以下に、本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、図中同一または相当する部分には同じ符号を付す。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るエネルギー管理システムの構成例を示す図である。このエネルギー管理システム1000は、二以上の施設で構成される集合体において、施設間で湯水を融通することが可能なシステムである。エネルギー管理システム1000は、エネルギー管理装置100と、商用電源6と、湯の融通配管7と、集合体を構成する住宅HA,HB,およびHC(以下、総称する場合は、住宅Hという)にそれぞれ備えられる電力測定装置2と、分電盤3と、ゲートウェイ200と、貯湯式給湯機300と、出湯先5とで構成される。
本実施の形態では、集合体を構成する住宅Hの数を3として、説明する。各住宅Hには、商用電源6から電力が供給され、分電盤3を介して電力負荷を駆動する。電力負荷とは、各住宅Hにおける貯湯式給湯機300であり、貯湯式給湯機300以外の電気機器4a,4b(以下、総称する場合は、電気機器4という)を含んでいてもよい。電気機器4は、電力によって稼働する、例えば、エアコンなどの空調装置、照明装置、冷蔵庫またはテレビなどである。本実施の形態において、電気機器4の種類、数は任意である。
集合体を構成する住宅Hのうち、少なくともいずれかの住宅Hは、太陽光発電システム1に代表される発電装置が対応して備えられている。本実施の形態では、集合体を構成する住宅Hのうち、住宅HAおよびHCにそれぞれ対応して太陽光発電システム1が備えられる場合について説明する。太陽光発電システム1は、太陽光発電装置とパワーコンディショナ(いずれも図示せず)とから構成される。太陽光発電装置によって発電された直流電力を、パワーコンディショナが交流電力に変換し、変換した交流電力を発電電力として分電盤3に供給する。
太陽光発電システム1が備えられている住宅HAおよびHCの分電盤3には、商用電源6から供給される商用電力以外に、太陽光発電システム1から発電電力が供給される。住宅HAおよびHCの分電盤3に供給される商用電力および発電電力は、住宅HAおよびHCにそれぞれ設けられた電力負荷を駆動する。
住宅Hに対応する太陽光発電システム1の発電電力量が、住宅Hに設けられた電力負荷の消費電力量以上であれば、住宅Hに設けられた電力負荷は、太陽光発電システム1の発電電力によって駆動可能であり、商用電力を受電する必要がない。一方、住宅Hに対応する太陽光発電システム1の発電電力量が、住宅Hに設けられた電力負荷の消費電力量未満であれば、住宅Hに設けられた電力負荷は、商用電源6から供給される商用電力と住宅Hに対応する太陽光発電システム1の発電電力とによって駆動される。
図2は、対応する太陽光発電システム1を有する住宅Hの分電盤3における電力の流れを示す図である。商用電源6から供給される商用電力は、分電盤3の主幹31に接続される。太陽光発電システム1から供給される発電電力は、分電盤3の補助線32に接続される。主幹31および補助線32は、分電盤3の分岐幹33a、33bおよび33c(以下、総称する場合は、分岐幹33という)に繋がっている。分岐幹33には、図示しない電源コンセントが接続され、貯湯式給湯機300および電気機器4に電力が供給される。
電流センサ34aおよび34bは、それぞれ主幹31および補助線32に流れる交流電流を検出する。電流センサ34aおよび34bに接続される信号線は、電力測定装置2に接続され、主幹31および補助線32にそれぞれ流れる電流から、商用電源6から供給される商用電力、太陽光発電システム1から供給される発電電力のそれぞれの値が電力測定装置2で計測される。
すなわち、住宅HAおよびHCにおける貯湯式給湯機300および電気機器4には、商用電源6から供給される商用電力および太陽光発電システム1から供給される発電電力の少なくともいずれかが分岐幹33を介して供給される。そして、電力測定装置2は、太陽光発電システム1および商用電源6からそれぞれ供給される電力量を計測する。なお、分岐幹33の数および配置は、図2に示す以外に任意に構成してよい。
図3は、対応する太陽光発電システム1を有さない住宅Hの分電盤3における電力の流れを示す図である。住宅HBは、対応する太陽光発電システム1を有さないので、住宅HBにおける分電盤3は、発電電力を検出する電流センサ34bを備えない。すなわち、住宅HBにおける電力測定装置2は、太陽光発電システム1から供給される発電電力量を計測しない。
図1に戻り、電力測定装置2とゲートウェイ200は、宅内ネットワークN1を介して通信可能に接続される。各住宅Hにおける電力測定装置2は、宅内ネットワークN1を経由して、商用電源6から供給される商用電力量を各住宅Hのゲートウェイ200に送信する。さらに、住宅HAおよびHCにおける電力測定装置2は、それぞれ対応する太陽光発電システム1から供給される発電電力量を、商用電力量とともに住宅HAおよびHCのゲートウェイ200にそれぞれ送信する。
宅内ネットワークN1には、電力測定装置2とゲートウェイ200のほかに、太陽光発電システム1、貯湯式給湯機300がそれぞれ内部に備える通信部(図示せず)を通じて接続される。ゲートウェイ200は、宅内ネットワークN1を介して、太陽光発電システム1、貯湯式給湯機300の動作状態を取得するとともに、太陽光発電システム1、貯湯式給湯機300が動作するための指示信号を発行する。宅内ネットワークN1の通信方式は、無線方式、有線方式及びこれらの組み合わせのいずれかである。また、宅内ネットワークN1は、インターネット、専用線及びこれらの組み合わせのいずれかである。また、宅内ネットワークN1として、ECHONET Lite(登録商標)に準じたネットワークを用いてもよい。なお住宅HBは、対応する太陽光発電システム1を有さないので、住宅HBのゲートウェイ200は、太陽光発電システム1との通信を行わない。図1、図2および図3において、太い実線は電力線を示し、細い実線は装置間でやりとりされる通信信号を示している。なお、エネルギー管理システム1000において、電気機器4が宅内ネットワークN1に接続されていてもよい。さらに、エネルギー管理システム1000において、ゲートウェイ200が宅内ネットワークN1を介して、電気機器4の動作状態を取得するとともに、電気機器4が動作するための指示信号を発行する構成であってもよい。
貯湯式給湯機300は、分電盤3が供給する電力を使用して湯を生成し、生成した湯を熱エネルギーとして内部に貯える。貯湯式給湯機300は、内部に貯えた湯を出湯先5に供給する。出湯先5の例としては、浴槽、シャワー、洗面、台所等が挙げられる。図1において、二重線は湯の流れを示している。各住宅Hの貯湯式給湯機300は、湯の融通配管7に接続され、住宅H間で湯を融通することが可能である。
図4は、実施の形態1に係る貯湯式給湯機300の要部を機能的に示すブロック図である。貯湯式給湯機300は、ヒートポンプ式加熱装置301と、貯湯タンク306と、水流路307と、循環ポンプ308と、温度センサ310a,310b,310c,310d,310e(以下、総称する場合は、温度センサ310という)と、出湯管311と、給水管312と、分岐管313と、第一の開閉弁314と、第二の開閉弁315と、沸上げ制御部316と、貯湯量算出部317と、開閉制御部318と、通信部319とで構成される。
貯湯式給湯機300は、電力を使用してヒートポンプ式加熱装置301を運転し、ヒートポンプ式加熱装置301が空気に含まれる熱を集めて、湯の沸き上げに活用する給湯機である。
貯湯式給湯機300において、ヒートポンプ式加熱装置301は、水流路307によって貯湯タンク306と連結され、ヒートポンプ式加熱装置301の運転時には、実線の矢印で示すように貯湯タンク306の下部から水流路307に排出された水が循環ポンプ308、ヒートポンプ式加熱装置301の放熱器304の順に流れ、貯湯タンク306の上部に供給される。貯湯タンク306は、湯水を貯湯する密閉型のタンクにより構成される。ヒートポンプ式加熱装置301は、蒸発器302と、圧縮機303と、放熱器304と、膨張弁305とで構成され、ヒートポンプ式加熱装置301の運転時には、点線の矢印で示すように蒸発器302から圧縮機303、放熱器304、膨張弁305を経る方向に冷媒が移動する。
通信部319は、宅内ネットワークN1を介してゲートウェイ200と接続され、ゲートウェイ200が発行する沸上げ指示信号を受信する。沸上げ制御部316は、通信部319が受信したゲートウェイ200の沸上げ指示信号にしたがって、ヒートポンプ式加熱装置301を運転させる。ヒートポンプ式加熱装置301が運転すると、蒸発器302で空気中の熱が冷媒に吸収され、冷媒は圧縮機303で圧縮されて温度が上昇する。放熱器304で熱を放出した冷媒は、膨張弁305で膨張されて液化され、液化された冷媒が蒸発器302に戻る。貯湯タンク306の下部から循環ポンプ308によって放熱器304に導かれた水は、冷媒が放出する熱により加熱され、貯湯タンク306の上部に供給される。このため、貯湯タンク306の内部には、上部側に高温水が滞留し、下部側に低温水が滞留するように温度成層が形成される。
貯湯タンク306は、単一の区分または高さ方向に分割された複数の区分で構成される。図4の例では、貯湯タンク306は、上部から下部に向かって、区分309a,309b,309c,309d,309eで構成される。区分309a,309b,309c,309d,309eには、それぞれの区分における水温を検出する温度センサ310a,310b,310c,310d,310eが設けられる。貯湯タンク306を構成する区分数および区分方法ならびに温度センサ310の数は任意である。
ヒートポンプ式加熱装置301で加熱された湯は、貯湯タンク306の上部に設けられた出湯管311から出湯される。貯湯タンク306には、出湯管311から出湯されたのと同量の水が給水管312から供給される。給水管312は、貯湯タンク306の下部に設けられる。
分岐管313は、出湯管311と湯の融通配管7とを結合するために設けられる。出湯管311の途中には第一の開閉弁314が設けられ、開閉制御部318が第一の開閉弁314の開閉動作を制御する。開閉制御部318が第一の開閉弁314を開放制御すると、出湯管311から出湯される湯は、住宅H内の出湯先5に供給されるとともに、分岐管313に向かって流れる。
分岐管313の途中には第二の開閉弁315が設けられ、開閉制御部318が第二の開閉弁315の開閉動作を制御する。開閉制御部318が第二の開閉弁315を開放制御すると、出湯管311と湯の融通配管7とが分岐管313により連通し、出湯管311から分岐管313に向かって流れる湯が、湯の融通配管7に供給される。
通信部319は、宅内ネットワークN1を介してゲートウェイ200と接続され、ゲートウェイ200が発行する開閉指示信号を受信する。開閉制御部318は、通信部319が受信したゲートウェイ200の開閉指示信号にしたがって、第一の開閉弁314および第二の開閉弁315の開閉動作を制御する。
例えば、開閉制御部318がゲートウェイ200から受信した開閉指示信号にしたがって、第一の開閉弁314を開放制御し、第二の開閉弁315を閉止制御する場合、貯湯タンク306の湯は、出湯管311から住宅H内の出湯先5にのみ供給される。
開閉制御部318がゲートウェイ200から受信した別の開閉指示信号にしたがって、第一の開閉弁314と第二の開閉弁315の両方を開放制御する場合、貯湯タンク306の湯は、出湯管311から住宅H内の出湯先5と湯の融通配管7との両方に供給される。
また、開閉制御部318がゲートウェイ200から受信した別の開閉指示信号にしたがって、第一の開閉弁314を閉止制御し、第二の開閉弁315を開放制御する場合、貯湯タンク306の湯は、出湯管311に出湯されず、湯の融通配管7から分岐管313を経て住宅Hの外部から流入した湯が、住宅H内の出湯先5に供給される。このとき、住宅Hとは別の住宅Hに設けられた貯湯式給湯機300の貯湯タンク306の湯が湯の融通配管7に供給される。
貯湯量算出部317は、温度センサ310a,310b,310c,310d,310eがそれぞれ検出した貯湯タンク306の区分309a,309b,309c,309d,309eに貯えられる湯水の水温T1,T2,T3,T4,T5(℃)を取得し、例えば下記(1)式を用いて、貯湯タンク306の貯湯量Q(カロリー)を算出する。
上記(1)式において、ρk(k=1〜5)は、貯湯タンク306の各区分309における水の密度(キログラム/リットル)であって、温度センサ310が検出する各区分309における湯水の温度Tkから求められる。上記(1)式において、ck(k=1〜5)は、貯湯タンク306の各区分309における水の比熱(カロリー/グラム℃)であって、各区分309における湯水の温度Tkから求められる。上記(1)式において、Vk(k=1〜5)は、それぞれ区分309a〜309eの容積(リットル)である。
貯湯量算出部317は、上記(1)式を用いて、貯湯タンク306の貯湯量を熱量として算出するかわりに、例えば下記(2)式を用いて、貯湯量を容量(リットル)として算出してもよい。
…(2)
上記(2)式において、有効係数Ekは、Tk≧所定温度が成立する場合にEk=1、Tk<所定温度が成立する場合にEk=0とする。すなわち、貯湯量算出部317は、貯湯タンク306における所定温度以上の湯水の容量を、貯湯タンク306の貯湯量V(リットル)とする。所定温度は、例えば45℃などとする。例えば、温度センサ310a,310bが60℃を検出し、温度センサ310c,310d,310eが40℃を検出した場合、貯湯量算出部317は、湯水の温度が45℃以上である区分309aと309bの容積の和(Va+Vb)を貯湯タンク306の貯湯量Vとして算出する。
貯湯量算出部317は、(2)式において、例えば、温度センサ310が検出する温度が60℃以上である区分の有効係数Ekを1.0、温度センサ310が検出する温度が40℃〜60℃である区分の有効係数Ekを0.5、温度センサ310が検出する温度が40℃未満である区分の有効係数Ekを0とするなどして、各区分に貯えられる湯の温度帯によって、0から1までの間で段階的に設定した有効係数Ek=を用いて、貯湯タンク306の貯湯量Vを算出してもよい。通信部319は、貯湯量算出部317が算出した貯湯量Qまたは貯湯量Vを宅内ネットワークN1に出力する。
なお、図4では、貯湯式給湯機300がヒートポンプ式加熱装置301により湯を生成する構成例を示したが、これに限らず、例えば貯湯式給湯機300が電熱ヒータにより湯を生成する構成としてもよい。
図1に戻り、ゲートウェイ200は、宅内ネットワークN1を介して貯湯式給湯機300が出力した貯湯タンク306の貯湯量を取得する。各住宅Hのゲートウェイ200は、宅内ネットワークN1に接続されるとともに、外部ネットワークN2にも接続される。エネルギー管理装置100は、外部ネットワークN2を介して、各住宅Hのゲートウェイ200と通信可能である。外部ネットワークN2は、インターネット網や第3世代、第4世代通信網等などの公衆回線のほか、光ファイバ等を用いた専用回線であってもよい。
図5は、実施の形態1に係るゲートウェイ200の機能構成図である。ゲートウェイ200は、宅内通信部201、貯湯状態判定部202、沸上げ指示部203、外部通信部204、発電活用判定部205、および開閉指示部206を備える。宅内通信部201は、宅内ネットワークN1を介して、住宅Hの電力測定装置2および貯湯式給湯機300と通信する。
貯湯状態判定部202は、宅内通信部201を介して住宅Hに設けられる貯湯式給湯機300の貯湯量を取得する。貯湯状態判定部202は、貯湯式給湯機300の最大貯湯量と、貯湯式給湯機300から取得した貯湯量と、予め定められた第一の閾値から、貯湯式給湯機300の貯湯状態を判定する。住宅Hに設けられる貯湯式給湯機300の最大貯湯量は、貯湯式給湯機300の貯湯タンク306の容量であり、貯湯状態判定部202に予め記憶される貯湯式給湯機300に固有の値である。
貯湯状態判定部202は、貯湯式給湯機300の最大貯湯量と、貯湯式給湯機300から取得した貯湯量との差分が第一の閾値以上である場合、貯湯式給湯機300が第一の貯湯状態であると判定する。
図6は、実施の形態1に係る貯湯状態判定部202が判定する貯湯式給湯機300の貯湯状態と貯湯量との関係の一例を示す図である。図6は、貯湯式給湯機300の最大貯湯量に対する貯湯量を模式的に表しており、所定温度以上である貯湯量が斜線部Sの体積に相当する。図6において、FHWは、貯湯式給湯機300の最大貯湯量であり、斜線部Sの境界線は、貯湯量算出部317が算出する貯湯量が増えると上昇し、貯湯量算出部317が算出する貯湯量が減ると下降する。図6は、貯湯式給湯機300が第一の貯湯状態であるときの貯湯量の例を示している。第一の貯湯状態とは、貯湯式給湯機300の最大貯湯量FHWと、貯湯状態判定部202が取得した貯湯量との差分が第一の閾値以上であることを表す。言い換えると、図6に示すように、貯湯状態判定部202が取得した貯湯量が予め定められた第一の値AHW1を下回ることを表す。ここで、予め定められた第一の値AHW1は、貯湯式給湯機300の最大貯湯量FHWから第一の閾値を減じた値を指す。
第一の閾値は、例えば住宅Hにおいて湯切れが起きない程度の貯湯量であり、貯湯式給湯機300の貯湯タンク306の最大貯湯量FHWによって定められていてもよいし、最大貯湯量FHWに関らず固有の値であってもよい。また、貯湯状態判定部202が冬季は第一の閾値を小さく、夏季は第一の閾値を大きくなるように、季節によって変更する構成であってもよい。
貯湯状態判定部202が判定した貯湯式給湯機300の貯湯状態は、沸上げ指示部203に出力される。沸上げ指示部203は、貯湯状態判定部202が判定した貯湯状態が第一の貯湯状態である場合、貯湯式給湯機300に沸上げ指示を発行する。宅内通信部201は、沸上げ指示部203が発行した沸上げ指示を、宅内ネットワークN1を介して、貯湯式給湯機300に送信する。
発電活用判定部205は、商用電源6から住宅Hに供給される商用電力量と、太陽光発電システム1から供給される発電電力量とを宅内通信部201を介して電力測定装置2から取得する。ここで、住宅HBにおける電力測定装置2は、太陽光発電システム1から供給される発電電力量を計測しないので、住宅HBにおけるゲートウェイ200の発電活用判定部205は、電力計測装置2から発電電力量を取得することができない。このように電力計測装置2から発電電力量を取得できない場合、発電活用判定部205は、発電電力量がゼロであるとする。
発電活用判定部205は、宅内通信部201から取得した商用電力量がゼロ、かつ発電電力量がゼロより大きい有意の値であれば、住宅Hにおいて余剰の発電電力があると判定する。住宅HBにおけるゲートウェイ200の発電活用判定部205は、発電電力量をゼロとするので、住宅HBにおいて余剰の発電電力がないと判定する。外部通信部204は、発電活用判定部205が判定した住宅Hにおける余剰の発電電力の有無を、住宅Hへの電力供給状況を含む電力情報として、外部ネットワークN2を介してエネルギー管理装置100に出力する。外部通信部204が出力する電力情報には、住宅Hが余剰の発電電力の有無を示す情報が含まれる。
また、外部通信部204は、住宅Hが他の住宅Hから受湯するか、他の住宅Hに配湯するか、または受湯および配湯のいずれも行わないかを表す湯の受配指示情報をエネルギー管理装置100から受信する。湯の受配指示情報は、後述するエネルギー管理装置100によって生成され、外部ネットワークN2を通じてゲートウェイ200に入力される。
開閉指示部206は、外部通信部204から湯の受配指示情報を取得する。開閉指示部206は、湯の受配指示情報から、貯湯式給湯機300の第一の開閉弁314および第二の開閉弁315をそれぞれ開閉制御するための第一の開閉指示信号および第二の開閉指示信号を生成する。宅内通信部201は、開閉指示部206が生成する開閉指示信号を、宅内ネットワークN1を通じて貯湯式給湯機300に送信する。開閉指示部206は、外部通信部204から取得した湯の受配指示情報が他の住宅Hから受湯する指示であれば、第一の開閉弁314を閉止する第一の開閉指示信号と、第二の開閉弁315を開放する第二の開閉指示信号を生成する。また、開閉指示部206は、外部通信部204から取得した湯の受配指示情報が他の住宅Hに配湯する指示であれば、第一の開閉弁を開放する第一の開閉指示信号と、第二の開閉弁315を開放する第二の開閉指示信号を生成する。また、開閉指示部206は、外部通信部204から取得した湯の受配指示情報が他の住宅Hと受湯および配湯のいずれも行わない指示であれば、第一の開閉弁314を開放する第一の開閉指示信号と、第二の開閉弁315を閉止する第二の開閉指示信号を生成する。
図7は、実施の形態1に係るエネルギー管理装置100の機能構成図である。エネルギー管理装置100は、通信部101、電力情報取得部102、融通先特定部103、融通元特定部104、および融通指示部105を備える。
通信部101は、外部ネットワークN2を通じて各住宅Hのゲートウェイ200と通信する。電力情報取得部102は、通信部101を介して、住宅Hへの電力供給状況を含む電力情報を取得する。電力情報取得部102が取得する住宅Hへの電力供給状況を含む電力情報は、融通先特定部103および融通元特定部104に入力される。ここで、電力情報取得部102が、住宅HA,HB,HCを識別する情報と、それぞれの住宅Hへの電力供給状況を含む電力情報とを組み合わせた信号を、1つの信号線を用いて融通先特定部103および融通元特定部104に出力する構成であってもよい。
融通先特定部103は、電力情報取得部102が取得する、住宅Hへの電力供給状況を含む電力情報から、他の住宅Hから湯が融通される受湯条件を満たす住宅Hを融通先施設として特定する。他の住宅Hから湯が融通される受湯条件として、例えば、余剰の発電電力がないという条件が挙げられる。
融通元特定部104は、電力情報取得部102が取得する、住宅Hへの電力供給状況を含む電力情報から、他の住宅Hに湯を融通する配湯条件を満たす住宅Hを融通元施設として特定する。他の住宅Hに湯を融通する配湯条件として、例えば、余剰の発電電力があるという条件が挙げられる。
融通先特定部103、融通元特定部104は、集合体を構成する各住宅Hについて、それぞれ融通先施設であるかを示す信号、融通元施設であるかを示す信号を融通指示部105に出力する。
図7では、融通先特定部103および融通元特定部104が集合体を構成する住宅HA,HB,HCについて、融通先施設であるかを示す信号、融通元施設であるかを示す信号を、それぞれ異なる信号線を用いて融通指示部105に出力する構成を示している。これに限らず、融通先特定部103および融通元特定部104が、住宅HA,HB,HCを識別する情報と、住宅HA,HB,HCが融通先施設または融通元施設であるかを示す情報とを組み合わせた信号を、1つの信号線を用いて融通指示部105に出力する構成であってもよい。
融通指示部105は、通信部101を介して、融通先施設となる住宅Hに受湯指示を、融通元施設となる住宅Hに配湯指示を、それぞれ発行する。融通指示部105は、融通先施設でも融通元施設でもない住宅Hには受湯および配湯のいずれも行わない指示を発行する。通信部101は、融通指示部105が発行する受湯指示、配湯指示、または、受湯および配湯のいずれも行わない指示を、各住宅Hのゲートウェイ200に送信する。
次に実施の形態1に係る貯湯式給湯機300の動作について、図8から図10を参照して説明する。図8は、実施の形態1に係る貯湯式給湯機300の沸上げ制御処理の一例を示すフローチャート、図9は、実施の形態1に係る貯湯式給湯機300の貯湯量通知処理の一例を示すフローチャート、図10は、実施の形態1に係る貯湯式給湯機300の開閉制御処理の一例を示すフローチャートである。貯湯式給湯機300の制御プログラムは、貯湯式給湯機300の電源を入れると起動し、図8から図10に示す処理を予め定められた時間ごとに並列に実行させ、貯湯式給湯機300の電源が切られると終了する。
図8の沸上げ制御処理について説明する。ステップS301において、通信部319は、ゲートウェイ200から沸上げ指示信号を受信したか否かを判断する。通信部319が沸上げ指示信号を受信すると、ステップS302において、沸上げ制御部316は、ヒートポンプ式加熱装置301を運転させる。
次に図9の貯湯量通知処理について説明する。ステップS311において、貯湯量算出部317は、(1)式または(2)式を用いて、貯湯タンク306の貯湯量Qまたは貯湯量Vを算出する。ステップS311に続いて、通信部319は、ステップS312において、貯湯量算出部317がステップS311において算出した貯湯量Qまたは貯湯量Vを宅内ネットワークN1に送信する。
次に図10の開閉制御処理について説明する。ステップS321において、通信部319は、ゲートウェイ200から開閉指示信号を受信したか否かを判断する。通信部319が開閉指示信号を受信すると、ステップS322において、開閉制御部318は、ステップS321にて受信した第一の開閉指示信号にしたがって、第一の開閉弁314の開閉動作を制御する。ステップS322に続いて、開閉制御部318は、ステップS321にて受信した第二の開閉指示信号にしたがって、第二の開閉弁315の開閉動作を制御する。
次に実施の形態1に係るゲートウェイ200が行う沸上げ指示処理について、図11および図12を参照して説明する。図11は、実施の形態1に係るゲートウェイ200における沸上げ指示処理の一例を示すフローチャートであり、図12は、実施の形態1に係るゲートウェイ200における開閉指示処理の一例を示すフローチャートである。ゲートウェイ200の制御プログラムは、ゲートウェイ200の電源を入れると起動し、以後ゲートウェイ200の電源が切られるまで、予め定められた時間ごとに沸上げ指示処理および開閉指示処理を並列に実行させる。
図11のゲートウェイ200における沸上げ指示処理について説明する。ステップS201において、発電活用判定部205は、商用電源6から住宅Hに供給される商用電力量と、住宅Hに対応する太陽光発電システム1から供給される発電電力量とを、宅内通信部201を介して取得する。
ステップS201に続いて、発電活用判定部205は、ステップS202において、ステップS201において取得した商用電力量がゼロであれば、ステップS203に進み、商用電力量がゼロでなければ、ステップS205に進む。ステップS203において、発電活用判定部205は、ステップS201において取得した発電電力量がゼロより大きい有意の値であれば、ステップS204に進み、住宅Hにおいて余剰の発電電力があると判定する。
一方、ステップS203において、発電活用判定部205がステップS201において取得した発電電力量がゼロであれば、ステップS205に進み、住宅Hにおいて余剰の発電電力がないと判定する。ここで、住宅HBにおけるゲートウェイ200の発電活用判定部205は、発電電力量をゼロであるするので、ステップS203に続いてステップS205に進む。ステップS204およびステップS205に続いて、ステップS206において、発電活用判定部205は、ステップS204またはステップS205のいずれかで判定した、余剰の発電電力の有無を外部通信部204に出力する。外部通信部204は、発電活用判定部205が出力した、余剰の発電電力の有無を、住宅Hへの電力供給状況を含む電力情報として、外部ネットワークN2を介してエネルギー管理装置100に送信する。
ステップS206に続いて、貯湯状態判定部202は、ステップS207において、宅内通信部201を介して住宅Hに設けられた貯湯式給湯機300の貯湯量を取得する。ステップS207に続いて、貯湯状態判定部202は、ステップS208において、貯湯式給湯機300の最大貯湯量と、ステップS207において取得した貯湯式給湯機300の貯湯量との差分と、第一の閾値とを大小比較する。
ステップS208において、貯湯式給湯機300の最大貯湯量と、ステップS207において取得した貯湯式給湯機300の貯湯量との差分が第一の閾値以上、すなわち、貯湯式給湯機300の貯湯量が第一の値AHW1未満である場合には、貯湯状態判定部202は、ステップS209において、貯湯式給湯機300が第一の貯湯状態であると判定する。
ステップS209に続いて、沸上げ指示部203は、ステップS210において、貯湯式給湯機300に沸上げ指示を発行する。宅内通信部201は、ステップS209において沸上げ指示部203が発行した沸上げ指示を、宅内ネットワークN1を介して、貯湯式給湯機300に送信する。すなわち、沸上げ指示部203は、貯湯式給湯機300の貯湯量が第一の値AHW1未満であれば、貯湯式給湯機300に沸上げ指示を発行する。
一方、ステップS208において、貯湯式給湯機300の最大貯湯量と、ステップS207において取得した貯湯式給湯機300の貯湯量との差分が第一の閾値未満、すなわち、貯湯式給湯機300の貯湯量が第一の値AHW1以上である場合には、ゲートウェイ200は、沸上げ指示処理を終了する。
次に図12のゲートウェイ200における開閉指示処理について説明する。ステップS221において、開閉指示部206は、外部通信部204を介して、エネルギー管理装置100から湯の受配指示情報を取得する。ステップS221に続いて、ステップS222において、開閉指示部206は、ステップS221において取得した湯の受配指示情報が他の住宅Hから受湯する指示であれば、ステップS223に進み、ステップS221において取得した湯の受配指示情報が他の住宅Hから受湯する指示でなければ、ステップS225に進む。ステップS223において、開閉指示部206は、貯湯式給湯機300の第一の開閉弁314を閉止する第一の開閉指示信号を生成する。ステップS223に続いて、開閉指示部206は、ステップS224において、第二の開閉弁315を開放する第二の開閉指示信号を生成する。
ステップS225において、開閉指示部206は、ステップS221において取得した湯の受配指示情報が他の住宅Hに配湯する指示であれば、ステップS226に進み、ステップS221において取得した湯の受配指示情報が他の住宅Hに配湯する指示でなければ、ステップS228に進む。ステップS226において、開閉指示部206は、貯湯式給湯機300の第一の開閉弁314を開放する第一の開閉指示信号を生成する。ステップS226に続いて、開閉指示部206は、ステップS227において、第二の開閉弁315を開放する第二の開閉指示信号を生成する。
ステップS228において、開閉指示部206は、貯湯式給湯機300の第一の開閉弁314を開放する第一の開閉指示信号を生成する。ステップS228に続いて、開閉指示部206は、ステップS229において、第二の開閉弁315を閉止する第二の開閉指示信号を生成する。ステップS224、ステップS227、およびステップS229のいずれかに続いて、宅内通信部201は、ステップS230において、開閉指示部206がステップS223〜ステップS224、ステップS226〜ステップS227、およびステップS228〜ステップS229のいずれかにおいて生成した第一の開閉指示信号および第二の開閉指示信号を、宅内ネットワークN1を介して貯湯式給湯機300に送信する。
次に実施の形態1に係るエネルギー管理装置100が行う融通制御処理について、図13を参照して説明する。図13は、実施の形態1に係るエネルギー管理装置100における融通制御処理の一例を示すフローチャートである。エネルギー管理装置100の制御プログラムは、エネルギー管理装置100の電源を入れると起動し、以後エネルギー管理装置100の電源が切られるまで、予め定められた時間ごとに融通制御処理を実行させる。
ステップS101において、電力情報取得部102は、集合体を構成する全ての住宅Hについて、余剰の発電電力の有無を示す情報を取得する。
ステップS101に続いて、ステップS102において、融通元特定部104は、電力情報取得部102がステップS101において取得した余剰の発電電力の有無から、集合体を構成するいずれかの住宅Hに余剰の発電電力がある場合、ステップS103に進む。ステップS103において、融通元特定部104は、ステップS102における余剰の発電電力がある住宅Hを、他の住宅Hに湯を融通する配湯条件を満たす融通元施設として特定する。
ステップS102において集合体を構成する2以上の住宅Hに余剰の発電電力がある場合、融通元特定部104は、ステップS103において、余剰の発電電力がある住宅Hのうちいずれか1つを優先選択して、融通元施設として特定する。融通元特定部104が選択する住宅Hの優先方法は任意でよい。例えば、融通元特定部104は、配湯条件を満たす2以上の住宅Hのうち、過去に融通元施設として特定された回数が少ない住宅Hを優先選択するように構成してもよい。また、融通元特定部104は、ステップS102において、1つの住宅Hに余剰の発電電力があると判定した時点で、それ以外の住宅Hが配湯条件を満たすかを判定せずにステップS103に進んでもよい。すなわち、融通元特定部104は、最初に配湯条件を満たすと判定した住宅Hを融通元施設として特定する構成であってもよい。融通元特定部104がこのように構成される場合、配湯条件を満たすかを、例えば住宅HA→住宅HB→住宅HCのように予め定めた順に判定してもよい。また、これに限らず、融通元特定部104が配湯条件を満たすか判定する住宅Hの順番を、融通制御処理が実行される度に変更するように構成してもよい。
一方、ステップS102において、融通元特定部104は、集合体を構成する全ての住宅Hに余剰の発電電力がない場合、配湯条件を満たす住宅Hがないとして、融通元施設を特定せずにステップS106に進む。ステップS102に続いて、融通指示部105は、ステップS106において、集合体を構成する全ての住宅Hに受湯および配湯のいずれも行わない指示を発行する。ステップS106において、通信部101は、融通指示部105が発行する受湯および配湯のいずれも行わない指示を、外部ネットワークN2を介して各住宅Hに送信する。
ステップS103に続いて、融通先特定部103は、ステップS104において、電力情報取得部102がステップS101において取得した余剰の発電電力の有無から、集合体を構成するいずれかの住宅Hにおいて余剰の発電電力がない場合、ステップS105に進む。ステップS105において、融通先特定部103は、ステップS104における余剰の発電電力がない住宅Hを、他の住宅Hから湯が融通される受湯条件を満たす融通先施設として特定する。
ステップS103と同様に、ステップS104において、集合体を構成する2以上の住宅Hで余剰の発電電力がない場合、融通先特定部103は、ステップS105において、余剰の発電電力がない住宅Hのうちいずれか1つを優先選択して、融通先施設として特定する。融通先特定部103が選択する住宅Hの優先方法は任意でよい。例えば、融通先特定部103は、受湯条件を満たす2以上の住宅Hのうち、過去に融通先施設として特定された回数が少ない住宅Hを優先選択するように構成してもよい。
また、融通先特定部103は、ステップS104において、1つの住宅Hに余剰の発電電力がないと判定した時点で、それ以外の住宅Hが受湯条件を満たすかを判定せずにステップS105に進んでもよい。すなわち、融通先特定部103は、最初に受湯条件を満たすと判定した住宅Hを融通先施設として特定する構成であってもよい。融通先特定部103がこのように構成される場合、受湯条件を満たすかを、例えば住宅HA→住宅HB→住宅HCのように予め定めた順に判定してもよい。また、これに限らず、受湯条件を満たすか判定する住宅Hの順番を、融通制御処理が実行される度に変更するように構成してもよい。ステップS105に続いて、融通指示部105は、ステップS106において、ステップS103において融通元施設として特定した住宅Hに配湯指示を、ステップS105において融通先施設として特定した住宅Hに受湯指示を、それ以外の住宅Hには受湯および配湯のいずれも行わない指示を発行する。
一方、ステップS104において、融通先特定部103は、集合体を構成する全ての住宅Hにおいて余剰の発電電力がある場合、受湯条件を満たす住宅Hがないとして、融通先施設を特定せずにステップS106に進む。ステップS104に続いて、融通指示部105は、ステップS106において、集合体を構成する全ての住宅Hに受湯および配湯のいずれも行わない指示を発行する。
エネルギー管理装置100の融通制御処理は、融通先特定部103が融通先施設を特定する処理と、融通元特定部104が融通元施設を特定する処理とを並列に実行させる構成であってもよい。このように構成されるエネルギー管理装置100の融通制御処理について、図14を用いて説明する。図14は、実施の形態1に係るエネルギー管理装置100における融通制御処理の他の例を示すフローチャートである。
図14において、ステップS101からステップS106までの各処理は、それぞれ図13で説明したのと同じである。エネルギー管理装置100の制御プログラムは、ステップS101に続いて、ステップS102とステップS104とを並列に実行させる。
図15は、実施の形態1に係るエネルギー管理システム1000における動作の一例を示すシーケンス図である。図15には、エネルギー管理装置100の制御プログラムが予め定められた時間Tごとに融通制御処理を実行して、集合体を構成する住宅HA,HB,およびHCに湯の受配を指示する動作の例を示している。予め定められた時間Tは、例えば30分や1時間など任意に定められてよい。
図15において、時刻T0,T1,T2は、それぞれエネルギー管理装置100の制御プログラムが融通制御処理P10,P20,P30を実行する時間を示している。図15において、例えば、ステップS1206A,S2206A,S3206Aは、図11にて説明した沸き上げ指示処理におけるステップS206に示す処理であり、住宅HAのゲートウェイ200で実行されることを示す。同様に、ステップS1206B,S2206B,S3206Bは、住宅HBのゲートウェイ200で実行されることを示す。
融通制御処置P10において、エネルギー管理装置100は、住宅HA,HB,HCの各ゲートウェイ200からそれぞれ住宅HA,HB,HCにおける余剰の発電電力の有無を取得する。ステップS1206Aおよびステップ1206Cは、住宅HAおよび住宅HCのゲートウェイ200がそれぞれ住宅HAおよび住宅HCにおいて余剰の発電電力があると送信する例を示している。住宅HBは、対応する太陽光発電システム1を有さないので、住宅HBのゲートウェイ200は、ステップS1206Bを含み常に、住宅HBにおいて余剰の発電電力がないと送信する。
エネルギー管理装置100は、融通制御処理P10において、図13または図14で説明した融通制御処理にしたがって、他の住宅Hに湯を融通する配湯条件を満たす住宅HAを融通元施設として特定し、他の住宅Hから湯が融通される受湯条件を満たす住宅HBを融通先施設として特定する。そして、エネルギー管理装置100は、住宅HAのゲートウェイ200に配湯指示を、住宅HBのゲートウェイ200に受湯指示を、住宅HCのゲートウェイ200に受湯および配湯のいずれも行わない指示を、それぞれ送信する。
住宅HAのゲートウェイ200は、エネルギー管理装置100から配湯指示を受信し、ステップS1230Aにおいて、住宅HAの貯湯式給湯機300に第一の開閉弁314を開放する第一の開閉指示信号と、第二の開閉弁315を開放する第二の開閉指示信号とを送信する。住宅HBのゲートウェイ200は、エネルギー管理装置100から受湯指示を受信し、ステップS1230Bにおいて、住宅HBの貯湯式給湯機300に第一の開閉弁314を閉止する第一の開閉指示信号と、第二の開閉弁315を開放する第二の開閉指示信号とを送信する。住宅HCのゲートウェイ200は、エネルギー管理装置100から受湯および配湯のいずれも行わない指示を受信し、ステップS1230Cにおいて、住宅HCの貯湯式給湯機300に第一の開閉弁314を開放する第一の開閉指示信号と、第二の開閉弁315を閉止する第二の開閉指示信号とを送信する。
各住宅Hにおける貯湯式給湯機300の開閉制御部318は、それぞれゲートウェイ200から第一の開閉指示信号と第二の開閉指示信号とを受信して、第一の開閉弁314と第二の開閉弁315とを制御する。これにより、住宅HAの貯湯式給湯機300の貯湯タンク306と、湯の融通配管7と、住宅HB内の出湯先5とが接続されて、住宅HAの貯湯式給湯機300に貯えられた湯が住宅HB内の出湯先5へと供給される。エネルギー管理装置100が融通元施設として特定した住宅HAにおける貯湯式給湯機300の開閉制御部318は、エネルギー管理システム1000における第一の開閉制御部318Mとして機能し、エネルギー管理装置100が融通先施設として特定した住宅HBにおける貯湯式給湯機300の開閉制御部318は、第二の開閉制御部318Nとして機能する。
エネルギー管理装置100の制御プログラムは、時刻T0から時間T経過した時刻T1において、次の融通制御処理P20を実行する。ステップS2206Aは、住宅HAに設けられる電力負荷の電力増加などの理由によって、住宅HAのゲートウェイ200が、住宅HAにおいて余剰の発電電力がなくなったことをエネルギー管理装置100に送信する例を示している。
エネルギー管理装置100は、融通制御処理P20において、他の住宅Hに湯を融通する配湯条件を満たす住宅HCを融通元施設として特定し、他の住宅Hから湯が融通される受湯条件を満たす住宅HAを融通先施設として特定する。そして、エネルギー管理装置100は、住宅HAのゲートウェイ200に受湯指示を、住宅HBのゲートウェイ200に受湯および配湯のいずれも行わない指示を、住宅HCのゲートウェイ200に配湯指示を、それぞれ送信する。
住宅HAのゲートウェイ200は、エネルギー管理装置100から受湯指示を受信し、ステップS2230Aにおいて、住宅HAの貯湯式給湯機300に第一の開閉弁314を閉止する第一の開閉指示信号と、第二の開閉弁315を開放する第二の開閉指示信号とを送信する。住宅HBのゲートウェイ200は、エネルギー管理装置100から受湯および配湯のいずれも行わない指示を受信し、ステップS2230Bにおいて、住宅HBの貯湯式給湯機300に第一の開閉弁314を開放する第一の開閉指示信号と、第二の開閉弁315を閉止する第二の開閉指示信号とを送信する。住宅HCのゲートウェイ200は、エネルギー管理装置100から配湯指示を受信し、ステップS2230Cにおいて、住宅HCの貯湯式給湯機300に第一の開閉弁314を開放する第一の開閉指示信号と、第二の開閉弁315を開放する第二の開閉指示信号とを送信する。
ステップS2230A,S2230B,およびS2230Cにより、住宅HAの貯湯式給湯機300の貯湯タンク306と、湯の融通配管7と、住宅HB内の出湯先5との接続が解除されて、住宅HAから住宅HBへの湯の供給が終了する。そして、住宅HCの貯湯式給湯機300の貯湯タンク306と、湯の融通配管7と、住宅HA内の出湯先5とが接続されて、住宅HCの貯湯式給湯機300に貯えられた湯が住宅HA内の出湯先5へと供給される。
時刻T1からさらに時間T経過した時刻T2において、エネルギー管理装置100の制御プログラムは、融通制御処理P30を実行する。時刻T2では、例えば日没や雨天などによって、エネルギー管理システム1000において太陽光発電システム1が発電せず、対応する太陽光発電システム1の有無にかかわらず、太陽光発電システム1が各住宅に設けられた電力負荷の運転に必要な電力を供給不可能となる例を示している。すなわち、住宅HA,HB,HCの各ゲートウェイ200はそれぞれ、ステップS3206A,S3206B,S3206Cにおいて、住宅HA,HB,HCにおける余剰の発電電力がないと送信する。
エネルギー管理装置100は、融通制御処理P30において、住宅HA,HB,HCのいずれも他の住宅Hに湯を融通する配湯条件を満たさないので、融通元施設を特定できない。融通制御処理P30において、融通元施設を特定できないので、エネルギー管理装置100は、住宅HA,HB,HCのゲートウェイ200に受湯および配湯のいずれも行わない指示を送信する。住宅HA,HB,HCのゲートウェイ200は、エネルギー管理装置100から受湯および配湯のいずれも行わない指示を受信し、ステップS3230A,S3230B,S3230Cにおいて、それぞれ貯湯式給湯機300に第一の開閉弁314を開放する第一の開閉指示信号と、第二の開閉弁315を閉止する第二の開閉指示信号とを送信する。
ステップS3230A,S3230B,およびS3230Cにより、住宅HCの貯湯式給湯機300の貯湯タンク306と、湯の融通配管7と、住宅HA内の出湯先5との接続が解除されて、住宅HCから住宅HAへの湯の供給が終了する。
なお、融通制御処理P10,P20,P30において、エネルギー管理装置100が集合体を構成する各住宅Hについて配湯条件および受湯条件を満たすかどうかを判定する順番は、住宅HA→住宅HB→住宅HCの順に限らない。エネルギー管理装置100は、例えば、配湯条件および受湯条件を満たすかどうかを判定する住宅Hの順番を、融通制御処理が実行される度に住宅HA→住宅HB→住宅HC、住宅HB→住宅HC→住宅HA、住宅HC→住宅HA→住宅HBのように変えてもよい。このように構成されるエネルギー管理システム1000における動作の一例について、図16を用いて説明する。図16は、実施の形態1に係るエネルギー管理システム1000における動作の他の例を示すシーケンス図である。
融通制御処理P11において、エネルギー管理装置100は、住宅HA→住宅HB→住宅HCの順に配湯条件および受湯条件を満たすかどうかを判定する例を示している。融通制御処理P11において、エネルギー管理装置100は、配湯条件を満たす住宅HA,HCのうち、先に判定した住宅HAを融通元施設と特定する。融通制御処理P21において、エネルギー管理装置100は、住宅HB→住宅HC→住宅HAの順に配湯条件および受湯条件を満たすかどうかを判定する例を示している。エネルギー管理装置100は、受湯条件を満たす住宅HA,HBのうち、先に判定した住宅HBを融通先施設と特定する。そして、融通制御処理P31において、エネルギー管理装置100は、住宅HC→住宅HA→住宅HBの順に配湯条件および受湯条件を満たすかどうかを判定する例を示している。エネルギー管理装置100は、いずれの住宅Hも配湯条件を満たさないので、融通元施設および融通先施設を特定しない。
以上で説明したように、実施の形態1に係るエネルギー管理装置100によれば、二以上の住宅Hにそれぞれ設けられた貯湯式給湯機300の湯を融通可能な融通配管7を備え、住宅Hのうち少なくとも一以上の住宅Hが太陽光発電システム1を有する集合体において、住宅Hへの電力供給状況を含む電力情報を取得する電力情報取得部102と、電力情報を基に、太陽光発電システム1による余剰の発電電力がない住宅Hを融通先施設として特定する融通先特定部103と、電力情報を基に、太陽光発電システム1による余剰の発電電力がある住宅Hを融通元施設として特定する融通元特定部104と、融通元施設に対して、当該住宅に設けられた貯湯式給湯機300から融通配管7に出湯する配湯指示を発行するとともに、融通先施設に対して、融通配管7から受湯する受湯指示を発行する融通指示部105と、を備えるので、太陽光発電システム1による余剰の発電電力がある住宅Hから、余剰の発電電力がない住宅Hに湯を供給することによって、太陽光発電システム1が生成するエネルギーを有効利用することができる。
また、実施の形態1に係る貯湯式給湯機300によれば、二以上の住宅Hの間で湯を融通可能な融通配管7を備える集合体を構成する住宅Hそれぞれに設けられる貯湯式給湯機300であって、融通配管7に接続され、電気を使用して生成した湯を貯える貯湯タンク306と、貯湯タンク306に貯えられた湯を出湯する出湯管311に設けられた第一の開閉弁314と、出湯管311と融通配管7とを結合する分岐管313に設けられた第二の開閉弁315と、外部からの指示信号に応じて、前記第一の開閉弁314と、第二の開閉弁315とをそれぞれ開閉制御する開閉制御部318と、を備えるので、貯湯式給湯機300の湯を他の住宅Hへ供給することができる。
また、実施の形態1に係るゲートウェイ200によれば、商用電源6から住宅Hに供給される商用電力量と、住宅Hに対応する太陽光発電システム1から供給される発電電力量とを取得して、余剰電力の有無を判定する発電活用判定部205と、発電活用判定部205が判定した、余剰の発電電力の有無をエネルギー管理装置100に送信するとともに、住宅Hが他の住宅Hから受湯するか、他の住宅Hに配湯するか、または受湯および配湯のいずれも行わないかを表す湯の受配指示情報をエネルギー管理装置100から受信する外部通信部204と、外部通信部204が受信した湯の受配指示情報から、住宅Hに設けられた貯湯式給湯機300の貯湯タンク306と住宅H内の出湯先5と他の住宅Hとを接続する、湯の流路に設けられた開閉弁314および315を開閉する開閉指示信号を生成する開閉指示部206と、を備えるので、太陽光発電システム1による余剰の発電電力がある住宅Hから、余剰の発電電力がない住宅Hに湯を供給することによって、太陽光発電システム1が生成するエネルギーを有効利用できる。
また、実施の形態1に係るエネルギー管理システム1000によれば、二以上の住宅Hにそれぞれ設けられた貯湯式給湯機300の湯を融通可能な融通配管7を備え、住宅Hのうち少なくとも一以上の住宅Hが太陽光発電システム1を有する集合体において、住宅Hへの商用電力の供給状況を含む電力情報を取得する電力情報取得部102と、電力情報を基に、太陽光発電システム1による余剰の発電電力がない住宅Hを融通先施設として特定する融通先特定部103と、電力情報を基に、太陽光発電システム1による余剰の発電電力がある住宅Hを融通元施設として特定する融通元特定部104と、融通元施設に設けられた貯湯式給湯機300と融通配管7とを接続する湯の流路に設けられた開閉弁を制御して、融通元施設に設けられた貯湯式給湯機300から、融通配管7へ出湯する第一の開閉制御部318Mと、融通先施設内の出湯先5と融通配管7とを接続する湯の流路に設けられた開閉弁を制御して、融通元施設に設けられた貯湯式給湯機300から、融通配管7を経由して、融通先施設内の出湯先5へ出湯する第二の開閉制御部318Nと、を備えるので、太陽光発電システム1による余剰の発電電力がある住宅Hから、余剰の発電電力がない住宅Hに湯を供給することによって、太陽光発電システム1が生成するエネルギーを有効利用することができる。
また、実施の形態1に係るエネルギー管理方法によれば、二以上の住宅Hにそれぞれ設けられた貯湯式給湯機300の湯を融通可能な融通配管7を備え、住宅Hのうち少なくとも一以上の住宅Hが太陽光発電システム1を有する集合体において、住宅Hへの電力供給状況を含む電力情報を取得する電力情報取得ステップと、電力情報を基に、太陽光発電システム1による余剰の発電電力がない住宅Hを融通先施設として特定する融通先特定ステップと、電力情報を基に、太陽光発電システム1による余剰の発電電力がある住宅Hを融通元施設として特定する融通元特定ステップと、融通元施設に対して、当該施設に設けられた貯湯式給湯機300から融通配管7に出湯する配湯指示を発行するとともに、融通先施設に対して、融通配管7から受湯する受湯指示を発行する融通指示ステップと、を有するので、太陽光発電システム1による余剰の発電電力がある住宅Hから、余剰の発電電力がない住宅Hに湯を供給することによって、太陽光発電システム1が生成するエネルギーを有効利用することができる。
また、実施の形態1に係るプログラムによれば、コンピュータに、二以上の住宅Hにそれぞれ設けられた貯湯式給湯機300の湯を融通可能な融通配管7を備え、住宅Hのうち少なくとも一以上の住宅Hが太陽光発電システム1を有する集合体において、住宅Hへの電力供給状況を含む電力情報を取得する電力情報取得ステップ、電力情報を基に、太陽光発電システム1による余剰の発電電力が余剰の発電電力がない住宅Hを融通先施設として特定する融通先特定ステップ、電力情報を基に、太陽光発電システム1による余剰の発電電力がある住宅Hを融通元施設として特定する融通元特定ステップ、融通元施設に対して、当該住宅に設けられた貯湯式給湯機300から融通配管7に出湯する配湯指示を発行するとともに、融通先施設に対して、融通配管7から受湯する受湯指示を発行する融通指示ステップ、を実行させるので、太陽光発電システム1による余剰の発電電力がある住宅Hから、余剰の発電電力がない住宅Hに湯を供給することによって、太陽光発電システム1が生成するエネルギーを有効利用することができる。
(実施の形態2)
上述の実施の形態1では、太陽光発電システム1による余剰の発電電力がある住宅Hを融通元施設として特定し、太陽光発電システム1による余剰の発電電力がない住宅Hを融通先施設として特定していた。実施の形態2に示すエネルギー管理システム2000は、実施の形態1で説明した受湯条件および配湯条件に加えて、貯湯式給湯機300の貯湯量にかかわる情報を用いて、融通元施設および融通先施設を特定する。このように構成される実施の形態2に示すエネルギー管理システムについて以下に説明する。
実施の形態2に係るエネルギー管理システム2000は、実施の形態1のエネルギー管理システム1000のエネルギー管理装置100およびゲートウェイ200がそれぞれエネルギー管理装置120およびゲートウェイ220に置き換わる以外は、エネルギー管理システム1000と同じであり、図を省略する。
図17は、実施の形態2に係るゲートウェイ220の機能構成図である。ゲートウェイ220は、貯湯状態判定部202および外部通信部204がそれぞれ貯湯状態判定部222および外部通信部224に置き換わるとともに、貯湯状態判定部222の出力が外部通信部224に入力される点以外は、ゲートウェイ200と同じである。貯湯状態判定部222は、実施の形態1で説明した第一の貯湯状態に加えて、貯湯式給湯機300の貯湯量が第二の貯湯状態、または第三の貯湯状態のいずれであるかを判定する。
図18は、実施の形態2に係る貯湯状態判定部222が判定する貯湯式給湯機300の貯湯状態と貯湯量との関係の一例を示す図である。図18(a)および図18(b)は、それぞれ貯湯式給湯機300の第一の貯湯状態および第二の貯湯状態の貯湯量の例を示している。貯湯状態判定部222は、貯湯式給湯機300の最大貯湯量FHWと、貯湯式給湯機300から取得した貯湯量との差分が第一の閾値よりも小さい第二の閾値未満である場合、貯湯式給湯機300が第二の貯湯状態であると判定する。言い換えると、図18(b)に示すように、貯湯状態判定部222が取得した貯湯量が予め定められた第二の値AHW2以上であることを表す。ここで、予め定められた第二の値AHW2は、貯湯式給湯機300の最大貯湯量FHWから第二の閾値を減じた値を指す。
貯湯状態判定部222は、貯湯式給湯機300が第一の貯湯状態または第二の貯湯状態のいずれでもない場合に、貯湯式給湯機300が第三の貯湯状態であると判定する。図18(c)は、貯湯式給湯機300の第三の貯湯状態の貯湯量の例を示している。第三の貯湯状態とは、貯湯式給湯機300の最大貯湯量FHWと、貯湯状態判定部222が貯湯式給湯機300から取得した貯湯量との差分が第一の閾値未満であって、第二の閾値以上であることを表す。言い換えると、図18(c)に示すように、貯湯状態判定部202が取得した貯湯量が予め定められた第一の値AHW1以上であって、第二の値AHW2未満であることを表す。
第一の閾値および第二の閾値は、例えば貯湯式給湯機300の貯湯タンク306の最大貯湯量FHWによって定められていてもよいし、最大貯湯量FHWに関らず固有の値であってもよい。また、貯湯状態判定部222が冬季は第一の閾値および第二の閾値を小さく、夏季は第一の閾値および第二の閾値を大きくなるように、季節によって変更する構成であってもよい。
貯湯状態判定部222は、判定した貯湯状態を沸上げ指示部203および外部通信部224に出力する。外部通信部224は、貯湯状態判定部222が判定した貯湯状態を、外部ネットワークN2を介してエネルギー管理装置120に送信する。
図19は、実施の形態2に係るエネルギー管理装置120の機能構成図である。エネルギー管理装置120は、貯湯情報取得部126を備え、融通先特定部103および融通元特定部104がそれぞれ融通先特定部123および融通元特定部124に置き換わる点以外は、エネルギー管理装置100と同じである。
貯湯情報取得部126は、通信部121を介して、各住宅Hの貯湯式給湯機300の貯湯量を示す情報を取得する。貯湯情報取得部126が取得する各住宅Hの貯湯式給湯機300の貯湯量を示す情報は、融通先特定部123および融通元特定部124に入力される。貯湯式給湯機300の貯湯量を示す情報とは、例えば、図18(a)〜(c)に示す第一の貯湯状態、第二の貯湯状態、または第三の貯湯状態である。
図18では、貯湯情報取得部126が住宅HA,HB,HCの貯湯式給湯機300の貯湯量を示す情報を、それぞれ異なる信号線を用いて、融通先特定部123および融通元特定部124に出力する構成を示している。これに限らず、貯湯情報取得部126が、住宅HA,HB,HCを識別する情報と、それぞれの住宅Hの貯湯式給湯機300の貯湯量を示す情報とを組み合わせた信号を、1つの信号線を用いて、融通先特定部123および融通元特定部124に出力する構成であってもよい。
融通先特定部123は、貯湯情報取得部126が取得する各住宅Hの貯湯式給湯機300の貯湯量を示す情報と、電力情報取得部102が取得する、住宅Hにおける余剰の発電電力の有無を示す情報とから、他の住宅Hから湯が融通される受湯条件を満たす住宅Hを融通先施設として特定する。他の住宅Hから湯が融通される受湯条件は、例えば、貯湯式給湯機300が第一の貯湯状態、すなわち、貯湯式給湯機300の貯湯量が第一の値AHW1を下回り、余剰の発電電力がないことを示す。
融通元特定部124は、貯湯情報取得部126が取得する各住宅Hの貯湯式給湯機300の貯湯量を示す情報と、電力情報取得部102が取得する、住宅Hにおける余剰の発電電力の有無を示す情報とから、他の住宅Hに湯を融通する配湯条件を満たす住宅Hを融通元施設として特定する。他の住宅Hに湯を融通する配湯条件は、例えば、貯湯式給湯機300が第二の貯湯状態、すなわち、貯湯式給湯機300の貯湯量が第二の値AHW2以上で、余剰の発電電力があることを示す。融通元施設として特定される住宅Hの貯湯式給湯機300は、貯湯量がAHW2以上であり、少なくとも一定時間湯の追加が不要である。
次に実施の形態2に係るゲートウェイ220が行う処理について、図20を参照して説明する。図20は、実施の形態2に係るゲートウェイ220における沸上げ指示処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態2に係るゲートウェイ220における開閉指示処理は、図12と同じであり、説明を省略する。図20において、ステップS201からステップS210までの各処理は、図11で説明したのと同じである。
ステップS208において、貯湯式給湯機300の最大貯湯量と、ステップS207において取得した貯湯式給湯機300の貯湯量との差分が第一の閾値未満、すなわち、貯湯式給湯機300の貯湯量が第一の値AHW1以上である場合には、貯湯状態判定部222は、ステップS211において、貯湯式給湯機300の最大貯湯量と、ステップS207において取得した貯湯式給湯機300の貯湯量との差分と、第二の閾値とを大小比較する。
ステップS211において、貯湯式給湯機300の最大貯湯量と、ステップS207において取得した貯湯式給湯機300の貯湯量との差分が第二の閾値未満、すなわち、貯湯式給湯機300の貯湯量が第二の値AHW2以上である場合には、貯湯状態判定部222は、ステップS212において、貯湯式給湯機300が第二の貯湯状態であると判定する。
一方、ステップS211において、貯湯式給湯機300の最大貯湯量と、ステップS207において取得した貯湯式給湯機300の貯湯量との差分が第二の閾値以上、すなわち、貯湯式給湯機300の貯湯量が第二の値AHW2未満である場合には、貯湯状態判定部222は、ステップS213において、貯湯式給湯機300が第三の貯湯状態であると判定する。
ステップS210、ステップS212およびステップS213に続いて、貯湯状態判定部222は、ステップS214において、ステップS209、ステップ212またはステップS213のいずれかにおいて判定した貯湯式給湯機300の貯湯状態を貯湯情報として出力する。
次に実施の形態2に係るエネルギー管理装置120が行う融通制御処理について、図21を参照して説明する。図21は、実施の形態2に係るエネルギー管理装置120における融通制御処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態2に係るエネルギー管理装置120における開閉指示処理は、図12と同じであり、説明を省略する。
図21において、ステップS101からステップS106までの各処理は、それぞれ図13で説明したのと同じである。貯湯情報取得部126は、ステップS107において、通信部121を介して、集合体を構成する全ての住宅Hについて、貯湯式給湯機300の貯湯量を示す貯湯情報を取得する。
ステップS107に続いて、ステップS102において、融通元特定部124は、電力情報取得部102がステップS101において取得した余剰の発電電力の有無から、集合体を構成するいずれかの住宅Hに余剰の発電電力がある場合、ステップS108に進む。ステップS108において、融通元特定部124は、貯湯情報取得部126がステップS107において取得した貯湯式給湯機300の貯湯情報から、ステップS102における余剰の発電電力がある住宅Hが第二の貯湯状態であれば、ステップS103に進み、第二の貯湯状態でなければ、配湯条件を満たす住宅Hがないとして、融通元施設を特定せずにステップS106に進む。ステップS108に続いて、融通指示部105は、ステップS106において、集合体を構成する全ての住宅Hに受湯および配湯のいずれも行わない指示を発行する。
ステップS104において、融通先特定部123は、電力情報取得部102がステップS101において取得した余剰の発電電力の有無から、集合体を構成するいずれかの住宅Hに余剰の発電電力がない場合、ステップS109に進む。ステップS109において、融通先特定部123は、貯湯情報取得部126がステップS107において取得した住宅Hの貯湯式給湯機300の貯湯情報から、ステップS104における余剰の発電電力がない住宅Hが第一の貯湯状態であれば、ステップS105に進み、第一の貯湯状態でなければ、受湯条件を満たす住宅Hがないとして、融通先施設を特定せずにステップS106に進む。ステップS109に続いて、融通指示部105は、ステップS106において、集合体を構成する全ての住宅Hに受湯および配湯のいずれも行わない指示を発行する。
図22は、実施の形態2に係るエネルギー管理システム2000における動作の一例を示すシーケンス図である。図22において、エネルギー管理装置120が住宅HA,HB,HCの各ゲートウェイ220から取得する、当該住宅における余剰電力の有無に加えて、貯湯式給湯機300の貯湯情報にもとづいて、融通元施設と融通先施設を特定する点が図15と異なる。
ステップS1207A,S1207B,S1207Cは、それぞれ住宅HA,HB,HCのゲートウェイ220が、各住宅の貯湯式給湯機300が第二の貯湯状態、第一の貯湯状態、第一の貯湯状態であると送信する例を示している。
エネルギー管理装置120は、融通制御処理P12において、図21で説明した融通制御処理にしたがって、他の住宅Hに湯を融通する配湯条件を満たす住宅HAを融通元施設として特定し、他の住宅Hから湯が融通される受湯条件を満たす住宅HBを融通先施設として特定する。
住宅HA,HB,HCの各ゲートウェイ220は、エネルギー管理装置120から湯の受配指示を受信し、それぞれステップS1230A,S1230B,S1230Cにおいて、各貯湯式給湯機300に第一の開閉指示信号および第二の開閉指示信号を送信する。ステップS1230A,S1230B,およびS1230Cにより、住宅HAの貯湯式給湯機300に貯えられた湯が住宅HB内の出湯先5へ供給される。
ステップS1207B,S1207Cにおいて、住宅HB,HCの各貯湯式給湯機300は、ともに第一の貯湯状態であるので、住宅HB,HCの各ゲートウェイ220は、それぞれステップ1210B,S1210Cにおいて、各貯湯式給湯機300に沸上げ指示を発行する。ステップS1210B,S1210Cにより、住宅HB,HCの各貯湯式給湯機300は、沸上げ運転を開始し、貯湯量が増加する。ステップS2207B,2207Cは、住宅HB,HCの各貯湯式給湯機300の貯湯情報が、ステップS1207B,S1207Cにおける第一の貯湯状態から第二の貯湯状態に変化した例を示している。
一方、住宅HAの貯湯式給湯機300に貯えられた湯が住宅HB内の出湯先5へ供給されることにより、住宅HAの貯湯式給湯機300の貯湯量は減少する。ステップS2207Aは、住宅HAの貯湯式給湯機300の貯湯情報が、ステップS1207Aにおける第二の貯湯状態から第一の貯湯状態に変化した例を示している。
融通制御処理P22において、エネルギー管理装置120は、配湯条件を満たす住宅HCを融通元施設として特定し、受湯条件を満たす住宅HAを融通先施設として特定する。住宅HA,HB,HCの各ゲートウェイ220は、エネルギー管理装置120から受信した湯の受配指示にもとづいて、ステップS2230A,S2230B,S2230Cにおいて、各貯湯式給湯機300に第一の開閉指示信号および第二の開閉指示信号を送信する。ステップS2230A,S2230B,およびS2230Cにより、住宅HCの貯湯式給湯機300に貯えられた湯が住宅HA内の出湯先5へ供給される。
ステップS3206A,S3206B,S3206Cは、住宅HA,HB,HCの各ゲートウェイ220が、各住宅において余剰の発電電力が得られないと送信する例を示している。エネルギー管理装置120は、融通制御処理P32において、住宅HA,HB,HCのいずれも他の住宅Hに湯を融通する配湯条件を満たさないので、融通元施設を特定せず、住宅HA,HB,HCの各ゲートウェイ220に受湯および配湯のいずれも行わない指示を送信する。
以上で説明したように、実施の形態2に係るエネルギー管理装置120によれば、融通先特定部123は、太陽光発電システム1による余剰の発電電力がない住宅Hであって、貯湯情報取得部126が取得する貯湯式給湯機300の貯湯量が予め定められた第一の値AHW1未満である余剰の発電電力がない住宅Hを融通先施設として特定するので、湯が足りなくなる可能性が高い住宅Hへ湯を供給できる。
また、実施の形態2に係るエネルギー管理装置120によれば、融通元特定部124は、太陽光発電システム1による余剰の発電電力がある住宅Hであって、貯湯情報取得部126が取得する貯湯式給湯機300の貯湯量が予め定められた第二の値AHW2以上である住宅Hを融通元施設として特定するので、貯湯式給湯機300の湯の追加が不要な住宅Hから湯を供給することができる。
(実施の形態3)
上述の実施の形態2では、集合体において、融通元施設として特定する住宅の数を1つとしていたが、融通元施設を2つ以上特定してもよい。このように構成される実施の形態3に示すエネルギー管理システムについて以下に説明する。
実施の形態3に係るエネルギー管理システム3000は、実施の形態2のエネルギー管理システム2000のエネルギー管理装置120がエネルギー管理装置130に置き換わる以外は、エネルギー管理システム2000と同じであり、図を省略する。
実施の形態3に係るエネルギー管理装置130は、実施の形態2のエネルギー管理装置120の融通先特定部123、融通元特定部124、および融通指示部105がそれぞれ融通先特定部133、融通元特定部134、および融通指示部135に置き換わる以外は、エネルギー管理装置120と同じであり、図を省略する。
融通元特定部134は、集合体において配湯条件を満たす住宅Hを全て融通元施設として特定し、各住宅Hがそれぞれ湯の融通元施設であるかを示す信号を融通指示部135に出力する。融通先特定部133も同様に、集合体において受湯条件を満たす住宅Hを全て融通先施設として特定し、各住宅Hがそれぞれ湯の融通先施設であるかを示す信号を融通指示部135に出力する。融通指示部135は、融通元施設となる全ての住宅Hに対して、融通配管7に出湯する配湯指示を発行する。また、融通指示部135は、融通配管7に出湯する住宅Hの数よりも融通配管7から受湯する住宅Hの数が多くならないよう受湯指示の発行を制御する。
実施の形態3に係るエネルギー管理装置130が行う融通制御処理について、図23を参照して説明する。図23は、実施の形態3に係るエネルギー管理装置130における融通制御処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態3に係るエネルギー管理装置130における開閉指示処理は、図10と同じであり、説明を省略する。図23において、ステップS101からステップS109までの各処理は、それぞれ図21で説明したのと同じである。
ステップS108に続いて、融通元特定部134は、ステップS110において、ステップS102において余剰の発電電力があり、ステップS108において貯湯式給湯機300の貯湯情報が第二の貯湯状態であると判定した住宅Hを全て融通元施設として特定する。
ステップS109に続いて、融通先特定部133は、ステップS111において、ステップS104において余剰の発電電力がなく、ステップS109において貯湯式給湯機300の貯湯情報が第一の貯湯状態であると判定した住宅Hを全て融通先施設として特定する。
ステップS111に続いて、融通指示部135は、ステップS112において、ステップS110において特定した融通元施設数と、ステップS111において特定した融通先施設数とを比較して、融通元施設数が融通先施設数以上であれば、ステップS114に進む。
ステップS112に続いて、融通指示部135は、ステップS114において、ステップS110において融通元施設として特定した住宅H全てに配湯指示を、ステップS111において融通先施設として特定した住宅H全てに受湯指示を、それ以外の住宅Hには受湯および配湯のいずれも行わない指示を発行する。
一方、ステップS112において、融通元施設数が融通先施設数より小さければ、融通指示部135は、ステップS113に進み、融通元施設数が融通先施設数と等しくなるよう、ステップS111において特定した融通先施設のうち、受湯指示を発行する住宅Hを限定する。受湯指示発行対象の限定方法は任意でよい。例えば、融通指示部135は、ステップS111において融通先施設として特定された住宅Hのうち、過去に受湯指示発行対象となった回数が多い住宅Hを、受湯指示対象外とするように構成される。
ステップS113に続いて、融通指示部135は、ステップS114において、ステップS110において融通元施設として特定した住宅H全てに配湯指示を、ステップS113において限定した受湯指示発行対象となる住宅Hに受湯指示を、それ以外の住宅Hには受湯および配湯のいずれも行わない指示を発行する。
図24は、実施の形態3に係るエネルギー管理システム3000における動作の一例を示すシーケンス図である。図24において、集合体において配湯条件を満たす住宅が2以上ある場合、それらの住宅を融通元施設として特定する点が図22と異なる。
融通制御処置P13は、エネルギー管理装置130が配湯条件を満たす住宅HAおよびHCを融通元施設として特定し、受湯条件を満たす住宅HBを融通先施設として特定する例を示している。融通制御処置P13において融通元施設数が融通先施設数以上であるので、エネルギー管理装置130は、住宅HAおよび住宅HCに配湯指示を、住宅HBに受湯指示を発行する。ステップS1230A,S1230B,およびS1230Cにより、住宅HAおよび住宅HCの各貯湯式給湯機300に貯えられた湯が住宅HB内の出湯先5へ供給される。
ステップS1230A,S1230Cにより、住宅HAおよび住宅HCの各貯湯式給湯機300が配湯を開始するので、各貯湯式給湯機300の貯湯量が減少する。ステップS2207Aは、住宅HAの貯湯式給湯機300の貯湯情報が、ステップS1207Aにおける第二の貯湯状態から第一の貯湯状態に変化した例を示している。また、ステップS2206Aは、住宅HAにおいて余剰の発電電力を得られなくなった例を示している。ステップS2206AおよびS2207Aにより、住宅HAは受湯条件を満たす。
融通制御処理P23において、エネルギー管理装置130は、配湯条件を満たす住宅HCを融通元施設として特定した後、住宅HAを融通先施設として特定する。
以上で説明したように、実施の形態3に係るエネルギー管理装置130によれば、融通指示部135は、融通配管7に出湯する住宅Hの数より、融通配管7から受湯する住宅Hの数が多くならないよう受湯指示の発行を制御するので、対応する太陽光発電システム1を有する住宅Hが多い集合体においても、太陽光発電システム1による余剰の発電電力を有効利用することができる。
(実施の形態4)
上述の実施の形態1から実施の形態3では、融通先特定部103,123,133は、集合体を構成する住宅Hのいずれも受湯条件を満たさない場合、融通先施設を特定しなかった。また、融通元特定部104,124,134は、集合体を構成する住宅Hのいずれも配湯条件を満たさない場合、融通元施設を特定しなかった。実施の形態4に示すエネルギー管理システム4000は、集合体を構成するいずれの住宅Hも受湯条件を満たさない場合、第二の受湯条件を用いて、融通先施設を特定する。また、集合体を構成するいずれの住宅Hも配湯条件を満たさない場合、第二の配湯条件を用いて、融通元施設を特定する。このように構成される実施の形態4に示すエネルギー管理システムについて以下に説明する。
実施の形態4に係るエネルギー管理システム4000は、実施の形態2のエネルギー管理システム2000のエネルギー管理装置120がエネルギー管理装置140に置き換わる以外は、エネルギー管理システム2000と同じであり、図を省略する。
実施の形態4に係るエネルギー管理装置140は、実施の形態2のエネルギー管理装置120の融通先特定部123および融通元特定部124がそれぞれ融通先特定部143および融通元特定部144に置き換わる以外は、エネルギー管理装置120と同じであり、図を省略する。
融通先特定部143は、集合体において第一の受湯条件を満たす住宅Hが存在しない場合は、第二の受湯条件を満たす住宅Hを融通先施設として特定する。第一の受湯条件は、例えば、実施の形態2で説明した他の住宅Hから湯が融通される受湯条件と同じであり、貯湯式給湯機300が第一の貯湯状態、すなわち、貯湯式給湯機300の貯湯量が第一の値AHW1を下回り、余剰の発電電力がないことを示す。第二の受湯条件は、例えば、貯湯式給湯機300が第三の貯湯状態、すなわち、貯湯式給湯機300の貯湯量が第一の値AHW1以上、かつ第二の値AHW2未満であり、余剰の発電電力がないことを示す。
融通元特定部144は、集合体において第一の配湯条件を満たす住宅Hが存在しない場合は、第二の配湯条件を満たす住宅Hを融通元施設として特定する。第一の配湯条件は、例えば、実施の形態2で説明した他の住宅Hに湯を融通する配湯条件と同じであり、貯湯式給湯機300が第二の貯湯状態、すなわち、貯湯式給湯機300の貯湯量が第二の値AHW2以上で、余剰の発電電力があることを示す。第二の配湯条件は、例えば、貯湯式給湯機300が第三の貯湯状態、すなわち、貯湯式給湯機300の貯湯量が第一の値AHW1以上、かつ第二の値AHW2未満であり、余剰の発電電力があることを示す。
次に実施の形態4に係るエネルギー管理装置140が行う融通制御処理について、図25を参照して説明する。図25は、実施の形態4に係るエネルギー管理装置140における融通制御処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態4に係るエネルギー管理装置140における開閉指示処理は、図10と同じであり、説明を省略する。図25において、ステップS101からステップS109までの各処理は、それぞれ図21で説明したのと同じである。
ステップS108において、融通元特定部144は、貯湯情報取得部126がステップS107において取得した貯湯式給湯機300の貯湯情報から、ステップS102における余剰の発電電力がある住宅Hのうち、貯湯式給湯機300が第二の貯湯状態をとる住宅Hがあれば、ステップS103に進み、いずれの住宅Hの貯湯式給湯機300も第二の貯湯状態でなければ、第一の配湯条件を満たす住宅Hがないとして、ステップS115に進む。
ステップS115において、融通元特定部144は、ステップS102における余剰の発電電力がある住宅Hのうち、いずれの貯湯式給湯機300も第三の貯湯状態でなければ、第二の配湯条件を満たす住宅Hもないとして、融通元施設を特定せずにステップS106に進む。ステップS115に続いて、融通指示部105は、ステップS106において、集合体を構成する全ての住宅Hに受湯および配湯のいずれも行わない指示を発行する。
一方、ステップS115において、ステップS102における余剰の発電電力がある住宅Hのうち、貯湯式給湯機300が第三の貯湯状態をとる住宅Hがあれば、ステップS103に進み、融通元特定部144は、第二の配湯条件を満たす住宅Hを融通元施設として特定する。
ステップS109において、融通先特定部143は、貯湯情報取得部126がステップS107において取得した貯湯式給湯機300の貯湯情報から、ステップS104における余剰の発電電力がない住宅Hのうち、貯湯式給湯機300が第一の貯湯状態をとる住宅Hがあれば、ステップS105に進み、いずれの住宅Hの貯湯式給湯機300も第一の貯湯状態でなければ、第一の受湯条件を満たす住宅Hがないとして、ステップS116に進む。
ステップS116において、融通先特定部143は、ステップS104における余剰の発電電力がない住宅Hのうち、いずれの貯湯式給湯機300も第三の貯湯状態でなければ、第二の受湯条件を満たす住宅Hもないとして、融通先施設を特定せずにステップS106に進む。ステップS116に続いて、融通指示部105は、ステップS106において、集合体を構成する全ての住宅Hに受湯および配湯のいずれも行わない指示を発行する。
一方、ステップS116において、ステップS104における余剰の発電電力がない住宅Hのうち、貯湯式給湯機300が第三の貯湯状態をとる住宅Hがあれば、ステップS105に進み、融通先特定部143は、第二の受湯条件を満たす住宅Hを融通先施設として特定する。
以上で説明したように、実施の形態4に係るエネルギー管理装置140によれば、集合体において、太陽光発電システム1による余剰の発電電力がある住宅Hであって、貯湯情報取得部126が取得する貯湯式給湯機300の貯湯量が第二の値AHW2以上である住宅Hが存在しない場合は、融通元特定部144は、太陽光発電システム1による余剰の発電電力がある住宅Hであって、貯湯式給湯機300の貯湯量が第一の値AHW1以上である余剰の発電電力がある住宅Hを融通元施設として特定するので、融通元施設を特定できない可能性を低くすることができ、太陽光発電システム1が生成するエネルギーをより有効利用することができる。
また、実施の形態4に係るエネルギー管理装置140によれば、集合体において、太陽光発電システム1による余剰の発電電力がない住宅Hであって、貯湯情報取得部126が取得する貯湯式給湯機300の貯湯量が第一の値AHW1未満である余剰の発電電力がない住宅Hが存在しない場合は、融通先特定部143は、太陽光発電システム1による余剰の発電電力がない住宅Hであって、貯湯式給湯機300の貯湯量が第二の値AHW2未満である住宅Hを、融通先施設として特定するので、融通先施設を特定できない可能性を低くすることができ、太陽光発電システム1が生成するエネルギーをより有効利用することができる。
(実施の形態4の変形例)
上述の実施の形態1から実施の形態4では、ゲートウェイ200,220は、貯湯式給湯機300が第一の貯湯状態、すなわち貯湯式給湯機300の貯湯量が第一の値AHW1を下回るときに貯湯式給湯機300に沸上げ指示を発行していた。実施の形態4で説明したエネルギー管理システム4000において、さらに、当該住宅における余剰電力があるときに、貯湯式給湯機300に沸上げ指示を発行してもよい。このように構成される実施の形態4の変形例について以下に説明する。
実施の形態4の変形例に係るエネルギー管理システム4100は、実施の形態4のエネルギー管理システム4000のゲートウェイ220がゲートウェイ240に置き換わる以外は、エネルギー管理システム4000と同じであり、図を省略する。
図26は、実施の形態4の変形例に係るゲートウェイ240の機能構成図である。ゲートウェイ240は、沸上げ指示部203が沸上げ指示部243に置き換わるとともに、発電活用判定部205の出力が沸上げ指示部243に入力される点以外は、ゲートウェイ220と同じである。沸上げ指示部243は、実施の形態1に加えて、貯湯状態判定部222が判定した貯湯式給湯機300の貯湯状態が第三の貯湯状態であり、発電活用判定部205が住宅Hにおいて余剰の発電電力があると判定すれば、貯湯式給湯機300に沸上げ指示を発行する。
実施の形態4の変形例に係るゲートウェイ240が行う沸上げ指示処理について、図27を参照して説明する。図27は、実施の形態4の変形例に係るゲートウェイ240における沸上げ指示処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態4の変形例に係るゲートウェイ240における開閉指示処理は、図12と同じであり、説明を省略する。図27において、ステップS201からステップS214までの各処理は、図20で説明したのと同じである。
ステップS213に続いて、沸上げ指示部243は、ステップS215において、住宅Hにおける余剰の発電電力があるか確認する。すなわち、発電活用判定部205がステップS204において、住宅Hにおける余剰の発電電力があると判定していれば、沸上げ指示部243は、ステップS210に進み、貯湯式給湯機300に沸上げ指示を発行する。
一方、発電活用判定部205がステップS205において、住宅Hにおける余剰の発電電力がないと判定していれば、ゲートウェイ240の沸上げ指示処理は、ステップS214に進み、貯湯状態判定部222が貯湯式給湯機300の貯湯情報を出力する。
図28は、実施の形態4の変形例に係るエネルギー管理システム4100における動作の一例を示すシーケンス図である。図28において、第一の配湯条件または第一の受湯条件を満たす住宅が集合体に存在しない場合、それぞれ第二の配湯条件または第二の受湯条件を用いる点が図22と異なる。
融通制御処置P14は、エネルギー管理装置140が第一の配湯条件を満たす住宅HAを融通元施設として特定する例を示している。また、融通制御処置P14は、住宅HA,HB,HCのいずれも第一の受湯条件を満たさず、エネルギー管理装置140が第二の受湯条件を満たす住宅HBを融通先施設として特定する例を示している。
融通制御処理P24は、住宅HA,HB,HCのいずれも第一の配湯条件を満たさず、エネルギー管理装置140が第二の配湯条件を満たす住宅HCを融通元施設として特定する例を示している。また、融通制御処置P24は、住宅HA,HB,HCのいずれも第一の受湯条件を満たさず、エネルギー管理装置140が第二の受湯条件を満たす住宅HAを融通先施設として特定する例を示している。
ステップS2206Cにおいて、住宅HCにおける余剰の発電電力が得られ、ステップS2207Cにおいて、住宅HCの貯湯式給湯機300が第三の貯湯状態であるので、住宅HCのゲートウェイ240は、図27にて説明した沸上げ指示処理にもとづいて、ステップ2210Cおいて、貯湯式給湯機300に沸上げ指示を発行する。住宅HCの貯湯式給湯機300は、エネルギー管理装置140の湯の受配指示にもとづいて、貯えた湯を住宅HA内の出湯先5へ供給するとともに、ステップS2210Cにより、沸上げ運転を開始して湯を生成する。ステップS3207Cは、住宅HCの貯湯式給湯機300の貯湯量が増加し、ステップS2207Cにおける第三の貯湯状態から第二の貯湯状態に変化した例を示している。また、ステップS3206Cは、ステップS2206Cと同様に住宅HCにおける余剰の発電電力が得られる例を示している。ステップS3206CおよびS3207Cにより、住宅HCは第一の配湯条件を満たすので、融通制御処理P34において、エネルギー管理装置140は、住宅HCを融通元施設として特定する。
以上で説明したように、実施の形態4の変形例に係るエネルギー管理システム4100によれば、ゲートウェイ240の貯湯状態判定部222が判定する貯湯式給湯機300の貯湯状態が第一の貯湯状態であるか、貯湯式給湯機300の貯湯状態が第三の貯湯状態であって、ゲートウェイ240の発電活用判定部205が住宅Hにおいて余剰の発電電力があると判定すれば、ゲートウェイ240の沸上げ指示部243が貯湯式給湯機300に沸上げ指示を発行するので、他の住宅Hに配湯中に余剰の発電電力を使用して湯を新たに生成することにより、他の住宅Hへ湯を供給し続けることができる。
(実施の形態5)
上述の実施の形態1から実施の形態4の変形例では、ゲートウェイ200,220,240が貯湯式給湯機300の貯湯状態の判定、余剰の発電電力の有無の判定、沸上げ運転の指示、および開閉弁の開閉指示を行っていた。これに限らず、ゲートウェイ200,220,240の機能をエネルギー管理装置で実現する構成であってもよい。このように構成される実施の形態5に示すエネルギー管理システムについて以下に説明する。
実施の形態5に係るエネルギー管理システム5000は、実施の形態1から実施の形態4の変形例のエネルギー管理システム1000,2000,3000,4000,4100のエネルギー管理装置100,120,130,140およびゲートウェイ200,220,240がそれぞれエネルギー管理装置150およびゲートウェイ250に置き換わる以外は、エネルギー管理システム1000,2000,3000,4000,4100と同じであり、説明を省略する。
図29は、実施の形態5に係るゲートウェイ250の機能構成図である。ゲートウェイ250は、ゲートウェイ240の貯湯状態判定部222、沸上げ指示部243、発電活用判定部205、開閉指示部206を備えない。外部通信部254は、宅内通信部201から取得した住宅Hの貯湯式給湯機300の貯湯量、商用電源6から住宅Hに供給される商用電力量、および住宅Hに対応する太陽光発電システム1から供給される発電電力量を、外部ネットワークN2を介してエネルギー管理装置150に送信する。外部通信部254はさらに、住宅Hの貯湯式給湯機300の沸上げ指示と、第一の開閉弁314および第二の開閉弁315の開閉指示とをエネルギー管理装置150から受信する。宅内通信部201は、外部通信部254が受信した貯湯式給湯機300の沸上げ指示と、第一の開閉弁314および第二の開閉弁315の開閉指示とを貯湯式給湯機300に送信する。
図30は、実施の形態5に係るエネルギー管理装置150の機能構成図である。通信部151は、各住宅Hの貯湯式給湯機300の貯湯量、各住宅Hに供給される商用電力量、および各住宅Hに対応する太陽光発電システム1から供給される発電電力量を受信する。貯湯状態判定部152、沸上げ指示部153、発電活用判定部155、開閉指示部156は、実施の形態1から実施の形態4の変形例でゲートウェイ200,220,240が備える貯湯状態判定部222、沸上げ指示部243、発電活用判定部205、開閉指示部206がそれぞれ各住宅Hについて実施する機能を、集合体を構成する全ての住宅Hに対して実施するものである。
エネルギー管理装置150は、実施の形態1から実施の形態4の変形例に係るエネルギー管理装置100,120,130,140の融通指示部105が各住宅Hに湯の受配指示情報を発行するかわりに、開閉指示部206が融通先特定部123,133,143と融通元特定部124,134,144とが特定する融通先施設と融通元施設とから、各住宅Hの貯湯式給湯機300の第一の開閉弁314と第二の開閉弁315を開閉制御するための開閉指示信号を生成する。通信部151は、沸上げ指示部243が生成する沸上げ指示信号と、開閉指示部206が生成する開閉指示信号とをゲートウェイ250に送信する。エネルギー管理装置150の制御プログラムは、予め定められた時間ごとに図21、図23、または図25で説明した融通制御処理と、図27で説明した沸上げ指示処理と、図12で説明した開閉指示処理とを実行させる。
以上で説明したように、実施の形態5に係るエネルギー管理装置150によれば、二以上の住宅Hにそれぞれ設けられた貯湯式給湯機300の湯を融通可能な融通配管7を備える集合体において、住宅Hにおける余剰の発電電力の有無を各住宅Hのそれぞれについて判定する発電活用判定部155と、各住宅Hに設けられた貯湯式給湯機300のそれぞれの貯湯状態を判定する貯湯状態判定部152と、他の住宅Hから湯が融通される融通先施設を特定する融通先特定部123と、他の住宅Hに湯を融通する融通元施設を特定する融通元特定部124と、貯湯式給湯機300と融通配管7とを接続する湯の流路に設けられた開閉弁を開閉制御するための開閉指示信号を生成する開閉指示部156と、貯湯状態判定部152が判定する住宅Hの貯湯式給湯機300の貯湯状態と、発電活用判定部155が判定する、住宅Hにおける余剰の発電電力の有無とから、集合体を構成する住宅Hのそれぞれについて貯湯式給湯機300の沸上げ指示信号を生成する沸上げ指示部153と、を備えるので、住宅Hに設けられるゲートウェイ250の規模を小さくでき、住宅Hにおける装置の動作負荷を軽減できる。また、エネルギー管理装置150が貯湯状態判定部152、発電活用判定部155を備えることにより、ゲートウェイ250を作り変えることなく、貯湯式給湯機300の貯湯状態を判定する方法、または、余剰の発電電力の有無を判定する方法を変更することができ、エネルギー管理システム5000の変更を容易に行える。
(実施の形態6)
上述の実施の形態2から実施の形態5では、余剰の発電電力がない住宅Hであって、貯湯式給湯機300の貯湯量が予め定められた値未満の住宅Hを融通先施設として特定し、余剰の発電電力がある住宅Hであって、貯湯式給湯機300の貯湯量が予め定められた値以上の住宅Hを融通元施設として特定していた。実施の形態6に示すエネルギー管理システム6000は、太陽光発電システム1による余剰の発電電力がない住宅Hの貯湯量を比較して、貯湯量が少ない施設を融通先施設として特定し、太陽光発電システム1による余剰の発電電力がある住宅Hの貯湯量を比較して、最も貯湯量が多い施設を融通元施設として特定する。このように構成される実施の形態6に示すエネルギー管理システムについて以下に説明する。
実施の形態6に係るエネルギー管理システム6000は、実施の形態5のエネルギー管理システム5000のエネルギー管理装置150がエネルギー管理装置160に置き換わる以外は、エネルギー管理システム5000と同じであり、図を省略する。
実施の形態6に係るエネルギー管理装置160は、実施の形態5のエネルギー管理装置150の貯湯状態判定部152、融通先特定部143および融通元特定部144がそれぞれ貯湯状態判定部162、融通先特定部163および融通元特定部164に置き換わる以外は、エネルギー管理装置150と同じであり、図を省略する。
貯湯状態判定部162は、通信部151が取得した各住宅Hの貯湯式給湯機300の貯湯量と、貯湯量から判定した各住宅Hの貯湯式給湯機300の貯湯状態とを出力する。すなわち、貯湯状態判定部162は、貯湯式給湯機300の貯湯量を取得する貯湯情報取得部としても機能する。融通先特定部163は、太陽光発電システム1による余剰の発電電力がない住宅Hの貯湯式給湯機300の貯湯量を比較して、最も貯湯量が少ない住宅Hを融通先施設として特定する。融通元特定部164は、太陽光発電システム1による余剰の発電電力がある住宅Hの貯湯式給湯機300の貯湯量を比較して、最も貯湯量が多い住宅Hを融通元施設として特定する。
次に実施の形態6に係るエネルギー管理装置160が行う融通制御処理について、図31を参照して説明する。図31は、実施の形態6に係るエネルギー管理装置160における融通制御処理の一例を示すフローチャートである。図31において、ステップS101、ステップS102、ステップS104、ステップS106、およびステップS108に示す各処理は、図21で説明したのと同じである。
ステップS108において、融通元特定部164は、ステップS102における余剰の発電電力がある住宅Hのうち、貯湯式給湯機300が第二の貯湯状態をとる住宅Hがあれば、ステップS117に進む。ステップS117において、融通元特定部164は、余剰の発電電力があり、貯湯式給湯機300が第二の貯湯状態をとる住宅Hのうち、最も貯湯量が多い住宅Hを融通元施設として特定する。
ステップS117に続いて、融通先特定部163は、ステップS104において、集合体を構成するいずれかの住宅Hにおいて余剰の発電電力がない場合、ステップS118に進む。ステップS118において、融通先特定部163は、ステップS104における余剰の発電電力がない住宅Hのうち、最も貯湯量が少ない住宅Hを融通先施設として特定する。
以上で説明したように、実施の形態6に係るエネルギー管理装置160によれば、それぞれの住宅Hに設けられた貯湯式給湯機300の貯湯量を示す情報を取得する貯湯情報取得部を備え、融通先特定部163は、太陽光発電システム1による余剰の発電電力がない住宅Hのうち、貯湯式給湯機300の貯湯量が最も少ない住宅Hを融通先施設として特定するので、湯が足りなくなる可能性が高い住宅Hに湯を供給することができる。
また、実施の形態6に係るエネルギー管理装置160によれば、融通元特定部164は、太陽光発電システム1による余剰の発電電力がある住宅Hのうち、貯湯式給湯機300の貯湯量が最も多い住宅Hを融通元施設として特定するので、湯が足りなくなる可能性が低い住宅Hから湯を供給することができる。
(実施の形態6の第一の変形例)
上述の実施の形態6では、エネルギー管理装置160は、太陽光発電システム1による余剰の発電電力がない住宅Hのうち、貯湯式給湯機300の貯湯量が最も少ない住宅Hを融通先施設として特定していた。実施の形態6で説明したエネルギー管理システム6000において、貯湯式給湯機300の出湯量が最も多い住宅Hを融通先施設として特定してもよい。このように構成される実施の形態6の第一の変形例について以下に説明する。
実施の形態6の第一の変形例に係るエネルギー管理システム6100は、実施の形態6のエネルギー管理システム6000のエネルギー管理装置160がエネルギー管理装置170に置き換わる以外は、エネルギー管理システム6000と同じであり、図を省略する。
実施の形態6の第一の変形例に係るエネルギー管理装置170は、実施の形態6のエネルギー管理装置160の融通先特定部163が融通先特定部173に置き換わる以外は、エネルギー管理装置160と同じであり、図を省略する。
融通先特定部173は、貯湯状態判定部162が取得した貯湯式給湯機300の貯湯量を記憶しておき、貯湯量が減少すると出湯量を算出する。融通先特定部173は、太陽光発電システム1による余剰の発電電力がない住宅Hのうち、貯湯式給湯機300の出湯量が最も多い住宅Hを融通先施設として特定する。
次に実施の形態6の第一の変形例に係るエネルギー管理装置170が行う融通制御処理について、図32を参照して説明する。図32は、実施の形態6の第一の変形例に係るエネルギー管理装置170における融通制御処理の一例を示すフローチャートである。図32において、ステップS101、ステップS102、ステップS104、ステップS106からステップS108、およびステップS117に示す各処理は、それぞれ図31で説明したのと同じである。
融通先特定部173は、ステップS104において、集合体を構成するいずれかの住宅Hにおいて余剰の発電電力がない場合、ステップS119に進む。ステップS119において、融通先特定部173は、ステップS107において貯湯状態判定部162が取得した住宅Hの貯湯式給湯機300の貯湯量を前回の融通制御処理において取得した貯湯量から減じて、貯湯式給湯機300の出湯量を算出する。
ステップS119に続いて、ステップS120において、融通先特定部173は、ステップS104における余剰の発電電力がない住宅Hのうち、最も出湯量が多い住宅Hを融通先施設として特定する。
以上で説明したように、実施の形態6の第一の変形例に係るエネルギー管理装置170によれば、融通先特定部173は、太陽光発電システム1による余剰の発電電力がない住宅Hのうち、貯湯式給湯機300の出湯量が最も多い住宅Hを融通先施設として特定するので、湯が足りなくなる可能性が高い住宅Hに湯を供給することができる。
(実施の形態6の第二の変形例)
上述の実施の形態6では、エネルギー管理装置160は、太陽光発電システム1による余剰の発電電力がある住宅Hのうち、貯湯式給湯機300の貯湯量が最も多い住宅Hを融通元施設として特定していた。実施の形態6で説明したエネルギー管理システム6000において、太陽光発電システム1による余剰の発電電力がある住宅Hであって、貯湯式給湯機300から出湯していない住宅Hのうち、貯湯式給湯機300の貯湯量が最も多い住宅Hを融通元施設として特定してもよい。このように構成される実施の形態6の第二の変形例について以下に説明する。
実施の形態6の第二の変形例に係るエネルギー管理システム6200は、実施の形態6のエネルギー管理システム6000のエネルギー管理装置160がエネルギー管理装置180に置き換わる以外は、エネルギー管理システム6000と同じであり、図を省略する。
実施の形態6の第二の変形例に係るエネルギー管理装置180は、実施の形態6のエネルギー管理装置160の融通元特定部164が融通元特定部184に置き換わる以外は、エネルギー管理装置160と同じであり、図を省略する。
融通元特定部184は、太陽光発電システム1による余剰の発電電力がある住宅Hのうち、貯湯式給湯機300から出湯していない住宅Hの貯湯式給湯機300の貯湯量を比較して、最も貯湯量が多い施設を融通元施設として特定する。
次に実施の形態6の第二の変形例に係るエネルギー管理装置180が行う融通制御処理について、図33を参照して説明する。図33は、実施の形態6の第二の変形例に係るエネルギー管理装置180における融通制御処理の一例を示すフローチャートである。図33において、ステップS101、ステップS102、ステップS104、ステップS106からステップS108、およびステップS118に示す各処理は、それぞれ図31で説明したのと同じである。
ステップS108において、融通元特定部184は、ステップS105における余剰の発電電力がある住宅Hのうち、貯湯式給湯機300が第二の貯湯状態をとる住宅Hがあれば、ステップS121に進む。ステップS121において、融通元特定部184は、余剰の発電電力があり、第二の貯湯状態をとる住宅Hについて、ステップS107において貯湯状態判定部162が取得した貯湯式給湯機300の貯湯量と、前回の融通制御処理において取得した貯湯量とを比較する。ステップS121において、住宅Hの貯湯式給湯機300の貯湯量が前回よりも減少していれば、貯湯式給湯機300が出湯中であると判定して、当該住宅Hを融通元施設の候補から除く。
ステップS121に続いて、融通元特定部184は、ステップS122において、余剰の発電電力があり、貯湯式給湯機300が第二の貯湯状態をとる住宅Hであって、出湯中でない住宅Hのうち、最も貯湯量が多い住宅Hを融通元施設として特定する。ステップS121において、余剰の発電電力があり、第二の貯湯状態をとる住宅Hが全て出湯中であれば、融通元特定部184は、融通元施設を特定せずにステップS106に進む。ステップS121に続いて、融通指示部105は、ステップS106において、集合体を構成する全ての住宅Hに受湯および配湯のいずれも行わない指示を発行する。
以上で説明したように、実施の形態6の第二の変形例に係るエネルギー管理装置180によれば、融通元特定部184は、太陽光発電システム1による余剰の発電電力がある住宅Hであって、貯湯式給湯機300から出湯していない住宅Hの貯湯式給湯機300の貯湯量が最も多い住宅Hを融通元施設として特定するので、湯が足りなくなる可能性が低い住宅Hから湯を供給することができる。
実施の形態1から実施の形態6に説明したエネルギー管理システム1000,2000,3000,4000,4100,5000,6000,6100,6200では、発電装置として太陽光発電システム1を備える例について説明したが、これに限らず、風力発電装置または燃料電池などを用いてもよい。
図34は、本発明の実施の形態1から実施の形態6に係るエネルギー管理装置100,120,130,140,150,160,170,180およびゲートウェイ200,220,240,250のハードウェア構成例を示す図である。エネルギー管理装置100,120,130,140,150,160,170,180およびゲートウェイ200,220,240,250は、プロセッサ1001、メモリ1002、インターフェース1003で構成されている。エネルギー管理装置100,120,130,140,150,160,170,180における電力情報取得部102、融通先特定部103,123,133,143,163,173、融通元特定部104,124,134,144,164,184、融通指示部105,135、貯湯情報取得部126、貯湯状態判定部152,162、沸上げ指示部153、発電活用判定部155、開閉指示部156、およびゲートウェイ200,220,240における貯湯状態判定部202,222、沸上げ指示部203,243、発電活用判定部205、開閉指示部206の各機能は、それぞれプロセッサ1001により実現される。プロセッサ1001は、メモリ1002に格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)である。メモリ1002には、プロセッサ1001が実行するプログラムが記憶される。
エネルギー管理装置100,120,130,140,150,160,170,180における通信部101,121,151、ゲートウェイ200,220,240,250における宅内通信部201、外部通信部204,224,254は、インターフェース1003である。
エネルギー管理装置100,120,130,140,150,160,170,180における電力情報取得部102、融通先特定部103,123,133,143,163,173、融通元特定部104,124,134,144,164,184、融通指示部105,135、貯湯情報取得部126、貯湯状態判定部152,162、沸上げ指示部153、発電活用判定部155、開閉指示部156、およびゲートウェイ200,220,240における貯湯状態判定部202,222、沸上げ指示部203,243、発電活用判定部205、開閉指示部206の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアやファームウェアは、プログラムとして記述され、メモリ1002に格納される。プロセッサ1001は、メモリ1002に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。すなわち、エネルギー管理装置100,120,130,140,150,160,170,180およびゲートウェイ200,220,240は、プロセッサ1001により実行されるときに、エネルギー管理装置100,120,130,140,150,160,170,180の電力情報取得部102、融通先特定部103,123,133,143,163,173、融通元特定部104,124,134,144,164,184、融通指示部105,135、貯湯情報取得部126、貯湯状態判定部152,162、沸上げ指示部153、発電活用判定部155、開閉指示部156、およびゲートウェイ200,220,240の貯湯状態判定部202,222、沸上げ指示部203,243、発電活用判定部205、開閉指示部206を制御するステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ1002をそれぞれ備える。
また、これらのプログラムは、エネルギー管理装置100,120,130,140,150,160,170,180の電力情報取得部102、融通先特定部103,123,133,143,163,173、融通元特定部104,124,134,144,164,184、融通指示部105,135、貯湯情報取得部126、貯湯状態判定部152,162、沸上げ指示部153、発電活用判定部155、開閉指示部156、およびゲートウェイ200,220,240の貯湯状態判定部202,222、沸上げ指示部203,243、発電活用判定部205、開閉指示部206の手順や方法をそれぞれコンピュータに実行させるものであるともいえる。
ここで、メモリとは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROMなどの、不揮発性または揮発性の半導体メモリや、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等が該当する。図31では、プロセッサ1001およびメモリ1002をそれぞれ一つで構成する例を示しているが、複数のプロセッサおよび複数のメモリが連携して上記機能を実行してもよい。
その他、前記のハードウェア構成やフローチャートは一例であり、任意に変更および修正が可能である。
プロセッサ1001、メモリ1002で構成されるエネルギー管理装置100,120,130,140,150,160,170,180における電力情報取得部102、融通先特定部103,123,133,143,163,173、融通元特定部104,124,134,144,164,184、融通指示部105,135、貯湯状態判定部152,162、沸上げ指示部153、発電活用判定部155、開閉指示部156、およびゲートウェイ200,220,240における貯湯状態判定部202,222、沸上げ指示部203,243、発電活用判定部205、開閉指示部206の各機能を実現する中心となる部分は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、前記の動作を実行するためのプログラムを、コンピュータが読み取り可能なCD−ROM、DVD−ROMなどの記録媒体に格納して配布し、前記プログラムをコンピュータにインストールすることにより、上述の各機能を実現することができるコンピュータを構成してもよい。そして、各機能をOS(Operating System)とアプリケーションとの分担、またはOSとアプリケーションとの協同により実現する場合等には、OS以外の部分のみを記録媒体に格納してもよい。
さらに、搬送波に各プログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。例えば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS, Bulletin Broad System)に当該プログラムを掲示し、ネットワークを介して当該プログラムを配信してもよい。そして、これらのプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上述の処理を実行できるように構成してもよい。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、本発明には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲が含まれる。