JP2019130283A - 生体物質測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】生体物質の量を低コストで測定することができる生体物質測定装置を提供する。【解決手段】生体物質測定装置は、生体物質の吸収波長の全域、あるいは一部の波長域の赤外光を放射する赤外光源部32と、生体表面と接触した状態で、赤外光源部32から放射された赤外光を透過させて、生体表面へ出射するプリズム20と、可視光域、あるいは近赤外領域の波長の光をプリズム20へ放射する光源200と、プリズム20から出射される光源からの光を検出することによって、光源からの光の経路を検出する光位置検出器220とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、生体物質測定装置に関し、特に、赤外光を用いて生体内に存在する糖などの生体物質を測定する生体物質測定装置に関する。
従来の侵襲型センサは、針を用いて採血を行い、生体中の物質の成分を解析する。特に、日常的に利用されている血糖値センサについては、穿刺による患者の苦痛緩和のため、非侵襲方式が求められている。非侵襲の血糖値センサとして、糖の指紋スペクトルを直接検出することができる赤外光を利用した測定が試みられているが、赤外光は水の吸収が強いため皮膚表面から深くまで到達することができない。このため、生体中の糖による吸収が小さくても血糖値を安定的にかつ高精度に検出する技術が求められている。
このような要求に対して、たとえば、特許文献1に記載の装置では、ATR(Attenuated Total Reflection)法を用いて、血糖値を測定している。
特開2003−42952号公報
特許文献1では、測定精度を向上させるために、複数の波長で測定する必要があることから、波長可変レーザを利用している。しかしながら、波長可変レーザは、外部共振器で構成されるため、サイズが大きく、かつ高コストである。
そえゆえに、本発明の目的は、生体物質の量を低コストで測定することができる生体物質測定装置を提供することである。
本発明の第1の局面の生体物質測定装置は、生体物質の吸収波長の全域、あるいは一部の波長域の赤外光を放射する赤外光源部と、生体表面と接触した状態で、赤外光源部から放射された赤外光を透過させて、生体表面へ出射するプリズムと、可視光域、あるいは近赤外領域の波長の光をプリズムへ放射する光源と、プリズムから出射される光源からの光を検出することによって、光源からの光の経路を検出する光位置検出器とを備える。
本発明の第2の局面の生体物質測定装置は、生体表面に密着させることが可能なATRプリズムと、ATRプリズムへ、生体物質の吸収波長の全域、あるいは一部の波長域の赤外光を放射する赤外光源部と、ATRプリズムから出射された少なくとも1つの波長の赤外光を検出する赤外光検出器とを備える。
本発明の第3の局面の生体物質測定装置は、生体表面に密着させることが可能なATRプリズムと、ATRプリズムへ、生体物質の吸収波長の全域、あるいは一部の波長域の赤外光を放射する赤外光源部と、ATRプリズムから出射された赤外光を検出する赤外光検出器とを備え、赤外光源部は、各々が、赤外光検出器が検出可能な波長域に含まれる単一波長の赤外光を放射する複数の光源である。
本発明によれば、波長可変レーザを用いる必要がないので、生体表面に存在する生体物質の量を低コストで測定することができる。
実施の形態1の携帯型の非侵襲の生体物質測定装置80の構成を表す図である。 実施の形態1〜6の携帯型の非侵襲の生体物質測定装置80の使用例を表わす図である。 実施の形態2の携帯型の非侵襲の生体物質測定装置80の構成を表わす図である。 糖の指紋スペクトルを示す図である。 実施の形態2の非侵襲の生体物質測定装置80のヘッドの構造を示す図である。 実施の形態2の赤外光源部32の出力光のスペクトルを示す図である。 赤外光検出器30に含まれるセンサアレイ1000の模式図である。 実施の形態2の非侵襲の生体物質測定装置80の動作手順を表わすフローチャートである。 実施の形態3の赤外光検出器30の構成を表わす図である。 実施の形態3の半導体光素子100の上面図である。 吸収体10を省略した実施の形態3の半導体光素子100の上面図である。 図11の半導体光素子100をIII−III方向に見た場合の断面図(吸収体10等を含む)である。 実施の形態3の半導体光素子100に含まれる吸収体10を表わす図である。 実施の形態5の赤外光源部32の構成を表わす図である。 実施の形態5の赤外光源部32の出力光のスペクトルを示す図である。 実施の形態6の波長選択構造部11の上面図である。 図16の波長選択構造部11をV−V方向に見た場合の断面図である。
以下、実施の形態について図面を用いて説明する。
実施の形態1.
以下、測定対象として血糖値を例に挙げて説明するが、本発明の測定装置は血糖値の測定に限定するものではなく、他の生体物質の測定にも適用することができる。
特許文献1に記載されているATR法では、プリズムを被測定皮膚に接触させるため、被測定皮膚の奥深くまでエバネッセント光が侵入しない。その結果、生体物質の量の測定精度が低いという問題がある。本実施の形態では、ATR法によらずに、生体物質の量を測定する。
図1は、実施の形態1の携帯型の非侵襲の生体物質測定装置80の構成を表す図である。
非侵襲の生体物質測定装置80は、光源200、プリズム210、光位置検出器220、および赤外光源部32を備える。
赤外光源部32は、少なくとも1つ以上の赤外光源を備える。赤外光源部32は、糖の指紋スペクトルの波長を含む波長範囲8.5μm〜10μm全ての波長域、あるいは一部の波長域の赤外光を放出する広帯域の量子カスケードレーザを含む。測定に使用する波長が、例えばλ1,λ2,λ3とする。波長λ1,λ2の光は、人体中の糖により吸収される。λ3の光は、人体中の糖による吸収されず、参照波長として使用される。測定に使用する波長は、さらにλ4を含む4波長としてもよい。
赤外光源部32から放出された赤外光は、入射赤外光11aとしてプリズム210を透過し、被験者の皮膚である生体表面40に入射する。
プリズム210は、可視光の波長領域〜赤外光の波長領域において透過性が高い硫化亜鉛(ZnS)などの物質で構成されている。
光源200は、可視光の波長領域〜近赤外の波長領域の波長の光を1波長出力するレーザである。光源200からの出力光は、入射光230aとしてプリズム210に入射し、プリズム210内を透過した後に、放射光230b、又は放射屈折光230cとしてプリズム210から放出される。放射光230bと放射屈折光230cとの違いは後述のプリズム内の状態変化によって発生する。放射光230b又は放射屈折光230cは、光位置検出器220に入射する。
光位置検出器220は、プリズム210から出射される光源200からの光を検出することによって、光源200からの光の経路を検出する。光位置検出器220は、放射光230b又は放射屈折光230cを検出可能な光検出器を備える。光位置検出器220は、光検出器に入射する位置を検出する。光位置検出器220の材料として、例えば安価なフォトダイオードまたは、波長選択性の良いプラズモンを用いることができる。
次に、本実施の形態における血糖値測定の動作について述べる。
赤外光源部32の光出力がゼロの時を基準状態とする。基準状態では、プリズム210の内部の状態は一様であるため、光源200から出力した光は、プリズム210への入射時と、プリズムからの出射時でのみ、屈折する。基準状態において、放射光230bが光位置検出器220に入射する位置を基準位置とする。
次に、赤外光源部32が糖の指紋スペクトル波長の赤外光を入射赤外光11aとして出力する。入射赤外光11aは、プリズム210を介して、被験者の生体表面40に入射する。赤外光は被験者の生体表面40に存在する糖によって吸収される。吸収によって発生する吸収熱が生体表面40に発生する。発生した吸収熱は、プリズム210に伝導し、プリズム210の内部に温度勾配が生じ、温度勾配に応じて屈折率勾配240が形成される。温度が変わると屈折率が変化するからである。この状態を状態1とする。
状態1において、入射光230aは、屈折率勾配240の中を透過する。入射光230aは、屈折率勾配240の中の透過する位置における屈折率に従って、屈折する。
屈折した入射光230aは、放射屈折光230cとしてプリズム210から放射され、光位置検出器220に入射する。状態1において、放射光230bが光位置検出器220に入射する位置を変位位置とする。
制御部250は、赤外光源部が赤外光を放射していない基準状態において、光位置検出器220で検出された放射光230bの入射位置と、赤外光源部が赤外光を放射している状態1において、光位置検出器220で検出された放射屈折光230cの入射位置との差に基づいて、生体表面40の糖の量を測定する。
上記の動作を人体中の糖によって吸収される波長λ1、λ2と、吸収されない波長λ3で行うことによって、ノイズの影響を取り除くことができ、より正確に血糖値を算出することが可能となる。
また、光位置検出器220としてプラズモンを用いる場合は、波長選択性があるため、波長λ1、λ2、λ3それぞれにおける変位位置を算出することが可能になるため、より高精度な血糖値測定が可能になる。
図2は、実施の形態1〜6の携帯型の非侵襲の生体物質測定装置80の使用例を表わす図である。図2に示すように携帯型の非侵襲の生体物質測定装置80のヘッドを被験者の角質の薄い唇に接触させて被験者の生体内の血糖値を測定する。被測定部位は角質の薄い唇が望ましいが、これに限定されるものではなく、手のひらのような角質の厚い部位以外であればよい。たとえば、顔の頬、耳たぶ、または手の甲でも測定が可能である。
(付記)
実施の形態1の生体物質測定装置(80)は、以下の特徴を備える。
(1)生体物質測定装置(80)は、生体物質の吸収波長の全域、あるいは一部の波長域の赤外光を放射する赤外光源部(32)と、生体表面(40)と接触した状態で、赤外光源部(32)から放射された赤外光を透過させて、生体表面へ出射するプリズム(210)と、可視光域、あるいは近赤外領域の波長の光をプリズムへ放射する光源(200)と、プリズム(200)から出射される光源(200)からの光を検出することによって、光源(200)からの光の経路を検出する光位置検出器(220)とを備える。
このような構成によって、光源(200)からの光の経路を検出することによって、生体表面に存在する生体物質の量を高精度に測定することができる。
(2)生体表面(40)へ出射された赤外光は、生体表面(40)に存在する生体物質によって吸収され、吸収による吸収熱が発生することにより、プリズム(210)の内部に屈折率勾配(240)が生成される。
このような構成によって、光源から放出された光が通過する経路に生体表面(40)に存在する生体物質に応じた屈折率勾配(240)を生成することができる。
(3)光源(220)から放出された光は、生体物質の吸収熱によりプリズム(210)内に発生した屈折率勾配(240)の中を透過する。
このような構成によって、光源(220)から放出された光が、生体物質の量に応じた屈折率で屈折させることができる。
(4)生体物質測定装置(80)は、赤外光源部(32)が赤外光を放射していないときに、光位置検出器(220)で検出された光源(200)から放出された光の入射位置と、赤外光源部(32)が赤外光を放射しているときに、光位置検出器(220)で検出された光源(200)から放出された光の入射位置との差に基づいて、生体物質の量を測定する制御部(250)を備える。
このような構成によって、赤外光源部(32)が赤外光を放射していないときと、赤外光源部(32)が赤外光を放射しているときの、光位置検出器(220)で検出された光源(200)から放出された光の入射位置の差に基づいて、生体物質の量を測定することができる。
実施の形態2.
図3は、実施の形態2の携帯型の非侵襲の生体物質測定装置80の構成を表わす図である。
非侵襲の生体物質測定装置80は、ATRプリズム20と、赤外光源部32と、赤外光検出器30と、制御部52と、ユーザインタフェース54とを備える。
赤外光源部32は、少なくとも1つの赤外光源を備える。赤外光源部32は、生体物質の吸収波長の全域、あるいは一部の波長域の赤外光を放射する。
赤外光検出器30は、ATRプリズム20から出射された赤外光を検出する。
制御部52は、赤外光源部32、および赤外光検出器30を制御する。制御部52は、赤外光検出器30によって検出された赤外光の強度に基づいて、生体中の血糖値の濃度を算出する。
ユーザインタフェース54は、ディスプレイ501、キーボード503、スピーカ504を含む。
非侵襲の生体物質測定装置80のヘッドには、ATRプリズム20が搭載されている。ATRプリズム20は、被験者の生体表面40に密着可能である。
図4は、糖の指紋スペクトルを示す図である。
図3に示すように、ATRプリズム20を被験者の生体表面40に密着させて生体物質測定装置80を起動すると、赤外光源部32から、図4に示すような糖の指紋スペクトルが含まれる波長範囲8.5μm〜10μmの全部の波長域、あるいはその一部の波長域の赤外光が放射される。
赤外光源部32から出射された入射赤外光11aは、ATRプリズム20の端面20cで反射し、伝搬赤外光11bとなる。伝搬赤外光11bは、生体表面40に接触したATRプリズム20の内部を、ATRプリズム20の端面20aおよび20bで全反射を繰り返しながら透過する。ATRプリズム20内を透過した伝搬赤外光11bは、ATRプリズム20の端面20dで反射し、放射赤外光11cとなる。放射赤外光11cの強度が赤外光検出器30によって検出される。
ATRプリズム20と生体表面40との界面である端面20aでは、エバネッセント光が発生する。このエバネッセント光が生体表面40内に侵入し、糖に吸収される。
生体表面40とATRプリズム20の屈折率差が小さいとエバネッセント光が大きくなる。伝搬赤外光11bが、端面20aで全反射するときにATRプリズム20から生体表面40側に染み出したエバネッセント光が生体表面40内の生体物質により吸収されることによって、端面20aで全反射した赤外光の強度が減衰する。よって、生体物質が多いとエバネッセント光がより多くの吸収を受けるため、全反射した赤外光の強度の減衰も大きくなる。
皮膚は、表面付近の表皮と、表皮の下の真皮とによって構成される。表皮は、表面付近から順に角質層、顆粒層、有棘層、および基底層を含む。それぞれの厚みは、10μm、数μm、100μm、数μm程度である。基底層において細胞が生成されて、有棘層に細胞が積み上げられる。顆粒層では水分(組織間質液)が届かなくなるため細胞が死に絶える。角質層では、死んだ細胞が硬化した状態になっている。糖およびその他の生体物質は、表皮中の組織間質液中に存在している。組織間質液は、角質層から有棘層にかけて増加する。それゆえ、エバネッセント光の侵入長に応じて、全反射した赤外光の強度も変化する。ここで、侵入長は、侵入深さともいう。
エバネッセント光は、界面から生体表面40の方向に指数関数的に減衰し、その侵入長は波長程度である。よって、ATRプリズム20を用いた分光では侵入長までの領域の生体物質の量について測定することができる。例えば、糖の指紋スペクトルは波長が8.5μm〜10μmなので、ATRプリズム20のプリズム面からこの程度の領域の糖の量を検出することができる。
図5は、実施の形態2の非侵襲の生体物質測定装置80のヘッドの構造を示す図である。このヘッドは、基板50、ATRプリズム20、赤外光源部32、および赤外光検出器30によって構成される。
ATRプリズム20は、直方体の一部が削られた形状を有する。ATRプリズム20の断面は、長方形の2つの頂角を一定角度で削った形状を有する。図5に示すよう頂角が削られた短い方の面が測定面として生体表面40に接触される。ATRプリズム20の端面20cの角度は、ATRプリズム20の端面20aおよび端面20bにおいて、ATRプリズム20内の伝搬赤外光11bが全反射するように設定される。また、ATRプリズム20の端面20dの角度は、放射赤外光11cが赤外光検出器30に垂直に入射されるように設定される。
赤外光源部32からの入射赤外光11aが入射する端面20cおよび赤外光検出器30へ放射赤外光11cが出射する端面20dは、無反射コーティングが施されている。あるいは、赤外光源部32からの入射赤外光11aをp偏光(基板50に対して偏光が平行)にして、入射/出射角がブリュスター角になるように入射面である端面20cおよび出射面である端面20dが削られているものとしてもよい。
ATRプリズム20の材料として、中赤外領域で透明であり、かつ屈折率が比較的小さな硫化亜鉛(ZnS)の単結晶を用いることができる。なお、ATRプリズム20の材料は、硫化亜鉛(ZnS)の単結晶に限定されず、セレン化亜鉛(ZnSe)のような公知の材料であってもよい。ATRプリズム20の皮膚との接触面である端面20aには、人体に害を与えないようにSiO2やSiNなどの薄膜がコーティングされている。
実施の形態2では、赤外光源部32として、たとえば量子カスケードレーザモジュールが用いられる。量子カスケードレーザは、単一の光源であり、出力が大きく、SN比(Signal-to-Noise ratio)が高いため、高精度な測定が可能となる。量子カスケードレーザモジュールには、ビームをコリメートするためのレンズが搭載される。量子カスケードレーザは、糖の指紋スペクトルが存在する波長範囲8.5μm〜10μmの全ての波長域、あるいは一部の波長域の赤外光を放射する。
測定精度を向上させるため、複数の波長で測定することができるように波長可変レーザを用いることができる。しかしながら、波長可変レーザは、外部共振器で構成されているため、サイズが大きく、かつ複雑な構造のためでコストが高いという問題がある。
図6は、実施の形態2の赤外光源部32の出力光のスペクトルを示す図である。
赤外光源部32は、図6に示すような糖の指紋スペクトルの波長を含む波長範囲8.5μm〜10μmの全ての波長域、あるいは一部の波長域の赤外光を放射する。具体的には、既に述べたように、赤外光源部32として、波長可変レーザではない、広帯域の量子カスケードレーザが用いられる。
広帯域の量子カスケードレーザ以外に、赤外光源部32としてフィラメントに電流を流して加熱するタイプの熱光源を用いられてもよい。この場合、印加する電流の量によって温度が制御可能であるため黒体放射に従った広帯域な赤外線が放射される。
あるいは、赤外光源部32として、フィラメントではなく、加熱部に周期パターンを設けたプラズモンまたはメタマテリアル光源を用いてもよい。この場合、放射波長域は、表面構造で規定されるため不要な放射が抑制されるので、赤外光源部32は、高効率な光源となる。
図6には、比較のため、図4に示した糖の指紋スペクトルが点線で示される。図6に示すような幅広い波長域にわたる光として、自然放射増幅光が用いられる。したがって、赤外光源部32として、高価な波長可変レーザを用いる必要がないため、赤外光源部32を小型で低コストの光源とすることができる。
ATRプリズム20から放射された放射赤外光11cのうち少なくとも1つの波長の光が、赤外光検出器30によって検出される。これによって、少なくとも1つの吸収波長に対応する少なくとも1つの生体物質の量を測定することができる。赤外光検出器30の受光部表面において、プラズモン共鳴が生じることによって、少なくとも1つの波長の赤外光が吸収される。吸収された波長のうち少なくとも1つが、生体物質の吸収波長に相当する。
図7は、赤外光検出器30に含まれるセンサアレイ1000の模式図である。センサアレイ1000は、それぞれ異なる波長の光を検出する非冷却赤外線センサ(以下、センサ画素ともいう)110,120,130,140によって構成される。
センサ画素110,120,130,140は、例えば受光部表面にプラズモン共鳴を利用した波長選択型の吸収体を含む。このような構造によって、選択した波長の赤外光を検出することができる。選択された波長の赤外光のみを検出する非冷却赤外線センサのアレイを含む赤外光検出器30を用いることによって、複数の波長の測定を同時に行えるため、短時間での測定が可能となる。
また、後述するように、プラズモン共鳴を利用することによって、分光フィルタが不要となるため、赤外光検出器30の構成が簡易化され、低コスト化が可能である。また、赤外波長域では、分光フィルタ自体の熱放射があるため波長選択性が低下することになるが、分光フィルタを用いずに、受光部にプラズモン構造を用いることによって波長選択性が向上する。その結果、血糖値の分析など極微量な成分を検出するための高感度化が達成できる。
量子カスケードレーザとプラズモンを同時に用いる場合は、測定波長の選択性が確実になるため、グルコースの吸収ピーク波長以外の黒体輻射成分を除去できる。その結果、SN比を向上する。また、リファレンスとする波長には、量子カスケードレーザを必ずしも用いる必要はないため、ブロードな光源とプラズモンで波長選択が可能になる。その結果、低コスト化を実現できる。
さらに、回折格子を設置する場合は、波長分解能を上げる必要性が生じるので、赤外光検出器と回折格子とを離して配置する必要があるが、プラズモンを受光部に用いることによって、回折格子、およびミラーの光学部品が不要になる。その結果、生体物質測定装置の小型化が実現できる。
糖の指紋スペクトルが存在する波長範囲8.5μm〜10μmのうち、測定に使用する波長を例えばλ1,λ2,λ3、λ4とする。上述のように、赤外光源部32から放射された放射赤外光11cは、ATRプリズム20内を全反射を繰り返しながら透過する。その際に波長λ1,λ2,λ3の光は、人体中の糖により吸収され、赤外光検出器30に到達するまでにその強度は減衰する。よって、λ1,λ2,λ3の波長の光を赤外光検出器30で測定できれば、人体中の血糖値を測定することが可能になる。また、参照波長として糖による吸収されない波長λ4の赤外光を用いる。
赤外光検出器30のセンサ画素110,120,130,140が、λ1,λ2,λ3、λ4の波長の赤外光を検出する。
波長λ1,λ2,λ3の赤外光は、糖だけでなく、水およびその他生体物質によって吸収される。一方、波長λ4の赤外光は、糖には吸収されずに、水およびその他生体物質によって吸収される。したがって、検出されたλ1,λ2,λ3の波長の赤外光の強度は、それぞれ、波長λ4の赤外光の強度を用いて、補正されることによって、測定精度を向上させることができる。
外部の背景および人体からの放射される赤外線も赤外光検出器30に入射することがある。波長λ1,λ2,λ3を互いに非常に近い値に設定することによって、背景および人体から放射される赤外線の影響がほぼ等しくなるので、ノイズの影響を最小限にすることができる。
このノイズを除外するために、放射赤外光11cをチョッパーを用いて特定の周波数でチョッピングしても良い。さらに、赤外光源部32自体をパルス駆動させて、その周波数を用いてチョッピングすることによって検出感度を上げることもできる。さらに、センサ画素110,120,130,140からの出力信号を、チョッピング周波数でフーリエ変換することによってノイズを低減した出力が得られるものとしてもよい。
さらに、検出する波長を増やす場合は、センサ画素を追加すればよい。センサ画素の表面周期構造のみを制御することによって、検出波長を調整することができるような場合には、アレイ化した画素の数だけの波長を検出することができる。
以下、赤外光検出器30の具体例について説明する。
赤外光検出器30のセンサ画素に用いられる熱型の赤外性センサである非冷却赤外線センサの方式には、焦電型、ボロメータ、サーモパイル、またはSOI(silicon on insulator)型ダイオードなどがある。方式が異なっても、プラズモン共鳴をセンサの受光部つまり吸収体に用いることによって波長選択が可能になる。よって、本実施の形態は、非冷却赤外線センサの方式によらず、いずれの方式でも赤外光検出器30の検出方式として用いることができる。
図8は、実施の形態2の非侵襲の生体物質測定装置80の動作手順を表わすフローチャートである。
ステップS101において、制御部52は、キーボード503を通じて、測定開始を指示したか否かを判断する。ユーザが測定開始を指示した場合は、処理がステップS102に進む。
ステップS102において、制御部52は、「測定を開始します」などのメッセージ音声をスピーカ504から出力することによって、血糖値の測定開始をユーザに伝える。
ステップS107において、制御部52は、血糖値の測定を開始する。
ステップS108において、制御部52は、血糖値の測定が完了したかどうかを判定する。完了した場合は、処理がステップS109に進む。
ステップS109において、制御部52は、「測定が完了しました」などのメッセージ音声をスピーカ504から出力する。
ステップS110において、制御部52は、測定された赤外光の強度に基づいて、血糖値を算出する。
ステップS111において、制御部52は、算出された血糖値をディスプレイ501に表示する。
(付記)
実施の形態2の生体物質測定装置(80)は、以下の特徴を備える。
(5)生体物質測定装置(80)は、生体表面(40)に密着させることが可能なATRプリズム(20)と、ATRプリズム(20)へ、生体物質の吸収波長の全域、あるいは一部の波長域の赤外光を放射する赤外光源部(32)と、ATRプリズム(20)から出射された少なくとも1つの波長の赤外光を検出する赤外光検出器(30)とを備える。
このような構成によって、少なくとも1つの吸収波長に対応する少なくとも1つの生体物質の量を測定することができる。
(6)赤外光源部(32)は、赤外光検出器(30)が検出可能な波長域の赤外光を放射する単一の光源である。
このような構成によって、赤外光の大きさを大きく、かつSN比を高くすることができるため、高精度な測定が可能となる。
(7)赤外光検出器(30)の受光部表面において、プラズモン共鳴が生じることによって、少なくとも1つの波長の赤外光が吸収され、吸収された波長のうち少なくとも一つが、生体物質の吸収波長に相当する。
このような構成によって、選択した波長の赤外光を検出することができるので、選択した波長を吸収する生体物質の量を測定することができる。
実施の形態3.
実施の形態2との相違点について説明する。
図9は、実施の形態3の赤外光検出器30の構成を表わす図である。
赤外光検出器30は、集積波長選択型赤外センサである。赤外光検出器30は、センサアレイ1000と、検出回路1010とを備える。
センサアレイ1000は、行列状に配置された9×6個の画素(半導体光素子)100を備える。基板1の上に9×6個の半導体光素子100がX軸およびY軸方向にマトリックス状(アレイ状)に配置されている。Z軸に平行な方向から光が入射する。すなわち、赤外光検出器30は、ATRプリズム20から出射された赤外光を垂直に受ける。
検出回路1010は、センサアレイ1000の周囲に設けられる。検出回路1010は、半導体光素子100が検出した信号を処理することによって、画像を検出する。検出回路1010は、検出波長が少ない場合は画像を検出する必要が無く、各素子からの出力を検出すれば良い。
以下では、半導体光素子100の一例として、熱型の赤外線センサを用いて説明する。
図10は、実施の形態3の半導体光素子100の上面図である。図10に示すように、半導体光素子100は、受光部である吸収体10を含む。
図11は、吸収体10を省略した実施の形態3の半導体光素子100の上面図である。図11では、明確化のために配線上の保護膜および反射膜は省略してある。図12は、図11の半導体光素子100をIII−III方向に見た場合の断面図(吸収体10等を含む)である。図13は、実施の形態3の半導体光素子100に含まれる吸収体10を表わす図である。
図12に示すように、半導体光素子100は、たとえば、シリコンからなる基板1を含む。基板1には中空部2が設けられる。中空部2の上には、温度を検知する温度検知部4が配置される、温度検知部4は、2本の支持脚3によって支持されている。支持脚3は、図11に示すように、上方から見るとL字型に折れ曲がったブリッジ形状を有する。支持脚3は、薄膜金属配線6と、薄膜金属配線6を支える誘電体膜16とを含む。
温度検知部4は、検知膜5と、薄膜金属配線6とを含む。検知膜5は、たとえば、結晶シリコンを用いたダイオードからなる。薄膜金属配線6は、支持脚3にも設けられ、絶縁膜12で覆われたアルミニウム配線7と検知膜5とを電気的に接続している。薄膜金属配線6は、例えば、厚さ100nmのチタン合金からなる。検知膜5が出力した電気信号は、支持脚3に形成された薄膜金属配線6を経由してアルミニウム配線7に伝わり、図9の検出回路1010によって取り出される。薄膜金属配線6と検知膜5との間の電気的接続、および薄膜金属配線6とアルミニウム配線7との間の電気的接続は、必要に応じて上下方向に延在する導電体(図示せず)を介して行っても良い。
赤外線を反射する反射膜8は、中空部2を覆うように配置されている。ただし、反射膜8と温度検知部4とは熱的に接続されない状態で、支持脚3の少なくとも一部の上方を覆うように配置されている。
温度検知部4の上方には、図12に示すように、支持柱9が設けられている。支持柱9の上に吸収体10が支持されている。つまり、吸収体10は、温度検知部4と支持柱9とによって接続されている。吸収体10は、温度検知部4と熱的に接続されているので、吸収体10で生じた温度変化が温度検知部4に伝わる。
一方、吸収体10は、反射膜8とは熱的に接続されない状態で、反射膜8よりも上方に配置される。吸収体10は、反射膜8の少なくとも一部を覆い隠すように側方に板状に広がっている。そのため、半導体光素子100を上方から見ると、図10に示すように、吸収体10のみが見える。他の様態として、吸収体10が温度検知部4の直上に直接形成されていても良い。
本実施の形態では、吸収体10の表面には、図12に示すように、ある波長の光の選択的に吸収する波長選択構造部11が設けられている。吸収体10の裏面、つまり支持柱9側には、裏面からの光の吸収を防止する吸収防止膜13が設けられている。このように構成によって、吸収体10では、ある波長の光を選択的に吸収することができる。波長選択構造部11においても光の吸収が生じる場合があるので、本実施の形態では、吸収体10が、波長選択構造部11を含むものとする。
次に、波長選択構造部11が表面プラズモンを利用する場合の構造について説明する。光の入射面に金属による周期構造を設けると、表面周期構造に応じた波長で表面プラズモンが生じ、光の吸収が生じる。したがって、吸収体10の表面を金属で形成し、入射光の波長、入射角度、および金属表面の周期構造によって吸収体10の波長選択性を制御することができる。
本実施の形態では、金属膜の内部の自由電子が寄与する現象と、周期構造による表面モードの生成とについて、吸収の観点からは同義とみなし、両者を区別すること無く、両者を表面プラズモン、表面プラズモン共鳴、共鳴、疑似表面プラズモン、またはメタマテリアルと呼ぶ。本実施の形態の構成は、赤外光以外の波長域、例えば可視、近赤外、THz領域の波長の光においても有効である。
図13に示すように、吸収体10の表面に設けられるある波長の光の吸収を選択的に増加する波長選択構造部11は、金属膜42と、本体43と、凹部45とによって構成される。
受光部である吸収体10の最表面に設けられる金属膜42の種類は、Au、Ag、Cu、Al、Ni、またはMoなどの表面プラズモン共鳴を生じやすい金属から選択される。あるいは、金属膜42の種類は、TiN等の金属窒化物、金属ホウ化物、または金属炭化物などのプラズモン共鳴を生じる材料であっても良い。吸収体10の最表面の金属膜42の膜厚は、入射赤外光が透過しない厚さであれば良い。このような膜厚であれば、吸収体10の最表面における表面プラズモン共鳴のみが電磁波の吸収および放射に影響し、金属膜42の下の材料は吸収等に光学的な影響を与えないからである。
μを金属膜42の透磁率、σを金属膜42電気伝導率、ωを入射光の角振動数としたときに、表皮効果の厚さ(skin depth)δ1は以下の式で表される。
δ1=(2/μσω)1/2・・・(1)
たとえば、吸収体10の表面の金属膜42の膜厚δが、δ1の少なくとも2倍の厚さ、すなわち数10nmから数100nm程度であれば、吸収体10の下部への入射光の漏れ出しは充分に小さくできる。
たとえば、金と酸化シリコン(SiO2)の熱容量を比較すると、酸化シリコンの方が、熱容量が小さい。よって、酸化シリコンの本体43、および金の金属膜42の表面からなる吸収体は、金のみからなる吸収体に比べて熱容量を小さくすることができるので、応答を速くすることができる。
次に、吸収体10の作製方法について説明する。
誘電体あるいは半導体からなる本体43の表面側に対してフォトリソグラフィとドライエッチングとを用いて周期構造を形成した後に、金属膜42をスパッタ等で形成する。次に、裏面についても同様に、周期構造を作製した後に金属膜42を形成する。
凹部45の直径は数μm程度と小さいため、金属膜42を直接エッチングして凹部を形成するよりも、本体43をエッチングして凹部を形成した後に金属膜42を形成する方が、製造工程が容易となる。金属膜42にはAuまたはAgのような高価な材料が使用されるため、誘電体または半導体の本体43を用いることによって金属の使用量を減らして、コストを低減することができる。
次に、図13を参照しながら、吸収体10の特性について説明する。直径d=4μm、深さh=1.5μmの円柱形の凹部45が、周期p=8μmで正方格子状に配置されたものとする。この場合、吸収波長は約8μmとなる。あるいは、直径d=4μm、深さh=1.5μmの円柱形の凹部45が、周期p=8.5μmで正方格子状に配置されたものとする。この場合、吸収波長は、ほぼ約8.5μmとなる。
吸収体10が2次元周期構造であれば、凹部45が正方格子状に配置されていても、三角格子状に配置されていても、入射光の吸収波長および放射波長と、凹部45の周期との関係は、ほぼ同じである。すなわち、吸収波長および放射波長は、凹部45の周期によって決定される。周期構造の逆格子ベクトルを考慮すれば、理論的には、正方格子配置においては、吸収および放射波長が周期とほぼ等しいのに対して、三角格子配置では、吸収および放射波長は、周期×√3/2となる。しかしながら、実際には、凹部45の直径dによって吸収および放射波長はわずかに変化するため、どちらの周期構造においても、ほぼ周期と等しい波長が吸収あるいは放射されると考えられる。
したがって、吸収される赤外光の波長は、凹部45の周期によって制御できる。凹部45の直径dは、一般に周期pの1/2以上であることが望ましい。凹部45の直径dが周期pの1/2よりも小さい場合は、共鳴効果が小さくなり、吸収率は低下する傾向にある。ただし、共鳴は、凹部45内の三次元的な共鳴であるため、直径dが周期pの1/2より小さくても十分な吸収が得られる場合もあるので、周期pに対する直径dの値は、適宜、個別に設計される。重要なのは、吸収波長が主に周期pによって制御されることである。直径dが周期pに対してある値以上であれば、吸収体10は、十分な吸収特性を有するため、設計に幅をもたせることができる。一方、表面プラズモンの分散関係の一般式を参照すれば、吸収される光は、凹部45の深さhには無関係であり、周期pにのみ依存する。よって、図13に示す凹部45の深さhには、吸収波長および放射波長は依存しない。
上記では、凹部45が周期的に配置された吸収体について説明したが、凸部45aが周期的に配置された構造としても同様の効果がある。
これらの凹凸構造を有する吸収体10の吸収は、垂直入射の場合が最大となる。吸収体10への入射角度が垂直入射からずれた場合、吸収波長も変化する。よって、ATRプリズム20から出射された赤外光が受光部である吸収体10の表面に垂直に照射されるように、赤外光検出器30が配置される。
(付記)
実施の形態3の生体物質測定装置(80)は、以下の特徴を備える。
(8)赤外光検出器(30)の受光部の表面に周期的に凹部(45)または凸部(45b)が形成され、受光部の最表面が表面プラズモン共鳴を生じる材料である。
このような構成によって、赤外光検出器(30)は、波長選択性を有する。
(9)赤外光検出器(30)の受光部の表面の凹部(45)または凸部(45b)の周期が、生体物質の吸収波長に相当する。
このような構成によって、凹部(45)または凸部(45b)の周期を変えることによって、測定する生体物質を変えることができる。
(10)赤外光検出器(30)の受光部の表面に、ATRプリズム(20)から出射された赤外光が垂直に入射する。
このような構成によって、赤外光検出器(30)における赤外光の吸収を最大にすることができる。
実施の形態4.
実施の形態3との相違点について説明する。
実施の形態4では、赤外光源部32として糖の指紋スペクトルが存在する波長範囲8.5μm〜10μmのうちの1つあるいは複数の信号用の波長と、その波長範囲から少しずれた参照用の波長とで発振する量子カスケードレーザが用いられる。
本実施の形態の量子レーザモジュールには、波長を安定させるためのペルチェ素子、およびビームをコリメートするためのレンズが搭載される。その他の構成は実施の形態3と同様であるため繰り返さない。
血糖値の測定時に、生体表面40からの輻射がノイズとして検出されるため、測定精度が低下してしまう。
本実施の形態では、量子カスケードレーザで使用する波長が適切なものに設定され、赤外光検出器30が生体からの輻射スペクトルを除去するために用いられる。これにより、生体からの輻射を除いた高精度の測定が可能となる。
実施の形態5.
実施の形態2との相違点について説明する。
図14は、実施の形態5の赤外光源部32の構成を表わす図である。図15は、実施の形態5の赤外光源部32の出力光のスペクトルを示す図である。
赤外光源部32は、単一波長光源71a,71b,71c,71dを有する。単一波長光源71a,71b,71c,71dは、図15に示すように、それぞれ単一波長A,B,C,Dの赤外光を出力する。単一波長A,B,C,Dは、赤外光検出器30が検出可能な波長域に含まれる。
本実施の形態では、赤外光検出器30は、生体からの輻射スペクトルを検出しないが、広範囲の波長の赤外光を検出することができる(つまり、波長選択性を有しない)ものとすることができる。
たとえば、単一波長光源71a,71b,71c,71dが、それぞれ異なるタイミングで赤外光を出力し、波長選択性を有しない赤外光検出器30が、それぞれの赤外光を受信するものとすることができる。
(付記)
実施の形態5の生体物質測定装置(80)は、以下の特徴を備える。
(11)生体物質測定装置(80)は、生体表面(40)に密着させることが可能なATRプリズム(20)と、ATRプリズムへ、生体物質の吸収波長の全域、あるいは一部の波長域の赤外光を放射する赤外光源部(32)と、ATRプリズム(20)から出射された赤外光を検出する赤外光検出器(30)とを備える。赤外光源部(32)は、各々が、赤外光検出器(32)が検出可能な波長域に含まれる単一波長の赤外光を放射する複数の光源(71a、71b、71c、71d)である。
このような構成によって、複数の光源が異なるタイミングで赤外光を出力する場合に、波長選択性を有しない赤外光検出器(30)が、複数の光源の赤外光を受信することができる。
実施の形態6.
実施の形態2との相違点について説明する。
図16は、実施の形態6の波長選択構造部11の上面図である。図17は、図16の波長選択構造部11をV−V方向に見た場合の断面図である。
この波長選択構造部11は、金属層14と、金属層14の上の中間層18と、中間層18の上の金属パッチ17とを備える。
金属層14は、たとえば、アルミニウム、または金などからなる。
中間層18は、酸化シリコンなどの絶縁体、誘電体、またはシリコン、ゲルマニウムなどの半導体からなる。中間層18の材料を選択することにより、検出波長、検出波長の数、および検出波長の帯域を制御できる。
金属パッチ17は、たとえば、金、銀、またはアルミニウムなどの金属、または金属以外のグラフェンによって形成される。金属パッチ17をグラフェンによって形成した場合、膜厚が1原子層まで薄くできるため、熱時定数を小さくでき、高速動作が可能となる。あるいは、金属パッチ17の材料は、前述のように表面プラズモン共鳴を生じる材料としてもよい。
金属パッチ17の大きさ(図16のx、y方向の寸法)によって、プラズモン共鳴を生じる波長を制御することができる。このため、金属パッチ17の大きさを変えることにより、吸収波長を選択できる。したがって、吸収体10によって吸収される波長が、測定対象の生体物質の吸収波長に一致するように、金属パッチ17の大きさが定められる。たとえば、図16に示すように、金属パッチ17が正方形の場合、一辺の長さが3μmであれば、吸収波長は7.5μm程度となり、一辺の長さが3.5μmであれば、吸収波長は、8.8μm程度となる。この場合、金属パッチ17の周期は、吸収波長よりも大きく、かつ金属パッチ17の一辺よりも大きくなるように定められる。これによって、金属パッチ17の周期は、吸収波長にほぼ影響を及ぼさなくすることができる。
本実施の形態の吸収体を用いることによって、画素の小型化が可能になるため、アレイ化した場合に赤外光検出器30の面積を縮小することができる。
また、本実施の形態の波長選択構造部11の吸収構造は、入射角度依存性が無く、入射角度を変化させても吸収波長が変わらない。同様に、金属パッチ17が対称形状、2次元周期構造の場合は、偏光依存性も無い。よって、赤外光検出器30の設置角度について許容範囲が広くなる。携帯型の生体物質測定装置の場合、赤外光検出器30のずれが懸念されるため、本実施の形態の吸収構造を用いることによって、携帯性に優れるといった顕著な効果がある。
図16では、金属パッチ17が、所定の周期でマトリックス状(2次元)に配置されているが、1次元に配置されてもよい。この場合は、偏光依存性が生じるが、赤外光源部32の偏光に配置の方向を合わせることによって、迷光を除去することができる。よって、SN比が改善され、より精度の高い血糖値の測定が可能になる。
(付記)
実施の形態6の生体物質測定装置(80)は、以下の特徴を備える。
(12)赤外光検出器(30)の受光部の表面が、内部から順に金属薄膜(14)、絶縁膜(18)、金属パッチ(17)が積層されることによって形成され、金属パッチ(17)のサイズに応じて、生体物質の吸収波長が制御可能である。
このような構成によって、金属パッチ(17)のサイズを変えることによって、測定対象とする生体物質を変えることができる。
(13)金属パッチ(17)が配列されている周期が、生体物質の吸収波長よりも長く、かつ金属パッチ(17)の一辺よりも大きい。
このような構成によって、金属パッチ(17)の周期は、吸収波長にほぼ影響を及ぼさなくすることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,50 基板、2 中空部、3 支持脚、4 温度検知部、5 検知膜、6 薄膜金属配線、7 アルミニウム配線、8 反射膜、9 支持膜、10 吸収体、11 波長選択構造部、11a 入射赤外光、11b 伝搬赤外光、11c 放射赤外光、12 絶縁膜、13 吸収防止膜、14 金属層、16 誘電体膜、17 金属パッチ、18 中間層、20 ATRプリズム、20a,20b,20c,20d ATRプリズム端面、30 赤外光検出器、32 赤外光源部、40 生体表面、42 金属膜、43 本体、45 凹部、52,250 制御部、54 ユーザインタフェース、71a,71b,71c,71d 単一波長光源、80 生体物質測定装置、100 半導体光素子、110,120,130,140 非冷却赤外線センサ、1000 センサアレイ、1010 検出回路、200 光源、210 プリズム、220 光位置検出器、230 プリズム、230a 入射光、230b 放射光、230c 放射屈折光、240 屈折率勾配。

Claims (8)

  1. 生体表面に密着させることが可能なATRプリズムと、
    前記ATRプリズムへ、生体物質の吸収波長の全域、あるいは一部の波長域の赤外光を放射する赤外光源部と、
    前記ATRプリズムから出射された少なくとも1つの波長の赤外光を検出する赤外光検出器とを備え、
    前記赤外光検出器の受光部表面において、プラズモン共鳴を生じることによって、少なくとも1つの波長の赤外光が吸収され、前記吸収された波長のうち少なくとも一つが、前記生体物質の吸収波長に相当する、生体物質測定装置。
  2. 前記赤外光源部は、前記赤外光検出器が検出可能な波長域の赤外光を放射する単一の光源である、請求項1に記載の生体物質測定装置。
  3. 前記赤外光検出器の受光部の表面に周期的に凹部または凸部が形成され、前記受光部の最表面が表面プラズモン共鳴を生じる材料である、請求項2に記載の生体物質測定装置。
  4. 前記赤外光検出器の受光部の表面の凹部または凸部の周期が、前記生体物質の吸収波長に相当する、請求項3に記載の生体物質測定装置。
  5. 前記赤外光検出器の受光部の表面に、前記ATRプリズムから出射された赤外光が垂直に入射する、請求項4に記載の生体物質測定装置。
  6. 前記赤外光検出器の受光部の表面が、内部から順に金属薄膜、絶縁膜、金属パッチが積層されることによって形成され、
    前記金属パッチのサイズに応じて、前記生体物質の吸収波長が制御可能である、請求項4または5に記載の生体物質測定装置。
  7. 前記金属パッチが配列されている周期が、前記生体物質の吸収波長よりも長く、かつ前記金属パッチの一辺よりも大きい、請求項6に記載の生体物質測定装置。
  8. 生体表面に密着させることが可能なATRプリズムと、
    前記ATRプリズムへ、生体物質の吸収波長の全域、あるいは一部の波長域の赤外光を放射する赤外光源部と、
    前記ATRプリズムから出射された赤外光を検出する赤外光検出器とを備え、
    前記赤外光源部は、各々が、前記赤外光検出器が検出可能な波長域に含まれる単一波長の赤外光を放射する複数の光源であり、
    前記赤外光検出器の受光部表面において、プラズモン共鳴を生じることによって、少なくとも1つの波長の赤外光が吸収され、前記吸収された波長のうち少なくとも一つが、前記生体物質の吸収波長に相当する、生体物質測定装置。
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