JP2019124128A - 内燃機関 - Google Patents

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光彰 大友
宮川 浩
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Abstract

【課題】燃料ガスを燃焼室に導入する内燃機関において、より好適に成層分布を形成する。【解決手段】エンジン10aが有するピストン30には、その上面であるピストンヘッドにキャビティ32が設けられる。キャビティ内側面36とキャビティ底面38との成す角が略直角以下となっている。また、エンジン10aにおいては、吸気口18からキャビティ32に向けて燃料ガスを導入可能となっている。吸気口18から導入された燃料ガスは、キャビティ内側面36により水平方向への拡散が抑制されつつ、キャビティ底面38に当たってその流れ方向が上向きとなる。これにより、キャビティ32の上方に位置した点火プラグ28を含む、燃焼室14内の一定領域に可燃層40が形成され、その余の領域において希薄層42が形成される。【選択図】図1

Description

本発明は、燃料ガスを燃焼室に導入する内燃機関に関し、特に、成層分布を形成して燃焼を行う内燃機関に関する。
従来、燃焼室内に燃料を直接噴射する燃料直接噴射式の内燃機関が知られている。特に、燃費を向上させるなどの目的から、燃焼室内において燃料濃度の濃い層である可燃層と燃料濃度の薄い層である希薄層とからなる成層分布を形成する内燃機関が知られている。
例えば、特許文献1及び2には、燃焼室上部中央から燃焼室内に燃料ガス(燃料と空気などとの混合ガス)を噴射し、燃料ガスをピストンの上面中央部に形成されたキャビティで受けることにより成層分布を形成する技術が開示されている。
また、特許文献3には、液体燃料を燃焼室に直接噴霧する内燃機関であって、燃料噴霧口と点火プラグの位置をそれぞれ焦点とする楕円形に沿って、ピストンの上面に凹部(キャビティ)が形成された内燃機関が開示されている。当該内燃機関においては、ピストンの凹部に向けて液体燃料が噴霧され、当該凹部によって液体燃料を巻き上げて点火プラグへ向けている。
特開2004−263570号公報 特開昭63−109279号公報 特開2003−113717号公報
例えば特許文献1あるいは特許文献2のように、燃焼室の中心部において可燃層を形成する場合、周囲に燃料ガスが拡散しやすく、狙いとする位置に可燃層を形成することが難しくなる場合があった。
また、液体燃料を噴霧する場合においては、例えば特許文献3のようにピストンに形成されたキャビティを利用して液体燃料を点火プラグへ向けて巻き上げることも可能である。しかしながら、燃料ガスは液体燃料に比して拡散しやすいため、燃料ガスを導入する場合においては、燃料導入口と点火プラグの位置をそれぞれ焦点とする楕円形に沿ってピストンの上面にキャビティを形成した場合、当該キャビティに燃料ガスを導入したとしても、燃料ガスが拡散してしまい、点火プラグ周辺に好適に可燃層を形成することができない場合があった。すなわち、液体燃料を点火プラグへ巻き上げる構造をそのまま燃料ガスを導入する内燃構造に適用しても、好適に成層分布を形成できない場合があった。
本発明の目的は、燃料ガスを燃焼室に導入する内燃機関において、より好適に成層分布を形成することにある。
本発明は、ピストンの上面に形成されたキャビティであって、前記キャビティの開口面の重心位置が前記ピストンの上面の中心からオフセットした位置に形成されるキャビティと、指向性をもって燃料ガスを燃焼室に導入する燃料ガス導入部であって、前記キャビティに向けて前記燃料ガスを導入する燃料ガス導入部と、前記キャビティの上方に位置する点火プラグと、を備え、前記キャビティの底面と前記キャビティの内側面との成す角が略直角以下である、ことを特徴とする内燃機関である。
望ましくは、前記燃料ガス導入部の前記燃料ガスの導入方向と、前記ピストンの往復運動方向が一致する、ことを特徴とする。
望ましくは、前記燃料ガス導入部の導入方向の中心軸上に前記キャビティの開口面の重心位置がある、ことを特徴とする。
望ましくは、前記キャビティの開口面は、前記ピストンの径方向である長手方向の長さよりも、前記径方向に直交する水平方向である短手方向の長さの方が短い細長形状である、ことを特徴とする。
望ましくは、前記燃料ガス導入部の導入方向の中心軸と前記キャビティの開口面との交点が、前記キャビティの開口面の短手方向の中央に位置する、ことを特徴とする。
望ましくは、前記交点と、前記交点から前記ピストンの上面の中心へ向かう方向にある前記キャビティの開口端との間の長さよりも、前記交点と、前記交点から前記短手方向へ向かう方向にある前記キャビティの開口端との間の長さの方が短い、ことを特徴とする。
望ましくは、前記キャビティは、前記ピストンの上面の径方向外側に向けて開放している、ことを特徴とする。
望ましくは、前記キャビティの開口面の短手方向の長さは、前記交点の位置における長さが最大である、ことを特徴とする。
望ましくは、前記交点と、前記交点から前記短手方向へ向かう方向にある前記キャビティの開口端との間の長さは、前記燃料ガス導入部の導入口の半径よりも長い、ことを特徴とする。
本発明によれば、燃料ガスを燃焼室に導入する内燃機関において、より好適に成層分布を形成することができる。
本実施形態に係る第1の例のエンジンの側面断面図である。 第1の例において成層分布が形成される様子を示す図である。 本実施形態に係る第2の例のエンジンの側面断面図である。 第2の例において成層分布が形成される様子を示す図である。 本実施形態に係る第3及び第4の例のエンジンの側面断面図である。 キャビティの形状を示す図である。 燃料ガスがキャビティの短手方向に拡散することが抑制された様子を示す図である。 キャビティの変形例を示す図である。 燃料ガスがシリンダの内壁に沿って拡散することが抑制された様子を示す図である。 キャビティの開口面の短手方向の長さと吸気口の半径との比較を示す図である。 キャビティの開口面の短手方向の長さとインジェクタの噴射口の半径との比較を示す図である。 キャビティ内側面の変形例を示す図である。 ピストンヘッドのうち非キャビティ部分の変形例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る内燃機関の第1の例であるエンジン10aの側面断面図である。本実施形態に係るエンジン10aは、吸気ポートなどで燃料と空気などを混合したガスを燃焼室に導入するエンジンであり、自動車などの車両に搭載されるものである。エンジン10aは、複数のシリンダ12を有していてよいが、図1にはそのうち1つのシリンダ12が示されている。
シリンダ12は、円筒形状の部材であり、内部にピストン30(後述)が配置される。シリンダ12の内部空間であって、ピストン30よりも上側の空間が燃焼室14となっている。なお、本明細書において「上側」とは、シリンダ12の延伸方向であって、後述の吸気口18、排気口24、あるいは点火プラグ28が位置する側を意味する。
吸気ダクト16は、ガソリンなどの燃料と、空気などのガスとが混合された燃料ガスが流通するダクトである。本実施形態では、吸気ダクト16は、シリンダ12の上部であって図1における右側に接続される。吸気ダクト16と燃焼室14との境界面が吸気口18となる。
吸気弁20は、メカ制御により動作することで、吸気口18を開閉する弁である。吸気弁20により吸気口18が開状態となることで、燃料ガスが吸気口18から燃焼室14内へ導入される。特に、本実施形態における吸気弁20は、指向性を持って、吸気口18から燃焼室14内へ燃料ガスを導入可能な形状となっている。図1においては、吸気口18からの燃料ガスの導入方向の中心軸が軸Aで示されている。本例では、軸Aはシリンダ12の延伸方向(つまり後述のピストン30の往復運動方向)とは異なる方向となっており、具体的には燃料ガスは図1において左下方向に導入されるようになっている。以上のように、吸気口18及び吸気弁20は燃料ガス導入部として機能する。
また、図1には図示されていないが、シリンダ12の上部には、空気あるいは排気ガスなどの希薄ガスが流通する第2の吸気ダクトが接続される。また、第2の吸気ダクトと燃焼室14との境界面である第2の吸気口を開閉する第2の吸気弁が設けられる。エンジン10aの吸気行程において、先に第2の吸気ダクトから希薄ガスが燃焼室14内へ導入され、その後、吸気ダクト16から燃料ガスが指向性を持って燃焼室14内へ導入される。
排気ダクト22は、燃焼室14からの排気ガスが流通するダクトである。本実施形態では、排気ダクト22は、シリンダ12の上部であって図1における左側に接続される。排気ダクト22と燃焼室14との境界面が排気口24となる。排気弁26は、メカ制御により動作することで、排気口24を開閉する弁である。排気弁26により排気口24が開状態となることで、排気ガスが排気ダクト22から燃焼室14外へ排出される。
点火プラグ28は、中心電極(プラス極)と接地電極(マイナス極)を有し、両極間で空中放電を起こすことで火花を発生するものである。これにより、エンジン10aの燃焼行程において、燃料ガスを燃焼させる。本例では、点火プラグ28は、シリンダ12の上部であって図1における左側に設けられる。
ピストン30は、シリンダ12の内部に配置される円柱形状の部材である。すなわち、ピストン30は、平面視において円形となっている。ピストン30は、エンジン10aの1サイクル(吸気行程、圧縮行程、燃焼行程、排気行程)においてシリンダ12内を上下方向に往復運動する。図1においては、ピストン30の往復運動方向が軸Bで示されている。上述のように、本例においては、軸A(燃料ガスの導入方向)と軸Bの向きは一致していない。ピストン30には、不図示のクランクシャフトが接続されており、これによりピストン30の往復運動が回転運動に変換される。なお、ピストン30の位置はクランク角によって表される。例えば、上死点のクランク角は0度、下死点のクランク角は180度あるいは−180度である。
ピストン30の上面(以後「ピストンヘッド」と記載する)には、キャビティ(凹部)32が形成されている。特に、本実施形態におけるキャビティ32は、ピストンヘッドの中央に設けられるのではなく、ピストンヘッドの径方向にオフセットした位置に設けられる。すなわち、キャビティ32の開口面34の重心位置Cが、ピストンヘッドの中心Oからオフセットしている。なお、図1には、ピストンヘッドの中心Oを通り、ピストン30の往復運動方向に平行な軸であるピストン30の中心軸が軸Dで示されている。
エンジン10aでは、吸気口18から指向性を持って燃料ガスを導入可能となっているところ、燃料ガスがキャビティ32に向けて導入されるように、キャビティ32の位置が決定される。あるいは、キャビティ32の位置に応じて吸気口18の向きあるいは吸気弁20の形状(すなわち燃料ガスの導入方向)が調整されるようにしてもよい。本例では、燃料ガスは図1において左下方向に導入されるから、キャビティ32は、図1においてピストンヘッドの左側にオフセットして設けられている。
ピストン30は軸Bに沿って上下に往復運動するために、本例においては、エンジン10aの1サイクルのうち、吸気口18から燃料ガスが導入されるタイミング(本例ではクランク角が−90度〜から180度の間)でキャビティ32が軸A上に位置するようになっている。なお、図1においては、軸Aと開口面34との交点Eが示されている。本例では、交点Eと開口面34の重心位置Cとが一致していないが、交点Eと重心位置Cが一致していてもよい。
また、点火プラグ28とキャビティ32の位置関係に着目すると、キャビティ32は、点火プラグ28の下方に設けられる。換言すれば、点火プラグ28は、キャビティ32の上方に位置する。ここで、点火プラグ28の下方とは、点火プラグ28の真下のみならず、点火プラグ28よりも下側であって、真下を中心とする一定の範囲を含む概念である。同様に、キャビティ32の上方とは、キャビティ32の真上のみならず、キャビティ32よりも上側であって、真上を中心とする一定の範囲を含む概念である。
キャビティ32の開口面34は、ピストンヘッドの径方向(長手方向)におけるキャビティ32の開口端間の長さよりも、ピストンヘッドの径方向に直交する水平方向(短手方向)におけるキャビティ32の開口端間の長さが短い細長形状となっているのが好ましい。なお、本明細書において「水平方向」とは、上下方向(すなわちシリンダ12の延伸方向)に直交する方向を意味する。
キャビティ32は、キャビティ内側面36と、キャビティ底面38とを有する。本実施形態においては、キャビティ内側面36とキャビティ底面38との成す角が略直角以下となっている。ここで、略直角以下とは、厳格に90度以下を意味するものではない。後述のように、キャビティ内側面36とキャビティ底面38との成す角が略直角以下となることで、キャビティ32に向けて導入された燃料ガスの水平方向への拡散を抑止するところ、当該燃料ガスの拡散抑止力が発揮される程度の角以下であればよい。例えば、100度以下までは許容することができる。より燃料ガスの拡散を抑制する観点からは、キャビティ内側面36とキャビティ底面38との成す角が90度あるいはそれ以下であるのが望ましい。また、キャビティ内側面36の全周に渡って、キャビティ底面38との成す角が略直角以下であることが好ましい。
エンジン10aの構成概略は以上の通りである。以下、図2を参照しながら、エンジン10aにおける成層分布の形成について説明する。
図2(A)は、吸気口18から燃料ガスが導入されるタイミングにおける、吸気口18からの燃料ガスの導入方向とピストン30(特にキャビティ32)の位置関係を示す図である。上述のように、燃料ガスはキャビティ32に向かって導入される。図2(A)においては、吸気口18からの燃料ガスの導入方向が矢印d1で示されている。
吸気口18から導入された燃料ガスは、キャビティ底面38に当たることで、図2(A)の矢印d2に示されるように、その流れ方向が上方向となる。本例では、燃料ガスは吸気口18から左下方向に向けて導入されることから、特に、燃料ガスは、シリンダ12の左側の壁に近い方向に流される。このとき、キャビティ内側面36とキャビティ底面38との成す角が略直角以下であるから、キャビティ内側面36によって、流れ方向が上向きとなった燃料ガスの水平方向、特に、図2(A)において紙面奥方向及び紙面手前方向への拡散が好適に抑制される。
キャビティ32に向けて導入された燃料ガスが上述のように流れることから、図2(B)に示す通り、燃焼室14の左側領域において燃料濃度が高い可燃層40が形成される。可燃層40は、紙面奥方向及び紙面手前方向への拡散が抑制されている。また、燃焼室14の右側領域、あるいは、紙面奥方向及び紙面手前方向の領域において燃料濃度が低い希薄層42が形成される。このように、エンジン10aでは、燃焼室14内において成層分布が好適に形成される。
点火プラグ28がキャビティ32の上方に位置していることから、可燃層40は点火プラグ28を含む領域に形成される。したがって、ピストン30が上死点近傍に来たとき(図2(C)参照)に、点火プラグ28が可燃層40を燃焼させることができる。
図3は、本実施形態に係る内燃機関の第2の例であるエンジン10bの側面断面図である。エンジン10bは、第1の例であるエンジン10a(図1参照)に比して、燃料ガスの導入方向(軸Aの方向)、点火プラグ28の位置、及びキャビティ32の位置が異なる。その他の点についてはエンジン10aと同様であるため、同様の部分については同じ符号を付し、その説明は省略する。
エンジン10bにおいては、吸気口18が鉛直方向下方を向いており、吸気口18からの燃料ガスが鉛直方向下方に導入される。すなわち、軸Aが鉛直方向に伸びており、軸Aの延伸方向は、ピストン30の往復運動方向(すなわち軸Bの延伸方向)に一致する。なお、本例においては、軸Aと開口面34の交点Eと開口面34の重心位置Cは一致していない。
燃料ガスがキャビティ32に向けて導入されるように、キャビティ32の位置が決定されるから、本例では、キャビティ32は、開口面34の重心位置Cがピストンヘッドの中心Oから図3において右側にオフセットするように設けられている。
また、点火プラグ28は、キャビティ32の上方に設けられるから、本例では、点火プラグ28はシリンダ12の上部中央、好適には図3においてやや右寄りに設けられる。
エンジン10bの構成概略は以上の通りである。以下、図4を参照しながら、エンジン10bにおける成層分布の形成について説明する。
図4(A)においては、吸気口18からの燃料ガスの導入方向が矢印d3で示されている。上述のように、本例では、燃料ガスは鉛直方向下方に導入される。
吸気口18から導入された燃料ガスは、キャビティ底面38に当たることで、図4(A)の矢印d4に示されるように、その流れ方向が上方向となる。このとき、キャビティ内側面36とキャビティ底面38との成す角が略直角以下であるから、キャビティ内側面36によって、流れ方向が上向きとなった燃料ガスの水平方向、特に、図4(A)において紙面奥方向、紙面手前方向、及び左方向への拡散が好適に抑制される。
キャビティ32に向けて導入された燃料ガスが上述のように流れることから、図4(B)に示す通り、燃焼室14の右側領域において燃料濃度が高い可燃層40が形成される。可燃層40は、紙面奥方向及び紙面手前方向への拡散が抑制されている。また、燃焼室14の左側領域、あるいは、紙面奥方向及び紙面手前方向の領域において燃料濃度が低い希薄層42が形成される。このように、エンジン10bにおいても、燃焼室14内において成層分布が好適に形成される。
また、本例においても、点火プラグ28がキャビティ32の上方に位置していることから、可燃層40は点火プラグ28を含む領域に形成される。したがって、ピストン30が上死点近傍に来たとき(図4(C)参照)に、点火プラグ28が可燃層40を燃焼させることができる。
図5(A)は、本実施形態に係る内燃機関の第3の例であるエンジン10cの側面断面図である。エンジン10cは、第2の例であるエンジン10b(図3参照)に比して、軸Aと重心位置Cの位置関係が異なるのみであり、その他の点についてはエンジン10bと同様であるため、同様の部分については同じ符号を付し、その説明は省略する。
エンジン10cにおいては、開口面34の重心位置Cが軸A上にある。これにより、吸気口18からの燃料ガスは、キャビティ32の開口面34の重心位置Cに向けて導入されることになり、第2の例に比してより燃料ガスの水平方向への拡散を抑制することができる。
図5(B)は、本実施形態に係る内燃機関の第4の例であるエンジン10dの側面断面図である。エンジン10dは、第2の例であるエンジン10b(図3参照)に比して、軸Aの向きが異なるのみであり、その他の点についてはエンジン10bと同様であるため、同様の部分については同じ符号を付し、その説明は省略する。
エンジン10dのように、吸気口18とキャビティ32とが共に図5(B)における右側に配置されている場合であっても、必ずしも軸Aの延伸方向と軸Bの延伸方向とが一致していなくてもよい。
以下、キャビティ32の形状について詳細に説明する。なお、以下に説明するキャビティ32の形状に関する特徴は、上述のエンジン10a〜dのいずれにも当てはまるものである。
図6(A)は、ピストン30の側面断面図であり、図6(B)はピストン30の平面図である。上述の通り、キャビティ32の開口面34は細長形状となっているが、本実施形態では、キャビティ32の開口面34は、図6(B)に示される通り、平面視で楕円形状となっている。なお、キャビティ32の形状としてはこれに限られず、例えば平面視で略長方形形状であってもよい。
図6(B)には、軸Aとキャビティ32の開口面34との交点Eが示されている。交点Eは、開口面34の短手方向の中央に位置している。つまり、図6(B)におけるa1とa2の長さが同じとなっている。これにより、燃料ガスは、開口面34の短手方向中央に導入されることになり、開口面34の短手方向側における燃料ガスの拡散を均等に抑制することができる。
また、交点Eと、交点Eからピストンヘッドの中心Oへ向かう方向にあるキャビティ32の開口端との間の長さ(図6(B)におけるb)よりも、交点Eと、交点Eから開口面34の短手方向にあるキャビティ32の開口端との間の長さ(図6(B)におけるa1又はa2)の方が短くなっている。これにより、図7に示す通り、キャビティ底面38に当たった燃料ガスが、交点Eから開口面34の短手方向側へ拡散することをより好適に抑制でき、すなわち可燃層40の短手方向側への拡散をより抑制することができる。
また、ピストンヘッドの中心Oから開口面34の重心位置C(図6(B)においては交点Eと重心位置Cが一致している)までの距離が、ピストン30の半径の1/4よりも大きくなっているのが好ましい。これにより、キャビティ32が、よりピストン30の径方向外側へ位置することになり、より可燃層40を燃焼室14の周縁部に形成することができる。
キャビティ32の深さとしては、キャビティ32内に流入した燃料ガスの水平方向の拡散を抑制する観点からは深い方が好ましい。例えば、キャビティ32の深さは5mm以上であるのが望ましい。
図8には、ピストン30(キャビティ32)の変形例が示されている。図8(A)は、変形例に係るピストン30aの側面断面図であり、図8(B)は変形例に係るピストン30aの平面図である。
キャビティ32aは、図6に示したキャビティ32と同様細長形状を有しているが、キャビティ32aは、ピストンヘッドの径方向外側に向けて開放している。キャビティ32aのように、ピストンヘッドの径方向外側が開放している場合であっても、燃料ガスがキャビティ32に向けて導入された場合、開放端側に流れた燃料ガスは、シリンダ12の内壁に当たって上側に流れる。したがって、図4と同様に、燃焼室14内において好適に成層分布を形成することができる。
また、キャビティ32aの開口面34aの短手方向の長さは、交点Eの位置における長さ(図8(A)におけるa)が最大となっている。開放端側において開口面34aの短手方向の長さが長くなっている場合(例えば開口面34aの短手方向の長さが開放端側に向かって末広がりに長くなっている場合)には、開放端側に流れる燃料ガスの量が多くなる。これにより、開放端側からシリンダ12の内壁に沿って、燃料ガスがシリンダ12(ピストン30)の周方向側に流れてしまうおそれがある。したがって、開口面34aの短手方向の長さを、交点Eの位置における長さが最大とすることで、図9に示す通り、キャビティ32aの開放端からシリンダ12の内壁に沿ってシリンダ12の周方向側に燃料ガス(可燃層40)が拡散することをより好適に抑制することができる。
図10は、キャビティ32の開口面34の短手方向の長さと吸気口18の半径との関係を示す図である。図10(A)には再度エンジン10cの側面断面図が示され、図10(B)には再度ピストン30の平面図が示されている。
本実施形態においては、交点Eと、交点Eから開口面34の短手方向にあるキャビティ32の開口端との間の長さ(図10(B)におけるa)は、吸気口18、つまり燃料ガスの導入口の半径(図10(A)におけるc)よりも長くなっている。本実施形態においては、長さaは吸気口18の半径cの1.2倍となっている。吸気口18から導入された燃料ガスは、軸Aから少しずつ拡がりながら進んでいく。そのため、吸気口18の半径cよりも長さaの方向を大きくしておくことで、燃料ガスを全てキャビティ32内に導入することができる。これにより、好適に成層分布を形成することができる。
また、燃料ガス導入部としては、吸気口18と吸気弁20との組合せに代えて、図11に示すように、燃料ガスを噴射するガスインジェクタ50を用いるようにしてもよい。その場合においては、交点Eと、交点Eから開口面34の短手方向にあるキャビティ32の開口端との間の長さ(図11(B)におけるa)は、ガスインジェクタ50の噴射口の半径(図11(A)におけるc’)よりも長くする。これにより、燃料ガス導入部としてガスインジェクタ50を用いた場合であっても、燃料ガスを全てキャビティ32内に導入することができ、好適に成層分布を形成することができる。
図12には、ピストン30の側面断面図であって、キャビティ32の変形例、特にキャビティ内側面36の変形例が示されている。上述のように、キャビティ内側面36とキャビティ底面38との成す角は略直角以下となっているが、キャビティ内側面36が複数の面から構成される場合、当該複数の面のうちの1つの面とキャビティ底面38との成す角が略直角以下であればよい。あるいは、キャビティ内側面36が曲面である場合、当該曲面の一部とキャビティ底面38との成す角が略直角以下であればよい。
図12(A)に示されたキャビティ32bにおいては、キャビティ内側面36は、垂直壁36aと、キャビティ32bの開口部に設けられる斜面36bとから構成されている。つまり、キャビティ32bにおいては開口部に面取りが設けられている。この場合、斜面36bとキャビティ底面38とが成す角が略直角以上であったとしても、垂直壁36aとキャビティ底面38とが略直角以下であればよい。
図12(B)に示されたキャビティ32cにおいては、キャビティ内側面36は、垂直壁36aと、底面との接続部に設けられた丸み36cとから構成されている。この場合、丸み36cの一部とキャビティ底面38とが成す角が略直角以上であったとしても、垂直壁36aとキャビティ底面38とが略直角以下であればよい。
図12(C)に示されたキャビティ32dにおいては、キャビティ内側面36は、曲面36dにより構成されている。当該曲面36dは、キャビティ32dの高さ方向の中央部が内側に迫り出した形状となっている。この場合、曲面36dの一部である上側部分36d1とキャビティ底面38とが成す角が略直角以上であったとしても、曲面36dの一部である下側部分36d2とキャビティ底面38とが略直角以下であればよい。
図12(D)に示されたキャビティ32eにおいては、キャビティ内側面36は、下側側面36e及び上側側面36fの2つの面により構成されている。この場合、下側側面36eとキャビティ底面38とが成す角が略直角以上であったとしても、上側側面36fとキャビティ底面38とが略直角以下であればよい。
図13は、ピストン30の側面断面図であって、ピストンヘッドのうちキャビティ32の開口面34以外の部分である非キャビティ部分の変形例が示されている。
図13(A)に示されたピストン30bにおいては、非キャビティ部分は斜面60となっている。具体的には、斜面60は、上側及びピストンヘッドの径方向外側を向いた斜面である。このように、非キャビティ部分は、軸B(ピストン30の往復運動方向)に必ずしも直交している必要は無い。ピストン30bによれば、斜面60によって形成されるスキッシュ流を最適化し、より成層分布を形成しやすくすることができる。
図13(B)に示されたピストン30cにおいては、非キャビティ部分にリセス(凹部)62が設けられている。リセス62により、ピストン30cと、排気弁26や点火プラグ28、あるいは吸気弁20との干渉を防止することができる。
以上、本発明に係る実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
10a〜d エンジン、12 シリンダ、14 燃焼室、16 吸気ダクト、18 吸気口、20 吸気弁、22 排気ダクト、24 排気口、26 排気弁、28 点火プラグ、30,30a〜c ピストン、32,32a〜e キャビティ、34,34a 開口面、36 キャビティ内側面、38 キャビティ底面、40 可燃層、42 希薄層、50 ガスインジェクタ、60 斜面、62 リセス。

Claims (9)

  1. ピストンの上面に形成されたキャビティであって、前記キャビティの開口面の重心位置が前記ピストンの上面の中心からオフセットした位置に形成されるキャビティと、
    指向性をもって燃料ガスを燃焼室に導入する燃料ガス導入部であって、前記キャビティに向けて前記燃料ガスを導入する燃料ガス導入部と、
    前記キャビティの上方に位置する点火プラグと、
    を備え、
    前記キャビティの底面と前記キャビティの内側面との成す角が略直角以下である、
    ことを特徴とする内燃機関。
  2. 前記燃料ガス導入部の前記燃料ガスの導入方向と、前記ピストンの往復運動方向が一致する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記燃料ガス導入部の導入方向の中心軸上に前記キャビティの開口面の重心位置がある、
    ことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関。
  4. 前記キャビティの開口面は、前記ピストンの径方向である長手方向の長さよりも、前記径方向に直交する水平方向である短手方向の長さの方が短い細長形状である、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の内燃機関。
  5. 前記燃料ガス導入部の導入方向の中心軸と前記キャビティの開口面との交点が、前記キャビティの開口面の短手方向の中央に位置する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の内燃機関。
  6. 前記交点と、前記交点から前記ピストンの上面の中心へ向かう方向にある前記キャビティの開口端との間の長さよりも、前記交点と、前記交点から前記短手方向へ向かう方向にある前記キャビティの開口端との間の長さの方が短い、
    ことを特徴とする請求項5に記載の内燃機関。
  7. 前記キャビティは、前記ピストンの上面の径方向外側に向けて開放している、
    ことを特徴とする請求項5に記載の内燃機関。
  8. 前記キャビティの開口面の短手方向の長さは、前記交点の位置における長さが最大である、
    ことを特徴とする請求項7に記載の内燃機関。
  9. 前記交点と、前記交点から前記短手方向へ向かう方向にある前記キャビティの開口端との間の長さは、前記燃料ガス導入部の導入口の半径よりも長い、
    ことを特徴とする請求項5に記載の内燃機関。
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