しかしながら、上記特許文献1に開示された従来技術では、ユーザが購入しようとする内装品を、上記ショッピングサイトにおいて予め設定されている状態等で確認した上で購入対象を決定する構成しか開示されていない。
一方、特に内装品の場合はユーザの自宅で用いられる場合が大半であるが、その自宅の部屋内において、内装品が取り付けられる範囲(例えば、その内装品が取り付けられる窓)及びその周辺の状態と、上記ショッピングサイトにおける上記予め設定されている状態と、が一致することは少ない。なお、ここでいう「状態」とは、例えば、内装品が取り付けられる範囲、及びその周辺にあるもの(例えば、内装品が取り付けられる窓等がある壁やその設置物等)の、色、形又は模様等の様子(ありさま)をいう。そして、このような場合は、実際にその内装品が取り付けられる範囲及びその周辺の状態を確認した後にそれを購入することができないという問題点があった。そして、この問題点は、結果的に、購入した内装品と実際にそれが取り付けられる範囲及びその周辺の状態とが合わないことが、購入後にしか判らないという問題点にも繋がる。
そこで、本発明は、上記の各問題点に鑑みて為されたもので、その課題の一例は、ユーザにより所望される内装品について、それが実際に取り付けられる範囲及びその周辺の状態との関係を、当該内装品の実際の取り付け前においてユーザに確認させることが可能な情報処理装置及び情報処理方法、並びに当該情報処理装置用のプログラムを提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、内装品が取り付けられる範囲を撮像した範囲画像を表示画面に表示させる範囲画像表示制御手段と、前記範囲画像が表示されている前記表示画面上の第1始点から第1終点までの第1方向の第1なぞり操作と、前記第1終点に対応した前記表示画面上の第2始点から第2終点までの、前記第1方向と異なる第2方向の第2なぞり操作と、をそれぞれ検出する検出手段と、前記第1なぞり操作と前記第2なぞり操作とにより画定される範囲を内装品取付範囲として設定する範囲設定手段と、前記設定された内装品取付範囲に取り付けられた前記内装品の状態を示す内装品画像を、前記範囲画像上の前記内装品取付範囲に重畳表示させる内装品画像表示制御手段と、を備える。
この発明によれば、ユーザにより所望される内装品について、それが実際に取り付けられる範囲及びその周辺の状態との関係を、当該内装品の実際の取り付け前においてユーザに確認させることができる。換言すれば、ユーザは、内装品取付範囲に取り付けられる内装品の状態を、当該内装品の実際の取り付け前において、その取付範囲及びその周辺の状態との関係を考慮しながら確認することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、前記内装品画像表示制御手段は、前記第1なぞり操作と、前記第2始点と前記第2終点との間の途中位置までのなぞり操作と、により確定される範囲に取り付けられる前記内装品の状態を示す途中内装品画像を、当該途中位置までのなぞり操作の検出に合わせて前記範囲画像に重畳表示させるように構成される。
この発明によれば、途中位置までのなぞり操作に対応する内装品の状態を、実際の取り付け前に容易にユーザに確認させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の情報処理装置において、前記第2始点と前記途中位置との距離に対応する前記内装品の実寸法を前記表示画面に表示させる実寸法表示制御手段を更に備える。
この発明によれば、実寸法も合わせた内装品の状態を、実際の取り付け前にユーザに確認させることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報処理装置において、前記範囲設定手段は、前記内装品を前記範囲に取り付けるための取付部材を撮像した取付部材画像に基づき、当該取付部材に対応して予め設定されている寸法調整を前記内装品取付範囲に対して施すと共に、前記内装品画像表示制御手段は、前記寸法調整が施された前記内装品取付範囲に取り付けられた前記内装品の状態を示す前記内装品画像を前記範囲画像上の前記内装品取付範囲に重畳表示させるように構成される。
この発明によれば、内装品の取付部材の形状等に応じた寸法調整の結果を、実際の取り付け前に容易にユーザに確認させることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の情報処理装置において、前記設定された内装品取付範囲に取り付けられる前記内装品の諸元の指定を受け付ける指定受付手段を更に備え、前記内装品画像表示制御手段は、前記指定された諸元を反映した前記状態を示す内装品画像を、前記範囲画像上の前記内装品取付範囲に重畳表示させるように構成される。
この発明によれば、ユーザは、好みに応じた内装品の諸元を、内装品が実際に取り付けられる範囲及びその周辺の状態との関係を考慮しながら決めることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の情報処理装置において、前記諸元の候補を示す候補画像を、前記範囲画像と共に前記表示画面に表示させる候補画像表示制御手段を更に備え、前記指定受付手段は、前記表示されている候補画像の選択による前記諸元の指定を受け付け、前記内装品画像表示制御手段は、前記選択された候補画像を前記内装品画像として、前記範囲画像上の前記内装品取付範囲に重畳表示させるように構成される。
この発明によれば、ユーザは、候補を確認しながら、好みに応じた諸元を決めることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の情報処理装置において、前記候補表示制御手段は、ユーザにより任意に登録された柄を示す柄情報を、前記範囲画像と共に前記表示画面に表示し、前記指定受付手段は、前記表示されている柄情報の指定を前記諸元の指定として受け付け、前記内装品画像表示制御手段は、前記指定された柄情報が示す柄を反映した前記状態を示す内装品画像を、前記範囲画像上の前記内装品取付範囲に重畳表示させるように構成される。
この発明によれば、ユーザは、好みに応じた柄を表す内装品を決めることができる。
請求項8に記載の発明は、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の情報処理装置において、複数の前記範囲にそれぞれ取り付けられる各前記内装品についてそれぞれ設定された前記内装品取付範囲に基づいて、各前記範囲に取り付けられる各前記内装品の状態をそれぞれ示す各前記内装品画像を、対応する各前記範囲を撮像した各前記範囲画像上の各前記内装品取付範囲に重畳表示させる複数画像表示制御手段を更に備える。
この発明によれば、ユーザは、複数の取付範囲に取り付けられた状態の各内装品の状態を、実際の取り付け前に纏めて確認することができる。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の情報処理装置において、前記複数画像表示制御手段は、各前記内装品画像を、対応する各前記範囲画像上の各前記内装品取付範囲に三次元的に重畳表示させるように構成される。
この発明によれば、ユーザは、より実際の取付状態に合った状態で各内装品の取付状態を実際の取り付け前に確認することができる。
請求項10に記載の発明は、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の情報処理装置において、前記内装品が遮光用カーテンである場合に前記範囲設定手段は、当該遮光用カーテンとして予め設定された長さを前記第2始点と前記第2終点との間の距離に加算する丈加算調整を前記内装品取付範囲に対して施すと共に、前記内装品が前記遮光用カーテンである場合に前記内装品画像表示制御手段は、前記丈加算調整が施された前記内装品取付範囲に取り付けられた前記内装品の状態を示す前記内装品画像を、前記範囲画像上の前記内装品取付範囲に重畳表示させるように構成される。
この発明によれば、ユーザは、遮光用カーテンとしての寸法調整が予め施された状態を確認することができる。
請求項11に記載の発明は、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の情報処理装置において、前記内装品がレースカーテンである場合に前記範囲設定手段は、当該レースカーテンとして予め設定された長さを前記第2始点と前記第2終点との間の距離から減算する丈減算調整を前記内装品取付範囲に対して施すと共に、前記内装品が前記レースカーテンである場合に前記内装品画像表示制御手段は、前記丈減算調整が施された前記内装品取付範囲に取り付けられた前記内装品の状態を示す前記内装品画像を、前記範囲画像上の前記内装品取付範囲に重畳表示させるように構成される。
この発明によれば、ユーザは、レースカーテンとしての寸法調整が予め施された状態を確認することができる。
請求項12に記載の発明は、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の情報処理装置において、前記内装品がカーテンである場合において、当該カーテンに当たる光の光源についての光源情報と、前記カーテンの遮光度又は透過度を示す光特性情報と、に基づき、前記光の当たる前記カーテンの状態を示す光照射画像を、前記範囲画像上の前記内装品取付範囲に重畳表示させる光照射画像表示制御手段を更に備える。
この発明によれば、ユーザは、カーテンに当たる光に対応した当該カーテンの状態を確認することができる。
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の情報処理装置において、前記光照射画像表示制御手段は、時間を示す時間情報に更に基づいて、当該時間の経過に対応して変化する前記光照射画像を前記範囲画像上の前記内装品取付範囲に重畳表示させるように構成される。
この発明によれば、ユーザは、光の当たり方の時間に応じた変化を実際の取り付け前に確認することができる。
請求項14に記載の発明は、請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の情報処理装置において、前記内装品がカーテンである場合において、当該カーテンに当たる光の光源についての光源情報と、当該カーテンの遮光度又は透過度を示す光特性情報と、に基づき、当該カーテンが取り付けられた前記範囲を屋外から見た状態を示す屋外視画像を前記表示画面に表示させる屋外視画像表示制御手段を更に備える。
この発明によれば、ユーザは、屋外から見た状態を実際の取り付け前に確認することができる。
請求項15に記載の発明は、請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の情報処理装置において、前記内装品がカーテンである場合において、当該カーテンが風になびく状態を示すなびき画像を前記内装品画像として、前記範囲画像上の前記内装品取付範囲に重畳表示させるなびき画像表示制御手段を更に備える。
この発明によれば、ユーザは、カーテンが風になびく状態を実際の取り付け前に確認することができる。
請求項16に記載の発明は、請求項15に記載の情報処理装置において、前記なびき画像表示制御手段は、前記カーテンが風になびく状態を動的に示す前記なびき動画像を、前記範囲画像上の前記内装品取付範囲に重畳表示させるように構成される。
この発明によれば、ユーザは、カーテンが風になびく状態を実際の取り付け前に動的に確認することができる。
請求項17に記載の発明は、コンピュータにより実行される情報処理方法であって、内装品が取り付けられる範囲を撮像した範囲画像を表示画面に表示させるステップと、前記範囲画像が表示されている前記表示画面上の第1始点から第1終点までの第1方向の第1なぞり操作と、前記第1終点に対応した前記表示画面上の第2始点から第2終点までの、前記第1方向と異なる第2方向の第2なぞり操作と、をそれぞれ検出するステップと、前記第1なぞり操作と前記第2なぞり操作とにより画定される範囲を内装品取付範囲として設定するステップと、前記設定された内装品取付範囲に取り付けられた前記内装品の状態を示す内装品画像を、前記範囲画像上の前記内装品取付範囲に重畳表示させるステップと、を含む。
請求項18に記載の発明は、コンピュータに、内装品が取り付けられる範囲を撮像した範囲画像を表示画面に表示させるステップ、前記範囲画像が表示されている前記表示画面上の第1始点から第1終点までの第1方向の第1なぞり操作と、前記第1終点に対応した前記表示画面上の第2始点から第2終点までの、前記第1方向と異なる第2方向の第2なぞり操作と、をそれぞれ検出するステップ、前記第1なぞり操作と前記第2なぞり操作とにより画定される範囲を内装品取付範囲として設定するステップ、及び、前記設定された内装品取付範囲に取り付けられた前記内装品の状態を示す内装品画像を、前記範囲画像上の前記内装品取付範囲に重畳表示させるステップ、を実行させる。
本発明によれば、ユーザにより所望される内装品について、それが実際に取り付けられる範囲及びその周辺の状態との関係を、当該内装品の実際の取り付け前においてユーザに確認させることができる。換言すれば、ユーザは、内装品取付範囲に取り付けられる内装品の状態を、当該内装品の実際の取り付け前において、その取付範囲及びその周辺の状態との関係を考慮しながら確認することができる。
次に、本発明を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施形態は、所望するカーテンの寸法や柄等をユーザが決めると共に、当該寸法等が決められたカーテンをオンラインで注文する注文システムに対して本発明を適用した場合の実施の形態である。なお、上記カーテンが本発明の「内装品」の一例に相当する。
[I.注文システムの全体構成]
はじめに、本実施形態の注文システムの全体構成について、図1を用いて説明する。なお、図1は、本実施形態の注文システムの全体構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態の注文システムSは、カーテンの寸法や柄等を決めてそのカーテンを注文する各ユーザにそれぞれ使用される端末T1、端末T2、…、端末Tn(nは自然数)と、図示しないHDD(Hard Disc Drive)に記録された注文データベースDBに接続されている注文サーバSVと、が、例えばインターネット等のネットワークNWを介してデータ等の授受が可能に接続されて構成されている。なお、以下の説明において、端末T1、端末T2、…、端末Tnに共通の構成及び動作等を説明する場合、これらを纏めて単に「端末T」と称する。また、上記端末Tが本発明の「情報処理装置」の一例に相当する。
図1に示す構成において、端末Tでは、それに備えられている後述のカメラを用いて、カーテンが取り付けられる場所の、当該カーテンが取り付けられる範囲が撮像される。そして、端末Tでは、当該撮像した画像を用いて、そのカーテンの種類、寸法、柄及び材質等が特定される。その後、端末Tは、当該特定されたカーテンの寸法等を示すデータを含む注文情報を生成し、ネットワークNW経由で注文サーバSVに送信する。これにより、注文サーバSVは、送信されてきた注文情報に基づき、当該注文情報に対応した寸法等のカーテンを発注して製作させると共に、上記注文情報を送信してきた端末Tのユーザに当該製作後のカーテンを配送するために必要な処理を行う。なお以下の説明において、注文サーバSVによる上記発注、製作及び配送のために必要な処理を、単に「発注配送処理」と称する。
[II.注文システムSの細部構成及び動作等]
次に、本実施形態の注文システムSの細部構成及び動作等について、図2を用いて説明する。なお、図2は、本実施形態の端末等の構成を示すブロック図である。
図2(a)に示すように、本実施形態の注文システムSに含まれる端末Tはそれぞれ、CPU(Central Processing Unit)等からなる制御部1と、ネットワークNWに接続可能な無線通信部2と、ディスプレイ及び当該ディスプレイの表面に設けられたタッチパネル等からなる操作表示部3と、例えばレーザ方式、赤外線方式又は超音波方式を用いた距離センサ4と、魚眼レンズを含む上記カメラ5と、SSD(Solid State Drive)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等からなる記憶部6と、により構成されている。また、制御部1は、画像処理部10と、位置特定部11と、距離特定部12と、実寸法特定部13と、諸元特定部14と、注文出力部15と、により構成されている。そして、制御部1の画像処理部10、位置特定部11、距離特定部12、実寸法特定部13、諸元特定部14及び注文出力部15、無線通信部2、操作表示部3、距離センサ4、カメラ5及び記憶部6は、システムバス20及び入出力インターフェース21を介して、相互にデータ等の授受が可能とされている。このとき、画像処理部10が本発明の「範囲画像表示制御手段」の一例、「内装品画像表示制御手段」の一例、「実寸法表示制御手段」の一例、「候補画像表示制御手段」の一例、「複数画像表示制御手段」の一例、「光照射画像表示制御手段」の一例、「屋外視画像表示制御手段」の一例及び「なびき画像表示制御手段」の一例に、それぞれ相当する。また、位置特定部11が本発明の「検出手段」の一例に相当し、実寸法特定部13が本発明の「範囲設定手段」の一例に相当し、諸元特定部14が本発明の「指定受付手段」の一例に相当し、注文出力部15が本発明の「出力手段」の一例に相当する。
この構成において、窓や扉等にカーテンを取り付けたい(掛けたい)端末Tのユーザは、当該端末Tの操作表示部3の図示しない電源ボタンを操作して端末Tを起動し、そのカーテンが取り付けられる場所の、当該カーテンが取り付けられる範囲を、カメラ3を用いて撮像する。なお、上記カーテンが取り付けられる範囲を、以下「カーテン取付範囲」と称する。そして、端末Tの画像処理部10は、カメラ3によりカーテン取付範囲を撮像して得られる画像を、操作表示部3のディスプレイに表示する。なお、当該カーテン取付範囲を撮像して得られ且つディスプレイに表示されている画像を、以下「取付範囲画像」と称する。
一方、距離センサ4は、取付範囲画像がディスプレイに表示されている状態で操作表示部3のタッチパネルに対するユーザの操作が行われたとき、当該ユーザの操作により指定されたカーテン取付範囲内の実際の位置と、端末Tと、の間の実際の距離を、上記レーザ方式等により検出し、当該検出された距離を示す距離データを生成して制御部1の距離特定部12に出力する。これにより、画像処理部10及び距離特定部12は、ディスプレイに表示されている取付範囲画像の各画素と、当該画素として映されたカーテン取付範囲内の実際の位置と端末Tとの間の実際の距離を示す上記距離データと、を、例えばディスプレイにおける画素の座標に基づいて対応させることで、当該画素ごとに、カーテン取付範囲内の実際の位置と、端末Tと、の間の実際の距離を特定する。また、上記タッチパネルに対するユーザの操作には、タッチパネルに対するタップ操作及びなぞり操作が含まれる。
これらにより、上記画像処理部10並びに端末Tの位置特定部11、距離特定部12及び実寸法特定部13は、上記取付範囲画像がディスプレイに表示されている場合におけるユーザの上記操作に基づいて、ユーザが所望するカーテンの寸法を特定し、当該寸法を示す寸法データを生成して記憶部6に記憶する。なお、上記画像処理部10、位置特定部11、距離特定部12及び実寸法特定部13による当該カーテンの寸法を特定する処理を、以下「寸法特定処理」と称する。この寸法特定処理において位置特定部11は、上記取付範囲画像に映っている、実際のカーテン取付範囲内の上記操作に対応した位置を特定する。また、距離特定部12は、距離センサ4からの上記距離データに基づき、上記操作に対応したカーテン取付範囲内の実際の位置と、端末Tと、の間の距離を検出する。そして、実寸特定部13は、位置特定部11による位置の特定結果、及び距離特定部12による距離の検出結果に基づいて上記寸法データを生成し、記憶部6に記憶する。
ここで、上記位置特定部11等による本実施形態の寸法特定処理は、より具体的には、運動解析(Motion Tracking)技術、奥行認識(Deep Perception)技術及び空間記憶(Area Learning)技術を含む、いわゆるVSLAM(Visual Simultaneous Localization and Mapping)技術を基本にした、空間測位と自己測位の技術として実現される。一般に、このVSLAMは、動画や静止画を解析して物体の特徴点をリアルタイムに追跡し、位置や姿勢などの三次元情報を推定する手法であり、これにより、壁や地面の検出、或いは空間内の物体の検出を行うことができ、空間測位や現在位置の推定等が可能となる。
一方、諸元特定部14は、上記操作に基づいて、寸法を除く上記カーテンとしての諸元を特定し、当該特定された諸元を示す諸元データを生成して記憶部6に記憶する。ここで、本実施形態における上記諸元とは、上記カーテンとしての材質及び柄、並びに上記カーテンとしてのタイプをいう。本実施形態のカーテンのタイプには、遮光用カーテンとレースカーテンの区分、及び一枚型カーテンと左右分離型カーテンの区分が含まれる。なお、上記諸元特定部14によるカーテンの諸元を特定する処理を、以下「諸元特定処理」と称する。
最後に、注文出力部14は、実寸法特定部13により記憶された寸法データと、諸元特定部14により記憶された諸元データと、を含む上記注文情報を生成し、無線通信部2及びネットワークNW経由で注文サーバSVに送信する。
なお、記憶部6には、上記カーテンの柄として後述するように選択可能な、端末Tのユーザの好みに合致した写真等の画像データが、予め記憶されている。
次に、図2(b)に示すように、本実施形態の注文システムSに含まれる注文サーバSVは、CPU等からなる制御部30と、ネットワークNWに接続可能な無線通信部34と、により構成されている。また、制御部30は、注文処理部31を備えている。そして、注文処理部31、無線通信部2及び注文データベースDBは、システムバス32及び入出力インターフェース33を介して、相互にデータ等の授受が可能とされている。
この構成において、いずれかの端末Tから上記注文情報が送信されてくると、制御部30の注文処理部31はこれを無線通信部34経由で受信する。そして、注文処理部31は、上記受信した注文情報に基づいて、注文データベースDBを参照しつつ、上記発注配送処理を実行する。
ここで、本実施形態の注文データベースDBの内容について、具体的に図3を用いて説明する。なお、図3は、本実施形態の当該内容を例示する図である。本実施形態の注文データベースDBには、図3(a)に例示する内容データベースDB1と、図3(b)に例示する履歴データベースDB2と、が含まれている。
このとき、内容データベースDB1は、材質データベースDB11と、タイプデータベースDB12と、柄データベースDB13と、色データベースDB14と、を含んでいる。ここで、材質データベースDB11には、カーテンとしての材質を示すデータが、材質相互に識別可能とするための材質IDに関連付けて記録されている。また、タイプデータベースDB12には、カーテンとしての上記タイプを示すデータが、タイプ相互に識別可能とするためのタイプIDに関連付けて記録されている。更に、柄データベースDB13には、カーテンとしての柄を示すデータが、柄相互に識別可能とするための柄IDに関連付けて記録されている。最後に、色データベースDB14には、カーテンとしての色を示すデータが、色相互に識別可能とするための色IDに関連付けて記録されている。そして、注文サーバSVの注文処理部31は、受信した注文情報の内容に対応する材質IDやタイプID等を内容データベースDB1から抽出することで、本実施形態の発注配送処理に含まれる発注の処理を行い、当該注文情報に対応したカーテンを、例えばカーテン製作業者等に製作させる。また、注文処理部31は、製作されたカーテンの現物を、上記注文情報を送信してきた端末Tのユーザに配送するための配送処理(本実施形態の発注配送処理に含まれる配送処理)を行う。
一方、履歴データベースDB2には、一例として、カーテンを注文したユーザ(即ち、上記注文情報を送信してきた端末Tのユーザ)を識別するためのユーザIDに関連付けて、注文の日付を示す日付データと、注文されたカーテンを識別するための商品IDと、注文されたカーテンの材質を示す材質IDと、注文されたカーテンの種類を示す種類IDと、注文されたカーテンの寸法を示す寸法データと、注文されたカーテンの数を示す数データと、が、注文履歴として記録されている。この履歴データベースDB2は、例えば、いずれかの端末Tから過去に購入したカーテンの再注文に対応する注文情報が送信されてきた場合や、カーテンの購入状況を一般的に調査する場合等に活用される。
[III.注文処理]
次に、本実施形態の寸法特定処理を含んで端末Tの制御部1を中心として実行される、本実施形態の注文処理について説明する。初めに、本実施形態の注文処理の全体について、図4を用いて説明する。なお、図4は本実施形態の注文処理を示すフローチャートである。
本実施形態の注文処理は、例えば操作表示部3のディスプレイに表示されている図示しない処理開始ボタンが、ユーザにより操作されると開始される。そして、本実施形態の注文処理が開始されると、端末Tの画像処理部10、位置特定部11、距離特定部12及び実寸法特定部13は、上記ディスプレイに表示されている上記取付範囲画像を用いた上記寸法特定処理を実行してユーザが所望するカーテンの寸法を特定し、当該特定された寸法を示す寸法データを記憶部6に記憶する(ステップS1)。このステップS1については、後ほど図5乃至図10を用いて詳説する。
次に、端末Tの諸元特定部14は、上記タッチパネルに対するユーザの操作に基づいて上記諸元特定処理を実行し、当該特定された諸元を示す諸元データを記憶部6に記憶する(ステップS2)。このステップS2については、後ほど図11乃至図13を用いて詳説する。
次に、端末Tの画像処理部10は、寸法及び諸元が特定されたカーテンのカーテン取付範囲における取付状態を、ディスプレイに表示されている取付範囲画像を用いてシミュレーションして表示させる旨のユーザによるシミュレーション操作が、上記タッチパネルを用いて実行されたか否かを監視する(ステップS3)。ステップS3の監視において、上記シミュレーション操作が実行されない場合(ステップS3:NO)、画像処理部10は、後述するステップS6に移行する。一方、ステップS3の監視において、上記シミュレーション操作が実行された場合(ステップS3:YES)、画像処理部10は、当該シミュレーション操作に対応した取付状態のシミュレーション表示を行う(ステップS4)。ステップS4における本実施形態の取付状態のシミュレーション表示としては、
i)カーテン取付範囲に取り付けられたカーテンが風になびいている状態のシミュレーション表示
ii)カーテン取付範囲に取り付けられたカーテンに対する日光又は室内灯の当たり方が変化した状態のシミュレーション表示
iii)カーテン取付範囲にカーテンが取り付けられた状態のカーテン取付範囲に対応する室内を、当該カーテンが取り付けられた窓等を有する建物の屋外から、その窓等越しに見た状態のシミュレーション表示
の三つがある。なお、以下の説明において、上記i)のシミュレーション表示を「風なびきシミュレーション表示」と称し、上記ii)のシミュレーション表示を「光当て方変更シミュレーション表示」と称し、上記iii)のシミュレーション表示を「屋外視シミュレーション表示」と称する。
ステップS4で取付状態のシミュレーション表示が実行されたら、次に、端末Tの制御部1は、ステップS1で特定された寸法又はステップS2で特定された諸元のいずれかを変更する旨のユーザの変更操作が、タッチパネルを用いて実行されたか否かを監視する(ステップS5)。ステップS5の監視において、上記諸元を変更する旨の変更操作が実行された場合(ステップS5:諸元変更)、制御部1は、上記ステップS2に戻って諸元特定部14に本実施形態の諸元特定処理を実行させる。また、ステップS5の監視において、上記寸法を変更する旨の変更操作が実行された場合(ステップS5:寸法変更)、制御部1は、上記ステップS1に戻って画像処理部10等に本実施形態の寸法特定処理を実行させる。更に、ステップS5の監視において、上記変更操作が実行されない場合(ステップS5:NO)、端末Tの注文出力部15は、ステップS1及びステップS2により記憶部6にそれぞれ記憶されている寸法データ及び諸元データを含む注文データに対して、端末Tのユーザを識別するためのユーザIDを付して注文情報を生成し、無線通信部2及びネットワークNW経由で注文サーバSVに送信する(ステップS6)。
その後、制御部1は、例えば端末Tの電源スイッチがオフとされる等により、本実施形態の注文処理を終了する旨の終了操作がタッチパネルを用いて実行されたか否かを監視する(ステップS7)。ステップS7の監視において終了操作が実行されない場合(ステップS7:NO)、制御部1は、上記ステップS1に戻って上述してきた処理を繰り返す。一方、ステップS7の監視において終了操作が実行された場合(ステップS7:YES)、制御部1は、本実施形態の注文処理を終了する。
[IV.寸法特定処理]
次に、本実施形態の寸法特定処理(図4ステップS1)について、図5乃至図10を用いてより具体的に説明する。なお、図5は本実施形態の寸法特定処理を示すフローチャートであり、図6は本実施形態の寸法特定の際の画面例を示す図であり、図7は本実施形態の幅方向取付範囲特定処理を示すフローチャート等である。また、図8は本実施形態の幅方向取付範囲特定の際の画面例を示す図であり、図9は本実施形態の丈方向取付範囲特定処理を示すフローチャートであり、図10は本実施形態の丈方向取付範囲特定の際の画面例を示す図である。
即ち、ステップS1の寸法特定処理として、画像処理部10は、図6に例示するように、カーテン取付範囲をカメラ5により撮像して得られる取付範囲画像G1を、操作表示部3のディスプレイに表示する(ステップS10)。このカーテン取付範囲には、図6に例示するように、カーテンが取り付けられる窓の画像と、カーテンを取り付ける(掛ける)ためのカーテンレールが取り付けられる壁等の画像と、が含まれることになる。これらに加えて、画像処理部10は、本実施形態の寸法特定処理の操作をユーザに案内するためのガイド表示GD1と、それまでの操作を取り消す際に操作される戻るボタンBKと、それまでの操作を確定させる際に操作される決定ボタンDと、を合わせてディスプレイに表示する。次に、位置特定部11、距離特定部12及び実寸法特定部13は、ディスプレイに表示されている取付範囲画像G1と、距離センサ4からの距離データと、を用いて、カーテン取付範囲におけるカーテンの幅方向の取付範囲(即ち、具体的には上記カーテンレールの長さ)を特定する(ステップS11)。このとき、上記カーテンの幅方向の取付範囲とは、即ち、当該カーテン自体の幅に相当する。このステップS11については、後ほど図7及び図8を用いて詳述する。
ステップS11でカーテンの幅方向の取付範囲が特定されたら、次に、位置特定部11、距離特定部12及び実寸法特定部13は、ディスプレイに表示されている取付範囲画像と、距離センサ4からの距離データと、に基づいて、カーテン取付範囲におけるカーテンの丈方向の取付範囲(即ち、具体的には上記カーテンの丈)を特定する(ステップS12)。このステップS12については、後ほど図9及び図10を用いて詳述する。
その後、画像処理部10は、ステップS11で特定されたカーテンの幅と、ステップS12で特定されたカーテンの丈と、に対応した当該カーテンの寸法データを生成し、記憶部6に一時的に記憶する(ステップS13)。
次に、上記ステップS11のカーテンの幅方向の取付範囲の特定について、図7及び図8を用いてより詳細に説明する。
ステップS11のカーテンの幅方向の取付範囲の特定では、図6に例示するガイド表示GD1に基づき、ユーザが、ディスプレイに表示されている取付範囲画像G1におけるカーテンの幅方向の取付位置(即ち、カーテンレールの取付位置)をその指でなぞる操作を行う。このなぞり操作が、本発明の「第1なぞり操作」の一例に相当する。そして、当該なぞり操作によりなぞられた取付範囲画像G1の範囲が、ステップS11のカーテンの幅方向の取付範囲として特定される。より具体的にステップS11では、図7(a)に示すように、初めに、カーテンの幅方向の取付範囲の始点の位置(即ち、カーテンレールの例えば左端の位置)が、取付範囲画像G1において特定される(ステップS111)。なお、カーテンの幅方向の取付範囲の始点を、以下「幅方向始点」と称する。ステップS111において位置特定部11は、図6に例示する取付範囲画像G1がディスプレイに表示されている状態において、幅方向始点に相当するタッチパネルの位置に対する例えばタップ操作がユーザにより実行され、その後に決定ボタンDが操作された場合、取付範囲画像G1の当該タップ操作がされた位置を幅方向始点として特定する。なおこのとき、決定ボタンDが操作されない場合でも、位置特定部11は、幅方向始点に相当するタッチパネルの位置に対する予め設定された時間以上のタッチ操作(いわゆる長タッチ操作)が実行され、その後に長タッチ操作の指がタッチパネルから離された場合に、当該長タッチ操作の指が離された位置を幅方向始点として特定してもよい。これにより、画像処理部10は、図7(b)に例示するように、位置特定部11により特定された幅方向始点の位置に、幅方向始点を示す始点マーカMK1を表示する。これに加えて、画像処理部10及び距離特定部12は、距離センサ4からの距離データに基づいて、幅方向始点の位置に対応するカーテン取付範囲内の実際の位置と、端末Tと、の間の実際の距離を特定する。なお、幅方向始点の位置に対応するカーテン取付範囲内の実際の位置と、端末Tと、の間の実際の距離を、以下「幅方向始点対応距離」と称する。
次に、位置特定部11は、図8(a)に破線矢印で例示するように、始点マーカMK1により示される幅方向始点の位置からユーザの指FGにより上記なぞり操作が開始されると、そのなぞり操作に伴ってタッチされた取付範囲画像のタッチ位置を、例えば画素ごとに検出する(ステップS112)。このステップS112において、画像処理部10及び距離特定部12は、距離センサ4からの距離データに基づき、ステップS112で検出されたタッチ位置に対応するカーテン取付範囲内の実際の位置と、端末Tと、の間の実際の距離を特定する。なお以下の説明において、ステップS112で特定されたタッチ位置に対応するカーテン取付範囲内の実際の位置と、端末Tと、の間の実際の距離を、「幅タッチ位置対応距離」と称する。そして、画像処理部10は、ステップS112でなぞり操作に伴って検出されたタッチ位置を、例えば図8(a)に例示する操作軌跡TRの先端として、ディスプレイに表示する(ステップS113)。これにより、距離特定部12は、幅方向始点対応距離と、幅タッチ位置対応距離と、に基づき、幅方向始点の位置に対応するカーテン取付範囲内の実際の位置と、ステップS112で検出されたタッチ位置に対応するカーテン取付範囲内の実際の位置と、の間の距離(カーテンの幅方向の距離)を検出する(ステップS114)。このステップS114の距離検出は、端末Tの位置から幅方向始点の位置に対応するカーテン取付範囲内の実際の位置及びステップS112で検出されたタッチ位置に対応するカーテン取付範囲内の実際の位置を見込む角度と、幅方向始点対応距離と、幅タッチ位置対応距離と、を用いた余弦定理に基づいて実行される。このとき、距離特定部12は、例えば、端末Tの位置と、幅方向始点の位置に対応するカーテン取付範囲内の実際の位置と、ステップS112で検出されたタッチ位置に対応するカーテン取付範囲内の実際の位置と、を、共通の三次元空間座標においてそれぞれ特定する手法により、上記見込む角度を検出する。
次に、位置特定部11は、カーテンの幅方向の取付範囲の終点の位置(即ち、カーテンレールの例えば右端の位置)が、取付範囲画像G1において特定されたか否かを判定する(ステップS115)。なお、カーテンの幅方向の取付範囲の終点を、以下「幅方向終点」と称する。ステップS115の判定において位置特定部11は、図8(b)に例示するように、取付範囲画像G1がディスプレイに表示されている状態において、ユーザの指FGにより、幅方向終点に相当するタッチパネルの位置までなぞり操作が実行され、その後に決定ボタンDが操作された場合、決定ボタンDが操作されたタイミングにおけるなぞり操作の終了位置を、幅方向終点として特定する(ステップS115:YES)。なおこのとき、決定ボタンDが操作されない場合でも、位置特定部11は、幅方向終点に相当するタッチパネルの位置に対する長タッチ操作が実行され、その後に当該長タッチ操作の指FGがタッチパネルから離された場合に、当該指FGが離された位置を幅方向終点として特定してもよい。これにより、画像処理部10は、図8(b)に例示するように、位置特定部11により特定された幅方向終点の位置に、幅方向終点を示す終点マーカMK2を表示する。ここでステップS115の判定が「YES」となったとき、画像処理部10及び距離特定部12は、距離センサ4からの距離データに基づき、幅方向終点の位置に対応するカーテン取付範囲内の実際の位置と、端末Tと、の間の実際の距離を特定している。なお、幅方向終点の位置に対応するカーテン取付範囲内の実際の位置と、端末Tと、の間の実際の距離を、以下「幅方向終点対応距離」と称する。また、ステップS115の判定が「YES」となったとき、画像処理部10は、幅方向終点位置までの操作軌跡TRを、図8(b)に例示するようにディスプレイに表示している(ステップS113参照)。更にまた、ステップS115の判定が「YES」となったとき、距離特定部12は、幅方向始点対応距離と、幅方向終点対応距離と、幅方向始点の位置に対応するカーテン取付範囲内の実際の位置及び幅方向終点の位置に対応するカーテン取付範囲内の実際の位置を端末Tの位置から見込む角度と、に基づき、幅方向始点の位置に対応するカーテン取付範囲内の実際の位置と、幅方向終点の位置に対応するカーテン取付範囲内の実際の位置と、の間の距離を検出している(ステップS114参照)。そこで距離特定部12は、ステップS115の判定が「YES」となったときの、幅方向始点の位置に対応するカーテン取付範囲内の実際の位置と、幅方向終点の位置に対応するカーテン取付範囲内の実際の位置と、の間の上記距離を、上記カーテンの幅を示す幅データとして、記憶部6に一時的に記憶する。その後位置特定部11は、図5ステップS12に移行する。
一方、ステップS115の判定において、幅方向終点が特定されていない場合(ステップS115:NO)、カーテンの幅方向のなぞり操作が継続されているとして、位置特定部11は、上記ステップS112に戻って、当該なぞり操作に伴うタッチ位置の検出等を継続させる。
次に、上記ステップS12のカーテンの丈方向の取付範囲特定について、図9及び図10を用いてより詳細に説明する。
ステップS12のカーテンの丈方向の取付範囲特定では、図10(a)に例示するガイド表示GD2に基づき、ユーザが、ディスプレイに表示されている取付範囲画像G2におけるカーテンの丈方向の取付範囲をその指でなぞる操作を行う。なお、図10(a)に例示する取付範囲画像G2では、ステップS11で特定された幅方向始点位置及び幅方向終点位置にそれぞれ対応する始点マーカMK1及び終点マーカMK2が表示されている。この、カーテンの丈方向の取付範囲のなぞり操作が、本発明の「第2なぞり操作」の一例に相当する。そして、当該なぞり操作によりなぞられた取付範囲画像G1の範囲が、ステップS12のカーテンの丈方向の取付範囲として特定される。より具体的にステップS12では、図10(a)に示すように、初めに、カーテンの丈方向の取付範囲の始点の位置(即ち、上記幅方向終点の位置又はその近傍の位置)が、取付範囲画像G1において特定される(ステップS121)。なお、カーテンの丈方向の取付範囲の始点を、以下「丈方向始点」と称する。ステップS121において位置特定部11は、図10(a)に例示する取付範囲画像G2(カーテンCTを除く)がディスプレイに表示されている状態において、丈方向始点に相当するタッチパネルの位置に対する例えばタップ操作がユーザにより実行された場合、取付範囲画像G2の当該タップ操作された位置を丈方向始点として特定する。そして、画像処理部10及び距離特定部12は、距離センサ4からの距離データに基づいて、丈方向始点の位置に対応するカーテン取付範囲内の実際の位置と、端末Tと、の間の実際の距離を特定する。なお以下の説明において、丈方向始点の位置に対応するカーテン取付範囲内の実際の位置と、端末Tと、の間の実際の距離を、「丈方向始点対応距離」と称する。次に、位置特定部11は、図10(a)に破線矢印で例示するように、丈方向始点の位置からユーザの指FGによりなぞり操作が開始されると、そのなぞり操作に伴ってタッチされた取付範囲画像のタッチ位置を、例えば画素ごとに検出する(ステップS122)。このステップS122において、画像処理部10及び距離特定部12は、距離センサ4からの距離データに基づき、ステップS122で検出されたタッチ位置に対応するカーテン取付範囲内の実際の位置と、端末Tと、の間の実際の距離を特定する。なお以下の説明において、ステップS122で特定されたタッチ位置に対応するカーテン取付範囲内の実際の位置と、端末Tと、の間の実際の距離を、「丈タッチ位置対応距離」と称する。そして、画像処理部10は、図10(a)に例示するように、ステップS122でなぞり操作に伴って検出されたタッチ位置と、丈方向始点と、ステップS11で特定されているカーテンの幅方向の取付範囲と、で確定される方形の範囲に、例えば予め設定された柄のカーテンCTを仮に表示する(ステップS123)。この予め設定されたカーテンCTの柄は、例えば記憶部6に予め記憶されていた柄を用いればよい。
一方、距離特定部12は、丈方向始点対応距離と、丈タッチ位置対応距離と、に基づき、丈方向始点の位置に対応するカーテン取付範囲内の実際の位置と、ステップS122で検出されたタッチ位置に対応するカーテン取付範囲内の実際の位置と、の間の距離(即ち、当該タッチ位置までのカーテンの丈)を検出する(ステップS124)。このステップS124の距離検出は、上記ステップS114と同様に、端末Tの位置から丈方向始点の位置に対応するカーテン取付範囲内の実際の位置及びステップS122で検出されたタッチ位置に対応するカーテン取付範囲内の実際の位置を見込む角度と、丈方向始点対応距離と、丈タッチ位置対応距離と、を用いた、上記ステップS114と同様の余弦定理に基づいて実行される。
一方、上記ステップS123及びステップS124に伴い、画像処理部10は、図10に例示するように、ステップS124で検出されているカーテンの丈を、丈表示Lとして、例えば取付範囲画像G2の右端等に表示する。この丈表示Lには、ステップS122で検出されたタッチ位置までのカーテンの丈の実寸法(上記ステップS124で検出されている)を数字で示す丈表示部L1と、指FGによるなぞり操作ではなくカーテンの丈を段階的に短くしたり長くしたりする際に操作される短くボタンLS及び長くボタンLLと、指FGによるなぞり操作ではなくカーテンの丈を連続的に短くしたり長くしたりする際に操作されるスライダLBと、カーテンの丈を確定する際に操作される決定ボタンLOと、が含まれている。
次に、位置特定部11は、カーテンの丈方向の取付範囲の終点の位置(即ち、所望されるカーテンの下端の位置)が、取付範囲画像G2において特定されたか否かを判定する(ステップS125)。なお、カーテンの丈方向の取付範囲の終点を、以下「丈方向終点」と称する。ステップS125の判定において位置特定部11は、図10(b)に例示するように、取付範囲画像G2がディスプレイに表示されている状態において、丈方向終点に相当するタッチパネルの位置までユーザの指FGによりなぞり操作が実行され、その後に決定ボタンLOが操作された場合、当該決定ボタンLOが操作されたタイミングにおける丈方向のなぞり操作の終了位置を、丈方向終点として特定する(ステップS125:YES)。なおこのとき、決定ボタンLOが操作されない場合でも、位置特定部11は、丈方向終点に相当するタッチパネルの位置に対する長タッチ操作が実行され、その後に当該長タッチ操作の指FGがタッチパネルから離された場合に、当該指FGが離された位置を丈方向終点として特定してもよい。これにより、画像処理部10は、図10(b)に例示するように、丈表示Lの内容を丈方向終点までのなぞり操作に対応させて更新する。ここでステップS125の判定が「YES」となったとき、画像処理部10及び距離特定部12は、距離センサ4からの距離データに基づき、丈方向終点の位置に対応するカーテン取付範囲内の実際の位置と、端末Tと、の間の実際の距離を特定している。なお、丈方向終点の位置に対応するカーテン取付範囲内の実際の位置と、端末Tと、の間の実際の距離を、以下「丈方向終点対応距離」と称する。また、ステップS125の判定が「YES」となったとき、距離特定部12は、丈方向始点対応距離と、丈方向終点対応距離と、端末Tの位置から丈方向始点の位置に対応するカーテン取付範囲内の実際の位置及び丈方向終点の位置に対応するカーテン取付範囲内の実際の位置を見込む角度と、に基づき、丈方向始点の位置に対応するカーテン取付範囲内の実際の位置と、丈方向終点の位置に対応するカーテン取付範囲内の実際の位置と、の間の距離を検出している(ステップS124参照)。そこで距離特定部12は、ステップS125の判定が「YES」となったときの、丈方向始点の位置に対応するカーテン取付範囲内の実際の位置と、丈方向終点の位置に対応するカーテン取付範囲内の実際の位置と、の間の距離を、上記カーテンの丈を示す丈データとして、記憶部6に一時的に記憶する。その後位置特定部11は、図5ステップS13に移行する。
一方、ステップS125の判定において、丈方向終点が特定されていない場合(ステップS125:NO)、カーテンの丈方向のなぞり操作が継続されているとして、位置特定部11は上記ステップS122に戻って、当該なぞり操作に伴うタッチ位置の検出等を継続させる。
以上の図7及び図8を用いて詳説したステップS11により生成されて記憶部6に記憶されている幅データと、図9及び図10を用いて詳説したステップS12により生成されて記憶部6に記憶されている丈データと、を用いて、画像処理部10は、カーテンの寸法データを生成し、記憶部6に一時的に記憶する(図5ステップS13参照)。
[V.諸元特定処理]
次に、上記ステップS2の諸元特定処理について、図11乃至図13を用いて説明する。なお、図11は本実施形態の諸元特定処理を示すフローチャートであり、図12及び図13は本実施形態の諸元特定の際の画面例を示す図である。
ステップS2の諸元特定処理において諸元特定部14は、初めに、例えば図10に例示する取付範囲画像G2がディスプレイに表示されている状態において、端末Tのユーザが選択可能なカーテンの上記タイプの候補を、ディスプレイに、例えば一覧として表示する(ステップS21)。その後、諸元特定部14は、表示されている候補のいずれかを選択する操作を受け付け(ステップS22)、更に、ステップS22で選択されたタイプを示すタイプデータを記憶部6に一時的に記憶する(ステップS23)。
次に、画像処理部10は、図12(a)に例示する取付範囲画像G2がディスプレイに表示されている状態において、例えばその右端に、図12(a)に例示するような柄リストDLを表示する。この柄リストDLには、決定ボタンDOに加えて、カーテンCTの柄として選択可能な、予め設定された一又は複数のデフォルト柄DDと、記憶部6に予め記憶されている上記画像データに相当する写真等POと、が、例えばユーザの指FGを用いた図12中上下方向のスクロール操作により選択可能に表示されるのが好適である。このとき、写真等POとしては、上記画像データに相当する画像だけでなく、その画像を示す名称(例えば、その画像データが特定の市松模様に相当する場合は、「市松模様」なる名称)等の、画像以外の文字や記号等を表示してもよい。なお、記憶部6に予め記憶されている上記画像データに相当する写真等POを、上記デフォルト柄に対して、以下「オリジナル柄」と称する。その後、諸元特定部14は、図12(a)に例示するガイド表示GD3に基づき、ユーザが、カーテンCTの柄としてオリジナル柄を使用することをタッチパネル上で選択したか否かを判定する(ステップS24)。ステップS24の判定において、オリジナル柄を用いることをユーザが選択した場合(ステップS24:YES)、諸元特定部14は、オリジナル柄を候補として設定し(ステップS25)、後述するステップS27に移行する。一方、ステップS24の判定において、オリジナル柄を用いることをユーザが選択しなかった場合(ステップS24:NO)、諸元特定部14は、上記デフォルト柄を候補として設定し(ステップS26)、更に、その候補をディスプレイに表示する(ステップS27)。そして、諸元特定部14が、表示されている柄の候補の中から、図12(b)に例示するようなユーザの指FGを用いた一の柄の選択を受け付けると(ステップS28)、画像処理部10は、図12(b)に例示するように、取付範囲画像G2に表示されているカーテンCTの柄を、ステップS28で選択された柄に変更して、当該カーテンCTを、取付範囲画像G2内に表示する(ステップS29)。このとき、諸元特定部14は、色を含めてオリジナル柄又はデフォルト柄を選択させてもよい。なお、上記ステップS21乃至ステップS23のタイプの選択においてレースカーテンが選択されている場合、その柄の選択の際に表示されるカーテンとしては、例えば図13に例示するようなレースカーテンLCTが表示され、その状態で、当該レースカーテンLCTとしての柄が選択される。
その後、諸元特定部14は、いずれかの柄を選択中において、上記決定ボタンDOが操作されることにより、その柄を記憶することがユーザにより指定されたか否かを監視する(ステップS210)。ステップS210の判定において柄を記憶する操作が行われない場合(ステップS210:NO)、カーテンの柄としては、例えば図10に例示されていたデフォルト柄が選択されるものとして、次に、諸元特定部14は、後述するステップS212に移行する。一方、ステップS210の監視において、いずれかの柄を記憶することがユーザにより指定された場合(ステップS210:YES)、諸元特定部14は、当該指定された柄を示す柄IDを記憶部6に記憶する(ステップS211)。
次に、諸元特定部14は、ユーザが、カーテンCTの材質を選択する旨の操作をタッチパネル上で実行したか否かを監視する(ステップS212)。ステップS212の監視において、材質を選択する旨の操作が実行されない場合(ステップS212:NO)、諸元特定部14は、後述するステップS218に移行する。一方、ステップS212の監視において、材質を選択する旨の操作が実行された場合(ステップS212:YES)、諸元特定部14は、当該材質の候補をディスプレイに表示する(ステップS213)。そして、諸元特定部14が、表示されている材質の候補の中から、一の材質の選択を受け付けると(ステップS214)、画像処理部10は、取付範囲画像G2に表示されているカーテンCT又はレースカーテンLCTの材質を、ステップS214で選択された材質に変更して、当該カーテンCT又はレースカーテンLCTを、取付範囲画像G2内に表示する(ステップS215)。
その後、諸元特定部14は、いずれかの材質を選択中において、上記決定ボタンDOが操作されることにより、その材質を記憶することがユーザにより指定されたか否かを監視する(ステップS216)。ステップS216の判定において材質を記憶する操作が行われない場合(ステップS216:NO)、諸元特定部14は、後述するステップS218に移行する。一方、ステップS216の監視において、いずれかの材質を記憶することがユーザにより指定された場合(ステップS216:YES)、諸元特定部14は、当該指定された材質を示す材質IDを記憶部6に記憶する(ステップS217)。
その後、諸元特定部14は、カーテンCT又はレースカーテンLCTの諸元特定処理を終了する旨の操作が、タッチパネル上で実行されたか否かを判定する(ステップS218)。ステップS218の判定において、引き続き諸元特定処理を継続する場合(ステップS218:NO)、諸元特定部14は、上記ステップS21に戻って上述してきた処理を繰り返す。一方、ステップS218の判定において、諸元特定処理を終了する場合(ステップS218:YES)、諸元特定部14は、図4ステップS3に移行する。
[VI.取付状態のシミュレーション表示]
次に、本実施形態の取付状態のシミュレーション表示の処理(図4ステップS4)について、図14を用いて説明する。なお、図14は、本実施形態の取付状態のシミュレーションの処理を示すフローチャートである。
図4ステップS3の監視において、上記ステップS1及びステップS2においてその寸法及び諸元が特定されたカーテン(レースカーテンを含む。以下の明細書において同じ。)の取付状態をシミュレーションして表示させる旨のシミュレーション操作が実行された場合(ステップS3:YES)、画像処理部10は、当該シミュレーションの種類を示すメニューをディスプレイに表示する(ステップS41)。このとき表示されるメニューには、上記風なびきシミュレーション表示、光当て方変更シミュレーション表示及び屋外視シミュレーション表示を含む複数種類のシミュレーション表示が含まれている。そして、画像処理部10は、上記メニューを表示中において、いずれかのシミュレーション表示の種類が選択されたかを判定する(ステップS42)。ステップS42の判定において、風なびきシミュレーション表示が選択された場合(ステップS42:風なびき)、画像処理部10は、その寸法及び諸元が特定されたカーテンの表示を、その取付範囲画像上のカーテン取付範囲に重ねて、風になびかせるように動的に表示する(ステップS43)。このステップS43については、後ほど詳述する。その後、画像処理部10は、取付状態のシミュレーション表示を終了する旨の操作が、タッチパネル上で実行されたか否かを判定する(ステップS46)。ステップS46の判定において、引き続きシミュレーション表示を継続する場合(ステップS46:NO)、画像処理部10は、上記ステップS41に戻って上述してきた処理を繰り返す。一方、ステップS46の判定において、シミュレーション表示を終了する場合(ステップS46:YES)、画像処理部10は、図4ステップS5に移行する。
一方、ステップS42の判定において、光当て方変更シミュレーション表示が選択された場合(ステップS42:光当て方変更)、画像処理部10は、その寸法及び諸元が特定されたカーテンに対する光の当て方を変えた場合の見え方の変化を、その取付範囲画像上のカーテン取付範囲に重畳して表示する(ステップS44)。このステップS44についても、後ほど詳述する。その後、画像処理部10は、上記ステップS46に移行する。
他方、ステップS42の判定において、屋外視シミュレーション表示が選択された場合(ステップS42:屋外視)、画像処理部10は、その寸法及び諸元が特定されたカーテンを屋外から見た場合の見え方(特に、屋外から見た室内の見え方)をディスプレイに表示する(ステップS45)。このステップS45についても、後ほど詳述する。その後、画像処理部10は、上記ステップS46に移行する。
次に、本実施形態の風なびきシミュレーション表示について説明する。本実施形態の風なびきシミュレーション表示は、例えば、いわゆる「揺らぎアニメーション表示」として実現可能である。即ち、画像処理部10は、その寸法及び諸元が特定されたカーテンを二次元リンク構造(格子構造)に変換し、これに、いわゆる二次元ノイズ(例えば、"Simiu, E., Scanlan. R. : Wind Effects on Structure. John Wily and Sons, 1986"参照)を作用させて、そのカーテンが風になびく様子を動的にアニメーション表示する(ステップS43)。この動的なアニメーション表示の手法としては、従来の種々の技術を活用することが可能であるが、「『揺らぎ現象のノイズベースリアルタイムアニメーションエンジンのコア技術の開発』、千葉則茂,国立国会図書館デジタルコレクション,2010年,URL(http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_10207234_po_p459.pdf?contentNo=52&alternativeNo=)に記載されている技術を一例として用いることが可能である。
次に、本実施形態の光当て方変更シミュレーション表示について説明する。本実施形態の光当て方変更シミュレーション表示として、画像処理部10は、例えば、太陽又は室内灯を光源とし、その光源の位置を示す位置情報と、その光源の照度を示す照度情報と、を含む光源情報と、カーテンの、特に材質や編み方に起因する光の反射率や透過率を示す光特性情報と、に基づき、当該カーテンに対する光の当て方を変えた場合の見え方の変化を、その取付範囲画像上のカーテン取付範囲に重畳して表示する。この場合、例えば光源が太陽であれば、日付と時刻が判ればその位置や高度が判るので、画像処理部10は、その位置情報及び高度情報に基づき、季節又は一日のうちの時刻を変えた場合の見え方の変化を表示するように構成してもよい。
最後に、本実施形態の屋外視シミュレーション表示について説明する。本実施形態の屋外視シミュレーション表示として、画像処理部10は、仮想三次元空間の表示技術を用いることにより、本実施形態のカーテンが取り付けられている窓越しに屋外からその室内を見た状態となる位置に視点を移動することで、本実施形態の屋外視シミュレーション表示を実行する。このとき、画像処理部10は、上記光源情報と、そのカーテンの上記光特性情報と、を合わせて用いることにより、より実際の見え方に近い表示を行う。
以上説明したように、本実施形態の端末Tを含む注文システムSによれば、カーテンが取り付けられる範囲を撮像した取付範囲画像G1等が表示されているディスプレイ上におけるカーテンの幅方向のなぞり操作と丈方向のなぞり操作とにより画定されるカーテン取付範囲を設定する(即ち特定する)と共に、画像処理部10が、そのカーテン取付範囲に取り付けられたカーテンの状態を示す画像を取付範囲画像G1等上のカーテン取付範囲に重畳表示する。よって、端末Tのユーザは、カーテン取付範囲に取り付けられるカーテンの状態を、当該カーテンの実際の取り付け前において、その取付範囲との関係を考慮しながら確認することができる。
また、画像処理部10が、丈を特定している途中のカーテンの画像を、丈方向のなぞり操作の検出に合わせて取付範囲画像G2等上のカーテン取付範囲に重畳表示するので(図9ステップS123参照)、端末Tのユーザは、丈方向の途中位置までのなぞり操作に対応するカーテンの状態を、実際の取り付け前に容易に確認することができる。
更に、丈方向のなぞり操作中におけるカーテンの丈の実寸法が、画像処理部10により丈表示部L1に表示されるので(図10参照)、端末Tのユーザは、実寸法も合わせたカーテンの状態を、実際の取り付け前に確認することができる。
また、カーテン取付範囲に取り付けられるカーテンの諸元の指定を受け付けると共に、指定された諸元を反映した状態を示すカーテンの画像を、カーテン取付範囲に重畳表示するので(図11乃至図13参照)、端末Tのユーザは、好みに応じたカーテンの諸元を、カーテンが実際に取り付けられる取付範囲との関係を考慮しながら指定することができる。
更に、柄等の候補を示す画像を、取付範囲画像G2等及びカーテンCTの画像と共に画像処理部10がディスプレイに表示し、その候補画像の選択による諸元の指定を受け付けると共に、指定された諸元を反映した状態を示すカーテンの画像を、カーテン取付範囲に重畳表示するので(図12及び図13参照)、端末Tのユーザは、柄等の候補を確認しながら、好みに応じた諸元を指定することができる。
更にまた、オリジナル柄(図11ステップS24及びステップS25参照)として指定された柄の画像を、取付範囲画像G2等及びカーテンCTの画像と共に画像処理部10がディスプレイに表示し、その柄の画像の指定を諸元として受け付けるので、端末Tのユーザの好みに応じた柄のカーテンを指定して表示させることができる。
また、本実施形態の風なびきシミュレーション表示を実行する場合(図14ステップS43参照)、カーテンが風になびく様子を、画像処理部10が取付範囲画像G1等上のカーテン取付範囲に重畳表示するので、端末Tのユーザは、カーテンが風になびく状態を、実際の取り付け前に確認することができる。このとき、風になびく様子の動画像をディスプレイに表示すれば、端末Tのユーザは、カーテンが風になびく状態を、実際の取り付け前に動的に確認することができる。
更に、本実施形態の光当て方変更シミュレーション表示を実行する場合(図14ステップS44参照)は、光源の光源情報と、カーテンについての光特性情報と、に基づいたカーテンの画像を、画像処理部10が取付範囲画像G2等上のカーテン取付範囲に重畳表示するので、端末Tのユーザは、カーテンに当たる光に対応した当該カーテンの状態を確認することができる。このとき、時間の経過に対応して光の当て方を変化させる場合は、光の当たり方の時間に応じた変化を、実際の取り付け前に確認することができる。
更にまた、本実施形態の屋外視シミュレーション表示を実行する場合(図14ステップS45参照)は、光源の光源情報と、カーテンについての光特性情報と、に基づき、本実施形態のカーテンが取り付けられている窓越しに屋外からその室内を見た画像を、画像処理部10がディスプレイに表示するので、端末Tのユーザは、屋外から見た状態を実際の取り付け前に確認することができる。
また、カーテンの寸法データを含む注文情報を、端末Tが注文サーバSVに出力するので、実際に取り付けられる範囲との関係を考慮しながら指定した好みのカーテンの注文情報を注文サーバSVに出力することができる。
[VII.変形形態]
次に、本発明の変形形態について説明する。
初めに、第1変形形態としては、例えばカーテンの丈の特定の際に、カーテンレールの形状に対応した調整を加えるように構成してもよい。より具体的には、取付範囲画像G1等にカーテンレールが実際に映っている場合において、実寸法特定部13が、その形状からカーテンレールの種類を特定し、その特定した種類に応じて丈を調整するように構成することができる。即ち、カーテンレールの種類としては、例えば、天井直付け型、壁から突出型又はボックス型等がある。そして、実寸法特定部13は、天井直付け型の場合は、カーテンの上端の位置がカーテンレールの位置と同じとなる前提でその丈を調整する。また、壁から突出型の場合には、カーテンレールを隠す必要性があることから、実寸法特定部13は、カーテンレールの位置よりも上にカーテンの上端が位置するように丈を調整するように構成することができる。この第1変形形態によれば、カーテンレールの画像に基づいた寸法調整が施されたカーテンの状態を示す画像を、取付範囲画像G1等と共にディスプレイに画像処理部10が表示するので、端末Tのユーザは、カーテンレールの形状等に応じた寸法調整の結果を、実際の取り付け前に容易に確認することができる。
次に、第2変形形態としては、カーテンの柄としてオリジナル柄を用いる場合、諸元特定部14は、両開きタイプとしての諸元の選択を禁止するように構成することができる。即ち、ユーザの好みの写真が、上記オリジナル柄としてカーテンの中央に配置される場合、そのカーテンが両開きタイプであると、その柄としての好みの写真が左右に分かれてカーテンが開かれるようになってしまい、見栄えがよくない等の問題が生じる場合がある。そこで、この第2変形形態によれば、上記のような問題の発生を未然に防止でき、視認性がよい状態で好みの写真をカーテンの柄として用いることができる。
更に、第3変形形態としては、例えば、一つの部屋の中の複数のカーテン取付範囲に基づき、画像処理部10が、そこにそれぞれ取り付けられる各カーテンの画像を、同時に、対応する各取付範囲画像上に重畳表示してもよい。このとき、画像処理部10が、各カーテンの画像を、対応する各取付範囲画像上に三次元的に重畳表示させれば、より実際の取付状態に合った状態で、各カーテンの取付状態を実際の取り付け前に確認することができる。
更にまた、第4変形形態として、実寸法特定部13は、カーテンのタイプとして遮光用のカーテンが選択された場合、予め設定された長さだけその丈を長く特定するように構成してもよい。そして画像処理部10は、丈が長く特定された(即ち丈が加算された)カーテンCTの状態を示す画像を、取付範囲画像G1等と共にディスプレイに表示する。この第4変形形態によれば、端末Tのユーザは、遮光用のカーテンとしての寸法調整が予め施された状態を確認することができる。
また、第5変形形態として、実寸法特定部13は、カーテンのタイプとしてレースカーテンLCTが選択された場合、予め設定された長さだけ丈を短く特定するように構成してもよい。そして画像処理部10は、丈が短くされたレースカーテンLCTの状態を示す画像を、取付範囲画像G1等と共にディスプレイに表示する。この第5変形形態によれば、端末Tのユーザは、レースカーテンLCTとしての寸法調整が予め施された状態を確認することができる。
更に、第6変形形態として、実寸法特定部13は、カーテンのタイプとして、中央部分で一部が重なる両開き型が選択された場合に、左右二枚のカーテンの中央の重なり部分の幅に相当する既定の幅加算調整を施し、その幅加算処理が施された寸法データを生成するように構成してもよい。そして、画像処理部10が、幅加算調整が施された二枚のカーテンの状態(即ち、カーテン取付範囲の中央部分で上記一部が重なった二枚のカーテンの状態)を示す画像を、取付範囲画像G1等上に重畳表示する。よって、第6変形形態の場合、端末Tのユーザは、両開き型のカーテンとしての寸法調整が予め施された状態を確認することができる。このとき、取付範囲画像G1等にカーテンレールが実際に映っている場合には、そのカーテンレールの形状に対応した既定の幅に対応する上記幅加算調整を施すのが好ましい。この場合に、端末Tのユーザは、両開き型のカーテンとしてのカーテンレールに応じた寸法調整が予め施された状態を確認することができる。
更にまた、第7変形形態として、上述した本実施形態では、カーテン取付範囲を撮像して得られる画像をディスプレイに表示し、その表示されている画像の範囲内における指FGによる丈方向のなぞり操作を用いてカーテンの丈を決定(設定)したが(図10参照)、これ以外に、同時に表示されているスライダLBを指FGのタッチ操作で丈方向に移動させることのみにより、当該カーテンの丈全体を決定(設定)するように構成してもよい。
また、上述した本実施形態では、カーテンの幅方向のなぞり操作と、当該幅方向のなぞり操作の後に行われる丈方向のなぞり操作と、により画定されるカーテン取付範囲を設定したが、これ以外に、カーテンの丈方向のなぞり操作を初めに行い、その後に当該カーテンの幅方向のなぞり操作を行ってカーテン取付範囲を画定/設定するように構成してもよい。
更に、上述した本実施形態等は、カーテンを窓等に取り付ける場合に本発明を適用したが、これ以外に、ブラインドやロールスクリーン等の内装品を、それに対応する位置に取り付ける場合に本発明を適用することも可能である。
更にまた、上述した本実施形態等における寸法特定処理及び諸元特定処理等を、端末Tのカメラ5を用いてカーテン取付範囲を撮像した取付範囲画像G1等のデータ及び上記距離データを取得した注文サーバSVにおいて実行し、その結果を端末Tに送信して、ユーザによるカーテン等の注文に供させるように構成してもよい。
また、図4、図5、図7、図9、図11及び図14にそれぞれ示すフローチャートに相当するプログラムを、光ディスク又はハードディスク等の記録媒体に記録しておき、或いは、インターネット等のネットワークから取得して記録しておき、これらを汎用のマイクロコンピュータで読み出して実行することにより、当該マイクロコンピュータを、本実施形態の制御部1として機能させることも可能である。