JP2019128331A - 温度センサ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】非接地型の温度センサの応答性を改善することができる温度センサ及びその製造方法を提供する。【解決手段】温度センサ1は、一対の熱電対素線2、一対の熱電対素線2の先端同士が接合された測温接点3、測温接点3を先端部401内に収容するシース管4、シース管4の先端部401に装着された先端カバー42、一対の熱電対素線2とシース管4とを絶縁する絶縁材5、及びシース管4の基端部402内に充填されたガラス封止材6を備える。先端カバー42内であって絶縁材5の先端側X1に隣接する位置には、測温接点3が収容されるとともに、密度が0.9kg/m3以下の空気による気相Kが形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、測定環境下の測定対象ガスの温度を測定する温度センサ及びその製造方法に関する。
一対の熱電対素線を有する熱電対式の温度センサは、例えば、車両の排気管内を流れる排ガスの温度を測定するために用いられる。一対の熱電対素線は、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等の絶縁材によって、絶縁された状態でシース管内に固定されている。また、シース管の先端部は金属材料によって閉塞されており、シース管の基端部はガラス、樹脂等の封止材によって閉塞されている。そして、シース管内を外部から遮断することにより、一対の熱電対素線を酸化による特性劣化から保護するとともに、絶縁材を吸湿による絶縁不良から保護している。
熱電対式の温度センサには、測温接点がシース管の先端部に接地された接地型のもの、測温接点がシース管の先端部に接地されていない非接地型のもの等がある。主に応答性が求められる場合には、接地型のものが用いられ、主に耐ノイズ性が求められる場合には、非接地型のものが用いられる。
また、熱電対式の温度センサに関するものではないが、例えば、特許文献1の白金測温抵抗素子においては、アルミナ保護管内に白金センサが配置された非接地型の温度センサについて記載されている。この白金測温抵抗素子においては、アルミナ保護管内の空気を乾燥状態にすることが記載されている。
特開平8−152364号公報
測温接点の周りがフィラー等によって充填されていない非接地型の温度センサは、フィラーとシース管との線膨張係数の差に起因する熱ストレスの影響を受けない点で有利である。しかし、非接地型の温度センサは、測温接点がシース管に接地されていないために、測温接点の温度が測定対象ガスの温度になるまでに時間が掛かり、温度センサの応答性に優れない点で不利である。
一般的に、温度センサの応答性を重視する場合には、測温接点がシース管に接地された接地型の温度センサが用いられる。一方、特に車載用の温度センサにおいては、熱ストレスに起因する耐久性、耐ノイズ性を重視するため、非接地型の温度センサを用いたいという要望がある。この場合、非接地型の温度センサの応答性を如何にして改善するかが課題となる。
なお、特許文献1の白金測温抵抗素子においては、白金センサがアルミナ保護管内に、封止材及び高温用セメントによって封入された後に、さらにアルミナ保護管内の空気を乾燥させている。つまり、アルミナ保護管内が完全には封止されていないことにより、アルミナ保護管内の空気を乾燥させることが可能となる。特許文献1の白金測温抵抗素子においても、非接地型の温度センサの応答性を改善する工夫はなされていない。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたもので、測温接点の周りがフィラー等によって充填されていない非接地型の温度センサの応答性を改善することができる温度センサ及びその製造方法を提供しようとして得られたものである。
本発明の一態様は、互いに異なる金属材料から構成された一対の熱電対素線(2)と、
一対の前記熱電対素線の先端同士が合わさった測温接点(3)と、
金属材料から構成され、前記測温接点を先端部(401)内又は前記先端部に装着された先端カバー(42)内に収容するとともに、一対の前記熱電対素線を基端部(402)から突出させるシース管(4)と、
絶縁材料から構成され、前記シース管内に配置されるとともに、一対の前記熱電対素線と前記シース管とを絶縁して、一対の前記熱電対素線を前記シース管に固定する絶縁材(5)と、
前記シース管の前記基端部内及び前記シース管の前記基端部に装着されたホルダ(43)内の少なくとも一方に充填されるとともに、前記シース管内を封止する封止材(6)と、を備え、
前記シース管の前記先端部内及び前記先端カバー内の少なくとも一方であって前記絶縁材の先端側に隣接する位置には、前記測温接点が収容されるとともに、密度が0.9kg/m3以下の気相(K)が形成されている、温度センサ(1)にある。
本発明の他の態様は、互いに異なる金属材料から構成された一対の熱電対素線(2)と、
一対の前記熱電対素線の先端同士が合わさった測温接点(3)と、
金属材料から構成され、前記測温接点を先端部(401)内又は前記先端部に装着された先端カバー(42)内に収容するとともに、一対の前記熱電対素線を基端部(402)から突出させるシース管(4)と、
絶縁材料から構成され、前記シース管内に配置されるとともに、一対の前記熱電対素線と前記シース管とを絶縁して、一対の前記熱電対素線を前記シース管に固定する絶縁材(5)と、
前記シース管の前記基端部内及び前記シース管の前記基端部に装着されたホルダ(43)内の少なくとも一方に充填されるとともに、前記シース管内を封止する封止材(6)と、を備え、
前記シース管の前記先端部内及び前記先端カバー内の少なくとも一方であって前記絶縁材の先端側に隣接する位置に、前記測温接点が収容された気相(K)が形成された温度センサ(1)の製造方法において、
前記気相(K)が形成されたセンサ中間体(13)を加熱した状態において、前記封止材を、前記シース管の前記基端部内及び前記ホルダ内の少なくとも一方に充填して、前記シース管内を封止するとともに、前記気相の密度を0.9kg/m3以下にする、温度センサの製造方法にある。
前記一態様の温度センサにおいては、非接地型である熱電対式の温度センサの応答性を改善する工夫をしている。そして、本願の発明者は、シース管の先端部内及び先端カバー内の少なくとも一方に形成された気相の密度の違いが、温度センサの応答性に影響していることを見出した。
一般的に、接地型の温度センサの応答性が非接地型の温度センサの応答性よりも優れる性質は、接地型の温度センサにおける測温接点とシース管との間の熱伝導率が、非接地型の温度センサにおける測温接点とシース管との間の熱伝導率よりも高いことによって説明することができる。一方、非接地型の温度センサの応答性の良し悪しは、熱拡散率として、測定対象ガスと測温接点との間での温度の伝わりやすさによって説明することができる。
この熱拡散率α[m2/s]は、熱伝導率をk[W/(m・K)]、比熱をc[J/(kg・K)]、密度をρ[kg/m3]としたとき、α=k/(c・ρ)によって表される。つまり、温度センサの応答性は、熱伝導率が高いほど高くなる一方、比熱又は密度が高いほど低くなる性質を有する。そして、前記一態様の温度センサにおいては、密度を低くすることによって熱拡散率を高くし、非接地型の温度センサの応答性を改善している。
より具体的には、前記一態様の温度センサにおいては、シース管の先端部内及び先端カバー内の少なくとも一方であって絶縁材の先端側に隣接する位置に形成された気相の密度を、0.9kg/m3以下としている。これにより、温度センサの熱拡散率を高くすることができ、非接地型の温度センサの応答性を改善することができる。なお、従来の非接地型の温度センサの気相の密度は、常温における空気の密度として、1.2kg/m3程度であると考える。
それ故、前記一態様の温度センサによれば、測温接点の周りがフィラー等によって充填されていない非接地型の温度センサの応答性を改善することができる。
前記他の態様の温度センサの製造方法は、応答性が改善された非接地型の温度センサの製造に適したものである。具体的には、センサ中間体を加熱した状態において、封止材を、センサ中間体におけるシース管の基端部内に充填して、シース管内を封止する。これにより、シース管内の気相の密度を0.9kg/m3以下にすることができる。
それ故、前記他の態様の温度センサの製造方法によれば、応答性が改善された非接地型の温度センサを容易に製造することができる。
なお、本発明の一態様及び他の態様において示す各構成要素のカッコ書きの符号は、実施形態における図中の符号との対応関係を示すが、各構成要素を実施形態の内容のみに限定するものではない。
実施形態にかかる、温度センサの主要部を示す断面図。 実施形態にかかる、温度センサを示す断面図。 実施形態にかかる、図1のIII−III断面図。 実施形態にかかる、他の温度センサの主要部を示す断面図。 実施形態にかかる、他のシース管の基端部の周辺を示す断面図。 実施形態にかかる、他のシース管の基端部の周辺を示す断面図。 実施形態にかかる、他のシース管の基端部の周辺を示す断面図。 実施形態にかかる、空気の温度と空気の密度との関係を示すグラフ。 実施形態にかかる、シース管内の空気の密度を測定する方法の一例を示す説明図。 実施形態にかかる、ガラス封止材用のタブレットを示す斜視図。 実施形態にかかる、加熱装置を示す説明図。 実施形態にかかる、他の加熱装置を示す説明図。 実施形態にかかる、温度センサを構成するシース熱電対の製造方法を示すフローチャート。 実施形態にかかる、シース熱電対の製造過程であって、準備したシースピンを示す説明図。 実施形態にかかる、シース熱電対の製造過程であって、シースピンの基端部における絶縁材を掻き出した状態を示す説明図。 実施形態にかかる、シース熱電対の製造過程であって、一対の熱電対素線の先端部に測温接点を形成した状態を示す説明図。 実施形態にかかる、シース熱電対の製造過程であって、シース管の先端部に先端カバーを装着し、シース管の基端部にタブレットを配置した状態を示す説明図。 確認試験にかかる、シース管内の空気の密度の変化に対する63%応答時間の測定結果を示すグラフ。
前述した温度センサ及びその製造方法にかかる好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
<実施形態>
本形態の温度センサ1は、図1及び図2に示すように、一対の熱電対素線2、測温接点3、シース管4、先端カバー42、絶縁材5及びガラス封止材6を備える。一対の熱電対素線2のそれぞれは、互いに異なる金属材料から構成されている。測温接点3は、一対の熱電対素線2の先端同士が接合されたものである。シース管4は、金属材料から構成されており、測温接点3を先端部401に装着された先端カバー42内に収容するとともに、一対の熱電対素線2を基端部402から突出させている。先端カバー42は、シース管4の先端外周部に装着されており、シース管4の先端側X1を閉塞している。
絶縁材5は、絶縁材料から構成されており、シース管4内に配置されるとともに、一対の熱電対素線2とシース管4とを絶縁して、一対の熱電対素線2をシース管4に固定している。ガラス封止材6は、ガラス材料から構成されており、シース管4の基端部402内に充填されるとともに、シース管4内を封止している。先端カバー42内であって絶縁材5の先端側X1に隣接する位置には、測温接点3が収容されるとともに、密度が0.9kg/m3以下の空気による気相Kが形成されている。
図1及び図2に示すように、本形態の温度センサ1において、先端側X1とは、シース管4の中心軸線に沿った軸方向Xにおいて、シース管4に対して測温接点3が設けられた側のことをいう。基端側X2とは、軸方向Xにおける先端側X1とは反対側のことをいう。
以下に、本形態の温度センサ1及びその製造方法について詳説する。
(温度センサ1)
図2に示すように、温度センサ1は、車載用のものであり、自動車における内燃機関(エンジン)の吸気管内又は排気管内を流れる流体の温度を測定するために使用される。本形態の温度センサ1は、排気管15に配置され、排気管15内を流れる、測定環境下の測定対象ガスGとしての排ガスの温度を測定するために用いられる。排ガスの温度は、制御装置(電子制御ユニット)100によって内燃機関の燃焼制御を行う際に利用される。また、排ガスの温度は、例えば、排気管に配置された排気浄化触媒の温度を検知するために利用することができる。また、温度センサ1は、例えば、排気管内の排ガスを吸気管へ再循環させる排気再循環経路の吸気管に配置することもできる。
図13に示すように、本形態の一対の熱電対素線2、シース管4及び絶縁材5は、シースピン12として一体的に成形されたものを利用したものである。温度センサ1の主要部は、一対の熱電対素線2、測温接点3、シース管4、絶縁材5及びガラス封止材6によってシース熱電対11として形成される。図3には、シース熱電対11及びシースピン12の軸方向Xに直交する断面を示す。
図2に示すように、温度センサ1は、シース熱電対11を内周側に保持する第1ハウジング71と、第1ハウジング71に接合された第2ハウジング72と、第1ハウジング71及び第2ハウジング72に取り付けられた基端側カバー73と、基端側カバー73内に保持された保持材74及びブッシュ75とを更に備える。保持材74は、一対の熱電対素線2に接続された端子金具76を保持し、ブッシュ75は、端子金具76に接続されたリード線77を保持する。なお、ブッシュ75によって一対の熱電対素線2に接続された端子金具76を保持することによって、保持材74を廃止することもできる。熱電対素線2とリード線77との接続構造は、適宜変更することができる。
(シース管4)
シース管4は、金属シースとも呼ばれ、ステンレス(SUS、NCA)、Ni基耐熱合金(NCF)等の金属材料によって構成されている。図13に示すように、シース管4は、円筒形状を有するシースピン12の外管を利用したものである。シース管4の先端部401は、金属材料によって閉塞されている。本形態のシース管4の先端部401は、図1に示すように、円筒部41の先端部401の外周に装着された先端カバー42によって閉塞されている。シース管4の先端部401は、図4に示すように、円筒部41の先端部401から連続して設けられた蓋部42Aによって閉塞されていてもよい。蓋部42Aは、シース管4の円筒部41の先端に溶接された金属片によって構成することができる。
図1に示すように、本形態のシース管4は、円筒形状を有する円筒部41と、円筒部41の先端外周部に装着された先端カバー42とを有する。先端カバー42は、円筒部41の先端外周部に溶接によって接合されている。先端カバー42は、円筒部41の先端外周部に装着されたカバー基端部421の内径に対して、カバー基端部421よりも先端側X1に位置するカバー先端部422の内径が小さくなっている。カバー先端部422の先端位置には、曲面状の底部が形成されている。先端カバー42のカバー先端部422の軸方向Xの長さ、絞り段数、底部形状等は、適宜変更することができる。
図5に示すように、シース管4の基端部402には、ガラス封止材6用のタブレット60を配置するためのホルダ43を装着することができる。ホルダ43は、漏斗形状を有し、シース管4の外径よりも大きな内径の上方開口部431を有している。ホルダ43は、タブレット60が溶融したガラス材料を、シース管4の基端部402内へ充填するために用いられる。ホルダ43は、シース管4の基端部402の外周に圧入させることができ、シース管4の基端部402の外周にかしめ固定又は溶接することもできる。
ホルダ43内に配置するタブレット60のサイズは、シース管4の基端部402内に配置する場合よりも大きくすることができる。そして、ホルダ43内に配置されたタブレット60がガラス材料として溶融したときには、このガラス材料は、ホルダ43内からシース管4の基端部402内へ流れ込むことができる。これにより、多くのガラス材料を溶融させることができ、シース管4の基端部402内へ十分なガラス材料を供給することができる。そのため、ガラス封止材6によってシース管4内を、より効果的に封止することができる。
また、図6に示すように、ホルダ43を用いる場合には、ガラス封止材6はホルダ43内に充填して、シース管4の基端部402を封止することもできる。この場合には、シースピン12の基端部(シース管4の基端部402)から絶縁材5を掻き出す手間を省くことができる。また、図7に示すように、ホルダ43の形状は、漏斗形状とする以外にも、円筒形状等としてもよい。
(一対の熱電対素線2)
一対の測温接点3は、いわゆるゼーベック効果を生じさせるために、互いに異なる金属材料によって構成されている。本形態の一対の熱電対素線2は、Nタイプの熱電対(シース熱電対11)を構成するものである。この構成により、温度センサ1による測温範囲を高くすることが容易である。本形態の温度センサ1は、1000℃以上の高温の測定対象ガスGの温度を測定可能である。熱電対素線2の+脚は、Ni(ニッケル)、Cr(クロム)、Si(シリコン)を主成分とする合金であるナイクロシルからなる。熱電対素線2の−脚は、Ni(ニッケル)、Si(シリコン)を主成分とする合金であるナイシルからなる。
なお、一対の熱電対素線2は、Nタイプ以外にも、種々のタイプの熱電対を構成するものとしてもよい。例えば、一対の熱電対素線2は、+脚がNi及びCrを主成分とするクロメルからなり、−脚がNiを主成分とするアルメルからなるKタイプの熱電対を構成するものとしてもよい。
図2に示すように、一対の熱電対素線2は、シース管4内において互いに平行な状態で挿通されている。一対の熱電対素線2は、シース管4から基端側X2に引き出されており、温度センサ1に設けられた端子金具76及びリード線77を介して、外部の制御装置100に接続される。制御装置100は、エンジン制御ユニット(ECU)に接続されたセンサ制御ユニット(SCU)とすることができる。また、制御装置100は、エンジン制御ユニットに構築することもできる。
(測温接点3)
図2に示すように、測温接点3は、熱接点とも呼ばれ、一対の熱電対素線2の+脚を構成する金属材料と、−脚を構成する金属材料とが融合して玉状に形成されたものである。測温接点3及び測温接点3の周辺に位置する先端カバー42等によって、温度センサ1の測温先端部10が形成される。温度センサ1の一対の熱電対素線2が端子金具76、リード線77等を介して制御装置100内のアンプに接続されることにより、温度を測定するための回路が形成される。一対の熱電対素線2における、測温接点3とは反対側に位置する基準接点は、制御装置100内に形成されている。測温接点3と基準接点との温度差が、一対の熱電対素線2に起電力を生じさせる。
図1に示すように、本形態の測温接点3は、シース管4の先端部401に装着された先端カバー42内の気相K中に配置されている。一対の熱電対素線2の先端部201及び測温接点3は、シース管4の円筒部41の先端開口部411から先端側X1に突出した位置に配置されている。
測温接点3は、できるだけ球形状に近い形状に形成することが好ましい。ただし、測温接点3を真球形状に形成することは難しい。測温接点3は、略球形状の他、扁平した球形状、潰れた球形状、長球形状、楕円体等の種々の形状を有していてもよい。
(気相K)
本形態の気相Kの密度、及びシース管4内に存在する気体の密度は、0.26〜0.9kg/m3の範囲内にある。本形態の気相K及びシース管4内の気体は、空気によって構成されている。なお、気相Kを構成する気体及びシース管4内の気体は、空気以外の気体、例えば、窒素等とすることもできる。
図8には、温度が変化したときの空気の密度を示す。この空気の密度は、標準気圧(1atm)における密度として示す。温度が高くなるにつれて、空気の密度は温度に反比例するように低下する。空気の密度は、その温度が約120℃にあるときに0.9kg/m3となる。本形態のシース管4の先端部401における気相Kは、温度センサ1の製造時において、シース管4内の空気の温度が120℃以上であるときに、ガラス封止材6によってシース管4内を封止することによって形成されたものである。
空気の温度が1050〜1100℃であるときには、その密度が0.26kg/m3となる。シース管4内の空気を加熱することができる温度は、シース管4及び先端カバー42を構成する金属材料の融点以下となる。シース管4及び先端カバー42を構成する金属材料の一つであるスーパーステンレス(NCF601)の融点は、1360〜1411℃程度である。よって、気相Kの密度を、0.26kg/m3未満にすることは困難である。
また、シース管4内の空気を加熱する温度は、例えば500〜800℃に設定することができる。そして、気相Kの密度は、例えば、0.33〜0.46kg/m3の範囲内に設定することができる。
シース管4内に存在する空気は、気相Kを形成する空気の他に、絶縁材5を構成する金属酸化物の粉末間の空隙として存在する空気もある。そして、気相Kと絶縁材5内の空隙とは連通しており、気相Kの密度は、シース管4内の空気の密度と同じである。
(気相K及びシース管4内の密度の測定方法)
気相Kを構成する空気の密度及びシース管4内の空気の密度は、例えば、次のように測定することができる。すなわち、気体の密度をρ(kg/m3)、気体の圧力をP(hPa)、気体の温度をT(℃)、気体定数をRとしたとき、P=ρ・R・Tの関係が成り立つ。従って、温度Tを一定にして、大気圧P0とシース管4内の空気の圧力P1との差を図り、大気圧P0に比べてシース管4内の空気の圧力P1がどれだけ低いかに基づいて、大気の密度ρ0よりもシース管4内の空気の密度ρ1がどれだけ低いかを知ることができる。
シース管4内の空気の密度は、より具体的には、次のように測定することができる。例えば、図9に示すように、液体Wの表面に加わる圧力を大気圧P0とし、温度センサ1のシース熱電対11の測温先端部10を液体中に配置する。この状態で先端カバー42に工具T等によって貫通孔Hを明ける。このとき、シース管4内の空気の圧力P1が大気圧P0よりも低い場合には、シース管4内へ液体Wが入る。次いで、貫通孔Hに蓋をした状態で液体W中からシース熱電対11の測温先端部10を取り出す。
次いで、シース管4内へ入った液体Wの量を、気圧差液体量として測定する。一方、シース管4内の液体Wを排出した後、貫通孔Hからシース管4内へ、液体Wを、シース管4内の隙間が満水になるまで注入する。その後、シース管4内の液体Wを排出し、排出される液体Wの量を、全体液体量として測定する。そして、全体液体量に対する気圧差液体量の割合に基づいて、大気の密度ρ0よりもシース管4内の空気の密度ρ1がどれだけ低いかを推定することができる。
なお、一連の作業は、大気及び液体Wの温度Tがほぼ一定の状態で行う。また、全体液体量に対する気圧差液体量の割合と、シース管4内の空気の密度ρ1との関係を、関係マップとして作成しておくことにより、シース管4内の空気の密度ρ1の推定を容易にすることができる。
(絶縁材5)
図1に示すように、絶縁材5は、酸化マグネシウム(MgO)、酸化アルミニウム(Al23)等の金属酸化物の粉末によって構成されている。シース管4の内周と一対の熱電対素線2の外周との隙間には、絶縁材5の粉末が充填されている。絶縁材5の粉末同士の間には、空隙が形成されている。絶縁材5の粉末は、シースピン12の直径を小さくする成形が行われる際に圧縮されている。そして、絶縁材5の粉末によって、一対の熱電対素線2がシース管4内に保持されている。
(ガラス封止材6)
シース管4の基端部402内には、シース管4内を封止して外部と遮断するためのガラス封止材6が充填されている。そして、シース管4内の測温接点3、一対の熱電対素線2及び絶縁材5には、外部の測定対象ガスG等が接触しないようになっており、シース管4内へ酸素、水分等が入らないようにしている。
ガラス封止材6は、Bi(ビスマス)を含有するBi系ガラス、又はPb(鉛)を含有するPb系ガラスによって構成されている。Bi系ガラスは、Bi23(酸化ビスマス)を主成分とし、他の酸化物等を含有するものである。他の酸化物には、B23、SrO、ZnO、BaO等がある。Pb系ガラスは、PbO(酸化鉛)を主成分とし、他の酸化物等を含有するものである。他の酸化物には、B23、SrO、ZnO、SiO2等がある。
ガラス封止材6は、固形状に形成されたガラスのタブレット60を用い、このタブレット60を溶融させた後に固化させて形成されたものである。図10に示すように、タブレット60は、シース管4の基端部402の内周又はホルダ43の内周に挿入できる大きさを有する。また、タブレット60は、一対の熱電対素線2を挿通させることができる2つの挿通穴601を有する。なお、ガラス封止材6は、固形状に形成されたタブレットではなく、粉末ガラスを用いて形成することもできる。
なお、ガラス材料によるガラス封止材の代わりに、樹脂材料による樹脂封止材を用いることもできる。ただし、この場合には、樹脂材料の耐熱性を十分に考慮する必要がある。
(加熱装置8)
図11及び図12に示すように、本形態の温度センサ1のシース熱電対11を製造する際には、シース管4の先端部401及び基端部402を加熱するための加熱装置8を用いる。加熱装置8は、シース管4の先端部401を加熱する温度と、シース管4の基端部402を加熱する温度とを別々に制御することができる構造を有する。加熱装置8は、電気式、燃焼式等の種々の加熱方式によって加熱するものとすることができる。
加熱装置8は、例えば、一対の熱電対素線2、測温接点3、シース管4、先端カバー42及び絶縁材5が組み付けられたシース熱電対11の中間体であるセンサ中間体13を配置するための加熱炉81と、通電によって加熱炉81内を加熱する電気式のヒータ82A,82Bとを備えるものとすることができる。なお、図11及び図12においては、シース管4の基端部402内にガラス封止材6が形成された状態を示す。
ヒータ82A,82Bは、通電することによって発熱する発熱体を用いたものとすることができる。ヒータ82A,82Bは、シース管4の先端部401の周辺を加熱する第1ヒータ82Aと、シース管4の基端部402の周辺を加熱する第2ヒータ82Bとから構成することができる。第1ヒータ82A及び第2ヒータ82Bは、ヒータ制御装置83によって別々に通電可能である。
ヒータ制御装置83は、第1ヒータ82Aへの印加電力、通電時間等、及び第2ヒータ82Bへの印加電力、通電時間等を別々に設定可能である。そして、ヒータ制御装置83は、第1ヒータ82Aへの通電によって加熱炉81内の雰囲気ガスを加熱する温度と、第2ヒータ82Bへの通電によって加熱炉81内の雰囲気ガスを加熱する温度とを別々に制御することができる。
また、加熱炉81は、図11に示すように、センサ中間体13の全体を配置可能な1つの加熱炉81とすることができる。この場合には、加熱炉81の構成を簡単にすることができる。また、加熱炉81は、図12に示すように、センサ中間体13におけるシース管4の先端部401を配置可能な第1加熱炉81Aと、センサ中間体13におけるシース管4の基端部402を配置可能な第2加熱炉81Bとから構成することもできる。この場合には、第1ヒータ82Aによって加熱する雰囲気ガスの温度と、第2ヒータ82Bによって加熱する雰囲気ガスの温度とを、より適切に制御することができる。
なお、センサ中間体13を加熱する際には、加熱炉81を用いないこともできる。この場合にも、シース管4の先端部401の温度及び基端部402の温度が目標とする温度になるよう、各ヒータ82A,82Bを適切に制御する。
また、ヒータ82A,82Bは、通電することによって被加熱物としてのセンサ中間体13を貫通する誘導磁界を発生させ、この誘導磁界による渦電流によってセンサ中間体13を加熱する誘導加熱コイルとすることもできる。この場合にも、各ヒータ82A,82Bへの印加電圧、通電時間等を適宜異ならせ、シース管4の先端部401を加熱する温度と、シース管4の基端部402を加熱する温度とを適宜異ならせることができる。
(製造方法)
次に、本形態の温度センサ1の主要部としてのシース熱電対11を製造する方法について、図13のフローチャートを参照して説明する。
まず、シース管4内に一対の熱電対素線2が絶縁材5によって保持されたシースピン12を準備する(図13のステップS1)。図14に示すように、シースピン12においては、一対の熱電対素線2が先端側X1及び基端側X2の両端から突出している。
次いで、図15に示すように、一対の熱電対素線2及びシース管4が維持された状態で、シースピン12の基端部における絶縁材5を掻き出す(ステップS2)。このとき、絶縁材5は、ショットブラスト加工等を行って掻き出すことができる。また、シース管4の基端部402には、絶縁材5が掻き出された後の空間403が形成される。次いで、図16に示すように、シースピン12の先端部から突出する、一対の熱電対素線2の先端部201同士を対面させるとともにレーザー等を用いて溶融させ、先端部同士を接合して測温接点3を形成する(ステップS3)。
次いで、図17に示すように、シースピン12のシース管4の先端部401に、先端カバー42を装着し、先端カバー42を、かしめ、溶接等を行ってシース管4の先端部401に固定する(ステップS4)。なお、ステップS2を行う前に、ステップS3及びS4を行ってもよい。
次いで、同図に示すように、シース管4の基端部402の空間403内に、ガラス封止材6を形成するためのタブレット60を配置する(ステップS5)。このとき、シース管4の基端部402から突出する一対の熱電対素線2の基端部202を、タブレット60の挿通穴601に挿通させる。次いで、シース管4の基端部402及びタブレット60を加熱し、タブレット60を溶融させる(ステップS6)。
本形態においては、図11及び図12に示すように、第1ヒータ82A及び第2ヒータ82Bを備える加熱装置8を用いて、タブレット60を溶融させる。タブレット60を配置するセンサ中間体13(シース熱電対11の中間体)は、一対の熱電対素線2、測温接点3、シース管4、先端カバー42及び絶縁材5を備え、先端カバー42内であって絶縁材5の先端側X1に隣接する位置に気相Kが形成されたものである。そして、センサ中間体13を加熱炉81内に配置する。
次いで、ヒータ制御装置83によって第1ヒータ82A及び第2ヒータ82Bに通電を行い、加熱炉81内の温度が120℃以上になるように制御する。本形態においては、第1ヒータ82A及び第2ヒータ82Bによって加熱炉81内の雰囲気ガス、及びシース管4の先端部401及び基端部402を、500〜800℃に加熱する。そして、シース管4の基端部402内に配置されたタブレット60が溶融した後には、ヒータ制御装置83によって第1ヒータ82A及び第2ヒータ82Bへの通電状態を制御し、シース管4の先端部401の温度がシース管4の基端部402の温度よりも高くなる状態を形成する。
この状態の形成により、シース管4内の先端側X1に存在する空気の密度が、シース管4内の基端側X2に存在する空気の密度よりも高くなる。また、タブレット60が溶融した状態においては、シース管4内の絶縁材5に含まれる空気が、適宜気泡となってタブレット60を通過し、シース管4の外部に抜き出される。
次いで、タブレット60等の加熱を終了した後には、溶融したタブレット60が冷やされて固化していく。そして、シース管4の先端部401の温度がシース管4の基端部402の温度よりも高くなる状態において、シース管4の基端部402が、タブレット60が固化したガラス封止材6によって封止される。また、ガラス封止材6がシース管4の基端部402内に充填される。これにより、気相Kを含むシース管4内に存在する空気の密度が0.26〜0.9kg/m3の範囲内にある状態が形成される。
そして、シース管4内がガラス封止材6によって外部と遮断される。こうして、温度センサ1の主要部としてのシース熱電対11が製造される。
(作用効果)
本形態の温度センサ1においては、非接地型である熱電対式の温度センサ1の応答性を改善する工夫をしている。そして、本願の発明者は、シース管4の先端部401の外周に装着された先端カバー42内に形成された気相Kの密度の違いが、温度センサ1の応答性に影響していることを見出した。
一般的に、接地型の温度センサの応答性が非接地型の温度センサの応答性よりも優れる性質は、接地型の温度センサにおける測温接点3とシース管4との間の熱伝導率が、非接地型の温度センサにおける測温接点3とシース管4との間の熱伝導率よりも高いことによって説明することができる。一方、温度センサの応答性の良し悪しは、熱拡散率として、測定対象ガスGと測温接点3との間での温度の伝わりやすさによって説明することができる。
この熱拡散率α[m2/s]は、熱伝導率をk[W/(m・K)]、比熱をc[J/(kg・K)]、密度をρ[kg/m3]としたとき、α=k/(c・ρ)によって表される。つまり、温度センサの応答性は、熱伝導率が高いほど高くなる一方、比熱又は密度が高いほど低くなる性質を有する。そして、本形態の温度センサ1においては、密度を低くすることによって熱拡散率を高くし、非接地型の温度センサの応答性を改善している。
より具体的には、本形態の温度センサ1においては、シース管4内の空気の密度、言い換えれば、先端カバー42内であって絶縁材5の先端側X1に隣接する位置に形成された気相Kの密度を、0.9kg/m3以下としている。これにより、温度センサ1の熱拡散率を高くすることができ、非接地型の温度センサの応答性を改善することができる。なお、従来の非接地型の温度センサの気相Kの密度は、常温における空気の密度として、1.2kg/m3程度であると考える。
それ故、本形態の温度センサ1によれば、測温接点の周りがフィラー等によって充填されていない非接地型の温度センサの応答性を改善することができる。
また、本形態の温度センサ1の製造方法は、応答性が改善された非接地型の温度センサ1の製造に適したものである。特に、加熱装置8によって、シース管4の先端部401の温度がシース管4の基端部402の温度よりも高くした状態で、シース管4の基端部402をガラス封止材6によって封止することにより、シース管4内の空気の密度が0.26〜0.9kg/m3の範囲内に低くなった状態で、シース管4内を外部から封止することが容易になる。
それ故、本形態の温度センサ1の製造方法によれば、応答性が改善された非接地型の温度センサ1を容易に製造することができる。
なお、気相Kを含むシース管4内の気体の密度が0.9kg/m3以下となる状態は、シース管4内が大気圧よりも減圧された状態において、シース管4を封止することによっても形成することができる。この場合、大気圧よりも低い負圧状態に雰囲気ガスが減圧された真空炉内にセンサ中間体13を配置し、この真空炉内のセンサ中間体13におけるシース管4をガラス封止材6によって封止することによって、シース管4内の気体が0.9kg/m3以下である温度センサ1のシース熱電対11を形成することができる。
シース熱電対11を製造する際には、タブレット60を溶融させるためにシース管4の基端部402の周辺を加熱する。そのため、センサ中間体13を加熱炉81内において加熱することにより、タブレット60を溶融させることと、シース管4内の気体の密度を0.9kg/m3以下にすることとを同時に行うことができる。よって、加熱によってシース管4内の気体の密度を低くすることの方が、減圧状態によってシース管4内の気体の密度を低くすることよりも容易である。
また、気相Kを含むシース管4内の気体の密度が0.9kg/m3以下であることにより、シース管4内の気体の圧力は、大気圧よりも低い状態にある。
(確認試験)
本確認試験においては、温度センサ1におけるシース管4内の空気の密度(気相Kの密度)[kg/m3]と、温度センサ1によって温度を測定するときの応答時間[秒]との関係を測定した。具体的には、温度センサ1によって温度を測定する測定対象ガスGの温度を、常温(25℃)から600℃に変化させ、温度センサ1の出力温度が、初期出力である25℃から最終出力である600℃になるまでの温度変化量のうちの63%分変化するまでに要する時間である63%応答時間を測定した。
また、シース管4内の空気の密度が0.3〜1.2kg/m3の範囲内で異なる複数の温度センサ1のサンプルを準備し、この複数のサンプルについて、63%応答時間を測定した。
図18には、63%応答時間を測定した結果を示す。同図において、63%応答時間は、密度が低くなるほど短くなっていることが分かる。そして、シース管4内の空気の密度が1.2kg/m3の場合には、63%応答時間が9秒程度であったことに対し、シース管4内の空気の密度が0.3kg/m3の場合には、63%応答時間が8.1秒程度であった。また、63%応答時間は、シース管4内の空気の密度が0.9kg/m3以下に低くなる場合に、顕著に短くなることが確認された。
この結果より、シース管4内の空気の密度、言い換えれば、温度センサ1内の気相Kの密度が0.9kg/m3以下であることにより、非接地型の温度センサ1の応答性が顕著に改善されることが分かった。
本発明は、実施形態のみに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲においてさらに異なる実施形態を構成することが可能である。また、本発明は、様々な変形例、均等範囲内の変形例等を含む。
1 温度センサ
2 熱電対素線
3 測温接点
4 シース管
5 絶縁材
6 ガラス封止材(封止材)
K 気相

Claims (6)

  1. 互いに異なる金属材料から構成された一対の熱電対素線(2)と、
    一対の前記熱電対素線の先端同士が合わさった測温接点(3)と、
    金属材料から構成され、前記測温接点を先端部(401)内又は前記先端部に装着された先端カバー(42)内に収容するとともに、一対の前記熱電対素線を基端部(402)から突出させるシース管(4)と、
    絶縁材料から構成され、前記シース管内に配置されるとともに、一対の前記熱電対素線と前記シース管とを絶縁して、一対の前記熱電対素線を前記シース管に固定する絶縁材(5)と、
    前記シース管の前記基端部内及び前記シース管の前記基端部に装着されたホルダ(43)内の少なくとも一方に充填されるとともに、前記シース管内を封止する封止材(6)と、を備え、
    前記シース管の前記先端部内及び前記先端カバー内の少なくとも一方であって前記絶縁材の先端側に隣接する位置には、前記測温接点が収容されるとともに、密度が0.9kg/m3以下の気相(K)が形成されている、温度センサ(1)。
  2. 前記気相の密度は、0.26〜0.9kg/m3の範囲内にある、請求項1に記載の温度センサ。
  3. 前記封止材は、ガラスによって構成されている、請求項1又は2に記載の温度センサ。
  4. 前記気相は、空気によって構成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の温度センサ。
  5. 互いに異なる金属材料から構成された一対の熱電対素線(2)と、
    一対の前記熱電対素線の先端同士が合わさった測温接点(3)と、
    金属材料から構成され、前記測温接点を先端部(401)内又は前記先端部に装着された先端カバー(42)内に収容するとともに、一対の前記熱電対素線を基端部(402)から突出させるシース管(4)と、
    絶縁材料から構成され、前記シース管内に配置されるとともに、一対の前記熱電対素線と前記シース管とを絶縁して、一対の前記熱電対素線を前記シース管に固定する絶縁材(5)と、
    前記シース管の前記基端部内及び前記シース管の前記基端部に装着されたホルダ(43)内の少なくとも一方に充填されるとともに、前記シース管内を封止する封止材(6)と、を備え、
    前記シース管の前記先端部内及び前記先端カバー内の少なくとも一方であって前記絶縁材の先端側に隣接する位置に、前記測温接点が収容された気相(K)が形成された温度センサ(1)の製造方法において、
    前記気相(K)が形成されたセンサ中間体(13)を加熱した状態において、前記封止材を、前記シース管の前記基端部内及び前記ホルダ内の少なくとも一方に充填して、前記シース管内を封止するとともに、前記気相の密度を0.9kg/m3以下にする、温度センサの製造方法。
  6. 前記シース管の先端部の温度が、前記シース管の基端部の温度よりも高い状態において、前記封止材を前記シース管の基端部内及び前記ホルダ内の少なくとも一方に充填する、請求項5に記載の温度センサの製造方法。
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