JP2019124276A - ベルト式無段変速機の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ベルト保護制御を行うに際し、ヒューズクラッチ再締結時の運転性の改善とヒューズクラッチの耐久信頼性の改善をする。【解決手段】エンジン1と駆動輪6との間に配されるトルクコンバータ2及びバリエータ4と、トルクコンバータ2に有するロックアップクラッチ20と、バリエータ4に有するセレクトクラッチ(前進クラッチ31、後退ブレーキ32)と、を備える。このベルト式無段変速機CVTにおいて、バリエータ4のプーリベルト44が滑りそうなときにヒューズクラッチの容量を下げ、先にヒューズクラッチを滑らせることでベルト滑りを抑えるベルト保護制御部を設ける。ベルト保護制御部は、運転シーンによってロックアップクラッチ20とセレクトクラッチ(前進クラッチ31又は後退ブレーキ32)のうち一方のクラッチを選択し、選択したクラッチをヒューズクラッチとして用いる。【選択図】図1
Description
本発明は、ヒューズクラッチの滑りによってベルトを保護するベルト式無段変速機の制御装置に関する。
従来、クラッチ締結力の余裕がベルト押圧力の余裕よりも小さくなるように制御する。クラッチのスリップが検出されたときにはクラッチ締結力及びベルト押圧力をそれぞれ増大制御すると共に、スリップが検出されないときにはクラッチ締結力及びベルト押圧力をそれぞれ減少制御するベルト式無段変速機付車両の制御装置が記載されている(例えば、特許文献1参照)。
上記従来装置にあっては、ベルトを保護するヒューズクラッチとして、一つのクラッチを設定している。このため、運転シーンによっては、ヒューズクラッチとして容量を下げてからの再締結時にイナーシャトルクが発生し、運転性(ショック)が悪化することがある、という問題があった。加えて、常時、一つのクラッチをヒューズクラッチとして使うため、ベルト滑りに先行して発生するクラッチスリップによりクラッチが発熱し、クラッチの耐久信頼性が低下する、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、ベルト保護制御を行うに際し、ヒューズクラッチ再締結時の運転性の改善とヒューズクラッチの耐久信頼性の改善をするベルト式無段変速機の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、走行用駆動源と駆動輪との間に配されるトルクコンバータ及びバリエータと、トルクコンバータに有するロックアップクラッチと、バリエータに有するセレクトクラッチと、を備える。
このベルト式無段変速機において、バリエータのベルトが滑りそうなときにヒューズクラッチの容量を下げ、先にヒューズクラッチを滑らせることでベルト滑りを抑えるベルト保護制御部を設ける。
ベルト保護制御部は、運転シーンによってロックアップクラッチとセレクトクラッチのうち一方のクラッチを選択し、選択したクラッチをヒューズクラッチとして用いる。
このベルト式無段変速機において、バリエータのベルトが滑りそうなときにヒューズクラッチの容量を下げ、先にヒューズクラッチを滑らせることでベルト滑りを抑えるベルト保護制御部を設ける。
ベルト保護制御部は、運転シーンによってロックアップクラッチとセレクトクラッチのうち一方のクラッチを選択し、選択したクラッチをヒューズクラッチとして用いる。
この結果、ベルト保護制御を行うに際し、ヒューズクラッチ再締結時の運転性の改善とヒューズクラッチの耐久信頼性の改善をすることができる。
以下、本発明のベルト式無段変速機の制御装置を実施するための形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
実施例1における制御装置、トルクコンバータと前後進切替機構とバリエータと終減速機構により構成されるベルト式無段変速機を搭載したエンジン車(車両の一例)に適用したものである。以下、実施例1の構成を、「全体システム構成」、「ベルト保護制御装置の構成」、「ベルト保護制御処理構成」に分けて説明する。
[全体システム構成]
図1は、実施例1のベルト式無段変速機の制御装置が適用されたエンジン車の駆動系と制御系を示す。以下、図1に基づいて全体システム構成を説明する。
図1は、実施例1のベルト式無段変速機の制御装置が適用されたエンジン車の駆動系と制御系を示す。以下、図1に基づいて全体システム構成を説明する。
エンジン車の駆動系は、図1に示すように、エンジン1と、トルクコンバータ2と、前後進切替機構3と、バリエータ4と、終減速機構5と、駆動輪6,6と、を備えている。
ここで、ベルト式無段変速機CVTは、トルクコンバータ2と前後進切替機構3とバリエータ4と終減速機構5を図外の変速機ケースに内蔵することにより構成される。
ここで、ベルト式無段変速機CVTは、トルクコンバータ2と前後進切替機構3とバリエータ4と終減速機構5を図外の変速機ケースに内蔵することにより構成される。
エンジン1は、ドライバーによるアクセル操作による出力トルクの制御以外に、外部からのエンジン制御信号により出力トルクを制御可能である。このエンジン1には、点火時期リタード制御やスロットルバルブ開閉動作等によりトルクダウン制御を行う出力トルク制御アクチュエータ10を有する。
トルクコンバータ2は、トルク増大機能やトルク変動吸収機能を有する流体継手による発進要素である。トルク増大機能やトルク変動吸収機能を必要としないとき、エンジン出力軸11(=トルクコンバータ入力軸)とトルクコンバータ出力軸21を直結可能なロックアップクラッチ20を有する。このトルクコンバータ2は、エンジン出力軸11にコンバータハウジング22を介して連結されたポンプインペラ23と、トルクコンバータ出力軸21に連結されたタービンランナ24と、ケースにワンウェイクラッチ25を介して設けられたステータ26と、を構成要素とする。
前後進切替機構3は、バリエータ4への入力回転方向を前進走行時の正転方向と後退走行時の逆転方向で切り替える機構である。この前後進切替機構3は、ダブルピニオン式遊星歯車30と、複数枚のクラッチプレートによる前進クラッチ31と、複数枚のブレーキプレートによる後退ブレーキ32と、を有する。前進クラッチ31は、Dレンジ等の前進走行レンジ選択時に前進クラッチ圧Pfcにより油圧締結される。後退ブレーキ32は、Rレンジ等の後退走行レンジ選択時に後退ブレーキ圧Prbにより油圧締結される。なお、前進クラッチ31と後退ブレーキ32は、Nレンジ(ニュートラルレンジ)の選択時、前進クラッチ圧Pfcと後退ブレーキ圧Prbをドレーンすることで、いずれも解放される。
バリエータ4は、プライマリプーリ42と、セカンダリプーリ43と、プーリベルト44と、を有し、ベルト接触径の変化により変速比(バリエータ入力回転とバリエータ出力回転の比)を無段階に変化させる無段変速機能を備える。プライマリプーリ42は、バリエータ入力軸40の同軸上に配された固定プーリ42aとスライドプーリ42bにより構成され、スライドプーリ42bは、プライマリ圧室45に導かれるプライマリ圧Ppriによりスライド動作する。セカンダリプーリ43は、バリエータ出力軸41の同軸上に配された固定プーリ43aとスライドプーリ43bにより構成され、スライドプーリ43bは、セカンダリ圧室46に導かれるセカンダリ圧Psecによりスライド動作する。プーリベルト44は、プライマリプーリ42のV字形状をなすシーブ面と、セカンダリプーリ43のV字形状をなすシーブ面に掛け渡されている。このプーリベルト44は、環状リングを内から外へ多数重ね合わせた2組の積層リングと、打ち抜き板材により形成され、2組の積層リングに沿って挟み込みにより環状に積層して取り付けられた多数のエレメントにより構成されている。なお、プーリベルト44としては、プーリ進行方向に多数配列したチェーンエレメントを、プーリ軸方向に貫通するピンにより結合したチェーンタイプのベルトであっても良い。
終減速機構5は、バリエータ出力軸41からのバリエータ出力回転を減速すると共に差動機能を与えて左右の駆動輪6,6に伝達する機構である。この終減速機構5は、減速ギア機構として、バリエータ出力軸41に設けられたアウトプットギア52と、アイドラ軸50に設けられたアイドラギア53及びリダクションギア54と、デフケースの外周位置に設けられたファイナルギア55と、を有する。そして、差動ギア機構として、左右のドライブ軸51,51に介装されたディファレンシャルギア56を有する。
エンジン車の制御系は、図1に示すように、油圧制御系を代表する油圧制御ユニット7と、電子制御系を代表するCVTコントロールユニット8と、エンジンコントロールユニット9と、を備えている。
油圧制御ユニット7は、プライマリ圧室45に導かれるプライマリ圧Ppri、セカンダリ圧室46に導かれるセカンダリ圧Psec、前進クラッチ31への前進クラッチ圧Pfc、後退ブレーキ32への後退ブレーキ圧Prb、等を調圧するユニットである。この油圧制御ユニット7は、走行用駆動源であるエンジン1により回転駆動されるオイルポンプ70と、オイルポンプ70からの吐出圧に基づいて各種の制御圧を調圧する油圧制御回路71と、を備える。油圧制御回路71には、ライン圧ソレノイド弁72と、プライマリ圧ソレノイド弁73と、セカンダリ圧ソレノイド弁74と、セレクトソレノイド弁75と、ロックアップ圧ソレノイド弁76と、を有する。なお、各ソレノイド弁72,73,74,75,76は、CVTコントロールユニット8から出力される制御指令値によって各指令圧に調圧する。
ライン圧ソレノイド弁72は、CVTコントロールユニット8から出力されるライン圧指令値に応じ、オイルポンプ70からの吐出圧を、指令されたライン圧PLに調圧する。このライン圧PLは、各種の制御圧を調圧する際の元圧であり、駆動系を伝達するトルクに対してベルト滑りやクラッチ滑りを抑える油圧とされる。
プライマリ圧ソレノイド弁73は、CVTコントロールユニット8から出力されるプライマリ圧指令値に応じ、ライン圧PLを元圧として指令されたプライマリ圧Ppriに減圧調整する。セカンダリ圧ソレノイド弁74は、CVTコントロールユニット8から出力されるセカンダリ圧指令値に応じ、ライン圧PLを元圧として指令されたセカンダリ圧Psecに減圧調整する。
セレクトソレノイド弁75は、CVTコントロールユニット8から出力される前進クラッチ圧指令値又は後退ブレーキ圧指令値に応じ、ライン圧PLを元圧として指令された前進クラッチ圧Pfc又は後退ブレーキ圧Prbに減圧調整する。
ロックアップ圧ソレノイド弁76は、CVTコントロールユニット8から出力されるロックアップ圧指令値に応じ、ロックアップクラッチ20を締結/スリップ締結/解放するロックアップ制御圧PL/Uを調整する。
CVTコントロールユニット8は、ライン圧制御や変速制御や前後進切替制御やロックアップ制御やベルト保護制御等を行う。ライン圧制御では、スロットル開度等に応じた目標ライン圧を得る指令値をライン圧ソレノイド弁72に出力する。変速制御では、目標変速比(目標プライマリ回転Npri*)を決めると、決めた目標変速比(目標プライマリ回転Npri*)を得る指令値をプライマリ圧ソレノイド弁73及びセカンダリ圧ソレノイド弁74に出力する。前後進切替制御では、選択されているレンジ位置に応じて前進クラッチ31と後退ブレーキ32の締結/解放を制御する指令値をセレクトソレノイド弁75に出力する。ロックアップ制御では、ロックアップクラッチ20を締結/スリップ締結/解放するロックアップ制御圧PL/Uを制御する指令値をロックアップ圧ソレノイド弁76に出力する。ベルト保護制御では、プーリベルト44が滑りそうなとき、ヒューズクラッチの容量を下げ、先にヒューズクラッチを滑らせることでベルト滑りを抑える。
CVTコントロールユニット8には、プライマリ回転センサ80、車速センサ81、セカンダリ圧センサ82、油温センサ83、インヒビタスイッチ84、ブレーキスイッチ85、アクセル開度センサ86、プライマリ圧センサ87、セカンダリ回転センサ88、タービン回転センサ89、等からのセンサ情報やスイッチ情報が入力される。
エンジンコントロールユニット9には、エンジン回転センサ12からのセンサ情報が入力される。CVTコントロールユニット8とエンジンコントロールユニット9とは、CAN通信線13により接続されている。例えば、CVTコントロールユニット8からCAN通信線13を介してエンジンコントロールユニット9へとエンジントルクリクエストを出力すると、エンジントルク情報がCAN通信線13を介してCVTコントロールユニット8へもたらされる。
図2は、Dレンジ選択時に自動変速モードでの無段変速制御をバリエータ4により実行する際に用いられるDレンジ無段変速スケジュールの一例を示す。
「Dレンジ変速モード」は、車両運転状態に応じて変速比を自動的に無段階に変更する自動変速モードである。「Dレンジ変速モード」での変速制御は、車速VSP(車速センサ81)とアクセル開度APO(アクセル開度センサ86)により特定される図2のDレンジ無段変速スケジュール上での運転点(VSP,APO)により、目標プライマリ回転数Npri*を決める。そして、プライマリ回転センサ80からのプライマリ回転数Npriを、目標プライマリ回転数Npri*に一致させるプーリ油圧制御により行われる。
即ち、「Dレンジ変速モード」で用いられるDレンジ無段変速スケジュールは、図2に示すように、運転点(VSP,APO)に応じて最Low変速比と最High変速比による変速比幅の範囲内で変速比を無段階に変更するように設定されている。例えば、車速VSPが一定のときは、アクセル踏み込み操作を行うと目標プライマリ回転数Npri*が上昇してダウンシフト方向に変速し、アクセル戻し操作を行うと目標プライマリ回転数Npri*が低下してアップシフト方向に変速する。アクセル開度APOが一定のときは、車速VSPが上昇するとアップシフト方向に変速し、車速VSPが低下するとダウンシフト方向に変速する。
[ベルト保護制御装置の構成]
以下、図3に基づいてベルト保護制御装置の構成を説明する。
以下、図3に基づいてベルト保護制御装置の構成を説明する。
ベルト保護制御装置は、図3に示すように、エンジン1(走行用駆動源)と、トルクコンバータ2と、切替機構3と、バリエータ4と、終減速機構5と、駆動輪6と、CVTコントロールユニット8と、を備えている。そして、CVTコントロールユニット8へ入力情報を提供する主なセンサ・スイッチ類として、エンジン回転センサ12と、セカンダリ圧センサ82と、プライマリ回転センサ80と、タービン回転センサ89と、セカンダリ回転センサ90と、を備えている。
トルクコンバータ2は、締結によりエンジン出力軸11(=トルクコンバータ入力軸)とトルクコンバータ出力軸21を直結可能なロックアップクラッチ20を有する。なお、ロックアップクラッチ20には、多板クラッチと単板クラッチとの2種類がある。
前後進切替機構3は、前進走行レンジ(Dレンジ、Lレンジ)の選択により締結される前進クラッチ31(セレクトクラッチ)と、後退走行レンジ(Rレンジ)の選択により締結される後退ブレーキ32(セレクトクラッチ)と、を並列に有する。
バリエータ4は、プライマリプーリ42と、セカンダリプーリ43と、プライマリプーリ42とセカンダリプーリ43に掛け渡されるプーリベルト44と、を有する。このバリエータ4において、プーリベルト44をクランプするベルト容量は、セカンダリ圧Psecによるセカンダリプーリ押付力により推定される。
CVTコントロールユニット8は、バリエータ4のプーリベルト44が滑りそうなときにヒューズクラッチのクラッチ容量をベルト容量よりも下げ、先にヒューズクラッチを滑らせることでベルト滑りを抑えるベルト保護制御部8aを有する。
ベルト保護制御部8aは、運転シーンによってロックアップクラッチ20とセレクトクラッチ(前進クラッチ31又は後退ブレーキ32)のうち一方のクラッチを選択し、選択したクラッチをヒューズクラッチとして用いる。即ち、ロックアップクラッチ20とセレクトクラッチ31又は32には、それぞれ得意とする締結フェーズが速度比により異なるという特性がある。よって、予想されるイナーシャトルクの大小と、速度比に対する締結の得意領域が異なることを利用し、運転シーン毎にヒューズクラッチを選択する。
具体的な運転シーンの判断と運転シーン毎に選択されるヒューズクラッチは、下記の通りとしている。
(A) ロックアップクラッチ20を締結しているロックアップ締結運転シーンか解放しているロックアップ解放運転シーンかを判断する。そして、ロックアップ解放運転シーンと判断された場合、ヒューズクラッチとしてセレクトクラッチ(前進クラッチ31又は後退ブレーキ32)を用いる。
(B) ロックアップ締結運転シーンと判断された場合、イナーシャトルク予想値が所定のトルク閾値以下である否かを判断する。そして、イナーシャトルク予想値がトルク閾値を超える運転シーンであると判断された場合、ヒューズクラッチとしてセレクトクラッチ(前進クラッチ31又は後退ブレーキ32)を用いる。
(C) 予想されるイナーシャトルクがトルク閾値以下の運転シーンであると判断された場合、ロックアップクラッチ20が多板クラッチか単板クラッチかを判断する。そして、多板クラッチを用いる運転シーンと判断された場合、ヒューズクラッチとしてロックアップクラッチ20を用いる
(D) ロックアップクラッチ20が単板クラッチを用いる運転シーンと判断された場合、ベルト保護制御におけるトルクコンバータ2の速度比を予測する。そして、速度比が速度比閾値以下の領域による運転シーンと判断された場合、ヒューズクラッチとしてロックアップクラッチ20を用いる。一方、速度比が速度比閾値を超える領域による運転シーンと判断された場合、ヒューズクラッチとしてセレクトクラッチ(前進クラッチ31又は後退ブレーキ32)を用いる。
(A) ロックアップクラッチ20を締結しているロックアップ締結運転シーンか解放しているロックアップ解放運転シーンかを判断する。そして、ロックアップ解放運転シーンと判断された場合、ヒューズクラッチとしてセレクトクラッチ(前進クラッチ31又は後退ブレーキ32)を用いる。
(B) ロックアップ締結運転シーンと判断された場合、イナーシャトルク予想値が所定のトルク閾値以下である否かを判断する。そして、イナーシャトルク予想値がトルク閾値を超える運転シーンであると判断された場合、ヒューズクラッチとしてセレクトクラッチ(前進クラッチ31又は後退ブレーキ32)を用いる。
(C) 予想されるイナーシャトルクがトルク閾値以下の運転シーンであると判断された場合、ロックアップクラッチ20が多板クラッチか単板クラッチかを判断する。そして、多板クラッチを用いる運転シーンと判断された場合、ヒューズクラッチとしてロックアップクラッチ20を用いる
(D) ロックアップクラッチ20が単板クラッチを用いる運転シーンと判断された場合、ベルト保護制御におけるトルクコンバータ2の速度比を予測する。そして、速度比が速度比閾値以下の領域による運転シーンと判断された場合、ヒューズクラッチとしてロックアップクラッチ20を用いる。一方、速度比が速度比閾値を超える領域による運転シーンと判断された場合、ヒューズクラッチとしてセレクトクラッチ(前進クラッチ31又は後退ブレーキ32)を用いる。
[ベルト保護制御処理構成]
図4は、実施例1のCVTコントロールユニット8のベルト保護制御部8aにて実行されるベルト保護制御処理の流れを示す。以下、図4の各ステップについて詳細に説明する。なお、「L/U」は、「ロックアップ」の省略をあらわす。
図4は、実施例1のCVTコントロールユニット8のベルト保護制御部8aにて実行されるベルト保護制御処理の流れを示す。以下、図4の各ステップについて詳細に説明する。なお、「L/U」は、「ロックアップ」の省略をあらわす。
ステップS1では、スタートに続き、L/Uクラッチ20を締結しているL/U締結運転シーンであるか否かを判断する。YES(L/U締結運転シーン)の場合はステップS3へ進み、NO(L/U解放運転シーン)の場合はステップS2へ進む。
ここで、L/Uクラッチ20を締結しているか否かは、CVTコントロールユニット8のロックアップ制御において演算されるロックアップ圧指令値により判断する。或いは、L/Uクラッチ20の差回転数(エンジン回転数Neとタービン回転数Ntの差回転数ΔN)を監視し、例えば、差回転数ΔN≦締結判断閾値(締結)や差回転数ΔN>締結判断閾値(解放)により判断する。
ステップS2では、ステップS1でのL/U解放運転シーンであるとの判断に続き、ヒューズクラッチとしてセレクトクラッチ(前進クラッチ31又は後退ブレーキ32)を選択し、ステップS10へ進む。
ここで、ステップS2においては「セレクト1」として分類されるベルト保護制御モードとする。「セレクト1」では、選択されたセレクトクラッチ31又は32が熱条件OKの場合は、ベルト保護制御においてセレクトクラッチ31又は32の締結容量を下げる。熱条件NGの場合であって耐久性優先の場合は、ベルト保護制御においてセレクトクラッチ31又は32を解放する。熱条件NGの場合であって燃費又は運転性優先の場合は、ベルト保護制御においてセレクトクラッチ31又は32の締結容量を下げる。
ステップS3では、ステップS1でのL/U締結運転シーンであるとの判断に続き、イナーシャトルク予測値が、トルク閾値以下であるか否かを判断する。YES(イナーシャトルク予測値≦トルク閾値)の場合はステップS5へ進み、NO(イナーシャトルク予測値>トルク閾値)の場合はステップS4へ進む。
ここで、「イナーシャトルク予測値」は、
T=I・ω’ …(1)
T:イナーシャトルク予測値、I:回転運動系の慣性モーメント、ω’:回転角加速度
という式(1)を用い、L/Uクラッチ20が締結状態での回転数や回転運動系の質量を用いて予測されるイナーシャトルクの値を演算する。
「トルク閾値」は、L/Uクラッチ20がヒューズクラッチとして選択された場合にベルト保護を達成し得るトルク上限値に設定される。言い換えると、イナーシャトルク予測値>トルク閾値と判断される場合、L/Uクラッチ20がヒューズクラッチとして選択されるとベルト保護を達成し得ないことを意味する。
T=I・ω’ …(1)
T:イナーシャトルク予測値、I:回転運動系の慣性モーメント、ω’:回転角加速度
という式(1)を用い、L/Uクラッチ20が締結状態での回転数や回転運動系の質量を用いて予測されるイナーシャトルクの値を演算する。
「トルク閾値」は、L/Uクラッチ20がヒューズクラッチとして選択された場合にベルト保護を達成し得るトルク上限値に設定される。言い換えると、イナーシャトルク予測値>トルク閾値と判断される場合、L/Uクラッチ20がヒューズクラッチとして選択されるとベルト保護を達成し得ないことを意味する。
ステップS4では、ステップS3でのイナーシャトルク予測値>トルク閾値であるとの判断に続き、ヒューズクラッチとしてセレクトクラッチ(前進クラッチ31又は後退ブレーキ32)を選択し、ステップS10へ進む。
ここで、ステップS4においては「セレクト2」として分類されるベルト保護制御モードとする。「セレクト2」では、選択されたセレクトクラッチ31又は32が熱条件OKの場合は、ベルト保護制御においてセレクトクラッチ31又は32の締結容量を下げる。熱条件NGの場合であって耐久性優先(耐久性>燃費>運転性)の場合は、ベルト保護制御においてセレクトクラッチ31又は32を解放する。熱条件NGの場合であって耐久性優先(耐久性>運転性>燃費)の場合は、ベルト保護制御においてセレクトクラッチ31又は32を解放すると共にL/Uクラッチ20を解放する。熱条件NGの場合であって運転性優先(運転性>耐久性>燃費)の場合は、ベルト保護制御においてセレクトクラッチ31又は32を解放すると共にL/Uクラッチ20を解放する。熱条件NGの場合であって運転性優先(運転性>燃費>耐久性)の場合は、ベルト保護制御においてセレクトクラッチ31又は32の締結容量を下げると共にL/Uクラッチ20を解放する。
ステップS5では、ステップS3でのイナーシャトルク予測値≦トルク閾値であるとの判断に続き、L/Uクラッチ20は単板であるか否かを判断する。YES(単板クラッチ)の場合はステップS7へ進み、NO(多板クラッチ)の場合はステップS6へ進む。
ステップS6では、ステップS5での多板クラッチであるとの判断に続き、ヒューズクラッチとしてL/Uクラッチ20を選択し、ステップS10へ進む。
ここで、ステップS6においては「L/U1」として分類されるベルト保護制御モードとする。「L/U1」では、選択されたL/Uクラッチ20が熱条件OKの場合は、ベルト保護制御においてL/Uクラッチ20の締結容量を下げる。熱条件NGの場合であって耐久性・燃費>運転性の場合は、ヒューズクラッチをL/Uクラッチ20からセレクトクラッチ31又は32に切り替える。熱条件NGの場合であって耐久性・運転性>燃費の場合は、ベルト保護制御においてL/Uクラッチ20を解放する。熱条件NGの場合であって運転性・燃費>耐久性の場合は、ベルト保護制御においてL/Uクラッチ20の締結容量を下げる。
なお、ヒューズクラッチをL/Uクラッチ20からセレクトクラッチ31又は32に切り替えたとき、セレクトクラッチ31又は32が熱NGの場合であって耐久性>運転性>燃費である場合は、ベルト保護制御においてL/Uクラッチ20を解放する。
ステップS7では、ステップS5での単板クラッチであるとの判断に続き、ベルト保護制御におけるトルクコンバータ2の予測される速度比(=出力軸回転速度/入力軸回転速度)が、速度比閾値以下であるか否かを判断する。YES(速度比≦速度比閾値)の場合はステップS9へ進み、NO(速度比>速度比閾値)の場合はステップS8へ進む。
ここで、「ベルト保護制御におけるトルクコンバータ2の予測される速度比」は、L/Uクラッチ20をヒューズクラッチとしたとき、クラッチ容量低下によるトルクコンバータ2の速度比の変化を予測することで求める。「速度比閾値」は、L/Uクラッチ20でのベルト保護制御性が確保される上限値に設定する。言い換えると、速度比>速度比閾値と判断された場合、L/Uクラッチ20がヒューズクラッチとして選択されると、ベルト保護制御性が確保されないことを意味する。
ステップS8では、ステップS7での速度比>速度比閾値であるとの判断に続き、ヒューズクラッチとしてセレクトクラッチ(前進クラッチ31又は後退ブレーキ32)を選択し、ステップS10へ進む。
ここで、ステップS8においては「セレクト3」として分類されるベルト保護制御モードとする。「セレクト3」では、選択されたセレクトクラッチ31又は32が熱条件OKの場合は、ベルト保護制御においてセレクトクラッチ31又は32の締結容量を下げる。熱条件NGの場合であって耐久性・燃費>運転性の場合は、ヒューズクラッチをセレクトクラッチ31又は32からL/Uクラッチ20に切り替える。熱条件NGの場合であって耐久性・運転性>燃費の場合は、ベルト保護制御においてL/Uクラッチ20を解放する。熱条件NGの場合であって運転性・燃費>耐久性の場合は、ベルト保護制御においてセレクトクラッチ31又は32の締結容量を下げる。
なお、ヒューズクラッチをセレクトクラッチ31又は32からL/Uクラッチ20に切り替えたとき、L/Uクラッチ20が熱NGの場合であって耐久性>運転性>燃費である場合は、ベルト保護制御においてL/Uクラッチ20を解放する。
ステップS9では、ステップS7での速度比≦速度比閾値であるとの判断に続き、ヒューズクラッチとしてL/Uクラッチ20を選択し、ステップS10へ進む。
ここで、ステップS9においては、ステップS6と同様に、「L/U1」として分類されるベルト保護制御モードとする。
ステップS10では、ステップS2,S4,S6、S8,S9の何れかのステップでのヒューズクラッチの選択に続き、ベルト保護制御開始条件が成立したか否かを判断する。YES(ベルト保護制御開始条件成立)の場合はステップS12へ進み、NO(ベルト保護制御開始条件不成立)の場合はステップS11へ進む。
ここで、「ベルト保護制御開始条件」とは、プーリベルト44が滑りそうな走行条件(発進時、急加速時、急減速時、低μ路走行時、凹凸路走行時、等)をいう。
ステップS11では、ステップS10でのベルト保護制御開始条件不成立であるとの判断に続き、通常制御を実行し、リターンへ進む。
ここで、通常制御とは、L/Uクラッチ20の場合、通常のロックアップ制御にしたがってL/Uクラッチ20を締結/スリップ締結/解放する制御をいう。セレクトクラッチ31又は32の場合、DレンジやLレンジの選択により前進クラッチ31を締結し、Rレンジの選択時に後退ブレーキ32を締結し、その他のレンジ位置選択により前進クラッチ31と後退ブレーキ32を解放する制御をいう。
ステップS12では、ステップS10でのベルト保護制御開始条件成立であるとの判断、或いは、ステップS13でのベルト保護制御復帰条件不成立であるとの判断に続き、選択されたヒューズクラッチの締結容量をベルト容量よりも低下し(但し、熱OK)、ステップS13へ進む。
ステップS13では、ステップS12でのヒューズクラッチの容量低下に続き、ベルト保護制御復帰条件が成立したか否かを判断する。YES(ベルト保護制御復帰条件成立)の場合はステップS14へ進み、NO(ベルト保護制御復帰条件不成立)の場合はステップS12へ戻る。
ここで、「ベルト保護制御復帰条件」とは、プーリベルト44の滑り発生が懸念されることのない走行条件(高μ路での定速走行時等)をいう。
ステップS14では、ステップS13でのベルト保護制御復帰条件成立に続き、選択されたヒューズクラッチの締結容量を、低下させた締結容量から通常制御での締結容量まで復帰させる制御を行い、リターンへ進む。
実施例1の作用を、「ベルト保護制御処理作用」、「ヒューズクラッチをイナーシャトルク予想値で切り分ける理由」、「L/Uクラッチの種類と運転シーンによるヒューズクラッチ選択作用」に分けて説明する。
[ベルト保護制御処理作用]
L/U解放運転シーンの場合は、図4のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2へと進む。ステップS2では、ヒューズクラッチとしてセレクトクラッチ(前進クラッチ31又は後退ブレーキ32)が選択される。
L/U解放運転シーンの場合は、図4のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2へと進む。ステップS2では、ヒューズクラッチとしてセレクトクラッチ(前進クラッチ31又は後退ブレーキ32)が選択される。
即ち、ロックアップ制御では、車速ゼロから所定車速までL/Uクラッチ20を解放し、所定車速以上になるとL/Uクラッチ20を締結する制御が行われる。つまり、L/U解放運転シーンは、発進開始から所定車速に達するまでの発進領域であり、トルクコンバータ2のトルク増大作用を利用し、十分な駆動トルクを確保したい運転シーンである。
したがって、L/U解放運転シーンでは、ヒューズクラッチとしてセレクトクラッチ31又は32を選択することで、発進に必要な駆動トルクを確保しながら、ベルト保護制御によりプーリベルト44の滑りを抑えることができる。
次に、L/Uクラッチ20が締結され、かつ、イナーシャトルク予測値>トルク閾値である運転シーンの場合は、図4のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS3→ステップS4へと進む。ステップS4では、ヒューズクラッチとしてセレクトクラッチ(前進クラッチ31又は後退ブレーキ32)が選択される。
即ち、L/Uクラッチ20がヒューズクラッチとして選択された場合のL/U分担イナーシャと、セレクトクラッチ31又は32がヒューズクラッチとして選択された場合のセレクト分担イナーシャとは、図5に示すように、L/U分担イナーシャ<セレクト分担イナーシャの関係にある。一方、ベルト保護制御では、イナーシャトルク<ベルト容量を満たす必要がある。このため、イナーシャトルク予測値>トルク閾値と判断される場合、L/Uクラッチ20がヒューズクラッチとして選択されると、全体イナーシャからL/U分担イナーシャを差し引いたイナーシャトルクが、ベルト容量を超えることがあり、ベルト保護を達成できない。
したがって、L/Uクラッチ20が締結され、かつ、イナーシャトルク予測値>トルク閾値である運転シーンでは、ヒューズクラッチとしてセレクトクラッチ31又は32を選択することで、プーリベルト44の滑りを抑えるベルト保護制御を行うことができる。このとき、L/Uクラッチ20は、図6及び図7に示すように、多板クラッチであっても単板クラッチであっても同様である。
次に、締結されているL/Uクラッチ20が多板であり、イナーシャトルク予測値≦トルク閾値である運転シーンの場合は、図4のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS3→ステップS5→ステップS6へと進む。ステップS6では、ヒューズクラッチとしてL/Uクラッチ20が選択される。
即ち、多板のL/Uクラッチ20は、多板のセレクトクラッチ31又は32と同様に、速度比に対する締結の得意領域について相違しない。そして、イナーシャトルク予測値≦トルク閾値と判断される場合、L/Uクラッチ20がヒューズクラッチとして選択されると、全体イナーシャからL/U分担イナーシャを差し引いたイナーシャトルクが、ベルト容量を超えることがない。このため、L/Uクラッチ20が多板であると、イナーシャトルク予測値≦トルク閾値である場合、図6に示すように、ヒューズクラッチとしてL/Uクラッチ20を選択することが可能である。
したがって、締結されているL/Uクラッチ20が多板であり、イナーシャトルク予測値≦トルク閾値である運転シーンでは、L/Uクラッチ20をヒューズクラッチとして選択しながら、プーリベルト44の滑りを抑えるベルト保護制御を行うことができる。そして、ヒューズクラッチとしてL/Uクラッチ20を選択すると、ヒューズクラッチとしてセレクトクラッチ31又は32を選択する場合のセレクト分担イナーシャに比べ、L/U分担イナーシャが小さい(図5参照)。このため、L/Uクラッチ20をヒューズクラッチとして選択すると、ベルト保護制御から復帰するときの締結ショックが小さくなり、運転性が改善される。
次に、締結されているL/Uクラッチ20が単板であり、イナーシャトルク予測値≦トルク閾値であり、かつ、速度比>速度比閾値である運転シーンとする。この場合は、図4のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS3→ステップS5→ステップS7→ステップS8へと進む。ステップS8では、ヒューズクラッチとしてセレクトクラッチ31又は32が選択される。
一方、締結されているL/Uクラッチ20が単板であり、イナーシャトルク予測値≦トルク閾値であり、かつ、速度比≦速度比閾値である運転シーンとする。この場合は、図4のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS3→ステップS5→ステップS7→ステップS9へと進む。ステップS9では、ヒューズクラッチとしてL/Uクラッチ20が選択される。
即ち、単板のL/Uクラッチ20は、速度比に対する締結の得意領域について多板のセレクトクラッチ31又は32と相違する。つまり、単板のL/Uクラッチ20は、多板のL/Uクラッチに比べて締結の得意領域が狭く、速度比=1の近傍の締結領域ではベルト保護制御性が低下する。このため、速度比>速度比閾値であるか速度比≦速度比閾値であるかによってヒューズクラッチの選択を切り分ける。つまり、L/Uクラッチ20が単板の場合、図7に示すように、速度比>速度比閾値である場合は、セレクトクラッチ31又は32をヒューズクラッチとして選択し、速度比>速度比閾値である場合は、L/Uクラッチ20をヒューズクラッチとして選択する。
したがって、締結されているL/Uクラッチ20が単板であり、イナーシャトルク予測値≦トルク閾値、かつ、速度比>速度比閾値である運転シーンにおいては、セレクトクラッチ31又は32をヒューズクラッチとして選択する。このヒューズクラッチ選択により、ヒューズクラッチとして単板のL/Uクラッチ20を選択する場合のベルト保護制御性の低下が改善される。
一方、締結されているL/Uクラッチ20が単板であり、イナーシャトルク予測値≦トルク閾値、かつ、速度比≦速度比閾値である運転シーンにおいては、L/Uクラッチ20をヒューズクラッチとして選択する。このヒューズクラッチ選択により、ベルト保護制御から復帰するときの締結ショックが小さくなり、運転性が改善される。
以上のステップS1〜ステップS9の処理により、ベルト保護制御で用いるヒューズクラッチが選択されると、ステップS10へ進み、ステップS10では、ベルト保護制御開始条件が成立したか否かが判断される。ベルト保護制御開始条件が不成立である間は、ステップS10からステップS11→リターンへと進み、通常制御が実行される。
一方、ベルト保護制御開始条件が成立すると、ステップS10からステップS12→ステップS13へと進み、ベルト保護制御開始条件が成立するまで、ステップS12→ステップS13へと進む流れが繰り返される。つまり、ベルト保護制御開始条件が成立したときに選択されているクラッチをヒューズクラッチとしてベルト保護制御が実行される。このベルト保護制御では、熱OKである限り、選択されたヒューズクラッチの締結容量をベルト容量よりも低下させる制御が行われる。そして、ステップS13にてベルト保護制御復帰条件が成立すると、ステップS13からステップS14へ進み、ステップS14では、選択されたヒューズクラッチの締結容量を、低下させた締結容量から通常制御での締結容量まで復帰させる制御が行われ、リターンへ進む。
[ヒューズクラッチをイナーシャトルク予想値で切り分ける理由]
以下、図8〜図12に基づいてヒューズクラッチをイナーシャトルク予想値で切り分ける理由を説明する。なお、図5の(1),(2)は、図8〜図12の(1),(2)に対応する。
以下、図8〜図12に基づいてヒューズクラッチをイナーシャトルク予想値で切り分ける理由を説明する。なお、図5の(1),(2)は、図8〜図12の(1),(2)に対応する。
まず、イナーシャトルクTは、上記式(1)に記載したように、T=I・ω’であり、回転数の変化率である回転角加速度ω’によって全体イナーシャトルクの大きさは変わります。そこで、セカンダリプーリ43を基準に全体イナーシャトルクを考えると、図8に示すように、(1)+(2)+「Priプーリ軸&ベルト」になる。
ここで、L/Uクラッチ20をヒューズクラッチとして使うと、(1)を考慮しなくてよくなり、図9に示すように、(2)+「Priプーリ軸&ベルト」、つまり、全体イナーシャトルクからL/U分担イナーシャを差し引いたイナーシャトルクになる。
さらに、セレクトクラッチ31又は32をヒューズクラッチとして使うと、さらに、(1)及び(2)を共に考慮しなくて良くなり、図10に示すように、「Priプーリ軸&ベルト」、つまり、全体イナーシャトルクからセレクト分担イナーシャを差し引いたイナーシャトルクになる。
そもそもヒューズクラッチを使って一番やりたいことはベルト保護なので、図11に示すように、イナーシャトルク<ベルト容量が満たせるならば、L/Uクラッチ20をヒューズクラッチとして使うことができる。そして、図12に示すように、イナーシャトルク<ベルト容量が満たせるならば、セレクトクラッチ31又は32をヒューズクラッチとして使うことができる。
このように、L/Uクラッチ20でもセレクトクラッチ31又は32のどちらのクラッチでもヒューズクラッチとして用いてもよく、これが、運転シーン別でヒューズクラッチを選択することができる理由である。つまり、イナーシャトルク予想値が小さく、図11に示すイナーシャトルク<ベルト容量が満たせる運転シーンでは、L/Uクラッチ20をヒューズクラッチとして用いることができる。
しかし、イナーシャトルク予想値が大きい運転シーンでは、イナーシャトルク<ベルト容量の関係を満たすためにセレクトクラッチ31又は32をヒューズクラッチとして使わざるを得なくなる。具体的には、イナーシャトルク予想値は、回転角加速度ω’が大きくなるとき、即ち、駆動輪6のスピン量が大きい場合と、車速変化が大きい場合に大きくなる。このため、スピンリカバー時や急減速時等では、イナーシャトルク予想値が大きくなり、セレクトクラッチ31又は32をヒューズクラッチとして使わざるを得ない。
逆に、スピンリカバー時や急減速時以外の運転シーン(例えば、微小な段差路走行シーンや凸凹路走行シーン等)では、回転角加速度ω’が小さくなるので、イナーシャトルク予想値の大小で切り分けができる。車両に実装する場合は、例えば、ブレーキオンで急減速を予想してイナーシャトルク予想値を演算し、イナーシャトルク予想値>トルク閾値になると、セレクトクラッチ31又は32の使用に切り替える。又、スピン量でイナーシャトルク予想値を演算し、イナーシャトルク予想値>トルク閾値になると、ヒューズクラッチをセレクトクラッチ31又は32の使用に切り替える。
[L/Uクラッチの種類と運転シーンによるヒューズクラッチ選択作用]
(運転条件)
多板のセレクトクラッチ31又は32と単板のL/Uクラッチ20では、トルクコンバータ2の速度比に対する締結の得意領域が異なる。正確に記すと、単板のL/Uクラッチ20の方が多板のセレクトクラッチ31又は32よりも得意領域が狭い。そして、速度比が1に近い又は速度比が1以上の領域は単板クラッチの制御性が悪いが、速度比が1以下で、かつ、速度比が1より遠い領域では単板のL/Uクラッチ20の制御性も高い 。これが、ヒューズクラッチを速度比で切り分ける理由である。
(運転条件)
多板のセレクトクラッチ31又は32と単板のL/Uクラッチ20では、トルクコンバータ2の速度比に対する締結の得意領域が異なる。正確に記すと、単板のL/Uクラッチ20の方が多板のセレクトクラッチ31又は32よりも得意領域が狭い。そして、速度比が1に近い又は速度比が1以上の領域は単板クラッチの制御性が悪いが、速度比が1以下で、かつ、速度比が1より遠い領域では単板のL/Uクラッチ20の制御性も高い 。これが、ヒューズクラッチを速度比で切り分ける理由である。
また、回転が急変した際に予想されるイナーシャトルクは、セレクト分担イナーシャの方が大きく、L/U分担イナーシャの方が小さい。このため、予想されるイナーシャトルクが大きい場合はセレクトクラッチ31又は32を、予想されるイナーシャトルクが小さい場合はL/Uクラッチ20をヒューズクラッチとすると、ベルト保護と再締結時の運転性が両立できる。
よって、イナーシャトルク予想値と、ベルト保護制御による速度比の変化によって運転シーンを判断し、ヒューズクラッチとして使用するクラッチを、L/Uクラッチ20とセレクトクラッチ31又は32から選択する。
(多板L/Uの場合)
予想されるイナーシャトルク(イナーシャトルク予想値)のみを用いて使用するヒューズクラッチを選択する(図6)。
予想されるイナーシャトルク(イナーシャトルク予想値)のみを用いて使用するヒューズクラッチを選択する(図6)。
発進シーン:L/Uクラッチ20が締結前の解放状態であるため、セレクトクラッチ31又は32を使用する。
アクセル踏み込み操作によるドライブ運転シーン:継ぎ目のある高速道路や凸凹路等でのドライブ巡航時やドライブ加速時においては、イナーシャトルク予想値がトルク閾値より小さいため、L/Uクラッチ20をヒューズクラッチとして使用する。
アクセル足離し操作によるコースト運転シーン:継ぎ目のある高速道路や凸凹路等でのアクセルオフ減速時においては、イナーシャトルク予想値がトルク閾値より小さいため、L/Uクラッチ20をヒューズクラッチとして使用する。
継ぎ目のある高速道路や凸凹路等でのブレーキ減速時においては、イナーシャトルク予想値がトルク閾値より大きくなるため、セレクトクラッチ31又は32をヒューズクラッチとして使用する。
継ぎ目のある高速道路や凸凹路等でのブレーキ減速時においては、イナーシャトルク予想値がトルク閾値より大きくなるため、セレクトクラッチ31又は32をヒューズクラッチとして使用する。
ホイルスピンが発生する運転シーン:低μ路走行時においては、ホイルスピンが発生するとイナーシャトルク予想値がトルク閾値より大きくなるため、セレクトクラッチ31又は32をヒューズクラッチとして使用する。
(単板L/Uの場合)
イナーシャトルク予想値と、ベルト保護制御によるトルクコンバータ2の速度比の変化との両方を用い、使用するヒューズクラッチを選択する(図7)。
イナーシャトルク予想値と、ベルト保護制御によるトルクコンバータ2の速度比の変化との両方を用い、使用するヒューズクラッチを選択する(図7)。
発進シーン:L/Uクラッチ20が締結前の解放状態であるため、セレクトクラッチ31又は32を使用する。
アクセル踏み込み操作によるドライブ運転シーン:継ぎ目のある高速道路や凸凹路等でのドライブ巡航時においては、イナーシャトルク予想値がトルク閾値より小さいが、一瞬滑っても速度比の変化量が小さいため、セレクトクラッチ31又は32をヒューズクラッチとして使用する。
継ぎ目のある高速道路や凸凹路等でのドライブ加速時においては、イナーシャトルク予想値がトルク閾値より小さいが、滑った後に速度比が小さくなりやすいため、L/Uクラッチ20をヒューズクラッチとして使用する。
継ぎ目のある高速道路や凸凹路等でのドライブ加速時においては、イナーシャトルク予想値がトルク閾値より小さいが、滑った後に速度比が小さくなりやすいため、L/Uクラッチ20をヒューズクラッチとして使用する。
アクセル足離し操作によるコースト運転シーン:継ぎ目のある高速道路や凸凹路等でのアクセルオフ減速時やブレーキ減速時においては、イナーシャトルク予想値の大きさにかかわらず、滑った後の速度比変化が小さくなりやすいか、或いは、速度比が1以上になりやすい。このため、セレクトクラッチ31又は32をヒューズクラッチとして使用する。
ホイルスピンが発生する運転シーン:低μ路走行時においては、ホイルスピンが発生するとイナーシャトルク予想値がトルク閾値より大きくなるため、セレクトクラッチ31又は32をヒューズクラッチとして使用する。
実施例1のベルト式無段変速機CVTの制御装置にあっては、下記に列挙する効果が得られる。
(1) 走行用駆動源(エンジン1)と駆動輪6との間に配されるトルクコンバータ2及びバリエータ4と、トルクコンバータ2に有し、締結によりトルクコンバータ入出力軸を直結するロックアップクラッチ20と、バリエータ4に有し、走行レンジの選択により締結されるセレクトクラッチ(前進クラッチ31、後退ブレーキ32)と、を備える。
このベルト式無段変速機CVTにおいて、バリエータ4のベルト(プーリベルト44)が滑りそうなときにヒューズクラッチの容量を下げ、先にヒューズクラッチを滑らせることでベルト滑りを抑えるベルト保護制御部8aを設ける。
ベルト保護制御部8aは、運転シーンによってロックアップクラッチ20とセレクトクラッチ(前進クラッチ31又は後退ブレーキ32)のうち一方のクラッチを選択し、選択したクラッチをヒューズクラッチとして用いる。
このため、ベルト保護制御を行うに際し、ヒューズクラッチ再締結時の運転性の改善とヒューズクラッチの耐久信頼性の改善をすることができる。ここで、ヒューズクラッチ再締結時の運転性(ショック)の改善は、セレクトクラッチよりロックアップクラッチ20の方が分担するイナーシャがちいさいため、ベルト保護制御を復帰する再締結時にショックが小さくなることによる。ヒューズクラッチの耐久信頼性の改善は、発熱時にヒューズクラッチを切り替えることで、熱によるダメージを減らせることによる。
このベルト式無段変速機CVTにおいて、バリエータ4のベルト(プーリベルト44)が滑りそうなときにヒューズクラッチの容量を下げ、先にヒューズクラッチを滑らせることでベルト滑りを抑えるベルト保護制御部8aを設ける。
ベルト保護制御部8aは、運転シーンによってロックアップクラッチ20とセレクトクラッチ(前進クラッチ31又は後退ブレーキ32)のうち一方のクラッチを選択し、選択したクラッチをヒューズクラッチとして用いる。
このため、ベルト保護制御を行うに際し、ヒューズクラッチ再締結時の運転性の改善とヒューズクラッチの耐久信頼性の改善をすることができる。ここで、ヒューズクラッチ再締結時の運転性(ショック)の改善は、セレクトクラッチよりロックアップクラッチ20の方が分担するイナーシャがちいさいため、ベルト保護制御を復帰する再締結時にショックが小さくなることによる。ヒューズクラッチの耐久信頼性の改善は、発熱時にヒューズクラッチを切り替えることで、熱によるダメージを減らせることによる。
(2) ベルト保護制御部8aは、ロックアップクラッチ20を締結しているロックアップ締結運転シーンか解放しているロックアップ解放運転シーンかを判断する。
ロックアップ解放運転シーンと判断された場合、ヒューズクラッチとしてセレクトクラッチ(前進クラッチ31又は後退ブレーキ32)を用いる(図4のS1→S2)。
このため、ロックアップクラッチ20が解放される発進シーンにおいて、発進に必要な駆動トルクを確保しながら、ベルト保護制御によりベルト(プーリベルト44)の滑りを抑えることができる。
ロックアップ解放運転シーンと判断された場合、ヒューズクラッチとしてセレクトクラッチ(前進クラッチ31又は後退ブレーキ32)を用いる(図4のS1→S2)。
このため、ロックアップクラッチ20が解放される発進シーンにおいて、発進に必要な駆動トルクを確保しながら、ベルト保護制御によりベルト(プーリベルト44)の滑りを抑えることができる。
(3) ベルト保護制御部8aは、ロックアップ締結運転シーンと判断された場合、イナーシャトルク予想値が所定のトルク閾値以下である否かを判断する。
イナーシャトルク予想値がトルク閾値を超える運転シーンであると判断された場合、ヒューズクラッチとしてセレクトクラッチ(前進クラッチ31又は後退ブレーキ32)を用いる(図4のS1→S3→S4)。
このため、イナーシャトルク予想値がトルク閾値を超えるロックアップ締結運転シーンにおいて、ロックアップクラッチ20が多板であるか単板であるかにかかわらず、ベルト(プーリベルト44)の滑りを抑えるベルト保護制御を行うことができる。
イナーシャトルク予想値がトルク閾値を超える運転シーンであると判断された場合、ヒューズクラッチとしてセレクトクラッチ(前進クラッチ31又は後退ブレーキ32)を用いる(図4のS1→S3→S4)。
このため、イナーシャトルク予想値がトルク閾値を超えるロックアップ締結運転シーンにおいて、ロックアップクラッチ20が多板であるか単板であるかにかかわらず、ベルト(プーリベルト44)の滑りを抑えるベルト保護制御を行うことができる。
(4) ベルト保護制御部8aは、イナーシャトルク予想値がトルク閾値以下の運転シーンであると判断された場合、ロックアップクラッチ20が多板クラッチか単板クラッチかを判断する。
多板クラッチを用いる運転シーンと判断された場合、ヒューズクラッチとしてロックアップクラッチ20を用いる(図4のS1→S3→S5→S6)。
このため、ロックアップクラッチ20が多板であり、イナーシャトルク予想値がトルク閾値以下の運転シーンにおいて、ヒューズクラッチ再締結時の運転性を改善することができる。ここで、運転性を改善することができるのは、L/Uクラッチ20をヒューズクラッチとして選択することで、ベルト保護制御から復帰するときの締結ショックが小さくなることによる。
多板クラッチを用いる運転シーンと判断された場合、ヒューズクラッチとしてロックアップクラッチ20を用いる(図4のS1→S3→S5→S6)。
このため、ロックアップクラッチ20が多板であり、イナーシャトルク予想値がトルク閾値以下の運転シーンにおいて、ヒューズクラッチ再締結時の運転性を改善することができる。ここで、運転性を改善することができるのは、L/Uクラッチ20をヒューズクラッチとして選択することで、ベルト保護制御から復帰するときの締結ショックが小さくなることによる。
(5) ベルト保護制御部8aは、ロックアップクラッチ20が単板クラッチを用いる運転シーンと判断された場合、ベルト保護制御におけるトルクコンバータ2の速度比を予測する。
速度比が速度比閾値以下の領域による運転シーンと判断された場合、ヒューズクラッチとしてロックアップクラッチ20を用いる(図4のS1→S3→S5→S7→S9)。
速度比が速度比閾値を超える領域による運転シーンと判断された場合、ヒューズクラッチとしてセレクトクラッチ(前進クラッチ31又は後退ブレーキ32)を用いる(図4のS1→S3→S5→S7→S8)。
このため、締結されているL/Uクラッチ20が単板であり、イナーシャトルク予測値≦トルク閾値である運転シーンにおいて、運転性改善とベルト保護制御性の低下改善とを両立することができる。ここで、運転性改善は、速度比≦速度比閾値である場合、ロックアップクラッチ20をヒューズクラッチとして選択することで達成される。ベルト保護制御性の低下改善は、速度比>速度比閾値である場合、セレクトクラッチ(前進クラッチ31又は後退ブレーキ32)をヒューズクラッチとして選択することで達成される。
速度比が速度比閾値以下の領域による運転シーンと判断された場合、ヒューズクラッチとしてロックアップクラッチ20を用いる(図4のS1→S3→S5→S7→S9)。
速度比が速度比閾値を超える領域による運転シーンと判断された場合、ヒューズクラッチとしてセレクトクラッチ(前進クラッチ31又は後退ブレーキ32)を用いる(図4のS1→S3→S5→S7→S8)。
このため、締結されているL/Uクラッチ20が単板であり、イナーシャトルク予測値≦トルク閾値である運転シーンにおいて、運転性改善とベルト保護制御性の低下改善とを両立することができる。ここで、運転性改善は、速度比≦速度比閾値である場合、ロックアップクラッチ20をヒューズクラッチとして選択することで達成される。ベルト保護制御性の低下改善は、速度比>速度比閾値である場合、セレクトクラッチ(前進クラッチ31又は後退ブレーキ32)をヒューズクラッチとして選択することで達成される。
以上、本発明のベルト式無段変速機の制御装置を実施例1に基づき説明してきた。しかし、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、ベルト保護制御部8aとして、運転シーンをイナーシャトルク予想値と速度比を用いて切り分け、ヒューズクラッチを選択する例を示した。しかし、ベルト保護制御部としては、運転シーンをイナーシャトルク予想値のみを用いて切り分け、ヒューズクラッチを選択する例としても良い。又、運転シーンを速度比のみを用いて切り分け、ヒューズクラッチを選択する例としても良い。さらに、運転シーンをイナーシャトルク予想値と速度比以外に新たな運転条件を加えて切り分け、ヒューズクラッチを選択する例としても良い。
実施例1では、本発明の制御装置を、トルクコンバータと前後進切替機構とバリエータと終減速機構により構成されるベルト式無段変速機を搭載したエンジン車に適用する例を示した。しかし、本発明の制御装置は、バリエータのみによるベルト式無段変速機に限らず、副変速機付きベルト式無段変速機を搭載した車両に適用しても良い。そして、副変速機付きベルト式無段変速機の場合、セレクトクラッチは、2速以上を達成する副変速機に設けられる変速要素(摩擦締結要素)とする。適用される車両としても、エンジン車に限らず、走行用駆動源にエンジンとモータを搭載したハイブリッド車、走行用駆動源にモータを搭載した電気自動車等に対しても適用できる。
1 エンジン(走行用駆動源)
CVT ベルト式無段変速機
2 トルクコンバータ
20 ロックアップクラッチ
3 前後進切替機構
31 前進クラッチ(セレクトクラッチ)
32 後退ブレーキ(セレクトクラッチ)
4 バリエータ
44 プーリベルト(ベルト)
5 終減速機構
6 駆動輪
7 油圧制御ユニット
8 CVTコントロールユニット
8a ベルト保護制御部
CVT ベルト式無段変速機
2 トルクコンバータ
20 ロックアップクラッチ
3 前後進切替機構
31 前進クラッチ(セレクトクラッチ)
32 後退ブレーキ(セレクトクラッチ)
4 バリエータ
44 プーリベルト(ベルト)
5 終減速機構
6 駆動輪
7 油圧制御ユニット
8 CVTコントロールユニット
8a ベルト保護制御部
Claims (5)
- 走行用駆動源と駆動輪との間に配されるトルクコンバータ及びバリエータと、
前記トルクコンバータに有し、締結によりトルクコンバータ入出力軸を直結するロックアップクラッチと、
前記バリエータに有し、走行レンジの選択により締結されるセレクトクラッチと、
を備えるベルト式無段変速機において、
前記バリエータのベルトが滑りそうなときにヒューズクラッチの容量を下げ、先にヒューズクラッチを滑らせることでベルト滑りを抑えるベルト保護制御部を設け、
前記ベルト保護制御部は、運転シーンによって前記ロックアップクラッチと前記セレクトクラッチのうち一方のクラッチを選択し、選択したクラッチを前記ヒューズクラッチとして用いる
ことを特徴とするベルト式無段変速機の制御装置。 - 請求項1に記載されたベルト式無段変速機の制御装置において、
前記ベルト保護制御部は、前記ロックアップクラッチを締結しているロックアップ締結運転シーンか解放しているロックアップ解放運転シーンかを判断し、
前記ロックアップ解放運転シーンと判断された場合、前記ヒューズクラッチとして前記セレクトクラッチを用いる
ことを特徴とするベルト式無段変速機の制御装置。 - 請求項2に記載されたベルト式無段変速機の制御装置において、
前記ベルト保護制御部は、前記ロックアップ締結運転シーンと判断された場合、イナーシャトルク予想値が所定のトルク閾値以下である否かを判断し、
前記イナーシャトルク予想値がトルク閾値を超える運転シーンであると判断された場合、前記ヒューズクラッチとして前記セレクトクラッチを用いる
ことを特徴とするベルト式無段変速機の制御装置。 - 請求項3に記載されたベルト式無段変速機の制御装置において、
前記ベルト保護制御部は、前記イナーシャトルク予想値が前記トルク閾値以下の運転シーンであると判断された場合、前記ロックアップクラッチが多板クラッチか単板クラッチかを判断し、
前記多板クラッチを用いる運転シーンと判断された場合、前記ヒューズクラッチとして前記ロックアップクラッチを用いる
ことを特徴とするベルト式無段変速機の制御装置。 - 請求項4に記載されたベルト式無段変速機の制御装置において、
前記ベルト保護制御部は、前記ロックアップクラッチが単板クラッチを用いる運転シーンと判断された場合、ベルト保護制御における前記トルクコンバータの速度比を予測し、
前記速度比が速度比閾値以下の領域による運転シーンと判断された場合、前記ヒューズクラッチとして前記ロックアップクラッチを用い、
前記速度比が速度比閾値を超える領域による運転シーンと判断された場合、前記ヒューズクラッチとして前記セレクトクラッチを用いる
ことを特徴とするベルト式無段変速機の制御装置。
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2018
- 2018-01-16 JP JP2018004622A patent/JP2019124276A/ja active Pending
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