以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下で説明する実施の形態は一例であり、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られない。
本実施の形態の無線通信システムの動作にあたっては、適宜、既存技術が使用される。ただし、当該既存技術は、例えば既存のLTEであるが、既存のLTEに限られない。また、本明細書で使用する用語「LTE」は、特に断らない限り、LTE−Advanced、及び、LTE−Advanced以降の方式(例:NR)を含む広い意味を有するものとする。
また、以下で説明する実施の形態では、既存のLTEで使用されているSS(Synchronization Signal)、PSS(Primary SS)、SSS(Secondary SS)、PBCH(Physical broadcast channel)、PRACH(Physical RACH)、PDCCH(Physical Downlink Conrol Channel)、PDSCH(Physical Downlink Shared Channel)等の用語を使用しているが、これは記載の便宜上のためであり、これらと同様の信号、機能等が他の名称で呼ばれてもよい。また、NRにおける上述の用語は、NR−SS、NR−PSS、NR−SSS、NR−PBCH、NR−PRACH、NR−PDCCH、NR−PDSCH等に対応する。
図1は、本発明の実施の形態における無線通信システムの構成例を示す図である。図1に示されるように、ユーザ装置200は、LTEシステム又はNRシステムによって提供される基地局装置100A、基地局装置100B(以降、基地局装置100Aと基地局装置100Bを区別しない場合「基地局装置100」という。)と通信接続すると共に、基地局装置100AをマスタノードeNBとし、基地局装置100BをセカンダリノードgNBとするLTE−NRデュアルコネクティビティをサポートする。すなわち、ユーザ装置200は、マスタノードeNBである基地局装置100A及びセカンダリノードgNBである基地局装置100Bにより提供される複数のコンポーネントキャリアを同時に利用して、マスタノードeNBである基地局装置100A及びセカンダリノードgNBである基地局装置100Bと同時送信又は同時受信を実行することが可能である。図1に示されるマスタノードとセカンダリノードとは、例えば、基地局間インタフェースであるX2インタフェース等を介して通信が可能である。なお、図1に示される例では、LTEシステム及びNRシステムはそれぞれ1つの基地局しか有していないが、一般にLTEシステム及びNRシステムにおいてはサービスエリアをカバーするために多数の基地局装置100が配置される。
なお、以下の実施例は、LTE−NRデュアルコネクティビティに関して説明されるが、本開示による基地局装置100及びユーザ装置200は、これに限定されず、異なるRATを利用した複数の無線通信システムの間のデュアルコネクティビティ、すなわち、マルチRATデュアルコネクティビティに適用可能であることは当業者に容易に理解されるであろう。また、本開示による基地局装置100及びユーザ装置200は、例えば、NR−NRデュアルコネクティビティ、LTE−LTEデュアルコネクティビティにも適用することができる。
なお、本実施の形態において、複信(Duplex)方式は、TDD(Time Division Duplex)方式でもよいし、FDD(Frequency Division Duplex)方式でもよいし、又はそれ以外(例えば、Flexible Duplex等)の方式でもよい。
また、以下の説明において、送信ビームを用いて信号を送信することは、プリコーディングベクトルが乗算された(プリコーディングベクトルでプリコードされた)信号を送信することとしてもよい。同様に、受信ビームを用いて信号を受信することは、所定の重みベクトルを受信した信号に乗算することとしてもよい。また、送信ビームを用いて信号を送信することは、特定のアンテナポートで信号を送信することと表現されてもよい。同様に、受信ビームを用いて信号を受信することは、特定のアンテナポートで信号を受信することと表現されてもよい。アンテナポートとは、3GPPの規格で定義されている論理アンテナポート又は物理アンテナポートを指す。なお、送信ビーム及び受信ビームの形成方法は、上記の方法に限られない。例えば、複数アンテナを備える基地局装置100及びユーザ装置200において、それぞれのアンテナの角度を変える方法を用いてもよいし、プリコーディングベクトルを用いる方法とアンテナの角度を変える方法を組み合わせる方法を用いてもよいし、異なるアンテナパネルを切り替えて利用してもよいし、複数のアンテナパネルを合わせて使う方法を組み合わせる方法を用いてもよいし、その他の方法を用いてもよい。また、例えば、高周波数帯において、複数の互いに異なる送信ビームが使用されてもよい。複数の送信ビームが使用されることを、マルチビーム運用といい、ひとつの送信ビームが使用されることを、シングルビーム運用という。
(実施例)
以下、実施例について説明する。
図2は、L2バッファサイズの算出方法を説明するための図である。ユーザ装置200は、データを送受信するとき、レイヤ2バッファ(以下、「L2バッファ」という。)に、以下のデータをバッファリングする。
1)DL(Downlink)で受信したのち、Reordering待ちとなっているDLデータ
2)UL(Uplink)で送信したのち、ACK待ちとなっているULデータ
上記のデータでL2バッファのオーバーフローが発生した場合、パケットロスが発生してパフォーマンスが低下する。そのため、ネットワークは、ユーザ装置200のL2バッファがオーバーフローしないようにスケジューリングを調整する。したがって、ユーザ装置200が実装するL2バッファサイズを把握する必要がある。
L2バッファサイズは、ユーザ装置200のDL又はULデータレートに依存するため、LTEにおいては、UEカテゴリ(DLカテゴリ及びULカテゴリの組み合わせ)ごとに、L2バッファサイズが規定される。ここで、NRにおいては、UEカテゴリが規定されずに、UE能力から算出されるデータレートに基づいて、L2バッファサイズが決定されてもよい。
図2において、マスタノードにおいて分離されたベアラのPDCP(Packet Data Convergence Protocol)が終端されるときのL2バッファサイズの算出方法の例が示される。PDCPは、ヘッダ圧縮、秘匿に関する処理等の機能を有するレイヤ2のサブレイヤである。また、図2に示される「RLCm」は、マスタノードのRLC(Radio Link Control)を示し、「RLCs」は、セカンダリノードのRLCを示す。RLCは、ARQ(Automatic repeat request)制御等を行うレイヤ2のサブレイヤである。
図2に示される「RTTm」はマスタノードの通信経路におけるRTT(Round Trip Time)であり、「RTTs」は、セカンダリノードの通信経路におけるRTTである。「Rm」は、マスタノードの通信経路におけるデータレートであり、「Rs」は、セカンダリノードの通信経路におけるデータレートである。「XD」は、ノード間の遅延時間を示す。
図2の「Case1」において、RTTs+XD>RTTmとなる場合のL2バッファサイズ算出の例を示す。L2バッファサイズは、データレートと、RTT又はRTT+遅延時間との積で規定される。「Case1」においては、セカンダリノードの通信経路に対応する「RTTs+XD」の値が、マスタノードの通信経路に対応する「RTTm」より大きいため、L2バッファサイズは、Rm×(RTTs+XD)+Rs×RTTsとして算出される。
一方、図2の「Case2」において、RTTs+XD<RTTmとなる場合のL2バッファサイズ算出の例を示す。「Case2」においては、マスタノードの通信経路に対応する「RTTm」の値が、セカンダリノードの通信経路に対応する「RTTs+XD」より大きいため、L2バッファサイズは、Rs×RTTm+Rm×RTTmとして算出される。
図3は、PDCPがセカンダリノードで終端される場合の例を示す図である。図3に示されるように、セカンダリノードにおいて分離されたベアラのPDCPが終端される構成の場合、L2バッファサイズを算出するパラメータが変わるため、図2に示されるようなマスタノードにおいて分離されたベアラのPDCPが終端される構成と比べて、必要となるバッファサイズが増える可能性がある。
したがって、セカンダリノードにおいて分離されたベアラのPDCPが終端される場合、必要なバッファが不足してパケットロスが発生してパフォーマンスが低下する可能性がある。また、ネットワークのスケジューラがバッファオーバフローしないようマージンを持たせてリソース割り当てを行うため、パフォーマンスが低下する可能性がある。
そこで、ユーザ装置200が、マスタノードにおいて分離されたベアラのPDCPが終端される場合のL2バッファサイズと、セカンダリノードにおいて分離されたベアラのPDCPが終端される場合のL2バッファサイズとを算出して、大きいサイズをL2バッファサイズとする方法が考えられる。
しかしながら、分離されたベアラの各通信経路の遅延(RLCのRTT)又はデータレートによっては、マスタノードにおいて分離されたベアラのPDCPが終端される場合のL2バッファサイズと、セカンダリノードにおいて分離されたベアラのPDCPが終端される場合のL2バッファサイズとに大きな差が発生するため、ワーストケースを想定する場合、バッファサイズ増大によってユーザ装置200のコストが上昇する可能性がある。
そこで、ユーザ装置200が実装するL2バッファサイズを、マスタノードにおいて分離されたベアラのPDCPが終端される場合のL2バッファサイズ及びセカンダリノードにおいて分離されたベアラのPDCPが終端される場合のL2バッファサイズのそれぞれに重み付けをした和を、トータルL2バッファサイズとして規定する。
すなわち、ベアラが分離されるときのトータルL2バッファサイズを、
(W1:重み付け係数)×(マスタノードにおいて分離されたベアラのPDCPが終端される場合のL2バッファサイズ)+(W2:重み付け係数)×(セカンダリノードにおいて分離されたベアラのPDCPが終端される場合のL2バッファサイズ)
として規定する。重み付け係数のW1及びW2は、例えば、W1=W2=0.5であってもよい。また、例えば、W1=0又はW2=0としてもよい。すなわち、重み付け係数は、0から1までのいかなる値でもよい。
なお、重み付け係数W1及びW2は、パーセント等の他の単位又は表記方法で規定されてもよい。また、重み付け係数W1及びW2の和は、1又は100パーセントにならなくてもよいし、重み付け係数は、1又は100パーセントを超える値が使用されてもよい。
なお、マスタノードは、MCG(Master Cell Group)であって複数のセルを含んでもよいし、セカンダリノードは、SCG(Secondary Cell Group)であって複数のセルを含んでもよい。さらに、ユーザ装置200が、デュアルコネクティビティ可能であるノードすなわち基地局装置100又はセルグループ数が3以上の場合には、重み付け係数は、例えばW1、W2、W3等のように3以上であってもよい。それぞれのノードにおいてPDCPが終端された場合のL2バッファサイズにそれぞれの重み付け係数を乗じて、トータルL2バッファサイズが算出される。
なお、トータルL2バッファサイズの算出にあたり、MCG又はSCGで分離されたベアラのデータ量が大きい方に、大きな重み付け係数が適用されてもよい。すなわち、分離されたベアラのデータ量に応じて、重み付け係数は決定されてもよい。また、バッファサイズに重み付けをせずに、バッファサイズの算出するために使用されるパラメータ、例えばデータレート又はRLCのRTT等に重みをつけて必要なバッファサイズが算出されてもよい。重み付けに関して、それぞれのパラメータに対して独立に重み付けが適用されてもよいし、共通の重み付けが複数のパラメータに適用されてもよい。
なお、MCGの分離されたベアラは、セキュリティキーとしてマスタノードで用いられるセキュリティキー(e.g.「KeNB」)を使用するベアラで定義されてもよい。また、SCGの分離されたベアラは、セキュリティキーとしてセカンダリノードで用いられるセキュリティキー(e.g.「sKgNB」)を使用するベアラで定義されてもよい。
図4は、本発明の実施の形態における情報通知の例を示すシーケンス図である。図4において、図3で説明した重み付け係数に関するユーザ装置200と基地局装置100との間の情報通知の例を示す。
ステップS11において、ユーザ装置200は、重み付け係数を含むUEの無線能力の通知を基地局装置100に行う。当該通知によって、基地局装置100は、ユーザ装置200のL2バッファサイズを取得することができる。続いて、当該L2バッファサイズに基づいて通常の通信が実行される(S12)。
ステップS21において、基地局装置100は、重み付け係数を含む通知を基地局装置100に行う。続いて、ユーザ装置200は、通知された重み付け係数を適用してL2バッファサイズを算出する(S22)。当該通知によって、ユーザ装置200は、基地局装置100が指示するL2バッファサイズを取得することができる。続いて、当該L2バッファサイズに基づいて通常の通信が実行される(S23)。
なお、ステップS11及びS12のシーケンスと、ステップS21からステップS23のシーケンスは、実行の順は問わない。また、いずれかのシーケンスが実行されなくてもよい。
上述の実施例において、基地局装置100及びユーザ装置200は、ベアラが分離された場合のトータルL2バッファサイズを、ベアラが終端される基地局装置100に対応するL2バッファサイズごとに重み付けをした和で算出することで、通信に必要となる適切なバッファサイズに設定することができる。
すなわち、無線通信システムにおいて、通信に必要となる適切なバッファサイズを用いて効率的な通信を実行することができる。
(装置構成)
次に、これまでに説明した処理及び動作を実行する基地局装置100及びユーザ装置200の機能構成例を説明する。基地局装置100及びユーザ装置200はそれぞれ、少なくとも実施例を実施する機能を含む。ただし、基地局装置100及びユーザ装置200はそれぞれ、実施例の中の一部の機能のみを備えることとしてもよい。
図5は、基地局装置100の機能構成の一例を示す図である。図5に示されるように、基地局装置100は、送信部110と、受信部120と、設定情報管理部130と、バッファ管理部140とを有する。図5に示される機能構成は一例に過ぎない。本発明の実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分及び機能部の名称はどのようなものでもよい。
送信部110は、ユーザ装置200に送信する信号を生成し、当該信号を無線で送信する機能を含む。受信部120は、ユーザ装置200から送信された各種の信号を受信し、受信した信号から、例えばより上位のレイヤの情報を取得する機能を含む。また、送信部110は、ユーザ装置200へNR−PSS、NR−SSS、NR−PBCH、NR−PDCCH又はNR−PDSCH等を送信する機能を有する。また、送信部110は、ユーザ装置200に報知情報、制御情報又はデータを送信する。
設定情報管理部130は、予め設定される設定情報、及び、ユーザ装置200に送信する各種の設定情報を格納する。設定情報の内容は、例えば、報知情報又は制御情報等である。
バッファ管理部140は、実施例において説明したように、ユーザ装置200の各種バッファサイズを特定して、当該バッファサイズに応じたスケジューリングを実行する。
図6は、ユーザ装置200の機能構成の一例を示す図である。図6に示されるように、ユーザ装置200は、送信部210と、受信部220と、設定情報管理部230と、バッファ制御部240とを有する。図6に示される機能構成は一例に過ぎない。本発明の実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分及び機能部の名称はどのようなものでもよい。
送信部210は、送信データから送信信号を作成し、当該送信信号を無線で送信する。受信部220は、各種の信号を無線受信し、受信した物理レイヤの信号からより上位のレイヤの信号を取得する。また、受信部220は、基地局装置100から送信されるNR−PSS、NR−SSS、NR−PBCH、NR−PDCCH又はNR−PDSCH等を受信する機能を有する。また、送信部210は、基地局装置100に上りリンク信号を送信し、受信部120は、基地局装置100から報知情報、制御情報又はデータ等を受信する。 設定情報管理部230は、受信部220により基地局装置100から受信した各種の設定情報を格納する。また、設定情報管理部230は、予め設定される設定情報も格納する。設定情報の内容は、例えば、ユーザ装置200の各種バッファサイズ情報等である。
バッファ制御部240は、実施例において説明したように、ユーザ装置200における各種バッファサイズを自律的に又は基地局装置100からの要求に応じて制御する。なお、バッファ制御部240における制御信号等の受信に係る機能部を受信部220に含めてもよい。
(ハードウェア構成)
上述の本発明の実施の形態の説明に用いた機能構成図(図5及び図6)は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に複数要素が結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
また、例えば、本発明の一実施の形態における基地局装置100及びユーザ装置200はいずれも、本発明の実施の形態に係る処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図7は、本発明の実施の形態に係る基地局装置100又はユーザ装置200である無線通信装置のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の基地局装置100及びユーザ装置200はそれぞれ、物理的には、プロセッサ1001、記憶装置1002、補助記憶装置1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。基地局装置100及びユーザ装置200のハードウェア構成は、図に示した1001〜1006で示される各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
基地局装置100及びユーザ装置200における各機能は、プロセッサ1001、記憶装置1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信、記憶装置1002及び補助記憶装置1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール又はデータを、補助記憶装置1003及び/又は通信装置1004から記憶装置1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、図5に示した基地局装置100の送信部110、受信部120、設定情報管理部130、バッファ管理部140は、記憶装置1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよい。また、例えば、図6に示したユーザ装置200の送信部210と、受信部220と、設定情報管理部230、バッファ制御部240は、記憶装置1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
記憶装置1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。記憶装置1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。記憶装置1002は、本発明の一実施の形態に係る処理を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
補助記憶装置1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。補助記憶装置1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、記憶装置1002及び/又は補助記憶装置1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。例えば、基地局装置100の送信部110及び受信部120は、通信装置1004で実現されてもよい。また、ユーザ装置200の送信部210及び受信部220は、通信装置1004で実現されてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001及び記憶装置1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
また、基地局装置100及びユーザ装置200はそれぞれ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
(実施の形態のまとめ)
以上、説明したように、本発明の実施の形態によれば、第1の基地局装置及び第2の基地局装置と分離されたベアラで通信を行うユーザ装置であって、前記第1の基地局装置でベアラが終端される場合に必要な第1のバッファサイズと、前記第2の基地局装置でベアラが終端される場合に必要な第2のバッファサイズとに基づいて、総バッファサイズを定める制御部と、前記第1の基地局装置及び前記第2の基地局装置との通信を前記総バッファサイズを適用して実行する通信部とを有するユーザ装置が提供される。
上記の構成により、ユーザ装置200は、ベアラが分離された場合のトータルL2バッファサイズを、ベアラが終端される基地局装置100に対応するそれぞれのL2バッファサイズに基づいて、通信に必要となる適切なバッファサイズに設定することができる。すなわち、無線通信システムにおいて、通信に必要となる適切なバッファサイズを用いて効率的な通信を実行することができる。
前記総バッファサイズは、前記第1のバッファサイズに第1の重み付け係数を乗じたバッファサイズと、前記第2のバッファサイズに第2の重み付け係数を乗じたバッファサイズとの和であってもよい。当該構成により、通信に必要となる適切なバッファサイズを、ベアラが終端される基地局装置100に対応するそれぞれのL2バッファサイズに重み付けをして算出することができる。
前記第1の重み付け係数又は前記第2の重み付け係数を、前記第1の基地局装置又は前記第2の基地局装置に通知してもよい。当該構成により、ユーザ装置200は、基地局装置100にL2バッファサイズを通知することができる。
前記第1の重み付け係数又は前記第2の重み付け係数は、分離されたベアラのデータ量に基づいて定められてもよい。当該構成により、通信に必要となる適切なバッファサイズを、ベアラが終端される基地局装置100に対応するそれぞれのL2バッファサイズに、ベアラのデータ量に応じた重み付けをして算出することができる。
前記第1の重み付け係数又は前記第2の重み付け係数は、前記第1の基地局装置又は前記第2の基地局装置から通知されてもよい。当該構成により、ユーザ装置200は、基地局装置100から指示されたL2バッファサイズを適用することができる。
また、本発明の実施の形態によれば、ユーザ装置と分離されたベアラで通信を行う第1の基地局装置及び第2の基地局装置のいずれかの基地局装置であって、
前記第1の基地局装置でベアラが終端される場合に必要な第1のバッファサイズと、前記第2の基地局装置でベアラが終端される場合に必要な第2のバッファサイズとに基づいて、総バッファサイズを定める管理部と、前記ユーザ装置との通信を前記総バッファサイズを適用して実行する通信部とを有する基地局装置が提供される。
上記の構成により、基地局装置100は、ベアラが分離された場合のトータルL2バッファサイズを、ベアラが終端される基地局装置100に対応するそれぞれのL2バッファサイズに基づいて、通信に必要となる適切なバッファサイズに設定することができる。すなわち、無線通信システムにおいて、通信に必要となる適切なバッファサイズを用いて効率的な通信を実行することができる。
(実施形態の補足)
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、開示される発明はそのような実施形態に限定されず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。上記の説明における項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。機能ブロック図における機能部又は処理部の境界は必ずしも物理的な部品の境界に対応するとは限らない。複数の機能部の動作が物理的には1つの部品で行われてもよいし、あるいは1つの機能部の動作が物理的には複数の部品により行われてもよい。実施の形態で述べた処理手順については、矛盾の無い限り処理の順序を入れ替えてもよい。処理説明の便宜上、基地局装置100及びユーザ装置200は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明の実施の形態に従って基地局装置100が有するプロセッサにより動作するソフトウェア及び本発明の実施の形態に従ってユーザ装置200が有するプロセッサにより動作するソフトウェアはそれぞれ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク(HDD)、リムーバブルディスク、CD−ROM、データベース、サーバその他の適切な如何なる記憶媒体に保存されてもよい。
また、情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、ブロードキャスト情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W−CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
本明細書において基地局装置100によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局装置100を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、ユーザ装置200との通信のために行われる様々な動作は、基地局装置100及び/又は基地局装置100以外の他のネットワークノード(例えば、MME又はS−GWなどが考えられるが、これらに限られない)によって行われ得ることは明らかである。上記において基地局装置100以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MME及びS−GW)であってもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。
ユーザ装置200は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
基地局装置100は、当業者によって、NB(NodeB)、eNB(enhanced NodeB)、gNB、ベースステーション(Base Station)、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
本明細書で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
「含む(include)」、「含んでいる(including)」、及びそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
本開示の全体において、例えば、英語でのa、an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかにそうではないことが示されていなければ、複数のものを含み得る。
なお、本発明の実施の形態において、バッファ制御部240は、制御部の一例である。バッファ管理部140は、管理部の一例である。送信部210及び受信部220、又は送信部110及び受信部120は、通信部の一例である。L2バッファサイズは、バッファサイズの一例である。トータルL2バッファサイズは、総バッファサイズの一例である。
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。