JP2019124045A - 複合材、構造物、及び、複合材の製造方法 - Google Patents

複合材、構造物、及び、複合材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ひび割れの発生を抑制することができる複合材を提供する。【解決手段】軸方向に引張外力を受ける内側軸材21と、内側軸材の外側を被覆する被覆材23と、内側軸材と被覆材との間に設けられて、内側軸材から被覆材への前記引張外力の伝達を抑制する引張外力低減材22と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、複合材、構造物、及び、複合材の製造方法に関する。
耐火性や意匠性の向上を目的として、軸材(内側軸材)の外側を被覆材で被覆する場合がある。例えば、特許文献1に記載の複合材は、金属等で作製された棒状体の外側をコンクリートで被覆している。
特開平6−136999号公報
上述したような複合材では、棒状体の外側を被覆材で直接被覆しているので、引張外力が作用して棒状体が軸方向に伸びる際に、被覆材にも引張応力が生じる。このため、被覆材にひび割れが生じるおそれがあった。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、ひび割れの発生を抑制することにある。
かかる目的を達成するため、本発明の複合材は軸方向に引張外力を受ける内側軸材と、前記内側軸材の外側を被覆する被覆材と、前記内側軸材と前記被覆材との間に設けられて、前記内側軸材から前記被覆材への前記引張外力の伝達を抑制する引張外力低減材と、を備えることを特徴とする。
このような複合材によれば、内側軸材に引張外力が作用することによる被覆材のひび割れの発生を抑制することができる。
かかる複合材であって、前記被覆材は、前記軸方向に複数回形成されており、隣接する前記被覆材の境界部分の外周には目地が設けられていることが望ましい。
このような複合材によれば、被覆材のひび割れを抑制でき、また、見た目を良くすることができる。
かかる複合材であって、前記引張外力低減材によって低減された前記引張外力が、前記被覆材の引張強度未満となるように、前記目地の間隔が設定されていることが望ましい。
このような複合材によれば、より確実にひび割れを抑制することができる。
かかる複合材であって、前記内側軸材と前記引張外力低減材との付着応力度、又は、前記引張外力低減材と前記被覆材との付着応力度の何れか低い方の値が小さいほど、前記目地の間隔が大きいことが望ましい。
このような複合材によれば、被覆材のひび割れを抑制しつつ、被覆材の形成長さを増大させることができる。
かかる複合材であって、前記内側軸材と前記引張外力低減材との付着応力度、又は、前記引張外力低減材と前記被覆材との付着応力度の何れか低い方の値が、0.02N/mm2以上、0.06N/mm2以下であることが望ましい。
このような複合材によれば、被覆材のひび割れを抑制しつつ、被覆材の形成長さを増大させることができる。
かかる複合材であって、前記被覆材の内部に、網目状部材が埋め込まれていることが望ましい。
このような複合材によれば、被覆材のひび割れをさらに抑制することができる。
また、かかる目的を達成するため、本発明の構造物は、上記の何れかに記載の複合材を柱に適用したことを特徴とする。
このような構造物によれば、鉛直方向の引張外力を受けることによる被覆材のひび割れを抑制することができる。
また、かかる目的を達成するため、本発明の構造物は、上記の何れかに記載の複合材を梁に適用したことを特徴とする。
このような構造物によれば、水平方向の引張外力を受けることによる被覆材のひび割れを抑制することができる。
また、かかる目的を達成するため、本発明の複合材の製造方法は、軸方向に引張外力を受ける内側軸材と、前記内側軸材の外側を被覆する被覆材と、前記内側軸材と前記被覆材との間に設けられて、前記内側軸材から前記被覆材への前記引張外力の伝達を抑制する引張外力低減材と、を備える複合材の製造方法であって、前記内側軸材を設置する工程と、前記内側軸材の外側に前記引張外力低減材を設ける工程と、前記引張外力低減材の外側に型枠を設置する工程と、前記引張外力低減材と前記型枠との間に、前記被覆材を打設する工程と、を有することを特徴とする。
このような複合材の製造方法によれば、内側軸材に引張外力が作用することによる被覆材のひび割れの発生を抑制することができる。
かかる複合材の製造方法であって、前記被覆材を打設する工程よりも前に、前記引張外力低減材と前記型枠との間の位置に、網目状部材を設置する工程をさらに有することが望ましい。
このような複合材の製造方法によれば、被覆材のひび割れをさらに抑制することができる。
本発明によれば、引張外力によるひび割れの発生を抑制することができる。
本実施形態にかかる柱20を用いた競技場1の模式図である。 図2Aは、図1のA−A断面図である。図2Bは、図2AのB−B断面図である。 本実施形態の柱20の製造方法を示すフロー図である。 図4A〜図4Fは、本実施形態の柱20の製造工程における状態を示す図である。 図5A及び図5Bは、打継ぎ目地間隔の評価結果を具体的に説明するための概念図である。 柱や梁に引張力が発生する場合の一例を示す説明図である。 図7Aは比較例の柱200の構成を示す図であり、図7Bは柱200に軸方向の引張外力が作用した場合の図であり、図7Cは、柱200の被覆材23が乾燥収縮した場合の図である。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。以下の実施形態では、競技場の屋根を支持する柱に本発明を適用した場合について説明する。
===実施形態===
<<全体構成について>>
図1は、本実施形態にかかる柱20を用いた競技場1の模式図である。また、図2Aは、図1のA−A断面図であり、図2Bは、図2AのB−B断面図である。
図1に示す競技場1は、競技フィールド3と、競技フィール3を囲むスタンド5と、屋根10と、柱20と、下部構造30とを備えている。
屋根10は、スタンド5のうちの所定範囲を覆う大規模な屋根である。
下部構造30は、施設の基礎やスタンド5等の下部を構成する部位であり、コンクリート(土間コンクリート)等で形成されている。
柱20は、下部構造30に立設されて屋根10を支持する構造物である。柱20は、競技場1のスタンド5の外側に複数設けられている。本実施形態の柱20の構成については後述する。
図2Aに示すように、柱20は、屋根10に対して偏った位置に設けられている。具体的には、柱20は、屋根10の外周部分(外側端)に近い位置に設けられており、屋根10を片持ち状に支持している。このため、例えば、屋根10の上に雪が積もると、積雪荷重faによって柱20に引張力fb(引張外力)が作用する。本実施形態では、このような引張外力による柱20の不具合(具体的にはひび割れ)の発生の抑制を図っている。また、乾燥収縮によるひび割れの抑制も図っている。本実施形態の柱20について説明する前に、まず、比較例について説明する。
<比較例>
図7Aは比較例の柱200の構成を示す図であり、図7Bは柱200に軸方向の引張外力が作用した場合の図であり、図7Cは、柱200の被覆材23が乾燥収縮した場合の図である。
図7Aに示すように、比較例の柱200は、軸材21と被覆材23を備えている。
軸材21は、内部が中空で断面円形の鋼製の管状部材(円形鋼管)である。
被覆材23は、コンクリートで形成されており、軸材21の外側を直接被覆している。軸材21を被覆材23で被覆することにより、耐火性の向上を図ることができる。また、型枠の内面形状によって被覆材23の表面に模様を設けることが容易であり意匠性の向上を図ることができる。
図7Bに示すように、軸材21の軸方向に引張外力が作用した場合、軸材21が軸方向に延びることになる。しかし、比較例の柱200では、軸材21の外側を被覆材23(コンクリート)で直接被覆しているため、軸材21の伸びに被覆材23が追従できなくなり、被覆材23に水平方向のひび割れが発生するおそれがある。
また、図7Cに示すように、被覆材23が経年の乾燥収縮を受ける場合、被覆材23は柱200の中心に向かって縮もうとし(図中に示す白色矢印)、その反作用で被覆材23は軸材21から黒色矢印の力を受ける。これにより、被覆材23に鉛直方向に沿ったひび割れが発生するおそれもある。
このように、比較例の柱200は、軸材21の外側を被覆材23で直接被覆している。この場合、引張外力等によって被覆材23にひび割れの発生するおそれがある。なお、被覆材23の形成時に打ち込み長さを短くすれば、軸材21との拘束力を小さくでき、ひび割れの発生を抑制できるが、この場合、打継ぎ目地が多くなり耐久性や意匠性に問題がある。
<本実施形態の柱20の構成について>
本実施形態の柱20は、図2Bに示すように、軸材21(内側軸材に相当)と、緩衝材22(引張外力低減材に相当)と、被覆材23と、ワイヤーメッシュ24(網目状部材に相当)とを備えている。
軸材21は、比較例と同じ鋼製の管状部材である。本実施形態の軸材21は、直径φが600mmの円形鋼管である。また、被覆材23も比較例と同様にコンクリートで形成されており、被覆材23の被覆厚さtは75mmである。ただし、本実施形態では、被覆材23と軸材21の間に緩衝材22が設けられている。
緩衝材22は、軸材21と被覆材23の間に配置されている。緩衝材22としては、被覆材23(コンクリート)よりも剛性が低く、ある程度厚みのあるものがよい。本実施形態では、緩衝材22として、プラスチック(ポリプロピレン)樹脂をダンボールと同じ中空形状に成型したプラスチック製ダンボールを用いている。なお、緩衝材22(プラスチック製ダンボール)の厚さdは2.5mmである。
このように、本実施形態では、軸材21と被覆材23の間に緩衝材22を設け、軸材21と被覆材23の縁を切るようにしている。これにより、軸材21に引張外力が作用する場合(図7B参照)に、被覆材23に伝達される引張外力を緩衝材22によって低減することができ、被覆材23のひび割れを抑制することができる。また、緩衝材22を適度の厚さに形成することで、被覆材23が乾燥収縮する場合(図7C参照)も、軸材21から被覆材23への応力伝達を遮断することができ、被覆材23のひび割れを抑制することができる。また、緩衝材22を設けることにより、被覆材23の打ち込み長さ(打継ぎ目地間隔)を増大することができる(後述の実施例参照)。
ワイヤーメッシュ24は、金属製の網目状部材であり、被覆材23の内部に埋設されている。被覆材23内にワイヤーメッシュ24を埋め込むことにより、被覆材23を補強することができ、被覆材23のひび割れをさらに抑制することができる。
なお、図2Aに示すように、軸材21は屋根10の上端まで形成されており、被覆材23(及び、緩衝材22、ワイヤーメッシュ24)は、屋根10の下端より下側に形成されている(柱20の露出部分を被覆している)。
<<柱20の製造方法について>>
以下、図面を参照しつつ、本実施形態の柱20の製造方法について説明する。
図3は、本実施形態の柱20の製造方法を示すフロー図である。また、図4A〜図4Fは、本実施形態の柱20の製造工程における状態を示す図である。各図の左側は斜視図であり、右側は水平断面図である。
まず、図4Aに示すように、軸材21(鋼管)を設置する(図3:S101)。本実施形態では、下部構造30上に、軸方向が鉛直方向に沿うように軸材21を立設する。
次に、図4Bに示すように、軸材21の外周面に緩衝材22を巻きつける(図3:S102)。巻き付けた緩衝材22は、番線やガムテーブなどで固定する。さらに、図4Cに示すように、緩衝材22の外側(緩衝材22の外面と、後で設置される型枠25の内面との間のほぼ中間の位置)にワイヤーメッシュ24を設置する(図3:S103)。
次に、図4Dに示すように、軸材21及び緩衝材22を囲むように、外側に型枠25を組立て(図3:S104)、図4Eに示すように、緩衝材22と型枠25との間に被覆材23(コンクリート)を打設する(図3:S105)。
そして、被覆材23が硬化した後、図4Fに示すように、型枠25を脱型する(図3:S106)。
なお、後述するように、被覆材23の打ち込み長さは予め定められており、必要に応じて被覆材23の打継ぎを行う。すなわち、鉛直方向(柱20の軸方向)に被覆材23を複数回形成する。
以上、説明したように、本実施形態の柱20は、軸方向に引張外力を受ける軸材21と、軸材21の外側を被覆する被覆材23と、軸材21と被覆材23との間に設けられて、軸材21から被覆材23への引張外力の伝達を抑制する緩衝材22と、を備えている。これにより、軸材21に引張外力が作用することによる被覆材23のひび割れの発生を抑制することができる。
===実施例===
軸材と被覆材との間に緩衝材を挿入することによる評価(付着応力度及び打継ぎ目地間隔の評価)を行った。
<付着応力度>
(試験体及び試験方法)
軸材として直径25mmの中実丸棒(丸鋼)を用いて、被覆材(コンクリート)との間に挿入する緩衝材の条件を変えた試験体を作製した。そして、各試験体において、軸材(丸鋼)を引っ張り、付着強度試験(引張試験)を実施した。緩衝材の水準を以下に示す。
・プラスチック製ダンボール(2.5mm)
・ポリエチレンシート(0.02mm、0.05mm、0.2mm)
・無し(比較例)
なお、コンクリートは、実現場で使用予定の調合に合わせたもの(設計基準強度36N/mm2)を使用した。
試験方法は、「引抜き試験による鉄筋とコンクリートとの付着強度試験(案)(JSCE−G503−2007)」に準拠して実施した。
(試験結果)
付着応力度試験結果を表1に示す。

ポリエチレンシートでは載荷と同時にすべりが発生した。厚さdの大きい(厚い)試験体ほど、付着応力度τが小さくなり、縁切り効果が高くなることが確認された。
プラスチック製ダンボールは、縁切り効果が最大となり、縁切りに特に良好である。
なお、緩衝材を設けた試験体における付着応力度τは、軸材と緩衝材との付着応力度と、緩衝材と被覆材との付着応力度の何れか低い方の値である。一方、緩衝材が無い試験体(比較例)の付着応力度τは、軸材と被覆材(コンクリート)との値である。
<打継ぎ目地間隔の評価>
コンクリートの打ち込み長さ(高さ)が大きいほど、軸材との拘束力が大きくなり、ひび割れが発生しやすくなる。このため、コンクリートに作用する力(軸材から緩衝材を介して伝達される引張外力)が、コンクリートの耐力(引張強度)よりも小さくなるように打ち込み長さを設定することが必要である。そこで、上記の付着応力度の結果を用いて、コンクリートの打継ぎ目地(目地に相当)の間隔の評価を行った。なお、打継ぎ目地は、コンクリートの継ぎ目(境界)部分の外周に形成する溝状の部位であり(図5参照)、溝内にはシーリング材等が配置される。このような打継ぎ目地を形成することで、見た目を良くすることができる。
まず、高さh(図5参照)におけるコンクリート(被覆材23)に実際かかる力(引張荷重Ph)は式(1)で表される。
h=φ×π×h×τ ・・・(1)
ここに、φ:軸材の径(mm)
h:被覆材の打継高さ(mm)
τ:付着応力度(N/mm2
次に、被覆材の引っ張り耐力Pcは以下の式(2)で表される。
c=φ×π×t×ft ・・・(2)
ここに、t:被覆材の厚さ(mm)
t:被覆材の引張強度(N/mm2
なお、被覆材の引張強度ftは、以下の実験式によって求められる。
t=0.269fc 2/3 ・・・(3)
cはコンクリートの設計基準強度(圧縮強度)であり、上述したように本実施例では36(N/mm2)である。よって、この値を式(3)のfcに代入すると、
t=0.269×362/3=2.93 ・・・(4)
となる。
hとPcの力の釣り合いから、式(1)と式(2)は次のように変形できる。
φ×π×h×τ=φ×π×t×ft
h=t×ft/τ ・・・(5)
ここでt=75mm、ft=2.93を式(5)に代入すると、
h=75×2.93/τ=219.8/τ ・・・(6)
となる。
本実施例では、安全側評価となるように式(6)を1.5で除して評価することとした。
すなわち、次式(7)にて評価した。
h=219.8/1.5τ ・・・(7)
緩衝材として、厚さが2.5mmのプラスチック製ダンボールを用いた場合、τ=0.02(表1参照)なので式(7)より、h=7327(mm)となる。
また、緩衝材として、厚さが0.2mmのポリエチレンシートを用いた場合、τ=0.06(表1参照)なので式(7)より、h=2442(mm)となる。
また、緩衝材を使用しない場合、τ=1.21(表1参照)なので式(7)より、h=181.6(mm)となる。
コンクリートの打ち込み長さ(打継高さ)hを、算出した値より小さく設定すれば、コンクリートに作用する引張外力(緩衝材によって低減された引張外力)が、コンクリートの引張強度未満となる。これにより、引張外力によるコンクリートのひび割れを抑制できる。
上記のように、緩衝材を使用しない場合(比較例)では、コンクリートの打ち込み長さhの値が非常に小さい(約18cm)。このため、コンクリートの打設回数が多くなり、打継ぎ目地が多くなる。例えば、高さ14mの柱を形成する場合、コンクリートの打ち込み回数は78回になる。これに対し、緩衝材を設けると、コンクリートの打ち込み長さh(打継ぎ目地間隔)を増大でき、打継ぎ目地の数を少なくすることができる。
図5A及び図5Bは、打継ぎ目地間隔の評価結果を具体的に説明するための概念図である。図5Aは、緩衝材として、ポリエチレンシート(厚さ2mm)を用いた場合の図であり、図5Bは、緩衝材として、プラスチック製ダンボールを用いた場合の図である。なお、この例における柱の高さは14mであり、コンクリート(被覆材23)の継ぎ目部分には、外周に溝状の打継ぎ目地40が形成されている。
緩衝材として、ポリエチレンシート(厚さ2mm)を用いた場合は、上記の結果よりコンクリートの打ち込み長さh(打継ぎ目地40の間隔)を約2.4mにできる。よって、高さ14mの柱を形成する場合、図5Aに示すように、コンクリートの打ち込み回数は6回(打継ぎ目地40の数が5個)になる。このように、緩衝材を使用しない場合と比べて、コンクリートの打ち込み回数(打継ぎ目地40の数)を大幅に減らすことができる。
また、緩衝材として、プラスチック製ダンボールを用いた場合は、コンクリートの打ち込み長さh(打継ぎ目地40の間隔)を約7.3mにできる。よって、高さ14mの柱を形成する場合、図5Bに示すように、コンクリートの打ち込み回数が2回(打継ぎ目地40の数が1個)になり、コンクリートの打ち込み回数(打継ぎ目地40の数)をさらに減らすことができる。また、プラスチック製ダンボールは、コンクリートの乾燥収縮によるひび割れ(図7C参照)にも対応できる。このように、プラスチック製ダンボールは緩衝材として特に効果的である。
なお、緩衝材は、上記のプラスチック製段ボールやポリエチレンシートには限られず、例えば、テフロン(登録商標)シートや、フッ素シートなどを用いてもよい。テフロン(登録商標)シートのような滑りが良い材料は、薄くても十分な縁切り効果を発揮できる。
以上の評価結果に基づいて、前述の実施形態において、軸材21を直径φが600mmの円形鋼管、緩衝材22として厚さdが25mmのプラスチック製ダンボールを使用し、被覆材23(コンクリート)の打ち込み長さを3m、形成厚さtを75mmとして柱20を作製した。その結果、軸材21の伸縮に伴う水平方向のひび割れや、被覆材23の乾燥収縮に伴う鉛直方向のひび割れも発生せず、ひび割れ抑制の効果が確認された。
===その他の実施形態について===
上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<適用対象について>
前述の実施形態では、競技場1の柱20に本発明を適用していたが、これには限られず、他の構造物に適用してもよい。例えば、建物の柱や梁に適用してもよい。
図6は、柱や梁に引張力が発生する場合の一例を示す説明図である。
図6に示す建物100は、鉛直方向に沿って立設された柱110と、水平方向に沿って設けられて柱110と接続された梁120を備えている。
ここで、例えば、地震が発生すると、建物100に地震力による荷重fcが作用する。この荷重fcにより、建物の柱110や梁120が図(黒色の矢印)に示すように伸縮する。これに伴い柱110や梁120に引張力が発生する。このような場合においても、柱110や梁120を、前述の実施形態の柱20と同様の構成にすることで、ひび割れの発生を抑制することができる。
<軸材21について>
前述の実施形態では、軸材21として中空の円形鋼管が用いられていたが、これには限られない。例えば、中実円形状のものでもよい。また、角形鋼管やH形鋼であってもよい。また、鋼以外の材料で形成されていてもよい。
<被覆材23について>
また、前述の実施形態では、被覆材23はコンクリートとしていたが、これには限られない。例えば、モルタル等のセメント系硬化体で被覆してもよい。また、セメント系硬化体以外の材料(例えば、プラスチックなどの樹脂材料や、セラミックなどの無機材料)であってもよい。
1 競技場
3 競技フィールド
5 スタンド
10 屋根
20 柱
21 軸材(内側軸材)
22 緩衝材(引張外力低減材)
23 被覆材
24 ワイヤーメッシュ(網目状部材)
30 下部構造
40 打継ぎ目地(目地)
100 建物
110 柱
120 梁
200 柱(比較例)

Claims (10)

  1. 軸方向に引張外力を受ける内側軸材と、
    前記内側軸材の外側を被覆する被覆材と、
    前記内側軸材と前記被覆材との間に設けられて、前記内側軸材から前記被覆材への前記引張外力の伝達を抑制する引張外力低減材と、
    を備えることを特徴とする複合材。
  2. 請求項1に記載の複合材であって、
    前記被覆材は、前記軸方向に複数回形成されており、
    隣接する前記被覆材の境界部分の外周には目地が設けられている、
    ことを特徴とする複合材。
  3. 請求項2に記載の複合材であって、
    前記引張外力低減材によって低減された前記引張外力が、前記被覆材の引張強度未満となるように、前記目地の間隔が設定されている、
    ことを特徴とする複合材。
  4. 請求項3に記載の複合材であって、
    前記内側軸材と前記引張外力低減材との付着応力度、又は、前記引張外力低減材と前記被覆材との付着応力度の何れか低い方の値が小さいほど、前記目地の間隔が大きい、
    ことを特徴とする複合材。
  5. 請求項4に記載の複合材であって、
    前記内側軸材と前記引張外力低減材との付着応力度、又は、前記引張外力低減材と前記被覆材との付着応力度の何れか低い方の値が、0.02N/mm2以上、0.06N/mm2以下である、
    ことを特徴とする複合材。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れかに記載の複合材であって、
    前記被覆材の内部に、網目状部材が埋め込まれている、
    ことを特徴とする複合材。
  7. 請求項1乃至請求項6の何れかに記載の複合材を柱に適用した、
    ことを特徴とする構造物。
  8. 請求項1乃至請求項6の何れかに記載の複合材を梁に適用した、
    ことを特徴とする構造物。
  9. 軸方向に引張外力を受ける内側軸材と、前記内側軸材の外側を被覆する被覆材と、前記内側軸材と前記被覆材との間に設けられて、前記内側軸材から前記被覆材への前記引張外力の伝達を抑制する引張外力低減材と、を備える複合材の製造方法であって、
    前記内側軸材を設置する工程と、
    前記内側軸材の外側に前記引張外力低減材を設ける工程と、
    前記引張外力低減材の外側に型枠を設置する工程と、
    前記引張外力低減材と前記型枠との間に、前記被覆材を打設する工程と、
    を有することを特徴とする複合材の製造方法。
  10. 請求項9に記載の複合材の製造方法であって、
    前記被覆材を打設する工程よりも前に、前記引張外力低減材と前記型枠との間の位置に、網目状部材を設置する工程をさらに有する、
    ことを特徴とする複合材の製造方法。
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