JP2019135406A - エネルギ回生システム - Google Patents
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Abstract
【課題】スタンバイ状態のときに、ポンプから吐出される作動油を有効に利用する。【解決手段】エネルギ回生システムは、開弁時にポンプから回生モータへの作動油の流れを許容し、閉弁時にポンプから回生モータへの作動油の流れを遮断するスタンバイ回生弁と、回生通路から分岐する分岐通路に接続されるアキュムレータと、分岐通路に設けられ、開弁時に作動油の流れを許容し、閉弁時に作動油の流れを遮断する蓄圧制御弁と、コントローラと、を備える。コントローラは、全てのアクチュエータが非操作状態である場合にスタンバイ回生弁を開弁し、アキュムレータの圧力P2が予め定められた蓄圧完了圧力Pt2未満となった場合に蓄圧制御弁を開弁し、アキュムレータの圧力P2が予め定められた蓄圧完了圧力Pt2以上となった場合に蓄圧制御弁を閉弁する。【選択図】図3
Description
本発明は、エネルギ回生システムに関する。
特許文献1には、作動流体が持つエネルギを回生するエネルギ回生システムが開示されている。このエネルギ回生システムは、回生通路からの作動流体を蓄圧するアキュムレータを備え、回生通路内の圧力がアキュムレータ内の圧力よりも低いときに、アキュムレータ内に蓄圧した作動油を回生モータに供給して回生モータを駆動する。
特許文献1に記載のエネルギ回生システムでは、ブームシリンダや旋回モータ等のアクチュエータが非操作状態(スタンバイ状態)のときには、ポンプから吐出される作動油はそのままタンクに戻される。つまり、特許文献1に記載のエネルギ回生システムでは、スタンバイ状態のときにポンプから吐出される作動油を有効に利用することができないという問題がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、駆動回路系統の全てのアクチュエータが非操作状態のときに、流体圧ポンプから吐出される作動流体を有効に利用することを目的とする。
第1の発明は、エンジンにより駆動される流体圧ポンプと、流体圧ポンプから複数のアクチュエータに供給される作動流体の流れを制御するアクチュエータ制御弁を有する駆動回路系統と、供給通路の流体圧ポンプとアクチュエータ制御弁との間から分岐する回生通路と、エンジンに接続され、回生通路を通じて導かれる作動流体により作動しエンジンの駆動をアシストする流体圧回生モータと、流体圧ポンプとアクチュエータ制御弁との間に設けられ、開弁時に流体圧ポンプから流体圧回生モータへの作動流体の流れを許容し、閉弁時に流体圧ポンプから流体圧回生モータへの作動流体の流れを遮断する回生制御弁と、アクチュエータの操作状態を検出する操作状態検出装置と、操作状態検出装置により駆動回路系統の全てのアクチュエータが非操作状態であることが検出されると、回生制御弁を開弁し、駆動回路系統のアクチュエータの少なくとも一つが操作状態であることが検出されると、回生制御弁を閉弁する回生制御部と、回生通路から分岐する分岐通路と、分岐通路を介して回生通路に接続されるアキュムレータと、分岐通路に設けられ、開弁時に作動流体の流れを許容し、閉弁時に作動流体の流れを遮断する切換弁と、アキュムレータの圧力を検出する圧力検出装置と、回生制御弁の開弁時において、圧力検出装置で検出されたアキュムレータの圧力が予め定められた第1圧力未満となった場合に切換弁を開弁し、圧力検出装置で検出されたアキュムレータの圧力が予め定められた第2圧力以上となった場合に切換弁を閉弁するアキュムレータ制御部と、を備えることを特徴とするエネルギ回生システムである。
第1の発明では、駆動回路系統の全てのアクチュエータが非操作状態であるときに、流体圧ポンプから吐出される作動流体の一部をアキュムレータに蓄圧することができる。アキュムレータ内に蓄圧された作動流体は、所望のタイミングで、流体圧ポンプから吐出される作動流体とともに流体圧回生モータに供給することができる。
第2の発明は、回生制御弁が、開弁時及び閉弁時のそれぞれにおいて、流体圧ポンプから吐出される作動流体がアクチュエータ制御弁へ流れることを許容し、閉弁時には、作動流体の流れに抵抗を付与する絞りを通じて、流体圧ポンプからアクチュエータ制御弁へ作動流体を導くことを特徴とする。
第2の発明では、流体圧回生モータに供給される作動油の流量を低減できるので、流体圧回生モータの吸込側圧力が高圧になることを、効果的に防止できる。
第3の発明は、流体圧ポンプが、可変容量型ポンプであり、流体圧回生モータは、可変容量型モータであり、流体圧ポンプの押しのけ容積に基づいて、流体圧回生モータの押しのけ容積を制御するモータ制御部をさらに備えることを特徴とする。
第4の発明は、モータ制御部が、回生制御弁が開弁しているとき、流体圧ポンプからアクチュエータ制御弁に供給される作動流体の流量と、流体圧ポンプから流体圧回生モータに供給される作動流体の流量との比率が、予め定められた所定比率となるように、流体圧回生モータの押しのけ容積を制御することを特徴とする。
第3及び第4の発明では、流体圧回生モータの吸込側圧力が負圧になったり高圧になったりすることを効果的に防止できる。
第5の発明は、回生通路から分岐してタンクに接続されるタンク通路に設けられ、タンクから流体圧回生モータの吸込側への作動流体の流れを許容し、流体圧回生モータの吸込側からタンクへの作動流体の流れを遮断する逆止弁をさらに備えることを特徴とする。
第5の発明では、流体圧回生モータに供給される作動油の流量が不足した場合に、流体圧回生モータの吸込側にタンクから作動流体を供給することができるので、流体圧回生モータの吸込側圧力が負圧になることを効果的に防止できる。
本発明によれば、駆動回路系統の全てのアクチュエータが非操作状態のときに、流体圧ポンプから吐出される作動流体を有効に利用することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。ここでは、油圧ショベルに適用されるエネルギ回生システムについて説明するが、本実施形態は油圧ショベル以外の装置にも適用可能である。油圧ショベルでは、作動流体として作動油が用いられるが、作動水等の他の流体を作動流体として用いてもよい。
図1から図3を参照して、本発明の実施形態に係るエネルギ回生システム100について説明する。
図1に示すように、油圧ショベル1は、クローラ式の走行部2と、走行部2の上部に旋回可能に設けられる旋回部3と、旋回部3に設けられる掘削部4と、を備える。走行部2は、走行モータ(不図示)によって駆動される左右一対のクローラ2aを有する。左右一対のクローラ2aが駆動されると油圧ショベル1が走行する。
旋回部3は旋回モータ30(図2参照)を介して走行部2に連結され、旋回モータ30の作動により走行部2に対して左右に旋回する。
掘削部4は、ブーム5と、アーム6と、バケット7と、を有する。ブーム5は旋回部3に回動可能に支持され、アーム6はブーム5の先端に回動可能に支持され、バケット7はアーム6の先端に回動可能に支持される。
ブーム5は、ブームシリンダ50によって旋回部3に対して上下に回動する。アーム6は、アームシリンダ60によってブーム5に対して回動する。バケット7は、バケットシリンダ70によってアーム6に対して回動する。
本明細書の説明において、旋回モータ30、ブームシリンダ50、アームシリンダ60及びバケットシリンダ70を単に「アクチュエータ」とも称する。
図2に示すように、エネルギ回生システム100は、作動油を吐出する流体圧ポンプとしてのポンプ10と、ポンプ10から供給通路21を通じて複数のアクチュエータに供給される作動油の流れを制御する制御弁ユニット20を有する駆動回路系統HC1と、エンジン11の駆動をアシストする流体圧回生モータとしての回生モータ80と、後述する各回生弁83,84,85を通じて供給される作動油を回生モータ80に導く回生回路系統HC2と、を備える。
ポンプ10は、レギュレータ10aによって斜板の傾転角が調整可能な可変容量型の油圧ポンプであり、エンジン11の出力シャフト11aに連結される。エンジン11が作動すると、ポンプ10はエンジン11により駆動され作動油を吐出する。制御弁ユニット20は、供給通路21を介してポンプ10に接続されるとともに、排出通路22を介してタンク12に接続される。ポンプ10から吐出された作動油は、供給通路21を通じて制御弁ユニット20に導かれる。
制御弁ユニット20は、複数のアクチュエータに対応する複数のアクチュエータ制御弁としての制御弁Vを有する。各制御弁Vは、ポンプ10から各アクチュエータへ導かれる作動油の流量を制御して、各アクチュエータの動作を制御する。各制御弁Vは、油圧ショベルに搭乗するオペレータが、操作装置42を操作することにより、操作される。図2では、複数のアクチュエータのうち、旋回モータ30及びブームシリンダ50を代表して図示し、その他のアクチュエータの図示は省略している。
コントローラ40には、各アクチュエータの制御弁Vに対応する操作装置42の操作方向及び操作量を検出する操作センサ42aが電気的に接続される。操作センサ42aは、検出した操作方向及び操作量に応じた操作信号を生成し、コントローラ40に出力する。
コントローラ40は、操作センサ42aで検出された操作量Lが、操作判定閾値L0未満であるか否かを判定する。操作判定閾値L0は、アクチュエータが操作状態であるのか、非操作状態であるのかを判定するための閾値であり、予めコントローラ40の記憶部に記憶される。操作判定閾値L0は、アクチュエータごとに設定される。
操作センサ42aで検出された操作量Lが、操作判定閾値L0未満である場合、コントローラ40は、その操作センサ42aに対応するアクチュエータは操作されていない状態(非操作状態)であると判定する。操作センサ42aで検出された操作量Lが、操作判定閾値L0以上である場合、コントローラ40は、その操作センサ42aに対応するアクチュエータは操作されている状態(操作状態)であると判定する。つまり、操作センサ42aは、駆動回路系統HC1のアクチュエータの操作状態を検出する操作状態検出装置として機能する。
コントローラ40は、各操作センサ42aで検出された操作量Lに基づいて、駆動回路系統HC1の全てのアクチュエータが非操作状態、すなわちスタンバイ状態であるか否かを判定する。具体的には、コントローラ40は、駆動回路系統HC1のアクチュエータの少なくとも一つが操作されている場合、非スタンバイ状態であると判定し、駆動回路系統HC1のアクチュエータの全てが操作されていない場合、スタンバイ状態であると判定する。
旋回モータ30は、第1旋回通路32a及び第2旋回通路32bを介して、旋回制御弁31に接続される。旋回制御弁31は、正転位置、中立位置及び逆転位置を有する3位置切換弁である。
旋回制御弁31が中立位置にある場合には、旋回制御弁31のアクチュエータポートが閉じられるため、旋回モータ30への作動油の供給及び旋回モータ30からの作動油の排出が遮断され、旋回モータ30は停止した状態を保つ。
旋回制御弁31が正転位置に切り換えられると、ポンプ10から吐出された作動油が第1旋回通路32aを通じて旋回モータ30に供給され、旋回モータ30が正転する。旋回モータ30からの戻り作動油は、第2旋回通路32bを通じてタンク12に排出される。これにより、旋回部3が正方向に旋回(例えば左旋回)する。
旋回制御弁31が逆転位置に切り換えられると、ポンプ10から吐出された作動油が第2旋回通路32bを通じて旋回モータ30に供給され、旋回モータ30が逆転する。旋回モータ30からの戻り作動油は、第1旋回通路32aを通じてタンク12に排出される。これにより、旋回部3が逆方向に旋回(例えば右旋回)する。
ブームシリンダ50は、反ロッド側室50aが第1ブーム通路52aを介してブーム制御弁51に接続され、ロッド側室50bが第2ブーム通路52bを介してブーム制御弁51に接続される。ブーム制御弁51は、上げ位置、中立位置及び下げ位置を有する3位置切換弁である。
ブーム制御弁51が上げ位置に切り換えられると、ポンプ10から吐出された作動油が第1ブーム通路52aを通じてブームシリンダ50の反ロッド側室50aに供給されるとともに、ロッド側室50bからの戻り作動油が第2ブーム通路52bを通じてタンク12に排出される。これにより、ブームシリンダ50が伸長し、ブーム5が上方に回動する。
ブーム制御弁51が下げ位置に切り換えられると、ポンプ10から吐出された作動油が第2ブーム通路52bを通じてブームシリンダ50のロッド側室50bに供給されるとともに、反ロッド側室50aからの戻り作動油が第1ブーム通路52aを通じてタンク12に排出される。これにより、ブームシリンダ50が収縮し、ブーム5が下方に回動する。
ブーム制御弁51が中立位置に切り換えられると、ブームシリンダ50への作動油の供給及びブームシリンダ50からの作動油の排出が遮断され、ブーム5は停止した状態を保つ。所定の角度でブーム5が停止した場合、掘削部4の自重によって、ブームシリンダ50には収縮する方向の力が作用する。したがって、ブームシリンダ50は、ブーム制御弁51が中立位置にある場合には、反ロッド側室50aによって負荷を保持する。つまり、反ロッド側室50aが負荷側圧力室として機能する。
供給通路21は、中立通路21aとパラレル通路21bとに分岐して各制御弁Vに接続される。中立通路21aにおける制御弁ユニット20の下流側には、パイロット圧を生成するための絞り91と、パイロットリリーフ弁90が並列に設けられる。
絞り91は、通過する流量が多ければ上流側に高いパイロット圧を生成し、通過する流量が少なければ上流側に低いパイロット圧を生成する。絞り91を通過する流量は、制御弁Vの操作量が大きいほど、小さくなる。
例えば、各制御弁Vの操作量がゼロであり、各制御弁Vが中立位置にある場合、ポンプ10から制御弁ユニット20に供給される作動油の全部が中立通路21aを通じてタンク12に導かれる。つまり、制御弁Vが操作されていない場合には、制御弁Vが操作されているときに比べて、絞り91を通過する作動油の流量が多くなり、高いパイロット圧が生成される。
一方、少なくとも一つの制御弁Vの操作量が最大であり、当該制御弁Vがフルストロークに切り換えられると、当該制御弁Vにより中立通路21aが閉ざされて作動油の流通がなくなる。このため、少なくとも一つの制御弁Vが最大に操作された場合、絞り91を通過する作動油の流量がほぼなくなり、パイロット圧がほぼゼロになる。つまり、絞り91は、制御弁Vの操作量に応じたパイロット圧を生成する。
パイロットリリーフ弁90は、絞り91の上流側に生成されるパイロット圧が所定のパイロットリリーフ圧を超えると開弁して、パイロット圧を所定のパイロットリリーフ圧以下に保つ。
絞り91の上流側にはパイロット通路93が接続され、パイロット通路93には絞り91によって生成されたパイロット圧が導かれる。パイロット通路93は、ポンプ10の斜板の傾転角を制御するレギュレータ10aに接続される。
レギュレータ10aは、パイロット通路93のパイロット圧と比例(比例定数は負の数)してポンプ10の斜板の傾転角を制御して、ポンプ10の押しのけ容積を制御する。したがって、制御弁Vがフルストロークに切り換えられて絞り91を通過する作動油の流れがなくなり、パイロット通路93のパイロット圧がゼロになれば、ポンプ10の斜板の傾転角が最大になり、押しのけ容積が最大になる。
絞り91の上流側には、絞り91の上流側の圧力、すなわち制御弁ユニット20の背圧P1を検出する圧力センサ94が設けられる。圧力センサ94によって検出した圧力信号はコントローラ40に出力される。制御弁ユニット20の背圧P1は、制御弁Vの操作量に応じて変化するので、圧力センサ94によって検出される圧力信号は、駆動回路系統HC1の要求流量に比例する。
駆動回路系統HC1の全てのアクチュエータが非操作状態であると判定された場合、コントローラ40は、後述する電磁弁68のソレノイドを励磁して、回生制御弁としてのスタンバイ回生弁85を連通位置85bに切り換える。すなわち、コントローラ40は、スタンバイ状態であるときには、スタンバイ回生弁85を開弁する。駆動回路系統HC1のアクチュエータの少なくとも一つが操作状態であると判定された場合、コントローラ40は、電磁弁68のソレノイドを消磁する。これにより、スタンバイ回生弁85は、ばねの弾性力により遮断位置85aに切り換えられる。すなわち、コントローラ40は、非スタンバイ状態であるときには、スタンバイ回生弁85を閉弁する。
回生モータ80は、エンジン11に接続され、回生回路系統HC2を通じて導かれる作動油により作動し、エンジン11の駆動をアシストする。回生モータ80は、レギュレータ80aによって斜板の傾転角が調整可能な可変容量型の油圧モータであり、エンジン11に直接または減速機(不図示)を介して連結される。レギュレータ80aは、コントローラ40からの指令信号に基づき、回生モータ80の斜板の傾転角を制御して、回生モータ80の押しのけ容積を制御する。
回生回路系統HC2は、スタンバイ回生制御時にポンプ10からスタンバイ回生弁85を通じて作動油が供給される回生通路であるスタンバイ回生通路65と、旋回回生制御時に旋回モータ30から旋回回生弁83を通じて作動油が供給される回生通路である旋回回生通路35と、ブーム回生制御時にブームシリンダ50からブーム回生弁84を通じて作動油が供給される回生通路であるブーム回生通路55と、スタンバイ回生通路65、旋回回生通路35及びブーム回生通路55のそれぞれに連通する回生通路である共通回生通路28と、を有する。
回生回路系統HC2には、共通回生通路28から分岐して回生モータ80を介することなくタンク12に接続されるタンク通路95が設けられる。タンク通路95には、タンク12から回生モータ80の吸込側への作動油の流れを許容し、回生モータ80の吸込側からタンク12への作動油の流れを遮断する逆止弁92が設けられる。
スタンバイ回生制御、旋回回生制御及びブーム回生制御は、回生制御部として機能するコントローラ40によって実行される。コントローラ40は、動作回路としてのCPU(Central Processing Unit)、記憶部としてのROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)、並びに入出力インタフェース(I/Oインタフェース)、その他の周辺回路を備えたマイクロコンピュータで構成される。コントローラ40は、複数のマイクロコンピュータで構成することも可能である。コントローラ40の記憶部には、スタンバイ回生制御、旋回回生制御及びブーム回生制御等の各種制御に対応するプログラムが記憶されている。
なお、動作回路としては、CPUに代えてまたはCPUとともに、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(application specific integrated circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などを用いることができる。
旋回モータ30からの作動油を利用してエネルギ回生を行う旋回回生制御について説明する。
旋回モータ30に接続される第1旋回通路32a及び第2旋回通路32bには、それぞれ第1分岐通路33a及び第2分岐通路33bが接続される。第1分岐通路33a及び第2分岐通路33bは合流して、旋回モータ30からの作動油を回生モータ80に導くための旋回回生通路35に接続される。第1分岐通路33aには、第1旋回通路32aから旋回回生通路35への作動油の流れのみを許容するチェック弁36aが設けられる。第2分岐通路33bには、第2旋回通路32bから旋回回生通路35への作動油の流れのみを許容するチェック弁36bが設けられる。旋回回生通路35は、共通回生通路28を通じて回生モータ80に接続される。
旋回回生通路35には、油圧パイロット式の旋回回生弁83が設けられる。旋回回生弁83は、旋回モータ30から回生モータ80への作動油の流れを遮断する遮断(閉弁)位置83aと、旋回モータ30から回生モータ80への作動油の流れを許容する連通(開弁)位置83bと、を有する。
旋回回生弁83の動作は、電磁弁38を通じたパイロット圧により制御される。電磁弁38は、旋回回生弁83のパイロット室83pとパイロット圧源Ppとを接続するパイロット通路39に介装される。電磁弁38は、コントローラ40から出力される指令信号によりソレノイドが励磁されると、パイロット圧源Ppの圧力を減圧して指令値に応じたパイロット圧を生成し、生成したパイロット圧を旋回回生弁83のパイロット室83pに供給する。電磁弁38は、ソレノイドが消磁されると、旋回回生弁83のパイロット室83pをタンク12に連通する。
旋回回生弁83は、パイロット室83pがタンク圧になるとばねの弾性力により遮断位置83a(図2に示す状態)に切り換えられて旋回回生通路35を遮断する。旋回回生弁83は、パイロット室83pに所定のパイロット圧が作用すると連通位置83bに切り換えられて旋回回生通路35を開通し、旋回モータ30から回生モータ80に作動油を導く。これにより、旋回回生が行われる。
旋回回生弁83とチェック弁36a,36bとの間には、旋回モータ30の旋回動作時の旋回圧力またはブレーキ動作時のブレーキ圧力を検出する圧力検出装置としての圧力センサ41が設けられる。圧力センサ41で検出された圧力信号は、コントローラ40に出力される。コントローラ40は、圧力センサ41で検出した圧力が旋回回生開始圧力以上であるか否かを判定し、その判定結果に基づいて電磁弁38を切り換えることにより、旋回回生弁83を制御する。旋回回生開始圧力は、予め定められており、コントローラ40の記憶部に記憶されている。
コントローラ40は、圧力センサ41で検出した圧力が旋回回生開始圧力以上になったと判定した場合には、電磁弁38にオン信号(励磁電流)を出力し、電磁弁38のソレノイドを励磁する。これにより、電磁弁38で生成される所定のパイロット圧が旋回回生弁83のパイロット室83pに作用し、旋回回生弁83が連通位置83bに切り換わって旋回回生が開始される。
コントローラ40は、圧力センサ41で検出した圧力が旋回回生開始圧力未満になったと判定した場合には、電磁弁38にオフ信号を出力し、電磁弁38のソレノイドを消磁する。これにより、旋回回生弁83のパイロット室83pがタンク圧となり、旋回回生弁83が遮断位置83aに切り換わって旋回回生が停止する。
旋回動作時に旋回回生弁83が連通位置83bに切り換えられると、旋回通路32a,32bの余剰油が分岐通路33a,33b及びチェック弁36a,36bを通じて旋回回生通路35に流入し、回生モータ80に導かれる。旋回モータ30の旋回中に旋回制御弁31が中立位置に切り換えられるブレーキ動作時には、旋回モータ30のポンプ作用によって吐出された作動油が分岐通路33a,33b及びチェック弁36a,36bを通じて旋回回生通路35に流入し、回生モータ80に導かれる。
ブームシリンダ50からの作動油を利用してエネルギ回生を行うブーム回生制御について説明する。
第1ブーム通路52aには、逆止弁53aが設けられる。逆止弁53aは、ブーム制御弁51から反ロッド側室50aへの作動油の流れを許容し、反ロッド側室50aからブーム制御弁51への作動油の流れを遮断する。第1ブーム通路52aには、逆止弁53aを迂回する迂回通路53bが接続される。具体的には、迂回通路53bは、一端が第1ブーム通路52aにおける逆止弁53aとブーム制御弁51との間に接続され、他端が第1ブーム通路52aにおける逆止弁53aと反ロッド側室50aとの間に接続される。ブーム回生通路55は、共通回生通路28を通じて回生モータ80に接続される。
ブーム回生通路55には、油圧パイロット式のブーム回生弁84が設けられる。ブーム回生弁84は、ブームシリンダ50から回生モータ80への作動油の流れを遮断する遮断(閉弁)位置84aと、ブームシリンダ50から回生モータ80への作動油の流れを許容する連通(開弁)位置84bと、を有する。
ブーム回生弁84は、迂回通路53bにおける作動油の流れも制御する。具体的には、ブーム回生弁84は、遮断位置84aにあるときには、迂回通路53bにおける作動油の流れを許容する。ブーム回生弁84は、連通位置84bにあるときには、迂回通路53bにおける作動油の流れを、絞り84dを通じて許容する。
ブーム回生弁84の動作は、電磁弁58を通じたパイロット圧により制御される。電磁弁58は、ブーム回生弁84のパイロット室84pとパイロット圧源Ppとを接続するパイロット通路59に介装される。電磁弁58は、コントローラ40から出力される指令信号によりソレノイドが励磁されると、パイロット圧源Ppの圧力を減圧して指令値に応じたパイロット圧を生成し、生成したパイロット圧をブーム回生弁84のパイロット室84pに供給する。電磁弁58は、ソレノイドが消磁されると、ブーム回生弁84のパイロット室84pをタンク12に連通する。
ブーム回生弁84は、パイロット室84pがタンク圧になるとばねの弾性力により遮断位置84a(図2に示す状態)に切り換えられてブーム回生通路55を遮断する。ブーム回生弁84は、パイロット室84pに所定のパイロット圧が作用すると連通位置84bに切り換えられてブーム回生通路55を開通し、ブーム5から回生モータ80に作動油を導く。これにより、ブーム回生が行われる。
コントローラ40は、ブームシリンダ50に対応する操作装置42の操作センサ42aで検出した操作方向に基づいて、ブームシリンダ50が伸長操作されているのか、または収縮操作されているのかを判定し、その判定結果に基づいて電磁弁58を切り換えることにより、ブーム回生弁84を制御する。
コントローラ40は、ブームシリンダ50が伸長操作されていると判定した場合には、電磁弁58にオフ信号を出力し、電磁弁58のソレノイドを消磁する。これにより、ブーム回生弁84のパイロット室84pがタンク圧となり、ブーム回生弁84が遮断位置84aに切り換わる。つまり、ブームシリンダ50が伸長操作されている場合には、ブーム回生が行われない。
一方、コントローラ40は、ブームシリンダ50が収縮操作されていると判定した場合には、ブームシリンダ50に対応する操作装置42の操作センサ42aにより検出された操作量Lに基づいて、オペレータにより要求されるブームシリンダ50の収縮速度(以下、「要求収縮速度」と称する)を演算する。
コントローラ40は、要求収縮速度が高いか低いかを判定する。コントローラ40は、要求収縮速度が、例えば、予め設定されたブーム回生限界速度(ブーム回生が推奨される限界の収縮速度)以上の場合に、要求収縮速度が高いと判定する。コントローラ40は、要求収縮速度がブーム回生限界速度未満の場合に、要求収縮速度が低いと判定する。コントローラ40は、要求収縮速度が高いと判定した場合には、ブーム回生弁84を遮断位置84aに保つ。
仮に、要求収縮速度が高いと判定された場合に、ブーム回生弁84が連通位置84bに切り換えられると、反ロッド側室50a内の作動油のほとんどは、ブーム回生通路55及び共通回生通路28を通じて回生モータ80に供給される。回生モータ80は供給された作動油のエネルギを消費する負荷となるので、反ロッド側室50a内の作動油が十分な流量で排出されない。その結果、ブームシリンダ50の実際の収縮速度が要求収縮速度に達しないおそれがある。
このような理由から、要求収縮速度が高いと判定された場合には、ブーム回生弁84を遮断位置84aに保ち、反ロッド側室50a内の作動油を、第1ブーム通路52a(迂回通路53b)及びブーム制御弁51を通じてタンク12へ排出することが好ましい。この場合、回生モータ80といった負荷を経ることなく作動油をタンク12に排出することができる。その結果、反ロッド側室50a内の作動油を十分な流量で排出することができ、ブームシリンダ50の実際の収縮速度を要求収縮速度とほぼ一致させることができる。
コントローラ40は、ブームシリンダ50が収縮されていると判定し、かつ要求収縮速度が低い(要求収縮速度が予め設定されたブーム回生限界速度未満)と判定した場合には、電磁弁58にオン信号(励磁電流)を出力し、電磁弁58のソレノイドを励磁する。これにより、電磁弁58で生成される所定のパイロット圧がブーム回生弁84のパイロット室84pに作用し、ブーム回生弁84が連通位置84bに切り換わってブーム回生が開始される。ブーム回生弁84は、迂回通路53bにおける作動油の流れを、絞り84dを通じて許容するので、反ロッド側室50a内の作動油は、切り換え直後は迂回通路53bに導かれ、その後、徐々にブーム回生通路55に導かれる。
ブーム回生通路55に導かれた作動油は、共通回生通路28を通じて回生モータ80に供給され、回生モータ80を駆動する。その結果、反ロッド側室50aから排出される作動油のエネルギが回生モータ80により回生される。
スタンバイ状態のときに、ポンプ10から吐出される作動油を利用してエネルギ回生を行うスタンバイ回生制御について説明する。
供給通路21における制御弁ユニット20の上流側と共通回生通路28とは、スタンバイ回生通路65によって接続される。換言すれば、スタンバイ回生通路65は、供給通路21のポンプ10と制御弁ユニット20との間から分岐して共通回生通路28に接続される通路である。
ポンプ10と制御弁ユニット20との間には、油圧パイロット式のスタンバイ回生弁85が設けられる。スタンバイ回生弁85は、ポンプ10から回生モータ80への作動油の流れを遮断する遮断(閉弁)位置85aと、ポンプ10から回生モータ80への作動油の流れを許容する連通(開弁)位置85bと、を有する。
スタンバイ回生弁85は、供給通路21における作動油の流れも制御する。具体的には、スタンバイ回生弁85は、連通位置85b及び遮断位置85aのそれぞれにおいて、ポンプ10から吐出される作動油が制御弁ユニット20へ流れることを許容する。スタンバイ回生弁85は、遮断位置85aに切り換えられているときには、作動油の流れに抵抗を付与する絞り85dを通じて、ポンプ10から制御弁ユニット20へ作動油を導く。
スタンバイ回生弁85の動作は、電磁弁68を通じたパイロット圧により制御される。電磁弁68は、スタンバイ回生弁85のパイロット室85pとパイロット圧源Ppとを接続するパイロット通路69に介装される。電磁弁68は、コントローラ40から出力される指令信号によりソレノイドが励磁されると、パイロット圧源Ppの圧力を減圧して指令値に応じたパイロット圧を生成し、生成したパイロット圧をスタンバイ回生弁85のパイロット室85pに供給する。電磁弁68は、ソレノイドが消磁されると、スタンバイ回生弁85のパイロット室85pをタンク12に連通する。
コントローラ40は、各アクチュエータに対応する各操作センサ42aで検出された操作量Lに基づいてスタンバイ状態であると判定した場合、電磁弁68にオン信号(励磁電流)を出力し、電磁弁68のソレノイドを励磁する。これにより、電磁弁68で生成される所定のパイロット圧がスタンバイ回生弁85のパイロット室85pに作用し、スタンバイ回生弁85が連通位置85bに切り換わってスタンバイ回生が開始される。
スタンバイ回生弁85は、供給通路21における作動油の流れを、絞り85dを通じて許容するので、ポンプ10から吐出される作動油は、切り換え直後は供給通路21に導かれ、その後、徐々にスタンバイ回生通路65に導かれる。
このように、本実施形態では、スタンバイ回生時に、ポンプ10から吐出される作動油の一部を制御弁ユニット20にも供給するようにした。このため、スタンバイ回生時に、ポンプ10から吐出される作動油の全量を回生モータ80に供給する場合に比べて、回生モータ80に供給される作動油の流量を低減できるので、回生モータ80の吸込側圧力が高圧になることを、効果的に防止できる。
コントローラ40は、各アクチュエータに対応する各操作センサ42aで検出された操作量Lに基づいて非スタンバイ状態であると判定した場合、電磁弁68にオフ信号を出力し、電磁弁68のソレノイドを消磁する。これにより、スタンバイ回生弁85のパイロット室85pがタンク圧となり、スタンバイ回生弁85が遮断位置85aに切り換わってスタンバイ回生が停止する。
共通回生通路28からアキュムレータ75への作動油の蓄圧、及びアキュムレータ75から共通回生通路28への作動油の供給について説明する。
回生回路系統HC2には、共通回生通路28から分岐する分岐通路28aが設けられる。アキュムレータ75は、分岐通路28aを介して共通回生通路28に接続される。分岐通路28aには、油圧パイロット式の蓄圧制御弁74が設けられる。蓄圧制御弁74は、分岐通路28aにおける作動油の流れを遮断する遮断(閉弁)位置74aと、分岐通路28aにおける作動油の流れを絞り74dを通じて許容する連通(開弁)位置74bと、を有する切換弁である。
蓄圧制御弁74の動作は、電磁弁78を通じたパイロット圧により制御される。電磁弁78は、蓄圧制御弁74のパイロット室74pとパイロット圧源Ppとを接続するパイロット通路79に介装される。電磁弁78は、コントローラ40から出力される指令信号によりソレノイドが励磁されると、パイロット圧源Ppの圧力を減圧して指令値に応じたパイロット圧を生成し、生成したパイロット圧を蓄圧制御弁74のパイロット室74pに供給する。電磁弁78は、ソレノイドが消磁されると、蓄圧制御弁74のパイロット室74pをタンク12に連通する。
アキュムレータ75は、ハウジング75aと、ハウジング75aの内部を油室75bと気体室75cとに区画するダイヤフラム75dと、を備える。分岐通路28aは油室75bに連通する。気体室75cには圧縮空気が封入される。
蓄圧制御弁74が連通位置74bにある場合において、共通回生通路28内の圧力が油室75b内の圧力よりも高いときには、共通回生通路28から分岐通路28aを通じて油室75bに作動油が供給される。油室75bへの作動油の流入により気体室75cが収縮し、気体室75cの圧力が上昇する。つまり、共通回生通路28からの作動油がアキュムレータ75に蓄圧される。
気体室75cの圧力と共通回生通路28内の圧力とが同じになったところで、共通回生通路28から油室75bへの作動油の供給が停止する。
蓄圧制御弁74が連通位置74bにある場合において、共通回生通路28内の圧力が油室75b内の圧力よりも低いときには、油室75bから共通回生通路28へ作動油が供給される。油室75bからの作動油の流出により気体室75cが膨張し、気体室75cの圧力が低下する。つまり、アキュムレータ75に蓄圧された作動油が共通回生通路28に供給される。
気体室75cの圧力と共通回生通路28内の圧力が同じになったところで、油室75bから共通回生通路28への作動油の供給が停止する。
このように、アキュムレータ75は、アキュムレータ75内の圧力と共通回生通路28内の圧力との差に応じて、共通回生通路28からの作動油を蓄圧する、またはアキュムレータ75内の作動油を共通回生通路28へ供給する。アキュムレータ75内の作動油が共通回生通路28を通じて回生モータ80に供給されることにより、回生モータ80が駆動されエンジン11の駆動がアシストされる。
共通回生通路28内の圧力は、共通回生通路28に導かれた作動油のエネルギを回生モータ80が全て回収できない場合に上昇する。共通回生通路28内の圧力が油室75b内の圧力を超えると、共通回生通路28から油室75bに作動油が流入する。つまり、アキュムレータ75は、共通回生通路28に導かれる作動油の一部を余剰の作動油として蓄圧する。
共通回生通路28内の圧力は、共通回生通路28に導かれた作動油のエネルギを全て回生モータ80が回収する場合に低下する。共通回生通路28内の圧力が気体室75c内の圧力よりも下がると、アキュムレータ75は、作動油を共通回生通路28に供給する。
スタンバイ状態のときにおける、コントローラ40による蓄圧制御弁74の制御について説明する。スタンバイ状態であるとき、コントローラ40はアキュムレータ75の圧力に応じて蓄圧制御弁74を切り換える。
コントローラ40には、アキュムレータ75の圧力P2を検出する圧力検出装置としての圧力センサ43が接続される。圧力センサ43は、分岐通路28aにおける蓄圧制御弁74とアキュムレータ75との間に設けられ、検出した圧力信号をコントローラ40に出力する。コントローラ40は、圧力センサ43からの圧力信号に基づき、蓄圧制御弁74を制御するアキュムレータ制御部として機能する。
コントローラ40は、スタンバイ状態であるときに、圧力センサ43で検出したアキュムレータ75の圧力P2が蓄圧完了圧力Pt2未満であるか否かを判定する。蓄圧完了圧力Pt2は、アキュムレータ75の蓄圧が完了したことを表す圧力であり、アキュムレータ75の最高使用圧力よりも低い圧力であり、予め定められ、コントローラ40の記憶部に記憶される。蓄圧完了圧力Pt2は、蓄圧制御弁74を開弁するために用いる圧力閾値である第1圧力、及び、蓄圧制御弁74を閉弁するために用いる圧力閾値である第2圧力として設定される。
コントローラ40は、圧力センサ43で検出したアキュムレータ75の圧力P2が、上記第1圧力として設定される蓄圧完了圧力Pt2未満であると判定した場合、電磁弁78にオン信号(励磁電流)を出力し、電磁弁78のソレノイドを励磁する。これにより、電磁弁78で生成される所定のパイロット圧が蓄圧制御弁74のパイロット室74pに作用し、蓄圧制御弁74が連通位置74bに切り換わり、分岐通路28aにおける作動油の流れが許容される。
したがって、共通回生通路28内の圧力がアキュムレータ75内の圧力よりも高いときには、ポンプ10からスタンバイ回生弁85を通じて供給される作動油の一部がアキュムレータ75に蓄積される。つまり、スタンバイ状態のときにポンプ10から排出される作動油によって、アキュムレータ75が蓄圧される。
コントローラ40は、圧力センサ43で検出したアキュムレータ75の圧力P2が、上記第2圧力として設定される蓄圧完了圧力Pt2以上であると判定した場合、電磁弁78にオフ信号を出力し、電磁弁78のソレノイドを消磁する。これにより、蓄圧制御弁74のパイロット室74pがタンク圧となり、蓄圧制御弁74がばねの弾性力により遮断位置74aに切り換わる。
このように、エネルギ回生システム100では、分岐通路28aに蓄圧制御弁74が設けられているので、作動油を蓄圧した状態で分岐通路28aにおける作動油の流れを遮断することができる。スタンバイ状態のときに、アキュムレータ75の蓄圧を完了させておくことができるので、アキュムレータ75内に貯留された作動油を後述する所望のタイミングで回生モータ80に供給して回生モータ80を駆動することができ、効率的にエンジン11をアシストすることができる。
アキュムレータ75からの作動油を利用して、エンジン11の駆動をアシストするアシスト制御について説明する。
コントローラ40には、エンジン11の回転速度Nを検出する回転速度センサ44が接続される。回転速度センサ44は、エンジン11の出力シャフト11a等に設けられ、検出した回転速度信号をコントローラ40に出力する。
コントローラ40は、非スタンバイ状態である場合に、回転速度センサ44の検出結果に基づいて、エンジン11がアシストを必要としているか否かを判定する。
コントローラ40は、エンジン11の回転速度Nに変化がないと判定したときには、蓄圧制御弁74を遮断位置74aに維持する。コントローラ40は、高負荷作業時等によりエンジン11の回転速度Nが低下したと判定したときには、蓄圧制御弁74を連通位置74bに切り換える。これにより、アキュムレータ75に蓄圧された作動油が共通回生通路28を通じて回生モータ80に供給される。その結果、エンジン11の駆動がアシストされる。
スタンバイ状態のときにおける回生モータ80の押しのけ容積の制御(モータ傾転制御)について説明する。コントローラ40は、スタンバイ状態のときに、ポンプ10の押しのけ容積に基づいて、回生モータ80の押しのけ容積を制御するモータ制御部として機能する。
本実施形態では、回生モータ80とエンジン11とが直接または減速機(不図示)を介して連結されており、その変速比は常に一定である。ここで、ポンプ10から回生モータ80に供給される作動油の流量に対して、回生モータ80の押しのけ容積が大きいと、回生モータ80がエンジン11に対して負荷として機能してしまう。また、ポンプ10から回生モータ80に供給される作動油の流量に対して、回生モータ80の押しのけ容積が小さいと、回生モータ80の吸込側圧力が大きくなり、回生モータ80が損傷するおそれがある。
そこで、本実施形態では、スタンバイ回生弁85を通じてポンプ10から回生モータ80に供給される作動油の流量に応じて回生モータ80の押しのけ容積を変化させる。
コントローラ40は、エンジン11の回転速度Nとポンプ10の押しのけ容積αpに基づいて、ポンプ10から吐出される作動油の流量(ポンプ吐出流量)を演算する。ポンプ10の押しのけ容積を表す信号は、レギュレータ10aからコントローラ40に出力される。コントローラ40は、スタンバイ回生弁85が連通位置85bにあるときに、演算したポンプ吐出流量に基づいて回生モータ80の押しのけ容積αmを決定する。コントローラ40は、スタンバイ回生弁85から制御弁ユニット20に供給される流量と、スタンバイ回生弁85から回生モータ80に供給される流量との比率が、予め定められた所定比率となるように、回生モータ80の押しのけ容積αmを決定する。
スタンバイ状態におけるポンプ10の押しのけ容積αpはレギュレータ10aによって最小値αpmin(一定値)に制御される。このため、スタンバイ状態では、ポンプ吐出流量がエンジン11の回転速度Nのみを変数として決定される。したがって、エンジン11の回転速度Nに対応する回生モータ80の押しのけ容積αmを予め演算し、テーブル形式でコントローラ40の記憶部に記憶させておくこともできる。この場合、回転速度センサ44で検出したエンジン11の回転速度Nに基づいてテーブルを参照することにより、目標とする回生モータ80の押しのけ容積αmを決定することができる。
さらに、スタンバイ状態におけるエンジン11の回転速度Nが一定値(アイドル回転速度Ni)に制御される場合には、エンジン11の回転速度Nがアイドル回転速度Niであって、ポンプ10の押しのけ容積αpが最小値αpminであるときのポンプ吐出流量が所定値に定まる。したがって、この値に対応する回生モータ80の押しのけ容積αmを予め演算し、コントローラ40の記憶部に記憶させておくこともできる。この場合、スタンバイ状態であることが判定された場合に、その値を参照することにより、目標とする回生モータ80の押しのけ容積αmを決定することができる。
このように、ポンプ10の押しのけ容積αpに基づいて、回生モータ80の押しのけ容積αmを制御することにより、回生モータ80の吸込側圧力が負圧になったり、高圧になったりすることを防止できる。その結果、エンジン11の負荷が増加してしまったり、回生モータ80が損傷してしまったりすることを防止できる。
本実施形態では、スタンバイ状態のときに、ポンプ10から吐出される作動油の一部がスタンバイ回生弁85を通じて回生モータ80に導かれ、作動油の残りが絞り85dを通じて制御弁ユニット20に導かれる。このため、スタンバイ状態のときにポンプ10から吐出される作動油の全量が回生モータ80に導かれる場合に比べて、回生モータ80の押しのけ容積の設定範囲を広くとることができる。
さらに、回生モータ80と並列にタンク通路95が設けられている。このため、スタンバイ回生弁85を通じて回生モータ80に供給される作動油の流量が不足した場合であっても、回生モータ80の吸込側にタンク12から作動油を供給することができるので、回生モータ80の吸込側圧力が負圧になることを効果的に防止することができる。
図3は、本実施形態に係るエネルギ回生システム100のコントローラ40による制御の処理内容を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、例えば、図示しないイグニッションスイッチのオンにより開始され、図示しない初期設定が行われた後、ステップS100〜ステップS150までの処理が所定の制御周期で繰り返し実行される。
ステップS100において、コントローラ40は、各種センサで検出される情報を取得し、ステップS110へ進む。ステップS100において取得する情報には、各操作センサ42aで検出される操作量L、圧力センサ43で検出されるアキュムレータ75の圧力P2、回転速度センサ44で検出されるエンジン11の回転速度N、及び、ポンプ10の押しのけ容積αpが含まれる。
ステップS110において、コントローラ40は、ステップS100で取得した各アクチュエータに対応する各操作量Lに基づいて、駆動回路系統HC1の全てのアクチュエータが非操作状態であるか否か、すなわち油圧ショベル1がスタンバイ状態であるか否かを判定する。ステップS110において、スタンバイ状態であると判定されるとステップS120へ進む。ステップS110において、スタンバイ状態でない、すなわち非スタンバイ状態であると判定されるとステップS125へ進む。
非スタンバイ状態である場合、すなわち駆動回路系統HC1のアクチュエータの少なくとも一つが操作状態である場合、ステップS125において、コントローラ40は、スタンバイ回生弁85を遮断位置85aに切り換え、ポンプ10から吐出される作動油をそのまま制御弁ユニット20に供給する。
スタンバイ状態である場合、すなわち駆動回路系統HC1の全てのアクチュエータが非操作状態である場合、ステップS120において、コントローラ40は、スタンバイ回生弁85を連通位置85bに切り換える。これにより、ポンプ10から吐出される作動油の一部が、スタンバイ回生通路65を通じて回生モータ80に導かれる。ステップS120において、スタンバイ回生弁85を開弁すると、ステップS130へ進む。
ステップS130において、コントローラ40は、ステップS100で取得したアキュムレータ75の圧力P2が蓄圧完了圧力Pt2以上であるか否かを判定する。ステップS130において、アキュムレータ75の圧力P2が蓄圧完了圧力Pt2以上であると判定されると、すなわちアキュムレータ75の蓄圧が完了したと判定されると、ステップS140へ進む。ステップS130において、アキュムレータ75の圧力P2が蓄圧完了圧力Pt2未満であると判定されると、すなわちアキュムレータ75の蓄圧が完了していないと判定されると、ステップS145へ進む。
ステップS145において、コントローラ40は、蓄圧制御弁74を連通位置74bに切り換える。これにより、スタンバイ回生弁85を通じてポンプ10から回生回路系統HC2に供給される作動油の一部が、アキュムレータ75に供給され、アキュムレータ75が蓄圧される。
ステップS140において、コントローラ40は、蓄圧制御弁74を遮断位置74aに切り換える。これにより、スタンバイ回生弁85を通じてポンプ10から回生回路系統HC2に供給される作動油の全部が、回生モータ80に供給される。
ステップS140において蓄圧制御弁74が閉弁され、あるいは、ステップS145において蓄圧制御弁74が開弁されると、ステップS150へ進む。ステップS150において、コントローラ40は、モータ傾転制御を実行し、図3のフローチャートに示す処理を終了する。
上述した実施形態によれば、次の作用効果を奏する。
コントローラ40は、スタンバイ回生弁85の開弁時において、圧力センサ43で検出されたアキュムレータ75の圧力P2が予め定められた第1圧力としての蓄圧完了圧力Pt2未満となった場合に蓄圧制御弁74を開弁し、圧力センサ43で検出されたアキュムレータ75の圧力P2が予め定められた第2圧力としての蓄圧完了圧力Pt2以上となった場合に蓄圧制御弁74を閉弁する。これにより、駆動回路系統HC1のアクチュエータが作動していないスタンバイ状態のときにポンプ10から吐出される作動油をアキュムレータ75に蓄積しておき、高負荷作業時においてエンジン11の回転速度Nが低下したときなどに、アキュムレータ75から作動油を回生モータ80に供給してエンジン11の駆動をアシストすることができる。エンジン11の負荷を低減することができるので、エンジン11の燃費を向上させることができる。つまり、本実施形態によれば、駆動回路系統HC1の全てのアクチュエータが非操作状態のときに、ポンプ10から吐出される作動油を有効に利用することができる。
次のような変形例も本発明の範囲内であり、変形例に示す構成と上述の実施形態で説明した構成を組み合わせたり、以下の異なる変形例で説明する構成同士を組み合わせたりすることも可能である。
<変形例1>
上記実施形態では、スタンバイ回生弁85が、供給通路21からスタンバイ回生通路65が分岐する分岐点に設けられる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。図4に示すように、スタンバイ回生通路65にスタンバイ回生弁285を介装させてもよい。この場合、供給通路21には、スタンバイ回生弁285の切り換え位置に応じて絞り量を調整可能な可変絞り285dを設けることが好ましい。
上記実施形態では、スタンバイ回生弁85が、供給通路21からスタンバイ回生通路65が分岐する分岐点に設けられる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。図4に示すように、スタンバイ回生通路65にスタンバイ回生弁285を介装させてもよい。この場合、供給通路21には、スタンバイ回生弁285の切り換え位置に応じて絞り量を調整可能な可変絞り285dを設けることが好ましい。
<変形例2>
上記実施形態では、アキュムレータ75の圧力P2が蓄圧完了圧力Pt2未満となった場合に蓄圧制御弁74を開弁し、アキュムレータ75の圧力P2が蓄圧完了圧力Pt2以上となった場合に蓄圧制御弁74を閉弁する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。アキュムレータ75の圧力P2が第1蓄圧完了圧力Pt21未満となった場合に蓄圧制御弁74を開弁し、アキュムレータ75の圧力P2が第1蓄圧完了圧力Pt21よりも高い第2蓄圧完了圧力Pt22以上となった場合に蓄圧制御弁74を閉弁するようにしてもよい。蓄圧制御弁74を切り換える圧力閾値に差を設けることで、蓄圧制御弁74が開閉を繰り返すようなハンチングを防止し、蓄圧制御弁74の動作の安定性を向上することができる。つまり、蓄圧制御弁74を開弁するために用いる圧力閾値である第1圧力、及び、蓄圧制御弁74を閉弁するために用いる圧力閾値である第2圧力には、上記実施形態のように同じ値(第1圧力=第2圧力=Pt2)を設定してもよいし、本変形例2のように異なる値(第1圧力=Pt21,第2圧力=Pt22)を設定してもよい。
上記実施形態では、アキュムレータ75の圧力P2が蓄圧完了圧力Pt2未満となった場合に蓄圧制御弁74を開弁し、アキュムレータ75の圧力P2が蓄圧完了圧力Pt2以上となった場合に蓄圧制御弁74を閉弁する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。アキュムレータ75の圧力P2が第1蓄圧完了圧力Pt21未満となった場合に蓄圧制御弁74を開弁し、アキュムレータ75の圧力P2が第1蓄圧完了圧力Pt21よりも高い第2蓄圧完了圧力Pt22以上となった場合に蓄圧制御弁74を閉弁するようにしてもよい。蓄圧制御弁74を切り換える圧力閾値に差を設けることで、蓄圧制御弁74が開閉を繰り返すようなハンチングを防止し、蓄圧制御弁74の動作の安定性を向上することができる。つまり、蓄圧制御弁74を開弁するために用いる圧力閾値である第1圧力、及び、蓄圧制御弁74を閉弁するために用いる圧力閾値である第2圧力には、上記実施形態のように同じ値(第1圧力=第2圧力=Pt2)を設定してもよいし、本変形例2のように異なる値(第1圧力=Pt21,第2圧力=Pt22)を設定してもよい。
<変形例3>
上記実施形態では、スタンバイ回生弁85が遮断位置85aに切り換えられている場合に、ポンプ10から吐出される作動油の一部が回生回路系統HC2に導かれ、残りが制御弁ユニット20に導かれる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。スタンバイ回生弁85が遮断位置85aに切り換えられている場合に、ポンプ10から吐出される作動油の全部が回生回路系統HC2に導かれるようにしてもよい。
上記実施形態では、スタンバイ回生弁85が遮断位置85aに切り換えられている場合に、ポンプ10から吐出される作動油の一部が回生回路系統HC2に導かれ、残りが制御弁ユニット20に導かれる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。スタンバイ回生弁85が遮断位置85aに切り換えられている場合に、ポンプ10から吐出される作動油の全部が回生回路系統HC2に導かれるようにしてもよい。
<変形例4>
上記実施形態では、回生モータ80の押しのけ容積αmが、ポンプ10の押しのけ容積αp及びエンジン11の回転速度から演算されるポンプ吐出流量に基づいて決定される例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ポンプ10の吐出側圧力と回生モータ80の吸込側圧力との差圧を検出し、この差圧がゼロに近づくように回生モータ80を制御するようにしてもよい。
上記実施形態では、回生モータ80の押しのけ容積αmが、ポンプ10の押しのけ容積αp及びエンジン11の回転速度から演算されるポンプ吐出流量に基づいて決定される例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ポンプ10の吐出側圧力と回生モータ80の吸込側圧力との差圧を検出し、この差圧がゼロに近づくように回生モータ80を制御するようにしてもよい。
<変形例5>
回生モータ80の吸込側からタンク12に接続される通路をさらに設け、この通路に可変リリーフ弁を介装させてもよい。これにより、回生モータ80の吸込側の圧力が、回生モータ80の許容圧力を超えてしまうことを防止することができる。
回生モータ80の吸込側からタンク12に接続される通路をさらに設け、この通路に可変リリーフ弁を介装させてもよい。これにより、回生モータ80の吸込側の圧力が、回生モータ80の許容圧力を超えてしまうことを防止することができる。
<変形例6>
上記実施形態では、操作センサ42aをアクチュエータの操作状態を検出する操作状態検出装置として用いる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。操作センサ42aに代えて、圧力センサ94を駆動回路系統HC1のアクチュエータの操作状態を検出する操作状態検出装置として用いてもよい。
上記実施形態では、操作センサ42aをアクチュエータの操作状態を検出する操作状態検出装置として用いる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。操作センサ42aに代えて、圧力センサ94を駆動回路系統HC1のアクチュエータの操作状態を検出する操作状態検出装置として用いてもよい。
駆動回路系統HC1の全てのアクチュエータが非操作状態であり、全ての制御弁Vが中立位置にある場合、制御弁ユニット20の背圧P1は所定圧力以上となる。これに対して、駆動回路系統HC1のアクチュエータの少なくとも一つが操作状態であり、当該アクチュエータに対応する制御弁Vが所定の切り換え位置(例えばフルストローク)に切り換えられると、中立通路21aが遮断されるので、圧力センサ94で検出される制御弁ユニット20の背圧P1は所定圧力未満となる。このため、スタンバイ状態であるか、あるいは非スタンバイ状態であるかを判定するための圧力閾値としての操作状態判定圧力Pt1を予め定め、コントローラ40の記憶部に記憶させる。
コントローラ40は、圧力センサ94で検出された制御弁ユニット20の背圧P1が操作状態判定圧力Pt1以上である場合、駆動回路系統HC1の全てのアクチュエータが非操作状態、すなわちスタンバイ状態であると判定する。コントローラ40は、圧力センサ94で検出された制御弁ユニット20の背圧P1が操作状態判定圧力Pt1未満である場合、駆動回路系統HC1のアクチュエータの少なくとも一つが操作状態、すなわち非スタンバイ状態であると判定する。このように、スタンバイ状態であるか否かの判定方法として、圧力センサ94で検出される背圧P1を用いた場合であっても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
<変形例7>
上記実施形態では、コントローラ40が、エンジン11の回転速度Nの変化を監視し、高負荷作業時等によりエンジン11の回転速度Nが低下したと判定したときに、蓄圧制御弁74を連通位置74bに切り換えて、エンジン11の駆動をアシストする例について説明したが、本発明はこれに限定されない。
上記実施形態では、コントローラ40が、エンジン11の回転速度Nの変化を監視し、高負荷作業時等によりエンジン11の回転速度Nが低下したと判定したときに、蓄圧制御弁74を連通位置74bに切り換えて、エンジン11の駆動をアシストする例について説明したが、本発明はこれに限定されない。
例えば、コントローラ40は、エンジン11がアシストを必要としているか否かを予め設定されたアシスト開始回転速度を基準に判定してもよい。この場合、コントローラ40は、非スタンバイ状態である場合に、回転速度センサ44により検出されるエンジン11の回転速度Nが予め設定されたアシスト開始回転速度よりも大きいと判定したときには、蓄圧制御弁74を遮断位置74aに維持する。コントローラ40は、非スタンバイ状態である場合に、回転速度センサ44により検出されるエンジン11の回転速度Nが予め設定されたアシスト開始回転速度以下と判定したときには、蓄圧制御弁74を連通位置74bに切り換える。
以下、本発明の実施形態の構成、作用、及び効果をまとめて説明する。
エネルギ回生システム100は、エンジン11により駆動され作動油を吐出するポンプ10と、ポンプ10から供給通路21を通じて複数のアクチュエータに供給される作動油の流れを制御する複数の制御弁Vを備えた制御弁ユニット20を有する駆動回路系統HC1と、供給通路21のポンプ10と制御弁ユニット20との間から分岐する回生通路65,28と、エンジン11に接続され、回生通路65,28を通じて導かれる作動油により作動しエンジン11の駆動をアシストする回生モータ80と、ポンプ10と制御弁ユニット20との間に設けられ、開弁時にポンプ10から回生モータ80への作動油の流れを許容し、閉弁時にポンプ10から回生モータ80への作動油の流れを遮断するスタンバイ回生弁85と、アクチュエータの操作状態を検出する操作状態検出装置(42a,94)と、操作状態検出装置(42a,94)により駆動回路系統HC1の全てのアクチュエータが非操作状態であることが検出されると、スタンバイ回生弁85を開弁し、駆動回路系統HC1のアクチュエータの少なくとも一つが操作状態であることが検出されると、スタンバイ回生弁85を閉弁する回生制御部(コントローラ40)と、回生通路28から分岐する分岐通路28aと、分岐通路28aを介して回生通路28に接続されるアキュムレータ75と、分岐通路28aに設けられ、開弁時に作動油の流れを許容し、閉弁時に作動油の流れを遮断する蓄圧制御弁74と、アキュムレータ75の圧力を検出する圧力センサ43と、スタンバイ回生弁85の開弁時において、圧力センサ43で検出されたアキュムレータ75の圧力P2が予め定められた第1圧力(Pt2,Pt21)未満となった場合に蓄圧制御弁74を開弁し、圧力センサ43で検出されたアキュムレータ75の圧力P2が予め定められた第2圧力(Pt2,Pt22)以上となった場合に蓄圧制御弁74を閉弁するアキュムレータ制御部(コントローラ40)と、を備える。
この構成では、駆動回路系統HC1の全てのアクチュエータが非操作状態であるときに、ポンプ10から吐出される作動油の一部をアキュムレータ75に蓄圧することができる。アキュムレータ75内に蓄圧された作動油は、所望のタイミングで、ポンプ10から吐出される作動油とともに回生モータ80に供給することができる。つまり、本実施形態によれば、駆動回路系統HC1の全てのアクチュエータが非操作状態のときに、ポンプ10から吐出される作動油を有効に利用することができる。
エネルギ回生システム100は、スタンバイ回生弁85が、開弁時及び閉弁時のそれぞれにおいて、ポンプ10から吐出される作動油が制御弁ユニット20へ流れることを許容し、閉弁時には、作動油の流れに抵抗を付与する絞り85dを通じて、ポンプ10から制御弁ユニット20へ作動油を導く。
この構成では、回生モータ80に供給される作動油の流量を低減できるので、回生モータ80の吸込側圧力が高圧になることを、効果的に防止できる。
エネルギ回生システム100は、ポンプ10が、可変容量型ポンプであり、回生モータ80は、可変容量型モータであり、ポンプ10の押しのけ容積に基づいて、回生モータ80の押しのけ容積を制御するモータ制御部(コントローラ40)をさらに備える。
エネルギ回生システム100は、コントローラ40が、スタンバイ回生弁85が開弁しているとき、ポンプ10から制御弁ユニット20に供給される作動油の流量と、ポンプ10から回生モータ80に供給される作動油の流量との比率が、予め定められた所定比率となるように、回生モータ80の押しのけ容積を制御する。
これらの構成では、回生モータ80の吸込側圧力が負圧になったり高圧になったりすることを効果的に防止できる。
エネルギ回生システム100は、回生通路28から分岐してタンク12に接続されるタンク通路95に設けられ、タンク12から回生モータ80の吸込側への作動油の流れを許容し、回生モータ80の吸込側からタンク12への作動油の流れを遮断する逆止弁92をさらに備える。
この構成では、回生モータ80に供給される作動油の流量が不足した場合に、回生モータ80の吸込側にタンク12から作動油を供給することができるので、回生モータ80の吸込側圧力が負圧になることを効果的に防止できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
10・・・ポンプ(流体圧ポンプ)、11・・・エンジン、12・・・タンク、21・・・供給通路、28・・・共通回生通路(回生通路)、28a・・・分岐通路、30・・・旋回モータ(アクチュエータ)、40・・・コントローラ(回生制御部、アキュムレータ制御部、モータ制御部)、42a・・・操作センサ(操作状態検出装置)、43・・・圧力センサ(圧力検出装置)、50・・・ブームシリンダ(アクチュエータ)、60・・・アームシリンダ(アクチュエータ)、65・・・スタンバイ回生通路(回生通路)、70・・・バケットシリンダ(アクチュエータ)、74・・・蓄圧制御弁(切換弁)、75・・・アキュムレータ、80・・・回生モータ(流体圧回生モータ)、85,285・・・スタンバイ回生弁(回生制御弁)、85d・・・絞り、92・・・逆止弁、94・・・圧力センサ(操作状態検出装置)、95・・・タンク通路、100・・・エネルギ回生システム、HC1・・・駆動回路系統、V・・・制御弁(アクチュエータ制御弁)
Claims (5)
- エンジンにより駆動され作動流体を吐出する流体圧ポンプと、
前記流体圧ポンプから供給通路を通じて複数のアクチュエータに供給される作動流体の流れを制御するアクチュエータ制御弁を有する駆動回路系統と、
前記供給通路の前記流体圧ポンプと前記アクチュエータ制御弁との間から分岐する回生通路と、
前記エンジンに接続され、前記回生通路を通じて導かれる作動流体により作動し前記エンジンの駆動をアシストする流体圧回生モータと、
前記流体圧ポンプと前記アクチュエータ制御弁との間に設けられ、開弁時に前記流体圧ポンプから前記流体圧回生モータへの作動流体の流れを許容し、閉弁時に前記流体圧ポンプから前記流体圧回生モータへの作動流体の流れを遮断する回生制御弁と、
前記アクチュエータの操作状態を検出する操作状態検出装置と、
前記操作状態検出装置により前記駆動回路系統の全ての前記アクチュエータが非操作状態であることが検出されると、前記回生制御弁を開弁し、前記駆動回路系統の前記アクチュエータの少なくとも一つが操作状態であることが検出されると、前記回生制御弁を閉弁する回生制御部と、
前記回生通路から分岐する分岐通路と、
前記分岐通路を介して前記回生通路に接続されるアキュムレータと、
前記分岐通路に設けられ、開弁時に作動流体の流れを許容し、閉弁時に作動流体の流れを遮断する切換弁と、
前記アキュムレータの圧力を検出する圧力検出装置と、
前記回生制御弁の開弁時において、前記圧力検出装置で検出された前記アキュムレータの圧力が予め定められた第1圧力未満となった場合に前記切換弁を開弁し、前記圧力検出装置で検出された前記アキュムレータの圧力が予め定められた第2圧力以上となった場合に前記切換弁を閉弁するアキュムレータ制御部と、を備える
ことを特徴とするエネルギ回生システム。 - 請求項1に記載のエネルギ回生システムにおいて、
前記回生制御弁は、開弁時及び閉弁時のそれぞれにおいて、前記流体圧ポンプから吐出される作動流体が前記アクチュエータ制御弁へ流れることを許容し、閉弁時には、作動流体の流れに抵抗を付与する絞りを通じて、前記流体圧ポンプから前記アクチュエータ制御弁へ作動流体を導く
ことを特徴とするエネルギ回生システム。 - 請求項1または請求項2に記載のエネルギ回生システムにおいて、
前記流体圧ポンプは、可変容量型ポンプであり、
前記流体圧回生モータは、可変容量型モータであり、
前記流体圧ポンプの押しのけ容積に基づいて、前記流体圧回生モータの押しのけ容積を制御するモータ制御部をさらに備える
ことを特徴とするエネルギ回生システム。 - 請求項3に記載のエネルギ回生システムにおいて、
前記モータ制御部は、前記回生制御弁が開弁しているとき、前記流体圧ポンプから前記アクチュエータ制御弁に供給される作動流体の流量と、前記流体圧ポンプから前記流体圧回生モータに供給される作動流体の流量との比率が、予め定められた所定比率となるように、前記流体圧回生モータの押しのけ容積を制御する
ことを特徴とするエネルギ回生システム。 - 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のエネルギ回生システムにおいて、
前記回生通路から分岐してタンクに接続されるタンク通路に設けられ、前記タンクから前記流体圧回生モータの吸込側への作動流体の流れを許容し、前記流体圧回生モータの吸込側から前記タンクへの作動流体の流れを遮断する逆止弁をさらに備える
ことを特徴とするエネルギ回生システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018018479A JP2019135406A (ja) | 2018-02-05 | 2018-02-05 | エネルギ回生システム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2019135406A true JP2019135406A (ja) | 2019-08-15 |
Family
ID=67623679
Family Applications (1)
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JP2018018479A Pending JP2019135406A (ja) | 2018-02-05 | 2018-02-05 | エネルギ回生システム |
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JP (1) | JP2019135406A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021067144A (ja) * | 2019-10-28 | 2021-04-30 | 株式会社クボタ | 作業機の油圧システム |
WO2022201792A1 (ja) * | 2021-03-24 | 2022-09-29 | 日立建機株式会社 | 作業機械 |
-
2018
- 2018-02-05 JP JP2018018479A patent/JP2019135406A/ja active Pending
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JP7214610B2 (ja) | 2019-10-28 | 2023-01-30 | 株式会社クボタ | 作業機の油圧システム |
WO2022201792A1 (ja) * | 2021-03-24 | 2022-09-29 | 日立建機株式会社 | 作業機械 |
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