JP2019128256A - 応力付与装置および応力付与方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】鋼管に所望の引張応力を容易に付与することができる応力付与装置および応力付与方法を提供する。【解決手段】応力付与装置100は、ねじ部20aを有する棒状部材20と、棒状部材20の一端部20bに設けられる第1押圧部材16と、棒状部材20の他端部20cに設けられる第2押圧部材18と、ねじ部20aに嵌められる油圧ナット22とを備える。油圧ナット22は、シリンダ部材24と、ピストン部材26と、規制部材28とを備える。ピストン部材26は、シリンダ部材24の内側においてねじ部20aに螺合されかつ油圧によってシリンダ部材24に対して移動する。規制部材28は、ピストン部材26のシリンダ部材24側への移動を規制する。棒状部材20および第2押圧部材18は、ピストン部材26に連動して移動する。第2押圧部材18は、油圧ナット22のシリンダ部材24を支持する支持面36を有する。【選択図】 図3
Description
本発明は、応力付与装置およびそれを用いた応力付与方法に関する。
従来、石油および天然ガス等を輸送するラインパイプの耐食性を評価するための試験として、実管浸漬試験(CAPCIS試験)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示されているように、実管浸漬試験では、鋼管の内面に引張応力を付与した状態で、鋼管内に試験溶液を注入する。その状態を所定期間維持し、鋼管に割れが生じるか否かが評価される。
図6は、従来の実管浸漬試験において、鋼管の内面に引張応力を付与する方法を説明するための概略図である。図6に示すように、従来の実管浸漬試験では、例えば、鋼管50内に設置されたターンバックル52および一対の押圧部材54によって、鋼管50に引張応力が付与される。具体的には、図6に示したターンバックル52は、一対のナット部材56と、両ねじ部材58とを備えている。両ねじ部材58は、一対のねじ部58aを有している。一対のねじ部58aはそれぞれ、ナット部材56にねじ込まれている。ターンバックル52の両ねじ部材58を回転させることによって、一対のナット部材56を鋼管50の径方向外側に向かって移動させることができる。これにより、一対の押圧部材54が鋼管50の径方向外側に向かって押し出され、一対の押圧部材54によって鋼管50の内面が押される。その結果、鋼管50の内面において、押圧部材54との接触位置から鋼管50の周方向に90°離れた位置(破線の円で示す位置)に引張応力を付与することができる。
ところで、図6に示したターンバックル52を用いて鋼管50の内面に引張応力を付与する際には、作業者が、レンチおよびハンマー等を用いて、大きな力で両ねじ部材58を回転させなければならない。このため、両ねじ部材58の回転量(ナット部材56の移動量)を微調整することは難しく、鋼管50に所望の引張応力を付与することは難しい。
この点に関して、特許文献1には、ターンバックルに加えて、油圧シリンダーを用いて引張応力を付与することが記載されている。油圧シリンダーを用いて鋼管に引張応力を付与した状態では、ターンバックル(ねじ部材)を回転させやすくなると考えられる。しかしながら、実管浸漬試験時には油圧シリンダーを鋼管内から取り外す必要がある。本発明者らのこれまでの検討により、鋼管内から油圧シリンダーを取り外すと、スプリングバックの影響により、引張応力が低下することが分かっている。このようなスプリングバックの影響を考慮すると、ターンバックルを少し余分に回転させて、目標とする引張応力(歪み)よりも大きな引張応力を予め鋼管に付与する必要がある。しかしながら、油圧シリンダーを用いたとしても、ターンバックルの回転量を微調整することは難しい。このため、鋼管に所望の引張応力を付与することは難しい。
また、他の方法として、プレス装置によって鋼管の外側から鋼管に圧力を付与した状態で、応力付与装置によって鋼管の内面を押す方法も利用されている。しかしながら、この方法でも、プレス装置から鋼管への荷重を除荷した際に、スプリングバックの影響により、引張応力が低下する。このため、油圧シリンダーを用いる場合と同様に、鋼管に所望の引張応力を付与することは難しい。
そこで、本発明は、鋼管に所望の引張応力を容易に付与することができる応力付与装置および応力付与方法を提供することを目的としている。
本発明は、下記の応力付与装置および応力付与方法を要旨とする。
(1)鋼管の内側に配置される本体部を備えた応力付与装置であって、
前記本体部は、ねじ部を有する棒状部材と、前記棒状部材の軸方向における一端部に設けられる第1押圧部材と、前記棒状部材の前記軸方向における他端部に設けられる第2押圧部材と、前記第1押圧部材と前記第2押圧部材との間において前記棒状部材の前記ねじ部に嵌められる油圧ナットと、を備え、
前記油圧ナットは、中空状のシリンダ部材と、前記シリンダ部材の内側において前記ねじ部に螺合されかつ油圧によって前記シリンダ部材に対して前記第2押圧部材側に向かって前記軸方向に移動する中空状のピストン部材と、前記軸方向において前記ピストン部材の前記シリンダ部材側への移動を規制する規制部材と、を有し、
前記棒状部材は、前記ピストン部材の前記軸方向の移動に連動して前記シリンダ部材に対して前記軸方向に移動し、
前記第1押圧部材は、前記鋼管の内面を押す第1押圧面と、前記軸方向において前記第1押圧面とは反対側に設けられかつ前記軸方向において前記第1押圧面に向かって凹みかつ前記棒状部材の前記一端部が前記軸方向に移動可能に挿入される凹部と、前記軸方向に直交する方向において前記凹部の外側に設けられかつ前記油圧ナットの前記シリンダ部材を支持する支持面と、を有し、
前記第2押圧部材は、前記鋼管の内面を押す第2押圧面を有しかつ前記棒状部材の前記軸方向の移動に連動して前記軸方向に移動する、応力付与装置。
前記本体部は、ねじ部を有する棒状部材と、前記棒状部材の軸方向における一端部に設けられる第1押圧部材と、前記棒状部材の前記軸方向における他端部に設けられる第2押圧部材と、前記第1押圧部材と前記第2押圧部材との間において前記棒状部材の前記ねじ部に嵌められる油圧ナットと、を備え、
前記油圧ナットは、中空状のシリンダ部材と、前記シリンダ部材の内側において前記ねじ部に螺合されかつ油圧によって前記シリンダ部材に対して前記第2押圧部材側に向かって前記軸方向に移動する中空状のピストン部材と、前記軸方向において前記ピストン部材の前記シリンダ部材側への移動を規制する規制部材と、を有し、
前記棒状部材は、前記ピストン部材の前記軸方向の移動に連動して前記シリンダ部材に対して前記軸方向に移動し、
前記第1押圧部材は、前記鋼管の内面を押す第1押圧面と、前記軸方向において前記第1押圧面とは反対側に設けられかつ前記軸方向において前記第1押圧面に向かって凹みかつ前記棒状部材の前記一端部が前記軸方向に移動可能に挿入される凹部と、前記軸方向に直交する方向において前記凹部の外側に設けられかつ前記油圧ナットの前記シリンダ部材を支持する支持面と、を有し、
前記第2押圧部材は、前記鋼管の内面を押す第2押圧面を有しかつ前記棒状部材の前記軸方向の移動に連動して前記軸方向に移動する、応力付与装置。
(2)前記油圧ナットに作動油を供給する供給装置をさらに備え、
前記供給装置は、前記油圧ナットに供給される作動油の圧力を調整する調整部と、前記油圧ナットに供給される作動油の圧力を検出する検出部とを有する、上記(1)に記載の応力付与装置。
前記供給装置は、前記油圧ナットに供給される作動油の圧力を調整する調整部と、前記油圧ナットに供給される作動油の圧力を検出する検出部とを有する、上記(1)に記載の応力付与装置。
(3)上記(1)または(2)に記載の応力付与装置を用いて鋼管の内面に引張応力を付与する方法であって、
前記応力付与装置の前記本体部を前記鋼管内に設置する、設置工程と、
前記設置工程後に、前記油圧ナットの前記シリンダ部材が前記第1押圧部材の前記支持面に支持された状態で前記油圧ナットに作動油を供給して油圧を発生させることによって前記棒状部材を前記軸方向に移動させて、前記第1押圧面および前記第2押圧面によって前記鋼管の内面を押す、押圧工程と、
前記油圧ナットにおいて油圧を発生させた状態で前記規制部材によって前記ピストン部材および前記棒状部材の前記第1押圧部材側への移動を規制する、規制工程と、を備える、応力付与方法。
前記応力付与装置の前記本体部を前記鋼管内に設置する、設置工程と、
前記設置工程後に、前記油圧ナットの前記シリンダ部材が前記第1押圧部材の前記支持面に支持された状態で前記油圧ナットに作動油を供給して油圧を発生させることによって前記棒状部材を前記軸方向に移動させて、前記第1押圧面および前記第2押圧面によって前記鋼管の内面を押す、押圧工程と、
前記油圧ナットにおいて油圧を発生させた状態で前記規制部材によって前記ピストン部材および前記棒状部材の前記第1押圧部材側への移動を規制する、規制工程と、を備える、応力付与方法。
本発明によれば、鋼管に所望の引張応力を容易に付与することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る応力付与装置および応力付与方法について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る応力付与装置を説明するための図であり、(a)は、応力付与装置を模式的に示した図であり、(b)は、応力付与装置の本体部を示す側面図である。
図1(a)を参照して、本実施形態に係る応力付与装置100は、本体部10および供給装置12を備えている。図1(a),(b)を参照して、本体部10は、複数(本実施形態では2つ)の駆動部14と、第1押圧部材16と、第2押圧部材18とを備えている。第1押圧部材16および第2押圧部材18は、例えば、ステンレス鋼等の優れた耐食性を有する材料からなる。
図2は、図1(b)のA−A線断面図である。図1および図2を参照して、各駆動部14は、棒状部材20と、油圧ナット22とを備えている。本実施形態では、棒状部材20の軸方向における全域が、ねじ部20aとして構成されている。すなわち、図示は省略するが、棒状部材20の外周面の全域にねじ山が形成されている。但し、棒状部材20においてねじ機構が不要な部分(例えば、両端部)については、ねじ山を形成しなくてもよい。
油圧ナット22は、棒状部材20のねじ部20aに嵌められている。なお、油圧ナット22としては、公知の種々の構成の油圧ナットを用いることができるので、以下においては、油圧ナット22の構成を簡単に説明する。
本実施形態では、油圧ナット22は、シリンダ部材24と、ピストン部材26と、規制部材28と、供給部30とを備えている。シリンダ部材24、ピストン部材26、規制部材28および供給部30はそれぞれ、例えば、ステンレス鋼等の優れた耐食性を有する材料からなる。なお、電食を抑制する観点から、シリンダ部材24、ピストン部材26、規制部材28および供給部30はそれぞれ、第1押圧部材16および第2押圧部材18と同じ材料からなることが好ましい。
図2を参照して、シリンダ部材24は中空形状を有している。シリンダ部材24内に、中空形状を有するピストン部材26がはめ込まれている。本実施形態では、ピストン部材26は、シリンダ部材24に対して棒状部材20の軸方向に移動自在にはめ込まれている。図示は省略するが、ピストン部材26の内周面にはねじ溝が形成されている。本実施形態では、ピストン部材26の内周面は、棒状部材20のねじ部20aに螺合されている。したがって、本実施形態では、シリンダ部材24に対してピストン部材26が棒状部材20の軸方向に移動すると、ピストン部材26の移動に連動して、シリンダ部材24に対して棒状部材20が軸方向に移動する。
また、本実施形態では、ピストン部材26には、供給通路26aが形成されている。供給通路26aの一端は、ピストン部材26とシリンダ部材24との間の空間に繋がっている。供給通路26aの他端に、供給部30が設けられている。供給部30には、供給装置12の後述する供給ホース42が接続される。本実施形態では、供給部30を介して供給装置12の供給ホース42から供給通路26aに作動油が供給され、ピストン部材26とシリンダ部材24との間の空間に作動油が充填される。
規制部材28は、例えば、ロックナットであり、中空形状を有しかつ内周面にねじ溝を有している。本実施形態では、規制部材28は、棒状部材20の軸方向においてシリンダ部材24の第2押圧部材18側に設けられ、かつピストン部材26に嵌められている。図示は省略するが、本実施形態では、ピストン部材26の外周面の所定の領域(棒状部材20の軸方向においてシリンダ部材24よりも第2押圧部材18側の領域)に、ねじ山が形成されている。規制部材28の内周面のねじ溝は、ピストン部材26の外周面のねじ山に螺合されている。本実施形態では、規制部材28をシリンダ部材24側にねじ込むことによって、規制部材28とシリンダ部材24とを接触させることができる。これにより、棒状部材20の軸方向において、ピストン部材26のシリンダ部材24側への移動を規制することができる。これにより、棒状部材20の第1押圧部材16側への移動が規制される。
図1を参照して、第1押圧部材16は、長尺形状を有している。図1および図2を参照して、第1押圧部材16は、第1押圧面32と、複数(本実施形態では2つ)の凹部34と、支持面36とを有している。後述するように、第1押圧面32は、鋼管50の内面を押す面である。本実施形態では、第1押圧面32は、第1押圧部材16の長手方向に直交する断面において、外側に向かって凸となるように円弧状に湾曲している。
凹部34は、棒状部材20ごとに設けられている。凹部34は、第1押圧部材16において、第1押圧面32とは反対側(棒状部材20の軸方向における反対側)に設けられている。凹部34は、棒状部材20の軸方向において、第1押圧面32に向かって凹むように設けられている。本実施形態では、棒状部材20の軸方向における一端部20bは、軸方向に移動可能に凹部34に挿入されている。支持面36は、棒状部材20の軸方向に直交する方向において、凹部34の外側に設けられた平坦面である。後述するように、支持面36は、油圧ナット22のシリンダ部材24を支持する。
本実施形態では、第2押圧部材18は、第1押圧部材16と同様の形状を有している。具体的には、第2押圧部材18は、第1押圧部材16の第1押圧面32と同様の第2押圧面38および第1押圧部材16の複数の凹部34と同様の複数の凹部40を有している。凹部40は、棒状部材20ごとに設けられている。凹部40には、棒状部材20の軸方向における他端部20cが挿入されている。本実施形態では、棒状部材20の軸方向において、第1押圧面32と第2押圧面38とが反対方向を向くように、棒状部材20の一端部20bに第1押圧部材16が設けられ、棒状部材20の他端部20cに第2押圧部材18が設けられている。なお、本実施形態では、棒状部材20、凹部34および凹部40はそれぞれ断面円形状を有している。また、本実施形態では、凹部34および凹部40の直径は、棒状部材20の直径よりも大きい。ただし、凹部34および凹部40の構成は上述の例に限定されず、棒状部材20を挿入できるように構成されていればよい。具体的には、凹部34および凹部40の断面形状は、円形状でなくてもよく、多角形状等の他の形状であってもよい。また、棒状部材20をねじ込むことによって凹部40に挿入できるように、凹部40にねじが切られていてもよい。
図1を参照して、供給装置12は、複数(本実施形態では2本)の供給ホース42と、調整部44と、検出部46とを備えている。供給装置12は、供給ホース42を介して油圧ナット22に作動油を供給する装置である。調整部44は、作業者の操作に応じて、油圧ナット22に供給される作動油の圧力を調整する。検出部46は、油圧ナット22に供給される作動油の圧力を検出する。
次に、本実施形態に係る応力付与装置100を用いた応力付与方法について説明する。図3〜図5は、本実施形態に係る応力付与方法を説明するための図である。なお、図3(a)は、鋼管および応力付与装置の本体部を鋼管の軸方向から見た図であり、図3(b)は、鋼管内に配置された本体部を示す図である。なお、図3(b)においては、鋼管および後述する絶縁シートの断面が示されている。
図3を参照して、鋼管50に引張応力を付与する際には、まず、鋼管50の内周面において引張応力を付与したい部分に歪みゲージ60を貼り付ける。本実施形態では、歪みゲージ60によって、鋼管50の内周面に生じた歪みを測定する。また、本実施形態では、歪みゲージ60で測定される歪みが目標値になるように、応力付与装置100によって鋼管50に引張応力が付与される。なお、歪みの目標値は、鋼管50に付与する引張応力の目標値に応じて適宜設定される。
次に、鋼管50内に応力付与装置100の本体部10を設置する(設置工程)。なお、歪みゲージ60を鋼管50に貼り付ける前に、鋼管50内に本体部10を設置してもよい。本実施形態では、設置工程において、第1押圧部材16の第1押圧面32と鋼管50の内周面との間および第2押圧部材18の第2押圧面38と鋼管50の内周面との間にそれぞれ、電食防止を目的とした絶縁シート62が設けられる。絶縁シート62は、例えば、ゴムからなる。また、設置工程では、第1押圧部材16および第2押圧部材18の長手方向と、鋼管50の軸方向とが平行になるように、応力付与装置100が設置される。また、設置工程では、油圧ナット22のシリンダ部材24が第1押圧部材16の支持面36に支持されるように、本体部10が設置される。
次に、図4(a),(b)を参照して、各供給部30に供給装置12(図1参照)の供給ホース42を接続する。そして、供給装置12から油圧ナット22内に作動油64を供給して油圧を発生させることによって、ピストン部材26および棒状部材20を、第2押圧部材18側に向かって棒状部材20の軸方向に移動させる(押圧工程)。押圧工程では、第2押圧部材18は、棒状部材20によって、棒状部材20の軸方向に押される。これにより、第2押圧部材18が棒状部材20に連動して棒状部材20の軸方向に移動し、図5に示すように、第1押圧部材16の第1押圧面32および第2押圧部材18の第2押圧面38によって鋼管50の内面を押すことができる。本実施形態では、第1押圧面32および第2押圧面38は、絶縁シート62を介して鋼管50の内面を押す。これにより、鋼管50の内周面に引張応力を付与することができる。本実施形態では、作業者は、歪みゲージ60によって検出される歪みが、予め設定された目標値になるように、検出部46の検出結果を確認しつつ、供給装置12の調整部44を操作する。
歪みゲージ60によって検出される歪みが目標値に達した後、作業者は、図4(c)に示すように、規制部材28をねじ込んで、規制部材28をシリンダ部材24に接触させる(規制工程)。これにより、上述したように、棒状部材20の軸方向において、ピストン部材26のシリンダ部材24側への相対的な移動が規制される。その結果、棒状部材20の第1押圧部材16側への移動が規制される。
最後に、作業者は、図4(d)に示すように、油圧ナット22から作動油64を排出するとともに、供給部30から供給ホース42を取り外す(排出工程)。なお、本実施形態では、規制工程において、棒状部材20の第1押圧部材16側への移動が規制されている。したがって、排出工程において油圧ナット22から作動油64を排出しても、第1押圧面32および第2押圧面38の移動(第1押圧面32および第2押圧面38が互いに近付く方向への移動)が規制されている。すなわち、鋼管50に所望の引張応力を付与した状態を維持できる。
本実施形態では、上記のようにして本体部10によって引張応力が付与された状態の鋼管50内に試験溶液を注入することによって、実管浸漬試験(CAPCIS試験)を行うことができる。
以上のように、本実施形態では、油圧ナット22に作動油を供給することによって鋼管50の内面に引張応力を付与することができるので、作業者の負担が軽減される。また、油圧シリンダーおよびプレス装置等を用いる必要が無いので、スプリングバックの影響をほとんど考慮しなくてよい。さらに、作業者は、供給装置12の調整部44を操作することによって、油圧ナット22に供給される作動油の圧力を容易に調整できる。これにより、棒状部材20の移動量を精度良く調整することが可能となり、応力付与装置100から鋼管50に付与される引張応力を容易に調整できる。以上の結果、鋼管50に所望の引張応力を容易に付与することができる。
また、本実施形態では、作業者は、歪みゲージ60の測定値および供給装置12の検出部46の検出結果に基づいて、鋼管50に所望の歪み(引張応力)が生じたときの作動油の圧力を把握することができる。したがって、作業者は、同種の他の鋼管に対して引張応力を付与する際に、上記把握した作動油の圧力を参考にして供給装置12の調整部44を操作することによって、所望の引張応力を容易に付与することが可能となる。
なお、鋼管50が、小径サイズ(例えば、直径が500mm以下)の鋼管である場合には、寸法上の問題により、ターンバックルを用いた従来の方法によって鋼管50に十分な引張応力を付与することは困難であった。そのため、従来、小径サイズの鋼管50に対して実管浸漬試験を行う際には、図7に示すように、一対の鋼板70の間に鋼管50を配置し、複数のボルト72によって締め付けることによって一対の鋼板70から鋼管50に荷重を加えて、鋼管50に引張応力を付与していた。しかしながら、図7に示した方法では、鋼管50において引張応力が付与される部分の外側に鋼板70が接することになる。このため、試験期間中に、鋼管50において引張応力が付与される部分の割れの発生の有無を、超音波探傷検査等の非接触方式の検査によって確認することができなかった。一方、油圧ナット22を用いた本実施形態に係る応力付与装置100では、本体部10を小型に構成しつつ、本体部10から鋼管50に十分な荷重を加えることができる。したがって、本実施形態に係る応力付与装置100を用いることによって、試験対象の鋼管50が小径サイズである場合でも、一対の鋼板70で鋼管50を挟むことなく、鋼管50に十分な引張応力を付与することができる。これにより、試験期間中に、鋼管50において引張応力が付与される部分の割れの発生の有無を、超音波探傷検査等の非接触方式の検査によって確認することが可能となる。
なお、油圧シリンダー等を用いた従来の方法において、上記のようにゴムからなる絶縁シート62(図3参照)を用いる場合、油圧シリンダー等を取り外した際に、鋼管50が、絶縁シート62を圧縮しつつ変形する場合がある。この場合、鋼管50に付与される引張応力の低下が大きくなる。この点に関して、本実施形態では、上述したように、鋼管50の内周面に対する第1押圧面32および第2押圧面38の移動が規制されている。したがって、油圧ナット22から作動油64を排出しても、絶縁シート62が圧縮されることを抑制できるので、鋼管50に付与される引張応力の低下を抑制できる。
上述の実施形態では、第2押圧部材18と棒状部材20とが異なる部材によって構成されている場合について説明したが、第2押圧部材18と棒状部材20とが一つの部材によって構成されていてもよい。
上述の実施形態では、応力付与装置100が2つの駆動部14を有する場合について説明したが、応力付与装置が有する駆動部の数は、1つであってもよく、3つ以上であってもよい。
本発明によれば、鋼管に所望の引張応力を容易に付与することができる。
10 本体部
12 供給装置
14 駆動部
16 第1押圧部材
18 第2押圧部材
20 棒状部材
20a ねじ部
20b 棒状部材の一端部
20c 棒状部材の他端部
22 油圧ナット
24 シリンダ部材
26 ピストン部材
26a 供給通路
28 規制部材
30 供給部
32 第1押圧面
34 凹部
36 支持面
38 第2押圧面
40 凹部
42 供給ホース
44 調整部
46 検出部
50 鋼管
52 ターンバックル
54 押圧部材
56 ナット部材
58 両ねじ部材
60 歪みゲージ
62 絶縁シート
64 作動油
100 応力付与装置
12 供給装置
14 駆動部
16 第1押圧部材
18 第2押圧部材
20 棒状部材
20a ねじ部
20b 棒状部材の一端部
20c 棒状部材の他端部
22 油圧ナット
24 シリンダ部材
26 ピストン部材
26a 供給通路
28 規制部材
30 供給部
32 第1押圧面
34 凹部
36 支持面
38 第2押圧面
40 凹部
42 供給ホース
44 調整部
46 検出部
50 鋼管
52 ターンバックル
54 押圧部材
56 ナット部材
58 両ねじ部材
60 歪みゲージ
62 絶縁シート
64 作動油
100 応力付与装置
Claims (3)
- 鋼管の内側に配置される本体部を備えた応力付与装置であって、
前記本体部は、ねじ部を有する棒状部材と、前記棒状部材の軸方向における一端部に設けられる第1押圧部材と、前記棒状部材の前記軸方向における他端部に設けられる第2押圧部材と、前記第1押圧部材と前記第2押圧部材との間において前記棒状部材の前記ねじ部に嵌められる油圧ナットと、を備え、
前記油圧ナットは、中空状のシリンダ部材と、前記シリンダ部材の内側において前記ねじ部に螺合されかつ油圧によって前記シリンダ部材に対して前記第2押圧部材側に向かって前記軸方向に移動する中空状のピストン部材と、前記軸方向において前記ピストン部材の前記シリンダ部材側への移動を規制する規制部材と、を有し、
前記棒状部材は、前記ピストン部材の前記軸方向の移動に連動して前記シリンダ部材に対して前記軸方向に移動し、
前記第1押圧部材は、前記鋼管の内面を押す第1押圧面と、前記軸方向において前記第1押圧面とは反対側に設けられかつ前記軸方向において前記第1押圧面に向かって凹みかつ前記棒状部材の前記一端部が前記軸方向に移動可能に挿入される凹部と、前記軸方向に直交する方向において前記凹部の外側に設けられかつ前記油圧ナットの前記シリンダ部材を支持する支持面と、を有し、
前記第2押圧部材は、前記鋼管の内面を押す第2押圧面を有しかつ前記棒状部材の前記軸方向の移動に連動して前記軸方向に移動する、応力付与装置。 - 前記油圧ナットに作動油を供給する供給装置をさらに備え、
前記供給装置は、前記油圧ナットに供給される作動油の圧力を調整する調整部と、前記油圧ナットに供給される作動油の圧力を検出する検出部とを有する、請求項1に記載の応力付与装置。 - 請求項1または2に記載の応力付与装置を用いて鋼管の内面に引張応力を付与する方法であって、
前記応力付与装置の前記本体部を前記鋼管内に設置する、設置工程と、
前記設置工程後に、前記油圧ナットの前記シリンダ部材が前記第1押圧部材の前記支持面に支持された状態で前記油圧ナットに作動油を供給して油圧を発生させることによって前記棒状部材を前記軸方向に移動させて、前記第1押圧面および前記第2押圧面によって前記鋼管の内面を押す、押圧工程と、
前記油圧ナットにおいて油圧を発生させた状態で前記規制部材によって前記ピストン部材および前記棒状部材の前記第1押圧部材側への移動を規制する、規制工程と、を備える、応力付与方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018010026A JP2019128256A (ja) | 2018-01-24 | 2018-01-24 | 応力付与装置および応力付与方法 |
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JP2018010026A JP2019128256A (ja) | 2018-01-24 | 2018-01-24 | 応力付与装置および応力付与方法 |
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JP2019128256A true JP2019128256A (ja) | 2019-08-01 |
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ID=67473073
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JP2018010026A Pending JP2019128256A (ja) | 2018-01-24 | 2018-01-24 | 応力付与装置および応力付与方法 |
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JP (1) | JP2019128256A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN117091959A (zh) * | 2023-07-18 | 2023-11-21 | 北京北排建设有限公司 | 用于管道内壁的施压装置及检测设备 |
-
2018
- 2018-01-24 JP JP2018010026A patent/JP2019128256A/ja active Pending
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