JP2019134128A - 発光モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】発光素子自体とは異なる指向特性を有する発光モジュールを提供する。【解決手段】発光モジュール20は、基板22と、基板の上に設けられた、紫外線または短波長可視光を発する発光素子24と、発光素子の発光面24a側に設けられた、発光素子が発する紫外線または短波長可視光により励起された可視光を出射する光波長変換部26と、を備える。光波長変換部26は、出射する可視光の強度がピークとなる方向が発光素子が発する紫外線または短波長可視光の強度がピークとなる方向と異なるように構成されている。【選択図】図4

Description

本発明は、発光モジュールに関する。
従来、可視光を出射するLED光源を用いた照明装置が考案されている。一般的なLED光源は指向性が高いため、LED光源の発光面の正面は明るく照射される一方、それ以外の場所は明るく照射されない。そのため、LED光源を用いた照明装置は、用途によっては求められる配光特性を得ることが困難な場合がある。このような場合、照明装置として光の指向性を制御する必要がある。
例えば、基板上に設けられたLED光源の発光面側を、複数の異なる方向を向いた面を有する透光カバーで覆うように構成され、透光カバーには散乱フィルが含有されている照明装置が考案されている(特許文献1参照)。
特開2013−251080号公報
しかしながら、上述の照明装置では、指向性のある光源から出射した可視光がそのまま透光カバーに到達するため、透光カバーのうち、光源の側方にある領域には光源の光がほとんど届かない。そのため、一つの面内での明るさの濃淡が大きくなりがちである。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、発光素子自体とは異なる指向特性を有する発光モジュールを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の発光モジュールは、基板と、基板の上に設けられた、紫外線または短波長可視光を発する発光素子と、発光素子の発光面側に設けられた、発光素子が発する紫外線または短波長可視光により励起された可視光を出射する光波長変換部と、を備える。光波長変換部は、出射する可視光の強度がピークとなる方向が発光素子が発する紫外線または短波長可視光の強度がピークとなる方向と異なるように構成されている。
この態様によると、光波長変換部が出射する可視光の指向性が、発光素子が発する紫外線または短波長可視光の指向性と異なるので、光源自体とは異なる指向特性を有する発光モジュールを実現できる。
光波長変換部は、可視光が出射する出射面が発光素子の発光面に対して斜めになるように配置されており、出射面は、出射する可視光の強度がピークとなる方向に対して実質的に垂直になるように設けられていてもよい。これにより、光波長変換部の出射面から出射する可視光の強度がピークとなる方向を、発光素子の発光面に対して斜めにできるため、レンズ等の光学制御部品を用いずに発光モジュールの指向特性を変えることができる。
光波長変換部は、発光素子の発光面を封止し、または、発光素子の発光面を封止する部材と接し、紫外線または短波長可視光が透過する透過部材と、透過部材に含有されている蛍光体と、を有してもよい。これにより、発光面が空気よりも高い屈折率を有する材料で覆われるため、発光面からの光の取り出し効率が向上する。
光波長変換部は、基板に対して非平行に配置された複数の板状の透過部材、または、基板に対して非平行な複数の出射面を持つ透過部材と、透過部材に含有されている蛍光体と、を有してもよい。透過部材は、発光素子から離間して配置されていてもよい。これにより、発光素子の指向性と異なる指向性を有する光波長変換部を簡易な構成で実現できる。
透過部材は、発光素子が発する紫外線または短波長可視光の相対放射強度が0.5以上の放射角度の範囲に含まれるように、基板から離間して配置されていてもよい。これにより、発光素子が発する紫外線または短波長可視光を透過部材の全体に入射させることができるため、可視光が出射する光波長変換部の発光面内での明るさの差を低減できる。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、発光素子自体とは異なる指向特性を有する発光モジュールを実現できる。
本実施の形態に係る発光モジュールを備えた車両用灯具の概略構成を示す断面図である。 図2(a)は、一般的なLEDの指向特性を説明するための模式図、図2(b)は、本実施の形態に係る発光モジュールの指向特性の一例を説明するための模式図である。 図1に示す発光モジュールの斜視図である。 図3に示す発光モジュールのA−A断面図である。 図4に示す発光モジュールの変形例を示す図である。 第2の実施の形態に係る発光モジュールの側面図である。 図7(a)は、出射面が平面の場合の光の全反射の様子を示す図、図7(b)は、出射面が凹凸面の場合の光の出射の様子を示す図である。 図8(a)〜図8(f)は、凹凸面の凸部の一例を示す図である。 図9(a)、図9(b)は、凹凸面の凹部の一例を示す図である。 図10(a)は、第4の実施の形態に係る発光モジュールの側面図、図10(b)は、第4の実施の形態の変形例に係る発光モジュールの側面図である。 図11(a)は、第5の実施の形態に係る発光モジュールの側面図、図11(b)は、第5の実施の形態の変形例に係る発光モジュールの側面図、図11(c)は、第5の実施の形態の他の変形例に係る発光モジュールの側面図である。 第6の実施の形態に係る発光モジュールの側面図である。 第7の実施の形態に係る発光モジュールの側面図である。 第8の実施の形態に係る車両用灯具の模式図である。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組合せは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
[第1の実施の形態]
(車両用灯具)
本実施の形態に係る発光モジュールは、車両用灯具に搭載することができる。車両用灯具としては、例えば、ヘッドランプ、テールランプ、コーナーリングランプ、クリアランスランプ、ターンシグナルランプ、コーナーリングランプ等が挙げられる。図1は、本実施の形態に係る発光モジュールを備えた車両用灯具の概略構成を示す断面図である。
図1に示す車両用灯具100は、ランプボディー102と、ランプボディー102の開口部を覆うようにランプボディー102に装着される透明カバー104と、ランプボディー102と透明カバー104とで囲まれた灯室106内に配置されている発光モジュール10と、を備える。
発光モジュール10は、図1に示すように、車両用灯具100の形状や配置によっては、車両前後方向Xに対してモジュールの長手方向Yが斜めとなるように配置する場合がある。この場合、発光モジュール10の基板に対して垂直な方向X’が光軸となるのが一般的である。そのため、車両前後方向Xが光軸となる配光が求められるような場合、発光モジュールにおける発光素子の発光面の向きやレイアウト、搭載基板の形状等を工夫する必要があり、発光モジュールとしての汎用性が低下する。
一方、車両用灯具100の形状や配置によっては、車両前後方向Xに対してモジュールの長手方向Yが垂直となるように配置する場合がある。この場合、発光モジュール10の基板に対して垂直な方向X’が光軸となるのが一般的である。そのため、車両前後方向Xから斜めの方向が光軸となる配光を実現するためには、何らかの工夫が必要である。
図2(a)は、一般的なLEDの指向特性を説明するための模式図、図2(b)は、本実施の形態に係る発光モジュールの指向特性の一例を説明するための模式図である。なお、図2(a)、図2(b)に示すグラフは、放射角度と相対照度との関係を示している。
図2(a)に示すように、一般的なLED108の指向特性は、発光面108aの正面(放射角度0°)が一番強度が大きい。ところが、図2(b)に示すように、LED108の正面に蛍光体を含有する光波長変換シート109を斜め(発光面に対して30°)に配置すると、発光モジュール全体の指向特性が変わる。具体的には、光波長変換シート109の正面(放射角度−30°)が一番強度が強くなる。つまり、本願発明者は、光波長変換部の構成を工夫することで、出射する波長変換光の強度がピークとなる方向が発光素子が発する紫外線または短波長可視光の強度がピークとなる方向と異なるようにできる点に想到した。以下、光波長変換部の様々な構成を各実施の形態を参照して説明する。
図3は、図1に示す発光モジュール10の斜視図である。図4は、図3に示す発光モジュール10のA−A断面図である。図3に示す発光モジュール10は、複数の発光素子がライン状に配列しているものであるが、以下では、発光素子が一つの発光モジュールを例に説明する。当然、本実施の形態に係る発光モジュールは、一つの発光素子の場合に限らず、複数の発光素子がライン状またはマトリックス状に配列されている場合も含まれる。
図4に示す第1の実施の形態に係る発光モジュール20は、基板22と、基板22の上に設けられた、紫外線または短波長可視光を発する発光素子24と、発光素子24の発光面24a側に設けられた、発光素子24が発する紫外線または短波長可視光により励起された可視光を出射する光波長変換部26と、を備える。光波長変換部26は、発光素子24の発光面24aを封止し、紫外線または短波長可視光が透過する透過部材28と、透過部材28に含有されている蛍光体30と、を有している。これにより、発光面24aが空気よりも高い屈折率を有する材料(例えば、屈折率1.4のシリコーン樹脂)で覆われるため、発光面24aからの光の取り出し効率が向上する。
(基板)
本実施の形態に係る基板22は、セラミックス基板、ガラスエポキシ基板、金属(Al,Cu等)基板、樹脂またはセラミックと導電性部材とからなるリードフレーム等であり、LEDチップやLEDパッケージを搭載可能なものであればよい。
(発光素子)
本実施の形態に係る発光素子24は、少なくとも紫外線又は短波長可視光を発するものであればその発光スペクトルは特に限定されるものではないが、発光装置の発光効率等の観点から、発光スペクトルのピークが380nm〜430nmの波長域にあることが好ましい。
また、発光素子の具体例としては、例えば、LEDやLD、EL等の半導体発光素子、真空放電や熱発光からの発光を得るための光源、電子線励起発光素子等の各種光源を用いることができる。発光素子として半導体発光素子を用いることにより、小型で省電力、長寿命な発光装置を得ることができる。このような半導体発光素子の好適な例として、400nm付近の波長域の発光特性が良好であるGaN系化合物(GaN、InGaN等)やAlN系化合物のLEDやLDを挙げることができる。また、LEDチップやLEDチップをパッケージングしたものであってもよい。
(透過部材)
透過部材28は、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ガラス等の可視光を透過する部材であれば特に限定されないが、発光素子24の光で劣化しない材料が好ましい。また、透過部材28から出射する光に対して、発光素子24が発した光が透過する割合が20%以下となるように光波長変換部26を構成することが好ましい。より好ましくは透過率が5%以下となるように光波長変換部26を構成するとよい。
(蛍光体)
本実施の形態に係る蛍光体30は、380nm〜430nmの波長域の光で励起される蛍光成分を含有していればよい。蛍光成分としては、例えば、発光スペクトルのピーク波長が550〜600nmの範囲にある黄色蛍光体、発光スペクトルのピーク波長が430〜480nmの範囲にある青色蛍光体、発光スペクトルのピーク波長が480〜550nmの範囲にある緑色蛍光体、発光スペクトルのピーク波長が600〜700nmの範囲にある赤色蛍光体、発光スペクトルのピーク波長が580〜620nmの範囲にあるアンバー色蛍光体である。また、蛍光体は、発光モジュールに要求される色や発光強度に応じて複数種の中から適宜選択してもよい。
光波長変換部26に含有される蛍光体全体の濃度は、0.1vol%以上であればよく、好ましくは0.5vol%以上、より好ましくは1.0vol%以上である。蛍光体全体の濃度が0.1vol%以上であれば、発光素子が発する光により十分な光束の可視光を生成できる。また、光波長変換部26に含有される蛍光体全体の濃度は、30vol%以下であればよく、好ましくは10vol%以下、より好ましくは6.0vol%以下である。蛍光体全体の濃度が30vol%以下であれば、蛍光体で励起された可視光が他の蛍光体で散乱、遮蔽される割合が低減され、発光モジュールの発光効率の低下が抑制される。
(発光モジュールの製造方法)
次に、本実施の形態に係る発光モジュールの製造方法の一例について説明する。はじめに、予め回路パターンを形成したアルミナ、アルミニウム又はガラス強化エポキシ樹脂等からなる基板上に、1個又は複数個の、近紫外線又は短波長可視光を発するLEDチップを実装する。実装方法は、予めLEDチップをパッケージ化した後、半田実装する方法や、LEDチップを基板にダイボンド材によりダイボンディングした後に金ワイヤーとボンディングを行うチップオンボード実装等により行われる。
実装された各LEDチップの直上に、LEDチップからの発光を吸収し、各色の光に変換する蛍光体を含有するシリコーン樹脂を光波長変換部26として実装する。本実施の形態に係る光波長変換部26は、図4に示すように、断面が三角形の三角柱部材である。
光波長変換部26は、発光素子24の発光面24aの上にあり、面積が広い主光出射面32と、発光素子24の発光面24aの上になく、主光出射面32よりも面積が狭い副光出射面34と、を有する。このように、本実施の形態に係る光波長変換部26は、主光出射面32の面積を副光出射面34よりも大きくすることで、紫外線または短波長可視光が蛍光体30により変換された変換光が主光出射面32から多く出射することになる。なお、主光出射面32は必ずしも完全な平坦面でなくてもよく、多少湾曲した曲面を有していてもよい。
そのため、光波長変換部26は、出射する可視光の強度がピークとなる方向D2が発光素子が発する紫外線または短波長可視光の強度がピークとなる方向D1と異なるように構成されていることになる。これにより、光波長変換部26が出射する可視光の指向性が、発光素子24が発する紫外線または短波長可視光の指向性と異なるので、光源である発光素子24自体とは異なる指向特性を有する発光モジュール20を実現できる。
また、光波長変換部26は、可視光が出射する主光出射面32が発光素子24の発光面24aに対して斜めになるように配置されている。主光出射面32は、出射する可視光の強度がピークとなる方向に対して実質的に垂直になるように設けられている。これにより、光波長変換部26の主光出射面32から出射する可視光の強度がピークとなる方向を、発光素子24の発光面24aに対して斜めにできるため、レンズ等の光学制御部品を用いずに発光モジュール20の指向特性を変えることができる。
図5は、図4に示す発光モジュール20の変形例を示す図である。図5に示す発光モジュール40は、光波長変換部26の上面に、複数の主光出射面32aと複数の副光出射面34aとが交互に並んでいる。このような構成によっても、複数の主光出射面32aの総和が複数の副光出射面34aの総和よりも大きいため、光波長変換部26から出射する可視光の強度がピークとなる方向D2が発光素子が発する紫外線または短波長可視光の強度がピークとなる方向D1と異なるように光波長変換部26は構成されていることになる。
なお、上述の発光モジュール20や発光モジュール40において、副光出射面を金属薄膜のような光反射層で覆ってもよい。これにより、副光出射面から出射しようとする変換光が光波長変換部26の内部に向けて反射され、少なくとも一部が主光出射面から出射することで、発光モジュール全体の指向特性が主光出射面に垂直な方向へとより近づく。
(第2の実施の形態)
図6は、第2の実施の形態に係る発光モジュールの側面図である。なお、第1の実施の形態に係る発光モジュール20と同様の構成については同じ符号を付して説明を適宜省略する。図6に示す発光モジュール50は、基板22と、基板22の上に設けられた、紫外線または短波長可視光を発する発光素子24と、発光素子24の発光面24a側に設けられた、発光素子24が発する紫外線または短波長可視光により励起された可視光を出射する光波長変換部52と、を備える。
光波長変換部52は、主光出射面54と、主光出射面54と面積がほぼ同じ副光出射面56と、を有する。主光出射面54には、表面に凹凸が形成されている。図7(a)は、出射面が平面の場合の光の全反射の様子を示す図、図7(b)は、出射面が凹凸面の場合の光の出射の様子を示す図である。
図7(a)に示すように、光波長変換部52の屈折率n1が空気の屈折率n2(≒1)より大きい場合、臨界角θより大きい角度で主光出射面32に入射した光は、全反射され外部へ出射されない。一方、図7(b)に示すように、臨界角θより大きい角度で主光出射面54に向かう光の一部は、凹凸面に入射する際に臨界角θより小さい入射角となり得る。そのため、主光出射面54のように表面に凹凸面を設けることで、主光出射面54における光取り出し効率が向上し、平坦面である副光出射面56と比較して、相対的に光の出射量が多くなる。
このように、本実施の形態に係る光波長変換部52は、主光出射面54の光取り出し効率を副光出射面56よりも大きくすることで、紫外線または短波長可視光が蛍光体30により変換された変換光が主光出射面54から多く出射することになる。
そのため、光波長変換部52は、出射する可視光の強度がピークとなる方向D2が発光素子が発する紫外線または短波長可視光の強度がピークとなる方向D1と異なるように構成されていることになる。これにより、光波長変換部52が出射する可視光の指向性が、発光素子24が発する紫外線または短波長可視光の指向性と異なるので、光源である発光素子24自体とは異なる指向特性を有する発光モジュール50を実現できる。
凹凸面は、Raが5μm〜数mmの範囲が好ましい。より好ましくは、Raが10μm〜5mm程度である。なお、凹凸面は、例えば、型自体の設けられた凹凸を転写して作成してもよいし、型抜きしてから後加工で形成してもよい。
図8(a)〜図8(f)は、凹凸面の凸部の一例を示す図である。凸部は、直方体(図8(a))、半球状(図8(b))、円錐状(図8(c))、三角錐、多角錐、円錐台、角錐台、釣鐘形状等であってもよい。また、断面が長方形や台形の四角柱形状(図8(d))、断面が半円の半円柱形状(図8(e))、断面が三角形の三角柱形状(図8(f))であってもよい。これにより、光波長変換部の主光出射面からの光の取り出し効率が向上する。
図9(a)、図9(b)は、凹凸面の凹部の一例を示す図である。凹部は、前述の凸部に相当する形状が凹んだものが用いられる。例えば、半球状の穴(図9(a))や半円柱状の溝(図9(b))であってもよい。これにより、光波長変換部の主光出射面からの光の取り出し効率が向上する。
なお、凹凸面は、種類の異なる凹部や凸部が混在していてもよく、また、規則的でもランダムに配置していてもよい。
(第3の実施の形態)
第1の実施の形態に係る発光モジュール20は、主光出射面32の代わりに、第2の実施の形態に係る主光出射面54を用いてもよい。これにより、主光出射面から出射する光の量は、副光出射面から出射する光の量と比較して、相対的に更に多くなるため、指向特性のピークとしたい方向を主光出射面に垂直な方向へより近づけることができる。
(第4の実施の形態)
図10(a)は、第4の実施の形態に係る発光モジュールの側面図、図10(b)は、第4の実施の形態の変形例に係る発光モジュールの側面図である。
図10(a)に示す発光モジュール60は、第1の実施の形態に係る発光モジュール20と比較して、光波長変換部62が発光素子24を直接封止していない点である。光波長変換部62は、断面L字の一部材であってもよいし、複数の板状の部材を組み合わせて作成してもよい。光波長変換部62の厚みtは、0.1〜10mmの範囲であり、好ましくは1〜3mm程度の範囲である。
光波長変換部62は、基板22に対して非平行に配置された複数の板状の透過部材、または、基板22に対して非平行な複数の出射面(主光出射面32、副光出射面34)を持つ透過部材28を有する。また、発光モジュール60は、発光素子24と光波長変換部62とが離間しており、その間は空気で満たされている。空気の代わりに蛍光体を含有しないシリコーン樹脂やガラス等をその空間に充填してもよい。なお、充填する材料の透過率は、発光素子が発する光に対して50%以上であるとよい。
このように空間が充填されている場合、光波長変換部62は、発光素子24の発光面24aを封止するシリコーン樹脂やガラスと接し、紫外線または短波長可視光が透過する透過部材28と、透過部材28に含有されている蛍光体30と、を有している。これにより、発光素子24の指向性と異なる指向性を有する光波長変換部62を簡易な構成で実現できる。
図10(b)に示す発光モジュール70は、第2の実施の形態に係る発光モジュール50と比較して、光波長変換部72の構成以外は同じである。光波長変換部72は、発光素子24の発光面24aを直接封止していない。
(第5の実施の形態)
図11(a)は、第5の実施の形態に係る発光モジュールの側面図、図11(b)は、第5の実施の形態の変形例に係る発光モジュールの側面図、図11(c)は、第5の実施の形態の他の変形例に係る発光モジュールの側面図である。
図11(a)に示す発光モジュール80は、光波長変換部26が発光素子24を封止せずに、基板22から離間している点が、第1の実施の形態に係る発光モジュール20との主な相違点である。
図11(b)に示す発光モジュール90は、光波長変換部62が基板22から離間している点が、第4の実施の形態に係る発光モジュール60との主な相違点である。
図11(c)に示す発光モジュール110は、発光素子24の発光面24aから側方に向けて出射された光を光波長変換部62に向けて反射する反射部材64を有する点が、図11(b)に示す発光モジュール90との主な相違点である。これにより、発光素子24が発する光を無駄なく光波長変換部62に導くことができる。
光波長変換部62における透過部材28は、発光素子24が発する紫外線または短波長可視光の相対放射強度が0.5以上の放射角度(±55〜70°)の範囲に含まれるように、基板22から離間して配置されている。これにより、発光素子24が発する紫外線または短波長可視光を透過部材28の全体に入射させることができるため、可視光が出射する光波長変換部62の発光面内(主光出射面32や副光出射面34)での明るさの差を低減できる。
(第6の実施の形態)
図12は、第6の実施の形態に係る発光モジュールの側面図である。図12に示す発光モジュール120は、第4の実施の形態に係る発光モジュール60と比較して、光波長変換部74の主光出射面54に凹凸面が形成されており、副光出射面34の反対側の入射面76にも凹凸面が形成されている点が主な相違点である。
特に、入射面76に形成されている凹凸面の働きにより、光波長変換部74に含まれている蛍光体30が発する変換光の一部を、入射面76より内部空間78に戻し、再度主光出射面54から外部へ出射させることで、主光出射面54から出射する光の量を増大させることができる。
前述の各実施の形態に係る発光モジュールによれば、光波長変換部の出射面の傾きや大きさを工夫することで、発光素子の指向特性と異なる指向特性が得られる。特に、光波長変換部が含有する蛍光体による変換光は、無指向性の光(等方的な光)であるため、出射面から垂直な方向(光軸)の強度が大きい。したがって、このような特性を利用することで、発光素子自体の発光面の向きが同じ場合であっても、主光出射面32の形状を工夫することで様々な配光の発光モジュールを実現できる。
(第7の実施の形態)
図13は、第7の実施の形態に係る発光モジュールの側面図である。発光モジュール130は、複数の発光素子24が基板22の上に一列に並んでおり、各発光素子24は光波長変換部82で封止されている。光波長変換部82は4つの主光出射面84a〜84dを有しているが、各主光出射面の傾きは外側(図の左側)になるにつれて徐々に変化するように構成されている。これにより、発光モジュール130は、車両前後方向Xから車幅方向Wまでの広い範囲の配光が可能となる。なお、主光出射面84a,84bを同じ傾きにし、主光出射面84c,84dを同じ傾きにしてもよい。
(第8の実施の形態)
図14は、第8の実施の形態に係る車両用灯具の模式図である。車両用灯具200は、発光モジュール140と、リフレクタ86と、を備える。発光モジュール140は、主光出射面32の構成を工夫することで、主光出射面32から出射する光の量を増加させることができる。これにより、リフレクタ86の長さを短くしても、発光モジュール140から十分な量の光をリフレクタ86に向けて出射できる。
以上、本発明を上述の実施の形態や実施例を参照して説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、実施の形態の構成を適宜組み合わせたものや置換したものについても本発明に含まれるものである。また、当業者の知識に基づいて実施の形態における組合せや処理の順番を適宜組み替えることや各種の設計変更等の変形を実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
10,20 発光モジュール、 22 基板、 24 発光素子、 24a 発光面、 26 光波長変換部、 28 透過部材、 30 蛍光体、 32 主光出射面、 34 副光出射面、 64 反射部材、 70 発光モジュール、 72,74 光波長変換部、 76 入射面、 80 発光モジュール、 82 光波長変換部、 86 リフレクタ、 90 発光モジュール、 100 車両用灯具。

Claims (5)

  1. 基板と、
    前記基板の上に設けられた、紫外線または短波長可視光を発する発光素子と、
    前記発光素子の発光面側に設けられた、前記発光素子が発する紫外線または短波長可視光により励起された可視光を出射する光波長変換部と、を備え、
    前記光波長変換部は、出射する可視光の強度がピークとなる方向が前記発光素子が発する紫外線または短波長可視光の強度がピークとなる方向と異なるように構成されていることを特徴とする発光モジュール。
  2. 前記光波長変換部は、可視光が出射する出射面が前記発光素子の発光面に対して斜めになるように配置されており、
    前記出射面は、出射する可視光の強度がピークとなる方向に対して実質的に垂直になるように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の発光モジュール。
  3. 前記光波長変換部は、
    前記発光素子の発光面を封止し、または、前記発光素子の発光面を封止する部材と接し、紫外線または短波長可視光が透過する透過部材と、
    前記透過部材に含有されている蛍光体と、
    を有することを特徴とする請求項1または2に記載の発光モジュール。
  4. 前記光波長変換部は、
    前記基板に対して非平行に配置された複数の板状の透過部材、または、前記基板に対して非平行な複数の出射面を持つ透過部材と、
    前記透過部材に含有されている蛍光体と、を有し、
    前記透過部材は、前記発光素子から離間して配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の発光モジュール。
  5. 前記透過部材は、前記発光素子が発する紫外線または短波長可視光の相対放射強度が0.5以上の放射角度の範囲に含まれるように、前記基板から離間して配置されていることを特徴とする請求項4に記載の発光モジュール。
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