JP2019132209A - 弁開閉時期制御装置 - Google Patents

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丈雄 朝日
秀行 菅沼
Hideyuki Suganuma
秀行 菅沼
知宏 梶田
Tomohiro Kajita
知宏 梶田
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Abstract

【課題】弁開閉時期の切り替えの応答性を向上させた弁開閉時期制御装置を提供する。【解決手段】弁開閉時期制御装置の弁ユニットVbは、進角室および遅角室へ供給する作動油を供給される管路部54Tと、進角室および遅角室から排出された排出油を弁ユニットVbの外側に排出する排出路逆止弁CV3とを有し、排出路逆止弁CV3は、管路部54Tに供給される作動油の供給圧に応じて開口量を変化させる。【選択図】図4

Description

本発明は、弁開閉時期制御装置に関する。
特許文献1には、少なくとも2つの互いに逆方向に作用するシリンダ室(進角室と進角室)を備えた油圧ピストンを有し、当該シリンダ室に外力が交互に、または一方向に作用すると共に、当該油圧ピストンが当該シリンダ室間の差圧によって移動し、該差圧が油圧ポンプのような油圧源から生じるよう構成された当該原動機付き車両用油圧回路が記載されている。該油圧回路はカムシャフトタイミングアジャスタ(弁開閉時期制御装置)に用いられ、切換装置による油圧負荷に加えて、交互に作用する外力のうち、少なくとも1つの逆止弁を開放することによって生じる負側に作用する力による油圧負荷を、当該油圧ピストンの移動に使用する。
特許文献1に記載された弁開閉時期制御装置は、互いに逆方向に作用するシリンダ室からの作動油の戻り路のそれぞれに逆止弁を設け、当該逆止弁の下流側を、シリンダ室に作動油を供給する圧力供給管に接続している。この弁開閉時期制御装置は、逆止弁を設けることで、一方のシリンダ室からもう他方のシリンダ室への作動油の循環を実現している。
特許文献2には、流体を1つの作用チャンバーから他の作用チャンバーに伝達するためにカム軸トルクエネルギーによって発生する圧力を用いて作動することができ、または1つの作用チャンバーを充填すると同時に対向する作用チャンバーの中の内容物を排出させるために外部流体の圧力源を通じて作動することもでき、または両モードを同時に用いて作動することもできる可変カム軸タイミング装置(弁開閉時期制御装置)が記載されている。
特許文献2に記載された弁開閉時期制御装置は、制御弁がスプールを有するスプール弁であり、当該スプールはセンターボルトのボア内部にあるスリーブ中に摺動可能に収容される円筒状のランドを有し、当該スリーブは複数のポートを互いに連結する凹部を有している。この弁開閉時期制御装置のスプールは中央通路を有し、当該中央通路は中央通路に設けられた再循環逆止め弁と入口逆止め弁によって作用中央通路および入口中央通路に分割されるように構成されて、1つの作用チャンバーから他の作用チャンバーへの流体の循環を実現している。
特許文献3には、内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを、作動液の圧力により調整する液圧式バルブタイミング調整装置が記載されている。この液圧式バルブタイミング調整装置は、クランク軸と連動して回転するハウジングロータと、カム軸と連動して回転し、当該ハウジングロータ内において進角室および遅角室を回転方向に区画し、進角室および遅角室に対する作動液の入出により、当該ハウジングロータに対する回転位相が調整されるベーンロータと、当該進角室および当該遅角室に対する作動液の入出を制御する制御弁とを備えている。
特許文献3に記載された制御弁は、大気に開放される大気ポートと、内燃機関の停止時に連通する進角室から作動油が排出され、内燃機関の始動時に当該連通が維持される進角ポートと、大気ポートおよび進角ポートの間の連通および遮断を切替える逆止弁であって、内燃機関の始動時に進角ポートを通じて進角室から負圧を受けることにより、大気ポートおよび進角ポートの間を遮断する逆止弁とを有している。この制御弁は、このような逆止弁を有することにより、大気開放された大気ポートの空気が排出室に吸込まれるという、いわゆる逆流の速度および量を低減し、当該逆流に起因する不具合を回避することができる。
特表2009−530526号公報 特開2017−048793号公報 特開2014−227973号公報
特許文献1や特許文献2に記載された弁開閉時期制御装置は、進角室と遅角室との間で作動油の循環を実現してはいるものの、弁開閉時期制御装置へ供給される油圧に応じてドレン量を変化させることができない。そのため、弁開閉時期の切り替えの応答性を十分に向上させることができない。
特許文献3に記載された弁開閉時期制御装置は、ドレンからのエアの逆流により生じる不具合は回避できるにしても、弁開閉時期の切り替えの応答性を向上させるものでは無い。
本発明は、かかる実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、弁開閉時期の切り替えの応答性を向上させた弁開閉時期制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る弁開閉時期制御装置の特徴構成は、
内燃機関のクランクシャフトと同期回転する駆動側回転体と、
前記駆動側回転体の回転軸心と同軸心に配置され弁開閉用のカムシャフトと一体回転する従動側回転体と、
前記駆動側回転体と前記従動側回転体との間に形成された進角室および遅角室と、
前記回転軸心と同軸心に配置され、前記進角室および前記遅角室への流体の給排を制御する弁ユニットと、を備え、
前記弁ユニットは、前記進角室および前記遅角室へ供給する前記流体を供給される供給路と、前記進角室および前記遅角室から排出された前記流体を前記弁ユニットの外側に排出する排出路逆止弁とを有し、
前記排出路逆止弁は、前記供給路に供給される前記流体の供給圧に応じて開口量を変化させる点にある。
上記構成によれば、排出路逆止弁は、供給路に供給される流体の供給圧に応じて開口量を変化させることで、進角室および遅角室から排出された流体を、どの程度の排出速度で弁ユニットの外側(外部)に排出するかを変更することができる。また、この排出速度の変更により、進角室および遅角室から排出された流体のうち弁ユニットの外側(外部)に排出される流体の量を変化させることができる。
たとえば、供給路に供給される流体の供給速度が不足するような場合には、排出路逆止弁の開口量を小さく変更し、これにより排出速度を低下させることができる。これにより、排出路逆止弁は、進角室ないし遅角室から排出された流体の全量を弁ユニットの外側に排出せず、弁ユニットは、当該排出された流体の全部ないし一部を、再び遅角室ないし進角室へ供給するような流体の循環に供することができる。
また、たとえば、供給路に供給される流体の供給速度が十分である場合には、排出路逆止弁の開口量を大きく変更し、これにより排出速度を増加させることができる。これにより、排出路逆止弁が、進角室ないし遅角室から排出された流体の全量を速やかに弁ユニットの外側に排出することで、弁ユニットは、進角室ないし遅角室からの流体の排出速度を向上させることができる。これにより、開閉時期の切り替えの応答性を向上させることができる。
本発明に係る弁開閉時期制御装置の更なる特徴構成は、
前記弁ユニットは、前記進角室および前記遅角室から排出された前記流体を前記供給路に循環させる循環路を有し、
前記排出路逆止弁は、前記供給圧が高くなると前記開口量を大きくし、前記供給圧が低くなると前記開口量を小さくする点にある。
上記構成によれば、供給路に供給される流体の供給圧が低くなり、当該流体の供給速度が不足するような場合には、排出路逆止弁は、進角室ないし遅角室から排出された流体の全量を弁ユニットの外側に排出せず、弁ユニットは、当該排出された流体の全部ないし一部を、循環路を介して再び遅角室ないし進角室へ供給するような流体の循環に供することができる。また、供給路に供給される流体の供給圧が高くなり、供給路に供給される流体の供給速度が十分である場合には、排出路逆止弁が、進角室ないし遅角室から排出された流体の全量を速やかに弁ユニットの外側に排出することで、弁ユニットは、進角室ないし遅角室からの流体の排出速度を向上させることができる。これにより、弁開閉時期の切り替えの応答性を向上させることができる。
本発明に係る弁開閉時期制御装置の更なる特徴構成は、
前記回転軸心と同軸心に配置されており、外部から前記カムシャフトに亘り形成された、前記弁ユニットを収容する内部空間を備え、
前記弁ユニットは、前記内部空間における前記カムシャフト側に嵌め込まれる基端部と、前記基端部から延出し、前記基端部より小径の管路部を前記供給路として有する流体供給管と、前記内部空間の内周面に案内される状態で前記回転軸心に沿う方向にスライド移動自在に配置された第一スリーブと、当該第一スリーブに緩挿される第二スリーブと、前記第二スリーブの内周面および前記流体供給管の前記管路部の外周面に案内される状態で前記回転軸心に沿う方向にスライド移動自在に配置されたスプールと、を備え、
前記第一スリーブは、内側から前記進角室に連通する第一進角連通孔と、内側から前記遅角室に連通する第一遅角連通孔と、前記流体の供給圧を受けて、当該第一スリーブを前記外側に向けて付勢する受圧部とを有し、
前記第二スリーブは、内側から前記第一進角連通孔に連通する第二進角連通孔と、内側から前記遅角室に連通する第二遅角連通孔とを有し、
前記スプールは、外周に形成された一対のランド部と、一対の前記ランド部の中間位置に形成され、当該スプールのスライド移動によって、内部から前記第二進角連通孔もしくは前記第二遅角連通孔に連通可能な中間孔部とを有し、
前記排出路逆止弁は、前記進角室もしくは前記遅角室から前記流体が排出される前記第二スリーブと前記スプールとの間の空間と連通して設けられ、
前記排出路逆止弁は、開口量を小さくする方向に弁体を付勢する付勢部材を有し、
前記弁体は、前記付勢部材に付勢されて、前記受圧部の付勢力に抗して前記第一スリーブを付勢する点にある。
上記構成によれば、排出路逆止弁は進角室もしくは遅角室から第二スリーブとスプールとの間の空間に排出された流体を、外側に排出することができる。この際、排出路逆止弁の付勢部材は、排出路逆止弁の弁体を、その開口量が小さくする方向に付勢し、当該弁体は、第一スリーブを受圧部の付勢力に抗して付勢しているため、付勢部材の付勢力と、受圧部が受ける流体の供給圧に基づく付勢力とのバランスにより、排出路逆止弁の開口量が決定される。すなわち、流体の供給圧が高ければ、排出路逆止弁の弁体が開いて開口量が増大させることができる。逆に、流体の供給圧が低ければ、排出路逆止弁の弁体が閉じて開口量を減少ないし閉塞させることができる。
すなわち、供給路に供給される流体の供給圧が低くなり、当該流体の供給速度が不足するような場合には、排出路逆止弁は、弁体を閉じて開口量を減少ないし閉塞させて、進角室ないし遅角室から排出された流体の全量を外側に排出せず、弁ユニットは、当該排出された流体の全部ないし一部を、循環路を介して再び遅角室ないし進角室へ供給するような流体の循環に供することができる。また、供給路に供給される流体の供給圧が高くなり、供給路に供給される流体の供給速度が十分である場合には、排出路逆止弁は、弁体を開いて開口量が増大させて、進角室ないし遅角室から排出された流体の全量を速やかに外側に排出させることができる。
本発明に係る弁開閉時期制御装置の更なる特徴構成は、
前記回転軸心と同軸心に配置され前記従動側回転体を前記カムシャフトにネジ部により連結する連結ボルトを備え、
前記内部空間は、前記連結ボルトのネジ部から頭部に向けて貫通して形成されており、
前記排出路逆止弁は、前記内部空間の頭部側に設けられている点にある。
上記構成によれば、連結ボルトを設けるスペースを利用して弁ユニットを設けることができる。そして、進角室もしくは遅角室より第二スリーブとスプールとの間の空間に排出された流体を、弁ユニットを設けた連結ボルトの頭部側から、弁ユニットの外部に排出することができる。
ことができる。
本発明に係る弁開閉時期制御装置の更なる特徴構成は、
前記クランクシャフトと同期回転する前記流体の供給ポンプを備え、
前記排出路逆止弁は、前記カムシャフトの回転に起因する遠心力が大きくなると前記開口量を大きくし、前記遠心力が低くなると前記開口量を小さくする点にある。
上記構成によれば、供給ポンプから供給される流体の供給圧は、クランクシャフトの回転数、ないし、当該クランクシャフトの回転と同期するカムシャフトの回転数が大きくなると高くなり、当該回転数が小さくなると低くなる。そこで、排出路逆止弁を、カムシャフトの回転に起因する遠心力が大きくなると開口量を大きくし、当該遠心力が低くなると開口量を小さくするようにすることで、供給ポンプから供給される流体の供給圧が高くなると排出路逆止弁の開口量を大きくし、当該供給圧が低くなると当該開口量を小さくすることができる。
弁開閉時期制御装置の全体構成を示す断面図 図1のII−II線断面図 弁ユニットの分解斜視図 低圧時かつ進角ポジションにある弁ユニットの断面図 低圧時かつ進角ポジションで第二逆止弁が閉である弁ユニットの断面図 高圧時かつ進角ポジションにある弁ユニットの断面図 低圧時かつ中立ポジションにある弁ユニットの断面図 高圧時かつ中立ポジションにある弁ユニットの断面図 低圧時かつ遅角ポジションにある弁ユニットの断面図 低圧時かつ遅角ポジションで第二逆止弁が閉である弁ユニットの断面図 高圧時かつ遅角ポジションにある弁ユニットの断面図 固定リングの斜視図 バルブストッパの斜視図 排出路逆止弁プレートの斜視図 低圧時の弁ユニットの動作を説明する図 高圧時の弁ユニットの動作を説明する図
以下、本発明に係る弁開閉時期制御装置の具体例について、図1から図16を参照しつつ説明する。
〔基本構成〕
図1に示すように、駆動側回転体としての外部ロータ20と、従動側回転体としての内部ロータ30と、作動流体としての作動油を制御する電磁制御弁Vとを備えた弁開閉時期制御装置Aが構成されている。
内部ロータ30(従動側回転体の一例)は、吸気カムシャフト5(カムシャフトの一例)の回転軸心Xと同軸心に配置されている。内部ロータ30は、この吸気カムシャフト5と一体回転するように、連結ボルト40によって、吸気カムシャフト5に連結(締結)されている。
外部ロータ20(駆動側回転体の一例)は、回転軸心Xと同軸心に配置され、内燃機関としてのエンジンEのクランクシャフト1と同期回転する。外部ロータ20が内部ロータ30を内包しており、外部ロータ20と内部ロータ30とは相対回転自在に支持されている。
電磁制御弁Vは、エンジンEに支持される電磁ユニットVaを備えると共に、連結ボルト40の内部空間40Rに収容された弁ユニットVbとを備える。
電磁ユニットVaは、ソレノイド部50と、プランジャ51とを備えている。このプランジャ51は、ソレノイド部50の駆動制御により出退作動するように回転軸心Xと同軸心に配置されている。
弁ユニットVbは、作動油(流体の一例)の給排を制御するスプール55を回転軸心Xと同軸心に配置している。これにより、スプール55は、電磁ユニットVaのプランジャ51に対向する。
この構成から、ソレノイド部50に供給する電力の制御によりプランジャ51の突出量が設定され、これに連係してスプール55が回転軸心Xに沿う方向に操作される。その結果、スプール55で作動油が制御され、外部ロータ20と内部ロータ30との相対回転位相(以下では、単に相対回転位相と称する場合がある)が決まり、吸気バルブ5Vの開閉時期の制御を実現する。この電磁制御弁Vの構成と、作動油の制御形態は後述する。
〔エンジンと弁開閉時期制御装置〕
図1のエンジンE(内燃機関の一例)は、乗用車などの車両に備えられるものを示している。エンジンEは、上部位置のシリンダブロック2のシリンダボアの内部にピストン3を収容し、このピストン3とクランクシャフト1とをコネクティングロッド4で連結した4サイクル型に構成されている。エンジンEの上部には吸気バルブ5Vを開閉作動させる吸気カムシャフト5と、図示されない排気カムシャフトとを備えている。
吸気カムシャフト5を回転自在に支持するエンジン構成部材10には、クランクシャフト1と同期回転、すなわち、エンジンEで駆動される油圧ポンプP(供給ポンプの一例)からの作動油を供給する供給流路8が形成されている。
油圧ポンプPは、エンジンEのオイルパン11に貯留される潤滑油を、供給流路8を介して作動油(流体の一例)として電磁制御弁Vに供給する。本実施形態では、油圧ポンプPから供給される作動油の供給圧(いわゆる油圧、流体の供給圧の一例)は、クランクシャフト1の回転数が大きくなると高くなり、当該回転数が小さくなると低くなる。
エンジンEのクランクシャフト1に形成した出力スプロケット6と、外部ロータ20のタイミングスプロケット22Sとに亘ってタイミングチェーン7が巻回されている。これにより外部ロータ20は、クランクシャフト1と同期回転する。なお、排気側の排気カムシャフトの前端にもスプロケットが備えられ、このスプロケットにもタイミングチェーン7が巻回される。
図2に示すように、クランクシャフト1からの駆動力により外部ロータ20が駆動回転方向Sに向けて回転する。内部ロータ30が外部ロータ20に対して駆動回転方向Sと同方向に相対回転する方向を進角方向Saと称し、この逆方向を遅角方向Sbと称する。また、内部ロータ30が外部ロータ20に対して相対的に進角方向Saの方向に変位する(相対回転位相が進角方向Saに変位する)状態のことを進角、遅角方向Sbの方向に変位する(相対回転位相が遅角方向Sbに変位する)状態のことを遅角、と称する場合がある。
この弁開閉時期制御装置Aでは、相対回転位相が進角方向Saに変位する(進角する)際に変位量の増大に伴い吸気圧縮比を高め、相対回転位相が遅角方向Sbに変位する(遅角する)際に変位量の増大に伴い吸気圧縮比を低減するようにクランクシャフト1と吸気カムシャフト5との関係が設定されている。
なお、この実施形態では、吸気カムシャフト5に備えた弁開閉時期制御装置Aを示しているが、弁開閉時期制御装置Aは排気カムシャフトに備えてもよい。また、弁開閉時期制御装置Aは吸気カムシャフト5と排気カムシャフトとの双方に備えても良い。
図1、図2に示すように、外部ロータ20は、外部ロータ本体21と、フロントプレート22と、リヤプレート23とを有している。これら外部ロータ本体21と、フロントプレート22と、リヤプレート23とは、複数の締結ボルト24の締結により一体化されている。
フロントプレート22の外周にはタイミングスプロケット22Sが形成されている。また、フロントプレート22の内周には、環状部材9を嵌め込んでおり、この環状部材9に対して連結ボルト40のボルト頭部42(頭部の一例)が圧着することにより、環状部材9と内部ロータ本体31と吸気カムシャフト5とが一体化する。
〔外部ロータ・内部ロータ〕
図2に示すように、外部ロータ20は内部ロータ30を内包している。外部ロータ20の外部ロータ本体21には径方向の内側に突出する複数の突出部21Tが一体的に形成されている。
内部ロータ30は、外部ロータ本体21の突出部21Tに密接する円柱状の内部ロータ本体31と、外部ロータ本体21の内周面に接触するように内部ロータ本体31の外周から径方向の外側に突出する4つのベーン部32とを有している。
図2に示すように、外部ロータ20が内部ロータ30を内包した状態において、回転方向で隣接する突出部21Tの中間位置で、内部ロータ本体31の外周側に複数の流体圧室Cが形成される。そして、この流体圧室Cがベーン部32で仕切られることで、進角室Caと遅角室Cbとが区画形成される。
さらに、内部ロータ30には、これら進角室Caに連通する進角流路33と、遅角室Cbに連通する遅角流路34とが形成されている。
図1、図2に示すように、外部ロータ20と内部ロータ30との相対回転位相を最遅角位相から進角方向Saに付勢力を作用させて進角方向Saへの変位をアシストするトーションスプリング28が、外部ロータ20と環状部材9とに亘って備えられている。
図1、図2に示すように、この弁開閉時期制御装置Aでは外部ロータ20と内部ロータ30との相対回転位相を最遅角位相に保持するロック機構Lを備えている。このロック機構Lは、1つのベーン部32に対し回転軸心Xに沿う方向に出退自在に支持されるロック部材25と、このロック部材25を突出付勢するロックスプリング26と、リヤプレート23に形成したロック凹部23aとで構成されている。なお、ロック機構Lは、ロック部材25が径方向に沿って移動するようにガイドして構成しても良い。
ロック機構Lは、相対回転位相が、最遅角位相に達した場合にロック部材25がロックスプリング26の付勢力によりロック凹部23aに係合してロック状態に達する。また、ロック機構Lは、進角流路33に作用する作動油の圧力をロック部材25にロック解除方向に作用させることでロック解除される。
〔連結ボルト〕
図1から図11に示すように連結ボルト40は、全体的に筒状となるボルト本体41の外端部(電磁ユニットVaに対向する側)にボルト頭部42が形成されている。また、ボルト本体41におけるボルト頭部42とは他端の部分の外周に雄ネジ部41S(ネジ部の一例)が形成されている。
連結ボルト40の内部には、回転軸心Xに沿う方向に貫通する、円筒状の内部空間40Rが形成されている。この内部空間40Rは、外部と連通し、外部から吸気カムシャフト5に渡る範囲に亘り形成されている。
以下では、弁開閉時期制御装置Aの各部の方向や相対的な位置関係を説明する場合に、回転軸心Xに沿う方向でボルト本体41のボルト頭部42の側、すなわち、プランジャ51に対向する側を頭部側と称する場合がある。また、回転軸心Xに沿う方向でボルト本体41の雄ネジ部41Sの側、すなわち、吸気カムシャフト5の側をネジ部側と称する場合がある。
なお、これら頭部側およびネジ部側はそれぞれ、弁ユニットVbが油圧ポンプPから作動油の供給を受ける場合における作動油の流れの下流側および上流側に対応する。
図1に示すように吸気カムシャフト5には回転軸心Xを中心にするシャフト内空間5Rが形成され、このシャフト内空間5Rの内周に雌ネジ部5Sが形成されている。シャフト内空間5Rは、前述した供給流路8と連通する。
この構成から、ボルト本体41を環状部材9と外部ロータ20と内部ロータ30とに挿通する状態で、その雄ネジ部41Sを吸気カムシャフト5の雌ネジ部5Sに螺合させ、ボルト頭部42の回転操作により内部ロータ30が吸気カムシャフト5に締結される。この締結により環状部材9と内部ロータ30とが吸気カムシャフト5に固定され、シャフト内空間5Rと連結ボルト40とが連通する。
図4から図11に示すように、連結ボルト40の内部空間40Rの内周面40Wのうち、ネジ部側の部分には、小径部40Rsが形成されている。連結ボルト40の内部空間40Rの内周面40Wのうち、頭部側の部分には、大径部40Rbが形成されている。回転軸心Xに沿う方向における内部空間40Rの、小径部40Rsと大径部40Rbとの間の空間の直径は、小径部40Rsの内径よりも大きく、大径部40Rbの内径よりも小さくなっている。
また、連結ボルト40の内部空間40Rの内周面40Wのうち回転軸心Xに沿う方向でのネジ部側の端部(小径部40Rsのネジ部側の端部)には回転軸心Xに近接する方向に突出する規制壁44が形成されている。
連結ボルト40の内周で中間位置から大径部40Rbに達する領域(大径部40Rbを含まない領域)には複数(本実施形態では4つ)のドレン溝D(排出路の一例)が回転軸心Xに沿う姿勢で形成される。
ボルト本体41には、進角流路33に連通する進角ポート41aと、遅角流路34に連通する遅角ポート41bとが外周面から内部空間40Rに亘って形成されている。
〔弁ユニット〕
図4から図11に示すように、弁ユニットVbは、連結ボルト40の内部空間40Rのうち、ボルト本体41の内周面40Wに摺接し、当該内周面40Wに案内される状態で回転軸心Xに沿う方向にスライド移動自在に嵌め込まれる第一スリーブ73と、第一スリーブ73の内周面に摺接可能に緩挿される第二スリーブ53と、回転軸心Xと同軸心で内部空間40Rに収容される流体供給管54と、第二スリーブ53の内周面と流体供給管54の管路部54T(供給路の一例)の外周面に案内される状態で回転軸心Xに沿う方向にスライド移動自在に配置されるスプール55とを備えている。
さらに、弁ユニットVbは、スプール55を突出方向に付勢する付勢部材としてのスプールスプリング56と、第一逆止弁CV1と、第二逆止弁CV2と、フィルタ59と、固定リング60と、先端リング61と、排出路逆止弁CV3とを備えている。
図3から図11に示すように、第一逆止弁CV1は、流体供給管54およびこれに含まれる循環孔54b(循環路の一例)と、環状弁プレート52aを有する第一弁プレート52を備えている。
第二逆止弁CV2は、弁座部材としての開口プレート57と、弁体58aを有する第二弁プレート58を備えている。
図4から図11に示すように、固定リング60は、内部空間40Rの小径部40Rsに嵌る外筒部60aと、円筒状の外筒部60aよりも内径の小さな内筒部60bと、固定リング60における、回転軸心Xに沿う方向のおよそ中間位置に、回転軸心Xと垂直に交差する壁部60cとを有する。
固定リング60の壁部60cには、回転軸心Xを中心とする円形の開口部60dが形成されている。外筒部60aは、回転軸心Xに沿う方向における外筒部60aの端部から回転軸心Xに沿う方向における外筒部60aの内側に向けて切り欠いたように凹む凹部60eを有する。本実施形態では、外筒部60aの頭部側とネジ部側との両端部で回転軸心Xに沿う方向に対になるように2つの凹部60eが4対設けられ、それぞれ外筒部60aの周方向に等間隔で配置されている。
先端リング61は、内部空間40Rの大径部40Rbに嵌る筒状部材である。
〔弁ユニット:排出路逆止弁〕
図3から図11に示すように、排出路逆止弁CV3は、排出路逆止弁プレート62と、バルブストッパ63とを備えている。
バルブストッパ63は、図3および図13に示すように、内部空間40Rの大径部40Rbに嵌る円環状の板状の縁部63aと、縁部63aの円環の内側に延出する4つの板状の延出部63bとを有する。また、バルブストッパ63は、隣接する延出部63bの間における縁部63aの内周側部分が、延出部63bとの関係で径方向における外側に向けて相対的に凹んだ部分となる凹部63cを有する。この凹部63cと、隣接する延出部63bの間において空間が形成される。
バルブストッパ63における径方向において、延出部63bの外周側が内周側よりも周方向において広く形成されている。4つの延出部63bは、バルブストッパ63における径方向の内周側において、互いに離間している。
バルブストッパ63は、図3から図11に示すように、後述する排出路逆止弁プレート62の弁体62aを受け止める弁座である。
排出路逆止弁プレート62は、図3および図14に示すように、弁体62aと環状部62bとバネ部62sとを備えている。排出路逆止弁プレート62の中央位置に回転軸心Xを中心とする円形の弁体62aが配置され、外周に回転軸心Xを中心とする環状部62bが配置されると共に、弁体62aと環状部62bとを繋ぐように、弁体62aと環状部62bとの間に渦巻き状のバネ部62sが設けられている。
環状部62bは、内部空間40Rの大径部40Rbに嵌るようになっており、環状部62bの内周面から弁体62aに到るまで、バネ部62sが環状に延在している。
弁体62aの外径は、バルブストッパ63の縁部63aの内径よりも大きく形成されている。これにより、排出路逆止弁プレート62とバルブストッパ63とを回転軸心Xと同軸心に配置した場合に、回転軸心Xの方向視において、排出路逆止弁プレート62の弁体62aがバルブストッパ63の縁部63aと重複する。
弁体62aの中心部分には、開口部62cが形成されている。この構成では、開口部62cが回転軸心Xを中心とする円形に形成される。開口部62cは、後述するスプール本体55aの外径とおよそ等しい内径に形成されており、スプール本体55aは開口部62cに嵌ることができる。
弁体62aが縁部63aに密接することで、排出路逆止弁CV3は逆止弁として機能する。すなわち、回転軸心Xに沿う方向における、弁体62aから縁部63aに向かう向きの作動油の流れを遮断し、縁部63aから弁体62aに向かう向きの作動油の流れを、バネ部62sの弾性力と作動油の油圧とのバランスにより許容する。
〔弁ユニット:第一スリーブ〕
図3から図11に示すように、第一スリーブ73は、回転軸心Xを中心とする筒状の部材である。
第一スリーブ73には、回転軸心Xに沿い第一スリーブ73の筒部から延出する4つの係合凸部73Tが形成されており、それぞれの係合凸部73Tの間には凹部73eが形成されている。
係合凸部73Tが後述するバルブストッパ63の凹部63cに嵌ることにより回転軸心Xを中心にした第一スリーブ73の姿勢が定まり、後述する第一ドレン孔73cがドレン溝Dに連通する状態が維持される。
第一スリーブ73には、進角ポート41aを内部空間40Rに連通させる複数の第一進角連通孔73aと、遅角ポート41bに内部空間40Rを連通させる複数の第一遅角連通孔73bと、内部空間40Rの作動油を第一スリーブ73の外面側に排出する複数の第一ドレン孔73cとが角孔状(矩形)に形成されている。第一ドレン孔73cは、第一スリーブ73におけるネジ部側に形成されている。
第一進角連通孔73aと第一遅角連通孔73bとは、回転軸心Xを中心とする周方向の4箇所で、回転軸心Xに沿う方向に並列して形成されている。
第一ドレン孔73cは、回転軸心Xを中心とする周方向で第一進角連通孔73aと第一遅角連通孔73bとで異なる位相となる4箇所に形成されている。
前述した係合凸部73Tは、4つ第一ドレン孔73cを基準に回転軸心Xに沿う方向での延長線上に配置されている。
〔弁ユニット:第二スリーブ〕
図3から図11に示すように、第二スリーブ53は、回転軸心Xを中心とする筒状の部材である。
第二スリーブ53は、第一スリーブ73の内側に緩挿されている。言い換えると、第二スリーブ53は、第一スリーブ73の内側に緩く嵌められている。
第二スリーブ53の筒の外径は、第二スリーブ53の筒の外側と第一スリーブ73の筒の内側とに隙間が生じない程度に、第一スリーブ73の内径よりもやや小さくなっている。これにより、第一スリーブ73は、第二スリーブ53の外周面に案内されて、回転軸心Xに沿う方向にスライド移動自在となっている。
第二スリーブ53は、頭部側に、第二スリーブ53の筒の頭部側の端部から回転軸心Xに沿う方向に延出し、かつ、第二スリーブ53の筒の径方向外側に突出する複数(2つ)の係合突起53Tを形成されている。また、第二スリーブ53は、ネジ部側を回転軸心Xに直交する姿勢に屈曲させて端部壁53Wを絞り加工等により形成している。
第二スリーブ53が第一スリーブ73に内挿されて、係合突起53Tがドレン溝Dに嵌ることにより回転軸心Xを中心にした第二スリーブ53の姿勢が定まる。また、係合突起53Tが第一スリーブ73の凹部73eに嵌ることにより、回転軸心Xを中心にした第一スリーブ73の姿勢が定まる。これにより、後述する第二ドレン孔53cが、第一ドレン孔73cと連通し、第二ドレン孔53cがドレン溝Dに連通する状態が維持される。
第二スリーブ53には、進角ポート41aを内部空間40Rに連通させる複数の第二進角連通孔53aと、遅角ポート41bに内部空間40Rを連通させる複数の第二遅角連通孔53bと、内部空間40Rの作動油を第二スリーブ53の外面側に排出する複数の第二ドレン孔53cとが角孔状(矩形)に形成されている。第二ドレン孔53cは、第二スリーブ53におけるネジ部側に形成されている。
第二進角連通孔53aと第二遅角連通孔53bとは、回転軸心Xを中心とする周方向の4箇所で、回転軸心Xに沿う方向に並列して形成されている。
第二ドレン孔53cは、回転軸心Xを中心とする周方向で第二進角連通孔53aと第二遅角連通孔53bとで異なる位相となる4箇所に形成されている。
前述した係合突起53Tは、4つ第二ドレン孔53cのうち回転軸心Xを挟んで対向する位置の2つのものを基準に回転軸心Xに沿う方向での延長線上に配置されている。
この構成から、係合突起53Tをドレン溝Dに沿わせた状態で、かつ、第一スリーブ73の凹部73eが係合突起53Tと係合し、係合突起53Tが凹部73eに沿い、嵌るように、第二スリーブ53を第一スリーブ73の内側に嵌め込むことにより、第二進角連通孔53aと第一進角連通孔73aと進角ポート41aとが連通する。また、第二遅角連通孔53bと第一遅角連通孔73bと遅角ポート41bとが連通しする。また、第二ドレン孔53cと第一ドレン孔73cとがドレン溝Dに連通する状態が維持される。なお、ドレン溝Dは、凹部73eの隙間を通じて、スプール55(スプール本体55aの外周)と壁部61bのネジ部側との間の空間(一対のランド部55bよりもプランジャ51に対向する側の空間)と連通する。
なお、回転軸心Xに沿う方向における第二進角連通孔53aの開口径と、第二遅角連通孔53bの開口径と、第二ドレン孔53cの開口径とはそれぞれ、回転軸心Xに沿う方向における第一進角連通孔73aの開口径と、第一遅角連通孔73bの開口径と、第一ドレン孔73cの開口径とに比して相対的に小さく(回転軸心Xに沿う方向における開口長さが短かく)形成されている。これにより、第一スリーブ73が、回転軸心Xに沿う方向にスライドしても、第二進角連通孔53aと第一進角連通孔73aと進角ポート41aとの連通状態、および、第二遅角連通孔53bと第一遅角連通孔73bと遅角ポート41bとの連通状態が維持される。
〔弁ユニット:流体供給管〕
図3から図11に示すように、流体供給管54は、内部空間40Rに嵌め込まれる基端部54S、および、基端部54Sより小径で、基端部54Sから内部空間40Rにおける頭部側に向けて延出する管路部54Tが一体形成され、この管路部54Tの先端部の外周には供給口54aが形成されている。
基端部54Sは、回転軸心Xを中心とし、内部空間40Rに嵌る直径の円形で、回転軸心Xに直交する姿勢の中間壁54Sb(基端部仕切壁の一例)と、第二逆止弁CV2とで構成されている。
管路部54Tの先端部の外周に形成される3つの供給口54aは、回転軸心Xに沿う方向に伸びる長孔状であり、スプール55に形成される4つの中間孔部55cは円形状である。そして、供給口54aの数と、スプール55に形成される中間孔部55cの数とが異なり、供給口54aの周方向での開口幅が、周方向で隣接する供給口54aの中間部分(管路部54Tの部分のうち、周方向で隣り合う供給口54a、54aの間にある部分)の幅より大きいため、管路部54Tからの作動油を、中間孔部55cに対して確実に供給することができる。
中間壁54Sbには、第二逆止弁CV2の一部を成す循環孔54bが形成されている。循環孔54bは、回転軸心Xを中心とし、管路部54Tの外周に沿う環状領域に一対の貫通口が、回転軸心Xを中心に対称となる円弧状に配置されているものである。循環孔54bは、本実施形態では、円弧状に形成された二つのスリット状の貫通口である。
中間壁54Sbの外径は、第一スリーブ73の内径と等しいか、当該内径よりも小さくなっており、中間壁54Sbは、第一スリーブ73の内側に嵌ることができる。第二逆止弁CV2の詳細は後述する。
〔弁ユニット:スプール・スプールスプリング〕
図3から図11に示すように、スプール55は、筒状に形成されている。スプール55は、先端に操作端部55sが形成されたスプール本体55aを有する。スプール本体55aの外周には、突出状態で形成された一対のランド部55bが形成されると共に、一対のランド部55bの中間位置とスプール55の内部とを連通させる複数の(4つの)中間孔部55cが形成されている。
スプール55のうち、操作端部55sと反対側には、スプール55が押し込み方向に操作された際に、端部壁53Wに当接して作動限界を決める当接端部55rがランド部55bと一体となって形成されている。この当接端部55rは、スプール本体55aを延長した領域の端部においてランド部55bより小径に構成される。
スプールスプリング56は、圧縮コイル型のバネである。スプールスプリング56は、内部側のランド部55bと第二スリーブ53の端部壁53Wとの間に配置されている。この付勢力の作用により、スプール55は頭部側のランド部55bがバルブストッパ63の延出部63bに当接して図4から図6に示す進角ポジションPaに維持される。頭部側のランド部55bはバルブストッパ63側に延出する小径部55dを有しており、この小径部55dが延出部63bに当接する。
さらに、この弁ユニットVbでは、第二スリーブ53の端部壁53Wと、流体供給管54の中間壁54Sbとが回転軸心Xに沿う方向視で重複し、端部壁53Wと中間壁54Sbとが回転軸心Xに沿う方向で互いに当接するように位置関係が設定されている。端部壁53Wと中間壁54Sbとは、このように当接する端部壁53Wと中間壁54Sbとの平面精度を高くすることにより作動油の流れを阻止するシール部Hとして構成されている。
なお、端部壁53Wは、管路部54Tの外周面と離間して設けられ、隙間が形成されている。当該隙間からは、進角室Caもしくは遅角室Cbから、第二スリーブ53とスプール55との間の空間(一対のランド部55bよりも吸気カムシャフト5側の空間)に排出された作動油が、循環孔54bに流通可能となっている。なお、以下では、進角室Caもしくは遅角室Cbから、第二スリーブ53とスプール55との間の空間に排出された作動油を、単に排出油と称する場合がある。
この構成では、流体供給管54の基端部54Sの位置が固定リング60によって固定されるようになっている。そのため、この基端部54Sがリテーナとして機能する。
また、第二スリーブ53の端部壁53Wにはスプールスプリング56の付勢力が作用するため、この端部壁53Wが基端部54Sの中間壁54Sbを圧接する。
したがって、端部壁53Wと中間壁54Sbとが互いに密着できるように互いの姿勢を設定することでスプールスプリング56の付勢力を利用して端部壁53Wを中間壁54Sbに密着させ、この部位をシール部Hとして構成するのである。
〔弁ユニット:第一逆止弁〕
図6に示すように第一逆止弁CV1を構成する基端部54Sと第一弁プレート52とは等しい外径の金属材で形成され、中間壁54Sbのネジ部側で中間壁54Sbに接する位置に第一弁プレート52を配置している。特に第一弁プレート52にはバネ板材が用いられている。
第一弁プレート52は、中央位置に回転軸心Xを中心とする環状の環状弁プレート52aが配置され、外周に回転軸心Xを中心とする環状部52bが配置されると共に、環状弁プレート52aと環状部52bとを繋ぐように渦巻き状のバネ部52sを備えている。環状弁プレート52aは、外径側が前述した循環孔54bが形成される環状領域より大径で、内径側には環状領域より小径の開口部52cが形成されている。この構成では、開口部52cが回転軸心Xを中心とする円形に形成される。これにより、環状弁プレート52aは、循環孔54bに密着(当接)したときに循環孔54bを閉塞することができる。
第一弁プレート52は、図3から図11に示すように、環状部52bを、固定リング60の外筒部60aと中間壁54Sbとで挟持されて内部空間40Rで固定される。
このような構成から、第一逆止弁CV1を組み立てる際には、第一弁プレート52を、流体供給管54と固定リング60との間において、連結ボルト40の内部空間40Rに嵌め込むだけで、各々が最適な位置関係となり、位置決め等の操作が不要となる。
第一逆止弁CV1は、第一逆止弁CV1の下流側となるネジ部側の作動油の圧力が、第二スリーブ53とスプール55との間の空間よりも低下した場合、図4、図9に示すように、バネ部52s(図3参照)が弾性変形することにより、環状弁プレート52aが循環孔54bから離間して、作動油の流通を許容する。環状弁プレート52aは固定リング60の内筒部60bの内側を、回転軸心Xに沿い、固定リング60の壁部60cまでの範囲で前後に揺動し、作動油の流通を許容する。
以下では、環状弁プレート52aが循環孔54bから離間する動作を、第一逆止弁CV1が開くと称する場合がある。また、環状弁プレート52aが循環孔54bに密着している状態を、第一逆止弁CV1閉じていると称する場合がある。
第一逆止弁CV1は、ネジ部側の作動油の圧力が上昇した場合、例えば油圧ポンプPの吐出圧が増加して油圧ポンプPから弁ユニットVbに供給される作動油の供給圧(以下では単に、油圧と称する場合がある)が増加した場合(図6もしくは図11参照)、あるいは、スプール55が中立ポジションPnに設定された場合(図7もしくは図8参照)には、あるいは、図6から図8、および図11に示すように、油圧およびバネ部52sの弾性力により環状弁プレート52aが循環孔54bを閉塞するように密着して循環孔54bを閉塞する。その結果、ネジ部側から頭部側への逆流が防止される。
また、中間壁54Sbには回転軸心Xを中心に対称となる形状の一対の循環孔54bが形成されているため、環状弁プレート52aに偏りのない圧力を作用させて環状弁プレート52aを確実に開放させる(第一逆止弁CV1を開く)と共に、一対の中間壁54Sbを通過して中間壁54Sbのネジ部側空間に流出した作動油を、環状弁プレート52aの開口部52cを介して流体供給管54に送り込む(循環させる)ことが可能となる。
このように構成することで、バネ板材を用いつつ、第一逆止弁CV1を小型化し、連結ボルト40の内部空間40Rに収容することができる。また、例えば、連結ボルト40の外部に逆止弁を備える構成と比較して、流路構成を簡素化することができる。また、この第一逆止弁CV1は進角室Caや遅角室Cbに連通する流路の近傍に配置されるため、応答性良く閉塞作動させることも可能となる。
〔弁ユニット:第二逆止弁〕
図3に示すように、第二逆止弁CV2を構成する開口プレート57と第二弁プレート58とは等しい外径の金属材で形成され、作動油の供給方向での上流側に開口プレート57を配置し、これより下流側で開口プレート57に接する位置に第二弁プレート58を配置している。特に第二弁プレート58にはバネ板材が用いられている。
開口プレート57は回転軸心Xを中心とする環状領域に一対の流通口57aが回転軸心Xを中心に対称となる円弧状に成されている。また、開口プレート57のうち第二弁プレート58に対向する面で、流通口57aを取り囲む領域には回転軸心Xを中心に円弧状となる複数の溝部57bが形成されている。
第二弁プレート58は、中央位置に回転軸心Xを中心とする円形の弁体58aが配置され、外周に回転軸心Xを中心とする環状部58bが配置されると共に、弁体58aと環状部58bとを繋ぐように渦巻き状のバネ部58sを備えている。弁体58aは、外径側が前述した流通口57aが形成される環状領域より大径で、内径側には環状領域より小径の開口部58cが形成されている。この構成では、開口部58cが回転軸心Xを中心とする円形に形成される。これにより、弁体58aは、流通口57aに密着したときに流通口57aを閉塞することができる。
第二弁プレート58は、環状部58bを、固定リング60(図12参照)の外筒部60aと開口プレート57とで挟持されて、内部空間40Rにおける小径部40Rsに嵌り、固定される。
このような構成から、第二逆止弁CV2を組み立てる際には、第二弁プレート58と、開口プレート57とを連結ボルト40の内部空間40Rの小径部40Rsに嵌め込むだけで、各々が最適な位置関係となり、位置決め等操作が不要となる。
また、この第二逆止弁CV2では、作動油が供給された場合には、図4、図6、図9、図11に示すように、バネ部58sが弾性変形することにより、弁体58aが流通口57aから離間して第二逆止弁CV2が開き、作動油の流通を許容する。
弁体58aは固定リング60の内筒部60bの内側を、回転軸心Xに沿い、固定リング60の壁部60cまでの範囲で前後に揺動し、作動油の流通を許容する。
以下では、弁体58aが流通口57aから離間する動作を、第二逆止弁CV2が開くと称する場合がある。また、弁体58aが流通口57aに密着している状態(図5、図7、図8、図10参照)を、第二逆止弁CV2が閉じていると称する場合がある。
この第二逆止弁CV2では、第二逆止弁CV2の下流側となる頭部側の圧力が上昇した場合(図5もしくは図10参照)や、油圧ポンプPの吐出圧が低下した場合、あるいは、スプール55が中立ポジションPnに設定された場合(図7もしくは図8参照)には、図5、図7、図8、図10に示すように、バネ部58sの弾性力により弁体58aが開口プレート57の流通口57aを閉塞するように密着して流通口57aを閉塞する。その結果、下流側から上流側への逆流が防止される。特に、弁体58aで流通口57aを閉塞する場合に、開口プレート57に溝部57bが形成されているため、バネ部58sが開口プレート57に密着して離れ難く成る不都合を抑制する。
〔弁ユニット:フィルタ〕
さらに、図3に示すように、フィルタ59は、開口プレート57と第二弁プレート58と等しい外径の環状の枠体59aの中央部が作動油の流通を許容する網状部材で成る濾過部59bを備えて構成されている。
フィルタ59は、開口プレート57とフィルタ59との間に、板材を緩く巻回した渦巻き状に形成した支持部材59cを介在させた状態で、連結ボルト40の内部空間40Rの小径部40Rs内に嵌め込まれる。
このように第二逆止弁CV2が構成されるため小型化が可能となる。しかも、図4、図6、図9、図11に示すように、第二逆止弁CV2が開いている状態にある場合には、開口プレート57に形成された一対の流通口57aを流れた作動油が、弁体58aの開口部58cおよび開口部60dを通過できる。これにより開口部58cを通過した回転軸心Xの近傍位置において、この回転軸心Xに沿って流れることにより、例えば、作動油が流体供給管54の管路部54Tの内壁に接触して圧損を招く等の不都合を解消し、圧損を抑制した状態での作動油の供給を実現する。
また、開口プレート57には回転軸心Xを中心に対称となる形状の一対の流通口57aが形成されるため、弁体58aに偏りのない圧力を作用させて弁体58aを確実に開放させると共に、一対の流通口57aを通過した作動油を弁体58aの開口部58cに送り込むことも可能となる。
特に、第二逆止弁CV2が連結ボルト40の内部空間40Rに収容されているため、例えば、連結ボルト40の外部に備える構成と比較して、流路構成が簡素化し、この第二逆
く閉塞作動させることも可能となる。
〔弁ユニット、第一逆止弁、第二逆止弁およびフィルタの固定〕
図3および図4から図11に示すように、まず、フィルタ59を内部空間40Rの頭部側から挿入し、規制壁44に当接させる。その後、支持部材59c、開口プレート57、第二弁プレート58、固定リング60を、この順に内部空間40Rの小径部40Rsに挿入して嵌めて、それぞれ当接させる。
なお、本実施形態では、固定リング60は、内部空間40R内において小径部40Rsから回転軸心X方向における頭部側にややはみ出した状態で小径部40Rsに嵌る。これにより、固定リング60の径方向内側の内部空間40Rと、固定リング60の径方向外側の内部空間40Rとが固定リング60の頭部側にある凹部60eを介して連通する。
さらに、第一弁プレート52と、流体供給管54とを、この順に内部空間40Rに挿入し、それぞれ当接させる。なお、流体供給管54は、基端部54Sの側から内部空間40Rに挿入する。その後、第一スリーブ73を、凹部73eを手前側にして内部空間40Rに挿入する。この際、第一スリーブ73の内側に、流体供給管54の管路部54Tが挿通されるようにする。
さらに、第二スリーブ53の係合突起53Tをドレン溝Dと第一スリーブ73の凹部73eとに嵌めて、第二スリーブ53を内部空間40Rに挿入し、第二スリーブ53の端部壁53Wを流体供給管54の中間壁54Sbに当接させる。これにより、第一スリーブ73のスライド範囲が、係合凸部73Tの回転軸心Xに沿う方向の長さの範囲内(係合突起53Tが、凹部73eの回転軸心Xに沿う方向における端部に当接するまでの範囲内)に規制される。
さらにスプールスプリング56、およびスプール55を、この順に、流体供給管54の管路部54Tの外側から嵌めて、内部空間40Rに挿入する。なお、スプール55は、スプール55の操作端部55sを手前にして内部空間40Rに挿入する。
さらに、バルブストッパ63、排出路逆止弁プレート62の順に、内部空間40Rに挿入する。この際、スプール本体55aを、バルブストッパ63の内周側、および排出路逆止弁プレート62の開口部62cに嵌める。また、この際、バルブストッパ63の延出部63bを第一スリーブ73の凹部73eに嵌める。これにより、第一スリーブ73の係合凸部73Tが排出路逆止弁プレート62の弁体62aに当接する。
最後に、先端リング61を、ネジ部側に向けて、内部空間40R(大径部40Rb)に圧入する。この圧入の際、頭部側にあるランド部55bの小径部55dをバルブストッパ63の延出部63bに押し当てて、スプール本体55aの頭部側の先端部分が、先端リング61よりも頭部側に突出した状態とする。そして、ネジ部側位置のランド部55bを頭部側に向けて付勢するスプールスプリング56の付勢力に抗しつつ、先端リング61を大径部40Rbの奥まで圧入する。
先端リング61の圧入が完了すると、先端リング61と、規制壁44との間で、頭部側からネジ部側に向けて、排出路逆止弁プレート62、バルブストッパ63、スプール55、スプールスプリング56、第一スリーブ73および第二スリーブ53、流体供給管54、第一逆止弁CV1、固定リング60、第二逆止弁CV2、フィルタ59が内部空間40Rにおいて位置決めされる。
〔弁開閉時期制御装置の動作〕
以下では、弁開閉時期制御装置Aの動作と、作動油の制御とについて説明していく。
〔作動油の制御形態〕
〔スプールのポジション〕
スプール55の位置と、作動油の進角室Caもしくは遅角室Cbへの供給について説明する。
〔進角ポジションについて〕
この弁開閉時期制御装置Aでは電磁ユニットVaのソレノイド部50に電力が供給されない状態では、プランジャ51からスプール55に押圧力が作用することはなく、図4から図6に示すように、スプールスプリング56の付勢力によりスプール55は、その外側位置のランド部55bの小径部55dがバルブストッパ63の延出部63bに当接する位置に維持される。
このスプール55の位置が進角ポジションPaであり、一対のランド部55bと第二進角連通孔53aおよび第二遅角連通孔53bとの位置関係から、スプール55の中間孔部55cと第二進角連通孔53aおよび第一進角連通孔73aとが連通し、第一遅角連通孔73bおよび第二遅角連通孔53bが第二スリーブ53の内側(内部空間40R)に連通する。
これにより、油圧ポンプPから供給される作動油が、流体供給管54の供給口54aからスプール55の中間孔部55cと第二進角連通孔53aおよび第一進角連通孔73aと進角ポート41aとを介して、進角室Caに供給可能となる。これと同時に遅角室Cbが遅角ポート41bから第一遅角連通孔73bおよび第二遅角連通孔53bを介して第二スリーブ53とスプール55との間の空間に連通し、遅角室Cbの作動油が第二スリーブ53とスプール55との間の空間に排出可能になる。
そして、進角室Caに作動油が供給され、また、遅角室Cbから作動油が排出されると、弁開閉時期制御装置A(内部ロータ30)の相対回転位相が進角方向Saに変位する(進角する)。
以下では、遅角室Cbから第二スリーブ53とスプール55との間の空間に排出される作動油(遅角室Cbからの排出油)の圧力を、単に進角時の排出圧力と称する場合がある。
〔中立ポジションについて〕
電磁ユニットVaのソレノイド部50に所定の電力を供給することにより、プランジャ51が突出作動し、スプールスプリング56の付勢力に抗してスプール55を図7および図8に示す中立ポジションPnに設定することが可能である。
スプール55が中立ポジションPnに設定された場合には、一対のランド部55bが第二スリーブ53の第二進角連通孔53aと第二遅角連通孔53bとを閉じる位置関係となり、進角室Caと遅角室Cbとに作動油が給排されず相対回転位相が維持される。
〔遅角ポジションについて〕
電磁ユニットVaのソレノイド部50に前述した所定の電力を超える電力を供給することにより、プランジャ51がさらに突出作動し、スプール55を図9から図11に示す遅角ポジションPbに設定することが可能である。
この遅角ポジションPbでは、一対のランド部55bと第二進角連通孔53aおよび第二遅角連通孔53bとの位置関係から、スプール55の中間孔部55cと第一遅角連通孔73bおよび第二遅角連通孔53bとが連通し、第二進角連通孔53aおよび第一進角連通孔73aが、スプール本体55aの外周と先端リング61の壁部61bのネジ部側との間の空間に連通する。
これにより、油圧ポンプPから供給される作動油が、流体供給管54の供給口54aからスプール55の中間孔部55cと第二遅角連通孔53bおよび第一遅角連通孔73bと遅角ポート41bとを介して遅角室Cbに供給可能になる。これと同時に、進角室Caの作動油が進角ポート41aから第一進角連通孔73aおよび第二進角連通孔53aを介してスプール本体55aの外周と壁部61bのネジ部側との間の空間に連通し、進角室Caの作動油がスプール本体55aの外周と壁部61bのネジ部側との間の空間に排出可能になる。
そして、遅角室Cbに作動油が供給され、また、進角室Caから作動油が排出されると、弁開閉時期制御装置A(内部ロータ30)の相対回転位相が遅角方向Sbに変位する(遅角する)。
以下では、進角ポジションPaの場合と同様に、進角室Caからスプール本体55aの外周と壁部61bのネジ部側との間の空間に排出される作動油の圧力を、単に遅角時の排出圧力と称する場合がある。
〔第一スリーブおよび排出路逆止弁の動作〕
上述のごとく、第一スリーブ73は、ボルト本体41の内周面に案内される状態で回転軸心Xに沿う方向にスライド移動自在になっている。そのため、フィルタ59を介して油圧ポンプPから作動油が供給されて、第二弁プレート58を経て固定リング60まで作動油が流れて到達すると、当該作動油はさらに、固定リング60における頭部側の凹部60eを通じて流れ、第一スリーブ73のネジ部側の端部73P(受圧部の一例)にまで到る。これにより、端部73Pが受圧面として作動油の供給圧を受け止めて、第一スリーブ73に対し、端部73Pから回転軸心Xに沿う方向における頭部側へ向く付勢力が生ずる。
以下では、この端部73Pから回転軸心Xに沿う方向における頭部側へ向く付勢力を単に、油圧による付勢力と称する場合がある。また、油圧ポンプPから供給される作動油の供給圧を、単にポンプPの油圧、と称する場合がある。
ここで、第一スリーブ73は、係合凸部73Tが排出路逆止弁プレート62の弁体62aに当接しているため、第一スリーブ73には、排出路逆止弁プレート62のバネ部62sによる付勢力が、油圧による付勢力に抗して働くことになる。
バネ部62sによる付勢力よりも油圧による付勢力が大きくなると、当該油圧による付勢力の増大に応じて第一スリーブ73が頭部側へスライドし、第一スリーブ73の係合凸部73Tが排出路逆止弁プレート62の弁体62aを頭部側へ向けて押すことで、排出路逆止弁CV3が閉じた状態(図4、図5、図7、図9、図10参照)から弁体62aがバルブストッパ63から徐々に離間して、排出路逆止弁CV3が開く(図6、図8、図11参照)。
つまり、排出路逆止弁CV3は、作動油の供給圧(ポンプPの油圧)に応じて開口量が変化する。具体的には、排出路逆止弁CV3は、作動油の供給圧が所定の大きさ以上に大きくなると閉状態から開き、さらに作動油の供給圧が大きくなると、当該供給圧が大きくなるにつれて開口量が大きくなる。この開口量は、バネ部62sによる付勢力(ばねの弾性力)と、油圧による付勢力とのバランスで決定される。
このように、排出路逆止弁CV3は、油圧が所定の値よりも低い場合(本実施形態では油圧による付勢力が排出路逆止弁プレート62のバネ部62sによる付勢力と同じか小さい場合)は、スプール本体55aの外周と壁部61bのネジ部側との間の空間が外部と遮断された状態が維持される。
また、ドレン溝Dは、凹部73eの隙間を通じて、スプール本体55aの外周と壁部61bのネジ部側との間の空間と連通しており、また、ドレン溝Dは、第一ドレン孔73cおよび第二ドレン孔53cを介して第二スリーブ53とスプール55との間の空間と連通しているから、油圧が所定の値よりも低い場合は、第二スリーブ53とスプール55との間の空間も、外部と遮断された状態(図4、図5、図7、図9、図10参照)が維持される。
以下では、油圧が所定の値よりも低い場合を、単に、低圧時と称する場合がある。
一方、排出路逆止弁CV3は、油圧が所定の値よりも高い場合(本実施形態では油圧による付勢力が排出路逆止弁プレート62のバネ部62sによる付勢力よりも大きい場合)に開き(図6、図8、図11参照)、スプール本体55aの外周とバルブストッパ63のネジ部側との間の空間が外部と連通する。
この際、第二スリーブ53とスプール55との間の空間も、スプール本体55aの外周とバルブストッパ63のネジ部側との間の空間を介して外部と連通する。
以下では、油圧が所定の値よりも高い場合を、単に、高圧時と称する場合がある。
〔低圧時の第一逆止弁の動作〕
図4、図5、図9、図10、および図15を参照しつつ、進角室Caもしくは遅角室Cbから作動油が排出される空間が外部と遮断された状態が維持されている(排出路逆止弁CV3が閉じている)低圧時の第一逆止弁CV1の動作について説明する。
図15は、低圧時の弁開閉時期制御装置Aの動作を説明している。まず、図15中の記載事項について説明を加える。図15中、カムトルクの進角および遅角との記載はそれぞれ、カムトルクが進角方向Saに向く場合および遅角方向Sbに向く場合を意味している。ソレノイドのONおよびOFFは、ソレノイド部50への通電と通電停止を意味している。相対回転位相は、弁開閉時期制御装置Aの相対回転位相が遅角寄りないし進角寄りであるという状態を図示している。第一逆止弁CV1の開閉の記載は、第一逆止弁CV1が開いているか閉じているかの状態を図示している。
また、図15の排出圧力の進角圧(実線で図示)は、進角方向Saに向くカムトルクによって生じた相対回転位相の進角側へ変位圧力の大きさを意味し、排出圧力の遅角圧(破線で図示)は、遅角方向Sbに向くカムトルクによって生じた相対回転位相の遅角側へ変位圧力の大きさを意味している。したがって、進角圧が大きい場合には遅角室Cbの作動油の圧力が高くなり、遅角圧が大きい場合には進角室Caの作動油の圧力が高くなる。
〔進角ポジションの場合〕
遅角室Cbから第二スリーブ53とスプール55との間の空間に排出された作動油の圧力(進角時の排出圧力)がポンプPの油圧よりも高くなる場合、たとえば、吸気カムシャフト5から内部ロータ30に進角方向Saに向くカムトルクが加わることで遅角室Cbの圧力が増加した場合(図15のα1)、進角時の排出圧力により第一逆止弁CV1が開き、排出油は、第一逆止弁CV1を介して、流体供給管54へ循環される(図4参照)。循環された作動油(排出油)は、油圧ポンプPから供給される作動油と共に、進角室Caに供給される。この作動油(排出油)の循環により、進角室Caに作動油が迅速に供給される。
この作動油の給排および循環の結果、相対回転位相が進角方向Saに速やかに変位する。
特に、ロック機構Lがロック状態にある場合にスプール55を進角ポジションPaに設定して作動油が供給されることにより、進角室Caに供給される作動油の一部が進角流路33からロック機構Lに供給され、ロック部材25をロック凹部23aから離脱させてロック解除も実現する。
なお、進角時の排出圧力がポンプPの油圧よりも低い場合は、第一逆止弁CV1が閉じた状態が維持される。
なお、低圧時において、たとえば、吸気カムシャフト5から内部ロータ30に遅角方向Sbに向くカムトルクが加わることで進角室Caの圧力が増加した場合(図15のα2)、進角時の排出圧力はポンプPの油圧よりも低くなり、第一逆止弁CV1が閉じた状態が維持される。
また、ポンプPの油圧が進角室Caの圧力よりも低くなる場合は、進角室Caに作動油が供給されないから、第二逆止弁CV2が閉じる(図5参照)。この場合、相対回転位相は変位しない。第一逆止弁CV1および排出路逆止弁CV3が閉じており、作動油が進角室Ca、遅角室Cb、および弁ユニットVb内部で移動することができないためである。
〔遅角ポジションの場合〕
進角室Caからスプール本体55aの外周とバルブストッパ63のネジ部側との間の空間に排出された作動油は、当該空間から、凹部73eによる隙間、ドレン溝D、および第二ドレン孔53cを介して第二スリーブ53とスプール55との間の空間に流入する。
そして、進角室Caから第二スリーブ53とスプール55との間の空間に排出された作動油の圧力(遅角時の排出油の排出圧力)がポンプPの油圧よりも高い場合、たとえば、吸気カムシャフト5から内部ロータ30に遅角方向Sbに向くカムトルクが加わることで進角室Caの圧力が増加した場合(図15のα3)、遅角時の排出圧力により第一逆止弁CV1が開き、排出油は、第一逆止弁CV1を介して、流体供給管54へ循環される(図9参照)。循環された作動油(排出油)は、油圧ポンプPから供給される作動油と共に、遅角室Cbに供給される。この作動油(排出油)の循環により、遅角室Cbに作動油が迅速に供給される。
この作動油の給排および循環の結果、相対回転位相が遅角方向Sbに速やかに変位する。
なお、低圧時において、たとえば、吸気カムシャフト5から内部ロータ30に進角方向Saに向くカムトルクが加わることで遅角室Cbの圧力が増加した場合(図15のα4)、遅角時の排出圧力はポンプPの油圧よりも低くなり、第一逆止弁CV1が閉じた状態が維持される。
また、ポンプPの油圧が遅角室Cbの圧力よりも低くなる場合は、遅角室Cbに作動油が供給されないから、第二逆止弁CV2が閉じる(図10参照)。この場合、相対回転位相は変位しない。
〔高圧時の第一逆止弁の動作〕
図6、図11、および図16を参照しつつ、進角室Caもしくは遅角室Cbから作動油が排出される空間が外部と連通する状態が維持されている(排出路逆止弁CV3が開いている)高圧時の第一逆止弁CV1の動作について説明する。
図16に記載した項目は図15の場合と同様であるから説明を省略する。
〔進角ポジションの場合〕
遅角室Cbから第二スリーブ53とスプール55との間の空間に排出された排出油は、ドレン溝Dを介してスプール本体55aの外周と壁部61bのネジ部側との間の空間に流れ込む。そして、排出路逆止弁CV3を介して排出油の全てが外部に排出される。したがって、進角時の排出圧力はゼロに近い状態となるため、第一逆止弁CV1は開かない(図6参照)。図16では、図15に図示された、カムトルクの変化に基づいた排出圧との関係で第一逆止弁CV1が開くいずれのタイミングにおいても、第一逆止弁CV1は閉じている。
一方、油圧は十分に高いから、作動油は進角室Caに速やかに供給されて、相対回転位相が進角方向Saに速やかに変位する(図16のβ1)。
特に、ロック機構Lがロック状態にある場合にスプール55を進角ポジションPaに設定して作動油が供給されることにより、進角室Caに供給される作動油の一部が進角流路33からロック機構Lに供給され、ロック部材25をロック凹部23aから離脱させてロック解除も実現する。
なお、吸気カムシャフト5から内部ロータ30に遅角方向Sbに向くカムトルクが加わることで進角室Caの圧力が増加した場合(図16のβ2)、進角時の排出圧力がポンプPの油圧と同じか、当該油圧よりも低くなることがある。図16のβ2で示した部分には、進角時の排出圧力がポンプPの油圧よりも低くなった場合を図示している。この場合、この場合、相対回転位相が多少遅角することがある。
〔遅角ポジションの場合〕
進角室Caからスプール本体55aの外周とバルブストッパ63のネジ部側との間の空間に排出された作動油は、排出路逆止弁CV3を介して排出油の全てが外部に排出される。したがって、進角時の排出圧力はゼロに近い状態となるため、第一逆止弁CV1は開かない(図11参照)。
一方、油圧は十分に高いから、作動油は遅角室Cbに速やかに供給されて、相対回転位相が遅角方向Sbに速やかに変位するする(図16のβ3)。
なお、吸気カムシャフト5から内部ロータ30に進角方向Saに向くカムトルクが加わることで遅角室Cbの圧力が増加した場合(図16のβ4)、遅角時の排出圧力がポンプPの油圧と等しいか、当該油圧よりも低くなることがある。図16のβ4で示した部分には、遅角時の排出圧力がポンプPの油圧と等しくなった場合を図示している。
以上のようにして、本実施形態に係る弁開閉時期制御装置は、弁開閉時期の切り替えの応答性の向上を実現することができる。
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、弁ユニットVbは、第一逆止弁CV1と、第二逆止弁CV2と、排出路逆止弁CV3とを備える構成を説明した。
しかしながら、弁ユニットVbは、第二逆止弁CV2を備えない構成とすることもできる。
(2)上記実施形態では、第一スリーブ73の端部73Pが受圧面として作動油の供給圧を受け止めて、第一スリーブ73に対し、端部73Pから回転軸心Xに沿う方向における頭部側へ向く付勢力が生ずる場合を例示した。
しかしながら、受圧面は、第一スリーブ73の端部73Pとする態様に限られず、たとえば、第一スリーブ73のネジ部側を回転軸心Xに直交する姿勢に屈曲させて端部壁を絞り加工等により形成し、当該端部壁を、受圧面とすることもできる。
(3)上記実施形態では、排出路逆止弁CV3は、作動油の供給圧が所定の大きさ以上に大きくなると、第一スリーブ73のスライドにより閉状態から開き、さらに作動油の供給圧が大きくなると、当該供給圧が大きくなるにつれて開口量が大きくなる場合を例示した。
そしてこの際、第一スリーブ73がスライドして排出路逆止弁プレート62の弁体62aを頭部側へ向けて押すことで、弁体62aがバルブストッパ63から徐々に離間して、排出路逆止弁CV3が開く場合を例示した。
また、これにより、第二スリーブ53とスプール55との間の空間に排出された排出油、ないし、スプール本体55aの外周と壁部61bのネジ部側との間の空間に排出された排出油が外部に排出される場合を例示した。
しかしながら、排出路逆止弁CV3の開口量は、必ずしも作動油の供給圧を受けた第一スリーブ73のスライド動作による調整に限られず、その他の作動油の供給圧と連動するパラメーターにより調整することもできる。
例えば、吸気カムシャフト5の回転に起因する遠心力の大小に対応させて、排出路逆止弁CV3の開口量を大小させてもよい。油圧ポンプPから供給される作動油の供給圧は、クランクシャフト1の回転数が大きくなると高くなり、当該回転数が小さくなると低くなるため、クランクシャフト1と同期回転する吸気カムシャフト5の回転に起因する遠心力が大きい場合は作動油の供給圧が高い場合に対応し、当該遠心力が小さい場合は作動油の供給圧が高い場合に対応する。
具体的には、第一スリーブ73を設ける代わりに、大径部40Rbの内周面40Wに一端が固定され、大径部40Rbの径方向内側に向けて付勢する弾性部材を設け、バルブストッパ63と、排出路逆止弁プレート62とを設ける代わりに、当該弾性部材の付勢力により径方向の内周側に押圧された状態で内部空間40Rを外部と遮断し、当該弾性部材の付勢力に抗して径方向の外周側にスライド移動した状態で内部空間40Rを外部に開放するスライド式の蓋状の弁部材(以下では、可動蓋と称する)を設けてもよい。
この場合、吸気カムシャフト5の回転に伴って弁ユニットVbが回転し、当該回転数が大きくなると、この可動蓋が、当該可動蓋に加わる遠心力で、この弾性部材の付勢力に抗して径方向内側に向けてスライド移動し、内部空間40Rを外部に開放することができる。このような構成によっても、第二スリーブ53とスプール55との間の空間に排出された排出油、ないし、スプール本体55aの外周と壁部61bのネジ部側との間の空間に排出された排出油を外部に排出することができる。
(4)上記実施形態では、連結ボルト40は、全体的に筒状となるボルト本体41の外端部にボルト頭部42が形成されており、ボルト本体41におけるボルト頭部42とは他端の部分の外周に雄ネジ部41Sが形成されている場合を説明した。
そして、連結ボルト40のボルト本体41を環状部材9と外部ロータ20と内部ロータ30とに挿通する状態で、その雄ネジ部41Sを吸気カムシャフト5の雌ネジ部5Sに螺合させ、ボルト頭部42の回転操作により内部ロータ30(従動側回転体)が吸気カムシャフト5に締結される場合を説明した。
しかしながら、連結ボルト40は、必ずしも雄ネジ部41Sが形成されることを要せず、また、内部ロータ30と吸気カムシャフト5との締結は、連結ボルト40の雄ネジ部41Sと吸気カムシャフト5の雌ネジ部5Sの螺合による態様に限られない。
たとえば、連結ボルト40は、全体的に筒状となるボルト本体41の外端部に、径方向外側に向けて延在する縁部を有するボルト頭部42を形成し、連結ボルト40のボルト本体41を環状部材9と外部ロータ20と内部ロータ30とに挿通することもできる。
この場合、内部ロータ30と吸気カムシャフト5との連結(締結)は、たとえば、ボルト頭部42の縁部と、環状部材9と、内部ロータ30とに、回転軸心Xに沿う方向の貫通孔を設け、さらに、吸気カムシャフト5の当該貫通孔に対応する位置に、回転軸心Xに沿う方向の雌ネジ部を設け、締結ボルト(カムボルト)をボルト頭部42の縁部、環状部材9、および内部ロータ30の貫通孔の順に挿通して吸気カムシャフト5の雌ネジ部に螺合させ、環状部材9に対して連結ボルト40のボルト頭部42を圧着させて、連結ボルト40と環状部材9と内部ロータ本体31と吸気カムシャフト5とを一体化して行うこともできる。つまり、締結ボルトによって、内部ロータ30(従動側回転体)を吸気カムシャフト5に連結することもできる。締結ボルトは、複数本(たとえば3本)用いて連結することができる。
(5)上記実施形態では、電磁ユニットVaのソレノイド部50に電力が供給されない状態でプランジャ51からスプール55に押圧力が作用せず、スプール55の位置が進角ポジションPaに在り、電磁ユニットVaのソレノイド部50に電力を供給すると、プランジャ51が突出作動し、スプール55を中立ポジションPnないし遅角ポジションPbに設定する場合を例示した。
しかしながら、電磁ユニットVaのソレノイド部50に電力が供給されない状態または電力を供給する場合と、スプール55が進角ポジションPaまたは遅角ポジションPbに設定する場合との関係は入れ替えることもできる。
具体的には、たとえば、電磁ユニットVaのソレノイド部50に電力が供給されない状態が遅角ポジションPbとなるように構成し、また、電磁ユニットVaのソレノイド部50に電力を供給すると、プランジャ51が突出作動し、スプール55を中立ポジションPnないし進角ポジションPaに設定するように構成することもできる。
たとえば、進角室Caに連通する進角流路33と遅角室Cbに連通する遅角流路34との関係を、上記の実施形態で説明した場合と逆にするなどすれば、上記のような入れ替えを行うことができる。例えば、上記の実施形態で説明した場合における進角ポート41aに対して遅角流路34を接続し、遅角ポート41bに進角流路33を接続すれば、電磁ユニットVaのソレノイド部50に電力が供給されない状態または電力を供給する場合と、スプール55が進角ポジションPaまたは遅角ポジションPbに設定する場合との関係を入れ替えて逆にすることができる。
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
本発明は、駆動側回転体と従動側回転体とを有し、従動側回転体をカムシャフトに連結する連結ボルトに弁ユニットを収容した弁開閉時期制御装置に適用できる。
1 :クランクシャフト
5 :吸気カムシャフト(カムシャフト)
20 :外部ロータ(駆動側回転体)
21 :外部ロータ本体(駆動側回転体)
30 :内部ロータ(従動側回転体)
31 :内部ロータ本体(従動側回転体)
40 :連結ボルト
40R :内部空間
40W :内周面
53 :第二スリーブ
53a :第二進角連通孔
53b :第二遅角連通孔
54 :流体供給管
54S :基端部(循環路)
54T :管路部(供給路)
55 :スプール
55a :スプール本体
55b :ランド部
55c :中間孔部
58 :第二弁プレート
59 :フィルタ
60 :固定リング
61 :先端リング
62 :排出路逆止弁プレート
62a :弁体
63 :バルブストッパ
73 :第一スリーブ
73P :端部(受圧部)
73a :第一進角連通孔
73b :第一遅角連通孔
A :弁開閉時期制御装置
CV1 :第一逆止弁
CV2 :第二逆止弁
CV3 :排出路逆止弁
Ca :進角室
Cb :遅角室
P :油圧ポンプ(供給ポンプ)
Pa :進角ポジション
Pb :遅角ポジション
Pn :中立ポジション
Sa :進角方向
Sb :遅角方向
Vb :弁ユニット
X :回転軸心

Claims (5)

  1. 内燃機関のクランクシャフトと同期回転する駆動側回転体と、
    前記駆動側回転体の回転軸心と同軸心に配置され弁開閉用のカムシャフトと一体回転する従動側回転体と、
    前記駆動側回転体と前記従動側回転体との間に形成された進角室および遅角室と、
    前記回転軸心と同軸心に配置され、前記進角室および前記遅角室への流体の給排を制御する弁ユニットと、を備え、
    前記弁ユニットは、前記進角室および前記遅角室へ供給する前記流体を供給される供給路と、前記進角室および前記遅角室から排出された前記流体を前記弁ユニットの外側に排出する排出路逆止弁とを有し、
    前記排出路逆止弁は、前記供給路に供給される前記流体の供給圧に応じて開口量を変化させる弁開閉時期制御装置。
  2. 前記弁ユニットは、前記進角室および前記遅角室から排出された前記流体を前記供給路に循環させる循環路を有し、
    前記排出路逆止弁は、前記供給圧が高くなると前記開口量を大きくし、前記供給圧が低くなると前記開口量を小さくする請求項1に記載の弁開閉時期制御装置。
  3. 前記回転軸心と同軸心に配置されており、外部から前記カムシャフトに亘り形成された、前記弁ユニットを収容する内部空間を備え、
    前記弁ユニットは、前記内部空間における前記カムシャフト側に嵌め込まれる基端部と、前記基端部から延出し、前記基端部より小径の管路部を前記供給路として有する流体供給管と、前記内部空間の内周面に案内される状態で前記回転軸心に沿う方向にスライド移動自在に配置された第一スリーブと、当該第一スリーブに緩挿される第二スリーブと、前記第二スリーブの内周面および前記流体供給管の前記管路部の外周面に案内される状態で前記回転軸心に沿う方向にスライド移動自在に配置されたスプールと、を備え、
    前記第一スリーブは、内側から前記進角室に連通する第一進角連通孔と、内側から前記遅角室に連通する第一遅角連通孔と、前記流体の供給圧を受けて、当該第一スリーブを前記外側に向けて付勢する受圧部とを有し、
    前記第二スリーブは、内側から前記第一進角連通孔に連通する第二進角連通孔と、内側から前記遅角室に連通する第二遅角連通孔とを有し、
    前記スプールは、外周に形成された一対のランド部と、一対の前記ランド部の中間位置に形成され、当該スプールのスライド移動によって、内部から前記第二進角連通孔もしくは前記第二遅角連通孔に連通可能な中間孔部とを有し、
    前記排出路逆止弁は、前記進角室もしくは前記遅角室から前記流体が排出される前記第二スリーブと前記スプールとの間の空間と連通して設けられ、
    前記排出路逆止弁は、開口量を小さくする方向に弁体を付勢する付勢部材を有し、
    前記弁体は、前記付勢部材に付勢されて、前記受圧部の付勢力に抗して前記第一スリーブを付勢する請求項1または2に記載の弁開閉時期制御装置。
  4. 前記回転軸心と同軸心に配置され前記従動側回転体を前記カムシャフトにネジ部により連結する連結ボルトを備え、
    前記内部空間は、前記連結ボルトのネジ部から頭部に向けて貫通して形成されており、
    前記排出路逆止弁は、前記内部空間の頭部側に設けられている請求項3に記載の弁開閉時期制御装置。
  5. 前記クランクシャフトと同期回転する前記流体の供給ポンプを備え、
    前記排出路逆止弁は、前記カムシャフトの回転に起因する遠心力が大きくなると前記開口量を大きくし、前記遠心力が低くなると前記開口量を小さくする請求項1から4のいずれか一項に記載の弁開閉時期制御装置。
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