JP2019135652A - 作業項目の実施漏れ防止装置 - Google Patents
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Abstract
Description
特に、消火剤に二酸化炭素を使用する二酸化炭素消火設備の場合は、二酸化炭素の毒性により人身事故につながるおそれがあり、これを防止するために、二酸化炭素消火設備に点検用閉止弁を設置するようにしている。この点検用閉止弁は、常時開放状態で、点検時のみ閉止し、万一、消火剤貯蔵容器が開放された場合でも、消火剤を区画に放出させないものである。
一方、二酸化炭素消火設備以外の不活性ガス消火設備やハロゲン化物消火設備等のガス系消火設備の場合は、点検用閉止弁の設置は、必ずしも必要ではないが、ハロゲン化物には、環境問題に影響を及ぼすものがある。
また、ガス系消火設備において、誤放出事故が発生した場合、復旧に要する費用や時間的な損失が大きいことが挙げられる。
他方、点検作業後に誤放出事故の発生防止措置の復旧作業項目に実施漏れが発生すると、火災の際、消火剤が放出されずに消火できないことになる。
このほか、ガス系消火設備を建造する際に、作業項目に実施漏れが発生すると、同様の問題が生じるおそれがある。
固定設備の図面データを、該固定設備における作業必要箇所と共に記憶するデータ記憶手段と、
該データ記憶手段に記憶されたデータに基づいて、固定設備の図面を、作業必要箇所の表示と共に表示する表示手段と、
各作業必要箇所に設置される作業必要箇所を識別するための個別識別情報が記録されている個別標識手段と、
個別標識手段に記録されている個別識別情報を認識する個別標識認識手段と、
作業必要箇所と該作業必要箇所を識別するための個別標識手段に記録されている個別識別情報との関係を記憶するとともに、当該記憶した関係に基づいて、個別標識認識手段が各個別標識手段に記録されている個別識別情報を認識したことの信号を受けたときに、表示手段の当該個別標識手段が設置された作業必要箇所が表示された位置に、当該受けた信号の情報を表示させるようにし、かつ、各作業必要箇所毎に個別標識認識手段が各個別標識手段に記録されている個別識別情報を認識したことの信号を受けたことの有無を判断する管理手段と
からなることを特徴とする。
ここで、本発明において実施漏れ防止の対象となる「固定設備における作業項目」には、消火設備等の固定設備を建造する際の作業項目や点検する際の作業項目がある。
固定設備としてのガス系消火設備の図面データを、この固定設備における作業必要箇所と共に記憶するデータ記憶手段してのシステムサーバー(ここで、データ記憶手段の機能の一部又は全部を、以下の携帯情報端末(タブレット)に持たせることもできる。)と、
このデータ記憶手段に記憶されたデータに基づいて、固定設備の図面を、作業必要箇所の表示と共に表示する表示手段としての携帯情報端末(タブレット)と、
各作業必要箇所に設置される作業必要箇所を識別するための個別識別情報が記録されている個別標識手段としてのICタグ(ここで、ICタグには、例えば、RF(Radio Frequency)タグ等の内蔵したメモリのデータを非接触で読み書きする情報媒体を好適に用い
ることができる。また、個別標識手段としては、ICタグのほか、バーコード等の個別識別情報が記録されている個別標識手段を用いることもできる。)と、
個別標識手段に記録されている個別識別情報を認識する個別標識認識手段としてのICタグリーダーと、
作業必要箇所と該作業必要箇所を識別するための個別標識手段に記録されている個別識別情報との関係を記憶するとともに、当該記憶した関係に基づいて、個別標識認識手段が各個別標識手段に記録されている個別識別情報を認識したことの信号を受けたときに、表示手段の当該個別標識手段が設置された作業必要箇所が表示された位置に、当該受けた信号の情報を表示させるようにし、かつ、各作業必要箇所毎に個別標識認識手段が各個別標識手段に記録されている個別識別情報を認識したことの信号を受けたことの有無を判断する管理手段としての携帯情報端末に導入されたアプリケーションとで構成される。
(1)システムサーバーのガス系消火設備の図面データをタブレットにダウンロードして、図面上の作業必要箇所(例えば、点検用閉止弁1、容器弁ソレノイド2(電磁式容器弁開放装置)及び消火剤貯蔵容器の容器弁3を開放するための操作銅管等の誤放出事故の発生防止措置を施す箇所。なお、作業必要箇所は、これに限定されず、例えば、起動用ガス容器から起動用ガスが流れ込む選択弁のピストンレリーザに至る銅管部等を防止措置として対象にすることができる。)に、例えば、赤色の丸印(マーク)を設定し、表示するようにする(マークの色や形は、任意に設定することができ、必要に応じて、文字等も情報として示すことができる。以下も同様。)。
(2)ICタグを、作業必要箇所又はその直近に設置する。ICタグには、個別標識が記録されており、タブレットの図面上のマークを指定し、ICタグの個別標識をICタグリーダーを操作してISO15693に準拠した通信によって読み取ると、ICタグリーダーはタブレットとBluetooth(登録商標)規格による通信を行う(必要に応じて、任意の通信規格を使用することができる。)。このようにして、初回に読み取った個別標識は、図面上のマークに登録(紐付け)され、マークは自動的に青色に変わる。この登録した個別標識の情報は、次回以降も使用するもので、登録作業は毎回実施する必要はない。この初回の登録作業は、点検作業の作業着手時の作業項目の実施漏れ防止措置を兼ねている。
(3)タブレットに導入されたアプリケーションは、すべてのマークについて上記(2)の登録が終わらないまま点検作業を開始しようとすると、未登録のマークがある旨の表示や音又は音声による警告を発する。作業者は、上記表示や警告及び図面上の赤色の丸印(マーク)表示により、防止措置の未実施と当該箇所を容易に把握することができる。
(4)点検作業を実施し、点検作業の終了後、作業必要箇所の復旧に着手する。
(5)ICタグの個別標識をICタグリーダーを操作して読み取ると、タブレットのマークは自動的に緑色に変わる。ここで、ICタグと図面上のマークは、既に紐付けられているため、初回で実施したマークの指定及び登録は不要である。
(6)点検作業の作業着手時と同様に、タブレットに導入されたアプリケーションは、すべてのマークについて上記(5)の登録が終わらないまま点検作業を終了しようとすると、未登録のマークがある旨の表示や音又は音声による警告を発する。作業者は、上記表示や警告及び図面上の青色の丸印(マーク)表示により、防止措置の復旧の未実施と当該箇所を容易に把握することができる。
(7)点検作業をすべて完了したことをタブレットに導入されたアプリケーションに入力すると、次回の点検作業の作業着手前の防止措置の際には、タブレットのマークは自動的に登録済を示す黄色に変わるようにする。
(8)そして、次回の点検作業の作業着手前の防止措置の際には、(2)のICタグの個別標識をICタグリーダーを操作して読み取る操作から開始する。これにより、マークは自動的に青色に変わり、以降、上記(3)〜(7)の作業を繰り返すようにする。
これを防ぐために、タブレットに表示した図面上で、未接続となる部分をマーク登録し、ICタグを取り付け、ICタグリーダーで読み取り、タブレットに記録する。
次の工程で、接続後にICタグをICタグリーダーで読み取り、タブレットに記録することで、作業漏れがないことを確認することができる。
また、作業必要箇所を追加する場合は、上記(1)のように、図面上の作業必要箇所に表示を設定した後、上記(2)のように、ICタグを、作業必要箇所又はその直近に設置し、タブレットの図面上のマークを指定し、ICタグの個別標識をICタグリーダーを操作して、図面上のマークに登録(紐付け)することにより行うことができる。
また、ICタグの破損等によりICタグを交換する場合は、図面上のマークに再登録(紐付け)することにより行うことができる。
また、作業必要箇所を削除する場合は、図面上に表示されている作業必要箇所の表示を削除することによりに行うことができるが、必要に応じて、表示を削除することができる者の制限等の削除条件を設定するようにすることができる。
また、ICタグの個別識別情報は、書き換えが可能なことから、ICタグリーダーをICタグへの書き込み機能を搭載したICタグリーダーライターに変更することで、ICタグに設置箇所、名称、設置日付、防止作業の実施時刻、作業者等を記録することもできる。
(1)システムサーバーのガス系消火設備の図面データをタブレットにダウンロードして、図面上の作業必要箇所に、例えば、赤色の丸印(マーク)を設定し、表示するようにす
る。
(2)該当する作業必要箇所の固定設備が、例えば、構成部品の移動を伴う場合や物理的な位置変化を伴う可動部品からなる場合、より具体的には、作業内容が、操作銅管の取り外し、容器弁ソレノイドのロック、点検用閉止弁の閉止等のような場合は、2個1組のICタグを、作業必要箇所又はその直近に設置する。ICタグには、個別標識が記録されており、タブレットの図面上のマークを指定し、ICタグの個別標識をICタグリーダーを操作してISO15693に準拠した通信によって読み取ると、ICタグリーダーはタブレットとBluetooth(登録商標)規格による通信を行う(必要に応じて、任意の通信規格を使用することができる。)。この場合、2個1組のICタグは、図4(a)に示すように、操作銅管の取り外しの場合は、構成部品の移動を伴う固定設備のそれぞれに、設置用針金等の締結手段を用いてICタグを配置し、構成部品が一体化されている場合には、2個のICタグを1つのケースに収容するようにしたり、図4(b)に示すように、構成部品の移動を伴う固定設備のそれぞれに、設置用針金等の締結手段を用いてICタグを配置し、構成部品が一体化されている場合には、2個のICタグをコネクタやマグネット等の接続具(なお、接続具には、クリップ等の任意の手段を用いることができる。)を用いて接続、一体化するようにしたり、図4(c)に示すように、点検用閉止弁の閉止の場合は、物理的な位置変化を伴う可動部品と固定設備のそれぞれに、設置用針金等の締結手段を用いてICタグを配置し、構成部品が一体化されている場合には、2個のICタグを1つのケースに収容するようにする。この場合、ICタグリーダーには、1つのケースに収容されたり、コネクタやマグネットを用いて接続、一体化された2個1組の各々のICタグの個別標識を同時に読み取ることができるものを用いるようにする。このようにして、初回に読み取った個別標識(各々のICタグの個別標識を同時に読み取られた2個1組のICタグ)は、図面上のマークに登録(紐付け)され、マークは自動的に青色に変わる。この登録した個別標識の情報は、次回以降も使用するもので、登録作業は毎回実施する必要はない。この初回の登録作業は、点検作業の作業着手時の作業項目の実施漏れ防止措置を兼ねており、登録作業の後、1つのケースに収容された一方のICタグを取り出したり、コネクタやマグネットを用いて接続、一体化された2個1組のICタグを分離して、操作銅管の取り外しや点検用閉止弁の閉止等の作業を行うようにする。なお、初回の登録作業と点検作業の作業着手時の作業項目の実施漏れ防止措置とを個別に認識するようにする場合は、後述の次回の点検作業の場合と同様に、操作銅管の取り外しや点検用閉止弁の閉止等の作業を行った後、どちらか一方のICタグをICタグリーダーで読み込む工程を含めるようにアプリケーション(システム)を構築することもできる。
(3)タブレットに導入されたアプリケーションは、すべてのマークについて上記(2)の登録が終わらないまま点検作業を開始しようとすると、未登録のマークがある旨の表示や音又は音声による警告を発する。作業者は、上記表示や警告及び図面上の赤色の丸印(マーク)表示により、防止措置の未実施と当該箇所を容易に把握することができる。
(4)点検作業を実施し、点検作業の終了後、作業必要箇所の復旧に着手する。このとき、併せて、2個のICタグを1つのケースに再度収容するようにしたり、2個のICタグをコネクタやマグネットを用いて再度接続、一体化するようにする。
(5)各々のICタグの個別標識を同時にICタグリーダーを操作して読み取ると、タブレットのマークは自動的に緑色に変わる。ICタグが1個のみ読み込まれた場合や1個ずつ個別に読み込まれた場合は、操作銅管の取り付けや点検用閉止弁の開放等の作業がなされていないものと判別し、マークの色は変わらない。ここで、ICタグと図面上のマークは、既に紐付けられているため、初回で実施したマークの指定及び登録は不要である。
(6)点検作業の作業着手時と同様に、タブレットに導入されたアプリケーションは、すべてのマークについて上記(5)の登録が終わらないまま点検作業を終了しようとすると、未登録のマークがある旨の表示や音又は音声による警告を発する。作業者は、上記表示や警告及び図面上の青色の丸印(マーク)表示により、防止措置の復旧の未実施と当該箇所を容易に把握することができる。
(7)点検作業をすべて完了したことをタブレットに導入されたアプリケーションに入力
すると、次回の点検作業の作業着手前の防止措置の際には、タブレットのマークは自動的に登録済を示す黄色に変わるようにする。
(8)そして、次回の点検作業の作業着手前の防止措置の際には、(2)のICタグの個別標識をICタグリーダーを操作して読み取る操作から開始する。具体的には、1つのケースに収容された一方のICタグを取り出したり、コネクタやマグネットを用いて接続、一体化された2個1組のICタグを分離して、操作銅管の取り外しや点検用閉止弁の閉止等の作業を行った後、どちらか一方のICタグをICタグリーダーで読み込む。タブレットは、初回登録された2個のICタグのうちのどちらか一方のICタグの読み込みが終わるとマークは自動的に青色に変わる。2個のICタグが同時に読み込まれた場合、操作銅管取り外しや点検用閉止弁の閉止等の作業がなされていないものと判別し、マークの色は変わらない。以降、上記(3)〜(7)の作業を繰り返すようにする。
2 容器弁ソレノイド(電磁式容器弁開放装置)
3 消火剤貯蔵容器の容器弁
固定設備の図面データを、該固定設備における作業必要箇所と共に記憶するデータ記憶手段と、
該データ記憶手段に記憶されたデータに基づいて、固定設備の図面を、作業必要箇所の表示と共に表示する表示手段と、
各作業必要箇所に設置される作業必要箇所を識別するための個別識別情報が記録されているICタグからなる個別標識手段と、
個別標識手段に記録されている個別識別情報を認識するICタグリーダーからなる個別標識認識手段と、
作業必要箇所に設置された個別標識手段に記録されている個別識別情報を個別標識認識手段によって認識させることによって、作業必要箇所と該作業必要箇所を識別するための個別標識手段に記録されている個別識別情報との関係を記憶するとともに、当該記憶した関係に基づいて、個別標識認識手段が各個別標識手段に記録されている個別識別情報を認識したことの信号を受けたときに、表示手段の当該個別標識手段が設置された作業必要箇所が表示された位置に、当該受けた信号の情報を表示させるようにし、かつ、各作業必要箇所毎に個別標識認識手段が各個別標識手段に記録されている個別識別情報を認識したことの信号を受けたことの有無を判断する管理手段と
からなることを特徴とする。
ここで、本発明において実施漏れ防止の対象となる「固定設備における作業項目」には、消火設備等の固定設備を建造する際の作業項目や点検する際の作業項目がある。
Claims (6)
- 固定設備の図面データを、該固定設備における作業必要箇所と共に記憶するデータ記憶手段と、
該データ記憶手段に記憶されたデータに基づいて、固定設備の図面を、作業必要箇所の表示と共に表示する表示手段と、
各作業必要箇所に設置される作業必要箇所を識別するための個別識別情報が記録されている個別標識手段と、
個別標識手段に記録されている個別識別情報を認識する個別標識認識手段と、
作業必要箇所と該作業必要箇所を識別するための個別標識手段に記録されている個別識別情報との関係を記憶するとともに、当該記憶した関係に基づいて、個別標識認識手段が各個別標識手段に記録されている個別識別情報を認識したことの信号を受けたときに、表示手段の当該個別標識手段が設置された作業必要箇所が表示された位置に、当該受けた信号の情報を表示させるようにし、かつ、各作業必要箇所毎に個別標識認識手段が各個別標識手段に記録されている個別識別情報を認識したことの信号を受けたことの有無を判断する管理手段と
からなることを特徴とする固定設備における作業項目の実施漏れ防止装置。 - 個別標識手段が、2個1組の個別標識手段からなることを特徴とする請求項1記載の固定設備における作業項目の実施漏れ防止装置。
- 個別標識手段が、ICタグからなり、個別標識認識手段が、ICタグリーダーからなることを特徴とする請求項1又は2記載の固定設備における作業項目の実施漏れ防止装置。
- 表示手段が、携帯情報端末からなることを特徴とする請求項1、2又は3記載の固定設備における作業項目の実施漏れ防止装置。
- 管理手段に、作業必要箇所に設置された個別標識手段に記録されている個別識別情報を個別標識認識手段によって認識させることによって、作業必要箇所と該作業必要箇所を識別するための個別標識手段に記録されている個別識別情報との関係を記憶するようにしたことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の固定設備における作業項目の実施漏れ防止装置。
- 作業着手時と作業終了時とに、当該作業を行う作業必要箇所に設置された個別標識手段に記録されている個別識別情報を個別標識認識手段によって認識させ、該認識したことの信号を受けたときに、表示手段の当該個別標識手段が設置された作業必要箇所が表示された位置に、当該受けた信号の情報を作業着手時と作業終了時とで区別して表示させるようにしたことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の固定設備における作業項目の実施漏れ防止装置。
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