JP2019128479A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ベルトの温度ムラを抑制できる定着装置および画像形成装置を提供する。【解決手段】定着装置1は、記録媒体にトナー像を定着させる。定着装置1は、無端状のベルト20と、ベルト20の内周面に接触する押圧部材30と、押圧部材30に対向して配置され押圧部材とニップ部を形成する加圧回転体と、ベルト20を加熱する加熱部50と、冷媒を用いてベルトを冷却する冷媒供給部と、ダクト10と、を備えている。冷媒は、ダクト10の内部を流れる。ダクト10は、ベルト20で囲われた内部領域に設けられた排出部11を含んでいる。冷媒は、排出部11からベルト20の内周面に向けて排出される。冷媒は、排出部11から近い方の、ベルト20の幅方向DR2におけるベルト20の端部側から流れ出る。【選択図】図3

Description

本発明は、定着装置および画像形成装置に関する。
定着装置のベルトを冷却する技術が、たとえば、特開2010−20224号公報(特許文献1)、特開2008−52031号公報(特許文献2)、および特開平6−282185号公報(特許文献3)に開示されている。
特開2010−20224号公報 特開2008−52031号公報 特開平6−282185号公報
上記文献に開示された定着装置は、ファンによりベルトを冷却する構成である。上記構成において、ベルトの温度が下がりすぎて、ベルトの幅方向において温度ムラができる場合がある。
本発明の目的は、ベルトの温度ムラを抑制できる定着装置および画像形成装置を提供することである。
本開示に係る定着装置は、記録媒体にトナー像を定着させる。上記定着装置は、無端状のベルトと、上記ベルトの内周面に接触する押圧部材と、上記押圧部材に対向して配置され上記押圧部材とニップ部を形成する加圧回転体と、上記ベルトを加熱する加熱部と、冷媒を用いて上記ベルトを冷却する冷媒供給部と、ダクトと、を備えている。上記冷媒は、ダクトの内部を流れる。上記ダクトは、上記ベルトで囲われた内部領域に設けられた排出部を含んでいる。上記冷媒は、上記排出部から上記ベルトの上記内周面に向けて排出される。上記冷媒は、上記排出部から近い方の、上記ベルトの幅方向における上記ベルトの端部側から流れ出る。
上記の定着装置によると、ベルトの温度ムラを抑制することができる。したがって、最小記録媒体から最大記録媒体に印刷が切り替わった時でも、低温オフセットおよび光沢ムラの発生を抑制することができる。
上記ベルトには、上記記録媒体にトナー像を定着させる際常に上記記録媒体が通過する常時通過領域が上記幅方向において規定されている。上記冷媒は、上記常時通過領域以外の領域に向けて排出される。これにより、定着品質の低下を抑制することができる。
上記ベルトには、上記常時通過領域を含む記録媒体最大通過領域が上記幅方向において規定されている。上記記録媒体最大通過領域は、上記定着装置を通過する上記記録媒体のうち上記幅方向における長さが最大である記録媒体が通過する領域である。上記冷媒は、上記記録媒体最大通過領域よりも内側であって上記常時通過領域よりも外側の部分に向けて排出される。これにより、低温オフセットおよび光沢ムラの発生をより抑制することができる。
上記ベルトには、上記記録媒体にトナー像を定着させる際常に上記記録媒体が通過する常時通過領域が上記幅方向において規定されている。上記冷媒は、上記常時通過領域の上記幅方向における縁部に向けて排出される。これにより、ベルトの温度ムラを効率良く抑制することができる。
上記排出部から近い方の上記ベルトの上記端部は、上記冷媒が上記内部領域の外部から上記内部領域に流れ込む方向の下流側における上記ベルトの端部である。これにより、ダクト内流路を流れる空気の圧力損失を小さくできる。
上記排出部から近い方の上記ベルトの上記端部は、上記冷媒が上記内部領域の外部から上記内部領域に流れ込む方向の上流側における上記ベルトの端部である。これにより、温度ムラを抑制することができる。
上記ダクトは、上記ベルトの上記内周面から離れて配置されている。上記ダクトの外周面と上記ベルトの上記内周面との間に冷媒路が形成されている。上記冷媒路は、上記排出部から、上記排出部から近い方の上記ベルトの上記端部に近づくように延びている。上記排出部から排出された上記冷媒は、上記冷媒路を通過して上記内部領域の外部に流れ出る。これにより、ダクトの内部の流れる空気が温度上昇することを抑制することができる。
上記冷媒路の断面積は、上記ダクト内を通過する冷媒の流路の断面積よりも小さい。これにより、冷媒の流速が大きくなる。したがって、ベルトの冷却効率を上げることができる。
上記冷媒供給部は、空気を送風するファンを含んでいる。これにより、ベルトの冷却構成を簡素にすることができる。
上記幅方向における上記ベルトの端部に、上記ファンが設けられている。これにより、効率良くベルトを冷却することができる。
上記加熱部は、上記内部領域に配置されている。これにより、効率良くベルトを加熱することができる。
上記加熱部は、磁束発生装置を含んでいる。上記磁束発生装置は、上記ベルトの外周面に対向して配置されている。これにより、ダクトの温度上昇を抑制することができる。
上記記録媒体が上記定着装置を通過する際、上記トナー像は、上記ベルトと接触する。これにより、ウォームアップ時間が早くなる。
上記排出部は、配置変更が可能である。これにより、様々なサイズの記録媒体に対応して、ベルトの冷却する領域を設定することができる。
本開示に係る画像形成装置は、定着装置と、記録媒体検出部と、制御部とをさらに備えている。定着装置は、温度検出部さらに備えている。温度検出部は、上記ベルトの温度を検出する。記録媒体検出部は、上記記録媒体の大きさ、および種類を検出する。制御部は、上記記録媒体の大きさおよび種類、並びに、上記ベルトの温度の少なくとも1つの検出結果に応じて、上記排出部の位置を変更する。これにより、ベルトの温度ムラを効果的に抑制することができる。
本開示に係る画像形成装置は、上記のいずれかの局面の定着装置と、上記記録媒体を収容する収容部とを備える。これにより、ベルトの温度ムラを抑制できる画像形成装置を実現できる。
本開示に従えば、ベルトの温度ムラを抑制できる定着装置および画像形成装置を実現することができる。
実施の形態1の画像形成装置の概略図である。 実施の形態1の定着装置の概略断面図である。 図2中のIII方向から見た際の定着装置の構成の概略を示す図である。 図2中のIV方向から見た際の定着装置の構成の概略を示す図である。 図2中のV方向から見た際の定着装置の構成の概略を示す図である。 実施の形態2の定着装置の概略断面図である。 図6中のVII方向から見た際の定着装置の構成の概略を示す図である。 実施の形態3の定着装置の概略断面図である。 実施の形態4の定着装置の概略断面図である。 実施の形態5の定着装置の概略断面図である。 実施の形態6の定着装置の概略断面図である。 比較例2の定着装置の概略図である。 実施例および比較例におけるベルトの温度分布を示した表である。
以下、図面に基づいて、各実施の形態における定着装置および画像形成装置について説明する。以下に示す実施の形態において、同一または実質的に同一の構成については、同一の符号を付して、重複した説明は繰り返さない。以下で説明される実施の形態の各構成は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
(実施の形態1)
<画像形成装置100>
図1は、実施の形態1の画像形成装置100の概略図である。画像形成装置100は、ベルト部材として中間転写ベルト1502と、作像ユニット1506Y,M,C,Kと、AIDC(画像濃度)センサ1519と、を備えている。
図中に示された両矢印は、高さ方向DR1を示している。高さ方向DR1は、画像形成装置100の高さ方向であり、図1中の上下方向である。
中間転写ベルト1502は、高さ方向DR1における画像形成装置100のほぼ中央に設けられている。中間転写ベルト1502は、反時計回り(図1中A方向)に回転する。中間転写ベルト1502の下側には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色にそれぞれ対応する4つの作像ユニット1506Y、1506M、1506C、1506Kが中間転写ベルト1502に沿って並んで配置されている。作像ユニット1506Kは、中間転写ベルト1502の回転方向の最下流側に配置されている。AIDCセンサ1519は、作像ユニット1506Kに対して、中間転写ベルト1502の回転方向の下流側に配置されている。
以下、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のうち主にイエロー(Y)に係る構成について説明するが、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の構成についてもイエロー(Y)と同様の構成である。
作像ユニット1506Yは、感光体ドラム1507Yと、帯電器1508Yと、プリントヘッド部1509Yと、現像器1510Yと、1次転写ローラー1511Yと、を含んでいる。感光体ドラム1507Yは、時計回りに回転する。感光体ドラム1507Yの周囲には、感光体ドラム1507Yの回転方向に沿って、帯電器1508Yと、プリントヘッド部1509Yと、現像器1510Yと、1次転写ローラー1511Yとが、この順に配置されている。1次転写ローラー1511Yは、中間転写ベルト1502を介して感光体ドラム1507Yと対向している。
画像形成装置100の概略動作について説明する。画像形成装置100は、制御部80をさらに備えている。制御部80は、図示しない画像信号処理部を含んでいる。画像信号処理部は、外部装置(例えばパーソナルコンピューター)から画像信号が入力されると、上記画像信号をイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックに色変換したデジタル画像信号を作成する。制御部80は、上記デジタル画像信号に基づいて、プリントヘッド部1509Yを発光させ、感光体ドラム1507Yへ露光を行う。これにより、感光体ドラム1507Y上に静電潜像が形成される。上記静電潜像は、現像器1510Yにより現像されてトナー像となる。
各現像器1510Y,M,C,Kにより現像された各色のトナー像は、各1次転写ローラー1511Y,M,C,Kの作用により、矢印A方向に移動する中間転写ベルト1502上に順次重ね合わせて1次転写される。中間転写ベルト1502に1次転写された各色のトナー像は、搬送経路1540に沿って、後述する2次転写領域1530に搬送される。
画像形成装置100は、駆動ローラー1505と、2次転写ローラー1503とをさらに備えている。2次転写ローラー1503は、駆動ローラー1505に対向している。2次転写ローラー1503は、中間転写ベルト1502の駆動ローラー1505で支持された部分を圧接している。2次転写ローラー1503および駆動ローラー1505によって形成されるニップ部が、2次転写領域1530を構成している。
画像形成装置100は、着脱可能な収容部1517と給紙ローラー1518とをさらに備えている。収容部1517は、高さ方向DR1において、画像形成装置100の下部に配置されている。収容部1517は、記録媒体を収容している。
制御部80は、記録媒体検出部70を含んでいる。記録媒体検出部70は、収容部1517に収容された記録媒体の大きさ(A3、B5等)、および種類(普通紙、封筒等)を検出する。記録媒体検出部70は、記録媒体の種類を検出することにより、記録媒体の厚みを検出することができる。
実施の形態において、記録媒体は、普通紙Pである。収容部1517内に積載収容された普通紙Pは、給紙ローラー1518の回転によって、1枚ずつ搬送経路1540に沿って2次転写領域1530に搬送される。
2次転写領域1530において、中間転写ベルト1502上に1次転写されて重ね合わされた各色トナー像は、2次転写ローラー1503の作用により、収容部1517から搬送される普通紙Pに転写される(2次転写)。各色トナー像が2次転写された普通紙Pは、搬送経路1540に沿って、後述する定着装置1に搬送される。
画像形成装置100は、定着装置1をさらに備えている。定着装置1は、2次転写領域1530に対して搬送経路1540の下流側に配置されている。普通紙Pに2次転写されたトナー像は、定着装置1において、加熱および加圧され普通紙Pに定着される。トナー像が定着された普通紙Pは、排紙ローラー1550を介して排紙トレイ1513に排出される。
<定着装置1>
図2は、実施の形態1の定着装置1の概略断面図である。定着装置1は、無端状のベルト20と、押圧部材30と、固定部材35と、加圧回転体40とを含んでいる。ベルト20で囲われた領域には、内部領域21が形成されている。内部領域21には、押圧部材30および固定部材35が配置されている。押圧部材30は、ベルト20の内周面に接触している。押圧部材30は、圧力に対し歪みを生じるため、強度の高い固定部材35にてバックアップさせることでベンディングを低減させている。
加圧回転体40は、押圧部材30に対向して配置されている。加圧回転体40は、押圧部材30とニップ部Nを形成している。実施の形態において、加圧回転体40は、加圧ローラーである。加圧回転体40およびベルト20は、それぞれの両端側を不図示の軸受部材に回転自在に支持されている。加圧回転体40は、バネなどを用いた不図示の加圧機構によって所定の加圧力で押圧部材30に向かって圧接される。加圧回転体40は、不図示の駆動機構により所定の周速度で回転駆動される。ベルト20は、ニップ部Nでの加圧回転体40との圧接摩擦力によって、加圧回転体40の回転に伴って、従動回転する。
定着装置1は、加熱部50と、温度検出部71と、をさらに含んでいる。加熱部50は、内部領域21に配置されている。加熱部50は、加熱源であるハロゲンランプ51と、反射部材52とを有している。ハロゲンランプ51は、ベルト20を加熱する。ハロゲンランプ51は、複数の配光を有している。ハロゲンランプ51は、用紙サイズなどに応じて、ランプの通電を切変えることができる。反射部材52は、ハロゲンランプ51と対向して配置されている。反射部材52は、ハロゲンランプ51に対してベルト20と反対側に配置されている。反射部材52は、ハロゲンランプ51からの光をベルト20へ反射することでベルト20へ熱を移動させる。
温度検出部71は、内部領域21の外部に配置されている。温度検出部71は、ベルト20に対向して配置されている。温度検出部71は、ハロゲンランプ51により加熱されたベルト20の温度を検出する。温度検出部71は、応答性のよいサーモパイルなど赤外線検知方式のセンサを用いる。これにより、高い検知精度を確保できる。ベルト20の温調制御は、制御部80によって行われる。温度検出部71は、複数個あってもよい。
定着動作時において、制御部80は、ハロゲンランプ51によりベルト20を加熱させ、ベルト20の表面温度が所定の一定温度になるよう自動制御する。ベルト20の温度が一定温度となった状態で、図1に示す搬送経路1540に沿って搬送された未定着トナー像を担持した普通紙Pが、ニップ部Nに導入される。
普通紙Pが定着装置1のニップ部Nを通過する際、普通紙P上の未定着トナー像Tは、ベルト20と接触する。普通紙Pの未定着トナー像Tの担持面側が、ベルト20に対向する。ニップ部Nに導入された普通紙Pは、ベルト20および加圧回転体40によって挟持搬送される。普通紙Pは、ベルト20によって加熱されて、未定着トナー像Tが普通紙Pに溶融定着される。
図3は、図2中のIII方向から見た際の定着装置1の構成の概略を示す図である。図4は、図2中のIV方向から見た際の定着装置1の構成の概略を示す図である。図5は、図2中のV方向から見た際の定着装置1の構成の概略を示す図である。図3から図5では、ベルト20は断面で図示されている。図4では、加圧回転体40および押圧部材30は図示されていない。図5では、加圧回転体40は断面で図示されている。図3から図5を参照して、ベルト20の冷却機構について説明する。
図3から図5中に示された両矢印は、幅方向DR2を示している。幅方向DR2は、ベルト20の幅方向であり、図3から図5中の左右方向である。幅方向DR2は、加圧回転体40の軸方向とほぼ平行である。
定着装置1は、冷媒供給部と、筒状のダクト10と、をさらに含んでいる。冷媒供給部は、冷媒を用いてベルト20を冷却する。実施の形態において、冷媒は空気であり、冷媒供給部は、空気を送風するファン60を含んでいる。ファン60は、幅方向DR2におけるベルト20の端部に設けられている。実施の形態において、ファン60は、幅方向DR2におけるベルト20の両端それぞれに設けられている。
ダクト10は、幅方向DR2に延びる形状を有している。ダクト10は、内部領域21の外部から内部領域21に亘って配置されている。ダクト10は、幅方向DR2におけるベルト20の中央Cに向かって延びている。ダクト10は、幅方向DR2におけるベルト20の長さの半分よりも大きい長さを有している。ダクト10は、ベルト20の内周面から離れて配置されている。ダクト10の内部には、空気の流路となるダクト内流路8が形成されている。ファン60から送風された空気は、ダクト内流路8を流れる(図3、図4中点線矢印A)。
ダクト10は、排出部11を有している。排出部11は、内部領域21に設けられている。排出部11は、ダクト10の管状部分からベルト20の内周面に向かって斜めに延びる形状を有している。ダクト10内を流れる空気は、ベルト20の内周面に向けて排出部11から排出される。
ダクト10の外周面とベルト20の内周面との間に冷媒路12が形成されている。冷媒路12は、排出部11から、ベルト20の幅方向DR2における中央Cから離れるように延びている。排出部11から排出された空気は、冷媒路12を通過して(図3、図4中白抜矢印B)、内部領域21の外部に流れ出る。排出部11から排出された空気は、排出部11から近い方の、幅方向DR2におけるベルト20の端部側から流れ出る。冷媒路12の断面積は、ダクト10内を通過する空気の流路(ダクト内流路8)の断面積よりも小さい。冷媒路12およびダクト内流路8の断面積とは、冷媒が通過する方向と直交する断面における面積である。
図5に示すように、実施の形態において、2つのダクト10が並んで配置されている。実施の形態において、2つの冷媒路12が形成されている。これにより、幅方向DR2において、ベルト20の両側を冷却することができる。
定着装置1は、排出部11を移動可能とする移動可能機構をさらに含んでいる。移動可能機構は、モーター13と、移動部16とを有している。移動部16は、排出部11と連結している。移動部16は、モーター13と連動して動作する。移動部16は、たとえばワイヤー、ベルト、および、シャッターの一部品である。モーター13が移動部16を巻き取ったり、解放したりすることにより、排出部11の配置は変更可能となっている。
ベルト20には、幅方向DR2において、常時通過領域22および記録媒体最大通過領域23が規定されている。常時通過領域22は、記録媒体にトナー像を定着させる際常に記録媒体が通過する領域である。常時通過領域22は、定着装置1を通過する記録媒体のうち幅方向DR2における長さが最小である記録媒体(最小記録媒体)が通過する領域である。常時通過領域22の幅方向DR2における端部には、縁部24が規定されている。ダクト内流路8を通過した空気は、排出部11から縁部24に向けて排出される。
記録媒体最大通過領域23は、常時通過領域22を含んでいる。記録媒体最大通過領域23は、幅方向DR2において、常時通過領域22よりも大きい。記録媒体最大通過領域23は、定着装置1を通過する記録媒体のうち幅方向DR2における長さが最大である記録媒体(最大記録媒体)が通過する領域である。
(作用効果)
最小記録媒体に連続して印刷するとき、常時通過領域22以外の領域(常時通過領域22よりも外側の領域)においては、記録媒体に熱を取られないため、ベルト20の温度が上昇していく。常時通過領域22よりも外側の領域におけるベルト20の温度分布は、縁部24付近がピークとなり縁部24からベルト20の端部に向かうにつれて徐々に温度が低くなるような分布となる。
ファン60により送風された空気をダクト内流路8を通じて内部領域21に導入し、内部領域21に設けられた排出部11からベルト20の内周面に向けて空気を吹き付ける構成とすることにより、ダクト10により運ばれた冷気をベルト20の温度の高い部分(たとえば縁部24付近)に直接吹き付けることができる。これにより、ベルト20を効率的に冷却することができる。
さらに、ベルト20の端部のうち排出部11から近い方の端部側から空気を逃がす構成とすることにより、ベルト20の温度の高い部分から温度の低い部分に向けて空気を流すことができる。ベルト20の内周面に沿って空気が流れると、空気がベルト20から温度を奪う。そのため、ベルト20の温度の高い部分から温度の低い部分に向けて空気を流すことにより、ベルト20を効率的に冷却することができる。
以上により、常時通過領域22以外の領域(以下、非通紙領域)において、ベルト20の温度ムラを抑制することができる。したがって、最小記録媒体から最大記録媒体に印刷が切り替わった時でも、低温オフセットおよび光沢ムラの発生を抑制することができる。
ダクト内流路8を流れる空気は、非通紙領域に向けて排出されてもよい。これにより、最小記録媒体連続印刷時に記録媒体に熱を奪われず過昇温状態となりうる非通紙領域を、確実に冷却することができる。したがって、非通紙領域で発生するベルト20の過昇温を抑制することができる。さらに、常時通過領域22を避けてベルト20を冷却することにより、トナー定着熱が下がることによる定着品質の低下を抑制することができる。
ダクト内流路8を流れる空気は、幅方向DR2において、記録媒体最大通過領域23よりも内側であって常時通過領域22よりも外側の部分に向けて排出されてもよい。これにより、非通紙領域のうち、低温オフセットおよび光沢ムラの発生に起因する部分の温度ムラを抑制することができる。
ダクト内流路8を流れる空気は、縁部24に向けて排出されることが好ましい。これにより、ベルト20の温度がピークとなる縁部24付近を冷却できるため、非通紙領域におけるベルト20の温度ムラを効率良く抑制することができる。
実施の形態1において、排出部11から近い方のベルト20の端部は、冷媒が内部領域21の外部から内部領域21に流れ込む方向(図3、図4中矢印A)の下流側におけるベルト20の端部T1である。これにより、曲げることなくほぼストレート形状でダクト10を構成することができる。したがって、ダクト内流路8を流れる空気の圧力損失を小さくできる。
冷媒路12の断面積は、ダクト内流路8の断面積よりも小さい。これにより、空気の流速が大きくなる。したがって、ベルト20の冷却効率を上げることができる。
ダクト10は、ベルト20の内周面と離れて配置されている。そのため、ダクト10は、加熱されたベルト20から暖められにくい。これにより、ダクト10の内部の流れる空気が温度上昇することを抑制することができる。したがって、冷たい空気を排出部11からベルト20の内周面に吹き付けることができ、ベルト20を効率的に冷却することができる。
さらに、ダクト10の外周面とベルト20の内周面との間に冷媒路12が形成されている。これにより、ベルト20と近い位置に空気を送り込むことができる。したがって、ベルト20の冷却効率を上げることができる。
冷媒供給部は、空気を送風するファン60を含んでいる。空気を冷媒とすることにより、ベルト20の冷却構成を簡素にすることができる。
ファン60は、ベルト20の端部に配置されている。これにより、効率良くベルト20を冷却することができる。
加熱部50は内部領域21に配置されている。これにより、効率良くベルト20を加熱することができる。
実施の形態1の定着装置1において、いわゆる上ベルト方式(加熱ベルト方式)を採用している。これにより、大きなニップ幅で未定着トナー像を加熱することができるため、加熱効率が向上する。したがって、ウォームアップ時間が早くなる。
排出部11は、配置変更が可能である。これにより、様々なサイズの普通紙Pに対応して、ベルト20の冷却領域を設定することができる。したがって、ベルト20の温度ムラを効果的に抑制することができる。
制御部80は、記録媒体検出部70が検出した記録媒体の大きさおよび種類の検出結果、並びに、温度検出部71が検出したベルト20の温度の検出結果の少なくとも1つに応じて、排出部11の位置を変更する。用紙サイズやベルト20の温度に対応した排出部11の位置がテーブルであらかじめ定められており、制御部80は、所定のテーブルにて排出部11の配置を制御する。これにより、ベルト20の温度ムラを効果的に抑制することができる。
図2に示すように、温度検出部71を内部領域21の外部に配置することにより、温度検出部71には空気が流れ込まず、温度検出部71の検知精度を確保することができる。
(実施の形態2)
図6は、実施の形態2の定着装置1の概略断面図である。図7は、図6中のVII方向から見た際の定着装置1の構成の概略を示す図である。図7では、ベルト20は断面で図示されている。実施の形態1と異なり、実施の形態2の排出部11は、第一排出部11aおよび第二排出部11bを有している。第一排出部11aおよび第二排出部11bは、くの字状の形状を有している。実施の形態2において、ダクト10は、1本で構成されている。
実施の形態1と異なり、実施の形態2における排出部11から近い方のベルト20の端部は、空気が内部領域21の外部から内部領域21に流れ込む方向(図7中点線矢印A)の上流側におけるベルト20の端部T2である。ファン60から送風された空気は、ダクト内流路8を流れ、くの字状の排出部11を折り返して、冷媒路12を通って、内部領域21の外部へ排出される。
実施の形態2の定着装置1においても、実施の形態1と同様にベルト20の温度ムラを抑制する効果が得られる。
(実施の形態3)
図8は、実施の形態3の定着装置1の概略断面図である。実施の形態1と異なり、実施の形態3の加熱部50は、磁束発生装置53を含んでいる。磁束発生装置53は、ベルト20の外周面に対向して配置されている。磁束発生装置53は、渦電流によりベルト20を発熱させる。内部領域21に熱源を配置しないため、ダクト10の温度上昇を抑制することができる。さらに、内部領域21を省スペース化できるため、ダクト10の配置を大きくとることができる。これにより、ファン60を小型化することができる。
(実施の形態4)
図9は、実施の形態4の定着装置1の概略断面図である。実施の形態3と異なり、実施の形態4の定着装置1は、2軸ベルト構成となっている。実施の形態4のベルト20は、押圧部材30および加熱ローラー54によって張架されている。実施の形態4の定着装置1においても、実施の形態1と同様に、ベルト20の温度ムラを抑制する効果が得られる。
(実施の形態5)
図10は、実施の形態5の定着装置1の概略断面図である。実施の形態1と異なり、実施の形態5の定着装置1は、反射ローラー55を含んでいる。実施の形態5の定着装置1は、2軸ベルト構成となっている。実施の形態5のベルト20は、押圧部材30および反射ローラー55によって張架されている。ハロゲンランプ51の光で反射ローラー55を加熱させないように、反射ローラー55の表面には反射層が設けられている。具体的には、アルミローラーを鏡面処理したものを用いる。実施の形態5の定着装置1においても、実施の形態1と同様に、ベルト20の温度ムラを抑制する効果が得られる。
(実施の形態6)
図11は、実施の形態6の定着装置1の概略断面図である。実施の形態5と異なり、ハロゲンランプ51が反射ローラー55の内部に配置されている。実施の形態6の定着装置1においても、実施の形態1と同様に、ベルト20の温度ムラを抑制する効果が得られる。
(その他)
実施の形態において、ファン60は、ベルト20の両端に複数個あってもよいし、一方の端部に1つまたは複数個あってもよい。
実施の形態において、画像形成装置100のうち定着装置1ではない部分に配置されたファンからダクトを通じて、定着装置1に空気を送風する構成であってもよい。
加圧回転体40に加圧ベルトを用いた構成の場合、実施の形態のベルト20の冷却構成を、加圧ベルトの冷却構成に用いることも可能である。
以下、実施例について説明する。実施例1,2、および、比較例1,2の定着装置を用いて、最小記録媒体に連続して印刷した際のベルトの幅方向における温度分布を測定した。実施例1は、実施の形態1の定着装置1の構成を採用した。実施例2は、実施の形態2の定着装置1の構成を採用した。比較例1は、ファンがない従来の定着装置の構成を採用した。比較例2は、後述する構成を採用した。
図12は、比較例2の定着装置の概略図である。実施の形態2と異なり、冷媒路からダクト内流路にファンからの空気が流れる構成とした(図12中矢印C,D)。
最小記録媒体に連続して印刷した際に、非通紙領域が過昇温状態にならないように、実施例1,2、および、比較例2の定着装置のそれぞれの非通紙領域を冷却した。なお、比較例1の定着装置は、ベルトの冷却機構がないため、ベルトを冷却していない。ベルトの幅方向における長さは、320[mm]とした。
図13は、実施例および比較例におけるベルトの温度分布を示した表である。横軸が幅方向におけるベルトの位置であり、縦軸がその位置におけるベルトの温度である。幅方向におけるベルトの位置は、ベルトの中央を0[mm]、ベルトの両端部をそれぞれ±160[mm]とした。図13中に点線は、常時通過領域の、ベルトの幅方向における両端を示している。
比較例1の定着装置においては、ベルトを冷却する機構がないため、非通紙領域において、ベルトは過昇温状態となり、ベルトの縁部付近で温度がピークとなった。比較例2の定着装置においては、局所的にベルトの温度が下がり、ベルトに温度ムラが生じた。
ベルトの温度が下がりすぎる理由としては、以下の通りである。非通紙領域のうちベルトの端部に近い部分(以下、最端部)ほど加熱源からの距離が離れる等の理由のため、ベルトの温度は小さくなりやすい。比較例2の定着装置においては、ベルトの幅方向における外側からベルトを冷却する構成であるため、最端部に冷風が当たりやすい構成となっており、局所的にベルトの温度が下がる。
実施例2の定着装置1において、比較例2と異なり、ファン60からの空気をダクト内流路8から冷媒路12に流す構成(図7中矢印A,B)としている。空気を迂回させることで、暖まった空気を最端部に当てられるため、最端部は冷えすぎない。上記構成とすることにより、非通紙領域において、ベルト20の温度が局所的に下がりすぎることを抑制することができ、かつ、ベルトの過昇温を抑制することができる。したがって、ベルト20の温度ムラを抑制できることが示された。
さらに、実施例1の定着装置1において、実施例2の定着装置1と比較すると、ダクト10を通過する空気の圧力損失が小さいため、実施例2よりも非通紙領域の温度が小さくなった。これにより、実施例1の定着装置1は、効率的にベルト20を冷却でき、ベルト20の温度ムラをより抑制できることが示された。
今回開示された実施の形態および実施例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 定着装置、8 ダクト内流路、10 ダクト、11 排出部、11a 第一排出部、11b 第二排出部、12 冷媒路、13 モーター、16 移動部、20 ベルト、21 内部領域、22 常時通過領域、23 最大通過領域、24 縁部、30 押圧部材、35 固定部材、40 加圧回転体、50 加熱部、51 ハロゲンランプ、52 反射部材、53 磁束発生装置、55 反射ローラー、60 ファン、70 検出部、71 温度検出部、80 制御部、100 画像形成装置、1502 中間転写ベルト、1503,1511Y,C,K,M 1次転写ローラー、1505 駆動ローラー、1506K,1506Y,C,K,M 作像ユニット、1507Y 感光体ドラム、1508Y 帯電器、1509Y プリントヘッド部、1510Y,C,K,M 現像器、1513 排紙トレイ、1517 収容部、1518 給紙ローラー、1530 2次転写領域、1540 搬送経路、1550 排紙ローラー、DR1 高さ方向、DR2 幅方向、P 普通紙、T 未定着トナー像。

Claims (16)

  1. 記録媒体にトナー像を定着させる定着装置であって、
    無端状のベルトと、
    前記ベルトの内周面に接触する押圧部材と、
    前記押圧部材に対向して配置され前記押圧部材とニップ部を形成する加圧回転体と、
    前記ベルトを加熱する加熱部と、
    冷媒を用いて前記ベルトを冷却する冷媒供給部と、
    前記冷媒がその内部を流れるダクトと、を備え、
    前記ダクトは、前記ベルトで囲われた内部領域に設けられた排出部を含み、
    前記冷媒は、前記排出部から前記ベルトの前記内周面に向けて排出され、
    前記冷媒は、前記排出部から近い方の、前記ベルトの幅方向における前記ベルトの端部側から流れ出る、定着装置。
  2. 前記ベルトには、前記記録媒体にトナー像を定着させる際常に前記記録媒体が通過する常時通過領域が前記幅方向において規定され、
    前記冷媒は、前記常時通過領域以外の領域に向けて排出される、請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記ベルトには、前記常時通過領域を含む記録媒体最大通過領域が前記幅方向において規定され、
    前記記録媒体最大通過領域は、前記定着装置を通過する前記記録媒体のうち前記幅方向における長さが最大である記録媒体が通過する領域であり、
    前記冷媒は、前記記録媒体最大通過領域よりも内側であって前記常時通過領域よりも外側の部分に向けて排出される、請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記ベルトには、前記記録媒体にトナー像を定着させる際常に前記記録媒体が通過する常時通過領域が前記幅方向において規定され、
    前記冷媒は、前記常時通過領域の前記幅方向における縁部に向けて排出される、請求項1に記載の定着装置。
  5. 前記排出部から近い方の前記ベルトの前記端部は、前記冷媒が前記内部領域の外部から前記内部領域に流れ込む方向の下流側における前記ベルトの端部である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の定着装置。
  6. 前記排出部から近い方の前記ベルトの前記端部は、前記冷媒が前記内部領域の外部から前記内部領域に流れ込む方向の上流側における前記ベルトの端部である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の定着装置。
  7. 前記ダクトは、前記ベルトの前記内周面から離れて配置されており、
    前記ダクトの外周面と前記ベルトの前記内周面との間に冷媒路が形成され、
    前記冷媒路は、前記排出部から、前記排出部から近い方の前記ベルトの前記端部に近づくように延びており、
    前記排出部から排出された前記冷媒は、前記冷媒路を通過して前記内部領域の外部に流れ出る、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の定着装置。
  8. 前記冷媒路の断面積は、前記ダクト内を通過する冷媒の流路の断面積よりも小さい、請求項7に記載の定着装置。
  9. 前記冷媒供給部は、空気を送風するファンを含む、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の定着装置。
  10. 前記幅方向における前記ベルトの端部に、前記ファンが設けられている、請求項9に記載の定着装置。
  11. 前記加熱部は、前記内部領域に配置されている、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の定着装置。
  12. 前記加熱部は、磁束発生装置を含み、
    前記磁束発生装置は、前記ベルトの外周面に対向して配置されている、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の定着装置。
  13. 前記記録媒体が前記定着装置を通過する際、前記トナー像は、前記ベルトと接触する、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の定着装置。
  14. 前記排出部は、配置変更が可能である、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の定着装置。
  15. 前記ベルトの温度を検出する温度検出部をさらに備える、請求項14に記載の定着装置と、
    前記記録媒体の大きさ、および種類を検出する記録媒体検出部と、
    前記記録媒体の大きさおよび種類、並びに、前記ベルトの温度の少なくとも1つの検出結果に応じて、前記排出部の位置を変更する制御部と、を備える、画像形成装置。
  16. 請求項1から請求項15のいずれか1項に記載された定着装置と、
    前記記録媒体を収容する収容部とを備える、画像形成装置。
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