JP2019132496A - 冷蔵庫 - Google Patents

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【課題】冷蔵室と冷凍室を別々の蒸発器で独立して冷却する高効率な冷蔵庫において、冷却ファンに起因する聴感の変化が小さく、流体騒音の小さい冷蔵庫を提供する。【解決手段】冷蔵室、冷凍室、野菜室と、圧縮機と、該圧縮機で圧縮され温度が上昇した冷媒の放熱を行なう放熱手段と、減圧手段とを備え、前記冷蔵室には、減圧されて低温となった冷媒が庫内空気と熱交換する第一蒸発器と、前記第一の蒸発器により生成された冷気を循環するための第一の送風機とを備え、前記冷凍室には、減圧されて低温となった冷媒が庫内空気と熱交換する第二蒸発器と、前記第二の蒸発器により生成された冷気を循環するための第二の送風機を備え、前記冷蔵室は最上段に備えられ、前記第一の送風機の形態は遠心ファンである。【選択図】図3

Description

本発明は、冷蔵庫に関するものである。
本技術分野の背景技術として、特開2014−40967号公報(特許文献1)及び特開2003−322451号公報(特許文献2)がある。
特許文献1には、本体である外郭が断熱箱体で構成されており、この断熱箱体の内部空間(すなわち庫内)は、上方から冷蔵室、冷凍室、野菜室を備え、冷凍室の背面側には、冷却器と、前記冷却器で生成した冷気を前記貯蔵室に供給する庫内ファン(送風手段)とを備えた冷蔵庫が開示されている(例えば特許文献1の図2参照)。
特許文献2には、本体である外郭が断熱箱体で構成されており、この断熱箱体の内部空間(すなわち庫内)は、上方から冷蔵室、冷却調理室、野菜室、冷凍室を備え、冷蔵室の背面側には、冷蔵室蒸発器と、前記冷蔵室蒸発器で生成した冷気を前記冷蔵室と前記冷却調理室に供給する冷蔵室ファンとを備え、また、冷凍室の背面側には、冷凍室蒸発器と、前記冷凍室蒸発器で生成した冷気を前記冷凍室に直接供給する冷凍室ファンを備え、野菜室は、冷凍室と冷蔵室との間の隔壁などを介して伝熱により間接的に冷却される冷蔵庫が開示されている(例えば特許文献2の図4参照)。
特開2014−40967号公報
特開2003−322451号公報
特許文献1記載の冷蔵庫では、1つの冷却器で複数の貯蔵室を冷却する構成となっている。このため、冷蔵室を冷却する際の冷却器の蒸発温度を高く設定しまうと冷凍室を暖めてしまうため、冷却器の蒸発温度を高く設定できない、言い換えると、圧縮器を低速で回すことができず、省エネルギー性能の低下が課題であった。
特許文献2記載の冷蔵庫では、冷蔵室と冷凍室に別々の蒸発器を備えている。そのため、冷蔵室を冷却する際の蒸発温度を低く設定していることから、圧縮機を高効率で運転して省エネルギー化を図ることができる。しかしながら、特許文献2記載の冷蔵庫では、最上段の貯蔵室である冷蔵室に冷蔵室ファンを備えている。一般的に、上下方向に複数の貯蔵室を備えた冷蔵庫では、最上段の貯蔵室が使用者(立位)の耳の高さに近くなる。このため、最上段の貯蔵室にファンを配設する際には、静粛性に十分配慮して、使用者に不快感を与えることを避けることが必要となる。しかしながら、特許文献2に記載の冷蔵庫では最上段の貯蔵室にファンを備えているが、静寂性に対する配慮が十分なされていなかったため、使用者に不快感を与えやすい、という課題があった。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、冷蔵室、冷凍室、野菜室と、圧縮機と、該圧縮機で圧縮され温度が上昇した冷媒の放熱を行なう放熱手段と、減圧手段とを備え、前記冷蔵室には、減圧されて低温となった冷媒が庫内空気と熱交換する第一蒸発器と、前記第一の蒸発器により生成された冷気を循環するための第一の送風機とを備え、前記冷凍室には、減圧されて低温となった冷媒が庫内空気と熱交換する第二蒸発器と、前記第二の蒸発器により生成された冷気を循環するための第二の送風機を備え、前記冷蔵室は最上段に備えられ、前記第一の送風機の形態は遠心ファンであることを特徴とする。
本発明によれば、冷却ファンに起因する聴感の変化が小さく、流体騒音の小さい冷蔵庫を提供できる。
実施例1に係わる冷蔵庫の正面図 図1のA−A断面図 図1のB−B断面図 実施例1に係る冷蔵庫の冷凍サイクルの構成図 実施例1に係る冷蔵庫の放熱手段の配置 実施例1に係る冷蔵庫の蒸発器の構成図 実施例1に係る冷凍室用送風機の斜視図 (a)風路抵抗が小さい場合のプロペラファンの流れの形態を示す断面図、(b)風路抵抗が大きい場合のプロペラファンの流れの形態を示す断面図 送風機の空力特性と騒音レベルの関係を示すグラフ 実施例1に係る冷蔵室用送風機の斜視図 (a)シロッコファンの断面図、(b)ターボファンの断面図 騒音の透過率とドアの面積密度の関係を示すグラフ 騒音の透過率と周波数の関係を示すグラフ (a)プロペラファンを鉛直に1つ実装した場合の比較例を示す断面図、(b)プロペラファンの水平に1つ実装した場合の比較例を示す断面図、(c)小径プロペラファンを水平に1つ実装した場合の比較例を示す断面図 図13(b)と図13(c)のファン空力特性と抵抗曲線の関係を示した図 図13(a)と図10のファン空力特性と抵抗曲線の関係を示した図 実施例1に係るターボファンを鉛直に実装した場合の断面図 図12のC−C断面図 実施例1に係る冷蔵庫の運転パターンの一例を示した図 図3の冷蔵室の拡大図 実施例1に係る冷蔵室の棚と送風路の関係を示した図2の要部拡大図 実施例1に係る冷蔵室(ドアなし)の正面斜視図 図2のD−D断面図 実施例1に係る冷蔵室(ドア・貯水タンク・チルド室・周囲断熱壁なし)の正面斜視図 実施例1に係る冷蔵庫(ドア・周囲断熱壁なし)の背面斜視図 実施例2に係る図1のA−A断面図 実施例3に係る図1のA−A断面図 実施例3に係る騒音の透過率と周波数の関係を示すグラフ
以下、本発明の実施例について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明に係る冷蔵庫の実施例1を、図1から図25を参照して説明する。
図1は実施例1に係わる冷蔵庫の正面図である。図1に示すように、本実施形態の冷蔵庫1は、上方から冷蔵室2、左右に併設された製氷室3と上段冷凍室4、下段冷凍室5、野菜室6の順番で構成されている。以下では、製氷室3、上段冷凍室4、下段冷凍室5は、まとめて冷凍室7と呼ぶ。冷蔵室2は左右に分割され、観音開きする回転式の冷蔵室ドア2a、ドア2bを備え、製氷室3、上段冷凍室4、下段冷凍室5、野菜室6は、それぞれ引き出し式のドア3a、ドア4a、ドア5a、ドア6aを備えている。また、これら複数のドアの内部材料は主にウレタンで構成されている。ここで、ウレタンの平均密度ρは50kg/m、ドアの平均厚さは40mmである。
冷蔵室2の高さH1は冷凍室7の高さH2より大きい構成(H1>H2)となっている。また、床から冷蔵室2のドア2a、ドア2bの下端までの距離をH5、製品高さをH6としたとき、H5は800〜1200mm、H6は1700〜2100mmとなるように、それぞれH5=950mm、H6=1820mmとしている。これにより、使用者が立った状態で冷蔵室を使えるため、使い勝手を向上している。
冷凍室7は、基本的に庫内を冷凍温度帯(0℃未満)の例えば平均的に−18℃程度にした貯蔵室であり、冷蔵室2及び野菜室6は庫内を冷蔵温度帯(0℃以上)とし、例えば冷蔵室2は平均的に4℃程度、野菜室6は平均的に7℃程度にした貯蔵室である。貯蔵室のうち、冷凍室7を冷蔵室2と野菜室6の間に配置することで、冷凍室7と庫外とを隔てる断熱壁の面積を最小にできるため、庫外空気から冷蔵庫1への熱侵入量を少なくして、冷蔵庫1の省エネルギー性能を高めている。
図2は図1のA−A断面図で、図3は図1のB−B断面図である。図に示すように、冷蔵庫1の庫外と庫内は、外箱10aと内箱10bとの間に発泡断熱材(例えば発泡ウレタン)を充填して形成される、箱体10によって隔てられている。箱体10には発泡断熱材に加えて複数の真空断熱材11(図3の点線)を、外箱10aと内箱10bとの間に実装している。ここで、真空断熱材11は、グラスウールやウレタン等の芯材を、外包材で包んで構成される。外包材はガスバリア性を確保するために金属層(例えばアルミニウム)を含むため、真空断熱材11の外周側は外包材の熱伝導により熱が伝わりやすい。
冷蔵室2と、上段冷凍室4及び製氷室3は断熱仕切壁12aによって隔てられ、同様に下段冷凍室5と野菜室6は断熱仕切壁12bによって隔てられている。また、製氷室3、上段冷凍室4、及び下段冷凍室5の各貯蔵室の前面側には、ドア3a、4a、5aの隙間を介して庫内外の空気が流通しないよう、断熱仕切壁12cを設けている。冷蔵室2のドア2a、2bの庫内側には複数のドアポケット13と、複数の棚14a、14b、14c、14dを設け、複数の貯蔵スペースに区画されている。複数の棚14a、14b、14c、14dは、両側面の内箱10bに設けられる複数の支持部(図示なし)により支持される。また、棚14a、14b、14cにはそれぞれ異なる高さに支持部が設けられているため、収納物に応じて棚14a、14b、14cの設置高さを調節できる。
冷凍室7及び野菜室6には、それぞれドア3a、4a、5a、6aと一体に引き出される製氷室容器(図示なし)、上段冷凍室容器4b、下段冷凍室容器5b、野菜室容器6bを備えている。
断熱仕切壁12aの上方には、冷蔵室2の温度帯よりも低めに設定されたチルド室15を備えている。チルド室15は、例えば蒸発器105aと送風機112aの制御、及び断熱仕切壁12a内に設けたヒータ(図示せず)により、冷蔵温度帯の例えば約0〜3℃にするモードと冷凍温度帯の例えば約−3〜0℃にするモードに切換えができる。
蒸発器105aは、冷蔵室2用のクロスフィンチューブ式熱交換器であり、冷蔵室2の背面側に備えた蒸発器室16a内に設けてある。蒸発器105aと熱交換して低温になった空気は、蒸発器105aより高い位置に設けた送風機112aにより、ケーシング17、吐出風路18a、上方に向けて開口した吐出口19aを介して冷蔵室2に送風され、冷蔵室2内を冷却する。冷蔵室2に送風された空気は、戻り口20aから蒸発器105aに戻る。
ここで、送風機112aの形態はターボファンとしている。また、ケーシング17の下部に開口部21を備えている。これにより、吐出風路18aから流れてきた結露水が溜まることを抑制し、送風機112aの動作不良を防いでいる。
蒸発器105aの空気側の表面で成長した霜は、蒸発器105aに冷媒を流さずに送風機112aを動作させることで、ヒータなどの加熱源を用いずに除霜できる。また、蒸発器105aの除霜運転時に冷蔵室2に送風される空気は0℃前後(霜の温度)であるため、除霜と同時に冷蔵室2を冷却できる。そのため、本実施例の形態は、ヒータなどの加熱源を用いた一般的な除霜に比べて消費電力が低く、かつ除霜運転時には圧縮機を運転することなく冷蔵室2を冷却できるため、除霜運転が頻繁に入る場合であっても冷蔵庫1の省エネルギー性能を損ないにくい構成となっている。
蒸発器105aの下方にある樋23aの表面にはヒータ24aを設けている。ヒータ24aに通電することで、樋23aに溜まった水が凍結しても、氷を融解して排水できる。樋23aで発生した融解水は、排水管25aを介して圧縮機100の上部に設けた蒸発皿26に排出される。
蒸発器105bは、冷凍室7用のクロスフィンチューブ式熱交換器であり、冷凍室7の背面側に備えた蒸発器室16b内に設けてある。蒸発器105bと熱交換して低温になった空気は、蒸発器105bの上方に設けた送風機112bにより、吐出風路18b、吐出口19bを介して冷凍室7に送風され、冷凍室7内を冷却する。冷凍室7に送風された空気は、蒸発器室105bの下方にある冷凍室戻り口20bを通り、蒸発器105bに戻る。また、送風機112bの形態にはプロペラファンを用いている。
本実施例の冷蔵庫1では、野菜室6も蒸発器105bで低温にした空気を直接送風することで冷却する。蒸発器105bで低温になった蒸発器室16bの空気は、送風機112bにより野菜室風路(図示せず)、野菜室ダンパ(図示せず)を介して野菜室6に送風され、野菜室6内を冷却する。野菜室6が低温の場合は、野菜室ダンパを閉じることで野菜室6の冷却を抑える。なお、野菜室6に送風された空気は断熱仕切壁12bの下部前方に設けた戻り口20cから戻り風路22を介して蒸発器室16bに戻る。
蒸発器105bの下方にはヒータ24bを設けている。ヒータ24bに通電することで、蒸発器105bの空気側の表面で成長した霜を溶かすことができるため、蒸発器105bの冷却性能の悪化を抑制できる。除霜時に発生した融解水は、蒸発器室16bの下部に設けた樋23bに落下し、排水管25bを介して機械室114内の圧縮機100の上部に設けた蒸発皿26に排出される。
冷蔵庫1の上面に備えるカバー27の内部には、庫外空気の温度、湿度を検知する温湿度センサ28を設けている。冷蔵庫1の上方背面側には制御基板29が配置されており、制御基板29に記憶された制御手段に従って冷凍サイクル、及び送風系の制御が実施される。
図4は、実施例1に係る冷蔵庫の冷凍サイクルの構成図である。本実施例の冷蔵庫1は、冷媒を圧縮する圧縮機100、放熱手段である庫外放熱器101と側面放熱配管102、前面放熱配管103、冷媒を減圧させるキャピラリチューブ104aと104b、吸熱手段である蒸発器105aと105b、液冷媒が圧縮機100に流入するのを防止する気液分離器106aと106b、冷媒流路を制御する三方弁107、冷媒の逆流を防止する逆止弁108、冷凍サイクル中の水分を除去するドライヤ109、冷媒流路を接続する冷媒合流部110を備えており、これらを冷媒配管111により接続することで冷媒を循環し、冷凍サイクルを構成している。ここで、蒸発器105aは送風機112aにより空気を流し、また蒸発器105bは送風機112bにより空気を流して、冷蔵室2および冷凍室7の冷却を促進している。同様に、庫外放熱器101は送風機113により空気を流して冷蔵庫1の放熱を促進している。
圧縮機100から吐出した冷媒は、庫外放熱器101、側面放熱配管102、前面放熱配管103、ドライヤ109の順に流れ、三方弁107に至る。三方弁107は流出口107aと流出口107bを備え、三方弁107に流入する冷媒は、流出口107aまたは流出口107bのどちらか一方に流れる。
流出口107aに冷媒が流れる冷蔵モードでは、冷媒はキャピラリチューブ104a、蒸発器105a、気液分離器106a、冷媒合流部110の順に流れた後、圧縮機100に戻る。キャピラリチューブ104aで低圧低温になった冷媒が蒸発器105aを流れ、蒸発器105aと冷蔵室2内の空気とが熱交換し、冷蔵室2の収納物を冷却する。
流出口107bに冷媒が流れる冷凍モードでは、冷媒はキャピラリチューブ104b、蒸発器105b、気液分離器106b、逆止弁108、冷媒合流部110の順に流れた後、圧縮機100に戻る。ここで逆止弁108は、冷媒が冷媒合流部110から気液分離器106b側へ流れないように配設している。キャピラリチューブ104bで低圧低温になった冷媒が蒸発器105bを流れ、蒸発器105bと冷凍室内の空気とが熱交換し、冷凍室7の収納物を冷却する。
図5は実施例1に係る冷蔵庫の放熱手段の配置である。庫外放熱器101(図示なし)は、機械室114に配置したフィンチューブ式の熱交換器で、側面放熱配管102は冷蔵庫1の側壁面に沿って配置した放熱パイプで、前面放熱配管103は冷蔵庫1の断熱仕切壁12a、12b、12c(図2参照)の前縁内側に配置した放熱パイプである。また、側面放熱配管102は冷蔵庫1の箱体10内の外箱10a側に埋設している。前面放熱配管103は各貯蔵室を分割する断熱仕切り壁12a、12b、12c(図2参照)といった、冷蔵庫1の前方側に埋設されている。また、前面放熱配管103は、放熱をするだけでなく、断熱仕切壁12a、12b、12cの結露防止の役割もある。
図6は実施例1に係る冷蔵庫の蒸発器の構成図であり、図6(a)は冷蔵用蒸発器の構成図、図6(b)は冷凍用蒸発器の構成図を示している。図6に示すように、蒸発器105aおよび蒸発器105bは、クロスフィンチューブ式熱交換器であり、複数枚のアルミニウム製のフィン115を、複数回に曲げられた伝熱管116が貫くように構成されている。本実施例では、蒸発器105aのフィンの平均積層間隔Pf1と蒸発器105bのフィンの平均積層間隔Pf2の関係はPf1≦Pf2となるように構成し、さらに、蒸発器105aの高さH3と蒸発器105bの高さH4の関係はH3≦H4となるように構成し、蒸発器105aの幅W1と蒸発器105bの幅W2の関係はW1≦W2となるように構成している。これにより、蒸発器105bは伝熱面積を確保しながら霜成長による空気側の流れの閉塞を抑制でき、ヒータ24bの通電回数を少なくなることで冷蔵庫1の省エネルギー性能を向上している。一方で、ヒータを用いずに除霜できる蒸発器105aは、伝熱面積を確保しながら小型化することができるため、省エネルギー性能を損なわずに冷蔵室2の内容積を増大している。
本実施例ではPf1を3mmとし、Pf2を5mmとしているが、本実施例で使用した寸法以外の場合でも、Pf1≦Pf2の関係が成り立てば同様な効果を得ることができる。
図7は実施例1に係る冷凍室用送風機の斜視図である。本実施例では送風機112bの翼枚数は3枚、翼直径は110mmであり、庫内に食品が少なく、蒸発器106bの霜成長の少ない通常状態では約1100〜1600min-1の回転速度で動作させている。送風機112bを動作させることで、ファンの吸込側から吹出側に向かって軸方向に送風される。
図2に示すように、冷凍室7は冷蔵室2に比べ上下方向の距離が短く(H1>H2)、さらに冷凍室7に備える蒸発器105bは冷蔵室2に備える蒸発器105aに比べ上下方向の距離が長く(H4>H3)構成されるため、蒸発器から吐出口までの経路が短い。そのため、ファンから吐出さる空気は、冷凍室7の前面側に向かって吐出される。このような前面吹き出しの送風路では、ファンの実装形態としては吸込と吹出の方向が同一であるプロペラファンを用いることで吐出風路18bおよび吐出口19bの配置が簡単化でき、冷凍室7の風路抵抗が低減されることで風量を増大できる。
また、本実施例のように、プロペラファンのうち翼間ピッチが広い(翼枚数が少ない)形態を用いることで、冷凍室7のように常時マイナス温度帯での使用においても、送風機112bでの霜成長により発生する冷蔵庫1の動作不良が起きにくくなる。
本実施例では最上段の貯蔵室(冷蔵室)に送風機112aを搭載している。。一般に冷蔵庫では特許文献に示されているようにプロペラファンが用いられている。プロペラファンは風路抵抗が変動した場合に騒音や聴感が変わりやすい特性を有している。そのため、冷蔵庫前方の使用者(立位)の耳の高さに近い音源となる送風機112aが、使用者に不快感を与えることがあった。上記の課題を解決するために、本実施例では112aの形態をターボファンとしたが、その理由を図8から図11を用いて説明する。
図8(a)は風路抵抗が小さい場合のプロペラファンの流れの形態を示す断面図、図8(b)は風路抵抗が大きい場合のプロペラファンの流れの形態を示す断面図である。本実施例は、風路が冷蔵室2で独立しているため、風路距離が短いことから抵抗を小さく抑えやすい形態となっている。そのため、庫内に食品が少なく、蒸発器での霜成長が少ない通常状態では、風路抵抗は比較的小さく、プロペラファンの流れは図8(a)に示すように軸流となることが多い。一方で、庫内に食品が多く、蒸発器で霜成長が多い高負荷状態では、送風路の抵抗は比較的大きく、プロペラファンの流れは図8(b)に示すように遠心となることが多い。
図9は送風機の空力特性と騒音レベルの関係を示すグラフである。図に示すように、庫内に食品が少なく、蒸発器での霜成長が少ない通常状態では、比較的風量が多く、騒音レベルは小さくなる。一方で、庫内に食品が多く、蒸発器で霜成長が多い高負荷状態においては、比較的風量は少なく、騒音レベルは大きくなる。
以上のようなプロペラファンの特性から、騒音や聴感に変化が生じることで使用者に不快感を与えやすいことが課題であった。
図10は実施例1に係る冷蔵室用送風機の斜視図である。本実施例における冷蔵室2用の送風機112aの実施形態には、ターボファンを用いている。図に示すように、ターボファンを動作させると、ターボファンの軸方向から風を吸込み、遠心力により外周側に運ばれて、外周側から全周に送風される。
ターボファンは、プロペラファンと比較して高静圧(風路抵抗が大きい)時に風量を増大させやすい特性、言い換えると、高静圧時に動作風量の低下や騒音の増大が少ない特性を持っている。くわえて、動作風量の変動によって流れの形態が大きく変わらないため、動作風量によって聴感の変化が小さい。
そのため、冷蔵室2内に食品が投入されて風路が狭まることによる抵抗の増大、あるいは蒸発器105aで霜が成長することによる抵抗の増大時においても、送風機112aの騒音の増大や聴感の変化が起き難くなり、冷蔵庫前方(扉側)の使用者(立位)の耳の高さに近い位置に送風機112aを備えた場合であっても、使用者に不快感を与えにくくすることができる。
本実施例では送風機112aの形態をターボファンとしたが、シロッコファンを用いた場合でも、動作点変動時に流れの形態が変わりにくいため、ターボファンと同様に聴感変化を抑えることができる。一方で、ファンから発生する騒音の絶対値に注目すると、ターボファンのほうが小さくなる。
図11は(a)はシロッコファンの断面図、図11(b)はターボファンの断面図である。図11(a)に示すように、シロッコファンは流れの向きに対して前向きに翼が配列されている。前記翼の特性から、流れの向きの転向が小さいために吹出風速はターボファンに比べて高く、騒音が増大しやすい(同一回転数、同一ファン径比較)。一方で、図11(b)に示すように、ターボファンは、吹出流れの向きに対して後ろ向きに翼が配列されている。前記の翼の特性から、流れの向きの転向が大きいために吹出風速はシロッコファンに比べて低く、騒音が小さくなりやすい。そのため、送風機112aの形態をターボファンとすることで、風路抵抗の変動に伴う聴感の変化が生じた場合でも、使用者が気づきにくくなり、より使用者に不快感を与えにくくすることができる。
図12は騒音の透過率とドアの面積密度にの関係を示すグラフである。送風機112aの形態だけでなく、ドアの面積密度を適正化することでも、騒音の絶対値をさらに低減できる。ドアを通過して聴こえる透過音Ltは、式(1)〜(2)によって求めることができる。
Figure 2019132496
Figure 2019132496
ここで、fは騒音の代表周波数、Mはドアの面積密度、ρはドアの平均密度、tはドア厚さ、Liは入射音である。
図は、入射音(音源)を20dB、騒音の代表周波数267Hzとし、縦軸を入射音Liに対する透過音Ltの比(透過率=Lt/Li×100%)で、横軸をドアの面積密度で表した結果である。騒音の代表周波数は、使用者に不快感を与えやすい騒音レベルである、送風機112aの最大回転数におけるファン単体のピーク周波数としている。また、本実施例ではドアはウレタン単相としているが、複層の場合は、各層の値を合計した値とする。具体的には、ウレタンの表面に鋼板や樹脂材料が備わっている場合は、それらについても考慮して算出する。
図より、使用者の近くに音源がある場合でも、冷蔵室2のドア(ドア2a、ドア2b)の面積密度を1.5kg/m以上とすることで流体音を約半減できる。これにより、使用者に騒音や聴感の変化を感じにくくさせることができる。
本実施例では代表周波数を267Hzとしたが、ファンの形態と最大回転数によっては代表周波数が異なっても構わない。また、使用するファンの代表周波数において、本実施例と同等程度の遮音効果が得られれば、必ずしも面積密度1.5kg/m以上でなくても良く、式(3)の関係を満足していれば良い。
Figure 2019132496
本実施例では、2つの送風機112a、112bの形態を異なるものにしている。これにより、ファンの翼枚数と回転数に起因する騒音のピーク周波数帯を大きくずらすことができるため、冷蔵室2から発生する騒音の急激な増加や、聴感の悪化を防ぐことができる。
本実施例では、ターボファンの翼枚数Z1と動作回転数N1に起因する騒音(Z1×N1)は183〜267s-1で発生し、プロペラファンの翼枚数Z2と動作回転数N2に起因する騒音(Z2×N2)は周波数55〜80s-1で発生する。そのため、これら2つのピーク周波数帯が異なるN1×Z1≠N2×Z2の関係が成り立つため、幅広い周波数帯に分布する流体音の低減だけでなく、ピーク周波数帯の騒音の急激な増加を防止できる。これにより、騒音特性(聴感)に変化が生じた場合であっても、使用者がより気づきにくくなる。
さらに、NZ音の倍数の騒音(2NZ音)はターボファンで367〜533s-1となり、プロペラファンで110〜160s-1となる。そのため、1NZ音に加えて2NZ音の発生範囲も含めた場合においても、2つの送風機112a、112bから発生するピーク周波数帯が異なるため、より騒音の急激な増加を防止できる。なお、本実施例ではターボファン及びプロペラファンの上記周波数帯は、通常運転時における一定時間以上の平均値を用いて比較したものであり、瞬間的にピーク周波数帯が一致することを妨げるものではない。
また、本実施例では、N1×Z1>N2×Z2の関係が成り立つように送風機の形態を構成している。送風機112bに対して送風機112a
のピーク周波数を高めることで、冷蔵室2のドア(ドア2a、ドア2b)を透過して聴こえる騒音を、冷凍室のドア(ドア3a、ドア4a、ドア5a)を透過して聴こえる騒音よりも小さくできる。この理由については図13を用いて説明する。
図13は騒音の透過率と周波数の関係を示すグラフである。図は、入射音(音源)を20dBとした計算結果であり、縦軸を入射音Liに対する透過音Ltの比(透過率=Lt/Li×100%)で、横軸を周波数で表している。図より、プロペラファンの1NZの範囲における透過率は約100%であるのに対して、ターボファンの1NZの範囲における透過率は49〜66%となる。そのため、冷蔵室2の送風機112aの形態にターボファンを選定することで、冷蔵室2から発生するピーク周波数帯の騒音が小さい冷蔵庫を提供できる。ここで、本実施例では冷蔵室2のドア(ドア2a、ドア2b)の厚さを40mm、平均密度を50kg/mとしているが、これらの値が異なる場合においても同様な効果が得られる。
以上のように、本実施例によれば、冷蔵室2の送風機112aの形態にターボファンを選定することで、冷蔵室2から発生する聴感の変化が小さく、流体騒音の小さい冷蔵庫を提供できる。
本実施例では、騒音の低減に加えて、送風性能の向上と、送風機の不良低減、冷蔵室2の内容積の増加、といった複数の観点からも送風機112aの形態としてターボファンを選定している。以下、図14〜図25を用いてターボファンを用いる理由をプロペラファン、シロッコファンと比較して詳細に説明する。
図14(a)はプロペラファンを鉛直に1つ実装した場合の比較例を示す断面図、図14(b)はプロペラファンを水平に1つ実装した場合の比較例を示す断面図、図14(c)は小径プロペラファンを水平に1つ実装した場合の比較例を示す断面図である。
図14(a)から(c)に示すように、冷蔵室用の送風機としては、一般にプロペラファンが用いられてきた。
図14(a)のように、送風機112aとしてプロペラファンを略鉛直に配置した形態では、流れの向きを転向するためのスペースが、プロペラファンの前面側と背面側に必要となる。そのため、蒸発器105aの奥行き寸法31より送風機112a周辺の送風路の奥行き寸法30が大きくなり、冷蔵室2の内容積が減少しやすい。
図14(b)のように送風機112aとしてプロペラファンを略水平に配置した形態では、流れの向きに対して障害物がないため送風効率を損なわずに動作できるが、送風機112a周辺の送風路の奥行き寸法30は送風機112aの直径相当が必要となる。そのため、蒸発器105aの奥行き寸法31より送風機112a周辺の送風路の奥行き寸法30が大きくなり、冷蔵室2の内容積が減少しやすい。
図14(c)のように、送風機112aとしてプロペラファンの直径Dを小さくした場合においては内容積の減少を抑えることはできるが、風量が少なくなり、省エネルギー性能が低下する。そこで、図14(c)の形態で、送風機112aとしてプロペラファンを冷蔵庫1の左右方向で並列に複数個(例えば2つ)、略水平に配置した場合は、送風機112a周辺の送風路の奥行き寸法30を蒸発器105aの奥行き寸法31に近づけて十分な風量を確保することができる。しかしながら、送風機112aを並列に配置しているので、蒸発器105aの表面に霜が成長して抵抗が増大した場合においては、風量が減少しやすいため、省エネルギー性能が低下してしまうおそれがある。図15を用いて理由を説明する。
図15は、図14(b)と図14(c)のファン空力特性と抵抗曲線の関係を示した図である。実線は図14(b)の形態を、点線は図14(c)の形態でプロペラファンが1つの場合を、一点鎖線は図14(c)の形態でプロペラファンを並列に2つ配置した場合を示している。また、ここでは特性を理解し易くするために、いずれもファンの回転数は同一な場合を示しており、それぞれの動作点を黒丸で示している。
図15(a)に示すように、蒸発器に霜が付着していない通常運転時においては、低静圧高風量の条件となるため、抵抗曲線は図のように緩やかな曲線を描く。図14(b)の形態(実線)に対して、図14(c)のようにファン径を小さくすると(点線)、風量および静圧が低下する。さらに図14(c)の形態でプロペラファンを2つ備えると(一点鎖線)、1つの場合に対して、静圧0の風量が2倍となる。そのため、図14(b)の形態と図14(c)の形態(プロペラファンを2つ)を、同等風量で動作させることができる。
図15(b)に示すように、蒸発器の表面に霜が成長した場合においては、高静圧低風量の条件となるため、抵抗曲線は図のように急な曲線を描く。そのため、図14(b)の形態に対して、図14(c)の形態(プロペラファンが2つ)は風量が減少して、冷蔵庫1の省エネルギー性能が低下してしまう。
以上のようにプロペラファンを搭載した従来例では、省エネルギー性能を確保しながら冷蔵室2の内容積を拡大することが課題であり、プロペラファンの直径と個数を工夫した場合においても、高静圧低風量条件で風量が減少しやすいことが課題であった。
図16は、同一翼直径、同一回転数のプロペラファンとターボファンの空力特性と抵抗曲線の関係を示した図である。図16(a)に示すように、蒸発器105aに霜が付着の少ない通常状態においては、ターボファンを実装した場合とプロペラファンを実装した場合で同等の風量を確保することができる。図16(b)に示すように、蒸発器105aの表面に霜が成長した状態においては、本実施例のようにターボファンを実装することで、プロペラファンを実装した場合より風量を増大させることができる。本実施例においては、前記したように蒸発器105aの除霜時にも送風機112aを動作させるため、除霜運転の効率向上により、冷蔵庫1の省エネルギー性能を高めることもできる。
また、本実施例のように、軸方向に吸込んだ流れを径方向に吹出す特性を有する送風機の形態としては、本実施例に用いたターボファンの他に、シロッコファンがある。一般的に、これらの形態のうちターボファンは翼枚数が少ない。翼枚数が少ないターボファンを用いることで、翼間での霜の成長による空気側の流れの閉塞が起きにくくなる。
このように、本実施例によれば、冷凍室7の送風機112bの形態にプロペラファンを、冷蔵室2の送風機112aの形態にターボファンを選定することで、冷蔵庫1の内容積の増加と高い省エネルギー性能とを両立できる。
図17は実施例1に係るターボファンを鉛直に実装した場合の断面図である。図17に示すように、本実施例の冷蔵庫では、送風機112aとしてターボファンを略鉛直に配置している。また、送風機112aの前面側端部は、蒸発器105aの前面側端部よりも背面側に位置する。そして、送風機112aの鉛直投影と蒸発器105aの鉛直投影とは少なくとも一部が重なっており、本実施例では、送風機112aの鉛直投影は蒸発器105aの鉛直投影内に含まれる配置となっている。
本実施例ではターボファンの翼を10枚で、翼直径を100mmで構成し、通常運転時には約1100〜1600min-1の回転速度で動作させている。ターボファンは軸方向に吸込んだ流れを径方向に吹出す特性を有するため、送風機112aと冷蔵庫2の背面との間に広いスペースが不要となる。これにより、送風効率を損なわずに送風機112aを配置した部分(送風機112a周辺)の送風路の奥行き寸法30を蒸発器105aの奥行き寸法31と同等にすることができるため、内容積の増加に寄与することができる。ここでの「同等」とは、送風機112aに対して正面側に対向する仕切り40の背面側から内箱10bの正面側までの距離(送風機112a周辺の送風路の奥行き寸法30)が、蒸発器105aの奥行寸法31に対して、±20%以内、望ましくは±10%以内のことを指す。なお、仕切り40が鉛直方向に真っ直ぐでない場合、送風路の奥行き寸法30は、送風機112aの上端から下端までの高さ範囲における平均とする。
また、本実施例では、蒸発器105aの上方に送風機112aとケーシング17を備えているため、冷蔵室2の上方より下方側の温度が低く構成されている。したがって、ファン停止時には、自然対流により上方から下方側に空気が流れるため、送風機112aおよびケーシング17には、蒸発器105a周辺のマイナス温度帯の冷たい空気が流れにくく、ターボファンおよびケーシングに付着した結露水が凍結、また着霜や霜成長といった現象が起き難い。そのため、再度ファンを可動させた場合においても、着霜や凍結による動作不良が発生しにくくなる。さらには、蒸発器105aで上方に向かって成長した霜は、ケーシング17で塞き止められるため、送風機112aに霜が接触することによる動作不良が起きにくくなる。
図17に示すように、ケーシング17の下面17aには開口部21を備えている。また、開口部21がケーシング17の最下部となるように、傾斜角α(本実施例では傾斜角度1゜)の傾斜を備えている。このように、ケーシング17の最下部に開口部21を備えることで、ケーシング内に溜まった結露水を排水できる。また、ケーシングの下面17aの傾斜をつけることで排水性能が向上する。
また、開口部21から蒸発器室16aに至る連通流路33には、流れを曲げることにより風路抵抗を増加させる転向壁21a(風路抵抗付加手段)が備えられている。送風機112a駆動時には開口部21からは空気が漏出する。そのため、流入口17bから吸い込まれ、送風機112aにより昇圧された空気の一部は、吐出風路18aに向かわずに、開口部21から連通流路33を経て蒸発器室16aに流れ、再び流入口17bに戻り、昇圧される(図17中に点線で示す流れ)。この流れにより、冷蔵室2を循環する風量が少なくなり、省エネルギー性能が低下する。
本実施例の冷蔵庫は、図17に示すように、連通流路33の抵抗を高めるために、風路抵抗付加手段として転向壁21aを備えている。このような風路抵抗付加手段を備えることで、開口部21を介して吐出する空気の風量が少なくなり、省エネルギー性能の低下を抑えることができる。なお、風路抵抗付加手段は、壁面に開口部21を設けて直接蒸発器室16aに流出された場合に比べて、風路抵抗が大きくなれば別の手段であってもよい。たとえば、連通流路33の距離を長くとることによって風路抵抗を大きくすることもできるが、本実施例の冷蔵庫のように、転向壁21aにより流れを曲げることにより風路抵抗を増加させることで、連通流路33を比較的短く形成することにより、連通流路33内の凍結リスクを軽減できる。
また、連通流路33の前面側は転向壁21aの一部が設けられており、流入口17bに向けて前方に吐出することを妨げる指向性流路としている。これにより、蒸発器室16aに吐出した空気が流入口17bに至るまでの抵抗が増加し、流入口17bに吸い込まれ難くなるので、開口部21を介して吐出する空気の風量が少なくなり、省エネルギー性能の低下を抑えることができる。
図18は図17のC−C断面図である。送風機112aはケーシング17の中に備えられている。送風機112aを時計回り(図18中の実線矢印の方向)で回転させることでと、空気は吐出風路18aに向って図18中に点線矢印で示すように流れる。また、一部の空気は開口部21を通り蒸発器室16aに流出する。開口部21の下方の連通流路33は、転向壁21aによって図18における右方向に指向させて吐出する指向性流路としている。これにより開口部21から吐出される空気は、送風機112aの回転方向に形成される周流の向きが略180度転向して吐出されるため、連通流路33の風路抵抗が増大し、開口部21から漏出する空気流れが低減されることで、省エネルギー性能の低下を抑えることができる。
また、図18に示すように、ケーシング17は、吐出風路18aの送風機112a側の側面壁下端に、渦巻き状の拡大流路の起点となる舌部17cを備えている。ファンの翼幅をLfとし、舌部17cからファンを挟んでケーシング17の右方向端部までの幅をLkとしたとき、Lkの範囲にLfが収まるように構成している。これにより、吐出風路18aや吐出口19a(図2に記載)で発生した結露水が、重力により流下して舌部17cの下方から滴下した際に、送風機112aの翼に付着することを防ぐことができる。すなわち翼間の氷結による送風性能低下や、成長した氷がケーシング17と接触することによる異音の発生などが起き難い信頼性が高い冷蔵庫となる。
また、蒸発器105aのフィンの平均積層間隔Pf1(本実施例では3mm、 図6記載)よりも、開口部21から蒸発器室16aに至る連通流路33の最小幅60(本実施例では約6mm)と、送風機112aの翼間の最小幅61(本実施例では約6mm)とが大きくなるように構成している。上記のような寸法関係で冷蔵室2を構成することで、霜が成長した際には、蒸発器105aのフィン間が最も閉塞し易くなる。したがって蒸発器105aのフィン間の閉塞を回避するように除霜運転を行うことで、幅寸法が相対的に大きい連通流路33や翼間の閉塞が生じ難くなり信頼性が高い冷蔵庫となる。
図19は実施例1に係る冷蔵庫の運転パターンの一例である。ここでは外気が比較的高温(例えば32℃)で、低湿でない(例えば60%RH)場合を表している。時刻tは冷蔵室2を冷却する冷蔵運転を開始した時刻である。冷蔵運転では、三方弁107を流出口107a側にし、圧縮機100を駆動させて蒸発器105aに冷媒を流して、蒸発器105aを低温にする。この状態で送風機112aを運転することで、蒸発器105aを通過して低温になった空気により冷蔵室2を冷却する。ここで、冷蔵運転中の蒸発器105aの温度は、後述する冷凍運転中の蒸発器105bよりも高くしている。一般に蒸発器の温度が高い方が、COP(圧縮機100の入力に対する冷却する熱量の割合)が高く、省エネルギー性能が高い。従って、蒸発器105bの温度を低温(例えば−25℃)にする必要がある冷凍室7に比べ、蒸発器105aの温度を高めて(例えば−6℃として)省エネルギー性能を高めている。なお、本実施例の冷蔵庫1では、冷蔵運転中の蒸発器105a温度が、冷凍運転中の蒸発器105bより高くなるよう、冷蔵運転中の圧縮機24の回転速度を冷凍運転中よりも低速にしている。
冷蔵運転により冷蔵室2が冷却され、冷蔵室温度がTRoffまで低下する(時刻t)と、冷蔵運転から冷媒回収運転に切換える。冷媒回収運転では三方弁107を全閉状態で圧縮機100を駆動させ、蒸発器105a内の冷媒を回収する。これにより、次の冷凍運転での冷媒不足を抑制する。なお、この際送風機112aを駆動させており、これにより蒸発器105a内の残留冷媒を冷蔵室2の冷却に活用できるとともに、蒸発器105a内の冷媒が蒸発して圧縮機100へ到達しやすくなるため、比較的短い時間で多くの冷媒を回収することで冷却効率を高めることができる。
冷媒回収運転が終わると(時刻t)、冷凍室7を冷却する冷凍運転に切換える。冷凍運転では、三方弁107を流出口107b側にし、蒸発器105bに冷媒を流して、蒸発器105bを低温にする。この状態で送風機112bを運転することで、蒸発器105bを通過して低温になった空気により冷凍室7を冷却する。この冷凍運転を冷凍室温度がTFoffになる(時刻t)まで行う。また、冷凍運転中に野菜室ダンパ(図示せず)も開け、野菜室温度がTRoffになる(時刻t)まで野菜室6を冷却する。
さらに、本実施例の冷蔵庫1では、この冷凍運転中に蒸発器105aの除霜運転を行う。蒸発器105aの除霜運転は、送風機112aを駆動させることで行う。冷凍運転中は蒸発器105aに冷媒が流れないようにしているため、冷蔵室2の空気が蒸発器105aを通過すると、蒸発器105aよりも温度の高い冷蔵室2との熱交換により蒸発器105a及び蒸発器105aに付着した霜は加熱される。蒸発器105aの除霜はこの加熱により行われる。なお、蒸発器105a及び蒸発器105aに付着した霜により空気は冷却され、この空気が送風機112aにより冷蔵室2に送風されるため、冷蔵室2を冷却できる。従って、ヒータを用いることなく蒸発器105aに付着した霜を融解することができ、加えて冷蔵室2の冷却も行えるため、本実施例の蒸発器105aの除霜運転は、省エネルギー性能が高い除霜運転である。
また、この除霜運転により、蒸発器105aに加えて、ケーシング17や送風機112aで成長した霜や氷も同様に融解することができる。この除霜運転は蒸発器105aの温度がTDR(本実施例の冷蔵庫ではTDR=3℃)になる(時刻t)まで行われる。
蒸発器105aの除霜運転及び冷凍運転の何れも終了条件が満足すると(時刻t)、再び三方弁107を全閉状態で圧縮機100を駆動させる冷媒回収運転を行い、蒸発器105b内の冷媒を回収し、次の冷蔵運転での冷媒不足を抑制する。なお、この際送風機112bを駆動させており、これにより蒸発器105b内の残留冷媒を冷凍室7の冷却に活用できるとともに、蒸発器105b内の冷媒が蒸発して圧縮機100へ到達しやすくなり、比較的短い時間で多くの冷媒を回収できるため、冷却効率を高めることができる。
時刻tになると再び冷蔵運転に戻り、前述した運転を繰り返す。以上が本実施例の冷蔵庫の基本的な冷却運転及び蒸発器105aの除霜制御である。これらの運転により、冷蔵室2、冷凍室7及び野菜室6を冷却して所定の温度に維持しつつ、蒸発器105aの霜成長を抑えている。
なお、蒸発器105aの除霜運転の終了条件(蒸発器105aの温度がTDRになる)が満たされる前に、冷凍運転の終了条件(冷凍室温度がTFoffになる)を満たした場合は蒸発器105aの除霜運転を継続したまま圧縮機100をOFFにする。その後、蒸発器105aの除霜運転の終了条件が満たされれば圧縮機100をONにして冷蔵運転に移行する。これにより、融解途中の蒸発器105aやケーシング17、送風機112aに付着した霜及び除霜水が冷蔵運転で再び冷却されて再凍結することが抑えられる。
また、時刻t及び時刻tにおいて冷凍室温度が所定値よりも低い場合、また時刻t及び時刻tにおいて冷蔵室温度が所定値よりも低い場合も圧縮機100を停止する。これにより、庫内の過度な冷却を抑えることができる。
以上のように制御される本実施例の冷蔵庫では、冷蔵室の除霜運転時間(図中の時刻t1〜t4)は、冷蔵運転時間(図中の時刻t0〜t1)よりも長くしている。これにより、ケーシング17および送風機112a周辺の空気において、温度低下する時間よりも温度上昇する時間を長くすることができるため、ケーシング17および送風機112aはヒータを用いずに十分加熱でき、省エネルギー性能が高い冷蔵庫となる。
また、本実施例の冷蔵庫では、ケーシング17および送風機112a周辺の空気は、マイナス温度となる時間よりもプラス温度となる時間のほうが長くなるように構成されている。
加えて、本実施例の冷蔵庫では、圧縮機100の駆動状態において、三方弁の流出口107aに冷媒が流れる時間よりも、三方弁の流出口107bに冷媒が流れる時間を長くしている。これにより、蒸発器105aがマイナス温度帯で一定、あるいは温度低下する時間よりも、蒸発器105aがプラス温度帯で一定、あるいは温度上昇する時間を長くすることができる。したがって、ケーシング17および送風機112a周辺の温度も、マイナス温度となる時間よりもプラス温度となる時間の方が長く取れる。このため、ケーシング17および送風機112aにおける霜や氷の成長をヒータ無しで抑制できる。
さらに、本実施例では、送風機112aの運転時間は、停止時間よりも長くなるように構成している。これにより、ケーシング17および送風機112aでは空気の強制対流により水が1箇所に滞留しにくくなるため、排水性を向上することができる。
なお、本実施例の冷蔵庫では、蒸発器105aの温度に基づいて除霜運転の終了を判定しているが、除霜運転を所定時間継続した場合に終了するように時間に基づいて制御することで、冷蔵室の除霜運転時間が、冷蔵運転時間よりも長くなるようにしてもよい。また、本実施例の冷蔵庫では、周期的な制御における構成要素の平均温度を評価した際に、上記のような特性を有していればよく、局所的あるいは短期的に特性が異なった場合でも同様な効果が得られる。
図20は図3の冷蔵室の拡大図である。図に示すように、送風機112aは渦巻き状のケーシング17を備えることで、送風機112aから吹出した全周方向の流れを、効率よく上方向へ集約して導くことができる。さらに、吐出風路の空気の流れ方向に垂直な寸法32を空気の流れ方向に漸次拡大することで、冷蔵室2の風量をディフューザー効果により増大させることができる。
また、本実施例の冷蔵室2は、上面である外箱10aが外気と接触して、冷蔵室2の下面である断熱仕切壁12aは冷凍室と接触しているため、上面側が最も温まりやすい構成となっている。そのため、ケーシング17には吐出口19aを備え、上方に向けて開口することで、最も温まりやすい領域を効率よく冷却することができる。さらに、送風機112a停止時には、冷蔵室2の上部の低温空気が下方に流れるため、庫内の食品を効率よく冷却できる。
さらに、本実施例では、送風機112aをターボファンとしたので、蒸発器105aの表面に霜が成長した場合であっても、大きな風量により冷蔵室2内へ低温空気を供給でき、冷蔵室2内を均温化するのに適している。また、蒸発器105aは冷蔵室2用であり、冷凍室7用の蒸発器105bと比べて温度が高いので、冷蔵温度帯に近い状態の空気を冷蔵室2内へ供給できるので、温度調整がし易い利点がある。その結果、本実施例によれば、冷蔵室2全体の平均温度を従来よりも低い3℃以下、望ましくは2℃程度に保つことが可能となり、冷蔵室2内の鮮度保持の効果が高まる。
図20に示すように、ケーシング17より上方の吐出風路18aは、右側に向かう速度成分を有するように円弧状に形成された指向性風路となっている。一般に、送風機112aに渦巻き状のケーシング17を備えた場合はケーシング17の外周側に縮流しやすい。したがって、吐出風路18aの左側に風が流れ易くなるため、上方に直線的に延伸した吐出風路を形成すると、吐出空気が左側に片寄り、冷蔵室2の右側が冷却しにくくなる。そのため、本実施例のように全体を右側へ向かう曲面で吐出風路18aを構成することにより風向きを右側に偏向させて、冷蔵室2を均一温度化できる。これら均一温度化する効果により、短時間で冷蔵室2を冷やすことができるため、冷蔵庫1の省エネルギー性能を向上できる。
図20に示すように、吐出風路18aおよびケーシング17のまわりに断熱材52を備えることで、冷蔵室2の結露を防止している。また、断熱材52は化粧カバー53により覆われており(側面図は図2に記載)、化粧カバー53は略鉛直面としている。このような化粧カバー53を備えることで、棚14a、14b、14cの設置位置を上下方向に変更した際に、棚と化粧カバー53の間に隙間ができて、食品等が隙間から落下することがない使い勝手のよい冷蔵庫となる。また、本実施例では吐出風路18aおよびケーシング17のまわりに断熱材52を備えているが、部分的に断熱材を減らして中空とした場合も、冷蔵室2の結露を同様に防止できる。
図20に示すように、送風機112aの内部および、ケーシング17、吐出風路18aは、冷蔵室2と蒸発器室16aよりも風路が狭まっているため、風速が速くなるように構成されている。その中でも、特に送風機112aの周辺風路は蒸発器105aからの流出空気が合流するために最も風速が大きく、送風機112a近傍の箱体10は熱侵入しやすい。一方で、箱体10の左右には側面放熱配管102が備わっているため、左右両側面の内箱10bの表面は、中央側より熱侵入しやすい構成となっている。
送風機112aを冷蔵室2の左右方向の略中央に配置することで、箱体のうち熱侵入しやすい箇所で風速を下げられるため、冷蔵室2の熱侵入量を小さくできる。
また、本実施例では、箱体10の背面側に真空断熱材11を備えるため、箱体10の背面側のうち、外周側は中央側に比べて熱侵入しやすい構成となっている。送風機112aを冷蔵室2の左右方向の略中央に配置することで、箱体10のうち熱侵入しやすい箇所で風速を下げられるため、冷蔵室2の熱侵入量を小さくできる。
加えて、図20に示すように、蒸発器105aの左右方向の中心線45が送風機112aの一部を通過するように配置されている。これにより、蒸発器105aの風速分布の不均一化を最小限に留めることができるため、冷蔵庫1の省エネルギー性能を向上できる。
図21は本実施例に係る冷蔵室の棚と送風路の関係を示した図2の要部拡大図である。本実施例は、ターボファンを備えた風路と棚の配置の関係を最適化することで、冷蔵室2の食品収納スペースを拡大している。図に示すように、本実施例の冷蔵庫1は、冷蔵室2と蒸発器室16aの間に仕切り40を備え、仕切りの上面41と棚14cの上面を略水平とし、互いの高さが略一致するように配置している。これにより、仕切りの上面41を棚14cの延長として利用できるため、食品収納スペースを増加することが可能となる。
本実施例では、スペース効率を高めるために、仕切りの上面41と棚14cの上面を接触させているが、接触させず僅かな隙間があっても構わない。また、仕切り40は略鉛直に構成している。これにより、棚14cを下方に可動させた場合に、棚14cと仕切り40の間に隙間が最小となり、収納する食品に応じて棚14cを可動する構成をとることが可能になるため、冷蔵庫1の使い勝手が向上する。本実施例では、仕切り40の全域を略鉛直としているが、棚14dより上方、あるいはチルド室15より上方の仕切り40のみ略垂直とした構成でも同一の効果を得られる。
図22は、冷蔵室(ドアなし)の正面斜視図である。図は、内部構造を可視化するためにドア2a、2bを除いた構造を示している。冷蔵室2の右下にはチルド室15を、冷蔵室の左下には製氷用の貯水タンク70を、また、チルド室15と貯水タンク70の間には仕切り71を備えている。また、空気の戻り口20aは複数に分割されており、本実施例では、棚14cと棚14dの間の左側に第一の戻り口72a、棚14cと棚14dの間の右側に第一の戻り口72b、貯水タンク70の周囲に第一の戻り口72c、チルド室の周囲に第一の戻り口72dを備えている。このように、棚14cと14dの間に空気の戻り口20aを備えることで、冷蔵室2と冷凍室7の間の仕切り12a周囲を流れる空気風量が低減される。これにより。冷蔵室2と冷凍室7の強制対流による交換熱量が減り、結果として圧縮機を比較的高回転で運転する冷凍運転の時間が減るため、冷蔵庫の省エネルギー性能を向上できる。
本実施例では、冷蔵室2を冷却する空気の主流が第一の戻り口72aと72b
を流れるように、風路を構成している。これにより、第一の戻り口72cと72dの風路抵抗が比較的大きくなることで空気が流れにくくなるため、冷蔵室2と冷凍室7の強制対流による交換熱量をさらに低減できる。
なお、冷蔵室2を冷却する空気の主流が第一の戻り口72aと72bを流れるように風路を構成していることは、第一の戻り口72cと72dを閉塞した状態で測定される仕切り12aの上面温度と、第一の戻り口72cと72dが開放された状態で測定される仕切り12aの同位置の温度を比較することによって判断できる。具体的には、通常運転時において、第一の戻り口72cと72dを閉塞した状態で測定される仕切り12aの上面温度の時間平均値と、第一の戻り口72cと72dが開放された状態で測定される仕切り12aの同位置の温度の時間平均値の差が1℃以下であれば、冷蔵室2を冷却する空気の主流が第一の戻り口72aと72bを流れているといえる。 本実施例では、第一の戻り口72aと72bの風路断面積の和を、第一の戻り口72cと72dの風路断面積の和より大きくしている。これにより、第一の戻り口72cと72dの風路抵抗が比較的大きくなることで空気が流れにくくなるため、冷蔵室2と冷凍室7の強制対流による交換熱量を、より確実に低減できる。
さらには、第一の戻り口を棚14cと14dの間、そして棚14dの下に複数備えることで、第一の戻り口を1つとした場合よりも、合計の開口面積を拡大できるため、風路抵抗を低減することで循環風量を増大させて、冷蔵室2の省エネルギー性能を向上できる。
ここで、本実施例の風路断面積とは、空気の流れ方向に垂直な面における面積を指しており、その中でも面積が最小になる風路とする。そのため、戻り口の入口付近の開口面積が広い場合でも、シール材などで一部の風路が塞がっていれば風路断面積はゼロとして考える。
また、本実施例では、冷蔵室2と冷凍室7の強制対流による交換熱量を減らすために、第一の戻り口72aと72bを備えている。一方で、貯水タンク70を強制対流により加熱しにくくなるため、貯水タンク70内の水が凍ってしまうという新たな課題が生じる恐れがあった。この課題を解決するために、本実施例では、第一の戻り口72cの風路断面積を第一の戻り口72dの風路断面積より大きくしている。これにより、冷蔵室2と冷凍室7の強制対流による交換熱量を低減しつつ、貯水タンク内の水を凍りにくくすることができる。
図23は図2のD−D断面図である。図に示すように、第一の戻り口72aから流入した空気は、蒸発器室16aの開口部である第二の戻り口73aを通過し、蒸発器105aに戻る。同様に、第一の戻り口72bから流入した空気は、第二の戻り口を介さずに、蒸発器105aに戻る。また、樋23aは結露水を排水するために、蒸発器左下端部と樋の間の距離H7より、蒸発器右下端部と樋の間の距離H8が広くなるように傾斜している。このため、第一の戻り口72aから流入した空気は、蒸発器左下端部と樋の間の距離H7が短いために風路抵抗が大きく、風量が低下してしまう恐れがあった。そこで、本実施例では、第二の戻り風路を複数備えることで上記課題を解決したため、図24を用いて説明する。
図24は、冷蔵室(ドア・貯水タンク・チルド室・周囲断熱壁なし)の正面斜視図である。図は、内部構造を可視化するためにドア2a、2bと貯水タンク70、チルド室15、そして周囲断熱壁を除いた構造を示している。図に示すように、蒸発器室16aには、空気が戻るための第二の戻り口73a、73b、73cを備えている。このように、第二の戻り口を複数備えることで開口面積を拡大できるため、第一の戻り口72aを通過した空気が、第二の戻り口73a、73b、73cで縮流しにくくなり、冷蔵室2を循環する風量が増大して、冷蔵庫1の省エネルギー性能を向上できる。
図25は、冷蔵庫(ドア・周囲断熱壁なし)の背面斜視図である。図に示すように、貯水タンク70の背面側には、電気品箱74を備えている。電気品箱74には、例えばチルド室15の圧力や温度を制御する部品が内蔵される。このように、貯水タンク70の背面側に電気品箱74を配置することで、風路面積が広く、かつ食品の収納に使えないスペースを有効利用できるため、冷蔵庫の省エネルギー性能の向上と食品収納スペースの拡大を両立することができる。
次に本発明の実施例2に係る冷蔵庫について、図26を用いて説明する。実施例2は、実施例1と比べて冷蔵室2のドア(ドア2a、ドア2b)の構造が異なっている。なお、その他の構成は実施例1と同様であり、重複する説明は省略する。
図26は図1のA−A断面図である。図に示すように、冷蔵室2のドア2a、ドア2bはウレタン65および真空断熱材11で構成されている。このように、ドア2a、ドア2bに高断熱層を挿入することで、ウレタンのみの場合に比べて騒音を低減することができ、これにより聴感に変化が生じた場合でも使用者が気づきにくくなる。さらに、ウレタン65に対して真空断熱材11は熱伝導率が低いことから、外気から冷蔵室2に侵入してくる熱量を低減して、冷蔵庫1の省エネルギー性能も向上できる。
次に本発明の実施例3に係る冷蔵庫について、図27から図28を用いて説明する。実施例3は、実施例1と比べて冷蔵室2のドア(ドア2a、ドア2b)の構造が異なっている。なお、その他の構成は実施例1と同様であり、重複する説明は省略する。
図27は図1のA−A断面図である。図に示すように、冷蔵室2のドア2a、ドア2bはウレタン65で構成され、さらに、表面には厚さ5mmで平均密度2500kg/mのガラス66を備えている。ここで、冷蔵庫に使用されるウレタンの一般的な平均密度は40から60kg/mであり、ガラスの平均密度は2400から2600kg/mである。こように、ドア2a、ドア2bの表面にガラス66を備えることで、ウレタン65のみで構成した場合に対して、大幅に面積密度を向上できる。さらに、ドア2a、ドア2bの表面をガラス66とすることで、キズがつきにくくなるため、耐久性能を向上し、さらには外観性能も向上できる。
図28は騒音の透過率と周波数の関係を示すグラフである。図は、図13のウレタン65単相の場合の計算結果に、ウレタン65とガラス66の複層の結果を加えた結果である。図より、ドア2a、ドア2bの表面にガラス66を5mm追加した場合は、プロペラファンの1NZの範囲における透過率は約13〜29%であるのに対して、ターボファンの1NZの範囲における透過率は0%となる。そのため、ドア2a、ドア2bの表面にガラス66を備え、冷蔵室2の送風機112aの形態にターボファンを選定することで、冷蔵室2から発生するピーク周波数帯の騒音をゼロにする冷蔵庫を提供することができる。
本実施例では、ウレタン65の厚さを40mm、ガラス66の厚さを5mmとしたが、必ずしも説明した寸法でなくても良く、同様な効果が得られるならば寸法を変更しても構わない。
以上が本実施例の形態である。なお、本発明は、前述した形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1 冷蔵庫
2 冷蔵室
3 製氷室
4 上段冷凍室
5 下段冷凍室冷凍室
6 野菜室
7 冷凍室(3、4、5の総称)
10 箱体
10a 外箱
10b 内箱
11 真空断熱材
12a、12b、12c 断熱仕切壁
13 ドアポケット
14a、14b、14c、14b 棚
15 チルド室
16a、16b 蒸発器室
17 ケーシング
17a ケーシングの下面
17b ケーシングの流入口
17c ケーシングの舌部
18a、18b 吐出風路
19a、19b 吐出口
20a、20b、20c 戻り口
21 開口部
21a 転向壁(風路抵抗付加手段)
22 戻り風路
23a、23b 樋
24a、24b ヒータ
25a、25b 排水管
26 蒸発皿
27 カバー
28 温度センサ
29 制御基板
30 送風機112a周辺の送風路の奥行き寸法
31 蒸発器105aの奥行き寸法
32 吐出風路の空気の流れ方向に垂直な寸法
33 連通流路
40 仕切り
41 仕切りの上面
50 風向板
52 断熱材
53 化粧カバー
60 開口部21から蒸発器室16aに至る連通流路33の最小幅
61 送風機112aの翼間の最小幅
65 ウレタン
66 ガラス
70 貯水タンク
71 仕切り
72a 第一の戻り口(棚と棚の間、左)
72b 第一の戻り口(棚と棚の間、右)
72c 第一の戻り口(貯水タンク周囲)
72d 第一の戻り口(チルド室周囲)
73a 第二の戻り口(左下)
73b 第二の戻り口(右上)
73c 第二の戻り口(中央)
74 電気品箱
100 圧縮機
101 庫外放熱器
102 側面放熱配管
103 前面放熱配管
104a、104b キャピラリチューブ
105a、105b 蒸発器
106a、106b 気液分離器
107 三方弁
108 逆止弁
109 ドライヤ
110 冷媒合流部
111 冷媒配管
112a、112b 送風機
113 送風機
114 機械室
115 フィン
116 伝熱管

Claims (6)

  1. 冷蔵室、冷凍室、野菜室と、圧縮機と、該圧縮機で圧縮され温度が上昇した冷媒の放熱を行なう放熱手段と、減圧手段とを備え、前記冷蔵室には、減圧されて低温となった冷媒が庫内空気と熱交換する第一蒸発器と、前記第一の蒸発器により生成された冷気を循環するための第一の送風機とを備え、前記冷凍室には、減圧されて低温となった冷媒が庫内空気と熱交換する第二蒸発器と、前記第二の蒸発器により生成された冷気を循環するための第二の送風機を備え、前記冷蔵室は最上段に備えられ、前記第一の送風機の形態は遠心ファンであることを特徴とする冷蔵庫。
  2. 請求項1記載の冷蔵庫において、前記第一の送風機はターボファンであることを特徴とする冷蔵庫。
  3. 請求項1ないし2記載の冷蔵庫において、第一の送風機の回転数N1と翼枚数Z1の積は、第二の送風機の回転数N2と翼枚数Z2の積よりも大きい、N1×Z1>N2×Z2の関係となることを特徴とする冷蔵庫。
  4. 請求項1ないし3記載の冷蔵庫においてfを第一の送風機の最大回転数におけるピーク周波数、Mをドアの面積密度、Liを入射音、Ltを透過音としたとき、前記ドア面積密度は次式を満たすことを特徴とする冷蔵庫。
    Figure 2019132496
  5. 請求項1ないし4記載の冷蔵庫において、前記最上段貯蔵室のドアの材料層に真空断熱材を用いることを特徴とする冷蔵庫。
  6. 請求項1ないし5記載の冷蔵庫において、前記最上段貯蔵室のドアの材料層にガラスを用いることを特徴とする冷蔵庫
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