つ以上のコントローラ1020と通信可能に構成されることとしてもよい。コントローラ1020は、例えば、Bluetooth(登録商標)等の通信規格に従って、ユーザ端末100と通信を確立する。コントローラ1020は、1つ以上のボタン等を有していてもよく、該ボタン等に対するユーザの入力操作に基づく出力値をユーザ端末100へ送信する。また、コントローラ1020は、加速度センサ、および、角速度センサ等の各種センサを有していてもよく、該各種センサの出力値をユーザ端末100へ送信する。
なお、ユーザ端末100がカメラ17および測距センサ18を備えることに代えて、または、加えて、コントローラ1020がカメラ17および測距センサ18を有していてもよい。
ユーザ端末100は、例えばゲーム開始時に、コントローラ1020を使用するユーザに、該ユーザの名前またはログインID等のユーザ識別情報を、該コントローラ1020を介して入力させることが望ましい。これにより、ユーザ端末100は、コントローラ1020とユーザとを紐付けることが可能となり、受信した出力値の送信元(コントローラ1020)に基づいて、該出力値がどのユーザのものであるかを特定することができる。
ユーザ端末100が複数のコントローラ1020と通信する場合、各コントローラ1020を各ユーザが把持することで、ネットワーク2を介してサーバ200などの他の装置と通信せずに、該1台のユーザ端末100でマルチプレイを実現することができる。また、各ユーザ端末100が無線LAN(Local Area Network)規格等の無線規格により互いに通信接続する(サーバ200を介さずに通信接続する)ことで、複数台のユーザ端末100によりローカルでマルチプレイを実現することもできる。1台のユーザ端末100によりローカルで上述のマルチプレイを実現する場合、ユーザ端末100は、さらに、サーバ200が備える後述する種々の機能の少なくとも一部を備えていてもよい。また、複数のユーザ端末100によりローカルで上述のマルチプレイを実現する場合、複数のユーザ端末100は、サーバ200が備える後述する種々の機能を分散して備えていてもよい。
なお、ローカルで上述のマルチプレイを実現する場合であっても、ユーザ端末100はサーバ200と通信を行ってもよい。例えば、あるゲームにおける成績または勝敗等のプレイ結果を示す情報と、ユーザ識別情報とを対応付けてサーバ200に送信してもよい。
また、コントローラ1020は、ユーザ端末100に着脱可能な構成であるとしてもよい。この場合、ユーザ端末100の筐体における少なくともいずれかの面に、コントローラ1020との結合部が設けられていてもよい。該結合部を介して有線によりユーザ端末100とコントローラ1020とが結合している場合は、ユーザ端末100とコントローラ1020とは、有線を介して信号を送受信する。
図1に示すように、ユーザ端末100は、外部のメモリカード等の記憶媒体1030の装着を、入出力IF14を介して受け付けてもよい。これにより、ユーザ端末100は、記憶媒体1030に記録されるプログラム及びデータを読み込むことができる。記憶媒体1030に記録されるプログラムは、例えばゲームプログラムである。
ユーザ端末100は、サーバ200等の外部の装置と通信することにより取得したゲームプログラムをユーザ端末100のメモリ11に記憶してもよいし、記憶媒体1030から読み込むことにより取得したゲームプログラムをメモリ11に記憶してもよい。
以上で説明したとおり、ユーザ端末100は、該ユーザ端末100に対して情報を入力する機構の一例として、通信IF13、入出力IF14、タッチスクリーン15、カメラ17、および、測距センサ18を備える。入力する機構としての上述の各部は、ユーザの入力操作を受け付けるように構成された操作部と捉えることができる。
例えば、操作部が、カメラ17および測距センサ18の少なくともいずれか一方で構成される場合、該操作部が、ユーザ端末100の近傍の物体1010を検出し、当該物体の検出結果から入力操作を特定する。一例として、物体1010としてのユーザの手、予め定められた形状のマーカーなどが検出され、検出結果として得られた物体1010の色、形状、動き、または、種類などに基づいて入力操作が特定される。より具体的には、ユーザ端末100は、カメラ17の撮影画像からユーザの手が検出された場合、該撮影画像に基づき検出されるジェスチャ(ユーザの手の一連の動き)を、ユーザの入力操作として特定し、受け付ける。なお、撮影画像は静止画であっても動画であってもよい。
あるいは、操作部がタッチスクリーン15で構成される場合、ユーザ端末100は、タッチスクリーン15の入力部151に対して実施されたユーザの操作をユーザの入力操作として特定し、受け付ける。あるいは、操作部が通信IF13で構成される場合、ユーザ端末100は、コントローラ1020から送信される信号(例えば、出力値)をユーザの入力操作として特定し、受け付ける。あるいは、操作部が入出力IF14で構成される場合、該入出力IF14と接続されるコントローラ1020とは異なる入力装置(図示せず)から出力される信号をユーザの入力操作として特定し、受け付ける。
<ゲーム概要>
本実施形態に係るゲームシステム1において実現されるゲームは、一例として、ユーザに複数の選択肢を提示し、ユーザに選択された選択肢にしたがって該ゲームを進行させるという形態を有する。ゲームシステム1において実現されるゲームは、上述の形態を有していれば、特定のジャンルに限らず、あらゆるジャンルのゲームであってよい。例えば、テニス、卓球、ドッジボール、野球、サッカーおよびホッケーなどのスポーツを題材としたゲーム、パズルゲーム、クイズゲーム、RPG、クイズRPG、アドベンチャーゲーム、シューティングゲーム、シミュレーションゲーム、育成ゲーム、ならびに、アクションゲームなどであってもよい。
また、ゲームシステム1は、特定のプレイ形態に限らず、あらゆるプレイ形態のゲームを実行するためのシステムであってもよい。例えば、単一のユーザによるシングルプレイゲーム、および、複数のユーザによるマルチプレイゲーム、また、マルチプレイゲームの中でも、複数のユーザが対戦する対戦ゲーム、および、複数のユーザが協力する協力プレイゲームなどであってもよい。
本実施形態では、一例として、ゲームシステム1において実現されるゲームは、クイズRPGである。クイズRPGは、一例として、1以上の味方キャラクタで編成されたデッキを用いて、デッキ内の味方キャラクタが敵キャラクタと戦う戦闘を1回以上進行させる戦闘パートを含む。戦闘パートは、例えば、クエストとしてユーザに提供され、該クエストを構成する複数回の戦闘に味方キャラクタが勝利すれば、ユーザは、該クエストをクリアできる。
例えば、味方キャラクタは、デジタルデータであるカードとして提供されることがあり、特に、ゲームの文脈に応じて、精霊、選手などと呼ばれることがある。デッキは、ゲームの文脈に応じて、パーティー、チーム、オーダーなどと呼ばれることがある。
なお、本実施形態では、一例として、味方キャラクタは、カードに見立てたデジタルデータとしてユーザに提供される。ここで、カードをユーザに提供する形態は、特に限定されない。デジタルデータとしてのカードが、通信ネットワークを介して、サーバ200からユーザ端末100に送信されてもよい。あるいは、サーバ200において、カードが該ユーザのユーザ識別情報と関連付けてメモリ21に記憶されており、ユーザ端末100が、サーバ200から任意に、ユーザが所有するカードを読み出すことができる構成であってもよい。あるいは、カードは、コード、パスワード、バーコード、QRコード(登録商標)などが印字された物理媒体で、ユーザに販売または提供されてもよい。この場合、該物理媒体に印字された情報をユーザ端末100に読み取らせて、カードに関連付けられた情報(例えば、味方キャラクタ)をユーザ端末100が実行するゲーム上で利用できる状態にする。
本実施形態では、一例として、クエスト(戦闘パート)に含まれる戦闘のそれぞれにおいて、クイズを実施し、該クイズに対するユーザのプレイ結果に応じて各戦闘が進行する。具体的には、ゲームシステム1は、出題された問題に対するユーザの解答の正否に応じて味方キャラクタの動作を決定し、各味方キャラクタに所定の動作を実施させる。所定の動作としては、例えば、敵キャラクタへダメージを与えるための攻撃動作が想定される。
また、戦闘は、ターン制に則って進行してもよい。例えば、1つのターンは、少なくとも、味方キャラクタの攻撃の機会(すなわち、ユーザへの出題、ユーザによる解答、それに伴う味方キャラクタの攻撃)と、敵キャラクタの攻撃の機会とを含む。
戦闘は、終了条件が満たされるまで継続される。戦闘は、例えば、(1)味方キャラクタの攻撃を受けた敵キャラクタが全滅することにより、ユーザが編成したデッキのパーティーが勝利すること、(2)敵キャラクタの攻撃を受けた味方キャラクタが全滅することにより該パーティーが敗北すること、または、(3)ユーザによってリタイヤ(途中棄権)の操作がなされること、などを終了条件として終了する。
本実施形態に係るゲームシステム1が提供するクイズRPGは、上述の戦闘パートの他に、例えば、デッキ編成パートを含んでいてもよい。ユーザは、デッキ編成パートにおいて、戦闘に参加させる味方キャラクタを、手持ちのカードの中から選んでデッキに組み入れる。
ゲームシステム1は、例えば、マルチプレイゲームを実行するためのシステムであってもよい。マルチプレイゲームとしてのクイズRPGは、ユーザが操作するユーザ端末100(クライアントのコンピュータ)と、1以上の他のユーザが操作する1以上の他のユーザ端末100(他のクライアントのコンピュータ)との間で、該ゲームに係るデータの少なくとも一部を共有する。例えば、複数のユーザのそれぞれが所有するデッキが複数のユーザで共有される。これにより、1つのクエストのプレイに複数のデッキを用いることが可能なクイズRPGが実現される。
ゲームシステム1がマルチプレイRPGである場合、サーバ200を介して通信する第1のユーザ端末100、第2のユーザ端末100、および、第3のユーザ端末100・・・のそれぞれにおいて、デッキが編成される。そして、それぞれ編成されたデッキの内容を表すデッキ情報D1、D2、・・・が、サーバ200を介してユーザ端末100間で共有される。
<各装置のハードウェア構成要素>
プロセッサ10は、ユーザ端末100全体の動作を制御する。プロセッサ20は、サーバ200全体の動作を制御する。プロセッサ10および20は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、およびGPU(Graphics Processing Unit)を含む。
プロセッサ10は後述するストレージ12からプログラムを読み出し、後述するメモリ11に展開する。プロセッサ20は後述するストレージ22からプログラムを読み出し、後述するメモリ21に展開する。プロセッサ10およびプロセッサ20は展開したプログラムを実行する。
メモリ11および21は主記憶装置である。メモリ11および21は、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等の記憶装置で構成される。メモリ11は、プロセッサ10が後述するストレージ12から読み出したプログラムおよび各種データを一時的に記憶することにより、プロセッサ10に作業領域を提供する。メモリ11は、プロセッサ10がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。メモリ21は、プロセッサ20が後述するストレージ22から読み出した各種プログラムおよびデータを一時的に記憶することにより、プロセッサ20に作業領域を提供する。メモリ21は、プロセッサ20がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。
本実施形態においてプログラムとは、ゲームをユーザ端末100により実現するためのゲームプログラムであってもよい。あるいは、該プログラムは、該ゲームをユーザ端末100とサーバ200との協働により実現するためのゲームプログラムであってもよい。なお、ユーザ端末100とサーバ200との協働により実現されるゲームは、一例として、ユーザ端末100において起動されたブラウザ上で実行されるゲームであってもよい。あるいは、該プログラムは、該ゲームを複数のユーザ端末100の協働により実現するためのゲームプログラムであってもよい。また、各種データとは、ユーザ情報およびゲーム情報などのゲームに関するデータ、ならびに、ユーザ端末100とサーバ200との間または複数のユーザ端末100間で送受信する指示または通知を含んでいる。
ストレージ12および22は補助記憶装置である。ストレージ12および22は、フラッシュメモリまたはHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置で構成される。ストレージ12およびストレージ22には、ゲームに関する各種データが格納される。
通信IF13は、ユーザ端末100における各種データの送受信を制御する。通信IF23は、サーバ200における各種データの送受信を制御する。通信IF13および23は例えば、無線LAN(Local Area Network)を介する通信、有線LAN、無線LAN、または携帯電話回線網を介したインターネット通信、ならびに近距離無線通信等を用いた通信を制御する。
入出力IF14は、ユーザ端末100がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであり、またユーザ端末100がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF14は、USB(Universal Serial Bus)等を介してデータの入出力を行ってもよい。入出力IF14は、例えば、ユーザ端末100の物理ボタン、カメラ、マイク、または、スピーカ等を含み得る。サーバ200の入出力IF24は、サーバ200がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであり、またサーバ200がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF24は、例えば、マウスまたはキーボード等の情報入力機器である入力部と、画像を表示出力する機器である表示部とを含み得る。
ユーザ端末100のタッチスクリーン15は、入力部151と表示部152とを組み合わせた電子部品である。入力部151は、例えばタッチセンシティブなデバイスであり、例えばタッチパッドによって構成される。表示部152は、例えば液晶ディスプレイ、または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって構成される。
入力部151は、入力面に対しユーザの操作(主にタッチ操作、スライド操作、スワイプ操作、およびタップ操作等の物理的接触操作)が入力された位置を検知して、位置を示す情報を入力信号として送信する機能を備える。入力部151は、図示しないタッチセンシング部を備えていればよい。タッチセンシング部は、静電容量方式または抵抗膜方式等のどのような方式を採用したものであってもよい。
図示していないが、ユーザ端末100は、該ユーザ端末100の保持姿勢を特定するための1以上のセンサを備えていてもよい。このセンサは、例えば、加速度センサ、または、角速度センサ等であってもよい。ユーザ端末100がセンサを備えている場合、プロセッサ10は、センサの出力からユーザ端末100の保持姿勢を特定して、保持姿勢に応じた処理を行うことも可能になる。例えば、プロセッサ10は、ユーザ端末100が縦向きに保持されているときには、縦長の画像を表示部152に表示させる縦画面表示としてもよい。一方、ユーザ端末100が横向きに保持されているときには、横長の画像を表示部に表示させる横画面表示としてもよい。このように、プロセッサ10は、ユーザ端末100の保持姿勢に応じて縦画面表示と横画面表示とを切り替え可能であってもよい。
カメラ17は、イメージセンサ等を含み、レンズから入射する入射光を電気信号に変換することで撮影画像を生成する。
測距センサ18は、測定対象物までの距離を測定するセンサである。測距センサ18は、例えば、パルス変換した光を発する光源と、光を受ける受光素子とを含む。測距センサ18は、光源からの発光タイミングと、該光源から発せられた光が測定対象物にあたって反射されて生じる反射光の受光タイミングとにより、測定対象物までの距離を測定する。測距センサ18は、指向性を有する光を発する光源を有することとしてもよい。
ここで、ユーザ端末100が、カメラ17と測距センサ18とを用いて、ユーザ端末100の近傍の物体1010を検出した検出結果を、ユーザの入力操作として受け付ける例をさらに説明する。カメラ17および測距センサ18は、例えば、ユーザ端末100の筐体の側面に設けられてもよい。カメラ17の近傍に測距センサ18が設けられてもよい。カメラ17としては、例えば赤外線カメラを用いることができる。この場合、赤外線を照射する照明装置および可視光を遮断するフィルタ等が、カメラ17に設けられてもよい。これにより、屋外か屋内かにかかわらず、カメラ17の撮影画像に基づく物体の検出精度をいっそう向上させることができる。
プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像に対して、例えば以下の(1)〜(5)に示す処理のうち1つ以上の処理を行ってもよい。(1)プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像に対し画像認識処理を行うことで、該撮影画像にユーザの手が含まれているか否かを特定する。プロセッサ10は、上述の画像認識処理において採用する解析技術として、例えばパターンマッチング等の技術を用いてよい。(2)また、プロセッサ10は、ユーザの手の形状から、ユーザのジェスチャを検出する。プロセッサ10は、例えば、撮影画像から検出されるユーザの手の形状から、ユーザの指の本数(伸びている指の本数)を特定する。プロセッサ10はさらに、特定した指の本数から、ユーザが行ったジェスチャを特定する。例えば、プロセッサ10は、指の本数が5本である場合、ユーザが「パー」のジェスチャを行ったと判定する。また、プロセッサ10は、指の本数が0本である(指が検出されなかった)場合、ユーザが「グー」のジェスチャを行ったと判定する。また、プロセッサ10は、指の本数が2本である場合、ユーザが「チョキ」のジェスチャを行ったと判定する。(3)プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像に対し、画像認識処理を行うことにより、ユーザの指が人差し指のみ立てた状態であるか、ユーザの指がはじくような動きをしたかを検出する。(4)プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像の画像認識結果、および、測距センサ18の出力値等の少なくともいずれか1つに基づいて、ユーザ端末100の近傍の物体1010(ユーザの手など)とユーザ端末100との距離を検出する。例えば、プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像から特定されるユーザの手の形状の大小により、ユーザの手がユーザ端末100の近傍(例えば所定値未満の距離)にあるのか、遠く(例えば所定値以上の距離)にあるのかを検出する。なお、撮影画像が動画の場合、プロセッサ10は、ユーザの手がユーザ端末100に接近しているのか遠ざかっているのかを検出してもよい。(5)カメラ17の撮影画像の画像認識結果等に基づいて、ユーザの手が検出されている状態で、ユーザ端末100とユーザの手との距離が変化していることが判明した場合、プロセッサ10は、ユーザが手をカメラ17の撮影方向において振っていると認識する。カメラ17の撮影範囲よりも指向性が強い測距センサ18において、物体が検出されたりされなかったりする場合に、プロセッサ10は、ユーザが手をカメラの撮影方向に直交する方向に振っていると認識する。
このように、プロセッサ10は、カメラ17の撮影画像に対する画像認識により、ユーザが手を握りこんでいるか否か(「グー」のジェスチャであるか、それ以外のジェスチャ(例えば「パー」)であるか)を検出する。また、プロセッサ10は、ユーザの手の形状とともに、ユーザがこの手をどのように移動させているかを検出する。また、プロセッサ10は、ユーザがこの手をユーザ端末100に対して接近させているのか遠ざけているのかを検出する。このような操作は、例えば、マウスまたはタッチパネルなどのポインティングデバイスを用いた操作に対応させることができる。ユーザ端末100は、例えば、ユーザの手の移動に応じて、タッチスクリーン15においてポインタを移動させ、ユーザのジェスチャ「グー」を検出する。この場合、ユーザ端末100は、ユーザが選択操作を継続中であると認識する。選択操作の継続とは、例えば、マウスがクリックされて押し込まれた状態が維持されること、または、タッチパネルに対してタッチダウン操作がなされた後タッチされた状態が維持されることに対応する。また、ユーザ端末100は、ユーザのジェスチャ「グー」が検出されている状態で、さらにユーザが手を移動させると、このような一連のジェスチャを、スワイプ操作(またはドラッグ操作)に対応する操作として認識することもできる。また、ユーザ端末100は、カメラ17の撮影画像によるユーザの手の検出結果に基づいて、ユーザが指をはじくようなジェスチャを検出した場合に、当該ジェスチャを、マウスのクリックまたはタッチパネルへのタップ操作に対応する操作として認識してもよい。
<ゲームシステム1の機能的構成>
図2は、ゲームシステム1に含まれるサーバ200およびユーザ端末100の機能的構成を示すブロック図である。サーバ200およびユーザ端末100のそれぞれは、図示しない、一般的なコンピュータとして機能する場合に必要な機能的構成、および、ゲームにおける公知の機能を実現するために必要な機能的構成を含み得る。
ユーザ端末100は、ユーザの入力操作を受け付ける入力装置としての機能と、ゲームの画像や音声を出力する出力装置としての機能を有する。ユーザ端末100は、プロセッサ10、メモリ11、ストレージ12、通信IF13、および入出力IF14等の協働によって、制御部110および記憶部120として機能する。
サーバ200は、各ユーザ端末100と通信して、ユーザ端末100がゲームを進行させるのを支援する機能を有する。ゲームがマルチプレイゲームである場合には、サーバ200は、ゲームに参加する各ユーザ端末100と通信して、ユーザ端末100同士のやりとりを仲介する機能を有していてもよい。サーバ200は、プロセッサ20、メモリ21、ストレージ22、通信IF23、および入出力IF24等の協働によって、制御部210および記憶部220として機能する。
記憶部120および記憶部220は、ゲームプログラム131、ゲーム情報132およびユーザ情報133を格納する。ゲームプログラム131は、ユーザ端末100およびサーバ200で実行するゲームプログラムである。ゲーム情報132は、制御部110および制御部210がゲームプログラム131を実行する際に参照するデータである。ユーザ情報133は、ユーザのアカウントに関するデータである。記憶部220において、ゲーム情報132およびユーザ情報133は、ユーザ端末100ごとに格納されている。
(サーバ200の機能的構成)
制御部210は、記憶部220に格納されたゲームプログラム131を実行することにより、サーバ200を統括的に制御する。例えば、制御部210は、ユーザ端末100に各種データおよびプログラム等を送信する。制御部210は、ゲーム情報もしくはユーザ情報の一部または全部をユーザ端末100から受信する。ゲームがマルチプレイゲームである場合には、制御部210は、ユーザ端末100からマルチプレイの同期の要求を受信して、同期のためのデータをユーザ端末100に送信してもよい。
制御部210は、ゲームプログラム131の記述に応じて、進行支援部211および共有支援部212として機能する。制御部210は、実行するゲームの性質に応じて、ユーザ端末100におけるゲームの進行を支援するために、図示しないその他の機能ブロックとしても機能することができる。
進行支援部211は、ユーザ端末100と通信し、ユーザ端末100が、クイズRPGに含まれる各種のゲームパートを進行するための支援を行う。例えば、戦闘パートとしてのクエストを進行するための支援を行う。
特に、進行支援部211は、ユーザ端末100が、クエスト内の各戦闘を進行させるとき、該戦闘においてクイズを実施するために必要な情報をユーザ端末100に提供する。
共有支援部212は、複数のユーザ端末100と通信し、複数のユーザが、各々のユーザ端末100にて互いのデッキを共有し合うための支援を行う。それぞれのユーザが編成したデッキのデッキ情報が、ユーザごとに、ゲーム情報132として記憶部220に保存されている。共有支援部212は、ユーザのユーザ端末100からリクエストを受け付けると、他のユーザのデッキ情報を、ユーザ端末100に供給する。これにより、ユーザ端末100のユーザは、供給されたデッキ情報に基づく他のユーザのデッキを用いて、クエストをプレイすることができる。
本実施形態では、共有支援部212は、どのユーザのデッキ情報を供給するのかをランダムで決定してもよい。また、共有支援部212は、フレンド登録したユーザのデッキ情報を供給対象としてもよいし、オンラインのユーザ端末100のユーザが所有するデッキ情報を供給対象としてもよい。
(ユーザ端末100の機能的構成)
制御部110は、記憶部120に格納されたゲームプログラム131を実行することにより、ユーザ端末100を統括的に制御する。例えば、制御部110は、ゲームプログラム131およびユーザの操作にしたがって、ゲームを進行させる。また、制御部110は、ゲームを進行させている間、必要に応じて、サーバ200と通信して、情報の送受信を行う。
制御部110は、ゲームプログラム131の記述に応じて、操作受付部111、表示制御部112、ユーザインターフェース(以下、UI)制御部113、アニメーション生成部114、デッキ編成部115、出撃準備部116、および、クエスト進行部117として機能する。制御部110は、実行するゲームの性質に応じて、ゲームを進行させるために、図示しないその他の機能ブロックとしても機能することができる。
操作受付部111は、入力部151に対するユーザの入力操作を検知し受け付ける。操作受付部111は、タッチスクリーン15およびその他の入出力IF14を介したコンソールに対してユーザが及ぼした作用から、いかなる入力操作がなされたかを判別し、その結果を制御部110の各要素に出力する。
例えば、操作受付部111は、入力部151に対する入力操作を受け付け、該入力操作の入力位置の座標を検出し、該入力操作の種類を特定する。操作受付部111は、入力操作の種類として、例えばタッチ操作、スライド操作、スワイプ操作、およびタップ操作等を特定する。また、操作受付部111は、連続して検知されていた入力が途切れると、タッチスクリーン15から接触入力が解除されたことを検知する。
UI制御部113は、UIを構築するために表示部152に表示させるグラフィカルユーザインターフェース(以下、GUI)を制御する。GUIは、ユーザが、ゲームの進行上必要な入力をユーザ端末100に対して行うためのツール、または、ゲームの進行中に出力される情報をユーザ端末100から得るためのツールである。GUIは、これには限定されないが、例えば、アイコン、ボタン、リスト、メニュー画面などである。
アニメーション生成部114は、各種デジタルデータの制御態様に基づいて、各種デジタルデータのモーションを示すアニメーションを生成する。例えば、キャラクタのカードの抽選が実行されている様子などを表現したアニメーションを生成してもよい。あるいは、戦闘パートにおいて、味方または敵キャラクタの行動などを表現したアニメーションを生成してもよい。
表示制御部112は、タッチスクリーン15の表示部152に対して、上述の各部によって実行された処理結果が反映されたゲーム画面を出力する。表示制御部112は、アニメーション生成部114によって生成されたアニメーションを含むゲーム画面を表示部152に表示してもよい。また、表示制御部112は、上述のGUIを、該ゲーム画面に重畳して描画してもよい。
デッキ編成部115は、操作受付部111を介して受け付けられたユーザの操作にしたがって、デッキ編成パートを実行する。デッキ編成部115は、デッキ編成機能を有し、ユーザの操作にしたがって、デッキ情報を処理する。デッキ編成機能は、例えば、カードデータベース(以下、DB)から必要なキャラクタのカードを読み出すこと、デッキ情報に設けられている1以上の枠に、読み出したキャラクタを関連付けること、および、該枠とキャラクタとの関連付けを解除することなどを含む。デッキ情報は、戦闘に参加させる味方キャラクタの情報を示す。デッキ情報は、複数のポジションを有し、各ポジションに味方キャラクタ1体を紐付けることが可能なデータ構造を有する。デッキ情報は、ゲーム情報132の一部として記憶部120に格納されている。
また、デッキ編成部115は、カードに含まれるキャラクタの各種パラメータに基づいて、あらゆる条件に合致するキャラクタをカードDBから検索したり、抽出したり、ソートしたりするデータベース処理機能も有する。
出撃準備部116は、操作受付部111を介して受け付けられたユーザの入力操作にしたがって、出撃準備パートを実行する。出撃準備パートは、ユーザが、デッキ編成パートにおいてデッキの編成を完了させてからクエストのプレイに移行するまでの間に、クエストに臨むための各種設定を行うためのパートである。
出撃準備パートは、例えば、クエストが複数種類ある場合に、プレイするクエストをユーザに選択させるためのパートであってもよい。また、出撃準備パートは、該クエストに参加させる助っ人としての他のユーザのキャラクタを、上述のユーザに選択させるためのパートであってもよい。
本実施形態では、ユーザは、フレンド登録した他のユーザのデッキから、キャラクタを助っ人として、クエスト内の戦闘パートに召喚することできる。ユーザは、召喚した助っ人のキャラクタを、自身のデッキに組み入れた味方キャラクタと同様に操作し、戦闘に参加させることができる。
クエスト進行部117は、デッキ編成部115によって編成されたデッキに基づいて、クエストを進行させる。すなわち、クエスト内の各戦闘をクイズを実行しながら進行させる。本実施形態では、クエスト内に予め用意された1以上のすべての戦闘において、所定の要件が満たされれば、ユーザは1つのクエストをクリアすることができる。本実施形態では、ユーザがクエストをクリアすると、クエスト進行部117は、該クエストに応じた報酬をユーザに付与する。ユーザは、クリアを目指してクエストをプレイすることになる。本実施形態では、一例として、クエスト進行部117は、クエストが含むすべての戦闘において、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利することにより、ユーザが該クエストをクリアしたと判定してもよい。あるいは、クエスト進行部117は、クエストが含む1または複数の戦闘において、敵の攻撃を凌いで、所定ターンの間味方キャラクタの全滅を回避することにより、ユーザが該クエストをクリアしたと判定してもよい。
また、クエスト進行部117は、UI制御部113、アニメーション生成部114および表示制御部112を制御して、ユーザが本クイズRPGをプレイするために必要な上述のUIをユーザに提供する。クエスト進行部117は、UI制御部113またはアニメーション生成部114に、GUIを含むゲーム画面を生成させる。クエスト進行部117は、表示制御部112に、生成された該ゲーム画面を表示部152に表示させる。これにより、ユーザがクイズRPGをプレイするためのUIが実現される。
したがって、後に図に基づいて詳述するゲーム画面は、UI制御部113が生成するGUI、アニメーション生成部114が生成するアニメーション、または、これらを組み合わせによって構成される。UI制御部113またはアニメーション生成部114によって生成されたゲーム画面は、表示制御部112によって、ユーザ端末100の表示部152に表示される。表示制御部112、UI制御部113およびアニメーション生成部114は、クエスト進行部117の制御下で、ゲーム画面を表示部152に表示するための処理を実行する。よって、「クエスト進行部117が、ゲーム画面を表示部152に表示する、または、提示する」という記載は、「クエスト進行部117が、UI制御部113またはアニメーション生成部114を制御して、GUIまたはアニメーションを生成させ、表示制御部112を制御して、生成された該GUIまたはアニメーションを含むゲーム画面を表示部152に表示させる」ことを意味する。
本実施形態では、クエストは、難易度、および、戦闘で登場する敵キャラクタの属性などに応じて複数種類提供され、ユーザが複数のクエストの中から挑戦したいクエストを選択できるようになっている。クエスト進行部117は、ユーザによって選択されたクエストをサーバ200の進行支援部211からロードしてユーザ端末100において進行させる。
本実施形態では、クエスト進行部117は、ゲームプログラムに基づいて、ゲームの興趣性を向上させるために以下のステップを実行する機能を有する。具体的には、クエスト進行部117は、複数の選択肢を、ユーザが選択可能に提示するステップ(S2)と、少なくとも1つの選択肢に、ゲームの進行に有利な第1効果を付与するためのユーザの指示を受け付けるステップ(S22)と、ユーザの指示に応答して、少なくとも1つの選択肢に、第1効果を付与するステップ(S24)と、ユーザに選択された選択肢に基づいてゲームを進行させるステップ(S109〜S113)と、選択された選択肢に基づくゲームの進行が所定の要件を満足する場合に(S109でYES)、該選択肢に付与された第1効果を発動させるステップ(S110、S203)と、を実行する。
上述の構成によれば、ゲームの進行内容をユーザの選択に応じて異ならせるために従来設けられていた選択肢それ自体に、ユーザが自分の意思で特殊効果(第1効果)を付与することができる。これにより、ユーザが選択した選択肢に応じてゲームが進行することに加えて、当該進行が所定の要件を満足した場合には、さらに、該選択肢に付与された第1効果が発動される。ユーザは、第1効果が発動されたことによってより有利にゲームを進行させることができる。ユーザは、従来、思い通りにゲームを進行させるために、単に、所望の選択肢を選ぶだけであった。しかし、本願発明によれば、ユーザは、ゲームをより有利に進めるために、選択肢に特殊効果を付与するか否かを検討したり、特殊効果を付与した選択肢をいつ選択するのかを検討したり、付与した特殊効果の内容を考慮したりして、熟慮を重ねて最適な選択肢を選ぶようになる。結果として、戦略性が高まり、ゲームの興趣性を一層向上させることが可能となる。
例えば、上述のゲームプログラムに基づいて、クエスト進行部117が実行するゲームはクイズゲームであってもよい。具体的には、クエスト進行部117は、上述の提示するステップにおいて、選択肢として、問題をユーザに選択させるための出題パネルを複数提示する。クエスト進行部117は、上述のゲームを進行させるステップにおいて、ユーザに選択された出題パネルに紐付けられた問題を提示し(S101)、ユーザより問題に対する解答を受け付け(S105)、解答の正否を判定し(S107)、判定結果に応じた1以上の処理を実行する(S109〜S113)ことにより、前記ゲームを進行させる。クエスト進行部117は、上述の第1効果を発動させるステップにおいて、問題にユーザが正答した場合に(S109でYES)、該問題が紐付いている出題パネルに付与された第1効果を発動させるようにしてもよい(S110、S203)。これにより、ユーザは、出題パネルに付与された特殊効果を得ようとして、より緊張感を持ってクイズに臨むことができる。結果として、クイズゲームの興趣性を向上させることが可能となる。
さらに、上述のゲームプログラムに基づいて、クエスト進行部117が実行するゲームは、クイズRPGであってもよい。具体的には、該クイズRPGは、ユーザが操作可能な味方キャラクタが、敵キャラクタと戦う戦闘を1回以上進行させるクエスト(戦闘パート)を含む。クエスト進行部117が参照するメモリ(例えば、メモリ11)において、味方キャラクタは、戦闘に有利な第2効果を発動させるスキル(能力)および該第2効果の発動条件と対応付けられて記憶される。クエスト進行部117は、上述の第1効果を発動させるステップにおいて、第2効果の発動条件が満たされることを促進する第1効果 、および、発動される第2効果の効果値を高める第1効果の少なくともいずれか一方を発動してもよい。
ユーザは、単にクイズに解答してその正否に応じて戦闘を進めるだけでなく、正答することにより、味方キャラクタの第2効果のスキルを発動させやすくすることができる。あるいは、その第2効果を高めることができる。戦闘をより有利に進めることができるとともに、味方キャラクタが持つスキルを大いに発揮させることが可能となり、ユーザの喜びが増す。
なお、図2に示すサーバ200およびユーザ端末100の機能は一例にすぎない。サーバ200は、ユーザ端末100が備える機能の少なくとも一部を備えていてもよい。また、ユーザ端末100は、サーバ200が備える機能の少なくとも一部を備えていてもよい。さらに、ユーザ端末100およびサーバ200以外の他の装置をゲームシステム1の構成要素とし、該他の装置にゲームシステム1における処理の一部を実行させてもよい。すなわち、本実施形態においてゲームプログラムを実行するコンピュータは、ユーザ端末100、サーバ200、および他の装置の何れであってもよいし、これらの複数の装置の組み合わせにより実現されてもよい。
以下では、本発明の一実施形態としてのクイズRPGを実行するユーザ端末100についてより詳細に説明する。具体的には、ユーザ端末100のクエスト進行部117の機能について説明する。まず、図3、4に基づいて、該ユーザ端末100の基本的構成について説明する。
<クエストの流れ>
図3は、クエスト進行部117がクエストを実行するときの処理の流れを示すフローチャートである。出撃準備部116がクエストの選択と出撃の指示とをユーザから受け付けると、クエスト進行部117は、クエストを開始する。
ステップS1において、クエスト進行部117は、例えば、エンカウント処理を実行してもよい。一例として、エンカウント処理は、(1)クエストをクリアしたときの進行率を100%とした場合の現在の進行率をカウントし、表示すること、(2)主人公またはデッキに編成した味方キャラクタを含むパーティーが進軍中であることを演出するアニメーションを表示すること、(3)敵キャラクタと遭遇したことを演出するアニメーションを表示すること、(4)パーティーを、所定の進行率にて所定の敵キャラクタ群と遭遇させること、および、(5)パーティーを、ランダムでまたは所定の確率でレアな敵キャラクタ群と遭遇させることなどを含む。
ステップS2において、クエスト進行部117は、パーティーを敵キャラクタと遭遇させると、表示を戦闘シーンに移行させて、戦闘の進行を開始する。具体的には、クエスト進行部117は、1つのターンを開始して、当該ターンの初期状態である戦闘画面を表示する。
図4は、クエスト進行部117がステップS2において表示部152に表示させる戦闘画面の一例を示す。戦闘画面300は、一例として、出題パネル301〜304と、1または複数の敵キャラクタから成る敵キャラクタ群305と、味方キャラクタのデッキ306と、連続正答ポイントを示すGUIである連続正答ポイント308とを含む。連続正答ポイントとは、1問も間違えずに連続して正答している問題数に応じて獲得されたポイントである。
ステップS3において、クエスト進行部117は、ゲームプログラムにしたがって、味方キャラクタの行動の前に、敵キャラクタに所定の先制行動を実施させてもよい。
ステップS4において、クエスト進行部117は、ターゲッティング処理を実施してもよい。ターゲッティング処理とは、ユーザの指示にしたがって、どの味方キャラクタにどの敵キャラクタを攻撃させるのかを決定する処理である。ユーザは、例えば、戦闘画面300において、味方キャラクタのカードが表示されている領域を始点として、攻撃相手の敵キャラクタのカードが表示されている領域までスライド操作する。このスライド操作により、ユーザは、攻撃主体と攻撃対象とを指定することができる。
ステップS5において、クエスト進行部117は、ユーザの指示にしたがって、スキルを発動する処理を実施してもよい。本実施形態では、味方キャラクタには、スキルと称される能力が設定されている。味方キャラクタがスキルを発動すると、戦闘に有利に効果がもたらされる。スキルについては後に詳述する。
ステップS6において、クエスト進行部117は、操作受付部111を介して出題パネルの選択を受け付ける。例えば、ユーザは、戦闘画面300の出題パネル301〜304のうちの1つをタップ操作して選択する。クエスト進行部117は、操作受付部111が検知したタップ位置に基づいて、いずれの出題パネルが選択されたのかを判別する。
ステップS7において、クエスト進行部117は、クイズを実行する。具体的には、選択された出題パネルに紐付けられている問題を提示し、併せて解答GUIを提示して、ユーザの解答を受け付ける。
ステップS8において、クエスト進行部117は、クイズの実行結果に応じて、攻撃などの所定の行動を味方キャラクタに実施させる。味方キャラクタが敵キャラクタに攻撃することにより、味方キャラクタは、敵キャラクタにダメージを与えることができる。クエスト進行部117は、与えたダメージの大きさに相当するダメージ値を、敵キャラクタの体力から減算する。
ステップS9において、クエスト進行部117は、敵キャラクタ群305を構成するすべての敵キャラクタの体力が0になったか否かを判定する。そして、体力が0を超える敵キャラクタが1体でも残っている場合には(NO)、ステップS10に進む。
ステップS10において、クエスト進行部117は、生き残っている該敵キャラクタに、味方キャラクタを攻撃させる。
一方、ステップS9において、すべての敵キャラクタの体力が0になった場合には(YES)、クエスト進行部117は、ステップS11に進み、味方キャラクタの勝利により当該戦闘が終了したと判断する。
ステップS12において、クエストに含まれているすべての戦闘が終了した場合には(YES)、クエスト進行部117は、ステップS13に進む。
ステップS13において、クエスト進行部117は、該クエストをクリアしたと判断し、クリア報酬をユーザに付与して、該クエストを終了する。
一方、ステップS12において、まだプレイしていない戦闘が残っている場合には(NO)、クエスト進行部117は、ステップS1に戻り、次の戦闘に関して、以降の処理を同様に繰り返す。
なお、次の戦闘が開始されるとき、ステップS2において、クエスト進行部117は、終了した先の戦闘において提示した各出題パネル(例えば、図4に示す出題パネル301〜304)のいずれとも異なる出題パネルを含んだ戦闘画面300を新たに表示部152に表示させる。つまり、先の戦闘で提示された出題パネルに付与された特殊効果は、次の戦闘で提示される出題パネルに引き継がれない。これにより、出題パネルに特殊効果を付与するタイミング(ターン)、または、特殊効果が付与された出題パネルを選択するタイミング(ターン)について、ユーザは、戦闘パートにおいて最大の利益を得られるように、最適なタイミング(ターン)を熟考するように促される。結果として、戦闘パートにおける戦略性が高まり、ゲームの興趣性が向上する。
これに対し、ステップS10の後、ステップS14において、敵キャラクタからの攻撃を受けても、デッキ306に編成されたすべての味方キャラクタの体力が0にならないうちは(NO)、クエスト進行部117は、ステップS2に戻り、次のターンに関して、以降の処理を同様に繰り返す。
一方、ステップS14において、すべての味方キャラクタの体力が0になった場合には(YES)、クエスト進行部117は、ステップS15に進み、味方キャラクタの敗北により当該戦闘が終了したと判断する。
ステップS16において、クエスト進行部117は、該クエストのクリアに失敗したと判断し、クリア報酬を付与することなく、該クエストを終了する。
<カードDB>
図5は、カードDBのデータ構造の一例を示す図である。カードDBは、ユーザが所持するカードを一元管理するためのデータベースである。カードDBは、例えば、ユーザ端末100の記憶部120において、ゲーム情報132として格納されている。各ユーザ端末100が保持するゲーム情報132は、サーバ200にフィードバックされ、サーバ200の記憶部220に格納されていてもよい。この場合、カードDBには、ユーザ識別情報が紐付けられ、サーバ200においてユーザごとに管理される。あるいは、カードDBは、サーバ200の記憶部220においてユーザごとに格納されていてもよい。この場合、ユーザ端末100は、必要に応じてサーバ200に対してユーザのカードDBを要求し、取得する。
カードDBは、一例として、カードID、カード名、基本パラメータ、および、戦闘能力パラメータの各項目を含む。
カードIDは、ユーザの手持ちのカードをゲームシステム1上で一意に管理するためのものである。本実施形態では、ユーザは、同じキャラクタのカードを複数枚重複して所持することができる。したがって、キャラクタが同じでもカードが複数枚ある場合には、それぞれのカードを識別するために、それぞれのカードに異なるカードIDが付与される。カード名は、該カードに対応するキャラクタの名前を指す。
(基本パラメータ)
基本パラメータは、キャラクタの性質に関する各種パラメータを指す。基本パラメータは、戦闘の進行中に変動することのないパラメータである。基本パラメータとしては、一例として、希少度、レベル、コスト、および、属性などがある。
希少度は、カード(キャラクタ)の希少価値を等級で表したものである。一般に、ゲーム上、特に、戦闘において良好な結果をもたらすキャラクタ、すなわち、戦闘能力の高いキャラクタには、上級の希少度が設定されている。本実施形態では、希少価値の高い等級から順に、「S」、「A」、「B」、および、「C」のアルファベットにより希少度が設定される。
なお、希少度は、例えば、カードの入手困難性、より具体的には、カードが当たる抽選における当選確率、クエストのクリア報酬として入手される場合のクエストの難易度、または、有償入手の場合の価格などと相関があってもよい。カードの希少度が高いほど、該カードの入手困難性は高くなる。
レベルは、キャラクタの強化度合を示すパラメータである。レベルが上がるほど、戦闘において参照される戦闘能力パラメータが高くなる。なお、デッキ編成パートにおいて、キャラクタを強化素材などによって強化することにより、キャラクタのレベルを上げて、キャラクタの能力を高めることができてもよい。
コストは、キャラクタをデッキに組み入れる対価として消費される値であり、キャラクタごとに設定されている。一般的に、キャラクタが持つゲーム内の価値が高いほど、つまり、戦闘能力が高いキャラクタほど、コストは高く設定されている。
−属性について−
属性は、キャラクタを性質で分類した場合にどの性質に該当するのかを示すパラメータである。本実施形態では、一例として、各キャラクタには、火、雷、および、水の3つの属性のいずれかが設定される。属性は、味方キャラクタにも敵キャラクタにも設定されていてもよい。また、各キャラクタには、「火+水」など複数の属性が設定されていてもよい。以下では、このようなキャラクタを複属性キャラクタと称する。
デッキに組み入れられた味方キャラクタの属性は、戦闘における各種の値を決定したり、味方キャラクタの行動を決定したりするために、戦闘の進行中においても参照される。各属性には、互いに、有利な属性および不利な属性が設定されていてもよい。例えば、火は雷に、雷は水に、水は火に対して有利であるように設定されていてもよい。より具体的には、戦闘において、火属性のキャラクタは、雷属性の敵キャラクタに対して、通常よりも多くのダメージを与えられるなどが考えられる。また、戦闘パートにおいて、同属性同士の味方キャラクタが戦闘に有利な相互作用を与え合うことなどが考えられる。
本実施形態では、戦闘中に提示される出題パネルにも、属性が設定されている。例えば、クエスト進行部117は、問題にユーザが正答すること、かつ、味方キャラクタが、該問題が紐付いている出題パネルに設定されている属性を少なくとも1つ有していることを条件に、戦闘に係る所定の行動を該味方キャラクタに実施させる。つまり、出題パネルに設定されている属性と同じ属性を持つ味方キャラクタだけがそのターンの攻撃に参加できるように、クエスト進行部117が進行を制御する。
したがって、設定されている属性の数が多い出題パネルほど、それに正答した場合に、より多くの味方キャラクタを攻撃に参加させることができるため、戦闘に勝利しやすくなる。
ここで、クエスト進行部117は、出題パネルに紐付いている問題の難易度が高いほど、多くの数の属性が該出題パネルに設定されるように、出題パネルを提示することが好ましい。これにより、戦闘における戦略が多様化し、ゲームの興趣性を一層向上させることが可能となる。例えば、ユーザは、攻撃参加できる味方キャラクタが少なくなっても、誤答のリスクを回避して難易度の低い問題に挑戦することもできるし、できるだけ多くの味方キャラクタを攻撃参加させるために、あえて難易度の高い問題に挑戦することもできる。
本実施形態では、クエスト進行部117は、戦闘に係る所定の行動(攻撃など)を実施する条件を満たす味方キャラクタに、該所定の行動を、該味方キャラクタが有するすべての属性について実施させることが好ましい。これにより、クエスト進行部117は、ユーザが問題に正答した場合に、該問題が紐付いている出題パネルに設定されている属性を少なくとも1つ有する味方キャラクタに、攻撃などの所定の行動を、該味方キャラクタが有する属性の数に相当する回数分実施させることができる。
例えば、クエスト進行部117は、火属性1色または火+雷属性の2色の出題パネルの問題にユーザが正答した場合に、火+水の属性を持つ味方キャラクタに、火属性の攻撃行動を1回、水属性の攻撃行動を1回、計2回の攻撃行動を実施させる。ここで、クエスト進行部117は、出題パネルの属性と一致していない水属性分の攻撃行動に関しては、該味方キャラクタの攻撃力を50%に補正した上でダメージ値を算出することが好ましい。
また、例えば、クエスト進行部117は、火+水属性の2色の出題パネルの問題にユーザが正答した場合に、火+水の属性を持つ味方キャラクタに、同じく、計2回の攻撃行動を実施させる。ここで、クエスト進行部117は、火属性、水属性ともに、味方キャラクタが有する属性と、出題パネルに設定されている属性とが一致しているので、2回とも該味方キャラクタが本来持つ攻撃力に基づいてダメージ値を算出する。
このように、複属性キャラクタは、1つの属性しか有しない単属性キャラクタと比較して攻撃など戦闘に係る行動を起こす機会を多く得られる。ユーザは、この点に魅力を感じながら、また、この点を活かせるクエストにて、所有する複属性キャラクタを戦闘に参加させてゲームを楽しむことができる。
(戦闘能力パラメータ)
戦闘能力パラメータは、戦闘におけるキャラクタの性能を規定するものである。戦闘能力パラメータは、戦闘の進行中に変動し得るパラメータである。戦闘能力パラメータとしては、一例として、体力、攻撃力、および、スキルなどがある。
体力は、キャラクタの体力を規定するパラメータであり、例えば数値で表される。該数値は、戦闘において、敵キャラクタから攻撃を受けることによって減じられ、体力が0になれば、そのキャラクタは戦闘不能となる。体力は、敵キャラクタにも設定されており、味方キャラクタの攻撃によって、すべての敵キャラクタの体力を0にすることで、戦闘に勝利できる。
攻撃力は、敵キャラクタに対してダメージを与える力を規定するパラメータであり、例えば数値で表される。数値が大きいほど、ダメージを与える力が強いことを意味する。本実施形態では、攻撃力は、キャラクタが通常行う攻撃、および、一定の条件下で後述するスキルを発動することによりキャラクタが行う特別攻撃(以下、特攻)によって、敵キャラクタの体力をどれだけ奪えるのかに影響する。本実施形態では、敵キャラクタの体力の数値をどれだけ減じられるのかを示すダメージ値を、味方キャラクタの攻撃力に基づいて算出する。
−スキルについて−
スキルは、キャラクタのそれぞれが固有に備える能力であり、戦闘において所定の条件に基づいて発動できる能力である。スキルは、戦闘において、味方キャラクタにとって有利な効果(第2効果)をもたらす。スキルの作用は、味方キャラクタに直接及んでもよいし、敵キャラクタに及ぶことによって間接的に味方キャラクタが有利になってもよい。
スキルの具体例として、例えば、敵キャラクタに対して特攻によりダメージを与えるスキル、味方キャラクタの攻撃力が一時的にアップするスキル、味方キャラクタの体力が回復するスキル、敵キャラクタからの攻撃により受けるダメージを軽減するスキル、および、敵キャラクタの守備力を下げるスキルなどがあってもよい。これらのスキルが発動可能となる条件は、すべてのキャラクタにおいて共通であってもよいし、キャラクタごとに異なっていてもよい。
本実施形態では、一例として、各キャラクタは、発動条件に応じて2種類のスキルを有する。1つ目は、速答スキルである。速答スキルは、問題が提示されてから所定時間内に、ユーザが早く正答できたことを発動可能条件にして、発動されるスキルである。本実施形態では、クエスト進行部117は、ユーザが所定時間以内に正答した後、これに基づいて、各キャラクタが攻撃行動を実施するときに、各キャラクタの速答スキルを自動的に発動させる。速答スキルとしては、具体的には、そのターンに実施される攻撃の攻撃力が一時的にアップするスキル、または、味方キャラクタの体力が回復するスキルなどがある。
速答スキルの項目には、図示のとおり、速答スキルの内容と、該速答スキルの効果値とが含まれている。効果の程度は、例えば、数値で表される。スキルの効果の程度を表す数値、すなわち効果値として、例えば、「300%(のダメージ)」とは、味方キャラクタの攻撃力の3倍の数値に基づいて算出されたダメージ値で以て敵キャラクタに攻撃することを意味する。速答スキルの発動条件が、上述のとおり、全キャラクタに共通である場合は、速答スキルごとに発動条件の項目を設けることを省略してもよい。
2つ目は、累積スキルである。累積スキルは、複数ターンに亘って、ユーザが正答を重ね、累積正答数に基づくポイントの累計(以下、累積正答ポイント)が所定値に到達したことを条件にして、発動可能となるスキルである。本実施形態では、累積スキルは、ユーザがあるターンにて正答し、累積正答ポイントが発動条件となる所定値に到達した場合に、その次のターン以降において、ユーザの操作にしたがって手動で発動される。累積スキルとしては、そのターンに提示される出題パネルの属性を変更したり、属性数を増やしたりするスキル(以下、属性変更スキル)、クイズの正答によって実施できる通常の攻撃とは別に、敵キャラクタ単体または全体に特攻を行うスキル、出題後のタイミングで、正解のヒントをユーザに提示するスキル(以下、正答支援スキル)などがある。
例えば、ある味方キャラクタが、提示された出題パネルに設定されている属性の数を、該出題パネルに紐付いている問題の難易度を変更することなく増やす効果を発動させる属性変更スキル(能力)を有しているとする。この場合、クエスト進行部117は、図3に示すステップS2にて出題パネルが提示された後、ステップS6にて出題パネルの選択をユーザから受け付ける前に、該味方キャラクタに上述の属性変更スキルによって上述の効果を発動させるステップ(ステップS5)を実行する。
また、敵キャラクタに対して特攻によりダメージを与える累積スキルの中でも、とりわけ、本実施形態では、設けられた制限時間内で多くの小問題に取り組み、正答した数だけ連続して特攻ダメージを与えるスキル(以下、連続特攻スキル)がある。図5に示すカードDBに登録されている味方キャラクタの1つに、累積スキルとして、上述の連続特攻スキルが対応付けられていてもよい。
また、累積スキルとして、出題パネル(例えば、図4に示す出題パネル301〜304)に特殊効果(第1効果)を付与するスキル(以下、効果付与スキル)がある。出題パネル(選択肢)に基づくゲーム(戦闘パート)の進行が所定の要件を満足する場合に、該出題パネルに付与された特殊効果が発動するというものである。図5に示すカードDBにおいて、例えば、カードID「0002−01」の第2キャラクタには、累積スキルとして、上述の効果付与スキルが対応付けられている。該効果付与スキルを発動させるためのクエスト進行部117の機能については後に詳述する。
特殊効果は、一例として、ユーザが問題に1問正答する度に、1問相当分のポイントが加算される累積正答ポイントに、ボーナスとして余分にポイントを加算するボーナス加算効果である。所定の要件とは、一例として、ユーザが、特殊効果が付与された出題パネルからの問題に正答することである。
本実施形態では、さらに、味方キャラクタに対応付けられている効果付与スキルにおける特殊効果の効果値について、付与対象の出題パネルに設定されている属性の数に応じて異なる値が規定されていてもよい。例えば、出題パネルの属性数が多ければ多いほど、すなわち、出題パネルに紐付いている問題の難易度が高いほど、該問題に正答したときに発動する特殊効果の効果値が高くなるように効果値が規定されていることが好ましい。
図5に示す例では、出題パネルに設定されている属性数が多ければ多いほど、ボーナス加算効果の効果値も高くなっている。つまり、属性数が多くしたがって難易度の高い問題に正答するほど、より多くの累積正答ポイントがボーナスとして加算される。累積正答ポイントが早く貯まることは、累積スキルの発動条件を早く満たすことを意味し、戦闘を有利に進められることにつながる。したがって、ユーザは、戦闘を有利に進めるために、累積正答ポイントを早く貯めようとして、難易度が高い問題に挑戦することを動機付けられる。
例えば、ある味方キャラクタが、提示された出題パネルにボーナス加算効果(特殊効果、第1効果)付与する効果付与スキル(能力)を有しているとする。この場合、クエスト進行部117は、図3に示すステップS2にて出題パネルが提示された後、ステップS6にて出題パネルの選択をユーザから受け付ける前に、該味方キャラクタに上述の効果付与スキルによって上述のボーナス加算効果を、提示されている出題パネル(例えば、図4に示す出題パネル301〜304)に付与するステップ(ステップS5)を実行する。
累積スキルの項目は、図示のとおり、累積スキルの内容とその効果値を示すサブ項目、および、該累積スキルの発動条件を示すサブ項目とを有する。
カードDBにおいて、味方キャラクタは、段階的に区分された複数の累積スキルが対応付けられている。複数の累積スキルには、それぞれの段階に相当する厳しさにて発動条件が設定されるとともに、それぞれの段階に相当する有利さにて効果が設定されている。具体的には、本実施形態では、累積スキルは、効果の有利性が段階的に異なる複数のスキル(例えば、1次スキルおよび2次スキル)を含んでいてもよい。より高次のスキルほど、高い効果値が得られるが、その分発動条件も厳しく設定される。第1発動条件は、より低次の1次スキルの発動条件を示し、第2発動条件は、より高次の2次スキルの発動条件を示す。図示の例では、キャラクタ「フェアリー」の累積スキルのうち、1次スキルは、累積正答数「5問」の条件を満たせば発動できるスキルであるが、その効果値は300%である。これに対して、2次スキルは、累積正答数「7問」と発動条件がより厳しくなっているが、その分、より高い効果値400%にて特攻ダメージを与えられるスキルとなっている。
クエスト進行部117は、戦闘において、累積スキルの発動条件が満たされ、ユーザから発動の指示を受け付けると、カウントされた累積正答ポイントをリセットした上で、該累積スキルを発動させる。これにより、ユーザは、効果値が低めの1次スキルを頻発するか、より多くのターンを要してでも2次スキルによってより高い効果を得るのかを、選択しながら戦闘をプレイすることになる。したがって、戦闘における戦略が多様化し、ゲームの興趣性がより一層高まる。
クエスト進行部117は、クエストの進行中、複数の戦闘および複数のターンに亘って、誤答することなく連続で正答した数を積算し、この連続正答数に基づく連続正答ポイントをカウントしてもよい。連続正答数をそのまま連続正答ポイントとしてカウントしてもよい。クエスト進行部117は、ユーザが誤答した時点で連続正答ポイントをリセットするが、それまでは、1つのクエスト内で戦闘をまたいで連続正答ポイントを積算する。この連続正答ポイントは、スキルによって得られる効果値に影響を与えてもよい。例えば、連続正答数によって効果値が段階的に異なるようにスキルが定義されてもよい。図示の例では、キャラクタ「フェアリー」の速答スキルは、連続正答数が5問未満のとき、効果値が100%のところ、連続正答数が5問以上のとき、効果値が150%にアップするように定義されている。これにより、ユーザは、速答スキルを得るために、所定時間内で正答することと、より高い効果を得るために、毎ターン誤答しないように慎重に解答することとが求められる。結果として、戦闘中のクイズ要素に緊張感を生み出すことができ、ゲームの興趣性がより一層高まる。
なお、本実施形態では、上述の効果付与スキルのボーナス加算効果において、ボーナスポイント加算される対象のポイント累計の一例として、累積正答ポイントを挙げた。しかしこれに限らず、該累積正答ポイントに代えて、あるいは、加えて、連続正答ポイントのボーナスポイントが加算されるボーナス加算効果があってもよい。
以上で説明したとおり、カードDBにおいて、キャラクタには、それぞれに、基本パラメータと戦闘能力パラメータとが設定されている。具体的には、味方キャラクタのそれぞれには1または複数の属性が対応付けられ、また、味方キャラクタのそれぞれには、速答スキルおよび累積スキルなどの能力が対応付けられて記憶部120に記憶されている。ユーザは、手持ちのカードのキャラクタに設定されている、基本パラメータ(特に属性)と戦闘能力パラメータ(特にスキル)とを考慮して、図4に示すデッキ306に組み入れるキャラクタを選択する。このように様々な特徴を持つ多様なキャラクタを、その性能を十分に理解した上で、戦略的にデッキに組み入れることが、クエストクリアの重要な鍵となる。したがって、デッキ編成パートも、ゲームの興趣性をより一層高めることに大いに貢献している。
<データ構造>
(タイプ定義データ)
図6は、タイプ定義データのデータ構造の一例を示す図である。タイプ定義データは、ユーザに出題される問題のタイプを定義する情報である。タイプ定義データは、ゲームプログラム131の一部として記憶部120および記憶部220の少なくともいずれかに格納されている。タイプ定義データは、「出題タイプ」、「難易度」、「正答率」および「初期設定」の各項目を有する。
出題タイプは、ユーザに提示される問題のタイプを定義する情報である。本実施形態では、クエスト進行部117は、一例として、1のタイプの問題を出題する。該タイプとはすなわち、単解答問題である。別の実施形態では、単解答問題とは別のタイプの問題が出題されてもよい。該別のタイプとはすなわち、複解答問題である。それぞれの出題タイプについては後に詳述する。
難易度は、ユーザに提示される問題の難易度を定義する情報である。本実施形態では、出題タイプが単解答問題である問題に対して難易度が設定される。本実施形態では、一例として、問題の難易度は、該問題の正答率に基づいて決定される。具体的には、問題の正答率が低いほど、該問題の難易度は高く設定される。例えば、難易度は、正答率に応じて、「低」、「中」、「高」の3段階で、問題ごとに設定される。
正答率は、複数のユーザのプレイ履歴をサーバ200が集約することにより得られる。例えば、1つの問題が、100人のユーザの各ユーザ端末100に配信されたとする。80人のユーザのユーザ端末100から、正答の履歴がフィードバックされ、残り20人のユーザのユーザ端末100から、誤答の履歴がフィードバックされた場合、サーバ200は、該問題の正答率を80%と特定する。サーバ200は、正答率が80%であることに基づいて、該問題の難易度を「中」と決定することができる。サーバ200は、常に流動する正答率に応じて、各問題の難易度を変更してもよい。
初期設定は、出題パネルに最初に設定する属性の数を定義する情報である。本実施形態では、出題パネルから出題される問題は、単解答問題であるので、単解答問題の難易度に応じて、属性の数が定義されている。別の実施形態において、複解答問題には、難易度および属性は設定されなくてもよい。複解答問題に係る正答率も管理されなくてよい。
クエスト進行部117は、上述のタイプ定義データを参照し、出題パネルに紐付けられている単解答問題の難易度に応じて、該出題パネルに設定する属性の数を決定する。
本実施形態では、属性は、一例として、水、火、雷の3種類が定められているため、出題パネルには、最大で3つの属性を設定することができる。クエスト進行部117は、出題パネルに最初に設定する属性数を、該出題パネルに紐付いている問題の難易度に基づいて決定する。例えば、クエスト進行部117は、出題パネルに紐付いている問題の難易度が高いほど、多くの数の属性を該出題パネルに設定する。
具体的には、クエスト進行部117は、タイプ定義データにしたがって、難易度「高」の単解答問題が紐付けられた出題パネルに対して、属性を3つ設定し、難易度「中」の単解答問題が紐付けられた出題パネルに対して、属性を2つ設定し、難易度「低」の単解答問題が紐付けられた出題パネルに対して、属性を1つ設定する。なお、上述の属性変更スキルが発動された場合には、クエスト進行部117は、それにしたがって、各出題パネルの属性を初期設定から変更する。
−出題タイプについて−
上述のとおり、クエスト進行部117は、単解答問題 、および、複解答問題の2種類のタイプの問題を出題することができる。
単解答問題とは、1つの問いに対して、ユーザが解答を入力する機会が1回与えられ、該1つの解答について正否の判定が1回行われる問題のことを指す。単解答問題としては、例えば、1つの問いに対して、(1)複数の選択肢の中から正解を1つ選ぶ、1問1答形式の問題、(2)複数の選択肢の中から正解を2以上選ぶ、1問多答形式の問題、(3)正解に該当する文字列を完成させるように欠落した文字を埋める、穴埋め形式の問題、(4)左右のそれぞれに配置された文字列が正しい組み合わせとなるように線で結ぶ、線結び形式の問題、および、(5)予め用意された文字列のバーを上下にスライドさせて、正解に該当する文字列が横一列に揃える、スライド形式の問題などがある。
複解答問題とは、1つの問いに対して、複数の小問題が関連付けられており、ユーザが該小問題ごとに解答を入力する機会が与えられるタイプであって、その小問題ごとの解答について正否の判定が行われる問題のことを指す。すなわち、入力された解答の個数分、正否の判定が行われる。複解答問題としては、例えば、1つの問いに対して、複数の選択肢の中から正解を1つ選ぶ択一形式の小問題を、ユーザに複数個提示して、該小問題に対する解答を入力させる形式が想定される。例えば、クエスト進行部117は、正解に対応する、ユーザが選択可能な1つの画像と、不正解に対応する、ユーザが選択可能な1以上の画像とで構成されたGUIを、上述の1つの小問題に対応する1つの解答GUIとして提示する。これを1つの問いに紐付けられた小問題ごとに繰り返す。選択肢としての各画像は、正しい解答の内容または誤りの解答の内容を非言語的に表現した画像であることが好ましい。例えば、クエスト進行部117が、「最も長いのはどれ?」という1つの問いに対して、様々な長さの棒の画像群を1つの小問題としてまとめ、該画像群の画像の中から正解と思う1つの画像(一番長い棒の画像)をユーザが選択できるように提示することにより、解答GUIが実現される。
本実施形態では、複解答問題において、小問題を出題する期間についてあらかじめ制限時間が設けられる。一方、小問題の出題数には、あらかじめ定められた上限は設けられない。また、ユーザが制限時間内で正答する小問題の数(以下、小問正答数)にも上限は設けられない。したがって、クエスト進行部117は、小問題の出題数および小問正答数に依存することなく、制限時間が許す限り、小問題を出題し続ける。
本実施形態では、さらに、複解答問題において、ユーザが制限時間内で正答する小問題の数(以下、小問正答数)に上限が設けられてもよい。したがって、クエスト進行部117は、小問正答数が設けられた上限に到達しないうちは、小問題の出題数に依存することなく、制限時間が許す限り、小問題を出題し続ける。
(パネルデータ)
図7は、パネルデータのデータ構造の一例を示す図である。パネルデータは、戦闘中に表示部152に表示される戦闘画面300(図4)において提示されている出題パネルを定義する情報である。パネルデータは、ゲーム情報132の一部として、クエストが進行している間、記憶部120に格納されている。
本実施形態では、一例として、戦闘画面300において一度に提示される出題パネルは4つである。したがって、図7に示すパネルデータは、4つの出題パネルをそれぞれ定義する。パネルデータは、一例として、「パネル名」、「出題タイプ」、「属性」、「問題ID」、および、「特殊効果」の各項目を有している。
パネル名は、出題パネルが配置されている位置に基づいて各出題パネルを識別するための呼称を示す。図4を参照して、4つの出題パネル301〜304は、それぞれ、右上、左上、右下、左下に配置されている。一例として、右上に配置されている出題パネルを第1パネル、左上の出題パネルを第2パネル、右下の出題パネルを第3パネル、左下の出題パネルを第4パネルと称する。図示の例では、第1パネルのレコードは、右上に配置されている出題パネル301を定義する情報を有している。
出題タイプは、クエスト進行部117が各位置の出題パネルに紐付けた出題タイプを示す。クエスト進行部117は、出題タイプとして単解答問題を紐付けた場合には、さらに、難易度を設定してもよい。クエスト進行部117は、各位置の出題パネルに紐付ける出題タイプと難易度とを、サーバ200の進行支援部211の指示にしたがって決定してもよいし、選択されたクエストの特性にしたがって決定してもよい。あるいは、ゲームプログラムによって、複属性が設定された出題パネルの出現タイミングまたは出現頻度が予め規定されている場合には、該規定にしたがって、出題パネルに紐付ける難易度を決定してもよい。
属性は、クエスト進行部117が各位置の出題パネルに設定した属性を示す。例えば、クエスト進行部117は、出題パネルに設定する属性の数を、上述の難易度にしたがって決定する。本実施形態では、属性は、水、火、雷の3種類である。したがって、出題パネルに設定する属性の数が2つの場合には、設定される属性の組み合わせパターンは3通りあり、また、属性の数が1つの場合にも、設定される属性は、種類の数だけ3通りある。クエスト進行部117は、出題パネルに設定する属性の数が2つ未満の場合には、設定する属性をランダムに決定する。
問題IDは、出題パネルに紐付けられた問題を一意に識別するための識別情報である。各位置の出題パネルに紐付ける問題は、クエスト進行部117によって選択されてもよいし、サーバ200の進行支援部211によって選択されてもよい。
例えば、クエスト進行部117は、出題パネルに紐付ける問題として、該出題パネルについて先に決定した難易度に合致する単解答問題を、後述する問題データベース(以下、DB)から抽出する。図示の例では、クエスト進行部117は、第1パネルの出題タイプを「単解答問題(難易度:中)」と決定した。そこで、クエスト進行部117は、難易度が「中」の単解答問題を問題DBから1問抽出し、該単解答問題の問題IDを、第1パネルのレコードに紐付ける。
クエスト進行部117は、サーバ200の進行支援部211からの指示にしたがって、戦闘画面300に提示する出題パネルのパネルデータを図7に示すようにして生成してもよい。あるいは、クエスト進行部117は、ランダムに、または、進行中のクエストに予め定められている制約にしたがって、出題パネルのパネルデータを生成してもよい。図3に示すステップS2において、クエスト進行部117は、上述のようにして生成したパネルデータを参照し、該パネルデータに基づいて、図4に示す戦闘画面300に出題パネルを配置する。ここでは、各出題パネルには、特殊効果が付与されていない。したがって、特殊効果の項目には、ステップS2の時点では、何の値も格納されていない。
特殊効果は、出題パネルに付与されている特殊効果を定義する情報である。ステップS5において、味方キャラクタによって効果付与スキルが発動された場合、クエスト進行部117は、カードDBを参照し、該味方キャラクタに対応付けられている効果付与スキルにしたがって、特殊効果を、それぞれの出題パネルに紐付ける。一例として、図5に示す、カードID「0002−01」のキャラクタの効果付与スキルが発動されたとする。この場合、クエスト進行部117は、属性が2つの第1パネルには、連続正答ポイントが2問分と、累積正答ポイントが1問分とが、ボーナスとして余分に加算されるボーナス加算効果を付与する。クエスト進行部117は、属性が3つの第4パネルには、より高い効果値にてボーナス加算効果を付与する。クエスト進行部117は、属性が1つの第2パネルには、より低い効果値にてボーナス加算効果を付与する。
クエスト進行部117は、ユーザが、選択した出題パネルからの問題に正答した場合に、まず、該正答に伴う、1問分のポイントを、連続正答ポイントおよび累積正答ポイントのそれぞれに加算する。そして、図7に示すパネルデータを参照し、ユーザが正答した上述の出題パネルに特殊効果が紐付けられている場合には、該特殊効果にしたがって、該出題パネルに紐付いている効果値分のポイントを、連続正答ポイントおよび累積正答ポイントのそれぞれに加算する。本実施形態では、クエスト進行部117は、ユーザが問題に正答しなかった場合には、該問題の出題パネルに特殊効果が付与されていたとしても該特殊効果を発動させない。
(問題DB)
図8は、問題DBのデータ構造の一例を示す図である。問題DBは、クエスト進行部117が戦闘中にユーザに提示する問題を集約したものである。各図には、数問の問題が図示されているだけであるが、実際には、膨大な数の問題が該問題DBに登録されている。ユーザに提示される問題は、条件に基づいて抽出された問題の中からランダムに1つ選択される。したがって、問題DBに登録する問題数が多いほど、同じユーザに同じ問題が出題される確率を下げることができる。
問題DBは、基本的には、サーバ200の記憶部220に格納されており、問題は、進行支援部211からクエスト進行部117へ必要に応じて供給される。例えば、クエスト開始のタイミングで、問題DBごとユーザ端末100に提供されてもよいし、戦闘開始のタイミングの都度、問題DBの一部を抜粋したものがユーザ端末100に提供されてもよいし、戦闘進行中のユーザ端末100において出題パネルを提示するタイミングの都度、1問ずつサーバ200からユーザ端末100に提供されてもよい。
−単解答問題のDB−
本実施形態では、出題タイプごとに問題DBが構築される。図8は、単解答問題のDB(第1DB)のデータ構造を示す。第1DBは、一例として、「問題ID」、「ジャンル」、「解答形式」、「問題文」、「解答GUI」、「正答」、および、「正答率」の各項目を有している。
問題IDは、問題を一意に識別するための識別情報を示す。ジャンルは、問題が属しているジャンルを示す。例えば、ジャンル「芸能」は、その問題が芸能に関する事物を問う問題であることを意味する。解答形式は、問題の解答形式を示す。上述したとおり、単解答問題にはさまざまな解答形式がある。問題文は、問題としてユーザに提示する文章を示す。問題文は例えばテキストデータとして格納されている。
解答GUIは、上述の問題文によって問われたことに対する解答をユーザが入力するための解答GUIを構築するために必要な情報を示す。解答GUIは、どのようなデータ形式で格納されていても構わない。ユーザ端末100のクエスト進行部117が、該解答GUIの項目に格納されている情報を処理して、表示部152に解答GUIを表示させることが可能なデータ形式であれば何でもよい。例えば、クエスト進行部117は、1問1答形式の、問題IDが「SQ001」の問題に対して、該第1DBにおける解答GUIの項目を参照し、「SQ001」の問題に対応する解答GUIを構築する。より具体的には、クエスト進行部117は、解答Aを示した第1選択肢、解答Bを示した第2選択肢、解答Cを示した第3選択肢、解答Dを示した第4選択肢、の4つのボタンを配置し、4つのうちのいずれか1つのボタンだけをユーザがタッチ操作で選択できるように解答GUIを構築する。
正答は、問題に対する正しい答えを示す。クエスト進行部117は、上述の解答GUIを介してユーザから入力された解答と、該正答の項目に格納されている答えとを比較して、ユーザの解答の正否判定を行う。
正答率は、問題の正答率を示す。上述したとおり、サーバ200は、各ユーザのユーザ端末100からプレイ履歴を集約しており、各ユーザがどの問題に正答したか、あるいは誤答したかを記録している。サーバ200は、本ゲームがプレイされているすべてのユーザ端末100における問題の総出題回数と、すべてのユーザ端末100において該問題が正答された総正答回数とに基づいて正答率を求めることができる。サーバ200は、定期的にプレイ履歴を分析して、各問題の正答率を更新してもよい。進行支援部211またはクエスト進行部117は、問題に対応付けられている正答率に基づいて、出題パネルに紐付けるべき問題を、第1DBから抽出することができる。
(クエスト進捗カウンタ)
図9は、クエスト進捗カウンタのデータ構造を示す。クエスト進捗カウンタは、クエストの開始時に初期化され、該クエストの進行中、該クエストが終了するまでの間、クエスト進行部117によって編集されたり、読み出されたりする。クエスト進捗カウンタは、ユーザ端末100の記憶部120に格納されている。クエスト進捗カウンタは、一例として、「連続正答ポイント」、「出題数」および「総正答数」の各項目を有している。
連続正答ポイントは、ユーザが複数のターンに亘って連続で問題に正答した数である連続正答数に基づいてユーザに付与されるポイントの累計(ポイント累計)を示す。本実施形態では、基本的に、連続正答数1問を、連続正答ポイント1問に対応させる。例えば、連続正答ポイント「5問」は、後述する例外を除いて、ユーザが、5ターンの間、一度も誤答することなく、5問連続で正解していることを示す。クエスト進行部117は、ユーザが誤答しない間、ユーザが問題に正答する度に、連続正答ポイントを1つ増分する。ユーザが誤答した場合、クエスト進行部117は、連続正答ポイントを0にリセットする。連続正答ポイントは、クエスト進行部117が、戦闘中に発動された味方キャラクタのスキルによって得られる効果値を特定したり、スキルの発動条件が満たされたか否かを判定したりするために参照される。
なお、連続正答ポイントを所定数消費することを発動条件とする累積スキルが存在してもよい。例えば、「連続正答ポイントN問を消費して、敵にダメージ」といった累積スキルがある場合、クエスト進行部117は、該スキルを発動させるときに、連続正答ポイントをN問分だけ減じる。あるいは、戦闘中、所定の条件下で、連続正答ポイントを加算する効果が発動してもよい。例えば、「この問題に正答したら、連続正答ポイント+2問加算」といった効果が発動した場合、通常付与される連続正答ポイント1問に加えて、2問分のポイントが加算される。このような場合に、例外として、連続正答ポイントが、ユーザが実際に成し遂げた連続正答数と一致しないことが起こり得る。
出題数は、クエスト内で出題された問題の数を示す。本実施形態では、戦闘の1ターンにつき1問、問題が出題される。したがって、出題数は、ユーザがクエストのクリアのためにかけたターン数(以下、所要ターン数)を示している。例えば、「Nターン以内にクエストをクリアする」などのミッションがクエストに課されている場合、クエスト進行部117は、ミッションがクリアされたか否かを出題数に基づいて判定することができる。
総正答数は、クエスト内で複数の戦闘に亘って出題された問題に対してユーザが正答できた問題の総数を示す。出題数と総正答数とによって、そのクエスト内での正答率が分かる。例えば、「クエストを全問正解でクリアする」などのミッションがクエストに課されている場合、クエスト進行部117は、ミッションがクリアされたか否かを、出題数と総正答数とが一致しているか否かによって判定することができる。
(スキルカウンタ)
図10は、スキルカウンタのデータ構造を示す。スキルカウンタは、クエストの開始時に初期化され、該クエストの進行中、該クエストが終了するまでの間、クエスト進行部117によって編集されたり、読み出されたりする。スキルカウンタは、ユーザ端末100の記憶部120に格納されている。スキルカウンタは、一例として、「キャラクタID」、「累積正答ポイント」、「第1発動条件」、「第2発動条件」および「発動可否」の各項目を有している。本実施形態では、キャラクタごとに有している累積スキルが異なり、また、累積スキルごとに発動条件が異なる。したがって、スキルカウンタは、デッキに組み入れられたキャラクタごとに管理される。
キャラクタIDは、キャラクタを一意に識別するための識別情報である。図5に示したカードIDが格納されていてもよい。
累積正答ポイントは、あるターンからカウントを開始して、ユーザが連続であるか否かに関わらず、問題に正答した数を示す累積正答数に基づいて各キャラクタに付与されるポイント累計を示す。本実施形態では、基本的に、正答数1問を、累積正答ポイント1問に対応させる。例えば、累積正答ポイント「5問」は、後述する例外を除いて、あるキャラクタにつき、あるターンから数え始めて、ユーザが累積で5問正解していることを示す。クエスト進行部117は、ユーザが問題に正答した場合、各キャラクタの累積正答ポイントを1つ増分する。ユーザが誤答した場合は、現状の累積正答ポイントを維持する。累積正答ポイントは、クエスト進行部117が、戦闘中に味方キャラクタの累積スキルの発動条件が満たされたか否かを判定するために参照される。クエスト進行部117は、上述の発動条件が満たされて、ある味方キャラクタの累積スキルを発動させたとき、該味方キャラクタの累積正答ポイントを0問にリセットする。そして、次のターンから累積正答数のカウントを開始し、累積正答ポイントの積算を再開する。
第1発動条件は、キャラクタの累積スキルのうち、より低次の1次スキルの発動条件を示す。第2発動条件は、より高次の2次スキルの発動条件を示す。それぞれの発動条件が満たされていない場合、発動条件を満たすために必要な残り正答数が併せて格納されてもよい。
なお、クエスト進行部117は、各キャラクタの累積正答ポイントを、該キャラクタの第2発動条件を超えて積算しない。クエスト進行部117は、あるキャラクタについて第2発動条件が満たされたターン以降では、累積スキルが発動されないかぎり、ユーザの解答の正否にかかわらず、第2発動条件に相当する累積正答ポイントを維持する。
発動可否は、キャラクタごとに累積スキルの発動可否を示す情報である。本実施形態では、1次スキルおよび2次スキルのいずれを発動したとしても、その時点で、累積正答ポイントが0問にリセットされる。また、1次スキルおよび2次スキルの発動条件がともに満たされている場合には、2次スキルが発動される。したがって、ユーザは、1体のキャラクタについて、条件が緩い第1発動条件にて1次スキルを発動させるのか、条件が厳しい第2発動条件を満たして2次スキルを発動させるのかの2択で累積スキルを戦闘に活用することになる。
発動可否「可」は、累積正答ポイントが第2発動条件を満たしており、2次スキルが発動可能であることを示す。発動可否「不可」は、累積正答ポイントが第1発動条件を満たしておらず、1次スキル、2次スキルともに発動不可であることを示す。発動可否「1次可」は、累積正答ポイントが第2発動条件を満たしていないが、第1発動条件を満たしているので、2次スキルは発動不可であるが、1次スキルは発動可能であることを示す。
クエスト進行部117は、スキルカウンタの発動可否にしたがって、各キャラクタのスキルに係るGUIをユーザに提示してもよい。例えば、クエスト進行部117は、図4に示す戦闘画面300において、デッキ306に配列されている各味方キャラクタのうち、累積スキルを発動できる味方キャラクタの属性を示すアイコン307を、強調表示してもよい。
<処理フロー>
図11は、ユーザ端末100が、ゲームプログラム131に基づいて実行する処理の流れを示すフローチャートである。図11を参照して、クエスト進行部117が、戦闘進行中に、味方キャラクタの効果付与スキルを発動させるときの処理の流れを具体的に説明する。すなわち、図11に示す一連の処理は、図3に示すステップS5に対応している。
まず、図12を参照して、ユーザが効果付与スキルの発動を指示するための入力操作を行うための指示GUIについて説明する。図12は、表示部152に表示される戦闘画面300の他の具体例を示す図である。
図12に示すとおり、戦闘画面300は、指示GUI310を含む。クエスト進行部117は、図4に示すデッキ306において、いずれかの味方キャラクタの表示領域が選択された場合に、該味方キャラクタの累積スキルに関する指示GUI310を表示部152に提示する。図12には、デッキ306において、左から2番目の味方キャラクタが選択された場合に表示される指示GUI310の一例示されている。
指示GUI310は、1次スキルの効果を説明する1次スキル311と、2次スキルの効果を説明する2次スキル312と、いずれかの累積スキルの発動を指示するための発動ボタン313とを含む。
左から2番目の味方キャラクタ(すなわち、第2キャラクタ)は、図10に示すスキルカウンタによれば、1次スキルを発動できるが、2次スキルは発動できない「1次可」の状態にある。したがって、クエスト進行部117は、発動可能な、1次スキル311を強調表示し、発動不可の2次スキル312を、1次スキル311よりも目立たないように表示させることが好ましい。さらに、発動不可の2次スキル312は、2次スキルがあと累積正答ポイントをいくつ貯めることにより発動可能になるのかを示す情報を含んでいることが好ましい。
指示GUI310において、ユーザは、発動ボタン313を押下すると、発動を指示するための入力操作が、操作受付部111によって検知される。これにより、クエスト進行部117は、図11示す一連の処理を開始する。
ステップS21において、発動を指示された効果付与スキルの発動条件が満たされている場合、クエスト進行部117は、ステップS21のYESからステップS22に進む。なお、上述の発動条件が満たされていない場合、クエスト進行部117は、ステップ22以降の処理を実行することなく、ステップS21のNOから、図3に示すステップS6に進む。
ステップS22において、クエスト進行部117は、上述の入力操作を受け付け、効果付与スキルの発動を開始する。
ステップS23において、ユーザが発動を指示したのが1次スキルであるのか2次スキルであるのかを判別する。例えば、図12に示す戦闘画面300において、1次スキルのみが発動可能な状態で発動ボタン313がタップ操作された場合には、クエスト進行部117は、1次スキルの発動が指示されたと判別する。
ステップS24において、クエスト進行部117は、戦闘画面300において提示されている出題パネルに対して、特殊効果を付与する。具体的には、クエスト進行部117は、提示されている各出題パネル(例えば、出題パネル301〜304)に対して、それぞれの出題パネルに設定されている属性数に応じた効果値にて、特殊効果を付与する。本実施形態では、一例として、クエスト進行部117は、1つの属性が設定されている出題パネルには、1番低い効果値にて、特殊効果を付与する。図12に示す1次スキル311の例では、連続正答ポイントについて+1問分のボーナス、および、累積正答ポイントについて+1問分のボーナスの加算効果が付与される。クエスト進行部117は、2つの属性が設定されている出題パネルには、より高い効果値にて、特殊効果を付与する。1次スキル311の例では、連続正答ポイントについて+2問分のボーナス、および、累積正答ポイントについて+1問分のボーナスの加算効果が付与される。クエスト進行部117は、3つの属性が設定されている出題パネルには、さらに高い効果値にて、特殊効果を付与する。1次スキル311の例では、連続正答ポイントについて+3問分のボーナス、および、累積正答ポイントについて+2問分のボーナスの加算効果が付与される。
ステップS25において、クエスト進行部117は、ボーナス加算効果が各出題パネルに付与されたことが分かるように、各出題パネルの表示態様を変更することが好ましい。
図13は、図3に示すステップS5において、効果付与スキルが発動されたことに伴って、表示部152に表示される戦闘画面300の一具体例を示す図である。クエスト進行部117は、ユーザの指示を受け付けた時点で表示部152に表示されている各出題パネル201〜304に対して、特殊効果を付与する。そして、クエスト進行部117は、効果付与スキルの発動に伴って特殊効果が付与された出題パネルの表示態様を変更する。一例として、クエスト進行部117は、特殊効果が付与された各出題パネルに、特殊効果の内容が連想されるアイコンを紐付けて配置してもよい。より具体的には、クエスト進行部117は、特殊効果がボーナス加算効果である場合、連続正答ポイントのボーナスが加算されることを意味する連続アイコン321を、効果値とともに出題パネル上に配置してもよい。また、クエスト進行部117は、累積正答ポイントのボーナスが加算されることを意味する累積アイコン322を、効果値とともに出題パネル上に配置してもよい。
これにより、ユーザは、どの出題パネルにどのような特殊効果が付与されたのかを、出題パネルを選択する前に確認することが可能となる。なお、図示の例では、特殊効果のアイコン(連続アイコン321および累積アイコン322)は、図4に示す戦闘画面300において、出題パネル上に配置されていた問題のジャンルを示す情報に代えて、出題パネル上に配置されている。したがって、特殊効果のアイコンが出題パネル上に表示されたままでは、ユーザは、所望のジャンルの問題を選択することができない。そこで、本実施形態では、クエスト進行部117は、出題パネル上にジャンルを示す情報が表示されている第1の態様の戦闘画面300と、出題パネル上に特殊効果のアイコンが表示されている第2の態様の戦闘画面300とを(例えば、数秒間隔で)交互に切り替えて表示部152に表示させることが好ましい。これにより、ユーザは、出題パネルに紐付いている問題のジャンルと、該出題パネルに付与されている特殊効果との両方を確認しながら、所望の出題パネルを選択することができる。
クエスト進行部117は、ステップS25の後、図3に示すステップS6に進み、ユーザからの出題パネルの選択を待機する。
図14は、ユーザ端末100が、ゲームプログラム131に基づいて実行する処理の流れを示すフローチャートである。図14を参照して、クエスト進行部117が進行させる戦闘の中のクイズ要素について、基本的な処理の流れを具体的に説明する。図14に示す一連の処理は、図3に示すステップS7およびS8に対応している。
ステップS101において、クエスト進行部117は、図7に示すパネルデータを参照し、選択された出題パネルに紐付いている単解答問題を戦闘画面300に提示する。例えば、第2パネルである出題パネル302が選択された場合、第2パネルに紐付いている単解答問題「ID:SQ005」の問題を提示する。クエスト進行部117は、図8に示す第1DBを参照し、「ID:SQ005」に対応付けられている問題文を表示部152に表示させる。
ステップS102において、クエスト進行部117は、問題の提示時点からの経過時間の計測を開始し、残り制限時間をカウントする。経過時間の計測は、ユーザが上述の問題に対する解答を入力するまで、または、経過時間が制限時間を満了するまで継続される。
ステップS103において、クエスト進行部117は、第1DBを参照し、提示された問題に対応する解答GUIを構築して上述の問題文とともに戦闘画面300に提示する。
ステップS104において、クエスト進行部117は、場合によっては、累積スキルを発動させてもよい。例えば、ある味方キャラクタが、提示された問題の正解を示唆する情報をユーザに提示する効果を発動させる正答支援スキル(能力)を有しているとする。この場合は、クエスト進行部117は、ステップS101にて問題が提示された後、該問題に対する解答をステップS105にてユーザから受け付ける前に、該味方キャラクタに上述の正答支援スキルによって上述の効果を発動させるステップ(ステップS104)を実行する。正答支援スキルは、一例として、正解以外の1以上の選択肢を非表示にするスキルであってもよい。この場合、クエスト進行部117は、ステップS103にて表示された選択肢のうち、正解以外の選択肢の少なくとも1つを非表示にする。これにより、ユーザは、問題に正答する確率を上げることができる。
ステップS105において、解答が入力されないうちは、クエスト進行部117は、ステップS105のNOからステップS106に進む。そして、クエスト進行部117は、制限時間が満了するまでは、ステップS106のNOからステップS103に戻り、解答GUIの提示を継続して、ユーザからの入力を待機する。
ステップS105において、操作受付部111が制限時間内にユーザから解答を受け付けた場合、クエスト進行部117は、ステップS105のYESからステップS107に進む。
ステップS107において、クエスト進行部117は、入力された解答の正否を判定する。例えば、クエスト進行部117は、ステップS101にて出題した問題の正答を図8に示す第1DBから読み出し、ユーザによって入力された解答と比較して正否を判定する。具体的には、クエスト進行部117は、問題「ID:SQ005」の正答(文字列「####」)と、ユーザが解答GUIを操作して形成した文字列とが一致すれば正解、一致しなければ不正解と判定する。
ステップS108において、クエスト進行部117は、判定結果を戦闘画面300に提示してもよい。例えば、判定結果は、「正解」または「不正解」などの文字列であってもよい。
ステップS109以降、クエスト進行部117は、ユーザの解答の正否に応じてゲームを進行させる。具体的には、クエスト進行部117は、ユーザが正答した場合、ステップS109のYESからステップS110に進む。
ステップS110において、クエスト進行部117は、連続正答ポイントおよび累積正答ポイントを更新する。クエスト進行部117は、図7に示すパネルデータを参照し、ユーザが正答した出題パネルに、ボーナス加算効果(特殊効果、第1効果)が付与されているか否かに応じて、各種ポイントを更新する。ポイントの更新方法については、図15を参照して詳述する。
ステップS111において、クエスト進行部117は、ステップS102から計測された経過時間、すなわち、ユーザが解答に要した時間が所定時間以内であるか否かを判定する。
ステップS112において、クエスト進行部117は、解答に要した時間が所定時間以内である場合に、味方キャラクタの速答スキルを発動させる。本実施形態では、クエスト進行部117は、攻撃参加の条件を満たす味方キャラクタについてのみ速答スキルを発動させる。攻撃参加の条件を満たす味方キャラクタとは、ユーザが正答した問題が紐付いている出題パネルに設定されている属性を少なくとも1つ有している味方キャラクタである。例えば、ユーザが、図4に示す出題パネル303の問題に正答したとする。この場合、出題パネル303に設定されている属性は、図7に示すパネルデータによれば、水属性+火属性である。したがって、この場合、クエスト進行部117は、水属性および火属性の少なくともいずれか1属性を有する味方キャラクタが攻撃参加の条件を満たすと判定する。なお、解答に要した時間が所定時間を超えている場合には、該ステップは省略される。
ステップS113において、クエスト進行部117は、攻撃参加の条件を満たす各味方キャラクタ達に、戦闘に係る所定の行動を実施させる。所定の行動としては、例えば、味方キャラクタが敵キャラクタに攻撃することが想定される。なお、「所定の行動を実施すること」の概念には、「何も行動をしないこと」が含まれる。例えば、味方キャラクタが上述の攻撃参加の条件を満たしていても、該味方キャラクタがステータス異常に陥っていることに起因して何も行動を起こせない、という進行が想定される。
この攻撃によって敵キャラクタに与えるダメージ値は、ステップS112で発動された速答スキルによる効果の影響を受けて算出される。ユーザは、所定時間以内に早く問題に正答することにより、速答スキルによる効果の恩恵を受けてゲームを非常に有利に進めることが可能となる。
本実施形態では、ユーザが問題に正答しても、味方キャラクタが上述の攻撃参加の条件を満たさない場合には、該味方キャラクタは攻撃できないようにクエスト進行部117が制御する。
一方、クエスト進行部117は、ユーザが誤答した場合、ステップS109のNOからステップS114に進む。
ステップS114において、クエスト進行部117は、図9に示すクエスト進捗カウンタの連続正答ポイントを0問にリセットする。そして、クエスト進行部117は、味方キャラクタが攻撃する機会を省略して、図3に示すステップS9に進む。
なお、ステップS105において解答が入力されないうちに、ステップS106において制限時間が満了した場合、クエスト進行部117は、ステップS106のYESからステップS114に進み、誤答のときと同様に連続正答ポイントを0問にリセットする。以後、誤答のときと同様にターンが進行し、味方キャラクタに攻撃の機会が与えられることなく、図3に示すステップS9が続けて処理される。
図15は、ユーザ端末100が、ゲームプログラム131に基づいて実行する処理の流れを示すフローチャートである。図15を参照して、クエスト進行部117が実行するポイント更新処理について説明する。図15に示す一連の処理は、図14に示すステップS110に対応する。
ステップS201において、クエスト進行部117は、ステップS109にてユーザが正答したと判定されたことに伴って、正答した問題1問分について、図9に示すクエスト進捗カウンタの連続正答ポイントを1増分する。また、クエスト進行部117は、図10に示すスキルカウンタの各キャラクタの累積正答ポイントを1増分する。
ステップS202において、クエスト進行部117は、図7に示すパネルデータを参照し、ユーザが正答した問題が紐付けられている出題パネルに、特殊効果、例えば、ボーナス加算効果が付与されているか否かを判定する。クエスト進行部117は、ボーナス加算効果が付与されていると判定した場合、ステップS202のYESからステップS203に進む。
ステップS203において、クエスト進行部117は、図7に示すパネルデータを参照し、上述の出題パネルに紐付けられている特殊効果を発動させる。具体的には、クエスト進行部117は、出題パネルに設定されている効果値分のボーナスポイントを、連続正答ポイントおよび累積正答ポイントのそれぞれに加算する。例えば、連続正答ポイントおよび累積正答ポイントの効果値が、それぞれ、+3および+2であるとする。この場合、クエスト進行部117は、クエスト進捗カウンタの連続正答ポイントに、3問分相当の連続正答ポイントをさらに加算する。また、クエスト進行部117は、キャラクタごとの累積正答ポイントに、2問分相当の累積正答ポイントをさらに加算する。
ステップS204において、クエスト進行部117は、正答した問題の出題パネルに付与されていた特殊効果が発動されたことが分かるように、特殊効果の発動を演出するアニメーションを戦闘画面300において出力することが好ましい。
図16および図17は、特殊効果が付与された出題パネルの問題にユーザが正答したときに、表示部152に表示される戦闘画面300の一具体例を示す図である。クエスト進行部117は、図16に示すとおり、出題パネルに付与された、連続正答ポイントに係るボーナスポイントが、クエスト進捗カウンタの連続正答ポイントに加算されることを演出するアニメーションを戦闘画面300に含めてもよい。一例として、出題パネルに紐付けられていた連続アイコン321が、正解の選択肢323の位置から、連続正答ポイント308の位置に向かって移動するアニメーションが含まれていてもよい。また、連続アイコン321が、連続正答ポイント308の位置に到達したときに、連続正答ポイント308における連続正答ポイントの値が、加算前の値から加算後の値に変更されるアニメーションが含まれていてもよい。例えば、図17に示すとおり、クエスト進行部117は、加算後の値に変更した直後の連続正答ポイント308を一時的に大きなサイズで表示させてもよい。クエスト進行部117は、以上のような一連のアニメーションを戦闘画面300に出力することにより、ユーザが連続正答ポイントのボーナスが加算されたことに注目するように、該ユーザに働きかけることができる。
引き続いて、さらに、クエスト進行部117は、図17に示すとおり、累積正答ポイントに係るボーナスポイントが、キャラクタごとの累積ポイントに加算されることを演出するアニメーションを戦闘画面300に含めてもよい。一例として、出題パネルに紐付けられていた累積アイコン322が、正解の選択肢323の位置から、デッキ306内の各キャラクタのカードの位置に向かって移動するアニメーションが含まれていてもよい。クエスト進行部117は、上述のアニメーションを戦闘画面300に出力することにより、ユーザが累積正答ポイントのボーナスが加算されたことに注目するように、該ユーザに働きかけることができる。
クエスト進行部117は、ステップS204の後、図14に示すステップS111に進み、以降の処理ステップS111〜S113を実行する。そして、クエスト進行部117は、図3に示すステップS9に進み、ステップS9〜S14を実行して1つのターンを終了させる。なお、ターン終了後に勝敗に決着がついていない場合は、クエスト進行部117は、ステップS2に戻り、次のターンの進行を開始する。
ここで、次の新しいターンのステップS2において、クエスト進行部117は、先のターンでユーザに選択され、問題が出された出題パネルに差し替えて、新たな出題パネルを戦闘画面300に配置する。
図18は、クエスト進行部117が次のターンにおけるステップS2において表示部152に表示させる戦闘画面の一例を示す。例えば、先のターンで、第1パネルとしての出題パネル301(図4)が選択され、出題された場合、クエスト進行部117は、次のターンは、図7に示すパネルデータを更新し、出題パネル301が配置されていた第1パネルの位置に、新しい出題パネル331を配置する。
具体的には、クエスト進行部117は、パネルデータにおいて、第1パネルのレコードを新規に生成する。クエスト進行部117は、新規レコードの「出題タイプ(難易度)」をランダムに決定してもよい。そして、クエスト進行部117は、難易度に基づいて、「属性」および「問題ID」を決定する。
本実施形態では、クエスト進行部117は、先のターンにおいて、ユーザに選択された出題パネルにしたがって、1以上の処理を実行することにより、戦闘における該ターンをを進行させた後、次のターンにおいてユーザに選択させるための複数の出題パネルとして、先のターンで提示した出題パネルのうち、ユーザに選択されなかった1または複数の出題パネルを提示するとともに、ユーザに選択された出題パネルに代えて、先に提示した出題パネルのいずれとも異なる新たな出題パネルを提示する。
つまり、本実施形態では、クエスト進行部117は、先のターンにおける第1パネルに特殊効果が付与されていても、次のターン以降に補充される出題パネルに、該特殊効果を引き継がせない。したがって、新規に作成された第1パネルのレコードだけ、「特殊効果」の項目には、何の値も格納されない。
したがって、クエスト進行部117は、次のターンにおける戦闘画面300では、先のターンですでに特殊効果が付与されている出題パネル302〜304については、連続アイコン321および累積アイコン322をジャンルの情報と交互に表示させる。一方、クエスト進行部117は、新規に補充された出題パネル331については、ジャンルの情報のみを表示させる。
上述の構成によれば、出題パネルに特殊効果を付与するタイミング(ターン)、または、特殊効果が付与された出題パネルを選択するタイミング(ターン)について、ユーザは、戦闘パートで最大の利益を得られるように、最適なタイミング(ターン)を熟考するように促される。結果として、戦闘パートにおける戦略性が高まり、ゲームの興趣性が向上する。
〔ソフトウェアによる実現例〕
制御部210の制御ブロック(特に、進行支援部211および共有支援部212)、ならびに、制御部110の制御ブロック(特に、操作受付部111、表示制御部112、UI制御部113、アニメーション生成部114、デッキ編成部115、出撃準備部116およびクエスト進行部117)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、制御部210または制御部110、もしくはその両方を備えた情報処理装置は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
〔付記事項〕
本発明の一側面に係る内容を列記すると以下のとおりである。
(項目1) ゲームプログラム(131)について説明した。本開示のある局面によると、ゲームプログラムは、プロセッサ(10、20)およびメモリ(11、21)を備えるコンピュータ(ユーザ端末100およびサーバ200の少なくとも一方)により実行される。ゲームプログラムは、プロセッサに、複数の選択肢(出題パネル301〜304)を、ユーザが選択可能に提示するステップ(S2)と、少なくとも1つの選択肢に、ゲームの進行に有利な第1効果(特殊効果、ボーナス加算効果)を付与するためのユーザの指示を受け付けるステップ(S22)と、ユーザの指示に応答して、少なくとも1つの選択肢に、第1効果を付与するステップ(S24)と、ユーザに選択された選択肢に基づいてゲームを進行させるステップ(S109〜S113)と、選択された選択肢に基づくゲームの進行が所定の要件を満足する場合に(S109でYES)、該選択肢に付与された第1効果を発動させるステップ(S110、S203)と、を実行させる。これにより、ゲームの興趣性を向上させるという効果を奏する。
(項目2) (項目1)において、提示するステップは、問題をユーザに選択させるための出題パネルを選択肢として複数提示し、ゲームを進行させるステップは、ユーザに選択された出題パネルに紐付けられた問題を提示し(S101)、ユーザより問題に対する解答を受け付け(S105)、解答の正否を判定し(S107)、判定結果に応じた1以上の処理を実行することにより(S109〜S113)、ゲームを進行させ、第1効果を発動させるステップは、問題にユーザが正答した場合に(S109でYES)、該問題が紐付いている出題パネルに付与された第1効果を発動させてもよい(S110、S203)。これにより、ユーザは、出題パネルに付与された第1効果を得ようとして、より緊張感を持ってクイズに臨むことができる。結果として、クイズゲームの興趣性を向上させるという効果を奏する。
(項目3) (項目2)において、第1効果を発動させるステップは、ユーザが正答した問題に設定されている難易度が高いほど、高い効果にて第1効果を発動させてもよい。これにより、ユーザは、高い第1効果を得ようとして、高難易度のクイズに挑戦することを動機付けられる。したがって、難問に挑戦することにより緊張感が増し、ゲームの興趣性がより一層向上するという効果を奏する。
(項目4) (項目2)または(項目3)において、ゲームプログラムに基づくゲームは、ユーザが操作可能な味方キャラクタが、敵キャラクタと戦う戦闘を1回以上進行させる戦闘パート(クエスト)を含み、メモリにおいて、味方キャラクタは、戦闘に有利な第2効果を発動させる能力(スキル)および該第2効果の発動条件と対応付けられて記憶され、第1効果を発動させるステップは、第2効果の発動条件が満たされることを促進する第1効果(累積正答ポイントを増加させるボーナス加算効果)、および、発動される第2効果の効果値を高める第1効果(連続正答ポイントを増加させるボーナス加算効果)の少なくともいずれか一方を発動する。ユーザは、単にクイズに解答してその正否に応じて戦闘を進めるだけでなく、正答することにより、味方キャラクタの第2効果をもたらす能力を発動させやすくすることができる。あるいは、その第2効果を高めることができる。戦闘をより有利に進めることができるとともに、味方キャラクタが持つ能力を大いに発揮させることが可能となり、ユーザの喜びが増す。結果として、ゲームの興趣性がより一層向上するという効果を奏する。
(項目5) (項目4)において、ゲームを進行させるステップは、問題の提示から判定結果に応じた1以上の処理の実行までを、戦闘において繰り返し、さらに、ユーザが問題に正答する度に、所定数のポイントをポイント累計(累積正答ポイント、連続正答ポイント)に加算し、ポイント累計が所定値に到達したことにより、第2効果の発動条件が満たされたと判断すること、および、発動される第2効果の効果値を高めることの少なくともいずれか一方を実行し、第1効果を発動させるステップは、ユーザが正答した問題が紐付けられている出題パネルに付与されたポイントを、ポイント累計にさらに加算してもよい。
(項目6) (項目5)において、ゲームを進行させるステップは、上述の所定数のポイントをポイント累計に加算する処理として、ユーザが問題に正答する度に、所定数のポイントを、味方キャラクタのそれぞれに対応付けられた累積正答ポイントにそれぞれ加算し、味方キャラクタの累積正答ポイントが、味方キャラクタそれぞれの所定値に到達した場合に、該味方キャラクタに対応付けられた能力による第2効果の発動条件が満たされたと判断してもよい。
(項目7) (項目5)または(項目6)において、ゲームを進行させるステップは、上述の所定数のポイントをポイント累計に加算する処理として、ユーザが問題に連続して正答する度に、所定数のポイントを、ユーザが連続して正答した問題数を示す連続正答ポイントに加算し、連続正答ポイントが所定値に到達した場合に、発動される第2効果の効果値を高めてもよい。
(項目8) (項目5)から(項目7)までのいずれか1項目において、提示するステップは、ゲームを進行させるステップにおいて、ユーザに選択された出題パネルに基づいて1以上の処理が実行された後、次にユーザに選択させるための複数の出題パネルとして、先に提示した出題パネルのうち、ユーザに選択されなかった1または複数の出題パネルを提示するとともに、ユーザに選択された出題パネルに代えて、先に提示した出題パネルのいずれとも異なる出題パネルを提示する。上述の構成によれば、次の繰り返し時に補充される出題パネルには、先に提示された出題パネルに付与された効果は引き継がれない。これにより、出題パネルに第1効果を付与するタイミング、または、第1効果が付与された出題パネルを選択するタイミングについて、ユーザは、戦闘パートにおいて最大の利益を得られるように、最適なタイミングを熟考するように促される。結果として、戦闘パートにおける戦略性が高まり、ゲームの興趣性が向上する。
(項目9) (項目4)において、提示するステップは、次の戦闘が開始されるとき、終了した先の戦闘において提示した出題パネルのいずれとも異なる出題パネルを提示する。上述の構成によれば、先の戦闘で提示された出題パネルに付与されている第1効果は次以降の戦闘で提示される出題パネルに引き継がれない。これにより、出題パネルに第1効果を付与するタイミング、または、第1効果が付与された出題パネルを選択するタイミングについて、ユーザは、戦闘パートにおいて最大の利益を得られるように、最適なタイミングを熟考するように促される。結果として、戦闘パートにおける戦略性が高まり、ゲームの興趣性が向上する。
(項目10) ゲームプログラムを実行する方法を説明した。本開示のある局面によると、ゲームプログラムは、プロセッサおよびメモリを備えるコンピュータにより実行される。該方法は、プロセッサが(項目1)に記載の各ステップを実行する方法である。(項目10)に係る方法は、(項目1)に係るゲームプログラムと同様の作用効果を奏する。
(項目11) 情報処理装置を説明した。本開示のある局面によると、該情報処理装置は、(項目1)に係るゲームプログラムを記憶する記憶部(120または220)と、該ゲームプログラムを実行することにより、情報処理装置(ユーザ端末100またはサーバ200)の動作を制御する制御部(110または210)とを備える。(項目11)に係る情報処理装置は、(項目1)に係るゲームプログラムと同様の作用効果を奏する。