JP2019129202A - 半導体レーザー、半導体レーザーの製造方法、および電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な発光特性を有することができる半導体レーザーを提供する。【解決手段】基板10と、前記基板上に配置された第1ミラー層20と、前記第1ミラー層上に配置された活性層30と、前記活性層上に配置され、開口部が設けられた酸化層40と、前記酸化層上に配置された第2ミラー層50と、前記第2ミラー層上に配置され、表面レリーフ構造62を有するコンタクト層60と、を含み、前記第2ミラー層の側面50aの少なくとも一部は、前記基板の上面10aに対して傾斜し、前記表面レリーフ構造の溝の側面64aおよび前記酸化層の側面40aは、前記上面10aに対して垂直である、半導体レーザー100。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体レーザー、半導体レーザーの製造方法、および電子機器に関する。
半導体レーザーの1つとして、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)が知られている。このような半導体レーザーでは、例えば、横モードは、単一モード(シングルモード)であることが求められている。
例えば特許文献1には、単一横モード化を図るために、選択酸化による電流狭窄構造を設けることが記載されている。さらに、特許文献1には、表面レリーフ構造を設けることにより、電流狭窄構造だけで単一横モード化を図る場合よりも、ある程度広い発光領域を保ちながら、単一横モード発振を可能にすることが記載されている。
特開2013−157473号公報
しかしながら、特許文献1に記載された面発光レーザーでは、電流狭窄部である酸化領域の側面が基板の上面に対して傾斜している。ここで、酸化領域は、選択酸化層を側面から酸化させて形成される。そのため、選択酸化層の側面が傾斜していると、選択酸化層の酸化の制御が難しく、所望の形状の電流注入領域を形成することが難しい。したがって、面発光レーザーが良好な発光特性を有することができない場合がある。
本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、良好な発光特性を有することができる半導体レーザーを提供することにある。また、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、良好な発光特性を有することができる半導体レーザーの製造方法を提供することにある。また、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、良好な発光特性を有する半導体レーザー含む電子機器を提供することにある。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[適用例1]
本適用例に係る半導体レーザーは、基板と、前記基板上に配置された第1ミラー層と、前記第1ミラー層上に配置された活性層と、前記活性層上に配置され、開口部が設けられた酸化層と、前記酸化層上に配置された第2ミラー層と、前記第2ミラー層上に配置され、表面レリーフ構造を有するコンタクト層と、を含み、前記第2ミラー層の側面の少なくとも一部は、前記基板の上面に対して傾斜し、前記表面レリーフ構造の溝の側面および前記酸化層の側面は、前記上面に対して垂直である。
このような半導体レーザーでは、酸化層の側面は、基板の上面に対して垂直であるため、酸化層となる被酸化層の側面は、基板の上面に対して垂直である。これにより、このような半導体レーザーでは、被酸化層の側面が基板の上面に対して傾斜している場合に比べて、被酸化層の酸化の制御がしやすく、所望の形状の開口部を形成しやすい。したがって
、このような半導体レーザーでは、良好な発光特性を有することができる。
なお、本発明に係る記載では、「上」という文言を、例えば、「特定のもの(以下、「A」という)の「上」に他の特定のもの(以下、「B」という)を形成する」などと用いる場合に、Aに直接Bを形成するような場合と、Aに他のものを介してBを形成するような場合とが含まれるものとして、「上」という文言を用いている。
[適用例2]
本適用例に係る半導体レーザーにおいて、前記上面に垂直な方向から見た場合に、前記第2ミラー層の前記上面に対して傾斜している前記側面は、前記基板側の端部が前記表面レリーフ構造側の端部よりも外側に位置していてもよい。
このような半導体レーザーでは、第2ミラー層の傾斜している側面は、基板側の端部が表面レリーフ構造側の端部よりも外側に位置しているため、例えば、第2ミラー層の側面に絶縁層を形成する場合に、絶縁層の被覆性を向上させることができる。
[適用例3]
本適用例に係る半導体レーザーにおいて、前記活性層の側面は、前記上面に対して垂直であってもよい。
このような半導体レーザーでは、活性層の側面は、基板の上面に対して垂直であるため、酸化層となる被酸化層と、活性層と、を同一の工程でエッチングすることができる。
[適用例4]
本適用例に係る半導体レーザーにおいて、前記酸化層の厚さと前記活性層の厚さとの合計は、前記溝の深さよりも小さくてもよい。
このような半導体レーザーでは、酸化層の厚さと活性層の厚さとの合計は、溝の深さよりも小さいため、溝を形成するためのエッチングによって、より確実に、活性層の側面を露出させることができる。
[適用例5]
本適用例に係る半導体レーザーの製造方法は、基板上に第1ミラー層を形成することと、前記第1ミラー層上に活性層を形成することと、前記活性層上に被酸化層を形成することと、前記被酸化層上に第2ミラー層を形成することと、前記第2ミラー層上にコンタクト層を形成することと、前記コンタクト層上に第1マスク層を形成することと、前記第1マスク層をマスクとして、前記第2ミラー層の側面が前記基板の上面に対して傾斜するように、前記コンタクト層および前記第2ミラー層をエッチングすることと、前記コンタクト層上、前記コンタクト層の側面、および前記第2ミラー層の前記側面に、第2マスク層を形成することと、前記第2マスク層をマスクとして、前記被酸化層の側面が前記上面に対して垂直となるように、前記被酸化層をエッチングすることと、前記第2マスク層をマスクとして、表面レリーフ構造の溝の側面が前記上面に対して垂直となるように、前記コンタクト層をエッチングすることと、前記被酸化層を前記被酸化層の前記側面から酸化して、開口部が設けられた酸化層を形成することと、を含む。
このような半導体レーザーの製造方法では、被酸化層の側面が基板の上面に対して垂直となるように、被酸化層をエッチングするため、被酸化層の側面が基板の上面に対して傾斜するようにエッチングする場合に比べて、被酸化層の酸化の制御がしやすく、所望の形状の開口部を形成しやすい。したがって、良好な発光特性を有することができる半導体レーザーを製造することができる。
[適用例6]
本適用例に係る電子機器は、半導体レーザーを含む電子機器であって、前記半導体レーザーは、基板と、前記基板上に配置された第1ミラー層と、前記第1ミラー層上に配置された活性層と、前記活性層上に配置され、開口部が設けられた酸化層と、前記酸化層上に配置された第2ミラー層と、前記第2ミラー層上に配置され、表面レリーフ構造を有するコンタクト層と、を含み、前記第2ミラー層の側面の少なくとも一部は、前記基板の上面に対して傾斜し、前記表面レリーフ構造の溝の側面および前記酸化層の側面は、前記上面に対して垂直である。
このような電子機器の半導体レーザーでは、酸化層の側面は、基板の上面に対して垂直であるため、酸化層となる被酸化層の側面は、基板の上面に対して垂直である。これにより、このような電子機器の半導体レーザーでは、被酸化層の側面が基板の上面に対して傾斜している場合に比べて、被酸化層の酸化の制御がしやすく、所望の形状の開口部を形成しやすい。したがって、このような電子機器は、良好な発光特性を有することができる半導体レーザーを含むことができる。
第1実施形態に係る半導体レーザーを模式的に示す断面図。 第1実施形態に係る半導体レーザーを模式的に示す平面図。 第1実施形態に係る半導体レーザーの製造方法を説明するためのフローチャート。 第1実施形態に係る半導体レーザーの製造工程を模式的に示す断面図。 第1実施形態に係る半導体レーザーの製造工程を模式的に示す断面図。 第1実施形態に係る半導体レーザーの製造工程を模式的に示す断面図。 第1実施形態に係る半導体レーザーの製造工程を模式的に示す断面図。 第1実施形態に係る半導体レーザーの製造工程を模式的に示す断面図。 第1実施形態の変形例に係る半導体レーザーを模式的に示す断面図。 第2実施形態に係る半導体レーザーを模式的に示す断面図。 第2実施形態に係る半導体レーザーの製造方法を説明するためのフローチャート。 第2実施形態に係る半導体レーザーの製造工程を模式的に示す断面図。 第2実施形態に係る半導体レーザーの製造工程を模式的に示す断面図。 第2実施形態に係る半導体レーザーの製造工程を模式的に示す断面図。 第2実施形態に係る半導体レーザーの製造工程を模式的に示す断面図。 第2実施形態に係る半導体レーザーの製造工程を模式的に示す断面図。 第2実施形態に係る半導体レーザーの製造工程を模式的に示す断面図。 第2実施形態に係る半導体レーザーの製造工程を模式的に示す断面図。 第3実施形態に係る原子発振器を示す概略図。 第3実施形態に係るクロック伝送システムを示す概略構成図。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 第1実施形態
1.1. 半導体レーザー
まず、第1実施形態に係る半導体レーザーについて、図面を参照しながら説明する。図
1は、第1実施形態に係る半導体レーザー100を示す断面図である。図2は、第1実施形態に係る半導体レーザー100を示す平面図である。なお、図1は、図2のI−I線断面図である。
半導体レーザー100は、例えば、図1および図2に示すように、基板10と、第1ミラー層20と、活性層30と、酸化層40、非酸化層42、第2ミラー層50と、コンタクト層60と、絶縁層70と、第1電極80と、第2電極82と、を含む。半導体レーザー100は、例えば、VCSELである。なお、便宜上、図2では、活性層30、酸化層40、非酸化層42、第2ミラー層50、およびコンタクト層60で構成される柱状部102以外の部材の図示を省略している。
基板10は、例えば、第1導電型(例えばn型)のGaAs基板である。基板10は、上面10aを有している。上面10aは、例えば、平坦な面である。図示の例では、上面10aは、第1ミラー層20と接している。
第1ミラー層20は、図1に示すように、基板10上に配置されている。第1ミラー層20は、例えば、n型の半導体層である。第1ミラー層20は、例えば、分布ブラッグ反射型(DBR:Distributed Bragg Reflector)ミラーである。第1ミラー層20は、例えば、高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層されて構成されている。高屈折率層は、例えば、シリコンがドープされたn型のAl0.12Ga0.88As層である。低屈折率層は、例えば、シリコンがドープされたn型のAl0.9Ga0.1As層である。高屈折率層と低屈折率層との積層数(ペア数)は、例えば、10ペア以上50ペア以下である。
活性層30は、第1ミラー層20上に配置されている。活性層30は、例えば、i型のIn0.06Ga0.94As層とi型のAl0.3Ga0.7As層とから構成される量子井戸構造を3層重ねた多重量子井戸(MQW:Multi Quantum Well)構造を有している。活性層30の側面30aは、基板10の上面10aに対して垂直である。
なお、側面30aの上面10aに対する角度は、実質的に垂直であればよく、好ましくは垂直である。「実質的に垂直」とは、側面30aの上面10aに対する角度が垂直である場合と、側面30aの上面10aに対する角度が90°±α°の場合と、を含む。α°は、側面30aを露出するためのエッチングの誤差である。このことは、側面40a,41a,52a,64a,140aの上面10aに対する角度について同様である。
酸化層40は、活性層30上に配置されている。図示の例では、酸化層40は、活性層30上に直接的に(直上に)配置されている。図示はしないが、酸化層40は、活性層30上に間接的に配置されていてもよい。例えば、酸化層40は、第2ミラー層50の内部に配置されていてもよい。酸化層40は、絶縁層である。酸化層40は、例えば、AlGa1−xAs(x≧0.95)層が酸化された層である。酸化層40は、電極80,82によって活性層30に注入される電流が平面方向(第1ミラー層20と活性層30との積層方向と直交する方向)に広がることを防ぐことができる電流狭窄層である。
酸化層40には、開口部41が設けられている。開口部41は、基板10の上面10aに垂直な方向から見た場合に(第1ミラー層20と活性層30との積層方向から見た場合に、以下、「平面視において」ともいう)、例えば、円の形状を有している。酸化層40の側面40aは、基板10の上面10aに対して垂直である。図示の例では、側面40aは、絶縁層70と接している。開口部41の側面41aは、基板10の上面10aに対して垂直である。側面41aは、開口部41を規定する酸化層40の面である。側面40a,41aは、互いに反対方向を向いている。
非酸化層42は、開口部41に配置されている。非酸化層42は、酸化されていない層である。非酸化層42は、例えば、例えば、AlGa1−xAs(x≧0.95)層である。非酸化層42は、電極80,82によって活性層30に注入される電流が通る層である。
第2ミラー層50は、酸化層40上および非酸化層42上に配置されている。第2ミラー層50は、例えば、p型の半導体層である。第2ミラー層50は、高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層されて構成されている。高屈折率層は、例えば、炭素がドープされたp型のAl0.12Ga0.88As層である。低屈折率層は、例えば、炭素がドープされたp型のAl0.9Ga0.1As層である。高屈折率層と低屈折率層との積層数(ペア数)は、例えば3ペア以上40ペア以下である。
第2ミラー層50は、例えば、第1層52と、第2層54と、を有している。第1層52は、基板10の上面10aに対して垂直な側面52aを有する層である。第2層54は、基板10の上面10aに対して傾斜した側面54aを有する層である。第1層52は、酸化層40上および非酸化層42上に配置されている。第2層54は、第1層52上に配置されている。
第2ミラー層50の側面54aは、図2に示すように、平面視において、基板10側の端部54bが、表面レリーフ構造62側の端部54cよりも外側に位置している。図1に示すように、第2ミラー層50の第2層54は、基板10側から表面レリーフ構造62側に向けて、面積(上面10aと平行な断面積)が小さくなるテーパー形状を有している。
コンタクト層60は、第2ミラー層50上に配置されている。コンタクト層60は、例えば、炭素がドープされたp型のGaAs層である。コンタクト層60の側面60aは、基板10の上面10aに対して傾斜している。図示の例では、側面60aは、側面54aと連続している。第2ミラー層50の側面50aの少なくとも一部は、上面10aに対して傾斜している。図示の例では、側面50aは、側面52a,54aを有し、側面54aは、上面10aに対して傾斜している。側面54a,60aは、例えば、上面10aに対して、60°以上90°未満、好ましくは70°以上80°以下の角度で傾斜している。なお、図示はしないが、第2ミラー層50の側面50aの全部が上面10aに対して、傾斜していてもよい。
コンタクト層60は、表面レリーフ構造62を有している。平面視において、表面レリーフ構造62は、開口部41と重なっている。表面レリーフ構造62は、例えば、コンタクト層60の上面に設けられた溝64と、平面視において溝64に囲まれた凸部66と、によって構成されている。
溝64の側面64aは、基板10の上面10aに対して垂直である。側面64aは、溝64を規定するコンタクト層60の面である。図2に示す例では、溝64は、平面視において、リング状の形状を有している。凸部66は、平面視において、円の形状を有している。平面視において溝64と重なる部分における反射率(活性層30で生じる光に対する反射率)は、平面視において凸部66と重なる部分における反射率よりも低い。例えば、溝64の深さHは、例えば、コンタクト層60の厚さに(3/4)を掛けたものである。具体的は、溝64の深さHは、例えば、40nm以上50nm以下である。酸化層40の厚さと活性層30の厚さとの合計Tは、表面レリーフ構造62の溝64の深さHよりも小さい。
上記のような表面レリーフ構造62により、半導体レーザー100では、基本横モード
の光出力を低減させることなく、高次横モードの発振を抑制することができ、シングルモード化を図ることができる。
第2ミラー層50、非酸化層42、活性層30、および第1ミラー層20は、垂直共振器型のpinダイオードを構成している。電極80,82間にpinダイオードの順方向の電圧を印加すると、活性層30において電子と正孔との再結合が起こり、発光が生じる。活性層30で生じた光は、第1ミラー層20と第2ミラー層50との間を往復し(多重反射し)、その際に誘導放出が起こって、強度が増幅される。そして、光利得が光損失を上回ると、レーザー発振が起こり、コンタクト層60の上面から、上面10aに垂直な方向にレーザー光が出射する。
活性層30、酸化層40、非酸化層42、第2ミラー層50、およびコンタクト層60は、柱状部102を構成している。図1に示す例では、柱状部102は、絶縁層70によって囲まれている。柱状部102は、例えば、第1ミラー層20上に配置され、第1ミラー層20から上方に突出している。
柱状部102は、図2に示すように、第1歪付与部104と、第2歪付与部106と、共振部108と、を有している。
第1歪付与部104は、共振部108から一方側に延出している。第2歪付与部106は、共振部108から他方側に延出している。歪付与部104,106および共振部108は、一体的に設けられている。歪付与部104,106は、活性層30に歪みを付与して、活性層30で生じる光を偏光させる。ここで、光を偏光させるとは、光の電場の振動方向を一定にすることをいう。
共振部108は、平面視において、第1歪付与部104と第2歪付与部106との間に配置されている。図示の例では、共振部108は、平面視において、略円の形状を有している。共振部108は、活性層30で生じた光を共振させる。すなわち、共振部108では、垂直共振器が形成される。凸部66は、例えば、平面視において、共振部108の中央に配置されている。
絶縁層70は、図1に示すように、柱状部102の側面を覆うように配置されている。絶縁層70は、例えば、平面視において、柱状部102を取り囲んで配置されている。絶縁層70は、例えば、ポリイミド層である。
第1電極80は、基板10の下に配置されている。第1電極80は、例えば、基板10とオーミックコンタクトしている。第1電極80は、基板10を介して、第1ミラー層20と電気的に接続されている。第1電極80としては、例えば、基板10側から、Cr層、AuGe層、Ni層、Au層の順序で積層したものを用いる。第1電極80は、活性層30に電流を注入するための一方の電極である。
第2電極82は、コンタクト層60上に配置されている。第2電極82は、例えば、コンタクト層60とオーミックコンタクトしている。図1に示す例では、第2電極82は、さらに絶縁層70上に配置されている。第2電極82は、コンタクト層60を介して、第2ミラー層50と電気的に接続されている。第2電極82としては、例えば、コンタクト層60側から、Cr層、Pt層、Ti層、Pt層、Au層の順序で積層したものを用いる。第2電極82は、活性層30に電流を注入するための他方の電極である。
なお、上記では、AlGaAs系の面発光レーザーについて説明したが、本発明に係る面発光レーザーは、発振波長に応じて、例えば、GaInP系、ZnSSe系、InGa
N系、AlGaN系、InGaAs系、GaInNAs系、GaAsSb系の半導体材料を用いてもよい。
半導体レーザー100は、例えば、以下の特徴を有する。
半導体レーザー100では、酸化層40の側面40aは、基板10の上面10aに対して垂直である。そのため、半導体レーザー100では、酸化層40となる被酸化層の側面は、上面10aに対して垂直である。これにより、半導体レーザー100では、被酸化層の側面が上面10aに対して傾斜している場合に比べて、被酸化層の酸化の制御がしやすく、所望の形状の開口部41を形成しやすい。例えば、所望の形状の開口部41を、設計通りに正確に形成しやすい。したがって、半導体レーザー100では、活性層30の所望の領域に、所望の電流を注入しやすく、良好な発光特性を有することができる。
さらに、半導体レーザー100では、酸化層40の側面40aが上面10aに対して垂直であるため、開口部41の側面41aも上面10aに対して垂直である。そのため、半導体レーザー100では、側面41aが上面10aに対して垂直でない場合に比べて、活性層30の電流が注入される領域において注入される電流の均一性が高く、より、シングルモード化を図ることができる。
さらに、半導体レーザー100では、第2ミラー層50の側面50aの少なくとも一部は、基板10の上面10aに対して傾斜している。そのため、半導体レーザー100では、第2ミラー層50の側面50aが上面10aに対して垂直である場合に比べて、第2ミラー層50と絶縁層70との接触面積を大きくすることができ、絶縁層70の被覆性を向上させることができる。さらに、第2ミラー層50の側面50aが上面10aに対して垂直である場合に比べて、絶縁層70の表面に形成される傾斜角(上面10aに対する傾斜角)θを小さくすることができ、第2電極82が断線する可能性を小さくすることができる。したがって、半導体レーザー100は、信頼性の向上および歩留まりの向上を図ることができる。
さらに、半導体レーザー100では、第2ミラー層50と絶縁層70との接触面積を大きくすることができるので、歪付与部104,106には、絶縁層70に起因する大きな応力が生じる。そのため、歪付与部104,106は、共振部108の活性層30に大きな歪みを付与することができ、活性層30で生じる光の偏光方向の安定化を図ることができる。
さらに、半導体レーザー100では、表面レリーフ構造62の溝64の側面64aは、基板10の上面10aに対して垂直である。そのため、半導体レーザー100では、溝64の側面64aが上面10aに対して傾斜している場合に比べて、より、シングルモード化を図ることができる。
半導体レーザー100では、平面視において、第2ミラー層50の上面10aに対して傾斜している側面54aは、基板10側の端部54bが表面レリーフ構造62側の端部54cよりも外側に位置している。そのため、半導体レーザー100では、絶縁層70の被覆性を向上させることができる。
半導体レーザー100では、活性層30の側面30aは、基板10の上面10aに対して垂直である。そのため、半導体レーザー100では、酸化層40となる被酸化層と、活性層と、を同一の工程でエッチングすることができる。これにより、製造工程の短縮化を図ることができる。
半導体レーザー100では、酸化層40の厚さと活性層30の厚さとの合計Tは、溝64の深さHよりも小さい。そのため、半導体レーザー100では、溝64を形成するためのエッチングによって、より確実に、活性層30の側面30aを露出させることができる。
1.2.半導体レーザーの製造方法
次に、第1実施形態に係る半導体レーザーの製造方法について、図面を参照しながら説明する。図3は、第1実施形態に係る半導体レーザー100の製造方法を説明するためのフローチャートである。図4〜図8は、第1実施形態に係る半導体レーザー100の製造工程を模式的に示す断面図である。
図4に示すように、基板10上に、第1ミラー層20を形成する(ステップS1)。次に、第1ミラー層20上に、活性層30を形成する(ステップS2)。次に、活性層30上に被酸化層140を形成する(ステップS3)。次に、被酸化層140上に第2ミラー層50を形成する(ステップS4)。次に、第2ミラー層50上にコンタクト層60を形成する(ステップS5)。具体的には、基板10上に、第1ミラー層20、活性層30、被酸化層140、第2ミラー層50、およびコンタクト層60を、この順でエピタキシャル成長させる。エピタキシャル成長させる方法としては、例えば、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法が挙げられる。
次に、コンタクト層60上に、所定形状の第1マスク層2を形成する(ステップS6)。第1マスク層2は、例えば、フォトリソグラフィーによって形成されたマスク層を、熱処理(リフロー処理)することによって形成される。本リフロー処理によって、第1マスク層2の側面2aは、基板10の上面10aに対して傾斜する。第1マスク層2は、テーパー形状を有している。リフロー処理の温度は、例えば150℃程度であり、リフロー処理の時間は、例えば10分程度である。第1マスク層2は、例えば、レジスト層である。より具体的には、第1マスク層2としては、東京応化工業株式会社のTSMR−8900(TSMRは登録商標)を用いる。
図5に示すように、第1マスク層2をマスクとして、コンタクト層60の側面60aおよび第2ミラー層50の側面54aが基板10の上面10aに対して傾斜するように、コンタクト層60および第2ミラー層50をエッチングする(ステップS7)。第1マスク層2は、テーパー形状であるため、側面54a,60aは、上面10aに対して傾斜する。本エッチングは、例えば、ドライエッチングである。本エッチングは、被酸化層140の上面が露出しないように行う。
図6に示すように、例えば公知の方法で第1マスク層2を除去した後、コンタクト層60上および側面54a,60aの側面に、所定形状の第2マスク層4を形成する(ステップS8)。第2マスク層4は、例えば、フォトリソグラフィーによって形成される。第2マスク層4は、第1マスク層2で行ったようなリフロー処理を行わない。第2マスク層4は、例えば、レジスト層である。図示の例では、第2マスク層4の一部は、第2ミラー層50の第1層52の上面に形成される。
図7に示すように、第2マスク層4をマスクとして、被酸化層140の側面140aが基板10の上面10aに対して垂直となるように、第2ミラー層50、被酸化層140、および活性層30をエッチングする(ステップS9)。さらに、第2マスク層4をマスクとして、表面レリーフ構造62の溝64の側面64aが上面10aに対して垂直となるように、コンタクト層60をエッチングする(ステップS10)。
第2ミラー層50、被酸化層140、および活性層30のエッチング(ステップS9)と、コンタクト層60のエッチング(ステップS10)とは、例えば、同一の工程によって行われる。本エッチングは、例えば、ドライエッチングによって行われる。酸化層40の厚さと活性層30の厚さとの合計Tは、溝64の深さHよりも小さいので、本エッチングによって、より確実に、活性層30の側面30aを露出させることができる。図示の例では、本エッチングによって、第1ミラー層20の上面を露出させることができる。本工程によって、柱状部102が形成される。
なお、第2ミラー層50、被酸化層140、および活性層30のエッチング(ステップS9)と、コンタクト層60のエッチング(ステップS10)とは、別々の工程で行われてもよいが、製造工程の短縮化を考慮すると、同一の工程で行われることが好ましい。両エッチングを別々の工程で行う場合は、その順序は、限定されない。
図8に示すように、例えば公知の方法で第2マスク層4を除去した後、被酸化層140を被酸化層140の側面140aから酸化して、開口部41が設けられた酸化層40を形成する(ステップS11)。例えば、400℃程度の水蒸気雰囲気で、被酸化層140を熱処理することにより被酸化層140を側面140aから酸化して、酸化層40を形成する。被酸化層140の酸化されない部分は、非酸化層42となる。
図1に示すように、柱状部102の側面を覆うように、絶縁層70を形成する(ステップS12)。絶縁層70は、例えば、スピンコート法などにより形成される。
次に、コンタクト層60上および絶縁層70上に第2電極82を形成する(ステップS13)。次に、基板10の下に第1電極80を形成する(ステップS14)。電極80,82は、例えば、真空蒸着法により形成される。なお、電極80,82の形成順序は、限定されない。
以上の工程により、半導体レーザー100を製造することができる。
半導体レーザー100の製造方法は、例えば、以下の特徴を有する。
半導体レーザー100の製造方法では、第2マスク層4をマスクとして、被酸化層140の側面140aが基板10の上面10aに対して垂直となるように、被酸化層140をエッチングする。そのため、半導体レーザー100の製造方法では、側面140aが上面10aに対して傾斜するようにエッチングする場合に比べて、被酸化層140の酸化の制御がしやすく、所望の形状の開口部41を形成しやすい。したがって、良好な発光特性を有することができる半導体レーザー100を製造することができる。
半導体レーザー100の製造方法では、第2マスク層4をマスクとして、表面レリーフ構造62の溝64の側面64aが上面10aに対して垂直となるように、コンタクト層60をエッチングする。このように、半導体レーザー100の製造方法では、被酸化層140の側面140aを露出させるためのエッチングと、溝64の側面64aを露出させるためのエッチングと、を同じ第2マスク層4で行う。そのため、半導体レーザー100の製造方法では、酸化層40に対して溝64が自己整合的に形成される。したがって、酸化層40に対して表面レリーフ構造62の位置がずれる可能性を小さくすることができ、より、シングルモード化を図ることができる。さらに、閾値電流のばらつき、駆動電圧の増大、および光出力の低下を抑制することができ、優れた特性の半導体レーザー100を製造することができる。
1.3. 半導体レーザーの変形例
次に、第1実施形態の変形例に係る半導体レーザーについて、図面を参照しながら説明する。図9は、第1実施形態の変形例に係る半導体レーザー110を模式的に示す断面図である。以下、第1実施形態の変形例に係る半導体レーザー110において、上述した第1実施形態に半導体レーザー100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
上述した半導体レーザー100では、図1に示すように、第1電極80は、基板10の下に配置されていた。これに対し、半導体レーザー110では、図9に示すように、第1電極80は、第1ミラー層20上に配置されている。第1電極80は、例えば、第1ミラー層20とオーミックコンタクトしている。
半導体レーザー110では、第1電極80は、第1ミラー層20上に配置されているため、例えば、基板10として絶縁性の高い基板を用いることができる。
2. 第2実施形態
2.1. 半導体レーザー
次に、第2実施形態の変形例に係る半導体レーザーについて、図面を参照しながら説明する。図10は、第2実施形態に係る半導体レーザー200を模式的に示す断面図である。以下、第2実施形態に係る半導体レーザー200において、上述した第1実施形態に半導体レーザー100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
上述した半導体レーザー100では、図1に示すように、第1ミラー層20は、柱状部102を構成していなかった。これに対し、半導体レーザー200では、図10に示すように、第1ミラー層20は、柱状部102を構成している。
なお、図示はしないが、半導体レーザー200では、上述した半導体レーザー110のように、第1電極80は、第1ミラー層20上に配置されていてもよい。
2.2. 半導体レーザーの製造方法
次に、第2実施形態に係る半導体レーザーの製造方法について、図面を参照しながら説明する。図11は、第2実施形態に係る半導体レーザー200の製造方法を説明するためのフローチャートである。図12〜図18は、第2実施形態に係る半導体レーザー200の製造工程を模式的に示す断面図である。以下、第2実施形態に係る半導体レーザー200の製造方法において、上述した第1実施形態に半導体レーザー100の製造方法と同様の点については、説明を省略または簡略する。
図12に示すように、基板10上に、第1ミラー層20、活性層30、被酸化層140、第2ミラー層50、コンタクト層60、およびエッチングストップ層202を、この順でエピタキシャル成長により形成する(ステップS21〜S26)。エッチングストップ層は、例えば、MOCVD法、MBE法などにより形成される。エッチングストップ層202は、例えば、AlGaInP層である。次に、エッチングストップ層202上に、第1マスク層2を形成する(ステップS27)。
図13に示すように、第1マスク層2をマスクとして、エッチングストップ層202、コンタクト層60、および第2ミラー層50をエッチングする(ステップS28)。
図14に示すように、エッチングストップ層202上に、第2マスク層4を形成する(ステップS29)。
図15に示すように、第2マスク層4をマスクとして、第2ミラー層50、被酸化層140、活性層30、および第1ミラー層20をエッチングする(ステップS30)。本エッチングにおいて、第2ミラー層50、被酸化層140、活性層30、および第1ミラー層20に対するエッチング速度は、エッチングストップ層202に対するエッチング速度よりも大きい。本エッチングでは、コンタクト層60は、エッチングされない。本エッチングは、例えば、塩酸(HCl)系のエッチング溶液を用いたウェットエッチングである。
図16に示すように、第2マスク層4をマスクとして、エッチングストップ層202をエッチングする(ステップS31)。本エッチングにおいて、エッチングストップ層202に対するエッチング速度は、コンタクト層60、第2ミラー層50、被酸化層140、活性層30、および第1ミラー層20に対するエッチング速度よりも大きい。本エッチングは、例えば、リン酸(HPO)系のエッチング溶液を用いたウェットエッチングである。エッチングストップ層202に対するエッチング速度は、エッチングストップ層202のAlの組成比によって変化し、例えば、Al組成比を大きくするとエッチング速度は大きくなる。なお、エッチング溶液として、塩酸、硫酸、過酸化水素、および水の混合液(例えば、HCl:HSO、H:HO=1600:3:10;2000)を用いてもよい。
図17に示すように、第2マスク層4をマスクとして、コンタクト層60をエッチングする(ステップS32)。本エッチングは、例えば、ドライエッチングである。本エッチングによって、第1ミラー層20は、エッチングされてもよいし、エッチングされなくてもよい。図示の例では、本エッチングによって、第1ミラー層20は、エッチングされる。
図18に示すように、例えば公知の方法で第2マスク層4を除去した後、エッチングストップ層202をエッチングして除去する(ステップS33)。本エッチングにおいて、エッチングストップ層202に対するエッチング速度は、コンタクト層60、第2ミラー層50、被酸化層140、活性層30、および第1ミラー層20に対するエッチング速度よりも大きい。本エッチングは、例えば、上述した、第2マスク層4をマスクとしてエッチングストップ層202をエッチングする工程(ステップS31)と、同じエッチング液を用いたウェットエッチングである。
図10に示すように、酸化層40を形成する(ステップS34)。次に、絶縁層70を形成する(ステップS35)。次に、第2電極82を形成する(ステップS36)。次に、第1電極80を形成する(ステップS37)。
以上の工程により、半導体レーザー200を製造することができる。
半導体レーザー200の製造方法では、コンタクト層60上に、エッチングストップ層202を形成する。そのため、半導体レーザー200の製造方法では、被酸化層140の側面140aおよび活性層30の側面30aを形成するためのエッチング(ステップS30)と、溝64を形成するためのエッチング(ステップS32)と、を分けて行うことができる。これにより、半導体レーザー200の製造方法では、側面30a,140aを確実に露出させることができる。例えば、側面140aが完全に露出しないと、被酸化層140を酸化する際の酸化速度が安定しない場合がある。半導体レーザー200の製造方法では、例えば、被酸化層140を酸化する際の酸化速度の安定化を図ることができる。
なお、上記では、エッチングストップ層202がAlGaInP層である例について説明したが、エッチングストップ層202は、コンタクト層60、第2ミラー層50、被酸
化層140、活性層30、および第1ミラー層20と、エッチング速度が異なれば、SiO層、SiN層、SiON層などの絶縁層であってもよい。このような絶縁層は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などによって形成される。
また、上記では、エッチングストップ層202をウェットエッチングする例について説明したが、エッチングストップ層202は、コンタクト層60、第2ミラー層50、被酸化層140、活性層30、および第1ミラー層20と、エッチング速度が異なれば、ドライエッチングされてもよい。
3. 第3実施形態
3.1. 原子発振器
次に、第3実施形態に係る電子機器の一例である原子発振器について、図面を参照しながら説明する。図19は、第3実施形態に係る原子発振器300を概略図である。本発明に係る電子機器は、本発明に係る半導体レーザーを含む。以下では、本発明に係る半導体レーザーとして、半導体レーザー100を含む原子発振器300について説明する。
原子発振器300は、アルカリ金属原子に対して特定の異なる波長の2つの共鳴光を同時に照射したときに当該2つの共鳴光がアルカリ金属原子に吸収されずに透過する現象が生じる量子干渉効果(CPT:Coherent Population Trapping)を利用した原子発振器である。なお、この量子干渉効果による現象は、電磁誘起透明化(EIT:Electromagnetically Induced Transparency)現象とも言う。また、本発明に係る電子機器は、光およびマイクロ波による二重共鳴現象を利用した原子発振器であってもよい。
原子発振器300は、図19に示すように、光源ユニット310と、光学系ユニット320と、原子セルユニット330と、光源ユニット310および原子セルユニット330を制御する制御ユニット340と、を含む。
光源ユニット310は、半導体レーザー100と、ペルチェ素子312と、温度センサー314と、を有している。
半導体レーザー100は、周波数の異なる2種の光を含んでいる直線偏光の光LLを出射する。温度センサー314は、半導体レーザー100の温度を検出する。ペルチェ素子312は、半導体レーザー100の温度を第1の温度に制御する第1温度制御素子である。具体的には、ペルチェ素子312は、半導体レーザー100を加温または冷却する。第1の温度は、例えば、25℃以上35℃以下である。
光学系ユニット320は、光源ユニット310と原子セルユニット330との間に配置されている。光学系ユニット320は、減光フィルター322と、レンズ324と、1/4波長板326と、を有している。
減光フィルター322は、半導体レーザー100から出射された光LLの強度を減少させる。レンズ324は、光LLの放射角度を調整する。具体的には、レンズ324は、光LLを平行光にする。1/4波長板326は、光LLに含まれる周波数の異なる2種の光を、直線偏光から円偏光に変換する。
原子セルユニット330は、原子セル331と、受光素子332と、ヒーター333と、温度センサー334と、コイル335と、を有している。
原子セル331は、半導体レーザー100から出射される光LLを透過する。原子セル331には、アルカリ金属原子が収容されている。アルカリ金属原子は、互いに異なる2
つの基底準位と励起準位とからなる3準位系のエネルギー準位を有する。原子セル331には、半導体レーザーから出射された光LLが減光フィルター322、レンズ324、および1/4波長板326を介して入射する。
受光素子332は、原子セル331を通過した光LLを受光し、検出する。受光素子332は、例えば、フォトダイオードである。
ヒーター333は、原子セル331を、第1の温度とは異なる第2の温度に制御する第2温度制御素子である。ヒーター333は、原子セル331に収容されたアルカリ金属原子を加熱し、アルカリ金属原子の少なくとも一部をガス状態にする。第2の温度は、例えば、60℃以上70℃以下である。
温度センサー334は、原子セル331の温度を検出する。コイル335は、原子セル331に収容されたアルカリ金属原子に所定方向の磁場を印加し、アルカリ金属原子のエネルギー準位をゼーマン分裂させる。
アルカリ金属原子がゼーマン分裂した状態において、円偏光した共鳴光対がアルカリ金属原子に照射されると、アルカリ金属原子がゼーマン分裂した複数の準位のうち、所望のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数を他のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数に対して相対的に多くなる。そのため、所望のEIT現象を発現する原子数が増大し、所望のEIT信号が大きくなる。その結果、原子発振器300の発振特性を向上させることができる。
制御ユニット340は、温度制御部342と、光源制御部344と、磁場制御部346と、温度制御部348と、を有している。温度制御部342、光源制御部344、磁場制御部346、および温度制御部348は、例えば、IC(Integrated Circuit)により実現される。
温度制御部342は、温度センサー334の検出結果に基づいて、原子セル331の内部が所望の温度となるように、ヒーター333への通電を制御する。磁場制御部346は、コイル335が発生する磁場が一定となるように、コイル335への通電を制御する。温度制御部348は、温度センサー314の検出結果に基づいて、半導体レーザー100の温度が所望の温度となるように、ペルチェ素子312への通電を制御する。
光源制御部344は、受光素子332の検出結果に基づいて、EIT現象が生じるように、半導体レーザー100から出射された光LLに含まれる2種の光の周波数を制御する。ここで、これら2種の光が原子セル331に収容されたアルカリ金属原子の2つの基底準位間のエネルギー差に相当する周波数差の共鳴光対となったとき、EIT現象が生じる。光源制御部344は、2種の光の周波数の制御に同期して安定化するように発振周波数が制御される電圧制御型発振器(図示せず)を備えており、この電圧制御型発振器(VCO:Voltage Controlled Oscillator)の出力信号を原子発振器300の出力信号(クロック信号)として出力する。
3.2. クロック伝送システム
次に、第3実施形態に係る電子機器の一例であるクロック伝送システム(タイミングサーバー)ついて、図面を参照しながら説明する。図20は、第3実施形態に係るクロック伝送システム400を示す概略構成図である。以下では、原子発振器300を含むクロック伝送システム400について説明する。
クロック伝送システム400は、時分割多重方式のネットワーク内の各装置のクロック
を一致させるものであって、N(Normal)系およびE(Emergency)系の冗長構成を有するシステムである。
クロック伝送システム400は、図20に示すように、A局(上位(N系))のクロック供給装置401およびSDH(Synchronous Digital Hierarchy)装置402と、B局(上位(E系))のクロック供給装置403およびSDH装置404と、C局(下位)のクロック供給装置405およびSDH装置406,407と、を備える。クロック供給装置401は、原子発振器300を有し、N系のクロック信号を生成する。クロック供給装置401内の原子発振器300は、セシウムを用いた原子発振器を含むマスタークロック408,409からのより高精度なクロック信号と同期して、クロック信号を生成する。
SDH装置402は、クロック供給装置401からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行うとともに、N系のクロック信号を主信号に重畳し、下位のクロック供給装置405に伝送する。クロック供給装置403は、原子発振器300を有し、E系のクロック信号を生成する。クロック供給装置403内の原子発振器300は、セシウムを用いた原子発振器を含むマスタークロック408,409からのより高精度なクロック信号と同期して、クロック信号を生成する。
SDH装置404は、クロック供給装置403からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行うとともに、E系のクロック信号を主信号に重畳し、下位のクロック供給装置405に伝送する。クロック供給装置405は、クロック供給装置401,403からのクロック信号を受信し、その受信したクロック信号に同期して、クロック信号を生成する。
クロック供給装置405は、通常、クロック供給装置401からのN系のクロック信号に同期して、クロック信号を生成する。そして、N系に異常が発生した場合、クロック供給装置405は、クロック供給装置403からのE系のクロック信号に同期して、クロック信号を生成する。このようにN系からE系に切り換えることにより、安定したクロック供給を担保し、クロックパス網の信頼性を高めることができる。SDH装置406は、クロック供給装置405からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行う。同様に、SDH装置407は、クロック供給装置405からのクロック信号に基づいて、主信号の送受信を行う。これにより、C局の装置をA局またはB局の装置と同期させることができる。
本実施形態に係る電子機器は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、時計、携帯電話機、デジタルスチルカメラ、液体吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS(point of sales)端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡、心磁計)、魚群探知機、GNSS(Global Navigation Satellite System)周波数標準器、各種測定機器、計器類(例えば、自動車、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター、地上デジタル放送システム、携帯電話基地局、移動体(自動車、航空機、船舶等)であってもよい。
本発明は、本願に記載の特徴や効果を有する範囲で一部の構成を省略したり、各実施形態や変形例を組み合わせたりしてもよい。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施
の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
2…第1マスク層、2a…側面、4…第2マスク層、10…基板、10a…上面、20…第1ミラー層、30…活性層、30a…側面、40…酸化層、40a…側面、41…開口部、41a…側面、42…非酸化層、50…第2ミラー層、50a…側面、52…第1層、52a…側面、54…第2層、54a…側面、54b,54c…端部、60…コンタクト層、60a…側面、62…表面レリーフ構造、64…溝、66…凸部、70…絶縁層、80…第1電極、82…第2電極、100…半導体レーザー、102…柱状部、104…第1歪付与部、106…第2歪付与部、108…共振部、110…半導体レーザー、140…被酸化層、140a…側面、200…半導体レーザー、202…エッチングストップ層、300…原子発振器、310…光源ユニット、312…ペルチェ素子、314…温度センサー、320…光学系ユニット、322…減光フィルター、324…レンズ、326…1/4波長板、330…原子セルユニット、331…原子セル、332…受光素子、333…ヒーター、334…温度センサー、335…コイル、340…制御ユニット、342…温度制御部、344…光源制御部、346…磁場制御部、348…温度制御部、401…クロック供給装置、402…SDH装置、403…クロック供給装置、404…SDH装置、405…クロック供給装置、406,407…SDH装置、408,409…マスタークロック

Claims (6)

  1. 基板と、
    前記基板上に配置された第1ミラー層と、
    前記第1ミラー層上に配置された活性層と、
    前記活性層上に配置され、開口部が設けられた酸化層と、
    前記酸化層上に配置された第2ミラー層と、
    前記第2ミラー層上に配置され、表面レリーフ構造を有するコンタクト層と、
    を含み、
    前記第2ミラー層の側面の少なくとも一部は、前記基板の上面に対して傾斜し、
    前記表面レリーフ構造の溝の側面および前記酸化層の側面は、前記上面に対して垂直である、半導体レーザー。
  2. 請求項1において、
    前記上面に垂直な方向から見た場合に、前記第2ミラー層の前記上面に対して傾斜している前記側面は、前記基板側の端部が前記表面レリーフ構造側の端部よりも外側に位置している、半導体レーザー。
  3. 請求項1または2において、
    前記活性層の側面は、前記上面に対して垂直である、半導体レーザー。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、
    前記酸化層の厚さと前記活性層の厚さとの合計は、前記溝の深さよりも小さい、半導体レーザー。
  5. 基板上に第1ミラー層を形成することと、
    前記第1ミラー層上に活性層を形成することと、
    前記活性層上に被酸化層を形成することと、
    前記被酸化層上に第2ミラー層を形成することと、
    前記第2ミラー層上にコンタクト層を形成することと、
    前記コンタクト層上に第1マスク層を形成することと、
    前記第1マスク層をマスクとして、前記第2ミラー層の側面が前記基板の上面に対して傾斜するように、前記コンタクト層および前記第2ミラー層をエッチングすることと、
    前記コンタクト層上、前記コンタクト層の側面、および前記第2ミラー層の前記側面に、第2マスク層を形成することと、
    前記第2マスク層をマスクとして、前記被酸化層の側面が前記上面に対して垂直となるように、前記被酸化層をエッチングすることと、
    前記第2マスク層をマスクとして、表面レリーフ構造の溝の側面が前記上面に対して垂直となるように、前記コンタクト層をエッチングすることと、
    前記被酸化層を前記被酸化層の前記側面から酸化して、開口部が設けられた酸化層を形成することと、
    を含む、半導体レーザーの製造方法。
  6. 半導体レーザーを含む電子機器であって、
    前記半導体レーザーは、
    基板と、
    前記基板上に配置された第1ミラー層と、
    前記第1ミラー層上に配置された活性層と、
    前記活性層上に配置され、開口部が設けられた酸化層と、
    前記酸化層上に配置された第2ミラー層と、
    前記第2ミラー層上に配置され、表面レリーフ構造を有するコンタクト層と、
    を含み、
    前記第2ミラー層の側面の少なくとも一部は、前記基板の上面に対して傾斜し、
    前記表面レリーフ構造の溝の側面および前記酸化層の側面は、前記上面に対して垂直である、電子機器。
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